(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019971
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240206BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122783
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】守屋 敬太
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕希
(72)【発明者】
【氏名】木下 洋一
(72)【発明者】
【氏名】山中 翔太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有佳
(72)【発明者】
【氏名】古川 徹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】 利便性を高めることにより、利用率の向上が図れるポータルサイトを提供する。
【解決手段】 情報提供装置の生成部52は、情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する。取得部53は、ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する。収集部54は、種別情報を用いて、ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報をマイページに登録する。出力部55は、ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、マイ情報を含むマイページの情報を出力する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する生成部と、
前記ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する取得部と、
前記種別情報を用いて、前記ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報を前記マイページに登録する収集部と、
前記ウェブサイトを介した前記マイページの閲覧要求を受けて、前記マイ情報を含む前記マイページの情報を出力する出力部と
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記ウェブサイトを表示装置に表示させる情報機器の操作についてのユーザの慣れ具合に応じて前記ウェブサイトの表示を異ならせる複数の表示モードが設定されており、
前記複数の表示モードのうちの選択された表示モードでの表示が要求された場合に、表示モードを切り替える切替部と、
前記切替部による切り替え指示に応じて、前記選択された表示モードでもって前記ウェブサイトを前記表示装置に表示させる表示制御情報を前記情報機器に向けて出力する表示変更部と
をさらに備える請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記複数の表示モードは、ユーザの前記慣れ具合に応じて前記ウェブサイトを構成するウェブページに含まれる情報量が互いに異なる表示モードである
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記マイページには、複数の前記マイ情報が登録されており、
前記出力部は、前記マイ情報へのアクセス状況を用いて前記ユーザにとっての必要度合いを推定し、当該必要度合いの高い順から前記マイ情報が並んで表示されるように前記マイ情報の並び順を制御する制御情報を出力する
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記収集部は、予め定められた収集タイミングごとに、前記種別情報を用いた収集処理を実行し、
前記出力部は、新規又は更新された前記マイ情報が前記マイページに登録された場合に、新規又は更新された前記マイ情報が前記マイページに登録されたことを知らせる通知を出力する
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
コンピュータによって、
情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成し、
前記ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得し、
前記種別情報を用いて、前記ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報を前記マイページに登録し、
前記ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、前記マイ情報を含む前記マイページの情報を出力する
情報提供方法。
【請求項7】
情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する処理と、
前記ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する処理と、
前記種別情報を用いて、前記ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報を前記マイページに登録する処理と、
前記ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、前記マイ情報を含む前記マイページの情報を出力する処理と
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地方公共団体(自治体)などが運営している情報源がユーザ(住民)に情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地方公共団体(以下、自治体とも称する)が、住民サービスに関する情報を提供するポータルサイトを運営している場合がある。この場合には、住民はそのポータルサイトから住民サービスに関する情報を取得できる。
【0003】
なお、特許文献1(特開2021-51551号公報)には、自治体がウェブサイトを用いて地域住民等の利用者に、各種サービスに関する情報を提供する技術が示されている。特許文献2(特開2004-178475号公報)には、IC(Integrated Circuit)カードから読み取った個人情報を利用して個人向けのポータル画面を構築する技術が示されている。特許文献3(国際公開第2017/222032号)には、サーバ装置に登録されている個人情報の変更に関する事項が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-51551号公報
