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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020084
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】案内コーン
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20240206BHJP
   E01F 13/04 20060101ALI20240206BHJP
   B63B 25/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
E01F13/02 A
E01F13/04 Z
B63B25/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022122985
(22)【出願日】2022-08-01
(71)【出願人】
【識別番号】522307317
【氏名又は名称】株式会社中国シッピングエージェンシィズ
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敬之
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 泰史
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101CB00
2D101DA05
2D101EA07
2D101FA12
2D101FB01
2D101GA22
(57)【要約】
【課題】鋼鉄製甲板などの床面に磁力を作用させる永久磁石を設けた円錐状の案内コーンにおいて、経済性に優れ、永久磁石が外れず、かつ、永久磁石の磁力が低減することのない製品を提供する。
【解決手段】下端部に環状のフランジ部11を設けたコーン本体10と、コーン本体10のフランジ部11を取り囲むリング形状で、左右に分割された左側カバー部20Aと右側カバー部20Bとで構成され、上壁21、底壁22及び上壁21及び底壁22の外周側端を連結する外周壁23を有し、左側カバー部20Aはフランジ部11の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、右側カバー部20Bはフランジ部11の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれるカバー部材20と、カバー部材20の下面に設けられた磁石体30と、カバー部材20を、コーン本体10のフランジ部11に脱着可能に固定する固定部材40とで構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部に環状のフランジ部を設けたコーン本体と、
前記コーン本体のフランジ部を取り囲むリング形状で、左右に分割された左側カバー部と右側カバー部とで構成され、上壁、底壁及び前記上壁及び底壁の外周側端を連結する外周壁を有し前記上壁及び底壁の内周側には嵌合凹部が形成され、前記左側カバー部は前記フランジ部の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、前記右側カバー部は前記フランジ部の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれるカバー部材と、
前記カバー部材の下面に設けられた磁石体と、
前記カバー部材を、前記コーン本体のフランジ部に脱着可能に固定する固定部材を備えることを特徴とする案内コーン。
【請求項2】
前記固定部材を、前記コーン本体のフランジ部と、前記カバー部材の上壁及び底壁に形成した孔部を縦方向に貫通する軸部と、前記軸部の上端部に組み付く組付き部で構成し、前記磁石体を前記軸部の下端部に固定したことを特徴とする請求項1に記載の案内コーン。
【請求項3】
前記カバー部材の底壁の下面に、前記磁石体の少なくとも上端部が嵌入する嵌入溝を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の案内コーン。
【請求項4】
前記磁石体と前記カバー部材の底壁との間に配置されて、前記磁石体の前記カバー部材の底壁から下方への突出高さを設定可能な高さ調節座金としても利用できる座金部材を、前記固定部材の軸部に嵌装したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の案内コーン。
【請求項5】
前記磁石体を丸形皿穴タイプであるリング状のネオジム磁石とし、前記固定部材の軸部の下端部に嵌装した状態で固定したことを特徴とする請求項2に記載の案内コーン。
【請求項6】
前記固定部材の組付き部を、上面が略球面を形成する袋ナットで構成したことを特徴とする請求項2に記載の案内コーン。
【請求項7】
下端部に環状のフランジ部を設けたコーン本体と、
