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特開2024-20027無線ID認証装置および無線ID認証システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020027
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】無線ID認証装置および無線ID認証システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20240206BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240206BHJP
   G01S 13/78 20060101ALI20240206BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240206BHJP
   G01S 3/46 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
E05B49/00 K
G06K7/10 240
G06K7/10 264
G01S13/78
G01S7/02 216
G01S3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122881
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山内 肇
【テーマコード(参考)】
2E250
5J070
【Fターム(参考)】
2E250AA04
2E250BB08
2E250CC20
2E250DD02
2E250FF36
5J070AC11
5J070AD08
5J070AE09
5J070AF01
5J070AK15
(57)【要約】
【課題】認証エリア以外の場所にある認証キーと認証装置とが反応して、意図せずに扉が開いてしまうことを防止する。
【解決手段】無線ID認証装置は、認証キーとの間で近距離無線通信を行って認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、アンテナ搭載基板を収容する筐体と、複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証キーとの間で近距離無線通信を行って前記認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、
出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、
前記アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、前記アンテナ搭載基板を収容する筐体と、
前記複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて前記認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する無線ID認証装置。
【請求項2】
前記アンテナアレイの前記アンテナの個数は、2個である、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項3】
前記交差する方向は、前記出入口面に垂直な方向である、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項4】
前記複数のアンテナが受信した前記複数の無線信号の受信時刻差、及び前記複数の無線信号の位相差の少なくとも一方に基づいて前記認証キーからの無線信号の到来角を算出する算出部をさらに有する、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記到来角が予め定められた第1の範囲内であるときに前記無線信号が前記出入口面の室外側から到来した無線信号であると判断し、前記到来角が予め定められた第2の範囲内であるときに前記無線信号が前記出入口面の室内側から到来した無線信号であると判断する、請求項4に記載の無線ID認証装置。
【請求項6】
前記判断部は、前記到来角に基づいて、前記出入口面の室外側から到来した前記無線信号と、前記出入口面の室内側から到来した前記無線信号とを区別して前記認証キーの認証を行って、前記認証の結果に基づいて電気錠の施解錠信号を出力する、請求項4に記載の無線ID認証装置。
【請求項7】
認証キーと、認証装置とを有し、前記認証キーと前記認証装置との間で近距離無線通信を行って前記認証キーの認証処理を行う無線ID認証システムにおいて、
前記認証装置は、
出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、
前記アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、前記アンテナ搭載基板を収容する筐体と、
前記複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて前記認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する無線ID認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ID認証装置および無線ID認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
識別情報を認証したときに自動で扉の開閉を制御する扉制御システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-094727
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様においては、無線ID認証装置が提供される。無線ID認証装置は、認証キーとの間で近距離無線通信を行って認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、アンテナ搭載基板を収容する筐体と、複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する。
【0004】
