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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019912
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ストッパー装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20240206BHJP
   B65G 47/29 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B65G47/52 101
B65G47/29 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122681
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】508079304
【氏名又は名称】愛知機械テクノシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131406
【弁理士】
【氏名又は名称】福山 正寿
(72)【発明者】
【氏名】堀野 隆司
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 章宏
【テーマコード(参考)】
3F044
3F081
【Fターム(参考)】
3F044AA01
3F044AB28
3F044AB39
3F044CD08
3F044CE07
3F044CE47
3F081AA01
3F081BD14
3F081CC12
3F081CE13
(57)【要約】
【課題】ストッパー装置の合理的な構成に資する技術を提供すること。
【解決手段】ベースプレート2に固定された蝶番Hgを支点として床面Fに近付く方向および当該床面Fから遠ざかる方向に揺動可能な解除ペダル4と、当該解除ペダル4が床面Fから遠ざかる方向に揺動しているときに、ストッパー26がストッパー規制状態となり、解除ペダル4が床面Fに近付く方向に揺動しているときに、ストッパー26がストッパー規制解除状態となるストッパー部8と、を備えるストッパー装置1を構成する。そして、移載位置Tpの床面Fであって、台車70の車輪72a,72aが走行する走行経路上に、解除ペダル4が、荷物Wの搬送方向における上流側に向かって上り傾斜を有するように配置する。これにより、無人搬送車AGVに専用部品を設けることなく、コンベア90,92から台車70への荷物Wの搬出規制および搬出規制の解除を自動で行うことができる。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面を有すると共に該載置面に載置された荷物を搬送車へ移載するためのコンベアに配置されるストッパー装置であって、
床面に配置されるベースプレートを有する基部と、
第1端部を有し、該第1端部を支点に前記ベースプレートに近付く第1方向および該ベースプレートから遠ざかる第2方向に揺動可能なよう前記ベースプレートに接続された踏板と、
前記第2方向に前記踏板を付勢可能なよう前記踏板に接続された付勢部と、
前記踏板の前記第1方向への揺動に伴い前記第1方向に揺動すると共に、前記踏板の前記第2方向への揺動に伴い前記第2方向に揺動するよう前記踏板に接続されたストッパーと、
所定長さを有すると共に、前記第1および第2方向に直交する仮想平面内で第3および第4方向に揺動可能なよう前記基部に支持されたレバーと、
前記踏板が前記第1方向へ揺動したとき、前記踏板に係合して該踏板の前記第2方向への揺動を規制可能な係合部を有すると共に、前記レバーの前記第3方向への揺動に基づいて前記係合部の前記踏板への係合を解除可能なよう前記レバーに接続された踏板揺動規制部と、
を備えるストッパー装置。
【請求項2】
前記レバーは、前記踏板揺動規制部に接続された接続ロッドを備えており、
該接続ロッドは、前記レバーの前記第3方向への揺動に伴って回動可能に前記基部に支持されており、
前記係合部は、前記接続ロッドの回動に基づいて前記踏板との係合を解除する
請求項1に記載のストッパー装置。
【請求項3】
前記レバーは、少なくとも前記第3および第4方向に撓むことが可能な可撓部と、該可撓部に接続されたアームと、を有しており、
前記アームは、前記可撓部の前記第3方向への撓みに伴って該第3方向へ向かって揺動可能であり、
前記基部は、前記可撓部の前記第4方向への撓みに伴う前記アームの前記第4方向への揺動を規制可能なアーム揺動規制部を有している
請求項2に記載のストッパー装置。
【請求項4】
前記ストッパーは、前記第1方向の端部に支持された軸と、該軸に回転可能に支持されたローラと、を有しており、
前記軸は、前記ストッパーの揺動方向および前記レバーの揺動方向のいずれにも直交する方向に延在している
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のストッパー装置。
【請求項5】
前記ストッパーの前記第1方向への揺動に伴い前記第2方向に揺動すると共に、前記ストッパーの前記第2方向への揺動に伴い前記第1方向に揺動するよう前記ストッパーに接続された第2ストッパーをさらに備える
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のストッパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置面に載置された荷物を搬送車へ移載するためのコンベアの搬出口近傍に配置されるストッパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実開平6-35222号公報(特許文献1)には、載置面に載置された荷物を搬送車へ移載するためのコンベアに配置されたストッパー装置が記載されている。当該ストッパー装置は、コンベアの搬出口近傍に配置される。また、当該ストッパー装置は、ストッパーと、当該ストッパーに一体にされたカム部と、を備えている。ストッパーは、荷物を載置可能なコンベアの載置面よりも上方に突出する突出状態と、当該載置面よりも下方に退避する退避状態と、の間で状態変更が可能である。そして、ストッパー装置は、コンベアから搬送車に荷物を移載可能な移載位置に搬送車が存在しないときは、ストッパーが突出状態となり、搬出口から荷物が搬出されないように荷物の移動を規制し、搬送車が移載位置に到達したときは、搬送車に突出状に配置されたドグがカム部に当接して、ストッパーが退避状態となり、荷物の移動規制が解除されて、搬出口から荷物が搬出可能となる。
