(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019924
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】電池配線モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/298 20210101AFI20240206BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240206BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240206BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/507
H01M50/569
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122702
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA07
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040DD04
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA02
5H043AA13
5H043CA04
5H043CA05
5H043DA27
5H043FA04
5H043LA21F
(57)【要約】
【課題】電線束を安定して保持可能とした電池配線モジュールを提供する。
【解決手段】ケース22の電線収容部31は、電線束Wを電線収容部31の外部に導出する電線導出部32を有している。電線束Wは、曲がり部Waを有している。電線導出部32は、曲がり部Waに当接する当接部41と、曲がり部Waを当接部41に締め付け固定する締付固定部51と、を有している。そして、当接部41は、曲がり部Waの形状に合致する形状をなしている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に装着される電池配線モジュールであって、
前記電池に電気的に接続される複数の電線と、
前記複数の電線を収容する電線収容部を有するケースと、を備え、
前記電線収容部は、前記複数の電線が束ねられた電線束を、前記電線収容部の外部に導出する電線導出部を有し、
前記電線束は、曲がり部を有し、
前記電線導出部は、前記曲がり部に当接する当接部と、前記曲がり部を前記当接部に締め付け固定する締付固定部と、を有し、
前記当接部は、前記曲がり部の形状に合致する形状をなしている、
電池配線モジュール。
【請求項2】
前記当接部は、前記電線束の延びる方向に沿って並設された第1リブ及び第2リブを有し、
前記曲がり部は、前記第1リブの先端部及び前記第2リブの先端部の各々に当接している、
請求項1に記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記締付固定部は、前記第1リブと前記第2リブとの中間に位置する、
請求項2に記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記第1リブ及び前記第2リブは、それぞれの基端部から先端部までの長さが、前記曲がり部の形状に合致する長さに設定されている、
請求項2に記載の電池配線モジュール。
【請求項5】
前記第1リブの前記長さと、前記第2リブの前記長さとは、互いに異なる長さに設定されている、
請求項4に記載の電池配線モジュール。
【請求項6】
前記第1リブは、前記第2リブに対して前記ケースの外寄りに設けられ、
前記第2リブの前記長さは、前記第1リブの前記長さよりも長い、
請求項5に記載の電池配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池配線モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両において、走行駆動用の電源として搭載される高電圧の電池には、電池配線モジュールが装着されている。電池配線モジュールは、電池に電気的に接続される複数の電線と、複数の電線を収容する電線収容部を有するケースとを備える。電線収容部は、複数の電線が束ねられた電線束を、電線収容部の外部に導出する電線導出部を有している。電線導出部においては、電線束を締付バンド等によって締め付けて固定する場合がある。この場合、電線導出部は、締付バンド等にて電線束が押し付けられる当接部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電線導出部において電線束が曲げられて配置される場合、電線束と電線導出部の当接部との間に隙間が生じるおそれがある。電線束と当接部との間に隙間が生じると、電線束の遊びが大きくなるため、締付固定部による電線束の固定の安定性が低下してしまう。
