(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020050
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】病気の症状に関連する情報サービス方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20240206BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20240206BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240206BHJP
【FI】
G16H10/20
G16H50/20
G06T19/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122924
(22)【出願日】2022-08-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】506321584
【氏名又は名称】河村 光廣
(74)【代理人】
【識別番号】100210804
【弁理士】
【氏名又は名称】榎 一
(74)【代理人】
【識別番号】100198498
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 靖
(72)【発明者】
【氏名】河村 光廣
【テーマコード(参考)】
5B050
5L099
【Fターム(参考)】
5B050AA02
5B050BA12
5B050CA07
5B050EA12
5B050EA13
5B050FA05
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】本発明は、ユーザから症状データを収集するための情報サービス技術を提供する。
【解決手段】コンピュータシステムが実行する「病気の症状に関連する情報サービス方法」であって、部位入力ステップ、症状入力ステップ、およびデータ生成ステップを備える。前記部位入力ステップは、人体の少なくとも一部を模した画像(以下「人体画像」という)を表示し、前記人体画像の部位を指示するユーザ操作を受け付けることによって、前記症状の発生部位を取得する。前記症状入力ステップは、前記発生部位に生じる前記症状の情報(以下「症状情報」という)についてユーザ入力を受け付ける。前記データ生成ステップは、前記症状入力ステップでユーザ入力された前記症状情報と、前記部位入力ステップで取得した前記発生部位との組み合わせに基づいて、病気の症状データを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムが実行する「病気の症状に関連する情報サービス方法」であって、
人体の少なくとも一部を模した画像(以下「人体画像」という)を表示し、前記人体画像の部位を指示する操作を受け付けることによって、前記症状の発生部位を取得する部位入力ステップと、
前記発生部位に生じる前記症状の情報(以下「症状情報」という)について入力を受け付ける症状入力ステップと、
前記症状入力ステップで入力された前記症状情報と、前記部位入力ステップで取得した前記発生部位との組み合わせに基づいて、病気の症状データを生成するデータ生成ステップと、
を備えたことを特徴とする情報サービス方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報サービス方法であって、
前記症状入力ステップは、
前記人体画像のポーズを操作に応じて変化させることによって、前記症状が発生する姿勢を取得する姿勢入力ステップを有し、
前記データ生成ステップは、取得した前記姿勢を前記症状情報として前記症状データに含める
ことを特徴とする情報サービス方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報サービス方法であって、
前記症状入力ステップは、
言語、国、および地域の少なくとも一つに関するユーザの環境圏を特定する環境圏特定ステップと、
特定された前記環境圏に基づいて、症状表現のデータ群から前記環境圏に特有の症状表現を抽出する表現抽出ステップと、
前記環境圏に特有の前記症状表現を含む選択枝を前記ユーザに提示し、前記ユーザの選択入力を前記症状情報として受け付ける症状選択ステップとを有する、
ことを特徴とする情報サービス方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報サービス方法であって、
前記症状入力ステップは、
前記症状選択ステップで受け付けた前記症状情報の内、前記環境圏に特有の前記症状表現を、標準的な前記症状表現に置換する標準化ステップを有する、
ことを特徴とする情報サービス方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報サービス方法であって、
「病気によって生じる症状データ」と「当該病気の診療科」との対応関係を保持する対応保持ステップと、