【0003】
当該ストッパー装置によれば、コンベアから搬送車への荷物の移載を行う度に、作業者がストッパーによる荷物の移動規制および移動規制の解除を行う必要がないため、作業性の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6-35222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した公報に記載のストッパー装置では、ストッパーを退避状態にするための専用部品(ドグ)を搬送車に設ける必要がある。工場の生産ラインなどにおいては、搬送車は複数台が走行していることが一般的であり、これら全ての搬送車に専用部品(ドグ)を設けることは、合理的とは言い難く、ストッパー装置の構成に関しては、更なる改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ストッパー装置の合理的な構成に資する技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のストッパー装置は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明に係るストッパー装置の好ましい形態によれば、載置面を有すると共に当該載置面に載置された荷物を搬送車へ移載するためのコンベアに配置されるストッパー装置が構成される。当該ストッパー装置は、基部と、第1端部を有する踏板と、当該踏板に接続された付勢部と、踏板に接続されたストッパーと、所定長さを有すると共に基部に支持されたレバーと、当該レバーに接続された踏板揺動規制部と、を備えている。基部は、床面に配置されるベースプレートを有している。踏板は、第1端部を支点にベースプレートに近付く第1方向および当該ベースプレートから遠ざかる第2方向に揺動可能である。付勢部は、第2方向に踏板を付勢可能である。ストッパーは、踏板の第1方向への揺動に伴い第1方向に揺動すると共に、踏板の第2方向への揺動に伴い第2方向に揺動する。レバーは、第1および第2方向に直交する仮想平面内で第3および第4方向に揺動可能である。踏板揺動規制部は、踏板が第1方向へ揺動したとき、踏板に係合して当該踏板の第2方向への揺動を規制可能な係合部を有している。そして、踏板揺動規制部は、レバーの第3方向への揺動に基づいて係合部の踏板への係合を解除可能である。ここで、本発明における「踏板に接続された」とは、付勢部やストッパーが直接踏板に接続される態様のみならず、付勢部やストッパーが間接的に踏板に接続される態様を好適に包含する。また、本発明における「基部に支持された」とは、レバーが基部に直接支持される態様の他、レバーが基部に間接的に支持される態様を好適に包含する。さらに、本発明における「所定長さ」は、典型的には、ストッパー装置をコンベアに配置したときに、少なくとも移載位置にある搬送車に当接可能な長さがこれに該当する。
【0009】
本発明によれば、コンベアから搬送車に荷物を移載する移載位置の床面であって、搬送車の車輪が走行する走行経路上に、第1端部が、移載位置に向かう搬送車の走行方向に向かって手前側となるように、ベースプレートを介して踏板を配置すると共に、ストッパーが第1方向に揺動したときに、当該ストッパーがコンベアの載置面よりも高い位置に突出し、ストッパーが第2方向に揺動したときに、当該ストッパーがコンベアの載置面よりも低い位置に退避するようにストッパーを配置することにより、搬送車が移載位置に到達していないときには、付勢部によって踏板が第2方向、即ち、上方に揺動した状態となるため、ストッパーをコンベアの載置面よりも高い位置に突出させることができる。これにより、ストッパーによって、コンベアの搬出口から荷物が搬出されないように当該荷物の移動を規制することができる。一方、搬送車が移載位置に到達したときには、搬送車の車輪が踏板上に配置されて、付勢部の付勢力に抗して踏板が第1方向、即ち、床面(ベースプレート)側に揺動するため、ストッパーをコンベアの載置面よりも低い位置に退避させることができる。これにより、ストッパーによる荷物の移動規制が解除されて、コンベアの搬出口から荷物を搬出可能となる。なお、踏板が第1方向に揺動したときに、係合部が踏板と係合するため、踏板の第2方向への揺動が規制される。これにより、搬送車が移載位置に存在している間、即ち、コンベアから搬送車への荷物の移載が完了するまでは、ストッパーを載置面よりも低い位置に退避した状態に維持することができる。そして、少なくとも移載位置に到着した搬送車に当接するように、かつ、搬送車が移載位置に向かう方向が第4方向に整合すると共に搬送車が移載位置から遠ざかる方向が第3方向に整合するように、レバーを配置することで、コンベアから搬送車への荷物の移載が完了して、搬送車が移載位置から遠ざかる方向に走行すると、レバーに搬送車からの第3方向への力が作用して、当該レバーが第3方向に向かって揺動する。これにより、係合部の踏板への係合が解除される。この結果、付勢部によって踏板が第2方向へ揺動して、ストッパーが載置面よりも高い位置に突出するため、次の荷物がコンベアの搬出口から搬出されないように、当該次の荷物の移動を規制することができる。このように、本発明によれば、搬送車に専用部品を設けることなく、コンベアの搬出口からの荷物の搬出規制と、当該搬出規制の解除と、を自動で行うことができる。
【0010】
本発明に係るストッパー装置の更なる形態によれば、レバーは、踏板揺動規制部に接続された接続ロッドを備えている。当該接続ロッドは、レバーの第3方向への揺動に伴って回動可能に基部に支持されている。そして、係合部は、接続ロッドの回動に基づいて踏板との係合を解除する。
【0011】
本形態によれば、係合部の踏板への係合解除を簡易な構成で実現することができる。
【0012】
本発明に係るストッパー装置の更なる形態によれば、レバーは、少なくとも第3および第4方向に撓むことが可能な可撓部と、当該可撓部に接続されたアームと、を有している。可撓部は、第1部分と、当該第1部分よりも高い曲げ剛性を有する第2部分と、を有している。アームは、可撓部の第3方向への撓みに伴って当該第3方向へ向かって揺動可能である。そして、基部は、可撓部の第4方向への撓みに伴うアームの第4方向への揺動を規制可能なアーム揺動規制部を有している。
【0013】
