(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020024
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ステアリングサポート
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
B62D25/08 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122875
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 優太
(72)【発明者】
【氏名】薮押 正人
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203BB37
3D203BB54
3D203CA04
3D203CA05
3D203CA07
3D203CA56
3D203CA75
3D203DA13
(57)【要約】
【課題】ステアリングサポートの剛性を向上させ、ステアリングの操舵感を向上させる技術を提供する。
【解決手段】ステアリングサポートが備える、前方ステアリング結合部、後方ステアリング結合部、第1ボディ結合部、第2ボディ結合部、第3ボディ結合部、第1壁部及び第2壁部は、一体成型される。前方ステアリング結合部及び後方ステアリング結合部は、ステアリングに結合する部位である。車両の前後方向の前方端部に位置する第1ボディ結合部、車幅方向の第1端部に位置する第2ボディ結合部、及び、車幅方向の第2端部に位置する第3ボディ結合部は、車両のボディに結合する部位である。第1壁部は、後方ステアリング結合部及び第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の部位である。第2壁部は、前方ステアリング結合部及び第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の部位である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向に延びた状態で車両に搭載され、前記車両のステアリングを支持するステアリングサポートであって、
前記ステアリングに結合する部位である前方ステアリング結合部と、
前記前方ステアリング結合部よりも後方に設けられ、前記ステアリングに結合する部位である後方ステアリング結合部と、
前記車両の前後方向の前方端部に位置し、前記車両のボディに結合する部位である第1ボディ結合部と、
前記車幅方向の第1端部に位置し、前記車両のボディに結合する部位である第2ボディ結合部と、
前記車幅方向の第2端部に位置し、前記車両のボディに結合する部位である第3ボディ結合部と、
前記後方ステアリング結合部及び前記第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第1壁部と、
前記前方ステアリング結合部及び前記第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第2壁部と、
を備え、
前記前方ステアリング結合部、前記後方ステアリング結合部、前記第1ボディ結合部、前記第2ボディ結合部、前記第3ボディ結合部、前記第1壁部及び前記第2壁部は、一体成型される、ステアリングサポート。
【請求項2】
請求項1に記載のステアリングサポートであって、
前記一体成型は、ダイカストによるものである、ステアリングサポート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のステアリングサポートであって、
前記後方ステアリング結合部及び前記第1ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第3壁部と、
前記前方ステアリング結合部及び前記第1ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第4壁部と、を更に備え、
前記第3壁部及び前記第4壁部は、前記前方ステアリング結合部、前記後方ステアリング結合部、前記第1ボディ結合部、前記第2ボディ結合部、前記第3ボディ結合部、前記第1壁部及び前記第2壁部と前記一体成型される、ステアリングサポート。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のステアリングサポートであって、
前記第1ボディ結合部と前記第2ボディ結合部との間に位置し、前記第2壁部から延び出す略平面状のリブを更に備え、
前記リブは、前記前方ステアリング結合部、前記後方ステアリング結合部、前記第1ボディ結合部、前記第2ボディ結合部、前記第3ボディ結合部、前記第1壁部及び前記第2壁部と前記一体成型される、ステアリングサポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のステアリングを支持するように構成されたステアリングサポートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本体部を構成する上本体部材及び下本体部材と、本体部の中央から前方に突出する突出部といった複数の部材を接合することで製造されるステアリングサポートが開示されている。ステアリングサポートは、ステアリングを支持する部材であり、ブラケット等を介して車両のボディに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステアリングから入力された荷重は、ステアリングサポートを介して車両のボディに伝達されるが、荷重の伝達時に、ステアリングサポートにおける部材同士の接合箇所に応力が集中する恐れがある。これに対し、特許文献1のステアリングサポートでは、複数の部材の接合箇所が多数存在する。このため、これらの接合箇所に応力が集中し、ステアリングサポートの剛性が低下する恐れがある。また、ステアリングサポートの剛性の低下に伴い、ステアリングの操舵感が悪化する恐れがある。
【0005】
