(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001994
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】支持ユニット、印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20231228BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20231228BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20231228BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20231228BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B41J29/38 202
H04N5/222 300
H04N5/232 300
G03B17/56 E
B41J29/393
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100897
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】青木 浩樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AS11
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2H105AA03
2H105AA12
5C122DA28
5C122EA06
5C122FA01
5C122FB03
5C122FH14
5C122GB05
(57)【要約】
【課題】撮影デバイスによって取得されるメディア情報のばらつきを抑制する。
【解決手段】支持ユニットは、撮影デバイスにより撮影されるとともに、撮影結果に応じて印刷装置により印刷されるメディアを支持可能な支持ユニットであって、前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を備え、前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影デバイスにより撮影されるとともに、撮影結果に応じて印刷装置により印刷されるメディアを支持可能な支持ユニットであって、
前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、
透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を備え、
前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられることを特徴とする、支持ユニット。
【請求項2】
前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な第2マークが設けられ、
前記挟持部には、前記第2マークと対応する第3マークが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項3】
前記撮影デバイスのレンズ部を、前記台座部に支持された前記メディアに向けた状態で、前記撮影デバイスを載置するための載置部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項4】
発光可能な複数の光源と、
前記複数の光源の点灯動作を制御する制御部と、を備え、
前記載置部は、前記台座部との距離を変更可能に構成され、
前記複数のマークは、前記複数の光源のうち、点灯する複数の前記光源から発せられる光で構成され、
前記制御部は、
前記台座部と前記載置部との距離が増加することに応じて、前記点灯する光源の間隔が増加するように、前記複数の光源を制御することを特徴とする、請求項3に記載の支持ユニット。
【請求項5】
撮影デバイスにより撮影されるメディアを支持する支持ユニットと、
前記撮影デバイスが撮影する画像の画像データを処理する処理ユニットと、
前記処理ユニットによる前記画像データの処理結果に応じて前記メディアに印刷する印刷ユニットと、を備え、
前記支持ユニットは、
前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、
透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を含み、
前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられ、
前記画像データは、前記メディアの画像データであるメディア画像データと、前記メディアとともに撮影される前記複数のマークの画像データであるマーク画像データと、を含むことを特徴とする、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持ユニット、及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、印刷テーブルに載置された印刷基材を検出可能なカメラを備える印刷装置が開示されている。当該印刷装置は、カメラの検出結果に応じて、印刷条件を制御する制御ユニットを更に備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0256995号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記印刷装置では、印刷基材を撮影(検出)するためのカメラを、ユーザーが別途用意する場合がある。すなわち、印刷装置がカメラを備えず、その代わりユーザーが所有するカメラで印刷基材を撮影する。この場合、ユーザーが用意するカメラの撮影結果に基づいて印刷基材に対する印刷条件が決定されることになる。しかし、印刷装置の構成は簡素化されるものの、ユーザーの撮影方法等のばらつきに起因して、撮影結果がばらつく。これにより、印刷基材の情報もばらついて、適正な印刷制御が行われない場合が発生してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
