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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020137
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】無線充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240206BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240206BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240206BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20240206BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H05K7/20 H
H02J50/10
H02J50/40
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085832
(22)【出願日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/394,010
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】597054127
【氏名又は名称】英業達股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】シャオ チーチェン
【テーマコード(参考)】
5E322
5G503
【Fターム(参考)】
5E322AA11
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322EA11
5E322FA09
5G503AA01
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA01
5G503GB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自身から及び携帯設備から発生した熱量が充電効果に影響を与えることを回避可能な無線充電装置を提供する。
【解決手段】無線充電装置1は、互いに組み立てる台11と蓋12とを含むハウジングと、少なくとも1つの支持クッション40と、無線充電モジュール20と、ファン30とを含む。ハウジングは、内部空間13と、少なくとも1つの空気入口125と、空気出口114と、支持面121とを有し、空気入口と空気出口は内部空間に接続し、支持面は内部空間に反対向き、支持面は少なくとも1つの配置領域1211を有する。支持クッションは、配置領域に設けられ、電子装置を支持することに用いられる複数の突出構造を有し、これらの突出構造は空気入口に向く複数の流路を形成する。無線充電モジュールは、内部空間に設けられ、配置領域に対応する。ファンは、内部空間内に設けられ、空気入口から空気を内部空間に吸い込み、空気出口に吹き出す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子装置を充電することに用いられる無線充電装置であって、
内部空間と、少なくとも1つの空気入口と、空気出口と、支持面とを有し、前記少なくとも1つの空気入口と前記空気出口は前記内部空間に接続し、前記支持面は前記内部空間に反対向き、前記支持面は少なくとも1つの配置領域を有する、ハウジングと、
前記少なくとも1つの配置領域に設けられ、前記少なくとも1つの電子装置を支持することに用いられる複数の突出構造を有し、前記複数の突出構造は前記少なくとも1つの空気入口に向く複数の流路を形成する、少なくとも1つの支持クッションと、
前記内部空間に設けられ、前記少なくとも1つの配置領域に対応する、無線充電モジュールと、
前記内部空間内に設けられ、前記少なくとも1つの空気入口から空気を前記内部空間に吸い込み、前記空気出口により空気を吹き出すことに用いられる、ファンと、
を含む、無線充電装置。
【請求項2】
前記ハウジングは前記支持面に隆起するメサ構造を有し、前記メサ構造は前記支持面に立つ風上の面を有し、前記少なくとも1つの空気入口は前記風上の面に位置する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項3】
前記流路のそれぞれの方向と前記風上の面の法線とがなす角度は15°~60°の範囲内に収める、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項4】
前記流路のそれぞれの方向と前記風上の面の法線とがなす角度は15°~30°の範囲内に収める、請求項3に記載の無線充電装置。
