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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020320
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240206BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240206BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240206BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240206BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20240206BHJP
   H10K 59/60 20230101ALI20240206BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240206BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/00 338
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
H10K59/122
H10K50/844
H10K71/20
H10K59/60
H10K59/12
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190826
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2020562581の分割
【原出願日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/079717
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 跳▲梅▼
(72)【発明者】
【氏名】霍 宇▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】姜 尚▲勲▼
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は表示基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】該表示基板は表示領域、バリア領域及び開孔領域301を備え、バリア領域が表示領域と開孔領域301との間に位置する。バリア領域が表示領域から開孔領域301への方向に順に配列されている第1バリア壁202、第1遮断壁203及び第2バリア壁204を備える。第1バリア壁202が第1金属層構造を備え、第1金属層構造の開孔領域301の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、第1遮断壁203が第1絶縁層構造を備え、第2バリア壁204が第2金属層構造及び第1積層構造を備え、第2金属層構造の開孔領域301の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、第1積層構造が金属層と絶縁層とを有する積層を備える。該表示基板は、撮像装置を表示基板の表示領域に組み込むと共に、より高い封止効果を有する。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
表示領域、バリア領域及び開孔領域を備え、前記表示領域と前記バリア領域とが前記開孔領域を取り囲み、前記バリア領域が前記表示領域と前記開孔領域との間に位置し、
前記バリア領域は、前記表示領域から前記開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を備え、前記第1バリア壁、前記第1遮断壁及び前記第2バリア壁が前記開孔領域を取り囲み、
前記第1バリア壁は、第1金属層構造を備え、前記第1金属層構造における前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、
前記第1遮断壁は、第1絶縁層構造を備え、
前記第2バリア壁は、第2金属層構造及び第1積層構造を備え、前記第2金属層構造が前記第1積層構造の上に位置し、前記第2金属層構造における前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1積層構造が金属層と絶縁層とを含む積層を備え、
前記表示基板は、ベース基板を更に備え、
前記表示領域が薄膜トランジスタ及び蓄積コンデンサを備え、前記薄膜トランジスタが前記ベース基板に順に設置されるゲート電極、ゲート絶縁層及びソース・ドレイン電極を備え、前記蓄積コンデンサが第1極板及び第2極板を備え、前記第1極板が前記ゲート電極と同一層に設置され、
前記第1金属層構造及び前記第2金属層構造は、前記ソース・ドレイン電極と同一層に設置され、
前記表示基板は、層間絶縁層を更に備え、前記層間絶縁層は、少なくとも一部が前記ソース・ドレイン電極と前記ゲート絶縁層の間に位置し、前記第2極板が前記ゲート絶縁層と前記層間絶縁層との間に位置し、
前記第1積層構造の積層は、前記ベース基板に順に設置される第1金属サブ層、第1絶縁サブ層、第2金属サブ層及び第2絶縁サブ層を含み、
前記第1金属サブ層が前記ゲート電極と同一層に設置され、前記第1絶縁サブ層が前記ゲート絶縁層と同一層に設置され、前記第2金属サブ層が前記第2極板と同一層に設置され、前記第2絶縁サブ層が前記層間絶縁層と同一層に設置される表示基板。
【請求項2】
前記第1金属層構造と前記第2金属層構造とは、それぞれ積層されている複数の金属サブ層を含み、前記第1金属層構造における前記複数の金属サブ層は、それぞれ前記第2金属層構造における前記複数の金属サブ層と同一層に設置される請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1バリア壁は第2絶縁層構造を更に備え、前記第1金属層構造が前記第2絶縁層構造の上に位置し、
前記第2絶縁層構造は、少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に設置される請求項1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記ベース基板に設置されるバリア層及びバッファ層を更に備え、