本開示の一局面は、ステアリングサポートの剛性を向上させ、ステアリングの操舵感を向上させる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車幅方向に延びた状態で車両に搭載され、車両のステアリングを支持するステアリングサポートであって、前方ステアリング結合部と、後方ステアリング結合部と、第1ボディ結合部と、第2ボディ結合部と、第3ボディ結合部と、第1壁部と、第2壁部と、を備える。前方ステアリング結合部は、ステアリングに結合する部位である。後方ステアリング結合部は、前方ステアリング結合部よりも後方に設けられ、ステアリングに結合する部位である。第1ボディ結合部は、車両の前後方向の前方端部に位置し、車両のボディに結合する部位である。第2ボディ結合部は、車幅方向の第1端部に位置し、車両のボディに結合する部位である。第3ボディ結合部は、車幅方向の第2端部に位置し、車両のボディに結合する部位である。第1壁部は、後方ステアリング結合部及び第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の部位である。第2壁部は、前方ステアリング結合部及び第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の部位である。前方ステアリング結合部、後方ステアリング結合部、第1ボディ結合部、第2ボディ結合部、第3ボディ結合部、第1壁部及び第2壁部は、一体成型される。
【0007】
このような構成では、各結合部が一体成型される。また、前方ステアリング結合部及び後方ステアリング結合部と第2ボディ結合部とが、略平面状の第1壁部及び第2壁部によって繋がる。このため、前方ステアリング結合部及び後方ステアリング結合部から第2ボディ結合部へステアリングから入力された荷重が伝達されるときに、応力が特定箇所に集中しにくくなる。その結果、ステアリングサポートの剛性を向上させ、ステアリングの操舵感を向上させることができる。
【0008】
本開示の一態様では、一体成型は、ダイカストによるものであってもよい。このような構成では、前方ステアリング結合部及び後方ステアリング結合部から第2ボディ結合部へステアリングから入力された荷重が伝達されるときに、応力が特定箇所に集中しにくくなる。その結果、ステアリングサポートの剛性を向上させ、ステアリングの操舵感を向上させることができる。
【0009】
本開示の一態様は、第3壁部と、第4壁部と、を更に備えてもよい。第3壁部は、後方ステアリング結合部及び第1ボディ結合部を繋ぐ略平面状の部位である。第4壁部は、前方ステアリング結合部及び第1ボディ結合部を繋ぐ略平面状の部位である。第3壁部及び第4壁部は、前方ステアリング結合部、後方ステアリング結合部、第1ボディ結合部、第2ボディ結合部、第3ボディ結合部、第1壁部及び第2壁部と一体成型されてもよい。このような構成では、前方ステアリング結合部及び後方ステアリング結合部と第1ボディ結合部とが、略平面状の第3壁部及び第4壁部によって繋がる。このため、前方ステアリング結合部及び後方ステアリング結合部から第1ボディ結合部へステアリングから入力された荷重が伝達されるときにも、応力が特定箇所に集中しにくくなる。その結果、ステアリングサポートの剛性を更に向上させることができる。
【0010】
本開示の一態様は、リブを更に備えてもよい。リブは、第1ボディ結合部と第2ボディ結合部との間に位置し、第2壁部から延び出す略平面状の部位である。リブは、前方ステアリング結合部、後方ステアリング結合部、第1ボディ結合部、第2ボディ結合部、第3ボディ結合部、第1壁部及び第2壁部と一体成型されてもよい。このような構成では、第1ボディ結合部と第2ボディ結合部との間に略平面状のリブが設けられる。このため、ステアリングから入力された荷重が伝達されて第1ボディ結合部及び第2ボディ結合部にそれぞれ生じる応力を、当該第1ボディ結合部と当該第2ボディ結合部との間において分散させ、1つのボディ結合部に応力が集中することを抑制することができる。その結果、ステアリングサポートの剛性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】後方から見たステアリングサポートの斜視図である。
【
図2】前方から見たステアリングサポートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.全体の構成]
図1~
図8に示すステアリングサポート1は、車幅方向(換言すれば、車両における左右方向)に延びた状態で車両に搭載され、車両のステアリング100を支持するための装置である。以下の説明では、車両における前、後、右、左を、単に前、後、右、左と記載する。
【0013】
ステアリングサポート1は、例えばアルミ、マグネシウム、樹脂等から形成される。本実施形態では、ステアリングサポート1は、ダイカストによって一体成形される。ダイカストによる一体成形を用いることで、複数の部材を溶接等によって接合する場合と比較して、接合箇所が少ないステアリングサポート1が成型される。なお、ステアリングサポート1の詳細な構成については後述する。
【0014】
本実施形態のステアリングサポート1は、運転席が左側に設けられた車両用であり、運転席の前方に配置される。ステアリングサポート1の前方端部は、車両の運転席の前方に設けられる車両のボディに固定される。また、ステアリングサポート1の左方端部は、
図1及び
図3に示す運転席側ピラー201に固定される。運転席側ピラー201とは、運転席側のドア付近に設けられる車両のボディを構成する部材である。また、ステアリングサポート1の右方端部は、ステアリングメンバ202の左方端部に固定される。ステアリングメンバ202とは、車両のボディの一部を構成するパイプ状の部材であり、左右方向に直線状に延びた状態で車両の助手席の前方に配置される。なお、ステアリングメンバの中心軸と垂直な断面形状は、円形状に限らず、例えば、角形状であってもよい。
【0015】
ステアリングメンバ202の右方端部は、
