IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロンヘルスケア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-血圧測定装置 図1
  • 特開-血圧測定装置 図2
  • 特開-血圧測定装置 図3
  • 特開-血圧測定装置 図4
  • 特開-血圧測定装置 図5
  • 特開-血圧測定装置 図6
  • 特開-血圧測定装置 図7
  • 特開-血圧測定装置 図8
  • 特開-血圧測定装置 図9
  • 特開-血圧測定装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019893
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】血圧測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A61B5/022 300F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122643
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】東狐 義秀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 康輔
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB02
4C017AC03
4C017AC40
4C017EE01
4C017FF08
(57)【要約】
【課題】部品点数を増加させることなく、アナログ回路部品のノイズ対策が可能な血圧測定装置を提供すること。
【解決手段】血圧測定装置1は、筐体11と、筐体11内に収容される大電流使用部品14と、筐体11内に収容され、大電流使用部品14と対向する、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板231と、プリント基板231の大電流使用部品14と対向する面とは反対側の面に実装されるアナログ回路部品232と、を備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容される大電流使用部品と、
前記筐体内に収容され、前記大電流使用部品と対向する、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板と、
前記プリント基板の前記大電流使用部品と対向する面とは反対側の面に実装されるアナログ回路部品と、
を備える血圧測定装置。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に収容される大電流使用部品と、
前記筐体内に収容され、前記大電流使用部品と対向するプリント基板と、
前記プリント基板の前記大電流使用部品と対向する面の、前記大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装されるアナログ回路部品と、
を備える血圧測定装置。
【請求項3】
筐体と、
前記筐体内に収容される大電流使用部品と、
前記筐体内に収容され、前記大電流使用部品と対向する、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板と、
前記プリント基板の前記大電流使用部品と対向する面とは反対側の面の、前記大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装されるアナログ回路部品と、
を備える血圧測定装置。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体内に収容される大電流使用部品と、
前記大電流使用部品を覆う、少なくとも一部が電磁波を吸収又は遮蔽する材料で形成された流路板ユニットと、
前記筐体内に収容され、前記流路板ユニットと対向するプリント基板と、
前記プリント基板に実装されるアナログ回路部品と、
を備える血圧測定装置。
【請求項5】
前記大電流使用部品はポンプ、モータ、弁、これらを駆動する駆動回路、無線通信モジュール及び充電回路のうち少なくともいずれかである、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の血圧測定装置。
【請求項6】
前記アナログ回路部品は、圧力センサ、PPGセンサ、心電センサ、SpOセンサ、等の各センサ、又は、AFE回路等のセンサ周辺回路のうち少なくともいずれかである、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血圧の測定に用いる血圧測定装置は、医療施設においてのみならず、家庭内においても、健康状態を確認する手段として利用されている。血圧測定装置は、例えば、生体の上腕又は手首等に巻き付けたカフを膨張及び収縮させ、圧力センサによりカフの圧力を検出することで、動脈壁の振動を検出して血圧を測定する。
【0003】
このような血圧測定装置は、電力によって駆動する部品が装置本体内に収容される。このような部品のうち、比較的大電流を使用して駆動する部品(以下、「大電流使用部品」と称する。)は、ノイズ源となり、空中に放射されるノイズを発生させる。この放射ノイズは、電子部品のうちアナログ回路部品に影響を及ぼす。このため、放射ノイズに対して対策を要する。
【0004】