支持ユニットは、撮影デバイスにより撮影されるとともに、撮影結果に応じて印刷装置により印刷されるメディアを支持可能な支持ユニットであって、前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を備え、前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられる。
【0006】
印刷システムは、撮影デバイスにより撮影されるメディアを支持する支持ユニットと、前記撮影デバイスが撮影する画像の画像データを処理する処理ユニットと、前記処理ユニットによる前記画像データの処理結果に応じて前記メディアに印刷する印刷ユニットと、を備え、前記支持ユニットは、前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を含み、前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられ、前記画像データは、前記メディアの画像データであるメディア画像データと、前記メディアとともに撮影される前記複数のマークの画像データであるマーク画像データと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態にかかる支持ユニットの構成を示す概略図。
【
図2】第1実施形態にかかる台座部の構成を示す概略図。
【
図3】第1実施形態にかかる挟持部の構成を示す概略図。
【
図4】第1実施形態にかかる支持ユニットの構成を示す概略図。
【
図5】第1実施形態にかかる支持ユニットの使用方法を示す概略図。
【
図6】第2実施形態にかかる支持ユニットの構成を示す概略図。
【
図7】第2実施形態にかかる台座部の構成を示す概略図。
【
図8】第2実施形態にかかる支持ユニットの制御構成を示すブロック図。
【
図9】第2実施形態にかかる支持ユニットの制御方法を示す模式図。
【
図10】第2実施形態にかかる支持ユニットの制御方法を示す模式図。
【
図11】第3実施形態にかかる印刷システムの構成を示す概略図。
【
図12】第3実施形態にかかる印刷システムの制御構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.第1実施形態
まず、支持ユニット10の構成について説明する。
支持ユニット10は、撮影デバイスCD(例えば、デジタルカメラ)により撮影されるメディアSを支持可能に構成される。メディアSは、印刷装置により印刷される媒体であり、布帛や用紙等である。印刷装置は、例えば、メディアSを搬送する搬送ユニットや、搬送されるメディアSに対してインクを吐出する記録ユニット等を備える。また、本実施形態では、撮影デバイスCDは各ユーザーで用意される形態であり、支持ユニット10は、撮影デバイスCDを含まない構成である。
ここで、所定の印刷装置によってメディアSに印刷する場合、メディアSの画像データに基づいてメディアSの特性を把握し、適正な印刷条件を設定することがある。しかしながら、撮影デバイスCDの撮影方法や撮影環境等がばらつくと、メディアSの画像データがばらつき、メディアSの特性を正確に把握できず、適正な印刷条件を設定できないおそれがある。
そこで、本実施形態の支持ユニット10は、ユーザー毎に撮影デバイスCDの撮影方法等がばらついた場合であっても、取得した画像データを容易に補正可能とし、メディアSの特性を把握可能にすることを想定して構成される。
以下、具体的な構成について説明する。
【0009】
図1から
図4に示すように、支持ユニット10は、台座部20と挟持部30とを備える。
台座部20は、直方体を成す。本実施形態の台座部20の+Z方向の端部である上面20aは平坦面である。上面20aは、メディアSを支持する支持領域21と、メディアSを支持しない非支持領域22と、を有する(
図2)。支持領域21は、撮影デバイスCDでメディアSを撮影する際に、メディアSを支持する領域である。本実施形態の支持領域21は、台座部20のX軸に沿った方向において中央部から+X方向の端部まで至る領域であり、台座部20のY軸に沿った方向において中央部から-Y方向の端部まで至る領域である。
【0010】
非支持領域22は、上面20aにおいて、支持領域21以外の領域である。非支持領域22には、撮影デバイスCDが認識可能な複数のマークMが設けられる。本実施形態では、3つのマークM(M1a,M1b,M1c)が設けられる(
図2)。これらのマークMは、上面20aに直接印刷した形態でもよいし、ラベルに印刷したものを上面20aに貼付する形態であってもよい。
また、本実施形態の上面20a全面は黒系色である。支持するメディアSは白系色が多いので、コントラストが大きくなりメディアSの端部の状態を明確に把握することができる。マークMの色は、上面20aの色に対して識別可能であり、撮影デバイスにより認識可能であればよい。本実施形態のマークMの色は、赤系色である。また、マークMの形状は、特に限定されず、例えば、円形である。
