(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020235
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】拡張可能リベットボタンを備えたシェル及びそのためのツーリング
(51)【国際特許分類】
B65D 8/04 20060101AFI20240206BHJP
B21D 51/44 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B65D8/04 L
B21D51/44 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023182899
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2020540346の分割
【原出願日】2019-01-22
(31)【優先権主張番号】15/877,433
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタメン,デニス シー.
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,マーク
(72)【発明者】
【氏名】マッケ,クリストファー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ベース厚さが低減されたシート材料から作製される缶エンドに関する。開示される概念はまた、そのような缶エンドを提供するためのツーリングアセンブリ及び方法に関する。
【解決手段】中央パネル40とその上に配置された拡張可能バブルと含む缶エンドが提供される。拡張可能バブルの使用は、拡張可能リベットボタン22を可能にし、その後、タブ本体のオーバーラップが増大した拡張リベットを可能にする。そのような拡張リベットは、ベース厚さがより薄い金属シートの使用を可能にする。
【選択図】
図9B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶エンド(30)であって、
ベース厚さを有する中央パネル(40)と、
前記中央パネル(40)に配置された拡張可能リベットボタン(22)と、
を備える、缶エンド。
【請求項2】
前記中央パネル(40)が約0.0060インチ乃至約0.0080インチの厚さを有する、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項3】
前記中央パネル(40)が約0.0078インチの厚さを有する、請求項2に記載の缶エンド。
【請求項4】
タブ(50)を更に備えており、
前記タブ(50)は、前記拡張可能リベットボタン(22)にステーキングされており、
前記拡張可能リベットボタン(22)は拡張リベット(32)になり、
前記拡張可能リベット(32)は、前記タブ(50)の増大オーバーラップを有する、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項5】
前記拡張可能リベットボタン(22)は、概ね平坦な頂部(44)と、概ね円筒状の側壁(42)とを有しており、
前記拡張可能リベットボタンの頂部(44)は、約0.0050インチ乃至約0.0077インチの厚さを有しており、
前記拡張可能リベットボタン(22)は、約0.039インチ乃至約0.059インチの高さを有する、請求項1に記載の缶エンド。
【請求項6】
前記拡張可能リベットボタンの頂部(44)は、約0.0075インチの厚さを有しており、
前記拡張可能リベットボタン(22)は、約0.054インチの高さを有する、請求項5に記載の缶エンド。
【請求項7】
シート材料(1)から缶エンド(30)を形成するように構成されたプレス(500)であって、
前記シート材料(1)はベース厚さを有しており、
前記プレス(500)は、
フレーム(554)と、
リベットステーション(514,516,517)を含む幾つかの成形ステーション(502)と、
を備えており、
前記リベットステーションは、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)を含んでおり、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)は、前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)が前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)から離間している第1の位置と、前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)が前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)が前記第2の位置にある場合に、前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)が拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、プレス。
【請求項8】
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)は、リベットステーション上側パンチ(714)及びリベットステーション上側キャップ(710)を含んでおり、
前記リベットステーション上側パンチ(714)は、上端(728)及び下端(730)を有する本体(726)を含んでおり、
前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、下側パンチ(718)及び下側キャップ(716)を含んでおり、
前記リベットステーション下側パンチ(718)は、上端(752)及び下端(754)を有する本体(750)を含んでおり、
前記リベットステーションの下側キャップは、上端(742)及び下端(744)を有する本体(740)を含んでおり、
前記リベットステーションの下側キャップの上端(742)は、基準面(746)を規定しており、
前記リベットステーション上側パンチ(714)が、前記リベットステーション上側パンチ(714)が前記リベットステーションの下側キャップの本体の上端(742)から離間している第1の位置と、前記リベットステーション上側パンチ(714)が前記リベットステーションの下側キャップの本体の上端(742)に直に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されており、
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)は、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記基準面(746)と有効距離だけオフセットされていない第1の位置と、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記基準面(746)と有効距離だけオフセットされている第2の位置との間を移動するように構成されており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、請求項7に記載のプレス。
【請求項9】
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)は、概ね平坦な頂面(756)と、概ね円筒状の径方向表面とを含んでおり、
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記第2の位置にある場合、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の頂面(756)は、前記基準面(746)から約0.030インチ乃至約0.049インチでオフセットされている、請求項8に記載のプレス。
【請求項10】
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記第2の位置にあるとき、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の頂面(756)が、前記基準面(746)から約0.044インチオフセットしている、請求項9に記載のプレス。
【請求項11】
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)は、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の頂面(756)と前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の径方向表面(758)との間の曲線状遷移面(760)を含んでおり、
前記遷移面(760)は、約0.005インチ乃至約0.031インチのアールを有する、請求項9に記載のプレス。
【請求項12】
前記遷移面(760)が約0.014インチのアールを有する、請求項11に記載のプレス。
【請求項13】
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、頂部(44)を有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されており、前記拡張可能リベットボタンの頂部(44)は、約0.0050インチ乃至約0.0077インチの厚さを有しており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、約0.049インチ乃至約0.059インチの高さを有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、請求項8に記載のプレス。
【請求項14】
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、約0.0075インチの厚さの頂部(44)を有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、約0.054インチの高さを有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、請求項13に記載のプレス。
【請求項15】
前記幾つかのステーション(502)は、ステーキングステーション(800)を含んでおり、
前記ステーキングステーション(800)は、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)及びステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)を含んでおり、
前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)は、前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)が前記ステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)から離間している第1の位置と、前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)が前記ステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されており、
前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)が前記第2の位置にある場合、前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)及び前記ステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)は、拡張リベット(32)を形成するように構成されている、請求項8に記載のプレス。
【請求項16】
前記リベットステーション上側パンチ(714)及び前記リベットステーション下側パンチ(718)は拡張可能バブル(12)の輪郭を有する、請求項8に記載のプレス。
【請求項17】