既存のPCやウェアラブルデバイスでは、放射ノイズ対策が取られている。例えば、放射ノイズ対策として、冷却ファン(ノイズ源)とICとの間に、金属ケース及びヒートシンクを設ける技術(例えば、特許文献1参照)や、アナログ回路基板及びデジタル回路基板の間に、ノイズ遮蔽部材を設ける技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-252315号公報
【特許文献2】特開2000-286727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した技術では、ノイズ対策として別部材を用いる必要があり、部品点数増加により、装置のサイズやコストの増加となる。特に、ウェアラブルデバイスとする場合には、小型化が求められていることから、部品点数が増加することなく、ノイズ対策が可能な技術が求められている。
【0007】
そこで本発明は、部品点数を増加させることなく、アナログ回路部品のノイズ対策が可能な血圧測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、筐体と、前記筐体内に収容される大電流使用部品と、前記筐体内に収容され、前記大電流使用部品と対向する、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板と、前記プリント基板の前記大電流使用部品と対向する面とは反対側の面に実装されるアナログ回路部品と、を備える血圧測定装置が提供される。
【0009】
この態様によれば、血圧測定装置は、アナログ回路部品及び大電流使用部品の間にプリント基板が配置されることから、大電流使用部品で生じるノイズをプリント基板により遮蔽することができる。血圧測定装置は、アナログ回路部品が大電流使用部品で生じるノイズの影響を受けることを抑制することができる。また、血圧測定装置は、血圧測定装置の機能を発揮する為に必要な構成要素であるプリント基板をノイズ対策に用いることから、アナログ回路部品のノイズ対策のために部品点数が増加することを防止できる。
【0010】
一態様によれば、筐体と、前記筐体内に収容される大電流使用部品と、前記筐体内に収容され、前記大電流使用部品と対向するプリント基板と、前記プリント基板の前記大電流使用部品と対向する面の、前記大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装されるアナログ回路部品と、を備える血圧測定装置が提供される。
【0011】
この態様によれば、血圧測定装置は、アナログ回路部品をプリント基板の大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装する。これにより、血圧測定装置は、大電流使用部品から放射されるノイズによりアナログ回路部品が影響を受けることを抑制できる。また、血圧測定装置は、アナログ回路部品の実装位置を大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装する構成であることから、アナログ回路部品のノイズ対策のために部品点数が増加することを防止できる。
【0012】
一態様によれば、筐体と、前記筐体内に収容される大電流使用部品と、前記筐体内に収容され、前記大電流使用部品と対向する、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板と、前記プリント基板の前記大電流使用部品と対向する面とは反対側の面の、前記大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装されるアナログ回路部品と、を備える血圧測定装置が提供される。
【0013】
この態様によれば、血圧測定装置は、アナログ回路部品及び大電流使用部品の間にプリント基板が配置され、そして、アナログ回路部品をプリント基板の大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装する。これにより、血圧測定装置は、大電流使用部品から放射されるノイズによりアナログ回路部品が影響を受けることを抑制できる。また、血圧測定装置の機能を発揮する為に必要な構成要素であるプリント基板をノイズ対策に用いるとともに、アナログ回路部品の実装位置を大電流使用部品と平面上でずれた位置に実装する構成であることから、アナログ回路部品のノイズ対策のために部品点数が増加することを防止できる。
【0014】
一態様によれば、筐体と、前記筐体内に収容される大電流使用部品と、前記大電流使用部品を覆う、少なくとも一部が電磁波を吸収又は遮蔽する材料で形成された流路板ユニットと、前記筐体内に収容され、前記流路板ユニットと対向するプリント基板と、前記プリント基板に実装されるアナログ回路部品と、を備える血圧測定装置が提供される。
【0015】
この態様によれば、血圧測定装置は、大電流使用部品及びアナログ回路部品の間に流路板ユニットが介在することから、大電流使用部品で生じる放射ノイズをプリント基板により遮蔽することができる。血圧測定装置は、アナログ回路部品が大電流使用部品で生じる放射ノイズの影響を受けることを抑制することができる。また、血圧測定装置は、血圧測定装置の機能を発揮する為に必要な構成要素である流路板ユニットをノイズ対策に用いることから、アナログ回路部品のノイズ対策のために部品点数が増加することを防止できる。
【0016】
上記一態様の血圧測定装置であって、前記大電流使用部品は、モータ、弁、これらを駆動する駆動回路、無線通信モジュール及び充電回路のうち少なくともいずれかである、血圧測定装置が提供される。
【0017】