なお、台座部20の上面20aの色は変更可能な構成であってもよい。例えば、台座部20が液晶パネルで構成され、メディアSの色に合わせて、台座部20の表面の色を変更する。例えば、メディアSが黒系色の場合は、上面20aの色を、白系色にする。また、マークMの色も上記同様に変更可能な構成であってもよい。
【0011】
本実施形態の3つのマークM(M1a,M1b,M1c)は同一直線上に配置されない。具体的には、マークM1aは、台座部20のX軸に沿った方向における中央部から-X方向側であり、台座部20のY軸に沿った方向における中央部から+Y方向側に配置される。マークM1bは、マークM1aのX軸に沿った方向において+X方向に配置される。マークM1cは、マークM1aのY軸に沿った方向において-Y方向に配置される。これにより、例えば、メディアSに対して斜めから撮影した場合や、支持領域21においてメディアSが斜めに支持された状態で撮影された場合であっても、3つのマークM(M1a,M1b,M1c)を基準として補正が可能となる。
さらに、各マークM(M1a,M1b,M1c)間の距離は規定される。具体的には、マークM1aの中心部とマークM1bの中心部との距離が規定された寸法である。また、マークM1aの中心部とマークM1cの中心部との距離が規定された寸法である。これにより、撮影時にメディアS(台座部20)と撮影デバイスCDとの距離にばらつきが発生した場合であっても、マークM(M1a,M1b,M1c)間の距離の縮尺率に基づいて撮影時における画像データのばらつきを容易に補正することが可能となる。
【0012】
また、上面20aにメディアSを載置する際、マークMがメディアSによって隠れないように配慮する必要がある。このため、本実施形態では、支持領域21と非支持領域22との境界に線状の境界マーク26が形成される。境界マーク26に倣ってメディアSを載置することで、メディアSによってマークMが隠れることを防止することができる。
なお、支持領域21が、上面20aより-Z方向に凹んだ凹部であってもよい。すなわち、Z方向において、支持領域21の上面20aは、非支持領域22の上面20aよりも凹んでいてもよい。このようにしても、支持領域21が非支持領域22と区画され、メディアSによってマークMが隠れることを防止することができる。また、この場合には、支持領域21の上面20aと、非支持領域22の上面20aとにより段差が形成される。ユーザーは、当該段差にメディアSを突き当てることで、容易に支持領域21に対してメディアSを位置決めできる。なお、
図2において、支持領域21を斜線で示している。
【0013】
挟持部30は、台座部20の上面20aと対向し、台座部20とともにメディアSを挟むものである。挟持部30は、板状部材である(
図3)。台座部20と挟持部30とによってメディアSを挟むことで、台座部20にメディアSを安定して保持することができる。
挟持部30は、透光性を有する部分を含む。挟持部30は、例えば、ガラス材である。挟持部30は、台座部20と挟持部30とでメディアSを挟んだ場合、少なくとも挟持部30の支持領域21に対応する部分、及びマークM(M1a,M1b,M1c)に対応する部分は透光性を有する(
図4,
図5)。これにより、撮影デバイスCDは、挟持部30を介してメディアS及びマークMを容易に撮影することができる。なお、挟持部30は、開口を有する枠部材であってもよい。具体的には、挟持部30は、台座部20と挟持部30とでメディアSを挟んだ場合、少なくとも挟持部30の支持領域21に対応する部分、及びマークMに対応する部分に開口が設けられた枠部材であってもよい。すなわち、挟持部30は、光が通過可能で台座部20と挟持部30とでメディアSを挟むことができれば、その構成は特に限定されない。
【0014】
また、台座部20及び挟持部30は、互いに重ね合わせる際の位置決め構造を有する。具体的には、台座部20の外周部に上面20aから+Z方向に突出した位置決めピン24が配置される。本実施形態では、位置決めピン24は3本配置される。
また、挟持部30の外周部には、各位置決めピン24が挿通可能な貫通孔34が設けられる。各貫通孔34は、挟持部30の厚み方向(Z軸に沿った方向)に沿って貫通する孔である。台座部20と挟持部30とでメディアSを挟む際、挟持部30の貫通孔34を台座部20の位置決めピン24に合わせて配置することで、台座部20と挟持部30とを容易に位置決めすることができる。
【0015】
また、台座部20の非支持領域22には、撮影デバイスCDが認識可能な第2マークM2が設けられる。本実施形態の第2マークM2は十字型を成す。第2マークM2の色は、例えば赤系色である。第2マークM2は、非支持領域22においてマークM1a及びマークM1cの-X方向であり、Y軸に沿った方向における中央部に配置される(
図2)。
また、挟持部30には、第2マークM2と対応する第3マークM3が設けられる。本実施形態の第3マークM3は十字型を成し、撮影デバイスCDによって認識可能である。第3マークM3の色は、例えば赤系色である(
図3)。第3マークM3は、挟持部30の-Z方向の端面に形成される。また、台座部20と挟持部30とを重ねた場合、第3マークM3は第2マークM2の上方に配置される(
図4)。なお、第2マークM2及び第3マークM3は、上面20aや挟持部30に直接印刷した形態でもよいし、印刷されたラベルを貼付する形態であってもよい。
【0016】
第2マークM2及び第3マークM3は、メディアSの厚み情報を取得するためのマークである。具体的には、