本形態によれば、レバーが、少なくとも第3および第4方向に撓むことが可能な可撓部を有するため、搬送車がレバーに当接した状態でも、移載位置に近付く(向かう)方向および移載位置から遠ざかる方向のいずれの方向へも走行することができる。また、可撓部は、搬送車と当接可能な第1部分よりも高い曲げ剛性を有する第2部分がアームに接続されているため、可撓部が第3方向へ撓む際に、アームを第3方向に確実に揺動させることができる。これにより、接続ロッドを確実に回転することができるため、係合部の踏板への係合を確実に解除することができる。なお、可撓部が第4方向へ撓む際には、アーム揺動規制部によって、アームの第4方向への揺動が規制されるため、接続ロッドが逆回転(係合部と踏板との係合を解除する方向の回転方向と反対方向の回転)することを防止することができる。
【0014】
本発明に係るストッパー装置の更なる形態によれば、ストッパーは、第1方向の端部に支持された軸と、当該軸に回転可能に支持されたローラと、を有している。そして、軸は、ストッパーの揺動方向およびレバーの揺動方向のいずれにも直交する方向に延在している。
【0015】
本形態によれば、コンベアの搬出口から荷物を搬出する際に、ローラの回転を利用して荷物の移動を円滑に行うことができる。
【0016】
本発明に係るストッパー装置の更なる形態によれば、ストッパーの第1方向への揺動に伴い第2方向に揺動すると共に、ストッパーの第2方向への揺動に伴い第1方向に揺動するようストッパーに接続された第2ストッパーをさらに備えている。
【0017】
本形態によれば、ストッパーによって移動が規制された荷物の搬送方向における上流側の端部よりも上流側位置に第2ストッパーを配置すると共に、第2ストッパーが第1方向に揺動したときに、当該第2ストッパーがコンベアの載置面よりも高い位置に突出し、第2ストッパーが第2方向に揺動したときに、当該第2ストッパーがコンベアの載置面よりも低い位置に退避するように第2ストッパーを配置することにより、ストッパーによって移動が規制された荷物よりも搬送方向において一つ上流側に配置された次の荷物の移動規制と移動規制解除を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ストッパー装置の合理的な構成技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1が配置されたステーションを側方(コンベア90の長手方向および鉛直方向の両方向に直交する方向)から見た側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1が配置されたステーションを上方から見た平面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1を図2の矢印V方向から見た矢視図である。
図4】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1が配置されたステーションの移載位置Tpに台車70を牽引した無人搬送車AGVが到達した様子を示す説明図である。
図5】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1を側方(コンベア90の長手方向および鉛直方向の両方向に直交する方向)から見た側面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1を上方から見た平面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るストッパー装置1を図6の矢印Y方向から見た矢視図である。
図8】ストッパー装置1のうちストッパー部8およびリリースレバー部12を除く部分を拡大して示す要部拡大図である。
図9】ストッパー装置1のうちストッパー部8を拡大して示す要部拡大図である。
図10】ストッパー装置1のうちリリースレバー部12を除く部分を上方から見た平面図である。
図11図8の矢印X方向から見た矢視図である。
図12】ストッパー装置1のうちリリースレバー部12を拡大して示す要部拡大図である。
図13】ストッパー装置1のうちリリースレバー部12を上方から見た平面図である。
図14】リリースレバー部12の要部を上方から見た要部拡大平面図である。
図15図14の矢印A-A断面を示す断面図である。
図16】ストッパー26によって荷物Wの移動が規制された状態(ストッパー規制状態)を示す説明図である。
図17】ストッパー26による荷物Wの移動規制が解除された状態(ストッパー規制解除状態)を示す説明図である。
図18】解除ペダル4とラッチボルト52とが係合する様子を示す説明図である。
図19】解除ペダル4とラッチボルト52とが係合する様子を示す説明図である。
図20】解除ペダル4とラッチボルト52とが係合する様子を示す説明図である。
図21】リミットスイッチレバー48が荷物Wの搬送方向の上流方向に撓んだ様子を示す説明図である。
図22】スイングアーム46が荷物Wの搬送方向の下流方向に揺動した様子を示す説明図である。
図23】解除ペダル4とラッチボルト52との係合が解除された状態を示す説明図である。
図24】解除ペダル4が上方に揺動した状態を示す説明図である。
図25】リミットスイッチレバー48およびスイングアーム46が初期位置に戻った状態を示す説明図である。
図26】変形例のストッパー装置100の構成の概略を示す概略構成図である。
図27】ストッパー126によって荷物W2の移動が規制された状態を示す説明図である。
図28】ストッパー126の構成の概略を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0021】
本実施の形態に係るストッパー装置1は、図1ないし図3に示すように、コンベア90の搬出口90a近傍に配置される。コンベア90およびコンベア92は、図2および図3に示すように、荷物Wが載置されたパレットP(以下、単に「荷物W」という。)を一時的に貯留可能な荷下ろしステーションを構成している。当該ステーションは、後述する無人搬送車AGVの走行経路上に配置される。
【0022】
コンベア90,92は、複数のローラ90b,92bを有しており、当該複数のローラ90b,92bの配列方向に長手方向を有している。コンベア90,92は、所定間隔隔てた状態で互いに平行に配置されている。ここで、所定間隔は、本実施の形態では、無人搬送車AGVが牽引する後述する台車70の車幅(図4の左右方向)よりも若干大きい値に設定されている。コンベア90,92の長手方向の一端(荷物Wの搬送方向において下流側、図2の下側)に搬出口90a,92aが配置されている。コンベア90,92は、搬出口90a,92aに向かって若干の下り傾斜を有していても良い。なお、複数のローラ90b,92bの上面が荷物Wを載置する載置面となる。ステーションで一時的に貯留されている荷物Wは、無人搬送車AGVによって当該コンベア90,92から台車70に移載(荷下ろし)され、当該無人搬送車AGVによって台車70と共に搬送(運搬)される。