この態様によれば、血圧測定装置にポンプ、モータ、弁、これらを駆動する駆動回路、無線通信モジュール及び充電回路のうち少なくともいずれかを用いても、大電流使用部品から放射されるノイズによるアナログ回路部品の影響を抑制することができる。
【0018】
上記一態様の血圧測定装置であって、前記アナログ回路部品は、圧力センサ、PPGセンサ、心電センサ、SpOセンサ、等の各センサ、又は、AFE回路等のセンサ周辺回路のうち少なくともいずれかである、血圧測定装置が提供される。
【0019】
この態様によれば、ノイズに影響を受けやすい圧力センサ、PPGセンサ、心電センサ、SpOセンサ、等の各センサ、又は、AFE回路等のセンサ周辺回路のうち少なくともいずれかであっても、大電流使用部品の放射ノイズの影響を受けることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、部品点数を増加させることなく、アナログ回路部品のノイズ対策が可能な血圧測定装置を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係る血圧測定装置の構成を示す斜視図。
図2】同血圧測定装置の構成を示すブロック図。
図3】同血圧測定装置のポンプ、開閉弁、圧力センサ、流路板ユニットの構成を示す分解斜視図。
図4】同血圧測定装置のポンプ、圧力センサ、流路板ユニット、押圧カフ及びセンシングカフの構成を示す断面図。
図5】同血圧測定装置の第1実施形態に係る装置本体内の配置構成を側方側から概略的に示す説明図。
図6】同血圧測定装置の第1実施形態に係る装置本体内の配置構成を上方側から概略的に示す説明図。
図7】同血圧測定装置の第2実施形態に係る装置本体内の配置構成を側方側から概略的に示す説明図。
図8】同血圧測定装置の第2実施形態に係る装置本体内の配置構成を上方側から概略的に示す説明図。
図9】同血圧測定装置の第3実施形態に係る装置本体内の配置構成を上方側から概略的に示す説明図。
図10】同血圧測定装置の第4実施形態に係る装置本体内の配置構成を側方側から概略的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、図1乃至図6を用いて以下説明する。
【0023】
図1は、血圧測定装置1の構成を示す斜視図である。図2は、血圧測定装置1の構成を示すブロック図である。図3は、血圧測定装置1のポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17、流路板ユニット22の構成を示す分解斜視図である。図4は、血圧測定装置1のポンプ14、圧力センサ17、及び流路板ユニット22の構成を示す断面図である。図5は、血圧測定装置1の装置本体3内の配置構成を側方(外郭ケース31)側から概略的に示す説明図であり、図6は、装置本体3内の配置構成を上方(風防32)側から概略的に示す説明図である。
【0024】
血圧測定装置1は、生体に装着する電子血圧測定装置である。血圧測定装置1は、本実施形態の例では、手首に装着するウェアラブルデバイスである。血圧測定装置1は、例えば、動脈から血圧を測定する態様を持つ電子血圧測定装置である。
【0025】
図1乃至図4に示すように、血圧測定装置1は、例えば、装置本体3と、ベルト4と、カーラ5と、カフ構造体7と、流体制御部9と、を備えている。
【0026】
装置本体3は、例えば、筐体11と、表示部12と、操作部13と、ポンプ14と、加速度センサ15と、開閉弁16と、圧力センサ17と、電池18と、通信部19と、メモリ20と、プロセッサ21と、流路板ユニット22と、実装基板23と、充電回路24と、を備える。
【0027】
筐体11は、各構成部品を収容するケースである。筐体11は、例えば、表示部12、操作部13、ポンプ14、加速度センサ15、開閉弁16、圧力センサ17、電池18、通信部19、メモリ20、プロセッサ21、流路板ユニット22、実装基板23及び充電回路24を収容する。
【0028】
筐体11は、例えば、外郭ケース31と、外郭ケース31の上部開口を覆う風防32と、外郭ケース31の下方を覆う裏蓋35と、を備えている。
【0029】
外郭ケース31は、例えば円筒状、矩形筒状、多角形筒状等に形成される。本実施形態において、外郭ケース31は、円筒状に形成される例を示す。外郭ケース31は、外周面の周方向で対称位置にそれぞれ設けられた一対のラグ31aと、2つの一対のラグ31a間にそれぞれ設けられるバネ棒31bと、を備えている。風防32は、円形状のガラス板である。
【0030】
表示部12は、風防32の直下に配置される。表示部12は、電気的にプロセッサ21に接続される。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部12は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
【0031】
操作部13は、ユーザからの指令を入力可能に構成される。操作部13は、例えば、筐体11に設けられた複数の釦41と、釦41の操作を検出するセンサと、表示部12又は風防32に設けられたタッチパネル43と、を備えている。操作部13は、ユーザが操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ及びタッチパネル43は、電気的にプロセッサ21に接続され、電気信号をプロセッサ21へ出力する。
【0032】
ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、例えば空気を圧縮し、流路板ユニット22を介して圧縮空気をカフ構造体7に供給する。ポンプ14は、電気的にプロセッサ21に接続される。
