(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020196
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】予め計測された粉末状のヘアブリーチの可溶性パッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 65/46 20060101AFI20240206BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240206BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240206BHJP
C11D 7/54 20060101ALI20240206BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20240206BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20240206BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B65D65/46
B32B27/00 H
B32B27/20 A
C11D7/54
C11D17/04
C11D17/06
C11D17/08
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174271
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2021564568の分割
【原出願日】2020-04-28
(31)【優先権主張番号】62/840,944
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595100370
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ファイフ,ジェイソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来のヘアブリーチ粉末の混合方法は、著しく精度が低く、粉塵を吸い込むことにより健康に害があり、無駄が多い。
【解決手段】予め計測されたサイズ、質量または体積の個別に包装されている粉末状のヘアブリーチ。粉末状のヘアブリーチは、可溶性基材に封入されている。パッケージは1つまたは複数のチャンバを含み、添加剤組成物を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物、及び
前記パッケージの第2のチャンバ内にある第2の組成物を備え、
前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されており、
前記第2の組成物は前記粉末状のヘアブリーチ組成物と同じであるか、または異なる、パッケージ。
【請求項2】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある前記予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物、及び
前記パッケージの第2のチャンバ内にある添加剤組成物を備え、
前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されており、
前記添加剤組成物は前記粉末状のヘアブリーチの特性を向上させるように構成されている、パッケージ。
【請求項3】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物、及び
前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水液体組成物を備え、
前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されている、パッケージ。
【請求項4】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、及び
前記パッケージのチャンバ内にある無水ヘアブリーチ顕色剤液体組成物を備える、パッケージ。
【請求項5】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物、及び
前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水液体ヘアブリーチ組成物を備え、
前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されている、パッケージ。
【請求項6】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、及び
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内に予め計測された組成物を備え、
前記水可溶性基材は親水性ポリマーまたは崩壊剤を含む、パッケージ。
【請求項7】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、及び
前記パッケージのチャンバ内にある無水ヘアブリーチ顕色剤液体組成物を備え、
前記水可溶性基材は、水分と摩擦の少なくとも1つによって引き起こされる放出メカニズムを含む、パッケージ。
【請求項8】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物、及び
前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水液体組成物を備え、
前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離され、
前記水可溶性基材は外部因子と相互作用して、一方または両方の組成物の特性を向上させる、パッケージ。
【請求項9】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、及び
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物を備え、
前記水可溶性基材は織布または不織布の繊維から作製されており、
前記繊維に、ヘアブリーチ顕色剤組成物を含浸させている、パッケージ。
【請求項10】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、及び
前記パッケージのチャンバ内にある組成物を備え、
前記水可溶性基材は水との反応で消費される、パッケージ。
【請求項11】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する第1および第2の水可溶性基材、及び
前記第1の水可溶性基材から形成される第1のチャンバ内にある第1の予め計測された組成物、及び
前記第2の水可溶性基材から形成される第2のチャンバ内にある第2の予め計測された組成物を備え、
前記第1および第2の水可溶性基材は異なる溶解速度を有する、パッケージ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のパッケージであって、合成されたまたは植物由来の、可溶性基材および組成物を備える、パッケージ。
【請求項13】
容器であって、
複数の水溶性パッケージであって、各水溶性パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材を含む水溶性パッケージ、及び
前記パッケージのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物を備える、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、2019年4月30日に出願された米国仮出願第62/840,944号の利益を主張するものであり、該仮出願全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;および前記パッケージのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物を備える。
【0004】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物;および前記パッケージの第2のチャンバ内にある第2の組成物を備え、前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されており、ならびに前記第2の組成物は前記粉末状のヘアブリーチ組成物と同じであるか、または異なる。
【0005】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物;および前記パッケージの第2のチャンバ内にある添加剤組成物を備え、前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されており、前記添加剤組成物は前記粉末状のヘアブリーチの特性を向上させるように構成されている。
【0006】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物;および前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水液体組成物を備え、前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されている。
【0007】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;および前記パッケージのチャンバ内にある無水ヘアブリーチ顕色剤液体組成物を備える。
【0008】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物;および前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水液体ヘアブリーチ組成物を備え、前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されている。
【0009】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;および前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内に予め計測された組成物を備え、前記水可溶性基材は親水性ポリマーまたは崩壊剤を含む。
【0010】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;および前記パッケージのチャンバ内にある無水ヘアブリーチ顕色剤液体組成物を備え、前記水可溶性基材は、水分と摩擦のうちの少なくとも1つによって引き起こされる放出メカニズムを含む。
【0011】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物;および前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水液体組成物を備え、前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離され、ならびに前記水可溶性基材は外部因子と相互作用して、一方または両方の組成物の特性を向上させる。
【0012】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;および前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物を備え、前記水可溶性基材は織布または不織布の繊維から作製されており、前記繊維に、ヘアブリーチ顕色剤組成物を含浸させている。
【0013】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材;および前記パッケージのチャンバ内にある組成物を備え、前記水可溶性基材は水との反応で消費される。
【0014】
一実施形態では、パッケージは、前記パッケージの外装を形成する第1および第2の水可溶性基材;および前記第1の水可溶性基材から形成される第1のチャンバ内にある第1の予め計測された組成物;および前記第2の水可溶性基材から形成される第2のチャンバ内にある第2の予め計測された組成物を備え、前記第1および第2の水可溶性基材は異なる溶解速度を有する。
【0015】
一実施形態では、パッケージのいずれかは、合成されたまたは植物由来の、可溶性基材および組成物を備える。
【0016】
一実施形態では、容器は、複数の水溶性パッケージであって、各水溶性パッケージは、前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材を含む水溶性パッケージ;および前記パッケージのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物を備える。
【0017】
本概要は、以下の「詳細な説明」でさらに記載される概念の選択を簡略化して紹介するために提供される。本概要は、クレームされた主題の主要な特徴を特定することを意図したものではなく、また、クレームされた主題の範囲を決定する際の補助として使用することを意図したものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上述の態様および付随する多くの利点は、添付の図面と併せ、以下の詳細な説明を参照することにより、同様のことがよりよく理解されるようになるにつれて、より容易に理解されるであろう。
【0019】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る可溶性パッケージを示す図である。
【0020】
【
図2】
図2は、可撓性または剛性の容器内の
図1の複数の可溶性パッケージを示す図である。
【0021】
【
図3】
図3は、2つのチャンバを分離するバリアを有する
図1の可溶性パッケージの断面を示す図である。
【0022】
【
図4】
図4は、一実施形態に係る可溶性パッケージを示す図である。
【0023】
【
図5】
図5は、単一のチャンバを示す
図4の可溶性パッケージの断面を示す図である。
【0024】
詳細な説明
現在のヘアブリーチ剤は、バルクバックまたは剛性の容器からすくい出して、ヘアブリーチ粉末の量を計測して調製している。次にこの粉末を液体顕色剤と混合し、所望のブリーチ結果に基づく比率の、所望の濃度とする。従来のヘアブリーチ粉末の混合方法は、著しく精度が低く、粉塵を吸い込むことにより健康に害があり、無駄が多い。
【0025】
図1を参照すると、可溶性基材に封入された1つまたは複数の組成物を含むパッケージ100が示されている。一実施形態では、組成物は、粉末、固体、無水液体、またはこれらの組み合わせとすることができる。無水液体は、可溶性基材を内側から外に溶かすには十分でない不可避の水分を含むことがある。パッケージ100の外装は、1つまたは複数の可溶性基材から作られる。具体的には、パッケージ100の外装は、水性の液体に溶解する。
【0026】
パッケージ100が粉末状のヘアブリーチ組成物を含む一実施形態では、パッケージ100を水性のヘアブリーチ顕色剤に入れると、例えば、可溶性基材が溶解し、ヘアブリーチ組成物を予め正確に計測した質量または体積で、水性液体顕色剤中に放出する。一実施形態では、パッケージ100は本明細書に開示された任意の組成物を1~500g含む。一実施形態では、パッケージ100は、少なくとも1つのチャンバ内に10~50gのヘアブリーチ組成物を含む。
【0027】
図2を参照すると、同じ組成物または異なる組成物を含む個々のパッケージ100、102、104が、可撓性または剛性の容器106の中に備えられている。
【0028】
2つの組成物がパッケージ100に含まれるとき、組成物をバリアによって分離された別々のチャンバ内に備えることができる。
図3を参照すると、パッケージ100の断面が示されており、第1のチャンバ114および第2のチャンバ116が、バリア112によって分離されている。各チャンバ114および116は、同じまたは異なる組成物を含むことができる。
【0029】
また、
図3は1つもしくは複数のフィルム、または、シート108、110、112からパッケージ100を作るための一実施形態を示している。一実施形態では、シート108、110および114は、同じ水可溶性組成物であり、同じ特性を有し、同じ形態である。一実施形態では、シート108、110および112は同じ水可溶性組成物であるが、任意の1つまたは2つのシートは異なる特性を有するか、または異なる形態であってもよい。例えば、シート108は水溶性の連続するフィルムとすることができ、一方でシート110は同じ水可溶性組成物であるが、織布ウェブまたは不織布ウェブなどの繊維から作製されている。一実施形態では、任意の1つまたは2つのシート108、110および112は水可溶性基材ではない。例えば、バリアシート112は非水溶性であってもよい。一実施形態では、シート108、110、114は同じ組成物であり、任意の1つまたは2つのシートは異なる特性を有する。例えば、チャンバ116で組成物を放出する前にチャンバ114で組成物を放出するために、シート108はシート110よりも速い溶解速度を有していてもよい。これは、例えば、組成物の反応が連続である必要がある場合などである。一実施形態では、任意の1つまたは複数のシート108、110および114が同じまたは異なる組成物の複数の層を含む。
【0030】
図4を参照すると、可溶性基材に封入された1つまたは複数の組成物を含むパッケージ200を示している。一実施形態では、組成物は、粉末、固体、無水液体、またはこれらの組み合わせとすることができる。無水液体は、可溶性基材を内側から外に溶かすには十分でない任意の不可避の水分を含むことがある。パッケージ200の外装は、1つまたは複数の可溶性基材から作られている。具体的には、パッケージ200の外装は水性の液体に溶解する。
【0031】
パッケージ200が粉末状のヘアブリーチ組成物を含む一実施形態では、例えば、パッケージ200を水性のヘアブリーチ顕色剤内に配置すると、可溶性基材は、予め正確に計測された質量または体積のヘアブリーチ組成物を水性液体顕色剤中に放出して溶解する。一実施形態では、パッケージ200は、本明細書に開示された任意の組成物を1~500g含む。一実施形態では、パッケージ100は1つのチャンバ内に10~50gのヘアブリーチ組成物を含む。
【0032】
図5を参照すると、
図4のパッケージ200の断面は、単一のチャンバ206を示している。チャンバ206は、単一の組成物または組成物の混合物を含むことができる。
【0033】
図5は、1つもしくは複数のフィルムまたはシート202、204からパッケージ200を作るための一実施形態を示している。一実施形態では、シート202、204は同じ水可溶性組成物であり、同じ特性を有し、同じ形態である。一実施形態では、シート202、204は同じ水可溶性組成物であるが、2つのシートの特性が異なるか、形態が異なっていてもよい。例えば、シート202は水可溶性の連続したフィルムとすることができ、一方でシート204は同じ水溶性組成物であるが、織布ウェブや不織布ウェブなどの繊維から作製されている。一実施形態では、シート202、204のいずれか1つは水可溶性基材ではない。一実施形態では、シート202、204は同じ組成物であり、1つのシートは異なる特性を有する。例えば、シート202がシート204よりも溶解速度が速い場合がある。一実施形態では、シート202、204の一方または両方が、同じまたは異なる組成物の複数の層を含む。
【0034】
一実施形態では、バリアのないパッケージ200は、第1の可溶性基材である202および第2の可溶性基材である204の別々のシートから作られる。例えば、可溶性基材のシート204を、可溶性基材の可撓性に応じて、加熱しながら、または加熱せずに真空装置に接続した貫通孔のあるプレートの上に配置することによって、バリアのないパッケージ200を作製する。真空が適用されると、可溶性基材204が貫通孔に引き込まれて窪みが形成され、次にその窪みに予め計測された質量または体積の組成物が充填される。次に、可溶性基材である第2のシート202を、組成物を含む第1のシート204の上に被せる。可溶性基材である第1のシート204および第2のシート202の外周を接合し、組成物を封入する。接合は、熱溶着、接着剤、または化学反応による接合の形成などがある。一実施形態では、第2のシート202は第1のシート204の折り返しであり、第1のシートがそれ自体の上に折り返されたものである。従って、パッケージ100の片側の、シートがそれ自体の上に折り曲がっている部分は、接合する必要はない。
【0035】
パッケージ100を形成するためにバリア112を付加するには、第1のシート108を、可溶性基材の可撓性に応じて加熱しながら、または加熱せずに、真空装置に接続した貫通孔のあるプレートの上に配置する。真空を適用すると、可溶性基材108が貫通孔に引き込まれて窪みが形成され、その窪みに予め計測された質量または体積の組成物が充填される。そして、真空および充填後のパッケージに付加された第2のシート112がバリア112を形成する。次に第2の真空ステップにより、第1のシート108と第2のシート112を更により押し下げ、第2のポケットが形成され、そこに予め計測された質量または体積の第2の組成物が充填される。可溶性基材の第3のシート110を第2の組成物の上に被せる。次に、3枚のシートをすべて接合し、パッケージ100の縁で切断することができる。前と同様に、一実施形態では、第3のシート110は、第1のシート108の折返しとすることができ、第1のシートがそれ自体の上に折り返されたものである。またあるいは、第2のシート112が第1のシート108の折返しとすることができ、第1のシートがそれ自体の上に折り返されたものである。
【0036】
実施形態
一実施形態によれば、粉末状のヘアブリーチは、予め計測された量でパッケージ200に個別に包装され、可溶性基材202、204に封入されている。一実施形態では、パッケージ200は、1~500gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。一実施形態では、パッケージ200は、20~50gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。一実施形態では、パッケージ200は、20~50gの本明細書に開示された粉末状のヘアブリーチ剤を含む。
【0037】
実施形態
一実施形態では、パッケージ100は、チャンバ114と116内に、互いに隣接する2つの予め計測された粉末状のヘアブリーチ剤を含み、これはバリア106によって分離され、可溶性基材108、110に封入されている。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、1~500gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、20~50gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。
【0038】
実施形態