拡張リベット(32)を有する缶エンド(30)を形成する方法であって、
ベース厚さを有するシート材料(1)を用意する工程(1000)と、
前記シート材料をシェル(20)へと成形する工程(1002)と、
前記シェル(20)に拡張可能バブル(12)を形成する工程(1004)と、
前記シェル(20)を前記缶エンド(30)へと成形する工程(2000)と、
前記拡張可能バブル(12)を拡張可能リベットボタン(22)へと成形する工程(202)と、
前記缶エンド(30)の仕上げ動作を行う工程(2004)と、
を含む方法。
【請求項18】
前記拡張可能バブル(12)を拡張可能リベットボタン(22)へと成形する工程(2002)は、
頂部(44)を有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成する工程(2010)であって、前記拡張可能リベットボタンの頂部(44)は、約0.0073インチ乃至約0.0079インチの厚さを有している、工程と、
約0.049インチ乃至約0.059インチの厚さを有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成する工程(2012)と、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記拡張可能バブル(12)を拡張可能リベットボタン(22)へと成形する工程(2002)は、
約0.0075インチの厚さを有する前記拡張可能リベットボタンの頂部(214)を形成する工程(2020)と、
約0.044インチの高さを有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成する工程(2022)と、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記缶エンド(30)に仕上げ動作(2004)を行う工程は、
開口(54)を含む本体(52)を有するタブ(50)を用意する工程(1032)と、
前記タブ(50)が前記拡張可能リベットボタン(22)が前記タブの開口(54)を通って延びている状態で、前記タブ(50)を前記拡張可能リベットボタン(22)の上に位置決めする工程(1034)と、
前記拡張可能リベットボタン(22)を拡張可能リベット(32)へと成形する工程(1036)と、
を含んでおり、
前記拡張可能リベット(32)は、前記タブの本体(52)の増大オーバーラップを有する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2018年1月23日に出願された米国特許出願第15/877,433号の利益を主張し、当該特許出願は、参照により本明細書の一部となる。
【0002】
開示且つ特許請求される概念は缶エンドに関しており、より具体的には、ベース厚さが低減されたシート材料から作製される缶エンドに関する。開示される概念はまた、そのような缶エンドを提供するためのツーリングアセンブリ及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属製容器(例えば、缶)は、製品、限定ではないが、食品や飲料を保持するように構成されている。一般に、金属製容器は、缶ボディ及び缶エンドを含む。例示的な実施形態では、缶ボディは、ベースと付随する側壁とを含む。缶ボディは、一端が開いている概ね閉じた空間を規定する。缶ボディは製品で満たされ、缶エンドはその後、開放端にて缶ボディに結合する。容器は、場合によっては加熱されて、その中身が調理及び/又は滅菌される。このプロセスは、容器の内圧を上昇させる。更に、容器は、場合によっては、加圧製品、限定ではないが例えば炭酸飲料を含む。故に、様々な理由から、容器は最小限の強度を有する必要がある。
【0004】
一般に、容器の強度は、缶ボディと、缶エンドを形成する金属の厚さと、これら要素の形状とに関連している。本願は、缶ボディではなくて缶エンドを主に取り扱う。缶エンドは、ティアパネル及びタブを含む「イージーオープン(easy open)」エンドである。ティアパネルは、缶エンドの外面(本明細書では、「公側(public side)」として特定される)にあるスコア形状、即ちスコアラインによって規定される。タブは、ティアパネルに隣接して取り付けられる(例えば、限定されないが、リベット留めされる)。プルタブは、持ち上げられて及び/又は引っ張られてスコアラインを切断して、切断可能なパネルを反して及び/又は除去して、それにより、容器の中身を出すための開口を生じるように構成されている。
【0005】
缶エンドが作られる場合、それは、ブランクを元にしており、ブランクは、金属シート製品(例えば、限定ではないが、アルミニウムシートやスチールシート)から切り取られる。本明細書では、「ブランク」は、製品に成形される一切れの材料である。「ブランク」という用語は、全ての成形工程が完了するまで、一切れの材料に適用される。例示的な実施形態では、ブランクは、シェルプレスにおいて「シェル(shell)」に成形される。本明細書では、「シェル」又は「初期缶エンド(preliminary can end)」は、ほぼ平坦なブランクを元にする構造であって、公知のように、スコアリング、パネリング(paneling)、リベット形成、タブかしめ以外の成形工程を施される。ブランク/シェルは更に、コンバージョンプレスで缶エンドに成形される。即ち、シェルを缶エンドに変換する更なる成形動作は、公知のように、スコアリング、パネリング、リベット形成、及びタブステーキングを含む。別の実施形態では、シート材料は、シェルプレスとコンバージョンプレスの両方の動作の全てを実行する単一のプレスで切断され、缶エンドに成形される。
【0006】
シェルプレス及び/又はコンバージョンプレスは、幾つかのツールステーションを含んでおり、各ステーションが成形工程を実行する(成形工程を実行しないヌルステーションを含んでいてもよい)。シェルプレスでは、ブランクは、一連のステーションを移動して、「シェル」に成形される。つまり、非限定的な例では、最初のステーションはブランクをシート材料から切り取り、2番目のステーションは、ブランクを付随側壁のあるカップ状構造に成形し、3番目のステーションは、付随側壁をカウンターシンク、チャック側壁等に成形する。コンバージョンプレスでは、シェルは缶エンドへと成形される。つまり、少なくとも1つのステーションが「バブル」を形成する。バブルは、本明細書では、「リベットボタン」へと成形される構造であって、リベットボタンは、次に、タブを缶エンドに結合するリベットへと成形される。このように、バブルの形成は、リベットボタン及びリベットの特性に影響を与える。あるツールステーションから次のステーションへとシェルが進むと、リベット成形、パネリング、スコアリング、エンボス加工やタブかしめ(即ち、リベットを介してタブをシェルに結合)などの変換工程が実行され、シェルが目的の缶エンドに完全に変換されて、プレスから排出される。更に、リベットを作って、それにタブを結合するプロセスは、米国特許第4,145,801号に開示されており、米国特許第4,145,801号の好ましい実施形態の説明は、参照によって本明細書の一部となる。このように、シェル/缶エンドは、複数のステーションを有するプレスで形成される。ブランクは、間欠的に、又は、本明細書では「割り送りされて(indexed)」、幾つかのステーションを通って移動する。即ち、ブランクは移動され、成形動作が実行される各ステーションで停止する(幾つかのステーションは、成形動作を実行しない「ヌル」ステーションであることは理解される)。公知の一実施形態では、コンバージョンプレスは、シート材料からブランクを切断して缶エンドを形成するように構成されている。
【0007】
コンバージョンプレスは、シェルにバブルを形成するように構成された幾つかのバブルステーションと、バブルをリベットボタンに変換するように構成された幾つかのリベットステーションと、リベットボタンをステーキング(又は平坦化)してリベットに変換し、それによって缶エンドを完成させることで、タブをシェルに結合するように構成されたステーキングステーションとを含む。例示的な実施形態では、コンバージョンプレスは、1つのバブルステーションと、幾つかのリベットステーションと、の缶エンドの既知の要素を形成するように構成された幾つかの他の成形ステーション、例えば、これらに限定されないが、スコアリング、パネリングやレタリング等の成形ステーションと、タブがリベットによってシェルに結合されるステーキングステーションとを含む。
【0008】
製缶業界では、相当な量の缶を製造するために大量の金属が必要とされている。故に、業界における恒常的な目標は、消費される金属の量を減らすことである。従って、缶エンド、タブ及び缶ボディを作る素材の元厚、即ちゲージを減らすための努力(「ダウンゲージング(down-gauging)」と称されることもある)が常時行われている。現在、缶エンドは、金属シートから、例えば、限定ではないがアルミニウム、スチールやそれらの金属を含む合金などから作製されている。これらの材料の最小のベース厚さは0.0082インチである。これは問題であって、ベース厚さが薄い金属材料を使用することで、この問題は解決するであろう。
【0009】
ベース厚さがより薄い材料を使用することは、しかしながら、他の問題、例えば限定ではないが、リベットでの缶エンドの破損を起こす。即ち、ベース厚さが0.0082インチ未満の材料で形成されたリベットは、缶エンドにタブを保持できない。これは問題である。
【0010】
或いは、ベース厚さが厚い材料を薄くして、ベース厚さよりも薄いように、最終的な厚さを薄く又は部分的に薄くすることができる。しかしながら、使用する材料が少なくなる(例えば、ゲージがより薄くなる)と、独自の解決策の開発が必要とされることが問題となる。更に、缶ボディ及び缶エンドを形成するプロセスは材料に応力を引き起こし、それによって、その形成中に缶ボディ又は缶エンドを損傷させる。更に、ステーキング前において、公知のリベットボタンは、テーパー状の断面形状を有している。このような形状のリベットボタンは、ステーキングされると、不均一に潰れやすい傾向がある。即ち、リベットの一部がある方向について他の方向よりもタブからはみ出してしまうことがある。これは問題である。
【0011】
バブル/リベットボタンの特徴(即ち、サイズ、形状、輪郭など)が最終的なリベットの性能に影響を与えることは理解されている。更に、バブル/リベットボタンの特徴におえる外見的に小さな変更に加えて、バブル/リベットボタンを形成するツーリングの変更は、リベットを強化してよりベース厚さが薄い材料の使用を可能にすることを含めて、最終的なリベットの性能に影響を与えることは理解されている。
【0012】
更に、
図1に示すように、公知のアルミニウム飲料缶、即ち、ビールや炭酸飲料、具体的には「ソーダ」や「ポップ」のような飲料を含むように構成された缶、典型的には12オンス容器である缶を形成するように構成されたプレスは、下側ツーリングアセンブリにあるバブルステーション下側キャップ2及びバブルステーション下側パンチ3と、上側ツーリングアセンブリにある環状バブルステーション上側パンチ4とを含む。バブルの形成中、そして、バブルステーション上側パンチ4が、以下に定義される圧印距離にある場合、プレスは、図示したように配置される。更に、先行技術のプレスについて、以下の寸法が知られている。
【0013】
【0014】
これらの寸法を有する要素があるプレスは、本明細書では「標準的飲料缶プレス」であり、最適化された如何なる寸法も含んでおらず、且つ、以下に定義される「拡張可能バブル」を形成できない公知のバブルを形成する。本明細書では、「リベットステーション下側パンチ高さ」は、リベットステーション下側パンチ3の円筒部の上にあるドーム状上面の高さとして測定される。更に、「圧印加工面長さ(coining surface length)」は、本明細書では、図示されているように断面で見た場合において、ブランクの一部を(以下に定義されるように)「圧印加工」するリベットステーション上側パンチ4の部分の長さである。この構成では、標準的飲料缶プレスは、5.38:1のリベットステーション下側パンチ直径/高さの比と、0.283:1のリベットステーション上側パンチ圧印加工面の長さ/直径の比とを有することが更に記載されている。これらの比を有するプレスは、本明細書では「標準飲料缶プレス」であり、最適化された寸法を含まない公知のバブルを形成し、以下に定義される「拡張可能バブル」を形成することはできない。
