(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024019975
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240206BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122788
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村里 優太
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB07
3D235BB08
3D235CC15
3D235DD27
3D235EE64
3D235FF07
3D235FF37
3D235HH25
(57)【要約】
【課題】後部座席の後方に搭載されるバッテリユニットのレイアウトの制約を低減でき、かつ、後方からの衝突時におけるバッテリユニットの損傷を抑制可能な車両を提供する。
【解決手段】後部座席後方にバッテリユニットが搭載された車両は、バッテリユニットが、それぞれ複数のバッテリセルを含む複数の単位ユニットに分けて搭載され、複数の単位ユニットの一部又は全部が、車両のリヤ側に車幅方向に沿って延在するクロスメンバよりもさらに後方に配置され、車両の後方からの衝突荷重を受けたときに複数の単位ユニットの一部又は全部を車高方向又は車幅方向に沿った軸周りに回転させるとともに車両の前方側へ移動させて、バッテリユニットを、車両を上方から見た場合での後部座席とクロスメンバとの間の領域に収めるガイド機構、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後部座席後方にバッテリユニットが搭載された車両において、
前記バッテリユニットは、それぞれ複数のバッテリセルを含む複数の単位ユニットに分けて搭載され、
前記複数の単位ユニットの一部又は全部が、前記車両のリヤ側に車幅方向に沿って延在するクロスメンバよりもさらに後方に配置され、
前記車両の後方からの衝突荷重を受けたときに前記複数の単位ユニットの一部又は全部を車高方向又は前記車幅方向に沿った軸周りに回転させるとともに前記車両の前方側へ移動させて、前記バッテリユニットを、前記車両を上方から見た場合での前記後部座席と前記クロスメンバとの間の領域に収めるガイド機構、を備えた車両。
【請求項2】
前記後方からの衝突荷重の入力前には、前記バッテリユニットの前記車幅方向に沿った長さよりも前記車両の前後方向に沿った長さが長い一方、
前記後方からの衝突荷重を受けて前記複数のユニット単位の一部又は全部が変位した後には、前記バッテリユニットの前記車幅方向に沿った長さよりも前記前後方向に沿った長さが短くなる、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記ガイド機構は、
前記車両の前後方向に沿った第1のガイド溝と、
一部が前記第1のガイド溝内に配置された連結部材と、
前記単位ユニットにおける前記第1のガイド溝に面する所定の面に略円弧状に形成され、前記連結部材の他の一部が配置された第2のガイド溝と、を備え、
前記連結部材が前記第1のガイド溝内を移動することに伴って前記単位ユニットが前記前方側へ移動可能であり、
前記連結部材が前記第2のガイド溝内を移動することに伴って前記バッテリユニットが前記車高方向又は前記車幅方向に沿った軸周りに回転可能に構成される、
請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記ガイド機構は、前記複数の単位ユニットの一部又は全部を前記車高方向に沿った軸周りに回転させ、
前記第1のガイド溝を有するガイド部材が、前記車幅方向に移動可能に構成される、
請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記ガイド機構は、前記複数の単位ユニットの一部又は全部を前記車幅方向に沿った軸周りに回転させ、
前記第1のガイド溝を有するガイド部材が、前記前後方向に移動可能に構成される、
請求項3に記載の車両。
【請求項6】
前記ガイド機構は、
前記連結部材を前記第1のガイド溝又は前記第2のガイド溝のいずれか一方又は両方に固定する一方、前記後方からの前記衝突荷重を受けたときに変形又は破壊して前記連結部材を前記第1のガイド溝及び前記第2のガイド溝内を移動可能とする固定部材をさらに備える、
請求項3に記載の車両。
【請求項7】
前記ガイド機構は、
前記複数の単位ユニットの一部又は全部が前記車幅方向又は前記車高方向に沿った軸周りに回転したときに、前記単位ユニット同士の衝突による衝撃を低減するダンパ装置をさらに備える、
