(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001990
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】投影システム、投影方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/36 20060101AFI20231228BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20231228BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231228BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G09G5/36 520P
G03B21/00 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100891
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】松原 邦裕
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA22
2K203FA25
2K203FA76
2K203FA82
2K203FB05
2K203KA56
2K203KA83
5C058BA17
5C058BA35
5C058BB25
5C058EA02
5C058EA26
5C058EA27
5C182AA03
5C182AA04
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA29
5C182BB04
5C182BB12
5C182CB12
5C182CB13
5C182CB44
5C182CC26
5C182DA02
(57)【要約】
【課題】投影対象の全体を実寸大で投影できない場合でも投影対象の一部を実寸大で投影する。
【解決手段】投影システム100は、図面画像及び寸法データを含む図面データを取得する図面取得部140と、図面画像を被投影体に投影する投影部130と、制御部110と、を備え、制御部110は、図面取得部140で取得した図面データに含まれる寸法データを取得し、取得した寸法データに基づいて、図面画像の全体を被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、投影不可能な場合には、図面画像の一部を投影部130で被投影体に投影する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面画像及び寸法データを含む図面データを取得する図面取得部と、
前記図面画像を被投影体に投影する投影部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記図面取得部で取得した図面データに含まれる寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記投影部で前記被投影体に投影する、
投影システム。
【請求項2】
前記被投影体までの距離を測定する測距部をさらに備え、
前記制御部は、前記取得した寸法データと前記測距部で測定した距離とを用いて前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定する、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記被投影体に投影できる最大のサイズである最大投影サイズを算出し、
前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影不可能な場合には、前記図面取得部が取得した図面データに含まれる図面画像において、前記最大投影サイズ以下の領域を、前記投影部で前記被投影体に投影する、
請求項1に記載の投影システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記最大投影サイズ以下の領域として、前記図面画像の要部を切り出し、
前記切り出した要部を前記投影部で前記被投影体に投影する、
請求項3に記載の投影システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記要部として、前記図面画像中で情報量が多い領域を切り出す、
請求項4に記載の投影システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記要部として、ユーザから指定された領域を切り出す、
請求項4に記載の投影システム。
【請求項7】
被投影体を含む画像を取得する被投影体取得部を備え、
前記制御部は、
前記被投影体取得部で取得した画像に基づいて、前記投影部によって前記被投影体に投影される領域である投影領域の前記被投影体における位置を取得し、
前記図面画像中における前記投影領域の前記位置に対応する領域を前記要部として切り出す、
請求項4に記載の投影システム。
【請求項8】
投影位置を変更する投影位置変更部をさらに備え、
前記制御部は、
前記投影位置変更部で前記投影位置を変更後に、前記被投影体取得部で取得した画像に基づいて、又は、前記投影位置変更部で変更した投影位置に基づいて、前記投影領域の前記被投影体における位置を取得し、
前記図面画像中における前記投影領域の前記位置に対応する領域を前記要部として切り出す、