図1に示すブラケット203を介して車両のボディ(一例として、図示しない助手席側ピラー)に固定される。また、ステアリングメンバ202の左方端部は、ステアリングサポート1に固定される。すなわち、ステアリングメンバ202は、ステアリングサポート1と助手席側ピラーと繋げるためのものであり、ブラケット203は、ステアリングメンバ202を助手席側ピラーに固定するためのものである。本実施形態では、ステアリングメンバ202は、ステアリングサポート1の右方端部に固定される。しかし、ステアリングメンバ202の左方端部は、例えば、ステアリングサポート1における左右方向の中央部分や、ステアリングサポート1における左側の部分に固定されてもよい。
【0016】
図7及び
図8に示すように、ステアリングサポート1は、ステアリング100におけるステアリングコラム101を上側から支持する。ステアリングコラム101とは、ハンドル102に対する回転操作をステアリング機構に伝達するステアリングシャフト103の外周面を囲む部位である。
【0017】
[2.ステアリングサポートの構成]
図1~
図8に示すように、ステアリングサポート1は、本体部10と、突出部20と、前方ステアリング結合部30と、後方ステアリング結合部40と、第1ボディ結合部50と、第2ボディ結合部60と、第3ボディ結合部70と、フロアブレース結合部80と、を備える。
【0018】
上述したように、ステアリングサポート1は、ダイカストによって一体成形される。すなわち、本体部10、突出部20、前方ステアリング結合部30、後方ステアリング結合部40、第1ボディ結合部50、第2ボディ結合部60、第3ボディ結合部70及びフロアブレース結合部80は、ダイカストによって一体成型される。
【0019】
[2-1.本体部]
図1及び
図3に示すように、本体部10は、ステアリングサポート1の上面視において、平行四辺形状に形成される。本体部10は、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長くなるような向きで、運転席の前方に配置される。
図2に示すように、本体部10は、1つの面が開口する箱状の構成を有する。本実施形態では、本体部10における底面が開口している。なお、本体部において上面が開口するように構成されていてもよい。
【0020】
図1から
図8に示すように、本体部10は、左後壁部11と、左前壁部12と、本体上壁部13と、右後壁部15と、右前壁部16と、左連結壁17と、右連結壁18と、左リブ121と、右リブ161と、補強部材19と、を備える。
【0021】
本体上壁部13は、本体部10の上面を構成する板状の部位である。本体上壁部13は、左右方向及び前後方向に広がり、略平面状である。本実施形態において、略平面状の面には、平らな面と、僅かな湾曲又は僅かな屈曲を有する完全に平らでない面と、が含まれる。本体上壁部13は、前方部131と、前方部131よりも後方側に位置する後方部132と、を有する。後方部132は、前方部131から後下方に緩やかな傾斜を有して延び出すように、前方部131の左右方向における中央部分に設けられる。換言すると、本体上壁部13は、屈曲部を有し、後方部132が前方部131に対して僅かに折れ曲がるように設けられる。なお、本体上壁部は、前方部及び後方部が同一平面状に延びる形状であってもよい。
【0022】
左後壁部11は、本体部10の左後方に位置する側面を構成する板状の部位である。左後壁部11は、左右方向及び上下方向に広がり、略平面状である。左後壁部11は、本体上壁部13の前方部131に対し、下方に略垂直に延びるように設けられる。
図5に示すように、左後壁部11は、略三角形状に形成される。左後壁部11は、当該左後壁部11の左方端部における上下方向の長さが、当該左後壁部11の右方端部における上下方向の長さよりも長い。左後壁部11の右方端部は、本体上壁部13の後方部132と繋がる。
【0023】
左前壁部12は、本体部10の左前方に位置する側面を構成する板状の部位である。左前壁部12は、左右方向及び上下方向に広がり、略平面状である。左前壁部12は、本体上壁部13の前方部131の前方端部から、下方に略垂直に延びるように設けられる。
図6に示すように、左前壁部12は、上下方向の長さよりも左右方向の長さが長く、上下方向の長さが一定でない形状を有する。なお、左前壁部の上下方向の長さは、一定であってもよい。左前壁部12は、左後壁部11の前方に位置し、左後壁部11と対向するように配置される。左後壁部11及び左前壁部12は、当該左後壁部11及び当該左前壁部12の間隔が、左方に向かって徐々に狭くなるように配置され、互いの左方端部において、本体上壁部13の前方部131を介して繋がる。
【0024】
右後壁部15は、本体部10の右後方に位置する側面を構成する板状の部位である。右後壁部15は、左右方向及び上下方向に広がり、略平面状である。右後壁部15は、本体上壁部13に対し、下方に略垂直に延びるように設けられる。
図5に示すように、右後壁部15は、上下方向の長さよりも左右方向の長さが長く、上下方向の長さが一定でない形状を有する。なお、右後壁部の上下方向の長さは、一定であってもよい。右後壁部15は、左後壁部11の右方に位置する。左後壁部11と右後壁部15との間には、本体上壁部13の後方部132が位置する。右後壁部15の左方端部は、本体上壁部13の後方部132と繋がる。
【0025】
右前壁部16は、本体部10の右前方に位置する側面を構成する板状の部位である。右前壁部16は、左右方向及び上下方向に広がり、略平面状である。右前壁部16は、本体上壁部13の前方部131の前方端部から、下方に略垂直に延びるように設けられる。
図6に示すように、右前壁部16は、上下方向の長さよりも左右方向の長さが長く、上下方向の長さが一定でない形状を有する。なお、右前壁部の上下方向の長さは、一定であってもよい。右前壁部16は、左前壁部12の右方に位置する。左前壁部12と右前壁部16との間には、後述する突出部20が位置する。また、右前壁部16は、右後壁部15の前方に位置し、右後壁部15と対向するように配置される。右後壁部15及び右前壁部16は、当該右後壁部15及び当該右前壁部16の間隔が、右方に向かって徐々に狭くなるように配置され、互いの右方端部において、本体上壁部13の前方部131を介して繋がる。