【0033】
加速度センサ15は、例えば、3軸加速度センサである。加速度センサ15は、例えば、加速度を測定し、アナログ信号を出力する。加速度センサ15は、例えば、A/D変換回路を介して、プロセッサ21に接続される。
【0034】
開閉弁16は、例えば、カフ構造体7の後述する押圧カフ71及びセンシングカフ73に供給された空気を大気に開放する安全用の弁である。開閉弁16は、例えば、流路板ユニット22の後述する、ポンプ14及び開閉弁16を押圧カフ71に接続する第1流路22cの分岐流路22c1に接続される。開閉弁16は、プロセッサ21に電気的に接続される。例えば、開閉弁16は、プロセッサ21の制御によって開閉される。
【0035】
開閉弁16は、例えば、開閉弁16の開度又は第1流路22cの開口面積が、流体抵抗を極力低くなるように設定され、急速な排気を可能とする急速排気弁である。このような開閉弁16は、血圧測定時に押圧カフ71及びセンシングカフ73へ空気を供給するときにおいて、プロセッサ21に制御されることで閉状態に切り替えられる。また、開閉弁16は、押圧カフ71及びセンシングカフ73を排気するときにおいて、プロセッサ21に制御されることで閉状態から開状態へ切り替えられる。また、開閉弁16は、開度の調整が可能に形成されていてもよい。なお、開閉弁16は、ポンプ14の筐体の内部に一体的に設けられてもよい。
【0036】
圧力センサ17は、流路部22aに流体的に接続される。圧力センサ17は、流路部22aを介して、例えばカフ構造体7のセンシングカフ73の圧力を検する。圧力センサ17は、例えば、A/D変換回路を介して、電気的にプロセッサ21に接続され、検出した圧力を電気信号に変換し、プロセッサ21へ出力する。
【0037】
電池18は、例えば、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。電池18は、プロセッサ21に電気的に接続される。電池18は、プロセッサ21に電力を供給する。電池18は、プロセッサ21の各構成、並びに、プロセッサ21を介して表示部12、操作部13、ポンプ14、加速度センサ15、開閉弁16、圧力センサ17及び通信部19に、駆動用の電力を供給する。
【0038】
通信部19は、外部の装置と無線又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部19は、例えば、無線通信の規格に準拠した無線通信モジュールである。通信部19は、例えば、プロセッサ21によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、外部の装置へ送信し、また、外部の装置からソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。本実施形態において、外部の装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ等の外部端末である。
【0039】
本実施形態において、通信部19及び外部の装置とは、直接接続されてもよく、ネットワークを介して接続されてもよい。通信部19及び外部の装置は、4G、5Gといった携帯通信網や、Wimax、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信回線を介して接続されてもよい。また、通信部19及び外部の装置は、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Filed Communication)、赤外線通信といった無線通信手段により接続されてもよい。さらに、通信部19及び外部の装置は、USB(Universal Serial Bus)やケーブルによるLAN(Local Area Network)接続といった有線通信回線を介して接続されてもよい。このため、通信部19は、無線アンテナ及びマイクロUSBコネクタ等の複数の通信手段を含む構成であってもよい。
【0040】
メモリ20は、例えば、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等を含む。メモリ20は、各種データを記憶する。例えば、メモリ20は、血圧測定装置1全体及びポンプ14を制御するためのプログラムデータ、血圧測定装置1の各種機能を設定するための設定データ、圧力センサ17で計測された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を変更可能に予め格納される。
【0041】
プロセッサ21は、メモリ20に格納されたプログラムに基づいて血圧測定装置1全体の動作、並びに、ポンプ14及び開閉弁16の動作を制御し、所定の動作(機能)を実行させる。また、プロセッサ21は、読み込んだプログラムに従い、所定の演算、解析、処理等を実行する。プロセッサ21は、CPU等の演算装置である。
【0042】
流路板ユニット22は、筐体11内に収容される。流路板ユニット22は、ポンプ14、開閉弁16及び圧力センサ17、並びに、カフ構造体7の後述するカフ71、73を流体的に接続する。流路板ユニット22は、内部に流路部22aを有する。また、流路部22aは、開閉弁16を介して、カフ71、73及び大気を流体的に接続する。
【0043】
流路板ユニット22は、第1流路板131と、第2流路板132と、第1流路板131及び第2流路板132を接着する接着部材133と、を備える。流路部22aは、第1流路板131、第2流路板132、及び、接着部材133によって、構成される。
