(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020180
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】噴霧送達を監視するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240206BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023125269
(22)【出願日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】22188148
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516232988
【氏名又は名称】アプラノ ファーマシューティカルズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ブリッセ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー ブラント
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不快感を改善するための薬物含有液体の噴霧送達を監視するためのコンピュータ実装方法を提供する。
【解決手段】方法は、吸入期間中に噴霧装置1のカウンタによって検出されるような送達パフ数を含む第1の入力データを受信するステップと、自己報告された知覚された不快感レベル、特に疼痛レベルおよび/または自己報告された吸入期間中の知覚された副作用の重症度を表し、アプリケーションのユーザインターフェースを介したユーザ入力から取得するユーザ状態データを含む第2の入力データを受信するステップと、少なくとも第1の入力データ及び第2の入力データに基づいて、今後の吸入期間についての送達パフの提案数を決定するステップと、ユーザインターフェースを介して、送達パフの提案数を示すユーザ命令を出力するステップと、を含む。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不快感を改善するために薬物含有液体の噴霧送達を監視するためのコンピュータ実装方法であって、
a)第1の入力データを受信するステップであって、前記第1の入力データが、吸入期間中に噴霧装置(1)のカウンタ(2)によって検出される送達パフ数を含む、ステップ(S11)と、
b)前記吸入期間中の自己報告された知覚された不快感レベルおよび/または自己報告された知覚された副作用の重症度を表すユーザ状態データを含む第2の入力データを受信するステップ(S12)であって、前記ユーザ状態データが、アプリケーションのユーザインターフェース(15)を介してユーザ入力から取得される、ステップと、
c)少なくとも前記第1の入力データおよび前記第2の入力データに基づいて、今後の吸入期間についての送達パフの提案数を決定するステップ(S13)と、
d)前記ユーザインターフェース(15)を介して、前記送達パフの提案数を示すユーザ命令を出力するステップ(S14)と、
を含む、方法。
【請求項2】
複数の吸入期間、特に連続する吸入期間のそれぞれについてステップa)からd)を繰り返すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定するステップが、第3の入力データであって、前記複数の吸入期間のそれぞれについて、前記吸入期間に関連付けられた前記第1の入力データおよび前記第2の入力データを含む履歴データのサブセットと、任意に前記吸入期間についての前記提案パフ数とを含む、履歴データのセットを含む第3の入力データにさらに基づいており、特に前記方法が、前記履歴データのセットを作成および/または更新するステップ(S15)を含み、および/または
前記決定するステップが、第4の入力データであって、特に1つまたは複数の投与レジメンを表す第4の入力データにさらに基づいており、前記送達パフの提案数が、前記第1の入力データおよび前記第2の入力データならびに任意に前記第3の入力データに基づいて前記1つまたは複数の投与レジメンのうちの1つを選択し、任意に調整することによって決定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の入力データが、各パフについて、前記パフの送達時刻を示すタイムスタンプを含み、および/または
前記方法が、複数の吸入期間のうちの少なくとも1つについて、特に、前記各パフの送達時刻を示す前記タイムスタンプに基づいて、前記吸入期間中の送達パフ数を決定するステップ(S16a)を含み、
特に、前記方法が、例えば投与レジメンによって定義されるように、前記吸入期間についての実際の送達パフ数と前記送達パフの提案数との間の差に基づいて、前記投与レジメンの遵守を示す遵守スコアを決定するステップ(S16b)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
送達パフのシーケンスおよび/または頻度に基づいて、および/または所定の期間、特に1つまたは複数の吸入期間内の送達パフの総数に基づいて、誤用および/または乱用のリスクが高いと決定するステップ(S17)と、前記リスクの増加を示すデータを第三者、例えば医師がアクセス可能な装置に送信するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1から第4の入力データのうちの少なくとも1つに基づいて、および任意に前記遵守スコアに基づいて、前記投与レジメンを自動的または半自動的に作成および/または更新するステップ(S18)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
報告データを前記第三者に、例えば、前記医師にアクセス可能な前記装置に送信するステップ(S19)を含み、前記報告データが、前記第1から第4の入力データおよび/または前記遵守スコアのうちの少なくとも1つ、および/または前記誤用および/または乱用のリスクの増加を示すデータを含み、特に、所定の時間および/または所定の間隔で、および/またはデータ接続が確立されるたびに前記報告データを送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の入力データが、前記噴霧装置から有線または無線データ接続を介して、特にBluetooth(登録商標)またはNFCを介して、コンピューティングシステム、特にモバイル装置において受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記噴霧装置の前記カウンタが前記送達パフ数を検出するステップ(S20)と、前記噴霧装置が、前記カウンタによって検出された前記送達パフ数を前記コンピューティングシステム(12)、特にモバイル装置(14)に送信するステップ(S21)と、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
データ接続(16)を介して噴霧装置データ処理装置(11)と通信するように構成され、任意に前記噴霧装置データ処理装置(11)を備えるコンピューティングシステム(12)を備えるデータ処理システム(13)であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法ステップを実行および/または制御するように構成されている、データ処理システム(13)。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法において使用するように特に構成された噴霧装置(1)であって、
