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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020023
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240206BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240206BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240206BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240206BHJP
   G09G 5/08 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G09G5/00 555D
G06F3/14 380B
G06F3/14 310A
G09G5/36 510M
G09G5/36 520L
G09G5/00 550X
G09G5/08 M
G09G5/36 520M
G09G5/36 520P
G09G5/00 550B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122874
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅登
(72)【発明者】
【氏名】青木 範行
(72)【発明者】
【氏名】柳 芳治
(72)【発明者】
【氏名】成毛 正治
(72)【発明者】
【氏名】川上 耕平
(72)【発明者】
【氏名】吉川 健一
【テーマコード(参考)】
5B069
5C182
【Fターム(参考)】
5B069AA01
5B069BB13
5B069GA03
5C182AC33
5C182AC38
5C182AC43
5C182BA04
5C182BC01
5C182BC26
5C182BC30
5C182CB44
5C182CB52
5C182CB54
5C182DA04
5C182DA26
5C182DA44
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】表示装置の画面表示を適切にすることができる。
【解決手段】情報処理装置10は、第1時間間隔で、第1表示内容11aに基づいて表示される第1画像2を生成する。情報処理装置10は、表示装置1に表示される表示画像のうち第1表示内容11a表示用の第1領域2aを除いた領域が変動しない設定をして、第1領域2aに表示させる第1画像2を表示装置1に送信する。情報処理装置10は、第2時間間隔で、第2表示内容11bに基づいて表示される第2画像3を生成する。情報処理装置10は、表示画像のうち第2表示内容11b表示用の第2領域3aを除いた領域が変動しない設定をして、第2領域3aに表示させる第2画像3を表示装置1に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示内容と、第2表示内容とを記憶する記憶部と、
第1時間間隔で、前記第1表示内容に基づいて表示される第1画像を生成し、表示装置に表示される表示画像のうち前記第1表示内容表示用の第1領域を除いた領域が変動しない設定をして、前記第1領域に表示させる前記第1画像を前記表示装置に送信し、第2時間間隔で、前記第2表示内容に基づいて表示される第2画像を生成し、前記表示画像のうち前記第2表示内容表示用の第2領域を除いた領域が変動しない設定をして、前記第2領域に表示させる前記第2画像を前記表示装置に送信する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記第1時間間隔の前記第1画像を送信するタイミングと、前記第2時間間隔の前記第2画像を送信するタイミングとが一致した場合、前記第1画像と前記第2画像との合成画像を生成し、前記表示画像のうち前記第1領域と前記第2領域とを除いた領域が変動しない設定をして前記合成画像を前記表示装置に送信する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
動画データと、カーソル表示用のカーソル領域の位置を含むカーソル情報とを記憶する記憶部と、
前記動画データのフレーム間隔に基づく第1時間間隔で、前記動画データの次画像を生成し、表示装置に表示される表示画像のうち前記動画データ表示用の動画領域を除いた領域が変動しない設定をして、前記動画領域に表示させる前記次画像を前記表示装置に送信し、第2時間間隔で、前記カーソル情報に基づいて表示されるカーソル画像を生成し、前記表示画像のうち前記カーソル領域を除いた領域が変動しない設定をして前記カーソル画像を前記表示装置に送信する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項4】
動画データを記憶する記憶部と、
前記動画データのフレーム間隔に基づく第1時間間隔で、前記動画データの次画像を生成し、背景に重ねて前記動画データ表示用のウインドウが表示される表示画像のうち前記背景が変動しない設定をして、前記ウインドウに表示させる前記次画像を、前記表示画像を表示する表示装置に送信する処理部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータは、表示装置に表示画像を送信して出力させる。動画データ等のメディア再生やカーソル操作によって表示画像は変動するため、コンピュータは、例えば、一定時間間隔で更新した表示画像全体を表示装置に送信する。
【0003】
表示画像の出力に関する技術としては、例えば、複数の表示装置が接続されているコンピュータにおいて、利便性を低下させずに省電力化を可能にする表示制御プログラムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-198348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置の画面を変動させる方法としては、例えば、コンピュータが、表示装置が適用可能なリフレッシュレートの最大値の間隔で更新した表示画像全体を表示装置に送信することが考えられる。しかし、リフレッシュレートの最大値よりもフレーム間隔が低い動画データが再生される場合、コンピュータは、不要な表示画像を表示装置に送信することとなる。また、コンピュータがフレーム間隔に合わせて表示画像全体を表示装置に送信すると、カーソルの動きが滑らかではなくなる。
【0006】
1つの側面では、本件は、表示装置の画面表示を適切にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。記憶部は、第1表示内容と、第2表示内容とを記憶する。処理部は、第1時間間隔で、第1表示内容に基づいて表示される第1画像を生成し、表示装置に表示される表示画像のうち第1表示内容表示用の第1領域を除いた領域が変動しない設定をして、第1領域に表示させる第1画像を表示装置に送信し、第2時間間隔で、第2表示内容に基づいて表示される第2画像を生成し、表示画像のうち第2表示内容表示用の第2領域を除いた領域が変動しない設定をして、第2領域に表示させる第2画像を表示装置に送信する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、表示装置の画面表示を適切にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