【0044】
第1流路板131は、第2流路板132と対向する面が平面状に形成される。第1流路板131の、第2流路板132と対向する面とは反対側の面に、例えばポンプ14、開閉弁16、及び圧力センサ17が固定される。第1流路板131は、例えば、ポンプ14に流体的に接続される孔、開閉弁16に流体的に接続される孔、及び、圧力センサ17に流体的に接続される孔が形成される。第1流路板131は、例えば金属材料から形成される。第1流路板131は、例えば金属板である。第1流路板131の厚みは、例えば、0.4mmである。
【0045】
第2流路板132は、第1流路板131と対向する面が平面状に形成される。第2流路板132及び第1流路板131は、対向する面の外形が略同じ形状に形成される。第2流路板132は、例えば、金属材料により形成される。第2流路板132の厚みは、例えば、0.4mmである。
【0046】
接着部材133は、第1流路板131及び第2流路板132を接着する。接着部材133は、第1流路板131及び第2流路板132を接着したときに、第1流路板131及び第2流路板132とともに流路部22aを形成する切欠133aを有する。即ち、接着部材133は、各流路板131、132の対向する面の外形と略同じ形状に形成されるとともに、流路部22aに対応する形状に部分的に開口して切欠133aを設けすることで形成される。
【0047】
接着部材133は、例えば、両面テープである。接着部材133の材質には、気密性を持つものを用いる。例えば、接着部材133は、アクリル系フォーム材等の気密性を有する材質からなる基材を有する両面テープである。また接着部材133の厚みは、例えば、0.2mmである。
【0048】
このような接着部材133は、例えば、第1流路板131及び第2流路板132に設けられた位置合わせ用の孔を用いて第1流路板131及び第2流路板132に対して位置合わせがなされる。接着部材133は、例えば、作業員による手作業で、第1流路板131及び第2流路板132に固定される。
【0049】
具体例として、流路板ユニット22は、ポンプ14及びカフ構造体7に接続される。流路板ユニット22の流路部22aは、例えば、第1流路22cと、第2流路22dと、を備える。
【0050】
第1流路22cは、ポンプ14及び開閉弁16と押圧カフ71とを流体的に接続する。具体例として、第1流路22cは、ポンプ14の二次側で分岐する分岐流路22c1を有する。分岐流路22c1は、開閉弁16に接続される。第2流路22dは、圧力センサ17に接続される流路である。
【0051】
具体例として、第1流路板131には、第1孔131aと、第2孔131bと、第3孔131cと、が形成される。孔131a、131b、131cは、第1流路板131を貫通する。
【0052】
第1孔131aは、ポンプ14の吐出口と連通する。第1孔131aは、第1流路22cの一部を構成する。第1孔131aは、例えば、第1流路板131の中央側に配置されている。第2孔131bは、圧力センサ17に接続される。第2孔131bは、第2流路22dの一部を構成する。第2孔131bは、例えば、第1流路板131の外縁側に配置されている。第3孔131cは、開閉弁16に接続される。第3孔131cは、分岐流路22c1の一部を構成する。第3孔131cは、例えば、第1流路板131の外縁側に配置されている。
【0053】
第2流路板132は、例えば、流路板本体132aと、ノズル132bと、を備える。流路板本体132aは、第1流路板131と対向する面が平面状に形成される。流路板本体132a及び第1流路板131は、対向する面の外形が略同じ形状に形成される。流路板本体132aは、例えば金属板である。
【0054】
ノズル132bは、流路板本体132aの接着部材133と反対側の面に設けられる。ノズル132bは、カフ構造体7に接続される。ノズル132bは、例えば、樹脂で形成される。ノズル132bは、流路板本体132aと例えばインサート成形で一体に形成される。
【0055】
具体例として、ノズル132bは、第1ノズル132b1、第2ノズル132b2と、を備えている。第1ノズル132b1は、第1流路22cに連通する。第1ノズル132b1は、押圧カフ71に接続される。第2ノズル132b2は、第2流路22dに連通する。第2ノズル132b2は、センシングカフ73に接続される。
【0056】
実装基板23は、筐体11内に収容され、各種電子部品を実装する。実装基板23は、例えば、プリント基板231と、単数又は複数のアナログ回路部品232と、単数又は複数のデジタル回路部品233と、を備える。実装基板23は、単数又は複数のアナログ回路部品232及び単数又は複数のデジタル回路部品233が実装されたPCB(Printed Circuit Board)である。
【0057】
プリント基板231は、例えば、リジット基板である。プリント基板231は、例えば、両面に単数又は複数のアナログ回路部品232及び単数又は複数のデジタル回路部品233が実装される。プリント基板231は、配線がパターニングされる。プリント基板231の主面方向の形状は、例えば、ポンプ14の主面よりも大きい。プリント基板231は、例えば、多層基板であり、グランド層及び/又は電源層を有する。
【0058】
アナログ回路部品232は、ノイズに影響を受ける部品である。アナログ回路部品232は、例えば、加速度センサ15及び圧力センサ17である。また、アナログ回路部品232は、PPG(Photoplethysmography)センサ、心電センサ、SpO(酸素飽和度)センサ等の各センサや、AFE(Analog Front End)回路等のセンサ周辺回路を含み得る。
