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特開2024-20032無線ID認証装置および無線ID認証システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020032
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】無線ID認証装置および無線ID認証システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20240206BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240206BHJP
   G01S 13/78 20060101ALI20240206BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240206BHJP
   G01S 3/46 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
E05B49/00 K
G06K7/10 240
G06K7/10 264
G01S13/78
G01S7/02 216
G01S3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122890
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山内 肇
【テーマコード(参考)】
2E250
5J070
【Fターム(参考)】
2E250AA04
2E250BB08
2E250CC20
2E250DD02
2E250FF36
5J070AC02
5J070AC11
5J070AD05
5J070AD08
5J070AE09
5J070AF01
5J070AK15
(57)【要約】
【課題】認証エリア以外の場所にある認証キーと認証装置とが反応して、意図せずに扉が開いてしまうことを防止する。
【解決手段】無線ID認証装置は、認証キーとの間で近距離無線通信を行って認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、出入口の出入方向の一方の側に設置された第1のアンテナおよび第2のアンテナと、第1のアンテナと認証キーとの間の第1の距離および第2のアンテナと認証キーとの間の第2の距離を算出する算出部と、第1の距離および第2の距離に基づいて定まる条件を満たす場合に、認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証キーとの間で近距離無線通信を行って前記認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、
出入口の出入方向の一方の側に設置された第1のアンテナおよび第2のアンテナと、
前記第1のアンテナと前記認証キーとの間の第1の距離および前記第2のアンテナと前記認証キーとの間の第2の距離を算出する算出部と、
前記第1の距離および前記第2の距離に基づいて定まる条件を満たす場合に、前記認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する無線ID認証装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナと前記認証キーとの間を無線信号が伝搬する時間に基づいて、前記第1の距離および前記第2の距離を算出する、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、前記出入口の出入口面から室外側および室内側のいずれか一方に予め定められた第3の距離以上を離隔して配置される、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項4】
前記条件は、前記第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件、前記第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件、および前記第1の距離と前記第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件、の内の少なくともいずれか2つである、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項5】
前記条件は、前記第1の距離と前記第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件である、請求項1に記載の無線ID認証装置。
【請求項6】
認証キーと、認証装置とを有し、前記認証キーと前記認証装置との間で近距離無線通信を行って前記認証キーの認証処理を行う無線ID認証システムにおいて、
前記認証装置は、
出入口の出入方向の一方の側に設置された第1のアンテナおよび第2のアンテナと、
前記第1のアンテナと前記認証キーとの間の第1の距離および前記第2のアンテナと前記認証キーとの間の第2の距離を算出する算出部と、
前記第1の距離および前記第2の距離に基づいて定まる条件を満たす場合に、前記認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する無線ID認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ID認証装置および無線ID認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
識別情報を認証したときに自動で扉の開閉を制御する扉制御システムが公知である(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2019-094727
【発明の概要】
【0003】
上記課題を解決するために、本発明の一態様においては、無線ID認証装置が提供される。無線ID認証装置は、認証キーとの間で近距離無線通信を行って認証キーの認証処理を行う無線ID認証装置において、出入口の出入方向の一方の側に設置された第1のアンテナおよび第2のアンテナと、第1のアンテナと認証キーとの間の第1の距離および第2のアンテナと認証キーとの間の第2の距離を算出する算出部と、第1の距離および第2の距離に基づいて定まる条件を満たす場合に、認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する。
【0004】