【特許文献2】特開2004-178475号公報
【特許文献3】国際公開第2017/222032号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自治体が住民に提供する情報は多種多様であり、その情報量は膨大である。このため、自治体が情報を提供するポータルサイトにおいて、情報を分類する大項目が設定され、さらに、大項目の中で中項目が設定され、さらにまた、中項目の中で小項目が設定されるという如く、階層的に項目が設定されて情報が分類される。このようなポータルサイトにおいて、住民が必要な情報を取得しようとすると、その必要な情報を取得できる目的の場所(ウェブページ)を特定するまでに時間が掛かる。特に、パソコン(パーソナルコンピュータ)やスマートフォンなどの情報機器に不慣れな人は、慣れている人よりも、ポータルサイト内における目的の場所の特定に多くの時間を要してしまう。
【0006】
このように、ポータルサイト内における目的の場所の特定に時間が掛かると、必要な情報を取得する前に当該情報の取得を諦めてしまう人がいると想定される。また、そのような人は、次に、自治体の情報を取得したいと思った場合に、ポータルサイトを利用しないことが考えられる。このような状況は、ポータルサイトの利用率が上がらない要因の一つとして考えられている。
【0007】
一方、自治体は、住民が自治体のポータルサイトを利用してくれると、迅速に情報を提供できるし、また、窓口業務の負荷の軽減を図ることができるから、ポータルサイトの利用率の向上を図りたいという思惑がある。
【0008】
特許文献1,2には、それぞれ、自治体がウェブサイトを用いて住民に各種サービスの情報を提供する技術が示されているが、ユーザがより簡単に欲しい情報をポータルサイトから取得できる技術が望まれている。
【0009】
本発明は上記課題を解決するために考え出された。すなわち、本発明の主な目的は、ポータルサイトの利便性を高めることにより、ポータルサイトの利用率の向上が図れる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、その一態様として、
情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する生成部と、
前記ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する取得部と、
前記種別情報を用いて、前記ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報を前記マイページに登録する収集部と、
前記ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、前記マイ情報を含む前記マイページの情報を出力する出力部と
を備える。
【0011】
また、本発明に係る情報提供方法は、その一態様として、
コンピュータによって、
情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成し、
前記ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得し、
前記種別情報を用いて、前記ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報を前記マイページに登録し、
前記ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、前記マイ情報を含む前記マイページの情報を出力する。
【0012】
さらに、本発明に係るコンピュータプログラムは、その一態様として、
情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する処理と、
前記ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する処理と、
前記種別情報を用いて、前記ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報を前記マイページに登録する処理と、
前記ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、前記マイ情報を含む前記マイページの情報を出力する処理と
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポータルサイトの利便性を高めることにより、ポータルサイトの利用率の向上が図れる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図2】ポータルサイトのトップページの一表示例を表す図である。
【
図3】ポータルサイトから提供可能な情報の分類の一例を説明する図である。
【
図4】ポータルサイトを構成するウェブページ間での遷移の一例を説明する図である。
【
図5】ポータルサイトのトップページの一表示例を表す図である。
【
図6】種別情報を取得する画面の一例を表す図である。
【
図8】情報提供装置におけるマイページに関わる動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図9】本発明に係る第2実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図10】ポータルサイトのトップページの一表示例を表す図である。
【
図11】本発明に係るその他の実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図13】さらに、本発明に係るその他の実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図14】本発明に係る情報提供装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施形態を、図面を用いて説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の情報提供装置を有する情報提供システムの構成を説明する図である。この情報提供システム1は、情報提供装置2が、自治体のウェブサイトであるポータルサイト(以下、略して自治体ポータルとも称する)を用いて、ユーザ(住民)に情報を提供するシステムである。自治体がユーザ(住民)に提供する情報の種類は多く、ここでは、情報提供装置2がユーザに提供する情報の種類は限定されないが、その例を次に挙げる。情報提供装置2が提供する情報の種類としては、健康、医療、福祉、介護、子育て、教育、防災、救急、防犯、戸籍、税金、年金、上下水道、ゴミ収集、リサイクル、地域施設、図書館、まちづくり、交通、就労関連などの種類がある。このようなユーザに提供する種類の情報は、情報源の一つとしてのデータベース4に格納される。
【0017】