請求項7に記載の投影システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記図面データに含まれる図面画像中の数字及び線分を認識することにより、前記寸法データを取得する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の投影システム。
【請求項10】
制御部が、
図面画像及び寸法データを含む図面データから前記寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記被投影体に投影させる、
投影方法。
【請求項11】
コンピュータに、
図面画像及び寸法データを含む図面データから前記寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記被投影体に投影させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影システム、投影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な画像をスクリーンに投影して表示する投影装置(プロジェクタ装置)が用いられている。投影装置を用いると、スクリーン(投影面、被投影体)までの距離を変更したりズーム倍率を変更したりすることにより、投影する画像(投影画像)のサイズを容易に変更することができる。そのため、例えば特許文献1に開示されている画像表示装置のように、投影面に投影対象を実寸大で投影することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投影対象を実寸大で投影することにより、ユーザは投影対象の実際の大きさを容易に捉えることができる。しかし、投影面(被投影体)の大きさによっては、実寸大で投影することができない場合もある。特許文献1に開示されている画像表示装置では、投影面に実寸大で投影できるか否かを判定し、実寸大で投影できない場合にはエラー表示を行うようにしている。しかし、投影面に投影対象の全体を実寸大で投影できない場合でも、投影対象の一部を実寸大で投影したい場合もある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、投影対象の全体を実寸大で投影できない場合でも投影対象の一部を実寸大で投影することができる投影システム、投影方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る投影システムの一態様は、
図面画像及び寸法データを含む図面データを取得する図面取得部と、
前記図面画像を被投影体に投影する投影部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記図面取得部で取得した図面データに含まれる寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記投影部で前記被投影体に投影する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、投影対象の全体を実寸大で投影できない場合でも投影対象の一部を実寸大で投影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る投影システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】投影部のスローレシオを説明するための図である。
【
図4】実施の形態に係る実寸大投影処理のフローチャートである。
【
図5】実施の形態に係るトリミング処理のフローチャートである。
【
図6】実施の形態に係るトリミング処理で切り出される要部を説明する図である。
【
図7】実施の形態に係るトリミング処理で切り出された要部の一例を示す図である。
【
図8】変形例1に係る投影システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】被投影体取得部で取得される画像の一例を示す図である。
【
図10】変形例1に係るトリミング処理のフローチャートである。
【
図11】変形例1に係るトリミング処理で切り出される要部を説明する図である。
【
図12】変形例2実施の形態に係る投影システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】投影位置変更部の構造の一例を示す図である。
【
図14】変形例2に係る実寸大投影処理のフローチャートである。
【
図15】変形例2に係る移動トリミング処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る投影システム等について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施の形態)
実施の形態に係る投影システムは、寸法が記載された図面(図面画像及び寸法データを含む図面データ)を読み込んで、図面を実寸大で投影するシステムである。この投影システムを利用することで、例えば、建築現場等で、建築用の図面(見取り図、配管図等)を実寸大で地面や壁面に投影することにより、ユーザは各部屋や設備の位置や大きさを実寸大で確認することができる。なお、実寸大とは、図面データに記載されている寸法の大きさを意味する。つまり、実寸大投影とは、図面データに記載されている寸法の大きさで投影することを意味する。また、図面データには一般に寸法に関する情報(寸法を示す数字、尺度を示す数字等)が含まれているが、ここでは、寸法に関する情報を寸法データと呼び、図面データのうち寸法データ以外の画像のデータを図面画像と呼ぶ。