本発明の一態様においては、無線ID認証システムが提供される。無線ID認証システムは、認証キーと、認証装置とを有し、認証キーと認証装置との間で近距離無線通信を行って認証キーの認証処理を行う無線ID認証システムにおいて、認証装置は、出入口の出入方向の一方の側に設置された第1のアンテナおよび第2のアンテナと、第1のアンテナと認証キーとの間の第1の距離および第2のアンテナと認証キーとの間の第2の距離を算出する算出部と、第1の距離および第2の距離に基づいて定まる条件を満たす場合に、認証キーの認証の可否を判断する判断部と、を有する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態における無線ID認証システム100の概略構成の一例を示す。
図2】本実施形態における無線ID認証システム100の配置構成の一例を示す。
図3】比較例における認証エリアの一例を示す。
図4】本実施形態における認証エリアの第1の例を示す。
図5】本実施形態における認証エリアの第2の例を示す。
図6】本実施形態における認証エリアの第3の例を示す。
図7】本実施形態における認証エリアの第4の例を示す。
図8】本実施形態における認証エリアの第5の例を示す。
図9】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態における無線ID認証システム100の概略構成の一例を示す。図1に示すように、無線ID認証システム100は、認証キー10と、無線ID認証装置20とを有する。無線ID認証装置20は、無線通信部30と、電気錠ユニット40とを有する。無線通信部30は、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32を有する。電気錠ユニット40は、算出部41と、判断部42と、電気錠43とを有する。
【0009】
図2は、本実施形態における無線ID認証システム100の配置構成の一例を示す。図2に示すように、電気錠ユニット40はエントランスの出入口面51に設けられた扉50に埋め込まれる。エントランスの出入口面51に直交する室外側の側面52、53には、それぞれ第1のアンテナ31および第2のアンテナ32が配置される。しかしながら、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32は、側面52、53の室内側に配置されてもよい。また、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32は、出入口面51から室外側および室内側のいずれか一方に予め定められた第3の距離L以上を離隔して配置される。第1のアンテナ31および第2のアンテナ32が出入口面51から離隔される第3の距離Lは、異なる距離であってもよい。第1のアンテナ31および第2のアンテナ32はそれぞれ複数のアンテナを有する。図2に示すように、室外側から室内側に入ろうとする利用者200の手に認証キー10が保持されている。
【0010】
本実施形態における無線ID認証システム100は、商業オフィスビル、マンション等の集合住宅、公共施設、ホテル等の大型施設におけるエレベータホール、フロア内で仕切られた特定エリアへの入退出ゲート、客室、テナント、ロッカー等に導入される。
【0011】
認証キー10は、例えば、商業オフィスビルに入居する会社の社員が所有する社員用認証キー、マンションの住人がマンションに出入りするための認証キー、ビル内の清掃員が共用部分の清掃を行う際に使用する管理用認証キー、ビルを管理する管理会社が所有するマスター認証キー等の、使用用途に応じて予め決められたエリアへの入退出を可能とする権限が付与されたキーである。
【0012】
認証キー10は、電磁界や電波等を用いた近距離無線通信を可能とするCPUやROM、RAM、フラッシュRAM等で構成されるRFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag)自体、若しくはこれを搭載した各種媒体(例えば、カード状記憶媒体や携帯電話(スマートフォンを含む)等)で構成されている。近距離無線通信には、超広帯域無線(Ultra Wide Band)通信や、Bluetooth(登録商標)通信が含まれる。なお、複数の通信方式を使い分けてもよい。例えば、待機状態(ポーリング)ではBluetooth(登録商標)通信とし、起動後は超広帯域無線通信としてもよい。認証キー10には、認証処理の際に自身を特定するための識別IDコードが割り振られており、この識別IDコードが利用者毎に付与される使用権限に対応した無線ID認証装置20に事前登録されている。
【0013】
無線通信部30は、通信可能領域内に存在する1または複数の認証キー10との間で無線通信を行うものであり、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32によって、通信可能領域内に存在する認証キー10からID信号を取得するためのID送信要求を予め決められた周期で繰り返し送信している(ポーリング)。
【0014】
認証キー10は、無線通信部30からのID送信要求を受けると、自身の識別IDコードを所定のアルゴリズムで暗号化した識別ID情報に、所定の情報を付加し、無線通信部30に返信情報として送信する。無線通信部30は、認証キー10から送信された返信情報を受け取り、判断部42に送信する。第1のアンテナ31および第2のアンテナ32はそれぞれ複数のアンテナを有しており、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32の複数のアンテナが認証キー10から受信する複数の無線信号には、受信時刻差および位相差が生じる。無線通信部30は、この受信時刻差および位相差の情報を電気錠ユニット40の算出部41に送信する。
【0015】
図2に示すように、本実施形態における無線ID認証システム100は、室外側から室内側に入ろうとする利用者200の認証を行い、出入り口の扉50を解錠する。本実施形態において、扉50はデフォルトで施錠状態である。一方で、例えば、室内側から室外側に出ようとする利用者200は、扉50の解錠ボタンを押すことにより扉50を解錠させて室外側に出るため、室内側から室外側に出ようとする利用者200の認証は行わない。同様に、室内側を歩いている利用者200の認証は行わない。しかしながら、室内側にいる利用者200が認証キー10を保持している場合、認証キー10と無線ID認証装置20とが接近することにより、認証キー10と無線ID認証装置20とが反応してしまい、意図せずに扉50が解錠してしまう場合があった。
【0016】