図5に示すように、例えば、第2マークM2及び第3マークM3よりも+X方向である支持領域21に撮影デバイスCDの焦点TNを合わせて撮影した場合、撮影された画像は、第2マークM2及び第3マークM3を含む部分は斜めから見た画像となる。すなわち、第2マークM2と第3マークM3とがずれた画像となる。従って、メディアSの厚さに応じて、第2マークM2と第3マークM3とのずれ量が変化するため、このずれ量に基づいて、ユーザー(あるいは処理装置等)により、メディアSの厚さの情報を把握することができる。
なお、第3マークM3は、挟持部30の+Z方向の端面に設けてもよい。また、第3マークM3は、下方に見たときに、第2マークM2から予め所定距離ずれた箇所に設けてもよい。このようにしても、挟持部30の厚み寸法や第2マークM2と第3マークM3との初期のずれ量を、画像データの補正において前記所定距離分オフセットすることで、メディアSの厚み情報を取得することができる。
【0017】
また、支持ユニット10は、撮影デバイスCDのレンズ部LSを、台座部20に支持されたメディアSに向けた状態で、撮影デバイスCDを載置するための載置部40を備える。レンズ部LSは、メディアSから反射する光を捕集して像を形成するものである。載置部40は、台座部20の上方に配置される。具体的には、支持ユニット10は台座部20の-X方向の端部から+Z方向に延在する柱部45を備え、載置部40は、柱部45から+X方向に突出するように配置される。
【0018】
載置部40は、板状部材である。撮影デバイスCDは、載置部40の+Z方向の端面である載置面40aに載置される。載置面40aは、撮影デバイスCDを載置するための十分な広さを有する。また、載置部40には、Z方向に沿って貫通する貫通孔41が設けられる。撮影デバイスCDは、レンズ部LSが貫通孔41を介して台座部20と対向するように載置面40aに載置される。貫通孔41の-Z方向は撮影デバイスCDの焦点TN領域となる。これにより、ユーザーは、撮影デバイスCDの性能によらず手振れを抑制した状態でメディアSを撮影できる。
【0019】
次に、支持ユニット10の使用方法について説明する。
まず、台座部20の支持領域21にメディアSを載置する。このとき、メディアSの端部が境界マーク26に倣うように載置する。メディアSは、所定の印刷装置で印刷する前のものである。メディアSは、例えば、小片状に形成されたサンプルを用いてもよい。
また、メディアSを載置する場合、印刷装置においてメディアSが搬送される搬送方向が規定されるように載置する。例えば、台座部20においてY軸に沿った方向を搬送方向としてメディアSを載置する。これにより、搬送方向におけるメディアSの編み方や編み目のピッチ等の情報を取得することができる。
【0020】
次いで、挟持部30をセットして、台座部20と挟持部30とでメディアSを挟む。このとき、挟持部30の貫通孔34を台座部20の位置決めピン24に合わせてセットする。これにより、例えば、メディアSの波状に湾曲した部分が平坦状に矯正される。
【0021】
次いで、載置部40に撮影デバイスCDを載置する。具体的には、載置部40の貫通孔41に撮影デバイスCDのレンズ部LSを合わせて載置する。
【0022】
次いで、撮影デバイスCDによりメディアSの表面に焦点TNを合わせて撮影する。このとき、メディアS、マークM(M1a,M1b,M1c)、第2マークM2及び第3マークM3を含む領域を撮影する。
【0023】
以降、ユーザーは、撮影デバイスCDによって撮影された画像データをもとに、メディアSの特性を把握することが可能となる。
具体的には、処理装置等を用いて、マークM(M1a,M1b,M1c)の距離を基に、画像データの縮尺演算を行う。これにより、画像データを容易に補正することができる。そして、メディアSの表面状態、メディアSの編み目のピッチ寸法、メディアSの毛羽立ち状態を把握することができる。
また、画像データから第2マークM2と第3マークM3とのずれ量を読み取り、メディアSの厚みの情報を取得することができる。
【0024】
以上、本実施形態によれば、ユーザー毎に撮影デバイスCDの撮影方法等のばらつきが発生した場合であっても、マークM(M1a,M1b,M1c)間の寸法に基づいて縮尺補正が可能となる。また、一つの画像データからメディアSの表面状態とともに、メディアSの厚みの測定も可能となり、作業効率が向上する。
従って、支持ユニット10を用いることにより、メディアSの特性を正確に把握することが可能となる。そして、メディアSの特性に基づいて、メディアSに印刷を行う所定の印刷装置に対して適正な印刷条件を設定することができる。
【0025】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態にかかる支持ユニット10Aの構成について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0026】
図6に示すように、支持ユニット10Aは、台座部20Aと、挟持部30と、載置部40と、を備える。本実施形態の載置部40は、Z軸に沿って昇降移動可能に構成される。すなわち、支持ユニット10Aは、台座部20Aと載置部40との距離を変更可能に構成される。
【0027】
支持ユニット10Aは、台座部20Aに対して載置部40を昇降移動可能な昇降部50を備える。昇降部50は、台座部20Aから+Z方向に延在するボールねじ軸51と、ボールねじ軸51に係合するボールナット52と、ボールナット52を移動方向に案内するガイド部(図示せず)とを備える。ボールねじ軸51にはモーター53が接続される。モーター53としては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用され得る。モーター53の駆動により、ボールナット52がZ軸に沿った方向に昇降移動可能となる。
【0028】