自治体がユーザ(住民)に提供可能な情報は膨大であることから、次のような態様でもってデータベース4に格納される。例えば、情報を分類する項目として、複数の大項目が設定され、大項目の下にはさらに複数の中項目が設定され、さらにまた中項目の下には複数の小項目が設定されえるというように、情報を分類する項目が階層化されている。具体例を挙げると、情報の分類の大項目として、「暮らし」、「観光」、「市の情報」、「事業者向けの情報」、「広報」が設定される。そして、
図3に表されるように、大項目「暮らし」の下には、中項目として、「住まい」、「子育て・教育」、「健康・医療」、「福祉・介護」、「戸籍」、「保険」が設定される。さらに、中項目「子育て・教育」の下には、小項目として、「子育て支援・相談」、「保育・幼児教育」、「児童育成」、「青少年育成」、「小中学校」が設定される。このように階層化された分類の項目に分類された状態で、自治体がユーザ(住民)に提供可能な情報がデータベース4に格納される。
【0018】
情報提供装置2は、データベース4に接続されており、データベース4への情報の書き込みと、データベース4からの情報の読み出しを行うことができる。すなわち、情報提供装置2は、データベース4から情報を読み出し、読み出した情報をユーザに提供することができる。
【0019】
また、情報提供装置2は、
図1の点線に表されるような情報源5と接続し、当該情報源5から情報を取得し、取得した情報をユーザ(住民)に提供してもよい。情報源5は、自治体とは異なる情報源であり、例えば、電力会社や、通信会社(電気通信事業者)や、気象情報提供会社などの情報を発信する情報源が挙げられる。
【0020】
さらに、情報提供装置2は、情報通信網8を介して、住民が操作する端末装置7と通信可能である。端末装置7は、情報機器であり、通信機能を持ち、かつ、表示装置を制御して情報を表示させる表示制御機能を備えている。端末装置7は、通信機能と表示制御機能を備えている情報機器であればその種類は限定されるものではないが、具体例を挙げると、スマートフォン、タブレット、パソコン(パーソナルコンピュータ)などがある。なお、端末装置7がスマートフォンやタブレットである場合には、表示装置は端末装置7と一体的であるが、端末装置7がパソコンである場合には、表示装置は外付けである場合がある。また、端末装置7の表示制御機能によって文字や画像を表示することにより情報をユーザに提供する表示装置を、以下、端末の表示装置とも称する。
【0021】
情報提供装置2は、コンピュータ装置であり、演算装置20と記憶装置40を備えている。記憶装置40は、データや、コンピュータプログラム(以下、プログラムとも称する)41を記憶する記憶媒体を備えている。記憶装置には、磁気ディスク装置や、半導体メモリ素子などの複数の種類があり、さらに、半導体メモリ素子には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの複数の種類があるというように、多数の種類がある。情報提供装置2が備える記憶装置40の種類は1つに限定されるものではない。コンピュータ装置には複数種の記憶装置が備えられることが多い。ここでは、情報提供装置2に備えられる記憶装置40の種類や数は限定されず、その説明は省略される。また、情報提供装置2に複数種の記憶装置が備えられる場合には、それらをまとめて記憶装置40と称することとする。
【0022】
演算装置20は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサにより構成される。演算装置20は、記憶装置40に記憶されているプログラム41を読み出して実行することにより、当該プログラム41に基づいた様々な機能を持つことができる。ここでは、演算装置20は、情報提供に関わる機能部として、管理部21と、取得部22と、収集部23と、生成部24と、出力部25とを備えている。
【0023】
管理部21は、自治体ポータルの全体を管理する。例えば、情報提供装置2が、端末装置7から、自治体ポータルのトップページの情報を要求された場合には、管理部21は、その要求に応じて、自治体ポータルのトップページの情報を端末装置7に返信(出力)する。自治体ポータルのトップページとは、自治体ポータルを構成する複数のウェブページの一つであり、総合案内窓口として機能するウェブページである。このトップページの情報が端末装置7にて受信されると、端末装置7は、受信した情報に基づいたトップページを表示制御機能によって端末の表示装置に表示させる。
【0024】
図2には、自治体ポータルのトップページTの一表示例が表されている。
図2の例では、トップページTには、ユーザに提供可能な情報を分類する大項目としての「暮らし」、「観光」、「市の情報」、「事業者向けの情報」、「広報」が表示されている。ここで、ユーザによる端末装置7の操作によって、トップページTにおける大項目「暮らし」が指定されたことを表す情報が「暮らし」における中項目の情報要求として端末装置7から情報提供装置2に向けて出力されたとする。この情報要求を情報提供装置2が受信することにより、管理部21は、その要求に応じて、
図4に表されているようなウェブページMの情報を端末装置7に返信(出力)する。ウェブページMは、大項目「暮らし」の下の中項目を表す情報を含むウェブページである。このウェブページMの情報を受信した端末装置7は、表示制御機能によって、端末の表示装置における表示をトップページTからウェブページMに遷移させる。この端末の表示装置の表示により、ユーザに、大項目「暮らし」の下の中項目を表す情報が提示される。そして、ユーザによる端末装置7の操作によって、ウェブページMにおける中項目「子育て・教育」が指定されたことを表す情報が、「子育て・教育」における小項目の情報要求として端末装置7から情報提供装置2に向けて出力されたとする。この情報要求を情報提供装置2が受信することにより、管理部21は、その要求に応じて、
図4に表されているようなウェブページSの情報を端末装置7に返信(出力)する。ウェブページSは、中項目「子育て・教育」の下の小項目を表す情報を含むウェブページである。このウェブページSの情報を受信した端末装置7は、表示制御機能によって、端末の表示装置における表示をウェブページMからウェブページSに遷移させる。この端末の表示装置の表示により、ユーザに、中項目「子育て・教育」の下の小項目を表す情報が提示される。そして、さらに、ユーザによる端末装置7の操作によって、ウェブページSにおける小項目「小中学校」が指定されたことを表す情報が、「小中学校」に分類された情報の情報要求として端末装置7から情報提供装置2に向けて出力されたとする。この情報要求を情報提供装置2が受信することにより、管理部21は、その要求に応じて、