図3は、比較例における認証エリアの一例を示す。図3に示すように、無線ID認証装置20のアンテナ34がエントランスの出入口面51に設けられている場合、アンテナ34から一定の距離のエリア60にある認証キー10と反応することにより、扉50が解錠される。このエリア60には、室外側の「目的とする認証エリア」が含まれる一方で、室内側の「望ましくない認証エリア」も含まれてしまう。したがって、室内側の「望ましくない認証エリア」を利用者200が通行することにより、意図せずに扉50が解錠してしまう場合があった。本実施形態における無線ID認証システム100は、このような事態を回避するために、認証が行われるエリアを限定し、室外側から到来した無線信号のみに反応して扉50の解錠を行うことを目的とする。
【0017】
図1において、算出部41は、無線通信部30から受信した受信時刻差および位相差の情報の少なくとも一方に基づいて認証キー10から第1のアンテナ31および第2のアンテナ32への第1の到来角および第2の到来角を算出する。算出部は、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32が認証キー10から受信する無線信号の伝搬時間に基づいて、第1の距離および第2の距離を算出する。具体的には、算出部41は、TOF( Time of Flight)や、TOA(Time of Arrival)や、TDOA(Time Difference of Arrival)の原理を用いて第1のアンテナ31と認証キー10との間の第1の距離および第2のアンテナ32と認証キー10との間の第2の距離を算出する。なお、算出部41は、第1の到来角および第2の到来角と、第1のアンテナ31と第2のアンテナ32の間の距離に基づいて、第1のアンテナ31と認証キー10との間の第1の距離および第2のアンテナ32と認証キー10との間の第2の距離を算出してもよい。即ち、算出部41は、AoA(Angle of Arrival)、またはAoD(Angle of Departure)の原理を用いて認証キー10の方向を検知して、認証キー10までの距離を算出してもよい。なお、認証キー10が複数の発信用アンテナを有していてもよい。算出部41は、算出した第1の距離および第2の距離を判断部42に送信する。
【0018】
判断部42は、算出部41から受信した第1の距離および第2の距離に基づいて定まる条件を満たす場合に、認証キー10の認証の可否を判断する。この条件は、例えば、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)、および第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)であってよい。この条件は、例えば、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)、および第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)であってよい。この条件は、第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)、および第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)であってよい。
【0019】
また、判断部42は、第1の距離および第2の距離に基づいて定まる3つ以上の条件を満たす場合に、認証キー10の認証の可否を判断してもよい。この場合、3つ以上の条件とは、例えば、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)、第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)、および第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)であってよい。
【0020】
第1の範囲および第2の範囲は同じ距離の範囲であってもよく、異なる距離の範囲であってもよい。例えば、側面52が扉50から比較的遠く、側面53が扉50から比較的近い場合に、第1の範囲を長く設定して、第2の範囲を短く設定してもよい。これにより、認証エリアを適切な範囲とすることができる。
【0021】
判断部42は、第1の距離および第2の距離に基づいて定まる少なくとも2つの条件を満たす場合に当該認証キー10からの無線信号について認証の可否を判断する。第1の距離および第2の距離に基づいて定まる少なくとも2つの条件を満たす場合とは、言い換えると、認証キー10が適切な認証エリアに存在する場合である。したがって、判断部42は、認証キー10が適切な認証エリアに存在する場合に当該認証キー10の認証の可否を判断する一方で、認証キー10が適切な認証エリアに存在しない場合には、当該認証キー10の認証の可否を判断しない。
【0022】
判断部42は、認証キー10が適切な認証エリアに存在する場合に、認証キー10から送信された返信情報と、予め保存された事前登録情報とを用いて、識別ID情報を解読処理した識別IDコードが事前登録されたものか否かの認証処理を行い、登録済みであることを確認すると、電気錠43に対して施解錠信号を出力し、電気錠43を解錠させる。扉50が自動ドアの場合には、電気錠43を解錠させて自動ドアを開く動作を行う。
【0023】
電気錠43は、判断部23から受信した施解錠信号に基づき、モータやソレノイド等の駆動手段を駆動してデッドボルトを扉枠のストライクの係止穴に対して進退させることで電気的に錠の施解錠を行う。
【0024】
図4は、本実施形態における認証エリアの第1の例を示す。図4において、エリア61は、第1の距離(第1のアンテナ31からの距離)が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)を満たすエリアを示しており、エリア62は、第2の距離(第2のアンテナ33からの距離)が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)を満たすエリアを示しており、エリア63は、第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)を満たすエリアを示している。第1の例では、判断部42は、条件1、条件2、および条件3のいずれも満たす場合(条件1+条件2+条件3)に、認証キー10の認証の可否を判断する。したがって、第1の例における認証エリアは、図4においてハッチングで示されるエリア64となる。
【0025】