送達パフ数を検出するようにセンサデータを処理するように構成されたカウンタ(2)と、
噴霧装置データ処理装置(11)であって、前記噴霧装置(1)の外部のコンピューティングシステム(12)に前記送達パフ数を送信するように構成された噴霧装置データ処理装置(11)と、
を備え、
特に、前記噴霧装置データ処理装置(11)が、前記カウンタ(2)の計算ロジックのうちの少なくとも一部を備える、噴霧装置。
【請求項12】
前記カウンタ(2)が、各送達パフがカウントされるように、および/または完全なパフのみがカウントされるように構成され、特に、パフの送達を示すトリガ要素の動きを検出するセンサを備え、および/または
前記カウンタ(2)が、パフの不完全な送達を防止するように構成され、および/または
前記カウンタ(2)が、パフとして送達される液体のボトル(3)を受け入れるように、特に、ハウジングの内部に前記ボトル(3)を少なくとも部分的に受け入れるように構成され、特に、
前記カウンタ(2)が、前記カウンタ(2)からの前記ボトル(3)の不正な取り外しを防止するように構成され、特に、前記ボトル(3)を定位置にロックするように構成され且つ前記ボトル(3)を解放するためにロックリング(2e)をロック解除するために特別なツールが必要とされるように任意に構成された前記ロックリング(2e)を備え、および/または
前記カウンタ(2)が、前記カウンタ(2)からの前記ボトル(3)の取り外しおよび/または前記カウンタ(2)への前記ボトル(3)の挿入を検出するように構成され、任意に、前記噴霧装置(1)が、取り外しおよび/または挿入の指示および/またはカウントを前記コンピューティングシステム(12)に送信するように構成されている、
請求項11に記載の噴霧装置(1)。
【請求項13】
請求項11に記載の噴霧装置(1)と、前記噴霧装置(1)の外部のコンピューティングシステム(12)とを備える監視システム(10)であって、請求項1から9のいずれか一項に記載のステップを実行するように構成されている、監視システム(10)。
【請求項14】
薬物含有液体の噴霧送達を監視するための、特に前記薬物の投与レジメンを適応的に設定するための、および/または前記薬物の誤用および/または乱用のリスクを検出するための、請求項10に記載のデータ処理システム(13)および/または請求項11に記載の噴霧装置(1)および/または請求項13に記載の監視システム(10)の使用。
【請求項15】
前記プログラムがコンピュータによって実行されると、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法の前記ステップを前記コンピュータに実行および/または制御させる命令を含むコンピュータプログラム、または前記プログラムがコンピュータによって実行されると、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法の前記ステップを前記コンピュータに実行および/または制御させる命令を記憶したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧送達を監視するための方法、データ処理システム、噴霧装置、監視システム、データ処理システム、噴霧装置、および監視システムの使用、コンピュータプログラム製品、ならびにコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、薬物含有液体の噴霧送達を監視する方法は、噴霧装置のユーザによる適切な取り扱いにほぼ完全に依存している。
【0003】
具体的には、ユーザは、例えば、適切な量の薬物が送達されたかどうか、所望の効果が薬物によって達成されるかどうか、任意の副作用が送達された投与量とどのように相関し得るか、および薬物の高い有効性を提供しながら副作用を小さく保つように投与量が調整できるかを決定する目的で、噴霧装置の使用を適切に適用し、文書化し、それについて報告する必要がある。
【0004】
しかしながら、現在のシステムでは、ユーザの努力および能力に左右されるため、信頼性を確保することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、上記課題のうちの少なくともいくつかを克服するのに役立つ方法およびシステムを提供することである。
【発明の概要】
【0006】
この目的は、本発明によって達成される。本発明は、独立請求項に記載の噴霧送達を監視するための方法、データ処理システム、噴霧装置、監視システム、データ処理システム、噴霧装置、および監視システムの使用、コンピュータプログラム製品、ならびにコンピュータ可読媒体を提供する。好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本開示は、不快感を改善するための薬物含有液体の噴霧送達、および任意にパフシーケンスを監視するためのコンピュータ実装方法を提供する。本方法は、a)第1の入力データを受信することであって、第1の入力データが、吸入期間中に噴霧装置のカウンタによって検出されるような送達パフ数を含む、第1の入力データを受信することと、b)自己報告された知覚された不快感レベル、特に疼痛レベル、および/または自己報告された吸入期間中の知覚された副作用の重症度を表すユーザ状態データを含む第2の入力データを受信することであって、ユーザ状態データが、アプリケーションのユーザインターフェースを介したユーザ入力から取得される、第2の入力データを受信することと、c)少なくとも第1の入力データおよび第2の入力データに基づいて、今後の吸入期間についての送達パフの提案数を決定することと、d)ユーザインターフェースを介して、送達パフの提案数を示すユーザ命令を出力することと、を含む。
【0008】
換言すれば、ある期間、すなわち、吸入期間中の投与量と直接相関する前記吸入期間にわたる実際の送達パフ数、ならびにユーザによって報告された知覚された有効性および知覚された副作用に関する情報は、今後の吸入期間における投与量に関してさらにどのように進めるかを決定するための入力データとすることができる。
【0009】
本方法、特に噴霧装置のカウンタからのデータを含む第1の入力データの使用は、ユーザの労力および能力から独立させることができる高い信頼性を可能にする。
【0010】
例えば、不快感レベル、特に疼痛レベルがかなり高いと報告され、吸入期間中に副作用の重症度が低いと報告された場合、今後の吸入期間についての提案パフ数は、吸入期間中にカウンタによって検出された送達パフ数よりも多くなり得る。別の例として、不快感レベル、特に疼痛レベルが非常に低く、副作用の重症度がかなり高いと報告された場合、今後の吸入期間についての提案パフ数は、吸入期間中に検出された送達パフ数よりも低くなり得る。しかしながら、不快感レベル、特に疼痛レベル、および副作用の重症度の双方を考慮する必要はない。例として、提案パフ数は、副作用の重症度のみに基づいて、または不快感レベル、特に疼痛レベルのみに基づいて調整されてもよい。
【0011】
ユーザは、送達パフを確実且つ正確に記録しないことがあり、その結果、既知のシステムおよび方法によって実装された場合、上記の種類の調整は、精度および信頼性を欠く。
【0012】
したがって、既知のシステムおよび方法の文脈において上述した課題が克服される。
【0013】
不快感レベル、すなわち不快感のレベルは、噴霧送達によって、具体的には薬物含有液に含まれる薬物によって改善される不快感、すなわち薬物含有液に含まれる薬物が標的とする不快感を定量化するための尺度である。不快感は、疾患、特に中枢神経系に対する疾患に関連付けられるか、またはそれによって引き起こされ得る。
