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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001988
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231228BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20231228BHJP
【FI】
A63F7/02 352F
G06Q20/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100889
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000137203
【氏名又は名称】株式会社マースエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 宣人
(72)【発明者】
【氏名】大澤 糧
【テーマコード(参考)】
2C088
5L055
【Fターム(参考)】
2C088BB27
2C088BB28
5L055AA15
(57)【要約】
【課題】遊技者が所有する価値を明確に管理する遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技システムにおいて、記録媒体発行手段は、遊技用有価価値に電子マネーを変換する取引を遊技者が携帯通信端末を用いてコード決済で行うときにコードを表示し、電子マネーから変換された遊技用有価価値に関する価値情報が紐付けられた記録媒体特定情報を記録した遊技用記録媒体を発行する。管理装置は、遊技用有価価値に変換したときに、電子マネーについて仮決済処理を実行する仮決済指令を電子マネーの大きさまたは価値情報と共に電子マネー決済サーバへ送信する。貸出手段は、遊技用記録媒体から特定される価値情報に基づいて、遊技媒体を貸し出す貸し出し処理を実行する。管理装置は、貸し出し情報に基づいて、仮決済処理が実行された電子マネーについて本決済処理を実行する本決済指令を、電子マネー決済サーバへ送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技機で遊技を行う遊技店で使用される遊技システムであって、
前記遊技で使用される遊技用有価価値に前記遊技者の電子マネーを変換する取引を前記遊技者が携帯通信端末を用いてコード決済で行うときに、前記コード決済のためのコードを表示し、前記コード決済によって前記電子マネーが前記遊技用有価価値に変換されたときに、当該変換された前記遊技用有価価値に関する価値情報が紐付けられた記録媒体特定情報を記録した遊技用記録媒体の発行を行うことが可能な記録媒体発行手段と、
前記記録媒体発行手段で発行された前記遊技用記録媒体を受け付ける遊技用記録媒体受付手段と、
当該受け付けた前記遊技用記録媒体に記録された前記記録媒体特定情報から特定される前記価値情報に基づいて、前記遊技機で使用する遊技媒体を貸し出すための貸し出し処理を実行する貸出手段と、
前記記録媒体発行手段が前記電子マネーを前記遊技用有価価値に変換したときに、前記電子マネーについて仮決済処理を実行するための仮決済指令を前記電子マネーの大きさ、または前記価値情報と共に電子マネー決済サーバへ送信することによって、前記電子マネー決済サーバに前記仮決済処理を実行させるように構成された管理装置と
を有し、
前記管理装置は、前記貸出手段において実行された前記貸し出し処理に関する貸し出し情報に基づいて、前記電子マネー決済サーバにおいて前記仮決済処理が実行された前記電子マネーについて本決済処理を実行するための本決済指令を、前記電子マネー決済サーバへ送信し、前記電子マネー決済サーバに前記本決済処理を実行させる、
遊技システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記価値情報において前記電子マネーから変換された前記遊技用有価価値が前記貸し出し処理の実施後にゼロになった場合、前記仮決済処理が実行された電子マネーを前記本決済処理として確定させるように、前記本決済指令を前記電子マネー決済サーバへ送信する、
請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記貸し出し処理の実施後に、前記記録媒体特定情報から特定される前記価値情報について精算する精算処理を実行することによって精算情報を得る精算手段
を有し、
前記管理装置は、前記精算情報において前記電子マネーから変換された前記遊技用有価価値が残存している場合、当該残存する前記遊技用有価価値の価値に相当する前記電子マネーの返却を実行させるように、前記精算情報を、前記貸し出し処理に関する前記貸し出し情報に基づく前記本決済指令と共に前記電子マネー決済サーバへ送信する、
請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記遊技店が閉店したことに基づいて行われる処理の時点で、前記精算処理が実行されずに、前記記録媒体特定情報から特定される前記価値情報に前記電子マネーから変換された前記遊技用有価価値が残存している場合、当該残存する前記遊技用有価価値に相当する前記電子マネーの返却を実行させるように、前記精算情報を前記価値情報と共に前記電子マネー決済サーバへ送信する、
請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記遊技店が閉店したことに基づいて行われる処理の時点で、前記精算処理が実行されずに、前記記録媒体特定情報から特定される前記価値情報に前記電子マネーから変換された前記遊技用有価価値が残存している場合、前記仮決済処理が実行された電子マネーを前記本決済処理として確定させるように、前記本決済指令を前記電子マネー決済サーバへ送信する、
請求項3に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記本決済指令の送信後に前記電子マネー決済サーバにおいて前記本決済処理が実行されたときであっても、前記本決済処理が行われた前記電子マネーに基づいた前記貸し出し処理の実行を許容するように構成されている、
請求項5に記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技機が設置された遊技店では、パチンコ玉などの遊技媒体を遊技者に貸し出し、その遊技媒体を用いて遊技者が遊技機で遊技を行う。
【0003】
遊技媒体の貸し出しは、例えば、遊技機に対応して遊技用装置として設置された台間機に遊技者が貨幣を投入し、その貨幣を変換した度数を用いて台間機が実行する。また、遊技店が遊技者に遊技用記録媒体として発行したICカードを台間機に挿入し、そのICカードに記録されたカードIDから特定される度数を用いて、遊技媒体の貸し出しが実行される。
【0004】
この他に、利便性の向上のために、スマートフォンを用いて遊技者の電子マネーを度数に変換し、その変換された度数を用いて遊技媒体の貸し出しを行うことが提案されている。ここでは、例えば、遊技店において表示されたコードを遊技者がスマートフォンで撮像する「ユーザースキャン方式」のコード決済によって、遊技媒体の貸し出しのための取引が行われる。
【0005】