【0005】
本開示の目的は、電線束を安定して保持可能とした電池配線モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電池配線モジュールは、電池に装着される電池配線モジュールであって、前記電池に電気的に接続される複数の電線と、前記複数の電線を収容する電線収容部を有するケースと、を備え、前記電線収容部は、前記複数の電線が束ねられた電線束を、前記電線収容部の外部に導出する電線導出部を有し、前記電線束は、曲がり部を有し、前記電線導出部は、前記曲がり部に当接する当接部と、前記曲がり部を前記当接部に締め付け固定する締付固定部と、を有し、前記当接部は、前記曲がり部の形状に合致する形状をなしている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電池配線モジュールは、電線束を安定して保持させる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の電池配線モジュールの模式平面図である。
【
図2】
図2は、同形態の電池配線モジュールのケースの一部を示す平面図である。
【
図3】
図3は、同形態の電池配線モジュールのケースの一部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、変更例の電池配線モジュールのケースの一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の電池配線モジュールは、
[1]電池に装着される電池配線モジュールであって、前記電池に電気的に接続される複数の電線と、前記複数の電線を収容する電線収容部を有するケースと、を備え、前記電線収容部は、前記複数の電線が束ねられた電線束を、前記電線収容部の外部に導出する電線導出部を有し、前記電線束は、曲がり部を有し、前記電線導出部は、前記曲がり部に当接する当接部と、前記曲がり部を前記当接部に締め付け固定する締付固定部と、を有し、前記当接部は、前記曲がり部の形状に合致する形状をなしている。
【0010】
この構成によれば、締付固定部によって電線束の曲がり部が押し当てられる当接部は、曲がり部の形状に合致する形状をなす。これにより、当接部と曲がり部との間において、隙間の形成を抑制することが可能となる。したがって、電線束の曲がり部における遊びが少なくなり、その結果、当接部と締付固定部とによって、電線束を安定して保持することが可能となる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記当接部は、前記電線束の延びる方向に沿って並設された第1リブ及び第2リブを有し、前記曲がり部は、前記第1リブの先端部及び前記第2リブの先端部の各々に当接していてもよい。
【0012】
この構成によれば、電線束の曲がり部は、締付固定部によって第1リブ及び第2リブの各々の先端部に押し付けられる。このため、第1リブと第2リブの各々の先端部によって、曲がり部を安定して少なくとも2点保持することが可能となる。
【0013】
[3]上記[2]において、前記締付固定部は、前記第1リブと前記第2リブとの中間に位置する構成であってもよい。
この構成によれば、電線束の曲がり部に付与される締付固定部の締付力を、第1リブ及び第2リブの各々にバランス良く分散させることが可能となる。
【0014】
[4]上記[2]または[3]において、前記第1リブ及び前記第2リブは、それぞれの基端部から先端部までの長さが、前記曲がり部の形状に合致する長さに設定されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、第1リブ及び第2リブの各々の先端部を、電線束の曲がり部に当接させることが可能となる。
[5]上記[4]において、前記第1リブの前記長さと、前記第2リブの前記長さとは、互いに異なる長さに設定されていてもよい。
【0016】
この構成によれば、第1リブ及び第2リブの各々の先端部を、電線束の曲がり部に当接させることが可能となる。
[6]上記[5]において、前記第1リブは、前記第2リブに対して前記ケースの外寄りに設けられ、前記第2リブの前記長さは、前記第1リブの前記長さよりも長い構成であってもよい。
【0017】
この構成によれば、第1リブ及び第2リブの各々の先端部を、電線束の曲がり部に好適に当接させることが可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の電池配線モジュールの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の電池配線モジュール10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載される電池11に装着されるものである。電池11は例えば二次電池である。電池11は、図示しない車両の走行用モータに電力を供給する。また、電池11は、充電状態や車両の運転状態に応じて走行用モータや発電用モータからの電力の供給を受ける。