載置部40は、ボールナット52に固定される。これにより、載置部40を昇降移動させることができる。
また、昇降部50は、モーター53またはボールねじ軸51の回転方向及び回転量を検出するロータリーエンコーダー54を備える。これにより、載置部40の位置(移動量)が検出可能となる。本実施形態では、台座部20Aの上面20aと載置部40の載置面40aとの距離が検出可能に構成される。
なお、載置部40の昇降機構は、上記構成に限らず、カム機構やソレノイドを用いた構成であってもよい。
【0029】
図7に示すように、支持ユニット10Aは、発光可能な複数の光源M4(M4a~M4i)と、複数の光源の点灯動作を制御する制御部60(
図8)と、を備える。
光源M4は、非支持領域22に配置される。光源M4は、第1実施形態におけるマークM(M1a,M1b,M1c)に相当する。すなわち、本実施形態では、複数の光源M4のうち、点灯する複数の光源M4から発せられる光によって複数のマークMと同様に構成される。なお、本実施形態の光源M4の数は、第1実施形態のマークMの数よりも多い。
【0030】
光源M4は、可視光を発する。光源M4は、例えば赤色LEDである。台座部20Aの上面20aには、-Z方向に沿った凹み部が複数形成され、各光源M4が各凹み部に嵌め込まれる。各光源M4は、例えば、導光部材(光ファイバーなど)を介して光が伝達される。
【0031】
本実施形態の複数の光源M4は、光源M4aと、光源M4aを起点としてX軸に沿った方向に並んで配置される4つの光源M4(4Mb~M4e)と、光源M4aを起点としてY軸に沿った方向に並んで配置される4つの光源M4(4Mf~M4i)と、を含む。
具体的には、光源M4aは、台座部20AのX軸に沿った方向における中央部から-X方向側であり、台座部20AのY軸に沿った方向における中央部から+Y方向側に配置される。光源M4bは、光源M4aのX軸に沿って+X方向に配置される。光源M4cは、光源M4bのX軸に沿って+X方向に配置される。光源M4dは、光源M4cのX軸に沿って+X方向に配置される。光源M4eは、光源M4dのX軸に沿って+X方向に配置される。
【0032】
光源M4aと光源M4bとの距離は、光源M4aと光源M4cとの距離よりも短い。光源M4aと光源M4cとの距離は、光源M4aと光源M4dとの距離よりも短い。光源M4aと光源M4dとの距離は、光源M4aと光源M4eとの距離よりも短い。すなわち、光源M4aを起点として、光源M4b、光源M4c、光源M4d、光源M4e、の順に距離が増加する。
光源M4aと光源M4bとの距離、光源M4aと光源M4cとの距離、光源M4aと光源M4dとの距離、及び光源M4aと光源M4eとの距離は、規定された寸法である。
【0033】
光源M4fは、光源M4aのY軸に沿って-Y方向に配置される。光源M4gは、光源M4fのY軸に沿って-Y方向に配置される。光源M4hは、光源M4gのY軸に沿って-Y方向に配置される。光源M4iは、光源M4hのY軸に沿って-Y方向に配置される。
【0034】
光源M4aと光源M4fとの距離は、光源M4aと光源M4gとの距離よりも短い。光源M4aと光源M4gとの距離は、光源M4aと光源M4hとの距離よりも短い。光源M4aと光源M4hとの距離は、光源M4aと光源M4iとの距離よりも短い。すなわち、光源M4aを起点として、光源M4f、光源M4g、光源M4h、光源M4i、の順に距離が増加する。
光源M4aと光源M4fとの距離、光源M4aと光源M4gとの距離、光源M4aと光源M4hとの距離、及び光源M4aと光源M4iとの距離は、規定された寸法である。
【0035】
なお、挟持部30の構成や、第2マークM2及び第3マークM3の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0036】
図8に示すように、制御部60は、CPU61と、メモリー62と、制御回路63と、I/F(インターフェイス)64と、を有する。CPU61は演算処理装置である。メモリー62は、各種プログラムを格納する領域または作業領域等を確保する記憶装置であり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。また、制御部60は、撮影デバイスCDからI/F64を介してメディアS及び光源M4を含む領域の画像データを取得する。また、制御部60は、ロータリーエンコーダー54からI/F64を介して載置部40の位置データ(高さデータ)を取得する。
また、メモリー62は、載置部40の位置データと、載置部40の位置データに基づいて点灯または消灯させる所定の光源M4と、を関連付けたテーブルデータを備える。
【0037】
本実施形態の制御部60では、ロータリーエンコーダー54からI/F64を介して載置部40の位置データを取得すると、CPU61はプログラム及びテーブルデータに従って演算を行い、制御回路63を介して各光源M4の点灯動作を制御する。
なお、本実施形態では、複数の光源M4のうち、光源M4aを基準とし、光源M4aの点灯を継続させた状態で、光源M4a以外の光源M4の点灯/消灯を切り替える。
【0038】
例えば、
図6及び
図9に示すように、載置部40が第1位置PS1に位置した場合、制御部60では、ロータリーエンコーダー54の位置データに基づき、光源M4aと、光源M4cと、光源M4gと、を点灯(図において白丸状(〇)で表示)させる。また、これら以外の光源M4は消灯(図において黒丸状(●)で表示)させる。
【0039】
そして、この状態で撮影デバイスCDによりメディアSの表面に焦点TNを合わせて撮影する。制御部60は、撮影デバイスCDからI/F64を介して画像データを取得する。画像データは、メディアSの画像データであるメディア画像データと、メディアSとともに撮影される光源M4(M4a,M4c,M4g)、第2マークM2及び第3マークM3の画像データであるマーク画像データと、を含む。