前記データ生成ステップで生成された前記症状データを、前記対応関係に情報入力して照合や推論の処理を行うことによって、前記症状データに適する前記診療科を候補決定する診療科決定ステップと、
候補決定された前記診療科に関する情報を提供する情報提供ステップと、
を備えたことを特徴とする情報サービス方法。
【請求項6】
コンピュータに、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の情報サービス方法を実行させるための情報サービスプログラム。
【請求項7】
人体の少なくとも一部を模した画像(以下「人体画像」という)を表示し、前記人体画像の部位を指示する操作を受け付けることによって、症状の発生部位を取得する部位入力部と、
前記発生部位に生じる前記症状の情報(以下「症状情報」という)について入力を受け付ける症状入力部と、
前記症状入力部で入力された前記症状情報と、前記部位入力部で取得した前記発生部位との組み合わせに基づいて、病気の症状データを生成するデータ生成部と、
を備えたことを特徴とする情報サービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病気の症状に関連する情報サービス方法、情報サービスプログラム、および情報サービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病気の症状を有するユーザに対して、適切な診療科の選択を支援する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「ユーザから症状とその発生部位とからなる問診情報を収集し、その問診情報の情報解析から適切な診療科名を決定する」旨の情報処理方法が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1の技術(特に段落0020、
図3参照)では、発生部位のユーザ入力の方法として、「頭頂部」、「おでこ」・・などの部位名称や対応図を選択枝として複数提示し、ユーザに発生部位を選択入力させる方法が開示される。
【0006】
このような従来の入力方法では、選択枝以外の発生部位(特に、頭頂部とおでこの中間のように部位名称が無い発生部位)を入力することはできず、発生部位を精密に指定できないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献1の技術では、腕を上げたときだけ痛みが生じるなど、特定の姿勢条件に限って発生する症状の入力方法について開示が無いという問題点があった。
【0008】
さらに、特許文献1のように症状表現を選択する入力方法では、症状表現に詳しく無いユーザ(特に外国人)にとって、症状の選択が難しいという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、これら課題の少なくとも一つを解決するために、ユーザから症状データを収集する情報サービス技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、コンピュータシステムが実行する「病気の症状に関連する情報サービス方法」であって、次の部位入力ステップ、症状入力ステップ、およびデータ生成ステップを備える。
【0011】
前記部位入力ステップは、人体の少なくとも一部を模した画像(以下「人体画像」という)を表示し、前記人体画像の部位を指示するユーザ操作を受け付けることによって、前記症状の発生部位を取得する。
【0012】
前記症状入力ステップは、前記発生部位に生じる前記症状の情報(以下「症状情報」という)についてユーザ入力を受け付ける。
【0013】
前記データ生成ステップは、前記症状入力ステップでユーザ入力された前記症状情報と、前記部位入力ステップで取得した前記発生部位との組み合わせに基づいて、病気の症状データを生成する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザから症状データを収集するための情報サービス技術が実現する。
【0015】
なお、上記した以外の課題、構成および効果については、後述する実施形態の説明において、さらに詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施例1における情報サービスシステム100の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、情報サービスシステム100の動作を説明する流れ図(1/2)である。
【
図3】
図3は、情報サービスシステム100の動作を説明する流れ図(2/2)である。
【
図4】
図4は、人体画像を表示したユーザ端末300の表示画面310の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、人体画像で指示された部位を変換するための医学用語の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施例2における情報サービスシステム500の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施例2の特徴的な動作処理(
