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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020079
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】連結保持部材
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A61M39/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122973
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】390029676
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕也
(72)【発明者】
【氏名】野口 将平
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ01
4C066JJ04
4C066JJ10
(57)【要約】
【課題】本発明は、コネクタに容易に取り付けられ、コネクタの連結状態を確実に維持できる連結保持部材を提供することを目的とする。
【解決手段】連結保持部材(100,200,300)は、第1方向についてコネクタ(10)を挟持する一対の挟持部(151,152、及び、237,238)、配管接続部(12,13)が案内される開口部(149,239)を有する少なくとも1つの第1配管嵌着部(148,231)、及び少なくとも1つの挟持部(151,152、及び、237,238)の第1方向に対して直交する第2方向の一方側に設けられる係合端部(142,236)を備え、係合端部(142,236)は、第1配管嵌着部(148,231)の開口部(149,239)側に設けられており、開口部(149,239)を局所的に狭小する係止突部(146,234)を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に直線的に配置された状態で、前記第1方向に延在する配管接続部を介して連結された複数のコネクタを保持する連結保持部材であって、
前記第1方向について前記コネクタを挟持する一対の挟持部、
前記配管接続部が案内される開口部を有する少なくとも1つの第1配管嵌着部、及び
少なくとも1つの前記挟持部の前記第1方向に対して直交する第2方向の一方側に設けられる係合端部を備え、
前記係合端部は、前記第1配管嵌着部の前記開口部側に設けられており、前記開口部を局所的に狭小する係止突部を有している、連結保持部材。
【請求項2】
前記一対の挟持部の前記第2方向の他方側には、前記一対の挟持部を接続して前記コネクタの側面に連続的に当接する連続部が設けられており、
前記連続部の中心軸線方向長さは、前記コネクタの側面の中心軸線方向長さ以上に形成されている、請求項1に記載の連結保持部材。
【請求項3】
前記係合端部は傾斜面部を有し、
前記傾斜面部は、前記傾斜面部と、前記傾斜面部が対向する部材との間に形成される間隔が前記傾斜面部に沿って挿入される前記配管接続部の挿入方向における入り口側が奥側より広く形成されている、請求項1又は2に記載の連結保持部材。
【請求項4】
前記コネクタの底面を保持する連結部を備えており、
前記係合端部は前記配管接続部の外周面を保持する押さえ部を有しており、
前記第1方向、及び前記第2方向に直交する第3方向について、前記コネクタを前記押さえ部、及び前記連結部により挟み込んで保持している、請求項1又は2に記載の連結保持部材。
【請求項5】
前記配管接続部を保持する第2配管嵌着部を有し、
前記第1配管嵌着部と、前記第2配管嵌着部とは、前記第1方向及び前記第2方向に直角な第3方向に対し平行に形成されている、請求項1又は2に記載の連結保持部材。
【請求項6】
前記連結保持部材は、2つの同じ形状の部材を組み合わせて形成されている、請求項5に記載の連結保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液ライン又は輸血ラインに用いられる連結されたコネクタを保持する連結保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、輸液ライン又は輸血ラインにはコネクタが用いられている。患者に複数の薬液等を同時、又は交互に投与する場合には、3つの配管接続部がT字状に配置されている三流路を備えたコネクタが利用される。コネクタは、互いの配管接続部をねじ嵌合で接続し、2つ以上のコネクタを連結して使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-201636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、互いに接続されるコネクタは、ロック部によるねじ嵌合のみで連結されている。