一実施形態では、パッケージ100は、1つの予め計測された添加剤に隣接する、1つの予め計測された粉末状のヘアブリーチ剤を含み、1つの予め計測された添加剤は、チャンバ102、104に副次的な利益をもたらし、チャンバ102、104は、バリア106によって分離され、可溶性基材108、110に封入されている。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、1~500gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、20~50gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。
【0039】
実施形態
一実施形態では、パッケージ100は、チャンバ102、104内に、無水液剤に隣接する粉末状のヘアブリーチ剤を含み、チャンバ102、104は、バリア106によって分離され、可溶性基材108、110に封入されている。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、1~500gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、20~50gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。
【0040】
実施形態
一実施形態では、パッケージ200は、可溶性基材202、204に封入された無水ヘアブリーチ顕色液剤を含む。一実施形態では、パッケージ200は、1~500gの無水ヘアブリーチ顕色液剤を含む。一実施形態では、パッケージ200は20~50gの任意の無水ヘアブリーチ顕色液剤を含む。
(())
【0041】
実施形態
一実施形態では、パッケージ100は、チャンバ114、116内に、無水液体ヘアブリーチ剤に隣接する粉末状のヘアブリーチ剤を含み、チャンバ114、116は、バリア106によって分離され、可溶性基材108、110に封入されている。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、1~500gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。一実施形態では、パッケージ100は、各チャンバ114、116に対して、20~50gの本明細書に開示された任意の組成物を含む。
【0042】
実施形態
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202および204ならびにパッケージ100、200のチャンバ102、104、206で使用するための組成物は、いかなる動物にも由来しない、およびいかなる動物の副産物も含まない、組成物を含む。一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、および204、ならびにパッケージ100、200のチャンバ102、104、206で使用するための組成物は、合成されたもの、合成由来のもの、および/または植物からもたらされるものである。
【0043】
実施形態
一実施形態では、複数のパッケージ100または200は、可溶性基材108、110、112、202および204に封入された個々の予め計測された量のヘアブリーチ剤を含み、可撓性または剛性の容器108に包装される。
【0044】
実施形態
一実施形態では、ドライヘアブリーチ成分を含むパッケージ100または200は、親水性ポリマーまたは崩壊剤を用いて調製された、急速に溶解するフィルム基材108、110、112、202および204から作製される。
【0045】
実施形態
一実施形態では、パッケージ200は、可溶性基材202、204に封入された無水ヘアブリーチ顕色液剤を含む。本実施形態では、可溶性基材202、204は最終使用用途に特有の2次放出メカニズムを備えるよう設計されている。例えば、一実施形態では、可溶性基材202、204は、水分および塗布ブラシからのような摩擦があると、溶解に対してより敏感である。本実施形態では、可溶性基材202、204は、外部因子(水分など)の存在下で、製品の特定の機能と相互作用し、製品の特定の機能性を向上させるように選択される。
【0046】
実施形態
一実施形態では、パッケージ100は、無水液剤に隣接する粉末状のヘアブリーチ剤を含み、粉末状のヘアブリーチ剤は、バリア112によって分離され、両方が可溶性基材108、110に封入されている。本実施形態では、可溶性基材108、110は、外部因子(水分など)の存在下で、製品の特定の機能と相互作用し、製品の特定の機能性を高める。本実施形態では、可溶性基材108、110は、有効性を保護および保持し、貯蔵安定性があり、残留物がなく溶解または分解することができ、ブリーチ成分の化学的性質をサポートするために特定されている。
【0047】
実施形態
一実施形態では、パッケージ200内の個別に予め計測された量のヘアブリーチ剤は、可溶性基材202、204に封入され、可撓性または剛性の容器106内に包装されている。本実施形態では、可溶性基材202、204は活性化ツールとして機能する。一実施形態では、可溶性基材202、204は、粉体含浸を備える織布または不織布の可溶性基材である。一実施形態では、可溶性基材202、204は、粉末状のブリーチ剤を配合して、キュアさせたものである。一実施形態では、可溶性基材202、204は、顕色剤製剤が含浸した不織布材料または織布材料である。一実施形態では、可溶性基材202、204は、顕色剤製剤と混合される。
【0048】
実施形態
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、204、206は、ドライヘアブリーチ成分を含む急速に溶解するフィルムであり、ドライヘアブリーチ成分は親水性ポリマーを用いて調整される。本実施形態では、犠牲的な反応によって溶解速度が向上する。本実施形態では、可溶性基材108、110、112、204、206は、可溶性フィルムが反応で消費されるため、ほとんど残留物が生じない。
【0049】
実施形態
一実施形態では、成分の選択とこれらの組み合わせ方によって、特有の顕色剤/フィルム/粉末の溶解メカニズム/化学反応速度論が形成される。本実施形態では、単位用量パッケージを使用する方法および組成物は、最終使用用途(例えば、強度、所望のヘアカラーなどによって分類されるパッケージ等)によって異なるものとなる。一実施形態では、パッケージ100は2つのチャンバ114、116を含み、各チャンバ114、116は、予め計測された量のそれぞれ第1および第2のヘアブリーチ組成物を有する。一実施形態では、可溶性基材108、110の溶解速度が異なるため、第1のヘアブリーチ組成物は最初に放出され、任意選択で、更に顕色剤を添加した後、第2のヘアブリーチ組成物は2番目に放出される。
【0050】
可溶性基材
一実施形態では、パッケージ100および200は、水に溶解する可溶性基材108、110、112、202、204から作製される。一実施形態では、可溶性基材は、少なくとも5質量%の水を有する水性組成物中に置かれたとき、水溶性である。一実施形態では、可溶性基材は、少なくとも10質量%の水を有する水性組成物中に置かれた場合、水溶性である。一実施形態では、可溶性基材は、少なくとも15質量%の水を有する水性組成物中に置かれた場合、水溶性である。一実施形態では、「水溶性」という用語は、35℃以下の温度で、特に、水1リットルあたり少なくとも10g、好ましくは少なくとも20g/l、さらに好ましくは少なくとも50g/lの割合で水に可溶であることを意味する。一実施形態では、「脂溶性」という用語は、35℃以下の温度で、液体脂肪性物質に可溶であることを意味し、特に1リットルあたりの液体脂肪性物質(特に植物油または液体ワセリンのような鉱物油)に少なくとも10gの割合で、好ましくは液体脂肪性物質に20g/l、さらに好ましくは液体脂肪性物質に50g/lに可溶であることを意味する。「35℃以下の温度」という用語は、35℃を超えず、0℃以上の温度を意味することを意図しており、例えば、1℃超~35℃以下、より好ましくは5℃~30℃、さらに好ましくは10℃~30℃または10℃~20℃の範囲である。すべての温度は大気圧下で与えられることを理解されよう。
【0051】
一実施形態では、パッケージ100または200は、35℃以下の温度で水溶性または脂溶性である。
【0052】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は、0質量%超~100質量%以下のポリ(ビニルアルコール)を含む。
【0053】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は、0質量%超~100質量%以下の多糖類を含む。
【0054】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は、セルロースとマルトデキストリンの微細複合結晶を100%または0%超含む。
【0055】
一実施形態では、溶解した混合物内に存在するポリ(ビニルアルコール)(PVA)の-OH基が、フリーラジカルレセプターとして機能し、同じ体積の過酸化水素に対して、毛髪をブリーチするために利用できる酸素の体積を減らすことにより、リフトが低下する。一実施形態では、より多くの体積の過酸化水素を用いてリフトレベルを比較する。一実施形態では、より薄いまたはより厚いフィルムを用いるなどして、ポリ(ビニルアルコール)の濃度を変更する。一実施形態では、PVAフィルムの加水分解レベルを下げることにより、-OH濃度を低下させる。
【0056】
一実施形態では、混合物中のPVAは、毛髪に塗布されて乾燥すると、毛髪の表面にフィルムを形成する傾向があり、毛髪のキューティクルの一部が開くのを防ぐことによって、過酸化水素へのアクセスを制限し、ブリーチのレベルを低下させる。一実施形態では、PVAのフィルム形成能力は、分子量を低下させることによって、妨げられる。一実施形態では、より多くのグリセリンまたはポリエチレングリコールが顕色剤に添加される。一実施形態では、PVAの加水分解レベルは調整される。一実施形態では、非常に分子量の小さいPVAが、可塑剤として使用される。
【0057】
一実施形態では、溶液中のポリ(ビニルアルコール)は、pH5~6.5の弱酸性であり、結果としてブリーチ顕色剤混合物のアルカリ度を低下させる。アルカリ度が低下すると、毛髪のキューティクルの開きが不完全または限定的になり、その結果、酸化に対するメラニンの曝露が減少する。一実施形態では、混合物中に存在するPVAのレベル(体積%または質量%)を定量化して、混合物全体のpHへの影響を及ぼす見込みを立証する。一実施形態では、混合物のpHを計測し、コントロールと比較する。そして、単位用量のpHをコントロールレベルに調整し、リフトを評価する。一実施形態では、加水分解レベルを下げることによって、PVAの酸性度を下げる。
【0058】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は0質量%超~100質量%の親水性ポリマーを含む。
【0059】
参照することによって本明細書に組み込まれるU.S. 10,130,829は、パッケージ100および200用の可溶性基材108、110、112、202、204を作製するために使用するポリマー類および組成物を教示している。
【0060】
1つまたは複数のポリマーは、その骨格に水溶性単位を含む。水溶性単位は1つまたは複数の水溶性モノマーから得られる。「水溶性モノマー」という用語は、25℃、大気圧下(760mmHg)で、水への溶解度が1%以上、または好ましくは5%以上のモノマーを意味する。
【0061】
1つまたは複数の合成水溶性ポリマーは、有利には、少なくとも1つの二重結合を備える水溶性モノマー類から得られる。このモノマー類は、カチオン性モノマー類、アニオン性モノマー類および非イオン性モノマー類、ならびにこれらの混合物から選択してもよい。水溶性単位の前駆体として、単独または混合物として使用することができる水溶性モノマー類として、言及することができる例は、以下のモノマーを含み、これらは遊離した形態または塩化物の形態であってもよい。
(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸および(メタ)アリルスルホン酸、
ビニルホスホン酸、N-ビニルアセトアミドおよびN-メチル-N-ビニルアセトアミド、
N-ビニルホルムアミドおよびN-メチル-N-ビニルホルムアミド、
N-ビニルピロリドン、N-ブチロラクタムおよびN-ビニルカプロラクタムなどの4~9個の炭素原子を含む環状アルキル基を備えるN-ビニルラクタム、
無水マレイン酸、イタコン酸、
化学式CH2=CHOHのビニルアルコール、化学式CH2=CHORのビニルエーテル(Rは、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の、炭素を1~6個含む、炭化水素系ラジカルである。)
ジメチルジアリルアンモニウムハライド(クロリド)、4級化ジメチルアミノエチルメタクリル酸(DMAEMA)、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムハライド(クロリド)(APTACおよびMAPTAC)、メチルビニルイミダゾリウムハライド(クロリド)、2-ビニルピリジンおよび4-ビニルピリジン、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリル酸、ビニルハライド(クロリド)、塩化ビニリデン、以下の式(I)のビニルモノマー
H2C=C(R)-C(O)-X (I)
式(I)において、Rは、H、ならびに、メチル、エチルおよびプロピルなどの(C1-C6)アルキルから選択される。Xは以下から選択される。
-OR'型のアルコキシであって、R'は直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の、炭素原子を1~6個含む炭化水素系ラジカルであり、炭化水素系ラジカルは、少なくとも1つのハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素またはフッ素)で、任意選択で置換されている;
スルホン酸(-SO3
-)、硫酸塩(-SO4
-)、リン酸塩(-PO4H2);ヒドロキシ基(-OH);1級アミン基(-NH2);2級アミン基(-NHR6)、3級アミン基(-NR6R7)または4級アミン基(-N+R6R7R8)(R6、R7およびR8が、互いに独立して、直鎖状または分岐状であって、飽和または不飽和である、炭素原子を1~6個含む、炭化水素系ラジカルである。ただし、R'+R6+R7+R8の炭素原子の合計が6を超えないものとする。);
-NH2基、-NHR'基および-NR'R"基(R'およびR"は、互いに独立して、直鎖状または分岐状であって、飽和または不飽和である、炭素原子を1~6個含む、炭化水素系ラジカルである。ただし、R'+R"の炭素原子の合計数は6を超えず、前記R'およびR"は、1つのハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素またはフッ素)で、任意選択で置換されている);
ヒドロキシ基(-OH);スルホン酸(-SO3
-)、硫酸塩(-SO4
-)、リン酸塩(-PO4H2);
1級アミン基(-NH2);2級アミン基(-NHR6)、3級アミン基(-NR6R7)および/または4級アミン基(-N+R6R7R8)(R6、R7およびR8が、互いに独立して、直鎖状または分岐状であって、飽和または不飽和である、炭素原子を1~6個含む、炭化水素系ラジカルである。ただし、R'+R"+R6+R7+R8の炭素原子の合計数は6を超えないものとする。)この化学式に対応する化合物としては、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジエチルアクリルアミドならびにこれらの混合物が、例として挙げられる。
【0062】
特に挙げることができるアニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、イタコン酸、および、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらのアンモニウム塩、またはアルカノールアミンなどの有機アミンに由来するこれらの塩が含まれる。
【0063】
特に挙げることができる非イオン性モノマー類としては、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸および化学式CH2=CHOHのビニルアルコールが含まれる。カチオン性モノマー類は、好ましくは、ジアリルアミンに由来する4級アンモニウム塩および下記の化学式(II)に対応するものから選択される。
H2C=C(R1)-D-N+R2R3R4,X- (II)
化学式(II)中の
R1は水素原子またはメチル基を表し、
R2およびR3は、同一または異なっていても良く、水素原子もしくは直鎖状または分岐状のC1-C4アルキル基を表し、
R4は水素原子もしくは直鎖状または分岐状のC1-C4アルキル基またはアリール基を表す。
【0064】
Dは以下の2価の単位を表す。
-(Y)n-(A)-
ここで、Yは、アミド官能基、エステル(O-C(O)またはC(O)-O)、ウレタンまたは尿素を表し、Aは、直鎖状または分岐状であって、環状または非環状のC1-C10アルキレン基を表し、このアルキレン基は、2価の芳香族基もしくはヘテロ芳香族基で置換されているか、または2価の芳香族基もしくはヘテロ芳香族基が介在していてもよい。アルキレン基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはリン酸原子が介在していてもよい。アルキレンは、ケトン官能基、アミド、エステル(O-C(O)またはC(O)-O)、ウレタンまたは尿素が介在していてもよく、nは0~1の範囲の整数であり、X-はアニオン性の対イオン、例えば塩化物または硫酸塩を表す。
【0065】
特に挙げることができる水溶性カチオン性モノマー類の例としては、以下の化合物、またこれらの塩を含む。
ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、N-[ジメチルアミノプロピル](メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウム、ジメチルアミノヒドロキシプロピル、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムおよびジメチルジアリルアンモニウム(メタ)アクリル酸。
【0066】
好ましくは、ポリマーは、上記で定義した、少なくとも1つのカチオン性モノマーから重合される。好ましくは、ポリマーは、以下のような少なくとも1つの二重結合を備えるモノマーから重合される:アクリル酸0~30mol%、アクリルアミド0~95.5mol%、および上記で定義した化学式(II)で表される少なくとも1つのカチオン性モノマー0.5mol%~100mol%。
【0067】
使用可能なポリマーとしては、特に以下から重合されたものを挙げることができる。
アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド10%およびアクリルアミド90%、
アクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロリド30%、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド50%およびアクリルアミド20%、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド10%およびアクリルアミド90%、
ジアリルジメチルアンモニウムクロリド30%およびアクリルアミド70%、
アクリル酸30%およびアクリルアミド70%。
【0068】
特定の実施形態によれば、ポリマーは、カチオン性モノマーとアクリル酸から重合され、カチオン性モノマーのモル数はアクリル酸のモル数よりも大きい。天然物由来の水溶性ポリマー類としては、多糖類、すなわち、1つまたは複数の糖単位を有するポリマー類が挙げられる。
【0069】
「糖単位」という用語は、化学式Cn(H2O)n-1または(CH2O)nの炭水化物に由来する単位を意味し、この単位は、任意選択で、置換によって、および/または酸化によって、および/または脱水によって、変性していてもよい。ポリマーの組成物に含むことができる糖単位は、好ましくは以下の糖に由来する。
グルコース、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、マンノース、キシロース、フコース、フルクトース、アンヒドロガラクトース、ガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、ガラクトース硫酸またはアンヒドロガラクトース硫酸。
【0070】
1つまたは複数の糖単位を有するポリマーは、天然起源または合成起源でもよい。これらは、非イオン性、アニオン性、両性またはカチオン性でもよい。1つの糖単位を有するポリマーのベース単位は単糖類または2糖類であってもよい。
【0071】
使用可能なポリマー類としては、特に以下のネイティブガムおよびこの誘導体を挙げることができる。
【0072】
a)以下を含む樹木や低木の滲出物:アラビアゴム(ガラクトース、アラビノース、ラムノースおよびグルクロン酸の分岐ポリマー);ガティガム(アラビノース、ガラクトース、マンノース、キシロースおよびグルクロン酸に由来するポリマー);カラヤガム(ガラクツロン酸、ガラクトース、ラムノースおよびグルクロン酸に由来するポリマー);トラガカントガム(またはトラガント)(ガラクツロン酸、ガラクトース、フコース、キシロースおよびアラビノースのポリマー)。
【0073】
b)以下を含む藻類に由来するガム類:寒天(ガラクトースおよびアンヒドロガラクトースに由来するポリマー);アルギン酸塩類(マンヌロン酸およびグルクロン酸のポリマー);カラギーナンおよびファーセレラン(ガラクトース硫酸およびアンヒドロガラクトース硫酸のポリマー)。
【0074】
c)以下を含む種子または塊茎に由来するガム類:グアーガム(マンノースおよびガラクトースのポリマー);ローカストビーンガム(マンノースおよびガラクトースのポリマー);フェヌグリークガム(マンノースおよびガラクトースのポリマー);タマリンドガム(ガラクトース、キシロースおよびグルコースのポリマー);グルコマンナンを主成分とするコンニャクガム(グルコースおよびマンノースのポリマー)。グルコマンナンは、高分子量(500,000<Mglucomannan<2,000,000)の多糖類であり、約50~60単位ごとに分岐を有するD-マンノースおよびD-グルコースの単位から構成される。
【0075】
d)以下を含む微生物ガム類:キサンタンガム(グルコース、酢酸マンノース、マンノース/ピルビン酸およびグルクロン酸のポリマー);ジェランガム(部分アシル化グルコース、ラムノースおよびグルクロン酸のポリマー);スクレログルカンガム(グルコースポリマー);ビオサッカリドガム(ガラクツロン酸、フコースおよびD-ガラクトースのポリマー)。例えば、Solabia社からFucogel 1.5Pという名称のもと販売されている製品(フコース(20%)に富む多糖類を水に1.1%入れ、安定化させたもの(1.5%フェノキシエタノール))がある。
【0076】
e)以下を含む植物抽出物:セルロース(グルコースポリマー);デンプン(グルコースポリマー);イヌリン(フルクトースおよびグルコースのポリマー)。
【0077】