【0023】
無人搬送車AGVは、予め設定された走行経路に沿って自走する。本実施の形態では、無人搬送車AGVは、走行経路に沿って床面Fに設置された誘導帯(例えば、磁気テープなど。図示せず)を検知することによって、走行経路に沿って自走する構成とした。無人搬送車AGVは、車体に出没可能に配置された台車用フック(図示せず)を有しており、当該台車用フックを台車70に係合させることで、台車70を牽引する。また、無人搬送車AGVは、車体に出没可能に配置された移載用フック(図示せず)を有している。無人搬送車AGVは、搬出口90a,92a近傍に配置された移載位置Tp(図4参照)までコンベア90,92間を走行し、当該移載位置Tpにおいて、移載用フックを突出させることで、コンベア90,92から台車70への荷物Wの移載を行う。コンベア90,92から台車70への荷物Wの移載についての詳細は後述する。
【0024】
ストッパー装置1は、図5および図6に示すように、床面Fに配置されるベースプレート2と、蝶番Hgを介して当該ベースプレート2に接続された解除ペダル4と、解除ペダル4に一体にされたローラ受ブラケット6と、当該ローラ受ブラケット6を介して解除ペダル4に係合されたストッパー部8および付勢部10と、リリースレバー部12と、を備えている。
【0025】
ベースプレート2は、図6に示すように、平面視略L字状を有する金属製の板部材である。ベースプレート2は、図7および図8に示すように、床面Fに配置される。本実施の形態では、ベースプレート2は、図3および図4に示すように、少なとも一部が台車70の車輪72a,72a,72b,72bのうち車輪72a,72aが走行する走行経路上に配置される構成とした。ベースプレート2は、本発明における「ベースプレート」および「基部」に対応する実施構成の一例である。
【0026】
解除ペダル4は、図5および図6に示すように、ベースプレート2の上面に配置されている。解除ペダル4は、図4に示すように、蝶番Hgによってベースプレート2に接続されている。これにより、解除ペダル4は、蝶番Hgを支点として、ベースプレート2(床面F)に近付く方向およびベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向に揺動可能である。なお、本実施の形態では、解除ペダル4はベースプレート2と同様、図3および図4に示すように、少なくとも一部が台車70の車輪72a,72aが走行する走行経路上に配置される構成とした。換言すれば、無人搬送車AGVがコンベア90,92間を走行する際、台車70の車輪72a,72aが、解除ペダル4上を走行すると言うことができる。解除ペダル4は、本発明における「踏板」に対応する実施構成の一例である。また、解除ペダル4のうち蝶番Hgによってベースプレート2に接続される端部は、本発明における「第1端部」に対応する実施構成の一例である。さらに、ベースプレート2(床面F)に近付く方向は、本発明における「第1方向」に対応し、ベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向は、本発明における「第2方向」に対応する実施構成の一例である。
【0027】
ローラ受ブラケット6は、図8に示すように、ボルトなどの締結部材によって解除ペダル4の上面に固定される枠体60と、当該枠体60に一体にされた第1ローラ受62と、ボルトなどの締結部材によって枠体60に固定された第2ローラ受64と、を有している。第1ローラ受62は、解除ペダル4と平行に配置された板部材である。第2ローラ受64は、第1ローラ受62と平行な取付部64aおよび延出部64bと、当該取付部64aおよび延出部64bを接続する接続部64cと、を有している。取付部64aは、枠体60に締結される。このとき、接続部64cは、解除ペダル4に向かって延在し、延出部64bは、解除ペダル4の先端側(図8の右側)に向かって延在する。延出部64bは、延在方向の一方側から見たときの形状が略逆C字状の受部64dを有している。
【0028】
ストッパー部8は、図7および図9に示すように、取付プレート20を介してコンベア90のフレーム90cに取り付けられる取付台22と、当該取付台22に揺動自在に支持された一対の上側リンクアーム24a,24aおよび一対の下側リンクアーム24b,24bと、当該一対の上側リンクアーム24a,24aおよび一対の下側リンクアーム24b,24bに接続されたストッパー26と、を有している。なお、取付プレート20は、図5に示すように、フレーム90cのみならずベースプレート2に固定された支柱80,82によっても支持されている。
【0029】
一対の上側リンクアーム24a,24aおよび一対の下側リンクアーム24b,24bは、図9に示すように、互いに平行に配置されている。ストッパー26は、一対の上側リンクアーム24a,24aおよび一対の下側リンクアーム24b,24bを介して取付台22に対して揺動可能に支持されている。
【0030】
ストッパー26は、図7に示すように、本体26aと、当該本体26aに軸SFTを介して回転可能に支持された複数のローラ26bと、を有している。軸SFTは、鉛直方向(図7の上下方向)およびコンベア90の長手方向(荷物Wの搬送方向、図7の紙面に垂直な方向)の両方向に直角な方向(図7の左右方向)、即ち、本体26aの幅方向(図7の左右方向)に延在している。また、ストッパー26には、図9に示すように、ストッパーブラケット27を介してローラ27aが回転可能に支持されている。ローラ27aは、ローラ受ブラケット6の第2ローラ受64の受部64dに係合される。
【0031】
なお、取付台22とストッパー26とは、引張りバネSPR1によって接続されている。即ち、引張りバネSPR1の一端がストッパー26に係合されると共に、引張りバネSPR1の他端が取付台22に係合されている。ここで、引張りバネSPR1は、ストッパー26の先端(ローラ26b)が、コンベア90の複数のローラ90bの上面(荷物Wを載置する載置面)よりも上方に突出した状態(図1参照)において、自由長さとなるように取付台22およびストッパー26に設置される。これにより、引張りバネSPR1は、ストッパー26が下方(床面側)に向かって揺動した際に、当該ストッパー26の先端(ローラ26b)が複数のローラ90bの上面(荷物Wを載置する載置面)よりも上方に突出した状態(図1参照)に戻る方向、即ち、上方に向けてストッパー26を付勢する。引張りバネSPR1は、本発明における「付勢部」に対応する実施構成の一例である。