【0011】
実施の形態に係る投影システム100は、
図1に示すように、制御部110、記憶部120、投影部130、図面取得部140、測距部150、操作部160を備える。
【0012】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されているプログラムにより、後述する実寸大投影処理等を実行する。
【0013】
記憶部120は、制御部110が実行するプログラムや、必要なデータを記憶する。記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を含み得るが、これらに限られるものではない。なお、記憶部120は、制御部110の内部に設けられていてもよい。
【0014】
投影部130は、液晶やDMD(Digital Mirror Device)等からなる投影画像出力部、光源やレンズ等からなる光学ブロックを備え、入力された画像データをスクリーン等の被投影体に投影する。光学ブロックは光学ズーム、アスペクト調整、台形歪み調整等の機能を備え、制御部110からの制御により、光学ズーム倍率、アスペクト比等を変更することができる。また、制御部110は、ズーム倍率等を変更することで、投影部130のスローレシオ(TR:Throw Ratio)を変更することができる。なお、スローレシオとは、投影画像のサイズ(例えば投影画像の水平方向の長さ)に対する投影距離(被投影体までの距離)の比である。例えば
図2に示すように、投影部130が床210を被投影体(投影面)として天井220に設置されており、投影部130から被投影体までの距離をd、被投影体での投影画像の水平方向の長さをwで表した場合、スローレシオTR=d/wとなる。
【0015】
図面取得部140は、イメージセンサを備え、
図3に示すような図面300を読み取って、図面画像及び寸法データを含む図面データを取得する。なお、図面取得部140は、予めスキャナで読み取り済みあるいはデジタルカメラで撮影済みの図面データ(JPEG(Joint Photographic Experts Group)データ等)を取得してもよく、この場合、図面取得部140はイメージセンサを備えなくてもよい。
【0016】
測距部150は、投影部130から被投影体までの距離を測定する。測距部150は、距離を測定できるならば任意のセンサを使用可能である。例えば測距部150は、超音波を発して、測定対象に反射して戻ってくるまでの時間を計測することによって距離を測定する超音波センサであってもよい。また、測距部150は、レーザや電波を発して測定対象までの距離を測定してもよいし、ステレオカメラ等を用いて測定対象までの距離を測定してもよい。なお、投影部130と被投影体との距離が予め決められている場合等、距離を測定する必要がない場合(例えば、記憶部120に、投影部130と被投影体との距離が記憶されている場合)には、投影システム100は測距部150を備えなくてもよい。
【0017】
操作部160は、押しボタンスイッチやタッチパネル等のユーザインタフェースであり、ユーザからの操作入力を受け付ける。投影システム100は、操作部160として、例えば後述する実寸大投影処理を実行させるためのスイッチ(実寸大投影スイッチ)を備える。また、投影システム100は、操作部160として、ディスプレイと一体化したタッチパネルを備えてもよい。このようなタッチパネルを備えることにより、投影システム100は例えば図面取得部140で取得した図面をディスプレイに表示して投影範囲の起点(左上の点)をタッチパネルでユーザに指定してもらうことができる。
【0018】
投影システム100は、上述の機能構成を備えた1台のプロジェクタ装置であってもよいし、複数の装置によって上述の機能構成を備えるものであってもよい。例えば、制御部110、記憶部120、操作部160を備えるPC(Personal Computer)と、投影部130を備えるプロジェクタ装置と、図面取得部140を備えるスキャナ装置と、測距部150を備える距離センサ装置とが、USB(Universal Serial Bus)等で接続されて投影システム100が構成されていてもよい。
【0019】
また、投影システム100は、複数の投影部130を備えていてもよい。例えば4台の投影部130を2×2の構成で設置することにより、1台のみの投影部130しか備えない場合に比較して、縦横ともに2倍のサイズまで実寸大で投影できるようになる。投影システム100が複数の投影部130を備える場合でも、大きな投影画像を投影可能な仮想的な1台の投影部130とみなすことができ、このようにみなすことにより、以下の説明を適用することができる。
【0020】
次に、制御部110が実行する実寸大投影処理について、
図4を参照して説明する。実寸大投影処理は、投影対象である図面データを実寸大で投影する処理であり、ユーザが操作部160を操作して実寸大投影処理の開始を指示(例えば実寸大投影スイッチを押下)すると実行が開始される。
【0021】
まず制御部110は、図面取得部140で図面データを取得する(ステップS101)。このステップで制御部110は、イメージデータとしての図面画像だけでなく、図面データに含まれる寸法データも取得する。例えば図面取得部140は、