これらのポリマー類は物理的または化学的に変性していてもよい。物理的な処理として特に挙げることができるのは、温度である。挙げることができる化学的な処理は、エステル化、エーテル化、アミド化または酸化反応を含む。これらの処理により、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性であってよいポリマーを得られる。
【0078】
好ましくは、これらの化学的または物理的な処理は、グアーガム類、ローカストビーンガム類、デンプン類およびセルロース類に適用される。
【0079】
使用可能な非イオン性グアーガム類は、C1-C6ヒドロキシアルキル基で変性していてもよい。挙げることができるヒドロキシアルキル基のうちには、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基およびヒドロキシブチル基がある。
【0080】
これらのグアーガム類は先行技術でよく知られており、例えば、対応するアルケンオキシド、例えばプロピレンオキシドをグアーガムと反応させ、ヒドロキシプロピル基で変性したグアーガムを得ることによって調製することができる。
【0081】
ヒドロキシアルキル化度は、好ましくは0.4~1.2の範囲であり、グアーガムに存在する遊離のヒドロキシル官能基の数によって消費されるアルケンオキシド分子の数に対応する。
【0082】
このようなヒドロキシアルキル基で、任意選択で変性した非イオン性グアーガム類は、例えば、Jaguar HP8、Jaguar HP60およびJaguar HP120という商品名のもと、Rhodia Chimie社によって販売されている。
【0083】
より具体的に使用可能な、カチオン性基で変性したグアーガム類は、トリアルキルアンモニウムカチオン性基を備えるグアーガム類である。好ましくは、これらのグアーガム類のヒドロキシル官能基の数の2%~30%は、トリアルキルアンモニウムカチオン性基を有する。さらに好ましくは、このグアーガム類のヒドロキシル官能基の数の5%~20%は、トリアルキルアンモニウムカチオン性基で分岐されている。これらのトリアルキルアンモニウム基の中でも、とりわけ言及できるのは、トリメチルアンモニウム基およびトリエチルアンモニウム基である。さらに好ましくは、これらの基は、変性グアーガムの総質量に対して、5質量%~20質量%を表す。2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで変性したグアーガム類を使用してもよい。
【0084】
カチオン性基で変性したこれらのグアーガム類は、これ自体すでに知られている製品であり、例えば、特許U.S. Pat. Nos. 3,589,578および4,0131,307に記載されている。このような製品は、さらに、特にJaguar C13 S、Jaguar C 15およびJaguar C 17という商品名のもとRhodia Chimie社によって販売されている。
【0085】
使用可能な変性ローカストビーンガムは、ヒドロキシプロピルトリモニウム基を含むカチオン性ローカストビーンガムがあり、東邦化学工業によって販売されているカチナールCLB200などがある。
【0086】
デンプン分子は、デンプン源の任意の植物、特に穀類および塊茎類に由来していてもよい;より具体的には、トウモロコシ、コメ、キャッサバ、オオムギ、ジャガイモ、コムギ、ソルガム、エンドウ、オート麦またはタピオカからのデンプンであってもよい。また、前述のデンプン加水分解物を使用することもできる。デンプンは、好ましくは、ジャガイモに由来するものである。
【0087】
デンプン類は化学的または物理的に変性していてもよく、特に、1つまたは複数の以下の反応によって変性していてもよい。アルファ化、酸化、架橋、エステル化、エーテル化、アミド化および熱処理。
【0088】
より具体的には、これらの反応は以下の方法で行うことができる:
デンプン粒の分離によるアルファ化(例えば乾燥ドラムでの乾燥および調理);
強力な酸化剤による酸化(これにより、デンプン分子にカルボキシル基が導入され、デンプン分子が解重合される(例えば、デンプン水溶液を次亜塩素酸ナトリウムで処理することによって));
デンプン分子のヒドロキシル基と反応することができる官能剤との架橋(これにより(例えば、グリセル基および/またはリン酸基と)結合する);
官能基、特にC1-C6アシル(アセチル)、C1-C6ヒドロキシアルキル(ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル)、カルボキシメチルまたはオクテニルコハクのグラフト化のためのアルカリ性媒体中のエステル化。
【0089】
特に、リン化合物で架橋することにより、モノスターチリン酸塩類(Am-O-PO-(OX)2型)、ジスターチリン酸塩類(Am-O-PO-(OX)-O-Am型)、またさらにはトリスターチリン酸塩類(Am-O-PO-(O-Am)2型)を得ることが可能であり、これらの混合物は、特に、リン化合物で架橋することで得ることができる。Amはデンプンを意味し、Xは特にアルカリ金属(例えばナトリウムやカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウムやマグネシウム)、アンモニウム塩類、アミン塩類(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3-アミノ-1,2プロパンジオール)、またはリジン、アルギニン、サルコシン、オルニチンもしくはシトルリンなどの塩基性アミノ酸に由来するアンモニウム塩を示している。
【0090】
リン化合物は、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、オキシ塩化リンまたはトリメタリン酸ナトリウムなどであってよい。
【0091】
ジスターチリン酸塩類またはジスターチリン酸塩に富む化合物が優先的に使用され、例えば、販売されている製品としては、Avebe社による、Prejel VA-70-T AGGL(ゲル化ヒドロキシプロピルキャッサバジスターチリン酸塩)、Prejel TK1(ゲル化キャッサバジスターチリン酸塩)、Prejel 200(ゲル化アセチルキャッサバジスターチリン酸塩)、またはNational Starch社からStructure Zea(ゲル化コーンジスターチリン酸塩)を参照できる。
【0092】
好ましいデンプンは、少なくとも1つのエステル化などの少なくとも1つの化学変性を経たデンプンである。
【0093】
また、1つまたは複数のアニオン性基と1つまたは複数のカチオン性基を含む両性デンプン類も使用できる。アニオン性基とカチオン性基は、デンプン分子の同じ反応性部位に結合していても、異なる反応性部位に結合していてもよい;これらは、好ましくは同じ反応性部位に結合している。アニオン性基は、カルボキシル型、リン酸型または硫酸型であってよく、好ましくはカルボキシル型である。カチオン基は、1級、2級、3級または4級アミン型であってもよい。
【0094】
両性デンプン類は、特に以下の化学式を有する化合物から選択される:
【0095】
【化1】
(I)~(IV)の式において
St-Oはデンプン分子を表す;
Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子またはメチルラジカルを表す;
R'は、同一または異なっていてもよく、水素原子、メチルラジカルまたは基-C(O)-OHを表す;
nは2または3の整数である;Mは、同一または異なっていてもよく、水素原子、Na、KもしくはLiなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、4級アンモニウムNH
4、または有機アミンを表し、R' 'は水素原子またはC
1-C
18アルキルラジカルを表す。
【0096】
これらの化合物は、特にU.S. Pat. Nos. 5,455,340および4,017,460に記載されている。
【0097】
特に、化学式(II)または(III)のデンプンを使用する;優先的には、2-クロロエチルアミノジプロピオン酸で変性したデンプン類、すなわち化学式(II)または(III)のデンプンであり、このR、R'、R' 'およびMは水素原子を表し、nが2に等しい。好ましい両性デンプンは、クロロエチルアミドジプロピオン酸デンプンである。
【0098】
セルロース類およびセルロース誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性であってもよい。
【0099】
これらの誘導体のうち、セルロースエーテル類、セルロースエステル類およびセルロースエステルエーテル類が優れている。
【0100】
セルロースエステル類の中では、鉱物性セルロースエステル類(ニトロセルロース、硫酸セルロースおよびリン酸セルロース)、有機性セルロースエステル類(セルロースモノ酢酸、セルローストリ酢酸、セルロースアミドプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、酢酸セルロースプロピオネートおよび酢酸セルローストリメリテート)ならびに、有機性/鉱物性混合セルロースエステル類(硫酸酢酸セルロースブチレートおよび硫酸酢酸セルロースプロピオネートなど)を挙げることができる。
【0101】
セルロースエステルエーテル類の中では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよび硫酸エチルセルロースを挙げることができる。
【0102】
非イオン性セルロースエーテル類の中では、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのアルキルセルロース(例えば、Dow Chemical社のEthocel Standard 100 Premium);ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース(例えば、Aqualon社によって販売されているNatrosol 250 HHR)ならびにヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Aqualon社のKlucel EF);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Dow Chemical社のMethocel E4Mなど)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース(例えば、Akzo Nobel社のBermocoll E 481 FQなど)およびヒドロキシブチルメチルセルロースなどの混合ヒドロキシアルキル-アルキルセルロース類などを挙げることができる。
【0103】
アニオン性セルロースエーテル類の中では、カルボキシアルキルセルロースとこの塩を挙げることができる。挙げることのできる例は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース(例えば、Aqualon社のBlanose 7M)およびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、およびこれらのナトリウム塩を含む。
【0104】
カチオン性セルロースエーテル類の中では、架橋型または非架橋型の4級化ヒドロキシエチルセルロースを挙げることができる。4級化剤は、特にジアリルジメチルアンモニウムクロリド(例えば、National Starch社のCelquat L200)であってもよい。別のカチオン性セルロースエーテル類は、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシエチルセルロース(例えば、Amerchol社のUcare Polymer JR 400)を挙げることができる。
【0105】
1つまたは複数の糖単位を有する会合性ポリマー類の中では、セルロース類またはこの誘導体を挙げることができる。セルロース類またはこの誘導体は、アルキル基、アリールアルキル基、もしくはアルキルアリール基、またはこれらの混合などの、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で変性しており、アルキル基がC8-C22であるものである;Aqualon社が販売する、製品Natrosol Plus Grade 330 CSおよびPolysurf 67(C16アルキル)などの非イオン性アルキルヒドロキシエチルセルロース; Amerchol社が販売する製品Quatrisoft LM 200、Quatrisoft LM-X 529-18-A、Quatrisoft LM-X 529-18-B(C12アルキル)およびQuatrisoft LM-X 529-8(C18アルキル)、Croda社が販売する製品Crodacel QMおよびCrodacel QL(C12アルキル)、ならびにCrodacel QS(C18アルキル)、Amerchol社が販売する製品Softcat SL 100などの4級化アルキルヒドロキシエチルセルロース(カチオン性);Amerchol社から販売されている製品Amercell HM-1500などの非イオン性ノノキシニルヒドロキシエチルセルロース;Berol Nobel社から販売されている製品Bermocoll EHM 100などの非イオン性アルキルセルロースなどがある。
【0106】
グアー由来の1つまたは複数の糖単位を有する会合性ポリマー類としては、脂肪鎖で変性したヒドロキシプロピルグアーを挙げることができる。Lamberti社が販売する製品Esaflor HM 22(C22アルキル鎖で変性);Rhodia Chimie社が販売する製品Miracare XC 95-3(C14アルキル鎖で変性)および製品RE 205-146(C20アルキル鎖で変性)などがある。
【0107】
1つまたは複数の糖単位を有する1つまたは複数のポリマー類は、グアーガム類、ローカストビーンガム類、キサンタンガム類、デンプン類およびセルロース類から選択されることが好ましく、これらの変性した形態(誘導体)または未変性のものが好ましい。
【0108】
好ましくは、1つまたは複数の糖単位を有するポリマー類は非イオン性である。
【0109】
より好ましくは、1つまたは複数の糖単位を有する1つまたは複数のポリマーは、特にC1-C6ヒドロキシアルキル基で変性した、変性非イオン性グアーガム類から選択される。
【0110】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は、本明細書に記載された1つまたは複数の水溶性ポリマーで構成された繊維から作製される。
【0111】
「繊維」という用語は、長さが断面よりも大きい任意の物体を意味することを意図している。言い換えれば、長さLが直径Dよりも大きく、好ましくは非常に大きい(すなわち、少なくとも3倍大きい)ような、LおよびDの物体を意味すると理解されたい。Dは繊維の断面が内接する円の直径である。特には、L/D比(またはアスペクト比)は、3.5~2500、好ましくは5~500、さらに好ましくは5~150の範囲で選択される。繊維の断面は、丸型、歯状または溝付きの形状、あるいは豆型のほか、多葉形、特には三葉形または五葉形、X型、リボン型、四角、三角、楕円などのような、任意の形状を有していてもよい。繊維は、中空であってもなくてもよい。繊維は、天然起源、合成起源、またさらには人造起源であってもよい。有利には、前記繊維は合成起源である。
【0112】
より具体的には、水溶性繊維は、以下が挙げられ、ポリビニルアルコール(PVA)に基づいた繊維、グルコマンナン、デンプンまたはカルボキシメチルセルロースのようなセルロースなどの多糖類の繊維、ポリアルギン酸繊維、ポリ乳酸繊維およびポリアルキレンオキシド繊維、並びにこれらの混合がある。より好ましくは、1つまたは複数の水溶性繊維は、PVA系の繊維から選択される。
【0113】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は、天然、人造または合成の水溶性ポリマー繊維を含み、好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、セルロースなどの多糖類繊維、より特には、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリ乳酸繊維およびポリアルキレンオキシド繊維、ならびにこれらの混合物から選択される;より好ましくは、PVAおよびヒドロキシル(C1-C6)アルキルセルロースから選択される。
【0114】
「天然繊維」は、自然界に存在する繊維で、直接用いられるか、または、機械的および/または物理的な処理後のものである。特に木材、マメ科植物または藻類から抽出されたセルロース繊維、およびレーヨン繊維など、動物または植物起源の繊維がこのカテゴリーに整理される。
【0115】
「人造繊維」は、完全な合成繊維か天然由来の繊維のどちらか一方であり、特に、これらの機械的および/または物理化学的特性を改善するために、1つまたは複数の化学処理を施したものである。
【0116】
「合成繊維」は、化学合成によって得られた繊維を集めたものであり、一般的には、1つまたは複数の、単成分または多成分、複合または非複合のポリマーおよび/またはコポリマーで構成された繊維である。一般的には、ポリマーおよび/またはコポリマーは、繊維の所望の直径に押し出される、および/または引き伸ばされる。
【0117】
繊維は、紡いでも、梳いても、撚ってもよい。有利には、使用される繊維は紡績である。同一または異なる繊維の平均直径は、500μm以下である。有利には、このような直径は、200μm未満、好ましくは100μm未満またさらには50μm未満である。
【0118】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204の繊維が絡み合っている。パッケージ100、200は、全体が水溶性繊維またはシートで構成されていてもよい。シートは、水溶性繊維および35℃以下の温度で水に不溶性の繊維の両方を含んでいてもよい。水溶性繊維は不溶性繊維よりも必然的に多くなる。繊維のシートは、繊維の総質量に対して、少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも70質量%、さらに好ましくは少なくとも80質量%超の可溶性繊維を含むべきである。従って、例えば、エンベロープまたはシートの繊維の総質量に対して、95質量%超、またさらには99質量%超、さらには100質量%の水溶性繊維を含んでいてもよい。
【0119】
繊維のシートが不溶性繊維を含むとき、後者の繊維は、不溶性繊維として通常使用されている任意の素材で作製されてもよい;例えば、絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、ポリアミド(ナイロン(登録商標))繊維、ポリ乳酸繊維、変性セルロース(レーヨン、ビスコースまたはアセテートレーヨン)繊維、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド繊維、特にケブラー(登録商標)繊維、ポリオレフィン繊維および特にポリエチレンまたはポリプロピレン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維(特にグラファイト形態)、テフロン(登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルまたはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ならびに上記の化合物の混合物から形成された繊維、例えばポリアミド/ポリエステル繊維またはビスコース/ポリエステル繊維などであってよい。
【0120】
さらに、1つまたは複数の可溶性基材108、110、112、202、204は、織布または不織布であってもよい。
【0121】
特定の実施形態によれば、1つまたは複数の可溶性基材108、110、112、202、204は織布である。「織布」素材は、繊維、特に水溶性高分子繊維の、組織化された集合体であり、とりわけ、同一平面内で、縦糸方向に配置された前記繊維と、縦糸繊維に垂直に横糸方向に配置された繊維との交差から生じるものである。これらの縦糸と横糸繊維の間で得られる結合は、織りによって定義される。
【0122】
このような織布素材は、それ自体を織るなどの組織化方法で繊維を組み合わせるための作業によって得られるが、編むことによって得てもよい。
【0123】
より具体的には、可溶性基材108、110、112、202、204は、パッケージ100、200を構成する高分子水溶性繊維の織布を含み、この上に重ねられたどんな付加的な層も含まない。
【0124】
別の特に有利な様態によれば、可溶性基材108、110、112、202、204は不織布である。
【0125】
「不織布」は、繊維、特に水溶性高分子繊維を含む基材で、個々の繊維がシート状の構造で無秩序に配置された、織っても編んでもいない基材を意味することを意図している。不織布の繊維は、一般的に、機械的作用(例えば、ニードルパンチ、エアジェット、ウォータージェットなど)の効果のもと、もしくは熱作用の効果のもと、またはバインダーの添加により、結合されている。
【0126】
このような不織布は、例えば、ISO 9092規格では、方向性を持って配向した、またはランダムに配向した繊維のウェブまたはシートで、摩擦および/または固着および/または接着により結合されているものと定義されている。紙、および結合糸またはフィラメントを組み込んだステッチ、織物、編み物、またはタフティングによって得られる製品は除く。
【0127】
不織布は、使われている繊維の長さにより紙とは異なる。紙では、繊維は、より短い。しかし、セルロース繊維に基づいた不織布には、ウェットレイド法で製造され、紙と同様にして短い繊維を有するものがある。不織布と紙の違いは、一般的に不織布では繊維の間に水素結合がないことである。
【0128】
非常に好ましくは、繊維はPVA繊維のような合成繊維から選択される。特に、エンベロープとシートは不織布であり、好ましくはPVA繊維の不織布で作製されている。
【0129】
不織布の水溶性可溶性基材108、110、112、202、204を製造するには、好ましくは35℃以下の温度で水に溶解するPVA繊維で作製されており、例えば日本企業のクラレがクラロンK-IIの名称のもと販売している繊維、特に20℃超で溶解するグレードWN2を使用する。これらの繊維は、EP-A-636 716に記載されており、PVA繊維の製造を教示している。PVA繊維は、100℃を超えない温度で水に可溶であり、繊維の溶解および固化に関与する溶剤の存在下で、ポリビニルアルコールポリマーを、乾式または湿式で紡糸および延伸することにより、製造する。このようにして得られた繊維は、織布または不織布の基材の製造につなげることができる。
【0130】
また、この繊維は、水溶性PVA系ポリマーを第1の有機溶剤に溶解し、第2の有機溶剤中で紡糸し、固化したフィラメントを得て、第1の溶剤を除去したフィラメントを湿式伸線し、乾燥させた後に熱処理を施すことにより、溶液から紡糸することで調製することができる。この繊維の断面は、実質上円形であってもよい。この繊維は、少なくとも2.7g/dtex(3g/d)の張力を有する。特許出願EP-A-0 636 71 6には、このようなPVA系水溶性繊維およびこの製造方法が記載されている。例えば、繊維はまた、押出によっても形成され、コンベア上に堆積されて繊維のシートを形成することができる。そして、繊維のシートを、例えばニードルパンチ、ホットボンディング、カレンダー加工もしくはエアスルーボンディング(水溶性シートが、熱風が吹き付けられるトンネルを通過する技術)などの標準的な繊維接合技術を介して連結する。または非常に高い圧力での微細なジェット水流の作用を介して繊維を接合するための水流交絡(溶解温度が低すぎる圧力の繊維には適用できない)を介して連結する。