【0015】
従って、缶エンドを形成するために使用される材料の総量を低減するためには、リベットの材料の量を低減する必要がある。更に、0.0082インチ未満のベース厚さを有する材料から缶エンドを形成する必要がある。更に、拡張可能リベットボタンとなり、その後に拡張されたリベットとなるような、以下に定義される「拡張可能バブル」を形成するように構成されたプレスが必要である。
【発明の概要】
【0016】
開示されており、特許請求の範囲に記載された概念は、中央パネルと、それに配置された拡張可能バブルとを含むシェルを提供する。拡張可能バブルは、拡張可能リベットボタンに成形され、その後、タブ本体のオーバーラップが増大された拡張可能リベットに成形される。このような拡張可能リベットを使用することで、ベース厚さより薄い金属シートを使用することができ、上記の問題点を解決することができる。故に、拡張可能バブル及び/又は拡張可能リベットボタンを有するシェルの使用もまた、上述の問題を解決する。例えば、拡張可能バブル及び/又は拡張可能リベットボタンを有するシェルの使用は、0.0082インチ未満のベース厚さを有するシート材料からシェル/缶エンドを形成することを可能にし、例示的な実施形態では、約0.0078インチのベース厚さを有するシート材料の使用を可能にする。これにより、上述の問題が解決される。
【0017】
更に、上述した例示的な実施形態において、幾つかのバブルステーションよって形成されたバブルと、3つのリベットステーションによって形成されたリベットボタンとは、異なる数のステーションによって形成されてよい。つまり、バブル及びリベットボタンを形成する工程は、ステーションの特定の数に限定されない。従って、本明細書では、任意の数のステーションが、以下に記載される及び/又は特許請求の範囲に記載の特徴を有する拡張可能バブル及び/又は拡張可能リベットボタンを有するシェルを形成する限り、それらのステーションはまとめて本明細書の「ステーション」とされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付図面と併せて、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0019】
【
図1】
図1は、選択されたプレス要素の概略を示す側断面図である。
【
図2】
図2は、拡張可能バブルを有するシェルの断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の拡張可能リベットボタンを備えたシェルの断面図である。
【
図4】
図4は、缶エンドに拡張されたリベットを設けた状態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明のプレスの概略を示す断面図である。
【
図6A】
図6Aは、バブルステーションの概略を示す拡大断面図である。
【
図6B】
図6Bは、シェルにある拡張可能バブルの概略を示す拡大断面図である。
【
図7A】
図7Aは、第1のリベットステーションの概略を示す拡大断面図である。
【
図7B】
図7Bは、シェルの拡張可能リベットボタンの概略を示す拡大断面図である。
【
図8A】
図8Aは、第2のリベットステーションの概略を示す拡大断面図である。
【
図8B】
図8Bは、シェルの拡張可能リベットボタンの概略を示す拡大断面図である。
【
図9A】
図9Aは、第3のリベットステーションの概略を示す拡大断面図である。
【
図9B】
図9Bは、シェルの拡張可能リベットボタンの概略を示す拡大断面図である。
【
図11】
図11は、開示されたバブルステーションと比較した先行技術のバブルステーションの概略を示す拡大断面図である。
【
図13】
図13は、開示された別の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面に示されており、以下の説明に記載される具体的な要素は、単に開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されると理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特性は、開示される概念の範囲に関する限定とみなすべきではない。
【0021】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、本明細書に明示されない限り特許請求の範囲を限定するものではない。
【0022】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0023】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、結合された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構成された」部材は、別の要素に可動に結合されて部材を移動させる要素を含む、又は部材は、別の要素又はアセンブリに応答して移動するように別の様式で構成される。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を指す。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成されていない」。
【0024】
本明細書では、「関連付けられる」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの様式で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップを有する。全ての要素が自動車の部品と結合されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連付けられる」と理解される。
【0025】
本明細書では、「結合アセンブリ」は、2つの又は2つを超えるカップリング又はカップリング構成要素を含む。結合アセンブリのカップリング又は構成要素は一般的には、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「結合アセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0026】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、結合アセンブリの1又は複数の構成要素である。つまり、結合アセンブリは、共に結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。結合アセンブリの構成要素は、相互に適合可能であると理解される。例えば、結合アセンブリでは、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素はスナッププラグであって、一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素はナットである。
【0027】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ(tongue-and-groove)継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、結合されている要素の一部であり、別個の構成要素ではない。
【0028】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という表現は、結合が発生する限り、それらの部品が、直接的、又は間接的に、即ち、1つ以上の中間部品又は構成要素を通じて、共に接合される、又は動作することを意味するものとする。本明細書では、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触することを意味する。本明細書では、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、相互に一定の向きを維持しながら移動するように結合されることを意味する。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合される、例えば、車軸の第1の端部が第1の車輪に結合されるというような記載は、第1の要素の特定の部分が、第1の要素の他の部分に比べて第2の要素により近く配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置される物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「結合」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに糊付けされる本はテーブルに結合されている。
【0029】
本明細書では、「着脱可能に結合される」又は「一時的に結合される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質上一時的に結合されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの接合又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように結合される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に結合されており」、溶接された、又はアクセスが難しい締結具によって接合された2つの構成要素は、「着脱可能に結合されていない」。「アクセスが難しい締結具」は、締結具へのアクセス前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス装置ではない。
【0030】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第1の要素又はアセンブリが、第1の要素を分離する又はそれ以外の形で操作することなく、第1の要素/アセンブリを移動させることができるように、第2の要素又はアセンブリに載置されていることを意味する。例えば、テーブルに単に載っている本、即ち、テーブルに糊付け又は固定されていない本は、テーブルに「一時的に配置される」。
【0031】
本明細書では、「動作可能に結合される」は、第1の位置と第2の位置、又は第1の配置と第2の配置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に移動し、第2の要素も両者の位置/配置間で移動するように結合されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第1の要素が別の要素に「動作可能に結合され」てもよい。
【0032】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で結合され得ることを示す。よって、部材に対応する開口は、部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌合する場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差がはるかに小さくなるために、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作製される場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてもよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線はほぼ同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。