コネクタは、輸液ライン等の途中に接続されているため、使用者が輸液ラインに接触した場合、ロック部のねじ嵌合が緩む可能性があった。また、薬剤注入の際に、使用者がコネクタの分岐配管を注入方向に向ける必要があり、この時にロック部のねじ嵌合が緩む可能性があった。そのため、連結状態のコネクタが緩むことなく確実に保持することが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コネクタに容易に取り付けられ、連結されたコネクタを確実に保持できる連結保持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る連結保持部材は、第1方向に直線的に配置された状態で、前記第1方向に延在する配管接続部を介して連結された複数のコネクタを保持する連結保持部材であって、第1方向についてコネクタを挟持する一対の挟持部、配管接続部が案内される開口部を有する少なくとも1つの第1配管嵌着部、及び少なくとも1つの挟持部の第1方向に対して直交する第2方向の一方側に設けられる係合端部を備え、係合端部は、第1配管嵌着部の開口部側に設けられており、開口部を局所的に狭小する係止突部を有している。
【0007】
本発明に係る連結保持部材は、第1方向についてコネクタを挟持する一対の挟持部、配管接続部が案内される開口部を有する少なくとも1つの第1配管嵌着部、及び少なくとも1つの挟持部の第1方向に対して直交する第2方向の一方側に設けられる係合端部を備え、係合端部は、第1配管嵌着部の開口部側に設けられており、開口部を局所的に狭小する係止突部を有している。そのため、コネクタの第1方向についてコネクタを挟持する一対の挟持部がコネクタを挟持し、係合端部に形成された係止突部により配管接続部の抜け防止を図りながら、第1配管嵌着部が配管接続部を保持するので、コネクタを確実に保持することができる。
【0008】
また、本発明に係る連結保持部材が備える連続部の中心軸線方向長さは、コネクタの側面の中心軸線方向長さ以上に形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明に係る連結保持部材が備える連続部の中心軸線方向長さは、コネクタの側面の中心軸線方向長さ以上に形成されているので、連結保持部材はコネクタの側面の広い範囲を保持して、コネクタをより確実に保持することができる。
【0010】
また、本発明に係る連結保持部材が有する傾斜面部は、傾斜面部と、傾斜面部が対向する部材との間に形成される間隔が傾斜面部に沿って挿入される配管接続部の挿入方向における入り口側が奥側より広く形成されていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る連結保持部材が有する傾斜面部は、傾斜面部が対向する部材との間隔が配管接続部の挿入方向における入り口側が広く形成されている。したがって、傾斜面部が配管接続部の挿入時のガイドとなり、配管接続部を第1配管嵌着部に容易に挿入することができる。
【0012】
また、本発明に係る連結保持部材は、コネクタの底面を保持する連結部を備えており、係合端部は配管接続部の外周面を保持する押さえ部を有しており、第1方向及び第2方向に直交する第3方向について、コネクタを押さえ部、及び連結部により挟み込んで保持している。
【0013】
本発明に係る連結保持部材は、コネクタの保持について、第1方向について挟持していることに加え、第1方向及び第2方向に直交する第3方向について、コネクタを挟み込んで保持している。コネクタを複数の方向から保持することで、コネクタをより確実に保持することができる。
【0014】
また、本発明に係る連結保持部材が備える側面保持部が有する第1配管嵌着部と、第2配管嵌着部とは、第1方向、及び第2方向に直交する第3方向に対して平行に形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明に係る連結保持部材が備える側面保持部が有する第1配管嵌着部と、第2配管嵌着部とは、第1方向、及び第2方向に直交する第3方向に対して平行に形成されている。そのため、連結保持部材は、連結保持部材が保持するコネクタの両側に突出している配管接続部を容易にはめ込み可能ながら、コネクタが抜けにくい組み付け状態とし、より確実に保持することができる。
【0016】
また、本発明に係る連結保持部材は、2つの同じ形状の部材を組み合わせて形成されていることが好ましい。
【0017】
本発明に係る連結保持部材は、2つの同じ形状の部材を組み合わせて形成されているので、コネクタを確実に保持できる連結保持部材としながら、連結保持部材を作製する金型は小型にでき、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施例に係る連結保持部材の斜視図である。