具体的には、コード決済に関するコード(例えば、二次元コード)を、台間機が表示画面に表示する。そして、その表示画面に表示されたコードを、スマートフォンで撮像してコード情報を読み取る。そして、度数へ変換する電子マネーの金額等の支払情報の入力がスマートフォンで実行された後に、コード情報および支払情報がスマートフォンから電子マネー決済サーバへ送信される。そして、電子マネー決済サーバにおいて取引可能と判断されたとき、台間機において電子マネーが度数に変換される。その後、その変換された度数を用いて遊技媒体の貸し出しが行われる(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-90506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようにコード決済により遊技媒体の貸し出しを行った場合において、全ての変換した度数を使用する前に大当たりが発生することがある。その場合、遊技者は、残った度数の精算を行い、再度、電子マネーに変換する。コード決済により度数に変換した電子マネーは、まだ、遊技媒体の貸し出しに使用されていない場合においても、変換した電子マネーの大きさ全てを決済するため、その後に精算が行われて電子マネーに再変換される分も含めて決済が行われ、電子マネーが使用された状態になる。しかし、そのような状況での遊技者の価値情報においても、例えば、度数に変換した電子マネーの大きさや遊技媒体の貸し出しのために使用された度数、未使用で電子マネーに再変換される可能性のある価値情報などを明確にする必要がある。明確にすることにより、例えば、コード決済により一度度数に変換したが遊技媒体の貸し出しに使用せずに、再度、電子マネーに再変換した価値の大きさを、コード決済額の大きさの情報から除外することで、使用した電子マネーの確認が容易に行える正確な使用履歴情報の提供も可能になる。
【0008】
したがって、本発明は、遊技者が所有する価値を明確に管理する遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遊技システムは、遊技者が遊技機で遊技を行う遊技店で使用される遊技システムであって、
前記遊技で使用される遊技用有価価値に前記遊技者の電子マネーを変換する取引を前記遊技者が携帯通信端末を用いてコード決済で行うときに、前記コード決済のためのコードを表示し、前記コード決済によって前記電子マネーが前記遊技用有価価値に変換されたときに、当該変換された前記遊技用有価価値に関する価値情報が紐付けられた記録媒体特定情報を記録した遊技用記録媒体の発行を行うことが可能な記録媒体発行手段と、
前記記録媒体発行手段で発行された前記遊技用記録媒体を受け付ける遊技用記録媒体受付手段と、
当該受け付けた前記遊技用記録媒体に記録された前記記録媒体特定情報から特定される前記価値情報に基づいて、前記遊技機で使用する遊技媒体を貸し出すための貸し出し処理を実行する貸出手段と、
前記記録媒体発行手段が前記電子マネーを前記遊技用有価価値に変換したときに、前記電子マネーについて仮決済処理を実行するための仮決済指令を前記電子マネーの大きさ、または前記価値情報と共に電子マネー決済サーバへ送信することによって、前記電子マネー決済サーバに前記仮決済処理を実行させるように構成された管理装置と
を有し、
前記管理装置は、前記貸出手段において実行された前記貸し出し処理に関する貸し出し情報に基づいて、前記電子マネー決済サーバにおいて前記仮決済処理が実行された前記電子マネーについて本決済処理を実行するための本決済指令を、前記電子マネー決済サーバへ送信し、前記電子マネー決済サーバに前記本決済処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技者が所有する価値を明確に管理する遊技システムの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る遊技システム10において、発券機15の構成を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る遊技システム10において、スマートフォン26の構成を模式的に示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る遊技システム10において、台間機3の構成を模式的に示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
図7図7は、実施形態に係る遊技システム10において、コード決済で電子マネーを度数に変換するときの動作の概要を示すフロー図である。
図8図8は、実施形態に係る遊技システム10において、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)の動作の概要を示すフロー図である。
図9図9は、実施形態の変形例1に係る遊技システム10において、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)の動作の概要を示すフロー図である。
図10図10は、実施形態の変形例2に係る遊技システム10において、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)の動作の概要を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[A]遊技システム10の概要
図1は、実施形態に係る遊技システム10の全体構成を模式的に示す図である。
【0013】
図1に示すように、遊技システム10は、複数のパチンコ機2(遊技機)及び複数のスロット機7(遊技機)と、複数の台間機3(遊技用装置)及び複数の台間機8(遊技用装置)と、複数のデータ表示機9と、ネットワーク20と、島コンピュータ25とを備えており、遊技店に設けられている。
【0014】
[A-1]台間機3、台間機8
遊技システム10において、複数の台間機3のそれぞれは、複数のパチンコ機2のそれぞれに対応して設けられており、複数のパチンコ機2のそれぞれと通信可能に接続されている。複数の台間機8のそれぞれは、複数のスロット機7のそれぞれに対応して設けられており、複数のスロット機7のそれぞれと通信可能に接続されている。台間機3および台間機8は、紙幣識別装置(ビルバリ)などが搭載されている。
【0015】
[A-2]データ表示機9
複数のデータ表示機9は、複数のパチンコ機2及び複数のスロット機7にそれぞれ接続されている。パチンコ機2に接続されたデータ表示機9は、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を表示する。
【0016】
[A-3]ネットワーク20
ネットワーク20は、ハブやWi-Fi(登録商標)アクセスポイントなどの通信用機器を用いて構築されている。
【0017】
[A-4]島コンピュータ25
島コンピュータ25は、複数のパチンコ機2、複数のスロット機7、複数の台間機3、複数の台間機8、及び、複数のデータ表示機9などの機器と、ネットワーク20との間に介在している。
【0018】
なお、以降の説明では、遊技機としてパチンコ機2とスロット機7とを個別に説明する必要がある場合を除き、遊技機がパチンコ機2である場合を一例として説明する。
【0019】
[A-5]周辺機器
上述した機器以外に、遊技システム10には、様々な周辺機器が設けられている。
【0020】
遊技システム10は、周辺機器として、管理装置5、パーソナルコンピュータ5a、景品払出機11、精算機12、計数機14、発券機15、景品管理機16(景品交換装置)、データ公開機17、プロトコルコンバータ21、モデム22、カードセンタ23、再プレー受付機24などを備えている。上記の機器は、ネットワーク20を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0021】
周辺機器のうち、管理装置5は、景品管理装置や会員管理装置、またはホールコンピュータであって、例えば、情報を収集する情報収集装置等として機能するように構成されており、パーソナルコンピュータ5aを用いて管理装置5が収集した情報が参照されるように構成されている。景品払出機11は、受け入れた遊技媒体(パチンコ玉、メダル)の貯玉数等に応じて景品を払い出すために設置されている。精算機12は、貸玉に使用せず余った度数(遊技用価値)を精算し、その余った度数に相当する貨幣などの有価価値を遊技者に返却するために設置されている。計数機14は、遊技媒体(パチンコ玉、メダル)を計数するために設置されている。発券機15は、度数が紐付けられたカードIDを記憶する会員用カード27または非会員用カード28を発行するために設置されている。景品管理機16は、貯玉数などに基づいて、景品の種別や数量などを示すために設置されている。データ公開機17は、パチンコ機2などの遊技機における遊技に関する情報(スタート回数、大当たり回数など)を公開するために設置されている。
