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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019965
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】折り畳み式安全柵
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
B60P1/44 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122770
(22)【出願日】2022-08-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】596166313
【氏名又は名称】株式会社 いそのボデー
(71)【出願人】
【識別番号】000178011
【氏名又は名称】山九株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】大坪 武司
(72)【発明者】
【氏名】霜鳥 信勝
(72)【発明者】
【氏名】石橋 宏
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 隆
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、テールゲートリフターに取り付け、柵部を開閉できることで、多くのタイプのテールゲートリフターにおいて取り付けたまま畳める、安全柵を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、トラックのテールゲートリフターに取り付ける安全柵1であって、テールゲートリフターの床版3に装着される柵部12と、前記柵部12と前記床版3を連結する連結部と、を備え、前記連結部は、前記柵部12の下端に設けられ、前記柵部12は、下端を中心に回転可能であって、直立または略直立と水平または略水平までの間を、正回転または逆回転する、ことを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックのテールゲートリフターに取り付ける安全柵であって、
テールゲートリフターの床版に装着される柵部と、
前記柵部と前記床版を連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、前記柵部の下端に設けられ、
前記柵部は、下端を中心に回転可能であって、
直立または略直立と水平または略水平までの間を、正回転または逆回転する、
安全柵。
【請求項2】
前記「柵部の回転」を規制する、回転規制手段を、さらに備え、
前記回転規制手段は、前記柵部の下端に固定される張出板と、水平または略水平方向にスライド可能な係止体と、を含んで構成され、
前記係止体が、前記張出板の上にスライドすると、係止状態となって前記柵部の回転が規制され、
前記係止体が、前記張出板の上から外れるようにスライドすると、解放状態となって前記柵部の回転が自由となる、
請求項1に記載の安全柵。
【請求項3】
前記回転規制手段は、係止体に弾性力を付与する弾性体を、さらに含み、
前記係止体のうち前記張出板側に、先端から肉厚が増加していく尖端部が設けられ、
前記弾性体は、前記係止体が前記係止状態となる方向に弾性力を付与し、
前記柵部を回転して直立させる際に、前記張出板が、前記尖端部に接触し、前記係止体をスライドさせ解放状態とし、
該張出板が該尖端部から外れるまで回転すると、前記弾性体によって該係止体が係止状態となるようにスライドする、
請求項2に記載の安全柵。
【請求項4】
前記柵部の回転を抑制する回転抑制手段を、さらに備え、
前記回転抑制手段は、前記柵部の側面に配置されて前記床版に固定される側面板と、該柵部の側部に設けられたネジ孔に螺合可能な抑制ネジと、を含んで構成され、
前記側面板に設けられた挿通孔に前記抑制ネジを挿通したうえで、前記ネジ孔に螺合した該抑制ネジを締め付けると、前記柵部の回転が抑制される、
請求項1に記載の安全柵。
【請求項5】
前記側面板の前記挿通孔が、前記柵部が回転するときの前記抑制ネジの軌跡に応じた形状である、