図3に示す図面300から図面データを取得する際、図面300の上側及び左側に存在する数字及び線分を認識することにより、図面中の各部分の長さや、図面全体のサイズを、寸法データとして取得する。なお、単位が記載されていない場合は原則として単位をミリメートルとして扱うため、この例では図面全体のサイズは5460ミリメートル×5460ミリメートルとなる。もし図面中に単位の記載がある場合にはその単位に基づくサイズを寸法データとして取得する。また、図面中に尺度の記載がある場合には、図面中の長さと尺度とに基づいて算出されるサイズを寸法データとして取得してもよい。
【0022】
次に、制御部110は、最大投影サイズを算出する(ステップS102)。具体的には制御部110は、測距部150により投影部130から被投影体(投影面)までの距離(投影距離)を測定し、投影部130のスローレシオ、光学ズーム倍率、アスペクト比の設定等から実際に被投影体に投影可能な縦横それぞれの最大の長さを算出する。例えば、投影距離をd、スローレシオ(投影距離/投影画像の横の長さ)をTR、アスペクト比(投影画像の横の長さ/縦の長さ)をAとすると、投影可能な横の最大の長さWM及び投影可能な縦の最大の長さHMは以下の式で算出される。
WM=d/TR
HM=d/(TR・A)
【0023】
そして、制御部110は、ステップS101で取得した寸法データと、ステップS102で算出した最大投影サイズ(WM,HM)とを比較して、図面データの全体を投影可能か否か判定する(ステップS103)。全体投影可能なら(ステップS103;Yes)、制御部110はステップS105に進む。
【0024】
全体投影不可能なら(ステップS103;No)、制御部110は投影可能な範囲の縦横サイズ(WM,HM)に合わせて図面画像の一部をトリミング処理し(ステップS104)、ステップS105に進む。なお、ステップS104で行われるトリミング処理とは画像の要部(当該画像における最大投影サイズ(WM,HM)の領域)を切り出す処理であるが、処理の詳細は後述する。
【0025】
ステップS105で制御部110は、投影縮尺を算出する。このステップで、制御部110は、最大投影サイズ(WM,HM)を投影部130で投影される画像の解像度で割ることで投影される画像中の1ピクセルの縦(垂直方向)の長さ(VL)及び横(水平方向)の長さ(HL)を求め、図面(ステップS104を実行した場合には切り出した要部)の縦横の寸法を1ピクセルの縦横の長さで割ることで縦横それぞれのピクセル数を算出する。具体的にはこれらは以下の式で算出される。
縦1ピクセルの長さVL=縦方向最大投影サイズ÷縦方向解像度
横1ピクセルの長さHL=横方向最大投影サイズ÷横方向解像度
縦方向ピクセル数PV=縦方向図面寸法÷VL
横方向ピクセル数PH=横方向図面寸法÷HL
【0026】
なお、ステップS105の処理は、ステップS103を実行する前に実行してもよい。また、投影システム100は、投影部130で投影可能な最大サイズより小さいサイズ(縦方向投影サイズ及び横方向投影サイズ)で図面画像を投影してもよい。この場合には、上記VL及びHLの算出を以下の式で行う。
縦1ピクセルの長さVL=縦方向投影サイズ÷縦方向解像度
横1ピクセルの長さHL=横方向投影サイズ÷横方向解像度
【0027】
そして、制御部110は、全体投影可能なら図面画像から、全体投影不可能ならトリミング処理で切り出した要部から、ステップS105で算出した縦横のピクセル数に合わせて投影画像を生成する(ステップS106)。
【0028】
そして、制御部110は、生成した投影画像を投影部130で投影し(ステップS107)、実寸大投影処理を終了する。
【0029】
次に、実寸大投影処理のステップS104で実行されるトリミング処理について
図5を参照して説明する。この処理は、図面画像中の要部(図面画像において、最大投影サイズの矩形の領域)を切り出す処理である。
【0030】
まず、制御部110は、トリミングの起点(要部の左上の点)を手動で指定するか否かを判定する(ステップS201)。例えば、ユーザが操作部160から起点を手動で指定する旨の指示をしたら、ステップS201での判定はYesとなる。トリミングの起点を手動で指定するなら(ステップS201;Yes)、制御部110は、操作部160によりユーザから入力された起点の位置を取得する(ステップS202)。そして、制御部110は、ステップS202で取得した起点(ユーザに入力された起点)を切り出す領域(トリミング領域)の左上の点として、図面画像から、最大投影サイズの矩形領域を要部として切り出す(ステップS203)。そして、制御部110は、トリミング処理を終了して、実寸大投影処理のステップS105に進む。手動による上記起点の指定は、図示しないディスプレイに表示された図面画像中の任意の点に対する図示しないマウスによるクリック操作やタップ操作(上記ディスプレイがタッチパネルの場合)によって実施されてもよい。一実施形態では、要部の大きさは、最大投影サイズより小さくてもよい。要部の大きさは、ユーザにより、予め設定されていてもよい。要部の大きさが最大投影サイズより小さい場合には、最大投影サイズの画像中における要部の位置を所定の位置(例えば中央部)としてもよいし、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0031】
一方、トリミングの起点を手動で指定しないなら(ステップS201;No)、制御部110は、図面画像を単位領域に分割し(ステップS204)、各単位領域の白色率を算出する(ステップS205)。具体的には、制御部110は、例えば図面画像を縦10×横10の100個の単位領域に分割し、それぞれの領域における白色のピクセルの個数の割合を算出する。