前記コーン本体のフランジ部を取り囲むリング形状で、左右に分割された左側カバー部と右側カバー部とで構成され、上壁、底壁及び前記上壁及び底壁の外周側端を連結する外周壁を有し前記上壁及び底壁の内周側には嵌合凹部が形成され、前記左側カバー部は前記フランジ部の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、前記右側カバー部は前記フランジ部の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれるカバー部材と、
前記カバー部材の下面に設けられた磁石体と、
前記左側カバー部と前記右側カバー部を固定し、前記コーン本体のフランジ部に脱着可能にする固定部材を備えることを特徴とする案内コーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車を運搬する船舶の鋼鉄製甲板に取り外し自在に設置される円錐状の案内コーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車を運搬するための船舶の鋼鉄製の甲板には、自走して運び込まれる車両の進路や駐車位置などを表示するために多数の円錐状の案内コーンが設置されている。この案内コーンは、運び込まれる車両の運転席から容易に視認できるように、一般道路などに設置される通常のコーンよりも背丈が高く形成されている(例えば、1.5m以上)。また、こうした案内コーンは、その取扱いを容易にするために軽量な合成樹脂で形成されている。
【0003】
このような背丈が高くて軽量な案内コーンは、多少の振動や風などの外力によって移動し易く、転倒し易い。従来、こうした問題を解決するために、コーンの底面に磁石を設けたものが知られている(例えば,特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6893793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図9に示すように、特許文献1に記載の案内コーン(表示装置)60は、樹脂製のコーン本体(表示装置本体)61の下端部に位置するフランジ62に複数の取付穴63を形成し、その取付穴63に、下端部に永久磁石65を設けた磁石部材64を上から嵌め込み、永久磁石65の磁力を鋼鉄製甲板に作用させることによって、案内コーン60の移動や転倒を防止している。永久磁石65は磁石部材64に接着剤や突起によって係止し、あるいは底壁のあるケースに収納して取り付けている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の案内コーン60においては、コーン本体61のフランジ62に直接、磁石部材64を取り付けており、フランジ62が露出しているので、例えば、露出しているフランジ62が自動車の車輪に踏み付けられて損傷してしまうといった問題がある。フランジ62が損傷すると磁石部材64が外れてしまい、案内コーン60としての機能を果たさないので、新たな案内コーン60と交換する必要があり、非経済的である。
【0007】
また、特許文献1に記載の案内コーン60は、永久磁石65が磁石部材64から外れ易いといった問題と、永久磁石65の磁力が低減してしまうといった問題もある。前者の問題は、永久磁石65を磁石部材64に接着剤によって接着し、あるいは磁石部材65に設けた突起によって係止していることに起因する。また、後者の問題は、永久磁石65を底壁のあるケース(有底円筒状のケース)に収納しており、永久磁石65と鋼鉄製甲板との間に樹脂製の底壁が存在することに起因する。
【0008】
そこで、本発明の目的とするところは、鋼鉄製甲板などの床面に磁力を作用させる永久磁石を設けた円錐状の案内コーンにおいて、経済性に優れ、永久磁石が外れず、かつ、永久磁石の磁力が低減することのない製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の案内コーン(1)は、下端部に環状のフランジ部(11)を設けたコーン本体(10)と、
前記コーン本体(10)のフランジ部(11)を取り囲むリング形状で、左右に分割された左側カバー部(20A)と右側カバー部(20B)とで構成され、上壁(21)、底壁(22)及び前記上壁(21)及び底壁(22)の外周側端を連結する外周壁(23)を有し前記上壁(21)及び底壁(22)の内周側には嵌合凹部(24)が形成され、前記左側カバー部(20A)は前記フランジ部(11)の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、前記右側カバー部(20B)は前記フランジ部(11)の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれるカバー部材(20)と、
前記カバー部材20の下面に設けられた磁石体(30)と、