【0014】
例えば、不快感は、疼痛、痙縮、振戦、不安、不眠症、躁病、うつ病などであり得る。
【0015】
例えば、疾患は、任意の疼痛を引き起こす疾患、多発性硬化症、パーキンソン病もしくは任意の他の神経変性疾患、うつ病、境界症候群、または任意の他の精神医学的徴候であり得る。
【0016】
噴霧送達は、液体が噴霧装置の噴霧ノズルを介して送達されることを伴い得る。噴霧ノズルは、ユーザに送達される噴霧に液体を分散させるように構成され得る。例えば、噴霧送達は、ユーザの口の中、特に舌の下または口蓋の上、または鼻孔の中またはユーザの皮膚または粘膜の適切なパッチの上に液体を送達するために使用され得る。
【0017】
噴霧送達は、ユーザがトリガ、例えば噴霧器ヘッドを作動させることによって行われてもよい。作動は、トリガの機械的作動、例えば噴霧器ヘッドの押し下げであってもよい。
【0018】
パフはまた、噴霧バーストと呼ばれることもある。パフは、トリガが1回起動されたときに送達される液体を指し得る。
【0019】
本開示では、パフ数は、特に整数であってもよく、いくつかのトリガ起動、特に完全なトリガ起動に対応してもよい。
【0020】
例として、いくつかの噴霧送達構成では、トリガを完全にまたは部分的にのみ、例えば適切に使用しない場合に起動することが可能であり得る。その場合、パフは、トリガが最大限に起動されることに対応し得る。トリガを部分的な範囲で起動する結果は、部分的なパフが送達されることであってもよく、これは、実施形態に応じて、送達パフの検出数についてのパフとしてカウントされてもされなくてもよい。
【0021】
さらに、本開示の文脈では、パフシーケンスは、連続したパフのパターン、例えば、送達時間当たりのパフ数、送達時間間の時間、吸入期間中のパフの総数などによって特徴付けられ得る。
【0022】
本開示によれば、薬物含有液体は、医薬品有効成分(API)、例えば麻薬性APIを含有する任意の液体であり得る。
【0023】
本開示によれば、第1の入力データを受信することは、コンピューティングシステムにおいて、特にコンピューティングシステムの外部の装置から、例えば通信インターフェースを介して、第1の入力データを受信することを含み得て、コンピューティングシステムは、上述したステップの一部または全てを実行する。第1のデータは、噴霧装置に組み込まれ得るカウンタから受信され得る。
【0024】
第2の入力データを受信することは、特にコンピューティングシステムのユーザ入力機構によって、コンピューティングシステムにおいて第2の入力データを受信することを含み得る。例えば、第2の入力データは、タッチスクリーンおよび/またはタッチパッドおよび/または物理ボタンから受信されてもよい。
【0025】
本開示によれば、アプリケーションのユーザインターフェースを介したユーザ入力は、ユーザがアプリケーションのユーザインターフェースと相互作用することを可能にするユーザ入力機構によって受信された任意の入力であってもよい。ユーザインターフェースは、コンピューティングシステム、例えばモバイル装置のディスプレイ上に表示される視覚インターフェースを含んでもよい。ユーザインターフェースはまた、音声態様、例えば音声入力および音声出力を含んでもよい。ユーザインターフェースを介してユーザ命令を出力することは、オーディオおよび/またはビジュアル出力を含んでもよい。
【0026】
アプリケーションは、例えば、ウェブアプリケーションであってもよい。アプリケーションは、コンピューティングシステム、例えばモバイル装置上で実行されてもよく、ユーザインターフェースは、モバイル装置のディスプレイ上に表示されてもよい。
【0027】
本開示によれば、吸入期間は、現在の状況に応じた所定の長さを有し得る。例えば、吸入期間は、前記期間中に少なくとも1つの薬物送達が提案されると予想されるような長さを有し得る。例えば、吸入期間は、1日であってもよい。
【0028】
本開示によれば、今後の吸入期間は、特に、次の吸入期間、すなわち、第1のデータが取得された吸入期間の直後の吸入期間であってもよい。
【0029】
本開示によれば、自己報告された知覚された不快感レベル、特に疼痛レベルは、異なるレベルの疼痛を含むスケール(数値スケールまたは記述スケール)でのユーザ選択から決定され得る。代替的または追加的に、自己報告された知覚された不快感レベル、特に疼痛レベルは、バイナリユーザ選択、例えば許容可能または許容不可能から決定されてもよい。
【0030】
本開示によれば、自己報告された知覚された副作用の重症度は、単一の副作用について、または複数の副作用についてまとめて、または複数の副作用のそれぞれについて1つずつの別個の尺度のいずれかで、重症度の異なるレベルを含む尺度(数値尺度または記述尺度)でのユーザ選択から決定され得る。代替的または追加的に、副作用の重症度の自己報告された知覚レベルは、単一の副作用について、または複数の副作用についてまとめて、または複数の副作用が個別にある場合はそれぞれについて、バイナリユーザ選択、例えば許容可能または許容不可能から決定されてもよい。代替的または追加的に、副作用の重症度の自己報告された知覚レベルは、1つまたは複数の副作用について、まとめてまたは個別に、吸入期間にわたる副作用発生の頻度および/または数の選択から決定されてもよい。
【0031】
本開示によれば、第1および第2の入力データに基づいて提案パフ数を決定することは、第2の入力データに応じて、特に副作用の重症度および/または不快感レベル、特に疼痛レベルに応じて、第1の入力データに含まれるパフ数と比較してパフ数を維持、増加、または減少するように決定することを含み得る。例として、予め定義された尺度にしたがって、不快感レベル、特に疼痛レベルが高く、副作用の重症度が低い場合に増加が決定され得る。例えば、所定の尺度は、ユーザによって提供されるベースラインレベルおよび/またはベースライン重症度を考慮に入れられ得て、例えば、ベースラインレベルおよび/またはベースライン重症度に対する尺度を含み得る。別の例として、予め定義された尺度にしたがって、不快感レベル、特に疼痛レベルが低く、副作用の重症度が高い場合に減少が決定され得る。しかしながら、以下で論じられる他の要因、例えば履歴データおよび/または提案された投与レジメンが考慮されてもよく、それは単独で考慮された場合にパフ数の減少または維持を示す要因を少なくとも部分的に相殺し得る投与量を徐々に増加させるパターンを決定し得る。複数の要因が考慮される場合、前記要因の重み付けまたは優先順位付けが実行されてもよく、および/または提案パフ数を取得するためにいくつかの要因に対して境界条件が設定されてもよい。提案パフ数を決定するために適用される要因、重み、優先順位および/または境界条件は、中毒、虐待、誤用などの観点から、手元の特定の用途、例えば薬物および薬物に関連付けられた潜在的なリスクに依存する。
【0032】
本開示の方法は、複数の吸入期間、特に連続する吸入期間のそれぞれについてステップa)からd)を繰り返すことを含み得る。
【0033】
すなわち、送達パフの提案数の反復調整が実行され得る。
【0034】
特に、今後の吸入期間についての送達パフの提案数が、少なくとも1回、または連続する吸入期間のうちの1つよりも多い少なくとも所定の回数にわたって、吸入期間内の検出された送達パフ数と同じになるまで、ステップが繰り返され得る。すなわち、ステップは、適切なおよび/または最大投与量に到達したと十分に高い信頼性で仮定されることができるまで繰り返され得る。1よりも大きい所定の数を必要とする場合、結果が安定しているかどうかを検証することができる。