【0022】
周辺機器は、パチンコ機2などの遊技機と通信可能に構成されている。パチンコ機2などの遊技機、及び、各周辺機器が出力する情報は、ネットワーク20を介して、管理装置5に出力されて収集された後に、さらに、プロトコルコンバータ21及びモデム22を介して、カードセンタ23に送信される。モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線などの外部ネットワークを介して行われる。再プレー受付機24は、遊技者の再プレーを受け付けるために設けられている。
【0023】
[A-6]会員用カード27,非会員用カード28
会員用カード27および非会員用カード28は、ICチップ及びアンテナを有する非接触タイプの記録媒体であり、カード形状やコイン形状である。
【0024】
会員用カード27は、カードID(記録媒体特定情報)を記憶している。会員用カード27のカードIDには、会員の遊技者に関する情報が紐付けされる。
【0025】
会員用カード27のカードIDに紐付けされる情報は、例えば、遊技ID(収集用識別情報)、会員番号、度数(遊技用価値)の残高、アウト、セーフ、利用金額などの情報である。会員用カード27のカードIDには、貯玉数(スロット機7の場合は、貯メダル数)、勝敗(セーフからアウトを減じた数)、貸玉数(スロット機7の場合は、貸メダル数)、遊技台種別などの情報、これらの情報に関する履歴情報(日毎情報、週毎情報など)、会員の遊技者を特定するための個人情報(住所、氏名、年齢、性別、連絡先、暗証番号など)、会員の遊技者が好きな台に関する情報を紐付けてもよい。会員用カード27のカードIDには、ポイントに関する情報を紐付けてもよい。その他、遊技を行っているときには、例えば、遊技者が遊技している遊技台の番号や台間機3の番号を一時的に紐付けてもよく、遊技を行った時間や発生した大当たり回数などを集計して紐付けしてもよい。つまり、遊技管理を行う上で必要な情報を、適宜、カードIDに紐付けてもよい。上記の情報は、管理装置5によって管理される。
【0026】
非会員用カード28は、会員用カード27と区別するために、会員用カード27と形状が異なっている。例えば、非会員用カード28は、会員用カード27よりも、縦及び横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されている。
【0027】
非会員用カード28は、会員用カード27と同様に、カードID(記録媒体特定情報)を記憶している。非会員用カード28のカードIDには、非会員の遊技者に関する情報が紐付けられる。
【0028】
非会員用カード28のカードIDに紐付けされる情報は、遊技ID、度数(遊技用価値)、貸玉、入金などの情報であって、会員番号、ポイントなどの情報は、非会員用カード28のカードIDには紐付けられない。上記の情報は、管理装置5によって管理される。非会員用カード28のカードIDへの紐付けは、所定の期間に限って行われる。
【0029】
なお、上記において、「会員の遊技者」は、会員用カード27を有する遊技者であって、住所、氏名、年齢、性別、好きな台(好きな種類の遊技機)、連絡先、暗証番号などの属性情報が、会員の遊技者を個別に識別可能な会員番号(会員ID)と対応付けされて管理装置5に登録されている遊技者である。「非会員の遊技者」は、会員の遊技者として情報が登録されていない一般の遊技者である。
【0030】
「度数(遊技用価値)」は、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したものであって、例えば、1万円を度数化した場合には100度数になる。
【0031】
「アウト」は、パチンコ機2からパチンコ玉が発射された発射玉の数である。「アウト」は、スロット機7では「イン(メダルの投入枚数)」と呼ばれることもあるが、ここでは、スロット機7であっても、パチンコ機2と同様に、「アウト」と称する。
【0032】
「セーフ」は、パチンコ機2の上皿へ供給したパチンコ玉の数(遊技者の獲得玉)である。「セーフ」は、スロット機7では、「アウト(払い出されたメダルの枚数)」と呼ばれることもあるが、ここでは、スロット機7であっても、パチンコ機2と同様に、「セーフ」と称する。
【0033】
「ポイント」は、例えば、来店ポイント(台間機3に会員用カード27を差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などである。
【0034】
「遊技ID」は、例えば、台間機3に貨幣を投入したときに付与されるIDであり、以後の遊技の情報は、この遊技IDに対応付けられて管理される。例えば、会員用カード27及び非会員用カード28を所有しない遊技者が貨幣によって遊技を開始する場合、まず、遊技IDが発行され、この遊技IDに遊技情報が紐付けられて管理される。その後、例えば、非会員用カード28が発行された場合、遊技IDに対して非会員用カード28に記憶されているカードIDが追加で紐付けられて管理される。また、会員用カード27を所有している遊技者においては、貨幣を投入せずに、会員用カード27を台間機3に挿入して遊技を開始する場合があるが、その場合、会員用カード27を受け付けた際に遊技IDを発行してもよい。
【0035】
[A-7]遊技媒体の貸し出しについて
遊技店において遊技者が遊技機(パチンコ機2、スロット機7)で遊技を行う際には、その遊技で使用する遊技媒体(パチンコ玉、メダル)を遊技店が遊技者に貸し出す。遊技媒体の貸し出しは、例えば、遊技機に対応して設置された遊技用装置(台間機3,台間機8)に遊技者が貨幣(紙幣、硬貨)を投入し、その貨幣を変換した度数(遊技用価値、価値情報)を用いて遊技用装置が実行する。また、遊技店が遊技者に発行した会員用カード27などの遊技用記録媒体を遊技用装置に挿入し、その会員用カード27などの遊技用記録媒体に記録されたカードID(記録媒体特定情報)から特定される度数を用いて、遊技媒体の貸し出しが実行される。
【0036】
本実施形態の遊技システム10においては、更に、スマートフォン26(携帯通信端末)を用いて遊技者の電子マネーを度数に変換し、その変換された度数を用いて遊技媒体の貸し出しを行うように構成されている。詳細については後述するが、本実施形態では、発券機15に表示されたコードを遊技者がスマートフォン26で撮像する「ユーザースキャン方式」のコード決済によって、遊技媒体の貸し出しのための取引が行われる。
【0037】
[B]遊技システム10の詳細
以下より、本実施形態の遊技システム10の要部、および、遊技者のスマートフォン26(携帯通信端末)に関して詳細に説明する。
【0038】
[B-1]発券機15
図2は、実施形態に係る遊技システム10において、発券機15の構成を模式的に示すブロック図である。
【0039】
発券機15は、島端発券機であって、遊技店において複数のパチンコ機2が配置された島(区画)に対して、例えば、一台が設置されている。発券機15は、図2に示すように、制御部80とカード受付部81とカード処理部82と貨幣受付部83と操作部84と表示部85と通信部86とを備える。
【0040】
[B-1-1]制御部80
制御部80は、発券機15を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部80は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0041】
[B-1-2]カード受付部81
カード受付部81は、会員用カード27又は非会員用カード28が挿入されるように構成されている。