【0032】
そして、制御部110は、白色率が最小の単位領域を抽出し(ステップS206)、白色率が最小の単位領域を含む領域を切り出す(ステップS207)。例えば制御部110は、白色率が最小の単位領域の左上の点をトリミング領域の左上の点として、図面画像から、最大投影サイズの領域を要部として切り出す。そして、制御部110は、トリミング処理を終了して、実寸大投影処理のステップS105に進む。
【0033】
なお、ステップS205~S207では、制御部110は単位領域1つ1つの白色率に着目するのではなく、図面画像において、最大投影サイズの領域(投影サイズ領域)の切り出しを単位領域の縦横の長さ毎ずらしながら行い、それぞれの投影サイズ領域の白色率を算出し、白色率が最小となる位置における投影サイズ領域を要部として切り出してもよい。
【0034】
上述のトリミング処理で白色率が最小となる領域を要部としているのは、白色率が最小ということは、その領域には各種の線や文字が描かれているということであり、その領域の情報量が多いと考えられるからである。すなわち、上述のトリミング処理では、図面画像中で情報量が最も多いと考えられる領域が要部として切り出される。
【0035】
以上の実寸大投影処理及びトリミング処理により、図面画像の全体を被投影体に実寸大投影できない場合でも、図面画像の一部(要部)を被投影体に実寸大で投影することができる。なお、上述の説明では投影対象について、寸法データを含めない図面画像としたが、寸法データを含めた図面データを投影対象としてもよい。
【0036】
例えば、
図3に示す図面300を投影する場合に、ステップS102で最大投影サイズとして3000ミリメートル×4000ミリメートルが得られた場合、図面全体(5460ミリメートル×5460ミリメートル)の投影は不可能なため、トリミング処理が行われる。そして、手動トリミングの指示がない場合は、自動トリミング処理により、白色率が最小である領域(
図3に示す図面300の左上の領域)が切り出され、
図6に示す図面300から、3000ミリメートル×4000ミリメートルの領域であるトリミング範囲230が切り出され、
図7に示すような図面の要部310が投影される。
【0037】
なお、上述の実寸大投影処理では、被投影体は最大投影サイズ以上のサイズであることが想定されており、被投影体のサイズによってトリミングを行うか否かを判定する処理は行っていない。しかし、制御部110が例えばステップS102において、被投影体のサイズ(被投影体の縦横それぞれの最大の長さ)も取得して、ステップS103では最大投影サイズと被投影体のサイズの縦横それぞれの小さい方に基づいて全体投影可能か否かを判定してもよい。被投影体のサイズの取得方法としては、ユーザに操作部160で被投影体のサイズを入力してもらってもよいし、何らかのセンサ(測距部150が備えるセンサや別途用意したカメラ等)で被投影体のサイズを測定してもよい。被投影体のサイズを取得するセンサの例として、TOF(Time Of Flight)方式を利用した距離画像センサが挙げられる。
【0038】
また、上述の実寸大投影処理では、制御部110は毎回、図面データの取得(ステップS101)、最大投影サイズの算出(ステップS102)、投影縮尺の算出(ステップS105)を行っているが、取得したデータや算出した値を記憶部120に記憶させておくことにより、2回目以降の取得処理や算出処理を省略してもよい。例えば、投影部130の設置位置を変更しない場合には、制御部110は、最大投影サイズを1度算出したら、記憶部120に記憶させておくことで、2回目以降は算出不要である。
【0039】
また、投影システム100は、同じ対象物の別レイヤーの図面(上述の例では
図3に示すような見取り図の図面であったが、その下層の配管の図面、その上層の屋根の図面等)を切り替えて投影する機能を備えていてもよい。この場合、制御部110は、投影縮尺を1度算出したら、記憶部120に記憶させておくことで、2回目以降は算出不要である。
【0040】
また、上述の実施の形態では、投影部130が天井220に設置され、床210を被投影体として投影対象(少なくとも図面画像を含む図面データ)を投影する例で説明した。しかし、被投影体は床210に限らない。例えば、通常のプロジェクタと同様に、床210や台の上に投影部130が設置され、壁を被投影体として投影する使用形態も考えられる。この場合、投影部130で、例えば扉、襖、戸棚、台所等を横方向(ユーザが通常使用する場合の視線方向)から眺めた図面画像等を実寸大で壁面に投影することができるので、ユーザは扉等の実際の大きさや使用感を体験することができる。
【0041】
また、上述の実施の形態では、投影部130は投影対象を実寸大で投影するように投影縮尺を算出したが、投影縮尺を任意に変更することで、投影する際の倍率は任意に変更可能である。例えば、ユーザの指示により、投影部130が投影対象を実寸の2倍のサイズや実寸の1/2のサイズで投影するようにしてもよい。
【0042】
(変形例1)
上述の実施の形態では、トリミング処理により自動的に切り出される領域は、白色率の低い領域、すなわち情報量の多い領域であったが、ユーザが投影したい領域は必ずしも情報量の多い領域とは限らない。このため、上述の実施の形態ではトリミング処理で切り出す領域をユーザが手動で指定できるようにしている。しかし、切り出す領域をユーザが指定するのではユーザの操作が煩雑になる。例えば、建築現場等で見取り図を地面に投影する場合、地面の投影領域には、その領域に対応する見取り図の領域が投影されると便利である。そこで、図面画像中の位置と被投影体における位置との対応関係を把握して、自動的に切り出す領域の位置を決定する変形例1について説明する。