【0019】
電池11は、複数の電池セル12を備える。電池11は、複数の電池セル12が一方向に複数並んで配置されることにより、例えば略直方体状をなしている。以降の説明では、電池セル12の並ぶ方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向として説明する。また、X方向及びY方向に直交するZ方向を上下方向とし、電池11に対して電池配線モジュール10が装着される側を上方とする。すなわち、電池11は、上方側の側面において、電池配線モジュール10が装着されるモジュール装着面13を有している。
【0020】
各電池セル12は、2つの電池端子14を有している。2つの電池端子14は、一方が正極側で、他方が負極側の端子である。各電池セル12がX方向に並べられたとき、2つの電池端子14は、電池セル12の上面にY方向に沿って並ぶ。
【0021】
(電池配線モジュール10の構成)
電池配線モジュール10は、電池11に電気的に接続される複数の電線21と、各電線21を収容するケース22と、を備えている。また、電池配線モジュール10は、例えば、ケース22に支持された複数のバスバ23を備える。各バスバ23は、例えば、ケース22のY方向の両側において、X方向に沿って複数並んで配置されている。各バスバ23は、X方向に隣り合う電池端子14同士を接続する。バスバ23は、電池端子14と例えば溶接によって接続される。各バスバ23は、それぞれ対応する電線21に電気的に接続されている。各電線21は、例えば各バスバ23の電圧を検出するための検圧用の電線である。各電線21は、図示しない検圧用装置に接続するためのコネクタ24に接続されている。また、電池配線モジュール10は、ケース22の上方を覆うカバー25を備える。
【0022】
(ケース22の構成)
ケース22は、合成樹脂などの絶縁体にて形成されている。ケース22は、電線21が収容される電線収容部31を備える。電線収容部31は、X方向に沿って延在している。また、電線収容部31は、Y方向に並ぶように一対設けられている。一対の電線収容部31はX方向の一端側で合流し、その合流部分には電線導出部32が設けられている。すなわち、電線収容部31は、当該電線収容部31の長さ方向の端部において電線導出部32を有している。電線導出部32は、ケース22のX方向の一端部に形成されている。複数の電線21は、電線導出部32からケース22の外部にまとめて導出される。
【0023】
ケース22は、バスバ23を保持するバスバ保持部33を有している。バスバ保持部33は、X方向に複数並んで設けられている。バスバ保持部33は、一対の電線収容部31の各々からY方向の外側に延出している。X方向に並ぶバスバ保持部33の列は、一対の電線収容部31にそれぞれ対応して2列設けられている。なお、本実施形態では、X方向に隣り合う2つのバスバ保持部33にて1つのバスバ23が保持される。
【0024】
各電線21の一端部は、電線収容部31からバスバ保持部33側に導出されるとともに、それぞれ対応するバスバ23に接続される。各電線21の他端部は、電線導出部32からケース22の外部にまとめて導出されるとともに、コネクタ24に接続される。
【0025】
(電線束Wの曲がり部Waの構成)
図2及び
図3に示すように、複数の電線21は、電線導出部32の内部を通る部分において、例えば外周に巻回される図示しない粘着テープにより結束されて電線束W(
図2参照)を構成している。電線束Wは、電線導出部32の内部において曲がり部Waを有している。曲がり部Waは、Z方向に対して垂直な平面、すなわちXY平面に沿って湾曲するように曲げられている。
【0026】
図3に示すように、ケース22は、例えば、X方向における電線導出部32が設けられる側の端部に保護壁部34を有している。保護壁部34は、Y方向の中央部に設けられている。保護壁部34は、例えば、電池11に取り付けられる図示しない部品の周囲を囲む。
【0027】
電線導出部32は、保護壁部34に対してY方向に並設されている。本実施形態のケース22では、保護壁部34がY方向の中央部に位置するために、電線導出部32が電線収容部31に対してY方向にずれた位置に設けられる。このため、電線導出部32において、電線束WをX方向に沿って直線状に引き出すことが出来ない。つまり、電線束Wは、保護壁部34を回避するべく曲げられている。
【0028】
そして、電線束Wの曲がり部Waは、電線導出部32からケース22の外部に出る直前部分において曲げられた部位である。電線束Wは、曲がり部Waにて曲げられることで、電線導出部32からケース22の外部に出た部分においてX方向に沿って引き出される。