前記第2絶縁層構造は積層で設置される第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に設置され、前記第2部分が少なくとも前記バリア層及び前記バッファ層と同一層に設置される請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記第2絶縁層構造の縦断面が全体として段差状を有する請求項4に記載の表示基板。
【請求項6】
前記表示領域は、更に、
前記薄膜トランジスタを平坦化するための平坦化層と、
前記平坦化層の前記薄膜トランジスタから離れる側に位置し、複数の画素ユニットを画定するための画素定義層と、
前記画素定義層の前記平坦化層から離れる側に位置するスペーサと、を備え、
前記第1遮断壁の前記第1絶縁層構造は、前記平坦化層、前記画素定義層及び前記スペーサのうちの少なくとも1つと同一層に設置される請求項1~5のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項7】
封止層を更に備え、前記封止層が少なくとも前記第1バリア壁を封止する請求項1~6のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項8】
前記封止層が前記第1バリア壁に順に積層で設置される第1無機封止層、第1有機封止層及び第2無機封止層を含む請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
第1有機絶縁層を更に備え、前記第1有機絶縁層が少なくとも前記第2バリア壁を被覆する請求項1~8のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項10】
前記バリア領域は、前記第1遮断壁に隣接し前記第1遮断壁の前記表示領域から離れる側に位置する第2遮断壁を更に備え、
前記第2遮断壁が前記第1遮断壁よりも高い請求項6に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第2遮断壁が前記平坦化層、前記画素定義層及び前記スペーサと同一層に設置される請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記バリア領域が第3遮断壁及び第2有機絶縁層を更に備え、前記第3遮断壁が前記第2遮断壁の前記表示領域から離れる側に位置し、前記第2有機絶縁層が前記第2遮断壁と前記第3遮断壁との間に位置し前記第2バリア壁を被覆している請求項10又は11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第2遮断壁と前記第3遮断壁とは、それぞれ積層されている複数の絶縁サブ層を含み、前記第2遮断壁における前記複数の絶縁サブ層は、それぞれ第3遮断壁における前記複数の絶縁サブ層と同一層に設置される請求項11に記載の表示基板。
【請求項14】
前記バリア領域は、信号線のリード線を更に備え、前記信号線のリード線が前記表示領域の信号線に電気的に接続され、
前記信号線のリード線が前記第1バリア壁の前記表示領域に近い側に位置する請求項1~13のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項15】
イメージセンサ及び/又は赤外線センサを更に備え、
前記イメージセンサ及び/又は赤外線センサは、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板での正投影が前記開孔領域の少なくとも一部と重なる請求項1~14のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項16】
表示基板の製造方法であって、
表示領域、バリア領域及び開孔領域を形成し、前記表示領域と前記バリア領域とが前記開孔領域を取り囲み、前記バリア領域が前記表示領域と前記開孔領域との間に位置することを含み、
前記バリア領域を形成することは、前記表示領域から前記開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を形成することを含み、前記第1バリア壁、前記第1遮断壁及び前記第2バリア壁が前記開孔領域を取り囲み、
前記第1バリア壁は、第1金属層構造を備え、前記第1金属層構造の前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、
前記第1遮断壁は、第1絶縁層構造を備え、
前記第2バリア壁は、第2金属層構造及び第1積層構造を備え、前記第2金属層構造が前記第1積層構造の上に位置し、前記第2金属層構造の前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1積層構造が金属層と絶縁層とを含む積層を備え
前記製造方法は、ベース基板を提供することを更に含み、
前記表示領域を形成することは、前記ベース基板に薄膜トランジスタ及び蓄積コンデンサを形成することを含み、前記薄膜トランジスタを形成することは、前記ベース基板にゲート電極、ゲート絶縁層、層間絶縁層及びソース・ドレイン電極を順に形成することを含み、前記蓄積コンデンサを形成することは、前記ゲート電極と同一層に形成される第1極板、及び前記ゲート絶縁層と前記層間絶縁層との間に形成される第2極板を形成することを含み、
前記第1金属層構造、及び前記第2金属層構造は、前記ソース・ドレイン電極と同一層に形成される表示基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1バリア壁が第2絶縁層構造を更に備え、前記第1金属層構造が前記第2絶縁層構造の上に形成され、
前記第2絶縁層構造が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に形成され、
前記製造方法は、前記表示領域の一方側に位置する折り曲げ領域を形成することを更に含み、
前記折り曲げ領域を形成することは、前記折り曲げ領域に位置する絶縁層をエッチングして凹溝を形成することを含み、前記凹溝は、前記第2絶縁層構造と同じエッチングプロセスにより形成される請求項16に記載の表示基板の製造方法。
【請求項18】
表示基板であって、
表示領域、バリア領域及び開孔領域を備え、前記表示領域と前記バリア領域とが前記開孔領域を取り囲み、前記バリア領域が前記表示領域と前記開孔領域との間に位置し、
前記バリア領域は、前記表示領域から前記開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を備え、前記第1バリア壁、前記第1遮断壁及び前記第2バリア壁が前記開孔領域を取り囲み、