本発明の一態様においては、無線ID認証システムが提供される。無線ID認証システムは、認証キーと、認証装置とを有し、認証キーと認証装置との間で近距離無線通信を行って認証キーの認証処理を行う無線ID認証システムにおいて、認証装置は、出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、アンテナ搭載基板を収容する筐体と、複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態における無線ID認証システム100の概略構成の一例を示す。
図2】本実施形態における無線ID認証システム100の配置構成の一例を示す。
図3】(a)および(b)は、本実施形態における無線ID認証装置20の詳細な配置構成の一例を示す。
図4】本実施形態における算出部41による到来角算出の一例を示す。
図5】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態における無線ID認証システム100の概略構成の一例を示す。図1に示すように、無線ID認証システム100は、認証キー10と、無線ID認証装置20とを有する。無線ID認証装置20は、リーダユニット30と、電気錠ユニット40とを有する。リーダユニット30は、無線通信部31を有する。電気錠ユニット40は、算出部41と、判断部42と、電気錠43とを有する。
【0009】
図2は、本実施形態における無線ID認証システム100の配置構成の一例を示す。図2に示すように、無線ID認証装置20は扉50に配置される。扉50の内部には電気錠ユニット40が埋め込まれており、扉50の室外側の側面にはリーダユニット30が配置される。図2において、室外側から室内側に入ろうとする利用者200の手に認証キー10が保持されている。
【0010】
本実施形態における無線ID認証システム100は、商業オフィスビル、マンション等の集合住宅、公共施設、ホテル等の大型施設におけるエレベータホール、フロア内で仕切られた特定エリアへの入退出ゲート、客室、テナント、ロッカー等に導入される。
【0011】
認証キー10は、例えば、商業オフィスビルに入居する会社の社員が所有する社員用認証キー、マンションの住人がマンションに出入りするための認証キー、ビル内の清掃員が共用部分の清掃を行う際に使用する管理用認証キー、ビルを管理する管理会社が所有するマスター認証キー等の、使用用途に応じて予め決められたエリアへの入退出を可能とする権限が付与されたキーである。
【0012】
認証キー10は、電磁界や電波等を用いた近距離無線通信を可能とするCPUやROM、RAM、フラッシュRAM等で構成されるRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag)自体、若しくはこれを搭載した各種媒体(例えば、カード状記憶媒体や携帯電話(スマートフォンを含む)等)で構成されている。近距離無線通信には、超広帯域無線(Ultra Wide Band)通信や、Bluetooth(登録商標)通信が含まれる。なお、複数の通信方式を使い分けてもよい。例えば、待機状態(ポーリング)ではBluetooth通信とし、起動後は超広帯域無線通信としてもよい。認証キー10には、認証処理の際に自身を特定するための識別IDコードが割り振られており、この識別IDコードが利用者毎に付与される使用権限に対応した無線ID認証装置20に事前登録されている。
【0013】
リーダユニット30の無線通信部31は、通信可能領域内に存在する1または複数の認証キー10との間で無線通信を行うものであり、通信可能領域内に存在する認証キー10からID信号を取得するためのID送信要求を予め決められた周期で繰り返し送信している(ポーリング)。
【0014】
認証キー10は、無線通信部31からのID送信要求を受けると、自身の識別IDコードを所定のアルゴリズムで暗号化した識別ID情報に、所定の情報を付加し、無線通信部31に返信情報として送信する。無線通信部31は、認証キー10から送信された返信情報を受け取り、判断部42に送信する。
【0015】
図3(a)および(b)は、本実施形態における無線ID認証装置20の詳細な配置構成の一例を示す。図3(a)は側面図であり、図3(b)は上面図である。図3(a)に示すように、扉50の室外側の側面に配置されたリーダユニット30は、複数のアンテナ33、34を有するアンテナアレイ32が搭載されたアンテナ搭載基板36と、アンテナ搭載基板36を収容する筐体35とを有する。本実施形態において、アンテナアレイ32のアンテナの個数は、2個である。しかしながら、アンテナの個数は、3個以上であってもよい。アンテナの個数を3個以上とする場合、複数のアンテナを1直線上に並べないことが好ましい。リーダユニット30は、出入口の出入方向における一方側に設置される。本実施形態において、リーダユニット30は扉50の室外側の側面に配置されているが、扉50の室内側の側面に配置されていてもよく、扉50の内部に配置されていてもよい。
【0016】
複数のアンテナ33、34は、出入口面L(便宜上、図において出入口面に平行なラインLとする)に交差する方向に設置される。本実施形態において、出入口面Lに交差する方向は、出入口面Lに垂直な方向である。しかしながら、出入口面Lに交差する方向は、出入口面Lと平行でなければよく、所定の角度をなす他の方向であってもよい。
【0017】
図3(b)には、認証キー10からの到来波AおよびBが示される。到来波Aは室内側の認証キー10からの無線信号であり、到来波Bは室外側の認証キー10からの無線信号である。図3(b)には、無線信号の到来波AおよびBと、出入口面Lとがなす角度が示される。本実施形態において、無線信号の到来波と、出入口面Lとがなす角度を到来角という。到来角が上面から見たときの角度となるように、アンテナアレイ32と認証キー10とがほぼ水平になるような配置関係が好ましい。認証キー10がユーザに保持される状態を考えると、平均的な身長の人の腰から胸あたりの高さにアンテナアレイ32が配されることが好ましい。図3(b)に示す例において、到来波Aと出入口面Lとがなす角度は225度であり、到来波Bと出入口面Lとがなす角度は45度である。
【0018】