図3】画面表示に用いられるハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】情報処理装置の機能例を示すブロック図である。
図5】GPUによる画像生成の一例を示す図である。
図6】モニタの画面更新の一例を示す図である。
図7】画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その1)である。
図8】画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その2)である。
図9】画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その3)である。
図10】画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その4)である。
図11】表示制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12】ウインドウごとの更新タイミングの一例を示す図である。
図13】表示内容ごとの画面表示処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、情報処理装置10が表示装置1に画面表示するものである。
【0011】
情報処理装置10は、ユーザが操作するコンピュータである。情報処理装置10は、表示装置1に接続されている。表示装置1は、例えば、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等である。
【0012】
情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。記憶部11は、情報処理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、情報処理装置10が有するVRAM(Video Random Access Memory)である。記憶部11は、第1表示内容11aと、第2表示内容11bとを記憶する。
【0013】
第1表示内容11aおよび第2表示内容11bは、表示装置1に画面表示される内容を示す情報である。例えば、第1表示内容11aは、画面上で再生される動画データである。動画データは、所定のフレーム間隔で表示される複数の画像を含む。例えば、動画データである第1表示内容11aは、情報処理装置10のストレージ装置や情報処理装置10に接続された記憶媒体から記憶部11に格納される。
【0014】
また、例えば、第2表示内容は、ユーザがマウス等のポインティングデバイスを操作することによって画面上を動くカーソルのカーソル情報である。カーソル情報は、カーソル表示用のカーソル領域の位置を含む。カーソル領域の位置は、例えば、ポインティングデバイスの操作がされるたびに情報処理装置10のプロセッサによってカーソルの移動先の位置に更新される。
【0015】
処理部12は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、情報処理装置10が有するGPU(Graphics Processing Unit)である。処理部12は、第1時間間隔で、第1表示内容11aに基づいて表示される第1画像2を生成する。例えば、処理部12は、動画データである第1表示内容11aのフレーム間隔に基づく第1時間間隔で、動画データの次画像である第1画像2を生成する。次画像は、表示装置1に現在表示されている動画データの画像の次の画像である。
【0016】
そして、処理部12は、表示装置1に表示される表示画像のうち第1表示内容11a表示用の第1領域2aを除いた領域が変動しない設定をして、第1領域2aに表示させる第1画像2を表示装置1に送信する。例えば、処理部12は、表示装置1に表示される表示画像のうち動画データ表示用の動画領域を除いた領域が変動しない設定をして、動画領域に表示させる次画像を表示装置1に送信する。動画領域は、例えば、動画データを表示するためのウインドウである。
【0017】
表示装置1は、第1画像2を取得すると、バッファに記憶している表示画像の第1領域2aを、取得した第1画像2に更新する。そして、表示装置1は、更新後の表示画像をパネルに表示する。
【0018】
また、処理部12は、第2時間間隔で、第2表示内容11bに基づいて表示される第2画像3を生成する。例えば、処理部12は、第2時間間隔で、カーソル情報に基づいて表示されるカーソル画像である第2画像3を生成する。第2時間間隔は、例えば、表示装置1が適用可能なリフレッシュレートの最大値である。
【0019】
そして、処理部12は、表示画像のうち第2表示内容11b表示用の第2領域3aを除いた領域が変動しない設定をして、第2領域3aに表示させる第2画像3を表示装置1に送信する。例えば、処理部12は、第2時間間隔で、カーソル情報に基づいて表示されるカーソル画像を生成し、表示画像のうちカーソル領域を除いた領域が変動しない設定をしてカーソル画像を表示装置1に送信する。
【0020】
表示装置1は、第2画像3を取得すると、バッファに記憶している表示画像の第2領域3aを、取得した第2画像3に更新する。そして、表示装置1は、更新後の表示画像をパネルに表示する。
【0021】
第1の実施の形態によれば、記憶部11は、第1表示内容11aと、第2表示内容11bとを記憶する。処理部12は、第1時間間隔で、第1表示内容11aに基づいて表示される第1画像2を生成する。処理部12は、表示装置1に表示される表示画像のうち第1表示内容11a表示用の第1領域2aを除いた領域が変動しない設定をして、第1領域2aに表示させる第1画像2を表示装置1に送信する。処理部12は、第2時間間隔で、第2表示内容11bに基づいて表示される第2画像3を生成する。処理部12は、表示画像のうち第2表示内容11b表示用の第2領域3aを除いた領域が変動しない設定をして、第2領域3aに表示させる第2画像3を表示装置1に送信する。
【0022】
これにより、情報処理装置10は、表示内容に応じた時間間隔で表示装置1に表示画像の更新内容を送信し、不要な画像送信を抑制できる。また、情報処理装置10は、表示内容に応じた時間間隔で表示装置1に画面を更新させることができる。よって、情報処理装置10は、表示装置1の画面表示を適切にすることができる。
【0023】
また、記憶部11は、動画データと、カーソル表示用のカーソル領域の位置を含むカーソル情報とを記憶する。処理部12は、動画データのフレーム間隔に基づく第1時間間隔で、動画データの次画像を生成し、表示装置1に表示される表示画像のうち動画データ表示用の動画領域を除いた領域が変動しない設定をして、動画領域に表示させる次画像を表示装置1に送信する。処理部12は、第2時間間隔で、カーソル情報に基づいて表示されるカーソル画像を生成し、表示画像のうちカーソル領域を除いた領域が変動しない設定をしてカーソル画像を表示装置1に送信する。これにより、情報処理装置10は、動画データの再生およびカーソルの動きを適切に画面表示させることができる。
【0024】