図2図1の連結保持部材の正面図である。
図3図1の連結保持部材の上面図である。
図4図1の連結保持部材の左側面図である。
図5】本発明の第2実施例に係る連結保持部材の斜視図である。
図6図5の連結保持部材の正面図である。
図7図5の連結保持部材の上面図である。
図8図5の連結保持部材の左側面図である。
図9図5の連結保持部材が備える第1部材の正面図である。
図10図5の連結保持部材が備える第1部材の上面図である。
図11図5の連結保持部材が備える第1部材の左側面図である。
図12図5の連結保持部材の組み立て方法の概要図である。
図13】本発明の第3実施例に係る連結保持部材の斜視図である。
図14図13の連結保持部材が備える第2部材の正面図である。
図15図13の連結保持部材が備える第1部材の下面図である。
図16図13の連結保持部材の組み立て方法の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施例>
図1図4を参照して、本発明の第1実施例に係る連結保持部材100を説明する。図1は、連結された3つのコネクタ10に取り付けられた連結保持部材100を示す斜視図である。図2図4は、それぞれ連結保持部材100の正面図、上面図、及び左側面図である。
【0020】
図1は、連結保持部材100の使用状態の一例であり、連結されたコネクタ10に取り付けられた状態を示している。連結保持部材100は、輸液ライン又は輸血ラインの途中に接続されるコネクタ10等に取り付けられ、連結されたコネクタ10を保持する。連結保持部材100は、コネクタ10の連結長さ相当分の長さに形成された平板形状部材である連結部110、及び連結部110の一方面上に設けられており、コネクタ10を保持する側面保持部140を備えている。連結保持部材100は、硬質プラスチック製であり、連結部110、及び側面保持部140は一体的に形成されている。
【0021】
連結保持部材100が保持するコネクタ10は、混注用の輸液チューブ、シリンジ等が接続されるコネクタ10である。コネクタ10は、三方活栓、Tポート(混注ポート)等を含んでおり、混流口の流量調整が可能なコック付きとコック無しとを含んでいる。コネクタ10は、例えばTポートであり、管体11から配管接続部12、13、14が三方向にT字状に突出して形成されている三流路のコネクタ10である。コネクタ10は、管体11、混注口である配管接続部12、14、流出口である配管接続部13、及びロック部18を有している。配管接続部12、13、14には、ねじ山及びねじ溝からなるねじ部が設けられている。ロック部18は配管接続部13に設けられており、ねじ山及びねじ溝からなるねじを内面に備えたリング状の部材である。ロック部18は、前記ねじとねじ嵌合する相手側ねじを備える相手側コネクタに回転して接続可能である。配管接続部12、13、14は、ISO80369-7に適合した形状に形成されている。
【0022】
コネクタ10の管体11は略円柱形に形成されており、側面15、底面16、及び配管接続部14が設けられている上面17を有している。管体11は、管体11の内部に、配管接続部12、13、14が連通し、薬剤等が流れる空間が設けられている。管体11の上面17には、正面視において、配管接続部12の延長線方向に対して90°の向きに配管接続部14が設けられている。また、管体11の側面15には、上面視において、配管接続部12の延長線方向に対して180°の向きに配管接続部13が設けられている。配管接続部12、13は、隣接して接続される別なコネクタ10等、対応するコネクタと連結される。配管接続部14は、対応するオス端子が連結される。
【0023】
本実施例において、コネクタ10、及び連結保持部材100に関する方向を以下のように定義する。コネクタ10の配管接続部12の延長線方向である第1方向をX方向、X方向に直交する第2方向をY方向、及び、第1方向と第2方向とに直交する方向である第3方向をZ方向とする。また、連結保持部材100の第1方向、第2方向、及び第3方向について、連結保持部材100にコネクタ10が組み込まれている状態において、コネクタ10の第1方向、第2方向、第3方向と同じ方向に、それぞれX方向、Y方向、Z方向と定義する。
【0024】
連結保持部材100の側面保持部140は、コネクタ10の側面15の互いに反対側の位置からそれぞれ突出して形成されている配管接続部12、13に隣接する側面15のそれぞれの当該部分と、それらの間に位置する側面15の当該部分とに当接して保持する部材である。側面保持部140は、連続部141、挟持部151、152、及び係合端部142を有している。連続部141は、コネクタ10の管体11の側面15に当接可能な形状に形成されており、図3に示す上面視において、連続部141の一方の連続部端面143から他方の連続部端面143まで円弧形状に形成されている。