請求項4に記載の安全柵。
【請求項6】
前記柵部が、第1柵部と第2柵部からなり、
前記連結部が、第1連結部と第2連結部からなり、
前記第1柵部の上部に設けられる接続具を、さらに備え、
前記第1柵部および前記第2柵部が、前記床版の相対する位置にそれぞれ装着され、
前記第1連結部が前記第1柵部と前記床版を回転可能に連結するとともに、前記第2連結部が前記第2柵部と前記床版を回転可能に連結し、
前記第1柵部および前記第2柵部を回転して水平または略水平の姿勢としたとき、前記接続具が、前記第2柵部の一部に嵌合することによって、該第1柵部と該第2柵部が接続される、
請求項1に記載の安全柵。
【請求項7】
前記連結部の前記床版側に、装着部を、さらに備え、
前記装着部によって、前記安全柵は前記床版に脱着自在に装着され、
前記連結部が、前記柵部と前記装着部を回転可能に連結することによって、前記床版に対して前記柵部を回転可能にする、
請求項1から6のいずれかに記載の安全柵。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全柵に関する。より詳しくは、トラックのテールゲートリフターに取り付けて用いる折り畳み式安全柵に関する。
【背景技術】
【0002】
テールゲートリフターは、トラックに荷物の積み下ろしをする際に地上から荷台の高さまで昇降する装置である。台車やロールボックスパレット(かご車)のような車輪付きの物の積み下ろしによく用いられる。しかし、従来のリフターには荷物が転がり落ちるのを防ぐ高さ数センチメートルのストッパーがあるのみであり、人や物が傾いたときに、転倒・落下を防ぐことはできない。かご車や人の転倒・落下を防ぐ為には、柵が必要である。
【0003】
特許文献1には、車両に設置された昇降板に着脱可能な昇降板用後付け柵であって、柵部と収容部と操作具とセット部を備え、前記柵部は縦枠材を備え、前記収容部は前記縦枠材の延長線上の下側に設けられ、前記セット部は前記収容部の延長線上の下側に設けられ、前記セット部は昇降板の下面側に宛がわれる底面部を備え、前記操作具は昇降板の上面を抑える上下動可能な押圧体と、当該押圧体を上下動させる操作部を備え、前記操作具は、前記押圧体が前記縦枠材の延長線上に位置するように前記収容部に収容され、前記底面部が昇降板の下面側に配置された状態で前記押圧体が前記操作具の操作部によって押し下げられると、当該底面部と押圧体とによって昇降板が挟持され、前記底面部と押圧体で昇降板を挟持した状態で前記押圧体が前記操作具の操作部によって引き上げられると、当該底面部と押圧体による昇降板の挟持が解除される、ことを特徴とする昇降板用後付け柵、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6752458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の後付け柵は、柵部が常に立ったままであるため、取り付けたままテールゲートリフターを畳めないという欠点があった。つまり、使用する度に付け外しが必要だった。
【0006】
本発明の目的は、テールゲートリフターに取り付けたまま畳める、安全柵を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
トラックのテールゲートリフターに取り付ける安全柵であって、
テールゲートリフターの床版に装着される柵部と、
前記柵部と前記床版を連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、前記柵部の下端に設けられ、
前記柵部は、下端を中心に回転可能であって、
直立または略直立と水平または略水平までの間を、正回転または逆回転する、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明は、
前記「柵部の回転」を規制する、回転規制手段を、さらに備え、
前記回転規制手段は、前記柵部の下端に固定される張出板と、水平または略水平方向にスライド可能な係止体と、を含んで構成され、
前記係止体が、前記張出板の上にスライドすると、係止状態となって前記柵部の回転が規制され、