請求項3に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、後部座席後方にバッテリユニットを搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動力源として駆動用モータを備えた電気自動車には、駆動用モータの電力源であるバッテリを含むバッテリユニットが搭載される。このバッテリユニットは、後部座席の後方に搭載される場合がある。バッテリユニットが後部座席の後方に設置される場合に、車両の後方からの衝突を受けてバッテリが損傷することを防ぐための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、車両の後部座席より後方のフロアパネル上にバッテリユニットを搭載した組電池車載構造であって、車両後方からの衝撃荷重によって、車体側の一部とバッテリユニットとの結合を解除するとともに、当該バッテリユニットを後部座席より後側のフロアパネル設置位置より下方となる領域に導入するようにした車載構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたバッテリユニットの車載構造は、後方からの衝突時にバッテリユニットをスライドさせて、後部座席の下方へ移動させることで、車室内の乗員に対する衝撃荷重の影響を軽減する。しかしながら、衝突時にバッテリユニットを後部座席の下方へ移動させるには、バッテリユニットと後部座席との干渉を避けたり、車室内の乗員が滞在する空間(以下「滞在空間」ともいう)を確保したりすることを考慮してバッテリユニットや後部座席等のレイアウトを設計する必要があり、レイアウトに制約が生じるおそれがある。
【0006】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、後部座席の後方にバッテリユニットを搭載した車両において、バッテリユニットのレイアウトの制約を低減でき、かつ、後方からの衝突時におけるバッテリユニットの損傷を抑制可能な車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、
後部座席後方にバッテリユニットが搭載された車両であって、
前記バッテリユニットは、それぞれ複数のバッテリセルを含む複数の単位ユニットに分けて搭載され、
前記複数の単位ユニットの一部又は全部が、前記車両のリヤ側に車幅方向に沿って延在するクロスメンバよりもさらに後方に配置され、
前記車両の後方からの衝突荷重を受けたときに前記複数の単位ユニットの一部又は全部を車高方向又は前記車幅方向に沿った軸周りに回転させるとともに前記車両の前方側へ移動させて、前記バッテリユニットを、前記車両を上方から見た場合での前記後部座席と前記クロスメンバとの間の領域に収めるガイド機構、を備えた車両が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本開示によれば、後部座席の後方にバッテリユニットを搭載した車両において、バッテリユニットのレイアウトの制約を低減でき、かつ、後方からの衝突時におけるバッテリユニットの損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態に係る車両の構成例を示す模式図である。
【
図2】同実施形態に係る車両のバッテリユニットのガイド機構を模式的に示した説明図である。
【
図3】
図2中のI-I断面を矢印方向に見た断面図である。
【
図4】
図2中のII-II断面を矢印方向に見た断面図である。
【
図5】
図2に示したガイド機構の動きを時系列で示す説明図である。
【
図6】
図2に示したガイド機構の動きを時系列で示す説明図である。
【
図7】
図2に示したガイド機構の動きを時系列で示す説明図である。
【
図8】同実施形態に係るガイド機構に設けられるダンパ装置の一例を示す説明図である。
【
図9】同実施形態に係るガイド機構の変形例を示す説明図である。
【
図10】同実施形態に係るガイド機構の変形例の動きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<1.本開示の実施の形態の特徴>>
(1-1)本開示の実施の形態は、後部座席後方にバッテリユニットが搭載された車両であって、
前記バッテリユニットは、それぞれ複数のバッテリセルを含む複数の単位ユニットに分けて搭載され、
前記複数の単位ユニットの一部又は全部が、前記車両のリヤ側に車幅方向に沿って延在するクロスメンバよりもさらに後方に配置され、
前記車両の後方からの衝突荷重を受けたときに前記複数の単位ユニットの一部又は全部を車高方向又は前記車幅方向に沿った軸周りに回転させるとともに前記車両の前方側へ移動させて、前記バッテリユニットを、前記車両を上方から見た場合での前記後部座席と前記クロスメンバとの間の領域に収めるガイド機構、を備えた構成を有している。
【0011】
なお、本開示の実施の形態は、バッテリユニットを後部座席の後方に搭載するためのバッテリ支持構造としても実現可能である。
【0012】