前記第1バリア壁は、第1金属層構造を備え、前記第1金属層構造における前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、
前記第1遮断壁は、第1絶縁層構造を備え、
前記第2バリア壁は、第2金属層構造及び第1積層構造を備え、前記第2金属層構造が前記第1積層構造の上に位置し、前記第2金属層構造における前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1積層構造が金属層と絶縁層とを含む積層を備え、
前記表示基板は、ベース基板を更に備え、
前記表示領域が薄膜トランジスタ及び蓄積コンデンサを備え、前記薄膜トランジスタが前記ベース基板に順に設置されるゲート電極、ゲート絶縁層及びソース・ドレイン電極を備え、前記蓄積コンデンサが第1極板及び第2極板を備え、前記第1極板が前記ゲート電極と同一層に設置され、
前記第1金属層構造及び前記第2金属層構造は、前記ソース・ドレイン電極と同一層に設置され、
前記表示基板は、層間絶縁層を更に備え、前記層間絶縁層は、少なくとも一部が前記ソース・ドレイン電極と前記ゲート絶縁層の間に位置し、前記第2極板が前記ゲート絶縁層と前記層間絶縁層との間に位置し、
前記第1バリア壁が第2絶縁層構造を更に備え、前記第1金属層構造が前記第2絶縁層構造の上に形成され、
前記第2絶縁層構造が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に形成され、
前記第1積層構造の積層は、前記ベース基板に順に設置される金属サブ層と絶縁サブ層とを含み、前記金属サブ層が前記ゲート電極または前記第2極板と同一層に設置され、前記絶縁サブ層が前記ゲート絶縁層または前記層間絶縁層と同一層に設置される、表示基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は表示基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、表示デバイスのディスプレイが大画面化、全画面化の方向に進んでいる。一般的に、表示デバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ等)は、撮像装置(又は、イメージング装置)を有し、該撮像装置が一般的にディスプレイ表示領域外の側に設置される。しかしながら、撮像装置を取り付けるのに一定の位置を必要とするため、ディスプレイのフルスクリーン化や狭額縁化の設計にとって不利になる。例えば、撮像装置をディスプレイの表示領域に組み合わせて、表示領域において撮像装置用の予備位置を残しておくことで、ディスプレイの表示領域を最大化するようにする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、該表示基板は表示領域、バリア領域及び開孔領域を備え、前記表示領域と前記バリア領域とが前記開孔領域を取り囲み、前記バリア領域が前記表示領域と前記開孔領域との間に位置し、前記バリア領域は前記表示領域から前記開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を備え、前記第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁が前記開孔領域を取り囲み、前記第1バリア壁は第1金属層構造を備え、前記第1金属層構造の前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1遮断壁は第1絶縁層構造を備え、前記第2バリア壁は第2金属層構造及び第1積層構造を備え、前記第2金属層構造が前記第1積層構造の上に位置し、前記第2金属層構造の前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1積層構造が金属層と絶縁層とを有する積層を備える。
【0004】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記第2金属層構造と前記第1金属層構造とが同じ構造を有し、同じ材料を含む。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板は、ベース基板を更に備え、前記表示領域が薄膜トランジスタ及び蓄積コンデンサを備え、前記薄膜トランジスタは前記ベース基板に順に設置されるゲート電極、ゲート絶縁層、層間絶縁層及びソース・ドレイン電極を備え、前記蓄積コンデンサは第1極板及び第2極板を備え、前記第1極板が前記ゲート電極と同一層に設置され、前記第2極板が前記ゲート絶縁層と前記層間絶縁層との間に位置し、前記第1金属層構造、前記第2金属層構造は、前記ソース・ドレイン電極と同一層に設置される。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記第1積層構造の積層が前記ベース基板に順に設置される第1金属サブ層、第1絶縁サブ層、第2金属サブ層及び第2絶縁サブ層を含み、前記第1金属サブ層が前記ゲート電極と同一層に設置され、前記第1絶縁サブ層が前記ゲート絶縁層と同一層に設置され、前記第2金属サブ層が前記第2極板と同一層に設置され、前記第2絶縁サブ層が前記層間絶縁層と同一層に設置される。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記第1バリア壁は第2絶縁層構造を更に備え、前記第1金属層構造は前記第2絶縁層構造の上に位置し、前記第2絶縁層構造が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に設置される。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板は、前記ベース基板に設置されるバリア層及びバッファ層を更に備え、前記第2絶縁層構造は積層で設置される第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に設置され、前記第2部分が少なくとも前記バリア層及び前記バッファ層と同一層に設置される。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記第2絶縁層構造の縦断面が全体として段差状を有する。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記表示領域は、前記薄膜トランジスタを平坦化するための平坦化層と、前記平坦化層の前記薄膜トランジスタから離れる側に位置し複数の画素ユニットを画定するための画素定義層と、前記画素定義層の前記平坦化層から離れる側に位置するスペーサと、を更に備え、前記第1遮断壁の前記第1絶縁層構造が前記平坦化層、前記画素定義層及び前記スペーサのうちの少なくとも1つと同一層に設置される。