【請求項5】
前記複数の突出構造は三角形状のバンプであり、それぞれに互いに平行な第一の直線と、第二の直線と、第三の直線と、第四の直線とに沿って配列し、前記第二の直線及び前記第三の直線は前記第一の直線と前記第四の直線との間に位置し、前記第一の直線及び前記第三の直線に位置する一部の前記複数の突出構造の角は第一の方向に向き、前記第二の直線及び前記第四の直線に位置する別の一部の前記複数の突出構造の角は第二の方向に向き、前記第一の方向と前記第二の方向とは反対であり、前記第一の直線及び前記第二の直線に位置する一部の前記複数の突出構造は千鳥に配列し、前記第三の直線及び前記第四の直線に位置する別の一部の前記複数の突出構造は千鳥に配列する、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項6】
前記第一の直線と、前記第二の直線と、前記第三の直線と、前記第四の直線とは前記風上の面に対して垂直である、請求項5に記載の無線充電装置。
【請求項7】
前記複数の突出構造は斜め方向の長いリブであり、前記流路のそれぞれは前記複数の突出構造において隣接する両者の間に形成される、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、少なくとも1つの防水構造を有し、前記少なくとも1つの防水構造は、前記支持面から隆起し、前記少なくとも1つの空気入口内に位置する、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの防水構造は誘導斜面を有し、前記誘導斜面と前記支持面は鈍角をなす、請求項8に記載の無線充電装置。
【請求項10】
前記鈍角の角度は120~150°の範囲内に収める、請求項9に記載の無線充電装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの配置領域の数は2つであり、前記2つの配置領域はそれぞれに2つの電子装置の配置に供することに用いられ、前記風上の面は前記2つの配置領域に向く、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、分離リブを更に有し,前記分離リブは、前記支持面に隆起し、前記2つの配置領域の間に位置する、請求項11に記載の無線充電装置。
【請求項13】
前記風上の面は前記支持面に対して垂直である、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項14】
前記ハウジングは前記支持面に反対向く内上面と、前記内上面に向く内下面と、隔壁とを有し、前記隔壁は前記内上面から隆起して、前記内部空間を排水路と電子素子収容領域とに分け、前記ハウジングは前記内下面に位置する少なくとも1つの排水口を更に有し、前記少なくとも1つの空気入口と前記少なくとも1つの排水口は前記排水路に接続し、前記空気出口は前記内下面に位置し、前記電子素子収容領域に接続し、前記無線充電モジュールの少なくとも一部と前記ファンとは前記電子素子収容領域に位置する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項15】
前記隔壁と前記内下面との間には開口が形成され、前記ハウジングは前記内下面から隆起する遮水壁を更に有し、前記遮水壁は前記開口を遮る、請求項14に記載の無線充電装置。
【請求項16】
前記遮水壁は前記内下面を第一の領域と第二の領域とに分け、前記第一の領域の少なくとも一部は前記排水路に対応し、前記第二の領域は前記電子素子収容領域に対応し、前記第一の領域は相対的な第一の側と第二の側を有する少なくとも1つの排水斜面を有し、前記第一の側から前記内上面までの距離は前記第二の側から前記内上面までの距離より小さく、前記第二の側は前記第一の側と前記少なくとも1つの排水口との間に位置する、請求項15に記載の無線充電装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの排水口の数と前記少なくとも1つの排水斜面の数はいずれも2つであり、前記2つの排水斜面は互い対称し、前記2つの排水斜面は前記2つの排水口の間に位置する、請求項16に記載の無線充電装置。
【請求項18】
前記無線充電モジュールは回路板と、少なくとも1つのコイルパックとを含み、前記回路板は前記少なくとも1つのコイルパックより前記ファンに近く、前記回路板は前記ファンの入風側の近隣にある少なくとも1つの熱源を有する、請求項1に記載の無線充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置に関し、特に、無線充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展と進歩に伴い、現在、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの携帯設備は、車両用アプリケーションプログラム(例えば、car play)により車両用電子制御システムと接続して使用することができる。ユーザーが携帯設備の電源切れを心配する必要がないようにするため、無線充電装置はさらに車両に適用することで、携帯設備が車両用アプリケーションプログラムにより電子制御システムと接続されつつ、無線充電装置上に置かれて充電できることが可能となる。