【0040】
制御部60は、光源M4(M4a,M4c,M4g)の距離を基に、画像データの縮尺演算を行う。これにより、画像データを容易に補正することができる。そして、メディアSの表面状態、メディアSの編み目のピッチ寸法、メディアSの毛羽立ち状態等を把握することができる。また、画像データにおける第2マークM2と第3マークM3とのずれ量を読み取り、メディアSの厚みの情報を取得する。
【0041】
また、
図6及び
図10に示すように、載置部40が第1位置PS1よりも+Z方向である第2位置PS2に位置した場合、制御部60では、ロータリーエンコーダー54の位置データに基づき、光源M4aと、光源M4eと、光源M4iと、を点灯(図において白丸状(〇)で表示)させる。また、これら以外の光源M4は消灯(図において黒丸状(●)で表示)させる。
すなわち、本実施形態の制御部60は、台座部20Aと載置部40との距離が増加することに応じて、点灯する光源M4の間隔が増加するように、複数の光源M4を制御する。
【0042】
そして、この状態で撮影デバイスCDによりメディアSの表面に焦点TNを合わせて撮影する。制御部60は、撮影デバイスCDからI/F64を介して画像データを取得する。画像データは、メディアSの画像データであるメディア画像データと、メディアSとともに撮影される光源M4(M4a,M4e,M4i)、第2マークM2及び第3マークM3の画像データであるマーク画像データと、を含む。
【0043】
制御部60は、光源M4(M4a,M4e,M4i)の距離を基に、画像データの縮尺演算を行う。これにより、画像データを容易に補正することができる。そして、メディアSの表面状態、メディアSの編み目のピッチ寸法、メディアSの毛羽立ち状態等を把握することができる。また、画像データにおける第2マークM2と第3マークM3とのずれ量を読み取り、メディアSの厚みの情報を取得する。一般的に、ユーザーが所定の撮影デバイスCDを使用する場合、撮影デバイスCDの精度(画素数)は、撮影デバイスCDと台座部20Aとの距離によらず一定である。したがって、台座部20Aと載置部40との距離に応じて、撮影デバイスCDの持つ画素数は変化しない。言い換えれば、撮影デバイスCDが撮影対象としてのメディアSを撮影する際の、光源M4同士の間隔の検出に係る絶対誤差は、台座部20Aと載置部40との距離によらず一定である。この状態で、台座部20Aと載置部40との距離が増加すると、光源M4同士の間隔に対して当該絶対誤差が占める割合が大きくなり、各光源M4の間隔の検出精度が相対的に低下する。本実施形態によれば、各光源M4の間隔に対して当該絶対誤差が占める割合が増加することを抑制することで、各光源M4の間隔の検出精度が相対的に低下することを抑制できる。
【0044】
さらに、本実施形態の制御部60は、メディアSに印刷を施す印刷装置に対する各種印刷条件を算出可能に構成される。
具体的には、メディアSの画像データからメディアSの表面状態、メディアSの編み目のピッチ寸法、メディアSの毛羽立ち状態、メディアSの厚み寸法等を測定した結果に基づいて、例えば、メモリー62に格納された印刷条件(ヘッドの高さ条件、搬送速度条件やインク吐出条件等)を抽出する。これにより、メディアSに適正な印刷条件を設定できる。
【0045】
3.第3実施形態
次に、印刷システム1の構成について説明する。
図11に示すように、本実施形態の印刷システム1は、撮影デバイスCDにより撮影されるメディアSを支持する支持ユニット10と、撮影デバイスCDが撮影する画像の画像データを処理する処理ユニットとしての制御部160と、制御部160による画像データの処理結果に応じてメディアSに印刷する印刷ユニット100と、を備える。メディアSは、例えば、布帛や用紙等である。
【0046】
本実施形態の支持ユニット10は、印刷ユニット100のメディアSが保持されるメディア保持部118とグルーベルト117との間に配置される。なお、支持ユニット10の構成は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。また、支持ユニット10に替えて支持ユニット10A(第2実施形態)であってもよい。
【0047】
印刷ユニット100は、本体フレーム111、本体カバー114、搬送ユニット116、及び記録ユニット119等を備える。
【0048】
本体フレーム111は、印刷ユニット100の各部が設けられる基部として構成される。本体フレーム111の-Z方向の端部には、複数の脚部112が配置される。
本体カバー114は、記録ユニット119等を覆う外装部材である。
【0049】
搬送ユニット116は、駆動ローラー116aと、従動ローラー116bと、グルーベルト117と、メディア保持部118と、を備える。
メディア保持部118は、シート状のメディアSが巻き重ねられたロール体Rを保持する。メディア保持部118は、ロール体Rを保持する保持軸118aを有する。保持軸118aは、回転可能に構成される。保持軸118aが回転することに伴い、ロール体RからメディアSがグルーベルト117側に繰り出される。
【0050】
駆動ローラー116aの回転によってグルーベルト117が移動する。グルーベルト117の移動に伴って、メディアSを+Y方向に搬送可能となる。+Y方向において、駆動ローラー116aは下流に配置され、従動ローラー116bは上流に配置される。また、駆動ローラー116a及び従動ローラー116bは、いずれもX軸に沿った方向に回転軸を有する。
【0051】