図4に表されているようなウェブページFの情報を端末装置7に返信(出力)する。ウェブページFは、小項目「小中学校」に分類されている情報を表す例えばファイル名などの情報を含むウェブページである。このウェブページFの情報を受信した端末装置7は、表示制御機能によって、端末の表示装置における表示をウェブページSからウェブページFに遷移させる。この端末の表示装置の表示により、ユーザに、小項目「小中学校」に分類されている情報の例えばファイル名が提示される。
【0025】
上述したような管理部21の機能によって、ユーザによる端末装置7の操作に応じた遷移先のウェブページの情報が端末装置7に送信され、当該端末装置7によって、遷移先のウェブページが端末の表示装置に表示される。ユーザは、そのようなウェブページを遷移させる操作を端末装置7に行うことにより、取得したい情報(以下、取得対象情報とも称する)を得ることができる。
【0026】
ところで、自治体ポータルにおいて、ユーザが情報を取得しようとする度に、上述したようなウェブページを遷移させる操作を端末装置7に繰り返し行うことは、手間と時間が掛かってしまうことが考えられる。そこで、第1実施形態では、取得対象情報をユーザが効率良くかつ手間を掛けずに取得できるようにするために、情報提供装置2は次のような機能を備えている。
【0027】
すなわち、情報提供装置2は、ユーザそれぞれに対応するウェブページであるマイページを自治体ポータルに生成し、ユーザによって登録された種別情報に応じた種別の情報をユーザごとに収集し、当該ユーザごとに収集した情報をそれぞれマイページに含ませる。このような情報提供装置2の機能によって、ユーザは、自身に対応しているマイページを見ることにより、取得対象情報を簡単かつ迅速に得られることができるようになる。このことは、自治体ポータルの利便性を高め、当該自治体ポータルの利用率の向上につながると考えられる。以下に、そのようなマイページに関係する情報提供装置2の機能について詳細に説明する。
【0028】
情報提供装置2の
図1に表される生成部24は、自治体ポータルにマイページを生成する。マイページとは、ユーザそれぞれに個別に対応するウェブページである。生成部24は、ユーザからの要望に応じて当該ユーザのマイページを生成する。なお、ここでは、マイページに対応するユーザとは、個人(単身世帯)である場合もあるし、複数人から成る世帯である場合もあるし、何らかの目的で集まったグループである場合もあるとする。
【0029】
例えば、自治体ポータルのトップページTには、
図5に表されるようなアイコンGが表示されているとする。アイコンGはマイページを生成(新設)する要求を情報提供装置2に発信するためのアイコンである。ユーザによる端末装置7の操作により、アイコンGが指定され、これにより、マイページを生成する要求(生成要求)が端末装置7から情報提供装置2に送信されたとする。情報提供装置2がその生成要求を受信すると、生成部24が、マイページの生成を要求しているユーザに対応するマイページを、予め定められた手順に従って生成する。このマイページの生成に際し、生成部24は、端末装置7および端末の表示装置を用いて、マイページの生成を要求しているユーザの予め定められた基本情報をユーザから取得する。ここでの基本情報とは、例えば、ユーザの名前、居住している地域などを含む。なお、マイページとしてのウェブページを生成する手順は、ここでは限定されず、何れの手順によりマイページを生成してもよく、その説明は省略される。
【0030】
生成部24は、生成したマイページの情報をデータベース4に格納する。データベース4に格納されているマイページの情報は、上述したようなユーザの基本情報と、当該マイページを識別するためのマイページ識別情報とを含む。さらに、データベース4におけるマイページの情報は、当該マイページの機密性を保つための情報を含む。つまり、マイページは、私的なウェブページであることから、ここでは、マイページの閲覧権限は制限されるとする。例えば、ユーザにより予め登録されたパスワードと、閲覧するために入力されたパスワードとが一致した場合にのみ、マイページが閲覧可能(ログインが可能)になるという如く、認証処理を行うことによりマイページの機密性が確保されるとする。このようなマイページの機密性を保つための情報(以下、ログイン情報とも称する)が、マイページの情報として、データベース4に格納される。ログイン情報は、認証手法に応じた情報であり、上述したようなパスワードや、生体情報などが挙げられ、当該ログイン情報はユーザにより登録される。
【0031】
第1実施形態では、さらに、データベース4におけるマイページの情報は、ユーザから取得された種別情報を含む。種別情報とは、ユーザが取得対象とした情報(取得対象情報)の種別を表す情報である。例えば、
図3を用いて、その一例を挙げると、「暮らし」という大項目の中の「子育て・教育」という中項目の中の「小中学校」という小項目を含んで表される種別情報が挙げられる。また、種別情報としては、より詳細な、例えば、○○学校の給食献立表や学校行事のお知らせというような種別を表す情報であってもよい。さらに、電気や水道や通信などのインフラの使用状況や支払いというような種別を表す情報も種別情報の一例として挙げられる。さらに、図書館やスポーツ施設などの各種施設のお知らせや予約という種別や、自治体のオンライン手続(納税や保険の支払いや、転出入の届出)というような種別を表す情報も種別情報の一例として挙げられる。さらにまた、種別情報の一例として、取得対象情報をデータベース4や情報源5から検索する際に用いる検索キーワードを表す情報も挙げられる。
【0032】
このような種別情報は、取得部22によって、ユーザから取得される。すなわち、取得部22は、端末装置7および端末の表示装置を用いて、ユーザから種別情報を取得する。例えば、取得部22は、
図6に表されるような登録用画面を端末の表示装置に表示させるべく当該登録用画面の情報を端末装置7に出力する。これにより端末の表示装置に表示された登録用画面を参照したユーザによる端末装置7の操作により、ユーザが指定した種別情報が端末装置7から情報提供装置2に出力される。取得部22は、その端末装置7から出力された種別情報を受け取り、当該種別情報を、ユーザに対応するマイページの情報として、データベース4に格納(登録)する。
【0033】
図1に表される収集部23は、マイページのそれぞれに関し、予め定められた収集タイミングごとに、マイページの情報として登録されている種別情報を参照して、種別情報に応じた情報をマイ情報として収集する収集処理を実行する。つまり、収集部23は、データベース4に格納されて自治体ポータルによって提供可能な情報の中や、情報源5によって提供可能な情報の中から、種別情報に応じた種別の情報を検索することにより、取得対象情報をマイ情報として収集する。換言すれば、収集部23は、取得対象情報をユーザに代わってデータベース4や情報源5からマイ情報として収集する。収集する情報は、情報そのものである場合でもあるし、その情報に接続するためのリンク情報(URL(Uniform Resource Locator))である場合もある。なお、収集部23による検索(収集)処理を実行する際に、検索範囲(期間など)を限定することにより、処理の負荷を軽減することができる。検索範囲は、検索する種別ごとに異なっていてもよい。また、検索範囲の情報は、例えば既定範囲として情報提供装置2に与えられ、ユーザにより変更可能としてもよい。