【0033】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素と関連付けられる場合、移動中に要素が通る空間を含む。よって、移動する要素は本来、「移動経路」又は「経路」を有する。更に、「移動経路」又は「経路」は、識別可能な1つの構造体における、別の物体に対する全体としての動きに関連している。例えば、道路が完全に滑らかである仮定すると、自動車の回転する車輪(識別可能な構造体)は、自動車の車体(別の物体)に対してほとんど移動しない。つまり、車輪は全体として、例えば隣接するフェンダーに対する位置を変えない。従って、回転する車輪には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」はない。逆に、その車輪の空気吸入弁(識別可能な構造体)には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」がある。つまり、車輪が回転して動いている間、吸気弁全体が自動車の車体に対して移動する。
【0034】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素又は構成要素を介して相互に力を加えること、又は付勢することを意味する。更に、可動部品に関して本明細書では、可動部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又はいったん記載される位置に至ったら別の要素に「係合し」てよい。よって、「要素Aは、要素の第1の位置まで移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第1の位置に至ると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第1の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は要素の第1の位置にいる間、要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0035】
本明細書では、「動作可能に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「動作可能に係合する」は、移動可能又は回転可能な第2の構成要素を移動させるように構成された第1の構成要素と関連して使用されるとき、第1の構成要素が、第2の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置することができる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは単にねじに「一時的に結合される」だけである。軸方向力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじを圧迫して、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「動作可能に係合して」、ねじを回転させる。更に、電子構成要素では、「動作可能に係合する」は、ある構成要素が制御信号又は電流によって別の構成要素を制御することを意味する。
【0036】
本明細書では、「一体」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に共にユニットとして結合される構成要素は、「一体」構成要素又は「一体」構造体ではない。
【0037】
本明細書では、「幾つかの」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味するものとする。即ち、例えば、「幾つかの要素」という語句は、1つの要素又は複数の要素を意味する。
【0038】
本明細書では、「[x]が第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第1の位置と第2の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間を移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0039】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に包囲、延在、又は測定されることを意味する。測定又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定に関する近似的な範囲を意味する。
【0040】
本明細書では、円状又は円筒状の物体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通過する高度線周りに延びる、或いはその中心又は中心を通過する高度線を包囲する側面/面である。本明細書では、円状又は円筒状本体の「軸方向側面/面」は、中心を通過する高度線にほぼ垂直に延びる面において延びる側面である。つまり、一般的には、円筒状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の頂部と底部である。
【0041】
本明細書では、「製品側」とは、容器で使用される構造体について、限定ではないが、食品又は飲料などの製品に接触する若しくは接触し得る側を意味する。即ち、構造体の「製品側」とは、最終的に容器の内部を規定する構造体の側面を意味する。
【0042】
本明細書では、「顧客側」とは、容器で使用される構造体について、限定ではないが、食品又は飲料などの製品と接触しない若しくは接触する側を意味する。即ち、構成体の「顧客側」とは、最終的に容器の外観を規定する構造体の側面を意味する。
【0043】
本明細書では、「略曲線状」は、複数の湾曲部と、湾曲部と面状部の組合せと、相互に角度を成すことによって曲線を形成する複数の面状部分又はセグメントとを有する要素である。
【0044】
本明細書では、「一般的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0045】
本明細書では、「略」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「概ね」を意味する。
【0046】
本明細書では、「にて」は用語に関して、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及び/又はその近傍を意味する。
【0047】
本明細書では、「増大圧印加工周縁部」を有するバブルは、バブル周縁部周りに延びる圧印加工面積が、全バブル表面積の約70%乃至約95%の間であることを意味する。更に、本明細書では、「飲料缶増大圧印加工周縁部」とは、バブル周縁部周りに延びる圧印加工面積が、全バブル表面積の約77.2%であることを意味する。更に、本明細書では、「拡張圧印加工周縁部」とは、バブル周縁部周りに延びる圧印加工面積が、全バブル表面積の約75%乃至約90%であることを意味する。本明細書では代替的に、「飲料缶拡張圧印加工周縁部」はまた、バブル周縁部周りに延びる圧印加工面積が、全バブル表面積の約77.2%であることを意味する。
【0048】
本明細書では、「拡張可能バブル」とは、バブルが複数の最適化された寸法を有しており、当該複数の最適化された寸法は、結果として得られるリベットが、ステーキングされるとより大きなオーバーラップを有するように構成されていることを意味する。即ち、複数の最適化された寸法を組み合わせた結果、結果として得られるリベットは、ステーキングされると、より大きなオーバーラップを有するようになる。単一の最適化された寸法を有するバブルは、「拡張可能バブル」ではない。
【0049】
以下の説明は、ブランク10又はシェル20に拡張可能バブル12を形成するための方法を提供する。
図2乃至5に示すように、ブランク10(
図5)は、シェル20に成形され、次に缶エンド30に成形される。理解される又は以下に記載されるように、缶エンド30の形成中には、
図2乃至4に示された3つの段階の後に更なる段階がある。ブランク10が缶エンド30へと成形されると、拡張可能バブル12は、拡張可能リベットボタン22に成形され、次に、拡張可能リベットボタン22がステーキングされる(それにより、タブをシェル20に結合する)と、拡張リベット32に成形される。
【0050】
以下の説明及び図は、
図2の概ね円筒形の缶エンド30を例として用いている。開示されており、特許請求の範囲に記載されている概念は、任意の形状の缶エンド30で実施可能であり、説明及び図示されている円筒形状は、例示的なものに過ぎないことは理解される。更に、例示的な実施形態では、以下に説明する寸法で、缶エンド30は、アルミニウム又はアルミニウム合金から作られ、飲料缶に結合されるように構成されている。飲料缶は、ビール又は炭酸飲料などの飲料、例えば「ソーダ」又は「ポップ」を含むように構成された缶である。本明細書では、そのような缶エンド30は、「飲料容器缶エンド」30’として特定される。同様に、「飲料容器缶エンド」30’となるシェルは、本明細書では、「飲料缶シェル」20’として特定される。飲料容器缶エンド30’を有する飲料缶の非限定的な1つの例は、12オンスの飲料缶30である。しかしながら、以下に開示される概念は、限定ではないが、スチールやスチール合金などの他の材料で作られた缶エンドにも適用可能であることが理解される。スチール缶及びスチール缶エンドは、典型的には、アルミニウム缶エンドよりも薄いベース厚さを有する材料から作られていることは更に理解される。故に、本明細書に開示されたダウンゲージングの概念を含むスチール缶エンドは、以下に説明するように、アルミニウム缶の寸法よりも薄いベース厚さを有しており、本明細書に開示されたダウンゲージングの概念を含まない缶エンドを製造するために使用される金属よりも薄いベース厚さを有するであろう。
【0051】
一般的に知られているように、缶エンド30は、容器(図示せず)を形成するために密封する方法で缶ボディ(図示せず)に結合され、直接結合され、又は固定されるように構成されている。缶エンド30は、後述する概ね平坦な中央パネル40と、後述する拡張リベット32とを含む。拡張リベット32は、拡張可能リベットボタン22(
図9B)から形成される。即ち、拡張可能リベットボタン22は、図示されているように中央パネル40から上方に突出しており、また、側壁42と概ね平坦な頂部44とを含む。側壁42及び頂部44という用語は、拡張リベット32及び拡張可能リベットボタン22の両方の同じ要素を述べており、これらの共通要素を記述するために同じ名称/符号が使用されている。また、拡張可能バブル12は垂直な側壁及び平坦な頂部を含んでいないが、拡張可能バブル12の部分が概ねリベット側壁42及び頂部44となり、リベット側壁42と頂部44の間に遷移部46があることは理解されるであろう。リベット遷移部46は、図示されているように、断面で見ると約0.014インチのアールを有する。即ち、拡張可能バブル12は、周縁部41とリベット部43とを含む。更に、以下に説明するように、周縁部41は、実質的にリベット部43の周りに、つまり、周囲に延びる領域であって、先に定義したように、増大圧印加工周縁部16又は拡張圧印加工周縁部18の何れかである。リベット部43は、以下に説明するように、拡張可能リベットボタンの側壁42及び頂部44へと成形される。
【0052】
更に、拡張リベット32周りに配置された中央パネル40は、一般に、ブランク10及びシェル20の両方に存在し、故に、缶エンド30を形成する全ての段階で中央パネル40として特定される。一般的に、中央パネル40は平坦であるが、限定ではないが、タブ50周りに配置された凹部のような形成を含んでよい。例示的な実施形態では、中央パネル40はアルミニウムから作られており、飲料容器サイズにされている。本明細書では、「飲料容器サイズにされている」とは、当該技術分野で公知の「ソーダ」、「ポップ」又は「ビール」に使用される標準サイズの12流体オンスの飲料容器サイズにされていることを意味する。
【0053】