【0026】
図1、
図3及び
図5に示すように、左連結壁17は、左後壁部11と、本体上壁部13の前方部131と、本体上壁部13の後方部132と、を繋ぐ板状の部位である。
右連結壁18は、右後壁部15と、本体上壁部13の前方部131と、本体上壁部13の後方部132と、を繋ぐ板状の部位である。
【0027】
左リブ121は、本体上壁部13の前方部131のうち、後述する突出部20よりも左側に位置する部分における前方部131の前方端部から前方に延び出す板状の部位である。左リブ121は、前方部131と同一平面上に配置されるように前方部131と連続して設けられる。換言すると、左リブ121は、左前壁部12に対して略垂直に前方に延び出す部位である。なお、左リブは、前方部131と同一平面上に配置されるものに限られず、例えば、左前壁部12上に設けられていてもよい。
図4に示すように、左リブ121は、左右方向及び前後方向に広がり、略平面状である。左リブ121は、ステアリングサポート1の下面視において、略三角形状を有する。左リブ121は、当該左リブ121の右方端部の前後方向の長さが、当該左リブ121の左方端部の前後方向の長さよりも長い。左リブ121の右方端部は、後述する突出部20に繋がる。なお、左リブ121の右方端部は、後述する突出部20の先端部により近い位置まで延び出すように前後方向の広がりが大きく形成されることが好ましい。
【0028】
右リブ161は、本体上壁部13の前方部131のうち、後述する突出部20よりも右側に位置する部分における前方部131の前方端部から前方に延び出す板状の部位である。右リブ161は、前方部131と同一平面上に配置されるように前方部131と連続して設けられる。換言すると、右リブ161は、右前壁部16に対して略垂直に前方に延び出す部位である。なお、右リブは、前方部131と同一平面上に配置されるものに限られず、例えば、右前壁部16上に設けられていてもよい。右リブ161は、左右方向及び前後方向に広がり、略平面状である。右リブ161は、ステアリングサポート1の下面視において、略三角形状を有する。右リブ161は、当該右リブ161の左方端部の前後方向の長さが、当該右リブ161の右方端部の前後方向の長さよりも長い。右リブ161の左方端部は、後述する突出部20に繋がる。なお、右リブ161の左方端部も左リブ121の右方端部同様に、後述する突出部20の先端部により近い位置まで延び出すように前後方向の広がりが大きく形成されることが好ましい。
【0029】
補強部材19は、左後壁部11、左前壁部12、本体上壁部13、右後壁部15及び右前壁部16により囲われて形成される内部空間内に配置される板状の部位である。補強部材19は、本体上壁部13から下方に略垂直に延びるように設けられる。補強部材19は、左右方向に延びる第1補強部191と、前後方向に延び、互いに間隔を空けて左右方向に並ぶ複数の第2補強部192と、を有する。複数の第2補強部192は、第1補強部191と交差するように配置される。本実施形態では、複数の第2補強部192は、隣合う2つの第2補強部192が互いに平行とならないように配置される。具体的には、隣合う2つの第2補強部192は、第1補強部191に対する傾く向きが異なる。なお、複数の第2補強部は、隣合う2つの第2補強部が互いに平行に配置されていてもよい。また、補強部材は、第1補強部及び第2補強部のいずれか一方により構成されていてもよいし、他の補強部を有してもよい。複数の第2補強部192のうち、
図4に示す2つの第2補強部192a,192bは、後述する前方ステアリング結合部30と後方ステアリング結合部40とを結ぶ略直線状の線上に沿って配置される。
【0030】
[2-2.突出部]
突出部20は、本体部10の前方かつ左右方向の中央部分に位置し、本体部10から前方に突出する部位である。具体的には、突出部20は、左前壁部12及び右前壁部16の間に位置する。突出部20の先端は、車両の運転席の前方に設けられる車両のボディに固定される。
図1、
図2及び
図3に示すように、突出部20は、左壁部14aと、右壁部14bと、突出上壁部14cと、前壁部14dと、を有する。
【0031】
左壁部14a及び右壁部14bは、突出部20の左右に位置する側面を構成する板状の部位である。左壁部14a及び右壁部14bは、それぞれ前後方向及び上下方向に広がり、略平面状である。左壁部14a及び右壁部14bは、左右方向に間隔を空けて互いに対向するように配置される。左壁部14a及び右壁部14bは、当該左壁部14a及び右壁部14bの間隔が、前方に向かって徐々に狭くなるように配置される。左側に位置する左壁部14aは、左前壁部12の右方端部に繋がる。右側に位置する右壁部14bは、右前壁部16の左方端部に繋がる。
【0032】
突出上壁部14cは、本体上壁部13の前方部131の中央部分から前方に延び出し、突出部20の上面を構成する板状の部位である。突出上壁部14cは、前方部131と同一平面上に配置されるように前方部131と連続して設けられる。突出上壁部14cは、前後方向及び左右方向に広がり、略平面状である。突出上壁部14cは、左壁部14a及び右壁部14bの間に位置し、左壁部14a及び右壁部14bを繋げる。
【0033】
前壁部14dは、突出上壁部14cの前方端部から下方に屈曲するように延び出し、突出部20の前方に位置する側壁を構成する板状の部位である。前壁部14dは、左右方向及び上下方向に広がり、略平面状である。前壁部14dは、左壁部14a及び右壁部14bの間に位置し、左壁部14a、右壁部14b及び突出上壁部14cを繋げる。
【0034】
なお、左壁部14a、右壁部14b及び突出上壁部14cには、各壁部14a,14b,14cを貫通する孔がそれぞれ中央部分に設けられている。当該孔が設けられることによって、車両が前方から衝撃を受けた際に、突出部20が折れやすくなるため、当該衝撃を吸収することができる。
【0035】
[2-3.ステアリングサポートにおけるステアリングとの結合部]