なお、処理部12は、第1時間間隔の第1画像2を送信するタイミングと、第2時間間隔の第2画像3を送信するタイミングとが一致した場合、第1画像2と第2画像3との合成画像を生成してもよい。そして、処理部12は、表示画像のうち第1領域2aと第2領域3aとを除いた領域が変動しない設定をして合成画像を表示装置1に送信してもよい。これにより、情報処理装置10は、複数の表示内容の更新タイミングが一致した場合でも、適切に表示装置1に画面を更新させることができる。
【0025】
また、処理部12は、動画データのフレーム間隔に基づく第1時間間隔で、動画データの次画像を生成し、背景に重ねて動画データ表示用のウインドウが表示される表示画像のうち背景が変動しない設定をして、ウインドウに表示させる次画像を、表示画像を表示する表示装置1に送信してもよい。これにより、情報処理装置10は、変動する画像についてのみ表示装置1に送信するため、不要な画像送信を抑制できる。
【0026】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、情報処理装置がメディア再生する場合等において、モニタへの画像送信を制御するものである。
【0027】
モニタの画面を変動させる方法として、例えば、情報処理装置は、モニタが適用可能なリフレッシュレートの最大値の間隔で、表示画像全体を更新してモニタに送信する。しかし、リフレッシュレートの最大値よりも低いフレーム間隔でメディア再生する場合、情報処理装置は、動画のコマが切り替わっていなくても表示画像を送信するため、不要な表示画像をモニタに送信することとなる。また、情報処理装置は、動画のフレーム間隔に合わせて表示画像全体をモニタに送信すると、マウスカーソルの動きが滑らかではなくなる。そこで、第2の実施の形態の情報処理装置は、画面表示されている表示内容それぞれについて、更新されたタイミングで更新された部分の画像をモニタに送信する。
【0028】
図2は、情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理装置100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。
【0029】
メモリ102は、情報処理装置100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0030】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0031】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0032】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機ELを用いた表示装置や液晶表示装置等がある。なお、第2の実施の形態では、モニタ31は、30~120[Hz]のリフレッシュレートを適用可能である。
【0033】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0034】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0035】
機器接続インタフェース107は、情報処理装置100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0036】
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0037】
情報処理装置100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、図2に示した情報処理装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。次に、画面表示に用いられるハードウェアであるGPU104およびモニタ31について詳細に説明する。
【0038】
図3は、画面表示に用いられるハードウェアの一構成例を示す図である。GPU104は、VRAM104aに接続されている。また、GPU104は、プロセッサ104b、コプロセッサ104cおよびメモリ104dを有する。
【0039】
VRAM104aは、GPU104によって画像を生成するために用いられるデータを記憶する。VRAM104aには、ストレージ装置103または光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記憶された、画像データや動画データがプロセッサ101によって格納される。また、VRAM104aには、マウス33から送られてくる信号に基づいて、プロセッサ101によってマウスカーソルの位置が格納される。VRAM104aとしては、例えばRAM等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0040】
プロセッサ104bは、コプロセッサ104cによる画像生成の制御処理を実行する。プロセッサ104bは、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ104bは、例えばCPU、MPU、またはDSPである。プロセッサ104bがプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC、PLD等の電子回路で実現してもよい。
【0041】
コプロセッサ104cは、並列演算処理に適したプロセッサである。コプロセッサ104cは、VRAM104aに格納されたデータに基づいて、モニタ31に表示させる画像を生成する。
【0042】
メモリ104dは、GPU104の主記憶装置として使用される。メモリ104dには、プロセッサ104bおよびコプロセッサ104cに実行させるプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ104dには、プロセッサ104bおよびコプロセッサ104cによる処理に利用する各種データが格納される。メモリ104dとしては、例えばRAM等の揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0043】
モニタ31は、パネルコントローラ31a、バッファ31bおよびパネル31cを有する。パネルコントローラ31aは、モニタ31全体を制御するコントローラである。パネルコントローラ31aは、例えば、マイクロコントローラである。バッファ31bは、パネル31cに表示される表示画像を記憶するバッファである。パネル31cは、モニタ31の表示画面である。パネル31cは、例えば、有機ELパネルや液晶パネルである。
【0044】
なお、VRAM104aは、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。また、プロセッサ104bおよびコプロセッサ104cは、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。ただし、プロセッサ104bが実行する処理をプロセッサ101が実行してもよい。また、モニタ31は、第1の実施の形態に示した表示装置1の一例である。
【0045】