【0043】
変形例1に係る投影システム101は、
図8に示すように、投影システム100に被投影体取得部170が追加された機能構成となっている。なお、変形例1に係る投影システム101は、例えば、家屋の工事現場において、基礎工事のみ、又は柱等の一部のみが建った段階で、各部屋や各設備がどこに設置されるのかを確認するために、工事現場の地面に
図3に示すような図面300を投影するような使用形態を想定している。したがって、この段階ではまだ床210はできていない(地面が剥き出しになっている)場合も想定されるが、便宜上、以下では、被投影体が地面であっても床210として説明している。また、まだ天井220ができていない場合でも、投影部130は足場や三脚等により天井220と同様の高い位置に設置されることを想定している。
【0044】
被投影体取得部170は、投影部130付近にカメラを備え、被投影体(投影面)を撮影して被投影体の特徴部の位置がわかるような画像を取得する。ここで被投影体の特徴部とは、例えば被投影体の端部(例えば、床と壁との境目等)である。例えば、投影システム101の投影部130が
図2に示すように天井220から床に向けて投影するように設置されている場合、被投影体取得部170のカメラは
図9に示すように、被投影体である床210と、その端部211を含む画像250を撮影する。そして、投影システム101の制御部110は、被投影体取得部170が取得した画像250を認識して、被投影体の端部211の位置を認識する。
【0045】
さらに、投影システム101の制御部110は、投影部130からダミー画像を投影させる等して、投影領域240の位置(被投影体のどの位置に投影画像が投影されるか)についても被投影体取得部170が取得した画像250から認識する。ダミー画像は、画像250から投影画像のサイズと被投影体の特徴部の位置とが認識できるような、最大投影サイズの任意の画像データであり、例えば全体が白色の画像データである。ただし、ユーザが最大投影サイズでの投影を望まない場合や、図面画像の実寸のサイズが最大投影サイズよりも小さい場合には、ダミー画像のサイズは最大投影サイズより小さくてもよい。
【0046】
変形例1の投影システム101の実寸大投影処理は、投影システム100の実寸大投影処理(
図4)と同様であるが、そのステップS104で実行されるトリミング処理の内容が異なるため、変形例1に係るトリミング処理について、
図10を参照して説明する。
【0047】
なお、
図10に示すトリミング処理のうち、ステップS301~ステップS303については、投影システム100のトリミング処理(
図5)のステップS201~ステップS203と同様のため、説明を省略する。
【0048】
ステップS301で、トリミングの起点を手動で指定しないなら(ステップS301;No)、制御部110は、図面画像中の特徴部の位置を画像認識する(ステップS304)。図面画像中の特徴部とは、図面画像の中で、被投影体との位置の対応を付ける際の目印になる部分であり、例えば端部(床と壁との境目)である。以下、特徴部を端部とした場合で説明する。
【0049】
次に、制御部110は、被投影体取得部170で取得した被投影体の画像から、被投影体の特徴部(ここでは端部)の位置を認識する(ステップS305)。その際、制御部110は、被投影体の端部間の距離(
図9では、左右の端部間の距離も上下の端部間の距離も5460ミリメートル)も認識し、寸法データと照合して、図面全体の実寸サイズと被投影体(床210)のサイズとが等しいことを確認する。
【0050】
なお、煩雑になるため
図10では省略しているが、図面全体の実寸サイズと被投影体のサイズとが等しくない場合や、被投影体の特徴部(端部)の位置が認識できなかった場合には、投影システム101は、エラーである旨を投影して実寸大投影処理を終了してもよいし、ユーザに操作部160から図面の特徴部(端部)を被投影体のどの位置に対応付ければよいかを入力してもらうようにしてもよい。
【0051】
次に、制御部110は、投影部130からダミー画像を投影させる等してから被投影体取得部170で取得した画像250に基づいて、被投影体(床210)における投影領域240の位置を認識(取得)する(ステップS306)。
図9は、床210の中央よりやや左上の横4000ミリメートル、縦3000ミリメートルの領域が投影領域240として認識された場合の例を示している。
【0052】
そして、制御部110は、画像250と図面画像とを対応させ(それぞれの縮尺を合わせ、特徴部(端部)の位置を合わせて重ね合わせることによって、位置の対応を取る)、図面画像中の投影領域240に対応する領域を要部として切り出す(ステップS307)。つまり、画像250中の投影領域240にある特徴部の位置に、図面画像のその特徴部に対応する部分が投影されるように要部を切り出す。例えば、画像250中の投影領域240の起点(最も左上の点)にちょうど特徴部(例えば部屋の角)が存在するなら、図面画像中のその特徴部(例えば部屋の角)に対応する点を要部の起点(最も左上の点)として切り出す。また、画像250中の特徴部の位置が投影領域240の起点(最も左上の点)の位置でない場合は、図面画像中のその特徴部に対応する位置から所定距離離れた図面画像中の点を要部の起点(最も左上の点)として切り出す。上記所定距離は、画像250中の上記特徴部から、投影領域240の起点(最も左上の点)までの距離に相当する。これにより、例えば