前記カバー部材(20)を、前記コーン本体(10)のフランジ部(11)に脱着可能に固定する固定部材(40)を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記固定部材(40)を、前記コーン本体(10)のフランジ部(11)と、前記カバー部材(20)の上壁(21)及び底壁(22)に形成した孔部(H)を縦方向に貫通する軸部(41)と、前記軸部(41)の上端部に組み付く組付き部(42)で構成し、前記磁石体(30)を前記軸部(41)の下端部に固定したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記カバー部材(20)の底壁(22)の下面に、前記磁石体(30)の少なくとも上端部が嵌入する嵌入溝(22a)を形成したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記磁石体(30)と前記カバー部材(20)の底壁(22)との間に配置されて、前記磁石体(30)の前記カバー部材(20)の底壁(22)から下方への突出高さを設定可能な高さ調節座金(44A)としても利用できる座金部材(44)を、前記固定部材(40)の軸部(41)に嵌装したことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明は、前記磁石体(30)を丸形皿穴タイプであるリング状のネオジム磁石とし、前記固定部材(40)の軸部(41)の下端部に嵌装した状態で固定したことを特徴とする。この場合の「軸部(41)」としては、下端部に頭部を有するボルト形状のものが好適である。
【0014】
またさらに、本発明は、前記固定部材(40)の組付き部(42)を、上面が略球面を形成する袋ナットで構成したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の案内コーン(1)は、下端部に環状のフランジ部(11)を設けたコーン本体(10)と、
前記コーン本体(10)のフランジ部(11)を取り囲むリング形状で、左右に分割された左側カバー部(20A)と右側カバー部(20B)とで構成され、上壁(21)、底壁(22)及び前記上壁(21)及び底壁(22)の外周側端を連結する外周壁(23)を有し前記上壁(21)及び底壁(22)の内周側には嵌合凹部(24)が形成され、前記左側カバー部(20A)は前記フランジ部(11)の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、前記右側カバー部(20B)は前記フランジ部(11)の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれるカバー部材(20)と、
前記カバー部材20の下面に設けられた磁石体(30)と、
前記左側カバー部(20A)と前記右側カバー部(20B)を固定し、前記コーン本体(10)のフランジ部(11)に脱着可能にする固定部材(40)を備えることを特徴とする。
【0016】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
本発明の案内コーンによれば、下端部にフランジ部を有するコーン本体と、フランジ部の左半分と右半分をそれぞれ包み込むように嵌め込まれた左側カバー部及び右側カバー部とで構成されるカバー部材と、カバー部材の下面に設けられた磁石体と、カバー部材をフランジ部に脱着可能に固定する固定部材とで構成したので、経済性に優れる。
【0018】
すなわち、コーン本体のフランジ部には、それを包み込むようにしてカバー部材が嵌め込まれているので、その部分が、例えば、自動車の車輪で踏まれても、その衝撃をカバー部材が受けるため、フランジ部の損傷が未然に防止される。従って、従来技術のようにフランジの損傷によって案内コーンの全体を新たなものと取り換える必要がない。また、例えば、左側カバー部(右側カバー部)が損傷した場合、左側カバー部(右側カバー部)のみを交換すれば良いので経済的である。
【0019】
また、左側カバー部及び右側カバー部は、フランジ部に対して脱着可能であるので、例えば、路上など床面が磁性を有するものでない場合には、両カバー部をフランジ部から外して案内コーンの上からゴム製などの錘を入れてフランジ部を押さえるようにすることも可能で汎用性に優れる。
【0020】
また、本発明によれば、固定部材を、コーン本体のフランジ部と、カバー部材の上壁及び底壁に形成した孔部を縦方向に貫通する軸部と、軸部の上端部に組み付く組付き部で構成し、磁石体を軸部の下端部に固定したので、磁石体をカバー部材の底壁に離脱することなく、かつ、磁石体の磁力を低減させることなく固定することができる。すなわち、軸部の上端部に組み付く組付き部の組付き機能を発揮させることで、磁石体をカバー部材の底壁に固定できる。また、磁石体は底壁に露出した状態で固定されるので、その底面は床面に直接接触する。従って、磁石体の持つ磁力は低減されることなくそのまま床面に作用する。
【0021】
また、本発明によれば、カバー部材の底壁の下面に、磁石体の少なくとも上端部が嵌入する嵌入溝を形成したので、磁石体の水平方向のずれを防止し、ガイド部材の底壁にさらに確実に固定することができる。
【0022】
また、本発明によれば、磁石体とカバー部材の底壁との間に配置されて、磁石体のカバー部材の底壁から下方への突出高さを設定可能な高さ調節座金としても利用できる座金部材を、固定部材の軸部に嵌装した。従って、この座金部材は、第一に通常の座金として利用することができる。そして、第二に、例えば、床面が凹凸面や傾斜面を形成する場合に、高さ調節座金として利用することができる。これにより、案内コーンを傾けることなく垂直に立てることができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、磁石体を丸形皿穴タイプであるリング状のネオジム磁石とし、固定部材の軸部の下端部に嵌装した状態で固定したので、磁石体を固定部材の軸部に強固に固定することができる。また、これにより、磁石体の底面を床面に接触させてその磁力を効果的に発揮させることができる。