シェル20は、タブ50が結合されると缶エンド30に変換される。タブ50は、開口54を規定する細長い本体52を含む。タブ本体の開口54は、拡張可能リベットボタン22周りに配置され、即ち、拡張可能リベットボタン22は、タブ本体の開口54を貫通して延びる。そして、拡張可能リベットボタン22は変形させられて、つまり、概ね平らにされて、それにより、拡張リベット32が形成される。拡張可能リベットボタン22の変形は、拡張リベット32がタブ本体52の「増大オーバーラップ」を有するように、拡張リベット32の半径/直径を増加させる。一般的に、拡張可能リベットボタン22の変形は、拡張可能リベットボタンの側壁42を変形させて、拡張可能リベットボタンの側壁42が外側に座屈することを引き起こす。更に、本明細書では、拡張リベット32は、変形した側壁42を生得的に有する。即ち、拡張リベットの変形側壁42は、変形後の拡張可能リベットボタンの側壁42である。故に、拡張リベットの変形側壁42と拡張可能リベットボタンの側壁42とは、同一符号を共有する。
【0054】
例示的な実施形態では、缶エンド30は、0.0082インチ未満のベース厚さを有するシート材料1(本明細書では「シート」1としても特定される)から形成される。例示的な実施形態では、材料1はアルミニウム又はアルミニウム合金であり、本明細書では、「アルミニウムシート材料」1である。「アルミニウムシート材料」1として特定される場合、シート材料1は、限定ではないが、スチール及びスチール合金を含む他の材料を除外する。このようなシート材料1を使用することによって、上述した問題点が解決される。更に、飲料容器缶エンド30’では、シート材料1は、約0.0060インチ乃至約0.0080インチ、又は約0.0078インチのベース厚さを有するアルミニウム若しくはアルミニウム合金である。このようなベース厚さを有するシート材料1の使用は、上記の問題を解決する。シート材料1のベース厚さはまた、中央パネル40の任意の未成形部分のベース厚さである。言い換えると、中央パネル40は、シート材料1のベース厚さに概ね対応するベース厚さを有する。本明細書では、「厚さ」は、シート材料1、ブランク10、シェル20の未成形部分、又は缶エンド30の未成形部分の表面に実質的に垂直な線に沿って測定される。
【0055】
ブランク10が缶エンド30へと成形されると、
図2に示す拡張可能バブル12が形成される。即ち、シェル20(或いは、シート材料1又はブランク10)は、中央パネル40の部分であるバブル部28を含んでいる。バブル部28は、拡張可能バブル12へと成形される。拡張可能バブル12は、頭部14と、その周囲に配置された周縁部15とを含む。最初に、飲料容器缶エンド用の先行技術のバブル頭部は一般的に約0.00725インチの厚さを有していたことに留意のこと。後述するように、缶エンド30を形成するために使用されるプレス500は、バブルステーション上側パンチ602と、概ね対向しているバブルステーション下側パンチ606とを含む。バブルステーション上側パンチの成形面、即ち、後述する第1のバブル圧印加工面624(後述する)は、概ね環状、即ち、リング状である。故に、成形プロセスの間、拡張可能バブル12の一部は、2つの成形面の間に配置されていない。2つの成形面の間に配置されていない拡張可能バブル12の部分は、バブル頭部14である。通常、バブル頭部14は、その後、リベット部43へと成形される。例示的な実施形態では、バブル頭部14は、約0.0073インチ乃至約0.0079インチ、又は約0.0076インチの厚さを有する。即ち、例示的な実施形態では、以下に説明するように、成形プロセス中に、金属はバブル頭部14から引き出される。
【0056】
更に、以下に説明するように、拡張可能バブル12の形成中に、バブルステーション上側パンチ602、即ちバブルステーション上側パンチの本体603と、対向するバブルステーション下側パンチ606、即ちバブルステーション下側パンチの本体607との間に配置されたシェル20の部分が圧印加工される。本明細書では、「圧印加工する(coin)」ことは、シェル20の両面に同時に係合して、材料の表面に塑性流動を誘導することを意味する。公知のように、材料を圧印加工することは表面を硬化させるが、材料はその靭性及び延性を保持する。周縁部15周り又は周囲に配置される拡張可能バブル12の部分は、例示的な実施形態では、リベット部43の直ぐ周りにある部分は圧印加工されており、増大圧印加工周縁部16又は拡張圧印加工周縁部18の何れかである。即ち、周縁部41は、増大圧印加工周縁部16及び拡張圧印加工周縁部18の何れか一方として形成されている。例示的な実施形態では、缶エンド30が飲料容器缶エンド30’である場合、増大圧印加工周縁部16は飲料缶増大圧印加工周縁部16’であり、拡張された圧印加工周縁部18は飲料缶圧印加工周縁部18’である。
【0057】
図示されているように、バブル頭部14は、断面で見ると第1の曲率を有し、増大圧印加工周縁部16又は拡張圧印加工周縁部18は、断面で見ると第2の曲率を有している。更に、拡張可能バブル12は高さを有する。拡張可能バブル12の高さは、シェル20及び/又は中央パネル40の下側、即ち製品側から測定される。例示的な実施形態では、拡張可能バブル12の高さは、約0.0840インチ乃至約0.0880インチである。缶エンド30が飲料容器缶エンド30’である場合、拡張可能バブル12の高さは約0.0859インチである。
【0058】
このようなバブル頭部14を有する拡張可能バブル12は、上述の問題を解決する。即ち、例示的なこの実施形態では、「拡張可能バブル」と特定することを可能にする「複数の最適化された寸法」は、バブル頭部14、及び、増大圧印加工周縁部16又は拡張圧印加工周縁部18の厚さである。別の例示的な実施形態では、拡張可能バブル12の高さは、最適化されたもう一つの寸法であり、バブル頭部14及び/又は増大圧印加工周縁部16/拡張圧印加工周縁部18の厚さと、拡張可能バブル12の高さとは、バブルを「拡張可能バブル」12として特定させる「複数の最適化された寸法」である。拡張可能バブル12は、拡張可能リベットボタン22へと成形された後、拡張リベット32へと成形されるように構成されている。拡張リベット32の使用は、0.0082インチ未満のベース厚さを有するシート材料1の使用を可能にし、例示的な実施形態では、約0.0078インチのベース厚さを有するシート材料1の使用を可能にする。これにより、上述の問題が解決される。
【0059】
上述したように、シェル20は、最初は、限定ではないが、アルミニウム、スチール、又はそれら何れかの合金などの概ね平らな材料のシート1から切断されたブランク10である。即ち、例示的な実施形態では、概ね平らな材料のシート1(以下、「シート材料」1)は、コンバージョンプレスのような
図5に模式的に示すプレス500に供給される。プレス500は、シート材料1を缶エンド30(
図4)に成形するように構成されている。或いは、シート材料1は、シェルプレス(図示せず)でシェル20に成形されるだけである。
【0060】
図5に示すように、プレス500は幾つかのステーション502(幾つかは模式的に示されている)を含んでおり、各ステーション502は、シェル20に対して幾つかの成形動作を実行する(図示されているように、ステーションは符号502によって通常は特定される)。本願の目的のために、以下のステーション502が特定される:バブルステーション512(
図6A)、第1のリベットステーション514(
図7A)、第2のリベットステーション516(
図8A)、第3のリベットステーション517(
図9A)、及びステークステーション518(
図10A)。最初の成形動作の1つは、シート材料1からブランク10を切断することを含む。故に、図示されていないが、ブランクステーションが存在する。公知のように、その他の成形動作は、カウンターシンクと、チャック壁と、シェル20のその他の要素とを有するようにブランク10を形成する。しかしながら、拡張可能バブル12は、ブランク10をシート材料1から切断する前を含む、リベットを形成する前の任意の時点で形成できることは理解される。故に、拡張可能バブル12を形成する成形動作は、シート材料1、ブランク10、又はシェル20の何れかで行うことができる。概して、以下の説明では、シェル20を、成形されるワークピースの非限定的な例として用いる。
【0061】
ブランク10/シェル20は、
図5に模式的に示されているコンベア504でコンバージョンプレス500を通って移動する。コンベア504は、間欠的に、又は割り送りされて移動するように構成されている。例示的な実施形態では、コンベア504は、図示されていない幾つかの凹部を含むベルト506(模式的に示されている)である。ベルト506は、設定された距離を移動し、その後、設定された距離を再び移動する前に停止する。ベルト506が移動すると、ブランク10/シェル20は、コンバージョンプレスの幾つかのステーション502を順次通って移動する。上述したように、各ステーション502は、ブランク10/シェル20に対して単一の成形動作又は幾つかの成形動作を実行する。
【0062】
コンバージョンプレス500、言い換えると、コンバージョンプレス500の各ステーション502は、上側ツーリングアセンブリ550及び下側ツーリングアセンブリ552を含む。複数のステーション502用の上側ツーリングアセンブリ550及び下側ツーリングアセンブリ552の各々は、例示的な実施形態では、一体であるか又は結合されており、各ステーションのダイ、パンチ及び他の要素を支持する。この構成では、それらステーションの上側ツーリングアセンブリ550は同時に移動し、単一の駆動アセンブリ(図示せず)によって駆動される。特定の構成要素を特定するために、ツーリングアセンブリの要素はまた、特定のステーション502の一部としても特定される。即ち、例えば、以下で述べられるバブルステーション512での上側ツーリングアセンブリ550は、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560としても特定される。例えば「リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700」のような具体的に特定された任意の上側ツーリングアセンブリ550又は下側ツーリングアセンブリ552は概して、夫々、上側/下側ツーリングアセンブリ550/552の一部であって、識別子/名称は、単にステーションの性質を示すだけであることは理解される。
【0063】
コンバージョンプレス500は、フレーム554と、図示されていない駆動アセンブリとを更に含む。例示的な実施形態では、下側ツーリングアセンブリ552は、フレーム554に固定されており、実質的に静止している。上側ツーリングアセンブリ550はフレーム554に移動可能に結合されており、上側ツーリングアセンブリ550が下側ツーリングアセンブリ552から離間している第1の位置と、上側ツーリングアセンブリ550が下側ツーリングアセンブリ552により接近している、例示的な実施形態では隣接している第2の位置との間で移動するように構成されている。下側ツーリングアセンブリ552は、例示的な実施形態では、フレーム554に結合、直接結合、又は固定される。
【0064】
概して、上側ツーリングアセンブリ550が第1の位置にある(或いは、第1の位置に向かうように又はそこから離れるように動いている)場合に、ベルト506が動くことは理解される。逆に、上側ツーリングアセンブリ550が第2の位置にある場合、ベルト506は停止している。知られているように、駆動アセンブリは、上側ツーリングアセンブリ550を第1の位置と第2の位置の間で移動させるように構成されている。更に、知られているように、上側ツーリングアセンブリ550及び下側ツーリングアセンブリ552は、個別に可動可能な要素、例えば、パンチ、ダイ、スペーサ、パッド、ライザーやその他の部分要素(以下、まとめて「部分要素(sub-element)」)を含んでおり、それらは、互いに別々に動くように構成されている。しかしながら、全ての要素は、概して、第1の位置と第2の位置の間で上側ツーリングアセンブリ550と共に動く。即ち、概して、部分要素の動きは互いに関連しているが、全体として、上側ツーリングアセンブリ550は、上述のように、第1の位置と第2の位置との間を移動する。更に、駆動アセンブリは、上側ツーリングアセンブリ550及び下側ツーリングアセンブリ552の部分要素を適切な順序で動かすように構成されたカム、リンク機構、及びその他の要素を含むことは理解される。即ち、上側ツーリングアセンブリ550及び下側ツーリングアセンブリ552の選択された部分要素は、その他の選択された部分要素とは独立して動くように構成されている。例えば、選択された1つの部分要素は、第2の位置に移動してそこに留まるように構成される一方で、別の1つの部分要素は第2の位置に出入りする。部分要素のそのような選択的な動作は、当該技術分野で知られている。