【0032】
付勢部10は、図8および図10に示すように、ベースプレート2に固定された一対のピローブロック30,30と、当該ピローブロック30,30に回転可能に支持されたスイングアーム32と、ベースプレート2に固定された取付ベース34と、を有している。当該スイングアーム32および取付ベース34に接続された一対のガスダンパー36,36と、を有している。
【0033】
ピローブロック30,30は、回転しながら調心と荷重の負荷が可能な軸受である。スイングアーム32は、図8ないし図11に示すように、長手方向の一端部が軸31を介してピローブロック30,30に接続されている。また、スイングアーム32の長手方向の他端部には、軸33を介してローラ32aが回転可能に支持されている。ローラ32aは、ローラ受ブラケット6の第1ローラ受62に下方から転動可能に当接する。
【0034】
ガスダンパー36,36は、図8ないし図11に示すように、主に、圧縮ガス(例えば、圧縮窒素)およびオイルが封入されたシリンダー36a,36aと、当該シリンダー36a,36a内を摺動可能なピストン(図示せず)を有するロッド36b,36bと、から構成されている。ガスダンパー36,36は、シリンダー36a,36aの後端(ロッド36b,36bが配置された側とは反対側の端部)が取付ベース34に回動可能に接続されると共に、ロッド36b,36bの先端がスイングアーム32の長手方向の略中央部に回動可能に接続されている。これにより、ガスダンパー36,36は、スイングアーム32が起立する方向(図8において反時計方向)に当該スイングアーム32を付勢する。換言すれば、ガスダンパー36,36は、スイングアーム32およびローラ受ブラケット6を介して、解除ペダル4を床面Fから遠ざかる方向に付勢すると言うことができる。
【0035】
リリースレバー部12は、図12に示すように、ボルトなどの締結部材によって取付プレート20に固定された第1取付ベース40と、ボルトなどの締結部材によって当該第1取付ベース40に締結された第2取付ベース42と、当該第2取付ベース42に回転可能に支持されたリリーフシャフト44と、当該リリーフシャフト44に一体にされたスイングアーム46と、当該スイングアーム46に一体にされたリミットスイッチレバー48と、ベースプレート2に固定されたラッチ50と、を有している。リリースレバー部12は、本発明における「リバー」に対応する実施構成の一例である。また、取付プレート20、第1取付ベース40および第2取付ベース42は、本発明における「基部」に対応する実施構成の一例である。
【0036】
第2取付ベース42は、図12図14および図15に示すように、規制壁42aと、引っ掛けボルト42bと、を有している。規制壁42aは、鉛直方向の上方に向かって延出している。引っ掛けボルト42bは、鉛直方向の上方に向かって突出しており、後述する引張りバネSPR2の一端が引っ掛けられる。規制壁42aは、本発明における「アーム揺動規制部」に対応する実施構成の一例である。
【0037】
リリーフシャフト44は、図12に示すように、軸線が鉛直方向となるように、第2取付ベース42に支持されている。リリーフシャフト44の下端(図12に示す下方の端部)は、ラッチ50の後述するラッチボルト52に係合されている。
【0038】
スイングアーム46は、図12および図13に示すように、長手方向の一端部がリリーフシャフト44に回転不能の固定されている。換言すれば、リリーフシャフト44とスイングアーム46とは、一体回転すると言うことができる。また、スイングアーム46の長手方向の他端部寄りの位置には、図14に示すように、固定ブロック47を介してリミットスイッチレバー48がボルト47aによって固定されている。換言すれば、スイングアーム46とリミットスイッチレバー48とは一体回転すると言うことができる。なお、リミットスイッチレバー48は、スイングアーム46に関して、第2取付ベース42が配置された側とは反対側に配置される。さらに、スイングアーム46は、図12図14および図15に示すように、延出片46a,46bと、引っ掛けボルト46cと、を有している。スイングアーム46は、本発明における「アーム」に対応する実施構成の一例である。
【0039】
延出片46a,46bは、スイングアーム46の長手方向の他端部に配置されている。延出片46aは、図15に示すように、スイングアーム46の上側(リミットスイッチレバー48が配置された側)に配置されており、上方に向かって延出している。延出片46bは、スイングアーム46の下側(第2取付ベース42が配置された側)に配置されており、下方に向かって延出している。なお、延出片46aは、図15に示すように、スイングアーム46の長手方向の他端部側から見た場合、スイングアーム46の左端に配置され、延出片46bは、スイングアーム46の長手方向の他端部側から見た場合、スイングアーム46よりも若干右寄り(概ね延出片46aの幅分だけ右側)に配置されている。また、延出片46bは、図15に示すように、第2取付ベース42の規制壁42aに当接可能である。延出片46bが規制壁42aに当接することで、スイングアーム46の時計回り(図14における時計回り)の揺動が規制される。
【0040】
引っ掛けボルト46cは、図12および図14に示すように、スイングアーム46の長手方向の概ね中央、即ち、リリーフシャフト44とボルト47aとの間に配置されており、引張りバネSPR2の他端が引っ掛けられる。即ち、引張りバネSPR2は、第2取付ベース42とスイングアーム46とを接続する。これにより、引張りバネSPR2は、スイングアーム46が反時計回り(図14における反時計回り)に揺動したときに、当該スイングアーム46を時計回り(図14における時計回り)に揺動させる方向のバネ力を当該スイングアーム46に付勢する。
【0041】
リミットスイッチレバー48は、図12ないし図15に示すように、コイル部48aと、直線部48bと、を有している。コイル部48aは、固定ブロック47を介してスイングアーム46に接続される。直線部48bは、一端がコイル部48aに一体にされていると共に、他端が自由端となっている。リミットスイッチレバー48は、コイル部48aを有することで、大きな可撓性(曲げ性)を有している。リミットスイッチレバー48は、本発明における「可撓部」に対応する実施構成の一例である。
【0042】