ステアリングサポート1は、上述したように、ステアリングコラム101を上方から支持することで、ステアリング100の支持を実現する。具体的には、ステアリングサポート1の前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40が、ステアリングコラム101と結合する。
【0036】
<前方ステアリング結合部>
図2、
図7及び
図8に示すように、前方ステアリング結合部30は、突出部20に設けられる。本実施形態では、前方ステアリング結合部30は、左壁部14aを左右方向に貫通する第1貫通孔141aと、右壁部14bを左右方向に貫通する第1貫通孔141bと、を有する。第1貫通孔141aは、左壁部14aにおける下方端部の後方に設けられ、第1貫通孔141bは、右壁部14bにおける下方端部の後方に設けられる。すなわち、前方ステアリング結合部30は、左前壁部12の右方端部の近傍、及び、右前壁部16の左方端部の近傍に設けられる。
【0037】
ステアリングコラム101の前方端部には、ステアリングコラム101の右側の壁及び左側の壁に1つずつ配置され、当該右側の壁及び当該左側の側壁をそれぞれ左右方向に貫通し、ボルトのネジ部が挿入可能な図示しない2つのボルト孔が設けられている。左壁部14aと右壁部14bとの間にステアリングコラム101が配置された状態において、2つの第1貫通孔141a,141bと、ステアリングコラム101の左右2つのボルト孔と、にボルトのネジ部が挿入される。これにより、ステアリング100が突出部20に締結される。
【0038】
<後方ステアリング結合部>
後方ステアリング結合部40は、前方ステアリング結合部30よりも後方に設けられる。具体的には、
図1、
図3及び
図5に示すように、後方ステアリング結合部40は、本体部10に設けられる。本実施形態では、後方ステアリング結合部40は、左連結壁17を上下方向に貫通する
図2に示す第2貫通孔171と、右連結壁18を上下方向に貫通する
図2に示す第2貫通孔181と、を有する。第2貫通孔171は、左連結壁17における本体上壁部13の後方部132と左後壁部11の右方端部との間に設けられ、第2貫通孔181は、右連結壁18における本体上壁部13の後方部132と右後壁部15の左方端部との間に設けられる。すなわち、後方ステアリング結合部40は、左後壁部11の右方端部の近傍、及び、右後壁部15の左方端部の近傍に設けられる。
【0039】
図7及び
図8に示すように、ステアリングコラム101の後方端部の上方には、左右方向に広がる取付部104が設けられる。取付部104には、左右方向に間隔を空けて2つ並び、それぞれ当該取付部104を上下方向に貫通し、ボルトのネジ部が挿入可能な図示しない2つのボルト孔が設けられている。取付部104の2つのボルト孔の間に本体上壁部13の後方部132が位置するように、ステアリングコラム101の上方に本体部10が配置された状態において、2つの第2貫通孔171,181と、取付部104の2つのボルト孔と、にボルトのネジ部が挿入される。これにより、ステアリング100が本体部10に締結される。
【0040】
[2-4.ステアリングサポートにおける車両のボディとの結合部]
上述したように、ステアリングサポート1の前方端部が車両の運転席の前方に設けられる車両のボディに固定され、ステアリングサポート1の左方端部が運転席側ピラー201に固定され、ステアリングサポート1の右方端部がステアリングメンバ202の左方端部に固定される。具体的には、第1ボディ結合部50が車両の運転席の前方に設けられる車両のボディに結合し、第2ボディ結合部60が運転席側ピラー201に結合し、第3ボディ結合部70がステアリングメンバ202に結合する。
【0041】
<第1ボディ結合部>
図1~
図8に示すように、第1ボディ結合部50は、ステアリングサポート1の前方端部に位置する。具体的には、第1ボディ結合部50は、ステアリングサポート1の突出部20における前壁部14dに設けられる。本実施形態では、第1ボディ結合部50は、前壁部14dを前後方向に貫通する
図2及び
図3に示す第3貫通孔141dを有する。
第3貫通孔141dにボルトのネジ部が挿入されることで、ステアリングサポート1が車両の運転席の前方に設けられる車両のボディに締結される。
【0042】
<第2ボディ結合部>
第2ボディ結合部60は、ステアリングサポート1における本体部10の左方端部に位置する。第2ボディ結合部60は、左後壁部11の左方端部、左前壁部12の左方端部及び本体上壁部13の左方端部を繋ぐ部位である。本実施形態では、第2ボディ結合部60は、当該第2ボディ結合部60を前後方向に貫通する
図1及び
図2に示す少なくとも1つ(一例として2つ)の第4貫通孔611を有する。
少なくとも1つの第4貫通孔611にボルトのネジ部が挿入されることで、ステアリングサポート1が運転席側ピラー201に締結される。
【0043】
<第3ボディ結合部>
第3ボディ結合部70は、ステアリングサポート1における本体部10の右方端部に位置する。第3ボディ結合部70は、右後壁部15の右方端部、右前壁部16の左方端部及び本体上壁部13の左方端部を繋ぐ部位である。本実施形態では、第3ボディ結合部70は、
図8に示す開口部711を有する。
開口部711にステアリングメンバ202の左方端部が挿入され、
図1及び
図2に示す8つのボルト712によって固定されることで、ステアリングサポート1がステアリングメンバ202に締結される。なお、第3ボディ結合部70とステアリングメンバ202との固定方法は、例えば、圧入、溶接等によるものであってもよい。
【0044】
[2-5.フロアブレース結合部]
フロアブレース結合部80は、本体部10における後方ステアリング結合部40の近傍に設けられる。具体的には、
図1、
図3及び
図4に示すように、フロアブレース結合部80は、右連結壁18における本体上壁部13の後方部132と右後壁部15の左方端部の間であって、第2貫通孔181よりも右方に設けられる。なお、フロアブレース結合部は、例えば、右後壁部15上又は右連結壁18上における後方ステアリング結合部40の近傍でない位置に設けられていてもよい。フロアブレース結合部80には、フロアブレース300の上方端部がボルト等によって固定される。フロアブレース300とは、車両のボディにおけるステアリングサポート1の下側に位置する部分から上側に延びる部材である。