【0034】
収集部23は、収集したマイ情報を、対応するマイページの情報として、データベース4に格納する。換言すれば、収集部23は、収集したマイ情報を、マイページに登録する。この際、例えば、収集部23は、予め定められた削除ルールに従って、古いマイ情報をデータベース4から削除してもよい。
【0035】
出力部25は、端末装置7から、例えば、
図5に表されているようなアイコンRを用いて発信された閲覧要求(マイページを閲覧したいという要求)を受信した場合に、閲覧したいと要求されたマイページの出力に関する処理を実行する。例えば、まず、出力部25は、閲覧が要求されたマイページの閲覧可否を判断する認証処理を実行する。閲覧要求には、ユーザが閲覧したいマイページを識別するマイページ識別情報が関連付けられている。認証処理においては、そのマイページ識別情報と、閲覧を要求しているユーザが入力したパスワードなどのログイン情報と、そのマイページ識別情報に対応するマイページの情報としてデータベース4に格納されているログイン情報とが用いられる。
【0036】
そして、出力部25は、認証処理により閲覧を許可すると判断した場合に、当該閲覧が許可されたマイページを表示させるための情報を、データベース4から読み出して端末装置7に返信する。当該情報を受信した端末装置7によって、端末の表示装置に、マイページが表示される。
図7には、端末の表示装置に表示されるマイページの一表示例が表されている。このように表示されたマイページから、ユーザは、例えば、取得対象情報(マイ情報)のファイルにアクセスして当該ファイルを開くことにより当該情報を取得(換言すれば閲覧することが)できる。
【0037】
端末の表示装置により表示されるマイページには、収集部23により収集されたマイ情報が表示される。マイ情報の表示に関しては、例えば、マイページの利便性を高めるために、マイ情報のそれぞれについて、ユーザにとっての必要度合いが出力部25により推定され、当該必要度合いを用いてマイ情報の表示位置などが設定される。つまり、ユーザが必要としている情報は、ユーザの目に付きやすい位置に表示されることが好ましい。このことを考慮し、例えば、出力部25は、マイ情報をリストの態様で表示することとし、必要度合いの高い順からマイ情報が並ぶようにリストのマイ情報の並び順を制御する制御情報を出力する。
【0038】
必要度合いの算出手法の一例としては、次のような手法が考えられる。例えば、出力部25は、マイ情報のそれぞれについて、マイページからアクセスされた日時やトータルのアクセス回数の情報をアクセス状況として検知し、検知した情報をマイ情報のそれぞれに関連付けて保持する。そして、出力部25は、マイ情報ごとに、直近の予め定められた期間(例えば3カ月)におけるアクセス回数を必要度合いとして算出する。また、必要度合いの算出に関し、ユーザが種別情報を登録する際に、それぞれの情報の種別に関して優先順位の情報をも登録できるようにしておき、優先順位が高い種別のマイ情報には必要度合いが高く方向に重み付けされてもよい。さらに、自治体から発行された日時が新しくて未読のマイ情報には規定値としての高い必要度合いが設定される。
【0039】
図7の例では、マイ情報が、通知関連と、リンク情報とに分類され、分類ごとに、リストの態様でもってマイページに表示されている。また、
図7の例では、情報源5から取得された今日の天気予報の情報が表示されている。さらに、
図7の例では、種別情報を変更するためのアイコンHが表示されている。このアイコンHがユーザにより用いられて、端末装置7から取得対象情報の種別の変更が要求された場合には、取得部22によって、変更後の種別情報が、端末装置7と端末の表示装置を用いて、ユーザから取得される。
【0040】
情報提供装置2を含む情報提供システム1は上述したように構成されている。次に、情報提供装置2における情報提供に係る動作の一例を、
図8を参照しながら説明する。
図8は、情報提供装置2の演算装置20における情報提供に係る動作の一例を表すフローチャートである。
【0041】
例えば、自治体ポータルが生成されている状態において、情報提供装置2が、ユーザによる端末装置7の操作によって、マイページの生成が要求されたことを検知した(換言すれば、マイページの生成要求を受信した)とする(
図8におけるステップ101)。この要求に応じて、生成部24が、その要求を発したユーザに対応するマイページを自治体ポータルに生成する(ステップ102)。また、生成部24は、そのマイページの生成要求を発したユーザから、当該ユーザの基本情報を、端末装置7および端末の表示装置を用いて取得する。さらに、生成部24は、生成したマイページの情報として、ユーザの基本情報とマイページ識別情報を含むマイページの情報をデータベース4に格納する。
【0042】
取得部22は、ユーザから種別情報を、端末装置7および端末の表示装置を用いて取得する(ステップ103)。このように取得された種別情報は、ユーザに対応するマイページの情報の一種として、データベース4に格納される。
【0043】
然る後に、収集部23が、マイページのそれぞれに関し、予め定められた収集タイミングごとに、マイページの情報として登録されている種別情報を参照して、種別情報に応じた情報をマイ情報として収集する(ステップ104)。そして、収集部23は、収集したマイ情報を、それぞれ対応するマイページの情報としてデータベース4に格納する。なお、収集部23により収集されるマイ情報は、情報そのものであってもよいし、情報の読み出し先を表すリンク情報であってもよい。
【0044】
その後、出力部25は、端末装置7から、マイページの閲覧が要求されたか否か(換言すれば、閲覧要求を受信したか否か)を判断する(ステップ105)。閲覧要求を受信していない場合には、収集部23が、情報を収集するタイミングであるか否かを判断する(ステップ106)。収集タイミングである場合には、演算装置20は、ステップ104以降の動作を繰り返し、収集タイミングである場合には、演算装置20は、ステップ105以降の動作を繰り返す。
【0045】
そして、閲覧要求を受信すると、出力部25は、受信した閲覧要求に関連付けられているマイページ識別情報を用いて、当該マイページ識別情報に対応するマイページの出力に関する処理を実行して、マイページの情報を出力する(ステップ107)。この出力されるマイページの情報には、マイ情報の必要度合いというようなマイページの表示に用いられる情報が含まれる。このようなマイページの情報を受信した端末装置7の表示制御機能によって、端末の表示装置にはマイページが表示される。その後、端末装置7からの情報を用いて、マイページの閲覧終了を検知すると(ステップ108)、演算装置20は、生成済みのマイページに関しては、ステップ105以降の動作を繰り返す。