【0029】
(電線導出部32の構成)
図2に示すように、電線導出部32は、当接部41と、締付固定部51とを有している。当接部41は、曲がり部Waの外周面に当接する。締付固定部51は、曲がり部Waを当接部41に締め付ける態様で固定する。締付固定部51は、例えば締付バンドである。締付固定部51は、例えば、ケース22とは別体をなす。
【0030】
(当接部41の構成)
図2及び
図3に示すように、当接部41は、曲がり部Waの形状に合致する形状をなしている。当接部41は、例えば、曲がり部Waにおける屈曲外側部分に当接する。なお、曲がり部Waの屈曲外側とは、Z方向から見たときの曲がり部Waの凸側である。当接部41は、基部42と、第1リブ43と、第2リブ44とを有している。第1リブ43及び第2リブ44の各々は、基部42から電線導出部32の内側に突出している。
【0031】
第1リブ43と第2リブ44とは、電線束Wが延びる方向に沿って並設されている。第1リブ43と第2リブ44とは、例えば互いに平行に延びるリブである。第1リブ43は、第2リブ44に対してケース22の外部側に設けられている。第1リブ43は、例えば、X方向における電線導出部32の外側面32aに一致する位置に設けられている。第2リブ44は、第1リブ43に対して電線導出部32の内部側に位置している。
【0032】
図2に示すように、第1リブ43は、基端部43aと、先端部43bとを有している。第1リブ43の基端部43aは、基部42に繋がっている。また、第2リブ44は、基端部44aと、先端部44bとを有している。第2リブ44の基端部44aは、基部42に繋がっている。
【0033】
第1リブ43において、基端部43aから先端部43bまでの長さを長さL1とする。また、第2リブ44において、基端部44aから先端部44bまでの長さを長さL2とする。第1リブ43の長さL1と第2リブ44の長さL2とは、電線束Wの曲がり部Waの形状に合うように、互いに異なる長さに設定されている。本実施形態では、曲がり部Waの形状に合うように、第2リブ44の長さL2は、第1リブ43の長さL1よりも長く設定されている。これにより、第1リブ43及び第2リブ44の各々の先端部43b,44bが、曲がり部Waの外周面に当接している。
【0034】
図2及び
図3に示すように、第1リブ43は、基部42からY方向に突出する第1部位45と、Z方向に突出する第2部位46とを含んでいる。また、第2リブ44は、基部42からY方向に突出する第3部位47と、Z方向に突出する第4部位48とを含んでいる。第2リブ44の長さL2は、第3部位47から第4部位48にかけて徐々に小さくなっている。一方、第1リブ43の長さL1は、第1部位45から第2部位46にかけて一様である。第1リブ43において、第1部位45から第2部位46にわたる先端部43bは、X方向から見て円弧状をなしている。また、第2リブ44において、第3部位47から第4部位48にわたる先端部44bは、X方向から見て円弧状をなしている。
【0035】
電線導出部32は、第1貫通孔32bと第2貫通孔32cとを有している。第1貫通孔32b及び第2貫通孔32cの各々は、電線導出部32をZ方向に沿って貫通している。当接部41は、Y方向において、第1貫通孔32bと第2貫通孔32cとの間に位置している。
【0036】
図2に示すように、締付固定部51は、第1貫通孔32b及び第2貫通孔32cの各々を通りつつ、電線束Wの曲がり部Waの外周を通る。そして、締付固定部51の先端部は、締付固定部51の基端部に設けられた図示しないロック部に挿入されて係止されている。これにより、締付固定部51は、曲がり部Waを当接部41に対して締め付ける。すなわち、締付固定部51は、第1リブ43及び第2リブ44の各先端部43b,44bに対して曲がり部Waを押し付けている。これにより、第1リブ43及び第2リブ44の各先端部43b,44bが、曲がり部Waの外周面に密着する。
【0037】
なお、締付固定部51は、電線束Wの延びる方向に直交する方向(例えばZ方向)から見て、第1リブ43と第2リブ44との間に位置している。換言すると、Z方向から見て、締付固定部51を挟んだ両側に第1リブ43と第2リブ44とが設けられている。これにより、締付固定部51の締付力を第1リブ43及び第2リブ44の各々にバランス良く分散させることが可能となる。
【0038】
本実施形態の効果について説明する。
(1)電線導出部32は、曲がり部Waに当接する当接部41と、曲がり部Waを当接部41に締め付け固定する締付固定部51と、を有している。そして、当接部41は、曲がり部Waの形状に合致する形状をなしている。この構成によれば、締付固定部51によって電線束Wの曲がり部Waが押し当てられる当接部41は、曲がり部Waの形状に合致する形状をなす。これにより、当接部41と曲がり部Waとの間において、隙間の形成を抑制することが可能となる。したがって、電線束Wの曲がり部Waにおける遊びが少なくなり、その結果、当接部41と締付固定部51とによって、電線束Wを安定して保持することが可能となる。