【0042】
[B-1-3]カード処理部82
カード処理部82は、リーダライタ部とカード発行部とを備える。
【0043】
リーダライタ部は、カード受付部81が受け付けた会員用カード27または非会員用カード28の情報を読み取ると共に、会員用カード27または非会員用カード28に情報を書き込むように構成されている。例えば、リーダライタ部は、カードIDや度数などの価値情報を読み取る。また、リーダライタ部は、読み取った情報の出力や、カードIDまた更新された度数などの価値情報の書き込みを行う。
【0044】
カード発行部は、例えば、会員用カード27又は非会員用カード28にカードIDや価値情報などの情報が記憶させて発行する。会員用カード27又は非会員用カード28の発行をしたとき、その発行に関する発行情報が管理装置5に送信される。発行情報は、カードの発行を行ったことを示す情報と、発行したカードのカードIDと、カードIDに紐つける価値情報などの情報を含む。例えば、会員用カード27又は非会員用カード28を所持していない遊技者に対して新たに非会員用カード28の発行が実施された場合、その新たに発行した非会員用カード28に関する発行情報が管理装置5に送信される。
【0045】
[B-1-4]貨幣受付部83
貨幣受付部83は、例えば、紙幣識別装置を含み、受け付けた貨幣の金額を認識するために設けられている。貨幣受付部83で認識された金額は、度数の変換に用いられる。
【0046】
[B-1-5]操作部84
操作部84は、例えば、度数購入ボタンを備えている。度数購入ボタンは、貨幣受付部83で認識された金額のうち、度数の変換に用いる金額を選択するために設けられている。また、操作部84は、タッチパネルやキーパッドなどの入力インターフェースを備えている。なお、発券機に備えている度数購入ボタンにより購入金額を選択することに代えて、例えば後述するスマートフォン26の操作部64において購入金額を選択できるようにしてもよい。
【0047】
[B-1-6]表示部85
表示部85は、液晶表示パネルなどの表示パネルを有し、各種の画像を画面に表示するように構成されている。
【0048】
[B-1-7]通信部86
通信部86は、通信インターフェースを備えている。通信部86は、ネットワーク20を介し、各機器との間で情報(信号)の送信および受信するために設けられている。
【0049】
[B-1-8]今回の特徴
本実施形態において、発券機15は、遊技者の電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で実施可能なように構成されている。
【0050】
具体的には、遊技者の電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で実施する際には、遊技者が電子マネーを度数に変換する指示が発券機15の操作部84に入力される。電子マネーを度数に変換する指示が入力されたとき、二次元コードなどのコード画像を表示部85が表示する。ここでは、コード画像は、度数への変換の指示が入力された発券機15を特定可能な発券機情報や、度数への変換の指示が入力された時間に関する時間情報、度数の変換に用いる金額などの情報を含むように、表示部85に表示される。
【0051】
発券機15の表示部85が表示画面に表示されたコードは、スマートフォン26で撮像されて、コード情報が読み取られる。そして、コード情報および取引を行う遊技者を特定可能な情報などがスマートフォン26から電子マネー決済サーバ100へ送信された後に、電子マネー決済サーバ100において取引可能と判断されたときには、遊技者の電子マネー口座から電子マネーが遊技店に入金され、その入金された電子マネーが度数に変換される。
【0052】
そして、発券機15は、その変換された度数に関する価値情報が紐付けられたカードIDを記録した会員用カード27または非会員用カード28の発行を実行する。つまり、発券機15は、遊技者の貨幣を変換した度数の付与の他に、スマートフォン26を用いて遊技者の電子マネーを変換した度数の付与を行うように構成されている。価値情報は、度数の値と共に、電子マネーから変換された度数と、電子マネー以外の貨幣から変換された度数とを区別可能に記憶される。また、電子マネーを基に発券した会員用カード27または非会員用カード28に記録されるカードIDには、取引を行った遊技者を特定可能な情報も紐づけられており、その情報を、例えば、管理装置5が記憶する。
【0053】
上記動作は、コード決済に関するプログラムを制御部80が用いて各部を制御することで実行される。
[B-2]スマートフォン26
図3は、実施形態に係る遊技システム10において、スマートフォン26の構成を模式的に示すブロック図である。
【0054】
図3に示すように、スマートフォン26は、携帯通信端末の一例であって、制御部60と、音声入力部61と、音声出力部62と、表示部63と、操作部64と、撮像部65と、通信部68と、を有する。
【0055】
[B-2-1]制御部60
スマートフォン26において、制御部60は、スマートフォン26を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部60は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0056】
[B-2-2]音声入力部61
音声入力部61は、マイクロフォンを有し、音声を電気信号である音声信号に変換して出力するように構成されている。
【0057】
[B-2-3]音声出力部62
音声出力部62は、スピーカを有し、電気信号として入力された音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。
【0058】
[B-2-4]表示部63
表示部63は、液晶表示パネルなどの表示パネルを有し、電気信号として入力された画像信号を表示画面に画像として表示するように構成されている。
【0059】
[B-2-5]操作部64
操作部64は、タッチパネルなどの入力インターフェースを有し、入力された操作内容を電気信号である操作信号として出力するように構成されている。
【0060】
[B-2-6]撮像部65
撮像部65は、撮像素子を有し、画像を電気信号である画像信号に変換するように構成されている。本実施形態では、撮像部65は、遊技者の電子マネーを度数に変換する際に、発券機15に表示されるコード画像の撮像で用いられる。
【0061】
[B-2-7]通信部68
通信部68は、他の機器と通信を行うために設けられている。
【0062】
[B-2-8]特徴
本実施形態において、スマートフォン26は、遊技者の電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で実施可能なように構成されている。
【0063】
具体的には、電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で実施する際には、遊技者が、スマートフォン26の撮像部65を用いて、発券機15の表示部85に表示されたコードを撮像する。そして、撮像部65によって撮像されたコードは、制御部60が画像解析を行い、コード情報が読み取られる。
【0064】
そして、スマートフォン26においては、コード情報、および、取引を行う遊技者を特定するための情報等の情報を、通信部68が電子マネー決済サーバ100へ送信する。また、スマートフォン26の表示部63は、遊技者が電子マネーから度数に変換した金額、電子マネーから変換した度数により遊技媒体の貸出を行った金額、遊技後に度数から電子マネーに再変換した金額、電子マネーの残額などの情報を適時表示し、遊技者が、上記情報を確認することが可能となっている。
【0065】
上記動作は、コード決済に関するプログラムを制御部60が用いて各部を制御することで実行される。
[B-3]台間機3(遊技用装置)