情報処理装置100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。情報処理装置100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、情報処理装置100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ104bおよびコプロセッサ104cは、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ104dにロードし、プログラムを実行する。また情報処理装置100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ104bおよびコプロセッサ104cが、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、情報処理装置100の機能について詳細に説明する。
【0046】
図4は、情報処理装置の機能例を示すブロック図である。情報処理装置100のGPU104は、取得部110、画像生成部120および送信部130を有する。取得部110、画像生成部120および送信部130は、メモリ104dに記憶されたプログラムをプロセッサ104bおよびコプロセッサ104cが実行することで実現される。
【0047】
VRAM104aは、動画データ141およびカーソル情報142を記憶する。動画データ141は、動画を再生するためのデータである。動画データ141は、所定のフレーム間隔(例えば、24[Hz]のフレーム間隔)で表示される複数の画像を含む。動画データ141は、ストレージ装置103または光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体からプロセッサ101によって、VRAM104aに格納される。なお、VRAM104aは、動画データ141と同様の動画データを複数記憶していてもよい。
【0048】
カーソル情報142は、マウスカーソルを描画するための情報である。カーソル情報142は、マウスカーソルの画像(ビットマップ)を含む。また、カーソル情報142は、マウス33から送られてくる信号に基づいて、プロセッサ101によって更新されるマウスカーソルの位置を含む。ただし、一定時間マウス33が操作されないとマウスカーソルを消去する設定がされている場合に、一定時間マウス33が操作されないと、カーソル情報142からマウスカーソルの位置が削除される。なお、カーソル情報142は、第1の実施の形態に示した第2表示内容11bの一例である。
【0049】
取得部110は、VRAM104aから動画データ141およびカーソル情報142を取得する。取得部110は、一定時間おきに(例えば、モニタ31のリフレッシュレートの最大値の間隔である120[Hz]に対応する8.33[msec]おきに)、マウスカーソルのビットマップと位置情報とをVRAM104aから取得する。なお、モニタ31のリフレッシュレートの最大値の間隔は、第1の実施の形態に示した第2時間間隔の一例である。例えば、取得部110は、VRAM104aに記憶されているカーソル情報142に含まれるマウスカーソルのビットマップと位置情報とを取得する。
【0050】
また、取得部110は、前回取得してから動画データのフレーム間隔だけ経過した動画データがVRAM104aにある場合、当該動画データの次の画像とウインドウの位置とを取得する。なお、動画データは、第1の実施の形態に示した第1表示内容11aの一例である。また、動画データのフレーム間隔は、第1の実施の形態に示した第1時間間隔の一例である。
【0051】
例えば、取得部110は、動画データ141の画像を前回取得してから、24[Hz]に対応する41.66[msec]経過した場合、動画データ141の次の画像とウインドウの位置とを取得する。なお、取得部110は、VRAM104aに記憶された動画データが複数ある場合、それぞれの動画データについて、次の画像とウインドウの位置とを取得する。
【0052】
画像生成部120は、取得部110が取得したデータに基づいて、画像を生成する。画像生成部120は、取得部110がマウスカーソルの位置を取得すると、今回取得したマウスカーソルの位置(新しい位置)にマウスカーソルを描画し、前回取得したマウスカーソルの位置(元の位置)に、マウスカーソルの背景の画像を描画した画像を生成する。なお、新しい位置と元の位置とは、第1の実施の形態に示した第2領域3aの一例である。また、新しい位置にマウスカーソルを描画し元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像は、第1の実施の形態に示した第2画像3の一例である。また、画像生成部120は、取得部110が動画データの次の画像とウインドウの位置とを取得すると、取得したウインドウ位置に、取得した動画データの次の画像を描画した画像を生成する。なお、動画データの次の画像は、第1の実施の形態に示した第1画像2の一例である。また、ウインドウの位置は、第1の実施の形態に示した第1領域2aの一例である。
【0053】
そして、画像生成部120は、生成した画像の合成画像を生成し、合成画像の領域以外が変動しない設定(合成画像の領域以外を静止画とする設定)をする。例えば、画像生成部120は、新しい位置にマウスカーソルを描画し、元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像と、ウインドウ位置に動画データの次の画像を描画した画像とを合成した合成画像を生成する。そして、画像生成部120は、新しい位置と、元の位置と、ウインドウ位置とを除いた領域を静止画とする設定をする。
【0054】
なお、画像生成部120は、取得部110がマウスカーソルの位置を取得し、動画データの画像を取得しなかった場合、新しい位置にマウスカーソルを描画し、元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像を合成画像として生成する。そして、画像生成部120は、新しい位置と、元の位置とを除いた領域を静止画とする設定をする。また、画像生成部120は、取得部110が動画データの画像を取得し、マウスカーソルの位置を取得しなかった場合、ウインドウ位置に動画データの次の画像を描画した画像を合成画像として生成する。そして、画像生成部120は、ウインドウ位置を除いた領域を静止画とする設定をする。
【0055】
送信部130は、画像生成部120が生成した合成画像と、合成画像の領域以外を静止画とする設定とを、モニタ31に送信する。ここで、送信部130は、モニタ31のリフレッシュレートに応じた調整をする。例えば、送信部130は、フレーム間隔が24[Hz]の動画データ141のみをリフレッシュレートが30[Hz]~120[Hz]のモニタ31に送信する場合、フレーム間隔を整数倍(例えば、2倍)した48[Hz]で画像送信する。
【0056】
なお、図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、GPU104による画像生成について説明する。
【0057】
図5は、GPUによる画像生成の一例を示す図である。GPU104は、VRAM104aに格納された動画データ141およびカーソル情報142に基づいてモニタ31に送信する画像を生成する。以下では、GPU104が動画データ141に基づいて再生される24[Hz]のメディアとマウスカーソルとをモニタ31に表示させる場合を例に説明する。