前記係止体が、前記張出板の上から外れるようにスライドすると、解放状態となって前記柵部の回転が自由となる、ようにすることもできる。
【0009】
本発明は、
前記回転規制手段は、係止体に弾性力を付与する弾性体を、さらに含み、
前記係止体のうち前記張出板側に、先端から肉厚が増加していく尖端部が設けられ、
前記弾性体は、前記係止体が前記係止状態となる方向に弾性力を付与し、
前記柵部を回転して直立させる際に、前記張出板が、前記尖端部に接触し、前記係止体をスライドさせ解放状態とし、
該張出板が該尖端部から外れるまで回転すると、前記弾性体によって該係止体が係止状態となるようにスライドする、ようにすることもできる。
【0010】
本発明は、
前記柵部の回転を抑制する回転抑制手段を、さらに備え、
前記回転抑制手段は、前記柵部の外側に配置されて前記床版に固定される側面板と、該柵部の側部に設けられたネジ孔に螺合可能な抑制ネジと、を含んで構成され、
前記側面板に設けられた挿通孔に前記抑制ネジを挿通したうえで、前記ネジ孔に螺合した該抑制ネジを締め付けると、前記柵部の回転が抑制される、ようにすることもできる。
【0011】
前記側面板の前記挿通孔が、前記柵部が回転するときの前記抑制ネジの軌跡に応じた形状である、ようにすることもできる。
【0012】
前記柵部は、第1柵部と第2柵部からなり、
前記連結部は、第1連結部と第2連結部からなり、
前記第1柵部の上部に設けられる接続具を、さらに備え、
前記第1柵部および前記第2柵部が、前記床版の相対する位置にそれぞれ装着され、
前記第1連結部が前記第1柵部と前記床版を回転可能に連結するとともに、前記第2連結部が前記第2柵部と前記床版を回転可能に連結し、
前記第1柵部および前記第2柵部を回転して水平または略水平の姿勢としたとき、前記接続具が、前記第2柵部の一部に嵌合することによって、該第1柵部と該第2柵部が接続される、ようにすることもできる。
【0013】
前記連結部の前記床版側に、装着部を、さらに備え、
前記装着部によって、前記安全柵は前記床版に脱着自在に装着され、
前記連結部が、前記柵部と前記装着部を回転可能に連結することによって、前記床版に対して前記柵部を回転可能にする、ようにすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の安全柵には、次のような効果がある。
・柵部を開閉できる。
・取り付けたままテールゲートリフターを畳むことができる。
・既存のトラックに後付けできる。
・人や物が傾いたときに、転倒や落下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の折り畳み式安全柵の斜視図。
図2】装着部を床版に取り付けた状態を示す斜視図。
図3】本発明の折り畳み式安全柵を取り付ける様子を示す側面図。
図4】柵部を閉じた状態の側面図。
図5】本発明の折り畳み式安全柵を取り付ける様子を示す正面図。
図6】安全柵を閉じて接続具で接続した状態の平面図。
図7】安全柵を閉じて接続具で接続した状態の平面図。
図8】安全柵を閉じて紐状の接続具で接続した状態の平面図。
図9】柵部を開いた(立てた)状態の回転規制手段の詳細図。
図10】先端部および弾性体を備えた回転規制手段の詳細図。
図11】係止状態の回転規制手段の詳細図。
図12】解放状態の回転規制手段の詳細図。
図13】柵部を閉じた(倒した)状態の回転規制手段の詳細図。
図14】柵部を開いた状態の回転抑制手段の詳細図。
図15】柵部を閉じた状態の回転抑制手段の詳細図。
図16】柵部を開いた状態の回転抑制手段の詳細図。
図17】柵部を閉じた状態の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の折り畳み式安全柵の実施の一例について図を用いて説明する。
【0017】
<全体概要>
図1はテールゲートリフターの床版3に折り畳み式安全柵1を取り付けた状態を示す斜視図である。
折り畳み式安全柵1は、装着部10、桁部11、柵部12、回転規制手段13および回転抑制手段14からなる。
柵部12の下端に設けられた装着部10にて、安全柵1を床版3に固定する。
【0018】
<装着部>
図2は装着部10を床版3に取り付けた状態を示す斜視図である。