【0035】
本開示によれば、決定することは、第3の入力データであって、複数の吸入期間のそれぞれについて、吸入期間および任意に吸入期間についての提案パフ数に関連付けられた第1の入力データおよび第2の入力データを含む履歴データのサブセットを含む履歴データのセットを含む第3の入力データにさらに基づいてもよい。特に、本方法は、履歴データのセットを作成および/または更新することを含み得る。
【0036】
履歴データの各サブセットは、例えば、特定の吸入期間について、検出された送達パフ数および対応する不快感レベル、特に疼痛レベル、および/または副作用の重症度を決定することを可能にし得る。複数のそのようなサブセットは、例えば複数の、特に連続する吸入期間についての履歴データのセットに含まれてもよい。履歴データのセットは、例えば、履歴データの第1のサブセットを記憶することによって作成され得る。履歴データのセットは、履歴データの新たなサブセットを追加すること、履歴データのサブセットを削除すること、例えば、古いサブセットを削除すること、および/または最新のサブセットを追加することによって更新され得る。
【0037】
履歴データの使用は、今後の吸入期間についての提案をより正確に決定するのに役立ち得る。例として、過去に特定数の送達パフが、高レベルの副作用または疼痛などの望ましくない結果を繰り返しもたらした場合、この数は、他の数よりも提案されにくくし得る。
【0038】
代替的または追加的に、本開示によれば、決定することは、第4の入力データであって、特に1つまたは複数の投与レジメンを表す第4の入力データにさらに基づいてもよく、送達パフの提案数は、第1の入力データおよび第2の入力データ、ならびに任意に第3の入力データに基づいて、1つまたは複数の投与レジメンのうちの1つを選択し、任意に調整することによって決定され得る。
【0039】
例として、提案パフ数を決定することは、提案パフ数または前記数が導出可能な投与量を含む投与レジメンを取得することを伴い得る。
【0040】
選択された投与レジメンは、第1から第3の入力データのうちの少なくとも1つに基づいて選択され得る。例えば、以前に送達されたパフ数(第1の入力データ)に適合する投与レジメンが、特に2回以上の吸入期間について選択され得る。後者は、履歴データのセットから決定され得る。
【0041】
選択された投与レジメンは、第1から第3の入力データのうちの少なくとも1つに基づいて任意に調整されてもよく、特に、選択された投与レジメンによって提案されるパフ数は、第1から第3の入力データに応じて増減されてもよい。例えば、自己報告された疼痛および/または副作用レベルおよび/または履歴データに基づいて、提案パフ数は、投与レジメンによって提案されるパフ数よりも多くても少なくてもよい。
【0042】
したがって、薬物の投与量に関する一般的なガイドラインに一般的にしたがうことができるが、医師に相談することなく客観的基準に基づく迅速な調整が行われてもよい。
【0043】
本開示によれば、第1の入力データは、パフごとに、パフの送達時刻を示すタイムスタンプを含む。
【0044】
そのようなタイムスタンプは、吸入期間中のパフ数を決定すること、すなわち、吸入期間内にタイムスタンプを有する全てのパフを決定するのに役立ち得る。これは、個々のパフを投与時間に関連付けることなく、吸入期間に関連付けられたパフ数のみが決定されて記憶される場合と比較して、さらに遡及的に行われることができる。
【0045】
さらに、それは、吸入期間内のパターンを決定することを可能にする。したがって、例えば、予想外のレベルの疼痛および/または副作用を引き起こす。例として、吸入期間の経過中に、パフが適切に離間して加えられなかった、例えば、1日または数日間にわたって分布されなかったと決定された場合、これは、予想外のレベルの疼痛および/または副作用の原因となり得る。そのような分析は、例えば、方法が長期間にわたって安定した結果をもたらすことができない場合に有用であり得る。
【0046】
本開示の方法は、複数の吸入期間のうちの少なくとも1つについて、特に各パフの送達時刻を示すタイムスタンプに基づいて、吸入期間中の送達パフ数を決定することを含み得る。
【0047】
特に、本方法は、例えば投与レジメンによって定義されるように、吸入期間についての実際の送達パフ数と送達パフの提案数との間の差に基づいて、投与レジメンへの遵守を示す遵守スコアを決定することを含み得る。
【0048】
一般に、処方された投与レジメンの遵守は、監視することが困難である。遵守スコアに基づいて、遵守が十分でない場合に容易に検出され得て、これは、例えば、より頻繁な本人による監督を引き起こし得て、および/または許容可能な結果を生み出すことができない方法についての原因を分析することを可能にし得る。
【0049】
本開示によれば、本方法は、送達パフのシーケンスおよび/または頻度に基づいて、および/または所定の期間、特に1つまたは複数の吸入期間内の総送達パフ数に基づいて、誤用および/または乱用のリスクが高いと決定することと、リスクの増加を示すデータを第三者、例えば医師がアクセス可能な装置に送信することと、を含み得る。
【0050】
換言すれば、パフ送達のパターンが使用されて、誤用および/または乱用のリスクの増加を決定し得る。
【0051】
上記は、第三者、例えば医師による適時の介入を可能にする。例えば、いくつかのパターンは、パフが所定の間隔で送達されないことを示し得て、例えば、一緒にあまりにも密集しているか、またはあまりにも稀に発生するか、または所定の規則性を有さずに発生することがあり、これは誤用を示し得る。いくつかのパターンは、あまりにも多くのパフが繰り返し送達されることを示し得て、これは乱用を示し得る。
【0052】
本開示によれば、本方法は、第1から第4の入力データのうちの少なくとも1つに基づいて、および任意に遵守スコアに基づいて、投与レジメンを自動的または半自動的に作成および/または更新することを含み得る。
【0053】
上述したように、提案されるパフの提案数を決定するために投与レジメンが選択され得る。本方法は、そのような投与レジメンが作成および/または更新されることを含み得る。投与レジメンを作成することは、例えば、いくつかの今後の吸入期間についての多くのパフが組み立てられることを伴い得る。投与レジメンの更新は、複数の今後の吸入期間に対する投与レジメンによって提案されるパフ数が、前記今後の吸入期間のうちの少なくとも1つについて調整されることを伴い得る。これらのステップには、第1から第4の入力データが使用され得る。例えば、送達パフの検出数は、今後の吸入期間についてのベースラインとして使用され得る。別の例として、高レベルの副作用が報告された場合、投与レジメンによって提案されるパフ数の増加は、より小さなステップにおいて実行され得る。
【0054】
本開示によれば、本方法は、第三者に、例えば医師がアクセス可能な装置に報告データを送信することを含み得て、報告データは、第1から第4の入力データおよび/または遵守スコアのうちの少なくとも1つ、および/または誤用および/または乱用のリスク増加を示すデータを含む。特に、本方法は、所定の時間および/または所定の間隔で、および/またはデータ接続が確立されるたびに報告データを送信することを含み得る。
【0055】
既に上述したように、報告データなどの特定のデータを第三者に提供することは、誤用または乱用のリスクがある場合に適時の介入を可能にし、本方法が許容可能な結果を生み出すことができない場合に潜在的な原因の分析も可能にし得る。
【0056】
本開示によれば、第1の入力データは、有線または無線データ接続を介して、特にBluetooth(登録商標)またはNFCを介して噴霧装置からコンピューティングシステム、特にモバイル装置において受信され得る。