図2に示すように、本実施形態における無線ID認証システム100は、室外側から室内側に入ろうとする利用者200の認証を行い、出入り口の扉50を解錠する。したがって、例えば、室内側から室外側に出ようとする利用者200、あるいは室内側を歩いている利用者200の認証は行わない。しかしながら、室内側にいる利用者200が認証キー10を保持している場合、認証キー10と無線ID認証装置20とが接近することにより、認証キー10と無線ID認証装置20とが反応してしまい、意図せずに扉50が解錠されてしまう場合があった。本実施形態における無線ID認証システム100は、このような事態を回避するために、室外側から到来した無線信号と、室内側から到来した無線信号とを区別し、室外側から到来した無線信号のみに反応して扉50の解錠を行うことを目的とする。
【0019】
図4は、本実施形態における算出部41による到来角算出の一例を示す。図4において、アンテナ33、34と扉50以外の構成は省略して示している。算出部41は、アンテナアレイ32の受信に基づいて認証キー10からの無線信号の到来角を算出する。算出部41は、2個のアンテナ33、34が受信した2個の無線信号の時刻差、及び2個の無線信号の位相差の少なくとも一方に基づいて無線信号の到来角を算出する。
【0020】
図4に示すように、認証キー10からの無線信号の到来波Cは、出入口面Lに対して所定の角度θをなして入射している。到来波Cの入射角度が出入口面Lと角度θをなすことにより、2個のアンテナ33、34が到来波Cからの無線信号を受信する時刻差または位相差が生じる。算出部41は、この時刻差または位相差に基づいて、到来波Cの入射角度θを算出する。
【0021】
算出部41は、無線通信部31から、アンテナアレイ32の2個のアンテナ33、34が到来波から無線信号を受信した2個の時刻および2個の位相を含む情報を受信する。当該情報は、例えば、アンテナ33について:「時刻x1:位相y1」、アンテナ34について:「時刻x2:位相y2」という情報である。算出部41は、受信した2個の時刻および2個の位相から、2個のアンテナ33、34が当該到来波からの無線信号を受信する時刻差または位相差を算出する。算出部41は、算出した時刻差または位相差と、到来波と出入口面Lとのなす角度の関係を示す対照表を記憶しており、算出した時刻差または位相差に基づいて、対照表を参照することにより、当該到来波の到来角を算出する。算出部41は、算出した到来波Cの到来角θを判断部42に送信する。
【0022】
判断部42は、複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて認証キー10の認証の可否を判断する。複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差には、例えば、複数の無線信号の受信時刻差、位相差、強度差が含まれる。本実施形態において、判断部42は、算出部41から受信した到来波の到来角に基づいて認証キーの認証の可否を判断する。判断部42は、当該到来角が予め定められた第1の範囲内であるときに無線信号が出入口の室外側から到来した無線信号であると判断し、当該到来角が予め定められた第2の範囲内であるときに無線信号が出入口の室内側から到来した無線信号であると判断する。本実施形態において第1の範囲は0度から180度の範囲であり、第2の範囲は180度から360度の範囲である。したがって、判断部42は、無線信号の到来波の到来角が0度から180度の範囲である場合、当該到来波は室外側からの到来波であると判断し、無線信号の到来波の到来角が180度から360度の範囲である場合、当該到来波は室内側からの到来波であると判断する。なお、本実施形態において図4における出入口面Lのラインに沿って下方から上方に向かう到来波の到来角は0度となる。なお、判断部42は、アンテナ33、34が受信した2個の無線信号のTOF(Time of Flight)の差に基づいて認証キー10の認証の可否を判断してもよい。
【0023】
しかしながら、第1の範囲および第2の範囲は上記と異なる範囲であってもよい。例えば、第1の範囲を第2の範囲よりも小さくして、より室内側からの到来波と判断され易い構成としてもよい。これにより、例えば、無線信号の到来波が扉50を回り込んでアンテナ33、34に到来した場合であっても、室内側からの到来波であると正確に判断することが可能である。
【0024】
なお、本実施形態では2個のアンテナ33、34が到来波からの無線信号を受信する時刻差または位相差に基づいて、到来波の入射角度である到来角θを算出するため、例えば、図4のエリアBとエリアCの同様の角度(図4における横の破線に対して対称の位置)から入射した到来波については、時刻差または位相差が同様の値となる。したがって、エリアBとエリアCの同様の角度から入射した到来波を区別することはできない。また、図4のエリアAとエリアDの同様の角度(図4における横の破線に対して対称の位置)から入射した到来波を区別することはできない。しかしながら、上述したように、本実施形態では、室外側すなわちエリアBまたはCからの到来波であるか、室内側すなわちエリアAまたはDからの到来波であるかを区別することができる。この点、アンテナの数を3個以上とすることにより、エリアBとエリアCの同様の角度、またはエリアAとエリアDの同様の角度から入射した到来波を区別することができる。
【0025】
判断部42は、算出部41から受信した到来波の到来角に基づいて認証キー10の認証を行う。判断部42は、算出部41から受信した到来角に基づいて、出入口の室外側から到来した無線信号と、出入口の室内側から到来した無線信号とを区別し、室外側の認証キー10から到来した無線信号について認証を行って、電気錠43に対して施解錠信号を出力する。したがって、判断部42は、室内側からの到来波に関しては、電気錠43に対して施解錠信号を出力しない。
【0026】
判断部42は、室外側の認証キー10から到来した無線信号について、認証キー10から送信された返信情報と、予め保存された事前登録情報とを用いて、識別ID情報を解読処理した識別IDコードが事前登録されたものか否かの認証処理を行い、登録済みであることを確認すると、電気錠43に対して施解錠信号を出力し、電気錠43を施解錠させる。扉50が自動ドアの場合には、電気錠43を解錠させて自動ドアを開く動作を行う。
【0027】
電気錠43は、判断部23から受信した施解錠信号に基づき、モータやソレノイド等の駆動手段を駆動してデッドボルトを扉枠のストライクの係止穴に対して進退させることで電気的に錠の施解錠を行う。
【0028】