図1および図2に示す通り、装着部10は、折り畳み式安全柵1をテールゲートリフターの床版3に取り付けるための機構である。
床版3に、装着部10を構成するコ字金具101の孔に対応する孔を開け、図3および図4に示す通り、3箇所の孔を有するコ字金具101を、床版3に被せる。実施例では、床版3およびコ字金具101に各三箇所の孔を開けている。
図5に示す通り、床版3及びコ字金具101の各孔に左ボルトLBおよび右ボルトRBを通し、反対側からナットを締め付けることで、コ字金具101を床版3に固定する。実施例では、上からボルトを通し、下からナットで留めているが、逆でもよい。
次に、ネジ穴を有する桁部11の装着棒102を、床版3およびコ字金具101の残りの孔(中央)に通し、下側から中央ボルトCBを締め付けることで、装着部10と桁部11が接合され、安全柵1がリフターの床版3に取り付けられる。
【0019】
安全柵1を安定させる為に、装着部10は2箇所以上あることが望ましいが、1箇所でもよい。もちろん、3箇所以上でもよい。
また、前述の構造に限らず安全柵1を床版3に取り付けられる構造であれば、いわゆる万力の様に挟み込む機構や、床版3にネジ穴を開けて桁部11を締め付けて固定するなど、従来の種々の技術を用いることができる。
【0020】
図2に示す通り、テールゲートリフターは荷物の積み下ろしの為に、傾斜して(図では紙面奥から手前に)着地するので、装着部10が地面に当たり床版3が着地するのを妨げることも考えられる。そのため、地面との間に隙間が空かない様に、取り付け位置は車両側とすることが望ましい。
【0021】
また、連結部111および回転規制手段13や回転抑制手段14を床版3に直接取り付けて、装着部10および桁部11を備えない構成とすることもできる。
【0022】
<桁部>
図3および図4に示す通り、桁部11と柵部12は、連結部111にて連結される。本実施例では、回転規制手段13および回転抑制手段14の一部を桁部11上に備えている。
【0023】
<柵部>
図5に示す通り、柵部12は、柱121および手摺部123を有する。
柵部12を倒した状態から直立させる回転を正回転と呼び、直立した状態から倒す回転を逆回転と呼ぶ。
柵部12は、人等の転落を防ぐ為に充分な高さ(少なくとも70~80cm)であることが望ましい。
実施例では柱121を3本としているが、1本や2本としてもよいし、4本以上としてもよい。また、実施例では、各柱121の中間部を繋ぐ梁122が1本設けられているが、設けなくてもよいし、2本以上設けてもよい。
【0024】
図6および図8に示す通り、安全柵1をリフターの左右に備える場合は、各柵部12の高さを床版3の幅の半分以下にすることで、折り畳んだときに、柵部12どうしが重ならなくなる。もちろん、図7に示す通り、折り畳んだときに柵部12どうしが重なる構成としてもよい。
【0025】
図5に示す通り、手摺部123にゴムガード124を備えることもできる。ゴムガード124は、柵部12を閉じた際に、柵部12と床版3が接触して互いに傷つくのを防いだり、柵部12と床版3の間に指などが挟まるのを防いだりする効果がある。また、テールゲートリフターを畳んだ際に、柵部12がトラックの後部扉などに当たって傷つくのを防ぐ効果もある。ゴムガード124の材質は、ゴムに限らず、他の樹脂材や発泡剤など衝撃を吸収して傷付きを防止できるものであればよい。
【0026】
柵部12は、人や物の転倒や落下を防ぐという用を成せば、上述した柱と梁を有する構造に限らず、枠の内側に網を張った構成や、パンチングメタルなどの一枚の板などを用いることもできる。
【0027】
<回転規制手段>
安全柵1は、回転規制手段13を有する。
図9に示す通り、回転規制手段13は、係止体130、張出板132および引手133を有する。
回転規制手段13は連結部111に備えられる。実施例では、3つの連結部111のうち真ん中の連結部111に備えているが、これに限らず、どの連結部111に備えてもよい。
引手133を一方に(図面上、右に)引くと、係止体130がスライド(図面上、右に移動)し張出板132の押さえが外れることで、係止状態から解放状態になり、柵部12が回転自由となる。つまり、柵部12を閉じることができる。