【0059】
デジタル回路部品233は、アナログ回路部品232よりもノイズの影響が少ない部品である。デジタル回路部品233は、例えば、通信部19、メモリ20、プロセッサ21を含む。
【0060】
次に、装置本体3の内部の配置構成の例について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5及び図6において、説明の便宜上、装置本体3の構成の概略を示す。このため、本実施形態の例では外郭ケース31の形状は円筒状であるが、図5及び図6においては、外郭ケース31を矩形状で示す。
【0061】
筐体11内において、電池18と、ポンプ14、流路板ユニット22及び実装基板23とは、主面方向で並んで配置される。ここで、主面方向とは、例えば、風防32の外面と沿った方向であり、風防32及び裏蓋35の対向方向に沿った方向に直交する方向である。ポンプ14、流路板ユニット22及び実装基板23は、風防32及び裏蓋35の対向方向に沿った方向(主面方向と直交する方向)に並んで配置される。例えば、裏蓋35側から、流路板ユニット22、ポンプ14及び実装基板23が順に配置される。
【0062】
例えば、裏蓋35に流路板ユニット22が固定される。例えば、ポンプ14は、流路板ユニット22の第1流路板131に固定される。例えば、プリント基板231は、ポンプ14及び流路板ユニット22と離間して、ポンプ14の上方に配置される。複数のデジタル回路部品233は、プリント基板231の両面に実装される。例えば、アナログ回路部品232は、プリント基板231のポンプ14と対向する主面とは反対側の主面、換言すると、風防32側の主面に実装される。アナログ回路部品232は、例えば、主面方向でポンプ14と重なる位置に実装される。
【0063】
充電回路24は、例えば、アンテナ部241と、受電部242と、充電部243と、を備える。充電回路24は、ワイヤレス給電により電池18を充電する。例えば、充電回路24は、外部に設けられる送電装置のアンテナ部から送電される送電電力を受電し、電池18を充電する。
【0064】
アンテナ部241は、送電装置のアンテナ部からの送電電力を受電する。受電部242は、アンテナ部241で受電した電力を整流し、充電部243へ供給する。充電部243は、受電部242から供給される電力を充電用の電力として、電池18へ供給する。例えば、充電部243は、受電部242から供給された電力を、所定の電流値及び電圧値に変換して電池18に供給する。また、受電部242及び/又は充電部243は、アンテナ部241で受電した電力を交流から直流に変換する。
【0065】
図1に示すように、ベルト4は、一方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第1ベルト61と、他方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第2ベルト62と、を備えている。
【0066】
第1ベルト61は、所謂親と呼ばれ、帯状に構成される。第1ベルト61は、一方の端部に設けられる尾錠61cを有する。第1ベルト61は、外郭ケース31に回転可能に保持される。尾錠61cは、矩形枠状の枠状体61dと、枠状体61dに回転可能に取り付けられたつく棒61eを有する。第2ベルト62は、所謂剣先と呼ばれ、枠状体61dに挿入可能な幅を有する帯状に構成される。また、第2ベルト62は、つく棒61eが挿入される小孔62aを複数有する。
【0067】
このようなベルト4は、第2ベルト62が枠状体61dに挿入され、小孔62aにつく棒61eが挿入されることで、第1ベルト61及び第2ベルト62が一体に接続され、外郭ケース31とともに、手首の周方向に倣った環状となる。
【0068】
カーラ5は、樹脂材料で構成され、手首の周方向に沿って湾曲する帯状に構成される。カーラ5は、例えば、一端が装置本体3の手首側に固定される。
【0069】
また、カーラ5は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ5にベルト4の外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいう。形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ5が予め賦形された形状を維持できることをいう。カーラ5は、内周面にカフ構造体7が配置される。
【0070】
図1に示すように、カフ構造体7は、例えば、押圧カフ71と、背板72と、センシングカフ73と、を備えている。カフ構造体7は、押圧カフ71、背板72、及びセンシングカフ73が積層され、一体に構成される。カフ構造体7は、カーラ5の内面に固定される。
【0071】
本実施形態の例では、カフ構造体7は、押圧カフ71が流体制御部9を介してセンシングカフ73に接続され、センシングカフ73が流体制御部9を介して大気に接続される。
【0072】
押圧カフ71は、流路板ユニット22に接続される。押圧カフ71は、流路板ユニット22を介してポンプ14に流体的に接続される。押圧カフ71は、一方の主面がカーラ5の内面に固定される。例えば、押圧カフ71は、カーラ5の内面に両面テープや接着剤により貼付される。押圧カフ71は、膨張することで背板72及びセンシングカフ73を生体側に押圧する。
【0073】
押圧カフ71は、例えば、空気袋81を備えている。
空気袋81は、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等の流体袋であってもよい。