図5は、本実施形態における認証エリアの第2の例を示す。図5において、エリア61は、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)を満たすエリアを示しており、エリア62は、第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)を満たすエリアを示しており、エリア63は、第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)を満たすエリアを示している。第2の例では、判断部42は、条件2および条件3を満たす場合(条件2+条件3)に、認証キー10の認証の可否を判断する。したがって、第2の例における認証エリアは、図5においてハッチングで示されるエリア65となる。
【0026】
図6は、本実施形態における認証エリアの第3の例を示す。図6において、エリア61は、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)を満たすエリアを示しており、エリア62は、第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)を満たすエリアを示しており、エリア63は、第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)を満たすエリアを示している。第3の例では、判断部42は、条件1および条件3を満たす場合(条件1+条件3)に、認証キー10の認証の可否を判断する。したがって、第3の例における認証エリアは、図6においてハッチングで示されるエリア66となる。
【0027】
図7は、本実施形態における認証エリアの第4の例を示す。図7において、エリア61は、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)を満たすエリアを示しており、エリア62は、第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)を満たすエリアを示しており、エリア63は、第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)を満たすエリアを示している。第4の例では、判断部42は、条件1および条件2を満たす場合(条件1+条件2)に、認証キー10の認証の可否を判断する。したがって、第4の例における認証エリアは、図7においてハッチングで示されるエリア67となる。
【0028】
図8は、本実施形態における認証エリアの第5の例を示す。図8において、エリア61は、第1の距離が予め定められた第1の範囲内である条件(条件1)を満たすエリアを示しており、エリア62は、第2の距離が予め定められた第2の範囲内である条件(条件2)を満たすエリアを示しており、エリア63は、第1の距離と第2の距離との和が予め定められた第3の範囲内である条件(条件3)を満たすエリアを示している。第5の例では、判断部42は、条件3を満たす場合に、認証キー10の認証の可否を判断する。したがって、第5の例における認証エリアは、図8においてハッチングで示されるエリア63となる。
【0029】
上記では、判断部42は、第1の距離および第2の距離に基づいて定まる少なくとも2つの条件を満たす場合に当該認証キー10からの無線信号について認証の可否を判断した。しかしながら、さらに他の条件を加えてもよい。他の条件は、例えば、出入口面51(または扉50)から所定の距離以内である条件や、第1のアンテナ31および第2のアンテナ32が認証キー10から無線信号を受信した時刻が所定の期間内である(例えば、9:00から17:00など)条件などであってよい。
【0030】
本実施形態における無線ID認証システム100によれば、上述の構成とすることにより認証エリアを適切な範囲とすることができる。したがって、室内側にいる利用者200が保持する認証キー10と無線ID認証装置20とが反応してしまい、意図せずに扉50が解錠してしまうという事態を回避することができる。
【0031】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0032】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0033】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0034】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0035】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0036】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0037】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0038】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0039】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0040】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0041】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0042】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0043】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0044】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0045】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0046】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0047】
10 認証キー、20 無線ID認証装置、30 無線通信部、31、32 アンテナ、40 電気錠ユニット、41 算出部、42 判断部、43 電気錠、50 扉、51~53 壁、60~67 エリア、100 無線ID認証システム、200 利用者、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード
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