【0065】
例示的な実施形態では、バブルステーション512は、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560及びバブルステーション下側ツーリングアセンブリ562を含む。バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560は、上側キャップ600及び上側パンチ602を含む。バブルステーション下側ツーリングアセンブリ562は、下側キャップ604及び下側パンチ606を含む。バブルステーション上側キャップ600及びバブルステーション上側パンチ602は、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ550に結合され、直接結合され、又は固定される。バブルステーション下側キャップ604及びバブルステーション下側パンチ606は、バブルステーション下側ツーリングアセンブリ552に結合され、直接結合され、又は固定される。例示的な実施形態では、バブルステーション上側キャップ600及びバブルステーション下側キャップ604は、バブルステーション上側パンチ602及びバブルステーション下側パンチ606がシェル20に係合する前に一緒に移動するように構成されている。即ち、バブルステーション上側キャップ600及びバブルステーション下側キャップ604は一緒に移動して、中央パネル40にてシェルを保持又はクランプする。本明細書では、成形されている要素を「保持する」ということは、保持されている材料が、要素を「保持する」構造体の間で絞り加工又はしごき加工される、即ち、金属が流れることを意味する。材料を絞り加工又はしごき加工する行為は、材料を薄くしてよい。本明細書では、成形されている要素を「クランプ」することは、クランプされている材料が、要素を「クランプ」する構造体の間で実質的に固定されていることを意味する。故に、成形されている要素の表面積を増加させる構造がクランプされた要素で発生する場合、材料は、しごかれて薄くされることとは対照的に引き延ばされて薄くされる。ある例示的な実施形態では、バブルステーション上側キャップ600及びバブルステーション下側キャップ604は、シート材料1/ブランク10/シェル20を保持するように構成されている。別の例示的な実施形態では、バブルステーション上側キャップ600及びバブルステーション下側キャップ604は、シート材料1/ブランク10/シェル20をクランプするように構成されている。バブルステーション上側キャップ600及びバブルステーション下側キャップ604が一緒に移動した後、バブルステーション下側パンチ606はシェルと係合し、初期のバブルを形成する。その後又はほぼ同時に、バブルステーション上側パンチ602は、バブルステーション下側パンチ606から圧印加工距離まで移動する。本明細書では、「圧印加工距離」は、2つの表面間に配置された材料を圧印加工するほどに十分に近い2つの表面間の距離である。
【0066】
即ち、バブルステーション上側パンチ602は、上端620及び下端622を有する本体603を含む。図示されているように、バブルステーション上側パンチの本体603は、中空であって概ね円筒形の物体である。バブルステーション上側パンチ本体の下端622は、第1のバブル圧印加工面624を規定する。本明細書では、「圧印加工面」とは、金属を圧印加工するように構成された表面を意味する。言い換えると、圧印加工面624は、バブルステーション上側パンチ本体の下端622に配置されている。バブルステーション下側パンチ606はまた、上端630及び下端632を有する本体607を含む。バブルステーション下側パンチ本体の上端630は、第2のバブル圧印加工面634を規定している。即ち、バブルステーション下側パンチ本体の上端630において、第1のバブル圧印加工面624に対向して配置されている部分が、第2のバブル圧印加工面634となる。
【0067】
運転中、第1のバブル圧印加工面624は、第1のバブル圧印加工面624が第2のバブル圧印加工面634から離間している第1の位置と、第1のバブル圧印加工面624が第2のバブル圧印加工面634から圧印加工距離にある第2の位置との間を移動するように構成されている。このように、第1のバブル圧印加工面624と第2のバブル圧印加工面634とは、第1のバブル圧印加工面624と第2のバブル圧印加工面634との間に配置されたシート材料1のバブル部28と係合するように構成されている。この構成では、第1のバブル圧印加工面624と第2のバブル圧印加工面634とが第2の位置にある場合、第1のバブル圧印加工面624と第2のバブル圧印加工面634とは、上述した拡張可能バブルを形成する。即ち、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560又はバブルステーション上側パンチ602は、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560がバブルステーション下側ツーリングアセンブリ562(及び、限定ではないが、バブルステーション下側パンチ606を含む要素)から離間している第1の位置と、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560がバブルステーション下側ツーリングアセンブリ562(及び、限定ではないが、バブルステーション下側パンチ606を含む要素)に直に隣接している第2の位置との間を移動するように構成されている。
【0068】
例示的な実施形態では、バブルステーション上側パンチ本体の下端622は、丸みを帯 バブルステーション下側ツーリングアセンブリの下側キャップ604は、径方向内側表面650を含む。バブルステーション下側ツーリングアセンブリ下側キャップの径方向内側表面650は、半径を有する。バブルステーション上側パンチ本体下端の周縁部の内側端部644の半径は、バブルステーション下側ツーリングアセンブリ下側キャップの径方向内側表面650の半径よりも大きい。
【0069】
バブルステーション下側ツーリングアセンブリの下側キャップ604は、径方向内側表面650を含む。バブルステーション下側ツーリングアセンブリ下側キャップの径方向内側表面650は、半径を有する。バブルステーション上側パンチ本体下端の周縁部の内側端部644の半径は、バブルステーション下側ツーリングアセンブリ下側キャップの径方向内側表面650の半径よりも大きい。
【0070】
更に、例示的な実施形態では、バブルステーション上側パンチ602とバブルステーション下側パンチ606は、「拡張可能バブルの輪郭」を有する。即ち、本明細書では、「拡張可能バブルの輪郭」とは、全体として、バブルステーション上側パンチ602及びバブルステーション下側パンチ606が、約0.085平方インチ乃至約0.102平方インチの総圧印加工面積を有することを意味しており、「飲料缶拡張可能バブルの輪郭」は、約0.0905平方インチの総圧印加工面積を有していることを意味する。更に、例示的な実施形態では、バブルステーション上側パンチ602及びバブルステーション下側パンチ606は、以下の表の右欄で特定されており、
図1に示されているよう特徴を有している。以下の表中の全ての測定値と以下で説明される比とは、近似値であることは理解される。即ち、これらの数値の何れも、先に定義した「約」という用語がついているかのように読み取られる。
【0071】
【0072】
更に、例示的な実施形態では、プレス500のバブルステーション下側パンチ606の直径/高さ比は、約5.0:1乃至約8.0:1、約5.0:1乃至約5.3:1、又は約5.11:1であり、リベットステーション上側パンチの圧印加工面の長さ/直径比は、約0.3:1乃至約0.6:1、又は約0.315:1である。更に、例示的な実施形態では、プレス500、即ち、バブルステーション上側パンチ602及びバブルステーション下側パンチ606は、約0.315:1のバブルステーション上側パンチの圧印加工面の長さ/直径比と、約5.11:1のバブルステーション下側パンチの直径/高さ比を有する。一般的に、(異なるシート材料1に対して)シート材料1が薄くなると、バブルステーション上側パンチ径(A)と圧印加工面長さ(D)が大きくなることに留意のこと。
図11は、先行技術のバブルステーションと、拡張可能バブル22を形成するように構成されたバブルステーション512との比較を示す。
【0073】
故に、本明細書では、「標準的飲料缶プレス」は、5.38:1のバブルステーション下側パンチの直径/高さ比と、0.283:1のバブルステーション上側パンチの圧印加工面の長さ/直径比とを有する。このようなツーリングは、本明細書では「標準的バブル」を形成する。バブルステーション512、即ち、バブルステーション上側パンチ602及びバブルステーション下側パンチ606は、先に定義された「拡張可能バブル輪郭」を有しており、「標準バブル」とは異なる輪郭を有し、本明細書では、「非標準的バブル」である。
【0074】
更に、例示的な実施形態では、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560とバブルステーション下側ツーリングアセンブリ562とは、又は、バブルステーション上側パンチ602とバブルステーション下側パンチ606とは、先に定義された拡張可能バブル12を形成するように一緒に動作するように構成されている。即ち、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560とバブルステーション下側ツーリングアセンブリ562とは、又は、バブルステーション上側パンチ602とバブルステーション下側パンチ606とは、バブル頭部14が約0.0073インチ乃至約0.0079インチ、又は、約0.0076インチの厚さを有するバブル頭部14を有する拡張可能バブル12を形成するように構成されている。更に、バブルステーション上側ツーリングアセンブリ560とバブルステーション下側ツーリングアセンブリ562とは、又は、バブルステーション上側パンチ602とバブルステーション下側パンチ606とは、約0.0840インチ乃至約0.0880インチ、又は約0.0859インチの高さを有する拡張可能バブル12を形成するように構成されている。
【0075】
このような構成のツーリングは、拡張可能バブル12を形成するように構成されており、それによって、上述した問題点を解決する。
【0076】
従って、
図12に示すように、拡張可能バブル12を有するシェル20を形成する方法は、ベース厚さを有するシート材料を用意する工程1000と、シート材料をシェル20へと成形する工程1002と、シェル20に拡張可能バブル12を形成する工程1004と、シェル20の仕上げ動作を実行する工程1006とを含む。本明細書では、「仕上げ動作」には、シェル20又は缶エンド30をスコアリングする工程と、シェル20又は缶エンド30をパネリングする工程と、シェル20又は缶エンド30を検査する工程と、或いは、シェル20又は缶エンド30にコーティング及び/又は他の表面処理を施す工程とが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
例示的な実施形態では、シェル20に拡張可能バブル12を形成する工程1004は、バブル頭部14を有する拡張可能バブル12を形成する工程1010と、約0.0073インチ乃至約0.0079インチの厚さを有するバブル頭部14を成形する工程1012と、約0.070インチ乃至約0.095インチの高さを有する拡張可能バブルを形成する工程1014とを含む。代替的/付加的に、シェル20に拡張可能バブル12を形成する工程1004は、約0.0076インチの厚さを有する拡張可能バブルの頭部を形成する工程1016と、約0.0859インチの高さを有する拡張可能バブルを形成する工程1018とを含む。
【0078】