【0131】
先に述べたように、可溶性基材108、110、112、202、204はPVAの使用に限定されず、他の水溶性素材から作製される繊維も使用することができる。ただし、これらの素材は所望の温度を有する水に溶解するものであり、例えば、Lysac Technologies, Inc.社からLysorbという名称のもと販売されている多糖類繊維またはグルコマンナンもしくはデンプンなどの多糖類ポリマーに基づく他の繊維がある。
【0132】
可溶性基材108、110、112、202、204は、様々な温度(35℃まで)で水に溶解する異なる繊維の混合を含んでいてもよい。
【0133】
繊維は複合体であってもよく、例えば、同じ性質を持たない芯と鞘を有していてもよい。例えば、異なるグレードのPVAから形成された芯と鞘である。
【0134】
特定の実施形態によれば、可溶性基材108、110、112、202、204のいずれか1つは、水溶性繊維を、単独または上に示したような不溶性繊維との混合として含む不織布を有する。シートを構成する繊維の総質量に対して不溶性繊維は、40質量%以下である。
【0135】
パッケージ100では、可溶性基材108、110、112は、互いに同一であってもよいし、異なる組成、異なる厚さ、または密度であってもよい。パッケージ200では、可溶性基材202、204は、互いに同一であってもよいし、異なる組成、異なる厚さ、または密度であってもよい。
【0136】
一実施形態では、可溶性基材108、110、112、202、204は、60g/m2以下、またさらには50g/m2以下、さらには45g/m2以下の坪量を有していてもよい。一変形例では、少なくとも1つの層の坪量は、60g/m2よりも大きくてもよい。
【0137】
可溶性基材108、110、112、202、204は、水性組成物に溶解することがある。水性組成物は、単に水であってもよい。水性組成物は、任意選択で、少なくとも1種の極性溶剤を含んでいてもよい。この組成物に使用することができる極性溶剤の中では、周囲温度(25℃)で液体であり、少なくとも部分的に水混和性の有機化合物を挙げることができる。
【0138】
より具体的に挙げられる例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルカノール類、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールなどの芳香族アルコール類、またはポリオール類もしくはポリオールのエーテル類などが含まれる。例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールまたはこのエーテル類、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、およびジエチレングリコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルなどがある。
【0139】
より具体的には、1つまたは複数の溶剤が存在する場合、水性組成物中のこれらのそれぞれの含有量は、前記水性組成物の質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは2質量%~10質量%の範囲である。
【0140】
粉末状、固形状、および無水のヘアブリーチ組成物
一実施形態では、粉末状のヘアブリーチ剤は、過硫酸カリウムを含む。一実施形態では、粉末状のヘアブリーチ剤は、以下の少なくとも1つ、2以上、またはすべてを含む。過硫酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化チタン、シリカ、カオリン、およびEDTAまたはこの等価物。
【0141】
一実施形態では、粉末状のヘアブリーチ剤は固相である。
【0142】
一実施形態では、粉末状のヘアブリーチ剤は、可溶性基材に封入されている。
【0143】
一実施形態では、パッケージ100は、粉末状のヘアブリーチ剤のみを含む。一実施形態では、パッケージ100は、5~100グラムの粉末状のヘアブリーチ剤を含む。一実施形態では、パッケージ100は、20~50グラムの粉末状のヘアブリーチ剤を含む。一実施形態では、パッケージ100は、約30グラムの粉末状のヘアブリーチ剤を含む。
【0144】
参照することによって本明細書に組み込まれるWO2018114886は、パッケージ100のチャンバ102、104の一方または両方で使用可能な、およびパッケージ200のチャンバ206で使用可能な、ヘアブリーチ組成物を教示している。
【0145】
一実施形態では、以下の無水固体組成物を含む:(a)1つまたは複数の酸化ベース、(b)アルカリ金属過炭酸塩類、アルカリ土類金属過炭酸塩類およびこれらの混合物から選択される1つまたは複数の化学酸化剤、(c)少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含む1つまたは複数のポリマー、および(d)任意選択の1つまたは複数の酸化カプラー。
【0146】
一実施形態では、1つまたは複数の酸化ベースは、パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、ビス-パラアミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類およびヘテロ環式ベース、これらの付加塩、これらの溶剤和物、およびこれらの混合物から選択され、好ましくはパラ-フェニレンジアミン類、これらの付加塩、これらの溶剤和物、およびこれらの混合物から選択される。
【0147】
一実施形態では、1つまたは複数の酸化ベースの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、0.1質量%~30質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の範囲である。
【0148】
一実施形態では、アルカリ金属過炭酸塩類、アルカリ土類金属過炭酸塩類およびこれらの混合物から選択される、1つまたは複数の化学酸化剤の総量は、無水固体組成物の総質量に対して、30質量%~55質量%、好ましくは35質量%~50質量%の範囲である。
【0149】
一実施形態では、ヘテロ環式ビニルモノマーは、4-~7-員のヘテロ環を含むモノマーから選択され、1~4個の同一または異なる環内ヘテロ原子を含み、ヘテロ環は、ベンゼン環に任意選択で縮合しており、および/または任意選択で置換されている;環内ヘテロ原子の数は、ヘテロ環の環員の数よりも少ない。
【0150】
一実施形態では、ヘテロ環式ビニルモノマーは、任意選択で置換されたN-ビニルモノマーから選択され、好ましくはN-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリドン、N-ビニル3-モルホリン、N-ビニル4-オキサゾリノン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルキノリン、1-ビニルイミダゾールおよび1-ビニルカルバゾールから選択され、これらは任意選択で置換されている。さらに好ましくは、ヘテロ環式モノマーは、任意選択で置換されたN-ビニルピロリドンである。
【0151】
一実施形態では、少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含むポリマーは、架橋型または非架橋型のポリビニルピロリドンホモポリマーである。
【0152】
一実施形態では、少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含む、1つまたは複数のポリマーの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、5質量%~70質量%、好ましくは10質量%~60質量%、より好ましくは10質量%~35質量%の範囲である。
【0153】
一実施形態では、1つまたは複数の酸化カプラーは、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系カプラーおよびヘテロ環式カプラー、これらの付加塩、これらの溶剤和物、およびこれらの混合物から選択される。
【0154】
一実施形態では、1つまたは複数の界面活性剤を添加することができ、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性または双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびこれらの混合物から選択され、より好ましくはアニオン性界面活性剤およびこれらの混合物から選択される。
【0155】
ブリーチ組成物は、粉末、顆粒、ペーストまたはクリームなどの様々なガレノス形態とすることができるが、一般的には液状で包装されている。しかし、固体組成物は液体組成物に比べて多くの利点をもたらす。固体組成物を製造する過程で水を必要とせず、これによって、より環境にやさしい挙動をとることが可能になり、また小型化も可能である。
【0156】
また、固形の製剤は、液体製剤では不安定な原料または安定性が低い原料の使用を可能にする。
【0157】
「無水組成物」という用語は、組成物の質量に対して3質量%未満、好ましくは1質量%未満の含水量を有する組成物を意味することを意図している。好ましくは、この含水量は、組成物の質量に対して0.5質量%未満である。とりわけ、含水量は、組成物の総質量に対して0質量%~1質量%、好ましくは0質量%~0.5質量%の範囲である。さらに、特には、水を含まない。
【0158】
「固体組成物」という用語は、粉末、ペーストまたは粒子(例えば、小さなボールのような球状の粒子)の形態とできる組成物を意味することを意図している。
【0159】
「粉末」という用語は、好ましくは本質的に粉じん(または微粒子)を含まない、粉末状の形態の組成物を意味することを意図している。すなわち、粒子の粒度分布は、100マイクロメートル以下の粒度の粒子の質量比(微粒子含有量)、好ましくは65マイクロメートル以下の粒度の粒子の質量比(微粒子含有量)が、有利には5%以下、好ましくは2%以下、とりわけ1%以下となるようなものである(Retsch社のAS200 Digit粒度分析装置を用いて評価した粒度;揺動高さ:1.25mm/スクリーニング時間:5分)。有利には、粒度は100μm~3mm、とりわけ65μm~2mmである。
【0160】
「ペースト」という用語は、25℃で1S-1のせん断速度で測定した粘度が5ポイズ超、好ましくは10ポイズ超の組成物を意味することを意図している。この粘度は、コーンプレートレオメーターを用いて測定することができる。
【0161】
「粒子」という用語は、可変な形状およびサイズの、固体粒子が集まって形成された小さな分画された物体を意味することを意図している。これらは、規則的または不規則な形状を有していてもよい。具体的には、球形(顆粒、粒状物、ボール形状など)、正方形、長方形、または棒のような細長い形状を有していてもよい。特に、球状の粒子が好ましい。
【0162】
粒子の大きさは、この最大寸法で0.01~5mm、好ましくは0.1~2.5mm、さらに好ましくは0.5~2mmにすることができる。
【0163】
無水固体組成物は、圧縮された固体組成物の形態にとすることができ、具体的には手動または機械的なプレスを使用して圧縮することができる。
【0164】
無水固体組成物
【0165】
酸化ベース(A)
一実施形態では、無水固体組成物は、1つまたは複数の酸化ベースを含む。好ましくは、酸化ベースは、特に、ヘテロ環式ベースおよびベンゼン系ベース、これらの付加塩、これらの溶剤和物、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0166】
組成物に使用できる酸化ベースは、特にパラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類およびヘテロ環式ベース、これらの付加塩、これらの溶剤和物、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0167】
パラ-フェニレンジアミン類の中では、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、Ν,Ν-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(P-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-メトキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、Ν-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、Ν-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2^-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-^-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエンおよび3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、ならびに酸との対応する付加塩が挙げられる。
【0168】
上記パラ-フェニレンジアミン類の中でも、より具体的には、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2^-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミンおよび2-P-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、ならびに酸との対応する付加塩などが好ましい。
【0169】
挙げることができるビス(フェニル)アルキレンジアミン類の中では、例えば、N,N'-ビス(P-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3 -ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(P-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N, N'-ビス(-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-Ν,Ν'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミンおよびl,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、ならびに対応する付加塩がある。
【0170】
挙げることができるパラ-アミノフェノール類の中では、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノールおよび4-アミノ-2-フルオロフェノール、ならびに酸との対応する付加塩がある。
【0171】
挙げることができるオルト-アミノフェノール類の中では、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノールおよび5-アセタミド-2-アミノフェノール、ならびに対応する付加塩がある。
【0172】
挙げることができるヘテロ環式ベースの中では、例えば、ピリジン、ピリミジンおよびピラゾール誘導体がある。
【0173】
挙げることができるピリジン誘導体の中では、例えば、特許GB 1 026 978およびGB 1 153 196に記載されている化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジンおよび3,4-ジアミノピリジン、ならびに対応する付加塩がある。
【0174】
3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベースまたは対応する付加塩である他のピリジン酸化ベースは、例えば、特許出願FR 2 801 308に記載されている。挙げられる例としては、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[l,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[l, 5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[l,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[l,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[l,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[l,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、2-P-ヒドロキシエトキシ-3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジンおよび2-(4-ジメチルピペラジニウム-1-イル)-3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ならびに対応する付加塩がある。
【0175】
より具体的には、有用な酸化ベースは、3-アミノピラゾロ[l,5-a]ピリジンから選ばれ、好ましくは炭素原子2で、以下で置換されている。
【0176】
a)(ジ)(Ci-C6)(アルキル)アミノ基(前記アルキル基は、少なくとも1つのヒドロキシル基、アミノ基またはイミダゾリウム基で置換されている可能性がある);
【0177】
b)1から3個のヘテロ原子を含む、任意選択のカチオン性の5-~7-員のヘテロシクロアルキル基。このヘテロシクロアルキル基は、ジ(Ci-C4)アルキルピペラジニウム基などの1つまたは複数の(Ci-C6)アルキル基で、任意選択で置換されている;または
【0178】
c)1つまたは複数のヒドロキシル基で、任意選択で置換された(Ci-C6)アルコキシ基(β-ヒドロキシアルコキシ基、および対応する付加塩など)。
【0179】
3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジンベースの中でも、特に2[(3-アミノピラゾロ[l,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノール、および/または4-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)-1,1-ジメチルピペラジン-1-イウムクロリド、および/または対応する付加塩もしくはこれらの溶剤和物を使用することが好ましい。
【0180】
ピリミジン誘導体の中では、例えば、特許DE 2359399;JP 88-169571;JP 05-63124;EP 0770375または特許出願WO 96/15765に記載されている化合物、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジンおよびこれらの付加塩、ならびに、互変異性平衡が存在する際のこれらの互変異性形態などが挙げられる。
【0181】
ピラゾール誘導体の中では、特許DE 3843892およびDE 4133957ならびに特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2733 749およびDE 195 43 988に記載されている化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-l-(P-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル1-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル1-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル1-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(-ヒドロキシエチル)アミノ-l-メチルピラゾール、ならびに対応する付加塩が挙げられる。また、4,5-ジアミノ-1-(-メトキシエチル)ピラゾールの使用も可能である。
【0182】
好ましくは4,5-ジアミノピラゾールが使用され、さらに好ましくは4,5-ジアミノ-1-(-ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび/または対応する塩が使用される。
【0183】
また、ピラゾール誘導体は、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロピラゾロンおよび特に特許出願FR-A-2 886 136に記載されているものが挙げられ、以下の化合物および対応する付加塩などが挙げられる。2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[l,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-l-イル)-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン,4,5-ジアミノ-l,2-ジメチル-l,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン。
【0184】
2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-lH,6H-ピリダジノ[l,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾ1-3-オンおよび2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン。
【0185】
好ましくは、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[l,2-a]ピラゾール-l-オンおよび/または対応する塩が使用される。
【0186】
好ましくは、4,5-ジアミノ-l-(P-ヒドロキシエチル)ピラゾールおよび/または2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-lH,5H-ピラゾロ[l,2-a]ピラゾール-l-オンおよび/または2[(3-アミノピラゾロ[l,5-a]ピリジン-2-イル)オキシ]エタノールおよび/または4-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)-1,1-ジメチルピペラジン-1-イウムクロリドおよび/または対応する塩もしくはこれらの溶剤和物をヘテロ環式ベースとして用いる。
【0187】
