(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020026
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】室内微生物の検出、位置特定及び除去方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/16 20060101AFI20240206BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20240206BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20240206BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20240206BHJP
A61L 9/22 20060101ALI20240206BHJP
A61L 9/014 20060101ALI20240206BHJP
G01N 27/12 20060101ALI20240206BHJP
G01N 15/0205 20240101ALI20240206BHJP
G01N 15/06 20240101ALI20240206BHJP
【FI】
A61L9/16 F
A61L9/01 H
A61L9/01 B
A61L9/20
A61L9/00 C
A61L9/22
A61L9/01 F
A61L9/014
G01N27/12 A
G01N15/02 A
G01N15/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022122880
(22)【出願日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】111128402
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO. 28, R&D 2nd Rd. Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】呉錦銓
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(57)【要約】 (修正有)
【課題】室内微生物の検出、位置特定及び除去方法を提供する。
【解決手段】室内空間内に少なくとも1つのガスポンプCを広く設置し、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置Aまたは化学的第一装置Aまたは生物学的第一装置Aに送って、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定することと、無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置1を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bに送って消滅・除去することと、を含む室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間内に少なくとも1つのガスポンプを広く設置し、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置または化学的第一装置または生物学的第一装置に送って、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定することと、
無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置または化学的第二装置または生物学的第二装置に送って消滅・除去することと、
を含むことを特徴とする、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項2】
前記微生物が、細菌、真菌、ウイルスのいずれかまたはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項1に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項3】
前記物理的第一装置または前記化学的第一装置または前記生物学的第一装置が、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定するための微生物検出装置であることを特徴とする、請求項1に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項4】
前記物理的第一装置が、センサーによって検出する微生物検出装置であることを特徴とする、請求項3に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項5】
前記化学的第一装置が、化学元素物質によって直接検出する微生物検出装置であることを特徴とする、請求項3に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項6】
前記生物学的第一装置が、外来化合物に対する特定の生物または生物学的材料の刺激反応を測定することにより検出する微生物検出装置であることを特徴とする、請求項3に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項7】
前記無線ネットワークと人工知能演算とは、無線ネットワークでクラウドデバイスを接続し、前記クラウドデバイスが、少なくとも1つの前記微生物検出装置によって検出された前記室内空間における少なくとも1つの前記微生物のデータを受信・比較し、人工知能により少なくとも1つの前記微生物の位置を特定し、制御指令を知能的かつ選択的に発出し、通信伝送により少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い前記導風装置を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの前記物理的第二装置または前記化学的第二装置または前記生物学的第二装置に送って消滅・除去することであることを特徴とする、請求項3に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項8】