【0046】
第1実施形態の情報提供装置2は、上記のように構成されているから、自治体ポータルの利便性を高めることができて、利用率の向上を図ることができる。すなわち、情報提供装置2は、自治体ポータルに、ユーザそれぞれに対応するマイページを生成する。また、情報提供装置2は、ユーザそれぞれが取得したい種別の情報をデータベース4や情報源5から、ユーザに代わって収集する。そして、情報提供装置2は、収集した情報を、自治体ポータルのマイページから閲覧可能としている。このような情報提供装置2の機能によって、ユーザは、取得したい情報を複数のウェブページの中から自ら探すというような手間を掛けなくとも簡単に取得できる。
【0047】
<第2実施形態>
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態の説明で用いた名称と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0048】
図9は、第2実施形態における情報提供装置2の構成を説明する図である。第2実施形態においては、情報提供装置2の演算装置20は、第1実施形態で説明した機能部に加えて、切替部26と表示変更部27が設けられている。
【0049】
第2実施形態では、端末の表示装置における自治体ポータルの表示について、情報機器についてのユーザの慣れ具合を考慮して、大概して、通常表示モードと簡単表示モードが設定されている。通常表示モードでは、例えば、
図5に表されるように、ウェブページに多くの情報が表示されている。これに対し、簡単表示モードは、パソコンやスマートフォンなどの情報機器に不慣れな人がウェブページを見ることを想定した表示モードであり、1つのウェブページで表示される情報量が通常表示モードよりも制限される。つまり、情報機器に不慣れな人は、1つのウェブページに多くの情報が表示されていると、どこを見て、どのように操作するのか分からず、戸惑うと想定される。このことから、簡単表示モードでは、端末の表示装置において、ウェブページに表示する情報量が制限され、かつ、取得したい(閲覧したい)情報までスムーズにユーザを導くことができるようにウェブページの表示内容が制御される。例えば、ウェブページに表示する情報量を制限する具体例としては、端末の表示装置の画面の大きさを考慮し、ウェブページの大きさを、画面をスクロール(上下や左右に画面を移動させる操作)することなく、ウェブページの全体を表示装置の画面に表示させることができる大きさとすべく、1つのウェブページに表示する情報量が制限される。なお、ここでの「ユーザが取得したい(閲覧したい)情報」とは、第1実施形態で説明したマイページに表示したい情報以外の情報も含まれるとすることから、マイページに表示される取得対象情報と区別して、閲覧対象情報とも称することとする。この閲覧対象情報には、取得対象情報も含まれる。
【0050】
自治体ポータルのトップページTから閲覧対象情報までユーザをスムーズに導くことを考えると、例えば、簡単表示モードでは、まず、対話形式による情報の検索画面が表示される。つまり、情報の検索画面とは、ユーザが情報提供装置2の演算装置20に、閲覧対象情報をデータベース4や情報源5から検索させるための画面である。ここでは、検索対象の情報を絞り込むための検索条件を演算装置20がユーザから取得する手法として、対話形式を採用する。しかも、その対話形式による検索画面においては、1画面においてユーザに回答して欲しい質問は1つだけ表示される。そして、ユーザが1つの質問に回答すると、その質問を受けて次の質問がある場合には、当該次の質問が表示されている別の画面に切り替え表示する。具体的には、例えば、検索画面の最初の画面として、自治体ポータルが提供する情報を分類する大項目の中から、閲覧対象情報に対応する大項目の情報をユーザに入力させる画面が端末の表示装置に表示される。この場合、閲覧対象情報に対応する大項目を表す文字などの情報をユーザに手入力させるのではなく、選択方式とすることにより、自治体ポータルの利便性を高めることができる。つまり、大項目の情報を一覧表示するリストが表示され、当該リストの中から、閲覧対象情報に対応する大項目をユーザに選択させる。
【0051】
そして、ユーザによって、閲覧対象情報に対応する大項目の情報が選択されて入力された場合には、次の検索画面が端末の表示装置に表示される。次の検索画面としては、選択された大項目の下の中項目の中から、さらに、閲覧対象情報の種別に対応する中項目の情報を入力させる画面が端末の表示装置に表示される。この画面においても、閲覧対象情報に対応する中項目をユーザに選択させることにより、自治体ポータルの利便性を高めることができる。
【0052】
このような対話形式により、情報提供装置2の演算装置20がユーザから閲覧対象情報を検索するための検索条件の情報を取得することにより、ユーザは、会話をするように、質問に応えるだけで、端末の表示装置に閲覧対象情報を提示させることができる。また、ユーザに対する質問を1画面に1つとすることにより、ユーザは、1つの質問に回答すると、その回答に対して反応した次の画面が表示されるので、自分が入力した回答が自分の意向に沿ったものであるか否かをすぐに確認できる。つまり、ユーザは、端末装置7に情報を入力する際に持った疑問にすぐに答えが返ってくることとなるから、自治体ポータルから閲覧対象情報を取得する端末装置7の操作時におけるユーザの戸惑いを情報提供装置2は軽減させることができる。
【0053】
第2実施形態の情報提供装置2は、自治体ポータルを上述したような簡単表示モードで端末の表示装置に表示させる機能に関わる機能部として、切替部26と表示変更部27を備えている。すなわち、切替部26は、自治体ポータルのウェブページを端末装置7の表示装置に表示させる表示モードを、通常表示モードと簡単表示モードのうちの一方側から他方側に切り替える。例えば、自治体ポータルを構成するウェブページには、
図10に表されるような表示モード切替用のアイコンAが表示される。
図10に表されているアイコンAは、ウェブページの表示モードを通常表示モードから簡単表示モードに切り替えることを指示するアイコンである。
【0054】
切替部26は、アイコンAの指定によって選択された簡単表示モードでの表示を要求する指令を、端末装置7から情報提供装置2が受信した場合に、自治体ポータルの表示制御を通常表示モードから簡単表示モードに切り替える。つまり、第2実施形態では、通常表示モードで自治体ポータルのウェブページを端末の表示装置に表示させる表示制御情報は出力部25から端末装置7に出力される。これに対し、簡単表示モードで自治体ポータルのウェブページを端末の表示装置に表示させる表示制御情報は表示変更部27から端末装置7に出力される。このことから、切替部26は、簡単表示モードでの表示が要求された場合には、出力部25による表示制御情報の出力を中断させ、表示変更部27による表示制御情報の出力を開始させる。