【0025】
側面保持部140には、連続部141の一方端に隣接して挟持部151、及び連続部141の他方端に隣接して挟持部152が形成されている。一対の挟持部151、152は、コネクタ10の第1方向、すなわちX方向において、コネクタ10の側面15を両側から挟持する部分である。連続部141の第3方向、すなわち中心軸線Z方向の長さは、コネクタ10の中心軸線Z方向長さと略同等以上となるように形成されている。上記構造により、連続部141の内面147は、コネクタ10の側面15の中心軸線Z方向を中心とする約半周の範囲において、コネクタ10の側面15の中心軸線Z方向長さ全体に連続的に当接して、コネクタ10を確実に保持している。
【0026】
図4を参照して、係合端部142と、第1配管嵌着部148とを説明する。側面保持部140は、2つの挟持部151、152のX方向に対して直交する第2方向、すなわちY方向の一方側に設けられ、連続部141と一体的に形成されている係合端部142をそれぞれ有している。側面保持部140には、配管接続部12、13を保持する第1配管嵌着部148がそれぞれ設けられている。係合端部142は、押さえ部144、傾斜面部145、及び係止突部146を有している。また、係合端部142の押さえ部144、係止突部146、連続部141の連続部端面143、及び台座121により、配管接続部12、13をそれぞれ保持する第1配管嵌着部148が形成されている。挟持部151、152は、2つの第1配管嵌着部148の押さえ部144のそれぞれに隣接して設けられている部分である。
【0027】
係合端部142の先端側には、係合端部142の先端側から、連続部端面143側である基端側に向かって、台座121との間隔が徐々に小さくなる傾斜面部145が形成されている。係合端部142の基端側には、傾斜面部145に連続して、押さえ部144が設けられている。押さえ部144は、配管接続部12、13の外周面に当接して保持するように、上向きに凸形状の円弧形状に形成されている。円弧形状である押さえ部144は、配管接続部12、13の外周面の半径と略同じ半径に形成されている。傾斜面部145と、押さえ部144との接続部には、係止突部146が設けられている。係止突部146は、係合端部142が対向する相手部材、すなわち他端保持部122に向かって突出している。
【0028】
傾斜面部145、及び係止突部146は、両者の下側に位置する他端保持部122と向かい合っており、係合端部142と、他端保持部122との間には、開口部149が形成されている。係止突部146は、第1配管嵌着部148の開口部149側に設けられており、開口部149を局所的に狭小している。
【0029】
傾斜面部145と、他端保持部122との間隔は、係止突部146と他端保持部122との間隔が最も狭く、傾斜面部145上の係止突部146から離れた部位ほど、他端保持部122との間隔が広く形成されている。すなわち、傾斜面部145が対向する他端保持部122との間に形成される間隔は傾斜面部145に沿って挿入される配管接続部12、13の挿入方向における入り口側が奥側より広く形成されている。配管接続部12、13は、第1配管嵌着部148にはめ込まれる際に、第1配管嵌着部148に対し、連結部110が有する平面部131、及び台座121に平行に挿入される。この際に、傾斜面部145は、配管接続部12、13を第1配管嵌着部148にはめ込む際に挿入しやすく、配管接続部12、13を第1配管嵌着部148に案内するガイド部材として機能する。
【0030】
係合端部142は、たわみやすい連続部141の連続部端面143から突出して形成されている。そのため、連結部110に係合端部142が直接立設されている場合に比べて、係合端部142はたわみやすい。そのため、係止突部146と台座121との隙間を保持される配管接続部12、13の外周面とコネクタ10の底面16との距離とほぼ同じとなるように形成しても、配管接続部12、13を容易にはめ込むことができ、はめ込んだ配管接続部12、13を隙間なく確実に保持することができる。したがって、係止突部146は、第1配管嵌着部148からの配管接続部12、13の離脱を防止することができる。
【0031】
連結部110は、側面保持部140を保持するとともに、隣接する側面保持部140同士を連結している。連結部110は、コネクタ10の配管接続部14が設けられていない底面16を保持する端面保持部120、及び隣接する端面保持部120を互いに接続する接続部130を有している。連結部110は、端面保持部120と、接続部130とが交互、かつ直線状に配置された平板状に形成されている。連結保持部材100は、配管接続部12、13の外周面を保持する押さえ部144と、コネクタ10の底面16を保持する連結部110とにより、コネクタ10を挟み込んで保持している。
【0032】