【0058】
動画データ141は、24[Hz]のフレーム間隔で表示される複数の画像を含む。動画データ141は、ストレージ装置103または光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体からプロセッサ101によって、VRAM104aに格納される。カーソル情報142は、マウスカーソルのビットマップを含む。また、カーソル情報142は、マウス33から送られてくる信号に基づいて、プロセッサ101によって更新されるマウスカーソルの位置を含む。
【0059】
GPU104は、グラフ41に示されるタイミングで動画データ141の画像を生成し、生成した画像をモニタ31に送信する。グラフ41の横軸は、時刻を示す。また、グラフ41の棒の位置は、画像の生成および送信のタイミングを示す。グラフ41によれば、GPU104は、フレーム間隔である24[Hz]で(つまり、41.66[msec]おきに)、動画データ141の画像を生成し、生成した画像をモニタ31に送信する。
【0060】
動画データ141の画像の生成および送信では、まず、取得部110は、41.66[msec]おきに動画データ141の次の画像と、動画データ141を表示用のウインドウの位置をVRAM104aから取得する。画像生成部120は、ウインドウ位置に次の画像を描画した画像を生成する。画像生成部120は、表示画面のうち、ウインドウが表示される領域を除いた領域を静止画とする設定をする。そして、送信部130は、生成した画像をモニタ31に送信する。モニタ31は、取得した画像に基づいて表示画面を更新することで、再生されている動画データ141の次のコマの画像に更新できる。
【0061】
また、GPU104は、グラフ42に示されるタイミングでマウスカーソルを描画した画像を生成し、生成した画像をモニタ31に送信する。グラフ42の横軸は、時刻を示す。また、グラフ42の棒の位置は、画像の生成および送信のタイミングを示す。グラフ42によれば、GPU104は、モニタ31が適用可能なリフレッシュレートの最大値である120[Hz]で(つまり、8.33[msec]おきに)、マウスカーソルを描画した画像を生成し、生成した画像をモニタ31に送信する。
【0062】
マウスカーソルを描画した画像の生成および送信では、まず、取得部110は、8.33おきに、カーソル情報142に含まれるマウスカーソルのビットマップとマウスカーソルの位置とをVRAM104aから取得する。画像生成部120は、今回取得したマウスカーソルの位置にマウスカーソルを描画し、前回取得したマウスカーソルの位置に、マウスカーソルの背景の画像を描画した画像を生成する。画像生成部120は、表示画面のうち、今回取得したマウスカーソルの位置と前回取得したマウスカーソルの位置とを除いた領域を静止画とする設定をする。そして、送信部130は、生成した画像をモニタ31に送信する。モニタ31は、取得した画像に基づいて表示画面を更新することで、元の位置のマウスカーソルを削除し、新しい位置にマウスカーソルを表示することができる。
【0063】
グラフ43は、動画データ141の画像の生成および送信のタイミングと、マウスカーソルを描画した画像の生成および送信のタイミングとを示す。グラフ43の横軸は、時刻を示す。また、グラフ43の黒色の棒の位置は、動画データ141の画像の生成および送信のタイミングを示す。また、グラフ43の白色の棒の位置は、マウスカーソルを描画した画像の生成および送信のタイミングを示す。グラフ43は、41.66[msec]おきに動画データ141の画像の生成および送信のタイミングと、マウスカーソルを描画した画像の生成および送信のタイミングとが一致することを示す。
【0064】
動画データ141の画像の生成および送信のタイミングと、マウスカーソルを描画した画像の生成および送信のタイミングとが一致した場合、画像生成部120は、動画データ141の画像とマウスカーソルを描画した画像との合成画像を生成する。そして、画像生成部120は、合成画像の領域を除いた領域を静止画とする設定をする。なお、合成画像の領域を除いた領域は、第1の実施の形態に示した第1領域2aと第2領域3aとを除いた領域の一例である。送信部130は、生成した合成画像をモニタ31に送信する。モニタ31は、取得した合成画像に基づいて表示画面を更新することで、マウスカーソルの位置と動画データ141の画像とを更新することができる。次に、モニタ31の画面の更新について説明する。
【0065】
図6は、モニタの画面更新の一例を示す図である。画面51~56は、図5の例においてGPU104から取得した画像に基づいてモニタ31が表示する画面である。画面51~56は、動画データ141に基づいて再生される24(120/5)[Hz]のメディアとマウスカーソルと背景とを含む。
【0066】
画面51は、動画データ141の画像の生成および送信のタイミングと、マウスカーソルを描画した画像の生成および送信のタイミングとが一致した場合においてモニタ31が表示する画面である。モニタ31は、動画データ141の画像とマウスカーソルを描画した画像との合成画像および合成画像の領域を除いた領域を静止画とする設定に基づいて、メディア再生されているウインドウとマウスカーソルの位置とを更新した画面51を表示する。なお、画面51において、背景は更新されない。
【0067】
画面52は、画面51の表示から8.33[msec]後に、GPU104から取得した画像に基づいてモニタ31が表示する画面である。画面52は、画面51をNフレーム目の画面としたときのN+1フレーム目の画面である。モニタ31は、マウスカーソルを描画した画像および今回取得したマウスカーソルの位置と前回取得したマウスカーソルの位置とを除いた領域を静止画とする設定に基づいて、マウスカーソルの位置を更新した画面52を表示する。なお、画面52において、メディア再生されているウインドウおよび背景は更新されない。
【0068】
画面53は、画面52の表示から8.33[msec]後に、GPU104から取得した画像に基づいてモニタ31が表示する画面である。画面53は、N+2フレーム目の画面である。モニタ31は、マウスカーソルを描画した画像および今回取得したマウスカーソルの位置と前回取得したマウスカーソルの位置とを除いた領域を静止画とする設定に基づいて、マウスカーソルの位置を更新した画面53を表示する。なお、画面53において、メディア再生されているウインドウおよび背景は更新されない。
【0069】
画面54は、画面53の表示から8.33[msec]後に、モニタ31が表示する画面である。画面54は、N+3フレーム目の画面である。モニタ31は、マウスカーソルの画像および設定に基づいて、マウスカーソルの位置を更新した画面54を表示する。なお、画面54において、メディア再生されているウインドウおよび背景は更新されない。
【0070】
画面55は、画面54の表示から8.33[msec]後に、モニタ31が表示する画面である。画面55は、N+4フレーム目の画面である。モニタ31は、マウスカーソルの画像および設定に基づいて、マウスカーソルの位置を更新した画面55を表示する。なお、画面55において、メディア再生されているウインドウおよび背景は更新されない。
【0071】