少なくとも1つの前記微生物検出装置によって検出された前記室内における前記微生物のデータと前記クラウドデバイスとの接続が、スマートフォンを介して接続することができ、前記スマートフォンで少なくとも1つの前記微生物検出装置によって検出された前記室内における前記微生物のデータを受信し、前記スマートフォンのアプリケーションプログラムで前記クラウドデバイスに送信し、前記クラウドデバイスが、少なくとも1つの前記微生物検出装置によって検出された前記室内における少なくとも1つの前記微生物のデータを受信・比較し、人工知能により少なくとも1つの前記微生物の位置を特定し、前記制御指令を知能的かつ選択的に発出し、通信伝送により少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い前記導風装置を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置または化学的第二装置または生物学的第二装置に送って消滅・除去することを特徴とする、請求項7に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項9】
前記物理的第二装置または化学的第二装置または生物学的第二装置が、少なくとも1つの前記微生物を消滅・除去するためのろ過装置であることを特徴とする、請求項1に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項10】
前記物理的第二装置が、フィルタースクリーンによりブロッキング・吸着・除去する前記ろ過装置であることを特徴とする、請求項9に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項11】
前記フィルタースクリーンが高効率フィルタースクリーンであることを特徴とする、請求項10に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項12】
前記化学的第二装置が、フィルタースクリーンに塗布された分解層により除去するろ過装置であることを特徴とする、請求項9に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項13】
前記分解層が、活性炭素、二酸化塩素の清浄因子のいずれかまたはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項12に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項14】
前記分解層がイチョウと日本ヌルデ(Rhus chinensis)を含むハーブ保護層であることを特徴とする、請求項12に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項15】
前記分解層が、銀イオン、ゼオライトのいずれかまたはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項12に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項16】
前記生物学的第二装置が、フィルタースクリーンと光照射との組み合わせによって除去するろ過装置であることを特徴とする、請求項9に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項17】
前記光照射が、光触媒及び紫外線ランプを含む光触媒ユニット、光ナノチューブを含む光プラズマユニットのいずれかまたはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項16に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項18】
前記生物学的第二装置が、フィルタースクリーンと分解ユニットとの組み合わせによって除去するろ過装置であることを特徴とする、請求項9に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項19】
前記分解ユニットが、負イオンユニット、プラズマイオンユニットのいずれかまたはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項18に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項20】
前記物理的第一装置が微生物検出装置であり、前記微生物検出装置が、制御回路基板、ガス検知本体、マイクロプロセッサ及び通信器を含み、前記ガス検知本体、前記マイクロプロセッサ及び前記通信器が、前記制御回路基板にパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続されており、かつ前記マイクロプロセッサが前記ガス検知本体の検知動作を制御し、前記ガス検知本体が前記微生物を検知して検知信号を出力し、かつ前記マイクロプロセッサが前記検知信号を受信して演算処理出力し、前記微生物のデータを形成し、前記通信器に提供して外部に無線通信伝送することを特徴とする、請求項3に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項21】
前記無線通信が、Wi-Fiモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、無線周波数識別モジュール、近接場通信モジュールのいずれかによる無線通信であることを特徴とする、請求項20に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項22】
前記ガス検知本体が、
第一表面と、前記第一表面に対向する第二表面と、前記第一表面から前記第二表面に向かってくり抜かれて形成されたレーザ設置領域と、前記第二表面から凹んで形成され、かつ前記レーザ設置領域に隣接している吸気溝であって、前記吸気溝に吸気通口が設けられ、両側壁にそれぞれ光透過窓が貫通しており、前記レーザ設置領域に連通している吸気溝と、前記第二表面から凹んで形成され、前記吸気溝に連通し、かつ底面に通気穴が貫通している導気部品搭載領域と、前記第一表面から前記導気部品搭載領域の底面に対応した箇所において凹み、前記第一表面が前記導気部品搭載領域に対応していない領域に、前記第一表面から前記第二表面に向かってくり抜かれて形成され、前記通気穴に連通し、排気通口が設けられた排気溝と、を有する基座と、
前記導気部品搭載領域に収容された圧電アクチュエータと、
前記基座の前記第二表面にカバーして密着した駆動回路基板と、
前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記レーザ設置領域に対応して収容され、かつ放射されたビーム経路が前記光透過窓を通過し前記吸気溝と直交する方向を成す、レーザ部品と、
前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記吸気溝と前記レーザ部品によって放射された前記ビーム経路との直交方向位置に対応して収容され、前記吸気溝を通過しかつ前記レーザ部品によって放射されたビームの照射を受けた前記微生物に含まれる微粒子を検知するための微粒子センサーと、
前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、かつ前記排気溝に収容され、前記排気溝に導入された前記微生物を検知するためのガスセンサーと、