図1のS108に代わる動作処理)を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【実施例0018】
《実施例1の構成》
図1は、実施例1における情報サービスシステム100の構成を示すブロック図である。
【0019】
同図において、情報サービスシステム100は、クラウド200(インターネットなど)の機構を介して、複数のユーザ端末300に対して症状ナビ(病気の症状に関連する情報サービス方法)のサービス提供を行う。
【0020】
情報サービスシステム100は、部位入力部110、症状入力部120、データ生成部130、対応保持部140、診療科決定部150、および情報提供部160を備える。
【0021】
部位入力部110は、人体の少なくとも一部を模した画像(以下「人体画像」という)をユーザ端末300の画面に表示する。ユーザは、ユーザ端末300に対して、人体画像の部位を指示するGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェース)などのユーザ操作を行う。部位入力部110は、このユーザ操作を受け付けることによって、人体画像の指示された部位を、病気の症状の発生部位として取得する。
【0022】
症状入力部120は、ユーザ端末300を介して、発生部位に生じる症状の情報(以下「症状情報」という)についてユーザ入力を受け付ける。
【0023】
データ生成部130は、症状入力部120が取得した症状情報と、部位入力部110が取得した発生部位との組み合わせに基づいて、病気の症状データを生成する。
【0024】
対応保持部140は、過去履歴として「病気によって生じる症状データ」と「当該病気の診療科」との対応関係を(例えば、既往歴を含む過去履歴を学習データとして予め機械学習を行った機械学習モデルなどの形で)保持する。
【0025】
診療科決定部150は、データ生成部130が生成した病気の症状データを、対応保持部140が保持する対応関係(例えば機械学習モデル)に情報入力する。この情報入力によって、診療科決定部150は、(例えば機械学習モデルの推論出力として)病気の症状を発症した患者に適した診療科を候補決定する。
【0026】
情報提供部160は、診療科決定部150が候補決定した診療科に関する情報をユーザ端末300を介してユーザに提供する。
【0027】
なお、症状入力部120は、姿勢入力部121を含む。
姿勢入力部121は、ユーザ端末300を介して、人体画像の姿勢をGUIなどのユーザ操作に応じて変化させることによって、痛みや麻痺やしびれなどの症状が発生する特定の姿勢を取得する。
【0028】
なお、このような情報サービスシステム100は、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit)やメモリなどを備えたコンピュータシステムとして構成してもよい。このハードウェアがコンピュータ可読媒体に記憶された「情報サービスプログラム」を実行することによって、上述した情報サービスシステム100の各部機能が実現する。その結果、コンピュータシステムは、情報サービスの各部機能に対応するステップ動作を実行する。
【0029】
このハードウェアの一部または全部については、専用の装置、機械学習マシン、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、PLD(programmable logic device)などで代替してもよい。
【0030】
《実施例1の動作》
図2および
図3は、情報サービスシステム100の動作を説明する流れ図である。
以下、
図2および
図3に示すステップ番号の順に説明する。
【0031】
ステップS101: 部位入力部110は、ユーザ端末300のユーザプロフィールや、ユーザ端末300を介してユーザに質問することによって、ユーザについて性別/年齢/既往歴/血液型/体重/身長などのユーザ情報を受け付ける。
【0032】
ステップS102: 部位入力部110は、ユーザの性別/年齢/体重/身長などの一部または全部の外見的特性に適合した人体画像を選択して、ユーザ端末300の画面に表示する。
【0033】
図4は、人体画像を表示したユーザ端末300の表示画面310の一例を示す図である。
同図において、人体画像は、人体の前面側を示す前面3D画像311と、人体の背面側を示す背面3D画像312との対を、両者が画面上で極力重ならない対面位置にレイアウトして表示される。
【0034】
ステップS103: 部位入力部110は、ユーザ端末300においてユーザ操作の受け付けを開始する。
【0035】
図4に示すように、ユーザ端末300は、マウス操作やタッチ画面操作などのGUI操作を受け付けるGUI操作部310Aを備える。
【0036】