本実施形態における無線ID認証システム100によれば、上述の構成とすることにより、室内側にいる利用者200が認証キー10を保持しており、認証キー10と無線ID認証装置20とが接近してしまうことにより、認証キー10と無線ID認証装置20とが反応してしまい、意図せずに扉50が開いてしまうという事態を回避することができる。
【0029】
上記実施の形態では、判断部42は、室内側からの到来波に関しては、電気錠43に対して施解錠信号を出力しない構成とした。しかしながら、室内側からのみ電気錠43の施解錠を行う構成を採用してもよい。その場合、判断部42は、室外側からの到来波に関しては、電気錠43に対して施解錠信号を出力せず、室内側からの到来波に関して、電気錠43に対して施解錠信号を出力してもよい。さらに、判断部42は、室内側からの到来波に関しては、認証キー10の認証の可否の判断を行わない構成としてもよい。この場合、認証キー10の認証の可否の判断を行わないことから、電気錠43に対して施解錠信号を出力しない。
【0030】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0031】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0032】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0033】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0034】
図5は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0035】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0036】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0037】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0038】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0039】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0040】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0041】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0042】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0043】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0044】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0045】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0046】
10 認証キー、20 無線ID認証装置、30 リーダユニット、31 無線通信部、33、34 アンテナ、32 アンテナアレイ、35 筐体、36 アンテナ搭載基板、40 電気錠ユニット、41 算出部、42 判断部、43 電気錠、50 扉、100 無線ID認証システム、200 利用者、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証キーとの間で近距離無線通信を行って前記認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、
出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、
前記アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、前記アンテナ搭載基板を収容する筐体と、
前記複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて前記認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する無線ID認証装置。
【請求項2】
前記アンテナアレイの前記アンテナの個数は、2個である、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項3】
前記交差する方向は、前記出入口面に垂直な方向である、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項4】
前記判断部は、前記複数のアンテナが受信した前記複数の無線信号の受信時刻差、及び前記複数の無線信号の位相差の少なくとも一方に基づいて前記認証キーの認証の可否を判断する、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項5】
前記受信時刻差及び前記位相差の少なくとも一方に基づいて前記認証キーからの無線信号の到来角を算出する算出部をさらに有し、前記判断部は、前記到来角が予め定められた第1の範囲内であるときに前記無線信号が前記出入口面の室外側から到来した無線信号であると判断し、前記到来角が予め定められた第2の範囲内であるときに前記無線信号が前記出入口面の室内側から到来した無線信号であると判断する、請求項4に記載の無線ID認証装置。
【請求項6】
前記判断部は、前記到来角に基づいて、前記出入口面の室外側から到来した前記無線信号と、前記出入口面の室内側から到来した前記無線信号とを区別して前記認証キーの認証を行って、前記認証の結果に基づいて電気錠の施解錠信号を出力する、請求項に記載の無線ID認証装置。
【請求項7】
認証キーと、認証装置とを有し、前記認証キーと前記認証装置との間で近距離無線通信を行って前記認証キーの認証処理を行う無線ID認証システムにおいて、
前記認証装置は、
出入口面に交差する方向に設置された複数のアンテナを有するアンテナアレイと、
前記アンテナアレイが搭載されたアンテナ搭載基板と、前記アンテナ搭載基板を収容する筐体と、
前記複数のアンテナが受信した複数の無線信号の差に基づいて前記認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する無線ID認証システム。