画面56は、画面55の表示から8.33[msec]後に、モニタ31が表示する画面である。画面56は、N+5フレーム目の画面である。モニタ31は、動画データ141の画像とマウスカーソルを描画した画像との合成画像および合成画像の領域を除いた領域を静止画とする設定に基づいて、メディア再生されているウインドウとマウスカーソルの位置とを更新した画面56を表示する。なお、画面56において、背景は更新されない。
【0072】
このように、モニタ31は、8.33[msec]おきに(120[Hz]で)、マウスカーソルを移動させ、41.66[msec]おきに(24[Hz]で)、メディア再生されているウインドウを更新することができる。ここで、モニタ31が画面52~55を表示する際に、GPU104は、更新が不要なメディア再生されているウインドウの画像を送信しない。よって、情報処理装置100は、不要な画像送信を抑制しつつ、画面表示を適切にすることができる。情報処理装置100は、不要な画像送信を抑制することで、モニタ31が処理する画像サイズを小さくし、モニタ31の消費電力を抑制することができる。次に、画面更新時のモニタ31による処理について説明する。
【0073】
図7は、画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その1)である。パネルコントローラ31aは、GPU104から取得した画像に基づいて、バッファ31bに記憶されている表示画像61を更新し、更新した表示画像61をパネル31cに表示する。図7の例では、動画データ141に基づいて再生される24[Hz]のメディアとマウスカーソルとがモニタ31に表示される場合について説明する。
【0074】
パネルコントローラ31aは、動画データ141の次の画像およびウインドウが表示される領域を除いた領域を静止画とする設定をGPU104から24[Hz]で取得する。すると、パネルコントローラ31aは、表示画像61のウインドウが表示される領域を取得した動画データ141の次の画像に更新する。また、パネルコントローラ31aは、新しい位置にマウスカーソルを描画し、元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像およびマウスカーソルの新しい位置と元の位置とを除いた領域を静止画とする設定を、GPU104から120[Hz]で取得する。すると、パネルコントローラ31aは、表示画像61のマウスカーソルの新しい位置をマウスカーソルを描画した画像に更新し、マウスカーソルの元の位置をマウスカーソルの背景の画像を描画した画像に更新する。
【0075】
パネルコントローラ31aは、120[Hz]と24[Hz]との最小公倍数である120[Hz]で表示画像61をバッファ31bから取得し、取得した表示画像61をパネル31cに表示させる。これにより、パネル31cに表示されたメディア再生されているウインドウは、24[Hz]で更新される。また、パネル31cに表示されたマウスカーソルの位置は、120[Hz]で更新される。また、パネル31cに表示された背景は、更新されない。
【0076】
図8は、画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その2)である。図8の例では、動画データ141に基づいて再生される24[Hz]のメディアがモニタ31に表示される場合について説明する。なお、GPU104は、24[Hz]のメディアのみをリフレッシュレートが30[Hz]~120[Hz]のモニタ31に送信する場合、リフレッシュレートの範囲内となるよう画像の送信頻度を調節する。ここでは、GPU104は、動画データ141のフレーム間隔を整数倍(例えば、2倍)した48[Hz]で画像送信する。
【0077】
パネルコントローラ31aは、動画データ141の次の画像およびウインドウが表示される領域を除いた領域を静止画とする設定をGPU104から48[Hz]で取得する。すると、パネルコントローラ31aは、表示画像61のウインドウが表示される領域を取得した動画データ141の次の画像に更新する。パネルコントローラ31aは、48[Hz]で表示画像61をバッファ31bから取得し、取得した表示画像61をパネル31cに表示させる。これにより、パネル31cに表示されたメディア再生されているウインドウは、48[Hz]で更新される。また、パネル31cに表示された背景は、更新されない。
【0078】
図9は、画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その3)である。図9の例では、マウスカーソルがモニタ31に表示される場合について説明する。パネルコントローラ31aは、新しい位置にマウスカーソルを描画し、元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像およびマウスカーソルの新しい位置と元の位置とを除いた領域を静止画とする設定を、GPU104から120[Hz]で取得する。すると、パネルコントローラ31aは、表示画像61のマウスカーソルの新しい位置をマウスカーソルを描画した画像に更新し、マウスカーソルの元の位置をマウスカーソルの背景の画像を描画した画像に更新する。
【0079】
パネルコントローラ31aは、120[Hz]で表示画像61をバッファ31bから取得し、取得した表示画像61をパネル31cに表示させる。これにより、パネル31cに表示されたマウスカーソルの位置は、120[Hz]で更新される。また、パネル31cに表示された背景は、更新されない。
【0080】
図10は、画面更新時のモニタによる処理の一例を示す図(その4)である。図10の例では、メディアやマウスカーソルがモニタ31に表示されない(つまり、背景のみ表示される)場合について説明する。メディアやマウスカーソルがモニタ31に表示されない場合、GPU104は、モニタ31にデータ送信しない。
【0081】
パネルコントローラ31aは、GPU104からのデータ送信がない場合、モニタ31が適用可能なリフレッシュレートの最小値である30[Hz]で表示画像61をバッファ31bから取得し、取得した表示画像61をパネル31cに表示させる。これにより、パネル31cには、更新なしの背景が表示される。
【0082】
以下、情報処理装置100が実行する表示制御処理の手順について、詳細に説明する。 図11は、表示制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0083】
[ステップS11]取得部110は、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがあるか否かを判定する。例えば、取得部110は、VRAM104aに記憶されているカーソル情報142が、マウスカーソルの画像とマウスカーソルの位置とを含む場合、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがあると判定する。また、取得部110は、一定時間マウス33が操作されないとマウスカーソルを消去する設定によって、カーソル情報142からマウスカーソルの位置が削除されている場合、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがないと判定する。取得部110は、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがあると判定した場合、処理をステップS12に進める。また、取得部110は、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがないと判定した場合、処理をステップS14に進める。