【0074】
背板72は、押圧カフ71手首側の面に、両面テープや接着剤等により貼付される。背板72は、樹脂材料で形成され、板状に形成される。背板72は、例えば、ポリプロピレンからなり、厚さが1mm程度の板状に形成される。背板72は、形状追従性を有する。
【0075】
ここで、形状追従性とは、配置される手首の被接触箇所の形状を倣うように背板72が変形可能な機能をいい、手首の被接触箇所とは、背板72と接触する領域をいい、ここでの接触とは、直接的な接触及び間接的な接触の双方を含む。
【0076】
センシングカフ73は、背板72の手首側の主面に固定される。センシングカフ73は、手首の動脈が存する領域に直接接触する。センシングカフ73は、背板72の長手方向及び幅方向で、背板72と同一形状か、又は、背板72よりも小さい形状に形成される。センシングカフ73は、膨張することで手首の手の平側の動脈が存する領域を圧迫する。センシングカフ73は、膨張した押圧カフ71により、背板72を介して生体側に押圧される。
【0077】
具体例として、センシングカフ73は、1つの空気袋91と、流路体92と、を備えている。
ここで、空気袋91とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は液体袋等であってもよい。
【0078】
空気袋91は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋91は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材を組み合わせ、縁部を例えば熱により溶着することで構成される。
【0079】
流路体92は、例えば、空気袋91の長手方向の一方の縁部の一部に一体に設けられる。流路体92は、空気袋91の装置本体3に近い端部に設けられる。また、流路体92は、空気袋91の幅方向の寸法よりも小さい幅で一方向に長い形状に形成されている。流路体92は、先端に例えば接続部を有する。流路体92は、接続部を介して流路部22aに接続され、流路部22aと空気袋91との間の流路を構成する。
【0080】
流体制御部9は、例えば、カフ71、73へ供給する空気の供給量を制御する。流体制御部9は、例えば、オリフィス等の流体抵抗やチェックバルブである。本実施形態の例では、流体制御部9は、例えば、複数の流量抵抗を備える。流体制御部9は、例えば、複数の流量抵抗の流量抵抗比によって二つのカフ71、73の空気の圧力比を一定に制御する。
【0081】
流体制御部9は、例えば、各流量抵抗の一次側、二次側に圧力差を生じさせ、これら圧力差によって、押圧カフ71とセンシングカフ73の圧力比を一定に制御する。流体制御部9は、血圧測定装置1のカフ71、73の特性に合わせて流量抵抗比を設定する。
【0082】
このように構成される血圧測定装置1によれば、筐体11内に、ポンプ14及び実装基板23を主面方向と直交する方向で重ねて配置したときに、アナログ回路部品232は、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板231のポンプ14とは反対側の主面に実装される。これにより、アナログ回路部品232である圧力センサ17は、装置本体3に設けられる構成要素のうち放射ノイズの発生源となる大電流使用部品であるポンプ14と、グランド層及び/又は電源層を有するプリント基板231を挟んで配置されることになる。よって、プリント基板231は、ポンプ14で生じる放射ノイズをシールドすることで、アナログ回路部品232である圧力センサ17が放射ノイズの影響を受けることを抑制できる。よって、圧力センサ17は、放射ノイズの影響を受けることなく、高い精度で圧力を検出することができる。
【0083】
また、血圧測定装置1は、アナログ回路部品232のノイズ対策に、血圧測定装置1の機能を発揮する為に必要な構成要素であるであるプリント基板231を用いることで、装置本体3(筐体11)のサイズの大型化及び製造コストの増加を抑制することができる。
【0084】
上述したように、第1実施形態の血圧測定装置1は、プリント基板231のポンプ14と対向する面とは反対側の面にアナログ回路部品232を設けることで、アナログ回路部品232が放射ノイズにより影響を受けることを抑制できる。
【0085】
また、大電流使用部品がポンプ14である例を説明したが、これに限定されない。大電流使用部品は、モータ、弁、これらを駆動する駆動回路、無線通信モジュール、充電回路、を含み得る。
【0086】
なお、上述の第1実施形態の例では、アナログ回路部品232のノイズ対策として、アナログ回路部品232を、プリント基板231の大電流使用部品が対向する面とは反対側の面に設ける構成を説明したがこれに限定されない。
【0087】
以下、アナログ回路部品232のノイズ対策として、いくつかの実施形態を説明する。なお、以下の実施形態において、上述した第1の実施形態の血圧測定装置1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0088】
図7及び図8に第2の実施形態に係る血圧測定装置1の装置本体3の例を示す。図7及び図8に示すように、装置本体3に用いられる実装基板23は、プリント基板231の大電流使用部品であるポンプ14と対向する面であって、且つ、平面上で(主面方向で)ポンプ14からずれた位置にアナログ回路部品232が実装される。即ち、アナログ回路部品232は、ポンプ14及び実装基板23の対向方向において、ポンプ14と対向する位置から平面上(主面方向)でポンプ14から放射されるノイズの放射方向からずれた位置に配置される。