例示的な実施形態では、ベース厚さを有するシート材料1を用意する工程1000は、シート材料をシェル20へと成形する工程1002と、シェル20に拡張可能バブル12を形成する工程1004とは、アルミニウムシート1’を用意する工程1020と、飲料容器シェル20を形成する工程1022とを更に含む。例示的な実施形態では、アルミニウムシートを用意する工程1020は、0.0082インチ未満のベース厚さを有するアルミニウムシート1’を用意する工程1021を含む。上述したように、例示的な実施形態では、アルミニウムシート1’のベース厚さは、約0.0080インチと約0.0060インチの間、又は約0.0078インチである。更に、シェル20の仕上げ動作を実行する工程1006は、拡張可能バブルを拡張可能リベットボタンへと成形する工程1030と、結合開口を有する本体を有するタブを用意する工程1032と、拡張可能リベットボタンがタブの結合開口を通って延びるように拡張可能リベットボタン上にタブを位置決めする工程1034と、拡張可能リベットボタンを拡張可能リベットへと成形する工程1034と、拡張可能リベットボタンを拡張可能リベットへと成形する工程1036とを含んでおり、拡張可能リベットは、タブ本体の増大オーバーラップを有する。本明細書では、タブ本体52の「増大オーバーラップ」とは、変形リベット側壁42が拡張可能リベットボタンから形成されたことを意味する。
【0079】
上述したように、拡張可能バブル12は、
図9Bに示すように、拡張可能リベットボタン22へと成形される。このように、拡張可能リベットボタン22は、中央パネル40に配置され、中央パネル40は、上述したシート材料1と同じベース厚さを有する。後述するように形成されると、拡張可能リベットボタン22は、概ね平坦な頂部44と、概ね円筒状の側壁42とを含む。上述したように、リベット部43は、側壁42及び頂部44に形成される。また、上述したように、周縁部41は実質的に、増大圧印加工周縁部16又は拡張圧印加工周縁部18の何れかである。例示的な実施形態では、拡張可能リベットボタンの頂部44は、約0.0050インチ乃至約0.0077インチ、又は約0.0075インチの厚さを有する。拡張可能リベットボタン22は、約0.039インチ乃至約0.059インチ、又は約0.054インチの高さを有する。本明細書では、拡張可能リベットボタン22の「高さ」は、中央パネル40の下側から拡張可能リベットボタンの頂部44の上面まで測定される。即ち、拡張可能リベットボタン22の「高さ」は、拡張可能リベットボタンの側壁42の高さだけでなく、拡張可能リベットボタンの頂部44の厚さも含む。このような特徴を有する拡張可能リベットボタン22は、上述した問題を解決する。即ち、これらの特徴を有する拡張可能リベットボタン22は、後述するようにタブ本体52の増大オーバーラップを有する拡張リベット32に成形されるように構成されている。言い換えると、タブ50が拡張可能リベットボタン22にステーキングされると、拡張可能リベットボタン22は、拡張リベット32がタブ50の増大オーバーラップを有する拡張リベット32となる。
【0080】
図7A乃至9Aに示すように、拡張可能リベットボタン22(
図7B、
図8B、
図9B)は、上述したコンバージョンプレス500の幾つかのリベットステーション514、リベットステーション516、及びリベットステーション517において、拡張可能バブル12から形成される。通常、第1のリベットステーション514、第2のリベットステーション516、及び第3のリベットステーション517の各々は、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702を含む。各リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700は、リベットステーション上側キャップ710及びリベットステーション上側パンチ714を含む。各リベットステーション下側ツーリングアセンブリ702は、リベットステーション下側キャップ716及びリベットステーション下側パンチ718を含む。
【0081】
通常、第1のリベットステーション514は、側壁42及び概ね平坦な頂部44を有する拡張可能リベットボタン21へと拡張可能バブル12を成形する。本開示の目的のために、第1のリベットステーション514の詳細は、後述するように、拡張可能リベットボタンの遷移部46がリベットステーション下側パンチ本体の上端の遷移面760よりも大きなアールを有すること、及び、第1のリベットステーション上側パンチ714が、後述する距離よりも基準面746の上に延出していないことに留意すること以外には関係しない。
【0082】
例示的な実施形態では、第2のリベットステーション516は、拡張可能バブル12及び/又はリベットボタン21を拡張可能リベットボタン22へと成形する。第2のリベットステーションは、上述したように、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702に加えて、リベットステーション上側キャップ710と、リベットステーション上側パンチ714と、リベットステーション下側キャップ716と、リベットステーション下側パンチ718とを含む。リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700は、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700がリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702から離間している第1の位置と、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700がリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されている。更に、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702が第2の位置にある場合に、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702は、拡張可能リベットボタン22を形成するように構成されている。
【0083】
例示的な実施形態では、リベットステーション上側パンチ714及びリベットステーション下側キャップ716は、リベットステーション下側パンチ718より先に第2の位置に移動するように構成されている。この構成では、リベットステーション上側パンチ714及びリベットステーション下側キャップ716は、先に定義したように、シェル20を保持/クランプするように構成されている。シェルが保持/クランプされた後、リベットステーション下側パンチ718は、第2の位置に移動し、リベットボタン21を拡張可能リベットボタン22に成形する。
【0084】
例示的な実施形態では、
図8Aに示すように、リベットステーション上側キャップ710は、上端722及び下端724を有する本体720を含む。更に、リベットステーション上側パンチ714は、上端728及び下端730を有する本体726を含む。図示されているように、リベットステーション上側パンチの本体726は、中空で概ね円筒形の本体である。リベットステーション下側キャップ716は、上端742及び下端744を有する本体740を含む。リベットステーション下側キャップ本体の上端742は、概ね平坦であり、基準面746を規定する。即ち、本明細書では、リベットステーション下側キャップ本体の上端742は、後述するように選択された測定値が得られる「基準面」746である。
【0085】
リベットステーション下側パンチ718は、上端752及び下端754を有する概ね円筒状の本体750を含む。リベットステーション下側パンチ本体の上端752は、概ね平坦な頂部756と、概ね円筒状の径方向表面758と、それらの間の概ね曲線状の遷移面760とを含む。即ち、
図8Aのように、断面で見ると、リベットステーション下側パンチ本体の上端の遷移面760は、概ね曲線状である。本明細書では、リベットステーション下側パンチ本体の上端の遷移面760の「アール」は、断面で見て、リベットステーション下側パンチ本体の上端の遷移面760の曲率として測定される。例示的な実施形態では、再度、図示されているように断面で見ると、リベットステーション下側パンチ本体の上端の遷移面760は、約0.005インチ乃至約0.031インチの半径、又は約0.014インチの間のアールを有する。このような構成のリベットステーション下側パンチ718は、上述した問題点を解決する。
【0086】
運転中、リベットステーション上側パンチ714は、リベットステーション上側パンチ714がリベットステーション下側キャップ本体の上端742から離間している第1の位置と、リベットステーション上側パンチ714がリベットステーション下側キャップ本体の上端742に直に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されている。リベットステーション上側パンチ714が第2の位置にある場合、リベットステーション上側パンチ714及びリベットステーション下側キャップ716は、先に定義されたようにシェル20を保持又はクランプする。更に、例示的な実施形態では、リベットステーション下側パンチ本体の上端752は、リベットステーション下側パンチ本体の上端752が基準面746に対して有効距離をオフセットしていない第1の位置と、リベットステーション下側パンチ本体の上端752が基準面746に対して有効距離をオフセットしている第2の位置との間で移動するように構成されている。本明細書では、「有効距離」は、リベットステーション下側パンチ718が拡張可能バブル12を拡張可能リベットボタン22へと成形するのに十分な距離である。例示的な一実施形態では、「有効距離」、即ち、リベットステーション下側パンチ本体の上端752と基準面746との間のオフセットは、基準面から約0.030インチ乃至約0.049インチ、又は基準面746から約0.044インチである。
【0087】
この構成において、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702は、約0.0073インチ乃至約0.0077インチ、又は約0.0075インチの厚さを有する拡張可能リベットボタンの頂部44を有するように、上述の拡張可能バブル12を成形するように構成されている。更に、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ700及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ702は、約0.049インチ乃至約0.059インチ、又は約0.054インチの高さを有するように、拡張可能バブル12を成形するように構成されている。
【0088】
例示的な実施形態では、
図10Aに示すように、幾つかのステーション502は、ステーキングステーション800を含む。公知のように、ステーキングステーション800は、タブ50をシェル20に結合し、直接結合し、又は固定するように構成されている。ステーキングステーション800は、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ802及びステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ804を含む。公知のように、ステーキングステーション800に先立って、タブ50は、上述したように、拡張可能リベットボタン22にわたって配置される。ステーキングステーション800において、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ802は、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ802がステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ804から離間している第1の位置と、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ802がステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ804に隣接又は直に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されている。この構成では、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ802が第2の位置にある場合、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ802及びステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ804は、タブ本体52の「増大オーバーラップ」を有する拡張リベット32を形成するように構成されている。これは、上記の問題を解決し、0.0082インチ未満のベース厚さを有するシート材料1を用いることを可能にする。