この構成により、本開示の車両等は、車両の後方から衝撃荷重が入力されたときに、当該衝撃荷重によって複数の単位ユニットの一部又は全部を回転させて、バッテリユニットの車両の前後方向の長さを変えることができる。また、衝撃荷重が入力されたときに、バッテリユニットが、車両を上方から見た場合での後部座席とクロスメンバとの間の領域に収められるため、車体の構造部材により衝突対象物の衝撃を吸収することができ、バッテリユニットの損傷を抑制することができる。また、一部又は全部の単位ユニットが回転及びスライド移動する前の状態において、バッテリユニットの車両の前後方向の長さを長くすることができるため、バッテリユニットと後部座席との干渉や乗員の滞在空間確保への考慮の必要性が低減され、レイアウト上の制約を低減することができる。
【0013】
なお、「バッテリユニット」は、それぞれ複数のバッテリセルを含む複数の単位ユニットの集合体を示す。それぞれの「単位ユニット」は、それぞれ複数のバッテリセルを含む一つ又は複数のバッテリパックにより構成される。「クロスメンバ」は、車幅方向に沿って延在する車体の構造部材であり、上記の車両のリヤ側に配置されたクロスメンバとしては、リヤクロスメンバやリヤサスペンションクロスメンバが例示される。
【0014】
また、「バッテリユニットを、車両を上方から見た場合での後部座席とクロスメンバとの間の領域に収める」ことは、車両を上方から見た状態でバッテリユニットが後部座席とクロスメンバとの間の領域に収まっている状態とすることであり、空間的に後部座席とクロスメンバとの間にバッテリユニットが位置することに限られない。
【0015】
(1-2)また、本開示の実施の形態において、
前記後方からの衝突荷重の入力前には、前記バッテリユニットの前記車幅方向に沿った長さよりも前記車両の前後方向に沿った長さが長い一方、
前記後方からの衝突荷重を受けて前記複数のユニット単位の一部又は全部が変位した後には、前記バッテリユニットの前記車幅方向に沿った長さよりも前記前後方向に沿った長さが短くなってもよい。
【0016】
この構成により、一部又は全部の単位ユニットが回転及びスライド移動する前の状態ではバッテリユニットの一部がクロスメンバよりも後方に置かれるとしても、一部又は全部の単位ユニットが回転及びスライド移動して車両の前後方向の長さが短くなったバッテリユニットが、後部座席とクロスメンバとの間の領域に収められる。このため、クロスメンバによって衝撃荷重によるバッテリユニットの損傷を抑制することができる。
【0017】
(1-3)また、本開示の実施の形態において、
前記ガイド機構は、
前記車両の前後方向に沿った第1のガイド溝と、
一部が前記第1のガイド溝内に配置された連結部材と、
前記単位ユニットにおける前記第1のガイド溝に面する所定の面に略円弧状に形成され、前記連結部材の他の一部が配置された第2のガイド溝と、を備え、
前記連結部材が前記第1のガイド溝内を移動することに伴って前記単位ユニットが前記前方側へ移動可能であり、
前記連結部材が前記第2のガイド溝内を移動することに伴って前記バッテリユニットが前記車高方向又は前記車幅方向に沿った軸周りに回転可能に構成されてもよい。
【0018】
この構成により、衝撃荷重を利用して一部又は全部の単位ユニットを所定方向の軸周りに容易に回転させることができる。また、一部又は全部の単位ユニットを所定方向の軸周りに回転させた後、バッテリユニット全体を後部座席とクロスメンバとの間の領域にスライド移動させて、所望の領域に容易に収めることができる。
【0019】
(1-4)また、本開示の実施の形態において、
前記ガイド機構は、前記複数の単位ユニットの一部又は全部を前記車高方向に沿った軸周りに回転させ、
前記第1のガイド溝を有するガイド部材が、前記車幅方向に移動可能に構成されてもよい。
【0020】
この構成により、バッテリユニット全体の高さの変化を抑えて、バッテリユニットを後部座席とクロスメンバとの間の領域に収めることができる。したがって、後部座席後方の空間や後部座席への干渉を小さく抑えることができる。
【0021】
(1-5)また、本開示の実施の形態において、
前記ガイド機構は、前記複数の単位ユニットの一部又は全部を前記車幅方向に沿った軸周りに回転させ、
前記第1のガイド溝を有するガイド部材が、前記前後方向に移動可能に構成されてもよい。
【0022】
この構成により、例えば後部座席の後方の空間の左側又は右側のいずれかにバッテリユニットを配置することができないような場合であっても、片側にバッテリユニットを搭載しつつ、後方からの衝撃荷重を受けたときにバッテリユニットを後部座席とクロスメンバとの間の空間に収めることができる。
【0023】
(1-6)また、本開示の実施の形態において、
前記ガイド機構は、
前記連結部材を前記第1のガイド溝又は前記第2のガイド溝のいずれか一方又は両方に固定する一方、前記後方からの前記衝突荷重を受けたときに変形又は破壊して前記連結部材を前記第1のガイド溝及び前記第2のガイド溝内を移動可能とする固定部材をさらに備えてもよい。