図4は、実施形態に係る遊技システム10において、台間機3の構成を模式的に示すブロック図である。なお、台間メダル貸し機である台間機8は、台間機3と同様な機能を有しているため詳細な説明を省略する。
【0066】
台間機3は、図4に示すように、制御部30と、カード受付部31と、カード処理部32と、貨幣受付部33と、操作部34と、表示部35と、ランプ部36と、通信部37と、を備える。台間機3は、パチンコ機2の上皿へパチンコ玉を供給する機能を主に有する。台間機3は、対応するパチンコ機2で獲得されたパチンコ玉を計数する計数部や、パチンコ玉を払い出す払出部などを備えていてもよい。
【0067】
[B-3-1]制御部30
制御部30は、台間機3を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部30は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0068】
[B-3-2]カード受付部31
カード受付部31(遊技用記録媒体受付手段)は、会員用カード27又は非会員用カード28が挿入されるように構成されている。
【0069】
[B-3-3]カード処理部32
カード処理部32は、リーダライタ部とカード貯留部とカード発行部とを備える。
【0070】
リーダライタ部は、カード受付部31が受け付けた会員用カード27又は非会員用カード28からカードIDを読み取る。また、リーダライタ部は、会員用カード27又は非会員用カード28に度数などの価値情報が記憶されている場合、カードIDに加えて、度数などの価値情報も読み取る。リーダライタ部は、その読み取った情報の出力や、新たに発券する非会員用カード28のカードIDや度数、更新された度数などの価値情報を書き込む。
【0071】
カード貯留部は、度数などの価値情報が「0」になって回収した非会員用カード28を貯留するために設けられている。
【0072】
カード発行部は、例えば、カードIDや最新の価値情報などが新たに記憶された非会員用カード28を発行する。カード発行部では、例えば、カード貯留部に貯留された非会員用カード28が、発行に用いられる。「最新の価値情報(残額情報)」は、例えば、遊技で消費されずに残った度数を示す情報である。また、台間機3が計数部を備える場合は、計数したパチンコ玉数の情報(獲得遊技媒体)も含まれる。
【0073】
新たな非会員用カード28の発行をカード発行部が実施した場合、非会員用カード28の発行に関する発行情報が管理装置5に送信される。発行情報には、例えば、非会員用カード28を発行したことを示す情報と、この新たな非会員用カード28に記録されたカードIDと、非会員用カード28に記憶させた最新の価値情報と、電子マネーを基に発券した非会員用カード28の場合は遊技者を特定可能な情報などが含まれる。なお、前述の島端発券機に代えて台間機3にて電子マネーのコード決済を行えるようにしてもよい。その場合、コード決済により度数が付与された会員用カード27又は非会員用カード28が発行される(記録媒体発行手段)。
【0074】
[B-3-4]貨幣受付部33
貨幣受付部33は、例えば、紙幣識別装置と接続されており、この紙幣識別装置に貨幣が挿入されたことや貨幣の金額を認識することができる。認識された貨幣の金額は、パチンコ機2の遊技で使用可能な度数に変換される。
【0075】
[B-3-5]操作部34
操作部34は、貸玉ボタン、再プレー用貸玉ボタン、返却ボタンなどの操作ボタンを備えている。その他、操作部34は、タッチパネルやキーパッドなどの入力インターフェースを有していてもよい。また、台間機3にて電子マネーのコード決済を行う場合は、操作部34は、度数購入ボタンを備える。
【0076】
貸玉ボタンは、パチンコ玉の貸し出しを要求するときに遊技者に押される。例えば、貸玉ボタンが1回押されると度数に基づいて500円分のパチンコ玉の貸し出しが行われ、パチンコ機2の内部からパチンコ玉が払い出される(貸出手段)。
【0077】
再プレー用貸玉ボタンは、遊技者が再プレー(貯玉の再払い出し)を要求するときに遊技者に押される。再プレーの払い出しは、パチンコ機2から払い出すのではなく、台間機3に備わる払出部からパチンコ玉を払い出してもよい。
【0078】
返却ボタンは、会員用カード27または非会員用カード28の発行や返却するときに遊技者に押されるボタンである。
【0079】
[B-3-6]表示部35
表示部35は、例えば残度数や遊技をしている遊技者の遊技に関わる各種情報を表示する。また、表示部35は、台間機3にて電子マネーのコード決済を行う場合は、遊技者のコード決済要求操作によりコードを表示する。
【0080】
[B-3-7]ランプ部36
ランプ部36は、ランプの点灯及び消灯を行うように構成されている。
【0081】
[B-3-8]通信部37
通信部37は、通信インターフェースを備えている。通信部37は、ネットワーク20を介し、各機器との間で情報(信号)の送信および受信するために設けられている。
【0082】
[B-2-9]特徴
本実施形態において、台間機3は、遊技者の電子マネーから変換された度数の価値情報に基づいて、パチンコ機2で使用する遊技媒体(パチンコ玉)を貸し出すための貸し出し処理を実行するように構成されている(貸出手段)。
【0083】
具体的には、台間機3は、電子マネーから変換された度数の価値情報が紐付けられたカードIDを記憶している会員用カード27または非会員用カード28をカード受付部31が受け付ける。その後、台間機3においては、その受け付けた会員用カード27または非会員用カード28に記録されたカードIDから特定される度数の価値情報に基づいて、制御部30が貸し出し処理を実行する。そして、台間機3は、貸し出し処理を実施したときには、その貸し出し処理に関する貸し出し情報を管理装置5に出力する。貸し出し情報は、貸し出し処理で用いた会員用カード27または非会員用カード28のカードID、貸し出し処理で用いた度数の値などの情報を含む。カードIDから特定される度数の価値情報は、貸し出し情報に基づいて、貸し出し処理を実行前の度数から、貸し出し処理で用いた度数を減算した値に更新される。
【0084】
[B-3]管理装置5
図5は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5の構成を模式的に示すブロック図である。図6は、実施形態に係る遊技システム10において、管理装置5で記憶されるテーブルを示す概念図である。
【0085】
管理装置5は、図5に示すように、制御部50と、タイマ部51と、情報集計部52と、データベース部54と、通信部55と、ID管理部56とを有する。管理装置5を構成する各部は、例えば、ICチップなどの電子素子、電気回路、外付けタイプの装置(外部装置)やこれらを動作させる種々のプログラムによって構成されている。
【0086】
[B-3-1]制御部50
制御部50は、管理装置5を構成する各部を統括的に制御するように構成されている。制御部50は、演算装置、メモリなどの電子部品を含み、メモリに格納されたプログラムやデータを用いて演算装置が演算処理を行うことによって、制御を行う。
【0087】
[B-3-2]タイマ部51
タイマ部51は、タイマを有し、時間の計測を行うために設けられている。タイマ部51は、計時動作を開始し、所定時間に達してタイムアップしたときには、そのタイムアップした旨を、制御部50、情報集計部52などに通知する。タイマ部51の計時動作は、タイムアップ通知後、リセットされる。
【0088】
[B-2-3]情報集計部52
情報集計部52は、各部から送信された情報について集計を行うように構成されている。情報集計部52は、島コンピュータ25、台間機3、台間機8、パチンコ機2、スロット機7などの機器から送信された種々の情報に基づいて、データベース部54への遊技データの登録及び集計等を行う(図6参照)。
【0089】