【0057】
したがって、本開示の方法は、分散された方法で実行されてもよく、送達パフ数を検出するカウンタは、噴霧装置に組み込まれるが、第1の入力データ、特に送達パフの検出数は、モバイル装置のような異なる装置において(同様に)処理されることができる。これは、噴霧装置の技術的要件が、例えば、メモリ、CPU、電力消費に関して低く保たれ得るため、有利であり得る。さらに、第2のデータ、すなわち自己報告データは、そのようなユーザ入力を受信するのに適した装置、例えばモバイル装置の入力手段を使用してユーザ入力によって受信され得て、その結果、前記コンピューティングシステム、例えばモバイル装置において第1および第2の入力データをまとめることが有利であり得る。最後に、多くのコンピューティングシステム、特にモバイル装置は、一般に、適切なアプリケーションを実行し、第三者装置と通信するために十分に装備される。
【0058】
本開示によれば、本方法は、送達パフ数を検出する噴霧装置のカウンタと、カウンタによって検出された送達パフ数をコンピューティングシステム、特にモバイル装置に送信する噴霧装置と、を備え得る。
【0059】
噴霧装置にカウンタを組み込むことは、送達パフ数の信頼性が高くコンパクトな決定が、別個の装置によるよりも容易に保証されることができ、ユーザによる取り扱いが特別な注意または技術を必要としないため、有利である。さらなる処理のためにデータをコンピューティングシステムに送信する利点は、上記で概説されている。
【0060】
本開示はまた、データ接続を介して噴霧装置データ処理装置と通信するように構成され、任意に噴霧装置データ処理装置を備えるコンピューティングシステムを備えるデータ処理システムを提供する。データ処理システムは、本開示にかかる方法の方法ステップ、特に上記で概説した方法ステップのうちの1つまたは複数を実行および/または制御するように構成されている。
【0061】
すなわち、噴霧装置の外部にある少なくとも1つのコンピューティングシステムを備えるデータ処理システムが提供されてもよく、本方法のステップは、送達パフをカウントすることを除いて、前記コンピューティングシステムにおいて少なくとも部分的にまたは完全に実行されてもよい。コンピューティングシステムは、例えば、送達パフ数を受信するために、噴霧装置のデータ処理装置、すなわち噴霧装置データ処理装置と通信し得る。本開示のデータ処理システムはまた、任意に、送達パフの検出数を決定してコンピューティングシステムに送信するように構成され得る噴霧装置データ処理装置を備えてもよい。
【0062】
コンピューティングシステムは、モバイル装置または別の単一のコンピューティング装置、例えばユーザ装置に完全に実装されてもよい。あるいは、コンピューティングシステムは、分散システムであってもよく、すなわち、1つまたは複数のサーバと、任意にモバイル装置または別のユーザ装置とを備え得る複数の装置上に実装されてもよい。
【0063】
本開示はまた、本開示にかかる方法において使用するように特に構成された、特に上記で概説した方法ステップのうちの1つまたは複数に使用するための噴霧装置を提供する。本開示にかかる噴霧装置は、送達パフ数を検出するようにセンサデータを処理するように構成されたカウンタと、噴霧装置データ処理装置とを備え、噴霧装置データ処理装置は、送達パフ数を噴霧装置の外部のコンピューティングシステムに送信するように構成されている。
【0064】
特に、噴霧装置データ処理装置は、カウンタの計算ロジックの少なくとも一部を備え得る。
【0065】
本開示によれば、カウンタは、各送達パフがカウントされるように、および/または完全なパフのみがカウントされるように構成され得る。
【0066】
特に、パフの送達を示すトリガ要素の動きを検出するセンサを備えてもよい。センサは、特に、非接触センサ、例えば光学センサ、または接触センサであってもよい。
【0067】
例えば、噴霧装置の適切な使用および/または構成によっては、パフが完全に送達されないことがある。カウンタは、不完全なパフもカウントされるように構成されてもよく、または完全なパフのみがカウントされるように構成されてもよい。例えば、トリガ要素が完全に起動されたときにのみ検出するようにセンサが配置されてもよく、その場合、完全なパフのみがカウントされてもよい。あるいは、トリガ要素は、トリガ要素が所定の程度、例えば75%まで起動されたときを検出するように構成されてもよく、いかなる他のトリガイベントもカウントされなくてもよい。
【0068】
本開示によれば、カウンタは、パフの不完全な送達を防止するように構成され得る。例えば、カウンタは、トリガの完全な起動のみが薬物含有液体を放出するように構成されてもよい。これは、薬物の実際の投与量の曖昧さから保護する。
【0069】
本開示によれば、カウンタは、パフとして送達される液体のボトルを受け入れるように、特に、ハウジング内にボトルを少なくとも部分的に受け入れるように構成され得る。すなわち、用途に応じて、カウンタと一体的にボトルが配置され得る。これは、正確な計数およびコンパクトな構成を可能にする。
【0070】
特に、本開示によれば、カウンタは、カウンタからのボトルの不正な取り外しを防止するように構成され得る。特に、カウンタは、ボトルを定位置にロックするように構成され且つボトルを解放するためにロックリングをロック解除するために特別なツールが必要とされるように任意に構成されたロックリングを備え得る。
【0071】
これは、ある程度の改ざん証明を可能にし、したがって、乱用および/または誤用の信頼性およびリスクを高める。例えば、特別なツールは、選択された人々のグループにのみ配布されてもよく、特に、噴霧装置のユーザに提供されなくてもよい。
【0072】
代替的または追加的に、カウンタは、カウンタからのボトルの取り外しおよび/またはカウンタへのボトルの挿入を検出するように構成されてもよく、任意に、噴霧装置は、取り外しおよび/または挿入の指示および/またはカウントをコンピューティングシステムに送信するように構成される。代替的または追加的に、カウンタは、例えば光学センサによってボトルの充填レベルを検知するように構成されてもよい。
【0073】
これは、異なる利点を提供し得る。例えば、頻繁なボトル交換に基づいて、または予想される充填レベルの低下よりも速く、誤用または乱用が検出され得る。別の例として、ボトル内の液体の残量は、ボトルを交換してから送達されたパフに基づいて、および/またはパフの送達によって引き起こされた充填レベルの変化に基づいて推定され得る。残量を表す指示は、新たなボトルの適時な提供を可能にするために、ユーザおよび/または第三者に出力されてもよい。これは、薬物が不足するリスクが減少するため、投与レジメンへの遵守の信頼性を改善する。
【0074】
本開示はまた、本開示の噴霧装置と、噴霧装置の外部のコンピューティングシステムとを備える監視システムであって、本開示にかかる方法のステップ、特に上記で概説した方法ステップのうちの1つまたは複数を実行するように構成された監視システムを提供する。コンピューティング装置は、例えば、さらに上述したようなコンピューティング装置であり得る。
【0075】
本開示はまた、薬物含有液体の噴霧送達を監視するための、特に薬物の投与レジメンを適応的に設定するための、および/または薬物の誤用および/または乱用のリスクを検出するための、本開示にかかるデータ処理システムおよび/または本開示にかかる噴霧装置および/または本開示にかかる監視システムの使用を提供する。
【0076】