【0024】
この構成により、車両の後方からの衝突が生じていない状態において、複数の単位ユニットの位置ずれを防ぐ一方、車両の後方からの衝突が生じたときには衝撃荷重を利用して一部又は全部の単位ユニットの位置を変位可能な状態にすることができる。
【0025】
(1-7)また、本開示の実施の形態において、
前記ガイド機構は、
前記複数の単位ユニットの一部又は全部が前記車幅方向又は前記車高方向に沿った軸周りに回転したときに、前記単位ユニット同士の衝突による衝撃を吸収するダンパ装置をさらに備えてもよい。
【0026】
この構成により、一部又は全部の単位ユニットが回転して単位ユニット同士が互いに衝突したときの衝撃によるバッテリユニットの損傷を低減することができる。
【0027】
<<2.本開示の実施形態の詳細>>
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
<2-1.車両の構成)
図1を参照して、本開示の実施の形態に係る車両の構成の一例を説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る車両1の後部の構造を模式的に示した説明図であり、車両1の後部を車体高さ方向の上方から見た図を示す。
【0030】
車両1は、車体構造として右サイドフレーム3R、左サイドフレーム3L、第1のクロスメンバ5、第2のクロスメンバ7及びバンパビーム9を備えている。右サイドフレーム3R及び左サイドフレーム3Lは、車体の右側及び左側に前後方向に沿って延在する。右サイドフレーム3R及び左サイドフレーム3Lの後端部にはバンパビーム9が接合されている。第1のクロスメンバ5及び第2のクロスメンバ7は、それぞれ後部座席13の位置よりも後方側で右サイドフレーム3R及び左サイドフレーム3Lに接合され、右サイドフレーム3R及び左サイドフレーム3Lの間に車幅方向に沿って延在する。
【0031】
このうち、第1のクロスメンバ5は、例えば右後輪11R及び左後輪11Lそれぞれのサスペンションを支持するリヤサスペンションクロスメンバであってよいが、サスペンションクロスメンバの機能を持たないクロスメンバであってもよい。
【0032】
第1のクロスメンバ5及び第2のクロスメンバ7上にはバッテリユニット20が搭載されている。バッテリユニット20は、図示しない駆動用モータへ供給される電力を蓄積する。バッテリユニット20は、例えば高電圧バッテリ、バッテリ制御装置及びインバータを備えて構成される。バッテリユニット20は、さらに温度センサ、電流計及び電圧センサ等のセンサや冷却ファン等の冷却装置を備えていてもよい。
【0033】
バッテリ制御装置は、高電圧バッテリの出力電圧、出力電流、残容量(SOC:State Of Charge)及び温度等を検出し、図示しないモータ制御装置へ検出した情報を送信する。また、バッテリ制御装置は、バッテリユニット20に備えられた図示しない冷却装置の駆動を制御し、高電圧バッテリを冷却する制御を実行可能に構成されてもよい。インバータは、高電圧バッテリと駆動用モータとの間に接続され、高電圧バッテリから出力される電力の電圧を昇降圧する機能や、直流電流を交流電流に変換する機能を有する。また、インバータは、駆動用モータにより発電される回生電力の電圧を昇降圧する機能や、交流電流を直流電流に変換する機能を有する。ただし、本開示において、バッテリユニット20は高電圧バッテリを備えていればよく、バッテリ制御装置やインバータがバッテリユニット20から分離されて備えられていてもよい。
【0034】
高電圧バッテリは、複数のバッテリセルを電気的に接続して構成される。本実施形態において、高電圧バッテリは、それぞれ複数のバッテリセル23a~23dを含む複数の単位ユニット21a~21dに分けて搭載されている。それぞれの単位ユニット21a~21dは、それぞれ車両の前後方向の長さが車幅方向の長さよりも長い立体形状に構成されている。したがって、バッテリユニット20全体としても、車両の前後方向の長さが車幅方向の長さよりも長くなっている。
【0035】
バッテリユニット20は、一部又は全部が後部座席13よりもリヤ側に位置するように搭載されている。
図1に示した例では、すべての単位ユニット21a~21dが後部座席13よりもリヤ側に位置するように搭載されている。具体的に、バッテリユニット20は、バッテリセル23aを含む第1の単位ユニット21a、バッテリセル23bを含む第2の単位ユニット21b、バッテリセル23cを含む第3の単位ユニット21c及びバッテリセル23dを含む第4の単位ユニット21dにより構成されている。複数の単位ユニット21a~21d同士は互いに結合されることなく搭載されている。
【0036】