端面保持部120は、底面16を保持する台座121、及び他端保持部122を有している。台座121は底面16が全体的に接して保持しており、円形、かつ平坦に形成されている。台座121の一方側に設けられている他端保持部122は、台座121から一定高さで盛り上げて形成されている。他端保持部122は、他端保持部122のコネクタ10側に垂直面123が設けられている。垂直面123は、コネクタ10の側面15に当接可能な凹部形状に形成されており、コネクタ10の底面16側の側面15の一部に当接してコネクタ10を保持している。
【0033】
接続部130は、隣接する端面保持部120の間を接続している、上面視で長方形の平板状部材である。接続部130の上面には、台座121面より低く形成されている平面部131が設けられている。
【0034】
連結保持部材100が保持するコネクタの数は、3つ以外でもよく、例えば2つ、又は4つ以上であってもよい。連結保持部材100は、保持する連結されたコネクタの数に合わせて構成可能である。連結保持部材100を連結部110の両端に位置する端面保持部120と、その間に位置する1つの接続部130とすれば、2連コネクタ用の連結保持部材100が構成できる。また、2連コネクタ用の連結保持部材100の一方の端面保持部120と、接続部130との間に、端面保持部120とその上に配置される側面保持部140、及び接続部130で構成される中間部分を1組設けることで、図1のように3連コネクタ用の連結保持部材100が構成できる。また、2連コネクタ用の連結保持部材100に上記中間部分を連続して2組追加することで、4連コネクタ用の連結保持部材100が構成できる。
【0035】
<第2実施例>
図5図8を参照して、本発明の第2実施例に係る連結保持部材200を説明する。連結保持部材200は、2つの同じ部材のみを組み合わせて形成されている。図5は、連結された3つのコネクタ10に取り付けられた連結保持部材200を示す斜視図である。図6図8は、それぞれ連結保持部材200の正面図、上面図、及び左側面図である。
【0036】
本実施例において、コネクタ10、及び連結保持部材200に関する方向を以下のように定義する。コネクタ10の配管接続部12の延長線方向である第1方向をX方向、X方向に直交する第2方向をY方向、及び、第1方向と第2方向とに直交する方向である第3方向をZ方向とする。また、連結保持部材200の第1方向、第2方向、第3方向について、連結保持部材200にコネクタ10が組み込まれている状態において、コネクタ10の第1方向、第2方向、第3方向と同じ方向に、それぞれX方向、Y方向、Z方向と定義する。なお、連結保持部材200が保持するコネクタ10については、第1実施例と同じであるため、同じ符号を用いて、その説明を省略する。
【0037】
図9図11を参照して、連結保持部材200を形成する第1部材210を説明する。図9図11は、それぞれ第1部材210の正面図、上面図、及び左側面図である。第1部材210は、側面保持部220、連結部240、及び環状部250を有している。第1部材210は硬質プラスチック製であり、一体的に形成されている。第1部材210は、側面保持部220の第3方向側、すなわち中心軸線Z方向に垂直な2つの端面の一方側には、側面保持部220から連結部240にわたって端面224、他方側には、側面保持部220から、連結部240、及び環状部250にわたって端面225が形成されている。
【0038】
側面保持部220は、図10に示されている上面視で略U字状に形成され、コネクタ10を内部に収容して保持する部材である。環状部250は、他の第1部材210と接続する部分であるとともに、他の第1部材210と接続して形成された空間に、コネクタ10を収容して保持する部材である。連結部240は、側面保持部220と、環状部250とを連結する部材である。
【0039】
側面保持部220は、連続部223、及び係合端部236を有している。側面保持部220が有する連続部223は、コネクタ10の側面15の互いに反対側の位置からそれぞれ突出して形成されている配管接続部12、13に隣接する側面15と、その間の側面15と、を保持している。図10に示されているように、連続部223の一方端には挟持部237、連続部223の他方端には挟持部238が形成されている。一対の挟持部237、238は、コネクタ10の第1方向、すなわちX方向において、コネクタ10の配管接続部12、13に隣接する側面15を両側から挟持する部分である。連続部223は、例えば、コネクタ10の側面15の約半周以上の範囲において連続的に当接してコネクタ10を保持しており、上面視で略U字状に形成されている。側面保持部220は、コネクタ10の側面15に当接可能な内面221と、外面222と、を有している。
【0040】