【0024】
またさらに、本発明によれば、固定部材の組付き部を、上面が略球面を形成する袋ナットで構成したので、例えば、自動車の車輪が組付き部を踏んでも、それによって損傷するといった事態を防止することができる。
【0025】
また、本発明の案内コーンによれば、下端部にフランジ部を有するコーン本体と、フランジ部の左半分と右半分をそれぞれ包み込むように嵌め込まれた左側カバー部及び右側カバー部とで構成されるカバー部材と、カバー部材の下面に設けられた磁石体と、左側カバー部と右側カバー部を固定し、コーン本体のフランジ部に脱着可能にする固定部材とで構成したので、カバー部材をフランジ部に容易に固定することができる。すなわち、固定部材によって左側カバーと右側カバー部とを相互に固定することのみによって、カバー部材をフランジ部に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第一実施形態に係る案内コーンを示す正面図である。
図2図1に示す案内コーンの拡大平面図である。
図3図1に示す案内コーンの要部を示す一部拡大断面図である。
図4図3の要部底面図である。
図5図1に示す案内コーンの固定部材を示す正面図である。
図6図1に示す案内コーンにおいて、座金部材を高さ調節座金として利用した態様を示す要部拡大断面図である。
図7】本発明の第二実施形態に係る案内コーンを示す平面図である。
図8図7に示す案内コーンの要部正面図である。
図9】従来例に係る案内コーンを示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1乃至図4を参照して、本発明の第一実施形態に係る案内コーン1を説明する。この案内コーン1は、コーン本体10、カバー部材20、磁石体30、及び固定部材40を備え、自動車を搬送する船舶の床面(鋼鉄製甲板)Fに、自走して搬入される自動車の走路や停車位置を案内するために載置される。
【0028】
コーン本体10は樹脂製で、正面及び側面円錐形状の筒体であり、下端部に環状のフランジ部11を一体的に設けている。コーン本体10には、自動車のライトなどの光を反射する反光膜Sを設けている。ここでは、反光膜Sを上下に間をあけて三ヶ所設けるようにしたが、コーン本体10の中間高さ部分に反光膜Sを一ヶ所設けるなど反光膜Sの位置や個数は特に限定されるものではない。
【0029】
カバー部材20は樹脂製で、コーン本体10のフランジ部11を取り囲むリング形状であり、左右に分割された左側カバー部20Aと右側カバー部20Bとで構成される。左側カバー部20A及び右側カバー部20Bは共に、上壁21、底壁22及び上壁21及び底壁22の外周側端を連結する外周壁23を備え、上壁21と底壁22の内周側に、フランジ部11が嵌め込まれる嵌合凹部24を形成する。左側カバー部20Aはフランジ部11の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、右側カバー部20Bはフランジ部11の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれる。
【0030】
上壁21の内周端部からはガイド部21aを立設している。ガイド部21aの内周面下端部は断面湾曲面を形成し、カバー部材20のフランジ部11への嵌め込みを容易にしている。また、このガイド部21aは、コーン本体10の下端部を自動車の車輪などの外力から保護する機能も備える。
【0031】
磁石体30はカバー部材20の下面に設けられる。この磁石体30は、いわゆる丸形皿穴タイプであり、凹部30aを備えたリング状を形成し、永久磁石の一つであるネオジム磁石で構成される。なお、磁石体30の種類は限定されない。
【0032】
固定部材40は金属製(または硬質樹脂製)で、カバー部材20をコーン本体10のフランジ部11に脱着可能に固定する。この固定部材40は、図5に示すように、頭部41a付きのいわゆるボルト形状の軸部41と組付き部42を備える。軸部41は、上端部に螺条を有し、コーン本体10のフランジ部11と、カバー部材20の上壁21及び底壁22に形成された孔部Hを縦方向に貫通する。組付き部42は上面が円弧状の袋ナットで構成され、軸部41の螺条に螺合して組付く。
【0033】
また、軸部41の下端部には、磁石体30が嵌装される。この軸部41に磁石体30を嵌装した状態で(頭部41aを凹部30aに没入した状態で)、組付き部42を締め付けることにより、磁石体30をカバー部材20の底壁22の下面に固定する。カバー部材20の上壁21と底壁22に形成された孔部Hは、固定部材40の軸部41を通すが、組付き部42及び磁石体30を通さない径に設定される。なお、カバー部材20の底壁22の下面には、磁石体30のほぼ上半部が嵌入する嵌入溝22aを形成し、磁石体30の水平方向の移動を阻止している。
【0034】