グルーベルト117は、弾性を有する平板の両端を接合した無端ベルトとして構成される。グルーベルト117は、駆動ローラー116aの外周面及び従動ローラー116bの外周面に巻き掛けられており、周回移動が可能である。
グルーベルト117の外周面117aは、粘着性を有しており、メディアSを支持可能で且つ吸着可能である。粘着性とは、他の部材と一時的に接着可能であり且つ接着状態からの剥離が可能となる特性を意味する。
外周面117aのうち、駆動ローラー116aと従動ローラー116bとの間で且つ+Z方向に位置する平坦な部分が、支持面117bである。換言すると、グルーベルト117は、支持面117bを有する。支持面117bの一部は、記録ユニット119とZ軸に沿った方向に対向する。
【0052】
記録ユニット119は、搬送されるメディアSに印刷(記録)する。記録ユニット119は、記録ヘッド119aと、記録ヘッド119aをX軸に沿った方向に往復移動が可能に支持するキャリッジ119bとを含む。記録ユニット119は、グルーベルト117よりも上方(-Z方向)に配置される。
記録ヘッド119aは、不図示の複数のノズルを有し、支持面117bに対向して配置される。記録ヘッド119aは、複数のノズルからメディアSに液体としてのインクを吐出する。これにより、メディアSへの記録が可能となる。なお、印刷ユニット100は、インクを収容するインクタンクを備え、当該インクタンクから記録ヘッド119aにインクが供給される。
【0053】
図12に示すように、制御部160は、CPU161と、メモリー162と、制御回路163と、I/F(インターフェイス)164と、を有する。CPU161は演算処理装置である。メモリー162は、各種プログラムを格納する領域または作業領域等を確保する記憶装置であり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。また、制御部160は、撮影デバイスCDからI/F164を介して画像データを取得する。画像データは、メディアSの画像データであるメディア画像データと、メディアSとともに撮影される複数のマークMの画像データであるマーク画像データと、を含む。画像データは、画像が電子化されることにより生成される。
支持ユニット10では、印刷ユニット100において印刷されるメディアSが撮影される。また、印刷ユニット100において搬送される搬送方向に沿った状態でメディアSが撮影される。このため、取得された画像データにおけるメディアSの搬送方向を容易に把握できる。
【0054】
制御部160は、取得した画像データをもとに、メディアSの特性を把握する。
具体的には、マークM(M1a,M1b,M1c)の距離を基に、画像データの縮尺演算を行う。これにより、画像データを容易に補正することができる。そして、メディアSの表面状態、メディアSの編み目のピッチ寸法、メディアSの毛羽立ちの寸法等を算出する。
また、画像データから第2マークM2と第3マークM3とのずれ量を読み取り、メディアSの厚み寸法を算出する。
そして、制御部160は、記録ユニット119や搬送ユニット116等を制御する。
具体的には、メディアSの画像データからメディアSの表面状態、メディアSの編み目のピッチ寸法、メディアSの毛羽立ち状態、メディアSの厚み寸法等を測定した結果に基づいて、例えば、メモリー162に格納された印刷条件(ヘッドの高さ条件、搬送速度条件やインク吐出条件等)を抽出する。そして、抽出された印刷条件に基づいて、記録ユニット119や搬送ユニット116を制御する。
【0055】
以上、本実施形態によれば、撮影デバイスCDとメディアSとの距離などがユーザーの撮像方法によってばらついても、制御部160によって複数のマークM間の距離に基づいて画像データが補正される。これにより、適切な印刷条件を設定可能となり、メディアSに対する印刷の精度を向上させることができる。
また、支持ユニット10を印刷ユニット100に搭載したインライン構成とすることにより、メディアSの搬送方向に合致した画像データが取得されるので、メディアSの特性を正確に取得でき、適正な印刷条件等を設定できる。
【0056】
なお、本実施形態では、支持ユニット10を、インライン構成としたが、オフライン構成であってもよい。すなわち、支持ユニット10が、印刷ユニット100とは別個に配置された構成であってもよい。このようにしても、支持ユニット10と制御部160とをネットワークで繋げることにより、上記同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、制御部160は、印刷ユニット100に搭載された構成であったが、これに限定されず、印刷ユニット100とは別個に配置された構成であってもよい。この場合、例えば、制御部160は、保守サービスを提供する業者側のサーバー装置に設ける。すなわち、ユーザーにより支持ユニット10で取得した画像データを業者に送信し、業者が受信した画像データに基づいて補正を行い、メディアSの特性を把握して印刷条件を抽出する。そして、当該印刷条件をユーザーに送信し、印刷ユニット100の駆動条件等に反映させる。ユーザーが取得した画像データは、マークM(M1a,M1b,M1c)の距離を基に、容易に補正が可能となる。すなわち、各ユーザーにおける撮影環境等がばらついても、画像データにおいて容易に補正できるため、確実にメディアSの特性を把握し、適正な印刷条件を提供することができる。
【0058】
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
【0059】