【0055】
表示変更部27は、切替部26による表示モードの切り替え指示に応じて、自治体ポータルのウェブページを簡単表示モードで端末の表示装置に表示させる表示制御情報を、予め定められた制御手順(プログラム)に従って、簡単表示モードを要求した端末装置7に出力する。
【0056】
また、図示されていないが、簡単表示モードで表示されている自治体ポータルのウェブページには、表示モードを簡単表示モードから通常表示モードに切り替えることを指示するアイコンが表示される。ユーザが、そのアイコンを利用して、表示モードを通常表示モードでの表示に切り替える要求を端末装置7から発し、当該要求を情報提供装置2が受信した場合に、切替部26は、自治体ポータルの表示制御を簡単表示モードから通常表示モードに切り替える。つまり、切替部26は、表示変更部27による表示制御情報の出力を終了させ、出力部25による表示制御情報の出力を再開させる。
【0057】
第2実施形態における情報提供装置2の上記以外の構成は、第1実施形態における情報提供装置2の構成と同様である。
【0058】
第2実施形態の情報提供装置2およびそれを備えた情報提供システム1は、第1実施形態と同様の構成を備えていることから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。その上、第2実施形態では、情報提供装置2は、端末の表示装置における自治体ポータルの表示を通常表示モードから簡単表示モードに切り替えて表示させることができる。この簡単表示モードでの表示は、情報機器の操作に不慣れな人の戸惑いの軽減を図ることができると考えられる。このことは、自治体ポータルの利用率の更なる向上につながると期待される。
【0059】
<第3実施形態>
以下に、本発明に係る第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1や第2の実施形態の説明で用いた名称と同じ名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0060】
第3実施形態の情報提供装置2は、第1や第2の実施形態の機能に加えて、マイページを登録しているユーザに向けて、予め定められた通知を予め定められたタイミングで発信する機能を備えている。具体例を挙げると、マイページを登録しているユーザが取得対象情報の種別として登録している種別の情報として新規又は更新の情報が自治体から発行されたとする。この場合に、情報提供装置2は、その新規又は更新の情報が発行されたことを、その新規又は更新の情報の種別を取得対象情報の種別として登録しているユーザに向けて通知する。通知手法は、電子メールなどの予め定められた通知手法である。このような通知機能に係る演算装置20の処理は、出力部25により実行される。出力部25は、このような通知機能を実行する場合には、マイページのそれぞれにおいて、収集部23によって新規又は更新された情報がマイページの情報としてデータベース4に登録されたか否かを監視する。そして、出力部25は、新規又は更新の情報が登録されたと判断されたマイページに対応するユーザに向けて、新規又は更新の情報が発行されたことを通知する。このような通知を発行するために、マイページの情報として登録されるユーザの基本情報には、通知手法に応じた通知先の情報(例えば、電子メールのアドレス情報)が含まれる。
【0061】
なお、マイページの情報として登録されるユーザの基本情報には、そのような通知を希望するか否かを表す情報が含まれていてもよい。この場合には、出力部25は、通知を希望するユーザにのみ、上述したような通知を発行する。
【0062】
また、通知手法は、電子メールに限定されず、例えば、SNS(Social Networking Service)を利用して通知されてもよい。さらに、端末装置7を情報提供装置2と連携して動作させるためのアプリケーション(アプリ)が端末装置7にインストールされている場合には、そのアプリを利用して、情報提供装置2から端末装置7への通知(プッシュ配信とも称される場合がある)が実行されてもよい。
【0063】
さらに、出力部25の通知機能は、情報がマイページに登録されたことを通知するだけでなく、例えば、自治体が住民に知らせたい情報(イベントのお知らせや、固定資産税などの納税期限についてのお知らせなど)を通知してもよい。このような情報の通知タイミングは、例えば、自治体の係員により手入力される。
【0064】
さらにまた、マイページに収集された情報のなかに、申し込みが必要というようなユーザが何らかの行動を起こす必要がある情報が含まれている場合に、例えばユーザが登録した通知要を表す情報に基づいて、出力部25が注意喚起の通知を出力してもよい。この場合には、例えば、通知タイミングはユーザにより手入力される。
【0065】
第3実施形態の情報提供装置2における上述した構成以外の構成は、第1又は第2の実施形態と同様である。
【0066】
第3実施形態における情報提供装置2およびそれを備える情報提供システム1は、第1又は第2の実施形態の構成を備えるので、第1や第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。その上、第3実施形態では、情報提供装置2は、自治体から新規又は更新の情報が発行されて収集部23により当該情報がマイページに登録された場合に、そのマイページに対応するユーザに向けて、情報がマイページに登録された旨を通知する。このため、ユーザは、例えば、定期的に、新規又は更新の情報がマイページに登録されているか否かをチェックするというような面倒を掛けることなく、適宜なタイミングで新規又は更新の情報をチェックすることができる。すなわち、第3実施形態の情報提供装置2およびそれを備えた情報提供システム1は、自治体ポータルの利便性をより高めることができて、利用率の向上を図ることができる。
【0067】
<その他の実施形態>
本発明は、第1~第3の実施形態に限定されず、様々な実施の態様を採り得る。例えば、情報提供装置2の演算装置20は、第1~第3の実施形態に加えて、マイページにカレンダー機能を持たせる構成を備えていてもよい。例えば、演算装置20は、