本開示の車両1では、バッテリユニット20は、車両1の後方からの衝突荷重を受けたときに複数の単位ユニット21a~21dの一部又は全部を車高方向に沿った軸周りに回転させるとともに車両1の前方側へ移動させて、バッテリユニット20を後部座席13と第1のクロスメンバ5との間に収めるガイド機構10により支持されている。
【0037】
<2-2.バッテリユニットのガイド機構>
続いて、本開示におけるバッテリユニット20のガイド機構10を具体的に説明する。
【0038】
図2は、バッテリユニット20のガイド機構10を模式的に示した説明図であり、
図1に示した車両1の構成のうち、バッテリユニット20のガイド機構10に関連する部分のみを示している。また、
図2中、複数の単位ユニット21a~21dは、一点鎖線で外郭のみ示されている。
【0039】
ガイド機構10は、右側ガイドレール31R、左側ガイドレール31L、後側ガイドレール45及び前側ガイドレール47を備える。後側ガイドレール45は、第1のクロスメンバ5上に固定され、車幅方向に延在する。また、前側ガイドレール47は、第2のクロスメンバ7上に固定され、同じく車幅方向に延在する。後側ガイドレール45及び前側ガイドレール47は、それぞれ車幅方向に沿って形成されたガイド溝46、48を有する。
【0040】
右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lは、それぞれ後側ガイドレール45及び前側ガイドレール47上に懸架されるようにして接続され、車両1の前後方向に延在する。右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lは、それぞれ車両1の前後方向に沿って形成されたガイド溝(以下「第1のガイド溝」ともいう)33R、33Lを有する。
【0041】
右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lの下面には、図示しないガイドピンがそれぞれ2つずつ設けられている。右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lそれぞれの2つのガイドピンは、それぞれ後側ガイドレール45のガイド溝46及び前側ガイドレール47のガイド溝48内に、自由移動可能に挿入されている。右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lそれぞれの2つのガイドピンは、右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lに固定されており、右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lは、車両1の前後方向に沿った姿勢を維持したまま、車幅方向に移動可能に保持されている。
【0042】
また、ガイド機構10は、複数の単位ユニット21a~21dにおける右側ガイドレール31Rの第1のガイド溝33Rあるいは左側ガイドレール31Lの第1のガイド溝33Lに面する所定の面に、略円弧状に形成された底部ガイドレール35a~35dを備える。具体的に、第1の単位ユニット21a及び第2の単位ユニット21bそれぞれの右側ガイドレール31Rの第1のガイド溝33Rに面する底面に、それぞれ底部ガイドレール35a、35bが設けられている。また、第3の単位ユニット21c及び第4の単位ユニット21dそれぞれの左側ガイドレール31Lの第1のガイド溝33Lに面する底面に、それぞれ底部ガイドレール35c、35dが設けられている。それぞれの底部ガイドレール35a~35dは、バッテリユニット20全体の矩形状の平面形状の四つの角が円弧の内側に位置するように、四つの角からバッテリユニット20の平面形状の中央側に膨らむ略円弧状に形成されている。
【0043】
それぞれの底部ガイドレール35a~35dは、底部ガイドレール35a~35dの形状に対応する略円弧状に形成されたガイド溝(以下「第2のガイド溝」ともいう)37a~37dを有する。ガイド溝37a~37dは、下方側(右側ガイドレール31Rあるいは左側ガイドレール31Lに対向する側)に形成されている。それぞれの底部ガイドレール35a~35d及びガイド溝37a~37dの円弧の形状は、車両1の後方からの衝撃荷重を受けてそれぞれの単位ユニット21a~21dが車両の高さ方向に沿った軸周りに回転する際に互いに干渉しないようにあらかじめ設計される。このため、それぞれの底部ガイドレール35a~35d及びガイド溝37a~37dの平面形状は、真円を描く円弧状に限られず、適切な形状に設計される。
【0044】
四つの単位ユニット21a~21dのうち、右側に配置された第1の単位ユニット21a及び第2の単位ユニット21bに備えられた底部ガイドレール35a、35bの第2のガイド溝37a、37b内には、それぞれガイドピン41a、41bの一部が配置されている。ガイドピン41a、41bの他の一部は、右側ガイドレール31Rの第1のガイド溝33R内に配置されている。
【0045】