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板は封止層を更に備え、前記封止層が少なくとも前記第1バリア壁を封止する。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記封止層は前記第1バリア壁に順に積層で設置される第1無機封止層、第1有機封止層及び第2無機封止層を含む。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板は第1有機絶縁層を更に備え、前記第1有機絶縁層が少なくとも前記第2バリア壁を被覆する。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記バリア領域は前記第1遮断壁に隣接し前記第1遮断壁の前記表示領域から離れる側に位置する第2遮断壁を更に備え、前記第2遮断壁が前記第1遮断壁よりも高い。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記第2遮断壁が前記平坦化層、前記画素定義層及び前記スペーサと同一層に設置される。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記バリア領域は第3遮断壁及び第2有機絶縁層を更に備え、前記第3遮断壁が前記第2遮断壁の前記表示領域から離れる側に位置し、前記第2有機絶縁層が前記第2遮断壁と前記第3遮断壁との間に位置し前記第2バリア壁を被覆している。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記第3遮断壁と前記第2遮断壁とが同じ構造を有し、同じ材料を含む。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板において、前記バリア領域は信号線のリード線を更に備え、前記信号線のリード線は前記表示領域の信号線に電気的に接続され、前記第1バリア壁の前記表示領域に近い側に位置する。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板はイメージセンサ及び/又は赤外線センサを更に備え、前記イメージセンサ及び/又は赤外線センサが前記ベース基板に接合され、前記ベース基板での正投影が前記開孔領域の少なくとも一部と重なる。
【0020】
本開示の少なくとも1つの実施例は更に表示基板の製造方法を提供し、該製造方法は、表示領域、バリア領域及び開孔領域を形成し、前記表示領域と前記バリア領域とが前記開孔領域を取り囲み、前記バリア領域が前記表示領域と前記開孔領域との間に位置することを含み、前記バリア領域を形成することは、前記表示領域から前記開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を形成することを含み、前記第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁が前記開孔領域を取り囲み、前記第1バリア壁は第1金属層構造を備え、前記第1金属層構造の前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1遮断壁は第1絶縁層構造を備え、前記第2バリア壁は第2金属層構造及び第1積層構造を備え、前記第1積層構造は前記第1積層構造の上に位置し、前記第2金属層構造の前記開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、前記第1積層構造が金属層と絶縁層とを有する積層を備える。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記第2金属層構造と前記第1金属層構造とが同じ材料を用いて、同じパターニングプロセスにより形成される。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法はベース基板を提供することを更に含み、前記表示領域を形成することは、前記ベース基板に薄膜トランジスタ及び蓄積コンデンサを形成することを含み、前記薄膜トランジスタを形成することは、前記ベース基板にゲート電極、ゲート絶縁層、層間絶縁層及びソース・ドレイン電極を順に形成することを含み、前記蓄積コンデンサを形成することは、前記ゲート電極と同一層に形成される第1極板と、前記ゲート絶縁層と前記層間絶縁層との間に形成される第2極板とを形成することを含み、前記第1金属層構造、及び前記第2金属層構造は、前記ソース・ドレイン電極と同一層に形成される。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記第1積層構造を形成することは、前記ベース基板に第1金属サブ層、第1絶縁サブ層、第2金属サブ層及び第2絶縁サブ層を順に形成して、前記第1積層構造の積層を得ることを含み、前記第1金属サブ層が前記ゲート電極と同一層に形成され、前記第1絶縁サブ層が前記ゲート絶縁層と同一層に形成され、前記第2金属サブ層が前記第2極板と同一層に形成され、前記第2絶縁サブ層が前記層間絶縁層と同一層に形成される。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記第1バリア壁が第2絶縁層構造を更に備え、前記第1金属層構造が前記第2絶縁層構造の上に形成され、前記第2絶縁層構造が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に形成される。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法は前記ベース基板にバリア層及びバッファ層を形成することを更に含み、前記第2絶縁層構造が積層で設置される第1部分及び第2部分を含み、前記第1部分が少なくとも前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層と同一層に形成され、前記第2部分が少なくとも前記バリア層及び前記バッファ層と同一層に形成される。
【0026】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法は前記表示領域の一方側に位置する折り曲げ領域を形成することを更に含み、前記折り曲げ領域を形成することは、前記折り曲げ領域に位置する絶縁層をエッチングして、凹溝を形成することを含み、前記凹溝と前記第2絶縁層構造とが同じエッチングプロセスにより形成される。