【0084】
[ステップS12]取得部110は、マウスカーソルのビットマップと位置情報とをVRAM104aから取得する。例えば、取得部110は、VRAM104aに記憶されているカーソル情報142に含まれるマウスカーソルのビットマップと位置情報とを取得する。
【0085】
[ステップS13]画像生成部120は、今回(直近のステップS12で)取得したマウスカーソルの位置(新しい位置)にマウスカーソルを描画し、前回取得したマウスカーソルの位置(元の位置)に、マウスカーソルの背景の画像を描画した画像を生成する。
【0086】
[ステップS14]取得部110は、前回取得してからフレーム間隔だけ経過した動画データがVRAM104aにあるか否かを判定する。例えば、取得部110は、フレーム間隔が24[Hz]の動画データ141を前回取得してから、41.66[msec]経過した場合、前回取得してからフレーム間隔だけ経過した動画データがVRAM104aにあると判定する。取得部110は、前回取得してからフレーム間隔だけ経過した動画データがVRAM104aにあると判定した場合、処理をステップS15に進める。また、取得部110は、前回取得してからフレーム間隔だけ経過した動画データがVRAM104aにないと判定した場合、処理をステップS17に進める。
【0087】
[ステップS15]取得部110は、VRAM104aに記憶された動画データの次の画像とウインドウの位置とを取得する。なお、取得部110は、前回取得してからフレーム間隔だけ経過した動画データがVRAM104aに複数ある場合、それぞれの動画データについて、次の画像とウインドウの位置とを取得する。
【0088】
[ステップS16]画像生成部120は、ステップS15で取得したウインドウ位置に、ステップS15で取得した動画データの次の画像を描画した画像を生成する。そして、処理がステップS18に進む。
【0089】
[ステップS17]取得部110は、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがあるか否かを判定する。取得部110は、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがあると判定した場合、処理をステップS18に進める。また、取得部110は、VRAM104aにマウスカーソルのビットマップと位置情報とがないと判定した場合、処理をステップS21に進める。
【0090】
[ステップS18]画像生成部120は、ステップS13およびステップS16で生成した画像の合成画像を生成し、合成画像の領域以外を静止画とする設定をする。例えば、画像生成部120は、新しい位置にマウスカーソルを描画し、元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像と、ウインドウ位置に動画データの次の画像を描画した画像とを合成した合成画像を生成する。そして、画像生成部120は、新しい位置と、元の位置と、ウインドウ位置とを除いた領域を静止画とする設定をする。
【0091】
なお、画像生成部120は、ステップS13の画像生成を実行し、ステップS16の画像生成を実行しなかった場合、新しい位置にマウスカーソルを描画し、元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像を合成画像として生成する。そして、画像生成部120は、新しい位置と、元の位置とを除いた領域を静止画とする設定をする。また、画像生成部120は、ステップS16の画像生成を実行し、ステップS13の画像生成を実行しなかった場合、ウインドウ位置に動画データの次の画像を描画した画像を合成画像として生成する。そして、画像生成部120は、ウインドウ位置を除いた領域を静止画とする設定をする。
【0092】
[ステップS19]送信部130は、ステップS18で生成した合成画像と、合成画像の領域以外を静止画とする設定とを、モニタ31のパネルコントローラ31aに送信する。
【0093】
[ステップS20]送信部130は、モニタ31のリフレッシュレートに応じた調整をする。例えば、送信部130は、フレーム間隔が24[Hz]のメディアのみをリフレッシュレートが30[Hz]~120[Hz]のモニタ31に送信する場合、フレーム間隔を整数倍(例えば、2倍)した48[Hz]で画像送信する。つまり、送信部130は、フレーム間隔が24[Hz]のメディアのみをモニタ31に送信する場合、48[Hz]に対応する20.8[msec]経過後にステップS19で送信した合成画像と、合成画像の領域以外を静止画とする設定とを、モニタ31に送信する。なお、送信部130は、モニタ31に画像を送信する頻度がモニタ31のリフレッシュレートの範囲内の場合、ステップS20を実行しない。
【0094】
[ステップS21]取得部110は、一定時間待機する。例えば、取得部110は、モニタ31のリフレッシュレートの最大値である120[Hz]に対応する8.33[msec]待機する。そして、処理がステップS11に進む。
【0095】
このようにして、画像生成部120は、動画データのフレーム間隔で、当該動画データの次の画像をウインドウの位置に描画した画像を生成し、ウインドウの位置を除いた領域が変動しない設定をし、送信部130は、生成した画像をモニタ31に送信する。また、画像生成部120は、モニタ31のリフレッシュレートの最大値の間隔で、新しい位置にマウスカーソルを描画し元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像を生成し、新しい位置と元の位置とを除いた領域が変動しない設定をする。そして、送信部130は、生成した画像をモニタ31に送信する。
【0096】
これにより、情報処理装置100は、表示内容に応じた時間間隔でモニタ31に表示画像の更新内容を送信し、不要な画像送信を抑制できる。よって、情報処理装置100は、モニタ31が処理する画像サイズを小さくし、モニタ31の消費電力を抑制することができる。また、情報処理装置100は、表示内容に応じた時間間隔でモニタ31に画面を更新させることができる。このように、情報処理装置100は、モニタ31の画面表示を適切に制御することができる。
【0097】
また、画像生成部120は、動画データの次の画像を送信するタイミングと、マウスカーソルの画像を送信するタイミングとが一致した場合、動画データの次の画像とマウスカーソルの画像との合成画像を生成する。そして、画像生成部120は、合成画像の領域を除いた領域が変動しない設定をし、送信部130は、合成画像をモニタ31に送信する。これにより、情報処理装置100は、複数の表示内容の更新タイミングが一致した場合でも、適切にモニタ31に画面を更新させることができる。次に、情報処理装置100がモニタ31に複数のメディア再生のウインドウを表示する場合について説明する。
【0098】