遊技データは、例えば、「稼働(遊技中)/非稼働(遊技終了や遊技の一時的中断)」、獲得玉の増加などを表す「玉の増加情報」、会員用/非会員用のカードの挿入状況を表す「カード情報」、遊技者が度数に変換した「発行金額」、遊技者が遊技媒体払出に使用した度数を表す「使用度数」、遊技者の所持する度数を表す「度数残高」、遊技者が当日に使用した金額を表す「利用金額」、遊技者の所持する貯玉数を表す「貯玉数」などである。また前述した遊技者を特定可能な情報としての会員番号や電子マネー決済サーバ100において遊技者を特定可能なIDなどの情報が含まれる。
【0090】
この他に、遊技データは、遊技者の所持する獲得遊技媒体数を表す「獲得遊技媒体数」などを含む。また、遊技データは、例えば、スタート回数や大当たり回数などの情報を含む。さらに、大当たり中か否か、確変中か否か、テーブルの最終更新時間などの情報も遊技データとして管理される。これらの遊技情報の管理は、例えば、パチンコ機2から出力される信号(大当り信号、スタート信号、入賞信号、確変信号、アウト信号、セーフ信号、排出するパチンコ玉数に関する信号)や、台間機3から出力される信号(入金信号、貸玉信号、再プレー貸玉信号)などに基づいて行われる。
【0091】
テーブルが複数ある場合、図6に示すように、データ番号などのテーブル固有の識別子をそれぞれ紐付けることよって、関連させて管理することが可能である。遊技データは、情報集計部52において、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理することができる。例えば、情報集計部52は、大当り種別毎に遊技データを集計するなど、種々の情報毎に集計して管理する。
【0092】
[B-3-4]データベース部54
データベース部54は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなど種々の記憶装置を備えている。データベース部54には、前述した情報がテーブルとして記憶される。これらの情報は必要に応じて適宜読み書きされる。
【0093】
[B-3-5]通信部55
通信部55は、通信インターフェースを備えている。通信部55は、ネットワーク20を介し、例えばパチンコ機2や台間機3などの周辺機器との間で、情報(信号)を送信および受信するために設けられている。またインターネット回線などを通じて外部にある決済機関の管理装置などとも通信を行うことができる。
【0094】
[B-3-6]ID管理部56
ID管理部56は、図示を省略しているが、ID検索部、ID発行部、及び、ID登録部を備えている。ID検索部は、データベース部54に記憶されたテーブルから、所定の遊技IDを検索する。ID検索部は、検索結果として、遊技IDの有無や遊技IDが検索された場合には、検索された遊技IDを制御部50に通知する。ID発行部は、新たに遊技IDを発行する。ID登録部は、ID発行部が発行した遊技IDをデータベース部54に記憶させる。また、ID登録部は、発行情報に含まれるカードIDを遊技IDと対応付けてデータベース部54に登録する。
【0095】
[B-3-8]特徴
本実施形態において、管理装置5は、遊技者の電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で実施可能なように構成されている。
【0096】
具体的には、電子マネーから変換された度数に関する価値情報が紐付けられたカードIDを記録した会員用カード27等を発券機15が発行したとき、管理装置5は、電子マネーについて仮決済処理を実行する仮決済指令を価値情報、遊技者を特定可能な情報と共に電子マネー決済サーバ100へ通信部55が送信することによって、電子マネー決済サーバ100に仮決済処理を実行させる。
【0097】
また、台間機3において電子マネーから変換された度数を用いた貸し出し処理が実行されたときには、管理装置5は、その貸し出し処理に関する貸し出し情報に基づいて、電子マネー決済サーバ100において仮決済処理が実行された電子マネーについて本決済処理を実行する本決済指令を、電子マネー決済サーバ100へ通信部55が送信し、電子マネー決済サーバ100に本決済処理を実行させる。
【0098】
本実施形態の管理装置5において、情報集計部52は、電子マネーから変換された度数と、電子マネー以外の貨幣から変換された度数とを区別し、「度数残高」として集計する。
【0099】
上記動作は、コード決済に関するプログラムを制御部50が用いて各部を制御することで実行される。
【0100】
なお、「本決済処理」は、電子マネーから度数に変換する取引を完了させる処理である。「仮決済処理」は、「本決済処理」と異なり、度数に変換した電子マネーを実際に貸し出し処理に使用されるまで保持するための処理である。仮決済処理を行うことにより、度数に変換されたがまだ貸し出し処理に使用されていない分の電子マネーが、度数を用いた遊技以外の他のサービスなどに使用されることを防ぐことができる。また、仮決済処理を行うことにより、度数に変換されたが貸し出し処理に使用されずに、後述する精算を行う場合に、実際に即した電子マネーの利用履歴として明確に管理することができる。
【0101】
[C]遊技システム10の動作
本実施形態の遊技システム10の動作について説明する。
【0102】
[C-1]コード決済で電子マネーを度数に変換するときの動作
図7は、実施形態に係る遊技システム10において、コード決済で電子マネーを度数に変換するときの動作の概要を示すフロー図である。
【0103】
コード決済で電子マネーを度数に変換する際には、図7に示すように、まず、コードの表示を行う(ST11)。ここでは、発券機15において電子マネーを度数に変換する指示を遊技者が入力し、その指示に応じて、電子マネーを度数に変換するコード(二次元コードなど)を発券機15が表示する。
【0104】
つぎに、図7に示すように、コードの撮像を行う(ST12)。ここでは、発券機15に表示されたコードの撮像を遊技者がスマートフォン26を用いて行う。撮像されたコードは、スマートフォン26において画像解析され、コード情報が読み取られる。
【0105】
つぎに、図7に示すように、電子マネーの支払いを行う(ST13)。ここでは、度数へ変換する電子マネーの金額等の支払情報が、遊技者の操作によってスマートフォン26に入力される。そして、コード情報、支払情報、および、取引を行う遊技者を特定するための情報等の情報が、スマートフォン26から電子マネー決済サーバ100へ送信される。
【0106】
つぎに、図7に示すように、電子マネー口座から入金が行われる(ST14)。ここでは、電子マネーを度数に変換する取引が可能と電子マネー決済サーバ100が判断したときに、遊技者の電子マネー口座から電子マネーを電子マネー決済サーバ100が遊技店の遊技システム10に入金する。その際、支払情報および取引を行う遊技者を特定するための情報等の情報が、遊技システム10の管理装置5にも送信され、管理装置5において記憶される。
【0107】
つぎに、図7に示すように、カード発行を行う(ST15)。ここでは、電子マネー決済サーバ100から入金された電子マネーを発券機15が度数に変換する。そして、その変換された度数に関する価値情報がカードIDに紐付けられた会員用カード27等の発行を発券機15が実行する。管理装置5は、価値情報(または、電子マネーの大きさ)、カードIDおよび取引を行う遊技者を特定するための情報などを紐づけて管理する。
【0108】
つぎに、図7に示すように、仮決済指令と価値情報との送信を行う(ST16)。ここでは、電子マネーから変換された度数に関する価値情報が紐付けられた会員用カード27等を発券機15が発行したときに、その電子マネーの取引について仮決済処理を実行する仮決済指令を価値情報、取引を行う遊技者を特定するための情報などと共に電子マネー決済サーバ100へ管理装置5が送信する。
【0109】
つぎに、図7に示すように、仮決済処理を行う(ST17)。ここでは、仮決済指令に応じて電子マネー決済サーバ100が仮決済処理を実行する。仮決済処理は、例えば、認証処理が実施された後に、価値情報に基づいて実行される。仮決済処理においては、電子マネーから変換された度数の金額に関する価値情報が、度数へ変換する電子マネーの金額に関する支払情報に一致する場合、仮決済が成立したと判断される。