前記基座を覆い、かつ側板を有し、前記側板に前記基座の前記吸気通口と対応する吸気枠口及び前記基座の前記排気通口と対応する排気枠口が設けられた外蓋と、
を含み、
前記外蓋が前記基座を覆い、前記駆動回路基板が前記第二表面に密着して、前記吸気溝によって吸気経路を定義し、前記排気溝によって排気経路を定義することで、前記圧電アクチュエータを駆動して前記基座の前記吸気通口の外部の前記微生物を快速に輸送し、前記吸気枠口から前記吸気溝によって定義された前記吸気経路に入り、前記微粒子センサーを通って前記微生物に含まれる微粒子の微粒子濃度を検知し、前記微生物が前記通気穴から前記排気溝によって定義された前記排気経路に排出され、前記ガスセンサーにより検知され、最後に前記基座の前記排気通口経由で前記排気枠口から排出されることを特徴とする、請求項20に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項23】
前記ガスセンサーが、細菌または真菌の情報を検知する細菌センサーを含むことを特徴とする、請求項22に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項24】
前記ガスセンサーが、ウイルスのガス情報を検知するウイルスセンサーを含むことを特徴とする、請求項22に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項25】
前記物理的第二装置または前記化学的第二装置または前記生物学的第二装置では、さらに消毒物質によってガスに含まれる微生物を消滅・完全除去することを特徴とする、請求項1に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項26】
前記消毒物質が、気体、液体または固体状態の微生物用消毒物質であることを特徴とする、請求項25に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項27】
前記消毒物質が、アルコールまたは次亜塩素酸ナトリウムのいずれかであることを特徴とする、請求項25に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項28】
前記物理的第二装置または前記化学的第二装置または前記生物学的第二装置に、消毒物質によってガスに含まれる微生物を消滅・完全除去するための消毒チャンバがさらに設置されていることを特徴とする、請求項25に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【請求項29】
前記消毒チャンバが導流通路及び複数の圧縮チャンバを含み、前記導流通路が複数の前記圧縮チャンバに連通しており、各前記圧縮チャンバによって前記消毒物質を散布し、前記導風装置によって前記物理的第二装置または前記化学的第二装置または前記生物学的第二装置に導かれたガスに含まれる微生物が、スクリーンによりろ過・浄化した後、前記物理的第二装置または前記化学的第二装置または前記生物学的第二装置の後方の別の導風装置により、スクリーン通過後のガスを前記消毒チャンバの前記導流通路に集中的に導入し、前記導流通路を経て複数の前記圧縮チャンバに連通して、スクリーン通過後の前記ガスを圧縮して分離することで、スクリーン通過後の前記ガスが小空間の前記圧縮チャンバに分離されて前記消毒物質が散布され、前記ガスに含まれる微生物を消滅・完全除去することを特徴とする、請求項25に記載の室内微生物の検出、位置特定及び除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法、特に細菌、真菌、ウイルスのいずれかを含む室内微生物の検出、位置特定及び除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人々は生活の周りの空気質をますます重視しており、浮遊粒子(particulate matter、PM)、例えばPM1、PM2.5、PM10、二酸化炭素、総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compound、TVOC)、ホルムアルデヒドなどのガス、さらにはガスに含まれる微粒子、エアロゾル、細菌、ウイルスなどは、いずれも環境中に暴露され、人体の健康に影響を与え、深刻な場合は生命に危害を及ぼすこともある。
【0003】
しかし、室内空気質は把握しにくく、室外空気質に加えて、室内の空調状況、汚染源は、いずれも室内空気質に影響を与える主な要因であり、特に室内空気の流通不良による細菌、真菌、ウイルスのいずれかを含む微生物は、人体の健康に直接影響を与える。室内における空気環境を快速に改善して良好な空気質状態を達成するために、空調機や空気清浄機などの装置を利用して、室内の空気質を改善するという目的を達成することが多い。
【0004】
そのためには、如何に室内空気における微生物を知能的かつ快速に検知し、室内空気における微生物を効果的に除去して、清潔で安全に呼吸できる空気状態を形成することができ、いつでもどこでもリアルタイムでモニタリングすることができ、室内空気に微生物が含まれている場合、室内空気を快速に浄化し、室内空間でガス対流を知能的に生成し、室内空気中の微生物が含まれる区域位置を快速に検知して見つけ出し、複数の物理的または化学的ろ過装置を効果的に制御してガス対流を知能的に実施し、微生物の指向を加速し、室内空気に含まれる微生物をろ過除去し、室内を微生物位置特定-微生物ガイド-微生物除去の形にし、清潔で安全に呼吸できる空気状態を達成するかは、本発明の主要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法であって、室内空間内に少なくとも1つのガスポンプを広く設置することにより、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置または化学的第一装置または生物学的第一装置に送って、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定する;無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置または化学的第二装置または生物学的第二装置に送って消滅・除去し、微生物検出・位置特定-微生物ガイド-微生物完全除去の効果を達成する、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態では、室内空間内に少なくとも1つのガスポンプを広く設置し、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置または化学的第一装置または生物学的第一装置に送って、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定することと、無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置または化学的第二装置または生物学的第二装置に送って消滅・除去することと、を含む室内微生物の検出、位置特定及び除去方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明にかかる室内微生物の検出、位置特定及び除去方法の室内空間での使用状態を示す模式図である。