本実施形態に係る案内コーン1は、コーン本体10のフランジ部11が、カバー部材20によって包み込まれるように嵌め込まれているので、例えば、自動車の車輪によって踏まれてもカバー部材20(左側カバー部20Aと右側カバー部20B)によって保護され、フランジ部11は損傷しない。従って、フランジ部11が損傷することによって案内コーン1が機能せず、その結果、新たなものと交換せざるを得ないといった事態を未然に防止でき、経済性に優れる。なお、自動車の車輪によって、例えば、左側カバー部20Aが損傷した場合、その左側カバー部20Aのみを交換すれば良いので経済的である。
【0035】
また、本実施形態に係る案内コーン1は、頭部41a持つボルト形状の軸部41と組付き部42を有する固定部材40によって、磁石体30をカバー部材20の底壁22の下面に固定するので、例えば、接着剤で固定する場合と異なり、不意の外力によって外れることのない強固な取付けが可能となる。また、軸部41の頭部41aを磁石体30の凹部30aに没入させているので、磁石体30の下面を直接、鋼板性甲板に接触させることができる。従って、例えば、磁石体30の下面と床面(甲板)Fとの間に底壁22が存在する場合と異なり、磁石体30の磁力を低減させることなく床面Fに作用させることができる。
【0036】
また、固定部材40の組付き部42を上面が球面状の袋ナットで構成しているので、これを踏んだ自動車の車輪を損傷させることがない。ちなみに、袋ナットに代えて通常のナットを使用すると、軸部41の鋭角な上端部が露出するので車輪を損傷させてしまう。
【0037】
さらに、本実施形態に係る案内コーン1は、固定部材40の軸部41に嵌装した座金部材44を備える。この座金部材44は、通常の座金として使用するために組付き部42(袋ナット)とガイド部材の上壁21との間や、磁石体30とガイド部材の底壁22との間に設けることができる。
【0038】
また、この座金部材44は、図6に示すように、磁石体30とカバー部材20の底壁22との間に、固定部材40の軸部41を嵌装した状態で取付けられる高さ調節座金44Aとして利用することができる。これにより、磁石体30のカバー部材20の底壁22から下方への突出高さを自在に設定することができる。従って、例えば、床面(甲板)Fが凹凸面を形成するために、そこに載置した案内コーン1が傾いてしまう場合、甲板の凹面に位置する磁石体30を固定する固定部材40の軸部41に高さ調節座金44Aを嵌装することによって高さを調節し、案内コーン1を垂直に配置することができる。なお、座金部材(高さ調節座金)44の数は限定されない。
【0039】
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第二実施形態に係る案内コーン1を説明する。この案内コーン1は、コーン本体10、カバー部材20、磁石体30、及び固定部材40Aを備える。
コーン本体10は第一実施形態と同様に、その下端部に環状のフランジ部11を一体的に備える。
【0040】
カバー部材20も第一実施形態と同様に、コーン本体10のフランジ部11を取り囲むリング形状であり、左右に分割された左側カバー部20Aと右側カバー部20Bとで構成される。また、上壁21、底壁22及び外周壁23を有し、それらの内周側にはフランジ部11を嵌め込む嵌合凹部24が形成される。また、左側カバー部20Aはフランジ部11の左半分を包み込むように左側から嵌め込まれ、右側カバー部20Bはフランジ部11の右半分を包み込むように右側から嵌め込まれる。
【0041】
磁石体30も第一実施形態と同様にカバー部材20の下面に設けられるもので、丸形皿穴タイプ(リング状)のネオジム磁石で構成される。この磁石体30は、ガイド部材の底壁22にネジ部材50によって、その下面が床面(甲板)Fに接触する状態で固定される。
【0042】
固定部材40Aは、左側カバー部20Aと右側カバー部20Bとを相互に固定するものであれば良く、その構造は特に限定されないが、例えば、左側カバー部20Aと右側カバー部20Bの端部に形成した溝(孔)に、きつく嵌入する断面略コ字状の部材で構成することができる。この場合、左側カバー部20Aと右側カバー部20Bをフランジ部11に嵌め込んだ後、両者の溝(孔)に固定部材40を嵌入することで、磁石体30を設けたカバー部材20をフランジ部11に固定することができる。
【0043】
本実施形態にかかる案内コーンは、自動車を搬送する船舶のみでなく、床面が磁性を有するあらゆる場所(例えば、大型の鉄板を敷いた工事現場など)で有効に使用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 案内コーン
10 コーン本体
11 フランジ部
20 カバー部材
20A 左側カバー部
20B 右側カバー部
21 上壁
21a ガイド部
22 底壁
22a 嵌入溝
23 外周壁
24 嵌合凹部
30 磁石体
30a 凹部
40 固定部材
40A 固定部材
41 軸部
41a 頭部
42 組付き部
44 座金部材
44A 高さ調節座金
50 ネジ部材
60 案内コーン(表示装置)
61 コーン本体
62 フランジ
63 取付穴
64 磁石部材
65 永久磁石
F 床面(甲板)
H 孔部
S 反光膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9