【0089】
拡張リベット32を有する缶エンド30を形成する方法は、シェル20に拡張可能バブル12を形成することに関連して上述した何れかの動作を含む。これは、ベース厚さを有するシート材料を用意する工程1000と、シート材料をシェル20に成形する工程1002と、シェル20に拡張可能バブル12を形成する工程1004とが含まれる。
図13に示すように、拡張リベット32を有する缶エンド30を形成する方法は、シェル20を缶エンド30(
図10B)へと予め成形する工程2000と、拡張可能バブル12を拡張可能リベットボタンへと成形する工程2002と、シェル20/缶エンド30の仕上げ動作を実行する工程2004とを更に含む。
【0090】
拡張可能バブル12を拡張可能リベットボタン22に成形する工程は、頂部44を有する拡張可能リベットボタン22を形成する工程2010であって、拡張可能リベットボタンの頂部44は、約0.0073インチ乃至約0.0079インチの厚さを有する、工程と、約0.049インチ乃至約0.059インチの高さを有する拡張可能リベットボタン22を形成する工程2012とを含む。例示的な実施形態では、拡張可能バブル12を拡張可能リベットボタン22へと成形する工程は、約0.0075インチの厚さを有する拡張可能リベットボタンの頂部44を形成する工程2020と、上述したように、断面で見ると、約0.044インチの高さを有し、約0.014インチのアールを有するリベット遷移部46を有する拡張可能リベットボタン32を形成する工程2022とを含む。
【0091】
例示的な実施形態では、ベース厚さを有するシート材料を用意する工程1000と、シェル20を缶エンド30へと成形する工程2000とは、アルミニウムシートを用意する工程1020と、上述した飲料容器シェル20を形成する工程1022とを含む。更に、シェル20/缶エンド30の仕上げ動作を実行する工程2004は、開口54を含む本体52を有するタブ50を用意する工程2030と、拡張可能リベットボタン22上にタブ50を位置決めする工程2032であって、拡張可能リベットボタン22はタブの開口54を通って延びる、工程と、拡張可能リベットボタン22を拡張可能リベット32に成形する工程とを、含んでおり、拡張可能リベット32は、タブ本体52とのオーバーラップが増大している。
【0092】
本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、当業者であれば、それらの詳細に対する様々な修正や代替を、本開示の教示全体に鑑み開発することができると認識されるであろう。従って、開示される特定の構成は、単に例示であることを意図しており、添付の特許請求の範囲及びその全ての均等物の全範囲を、提供される発明の範囲に関して限定するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料(1)から缶エンド(30)を形成するように構成されたプレス(500)であって、
前記シート材料(1)はベース厚さを有しており、
前記プレス(500)は、
フレーム(554)と、
リベットステーション(514,516,517)を含む幾つかの成形ステーション(502)と、
を備えており、
前記リベットステーションは、リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及びリベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)を含んでおり、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)は、前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)が前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)から離間している第1の位置と、前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)が前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)が前記第2の位置にある場合に、前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)が拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、プレス。
【請求項2】
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)は、リベットステーション上側パンチ(714)及びリベットステーション上側キャップ(710)を含んでおり、
前記リベットステーション上側パンチ(714)は、上端(728)及び下端(730)を有する本体(726)を含んでおり、
前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、下側パンチ(718)及び下側キャップ(716)を含んでおり、
前記リベットステーションの下側パンチ(718)は、上端(752)及び下端(754)を有する本体(750)を含んでおり、
前記リベットステーションの下側キャップは、上端(742)及び下端(744)を有する本体(740)を含んでおり、
前記リベットステーションの下側キャップの上端(742)は、基準面(746)を規定しており、
前記リベットステーション上側パンチ(714)が、前記リベットステーション上側パンチ(714)が前記リベットステーションの下側キャップの本体の上端(742)から離間している第1の位置と、前記リベットステーション上側パンチ(714)が前記リベットステーションの下側キャップの本体の上端(742)に直に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されており、
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)は、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記基準面(746)と有効距離だけオフセットされていない第1の位置と、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記基準面(746)と有効距離だけオフセットされている第2の位置との間を移動するように構成されており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、請求項1に記載のプレス。
【請求項3】
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)は、概ね平坦な頂面(756)と、概ね円筒状の径方向表面とを含んでおり、
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記第2の位置にある場合、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の頂面(756)は、前記基準面(746)から約0.030インチ乃至約0.049インチでオフセットされている、請求項2に記載のプレス。
【請求項4】
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)が前記第2の位置にあるとき、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の頂面(756)が、前記基準面(746)から約0.044インチオフセットしている、請求項3に記載のプレス。
【請求項5】
前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端(752)は、前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の頂面(756)と前記リベットステーションの下側パンチの本体の上端の径方向表面(758)との間の曲線状遷移面(760)を含んでおり、
前記遷移面(760)は、約0.005インチ乃至約0.031インチのアールを有する、請求項3に記載のプレス。
【請求項6】
前記遷移面(760)が約0.014インチのアールを有する、請求項5に記載のプレス。
【請求項7】
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、頂部(44)を有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されており、前記拡張可能リベットボタンの頂部(44)は、約0.0050インチ乃至約0.0077インチの厚さを有しており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、約0.049インチ乃至約0.059インチの高さを有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、請求項2に記載のプレス。
【請求項8】
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、約0.0075インチの厚さの頂部(44)を有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されており、
前記リベットステーション上側ツーリングアセンブリ(700)及び前記リベットステーション下側ツーリングアセンブリ(702)は、約0.054インチの高さを有する前記拡張可能リベットボタン(22)を形成するように構成されている、請求項7に記載のプレス。
【請求項9】
前記幾つかの成形ステーション(502)は、ステーキングステーション(800)を含んでおり、
前記ステーキングステーション(800)は、ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)及びステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)を含んでおり、
前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)は、前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)が前記ステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)から離間している第1の位置と、前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)が前記ステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)に隣接している第2の位置との間で移動するように構成されており、
前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)が前記第2の位置にある場合、前記ステーキングステーション上側ツーリングアセンブリ(802)及び前記ステーキングステーション下側ツーリングアセンブリ(804)は、拡張リベット(32)を形成するように構成されている、請求項2に記載のプレス。
【請求項10】
前記リベットステーション上側パンチ(714)及び前記リベットステーション下側パンチ(718)は拡張可能バブル(12)の輪郭を有する、請求項2に記載のプレス。
【外国語明細書】