【
図1B】本発明のガスポンプによって生成された空気流でさまざまな物理的第一装置または化学的第一装置に送ってガス中の微生物を採取することを示す模式図である。
【
図2A】微生物を検出するための生物学的第一装置の模式図である。
【
図2C】本発明の検出担体のニトロセルロース膜上のテストライン及びコントロールラインの色の変化を示す模式図である。
【
図3A】本発明にかかる室内微生物の検出、位置特定及び除去方法における物理的第二装置または化学的第二装置の導風装置及びフィルタースクリーンの模式図である。
【
図3B】本発明のフィルタースクリーンの模式図である。
【
図3C】微生物をろ過・消滅・除去するための本発明の物理的第二装置または化学的第二装置の導風装置、フィルタースクリーン及びアルコール消毒チャンバの模式図である。
【
図4A】本発明の微生物検出装置の立体組立模式図である。
【
図4B】本発明のガス検知本体の立体組立模式図(一)である。
【
図4C】本発明のガス検知本体の立体組立模式図(二)である。
【
図4D】本発明の微生物検出装置の立体分解模式図である。
【
図7A】本発明の分解された圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図7B】本発明の組み立てられた圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図8A】本発明の圧電アクチュエータの立体分解模式図(一)である。
【
図8B】本発明の圧電アクチュエータの立体分解模式図(二)である。
【
図9A】本発明の圧電アクチュエータの動作を示す断面模式図(一)である。
【
図9B】本発明の圧電アクチュエータの動作を示す断面模式図(二)である。
【
図9C】本発明の圧電アクチュエータの動作を示す断面模式図(三)である。
【
図10A】ガス検知本体の組立断面図(一)である。
【
図10B】ガス検知本体の組立断面図(二)である。
【
図10C】ガス検知本体の組立断面図(三)である。
【
図11】本発明の微生物検出装置の伝送を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴と利点を示す実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変化を有することができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に例示するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0009】
図1A及び
図1Bを参照して、本発明は、室内空間内に少なくとも1つのガスポンプCを広く設置し、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置Aまたは化学的第一装置Aまたは生物学的第一装置Aに送って、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定することと、無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置1を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bに送って消滅・除去することと、を含む室内微生物の検出、位置特定及び除去方法である。
【0010】
上記微生物とは、細菌、真菌、ウイルスのいずれかまたはこれらの組み合わせを含むことに留意されたい。上記ガスポンプCは、小型の圧電ポンプであり、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置Aまたは化学的第一装置Aまたは生物学的第一装置Aに送る。
【0011】
上記物理的第一装置Aまたは化学的第一装置Aまたは生物学的第一装置Aは微生物検出装置3であり、物理的第一装置Aはセンサーによって検出する微生物検出装置3であり、化学的第一装置Aは化学元素物質によって直接検出する微生物検出装置3であり、生物学的第一装置Aは、外来化合物に対する特定の生物または生物学的材料の刺激反応を測定することにより検出する微生物検出装置3であり、微生物検出装置3は、少なくとも1つの前記微生物の濃度または種類または大きさを検出することができ、微生物検出装置3によって検出された微生物データは、無線ネットワークを介して外部に出力することができる。
【0012】
一つの実施形態では、
図2A及び
図2Bに示すように、生物学的第一装置Aである微生物検出装置3について説明する。微生物検出装置3は、通路A11を備える検査チャンバA1を含み、ガスがガスポンプCによってガイドされ通路A11に導入され、検査チャンバA1内に、抗原検査剤A12、検出担体A13及び液体ガイドA14が含まれており、前記抗原検査剤A12は、検査チャンバA1内に設置され、通路A11によって導入されたガスに散布されて混合沈澱し、液体の検体A15を形成する。前記検体A15が保存皿A16に収集され、ウイルス上の識別可能なタンパク質を調べ、前記検体A15は、前記液体ガイドA14によってパイプラインA17にガイドされ、保存皿A16内の前記検体A15を前記検出担体A13にガイドし、相互反応を形成して微生物のウイルスの存在を検出して、前記室内のガスにウイルスが存在するか否かを判断する。検体A15は検出担体A13を通過し、生物チップA18を介して微生物のウイルスの濃度または種類または大きさを検出し、検出された微生物のウイルスデータは、通信器A19により無線ネットワークで外部に出力する。
【0013】
さらに、
図2Bを参照して、上記検出担体A13は、横方向に順次配列配置された検体層A131、抗体層A132、ニトロセルロース膜A133及び吸収層A134を含み、前記検体A15は検体層A131に注入された後、吸収層A134による吸収作用で、さらに吸収層A134の方向に流れ(例えば、
図2Bにおける矢印で示す方向)、抗体層A132とニトロセルロース膜A133との相互反応により、ニトロセルロース膜A133上で反応によりテストラインA133aとコントロールラインA133bの色の変化を形成し、これによって、前記室内のガスに微生物のウイルスが存在するかどうかを判断する。
図2Cに示すように、テストラインA133aとコントロールラインA133bの両方に色の変化がある場合、陽性であることを示し、前記室内のガスに微生物のウイルスが存在することを意味し、テストラインA133aに色の変化がなく、コントロールラインA133bに色の変化がある場合、陰性であることを示し、前記室内のガスに微生物のウイルスが存在しないことを意味する。