図11に示すように、図面300の中の投影領域240に対応する部分が図面の要部320として切り出される。そして、制御部110は、トリミング処理を終了して、実寸大投影処理のステップS105に進む。
【0053】
なお、ステップS305でユーザに図面の特徴部(端部)を被投影体のどの位置に対応付ければよいかを入力してもらった場合には、ステップS307で制御部110は、図面の特徴部(端部)の位置とステップS305で入力してもらった被投影体の位置とを合わせて、図面と被投影体との位置の対応を取る。
【0054】
上述のようなトリミング処理を行うことにより、変形例1に係る投影システム101は、被投影体での投影領域240に対応する図面画像中の領域(要部)を、位置も合った状態で実寸大で投影することができる。
【0055】
(変形例2)
変形例1では、投影システム101の投影部130の位置が固定されていたが、これを可動させることにより、被投影体でのより広い範囲で図面画像を投影させることができる変形例2について説明する。
【0056】
変形例2に係る投影システム102は、
図12に示すように、投影システム101に投影位置変更部180が追加された機能構成となっている。
【0057】
投影位置変更部180は、投影部130で投影する位置を変更する(投影領域を移動させる)手段である。投影位置変更部180は、投影部130を移動させる手段であってもよいし、投影部130の投影方向を変更する手段であってもよい。ここでは、モータと送りねじとを用いて投影部130を移動させる投影位置変更部180の一例を説明する。
【0058】
変形例2に係る投影位置変更部180は、例えば
図13に示すように、横方向モータ181、横方向おねじ182、横方向めねじ183、縦方向モータ184、縦方向おねじ185、縦方向めねじ186を備える。
【0059】
制御部110が、横方向モータ181で横方向おねじ182を回転させることにより、横方向めねじ183が横方向(
図13の左右方向)に移動する。また、縦方向モータ184で縦方向おねじ185を回転させることにより、縦方向めねじ186が縦方向(
図13の紙面に垂直方向)に移動する。
【0060】
横方向モータ181は天井220に固定されており、縦方向モータ184は横方向めねじ183に固定されており、投影部130は縦方向めねじ186に固定されている。このため、制御部110が横方向モータ181及び縦方向モータ184を回転させることにより、投影部130の位置を縦横自在に移動させることができる。
【0061】
変形例2の投影システム102の実寸大投影処理について、
図14を参照して説明する。ただし、変形例2の実寸大投影処理は、投影システム100の実寸大投影処理(
図4)と共通する処理が多い。例えば、変形例2の実寸大投影処理のステップS401,S402,S403,S404,S406,S407は、それぞれ投影システム100の実寸大投影処理(
図4)のステップS101,S102,S105,S103,S106,S107の処理内容と同様なので、説明を省略する。
【0062】
ステップS404で全体投影不可能なら(ステップS404;No)、制御部110は、移動トリミング処理を行って(ステップS405)、実寸大投影処理を終了する。なお、ステップS405で行われる移動トリミング処理とは、画像の要部を切り出して投影しつつ、必要に応じて投影部130を移動させる処理である。移動トリミング処理の詳細について
図15を参照して説明する。
【0063】
移動トリミング処理のうち、ステップS501,S502,S503,S504は、変形例1のトリミング処理(
図10)のステップS304,S305,S306,S307の処理内容と同様のため、説明を省略する。また、ステップS505,S506は、実施の形態の実寸大投影処理(
図4)のステップS106,S107の処理内容と同様のため、説明を省略する。
【0064】
ステップS507では、制御部110は、操作部160からユーザによる投影領域の移動指示があったか否かを判定する。移動指示があったなら(ステップS507;Yes)、制御部110は、移動指示にしたがって投影位置変更部180により投影部130を移動させて(ステップS508)、ステップS503に戻る。
【0065】
ステップS503では、制御部110は、再度ダミー画像を投影させて投影領域の位置の認識を行ってもよいし、投影位置変更部180で投影部130を移動させた量に基づいて、投影領域の位置を算出してもよい。
【0066】
一方、ステップS507で移動指示がなければ(ステップS507;No)、制御部110は、操作部160からユーザによる実寸大投影処理の終了の指示があったか否かを判定する(ステップS509)。終了の指示がなければ(ステップS509;No)、ステップS507に戻る。終了の指示があれば(ステップS509;Yes)、移動トリミング処理を終了し、実寸大投影処理も終了する。
【0067】
変形例2に係る実寸大投影処理では、移動トリミング処理によって、投影領域を縦横自在に移動させて、移動させた投影領域の位置に対応する図面中の領域を実寸大で投影することができる。したがって、図面全体を実寸大で投影できない場合でも、投影場所を移動させることで、図面の様々な部分を、対応する位置の投影領域に実寸大で投影することができる。