ユーザが、このGUI操作部310Aの人体画像の背景に対して、ドラッグ操作やフリップ操作を行うことによって、3D立体表示された人体画像を上下左右斜めの立体軸回りに360度回転ビューすることが可能になる。
【0037】
また、GUI操作部310Aは、人体画像の部位を指示するクリック操作やタッチ操作に応じて、人体画像の表面域を区分ごとに色分けして表示する機能を有する。
図4に示す症状の発生部位313、314は、このようにして色分けして表示された部位である。
【0038】
さらに、GUI操作部310Aは、病気の症状を情報入力する機能(例えばメニュー表示してメニュー選択する機能)を有する。
【0039】
また、GUI操作部310Aは、人体画像に対してポーズを変更する機能(例えば、人体画像上で関節の角度を可変したり、四肢や首や腰や胸部や腹部などを動かしたり、膨らませたり、縮めたり、ねじったりなどのマウス操作やタッチ画面操作の機能、例えばドラッグやフリップなど)を有する。
【0040】
ステップS104: 部位入力部110は、ユーザ端末300から、人体画像の部位を指示するユーザ操作の有無について情報を取得する。
部位の指示が有った場合、部位入力部110はステップS105に動作を移行する。
部位の指示が無かった場合、部位入力部110はステップS107に動作を移行する。
【0041】
ステップS105: 部位入力部110は、ユーザ端末300から人体画像の部位を指示するユーザ操作を受け付ける。例えば、ここでの指示操作は、次の通りである。
(1)ピンポイントの指示操作
(2)連続または離散した複数ポイントの指示操作
(3)領域や輪郭の指示操作
【0042】
ステップS106: 部位入力部110は、人体画像で指示された部位を医学用語に変換して、症状の発生部位として取得する。なお、医学用語の無い部位については、人体画像上の位置データや、医学用語のある部位との相互の位置関係などにより取得する。
図5は、このような医学用語の一例を示す図である。
【0043】
ステップS107: 症状入力部120は、ユーザ端末300から、発生部位の症状情報に関する入力の有無を取得する。
症状情報の入力が有った場合、症状入力部120はステップS108に動作を移行する。
症状情報の入力が無かった場合、症状入力部120はステップS109に動作を移行する。
【0044】
ステップS108: 症状入力部120は、ユーザ端末300から症状情報の選択やテキスト入力などの入力操作を受け付ける。例えば、ここでの入力操作は、次の通りである。
(1)症状の態様例...痛みの強弱/鈍痛/激痛/疼痛/ガンガン/ジンジン/ズキズキ/チクチク/叩かれた感じ/つねった感じ/かゆみ/腫れる/寒気/熱っぽい/麻痺/しびれ/など
(2)症状の頻度例...慢性的/周期的/週に1~2/単発的/ときどき/朝/昼/夕/夜中/など
【0045】
ステップS110: 姿勢入力部121は、ユーザ端末300から、人体画像のポーズを変更する操作の有無について情報を取得する。
ポーズの変更操作が有った場合、姿勢入力部121はステップS111に動作を移行する。
ポーズの変更操作が無かった場合、姿勢入力部121はステップS113に動作を移行する。
【0046】
ステップS111: 姿勢入力部121は、ユーザ端末300からポーズの変更操作を受け付ける。例えば、ここでのポーズの変更操作は、次の通りである。
ポーズの変更操作の例...脚の屈曲/腕上げ/肩の上下/首の前傾/首の後傾/首を回す/伸身/体をひねる/体の前傾/体の後傾/腕をひねる/胸部を膨らませる/腹部を縮めるなど
【0047】
ステップS112: 姿勢入力部121は、ポーズを変更した後の人体画像の姿勢データを症状を生じる特定の姿勢(症状情報の一種)として情報取得する。
【0048】
ステップS113: データ生成部130は、症状情報および発生部位について両方の情報が揃ったか否かを判定する。
両方が揃っている場合、データ生成部130はステップS114に動作を移行する。
両方が揃っていない場合、データ生成部130はステップS101に動作を戻す。
【0049】
ステップS114: データ生成部130は、症状情報と発生部位との組み合わせに基づいて、病気の症状データを生成する。なお、データ生成部130は、ステップS101で取得したユーザの既往歴を病気の症状データに加えてもよい。
【0050】
ステップS115: 診療科決定部150は、ステップS114で生成された症状データを、対応保持部140が保持する「病気によって生じる症状データ」と「当該病気の診療科」との対応関係に情報入力して照合や推論などの処理をすることによって、ユーザの症状データに適する診療科と、病名(疑い)を候補決定する。なお、症状データがユーザの既往歴を含むことによって、診療科と病名(疑い)の候補決定をより正確に行うことが可能になる。
【0051】
なお、診療科決定部150は、発生部位から末梢神経や脊髄神経や脳神経や血管やリンパ管や筋肉や骨格などの体内経路を辿ることによって、症状の原因部位や関連部位などの部位を推定することも可能である。