【0110】
これにより、図7に示すように、遊技者が所有する電子マネーの残高が減算される(ST18)。例えば、電子マネーの残高が1000円である状態で、コード決済によって1000円の電子マネーを1000円分の度数に変換したとき、仮決済処理後の電子マネーの残高は、1000円が減算されて0円になる。
【0111】
[C-2]遊技媒体(パチンコ玉)の貸し出し処理の動作
図8は、実施形態に係る遊技システム10において、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)の動作の概要を示すフロー図である。
【0112】
パチンコ玉の貸し出し処理を行う際には、まず、カードの受け付けを行う(ST20)。ここでは、電子マネーから変換された度数の価値情報が紐付けられた会員用カード27等を、遊技者が台間機3のカード受付部31に挿入する。
【0113】
つぎに、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)を行う(ST21a,ST21b)。ここでは、台間機3が受け付けた会員用カード27等に記録されたカードIDから特定される価値情報を用いて、台間機3が貸し出し処理を実行する。貸し出し処理は、遊技者が台間機3の操作部34に入力した貸し出し要求指令に応じて実行される。
【0114】
例えば、会員用カード27等から特定される価値情報において電子マネーから変換された度数の残高が1000円分である場合に、1000円分の貸し出し要求指令が入力されたときには、1000円分のパチンコ玉が遊技のために遊技者に貸し出される(ST21a)。これにより、電子マネーから変換された度数の残高は、貸し出し処理で1000円分が減額されて、ゼロになる(ST22a)。
【0115】
一方で、例えば、500円分の貸し出し要求指令が入力されたときには、500円分のパチンコ玉が遊技のために遊技者に貸し出される(ST21b)。これにより、電子マネーから変換された度数の残高は、貸し出し処理で使用した500円分が減額されて、500円分になる(ST22b)。
【0116】
台間機3において貸し出し処理が実行されたときには、図8に示すように、その貸し出し処理に関する貸し出し情報に基づいて、電子マネー決済サーバ100において仮決済処理が実行された電子マネーについて本決済処理を実行する本決済指令を、管理装置5が電子マネー決済サーバ100へ送信する(ST32,ST42,ST52)。
【0117】
ここでは、図8に示すように、貸し出し情報に応じて、(ケース1)、(ケース2)、および、(ケース3)のように、本決済指令の送信が行われる。
【0118】
(ケース1)
具体的には、図8に示すように、(ケース1)では、会員用カード27等から特定される価値情報において電子マネーから変換された度数が貸し出し処理の実施後にゼロになった場合には(ST22a)、管理装置5は、仮決済処理を本決済処理として確定させるように、本決済指令を電子マネー決済サーバ100へ送信する(ST32)。本決済指令の送信は、例えば、貸し出し処理の完了時に行われる。この他に、遊技店の閉店時間以降の閉店処理時に、送信を行ってもよい。
【0119】
そして、本決済指令に応じて、電子マネー決済サーバ100は、仮決済処理を本決済処理として確定させる(ST33)。その結果、本決済処理後に遊技者が所有する電子マネーの残高は、仮決済処理後の電子マネーの残高が0円である状態を保持し、0円である(ST34)。
【0120】
(ケース2)
(ケース2)では、貸し出し処理の実施(ST21b,ST22b)後に、カードIDから特定される価値情報について精算する精算処理が精算機12において実行され、精算情報を得た場合であって、その精算情報において電子マネーから変換された度数がゼロでなく残存している場合に(ST41)、管理装置5は、その残存する度数の価値に相当する電子マネーの返却を実行させるように、本決済指令を精算情報と共に電子マネー決済サーバ100へ送信する(ST42)。本決済指令および精算情報の送信は、例えば、精算処理の完了時に行われる。この他に、遊技店の閉店時間以降の閉店処理時に、送信を行ってもよい。また、精算機12において精算処理が実行される他に、発券機15において精算処理が実行されるように構成されていてもよい。また、精算機12における精算に代えて、台間機3の操作部34に対する操作により、会員用カード27を遊技者に返却する際に遊技を終了する可能性があるとして、精算処理(ST41およびST42以降)を行ってもよい。
【0121】
そして、本決済指令および精算情報に応じて、電子マネー決済サーバ100は、仮決済処理を行ったすべての電子マネーを本決済処理として確定せずに、残存する度数の価値に相当する電子マネーの返却を実行する(ST43)と共に、貸し出し処理に使用した度数に相当する電子マネー分のみについて本決済処理を行う。その結果、本決済処理後に遊技者が所有する電子マネーの残高は、仮決済処理後の電子マネーの残高(たとえば、0円)から、残存する度数の価値に相当する電子マネーの金額分(例えば、500円)が増加する(ST44)。
【0122】
(ケース3)
(ケース3)では、貸し出し処理の実施(ST21b,ST22b)後に、遊技店の閉店時間までにおいて精算処理が実行されずに、カードIDから特定される価値情報に電子マネーから変換された度数がゼロでなく残存している場合に(ST22b)、管理装置5は、その残存する度数に相当する電子マネーの返却を実行させるように、本決済指令を価値情報と共に電子マネー決済サーバ100へ送信する(ST52)。
【0123】
そして、本決済指令および価値情報に応じて、電子マネー決済サーバ100は、仮決済処理を本決済処理として確定せずに、残存する度数の価値に相当する電子マネーの返却を実行する(ST53)と共に、貸し出し処理に使用した度数に相当する電子マネー分のみについて本決済処理を行う。その結果、本決済処理後に遊技者が所有する電子マネーの残高は、仮決済処理後の電子マネーの残高(たとえば、0円)から、残存する度数の価値に相当する電子マネーの金額分(例えば、500円)が増加する(ST54)。
【0124】
[E]まとめ
以上のように、本実施形態の遊技システム10では、スマートフォン26を用いて遊技者が電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で行うときには、そのコード決済のためのコードを発券機15が表示する。そして、その発券機15が表示するコードを遊技者がスマートフォンで撮像する「ユーザースキャン方式」のコード決済によって、遊技者の電子マネーから度数に変換されたときには、その変換された度数に関する価値情報が紐付けられたカードIDを記録した会員用カード27等の発行を発券機15が行う。
【0125】
このように、本実施形態では、遊技店において複数のパチンコ機2が配置された島(区画)に設置された発券機15が、コード決済のためのコードを表示する。このため、遊技店において複数の遊技機に対応するように設置された複数の台間機3の全てに、コードを表示するための表示装置を設けなくても、遊技者がスマートフォン26を用いて電子マネーを度数に変換する取引をコード決済で行うことができる。その結果、本実施形態では、低コストでコード決済の導入が可能であって、利便性の向上を容易に実現することができる。
【0126】