一般に、組成物に使用できる酸化ベースの付加塩は、特に塩酸塩類、臭化水素酸塩類、硫酸塩類、クエン酸塩類、スクシナート類、酒石酸塩類、乳酸塩類、トシル酸塩類、ベンゼンスルホン酸塩類、リン酸塩類および酢酸塩類などの酸との付加塩から選択される。
【0188】
さらに、酸化ベースの溶剤和物は、とりわけ、前記ベースの水和物、および/または前記ベースと直鎖状または分岐状のCi~C4アルコールとの組み合わせを表す。このCi~C4アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはn-プロパノールなどである。好ましくは、溶剤和物は水和物である。
【0189】
好ましくは、1つまたは複数の酸化ベースは、パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、ビス-パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類およびヘテロ環式ベース、これらの付加塩、これらの溶剤和物、およびこれらの混合物から選択される。
【0190】
より好ましくは、1つまたは複数の酸化ベースは、パラ-フェニレンジアミン類、この付加塩、この溶剤和物、およびこれらの混合物から選択される。
【0191】
無水固体組成物内に存在する1つまたは複数の酸化ベースの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、好ましくは0.質量%~30質量%、より好ましくは0.5質量%~15質量%、さらに好ましくは1質量%~10質量%の範囲である。
【0192】
化学酸化剤(B)
また、無水固体組成物は、アルカリ金属過炭酸塩類、アルカリ土類金属過炭酸塩類およびこれらの混合物から選択される1つまたは複数の化学酸化剤を含んでもよい。
【0193】
好ましくは、無水固体組成物中に存在する化学酸化剤は無水であり、さらに好ましくは無水かつ固体、つまり、粉末、ペースト、または粒子(ボール形状など)の形態である。
【0194】
好ましくは、化学酸化剤は過炭酸ナトリウムである。
【0195】
1つまたは複数の化学酸化剤は、アルカリ金属過炭酸塩類、アルカリ土類金属過炭酸塩類、およびこれらの混合物から選ばれ、無水固体組成物中に存在する1つまたは複数の化学酸化剤の総量は、無水固体組成物の総質量に対して、好ましくは30質量%~55質量%、より好ましくは35質量%~50質量%の範囲である。
【0196】
また、組成物は、先に定義した化学酸化剤(b)とは異なる、1つまたは複数の追加の化学酸化剤を任意選択で含んでいてもよい。
【0197】
「化学酸化剤」という用語は、大気中の酸素以外の酸化剤を意味することを意図している。
【0198】
無水固体組成物中に任意選択で存在する、1つまたは複数の追加の化学酸化剤は、好ましくは無水であり、より好ましくは無水かつ固体、すなわち粉末、ペースト、または粒子(ボール形状など)の形態である。
【0199】
より具体的には、1つまたは複数の追加の無水化学酸化剤は、以下から選択される。(i)過酸化塩類、例えば過硫酸塩類、過ホウ酸塩類、過酸化物およびこれらの前駆体;(ii)アルカリ金属臭素酸塩またはフェリシアン化物;(iii)過酸化水素を放出できるポリマー複合体および過酸化尿素などの固体過酸化水素生成化学酸化剤、特にポリビニルピロリドン/HhCh複合体などのヘテロ環式ビニルモノマーを含むもの、特に粉末状のもので、以下に定義する少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマー(c)を含むポリマーとは異なるもの。(iv)適した基材(例えば、グルコースオキシダーゼの場合はグルコースまたはウリカーゼの場合は尿酸)の存在下で過酸化水素を生成するオキシダーゼ類;およびこれらの混合物。
【0200】
特定の一実施形態によれば、1つまたは複数の追加の化学酸化剤は、過酸化水素の複合体とポリマーの複合体から選択される。このポリマーは、少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーをモノマーとして含み、これは、以下に定義される少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマー(c)を含むポリマーとは異なる。
【0201】
より具体的には、ヘテロ環式ビニルモノマーは、4-~6-員のヘテロ環を含むモノマーから選択される。モノマーは、任意選択でベンゼン環に縮合し、1~4個の同一または異なる環内ヘテロ原子を含む;環内ヘテロ原子の数はヘテロ環の環員の数よりも少ない。好ましくは、環内ヘテロ原子の数は1または2である。
【0202】
より具体的には、1つまたは複数のヘテロ原子は、硫黄、酸素および窒素、好ましくは窒素および酸素から選択される。さらに有利な実施形態によれば、モノマーは、少なくとも1つの環内窒素原子を含む。
【0203】
ビニルヘテロ環は、1つまたは複数のC1~C4アルキル基、および好ましくはC1~C2アルキル基で、任意選択で置換されていてもよい。
【0204】
好ましくは、ヘテロ環式モノマーは、N-ビニルモノマー類から選択される。
【0205】
想定されるモノマー類の中では、以下の任意選択で置換されたモノマー類を挙げることができる。N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-3-モルホリン、N-ビニル-4-オキサゾリノン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルキノリン、1-ビニルイミダゾールおよび1-ビニルカルバゾール。好ましくは、モノマーは任意選択で置換されたN-ビニルピロリドンである。
【0206】
特に有利な一実施形態によれば、ポリマーはホモポリマーである。
【0207】
しかし、コポリマーの使用は除外しない。この場合、1つまたは複数のコモノマーは、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリルアミド類および(メタ)アクリル酸のC1~C4アルキルエステル類から選ばれ、これらは置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0208】
この複合体に関与しているポリマーは、好ましくは水溶性である。これは可変的な平均分子量を有していてもよく、好ましくは103~3×106g/molの間、より好ましくは103~2×l06g/molの間である。また、このようなポリマーの混合物を使用することも可能である。
【0209】
有利には、前記複合体は、複合体の総質量に対して、10質量%~30質量%、好ましくは13質量%~25質量%、より好ましくは18質量%~22質量%の過酸化水素を含んでいる。
【0210】
さらに有利な変形例によれば、この複合体では、1つまたは複数のヘテロ環式ビニルモノマーと過酸化水素との間のモル比は、0.5~2、好ましくは0.5~1の範囲である。
【0211】
この複合体は、有利には、実質的に無水粉末の形態である。
【0212】
このタイプの複合体は、特にUS 5,008,106、US 5,077,047、EP 832846、EP 714919、DE 4344131およびDE 19545380に記載されており、他のポリマー複合体は、US 5,008,093、US 3,376,110およびUS 5,183,901に記載されている。
【0213】
挙げることができる複合体の例としては、Peroxydone K-30、Peroxydone K-90およびPeroxydone XL-10などの製品や、過酸化水素と以下のポリマー類の1つとで形成される複合体を含む。Plasdone K-17、Plasdone K-25、Plasdone K-29/32、Plasdone K-90、Polyplasdone INF-10、Polyplasdone XL-10、Polyplasdone XL、Plasdone S-630、Styleze 2000 TerpolymerおよびGanexコポリマーシリーズなどがあり、これらはISP社が発売している。
【0214】
好ましくは、組成物は、1つまたは複数の無水固体の追加の化学酸化剤を含むことができ、これは化学酸化剤(b)とは異なる、過酸化尿素、過ホウ酸塩類、過硫酸塩類およびこれらの混合物から選択される。
【0215】
特に好ましい一実施形態によれば、無水固体組成物は、酸化剤(b)とは異なるどの追加の化学酸化剤も含まない。
【0216】
少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含むポリマー(C)
また、無水固体組成物は、少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含む1つまたは複数のポリマーを含んでいてもよい。
【0217】
より具体的には、ヘテロ環式ビニルモノマーは、4-~7-員のヘテロ環を有するモノマーから選ばれ、1~4個の同一または異なる環内ヘテロ原子を含み、これはベンゼン環に任意選択で縮合しており、および/または任意選択で置換されている;環内ヘテロ原子の数はヘテロ環の環員の数よりも少ない。
【0218】
好ましくは、環内ヘテロ原子の数は1または2である。
【0219】
より具体的には、1つまたは複数のヘテロ原子は、硫黄、酸素および窒素から選ばれ、好ましくは窒素および酸素から選択される。
【0220】
さらに有利な実施形態によれば、モノマーは、少なくとも1つの環内窒素原子を含んでいる。
【0221】
ビニルヘテロ環は、任意選択で、1つまたは複数のC1~C4アルキル基、好ましくはC1~C2アルキル基で置換されていてもよい。
【0222】
好ましくは、ヘテロ環式モノマーはN-ビニルモノマー類から選択される。
【0223】
想定されるヘテロ環式ビニルモノマー類の中でも、有利には、以下の任意選択で置換されたモノマー類が挙げられる:N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、N-ビニルピペリドン、N-ビニル-3-モルホリン、N-ビニル-4-オキサゾリノン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、2-ビニルキノリン、1-ビニルイミダゾールおよび1-ビニルカルバゾール。好ましくは、モノマーは、任意選択で置換されたN-ビニルピロリドンである。
【0224】
特に有利な一実施形態によれば、ポリマーはホモポリマーである。
【0225】
しかし、コポリマーの使用は除外しない。コポリマーは、先に述べたような少なくとも2つの異なるヘテロ環式ビニルモノマー、そうでなければ、先に述べたような少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマー、および先に述べたようなヘテロ環式ビニルモノマーとは異なる少なくとも1つのモノマーを含むことができる。
【0226】
後者の場合、1つまたは複数のコモノマーは、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリルアミド類、および(メタ)アクリル酸のC1~C4アルキルエステル類から選択されることが好ましく、これらは置換されていても置換されていなくてもよい。
【0227】
少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含むポリマーは、架橋型または非架橋型であってもよい。
【0228】
少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含むポリマーは、好ましくは水溶性である。これは可変的な平均分子量を有していてもよく、好ましくは103~3×106g/mol、より好ましくは103~2×l06g/molである。また、このようなポリマー類の混合物を使用することも可能である。
【0229】
好ましくは、少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含むポリマーは、架橋型または非架橋型ビニルピロリドンホモポリマーである。
【0230】
無水固体組成物中に存在する、少なくとも1つのヘテロ環式ビニルモノマーを含む1つまたは複数のポリマーの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、好ましくは5質量%~70質量%、より好ましくは10質量%~60質量%、さらに好ましくは10質量%~35質量%の範囲である。
【0231】
酸化カプラー(D)
また、無水固体組成物は、任意選択で1つまたは複数の酸化カプラーを含むこともできる。
【0232】
これらの酸化カプラーの中では、特に、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系カプラー、ヘテロ環式カプラー、これらの付加塩、これらの溶剤和物、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0233】
挙げることができる例としては、レソルシノール、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(P-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(P-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、a-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、l-N-(P-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(P-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、l-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-l,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾールおよび6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンズイミダゾール、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(P-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール(またはメタ-アミノフェノール)および3-アミノ-2-クロロ-6-メチルフェノール、酸との対応する付加塩、ならびに対応する混合物を含む。
【0234】
好ましくは、1つまたは複数のカプラーは、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、これらの付加塩、およびこれらの混合物から選ばれ、さらに好ましくは、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、レソルシノール、メタ-アミノフェノール、これらの付加塩、これらの溶剤和物、およびこれらの混合物から選択される。
【0235】
組成物中に任意選択で存在する酸化カプラーの付加塩は、塩酸塩類、臭化水素酸塩類、硫酸塩類、クエン酸塩類、スクシナート類、酒石酸塩類、乳酸塩類、トシル酸塩類、ベンゼンスルホン酸塩類、リン酸塩類および酢酸塩類などの酸との付加塩、ならびに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン類またはアルカノールアミン類などの塩基との付加塩から、特に選択される。
【0236】
さらに、酸化カプラーの溶剤和物は、より具体的には、前記カプラーの水和物および/または、前記カプラーとメタノール、エタノール、イソプロパノールまたはn-プロパノールなどの直鎖状または分岐状であるCi~C4アルコールとの組み合わせを表す。好ましくは、溶剤和物は水和物である。
【0237】
無水固体組成物中に酸化カプラーが存在するとき、1つまたは複数の酸化カプラーの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%~25質量%、より好ましくは0.5質量%~20質量%、さらに好ましくは1質量%~19質量%の範囲である。
【0238】
界面活性剤
また無水固体組成物は、任意選択で、1つまたは複数の界面活性剤を含むことができ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、両性または双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびこれらの混合物から選択される。
【0239】
「界面活性剤」という用語は、この構造中に少なくとも1つの親水基と少なくとも1つの親油基を含む薬剤を意味することを意図しており、この薬剤は、好ましくは水の表面張力を低下させることができ、この構造中に任意選択の繰り返し単位として、アルキレンオキシド単位および/または糖単位および/またはシロキサン単位のみを含んでいる。好ましくは、親油基は、8~30個の炭素原子を含む脂肪鎖である。
【0240】
好ましくは、無水固体組成物は、アニオン性界面活性剤から選ばれた1つまたは複数の界面活性剤を含む。
【0241】
「アニオン性界面活性剤」という用語は、イオン性またはイオン化可能な基として、アニオン性基のみを含む界面活性剤を意味することを意図している。これらのアニオン性基は、好ましくは、CO2H、CO2
-、SO3H、SO3
-、OSO3H、OSO3
-、O2PO2H、O2PO2H-およびO2PO2
2などの基から選択され、アニオン性部分は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミンまたはアンモニウムに由来するものなどのカチオン性対イオンを含む。
【0242】
組成物に使用することができるアニオン性界面活性剤の例として、アルキル硫酸塩類、アルキルエーテル硫酸塩類、アルキルアミドエーテル硫酸塩類、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩類、モノグリセリド硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキルアミド硫酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、a-オレフィンスルホン酸塩類、パラフィンスルホン酸塩類、アルキルスルホスクシナート類、アルキルエーテルスルホスクシナート類、アルキルアミドスルホスクシナート類、アルキルスルホ酢酸塩類、アシルサルコシネート類、アシルグルタマート類、アルキルスルホスクシナメート類、アシルイセチオネート類およびN-アシルタウレート類、ポリグリコシド-ポリカルボン酸およびアルキルモノエステル塩類、アシルラクチレート類、D-ガラクトシドウロン酸類の塩、アルキルエーテルカルボン酸類の塩、アルキルアリールエーテルカルボン酸類の塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸類の塩;ならびにこれらすべての化合物の対応する非塩化形態を挙げることができる;これらすべての化合物のアルキル基およびアシル基は、6~24の炭素原子を含み、アリール基はフェニル基を意味する。
【0243】
これらの化合物はオキシエチレン化されていてもよく、次いで、好ましくは1~50のエチレンオキシド単位を含む。
【0244】
ポリグリコサイド-ポリカルボン酸類のC6~C24アルキルモノエステル類の塩は、C6~C24アルキルポリグリコシドクエン酸塩類、C6~C24アルキルポリグリコシド酒石酸塩類およびC6~C24アルキルポリグリコシドスルホコハク酸塩類から選択してもよい。
【0245】
1つまたは複数のアニオン性界面活性剤が塩の形態であるとき、ナトリウム塩またはカリウム塩、好ましくはナトリウム塩、アンモニウム塩類、アミン塩類、特にアミノアルコール塩類などのアルカリ金属塩類またはマグネシウム塩類などのアルカリ土類金属塩類から選択することができる。
【0246】
具体的に挙げることができるアミノアルコール塩類の例は、モノエタノールアミン塩類、ジエタノールアミン塩類およびトリエタノールアミン塩類、モノイソプロパノールアミン塩類、ジイソプロパノールアミン塩類またはトリイソプロパノールアミン塩類、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩類、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩類およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩類などがある。
【0247】
好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩類、特にナトリウムまたはマグネシウムの塩類を使用する。
【0248】
好ましくは、任意選択でオキシエチレン化され、2~50のエチレンオキシド単位を有する、(C6-C24)アルキル硫酸塩類および(C6-C24)アルキルエーテル硫酸塩類、ならびにこれらの混合物が使用される。具体的には、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類、アンモニウム塩類またはアミノアルコール塩類の形態である。より好ましくは、1つまたは複数のアニオン性界面活性剤は、アルカリ金属塩類またはアルカリ土類金属塩類の形態の(C10-C20)アルキル硫酸塩類、特にラウリル硫酸ナトリウムおよびセトステアリル硫酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0249】
さらに好ましくは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、特にエチレンオキシドを2.2mol含むもの、より好ましくは(C12-C20)アルキル硫酸塩類(ラウリル硫酸ナトリウムのようなアルカリ金属ラウリル硫酸塩など)を使用することが好ましい。
【0250】
好ましくは、無水固体組成物は、両性または双性イオン性界面活性剤から選択される1つまたは複数の界面活性剤を含む。
【0251】
ここで、1つまたは複数の両性または双性イオン性界面活性剤は、好ましくは非シリコーンであり、特に任意選択で4級化脂肪族2級または3級アミン類の誘導体であり、この誘導体において、脂肪族基は直鎖または分岐鎖であり、8~22個の炭素原子を含む。前記アミン誘導体は、少なくとも1つのアニオン性基、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基またはホスホン酸基を含む。特に、(C8-C20)アルキルベタイン類、スルホベタイン類、(C8-C20)アルキルアミド(C3-C8)アルキルベタイン類、および(C8-C20)アルキルアミド(C6-C8)アルキルスルホベタイン類が挙げられる。
【0252】
上記の両性または双性イオン性界面活性剤の中では、好ましくは、ココベタインなどの(C8-C20)アルキルベタイン類、およびコカミドプロピルベタインなどの(C8-C20)、アルキルアミド(C3-C8)、アルキルベタイン類、ならびにこれらの混合物が使用される。より好ましくは、1つまたは複数の両性または双性イオン性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインおよびココベタイン、ジエチルアミノプロピルラウリルアミノスクシナメートのナトリウム塩、またはこれらの混合物から選択される。
【0253】