【0045】
[2-6.各ステアリング結合部及び各ボディ結合部間を繋ぐ伝達経路]
上述した左後壁部11は、後方ステアリング結合部40及び第2ボディ結合部60を繋ぐ略直線状の伝達経路を形成する。伝達経路とは、ステアリング100から入力された荷重が伝達する経路である。本実施形態では、後方ステアリング結合部40が左後壁部11の右方端部の近傍に位置し、第2ボディ結合部60が左後壁部11の左方端部に設けられることによって、後方ステアリング結合部40及び第2ボディ結合部60が左後壁部11によって繋がれる。
【0046】
左前壁部12は、前方ステアリング結合部30及び第2ボディ結合部60を繋ぐ略直線状の伝達経路を形成する。本実施形態では、前方ステアリング結合部30が左前壁部12の右方端部の近傍に位置し、第2ボディ結合部60が左後壁部11の左方端部に設けられることによって、前方ステアリング結合部30及び第2ボディ結合部60が左前壁部12によって繋がれる。
【0047】
本体上壁部13及び突出上壁部14cは、後方ステアリング結合部40及び第1ボディ結合部50を繋ぐ略直線状の伝達経路を形成する。本実施形態では、後方ステアリング結合部40が本体上壁部13における後方部132の後方端部の近傍に位置する。そして、第1ボディ結合部50が突出上壁部14cの前方端部の近傍に位置する。これにより、後方ステアリング結合部40及び第1ボディ結合部50が本体上壁部13及び突出上壁部14cによって繋がれる。
【0048】
左壁部14a及び右壁部14bは、前方ステアリング結合部30及び第1ボディ結合部50を繋ぐ略直線状の伝達経路を形成する。本実施形態では、前方ステアリング結合部30が左壁部14a及び右壁部14bの後方端部の近傍に位置する。そして、第1ボディ結合部50が左壁部14a及び右壁部14bの前方端部の近傍に位置する。これにより、前方ステアリング結合部30及び第1ボディ結合部50が左壁部14a及び右壁部14bによって繋がれる。
【0049】
右後壁部15は、後方ステアリング結合部40及び第3ボディ結合部70を繋ぐ略直線状の伝達経路を形成する。本実施形態では、後方ステアリング結合部40が右後壁部15の左方端部の近傍に位置し、第3ボディ結合部70が右後壁部15の右方端部に設けられることによって、後方ステアリング結合部40及び第3ボディ結合部70が右後壁部15によって繋がれる。
【0050】
右前壁部16は、前方ステアリング結合部30及び第3ボディ結合部70を繋ぐ略直線状の伝達経路を形成する。本実施形態では、前方ステアリング結合部30が右前壁部16の左方端部の近傍に位置し、第3ボディ結合部70が右前壁部16の右方端部に設けられることによって、前方ステアリング結合部30及び第3ボディ結合部70が右前壁部16によって繋がれる。
【0051】
[2-7.各ボディ結合部間を繋ぐ伝達経路]
上述した左リブ121は、第1ボディ結合部50と第2ボディ結合部60との間に位置し、第1ボディ結合部50及び第2ボディ結合部60を繋ぐ伝達経路を形成する。本実施形態では、第1ボディ結合部50が左リブ121の右方端部の近傍に位置し、第2ボディ結合部60が左リブ121の左方端部の近傍に位置することによって、第1ボディ結合部50と第2ボディ結合部60が左リブ121によって繋がれる。
【0052】
右リブ161は、第1ボディ結合部50と第3ボディ結合部70との間に位置し、第1ボディ結合部50及び第3ボディ結合部70を繋ぐ伝達経路を形成する。本実施形態では、第1ボディ結合部50が右リブ161の左方端部の近傍に位置し、第3ボディ結合部70が右リブ161の右方端部の近傍に位置することによって、第1ボディ結合部50と第3ボディ結合部70が右リブ161によって繋がれる。
【0053】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)本実施形態では、本体部10、突出部20、前方ステアリング結合部30、後方ステアリング結合部40、第1ボディ結合部50、第2ボディ結合部60、第3ボディ結合部70及びフロアブレース結合部80がダイカストによって一体成型される。より具体的には、左後壁部11、左前壁部12、本体上壁部13、左壁部14a、右壁部14b、突出上壁部14c、前壁部14d、右後壁部15、右前壁部16、左連結壁17、右連結壁18、左リブ121、右リブ161、補強部材19、前方ステアリング結合部30、後方ステアリング結合部40、第1ボディ結合部50、第2ボディ結合部60、第3ボディ結合部70及びフロアブレース結合部80がダイカストによって一体成型される。ダイカストによる一体成形を用いることで、複数の部材を溶接等によって接合する場合と比較して、接合箇所が少ないステアリングサポート1が成型される。
【0054】
ここで、ステアリング100から入力された荷重は、接合箇所がある場合、当該接合箇所を通ってから車両のボディへ伝達されるため、接合箇所に応力が集中しやすくなる。しかし、ダイカストを用いて一体成形される本実施形態のステアリングサポート1では、接合箇所が少ないため、当該接合箇所が多い構成と比較して、応力の集中が生じにくい。
【0055】
また、ダイカストによる自由度の高い構造要件を生かして、剛性の高い形状を形成しやすいため、ステアリングサポート1自体の空間体積を小さくすることで省スペース化に対応させたり、目標とする剛性を達成可能な範囲で軽量化したりすることが可能である。
【0056】