また、本実施形態の遊技システム10では、上記の会員用カード27等の発行を発券機15が行ったときには、管理装置5は、その電子マネーについて仮決済処理を実行する仮決済指令を価値情報と共に電子マネー決済サーバ100へ送信することによって、電子マネー決済サーバ100に仮決済処理を実行させる。そして、台間機3は、その発券機15で発行された会員用カード27等を受け付け、その受け付けた会員用カード27等に記録されたカードIDから特定される価値情報に基づいて、パチンコ機2で使用するパチンコ玉を貸し出す貸し出し処理を実行する。台間機3において貸し出し処理が実行された場合には、管理装置5は、その貸し出し処理に関する貸し出し情報に基づいて、電子マネー決済サーバ100において仮決済処理が実行された電子マネーについて本決済処理を実行する本決済指令を、電子マネー決済サーバ100へ送信し、電子マネー決済サーバ100に本決済処理を実行させる。このため、本実施形態では、電子マネーから変換された度数によって、パチンコ玉を貸し出す貸し出し処理を実行する場合であっても、的確に、本決済処理を実行させることができる。具体的には、電子マネーを変換した度数が貸し出し処理(貸玉)に使用されずに残存する場合に、電子マネーで遊技者に返金する処理を的確に実行できる。
【0127】
[F]変形例
上記の実施形態は、一例であって、下記に示す種々の変形例を採用可能である。
【0128】
[F-1]変形例1
図9は、実施形態の変形例1に係る遊技システム10において、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)の動作の概要を示すフロー図である。
【0129】
本変形例では、図9に示すように、上記の実施形態の場合(図8参照)と異なり、(ケース3)に代わって、(ケース4)のように本決済指令の送信が行われる。
【0130】
(ケース4)
(ケース4)では、貸し出し処理の実施(ST21b,ST22b)後に、遊技店の閉店時間までに精算処理が実行されずに、カードIDから特定される価値情報に電子マネーから変換された度数がゼロでなく残存している場合に(ST22b)、管理装置5は、仮決済処理を本決済処理として確定させるように、本決済指令を電子マネー決済サーバ100へ送信する(ST52b)。
【0131】
そして、本決済指令に応じて、電子マネー決済サーバ100は、仮決済処理を本決済処理として確定させる(ST53b)。その結果、本決済処理後に遊技者が所有する電子マネーの残高は、仮決済処理後の電子マネーの残高が0円である状態を保持し、0円である(ST54b)。もしくは、例えば、度数残高の一部のみについて本決済を行い、その本決済された一部の度数残高を除いた他の度数残高については、図8のケース3のように精算を行ってもよい。非会員用カード28は、遊技店が遊技者に貸与しているものであるので、度数が残ったままで遊技者に持ち帰られるとカードコストが生じ、遊技店の損失になる。よって、遊技者が精算を行わずに持ち帰った場合であっても、カードコスト分の電子マネーを本決済することで遊技店の損失を防ぐことが出来る。
【0132】
なお、(ケース4)の場合において、電子マネー決済サーバ100で本決済処理が実行されたときであっても、管理装置5は、価値情報において残存する度数を用いた貸し出し処理の実行を許容するように構成されていてもよい(お助け処理)。つまり、遊技者の電子マネーを変換した度数が残った状態で、その営業日の遊技を終了しても、翌営業日以降に、その電子マネーを変換した度数に基づいて貸し出し処理を行ってもよい。これにより、遊技の利便性が向上し、遊技の継続や再来店の促進等の効果を得ることができる。
【0133】
[F-2]変形例2
図10は、実施形態の変形例2に係る遊技システム10において、パチンコ玉の貸し出し処理(玉貸)の動作の概要を示すフロー図である。
【0134】
本変形例では、図10に示すように、遊技者が台間機3に貸し出し処理を実行させる際に会員用カード27を用いた場合には、上記の実施形態の場合(図8参照)と同様に、(ケース3)に示す処理が実行される。
【0135】
これに対して、図10に示すように、遊技者が台間機3に貸し出し処理を実行させる際に非会員用カード28を用いた場合には、上記の変形例1の場合(図9参照)と同様に、(ケース4)に示す処理が実行される。
【0136】
[F-3]その他の変形例
上記の実施形態において、管理装置5と台間機3との間の通信が遮断され、台間機3から管理装置5に貸し出し情報の送信ができない状態である場合、台間機3は、制御部30に貸し出し情報を記憶して、管理装置5と台間機3との間の通信が復帰した後に、貸し出し情報を管理装置5へ送信するように構成されていることが好ましい。このとき、貸し出し情報が複数存在する場合、台間機3は、管理装置5と台間機3との間の通信が復帰した後に、その複数の貸し出し情報を一括で管理装置5へ送信するように構成されていることが好ましい。もしくは、通信が遮断している間の貸し出し情報を会員用カード27や非会員用カード28に記録しておいて、管理装置5と台間機3との間の通信が復帰した後に、その複数の貸し出し情報を一括で管理装置5へ送信してもよい。この他に、該貸し出し情報が記録されたカードを、遊技システム10を構成する各装置であって管理装置5と通信可能な装置で受け付けた際に、管理装置5へ送信してもよい。
【0137】
また、上記の実施形態において、管理装置5と電子マネー決済サーバ100との間の通信が遮断され、管理装置5から電子マネー決済サーバ100に本決済指令の送信ができない状態である場合、管理装置5は、管理装置5と電子マネー決済サーバ100との間の通信が復帰した後に、本決済指令を電子マネー決済サーバ100へ送信することが好ましい。
【0138】
また、管理装置5と電子マネー決済サーバ100との間の通信が遮断され、管理装置5から電子マネー決済サーバ100に本決済指令の送信ができない状態である場合、電子マネー決済サーバ100は、仮決済処理を本決済処理として確定するように構成されていてもよい。上記の処理は、例えば、遊技店の閉店時間以降に、実行されることが好ましい。もしくは、電子マネー決済サーバ100において所定の操作を行うことにより、本決済処理として確定するように構成されていてもよい。
【0139】
その他、管理装置5と電子マネー決済サーバ100との間の通信が遮断され、管理装置5から電子マネー決済サーバ100に本決済指令および精算情報の送信ができない状態である場合、精算機12(精算手段)は、本決済指令および精算情報に関するコード情報を含むコードを表示画面に表示するように構成されていることが好ましい。この場合、上記のコードは、遊技者のスマートフォン26で撮像され、その撮像されたコードによるコード情報がスマートフォン26から電子マネー決済サーバ100に送信される。これにより、電子マネー決済サーバ100では、そのコード情報に基づいて本決済処理および精算処理を実行することができる。なお、精算機12において精算処理が実行される他に、発券機15において精算処理が実行される場合には、発券機15が上記のコードを表示するように構成されていてもよい。
【0140】
<その他>
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0141】
2:パチンコ機、3:台間機、5:管理装置、5a:パーソナルコンピュータ、7:スロット機、8:台間機、9:データ表示機、10:遊技システム、11:景品払出機、12:精算機、14:計数機、15:発券機、16:景品管理機、17:データ公開機、20:ネットワーク、21:プロトコルコンバータ、22:モデム、23:カードセンタ、24:再プレー受付機、25:島コンピュータ、26:スマートフォン、27:会員用カード、28:非会員用カード、30:制御部、31:カード受付部、32:カード処理部、33:貨幣受付部、34:操作部、36:ランプ部、37:通信部、50:制御部、51:タイマ部、52:情報集計部、54:データベース部、55:通信部、56:ID管理部、60:制御部、61:音声入力部、62:音声出力部、63:表示部、64:操作部、65:撮像部、68:通信部、80:制御部、81:カード受付部、82:カード処理部、83:貨幣受付部、84:操作部、85:表示部、86:通信部、100:電子マネー決済サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10