【0068】
(その他の変形例)
なお、投影システム100,101,102は、投影部130、図面取得部140、測距部150等を備えたタブレットやPC等のコンピュータによっても実現することができる。具体的には、上記実施の形態では、制御部110が実行する実寸大投影処理等のプログラムが、記憶部120に予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)、メモリカード、USBメモリ等の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各処理を実行することができるコンピュータを構成してもよい。
【0069】
さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の各処理を実行できるように構成してもよい。
【0070】
また、制御部110は、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ、マルチコアプロセッサ等の任意のプロセッサ単体で構成されるものの他、これら任意のプロセッサと、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられて構成されてもよい。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0072】
(付記1)
図面画像及び寸法データを含む図面データを取得する図面取得部と、
前記図面画像を被投影体に投影する投影部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記図面取得部で取得した図面データに含まれる寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記投影部で前記被投影体に投影する、
投影システム。
【0073】
(付記2)
前記被投影体までの距離を測定する測距部をさらに備え、
前記制御部は、前記取得した寸法データと前記測距部で測定した距離とを用いて前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定する、
付記1に記載の投影システム。
【0074】
(付記3)
前記制御部は、
前記被投影体に投影できる最大のサイズである最大投影サイズを算出し、
前記図面画像の全体を前記被投影体に実寸大で投影不可能な場合には、前記図面取得部が取得した図面データに含まれる図面画像において、前記最大投影サイズ以下の領域を、前記投影部で前記被投影体に投影する、
付記1に記載の投影システム。
【0075】
(付記4)
前記制御部は、
前記最大投影サイズ以下の領域として、前記図面画像の要部を切り出し、
前記切り出した要部を前記投影部で前記被投影体に投影する、
付記3に記載の投影システム。
【0076】
(付記5)
前記制御部は、
前記要部として、前記図面画像中で情報量が多い領域を切り出す、
付記4に記載の投影システム。
【0077】
(付記6)
前記制御部は、
前記要部として、ユーザから指定された領域を切り出す、
付記4に記載の投影システム。
【0078】
(付記7)
被投影体を含む画像を取得する被投影体取得部を備え、
前記制御部は、
前記被投影体取得部で取得した画像に基づいて、前記投影部によって前記被投影体に投影される領域である投影領域の前記被投影体における位置を取得し、
前記図面画像中における前記投影領域の前記位置に対応する領域を前記要部として切り出す、
付記4に記載の投影システム。
【0079】
(付記8)
投影位置を変更する投影位置変更部をさらに備え、
前記制御部は、
前記投影位置変更部で前記投影位置を変更後に、前記被投影体取得部で取得した画像に基づいて、又は、前記投影位置変更部で変更した投影位置に基づいて、前記投影領域の前記被投影体における位置を取得し、
前記図面画像中における前記投影領域の前記位置に対応する領域を前記要部として切り出す、
付記7に記載の投影システム。
【0080】
(付記9)
前記制御部は、
前記図面データに含まれる図面画像中の数字及び線分を認識することにより、前記寸法データを取得する、
付記1から8のいずれか1つに記載の投影システム。
【0081】
(付記10)
制御部が、
図面画像及び寸法データを含む図面データから前記寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記被投影体に投影させる、
投影方法。
【0082】
(付記11)
コンピュータに、
図面画像及び寸法データを含む図面データから前記寸法データを取得し、
前記取得した寸法データに基づいて、前記図面画像の全体を被投影体に実寸大で投影可能か否かを判定し、
投影不可能な場合には、前記図面画像の一部を前記被投影体に投影させる、
処理を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0083】
100,101,102…投影システム、110…制御部、120…記憶部、130…投影部、140…図面取得部、150…測距部、160…操作部、170…被投影体取得部、180…投影位置変更部、181…横方向モータ、182…横方向おねじ、183…横方向めねじ、184…縦方向モータ、185…縦方向おねじ、186…縦方向めねじ、210…床、211…端部、220…天井、230…トリミング範囲、240…投影領域、250…画像、300…図面、310,320…要部