監視は、特に、投与レジメン、例えば、送達パフの提案数および/または頻度および/または時間の遵守を監視すること、および/または送達パフの提案数が、特許請求される方法のステップを繰り返すときに経時的に安定するかどうかを監視すること、および/または合理的に予想されることができる提案数を生み出すことを含み得る。代替的または追加的に、投与量の変化が有効性および/または副作用にどのように影響するかを監視することを含んでもよく、これは投与レジメンの改善された将来の選択を可能にし得る。
【0077】
本開示はまた、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに本開示の方法のいずれかのステップを実行および/または制御させる命令を含むコンピュータプログラムを提供する。
【0078】
本開示はまた、コンピュータによって実行されると、コンピュータに本開示の方法のいずれかのステップを実行および/または制御させる命令を記憶したコンピュータ可読媒体を提供する。
【0079】
本方法の文脈において上記で概説した特徴および利点は、本明細書に記載のデータ処理システム、噴霧装置、監視システム、データ処理システム、噴霧装置、および監視システムの使用、コンピュータプログラム製品、ならびにコンピュータ可読媒体にも同様に適用される。
【0080】
さらなる特徴、例、および利点は、添付の図面を参照する詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
添付の図面では、以下のとおりである。
【
図1a】本開示にかかる噴霧装置の概略的に異なる図を示している。
【
図1b】本開示にかかる噴霧装置の概略的に異なる図を示している。
【
図2a】本開示にかかる噴霧装置の概略的に異なる図を示している。
【
図2b】本開示にかかる噴霧装置の概略的に異なる図を示している。
【
図3a】本開示にかかる噴霧装置の概略的に異なる図を示している。
【
図3b】本開示にかかる噴霧装置の概略的に異なる図を示している。
【
図4】本開示にかかるデータ処理システムを概略的に示している。
【
図5】本開示にかかる監視システムを概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1aは、本開示にかかる噴霧装置を概略的に示しており、縮尺通りではない。
図1bは、分解された状態の噴霧装置を示している。
【0083】
図1に示す噴霧装置1は、この例ではセンサ2a、例えば圧力センサと、この例ではカウンタPCB2b上に実装された計算ロジックとを備えるカウンタ2を備える。センサは、PCBに取り付けられ得る。カウンタは、ハウジング底部2cおよびハウジングカバー2dを備えるハウジングと、ロックリング2eとをさらに備え得る。センサおよびPCBは、噴霧装置が組み立てられた状態にあるときにハウジング内に配置され得る。
【0084】
ハウジング底部は、例えばポンプシステム5によって、ノズル4を介してボトル3から薬物含有液体、例えば薬物含有ナノ製剤を含むボトル3を受け入れるように構成され得る。ボトルは、少なくとも部分的にハウジング内に配置され得て、特にハウジングカバー2dによって少なくとも部分的に覆われ、ロックリング2eによって所定の位置にロックされ得る。そのために、ロックリングは、ハウジングと機械的に係合するように構成され得る。ロックリングは、例えば、ボトルを交換するために、ボトルを解放するためにロックリングをアンロックするための特別なツール6を必要とするように構成され得る。ロックリングは、ノズルの動きがブラケット部分によって制限されるように、リング部分2e-2から延在するブラケット部分2e-1を備える。特に、ブラケット部分は、U字形であり得る。
【0085】
ブラケット部分は、例えば、ハウジングから離れる方向のノズルの動きと、前記方向に垂直な平面内の回動の動きとを制限し得る。
【0086】
図1bには、例示的なツール、すなわち一対のトングが示されており、これは、噴霧装置の一部ではなく、本開示にかかる監視システム10の一部であり得る。一対のトングは、ボトルが解放されるように、ロックリング2eをロック解除するように構成され得る。
【0087】
カウンタは、センサをトリガするように構成されたトリガ要素2fをさらに備え得る。本例では、トリガ要素は、ハウジングカバーを貫通して延在する延長部分2f-1を除いて、ハウジング内に移動可能に配置されたトリガリングである。トリガ要素は、例えばポンピング機構を動作させることによってパフを送達することがトリガ要素を動作させるように構成および配置されている。本例では、ポンピング機構を動作させることにより、トリガ要素の延長部分を介してトリガ要素を押す。したがって、トリガ要素は、静止位置からトリガ位置に押され得る。
【0088】
トリガ要素は、トリガ位置に到達するとセンサをトリガするように構成され得る。例えば、突起2f-2は、センサをトリガするように構成され得る。トリガ要素は、静止位置に戻るようにトリガ位置にあるときにばね付勢され得る。トリガ要素をばね付勢するための例示的なばね2gが
図1bに示されている。
図1bでは、例として、トリガ要素およびハウジング底部は、例えば、互いに係合する溝および突起の1つまたは複数の対によって、ハウジング底部がトリガ要素の移動を案内するように成形される。
【0089】
噴霧装置は、PCB上の計算ロジックおよび任意に他の電子機器に電力を供給するように構成されたエネルギー源7、例えばバッテリをさらに備え得る。噴霧装置は、固定要素8、例えばハウジングカバーをハウジング底部に固定するねじのような第1の固定要素8a、および/またはエネルギー源、例えばバッテリを固定するための第2の固定要素8b、例えば接着テープをさらに備え得る。例えば、エネルギー源は、PCBに固定され得る。
【0090】
任意に、カウンタは、ハウジング内のボトルの有無を検出するためのセンサ2hを備えてもよい。例えば、センサ2hからの信号は、ボトルの変化を追跡するために、および/またはボトルが紛失したときに警報および/またはエラー信号を発するために使用され得る。
【0091】
カウンタはまた、外部コンピューティングシステムにデータを送信するために、1つまたは複数の無線通信インターフェース2i、例えば、Bluetoothインターフェース、NFCインターフェース、モバイル通信インターフェース、およびWiFi(登録商標)インターフェースなどのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0092】
図2aおよび
図2bは、例えば
図1aおよび
図1bに示すような、本開示にかかる噴霧装置の少なくとも一部の異なる図を示している。
図2aでは、ボトルは、ハウジング内に完全には挿入されていない。
【0093】
図2bには、ボトルの有無を検出するためのセンサ2hと、ノズルの動きを拘束するブラケットとがより詳細に示されている。
【0094】
図3aおよび
図3bでは、例えば
図1a、
図1b、
図2a、または
図2bに示すように、本開示にかかる噴霧装置が2つの異なる状態で示されている。
図3aに示す第1の状態では、トリガ要素は、静止位置にある。
図3bに示す第2の状態では、トリガ要素は、静止位置に戻るようにばねによってばね付勢されたトリガ位置にある。ロックリング、特にそのブラケットは、ノズルの移動を制限しながら、ポンプシステムが作動してパフを送達するときにノズルが下方に移動することを可能にし、同時にそれによってトリガ要素を静止位置からトリガ位置に移動させるように構成されることが分かる。カウンタのセンサ2aをトリガするように構成された突起2f-2のそれぞれの位置も示されている。
【0095】