図11に表されるようなカレンダー部28を備える。カレンダー部28は、マイページのそれぞれにおいて、マイカレンダーとして、カレンダーを生成する。また、カレンダー部28は、マイ情報から、申込締め切り日や開催日というような予め定められたイベントの発生の日付の情報を抽出し、抽出した情報をマイカレンダーに登録する。さらに、カレンダー部28は、ユーザによる端末装置7の操作により入力されたカレンダーに書き込む情報が端末装置7から情報提供装置2に送信されてきた場合に、その送信されてきたカレンダーに書き込む情報を、そのユーザに対応するマイカレンダーに登録する。さらにまた、端末の表示装置に表示されるマイページの画面において、カレンダーのアイコンCが表示される。このカレンダーのアイコンCは、マイカレンダーの表示を要求するためのアイコンである。カレンダー部28は、アイコンCが用いられて、マイカレンダーの表示が端末装置7から要求された場合に、マイカレンダーに登録されている情報を端末装置7に返信する。これにより、端末の表示装置にマイカレンダーが表示される。
【0068】
また、情報提供装置2は、他の自治体のポータルサイトを管理しているコンピュータ装置と接続し、例えば、互いに力を入れている行政サービスの情報を交換し、自治体ポータルに公開する機能を持たせてもよい。このような情報は、例えば、ユーザ(住民)によって、暮らしやすさに基づく引っ越し先の選定や、補助金の支給制度に基づく事業展開先の選定のために活用される。つまり、ユーザが引っ越ししようとしている場合や事業を展開しようとしている場合に、自治体ポータルは、そのようなユーザに有用な情報を提供できる。これにより、情報提供システム1および情報提供装置2は、自治体ポータルの利用率向上を図ることができる。
【0069】
さらに、自治体ポータルに広告を表示する場合がある。このような場合に、情報提供装置2は、マイページにも広告を表示してもよい。この場合にマイページに表示する広告は、ユーザの関心事に応じた広告とする。例えば、情報提供装置2は、マイページごとに、予め定められたタイミングでマイ情報の閲覧履歴を参照し、直近の予め定められた期間(例えば2カ月)における閲覧回数が多い情報の種別を関心事の種別として推定する。そして、情報提供装置2は、推定された関心事の種別に応じた広告をマイページに表示する。
【0070】
さらに、第2実施形態では、端末の表示装置における自治体ポータルの表示について、情報機器の慣れ具合に応じた2つの表示モードが設定されている例が示されている。これに代えて、例えば、端末の表示装置における自治体ポータルの表示に関し、端末の表示装置を見ている人における情報機器の慣れ具合に応じた3つ以上の表示モードが設定されていてもよい。例えば、1つのウェブページに含まれる情報量が、情報機器に不慣れ人向けほど、通常表示モードにおけるウェブページの情報量から段階的に少なくなるように、情報量が制限される複数の表示モードが設定されていてもよい。この場合、切替部26は、設定されている複数の表示モードの中からユーザにより選択された表示モードを表す情報を受信することにより、端末の表示装置における表示モードを切り替える。表示変更部27は、切替部26によって、通常表示モードにおけるウェブページの情報量よりも少ない情報量のウェブページを端末の表示装置に表示させる表示モードに切り替えられた場合に、当該表示モードに関する表示制御情報を端末装置7に出力する。
【0071】
さらに、第1~第3の実施形態に加えて、情報提供装置2は、自治体ポータルの利用率を向上させるために、自治体ポータルに、例えば、ミニゲームコーナーを設けてもよい。さらに、情報提供装置2は、自治体ポータルに、抽選により当たった賞に応じて地域の商店で利用可能なポイントが付与される
図10の点線に表されるような抽選コーナーを設けたりしてもよい。
【0072】
さらに、第1~第3の実施形態では、情報提供装置2の生成部24は、マイページの生成の際に、ユーザからの入力によりユーザの基本情報を取得している。これに加えて、取得部22は、行政手続きなどのために付与された個人識別番号であるマイナンバーをユーザから取得する機能を備えていてもよい。この場合、取得部22は、マイナンバーに関連付けられているユーザの基本情報が格納されている情報源に接続し、当該情報源から、マイナンバーを用いて、ユーザの基本情報を取得してもよい。このような場合には、ユーザは、端末装置7を用いて、マイナンバーを情報提供装置2に送信することにより、基本情報を手入力しなくて済むこととなり、利便性を高めることができる。
【0073】
さらにまた、第1~第3の実施形態では、ウェブサイトとして、自治体ポータルを例にして、情報提供装置の構成を説明しているが、第1~第3の実施形態の情報提供装置は、自治体ポータル以外のウェブサイトから情報を提供する装置に適用可能である。
【0074】
図13は、本発明に係るその他の実施形態の情報提供装置の一構成例を説明するブロック図である。この情報提供装置50は、例えばコンピュータ装置であり、コンピュータプログラムに従った処理を実行することにより、次のような機能を持つことができる。つまり、情報提供装置50は、機能部として、生成部52と、取得部53と、収集部54と、出力部55とを備える。生成部52は、情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する。取得部53は、ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する。収集部54は、種別情報を用いて、ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報をマイページに登録する。出力部55は、ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、マイ情報を含むマイページの情報を出力する。
【0075】
次に、情報提供装置50におけるマイページに関する動作の一例を、
図14を参照しながら説明する。情報提供装置50の生成部52は、例えばマイページの生成要求を受けて、情報を提供するウェブサイトに、ユーザに対応させたウェブページであるマイページを生成する(
図14におけるステップ201)。その後、取得部53が、ユーザが取得対象とした情報の種別を表す種別情報を取得する(ステップ202)。そして、収集部54が、種別情報を用いて、ユーザが取得対象とした種別の情報を情報源からマイ情報として収集し、当該マイ情報をマイページに登録する(ステップ203)。然る後に、出力部55が、ウェブサイトを介したマイページの閲覧要求を受けて、マイ情報を含むマイページの情報を出力する(ステップ204)。
【0076】
情報提供装置50は、上述したように、ユーザに対応させたマイページをウェブサイトに生成し、ユーザが取得対象とした種別の情報をマイ情報として収集し、マイ情報を含むマイページの情報を出力する構成を備えている。このため、ユーザは、例えばウェブサイトを構成する複数のウェブページの中から取得対象の情報を探すという手間を掛けることなく、マイページにおけるマイ情報として、取得対象の情報を簡単に取得できる。つまり、情報提供装置50は、ポータルサイトの利便性を高めることができ、利用率の向上が図れるポータルサイトを提供することができる。
【符号の説明】
【0077】
2,50 情報提供装置
22,53 取得部
23,54 収集部
24,52 生成部