側面保持部220の高さ寸法、すなわち側面保持部220の中心軸線Z方向長さは、コネクタ10の中心軸線Z方向長さと略同等以上に形成されている。側面保持部220の内面221は、コネクタ10の側面15の高さ全体を、コネクタ10の側面15の約半周の範囲において、コネクタ10の側面15に連続的に接して保持している。係合端部236の一方側の端面224は、側面保持部220の端面224と連続した同一面である。係合端部236の他方側の端面225は、側面保持部220の端面225と連続してはいないが、端面225と同じ平面上に形成されている平面である。
【0041】
図11を参照して、係合端部236、第1配管嵌着部231、及び第2配管嵌着部235を説明する。側面保持部220は、連続部223と一体的に形成されている係合端部236を有している。係合端部236は、図5に示されているように、連続部223の連結部240に対して反対側の端部であり、挟持部237のX方向に対して直交する第2方向、すなわちY方向の一方端側に設けられている。側面保持部220は、係合端部236側に第1配管嵌着部231、第1配管嵌着部231と側面保持部220の反対側面、すなわち中心軸線Z方向を中心に第1配管嵌着部231から180°の位置に第2配管嵌着部235が設けられている。第1配管嵌着部231と、第2配管嵌着部235とは、配管接続部12、13の何れか一方、及び他方をそれぞれ収容して保持する。
【0042】
第1配管嵌着部231は、側面保持部220の係合端部236と、連続部223とにわたって形成されている。第1配管嵌着部231は、傾斜面部232、押さえ部233、及び係止突部234を有している。第1配管嵌着部231は、側面保持部220の中心軸線Z方向を中心にして、対称形に形成された切り欠き形状部分である。
【0043】
側面保持部220は、側面保持部220の端面225から側面保持部220を切り欠くように1組の傾斜面部232が設けられ、開口部239が形成されている。1組の傾斜面部232は、入り口側、すなわち端面225側から押さえ部233側、すなわち奥側に向かうにつれ、1組の傾斜面部232間の間隔が徐々に狭くなるように形成されている。
【0044】
2つの傾斜面部232の開口部239に対して反対側端には、2つの傾斜面部232をつなぐように、円弧形状の押さえ部233が設けられている。押さえ部233は、保持する配管接続部12、13の外周面に対応した、上向きに凸形状の円弧形状に形成されている。円弧形状の押さえ部233の半径は、保持する配管接続部12、13の外周面の半径と略同じである。1組の傾斜面部232のそれぞれと、押さえ部233との接続部には、係止突部234がそれぞれ形成されている。中心軸線Z方向を中心にして対称形に形成された第1配管嵌着部231の一方側は係合端部236の連続部223側端面に、第1配管嵌着部231の他方側は連続部223の係合端部236側端面に形成されている。それぞれの係止突部234は、開口部239を局所的に狭小するように、互いに向かって突出して形成されている。挟持部237、238は、第1配管嵌着部231の押さえ部233、及び第2配管嵌着部235の溝奥部のそれぞれに隣接して設けられている部分である。
【0045】
1組の傾斜面部232間の間隔は、端面225側が最も広く、押さえ部233との接続部に設けられている係止突部234において、最も狭くなっている。2つの傾斜面部232の端面225側の間隔は、保持する配管接続部12、13の外周面の直径より広く形成されている。また、2つの係止突部234間の間隔は、前記直径より狭く形成されている。また、押さえ部233の内径は、前記直径と略同じに形成されている。配管接続部12、13は、第1配管嵌着部231にはめ込まれる際に、第1配管嵌着部231に対して、連結部240が有する平面部241に平行に挿入される。この際、配管接続部12、13は、第1配管嵌着部231にはめ込む際に挿入しやすく、配管接続部12、13が確実に第1配管嵌着部231に挿入されるガイド部材として機能する。また、第1配管嵌着部231にはめ込まれた配管接続部12、13は、押さえ部233と、係止突部234とにより、確実に保持され、第1配管嵌着部231からの離脱が防止される。
【0046】
また、係合端部142は、側面保持部220の他の部材に保持されていない上端部から延びて形成されているので、たわみやすい。そのため、係止突部146と、押さえ部233との形状と、大きさとを、配管接続部12、13の外周面の形状と、大きさとにぴったり合わせて形成、及び、押さえ部233と、台座121との間隔を、コネクタ10にぴったり合わせて形成しても、係合端部142を弾性変形させて、コネクタ10を連結保持部材200に容易にはめ込むことができる。
【0047】