【0039】
(2)当接部41は、電線束Wの延びる方向に沿って並設された第1リブ43及び第2リブ44を有している。曲がり部Waは、第1リブ43の先端部43b及び第2リブ44の先端部44bの各々に当接している。この構成によれば、電線束Wの曲がり部Waは、締付固定部51によって第1リブ43及び第2リブ44の各々の先端部43b,44bに押し付けられる。このため、第1リブ43と第2リブ44の各々の先端部43b,44bによって、曲がり部Waを安定して少なくとも2点保持することが可能となる。
【0040】
(3)締付固定部51は、第1リブ43と第2リブ44との中間に位置する。この構成によれば、電線束Wの曲がり部Waに付与される締付固定部51の締付力を、第1リブ43及び第2リブ44の各々にバランス良く分散させることが可能となる。
【0041】
(4)第1リブ43の長さL1及び第2リブ44の長さL2はそれぞれ、曲がり部Waの形状に合致する長さに設定されている。この構成によれば、第1リブ43及び第2リブ44の各々の先端部43b,44bを、電線束Wの曲がり部Waに当接させることが可能となる。
【0042】
(5)第1リブ43における基端部43aから先端部43bまでの長さL1と、第2リブ44における基端部44aから先端部44bまでの長さL2とは、互いに異なる長さに設定されている。この構成によれば、第1リブ43及び第2リブ44の各々の先端部43b,44bを、電線束Wの曲がり部Waに当接させることが可能となる。
【0043】
(6)第1リブ43は、第2リブ44に対してケース22の外寄りに設けられる。そして、第2リブ44の長さL2は、第1リブ43の長さL1よりも長い。ここで仮に、第2リブ44の長さL2を第1リブ43の長さL1と同等、または長さL1よりも短くすると、第2リブ44の第3部位47が曲がり部Waから離れてしまう。その点、本実施形態では、第2リブ44の長さL2を第1リブ43の長さL1よりも長く設定しているため、第2リブ44の第3部位47を曲がり部Waの外周面に密着させることが可能となる。したがって、第1リブ43及び第2リブ44と締付固定部51とによって、電線束Wを好適に保持することが可能となる。
【0044】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
・上記実施形態では、当接部41に含まれる第1リブ43及び第2リブ44の各先端部43b,44bが、電線束Wの曲がり部Waに当接する構成であるが、これに特に限定されるものではない。例えば、
図4に示すように、当接部41が、曲がり部Waの形状に合致する形状を有する1つの密着面61を備えていてもよい。この構成によれば、電線束Wの曲がり部Waは、締付固定部51によって、曲がり部Waの形状に合致する形状をなす密着面61に押し当てられる。これにより、密着面61と曲がり部Waとの間において、隙間の形成を抑制することが可能となる。したがって、曲がり部Waにおける遊びが少なくなり、その結果、密着面61と締付固定部51とによって、電線束Wを安定して保持することが可能となる。
【0046】
・締付固定部51は、ケース22に一体に形成されていてもよい。
・第1リブ43は、電線導出部32の外側面32aよりも内部側に設けられていてもよい。
【0047】
・上記実施形態の当接部41では、曲がり部Waに当接するリブを、第1リブ43と第2リブ44の2つとしたが、これに限らず、1つまたは3つ以上としてもよい。
・当接部41が、曲がり部Waにおける屈曲内側部分に当接する構成であってもよい。なお、曲がり部Waの屈曲内側とは、Z方向から見たときの曲がり部Waの凹側である。当接部41が曲がり部Waの屈曲内側部分に当接する構成の場合、第1リブ43の長さL1が第2リブ44の長さL2よりも長い構成であってもよい。これによれば、第1リブ43及び第2リブ44の各先端部43b,44bを、電線束Wの曲がり部Waの外周面に密着させることが可能となる。
【0048】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
10 電池配線モジュール
11 電池
12 電池セル
13 モジュール装着面
14 電池端子
21 電線
22 ケース
23 バスバ
24 コネクタ
25 カバー
31 電線収容部
32 電線導出部
32a 外側面
32b 第1貫通孔
32c 第2貫通孔
33 バスバ保持部
34 保護壁部
41 当接部
42 基部
43 第1リブ
43a 基端部
43b 先端部
44 第2リブ
44a 基端部
44b 先端部
45 第1部位
46 第2部位
47 第3部位
48 第4部位
51 締付固定部
61 密着面
L1 第1リブの長さ
L2 第2リブの長さ
W 電線束
Wa 曲がり部