(3b)本実施形態では、ステアリングサポート1は、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40と第2ボディ結合部60とを繋ぐ伝達経路を形成する略平面状の左後壁部11及び左前壁部12を備える。これにより、後方ステアリング結合部40と第2ボディ結合部60とを繋ぐ部位や、前方ステアリング結合部30と第2ボディ結合部60とを繋ぐ部位の長さを抑制できる。換言すると、後方ステアリング結合部40と第2ボディ結合部60とを繋ぐ伝達経路や、前方ステアリング結合部30と第2ボディ結合部60とを繋ぐ伝達経路の長さを短くすることができる。このため、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40から入力された荷重は、よりスムーズに、第2ボディ結合部60に伝達する。つまり、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40から第2ボディ結合部60へステアリング100から入力された荷重が伝達されるときに、応力が特定箇所に集中しにくくなる。
【0057】
また、ステアリングサポート1は、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40と第1ボディ結合部50とを繋ぐ伝達経路を形成する略平面状の本体上壁部13、左壁部14a、右壁部14b及び突出上壁部14cを備える。これにより、後方ステアリング結合部40と第1ボディ結合部50とを繋ぐ部位や、前方ステアリング結合部30と第1ボディ結合部50とを繋ぐ部位の長さを抑制できる。換言すると、後方ステアリング結合部40と第1ボディ結合部50とを繋ぐ伝達経路や、前方ステアリング結合部30と第1ボディ結合部50とを繋ぐ伝達経路の長さを短くすることができる。このため、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40から入力された荷重は、よりスムーズに、第1ボディ結合部50に伝達する。つまり、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40から第1ボディ結合部50へステアリング100から入力された荷重が伝達されるときにも、応力が特定箇所に集中しにくくなる。
【0058】
また、ステアリングサポート1は、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40と第3ボディ結合部70とを繋ぐ伝達経路を形成する略平面状の右後壁部15及び右前壁部16を備える。これにより、後方ステアリング結合部40と第3ボディ結合部70とを繋ぐ部位や、前方ステアリング結合部30と第3ボディ結合部70とを繋ぐ部位の長さを抑制できる。換言すると、後方ステアリング結合部40と第3ボディ結合部70とを繋ぐ伝達経路や、前方ステアリング結合部30と第3ボディ結合部70とを繋ぐ伝達経路の長さを短くすることができる。このため、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40から入力された荷重は、よりスムーズに、第3ボディ結合部70に伝達する。つまり、前方ステアリング結合部30及び後方ステアリング結合部40から第3ボディ結合部70へステアリング100から入力された荷重が伝達されるときに、応力が特定箇所に集中しにくくなる。その結果、ステアリングサポート1の剛性を向上させることができる。そして、ステアリングサポート1の剛性が向上することで、ステアリング100の操舵感を向上させることができる。
【0059】
(3c)本実施形態では、ステアリングサポート1は、第1ボディ結合部50と第2ボディ結合部60及び第3ボディ結合部70とを繋ぐ伝達経路を形成する略平面状の左リブ121及び右リブ161を備える。これにより、第1ボディ結合部50と第2ボディ結合部60とを繋ぐ部位や、第1ボディ結合部50と第3ボディ結合部70とを繋ぐ部位の長さを抑制できる。換言すると、第1ボディ結合部50と第2ボディ結合部60とを繋ぐ伝達経路や、第1ボディ結合部50と第3ボディ結合部70とを繋ぐ伝達経路の長さを短くすることができる。このため、ステアリング100から入力された荷重が伝達されて第1ボディ結合部50及び第2ボディ結合部60にそれぞれ生じる応力が、当該第1ボディ結合部50と当該第2ボディ結合部60との間において、よりスムーズに分散される。また、ステアリング100から入力された荷重が伝達されて第1ボディ結合部50及び第3ボディ結合部70にそれぞれ生じる応力が、当該第1ボディ結合部50と当該第3ボディ結合部70との間において、よりスムーズに分散される。したがって、第1ボディ結合部50、第2ボディ結合部60及び第3ボディ結合部70のいずれか1つのボディ結合部に応力が集中することを抑制することができる。その結果、ステアリングサポートの剛性を更に向上させることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、運転席側ピラー201、助手席側ピラー及びステアリングメンバ202が車両のボディの一例に相当する。また、左後壁部11が第1壁部の一例に相当し、左前壁部12が第2壁部の一例に相当し、本体上壁部13及び突出上壁部14cが第3壁部の一例に相当し、左壁部14a及び右壁部14bが第4壁部の一例に相当する。また、ステアリングサポート1の左方端部が第1端部の一例に相当し、ステアリングサポート1の右方端部が第2端部の一例に相当し、左リブ121がリブの一例に相当する。
【0061】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0062】
(4a)上記実施形態では、第1ボディ結合部50、第2ボディ結合部60及び第3ボディ結合部70の3つの結合部によってステアリングサポート1が車両のボディに結合する構成を例示した。しかし、ステアリングサポートの車両のボディへの結合箇所は、上記3つの結合部に限定されるものではなく、他の結合部を有してもよい。例えば、ステアリングサポートは、前方端部において、第1ボディ結合部50とは異なる位置に、車両のボディと結合する他の結合部を有してもよい。
【0063】
(4b)上記実施形態では、ステアリングサポート1がダイカストによって一体成型される構成を例示したが、一体成型の方法はこれに限定されるものではない。例えば、ステアリングサポートは、押し出し成型、プレス成型、射出成形、又は、3Dプリンターによる成型によって一体成型されてもよい。
【0064】