同様に、四つの単位ユニット21a~21dのうち、左側に配置された第3の単位ユニット21c及び第4の単位ユニット21dに備えられた底部ガイドレール35c、35dの第2のガイド溝37c、37d内には、それぞれガイドピン41c、41dの一部が配置されている。ガイドピン41c、41dの他の一部は、左側ガイドレール31Lの第1のガイド溝33L内に配置されている。
【0046】
それぞれのガイドピン41a~41dは、第1のガイド溝33R、33Lと第2のガイド溝37a~37dとを連結し、それぞれの単位ユニット21a~21dを右側ガイドレール31Rあるいは左側ガイドレール31Lに連結する連結部材としての機能を有する。
【0047】
図3及び
図4は、
図2中のI-I断面及びII-II断面をそれぞれ矢印方向に見た断面図を示す。
【0048】
図3に示すように、左側ガイドレール31Lの下面にはガイドピン32が設けられている。ガイドピン32は、後側ガイドレール45のガイド溝46内に配置されている。ガイドピン32の下部の端面には、転動体(ボール)32aが設けられ、ガイドピン32がガイド溝46内を移動しやすいように構成される。右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lの下面に設けられた他のガイドピンも同様に構成されて、後側ガイドレール45のガイド溝46あるいは前側ガイドレール47のガイド溝48内に配置される。
【0049】
図4に示すように、ガイドピン41bの上部は、底部ガイドレール35bの第2のガイド溝37b内に配置され、ガイドピン41bの下部は、右側ガイドレール31Rの第1のガイド溝33R内に配置されている。ガイドピン41bの上部及び下部の直径は、第1のガイド溝33Rの開口部及び第2のガイド溝37bの開口部の幅よりも大きくされ、第1のガイド溝33Rの開口部及び第2のガイド溝37bの開口部からガイドピン41bは脱離しないようにされている。ガイドピン41bの上部及び下部の端面には、転動体(ボール)43u、43lが設けられ、ガイドピン41bが、第1のガイド溝33R及び第2のガイド溝37b内を移動しやすいように構成される。その他のガイドピン41a、41c、41dについても、
図3に例示したガイドピン41bと同様にして、それぞれ第1のガイド溝33R、33L及び第2のガイド溝37a、37c、37d内に配置される。
【0050】
ただし、車両1の衝突が生じていない状態においてそれぞれの単位ユニット21a~21dが回転あるいは移動しないように、ガイドピンの一部又は全部がガイド溝に固定される。例えばガイド機構10は、ガイドピン41a~41dを第1のガイド溝33R、33L又は第2のガイド溝37a~37dのいずれか一方又は両方に固定する一方、後方からの衝突荷重を受けたときに変形又は破壊してガイドピン41a~41dを第1のガイド溝33R、33L及び第2のガイド溝37a~37d内を移動可能とする固定部材をさらに備えてもよい。同様に、ガイド機構10は、ガイドピン32をガイド溝46、48に固定する一方、後方からの衝突荷重を受けたときに変形又は破壊してガイドピン32をガイド溝46、48内を移動可能とする固定部材をさらに備えてもよい。
【0051】
このような固定部材としては、例えば樹脂や金属等を用いて構成され、車両1の通常の走行中に発生する振動や荷重に耐え得る剛性を有する一方、大きな荷重が加えられたときに変形又は破壊する構成となっていれば、特に限定されるものではない。これにより、車両1の衝突が生じていない状態においてそれぞれの単位ユニット21a~21dが回転あるいは移動しないように、ガイドピンの一部又は全部がガイド溝に固定される。
【0052】
なお、ガイドピンの構成は一例に過ぎず、ガイドピンが、それぞれのガイド溝内を移動しやすいように構成される限り、
図3又は
図4に例示した構成に限定されない。例えば上記の例では、ガイドピンは、球状の転動体(ボール)を備えていたが、球状の転動体の代わりに、所定の移動方向へ転動可能なローラ上の転動体を備えていてもよい。
【0053】
このように構成されたバッテリユニット20のガイド構造では、右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lが車幅方向に沿って移動可能となっている。また、ガイドピン41a、41bが右側ガイドレール31Rの第1のガイド溝33R内を車両1の前後方向に沿って移動可能となっている。また、ガイドピン41c、41dが左側ガイドレール31Lの第1のガイド溝33L内を車両1の前後方向に沿って移動可能となっている。
【0054】
また、それぞれの単位ユニット21a~21dは、略円弧状の第2のガイド溝37a~37dを有し、当該第2のガイド溝37a~37d内に配置されたガイドピン41a~41dは第1のガイド溝33R内に拘束されている。このため、車両1の後方からの衝撃荷重の入力時に、それぞれの単位ユニット21bは、略円弧状の第2のガイド溝37a~37dの形状に沿って車両1の高さ方向に沿った軸周りに回転可能となっている。