ラッチ50は、図12に示すように、ベースプレート2に固定されるケース51と、一部が当該ケース51に収容されたラッチボルト52と、を有している。ラッチボルト52は、図示しないバネによって、少なくとも先端部がケース51より常時突出する方向に付勢されている。ラッチボルト52の先端部は、先端からケース51に向かって上り傾斜となる傾斜面を有している。ラッチ50は、当該傾斜面が鉛直方向において上方を向くように、ベースプレート2に配置される。また、ラッチボルト52は、突出方向とは反対方向、即ち、ケース51内に引っ込む方向の力が作用したとき、または、リリーフシャフト44からの回転力が作用したときに、ケース51内に引っ込む。ラッチ50には、例えば、ドアラッチを用いることができる。ラッチ50は、本発明における「踏板揺動規制部」に対応し、ラッチボルト52は、本発明における「係合部」に対応する実施構成の一例である。
【0043】
こうして構成されたストッパー装置1は、無人搬送車AGVがコンベア90,92に近付く方向、即ち、無人搬送車AGVが移載位置Tpに向けてコンベア90,92間を走行する方向(図4の上方向、矢印Dfの方向)に向かって手前側に蝶番Hgが配置されるように、コンベア90の搬出口90a近傍に配置される(図2および図4参照)。換言すれば、ストッパー装置1は、図1ないし図4に示すように、解除ペダル4が、荷物Wの搬送方向における上流側(図1における右側)に向かって上り傾斜となるように、コンベア90の搬出口90a近傍に配置されると言うことができる。このとき、解除ペダル4の少なくとも一部が、台車70を牽引する無人搬送車AGVの走行経路であって、台車70の車輪72a,72aが走行する位置に配置される。また、リミットスイッチレバー48は、少なくとも直線部48bが台車70を牽引する無人搬送車AGVの走行経路に突出するように配置される。即ち、リミットスイッチレバー48は、コンベア90からコンベア92に向かって延在するように配置される。これにより、リミットスイッチレバー48は、台車70を牽引する無人搬送車AGVがコンベア90,92間を走行する際に、無人搬送車AGVに当接する。なお、リミットスイッチレバー48は、図2に示すように、荷物Wの搬送方向(図2の上下方向)に対して垂直な方向ではなく、荷物Wの搬送方向(図2の上下方向)の上流方向(図2の上方向)に傾斜した状態で、コンベア92に向かって延在している。
【0044】
次に、こうして構成されたストッパー装置1の動作、特に、ストッパー装置1による荷物Wの搬送方向への移動規制および移動規制解除の際の動作について説明する。ストッパー装置1がコンベア90に設置された状態、即ち、台車70を牽引する無人搬送車AGVが移載位置Tpに存在しないときには、ストッパー26は、図16に示すように、複数のローラ90b,92bの上面(コンベア90の荷物Wを載置する載置面)よりも上方に突出した状態(以下、「ストッパー規制状態」という。)となっている。
【0045】
当該状態において、作業者がコンベア90,92上に荷物Wを載置すると、当該荷物Wは、複数のローラ90b,92bによって、コンベア90,92上を搬出口90a,92aに向けて移動して、ストッパー装置1のストッパー26に当接する。これにより、荷物Wが搬出口90a,92aより落下することが防止される。換言すれば、荷物Wは、搬出口90a,92a近傍において、ストッパー装置1によって台車70への移載待ち状態になると言うことができる。
【0046】
そして、台車70を牽引した無人搬送車AGVが、移載位置Tp(図4参照)に向けて、移載待ち状態にある荷物Wを載置したコンベア90,92間に入ってくると、まず、台車70の車輪72a,72aが解除ペダル4上を走行することになる(図3図4および図16参照)。これにより、解除ペダル4が、蝶番Hgを支点として、ベースプレート2に向かって鉛直方向における下方に揺動する。ここで、解除ペダル4は、第1ローラ受62、ローラ32aおよびスイングアーム32を介して、ガスダンパー36,36のロッド36b,36bを縮めながら鉛直方向における下方へ揺動する。即ち、解除ペダル4は、ガスダンパー36,36の付勢力に抗して鉛直方向における下方(ベースプレート2(床面F)に近付く方向)へ揺動する。
【0047】
当該解除ペダル4の下方への揺動に伴い、第2ローラ受64およびローラ27aを介してストッパー部8、具体的には、ストッパー26が引張りバネSPR1のバネ力に抗して鉛直方向における下方へ揺動する。そして、解除ペダル4が鉛直方向における下方(ベースプレート2(床面F)に近付く方向)に揺動しきったとき、即ち、解除ペダル4がベースプレート2に当接したときに、ストッパー26は、図17に示すように、複数のローラ90b,92bの上面(コンベア90の荷物Wを載置する載置面)よりも下方に引っ込んだ状態(以下、「ストッパー規制解除状態」という。)となる。
【0048】
これにより、荷物Wの移動規制が解除される。ここで、解除ペダル4は、鉛直方向における下方(ベースプレート2(床面F)に近付く方向)に揺動する際に、図18および図19に示すように、ラッチボルト52の傾斜面に鉛直方向において上方から当接する。これにより、当該ラッチボルト52には、ラッチボルト52をケース51内に引っ込める力が作用する。即ち、解除ペダル4は、ラッチボルト52をケース51内に引っ込めながら、鉛直方向において下方(ベースプレート2(床面F)に近付く方向)に揺動する。そして、解除ペダル4が鉛直方向における下方(ベースプレート2(床面F)に近付く方向)に揺動しきったとき、即ち、解除ペダル4がベースプレート2に当接したときに、ラッチボルト52をケース51内に引っ込める力が作用しなくなるため、図示しないバネの復元力により、ラッチボルト52の先端部がケース51より突出した状態となって(図20参照)、図20に示すように、ラッチボルト52の先端部と解除ペダル4とが係合される。これにより、解除ペダル4が鉛直方向において下方(ベースプレート2(床面F)に近付く方向)に揺動した状態が維持される。即ち、解除ペダル4が鉛直方向において上方(ベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向)に揺動することが規制される。
【0049】
また、台車70を牽引した無人搬送車AGVが、移載位置Tp(図4参照)に向けてコンベア90,92間を走行する際に、リミットスイッチレバー48が無人搬送車AGVに当接する。これにより、リミットスイッチレバー48は、図21に示すように、無人搬送車AGVの車体に沿って、当該無人搬送車AGVの走行方向、即ち、荷物Wの搬送方向の上流方向(図21の右方向)に撓む(曲がる)。このとき、スイングアーム46の延出片46bは、第2取付ベース42の規制壁42aに当接しているため、リリーフシャフト44を揺動中心とするスイングアーム46の時計回りの揺動は規制されている。これにより、リリーフシャフト44の時計回りの回転も規制されるため、ラッチ50は作動されない。荷物Wの搬送方向の上流方向(図21の右方向)は、本発明における「第4方向」に対応する実施構成の一例である。