【0003】
携帯設備が無線充電装置上に置かれて充電する過程では、無線充電装置は熱量を発生し携帯設備も熱量を発生する。この2つの熱量が重なる場合には、無線充電装置の充電効果を低下させる可能性がある。したがって、この分野の研究者は前記問題を解決することに取り組んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、自身から発生した熱量及び携帯設備から発生した熱量が充電効果に影響を与えることを回避可能な無線充電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の1つに開示された無線充電装置は、少なくとも1つの電子装置を充電することに用いられる。無線充電装置は、ハウジングと、少なくとも1つの支持クッションと、無線充電モジュールと、ファンとを含む。ハウジングは、内部空間と、少なくとも1つの空気入口と、空気出口と、支持面とを有し、空気入口と空気出口は内部空間に接続し、支持面は内部空間に反対向き、支持面は少なくとも1つの配置領域を有する。支持クッションは、配置領域に設けられ、電子装置を支持することに用いられる複数の突出構造を有し、これらの突出構造は空気入口に向く複数の流路を形成する。無線充電モジュールは、内部空間に設けられ、配置領域に対応する。ファンは、内部空間内に設けられ、空気入口から空気を内部空間に吸い込み、空気出口により空気を吹き出すことに用いられる。
【0006】
上記実施例に開示の無線充電装置によれば、支持クッションにおけるこれらの突出構造が電子装置を支持して、空気入口に向く複数の流路を形成することにより、ファンが空気入口から空気を内部空間に吸い込む過程において、まず空気が電子装置の底部を流れて、電子装置を放熱させ、続いて、空気が内部空間に入った後、無線充電モジュールを放熱させることができるため、電子装置と無線充電装置を適宜の温度に保つことが可能であり、充電効果を維持することができる。
【0007】
以上の本発明の内容に関する説明及び以下の実施形態の説明は、本発明の原理を展示、解釈することに用いられ、本発明の特許請求の範囲にさらなる解釈を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の実施例により開示された無線充電装置を示す斜視模式図である。
図2図1の分解模式図である。
図3図1の上面模式図である。
図4図3の切断線4―4に沿って示す断面模式図である。
図5図3の切断線5―5に沿って示す断面模式図である。
図6図3の支持クッションにおける突出構造によって導かれた気流の流場模擬図である。
図7】気流が図1の無線充電装置を流れた圧力の分布模擬図である。
図8】気流が図1の無線充電装置を流れた流場の分布模擬図である。
図9】気流が図1の無線充電装置を流れた温度の分布模擬図である。
図10】本発明の第二の実施例により開示された無線充電装置を示す分解模式図である。
図11図10の無線充電装置の上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図2を参照する。図1は本発明の第一の実施例により開示された無線充電装置を示す斜視模式図である。図2図1の分解模式図である。
【0010】
本実施例では、無線充電装置1は2つの電子装置2を充電することに用いられ、電子装置2は、例えば、スマートフォンである。
【0011】
続いて、図2図5を参照する。図3図1の上面模式図である。図4図3の切断線4―4に沿って示す断面模式図である。図5図3の切断線5―5に沿って示す断面模式図である。
【0012】
無線充電装置1は、ハウジング10と、無線充電モジュール20と、ファン30とを含む。なお、無線充電装置1は2つの支持クッション40を更に含むことができる。
【0013】
ハウジング10は、互いに組み立てる台11と、蓋12とを含み、台11は蓋12とともに内部空間13を形成し、内部空間13は無線充電モジュール20とファン30とを収容する。
【0014】