【0089】
このように構成された血圧測定装置1によれば、放射ノイズが発生する大電流使用部品であるポンプ14とアナログ回路部品232とが対向しない配置とすることで、アナログ回路部品232がポンプ14で生じる放射ノイズにより影響を受けることを抑制できる。
【0090】
次に、図9に第3の実施形態に係る血圧測定装置1の装置本体3の例を示す。図9に示すように、装置本体3に用いられる実装基板23は、プリント基板231の大電流使用部品であるポンプ14と対向する面とは反対側の面であって、且つ、主面方向でポンプ14からずれた位置にアナログ回路部品232が実装される。即ち、アナログ回路部品232は、ポンプ14及び実装基板23の対向方向において、ポンプ14と対向する位置から平面上でずれた位置に、ポンプ14に対してプリント基板231を介して配置される。
【0091】
このように構成された血圧測定装置1によれば、放射ノイズが発生する大電流使用部品であるポンプ14とアナログ回路部品232とが対向しない配置であり、そして、ポンプ14とアナログ回路部品232との間にプリント基板231が介在する。このため、アナログ回路部品232は、プリント基板231によるノイズシールド及びプリント基板231における実装位置により、放射ノイズによる影響を抑制することができる。
【0092】
次に、図10に第4の実施形態に係る血圧測定装置1の装置本体3の例を示す。図10に示すように装置本体3は、電池18と、ポンプ14、流路板ユニット22及び実装基板23とを、筐体11内において、主面方向で並んで配置する。ポンプ14、流路板ユニット22及び実装基板23は、主面方向と直交する方向に並んで配置される。例えば、裏蓋35側から、ポンプ14、流路板ユニット22及び実装基板23が順に配置される。即ち、ポンプ14及び実装基板23の間に、流路板ユニット22が配置される。例えば、流路板ユニット22は、ノイズシールドが可能に、例えば、第1流路板131、第2流路板132及び接着部材133の少なくともいずれかが、電磁波を吸収又は遮蔽できる材料で形成される。例えば、第1流路板131及び第2流路板132は、上述した第1実施形態と同様に、金属材料で形成される。また、流路板ユニット22の主面方向の形状は、例えば、ポンプ14の主面方向の形状と同じか、又は、ポンプ14の主面方向の形状よりも大きく形成される。
【0093】
このような構成とすることで、大電流使用部品であるポンプ14は、実装基板23側において、流路板ユニット22により覆われる。よって、ポンプ14で生じる放射ノイズは、流路板ユニット22により吸収又は遮蔽されることで、アナログ回路部品232がポンプ14により生じる放射ノイズの影響を受けることを抑制できる。また、例えば、アナログ回路部品232は、プリント基板231のポンプ14及び流路板ユニット22と対向する主面とは反対側の主面に配置され、ポンプ14と主面方向でずれた位置に配置される。なお、アナログ回路部品232は、プリント基板231のポンプ14及び流路板ユニット22と対向する主面に実装されていてもよく、また、プリント基板231の主面方向でポンプ14が対向する領域に配置されていてもよい。
【0094】
なお、上述した各実施形態では、大電流使用部品がポンプ14である例を説明したがこれに限定されない。即ち、大電流使用部品は、装置本体3内に設けられる構成要素のうち、比較的大電流を使用するとともに、電力が供給されることで放射ノイズを生じさせる構成要素であれば、ポンプ14に限定されない。例えば、装置本体3がモータを含む構成である場合には、モータであってもよい。この場合には、モータとアナログ回路部品232との間に、プリント基板231又は流路板ユニット22を配置するか、又は、アナログ回路部品232を平面上でモータからずらした位置、即ち、大電流使用部品のノイズの放射方向からずらした位置に配置する構成であってもよい。また、アナログ回路部品232と大電流使用部品との間に配置する部品は、装置本体3内に配置する、ノイズシールドが可能な部品であれば、プリント基板231及び流路板ユニット22に限定されず、他の部品であってもよい。
【0095】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0096】
1…血圧測定装置、3…装置本体、4…ベルト、5…カーラ、7…カフ構造体、9…流体制御部、11…筐体、12…表示部、13…操作部、14…ポンプ(大電流使用部品)、15…加速度センサ、16…開閉弁、17…圧力センサ、18…電池、19…通信部、20…メモリ、21…プロセッサ、22…流路板ユニット、22a…流路部、22c…第1流路、22c1…分岐流路、22d…第2流路、23…実装基板、24…充電回路、31…外郭ケース、31a…ラグ、31b…バネ棒、32…風防、35…裏蓋、41…釦、43…タッチパネル、61…第1ベルト、61c…尾錠、61d…枠状体、61e…棒、62…第2ベルト、62a…小孔、71…押圧カフ、72…背板、73…センシングカフ、81…空気袋、91…空気袋、92…流路体、131…第1流路板、131a…第1孔、131b…第2孔、131c…第3孔、132…第2流路板、132a…流路板本体、132b…ノズル、133…接着部材、133a…切欠、231…プリント基板、232…アナログ回路部品、233…デジタル回路部品、241…アンテナ部、242…受電部、243…充電部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10