【0014】
別の実施形態では、
図4Aから
図11を参照して、物理的第一装置Aである微生物検出装置3について説明する。本発明の物理的第一装置Aの微生物検出装置3は、制御回路基板31、ガス検知本体32、マイクロプロセッサ33及び通信器34を含む。ガス検知本体32、マイクロプロセッサ33及び通信器34は、制御回路基板31にパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続されている。マイクロプロセッサ33及び通信器34は、制御回路基板31に設置され、かつマイクロプロセッサ33は、ガス検知本体32の駆動信号を制御して検知動作を開始させることで、ガス検知本体32は前記微生物を検知して検知信号を出力し、マイクロプロセッサ33は前記検知信号を受信して演算処理出力し、前記微生物データを形成し、通信器34に提供して外部に通信して接続装置に無線伝送する。無線伝送は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥースモジュール、無線周波数識別モジュール、近接場通信モジュールのいずれかによる無線伝送である。
【0015】
図4Dから
図9Aを参照して、上記ガス検知本体32は、基座321、圧電アクチュエータ322、駆動回路基板323、レーザ部品324、微粒子センサー325及び外蓋326を含む。基座321は、第一表面3211、第二表面3212、レーザ設置領域3213、吸気溝3214、導気部品搭載領域3215及び排気溝3216を有する。第一表面3211と第二表面3212は、対向設置された二つの面である。レーザ設置領域3213は、第一表面3211から第二表面3212に向かってくり抜かれて形成される。また、外蓋326は、基座321を覆い、吸気枠口3261aと排気枠口3261bを備える側板3261を有する。吸気溝3214は、第二表面3212から凹んで形成され、かつレーザ設置領域3213に隣接している。吸気溝3214に、基座321の外部に連通し、外蓋326の吸気枠口3261aと対応する吸気通口3214aが設けられ、吸気溝3214の両側壁は、貫通する光透過窓3214bを有し、レーザ設置領域3213に連通している。そこで、基座321の第一表面3211が外蓋326でカバーされ、第二表面3212が駆動回路基板323でカバーされることで、吸気溝3214によって吸気経路を定義する。
【0016】
導気部品搭載領域3215は、第二表面3212から凹んで形成され、吸気溝3214に連通し、かつ底面に通気穴3215aが貫通しており、導気部品搭載領域3215の四隅には、それぞれ位置決め突起3215bを有する。上記排気溝3216に、外蓋326の排気枠口3261bに対応して設置された排気通口3216aが設けられている。排気溝3216は、第一表面3211の導気部品搭載領域3215への垂直投影領域に凹んで形成された第一区間3216bと、導気部品搭載領域3215の垂直投影區から延びた領域に第一表面3211から第二表面3212に向かってくり抜かれて形成された第二区間3216cとを含み、第一区間3216bは、段差を形成するように第二区間3216cに接続され、かつ排気溝3216の第一区間3216bは、導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに連通し、排気溝3216の第二区間3216cは、排気通口3216aに連通している。そこで、基座321の第一表面3211が外蓋326でカバーされ、第二表面3212が駆動回路基板323でカバーされる時、排気溝3216と駆動回路基板323ともによって排気経路を定義する。
【0017】
上記レーザ部品324及び微粒子センサー325は、いずれも駆動回路基板323に設置され、かつ基座321内に位置しており、レーザ部品324及び微粒子センサー325と基座321の位置を明確に説明するために、駆動回路基板323を意図的に省略する。レーザ部品324は、基座321のレーザ設置領域3213内に収容され、微粒子センサー325は、基座321の吸気溝3214内に収容され、レーザ部品324と位置合わせされている。なお、レーザ部品324が、レーザ部品324によって放射されたレーザ光が通過するための光透過窓3214bに対応することで、レーザ光を吸気溝3214に照射する。レーザ部品324によって発したビーム経路は、光透過窓3214bを通過しかつ吸気溝3214と直交する方向を成す。レーザ部品324によって放射されたビームは、光透過窓3214bを通って吸気溝3214内に入り、吸気溝3214内のガスが照射され、ビームがガスに接触する時、散乱して投射スポットを生成し、前記直交方向に位置する微粒子センサー325は、散乱による投射スポットを受信して計算を行うことで、ガス検知データを取得する。また、ガスセンサー327は、駆動回路基板323に位置決め設置されて電気的に接続され、かつ排気溝3216に収容されており、これによって、排気溝3216に導入された微生物を検知する。本発明の好ましい実施形態では、ガスセンサー327は、二酸化炭素または総揮発性有機化合物のガス情報を検知する揮発性有機化合物センサーであり、またはホルムアルデヒドのガス情報を検知するホルムアルデヒドセンサーであり、または細菌、真菌の情報を検知する細菌センサーであり、またはウイルスのガス情報を検知するウイルスセンサーである。
【0018】
上記圧電アクチュエータ322は、基座321の正方形の導気部品搭載領域3215に収容されている。なお、導気部品搭載領域3215は、吸気溝3214に連通し、圧電アクチュエータ322が作動すると、吸気溝3214内のガスを圧電アクチュエータ322に吸い込み、ガスが導気部品搭載領域3215の通気穴3215aを通って、排気溝3216に入る。上記駆動回路基板323は基座321の第二表面3212にカバーしている。レーザ部品324は、駆動回路基板323に設置されかつ電気的に接続されている。微粒子センサー325も、駆動回路基板323に設置されかつ電気的に接続されている。外蓋326が基座321を覆う時、吸気枠口3261aは基座321の吸気通口3214aに対応し、排気枠口3261bは基座321の排気通口3216aに対応している。
【0019】
上記圧電アクチュエータ322は、ガスオリフィスプレート3221、チャンバ筐体3222、アクチュエータ3223、絶縁筐体3224及び導電筐体3225を含む。ガスオリフィスプレート3221は可撓性材質であり、サスペンションプレート3221aと中空穴3221bを有し、サスペンションプレート3221aは曲げ振動するシート状構造であり、その形状と寸法は、導気部品搭載領域3215の内縁に対応しており、中空穴3221bは、ガスが流通するようにサスペンションプレート3221aの中心を貫通している。本発明の好ましい実施形態では、サスペンションプレート3221aの形状は、方形、円形、楕円形、三角形及び多角形のいずれかであってもよい。