蓋12は、支持面121と、分離リブ122と、メサ構造124と、複数の空気入口125と、複数の防水構造126とを有する。支持面121は内部空間13に反対向き、支持面121は2つの配置領域1211を有する。分離リブ122は、支持面121から隆起し、支持面121の2つの配置領域1211の間に位置する。メサ構造124は、支持面121に隆起し、風上の面1241を有し、風上の面1241は支持面121に立ち、2つの配置領域1211に向く。風上の面1241は、例えば、支持面121に対して垂直であるが、これに限らない。他の実施例では、風上の面1241は支持面121と鋭角、または鈍角をなす。これらの空気入口125は、風上の面1241上に位置し、内部空間13に接続する。これらの防水構造126は、支持面121から隆起して、それぞれにこれらの空気入口125内に位置する。これらの防水構造126のそれぞれは、支持面121と鈍角θ1をなす誘導斜面1261を有し、この鈍角θ1の角度は、例えば、120~150°の範囲内に収めるが、これに限らない。
【0015】
本実施例では、これらの防水構造126は、水の空気入口125から内部空間13への侵入による、内部空間13における無線充電モジュール20への不利な影響を防げる。なお、防水構造126が誘導斜面1261に係る設計を有することで、外部気流を導いて空気入口125から内部空間13へ入ることができる。
【0016】
なお、防水構造126における誘導斜面1261は、支持面121と鈍角θ1をなすことに限らない。他の実施例では、防水構造における誘導斜面は、支持面に対して垂直である表面に調整できる。なお、蓋12はこれらの防水構造126を有することに限らず、水の空気入口125から内部空間13への侵入を防ぐ必要がなければ、蓋12におけるこれらの防水構造126は省略することができる。
【0017】
一方、蓋12はメサ構造124を有することに限らない。他の実施例では、蓋はメサ構造を有しなくてもよく、これらの空気入口は直接に蓋の支持面上に形成されてもよい。なお、空気入口125の数は複数個に限らない。他の実施例では、空気入口125の数は1個のみであってもよい。さらに、分離リブ122は任意に用いられる構造であるため、省略することができる。
【0018】
本実施例では、蓋12は、支持面121に反対向く内上面127と、隔壁128とを更に有する。隔壁128は、内上面127から隆起して、内部空間13を排水路131と電子素子収容領域132とに分け、空気入口125は排水路131を介して電子素子収容領域132に接続する。電子素子収容領域132は、無線充電モジュール20と、ファン30とを収容する。
【0019】
台11は、内下面111と、遮水壁112と、複数の排水口113と、空気出口114とを有する。内下面111は内上面127に向き、蓋12の隔壁128と内下面111との間には開口Oが形成され、この開口Oは排水路131と電子素子収容領域132とを接続する。遮水壁112は内下面111から隆起し、開口Oを遮る。遮水壁112は台11の内下面111を第一の領域1111と第二の領域1112とに分け、第一の領域1111の少なくとも一部は排水路131に対応し、第二の領域1112は電子素子収容領域132に対応する。これらの排水口113は、第一の領域1111に位置し、排水路131に接続する。第一の領域1111は2つの排水斜面1113を有し、2つの排水斜面1113のそれぞれは相対的な第一の側1114と第二の側1115とを有する。第一の側1114から内上面127までの距離T1は第二の側1115から内上面127までの距離T2より小さい。2つの排水斜面1113は対称して形成され、すなわち、2つの排水斜面1113における2つの第一の側1114は2つの第二の側1115の間に位置する。2つの排水斜面1113は一部の排水口113と別の一部の排水口113との間に位置し、排水斜面1113のそれぞれにおける第二の側1115は第一の側1114と一部の排水口113との間に位置する。空気出口114は、第二の領域1112に位置し、電子素子収容領域132に接続する。
【0020】
本実施例では、遮水壁112の設置により、空気入口125から排水路131に入った水が第一の領域1111に落ちた後、直接に電子素子収容領域132へ侵入することが回避できるため、水が電子素子収容領域132内の無線充電モジュール20とファン30に不利な影響を与えることが回避できる。
【0021】
さらに、排水斜面1113の設置により、空気入口125から排水路131に入った水が第一の領域1111に落ちた後、排水斜面1113で排水口113から排出されるため、水が継続的に溜まって遮水壁112から溢れることが回避できる。
【0022】
なお、排水斜面1113と排水口113の数は、本発明を限定するためではない。他の実施例では、排水斜面と排水口の数は、それぞれ1つのみであってもよく、あるいは、台は排水斜面を有しなくてもよい。
【0023】
なお、蓋12における隔壁128と、台11における遮水壁112及び排水口113とは任意に用いられる構造であり、排水や水の無線充電モジュール20及びファン30への影響の回避などの必要がなければ、蓋12における隔壁128と、台11における遮水壁112及び排水口113とは省略することができる。
【0024】