【0050】
なお、リミットスイッチレバー48が、荷物Wの搬送方向(図2の上下方向)に対して垂直な方向ではなく、荷物Wの搬送方向(図2の上下方向)の上流方向(図2の上方向)に傾斜した状態で、コンベア92に向かって延在しているため、無人搬送車AGVがリミットスイッチレバー48に当接する際に、当該リミットスイッチレバー48に大きな力が作用することなく、無人搬送車AGVの車体に沿って、荷物Wの搬送方向の上流方向(図21の右方向)に良好に撓む(曲がる)ことができる。
【0051】
こうして、ストッパー規制解除状態が維持されたまま台車70を牽引した無人搬送車AGVが移載位置Tpに到達すると、無人搬送車AGVは一旦停止する。ここで、無人搬送車AGVが移載位置Tpに停止したときには、無人搬送車AGVの移載用フック(図示せず)は、ストッパー26に当接している荷物Wを載置したパレットPの後端(荷物Wの搬送方向の上流側の端部)よりも搬送方向の上流側に配置される。
【0052】
そして、無人搬送車AGVは一旦停止した後、移載用フック(図示せず)を鉛直方向の上方に突出させると共に、走行経路を逆方向、即ち、コンベア90,92間を荷物Wの搬送方向の下流方向(図4の下方向、矢印Dsの方向)に向かって走行を開始する。これにより、移載用フック(図示せず)が、ストッパー26に当接している荷物Wを載置したパレットPの後端(荷物Wの搬送方向の上流側の端部)に係合する。この結果、当該荷物Wを載置したパレットPが、無人搬送車AGVによって搬送方向の下流方向に向かって移動され、搬出口90a,92aを介してコンベア90,92から台車70に移載される。ここで、ストッパー26は、ローラ26bを有するため、ストッパー規制解除状態となったときに、荷物Wを載置したパレットPの円滑な移動を補助し得る。
【0053】
なお、台車70を牽引した無人搬送車AGVが、コンベア90,92間を荷物Wの搬送方向の下流方向(図4の下方向)に向かって走行する際に、無人搬送車AGVや台車70の車体に当接しているリミットスイッチレバー48には、荷物Wの搬送方向の下流方向(図4の下方向)を向く力が作用する。これにより、図22に示すように、スイングアーム46が、引張りバネSPR2のバネ力に抗して、リリーフシャフト44を揺動中心として反時計回り(図22の矢印D)に揺動するため、リリーフシャフト44が反時計回りに回転して、図23に示すように、ラッチボルト52がケース51内に引っ込む。荷物Wの搬送方向の下流方向(図4の下方向)は、本発明における「第3方向」に対応する実施構成の一例である。
【0054】
この結果、スイングアーム32,ローラ32aおよびローラ受ブラケット6(第1ローラ受62)を介して解除ペダル4に作用するガスダンパー36,36の付勢力、および、ストッパー26,ローラ27aおよびローラ受ブラケット6(第2ローラ受64)を介して解除ペダル4に作用する引張りバネSPR1の復元力(バネ力)によって、解除ペダル4が、図24に示すように、鉛直方向の上方向(図24の上方向、ベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向)に揺動する。
【0055】
当該解除ペダル4の鉛直方向の上方向(図24の上方向)への揺動によって、ストッパー26がストッパー規制状態に戻って、次の荷物Wが搬出口90a,92aから滑落することを防止する。
【0056】
なお、台車70を牽引した無人搬送車AGVが、コンベア90,92間から完全に抜け出て、無人搬送車AGVおよび台車70の車体とリミットスイッチレバー48との当接が解除されると、スイングアーム46およびリミットスイッチレバー48は、引張りバネSPR2の復元力(バネ力)によって、初期状態、即ち、荷物Wの搬送方向の上流側を向く状態(図25参照)に戻る。
【0057】
以上説明した本実施の形態に係るストッパー装置1によれば、ベースプレート2に固定された蝶番Hgを支点として、当該ベースプレート2(床面F)に近付く方向および当該ベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向に揺動可能な解除ペダル4と、当該解除ペダル4がベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向に揺動しているときに、ストッパー26がストッパー規制状態となり、解除ペダル4がベースプレート2(床面F)に近付く方向に揺動しているときに、ストッパー26がストッパー規制解除状態となるストッパー部8と、を備えているため、移載位置Tpの床面Fであって、台車70の車輪72a,72aが走行する走行経路上に、荷物Wの搬送方向における上流側(図1における右側)に向かって上り傾斜を有するように、解除ペダル4を配置することにより、台車70を牽引する無人搬送車AGVが移載位置Tpに存在しないときには、ストッパー26がストッパー規制状態となって、搬出口90a,92aから荷物Wが滑落しないように、当該荷物Wの移動を規制することができる一方、台車70を牽引する無人搬送車AGVが移載位置Tpに到達したときには、ストッパー26がストッパー規制解除状態となって、搬出口90a,92aから荷物Wを搬出可能なように、当該荷物Wの移動規制を解除することができる。即ち、本実施の形態に係るストッパー装置1によれば、無人搬送車AGVに専用部品を設けることなく、コンベア90,92の搬出口90a,92aから台車70への荷物Wの搬出規制および搬出規制の解除を自動で行うことができる。なお、ストッパー26が、ローラ26bを有するため、ストッパー規制解除状態となったときに、荷物Wを載置したパレットPの円滑な移動を補助し得る。
【0058】
また、本実施の形態に係るストッパー装置1によれば、解除ペダル4がベースプレート2(床面F)に近付く方向に揺動したときに、ラッチボルト52が解除ペダル4に係合して、解除ペダル4のベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向への揺動を規制するため、台車70を牽引する無人搬送車AGVが移載位置Tpに存在している間は、ストッパー26のストッパー規制解除状態を維持することができる。これにより、コンベア90,92から台車70への荷物Wの移載が完了するまで、ストッパー26を確実に退避した状態に維持することができる。