【0052】
ステップS116: 情報提供部160は、候補決定された診療科と病名(疑い)をユーザ端末300に情報提供する。なお、診療科に関する支援情報(診療科を有する近くの病院やその予約状況)をユーザ端末300に情報提供してもよい。
【0053】
以上説明した一連のステップ動作により、症状ナビに基づく情報サービス方法が実現する。
【0054】
《実施例1の効果》
以下、実施例1が奏する効果について説明する。
【0055】
(1)従来技術では、部位名称や対応図の選択枝から発生部位を入力する。そのため、選択枝に存在しない発生部位(特に部位名称のない発生部位)についてはそもそも入力できず、発生部位の指定を精密に行えないという問題点があった。
しかしながら、本実施例1では、人体画像の部位を指示するユーザ操作によって発生部位を指定する。そのため、ユーザ操作の分解能まで発生部位の入力精度を高めることが可能になる。したがって、本実施例1は、より精密に発生部位を入力できるという点で優れている。
【0056】
(2)従来技術では、腕を上げたときだけ痛みが生じるなど、特定の姿勢に限って発生する症状を入力できないという問題点があった。
しかしながら、本実施例1は、人体画像のポーズをユーザ操作に応じて変化させることによって、症状が発生する姿勢を入力することができる。したがって、本実施例1は、特定の姿勢に限って発生する症状を入力できるという点で優れている。
【0057】
(3)特に、本実施例1では、
図4に例示する人体画像の画面一つで、「発生部位」および「症状を生じる特定の姿勢」の両方を入力する。そのため、「発生部位」と「特定の姿勢」それぞれについて入力用の画面を別々に用意して切り替えるなどの面倒が無い。したがって、本実施例1は、ユーザにとって症状関連の入力操作がしやすい(操作性が高い)という点で優れている。
【0058】
(4)本実施例1では、人体画像として、人体の前面側を示す前面3D画像311と、人体の背面側を示す背面3D画像312とをレイアウトして表示する。その結果、本実施例1は、一つの画面上において人体の前面側および背面側のどちらの発生部位も指示可能になるという点で優れている。
【0059】
(5)さらに、本実施例1では、人体画像の3D表示を回転ビューする。その結果、例えば足の裏のように人体に隠れて指示できない発生部位を画面の正面向きに方向転換できる。したがって、本実施例1は、普段は人体に隠れている発生部位であっても、方向転換によって指示が可能になるという点で優れている。
実施例2の構成上の特徴は、症状入力部120に対して、環境圏特定部122、表現抽出部123、症状選択部124、および標準化部125がさらに追加される点である。
この内、環境圏特定部122は、ユーザ端末300のユーザプロフィールを取得したり、ユーザに質問したりすることによって、ユーザの使用する言語や、出生または生活する国や地域などの少なくとも一つに関する環境圏(ユーザの成長段階に影響する親や家系の環境圏を同様に取得して環境圏に含めてもよい)を特定する。
症状選択部124は、病気の症状表現(環境圏に特有の症状表現を含む)を選択枝として、ユーザ端末300を介してユーザに提示する。ユーザは、ユーザ端末300を介して病気の症状に適合した症状表現の選択枝を選ぶ。症状選択部124は、このユーザの選択入力を受け付けることで、症状情報を取得する。
ステップS201: 環境圏特定部122は、ユーザの言語、国、および地域などの少なくとも一つの情報を、ユーザ端末300のプロフィール情報またはユーザへの質問処理から取得する。環境圏特定部122は、取得した情報に基づいて、ユーザの環境圏を特定する。なお、ユーザの成長段階に影響する親や家系の環境圏の条件を同様に求めて、ユーザの環境圏に含めてもよい。
ステップS202: 表現抽出部123は、病気の症状表現のデータ群を環境圏ごとに有する。表現抽出部123は、ユーザの環境圏に基づいてこれらのデータ群を絞り込むことによって、ユーザの環境圏に特有の症状表現(外国語や地域性に由来する症状表現)を抽出する。
ステップS203: 症状選択部124は、抽出された特有の症状表現を含む選択枝をユーザ端末300に提示する。症状選択部124は、ユーザが選択入力した症状表現を、症状情報として受け付ける。
なお、症状選択部124は、粗い階層の症状表現の選択枝を先に提示し、その選択入力に応じて細かい階層の症状表現を選択枝として段階的(または階層的)に提示してもよい。
ステップS204: 標準化部125は、ユーザから受け付けた症状情報の内、環境圏に特有の症状表現があるか否かを判定する。特有の症状表現があった場合、標準化部125は、その特有の症状表現(外国語や地域性に由来する症状表現)を、標準的な症状表現に置換(例えば、一種の自動翻訳)して症状情報とする。
(2)さらに、本実施例1では、ユーザ選択された症状情報の内、ユーザの環境圏に特有の症状表現を標準的な症状表現に置換する。したがって、本実施例1では、環境圏に即した症状入力を可能にしながらも、標準的な症状データを生成することができるという点で優れている。