無線充電モジュール20は、回路板21と、2つのコイルパック22とを含む。回路板21は台11に固定され、回路板21において台11の内下面111に向く表面に複数の熱源211を有する。これらの熱源211は、例えば、チップなどの電子部品である。2つのコイルパック22は、回路板21に固定され、回路板21において台11の内下面111から離れる側に位置する。2つのコイルパック22は蓋12の支持面121における2つの配置領域1211にそれぞれ対応し、2つのコイルパック22は2つの配置領域1211に置いた2つの電子装置2をそれぞれに充電することに用いられる。
【0025】
ファン30は、例えば、軸流式ファン30である。ファン30は、台11に固定され、台11の空気出口114に位置する。ファン30の入風側31は、回路板21の熱源211の近隣にある。これにより、入風側31からファン30に入った風は回路板21の熱源211を放熱させることができる。
【0026】
2つの支持クッション40は、例えば、ゴム材質である。2つの支持クッション40のそれぞれは、蓋12の支持面121における2つの配置領域1211に設けられる。2つの支持クッション40は同様な構造であるため、以下は1つの支持クッション40のみについて詳細に説明する。支持クッション40は、電子装置2を支持することに用いられる複数の突出構造41を有し、これらの突出構造41は空気入口125に向く複数の流路42を形成する。詳細には、これらの突出構造41のそれぞれは、三角形状のバンプであり、互いに平行な第一の直線L1と、第二の直線L2と、第三の直線L3と、第四の直線L4とに沿って配列し、第一の直線L1と、第二の直線L2と、第三の直線L3と、第四の直線L4とは、風上の面1241に対して垂直であり、第二の直線L2及び第三の直線L3は第一の直線L1と第四の直線L4との間に位置し、第一の直線L1及び第三の直線L3に位置する一部の突出構造41の角411は第一の方向D1に向き、第二の直線L2及び第四の直線L4に位置する別の一部の突出構造41の角411は第二の方向D2に向き、第一の方向D1と第二の方向D2とは反対である。第一の直線L1及び第二の直線L2に位置する一部の突出構造41は千鳥に配列し、第三の直線L3及び第四の直線L4に位置する別の一部の突出構造41は千鳥に配列する。これらの突出構造41で形成される流路42(例えば、図3の線分C1)と風上の面1241の法線Nとがなす夾角θ2は15°~60°の範囲内に収める。
【0027】
本実施例では、これらの突出構造41は、電子装置2を支持し、滑り止めの効果を提供することができる。なお、これらの突出構造41は電子装置2を持ち上げ、ファン30が作動する過程において、これらの突出構造41で形成される流路42により外部気流を電子装置2の底部から空気入口125へ導くことができる。詳細には、図6を参照すると、図6図3の支持クッション40の突出構造41によって導かれた気流の流場模擬図である。このように、気流を有効に利用して、電子装置2を放熱させることができる。
【0028】
なお、これらの突出構造41で形成される流路42(例えば、図3の線分C1)と風上の面1241の法線Nとがなす夾角θ2は15°~60°の範囲内に収めることにより、電子装置2のレンズ3が気流に与える影響を減少させることができる。より好ましくは、これらの突出構造41で形成される流路42(例えば、図3の線分C1)と風上の面1241の法線Nとがなす夾角θ2は15°~30°の範囲内に収めることにより、電子装置2のレンズ3が気流に与える影響を更に減少させることができる。
【0029】
なお、これらの突出構造41で形成される流路42(例えば、図3の線分C1)と風上の面1241の法線Nとがなす夾角θ2は本発明を限定するためではなく、実際の必要に応じて任意に調整できる。なお、これらの突出構造41は任意に用いられる構造であるため、省略することができる。
【0030】
図1図3によると、本実施例の支持クッション40におけるこれらの突出構造の配列方式は、左側の配置領域1211に置いた電子装置2におけるレンズ3が気流に対する妨害を極小化することができる。右側の配置領域1211に置いた電子装置2について、そのレンズ3は無線充電装置1の右側由来の気流に対する妨害程度が小さいため、構造を対称的に設置することなく、右側の支持クッション40は左側の支持クッション40と同様な構造でありうる。したがって、構造が対称する支持クッションを2種類生産する必要がなく、コストを抑えることができる。
【0031】
ファン30の動作で、空気入口125から内部空間13に入った気流は排水路131に沿って電子素子収容領域132に入り、無線充電モジュール20の回路板21における熱源211とコイルパック22を放熱させ、無線充電効果を維持させる。続いて、ファン30は電子素子収容領域132内の空気を外部へ吹き出す。また、気流が無線充電装置1を流れた圧力、流場、及び温度の分布模擬図は図7~9を参照する。図7の圧力の分布図は、電子装置2と支持クッション40における突出構造41との間にある気流は、流動抵抗が低くて圧力が大きくないことを示す。図8の流場の分布図は、電子装置2と支持クッション40における突出構造41との間にある気流は流動抵抗が低いため、ファン30の作動で、電子装置2と支持クッション40との間にある気流の流速がより早いことにより、電子装置2が発生する熱を除去する速度を向上させることを示す。上述した無線充電装置1の構造配置について、図9の温度の分布図は、無線充電装置1の全体として温度がより均一であることを示す。