【0020】
上記チャンバ筐体3222は、ガスオリフィスプレート3221に重ねられ、かつその外観はガスオリフィスプレート3221に対応している。アクチュエータ3223はチャンバ筐体3222に重ねられ、チャンバ筐体3222、サスペンションプレート3221aとの間に共振チャンバ3226を定義している。絶縁筐体3224はアクチュエータ3223に重ねられ、その外観はチャンバ筐体3222に近似している。導電筐体3225は絶縁筐体3224に重ねられ、その外観は絶縁筐体3224に近似しており、かつ導電筐体3225は導電ピン3225a及び導電電極3225bを有し、導電ピン3225aは導電筐体3225の外縁から外向きに延在し、かつ導電電極3225bは導電筐体3225の内縁から内向きに延在している。なお、アクチュエータ3223は、圧電キャリア板3223a、共振調整板3223b及び圧電板3223cをさらに含む。圧電キャリア板3223aはチャンバ筐体3222に重ねられている。共振調整板3223bは圧電キャリア板3223aに重ねられている。圧電板3223cは共振調整板3223bに重ねられている。共振調整板3223b及び圧電板3223cは、絶縁筐体3224内に収容されている。導電筐体3225の導電電極3225bによって圧電板3223cに電気に接続されている。本発明の好ましい実施形態では、圧電キャリア板3223aと共振調整板3223bは、いずれも導電材料である。圧電キャリア板3223aは圧電ピン3223dを有し、かつ圧電ピン3223dと導電ピン3225aは、駆動回路基板323上の駆動回路(図示せず)に接続されて、駆動信号(駆動周波数及び駆動電圧であってもよい)を受信する。圧電ピン3223d、圧電キャリア板3223a、共振調整板3223b、圧電板3223c、導電電極3225b、導電筐体3225及び導電ピン3225aは、ループを形成して駆動信号を伝送し、絶縁筐体3224によって導電筐体3225とアクチュエータ3223を遮断し、短絡現象を防止して、駆動信号を圧電板3223cに送信することができる。圧電板3223cは、駆動信号を受信した後、圧電効果によって変形し、さらに圧電キャリア板3223a及び共振調整板3223bを駆動して往復曲げ振動を発生させる。
【0021】
さらに説明すると、共振調整板3223bは、両者の間の緩衝材として圧電板3223cと圧電キャリア板3223aとの間に位置し、圧電キャリア板3223aの振動周波数を調整することができる。基本的には、共振調整板3223bの厚さは圧電キャリア板3223aよりも大きく、共振調整板3223bの厚さを変えることにより、アクチュエータ3223の振動周波数を調整する。
【0022】
図7A、
図7B、
図8A、
図8B及び
図9Aを参照して、ガスオリフィスプレート3221、チャンバ筐体3222、アクチュエータ3223、絶縁筐体3224及び導電筐体3225は、導気部品搭載領域3215内に順次積み重ね設置されかつ位置決めされ、これによって、圧電アクチュエータ322は導気部品搭載領域3215内に位置決めされ、圧電アクチュエータ322は、サスペンションプレート3221aと導気部品搭載領域3215の内縁との間に、ガスが流通するための空隙3221cを定義する。上記ガスオリフィスプレート3221と導気部品搭載領域3215の底面との間に、気流チャンバ3227が形成されている。気流チャンバ3227は、ガスオリフィスプレート3221の中空穴3221bを介して、アクチュエータ3223、チャンバ筐体3222及びサスペンションプレート3221aの間の共振チャンバ3226に連通し、共振チャンバ3226におけるガスの振動周波数を、サスペンションプレート3221aの振動周波数と同じようにすることにより、共振チャンバ3226とサスペンションプレート3221aは、ヘルムホルツ共鳴効果(Helmholtz resonance)を生じ、ガスの輸送効率を高める。圧電板3223cが導気部品搭載領域3215の底面から離れる方向へ移動する時、圧電板3223cがガスオリフィスプレート3221のサスペンションプレート3221aを導気部品搭載領域3215の底面から離れる方向へ移動させることで、気流チャンバ3227の容積が急激に拡大し、内部圧力が低下して負圧を発生し、圧電アクチュエータ322外部のガスが吸引されて空隙3221cから流入し、中空穴3221bを経て共振チャンバ3226に入り、共振チャンバ3226内の気圧を増加させて、圧力勾配を発生させる。圧電板3223cがガスオリフィスプレート3221のサスペンションプレート3221aを導気部品搭載領域3215の底面へ移動させる時、共振チャンバ3226におけるガスは、中空穴3221bを経て快速に流出し、気流チャンバ3227内のガスを絞り出し、合流したガスを、ベルヌーイの定理に近い理想的なガス状態で快速かつ大量に噴出させて、導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに導入する。
【0023】
図9Bと
図9Cに示す動作を繰り返すことにより、圧電板3223cは往復振動し、慣性原理によれば、排気後の共振チャンバ3226の内部気圧が平衡気圧よりも低くなると、ガスを再び共振チャンバ3226に入るように導き、このように、共振チャンバ3226におけるガスの振動周波数を、圧電板3223cの振動周波数と同じように制御することで、ヘルムホルツ共鳴効果を生じさせ、高速かつ大量なガス輸送を実現する。ガスはすべて、外蓋326の吸気枠口3261aから入り、吸気通口3214aを通って基座321の吸気溝3214に入り、微粒子センサー325の位置に流れる。また、圧電アクチュエータ322による連続的な駆動によって吸気経路のガスを吸収することで、外部のガスは快速に導入されかつ安定流通し、微粒子センサー325の上方を通過し、このとき、レーザ部品324によって放射されたビームは、光透過窓3214bを通って吸気溝3214に入り、吸気溝3214が微粒子センサー325の上方を通過し、レーザ部品324のビームがガス中の浮遊微粒子に照射する時、散乱現象及び投射スポットが発生し、微粒子センサー325は散乱による投射スポットを受信して計算を行い、これによって、ガスに含まれる浮遊微粒子の粒子径及び濃度などの関連情報を取得し、かつ微粒子センサー325上方のガスも、圧電アクチュエータ322による連続的な駆動によって導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに導入され、排気溝3216に入る。最後に、ガスが排気溝3216に入った後、圧電アクチュエータ322がガスを排気溝3216に輸送し続けるため、排気溝3216内のガスは押し出され、排気通口3216a及び排気枠口3261bを通って外部に排出される。
【0024】