図12は、ウインドウごとの更新タイミングの一例を示す図である。グラフ71は、情報処理装置100がウインドウX、ウインドウYおよびウインドウZそれぞれに対して実行する処理の時系列を示す。ウインドウXは、N/2[Hz]の動画データを再生するウインドウである。ウインドウYは、N[Hz]の動画データを再生するウインドウである。ウインドウZは、N/4[Hz]の動画データを再生するウインドウである。グラフ71の各ブロックは、1/N[sec]ごとに各ウインドウの位置に対して実行される処理を示す。
【0099】
画像生成部120は、ウインドウXの位置に次の画像を描画した画像を生成(ウインドウXを更新)した1/N[sec]後、ウインドウXの次の画像を取得してからウインドウXのフレーム間隔だけ経過していないため、ウインドウXを更新しない。つまり、画像生成部120は、ウインドウXの位置を静止画とする設定をする。よって、画像生成部120は、1/N[sec]ごとにウインドウXの更新と静止画とする設定とを交互に実行する。
【0100】
画像生成部120は、ウインドウYを更新した1/N[sec]後、ウインドウYの次の画像を取得してからウインドウYのフレーム間隔だけ経過しているため、ウインドウYを更新する。つまり、画像生成部120は、1/N[sec]ごとにウインドウYの更新を実行する。
【0101】
画像生成部120は、ウインドウZを更新した後、3/N[sec]の間、ウインドウZの次の画像を取得してからウインドウZのフレーム間隔だけ経過していないため、ウインドウZを更新しない。つまり、画像生成部120は、ウインドウZを更新した後、3/N[sec]の間、1/N[sec]ごとにウインドウZの位置を静止画とする設定をする。
【0102】
このように、画像生成部120は、フレーム間隔が経過したウインドウを更新し、フレーム間隔が経過していないウインドウを静止画とする設定をする。これにより、画像生成部120は、変動しない領域の画像をモニタ31に送信することを抑制できる。次に、表示内容に応じた画面表示処理の流れについて説明する。
【0103】
図13は、表示内容ごとの画面表示処理の流れの一例を示す図である。図13の例では、表示内容A~Dの組み合わせを画面表示する場合のGPU104およびモニタ31の処理について説明する。表示内容Aは、フレーム間隔が24[Hz]のウインドウスクリーンのメディアである。表示内容Bは、マウスカーソルである。表示内容Cは、背景である。表示内容Dは、フレーム間隔が30[Hz]のフルスクリーンのメディアである。
【0104】
表示内容A,Cを表示する場合、GPU104は、モニタ31のリフレッシュレートに応じて調整した48[Hz]で、モニタ31に画像送信し、モニタ31は、48[Hz]で表示画像61を表示する。ここで、GPU104は、ウインドウスクリーンのメディアのウインドウ位置を除いた領域を静止画とする設定をする。つまり、GPU104は、背景を静止画とする設定をする。このように、GPU104は、背景に重ねて動画データ表示用のウインドウが表示される場合、表示画像61のうち背景が変動しない設定をして、ウインドウに表示させる次の画像をモニタ31に送信する。これにより、情報処理装置100は、変動する画像についてのみモニタ31に送信するため、不要な画像送信を抑制できる。また、情報処理装置100は、メディアのフレーム間隔に合わせて低いリフレッシュレートで画面表示させることができ、モニタ31の消費電力を低減できる。
【0105】
また、表示内容A,B,Cを表示する場合、表示内容B,Cを表示する場合または表示内容B,Dを表示する場合、GPU104は、メディアのフレーム間隔とモニタ31のリフレッシュレートの最大値との最小公倍数である120[Hz]で画像送信する。そして、モニタ31は、120[Hz]で表示画像61を表示する。ここで、GPU104は、マウスカーソルの位置を120[Hz]で更新し、メディアについてはフレーム間隔で更新する。これにより、情報処理装置100は、マウスカーソルが滑らかに動くように表示しつつ、不要な画像送信を抑制できる。
【0106】
また、表示内容Cを表示する場合、背景は変動しないため、GPU104は、モニタ31にデータ送信せず、モニタ31は、30[Hz]で表示画像61を表示する。これにより、情報処理装置100は、画面が変動しない場合、モニタ31が適用可能なリフレッシュレートの最小値で画面表示させることができ、モニタ31の消費電力を低減できる。
【0107】
また、表示内容Dを表示する場合、GPU104は、30[Hz]でモニタ31に画像送信し、モニタ31は、30[Hz]で表示画像61を表示する。これにより、情報処理装置100は、メディアのフレーム間隔に合わせて低いリフレッシュレートで画面表示させることができ、モニタ31の消費電力を低減できる。
【0108】
第2の実施の形態によれば、情報処理装置100は、動画データのフレーム間隔で、動画データに基づいて表示される動画データの次の画像を生成する。情報処理装置100は、モニタ31に表示される表示画像61のうち動画データ表示用のウインドウの位置を除いた領域が変動しない設定をして、ウインドウの位置に表示させる動画データの次の画像をモニタ31に送信する。情報処理装置100は、モニタ31のリフレッシュレートの最大値の間隔で、カーソル情報142に基づいて表示される、新しい位置にマウスカーソルを描画し元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像を生成する。情報処理装置100は、表示画像61のうちマウスカーソル表示用の新しい位置と元の位置とを除いた領域が変動しない設定をして、新しい位置にマウスカーソルを描画し元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像をモニタ31に送信する。これにより、情報処理装置100は、モニタ31の画面表示を適切にすることができる。また、情報処理装置100は、動画データの再生およびカーソルの動きを適切に画面表示させることができる。
【0109】
また、情報処理装置100は、動画データの次の画像を送信するタイミングと、新しい位置にマウスカーソルを描画し元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像を送信するタイミングとが一致した場合、動画データの次の画像と新しい位置にマウスカーソルを描画し元の位置にマウスカーソルの背景の画像を描画した画像との合成画像を生成する。そして、情報処理装置100は、表示画像61のうち合成画像の領域を除いた領域が変動しない設定をして合成画像をモニタ31に送信する。これにより、情報処理装置100は、複数の表示内容の更新タイミングが一致した場合でも、適切にモニタ31に画面を更新させることができる。
【0110】
また、情報処理装置100は、動画データのフレーム間隔に基づく時間間隔で、動画データの次画像を生成し、背景に重ねて動画データ表示用のウインドウが表示される表示画像61のうち背景が変動しない設定をして、ウインドウに表示させる次画像を、表示画像61を表示するモニタ31に送信する。これにより、情報処理装置100は、不要な画像送信を抑制できる。
【0111】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 表示装置
2 第1画像
2a 第1領域
3 第2画像
3a 第2領域
10 情報処理装置
11 記憶部
11a 第1表示内容
11b 第2表示内容
12 処理部
図1
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