好ましくは、無水固体組成物は、カチオン性界面活性剤から選ばれた1つまたは複数の界面活性剤を含む。
【0254】
本組成物に使用できる1つまたは複数のカチオン性界面活性剤は、例えば、任意選択でポリオキシアルキレン化された1級、2級または3級の脂肪アミン塩類、4級アンモニウム塩類、およびこれらの混合物を含む。
【0255】
組成物中に存在し得るカチオン性界面活性剤の中でも、とりわけ、セチルトリメチルアンモニウム、ベヘニルトリメチルアンモニウムおよびジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチル-アンモニウム塩類、ならびにこれらの混合物を選択することが好ましく、とりわけ、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、およびジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメト硫酸塩、ならびにこれらの混合物を選択することが好ましい。
【0256】
好ましくは、無水固体組成物は、非イオン性界面活性剤から選ばれた1種または複数の界面活性剤を含む。
【0257】
本組成物に使用できる非イオン性界面活性剤の例は、例えば、M.R.ポーター著の「Handbook of Surfactants」(Blackie & Son (Glasgow and London)出版、1991年、pp.116-178)に記載されている。
【0258】
挙げることができる非イオン性界面活性剤の例としては、以下のものを含む。
【0259】
-オキシアルキレン化(C8-C24)アルキルフェノール類;
【0260】
-飽和または不飽和であって、直鎖状または分岐状である、オキシアルキレン化またはグリセロール化C8~C30アルコール類;
【0261】
-飽和または不飽和であって、直鎖状または分岐状である、オキシアルキレン化C8~C30アミド類;
【0262】
-飽和または不飽和であって、直鎖状または分岐状である、C8~C30酸類およびポリエチレングリコール類のエステル類;
【0263】
-飽和または不飽和であって、直鎖状または分岐状である、C8~C30酸類およびソルビタンのポリオキシエチレン化エステル類;
【0264】
-脂肪酸およびスクロースのエステル類;
【0265】
-任意選択でオキシアルキレン化され(0~10のオキシアルキレン単位)、1~15のグルコース単位を含む(C8-C30)アルキルポリグリコシド類、(C8-C30)アルケニルポリグリコシド類、(C8-C30)アルキルグルコシドエステル類;
【0266】
-飽和または不飽和のオキシエチレン化植物油;
【0267】
-エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの縮合物、とりわけ、単体または混合物;
【0268】
N-(C8-C30)アルキルグルカミンおよびN-(C8-C30)アシルメチルグルカミンの誘導体;
【0269】
-アルドビオンアミド類;
【0270】
-アミンオキシド類;ならびに
【0271】
-オキシエチレン化シリコーンおよび/またはオキシプロピレン化シリコーン。
【0272】
界面活性剤は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのモル数を、有利には1~100、とりわけ2~100、好ましくは2~50、より有利には2~30の範囲で含む。有利には、非イオン性界面活性剤は、どのオキシプロピレン単位も含まない。
【0273】
好ましい実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、1~100mol、とりわけ2~100molのエチレンオキシドを含むオキシエチレン化C8~C30アルコール類;飽和または不飽和であって、直鎖状または分岐状であるC8~C30酸およびソルビタンのポリオキシエチレン化エステル類であって、1~100mol、さらには2~100molのエチレンオキシドを含むものから選択される。
【0274】
モノグリセロール化またはポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例としては、モノグリセロール化またはポリグリセロール化C8~C40アルコール類が好ましく使用される。
【0275】
具体的には、モノグリセロール化またはポリグリセロール化C8~C40アルコール類は、好ましくは下記の化学式(A8)に対応する。
【0276】
R2O-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H (A8)
ここで、
R2は、直鎖状または分岐状の、C8~C40好ましくはC8~C30アルキルまたはアルケニルラジカルを表し;
mは、1~30、好ましくは1~10の範囲の数を表す。
【0277】
使用に適した化学式(A8)の化合物の例として、4molのグリセロールを含むラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含むラウリルアルコール、4molのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むオレオセチルアルコールおよび6molのグリセロールを含むオクタデカノールが挙げられる。
【0278】
化学式(A8)のアルコールは、mの値が統計的な値を表すのと同様に、アルコール類の混合物を表していてもよい。つまり、市販品では、複数種のポリグリセロール化脂肪アルコール類が混合物の形態で共存していてもよい。
【0279】
モノグリセロール化またはポリグリセロール化アルコール類の中でも、1molのグリセロールを含むC8~C10アルコール、1molのグリセロールを含むC10~C12アルコールおよび1.5molのグリセロールを含むC12アルコールを使用することがとりわけ好ましい。
【0280】
好ましくは、組成物中の非イオン性界面活性剤は、モノオキシアルキレン化もしくはポリオキシアルキレン化、特にモノオキシエチレン化もしくはポリオキシエチレン化、またはモノオキシプロピレン化もしくはポリオキシプロピレン化、非イオン性界面活性剤、またはこれらの組み合わせであり、とりわけモノオキシエチレン化もしくはポリオキシエチレン化、モノグリセロール化もしくはポリグリセロール化界面活性剤およびアルキルポリグルコシド類である。
【0281】
さらに好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル類、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール類およびアルキルポリグルコシド類、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0282】
より好ましくは、無水固体組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびこれらの混合物から選択される1つまたは複数の界面活性剤を含み、より好ましくはアニオン性界面活性剤およびこれらの混合物から選択される。
【0283】
アルカリ剤
【0284】
また、無水固体組成物は、任意選択で1つまたは複数のアルカリ剤を含んでいてもよい。
【0285】
1つまたは複数のアルカリ剤は、ケイ酸塩類、および、アルカリ金属メタケイ酸塩類などのメタケイ酸塩類、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたはバリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩類または炭酸水素塩類、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0286】
また、1つまたは複数のアルカリ剤は、アンモニウム塩類、特に無機アンモニウム塩類から選択することができる。
【0287】
好ましくは、1つまたは複数のアンモニウム塩は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよびこれらの混合物などの、ハロゲン化アンモニウム類から選択される。
【0288】
より好ましくは、アンモニウム塩類は、塩化アンモニウムまたは硫酸アンモニウムである。
【0289】
好ましい一実施形態では、無水固体組成物は1種または複数のアルカリ剤を含む。
【0290】
さらに好ましくは、無水固体組成物は1つまたは複数のアンモニウム塩類を含み、好ましくは塩化アンモニウムまたは硫酸アンモニウムから選択され、さらに好ましくは硫酸アンモニウムである。
【0291】
増粘ポリマー
また、無水固体組成物は、任意選択で、1つまたは複数の増粘ポリマーを含んでいてもよい。
【0292】
有利には、1つまたは複数の増粘ポリマーは以下のポリマー類から選択される;
【0293】
(a)少なくとも1つの脂肪鎖および少なくとも1つの親水性単位を含む非イオン性両親媒性ポリマー類;
【0294】
(b)少なくとも1つの親水性単位および少なくとも1つの脂肪鎖単位を含むアニオン性両親媒性ポリマー類;
【0295】
(c)架橋型アクリル酸ホモポリマー類;
【0296】
(d)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の架橋型ホモポリマー類、および部分的または全体的に中和された、この架橋型アクリルアミドコポリマー類;
【0297】
(e)アクリル酸アンモニウムホモポリマー類またはアクリル酸アンモニウムコポリマー類およびアクリルアミドコポリマー類;
【0298】
(f)塩化メチルで4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルホモポリマー類または塩化メチルとアクリルアミドで4級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー類;ならびに
【0299】
(g)以下のような多糖類:
(gl)スクレログルカンガム類(微生物起源のバイオ多糖類);(g2)アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガムなどの植物の滲出物由来のガム類;
(g3)セルロース類およびこの誘導体;
(g4)グアーガム類およびこの誘導体;または
(g5)デンプン類またはこの誘導体。
【0300】
両親媒性ポリマーは、より具体的には親水性ポリマーである。親水性ポリマーは、組成物の媒体中で、とりわけ水性媒体中で、互いにまたは他の分子と可逆的に結合することができる。
【0301】
これらの化学構造は、とりわけ、少なくとも1つの親水基と少なくとも1つの疎水基を有する。「疎水基」という用語は、飽和または不飽和であって、直鎖状または分岐状炭化水素系鎖を有する、ラジカルまたはポリマーを意味することを意図しており、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは少なくとも10個の炭素原子、より好ましくは10~30個の炭素原子、特には12~30個の炭素原子、さらにより好ましくは18~30個の炭素原子を含む。好ましくは、炭化水素系基は、単官能化合物に由来する。例として、疎水基は、ステアリルアルコール、ドデシルアルコールまたはデシルアルコールなどの脂肪アルコールに由来してもよい。また、例えば、ポリブタジエンのような炭化水素系ポリマーを示してもよい。
【0302】
ピロ亜硫酸塩
【0303】
また、無水固体は、任意選択で1つまたは複数のピロ亜硫酸塩類を含んでいてもよい。
【0304】
1つまたは複数のピロ亜硫酸塩は、好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のピロ亜硫酸塩類およびこの混合物、より好ましくは、アルカリ金属のピロ亜硫酸塩類およびこの混合物、さらに好ましくは、ピロ亜硫酸ナトリウムまたはピロ亜硫酸カリウムおよびこの混合物から選択することができる。
【0305】
特に好ましくは、ピロ亜硫酸塩はピロ亜硫酸ナトリウムである。
【0306】
1つまたは複数のピロ亜硫酸塩が無水固体組成物中に存在するときの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%~30質量%の範囲である。
【0307】
より具体的には、1つまたは複数のピロ亜硫酸塩の総量は、無水固体組成物の総質量に対して、0.2質量%~20質量%、より好ましくは1質量%~20質量%、さらに好ましくは3質量%~10質量%の範囲である。
【0308】
より具体的には、ピロ亜硫酸塩がピロ亜硫酸ナトリウムであるとき、無水固体組成物中に存在するピロ亜硫酸ナトリウムの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、好ましくは0.1質量%~30質量%の範囲である。
【0309】
より好ましくは、ピロ亜硫酸塩がピロ亜硫酸ナトリウムであるとき、無水固体組成物中に存在するピロ亜硫酸ナトリウムの総量は、無水固体組成物の総質量に対して、0.2質量%~20質量%、より好ましくは1質量%~20質量%、さらに好ましくは3質量%~10質量%の範囲とすることができる。
【0310】
添加剤
また、無水固体組成物は、化合物とは異なる1つまたは複数の添加剤を任意選択で含むことができ、この中では、カチオン性、アニオン性、非イオン性もしくは両性のポリマー類またはこれらの混合物、フケ防止剤、脂漏防止剤、脱毛防止剤および/または発毛促進剤、ビタミン類およびパンテノールを含むプロビタミン類、日焼け止め、鉱物顔料または有機顔料、捕捉剤、可塑剤、可溶化剤、酸性化剤、ミネラル増粘剤または有機増粘剤、特にポリマー増粘剤、乳白剤または真珠光沢剤、抗酸化剤、ヒドロキシ酸類、香料、防腐剤、顔料およびセラミド類などを挙げることができる。
【0311】
もっとも、当業者であれば、無水固体組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される1つまたは複数の添加剤によって悪影響を受けない、または実質的に悪影響を受けないように、このまたはこれらの任意選択の1つまたは複数の添加化合物を選択することに注意を払うであろう。
【0312】
上記の添加剤は、一般的に、それぞれが無水固体組成物の総質量に対して0質量%~20質量%の量で存在することができる。
【0313】
化粧品的に許容可能な媒体
「化粧品的に許容可能な媒体」という用語は、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維に適合する媒体を意味することを意図している。
【0314】
化粧品的に許容可能な媒体は、水、または水および1つもしくは複数の有機溶剤との混合物で構成されている。
【0315】
挙げることができる有機溶剤の例としては、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールまたはn-ブタノールなどの直鎖状または分岐状のC2~C4アルカノール類;グリセロール;ポリオール類およびポリオールエーテル類(例えば、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル)、および芳香族アルコール類またはエーテル類(例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール)、およびこれらの混合物を含む。
【0316】
参照することによって本明細書に組み込まれるWO2014029657は、チャンバ102、104、206の一方または両方においてパッケージ100、200で使用可能なヘアブリーチ組成物を教示している。
【0317】
一実施形態では、ケラチン繊維をブリーチするための組成物は、少なくとも1つの過硫酸塩および少なくとも1つの過酸化水素発生剤を含む。
【0318】
一実施形態では、1つまたは複数の過硫酸塩は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウム、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0319】
一実施形態では、過硫酸塩の濃度は、組成物の総質量に対して、10質量%~80質量%、好ましくは20質量%~70質量%、さらに好ましくは40質量%~65質量%である。
【0320】
一実施形態では、過酸化水素発生剤は以下から選択される:ポリビニルピロリドン/H2O2などの過酸化水素を放出できる高分子錯体、過酸化尿素、アルカリ金属、アルカリ土類金属または過ホウ酸アンモニウムおよび過炭酸塩類、特に過炭酸塩類、ならびにこれらの混合物。
【0321】
一実施形態では、過酸化水素発生剤は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の過炭酸塩類から選ばれ、特には過炭酸ナトリウムである。
【0322】
一実施形態では、1つまたは複数の過酸化水素発生剤は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~40質量%、好ましくは0.5質量%~20質量%、さらに好ましくは1質量%~10質量%を示す。
【0323】
一実施形態では、少なくとも1つのアルカリ剤が添加され、この少なくとも1つのアルカリ剤は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩類などの水溶性ケイ酸塩類、二塩基性または三塩基性のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩類、およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩類、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0324】
一実施形態では、1つまたは複数のアルカリ剤は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~40質量%、好ましくは0.5質量%~30質量%、さらに好ましくは1%~20%の範囲の量で存在する。
【0325】
一実施形態では、少なくとも1つのレオロジー改質剤が添加され、少なくとも1つのレオロジー改質剤は、親水性増粘剤、少なくとも1つの疎水性鎖を含む両親媒性ポリマー類、および充填剤、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0326】
一実施形態では、少なくとも1つの崩壊剤が添加され、少なくとも1つの崩壊剤は、セルロース類およびセルロース誘導体、架橋型ポリアクリル酸塩類、架橋型ポリビニルピロリドン、大豆多糖類、アルギン酸塩類、ケイ酸アルミニウムおよびこの誘導体、および親水性シリカ類、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0327】
一実施形態では、組成物は、好ましくは液体である有機不活性相を含み、好ましくは、nが3~9、好ましくは3~7の範囲である化学式CionH[(20n)+2]のポリデセン類が形成する基、および脂肪アルコールエステル類または脂肪酸エステル類、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0328】
過硫酸塩
一実施形態では、組成物は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウム、ならびにこれらの混合物から選択される1つまたは複数の過硫酸塩を含む。
【0329】
組成物中の過硫酸塩濃度は一般に、組成物の総質量に対して、10質量%~80質量%、好ましくは20質量%~70質量%、さらに好ましくは40質量%~65質量%である。
【0330】
アルカリ剤
1つまたは複数のアルカリ剤は、例えば、水溶性ケイ酸塩類(アルカリ金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩類など)、二塩基性もしくは三塩基性のリン酸アンモニウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、二塩基性もしくは三塩基性のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のリン酸塩類、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩類、およびこれらの混合物から選択することができ、アルカリ金属またはアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウムなどである。好ましくは、1つまたは複数のアルカリ剤は、水溶性ケイ酸塩類、およびこれらの混合物から選ばれ、水溶性ケイ酸塩類は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩類、二塩基性または三塩基性のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩類、およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩類などである。
【0331】
「水溶性ケイ酸塩」という用語は、水への溶解度が、25℃で0.5%超、好ましくは1%超であるケイ酸塩を意味すると理解されよう。これらの水溶性ケイ酸塩類は、ケイ酸アルミニウムおよびこの誘導体、特に粘土(水に非溶な天然起源または合成起源の混合ケイ酸塩類)とは異なる。
【0332】
アルカリ剤が組成物中に存在するとき、アルカリ剤の濃度は、一般に、組成物の総質量に対して、0.1質量%~40質量%、好ましくは0.5質量%~30質量%、さらに好ましくは1質量%~25質量%の範囲である。
【0333】
過酸化水素発生剤
過酸化水素発生剤は、過酸化水素を放出することができる高分子錯体、特に粉末状のポリビニルピロリドン/H2O2、および文献US 5,008,093;US 3,376,110;US 5,183,901に記載されている他の高分子錯体を含んでもよい。しかし、過酸化尿素、およびアルカリ金属、アルカリ土類金属または過ホウ酸アンモニウムおよび過炭酸塩類、特に過炭酸ナトリウムなどの過炭酸塩類、およびこれらの混合物に限定されない。
【0334】
過酸化尿素およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過炭酸塩類、特に過炭酸ナトリウムから選択される過酸化水素発生剤が好ましく用いられる。
【0335】
アルカリ金属、アルカリ土類金属または過硫酸アンモニウムは、これらの過硫酸塩類を用いた酸化還元機構では過酸化水素の放出がないため、これらの前駆体には含まれないことに留意されたい。
【0336】
1つまたは複数の過酸化水素発生剤は、組成物の総質量に対して、1質量%~40質量%、好ましくは5質量%~30質量%、さらに好ましくは10質量%~20質量%を示してもよい。
【0337】
レオロジー改質剤
一実施形態によれば、ブリーチ組成物は、少なくとも1つのレオロジー改質剤を含み、レオロジー改質剤は、親水性増粘剤、少なくとも1つの疎水性鎖を含む両親媒性ポリマー類、および充填剤、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0338】
1つまたは複数のレオロジー改質剤は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の含有量で存在することができる。
【0339】
使用してもよい親水性の増粘剤、すなわちC6-C30炭化水素系脂肪鎖を含まない増粘剤の例として、特に以下のものを挙げることができる:
以下のような天然起源の増粘ポリマー類
【0340】
a)アルギン酸塩類(例えばアルギン酸およびアルギン酸ナトリウム)、カラギーナン類および寒天などの藻類抽出物、ならびにこれらの混合物。挙げることができるカラギーナン類の例は、Degussa社のSatiagum UTC30(登録商標)およびUTC10(登録商標)を含む;挙げることができるアルギン酸塩の例としては、ISP社によってKelcosol(登録商標)という名称のもと販売されているアルギン酸ナトリウムがある;
【0341】
b)以下のガム類。キサンタンガム、グアーガムおよびこの非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)、アラビアガム、コンニャクガムまたはマンナンガム、トラガカントガム、ガティガム、カラヤガムまたはローカストビーンガム;寒天ガム、およびスクレログルカンガム、ならびにこれらの混合物など;
【0342】
c)デンプン類、好ましくは変性デンプン類、例えば、小麦、トウモロコシまたは米などの穀類、イエローピーなどの豆類、ジャガイモまたはキャッサバなどの塊茎類、およびタピオカデンプン類などに由来する変性デンプン;カルボキシメチルデンプン。挙げられるデンプンの例は、Staley社によって販売されているコーンスターチStarx15003;Roquette社によってLycatab PGSの名称のもと販売されているアルファ化デンプン;Roquette社によってExplotabの名称のもと販売されているカルボキシメチルデンプンナトリウム;を含む。
【0343】
d)トウモロコシから抽出したデキストリンなどのデキストリン類;
e)微晶質セルロース、アモルファスセルロース、およびセルロース誘導体などのセルロース類、特にヒドロキシ(Ci-C6)アルキルセルロースおよびカルボキシ(Ci-C6)アルキルセルロース(特にはこれらは架橋されている);特にメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。例として、FMC Biopolymers社によってAvicel PH 100またはPH102の名称のもと販売されている微晶質セルロースを挙げることができる。
f)ペクチン類;
g)キトサンおよびこの誘導体;
h)デンプンおよびセルロース誘導体以外のアニオン性多糖類、特にバイオテクノロジー起源のもの。Solabia社からGlycofilm 1.5Pの名称のもと販売されているINCI名Biosaccharide Gum-4を有する製品のような、L-フコース、D-グルコースおよびグルクロン酸からなる4糖類を繰り返し単位として有するアニオン性多糖類など;
i)大豆多糖類、
およびこれらの混合物;
【0344】
架橋型または非架橋型ポリビニルピロリドンのような合成ポリマー類、例えば架橋型ポリビニルピロリドン(例えば、BASF社が販売しているKollindon CL)、アクリル酸ポリマー類およびこの塩、例えば、架橋型ポリアクリル酸(Rohm and Haas社が販売しているAcusol 772の名称のもと販売している製品)、ポリアクリルアミド類、架橋型または非架橋型ポリ(2-アクリルアミドプロパンスルホン酸)ポリマー(特にホモポリマー)、例えば、非架橋型ポリ(2-アクリルアミドプロパンスルホン酸)(Seppic社のSimugel(登録商標)EG)、アンモニア水で遊離または部分的に中和した架橋型ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(Clariant社のHostacerin(登録商標)AMPS)、特許US 4,540,510に記載されているような、非架橋型ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)とヒドロキシアルキルセルロースエーテル類またはポリ(エチレンオキシド)との混合物;好ましくは架橋されたポリ(メタ)アクリルアミド(C1-C4アルキル)スルホン酸と、無水マレイン酸および(C1~C6)アルキルビニルエーテルの架橋型コポリマーとの混合物(ISF社のStabileze QM)。
【0345】
親水性増粘剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、さらに好ましくは0.1質量%~10質量%とすることができる。
【0346】
組成物は、少なくとも1つの疎水性鎖を有する少なくとも1つの両親媒性ポリマーを含んでいてもよい。
【0347】
とりわけ、両親媒性ポリマー類が存在する場合、これらの両親媒性ポリマー類は、非イオン性型、アニオン性型、カチオン性型または両性型である。好ましくは、非イオン性、アニオン性またはカチオン性のものである。
【0348】
前記両親媒性ポリマー類は、とりわけ、疎水性鎖として、飽和または不飽和であって、芳香族または非芳香族であって、直鎖状または分岐状であるC6-C30炭化水素系の脂肪鎖を含む。炭化水素系脂肪鎖は、任意選択で1つまたは複数のオキシアルキレン(オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレン)単位に結合している。
【0349】
疎水性鎖を含むカチオン性両親媒性ポリマーの中には、カチオン性ポリウレタン類またはビニルラクタム、特にビニルピロリドン単位を含むカチオン性コポリマー類がある。
【0350】
さらにより好ましくは、疎水性鎖を含む両親媒性ポリマー類は、非イオン性またはアニオン性のものである。
【0351】
挙げることができる疎水性鎖非イオン性両親媒性ポリマー類の例は、とりわけ以下を含む。疎水性鎖を有するセルロース類(Aqualon社のNatrosol Plus Grade 330 CS(登録商標);Berol Nobel社のBermocoll EHM 100(登録商標);Amerchol社のAmercell Polymer HM-1500(登録商標));1つまたは複数の疎水基で変性したヒドロキシプロピルグアー類(Rhodia Chimie社のJaguar XC-95/3(登録商標)、RE210-18、RE205-1; Lamberti社のEsaflor HM 22);ビニルピロリドンおよび疎水性鎖モノマーとのコポリマー(ISP社のAntaron(登録商標)およびGanex(登録商標)シリーズの一部製品);C1~C6アルキル(メタ)アクリル酸と疎水性鎖を持つ両親媒性モノマーとのコポリマー;親水性(メタ)アクリル酸および少なくとも1つの疎水性鎖を含むモノマーとのコポリマー(メタクリル酸ポリエチレングリコール/メタクリル酸ラウリルコポリマー);少なくとも1つの脂肪鎖を含むアミノプラストエーテル骨格を持つポリマー(Sud-Chemie社のPure Thix(登録商標));少なくとも1つの親水性ブロックおよび少なくとも1つの疎水性ブロックを鎖に含む、直鎖型(ブロック構造)、グラフト型または星型のポリエーテルポリウレタン(G. Fonnum、J. BakkeおよびFk. Hansenによる論文、Colloid Polym. Sci 271、380~389項(1993年)に記載されている;特に、以下を含む少なくとも3つの化合物の重縮合によって得ることができるポリエーテルポリウレタン。(i)150~180molのエチレンオキシドを含む少なくとも1つのポリエチレングリコール、(ii)100molのエチレンオキシドを含むポリオキシエチレ化ステアリルアルコール、および(iii)ジイソシアネート(特にElementis社からRheolate FX 1 100(登録商標)の名称のもと販売されている、136molのエチレンオキシドを含むポリエチレングリコールの重縮合物、100molのエチレンオキシドを含むポリオキシエチレン化ステアリルアルコールの重縮合物、および30,000の質量平均分子量を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の重縮合物(INCI名:PEG-136/Steareth-100/SMDI Copolymer))。また、Rheox社のRheolate(登録商標)205、208、204または212;Akzo社のElfacos(登録商標)T210、T212も挙げられる。)
【0352】
使用できる少なくとも1つの疎水性鎖を有するアニオン性両親媒性ポリマー類の例としては、1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマー類に由来する、少なくとも1つの親水性単位を含む、架橋型または非架橋型ポリマー類を挙げることができ、1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマー類は、遊離しているまたは一部もしくは全部が中和されているカルボン酸官能基と、疎水性側鎖を有する1つまたは複数のエチレン性不飽和モノマーに由来する少なくとも1つの疎水性単位と、任意選択で、1つまたは複数の多価不飽和モノマーに由来する少なくとも1つの架橋単位とを有する。
【0353】
特に、US 3,915,921およびUS 4,509,949に記載されているような、架橋型または非架橋型の、(メタ)アクリル酸およびC10-C30アルキル(メタ)アクリル酸類のコポリマー類、またはEP 216 479に記載されているような、(メタ)アクリル酸および脂肪アルコールアリルエーテル類のコポリマー類を挙げることができる。
【0354】
さらに、Goodrich社の製品Carbopol ETD-2020(登録商標)および1382(登録商標)、Pemulen TR1(登録商標)およびTR2(登録商標);メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化メタクリル酸ステアリルコポリマー(55/35/10);(メタ)アクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化メタクリル酸ベヘニル25EOコポリマー;メタクリル酸/アクリル酸エチル/ステアレス-10アリルエーテル架橋型コポリマーなどが使用に適したポリマー類である。
【0355】
これらの両親媒性ポリマー類が存在する場合、これらの含有量は、組成物の質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%を表す。
【0356】
「充填剤」とは、組成物が製造される際の温度がどのようであっても、組成物の媒体中で不溶性である固体粒子を意味すると理解されたい。
【0357】
充填剤は、無色および無機物または有機物であってよく、任意の物理的形状(板状、球状または縦長状)および任意の結晶学的形状(例えば、シート状、立方体状、六方晶状、斜方晶状など)であってもよい。充填剤は多孔質でも非多孔質でもよい。
【0358】
挙げられる充填剤としては、疎水性または親水性シリカ類、上記以外の粘土、セラミックビーズ、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムおよびこれらの誘導体、特に粘度(天然または合成起源の混合ケイ酸塩類など)、特にケイ酸アルミニウムマグネシウム(特に水和しているもの)、天然水和ケイ酸アルミニウム(ベントナイトまたはカオリン、タルクなど)などの無機充填剤、ナイロン、イソブタンを含む塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタクリロニトリルのコポリマーに基づくミクロスフェア、および、Expancel社がExpancel 551 DE(登録商標)の名称のもと販売しているもの、微細化植物粉末(Lessonia社のフルーツ粉末など)もしくは非微細化植物粉末、または代わりに米粒の籾殻粉末などの有機充填剤、ならびにこれらの混合物を含む。
【0359】
シリカ類の中では、特に親水性のフュームドシリカ類(特にDegussa Huls社のAerosil(登録商標)90、130、150、200、300および380)を挙げることができる。
【0360】
また、上述のレオロジー改質剤のいくつかは、ブリーチ組成物の使用中に、圧縮された状態のブリーチ組成物の崩壊を助ける役割も果たすことができる。
【0361】
したがって、特定の一実施形態では、組成物は少なくとも1つの崩壊剤を含む。崩壊剤は、セルロース類、特に微晶質セルロース、およびセルロース誘導体、架橋型ポリアクリル酸塩類、架橋型ポリビニルピロリドン、大豆多糖類、アルギン酸塩類、ケイ酸アルミニウムおよびこの誘導体、ならびにシリカ類、特に親水性シリカ類、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0362】
界面活性剤
組成物は、有利には少なくとも1つの界面活性剤を含むことができる。
【0363】
1つまたは複数の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤から、特にアニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤から、単独または混合物として無差別に選択することができる。
【0364】
非イオン性界面活性剤の中では、アルコール類、α-ジオール類およびアルキルフェノール類が挙げられ、これらの化合物はそれぞれポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化されており、少なくとも1つの炭化水素系鎖を含み、例えば、8~30個の炭素原子、好ましくは8~18個の炭素原子を含み、エチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基の数は、特に2~200個の範囲である。
【0365】
また、挙げることができるエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマーは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと脂肪アルコールの縮合物;好ましくは2~30molのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪アミド類;2~30molのエチレンオキシドを含むソルビタンのオキシエチレン化脂肪酸エステル類;スクロースの脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル類、アルキルポリグリコシド類、N-アルキルグルカミン誘導体である。
【0366】
有機不活性相
組成物は、少なくとも1つの有機不活性相を含んでいてもよい。
【0367】
「不活性」という用語は、過硫酸塩の急速な破壊を引き起こさないこと、すなわち、周囲温度で、24時間以内に50%を超えて過硫酸塩レベルの減少を引き起こさないことを意味すると理解されよう。好ましくは、有機不活性相は、1つまたは複数の脂肪物質からなる脂肪相である。
【0368】
「脂肪物質」という用語は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg)で水に不溶な有機化合物(溶解度が5%未満、好ましくは1%未満、さらに好ましくは0.1%未満)を意味すると理解されよう。
【0369】
脂肪物質は、この構造中に、少なくとも6個の炭素原子を含む少なくとも1つの炭化水素系鎖または少なくとも2つのシロキサン基の配列を有する。さらに、脂肪物質は、同じ温度および圧力条件下で有機溶剤に一般的に可溶である(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、エタノール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、液体ワセリンまたはデカメチルシクロペンタシロキサン)。脂肪物質は、どの塩化カルボン酸基も含まない。
【0370】
特に、脂肪物質はまた、(ポリ)オキシアルキレン化エーテル類または(ポリ)グリセロール化エーテル類ではない。
【0371】
好ましくは、組成物は、脂肪性物質としての油を含む液体有機不活性相(液体脂肪相)を有する。本開示の目的において、「液相」という用語は、任意の相を意味すると理解されよう。任意の相は、周囲温度、一般的には15℃から40℃の間の温度、および大気圧で、自重の作用のもと、流動可能である。
【0372】
有機不活性液相は、特に、化学式C10nH(20n)+2のポリデセン類(nは3~9、好ましくは3~7の範囲)、液体脂肪アルコール類、脂肪アルコール類または脂肪酸類のエステル類、糖エステル類またはC12-C24脂肪酸のジエステル類、環状エーテル類または環状エステル類、シリコーンオイル、鉱物油または植物油、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0373】
化学式C10nH(20n)+2(nは3~9の範囲)の化合物は、米国化粧品工業会(The Cosmetic Toiletry and Fragrance Association)のCTFA辞書(第7版、1997年)の「polydecene」という名称に対応しており、また、米国および欧州では同じINCI名に対応している。これはポリ-1-デセンの水素化生成物である。
【0374】
これらの化合物の中では、化学式中のnが3~7の範囲にあるものが好ましい。
【0375】
挙げることができる例は、Amoco Chemical社がSilkflo(登録商標)366 NF Polydeceneの名称のもと販売している製品、ならびにFortum社がNexbase(登録商標)2002 FG、2004 FG、2006 FGおよび2008 FGの名称のもと販売している製品を含む。
【0376】
脂肪アルコール類または脂肪酸類のエステル類に関しては、以下の例が挙げられる。
【0377】
飽和した、直鎖状または分岐状のC3-C6低級モノアルコール類と単官能基のC12-C24脂肪酸類とのエステル類。この脂肪酸類は直鎖状または分岐状であって、飽和または不飽和である可能性があり、特にオレイン酸塩類、ラウリン酸塩類、パルミチン酸塩類、ミリスチン酸塩類、ベヘニン酸塩類、ココエート類、ステアリン酸塩類、リノール酸塩類、リノレン酸塩類、カプリン酸塩類およびアラキドン酸塩類、またはこれらの混合物の中から選ばれ、特には、オレオ-パルミチン酸塩類、オレオ-ステアリン酸塩類およびパルミト-ステアリン酸塩類から選択される。これらのエステル類の中でも、とりわけ、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルおよびステアリン酸オクチルドデシルを使用することが好ましい。
【0378】
直鎖状または分岐状のC3-C8モノアルコール類と二官能性のC8-C24脂肪酸類とのエステル類。この脂肪酸類は直鎖状または分岐状であって、飽和または不飽和である可能性があり、例えば、セバシン酸のイソプロピルジエステル(セバシン酸ジイソプロピルとしても知られている)である。
直鎖状または分岐状のC3-C8モノアルコール類と二官能性C2-C8脂肪酸類とのエステル類。この脂肪酸類は直鎖状または分岐状であって、飽和または不飽和である可能性があり、例えばアジピン酸ジオクチルおよびマレイン酸ジカプリリルである。
三官能性の酸のエステル、例えばクエン酸トリエチル。
【0379】
C12-C24脂肪酸の糖エステル類およびジエステル類に関して、「糖」という用語は、アルデヒド官能基またはケトン官能基を持つ、または持たない、いくつかのアルコール官能基を含む化合物を意味すると理解され、少なくとも4つの炭素原子を含む。この糖類は、単糖類、オリゴ糖類または多糖類であることができる。
【0380】
使用可能な糖類として、挙げることができる例は、スクロース(またはサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、ならびにこれらの誘導体、特にメチル誘導体などのアルキル誘導体(例えばメチルグルコース)を含む。
【0381】
使用可能な糖および脂肪酸のエステル類は、特に、上述の糖のエステル類と直鎖状または分岐状であって飽和もしくは不飽和のC12-C24脂肪酸のエステル類またはこれらの混合を含む基から選択することができる。
【0382】
エステル類は、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルおよびポリエステル、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0383】
これらのエステル類は、例えば、オレイン酸塩類、ラウリン酸塩類、パルミチン酸塩類、ミリスチン酸塩類、ベヘン酸塩類、ココエート類、ステアリン酸塩類、リノール酸塩類、リノレン酸塩類、カプリン酸塩類およびアラキドン酸塩類、またはこれらの混合物(特にオレオ-パルミチン酸塩、オレオ-ステアリン酸塩およびパルミト-ステアリン酸混合エステル類)から選択することができる。
【0384】
とりわけ、モノエステル類およびジエステル類、特にスクロース、グルコースまたはメチル-グルコースのモノオレイン酸塩類またはジオレイン酸塩類、ステアリン酸塩類、ベヘン酸塩類、オレオパルミチン酸塩類、リノール酸塩類、リノレン酸塩類およびオレオ-ステアリン酸塩類を使用することがより好ましい。
【0385】
例として挙げられるのは、AmercholからGlucate(登録商標)DOの名称のもと販売されている製品であり、これは、メチルグルコースジオレイン酸である。
【0386】
また、糖のエステル類と脂肪酸とのエステル類またはこの混合物の例としては、以下のものが挙げられる。
【0387】
-Crodesta社からF160、F140、F110、F90、F70およびSL40という名称のもと販売されている製品は、それぞれスクロースパルミトステアリン酸塩類を示しており、モノエステル73%およびジエステルとトリエステル27%、モノエステル61%およびジエステルとトリエステルとテトラエステル39%、モノエステル52%およびジエステルとトリエステルとテトラエステル48%、モノエステル45%およびジエステルとトリエステルとテトラエステル55%、モノエステル39%およびジエステルとトリエステルとテトラエステル61%、ならびにスクロースモノラウリン酸で形成される;
【0388】
-リョートーシュガーエステルという名称のもと販売されている製品、例えば、B370を参照すると、モノエステル20%およびジエステルとトリエステルとポリエステル80%で形成されるスクロースベヘン酸に対応する;
【0389】
-Goldschmidt社がTegosoft(登録商標)PSEの名称のもと販売するスクロースモノジパルミトステアリン酸。
【0390】
環状エーテル類および環状エステル類に関しては、γ-ブチロラクトン、ジメチルイソソルビドおよびジイソプロピルイソソルビドが特に適している。
【0391】
また、不活性有機液相としてシリコーンオイルを使用してもよい。
【0392】
より具体的には、適当なシリコーンオイルは、液体であり、25℃での粘度が10000mPa.s以下の不揮発性シリコーン流体である(シリコーンの粘度はASTM規格445付録Cに従って計測される)。
【0393】
シリコーンオイルは、Walter Noll著「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年、Academic Press出版)に、より詳しく定義されている。
【0394】
使用可能なシリコーンオイルの中では、Dow Corning社からDC-200 Fluid - 5 mPa.s、DC-200 Fluid - 20 mPa.s、DC-200 Fluid - 350 mPa.s、DC-200 Fluid -1000 mPa.sおよびDC-200 Fluid - 10 000 mPa.sの名称のもと販売されているシリコーンオイルを特に挙げることができる。また、鉱物油は、不活性有機液相(例えば流動パラフィン)としても使用することができる。