本発明の微生物検出装置Aは、ガス中の浮遊微粒子を検出するだけでなく、さらにホルムアルデヒド、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素ガス、オゾンなどの導入されたガスの特性を検出することができる。室内微生物の検出、位置特定及び除去方法における第一装置A、第二装置Bによって空気汚染(微生物を含むが、これに限定されない)をろ過完全除去することとは、空気汚染を空気汚染安全検知値までろ過し、さらに空気汚染を無汚染または汚染ゼロまで除去し、清潔で安全に呼吸できる空気状態を形成することに留意されたい。上記空気汚染安全検知値には、浮遊微粒子2.5(PM2.5)の濃度が10μg/m3未満、二酸化炭素(CO2)の濃度が1000ppm未満、総揮発性有機化合物(TVOC)の濃度が0.56ppm未満、ホルムアルデヒド(HCHO)の濃度が0.08ppm未満、細菌数が1500CFU/m3未満、真菌数が1000CFU/m3未満、二酸化硫黄の濃度が0.075ppm未満、二酸化窒素の濃度が0.1ppm未満、一酸化炭素の濃度が9ppm未満、オゾンの濃度が0.06ppm未満、鉛の濃度が0.15μg/m3未満、ウイルス数が500CFU/m3未満であることが含まれる。そこで、本発明の微生物検出装置はガスセンサー327をさらに含み、ガスセンサー327は駆動回路基板323に位置決め設置されて電気的に接続され、かつ排気溝3216に収容されており、排気経路から導出されたガスに含まれる揮発性有機化合物の濃度または特性を検出し、排気経路から導出されたガスに含まれる細菌、真菌、ウイルスなどの微生物の濃度または種類または大きさを検出する。
【0025】
また、
図1及び
図4Aに示す物理的第一装置Aである微生物検出装置を具体的な実施形態として説明するが、この実施形態に限定されるものではない。複数の微生物検出装置は、クラウドデバイスEを介して、検出された前記室内における前記微生物データを接続・受信・比較した後、前記微生物データ中の最も高いものを知能的に演算して、前記室内における前記微生物の位置を判断して選択的に見つけ出す。このように、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法では、室内空間内に少なくとも1つのガスポンプCを広く設置し、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第一装置Aまたは化学的第一装置Aまたは生物学的第一装置Aに送って、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定する。無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置1を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bに送って消滅・除去する。
【0026】
前記無線ネットワークと人工知能演算とは、無線ネットワークでクラウドデバイスEを接続し、クラウドデバイスEが、少なくとも1つの前記微生物検出装置によって検出された前記室内における少なくとも1つの前記微生物データを受信・比較し、人工知能により少なくとも1つの前記微生物の位置を特定し、制御指令を知能的かつ選択的に発出し、通信伝送により少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置1を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bに送って消滅・除去することであることに留意されたい。
【0027】
もちろん、上記複数の微生物検出装置によって検出された前記室内における前記微生物データとクラウドデバイスEとの接続は、スマートフォンを介して接続することもでき、スマートフォンで複数の微生物検出装置によって検出された前記室内における前記微生物データを受信し、スマートフォンのアプリケーションプログラム(APP)でクラウドデバイスEに送信し、クラウドデバイスEは、少なくとも1つの前記微生物検出装置によって検出された前記室内における少なくとも1つの前記微生物データを受信・比較し、人工知能により少なくとも1つの前記微生物の位置を特定し、制御指令を知能的かつ選択的に発出し、通信伝送により少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置1を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bに送って消滅・除去する。
【0028】
上記物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bは、少なくとも1つの前記微生物を消滅・除去するためのろ過装置であることに留意されたい。
図3A及び
図3B図に示すように、各物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bは、少なくとも1つのフィルタースクリーン2を含み、導風装置1は排気または送気の両方向にガスを輸送する機能を有し、かつ気流経路(矢印で示す方向)において、導風装置1は、フィルタースクリーン2の前側に設置されてもよく、フィルタースクリーン2の後側に設置されてもよく、フィルタースクリーン2の前側と後側に設置されてもよく(
図3Aに示す)、導風装置1は実際の要求・設計に応じて調整することができる。
図1Aに示す実施形態では、物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bは、換気装置B1、清浄機B2、排気機B3、レンジフードB4または扇風機B5であってもよいが、これに限定されるものではなく、導風装置1または物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bの種類または数は1つに限定されず、すなわち、1つ以上の導風装置1または物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置のろ過装置を備えてもよい。物理的第二装置Bは、フィルタースクリーン2によりブロッキング・吸着・除去するろ過装置であり、前記フィルタースクリーン2は高効率フィルタースクリーン2aであり、微生物に含まれる化学スモッグ、細菌、埃微粒子及び花粉を吸着することで、導入された微生物をろ過・浄化する効果を達成する。前記化学的第二装置Bは、フィルタースクリーン2に分解層21を塗布することで除去するろ過装置である。前記分解層21は活性炭素21aであり、微生物における有機物や無機物を除去し、有色物質や臭気物質を除去する。前記分解層21は二酸化塩素の清浄因子21bであり、微生物における細菌、真菌、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、腸ウイルス、ノロウイルスを抑制し、その抑制率が99%以上に達し、ウイルスの交差感染を減らすのに寄与する。