図3bには、有線データ接続および/または電源用の任意のポート9、例えばUSB-Aポート、USB-Cポートなどが示されている。
【0096】
図4は、本開示にかかる例示的な監視システム10を示している。
【0097】
監視システムは、例えば上述したように、本開示にかかる噴霧装置を備える。噴霧装置は、例えばPCB上に実装された噴霧装置データ処理装置11を備え得る。データ処理装置は、カウンタの上述した計算ロジックを備え得る。データ処理装置は、パフ数をカウントするように、および/または各パフにタイムスタンプを適用するように、および/またはボトルの存在を検出するように、センサからのデータを処理するように構成され得る。それはまた、他のタイプの処理を実行するように構成されてもよく、例えば、所定の期間にわたって、例えば、所定の吸入期間中および/またはボトルを交換したときから発生したパフの累積数を決定する。さらにまた、データ処理装置は、前記データの少なくとも一部、特にパフ数を外部コンピューティングシステム、例えば以下に説明するコンピューティングシステム12に送信するように構成され得る。
【0098】
データ処理装置11はまた、例えばカウンタのハウジングに組み込まれた表示装置に、ボトルのいくつかのパフおよび/または充填レベルおよび/またはボトルが交換を必要とするまでの予測残り時間の表現を表示するように促すように構成され得る。
【0099】
監視システムはまた、噴霧装置の外部にあるコンピューティングシステム12を備える。コンピューティングシステムは、噴霧装置によってのみ実行されることができるステップ、例えば、パフ数および/またはボトルの存在を検出するおよび/またはボトル内の充填レベルを検知するために使用されるセンサデータを取得することを除いて、本開示の方法ステップの一部または全てを実行するように構成され得る。特に、コンピューティングシステムは、検出パフ数および他の入力データ、特に第2の入力データに基づいて、今後の吸入期間についての提案パフ数を決定するように構成され得る。それは、特に、ユーザ入力データおよび/または他の装置から受信したデータを処理するように構成され得る。
【0100】
図4に示す例では、コンピューティングシステムの少なくとも一部は、モバイル装置14上に実装される。任意に、コンピューティングシステム12全体がモバイル装置上に実装されてもよく、またはコンピューティングシステムは分散システムであってもよく、その一部のみがモバイル装置上に実装されてもよい。別の部分は、例えば、データ接続17を介してモバイル装置と接続されたサーバ上に実装されてもよい。例えばウェブアプリケーションなどのアプリケーションのユーザインターフェース15がモバイル装置上にレンダリングされてもよい。
【0101】
この例の噴霧装置データ処理装置11およびコンピューティングシステム12は、データ接続16、例えばBluetooth、NFC、モバイル通信ネットワーク、またはWiFiなどの無線接続を介して通信するように構成されている。接続は、上述した噴霧装置のインターフェース2iおよびコンピューティングシステム12の通信インターフェース12aを介して確立され得る。特に、検出パフ数および任意に追加のデータ、例えばタイムスタンプは、データ接続を介してデータ処理装置11からコンピューティングシステム12に提供されてもよい。
【0102】
図5は、コンピューティングシステム12(分散型または非分散型)、例えば
図4の文脈で説明したコンピューティングシステムと、任意に噴霧装置データ処理装置、例えば
図4に示す噴霧装置データ処理装置とを備える、本開示にかかるデータ処理システム13を示している。
【0103】
本開示によれば、薬物含有液体の噴霧送達を監視するためのコンピュータ実装方法が提供される。例示的な方法が
図6に示されている。
【0104】
ステップS11において、第1の入力データが受信され、第1の入力データは、吸入期間中に噴霧装置のカウンタによって検出された送達パフ数を含む。
【0105】
ステップS12において、第2の入力データが受信され、第2の入力データは、吸入期間中の自己報告された知覚された不快感レベルおよび/または自己報告された知覚された副作用の重症度を表すユーザ状態データを含み、ユーザ状態データは、アプリケーションのユーザインターフェースを介したユーザ入力から取得される。
【0106】
ステップS11およびステップS12は、同時に実行されてもよく、または後に実行されてもよい。
【0107】
ステップS13において、少なくとも第1の入力データおよび第2の入力データに基づいて、今後の吸入期間についての送達パフの提案数が決定される。したがって、ステップS13は、ステップS11、S12に続いて実行されてもよい。
【0108】
ステップS14において、ステップS13に続いて、送達パフの提案数を示すユーザ命令がユーザインターフェースを介して出力される。
【0109】
任意のステップS15において、履歴データのセットが作成および/または更新され、履歴データのセットは、複数の吸入期間のそれぞれについて、吸入期間に関連付けられた第1の入力データおよび第2の入力データと、任意に吸入期間についての提案パフ数とを含む。
【0110】
任意のステップS16aにおいて、複数の吸入期間のうちの少なくとも1つについて、特に各パフの送達時刻を示すタイムスタンプに基づいて、吸入期間中の送達パフ数が決定される。
【0111】
任意のステップS16bにおいて、例えば投与レジメンによって定義されるように、吸入期間についての実際の送達パフ数と送達パフの提案数との間の差に基づいて、投与レジメンの遵守を示す遵守スコアが決定される。例えば、ステップS16bは、ステップS16aの後に実行されてもよい。
【0112】
任意のステップS17において、送達パフのシーケンスおよび/または頻度に基づいて、および/または所定の期間、特に1つまたは複数の吸入期間内の送達パフの総数に基づいて、誤用および/または乱用のリスクが高いと決定され、任意にリスクの増加を示すデータが第三者、例えば医師がアクセス可能な装置に送信される。このステップは、ステップS13の後の任意の時点で実行されてもよい。
【0113】
任意のステップS18において、第1から第4の入力データのうちの少なくとも1つに基づいて、および任意に遵守スコアに基づいて、投与レジメンが自動的または半自動的に作成および/または更新される。このステップは、ステップS13の後の任意の時点で実行されてもよい。
【0114】
任意のステップS19において、例えば、遵守スコア、および/または誤用および/または乱用のリスク増加を示すデータを報告するために、報告データが第三者、例えば、医師がアクセス可能な装置に送信され得る。
【0115】
任意のステップS20において、噴霧装置のカウンタ、例えば上述したカウンタ2は、送達パフ数を検出する。したがって、このステップは、ステップS11の前に実行されてもよい。
【0116】
後続の任意のステップS21において、検出パフ数は、噴霧装置の外部のコンピューティングシステム、例えば上述したコンピューティングシステム12に送信される。このステップは、例えば、ステップS20の後、ステップS11の前に実行されてもよい。
【0117】
ステップS14の後、本方法は、ステップS11およびS12ならびにその後のステップS13およびS14に戻り、特に複数の吸入期間のそれぞれについて1回ずつ繰り返されてもよい。すなわち、提案パフ数は、吸入期間ごとに繰り返しチェックされ、潜在的に調整され得る。
【0118】
さらなる例および実施形態を以下に説明する。
【0119】