図1図3および図5のように、柵部12を直立させた状態で、引手133を他方に(図面上、左に)押すと、係止体130がスライド(図面上、左に移動)し解放状態から係止状態になり、柵部12の回転が規制され、直立した状態で保持される。
【0028】
図10に示す通り、回転規制手段13は、弾性体134をさらに備えることができる。弾性体134は、一端が圧縮金具135に固定され、他端が係止体130に当たる様に、係止体130および引手133と平行方向に伸縮するように配置される。
弾性体134を備えることで、引手133を引かない限り、回転規制手段13は係止状態を維持する。柵部12を開閉する際に、引手133を引いて解放状態にしても、引手133を離すと弾性体134の弾性力によって、引手133および係止体130が左に押され(図10)、回転規制手段13は自動的に係止状態となる。柵部12を直立させた際には、係止状態が維持され不意に解放状態となることがないため、意図せず柵部12が回転自由になる危険がない。
【0029】
実施例では、弾性体134としてコイルバネを用いているが、これに限らず、各種の鋼製バネや、空気バネ、油圧シリンダなど、弾性力を発揮できる器具であれば従来の種々の技術を用いることができる。
【0030】
図10および図11に示す通り、係止体130の張出板132側に、先端(図では左側)から徐々に肉厚が増加していく尖端部131を備えることもできる。
柵部12を閉じた状態(倒した状態)から、柵部12を開く(直立させる)方向に回転(正回転)させていくと、張出板132によって尖端部131がいわば踏まれるように押さえ付けられ、係止体130を右に押す力が働き、弾性体134が圧縮されて縮み、尖端部131が押し出される(図面上、右に移動する)ことで、柵部12を開くことができる。張出板132が尖端部131から外れるまで回転すると、弾性体134によって尖端部131が左に押され、係止状態となる。
【0031】
実施例では、柵部12に対して張出板132が直角に備えられているが、これに限らず、60度や180度に備えることもできる。その場合、係止体等130~135も、柵部12が直立したときに、張出板132と同一平面上になるように備えることとなる。
【0032】
<回転抑制手段>
図14図15および図16に示す通り、回転抑制手段14は、桁部11と柵部12に跨って備えられる。
回転抑制手段14は、側面板141、抑制ネジ142、ガイド鋼143からなる。
側面板141は、柵部12の側面に固定され、柵部12とともに回転する。
抑制ネジ142は、ネジが設けられたネジ部と、その先端に設けられるノブを有しており、このノブを回すことによってネジ部も回転する。
ガイド鋼143には、案内溝が設けられており、抑制ネジ142のネジ部はこの案内溝に挿通される。つまり、抑制ネジの軌跡に応じた形状となっている。
【0033】
抑制ネジ142のネジ部の径は案内溝の幅よりも小さい寸法とされ、そのためネジ部は案内溝内をその形状に沿って移動することができる。側面板141には、内周ねじを有するネジ孔が設けられており、案内溝を通過した部分のネジ部はこのネジ孔と螺合している。したがって、抑制ネジ142を締め付けると、そのノブと側面板141によってガイド鋼143が挟まれ、側面板141がガイド鋼143に押さえつけられることから、側面板141が固定された柵部12はその回転が抑制される。抑制ネジ142を緩めると、側面板141は何らの制約を受けないため、ネジ部が案内溝を自由に移動しながら、側面板141と柵部12も回転することができる。
【0034】
<接続具>
図6図7および図8に示す通り、接続具15をさらに備えることもできる。
安全柵1を床版3の両側に取り付けた際に、一方の柵部12に接続具15を備えることで、柵部12を閉じた際に、該接続具15を他方の安全柵1の柵部12に嵌合させることで、二つの安全柵1が接続され、両柵部12の回転が抑制される。つまり、テールゲートリフターの揺動にともなって柵部12が跳ねたりするのを防ぐことができる。
【0035】
図6に示す通り、柵部12の高さが床版3の幅のほぼ半分である場合には、接続具15を手摺124に備えることが好ましい。
図7に示す通り、柵部12の高さが床版3の幅の半分より長い場合には、接続具15を梁122に備えることが好ましい。
【0036】