前記分解層21はイチョウと日本ヌルデ(Rhus chinensis)を含むハーブ保護層21cであり、アレルギーに効果的に抵抗し、インフルエンザウイルス(例えば、H1N1)の表面タンパク質を破壊する。前記分解層21は銀イオン21dであり、導入された微生物における細菌、真菌を抑制する。前記分解層21はゼオライト21eであり、アンモニア性窒素、重金属、有機汚染物、大腸菌、フェノール、クロロホルム、及び陰イオン界面活性剤を除去する。生物学的第二装置Bは、フィルタースクリーン2と光照射22との組み合わせによって除去するろ過装置であり、前記光照射22は、光触媒22a及び紫外線ランプ22bを含む光触媒ユニットであり、光触媒22aが紫外線ランプ22bによって照射されると、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、微生物における有害物質を分解して消毒殺菌することにより、ろ過・浄化の効果を達成することができる。前記光照射22は、光ナノチューブ22cを含む光プラズマユニットであり、光ナノチューブ22cにより、導入された微生物を照射することで、微生物における酸素分子及び水分子を、高酸化性を有する光プラズマに分解して、破壊された有機分子を有するイオン気流を形成し、微生物における有害物質を消毒殺菌することにより、ろ過・浄化の効果を達成する。生物学的第二装置Bは、フィルタースクリーン2と分解ユニット23との組み合わせによって除去するろ過装置である。分解ユニット23は、負イオンユニット23aであり、導入された微生物に含まれる正の電荷を帯びた微粒子を、負の電荷を帯びた集塵板に付着させて、導入された微生物をろ過・浄化する効果を達成する。前記分解ユニット23は、プラズマイオンユニット23bであり、プラズマイオンにより、微生物に含まれる酸素分子と水分子をイオン化して陽イオン(H
+)と陰イオン(O
2-)を生成し、かつイオンの周囲に水分子が付着した物質は、ウイルスと細菌の表面に付着した後、化学反応の作用で、強力な酸化性の活性酸素(水酸基、OH基)に変換し、ウイルスと細菌の表面タンパク質から水素を奪い酸化分解することで、導入された微生物をろ過・浄化する効果を達成する。
【0029】
さらに、本発明の実施形態において、物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bは、微生物を消滅・除去するろ過装置であり、さらに消毒物質5によってガスに含まれる微生物を消滅・完全除去することができることに留意されたい。消毒物質5は、気体、液体または固体状態の微生物用消毒物質であってもよく、消毒物質5は、アルコールまたは次亜塩素酸ナトリウムのいずれかであってもよい。具体的な例では、
図3Cに示すように、物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bには、消毒物質5によってガスに含まれる微生物を消滅・完全除去するための消毒チャンバ4がさらに設置されることができる。消毒チャンバ4は導流通路41及び複数の圧縮チャンバ42を含み、導流通路41は複数の圧縮チャンバ42に連通しており、各圧縮チャンバ42によって消毒物質5を散布することで、導風装置1によって物理的第二装置Bまたは化学的第二装置Bまたは生物学的第二装置Bに導入されたガスに含まれる微生物は、フィルタースクリーン2によりスクリーンろ過・浄化した後、フィルタースクリーン2の後方の導風装置1によりスクリーン通過後のガスを導き、アルコール消毒チャンバ4の導流通路41に集中的に導入し、導流通路41を経て複数の圧縮チャンバ42に連通して、ガスを圧縮して分離することで、スクリーン通過後のガスが小空間の圧縮チャンバ42に分離されて消毒物質5が散布され、ガスに含まれる微生物を消滅して、完全除去効果を達成する。
【0030】
上記のように、本発明は、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法であって、少なくとも1つのガスポンプを広く設置することにより、空気流を提供し、ガスを随時吸入し、ガス中の少なくとも1つの微生物を随時採取し、前記空気流で少なくとも1つの微生物を物理的第一装置または化学的第一装置または生物学的第一装置に導入して、少なくとも1つの前記微生物に対して濃度または種類または大きさを検出し、位置を特定し、無線ネットワーク及び人工知能演算によって少なくとも1つの前記微生物の位置に最も近い導風装置を動作させて指向性気流を発生させることで、少なくとも1つの前記微生物を少なくとも1つの物理的第二装置または化学的第二装置または生物学的第二装置に送って消滅・除去し、微生物検出・位置特定-微生物ガイド-微生物完全除去の効果を達成し、産業上の利用価値が極めて高い、室内微生物の検出、位置特定及び除去方法を提供する。
【符号の説明】
【0031】
A:第一装置
B:第二装置
B1:換気装置
B2:清浄機
B3:排気機
B4:レンジフード
B5:扇風機
C:ガスポンプ
A1:検査チャンバ
A11:通路
A12:抗原検査剤
A13:検出担体
A131:検体層
A132:抗体層
A133:ニトロセルロース膜
A133a:テストライン
A133b:コントロールライン
A134:吸収層
A14:液体ガイド
A15:検体
A16:保存皿
A17:パイプライン
A18:生物チップ
A19:通信器
E:クラウドデバイス
1:導風装置
2:フィルタースクリーン
2a:高効率フィルタースクリーン
21:分解層
21a:活性炭素
21b:二酸化塩素の清浄因子
21c:イチョウと日本ヌルデを含むハーブ保護層
21d:銀イオン
21e:ゼオライト
22:光照射
22a:光触媒
22b:紫外線ランプ
22c:光ナノチューブ
23:分解ユニット
23a:負イオンユニット
23b:プラズマイオンユニット
3:微生物検出装置
31:制御回路基板
32:ガス検知本体
321:基座
3211:第一表面
3212:第二表面
3213:レーザ設置領域
3214:吸気溝
3214a:吸気通口
3214b:光透過窓
3215:導気部品搭載領域
3215a:通気穴
3215b:位置決め突起
3216:排気溝
3216a:排気通口
3216b:第一区間
3216c:第二区間
322:圧電アクチュエータ
3221:ガスオリフィスプレート
3221a:サスペンションプレート
3221b:中空穴
3221c:空隙
3222:チャンバ筐体
3223:アクチュエータ
3223a:圧電キャリア板
3223b:共振調整板
3223c:圧電板
3223d:圧電ピン
3224:絶縁筐体
3225:導電筐体
3225a:導電ピン
3225b:導電電極
3226:共振チャンバ
3227:気流チャンバ
323:駆動回路基板
324:レーザ部品
325:微粒子センサー
326:外蓋
3261:側板
3261a:吸気枠口
3261b:排気枠口
327:ガスセンサー
33:マイクロプロセッサ
34:通信器
4:消毒チャンバ
41:導流通路
42:圧縮チャンバ
5:消毒物質
【外国語明細書】