(4c)上記実施形態では、ステアリングサポート1の右方端部に位置する第3ボディ結合部70がステアリングメンバ202に結合する構成を例示した。しかし、例えば、ステアリングサポートの右方端部に位置する第3ボディ結合部は、助手席側ピラーと直接結合するように構成されることで、車両のボディに結合するように構成されていてもよい。すなわち、左右方向に長く延びるように構成された右後壁部、右前壁部及び本体上壁部のそれぞれの右方端部に位置する第3ボディ結合部に設けられた貫通孔にボルトのネジ部が挿入されることで、ステアリングサポートが助手席側ピラーに締結されてもよい。
【0065】
(4d)上記実施形態では、ステアリングサポート1が備えるフロアブレース結合部80にフロアブレース300が締結される構成を例示したが、例えば、ステアリングサポートにフロアブレース自体が一体成型される構成であってもよい。
【0066】
(4e)上記実施形態では、第1ボディ結合部50、第2ボディ結合部60及び第3ボディ結合部70がボルト等による締結によって車両のボディに固定される構成を例示したが、ステアリングサポートと車両のボディとの結合方法はこれに限定されるものではない。例えば、ステアリングサポートと車両のボディとは、溶接等によって固定されてもよい。
【0067】
(4f)上記実施形態では、ステアリングサポート1は、運転席が左側に設けられた車両のステアリング100を上側から支持する構成を例示した。しかし、ステアリングサポートは、上記実施形態と同様の構成により、運転席が右側に設けられた車両のステアリングを支持してもよい。また、ステアリングサポートは、ステアリング100を下側から支持するように構成されていてもよい。
【0068】
(4g)上記実施形態では、上面視において平行四辺形状の形状を有し、左後壁部11、左前壁部12、本体上壁部13、右後壁部15、右前壁部16、左連結壁17、右連結壁18、左リブ121、右リブ161及び補強部材19を備える本体部10の構成を例示した。しかし、本体部10の構成はこれに限定されるものではない。例えば、本体部は、矩形状、菱形状等の様々な形状を取り得る。また、例えば、本体部は、本体上壁部、右後壁部、右前壁部、左連結壁、右連結壁、左リブ、右リブ及び補強部材の少なくとも1つを有しない構成であってもよい。
【0069】
(4h)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0070】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
車幅方向に延びた状態で車両に搭載され、前記車両のステアリングを支持するステアリングサポートであって、
前記ステアリングに結合する部位である前方ステアリング結合部と、
前記前方ステアリング結合部よりも後方に設けられ、前記ステアリングに結合する部位である後方ステアリング結合部と、
前記車両の前後方向の前方端部に位置し、前記車両のボディに結合する部位である第1ボディ結合部と、
前記車幅方向の第1端部に位置し、前記車両のボディに結合する部位である第2ボディ結合部と、
前記車幅方向の第2端部に位置し、前記車両のボディに結合する部位である第3ボディ結合部と、
前記後方ステアリング結合部及び前記第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第1壁部と、
前記前方ステアリング結合部及び前記第2ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第2壁部と、
を備え、
前記前方ステアリング結合部、前記後方ステアリング結合部、前記第1ボディ結合部、前記第2ボディ結合部、前記第3ボディ結合部、前記第1壁部及び前記第2壁部は、一体成型される、ステアリングサポート。
【0071】
[項目2]
項目1に記載のステアリングサポートであって、
前記一体成型は、ダイカストによるものである、ステアリングサポート。
【0072】
[項目3]
項目1又は項目2に記載のステアリングサポートであって、
前記後方ステアリング結合部及び前記第1ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第3壁部と、
前記前方ステアリング結合部及び前記第1ボディ結合部を繋ぐ略平面状の第4壁部と、を更に備え、
前記第3壁部及び前記第4壁部は、前記前方ステアリング結合部、前記後方ステアリング結合部、前記第1ボディ結合部、前記第2ボディ結合部、前記第3ボディ結合部、前記第1壁部及び前記第2壁部と前記一体成型される、ステアリングサポート。
【0073】
[項目4]
項目1から項目3までのいずれか1項に記載のステアリングサポートであって、
前記第1ボディ結合部と前記第2ボディ結合部との間に位置し、前記第2壁部から延び出す略平面状のリブを更に備え、
前記リブは、前記前方ステアリング結合部、前記後方ステアリング結合部、前記第1ボディ結合部、前記第2ボディ結合部、前記第3ボディ結合部、前記第1壁部及び前記第2壁部と前記一体成型される、ステアリングサポート。
【符号の説明】
【0074】
1…ステアリングサポート、10…本体部、11…左後壁部、12…左前壁部、13…本体上壁部、14a…左壁部、14b…右壁部、14c…突出上壁部、14d…前壁部、15…右後壁部、16…右前壁部、17…左連結壁、18…右連結壁、19…補強部材、20…突出部、30…前方ステアリング結合部、40…後方ステアリング結合部、50…第1ボディ結合部、60…第2ボディ結合部、70…第3ボディ結合部、80…フロアブレース結合部、100…ステアリング、101…ステアリングコラム、102…ハンドル、103…ステアリングシャフト、104…取付部、121…左リブ、131…前方部、132…後方部、141a,141b…第1貫通孔、141d…第3貫通孔、161…右リブ、171,181…第2貫通孔、191…第1補強部、192,192a,192b…第2補強部、201…運転席側ピラー、202…ステアリングメンバ、203…ブラケット、300…フロアブレース、611…第4貫通孔、711…開口部、712…ボルト。