【0055】
<2-3.バッテリユニットのガイド機構の作用>
続いて、
図5~
図7を参照して、
図2に示したガイド機構10の作用を説明する。
図5~
図7は、
図2に示したガイド機構10の動きを時系列で示す説明図であり、理解を容易にするために、それぞれのガイドレールがガイド溝として図示されている。
【0056】
図5に示すように、車両1の後方から入力される衝撃荷重Fがバッテリユニット20に伝達されると、それぞれの単位ユニット21a~21dは、第2のガイド溝37a~37d内をガイドピン41a~41dが相対移動するようにして、車両1の高さ方向に沿った軸周りに回転する。具体的に、それぞれの単位ユニット21a~21dの第2のガイド溝37a~37d内にガイドピン41a~41dが配置されており、それぞれの単位ユニット21a~21dの移動方向は制限されている。このため、第1の単位ユニット21a及び第4の単位ユニット21dは、図示の反時計回りに回転し、第2の単位ユニット21b及び第3の単位ユニット21cは、図示の時計回りに回転する。
【0057】
このとき、それぞれの単位ユニット21a~21dが所定の方向へ回転しやすくなるように、
図2に示した状態でガイドピン41a~41dが位置する場所での第2のガイド溝37a~37dの向きを、その接線が車幅方向から所定角度傾くように構成してもよい。例えば衝撃荷重Fの入力時に反時計回りに回転する第1の単位ユニット21a及び第4の単位ユニット21dの第2のガイド溝37a、37dの端部の向きを、その接線が車幅方向に対して時計回り方向へ数度傾くように構成してもよい。これにより、衝撃荷重Fの入力時に第1の単位ユニット21a及び第4の単位ユニット21dを反時計回りに回転させやすくすることができる。また、衝撃荷重Fの入力時に時計回りに回転する第2の単位ユニット21b及び第3の単位ユニット21cの第2のガイド溝37b、37cの端部の向きを、その接線が車幅方向に対して反時計回り方向へ数度傾くように構成してもよい。これにより、衝撃荷重Fの入力時に第2の単位ユニット21b及び第3の単位ユニット21cを時計回りに回転させやすくすることができる。
【0058】
それぞれの単位ユニット21a~21dが回転する際には、それぞれの単位ユニット21a~21d同士が接触して、それぞれの単位ユニット21a~21dの重心間の距離が変化することに伴って、一部又は全部のガイドピン41a~41dが第1のガイド溝33R、33Lに沿って車両1の前後方向に移動し得る。また、同様に、第1のガイド溝33R、33L(右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31L)の少なくとも一方が、ガイド溝46、48に沿って車幅方向に移動し得る。
【0059】
衝撃荷重Fの入力を受けてそれぞれの単位ユニット21a~21dの回転が進行すると、それぞれの単位ユニット21a~21dは互いに面接触する状態となる(
図6を参照)。この状態では、それぞれの単位ユニット21a~21dは、衝撃荷重Fの入力前の状態から約90度回転した状態となる。衝撃荷重Fの入力前の状態で、それぞれの単位ユニット21a~21dの車両1の前後方向の長さが車幅方向の長さよりも長いことから、それぞれの単位ユニット21a~21dの回転後には、それぞれの単位ユニット21a~21dの車両1の前後方向の長さが車幅方向の長さよりも短くなる。したがって、バッテリユニット20全体の車両前後方向の長さが、衝撃荷重Fの入力前の状態に比べて短くなっている。
【0060】
ここで、バッテリユニット20は、それぞれの単位ユニット21a~21dが互いに面接触するときの衝突の衝撃によりバッテリセルが損傷することを防ぐために、衝撃を低減するダンパ装置を備えていてもよい。
【0061】
図8は、ダンパ装置の一例としてコイルバネを第2のガイド溝内に配置した例を示す。
図8は、第2の単位ユニット21bのみを図示しており、コイルバネ39は、第2の単位ユニット21bが回転し終えるときに、ガイドピン41bが位置する第2のガイド溝37bの端部に配置されている。このため、第2の単位ユニット21bが約90度回転し終えるときの回転速度が遅くされて、第2の単位ユニット21bが、第1の単位ユニット21a及び第4の単位ユニット21dと接触する際の衝撃を低減することができる。
【0062】
その他の第1の単位ユニット21a、第3の単位ユニット21c及び第4の単位ユニット21dも同様に、それぞれ単位ユニット21a、21c、21dが回転し終えるときに、ガイドピン41a、41c、41dが位置する第2のガイド溝37a、37c、37dの端部にコイルバネ39が配置されていてよい。
【0063】
これにより、それぞれの単位ユニット21a~21が回転して互いに面接触するときの衝突の衝撃によりバッテリセルが損傷することを防ぐことができる。ただし、ダンパ装置の構成や配置位置は上記の例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0064】