接続具15は、手摺124または梁122に嵌合するものだけでなく、図8に示す通り、巻き付ける縄のようなものでもよい。
実施例では、一方の安全柵1の手摺123と、他方の安全柵1の梁122にそれぞれ接続具15を備え、そのほぼ中央部にバックル151等を有することで、接続するつくりとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の折り畳み式安全柵は、テールゲートリフターに取り付け、柵部を開閉できることで、多くのタイプのテールゲートリフターに取り付けたまま畳める為、付け外しが不要である。人や荷物の転倒や落下を防ぎ、怪我や破損を防止でき、産業上利用できるばかりでなく、社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
【符号の説明】
【0038】
1 安全柵
10 装着部
101 コ字金具
102 装着棒
11 桁部(レール)
111 連結部(ヒンジ)
12 柵部
121 柱
122 梁
123 手摺
124 ゴムガード
13 回転規制手段
131 係止体
132 張出板
133 引手
134 弾性体
135 圧縮金具
14 回転抑制手段
141 側面板
142 抑制ネジ
143 ガイド鋼
15 接続具
151 バックル
3 (テールゲートリフターの)床版
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックのテールゲートリフターに取り付ける安全柵であって、
テールゲートリフターの床版に装着される柵部と、
前記柵部と前記床版を連結する連結部と、
前記柵部の回転を規制する、回転規制手段、を備え、
前記連結部は、前記柵部の下端に設けられ、
前記柵部は、下端を中心に回転可能であって、
直立または略直立と水平または略水平までの間を、正回転または逆回転
前記回転規制手段は、前記柵部の下端に固定される張出板と、水平または略水平方向にスライド可能な係止体と、を含んで構成され、
前記係止体が、前記張出板の上にスライドすると、係止状態となって前記柵部の回転が規制され、
前記係止体が、前記張出板の上から外れるようにスライドすると、解放状態となって前記柵部の回転が自由となる、
安全柵。
【請求項2】
前記回転規制手段は、係止体に弾性力を付与する弾性体を、さらに含み、
前記係止体のうち前記張出板側に、先端から肉厚が増加していく尖端部が設けられ、
前記弾性体は、前記係止体が前記係止状態となる方向に弾性力を付与し、
前記柵部を回転して直立させる際に、前記張出板が、前記尖端部に接触し、前記係止体をスライドさせ解放状態とし、
該張出板が該尖端部から外れるまで回転すると、前記弾性体によって該係止体が係止状態となるようにスライドする、
請求項に記載の安全柵。
【請求項3】
前記柵部の回転を抑制する回転抑制手段を、さらに備え、
前記回転抑制手段は、前記柵部の側面に配置されて前記床版に固定される側面板と、該柵部の側部に設けられたネジ孔に螺合可能な抑制ネジと、を含んで構成され、
前記側面板に設けられた挿通孔に前記抑制ネジを挿通したうえで、前記ネジ孔に螺合した該抑制ネジを締め付けると、前記柵部の回転が抑制される、
請求項1に記載の安全柵。
【請求項4】
前記側面板の前記挿通孔が、前記柵部が回転するときの前記抑制ネジの軌跡に応じた形状である、
請求項に記載の安全柵。
【請求項5】
前記柵部が、第1柵部と第2柵部からなり、
前記連結部が、第1連結部と第2連結部からなり、
前記第1柵部の上部に設けられる接続具を、さらに備え、
前記第1柵部および前記第2柵部が、前記床版の相対する位置にそれぞれ装着され、
前記第1連結部が前記第1柵部と前記床版を回転可能に連結するとともに、前記第2連結部が前記第2柵部と前記床版を回転可能に連結し、
前記第1柵部および前記第2柵部を回転して水平または略水平の姿勢としたとき、前記接続具が、前記第2柵部の一部に嵌合することによって、該第1柵部と該第2柵部が接続される、
請求項1に記載の安全柵。
【請求項6】
前記連結部の前記床版側に、装着部を、さらに備え、
前記装着部によって、前記安全柵は前記床版に脱着自在に装着され、
前記連結部が、前記柵部と前記装着部を回転可能に連結することによって、前記床版に対して前記柵部を回転可能にする、
請求項1からのいずれかに記載の安全柵。