【0059】
さらに、本実施の形態に係るストッパー装置1によれば、移載位置Tpに到達した無人搬送車AGVや台車に当接可能なリミットスイッチレバー48を備えているため、ストッパー規制解除状態となって、コンベア90,92から台車70に荷物Wを移載するべく、無人搬送車AGVが移載位置Tpから遠ざかる方向(荷物Wの搬送方向の下流方向)に向かって走行すると、荷物Wの搬送方向の下流方向を向く力がリミットスイッチレバー48に作用して、スイングアーム46を介してリリーフシャフト44が反時計回りに回転されるため、ラッチボルト52がケース51内に引っ込んで、解除ペダル4との係合が解除される。これにより、解除ペダル4がベースプレート2(床面F)から遠ざかる方向に揺動して、ストッパー26が再びストッパー規制状態となって、次の荷物Wが搬出口90a,92aから滑落することを防止することができる。
【0060】
本実施形態では、ストッパー装置1は、荷物Wの搬送方向において最下流にある荷物Wの搬出口90a,92aからの滑落を防止するストッパー26のみを有する構成としたが、これに限らない。例えば、図26および図27に例示する変形例のストッパー装置100に示すように、ストッパー26に加えて、荷物Wの搬送方向において最下流にある荷物Wの一つ上流側にある荷物W2の移動を規制するストッパー126を有する構成としても良い。
【0061】
変形例のストッパー装置100は、ストッパー126を備える点を除いて、本実施の形態に係るストッパー装置1と同一の構成を有している。したがって、変形例のストッパー装置100の構成のうち本実施の形態に係るストッパー装置1の構成と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0062】
ストッパー126は、図26および図27に示すように、短辺部128と、当該短辺部128に直交するように接続された長辺部129と、を有している。換言すれば、ストッパー126は、側面視略L字状を有していると言うことができる。長辺部129は、図28に示すように短辺部128に接続された側(図28の左側)とは反対側(図28の右側)の端部に長孔129aを有している。ストッパー126は、長孔129aを介してストッパー26に立設されたピンPinに係合されると共に、ブラケットBRKTを介してコンベア90のフレーム90cに揺動可能に支持されている。ブラケットBRKTは、長辺部129の短辺部128寄りの位置において、ストッパー126を支持するように配置されている。なお、ピンPinは、ストッパー26と下側リンクアーム24b(一対の下側リンクアーム24b,24bのうちの一方)とを連結する連結ピン(図示せず)と同軸に一体にされていても良い。ストッパー126は、本発明における「第2ストッパー」に対応する実施構成の一例である。
【0063】
こうして構成された変形例のストッパー装置100によれば、ストッパー126は、図26に示すように、ストッパー26がストッパー規制状態にあるときには、荷物W2の移動を規制しないストッパー規制解除状態となっており、図27に示すように、ストッパー26がストッパー規制解除状態となったときに、荷物W2の移動を規制するストッパー規制状態となる。これにより、荷物Wを台車70に移載する際に、荷物W2が搬出口90a,92aから滑落することを良好に防止することができる。
【0064】
実施形態のストッパー装置1および変形例のストッパー装置100では、台車70の車輪72a,72aの走行経路に解除ペダル4を配置したが、これに限らない。例えば、台車70の車輪72b,72bの走行経路に解除ペダル4を配置しても良いし、無人搬送車AGVの車輪の走行経路に解除ペダル4を配置しても良いし、台車70の車輪72a,72aまたは車輪72b,72bの走行経路、および、無人搬送車AGVの車輪の走行経路の両方に亘るように解除ペダル4を配置しても良い。
【0065】
本実施形態のストッパー装置1および変形例のストッパー装置100では、リミットスイッチレバー48は、無人搬送車AGVに当接する構成としたが、これに限らない。例えば、リミットスイッチレバー48は、台車70に当接する構成としても良いし、無人搬送車AGVおよび台車70の両方に当接する構成としても良い。
【0066】
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。なお、本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。
【符号の説明】
【0067】
1 ストッパー装置(ストッパー装置)
2 ベースプレート(ベースプレート、基部)
4 解除ペダル(踏板)
6 ローラ受ブラケット
8 ストッパー部
10 付勢部(付勢部)
12 リリースレバー部(レバー)
20 取付プレート(基部)
22 取付台
24a 上側リンクアーム
24b 下側リンクアーム
26 ストッパー(ストッパー)
26a 本体
26b ローラ(ローラ)
27 ストッパーブラケット
27a ローラ
30 ピローブロック
31 軸
32 スイングアーム
32a ローラ
34 取付ベース
36 ガスダンパー
36a シリンダー
36b ロッド
40 第1取付ベース(基部)
42 第2取付ベース(基部)
42a 規制壁(アーム揺動規制部)
42b 引っ掛けボルト
44 リリーフシャフト
46 スイングアーム(アーム)
46a 延出片
46b 延出片
46c 引っ掛けボルト
47 固定ブロック
47a ボルト
48 リミットスイッチレバー(可撓部)
48a コイル部
48b 直線部
50 ラッチ(踏板揺動規制部)
51 ケース
52 ラッチボルト(係合部)
60 枠体
62 第1ローラ受
64 第2ローラ受
64a 取付部
64b 延出部
64c 接続部
64d 受部
70 台車
72a 車輪
72b 車輪
80 支柱
82 支柱
90 コンベア(コンベア)
90a 搬出口
90b ローラ
90c フレーム
92 コンベア(コンベア)
92a 搬出口
92b ローラ
100 ストッパー装置(ストッパー装置)
126 ストッパー(第2ストッパー)
128 短辺部
129 長辺部
129a 長孔
AGV 無人搬送車
W 荷物(荷物)
W2 荷物(荷物)
P パレット(荷物)
Tp 移載位置
Hg 蝶番
F 床面(床面)
SFT 軸(軸)
SPR1 引張りバネ(付勢部)
SPR2 引張りバネ
Pin ピン
BRKT ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28