連続部223は、連結部240側の端部付近に第2配管嵌着部235を有している。第2配管嵌着部235は、はめ込まれる配管接続部12を保持する溝である。第2配管嵌着部235は、端面224側から側面保持部220の中心軸線Z方向にU字状に切り欠かれて形成されている切り欠き溝である。第2配管嵌着部235の溝幅は、保持する配管接続部12、13の外径よりわずかに大きくかつ全長にわたって一定である。第1配管嵌着部231と、第2配管嵌着部235とは、連続部223の中心軸線Z方向、すなわち第1配管嵌着部231と、第2配管嵌着部235とは、X方向及びY方向に直角なZ方向に対し平行、かつ開口の向きが互いに反対向きに形成されている。第1配管嵌着部231と、第2配管嵌着部235とは、何れかが切り欠き溝の長手方向のそれぞれの方向に配管接続部12、又は配管接続部13が抜けないように保持して、コネクタ10を確実に保持する。
【0048】
連結部240は、側面保持部220と、環状部250と、の間を連結する側面視で略長方形の平板状部材である。また、連結部240は、側面保持部220の中心軸線Z方向の両端部において、側面保持部220と同一面の端面224、225、及びコネクタ10に隣接する側に平面部241をそれぞれ有している。
【0049】
図9及び図10を参照して、環状部250を説明する。上記のとおり、環状部250は、接続される第1部材210が互いに接続される部材である。環状部250は、周方向に一定板厚で形成された環状の部材である。環状部250の中心軸線Z方向の長さは、側面保持部220、及び連結部240の中心軸線Z方向に平行な長さに比べて約半分であり、2つの第1部材のそれぞれの環状部250を互いに接続した状態で側面保持部220との中心軸線Z方向長さと同じ長さとなる。
【0050】
環状部250の端面225に対して反対側の端面253には、第3配管嵌着部255、はめ合い突部256、及びはめ合い凹部257がそれぞれ2つずつ形成されている。2つの第3配管嵌着部255の端面253上の位置について、環状部250の中心軸線Z方向視において、一方の第3配管嵌着部255に対して他方の第3配管嵌着部255は中心軸線Zを中心に180°の位置に設けられている。両者は、連結されたコネクタ10の配管接続部12、13がはまるように、端面253上において一直線上、かつ連結部240の平面部241と平行になるように設けられている。2つの第3配管嵌着部255は、はめられる配管接続部12、13の保持部分の外周面にぴったり合う同じ半径の半円の円弧形状である。2つの環状部250が接合された状態において、一方の環状部250の2つの第3配管嵌着部255は、対向する他方の環状部250の2つの第3配管嵌着部255と組み合わされて、保持する配管接続部12、13の外径と同じ大きさの保持孔をそれぞれ形成する。
【0051】
2つのはめ合い突部256は、連結部240側の第3配管嵌着部255の両側にそれぞれ設けられている。はめ合い突部256は、端面225から一定高さ、かつ端面225の円周に沿って、それぞれ環状部250の端面225の全周の約40%の周方向長さにわたって設けられている。2つのはめ合い突部256と、連結部240に対し反対側の第3配管嵌着部255との間には、はめ合い凹部257がそれぞれ設けられている。はめ合い凹部257の形状は、はめ合い突部256とはめあえる補完的な凹部形状である。はめ合い凹部257は、それぞれ環状部250の端面225の全周の約40%の周方向長さにわたって設けられている。
【0052】
[連結保持部材200の組み立て方法]
図5と、図12とを参照して、連結保持部材200の組み立て方法を説明する。なお、連結保持部材200の組み立て時にはコネクタ10も組み込まれるが、図12では、連結保持部材200を構成する部材のみを示している。まず、一方の第1部材210に連結されたコネクタ10をはめる。側面保持部220の端面224側から、連結された一方端のコネクタ10の配管接続部13を側面保持部220内に通し、第1配管嵌着部231から突出させる。次に、反対側の配管接続部12を第2配管嵌着部235、及び連結されたコネクタ10の配管接続部12、13を第3配管嵌着部255に、それぞれはめ込む。
【0053】
他方の第1部材210のそれぞれの側面保持部220が反対側に位置するように保持し、互いの端面253を向かい合わせて近づけ、他方の第1部材210の環状部250の中心軸線Zを、一方の第1部材210の環状部250の中心軸線Zに合わせながら、両者のはめ合い突部256を、相手部材の対応するはめ合い凹部257にはめ合わせる。はめ合わせるはめ合い突部256と、はめ合い凹部257の何れかには、はめ合わせる前に必要に応じて接着剤を塗布する。以上のように、2つの第1部材210を組み立て、連結状態のコネクタ10が組み込まれた連結保持部材200を作製する。
【0054】
<第3実施例>
図13図16を参照して、本発明の第3実施例に係る連結保持部材300を説明する。連結保持部材300は、第2実施例の連結保持部材200を構成する第1部材210を含んで形成されている。第3実施例の連結保持部材300は、第2実施例の連結保持部材200に対して、第1部材210と、別な部材と、を組み合わせて形成される点、及び、保持可能なコネクタ10の連結数は2つである点が異なっている。なお、連結保持部材300において、連結保持部材200と同じ部材、及び同じ構造については、同じ符号を用いて、その説明を省略する。また、連結保持部材300が保持するコネクタ10についても、説明を省略する。