支持ユニットは、撮影デバイスにより撮影されるとともに、撮影結果に応じて印刷装置により印刷されるメディアを支持可能な支持ユニットであって、前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を備え、前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられることを特徴とする。
【0060】
この構成によれば、台座部と挟持部とによってメディアを挟むことで、台座部にメディアを安定して保持することができる。また、挟持部は透光性を有するため、撮影デバイスによってメディア及びマークを容易に撮影することができる。
また、メディアと複数のマークとが撮影されるため、マーク間の距離を基に、メディアの情報を補正することが可能となる。すなわち、撮影デバイスとメディアとの距離などがユーザーによってばらついても、同時に撮影されたマーク間の距離に基づいて、撮影情報のばらつきを簡単に補正可能な支持ユニットを提供することができる。そして、支持ユニットを用いることにより、メディアの特性を正確に把握することができる。
【0061】
上記支持ユニットの前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な第2マークが設けられ、前記挟持部には、前記第2マークと対応する第3マークが設けられることが好ましい。
【0062】
この構成によれば、台座部のメディアの厚さに応じて、第2マークと第3マークとのずれ量が変化する構成とすることができる。これにより、ユーザー(あるいは端末)は、第2マークと第3マークとのずれ量に応じてメディアの厚さの情報を把握することができる。
【0063】
上記支持ユニットでは、前記撮影デバイスのレンズ部を、前記台座部に支持された前記メディアに向けた状態で、前記撮影デバイスを載置するための載置部を備えることが好ましい。
【0064】
この構成によれば、ユーザーは、撮影デバイスの性能によらず手振れを抑制した状態でメディアを撮影できる。
【0065】
上記支持ユニットは、発光可能な複数の光源と、前記複数の光源の点灯動作を制御する制御部と、を備え、前記載置部は、前記台座部との距離を変更可能に構成され、前記複数のマークは、前記複数の光源のうち、点灯する複数の前記光源から発せられる光で構成され、前記制御部は、前記台座部と前記載置部との距離が増加することに応じて、前記点灯する光源の間隔が増加するように、前記複数の光源を制御することが好ましい。
【0066】
一般的に、ユーザーが所定の撮影デバイスを使用する場合、撮影デバイスの精度(画素数)は、撮影デバイスと撮影対象との距離によらず一定である。したがって、台座部と載置部との距離に応じて、撮影デバイスの持つ画素数は変化しない。言い換えれば、撮影デバイスが撮影対象としてのメディアを撮影する際の、マーク間隔の検出に係る絶対誤差は、台座部と載置部との距離によらず一定である。この状態で、台座部と載置部との距離が増加すると、マーク間隔に対して当該絶対誤差が占める割合が大きくなり、マーク間隔の検出精度が相対的に低下する。上記構成によれば、マーク間隔に対して当該絶対誤差が占める割合が増加することを抑制することで、マーク間隔の検出精度が相対的に低下することを抑制できる。
【0067】
印刷システムは、撮影デバイスにより撮影されるメディアを支持する支持ユニットと、前記撮影デバイスが撮影する画像の画像データを処理する処理ユニットと、前記処理ユニットによる前記画像データの処理結果に応じて前記メディアに印刷する印刷ユニットと、を備え、前記支持ユニットは、前記メディアを支持する支持領域と、前記メディアを支持しない非支持領域と、を有する台座部と、透光性を有する部分を含み、前記台座部とともに前記メディアを挟む挟持部と、を含み、前記非支持領域には、前記撮影デバイスが認識可能な複数のマークが設けられ、前記画像データは、前記メディアの画像であるメディア画像データと、前記メディアとともに撮影される前記複数のマークの画像であるマーク画像データと、を含むことを特徴とする。
【0068】
この構成によれば、撮影デバイスとメディアとの距離などがユーザーの撮像方法(計測方法)によってばらついても、複数のマーク間の距離に基づいて処理ユニットにより撮像時のばらつきを補正できる。これにより、画像データに基づいて適切な印刷条件を設定可能となり、メディアに対する印刷の精度を向上させることができる。
また、メディアは、搬送方向に合った方向で撮影されるので、メディアの特性情報を取得し、印刷条件等を設定できる。
【符号の説明】
【0069】
1…印刷システム、10,10A…支持ユニット、20…台座部、20a…上面、20A…台座部、21…支持領域、22…非支持領域、24…位置決めピン、26…境界マーク、30…挟持部、34…貫通孔、40…載置部、40a…載置面、41…貫通孔、45…柱部、50…昇降部、51…ボールねじ軸、52…ボールナット、53…モーター、54…ロータリーエンコーダー、60…制御部、61…CPU、62…メモリー、63…制御回路、64…I/F、100…印刷ユニット、111…本体フレーム、112…脚部、114…本体カバー、116…搬送ユニット、116a…駆動ローラー、116b…従動ローラー、117…グルーベルト、117a…外周面、117b…支持面、118…メディア保持部、118a…保持軸、119…記録ユニット、119a…記録ヘッド、119b…キャリッジ、160…制御部、161…CPU、162…メモリー、163…制御回路、164…I/F、M,M1a,M1b,M1c…マーク、M2…第2マーク、M3…第3マーク、M4,M4a,M4b,M4c,M4d,M4e,M4f,M4g,M4h,M4i…光源、PS1…第1位置、PS2…第2位置、S…メディア、CD…撮影デバイス、LS…レンズ部。