なお、
図6に示す状態では、右側ガイドレール31R及び左側ガイドレール31Lは、それぞれ車幅方向中央側へ移動している。また、第1の単位ユニット21a及び第3の単位ユニット21cの第2のガイド溝37a、37cに連結されたガイドピン41a、41cは、それぞれ車両1の前後方向の後方側へ移動し、第2の単位ユニット21b及び第4の単位ユニット21dの第2のガイド溝37b、37dに連結されたガイドピン41b、41dは、それぞれ車両1の前後方向の前方側へ移動している。
【0065】
その後、さらに衝撃荷重Fの入力が続くと、それぞれの単位ユニット21a~21dが車両1の前方側へ移動し、バッテリユニット20全体が、後部座席13と第1のクロスメンバ5との間の領域に収められる(
図7を参照)。このとき、第1のクロスメンバ5により、衝突対象物が第1のクロスメンバ5よりも前方側へ侵入するおそれが低減され、バッテリユニット20が潰されるおそれが低減される。
【0066】
このように、本実施形態に係る車両は、第1のクロスメンバ5により衝突対象物の衝撃を吸収することができ、バッテリユニット20の損傷を抑制することができる。また、一部又は全部の単位ユニットが回転及びスライド移動する前の状態において、バッテリユニット20の車両1の前後方向の長さを長くすることができるため、バッテリユニット20と後部座席との干渉や乗員の滞在空間確保への考慮の必要性が低減され、レイアウト上の制約を低減することができる。
【0067】
<2-4.変形例>
ここまで本開示の実施の形態に係る車両の構成を説明したが、本開示の技術は種々の変形が可能である。
【0068】
例えば上記の実施の形態では、ガイド機構が、衝撃荷重の入力時にそれぞれの単位ユニット21a~21dが、車両1の高さ方向に沿った軸周りに回転する構成を有していたが、本開示の技術はこの例に限定されない。例えばガイド機構は、それぞれの単位ユニット21a~21dが車幅方向に沿った軸周りに回転する構成を有してもよい。
【0069】
図9~
図10は、衝撃荷重の入力時に、それぞれの単位ユニット21a~21dが車幅方向に沿った軸周りに回転するように構成されたガイド機構の変形例を示している。変形例に係るガイド機構では、後側ガイドレール45及び前側ガイドレール47を、例えば車体の左右のいずれかに配置された構造部分に取り付けることで、上記実施形態で説明したガイド機構10の前後方向を維持したままで90度回転させた構成とすることができる。変形例に係るガイド機構によっても、衝撃荷重Fの入力時に、それぞれの単位ユニット21a~21dが車幅方向に沿った軸周りに回転して、バッテリユニット20の車両1の前後方向の長さが回転前の状態に比べて短くなるとともに、バッテリユニット20を後部座席13と第1のクロスメンバ5との間の領域に収めることができる。また、第1のクロスメンバ5により衝突対象物の衝撃を吸収することができ、バッテリユニット20の損傷を抑制することができる。さらに、一部又は全部の単位ユニットが回転及びスライド移動する前の状態において、バッテリユニット20の車両1の前後方向の長さを長くすることができるため、バッテリユニット20と後部座席との干渉や乗員の滞在空間確保への考慮の必要性が低減され、レイアウト上の制約を低減することができる。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0071】
例えば上記実施形態の車両は、バッテリユニット20の高電圧バッテリを4つの単位ユニットに分割して搭載していたが、単位ユニットの数は4つに限定されない。単位ユニットの数は2つ又は3つであってもよく、5つ以上であってもよい。この場合においても、複数の単位ユニットのうちの一部又は全部が衝撃荷重の入力時に所定の軸周りに回転して車両の前方側へ移動し、バッテリユニットが後部座席とクロスメンバとの間の領域に収められるように構成される。このように構成することによっても、上記実施形態に係る車両と同一の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1:車両、5:第1のクロスメンバ、7:第2のクロスメンバ、10:ガイド機構、13:後部座席、20:バッテリユニット、21a:第1の単位ユニット、21b:第2の単位ユニット、21c:第3の単位ユニット、21d:第4の単位ユニット、23a・23b・23c・23d:バッテリセル、31L:左側ガイドレール、31R:右側ガイドレール、32:ガイドピン、33L・33R:第1のガイド溝、35a・35b・35c・35d:底部ガイドレール、37a・37b・37c・37d:第2のガイド溝、39:コイルバネ(ダンパ装置)、41a・41b・41c・41d:ガイドピン(連結部材)、45:後側ガイドレール、46:ガイド溝、47:前側ガイドレール、48:ガイド溝