【0032】
このように、空気入口125が位置する風上の面1241は電子装置2の配置に供する配置領域1211に向くこと、すなわち、電子装置2の配置に供する配置領域1211は空気入口125の一側に位置するように設置されることにより、ファン30が空気入口125から空気を内部空間13に吸い込む過程において、まず空気が電子装置2の周囲を流れて、電子装置2を放熱させ、続いて、空気が内部空間13に入った後、無線充電モジュール20を放熱させることができるため、電子装置2と無線充電装置1を適宜の温度に保つことが可能であり、充電効果を維持することができる。
【0033】
本実施例では、配置領域1211の数は1つで、コイルパック22の数は2つであるが、これらに限らない。他の実施例では、配置領域とコイルパックの数は1つのみであり得る。
【0034】
続いて、図10図11を参照すると、図10は本発明の第二の実施例により開示された無線充電装置を示す分解模式図である。図11図10の無線充電装置の上面模式図である。
【0035】
本実施例の無線充電装置1aは、図1~6に示した無線充電装置1に類似しており、両者の相違点は主に支持クッションの構造にあるため、以下は本実施例の無線充電装置1aにおける支持クッション40aのみについて詳細に説明する。本実施例の無線充電装置1aにおける図1~6に示した無線充電装置1と同様な部分については、割愛する。
【0036】
本実施例では、支持クッション40aにおけるこれらの突出構造41aは斜め方向の長いリブであり、流路42aのそれぞれはこれらの突出構造41aの隣接する両者の間に形成される。これらの突出構造41aで形成される流路42a(例えば、図11の線分C2)と蓋12aにおける風上の面1241aの法線Nとがなす夾角θ3は15°~60°の範囲内に収める。より好ましくは、これらの突出構造41aで形成される流路42a(例えば、図11の線分C2)と風上の面1241aの法線Nとがなす夾角θ3は15°~30°の範囲内に収める。
【0037】
上記実施例に開示の無線充電装置によれば、支持クッションにおけるこれらの突出構造が電子装置を支持して、空気入口に向く複数の流路を形成することにより、ファンが空気入口から空気を内部空間に吸い込む過程において、まず空気が電子装置の底部を流れて、電子装置を放熱させ、続いて、空気が内部空間に入った後、無線充電モジュールを放熱させることができるため、電子装置と無線充電装置を適宜の温度に保つことが可能であり、充電効果を維持することができる。
【0038】
本発明の1つの実施例では、本発明の無線充電装置は、例えば、自動運転車、電動車、及び半自動運転車などの車載装置に適用できるものである。
【0039】
本発明は前記の好ましい実施例で上述のように開示されたが、これに限定されるものではない。本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲において、あらゆる当業者は適切な変更・修飾を行うことができる。したがって、本発明の特許保護の範囲は、本明細書に添付する特許請求の範囲で特定されるものに準拠する。
【符号の説明】
【0040】
1、1a:無線充電装置
2:電子装置
3:レンズ
10:ハウジング
11:台
111:内下面
1111:第一の領域
1112:第二の領域
1113:排水斜面
1114:第一の側
1115:第二の側
112:遮水壁
113:排水口
114:空気出口
12、12a:蓋
121:支持面
1211:配置領域
122:分離リブ
124:メサ構造
1241、1241a:風上の面
125:空気入口
126:防水構造
1261:誘導斜面
127:内上面
128:隔壁
13:内部空間
131:排水路
132:電子素子収容領域
20:無線充電モジュール
21:回路板
211:熱源
22:コイルパック
30:ファン
31:入風側
40、40a:支持クッション
41、41a:突出構造
411:角
42、42a:流路
O:開口
θ1:鈍角
L1:第一の直線
L2:第二の直線
L3:第三の直線
L4:第四の直線
D1:第一の方向
D2:第二の方向
C1、C2:線分
N:法線
θ2、θ3:夾角
T1、T2:距離
図1
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図4
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