上述した監視システム10は、適応滴定ツールと呼ばれることもある。上記のように、それは、噴霧装置のカウンタと、本開示の方法の方法ステップのいくつかを実行するための入力としてカウンタから受信したデータを使用するコンピューティングシステム12などのコンピューティングシステムとの2つの主要な構成要素を備える。実際に、アプリケーション、例えばウェブアプリケーションは、これらの方法ステップの少なくともいくつかを実装し得る。したがって、本出願は、噴霧装置によって送達される慢性疼痛に対する適応滴定、例えば麻薬(麻酔薬)の機能性を提供し得る。すなわち、本例では、主張される不快感についての例として疼痛が使用される。しかしながら、本例は、本開示にかかる他のタイプの不快感にも同様に適用されることができる。それらの定量化は、任意の適切な方法で行われることができ、特に標準化された測定は必要とされない。
【0120】
上述したように、本開示にかかるカウンタは、カウンタのハウジング内のセンサを介して、例えば噴霧ヘッドのストロークによってパフを電子的に検出してもよく、ストロークは、パフがトリガされたことを示す。この信号は、内部メモリに記憶され、例えばBluetoothを介してウェブアプリケーションに無線で送信されてもよい。カウンタはまた、例えば、ボトルの交換後に送達されたパフ数に基づいて充填レベル表示を表示するために、ボトルの交換を記録するように構成されてもよい。
【0121】
慢性疼痛に対する麻酔薬の適応滴定のための例示的な方法を以下に説明する。
【0122】
適応滴定のためのアルゴリズム(略して「適応滴定ツール」)は、本開示の方法を実装するために、例えば、麻薬、例えば活性物質AP707を用いた慢性疼痛に対する噴霧の個々の滴定に使用するために使用され得る。
【0123】
適応滴定ツールは、ユーザが麻薬の投与から起こり得る副作用を最も少なく経験する最適用量にユーザを適応的に調整する。さらに、調整段階は、患者が慢性疼痛の最適な軽減を達成する用量を決定する。
【0124】
滴定レジメンは、この例では、全ての患者について同一である初期段階と、個々の適応滴定段階との2つの段階に分けられ得る。
【0125】
例えば4日間の初期段階の後、次の用量(すなわち、今後の吸入期間についての送達パフの提案数)を決定するために、アルゴリズムが使用されて、以下のパラメータ(第2の入力データ)のうちの1つまたは複数に基づいて滴定を評価する。
・例えば、適用インターフェースを介した、例えば、嘔吐、長期頻脈、重度の下痢、重度のめまい、幻覚のうちの1つなどの副作用の重症度のレベルの自己報告評価
・疼痛スコア、例えばNRS、ここで、例えば、0=疼痛なし、10=考えられる最悪の疼痛
・疼痛の耐容性(はい、いいえ)
【0126】
データは、例えば、アンケートによって取得され得る。パラメータは、次の用量を決定するときにそれらの重量に関して優先順位付けされてもよい。
【0127】
滴定アンケートは、例えば、アプリケーションを介してユーザによって毎日記入されてもよい。例えば、これは夕方に行われてもよく、その後、例えば夜間に評価が行われてもよい。次いで、ユーザは、アプリケーションのユーザインターフェースにおいて翌日のそれぞれの吸入時間に対する投与量(パフ数)を示され得る。
【0128】
例として、初期段階の後に、投与量の評価および提案が以下のように行われ得る。
【0129】
副作用が発生する場合、投与量の増加は提案されない。
【0130】
副作用が発生しない場合、疼痛NRSが評価される。1日の疼痛NRSがベースライン疼痛NRS未満である場合、用量は、1回のパフの整数倍(n>0)、例えば正確に1回のパフだけ増加される。そうでなければ、例えば2回のパフによる整数倍m(m>n)の用量増加がある。
【0131】
用量を増加させる場合、例えば、初期段階のスキームにしたがって、パフ数が増加され得る。
【0132】
例として、投与量を1日(吸入期間)あたり1回のパフだけ増加させる場合であって、1日に複数回の吸入時間を有する場合、各吸入時間について1回のパフずつパフ数が増加するまで、連続する複数の日のそれぞれにおける吸入時間の1回に1回のパフが加えられてもよい。毎日、1回のパフが異なる吸入時間に加えられてもよい。例えば、第1から第4の吸入時間がある場合(時系列順)、1日目には第3の吸入時間に1回のパフが追加され、2日目には第1の吸入時間に1回のパフが追加され、3日目には第4の吸入時間に1回のパフが追加され、4日目には第2の吸入時間に1回のパフが追加されてもよい。連続する複数の日のそれぞれにおける吸入時間のうちの1つについて1回のパフを追加する上述したパターンは、繰り返されてもよい。同様に、投与量を1日(吸入期間)に1回のパフよりも多く増加させる場合および1日に複数回の吸入時間を有する場合には、例えば、各吸入時間についてパフ数が増加されるまで、連続する複数日のそれぞれにおいて、吸入時間のサブセットごとに1回のパフが追加されてもよい。サブセットは、連続する日の間、重複していなくてもよい。例えば、1日に、第1の吸入時間に1回、第3の吸入時間に1回のパフが追加され、翌日に、第2の吸入時間に1回、第4の吸入時間に1回のパフが追加されてもよい。例えば、これは、1日目から4日目についての上記パターンが1回実行された後の5日目および6日目に適用されてもよく、または1日目から4日目についての上記パターンが繰り返し実行された後のさらに後の日に適用されてもよい。このパターンはまた、繰り返されてもよい。例えば、副作用の重症度のために投与量のさらなる増加が提案されない場合、最新の投与量および吸入時間が維持され得る。例えば、4日間の上記の例では、4日後に増加が提案されない場合、4日目の吸入時間における4日目の投与量が維持され得る。これは、上記の例の他の日の場合も同様であり得る。
【0133】
適応滴定の全期間、例えば4週間の最大期間の上限が存在し得る。正確な期間は、それぞれのユーザについて個別化され得る。特定の患者固有の用量限界に到達すると、例えば、医師が例えば適用において経過観察処方箋を作成するまで、最後の用量が維持され得る。
【0134】
用量決定のための潜在的なエンドポイントは、以下であり得る。
・平均ベースラインNRSを下回る毎日のNRS、例えば毎日のNRSが平均ベースラインの70%以下に到達する。
・第1のパフ数、例えば8回のパフに到達し、疼痛耐容性がはいであり、毎日のNRSが平均ベースラインNRSの40%以下である。
・第2のパフ数、例えば12回のパフに到達し、疼痛耐容性がはいであり、毎日のNRSが平均ベースラインNRSの40%以下である。
・吸入期間当たり、例えば1日当たり、第3の数のパフ、例えば16回のパフに到達する。
【0135】
任意に、ユーザのリスクを低減する追加の統合安全機構が提供されてもよい。例えば、特定の副作用または他の有害作用の所定の重症度が1回および/または所定数の連続する吸入期間(例えば、日数)のそれぞれの間に超えられる場合、用量は、ゼロに設定されるか、または所定量だけ減少されてもよく、および/または医師の診察がユーザに推奨されてもよい。任意に、医師には自動的に警告されてもよい。
【0136】
疼痛は上記の例で詳細に説明した不快感のうちの1つであるが、これは、潜在的な不快感の多くの例のうちの1つにすぎないことを理解されたい。
【0137】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に例示および説明されているが、そのような例示および説明は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。前述の説明および図面を考慮すると、特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内で様々な変更が行われ得ることが当業者には明らかであろう。
【外国語明細書】