【0395】
また、植物油の使用も適しており、特にアボカドオイル、オリーブオイルまたは液体ホホバワックスなどが適している。
【0396】
好ましくは、不活性有機液相は、化学式C10nH(20n)+2(nは3~9、好ましくは3~7の範囲)のポリデセン、および脂肪アルコール類または脂肪酸類のエステル類、ならびにこれらの混合で形成される基から選択される。特定の一実施形態によれば、好ましくは液体である有機不活性相の含有量は、組成物nの質量に対して、0.1質量%~30質量%、好ましくは0.5質量%~20質量%、さらにより好ましくは1質量%~10質量%の範囲である。
【0397】
一実施形態では、組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満の含水量を有するとき、組成物は無水である。一実施形態では、組成物は水を含まない。
【0398】
また、組成物は、従来化粧品に使用されている様々な添加剤を含んでいてもよく、これらの添加剤は、組成物の第1層および/または第2層に存在していてもよい。
【0399】
したがって、組成物は、潤滑剤(例えばポリオールステアリン酸塩類またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のステアリン酸塩類)、顔料、着色料、添加剤(尿素、塩化アンモニウム)、酸化防止剤、浸透剤、EDTAまたはEDDSなどの捕捉剤、緩衝剤、分散剤、フィルム形成剤、防腐剤、乳白剤、ビタミン、香料、すでに述べたレオロジー改質剤以外のアニオン性、非イオン性、両性または双性イオン性のポリマー、コンディショニング剤、例えばカチオン性ポリマー、セラミドおよびアミノシリコーンを含んでもよい。
【0400】
特に、組成物は、以下に詳述する酸化染料前駆体、直接染料またはこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含んでいてもよい。着色剤は、第1層および/または第2の層に存在してもよい。
【0401】
酸化染料前駆体は、一般的に酸化ベース、カプラー、およびこれらの混合物から選択される。
【0402】
例として、酸化ベースは、パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類、ヘテロ環式ベース(例えばピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体)、ならびにこれらの付加塩から選択される。
【0403】
組成物は、任意選択で1つまたは複数のカプラーを含んでいてもよい。
【0404】
特に、これらのカプラーの中では、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系カプラー、ヘテロ環式カプラー、およびこれらの付加塩を挙げることができる。
【0405】
一般的に、使用可能な酸化ベースおよびカプラーの付加塩は、塩酸塩類、臭化水素酸塩類、硫酸塩類、クエン酸塩類、スクシナート類、酒石酸塩類、乳酸塩類、トシル酸塩類、ベンゼンスルホン酸塩類、リン酸塩類および酢酸塩類などの酸との付加塩から選択される。
【0406】
一実施形態によれば、組成物は、第1および第2の層の他に、錠剤の崩壊を促進することを目的とした分解剤、上述のアルカリ剤、および化粧品活性剤、ならびにこれらの混合物を含む少なくとも1つの層を含んでもよい。特に挙げることができる分解剤は、セルロース類およびセルロース誘導体、特にヒドロキシアルキルセルロース類、両親媒性ポリウレタン類、架橋型ポリアクリル酸塩類、架橋型ポリビニルピロリドン、グアーガムなどのガム類、大豆多糖類、アルギン酸塩類、ケイ酸アルミニウムおよびこの誘導体ならびにシリカ類、特に親水性シリカ類、ならびにこれらの混合物を含む。
【0407】
また、本開示は、ケラチン繊維をブリーチする過程にも関連しており、圧縮形態のブリーチ組成物をケラチン繊維に適用することに存する。このブリーチ組成物は、水性組成物の存在下で、少なくとも1つの過硫酸塩を含む少なくとも1つの第1の層および少なくとも1つの過酸化水素発生剤を含む少なくとも1つの第2の層を有する。
【0408】
圧縮形態の組成物は一般的に、まさに使用時、すなわちケラチン繊維に塗布する直前に水性組成物に添加される。圧縮形態のブリーチ組成物を溶解する工程は、数秒から数分かかることがあり、撹拌し、または撹拌せずに行ってもよい。
【0409】
水性組成物に適した媒体は、一般的に、水、または水と少なくとも1つの有機溶剤との混合物からなり、十分に水溶性でない化合物を溶解させることができる。挙げることができる有機溶剤の例としては、Ci-C4低級アルカノール類(エタノールおよびイソプロパノールなど);ポリオール類(プロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールなど)およびポリオールエーテル類(例えば、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル)、さらに芳香族アルコール類(例えば、ベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール)、これらの類似品および混合物などを含む。
【0410】
溶剤は、水性組成物の総質量に対して、およそ、好ましくは1質量%~40質量%、より好ましくは5質量%~30質量%の割合で存在することができる。
【0411】
好ましくは、水性組成物は水で構成されている。
【0412】
水性組成物は、圧縮形態の組成物の希釈を良好にさせるのに適した任意の形態であってよく、好ましくは液状である。
【0413】
また、組成物は、先に述べたような、従来化粧品に使用されている様々な添加剤を含んでいてもよい。
【0414】
また、炭酸マグネシウムまたは酸化物などの酸素の放出を制御する薬剤を含んでいてもよい。
【0415】
先に定義した添加剤および酸素放出制御剤は、これらそれぞれについて、水性組成物の総質量に対して0.01質量%~40質量%、好ましくは0.1質量%~30質量%の量で存在していてもよい。
【0416】
顕色剤
一実施形態では、顕色剤は、以下の少なくとも1つ、2つ以上、またはすべてを含む:水、鉱物油、過酸化水素、セテアリルアルコール、ステアレス-20、PEG-4アブラナ種子油脂肪酸アミド、グリセリン、ポリクオタニウム-6、塩化ヘキサジメトリン、トコフェロールペンテト酸五ナトリウム、スズ酸ナトリウムピロリン酸四ナトリウム、およびリン酸。
【0417】
参照により本明細書に組み込まれるUS20120325244は、パッケージ100のチャンバ102、104の一方もしくは両方で、またはパッケージ200で使用可能な顕色剤組成物を教示している。
【0418】
顕色剤組成物は、粉末、ゲル、液体、泡、ローション、クリーム、ムースおよびエマルジョンの形態とできる。
【0419】
特定の一実施形態では、顕色剤組成物は水性であるか、またはエマルジョンの形態である。
【0420】
別の実施形態では、顕色剤組成物は実質的に無水である。「実質的に無水」という用語は、顕色剤組成物が完全に水を含まないか、または認識できる量の水を含まないことを意味し、例えば、顕色剤組成物の質量を基にして、5質量%以下、または2質量%以下、または1質量%以下である。これは、例えば、塩の晶析の水または本開示に係る組成物の調製に使用された原材料に吸収された水の痕跡などの結合水に関連することに留意されたい。
【0421】
顕色剤組成物は、水、有機溶剤、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの溶剤を含むことができる。
【0422】
顕色剤組成物が実質的に無水であるとき、顕色剤組成物は、有機溶剤から選択される少なくとも1つの溶剤を含んでいてもよい。顕色剤組成物に使用するのに適した有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、グリコール類およびグリコールエーテル類、直鎖状炭化水素などの炭化水素類、鉱物油、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、ポリデセン、スクワラン、ペトロラタム、イソパラフィン、ならびにこれらの混合物などがある。グリコール類およびグリコールエーテル類としては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールおよびそのエーテル類、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールアルキルエーテル類(ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびモノブチルエーテルなど)などがある。
【0423】
少なくとも1つの溶剤は、例えば、顕色剤組成物の総質量に対して、約0.5質量%~約70質量%、約2質量%~約60質量%など、好ましくは約5質量%~約50質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0424】
顕色剤組成物のpHは、2~12(6~11など)の範囲とすることができ、当技術分野でよく知られている酸性化剤/アルカリ化剤を用いて所望の値に調整することができる。
【0425】
参照により本明細書に組み込まれるUS20110209720は、パッケージ100のチャンバ102、104の一方もしくは両方で、またはパッケージ200で使用可能な顕色剤組成物を教示している。
【0426】
一実施形態では、顕色剤は、少なくとも1つの酸化剤を含む無水酸化剤組成物の組み合わせから形成される。
【0427】
無水酸化剤組成物中の少なくとも1つの酸化剤は、過硫酸塩類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、これらの塩、およびこれらの混合物から選択される。
【0428】
好ましい過硫酸塩類は、モノ過硫酸塩類、この塩、およびこれらの混合物であり、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムおよびこれらの混合物などがある。
【0429】
好ましい酸化剤は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物である。
【0430】
「無水」という用語は、酸化剤組成物が完全に水を含まない、または認識できる量の水を含まないことを意味し、無水酸化剤組成物の総質量に基づいて、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
【0431】
特に好ましい実施形態によれば、無水酸化剤組成物は完全に無水であり、すなわち水を一切含まない。
【0432】
無水酸化剤組成物は、有機溶剤、界面活性剤、シリコーン、およびこれらの混合物を含むことができる。
【0433】
適した有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、グリコール類およびグリコールエーテル類、直鎖状炭化水素類などの炭化水素類、鉱物油、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、ポリデセン、スクワラン、ペトロラタム、イソパラフィン、ならびにこれらの混合物などがある。グリコール類およびグリコールエーテル類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールおよびプロピレングリコールエーテル類などがあり、プロピレングリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールアルキルエーテル類(ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびモノブチルエーテルなど)などがある。
【0434】
少なくとも1つの有機溶剤は、例えば、無水酸化剤組成物の総質量に対して、0.5質量%~70質量%、2質量%~60質量%など、好ましくは5質量%~50質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0435】
無水酸化剤組成物は、粉末、ゲル、液体、泡、ローション、クリーム、ムースおよびエマルジョンの形態となることができる。
【0436】
一実施形態では、酸化剤組成物は粉末状である。
【0437】
一実施形態では、酸化剤組成物は、ゲルの形態である。
【0438】
適した界面活性剤としては以下のものを含む:
(i)例えば、以下の化合物の塩類(アルカリ塩類、例えばナトリウム塩類、アンモニウム塩類、アミン塩類、アミノアルコール塩類、およびマグネシウム塩類など)などのアニオン性界面活性剤:アルキル硫酸塩類、アルキルエーテル硫酸塩類、アルキルアミドエーテル硫酸塩類、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩類、モノグリセリド硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、アルキルアミドスルホン酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、.α.-オレフィンスルホン酸塩類、パラフィンスルホン酸塩類、アルキルスルホスクシナート類、アルキルエーテルスルホスクシナート類、アルキルアミドスルホスクシナート類、アルキルスルホスクシナメート類、アルキルスルホ酢酸塩類、アルキルエーテルリン酸塩類、アシルサルコシン酸塩類、アシルイセチオネート類、およびN-アシルタウレート類。これらの様々な化合物のすべてのアルキルラジカルまたはアシルラジカルは、12~20個の炭素原子を有していてもよく、アリールラジカルは、フェニル基およびベンジル基から選択されてもよい。使用できる少なくとも1つのアニオン性界面活性剤の中ではまた、オレイン酸類、リシノール酸類、パルミチン酸類、およびステアリン酸類の塩類などの脂肪酸塩類;ヤシ油酸;水添ヤシ油酸;ならびにアシルラジカルが8~20個の炭素原子を含むアシルラクチレート類を挙げることができる。また、アルキル-D-ガラクトシデュロン酸類およびこの塩類、ならびにポリオキシアルキレン化カルボキシエーテル酸類およびこの塩類(エチレンオキシド基を2~50個含むものなど)などの少なくとも1種の弱アニオン性界面活性剤を使用してもよい。ポリオキシアルキレン化カルボキシエーテル酸またはこの塩型のアニオン性界面活性剤は、例えば、下記の化学式(1)に対応するものであってもよい。
R1-OC2H4)n-OCH2COOA (1)
【0439】
化学式(1)において、
R1は、アルキル基、アルキルアミド基、およびアルカリル基から選択され、nは、2~24、3~10などの範囲であってもよい整数および10進数(平均値)から選択される。アルキルラジカルは、およそ6~20個の炭素原子を有し、アリールラジカルはフェニルであってもよい。
【0440】
Aは、水素、アンモニウム、Na、K、Li、Mg、モノエタノールアミン、およびトリエタノールアミン残基から選択される。また、化学式(1)の化合物の混合物も使用することができ、例えば、基R1が異なる混合物がある。
【0441】
(ii)非イオン性界面活性剤:
少なくとも1つの非イオン性界面活性剤は、(非限定的なリストとして)ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、およびポリグリセロール化脂肪アルコール類;ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、およびポリグリセロール化脂肪性.α.ジオール類;ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、およびポリグリセロール化脂肪族アルキルフェノール類;ならびにポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、およびポリグリセロール化脂肪酸類から選択してもよい。いずれも、例えば8~18個の炭素原子を含む脂肪鎖を有し、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基の数は例えば2~50個、グリセロール基の数は例えば2~30個の範囲であることが可能である。また、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー類;脂肪アルコール類とのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの縮合物;ポリエトキシル化脂肪アミド類、例えば、2~30molのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪アミド類;平均して1~5、1.5~4などのグリセロール基を有するポリグリセロール化脂肪アミド類;2~30molのエチレンオキシドを有するソルビタンのオキシエチレン化脂肪酸エステル類;スクロースの脂肪酸エステル類;ポリエチレングリコールアルキルポリグリコシドの脂肪酸エステル類;N-アルキルグルカミン誘導体;(C10-C14)アルキルアミノオキシドなどのアミンオキシド類;およびN-アシルアミノプロピルモルホリンオキシド類を挙げることができる。また、本開示の文脈で適している非イオン性界面活性剤として、アルキルポリグリコシド類を挙げることができる。
【0442】
(iii)両性または双性イオン性界面活性剤:
少なくとも1つの両性または双性イオン性界面活性剤は、例えば(非限定的なリストとして)、脂肪族2級および3級アミン誘導体であることができる。この脂肪族ラジカルは8~18個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状鎖であり、少なくとも1つの水溶性アニオン性基(例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基およびホスホン酸基)を含む;また、(C8-C20)アルキルベタイン類、スルホベタイン類、(C8-C20)アルキルアミド(C1-C6)アルキルベタイン類、(C8-C20)アルキルアミド(C1-C6)アルキルスルホベタイン類なども挙げられる。
【0443】
アミン誘導体の中では、CTFA辞書、第3版、1982年にAmphocarboxyglycinatesおよびAmphocarboxypropionatesの名称のもと分類されているMiranolの名称のもと販売されている製品が挙げられ、それぞれの好ましい構造(2)および(3)に対応している。
R2-CONHCH2CH2-N+(R3)(R4)(CH2COO- (2)
構造(2)において:
【0444】
R2は加水分解ヤシ油中に存在する酸R2-COOHのアルキルラジカル、ヘプチルラジカル、ノニルラジカル、およびウンデシルラジカルから選ばれ、R3はβ-ヒドロキシエチル基を示し、R4はカルボキシメチル基を示す;
ならびにR2'-CONHCH2CH2-N(B)(D) (3)
構造(3)において:
【0445】
Bは-CH2CH2OX'を表し、Dは-(CH2)z-Y'を表し、ここでzは1および2から選択される。
X'は、-CH2CH2-COOHおよび水素から選択される。
Y'は-COOHおよび-CH2-CHOH-SO3Hから選択される。
【0446】
R2'は、ヤシ油または加水分解アマニ油中に存在する酸R2-COOHのアルキルラジカルなどのアルキルラジカル;C7、C9、C11、C13アルキルラジカル、C17アルキルラジカルおよびこのイソ体;ならびに不飽和C17ラジカルから選択される。
【0447】
(iv)カチオン性界面活性剤:
少なくとも1つのカチオン性界面活性剤は、例えば、以下から選択することができる。任意選択のポリオキシアルキレン化、1級、2級および3級脂肪族アミン類の塩類;テトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムおよびアルキルピリジニウムクロリドなどの4級アンモニウム塩類ならびに臭化物;イミダゾリン誘導体;ならびにカチオン性アミンオキシド類。
【0448】
一実施形態では、顕色剤組成物は、顕色剤組成物の総質量に基づいて、1質量%~80質量%、好ましくは5質量%~75質量%、より好ましくは6質量%~20質量%、さらにより好ましくは6質量%~10質量%の範囲の量の少なくとも1つの酸化剤を含む。
【0449】
添加剤
参照により本明細書に組み込まれるUS 20120325244は、パッケージ100のチャンバ102、104の一方または両方で、またはパッケージ200で使用可能な添加剤を教示している。
【0450】
使用可能な添加剤の例としては、界面活性剤、酸化防止剤または還元剤、浸透剤、捕捉剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショナーなどが非限定的に挙げられ、例えば、揮発性または不揮発性であって、変性または非変性シリコーン、フィルム形成剤、セラミド類、防腐剤、乳白剤、および帯電防止剤などである。
【0451】
例示的実施形態を図示して説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、例示的実施形態に様々な変更が可能であることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する水可溶性基材、
前記パッケージの少なくとも1つのチャンバ内にある予め計測された粉末状のヘアブリーチ組成物、及び
前記パッケージの第2のチャンバ内にある無水ヘアブリーチ顕色剤液体組成物を備え、
前記第2のチャンバは第1のチャンバとバリアによって分離されており、
前記水可溶性基材は、水および摩擦を含む2次放出メカニズムの存在下で溶解する、パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージであって、
前記粉末状のヘアブリーチの特性を向上させるように構成されている添加剤組成物をさらに備える、パッケージ。
【請求項3】
請求項1に記載のパッケージであって、
前記水可溶性基材は、親水性ポリマーまたは崩壊剤を含む、パッケージ。
【請求項4】
請求項1に記載のパッケージであって、
前記水可溶性基材は、外部因子と相互作用して、一方または両方の組成物の特性を向上させる。パッケージ。
【請求項5】
請求項1に記載のパッケージであって、
前記水可溶性基材は織布または不織布の繊維から作製されており、
前記繊維に、ヘアブリーチ顕色剤組成物を含浸させている、パッケージ。
【請求項6】
請求項1に記載のパッケージであって、
前記水可溶性基材は水との反応で消費される、パッケージ。
【請求項7】
請求項1に記載のパッケージであって、
前記パッケージの外装を形成する第1および第2の水可溶性基材、並びに
前記第1の水可溶性基材から形成される第1のチャンバ、及び
前記第2の水可溶性基材から形成される第2のチャンバを備え、
前記第1および第2の水可溶性基材は異なる溶解速度を有する、パッケージ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のパッケージであって、
合成されたまたは植物由来の、可溶性基材および組成物を備える、パッケージ。
【請求項9】
容器であって、
請求項1に記載の複数の水溶性パッケージを備える、容器。
【外国語明細書】