【0055】
本実施例において、コネクタ10、及び連結保持部材300に関する方向を以下のように定義する。コネクタ10の配管接続部12の延長線方向である第1方向をX方向、X方向に直交する第2方向をY方向、及び、第1方向と第2方向とに直交する方向である第3方向をZ方向とする。また、連結保持部材300の第1方向、第2方向、第3方向について、連結保持部材300にコネクタ10が組み込まれている状態において、コネクタ10の第1方向、第2方向、第3方向と同じように、それぞれX方向、Y方向、Z方向と定義する。
【0056】
図13は、連結保持部材300の斜視図である。図14、及び図15は、連結保持部材300を構成する一部材である第2部材350のそれぞれ正面図、及び下面図である。図16は、連結保持部材300の組み立て方法を示す概要図である。
【0057】
図13図15に示されているように、連結保持部材300は、第1部材210と、第2部材350と、を組み合わせて形成されている。連結保持部材300の第1部材210の環状部250には、第2部材350が接合されている。
【0058】
図14、及び図15を参照して、第2部材350を説明する。第2部材350は、第1部材210の環状部250と接合するための環状の部材である。第2部材350の形状は、環状部250と全く同じである。また、大きさについて、第2部材350と、環状部250とにおける、内外径、及び中心軸線Z方向の長さは、全く同じである。第2部材350は、内面351、外面352、端面353、354を有している。環状部250と接合する端面353には、それぞれ2つの第3配管嵌着部355、はめ合い突部356、及びはめ合い凹部357が設けられている。
【0059】
それぞれの配置、及び形状は、環状部250の第3配管嵌着部255、はめ合い突部256、及びはめ合い凹部257と全く同じである。環状部250と、第2部材350と、が接合された状態において、2つの第3配管嵌着部255は、対向する2つの第3配管嵌着部355と組み合わされて、それぞれ保持する配管接続部12、13の外径と同じ大きさの保持孔を形成する。したがって、第2部材350の端面353は、環状部250の端面253にはめ合わせることができる。
【0060】
[連結保持部材300の組み立て方法]
図13と、図16とを参照して、連結保持部材300の組み立て方法を説明する。なお、連結保持部材300の組み立て時にはコネクタ10も組み込まれるが、図16では、連結保持部材300を構成する部材のみを示している。まず、第1部材210の側面保持部220に連結された2つのコネクタ10の一方をはめる。側面保持部220の端面224側から、一方のコネクタ10の配管接続部13を側面保持部220内に通し、第1配管嵌着部231から突出させる。次に、一方端のコネクタ10の配管接続部12を第2配管嵌着部235、及び連結された他方のコネクタ10の配管接続部12、13を第3配管嵌着部255に、それぞれはめ込む。一方端のコネクタ10の配管接続部12、及び配管接続部13は、第1配管嵌着部231、及び第2配管嵌着部235に対し、連結部240の平面部241と平行な方向に挿入される。
【0061】
次に、第2部材350の中心軸線Zを第1部材210の環状部250の中心軸線Zに一致させた状態で近づけて、第1部材210の環状部250の端面253に、第2部材350の端面353を接合する。環状部250のはめ合い突部256、及び第2部材350のはめ合い突部356を、第2部材350のはめ合い凹部357、及び環状部250のはめ合い凹部257にはめ込んで接合する。はめ合わせるはめ合い突部256とはめ合い凹部357、及びはめ合い突部356とはめ合い凹部257の少なくとも何れかには、はめ合わせる前に必要に応じて接着剤を塗布する。以上のように組み立てて、連結保持部材300を作製する。
【0062】
本発明に係る連結保持部材100、200、300は、上記のように構成されており、コネクタ10に容易に取り付けられ、連結されたコネクタを確実に保持することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 コネクタ、12,13,14 配管接続部、15 側面、
100,200,300 連結保持部材、140,220 側面保持部、
142,236 係合端部、144,233 押さえ部、
145,232 傾斜面部、146,234 係止突部、
148,231 第1配管嵌着部、235 第2配管嵌着部、
255,355 第3配管嵌着部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16