【0027】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記折り曲げ領域に位置する絶縁層が前記表示領域から前記折り曲げ領域まで延在するバリア層、バッファ層、ゲート絶縁層及び層間絶縁層を含み、前記第2絶縁層構造が積層で設置される第1部分及び第2部分を含む場合、第1エッチングプロセスによって前記折り曲げ領域及び前記バリア領域に位置する前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層を同時にエッチングし、第2エッチングプロセスによって前記折り曲げ領域及び前記バリア領域に位置する前記バリア層及び前記バッファ層を同時にエッチングして、前記凹溝及び前記第2絶縁層構造を形成する。
【0028】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記表示領域を形成することは、更に、前記薄膜トランジスタを平坦化するための平坦化層を形成することと、前記平坦化層の前記薄膜トランジスタから離れる側に複数の画素ユニットを画定するための画素定義層を形成することと、前記画素定義層の前記平坦化層から離れる側にスペーサを形成することと、を含み、前記第1遮断壁の前記第1絶縁層構造が前記平坦化層、前記画素定義層及び前記スペーサのうちの少なくとも1つと同一層に形成される。
【0029】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法は少なくとも前記第1バリア壁を封止する封止層を形成することを更に含み、前記封止層を形成することは、前記第1バリア壁に第1無機封止層、第1有機封止層及び第2無機封止層を順に形成することを含み、前記第1有機封止層がインクジェット印刷により形成される。
【0030】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法は前記第2バリア壁に第1有機絶縁層を形成することを更に含み、前記第1有機絶縁層が少なくとも前記第2バリア壁を被覆する。
【0031】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記バリア領域を形成することは、更に、前記第1遮断壁に隣接し前記第1遮断壁の前記表示領域から離れる側に位置する第2遮断壁を形成することを含み、前記第2遮断壁が前記第1遮断壁よりも高い。
【0032】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記第2遮断壁が前記平坦化層、前記画素定義層及び前記スペーサと同一層に形成される。
【0033】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記バリア領域を形成することは、第3遮断壁及び第2有機絶縁層を形成することを更に含み、前記第3遮断壁が前記第2遮断壁の前記表示領域から離れる側に形成され、前記第2有機絶縁層が前記第2遮断壁と前記第3遮断壁との間に形成され、前記第2バリア壁を被覆している。
【0034】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、インクジェット印刷により前記第2有機絶縁層を形成する。
【0035】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造方法において、前記第2有機絶縁層が前記第1バリア壁を被覆する第1有機封止層と同じインクジェット印刷プロセスにより形成される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明し、当然ながら、以下に記載する図面は本開示の実施例の一部のみに関し、本開示を制限するためのものではない。
【0037】
図1A図1Aは表示基板の平面模式図である。
図1B図1B図1Aにおける表示基板のA-A線に沿う断面模式図である。
図2A図2Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の平面模式図である。
図2B図2B図2Aにおける表示基板のB-B線に沿う断面模式図である。
図2C図2C図2Aにおける表示基板のC-C線に沿う断面模式図である。
図3A図3Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第1バリア壁の断面模式図である。
図3B図3Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第1遮断壁の断面模式図である。
図3C図3Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第2バリア壁の断面模式図である。
図3D図3Dは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第2遮断壁の断面模式図である。
図4A図4Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の一部断面模式図である。
図4B図4Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第2バリア壁の他の断面模式図である。
図5A図5Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の一部断面模式図である。
図5B図5Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第1バリア壁の他の断面模式図である。
図5C図5Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の第2バリア壁の他の断面模式図である。
図6図6図2Aにおける表示基板のB-B線に沿う他の断面模式図である。
図7図7は本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板のバリア領域の平面模式図である。
図8A図8Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の折り曲げ領域の断面模式図である。
図8B図8Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の折り曲げ領域の他の断面模式図である。
図8C図8Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の折り曲げ領域の折り曲げた後の断面模式図である。
図9A図9Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図9B図9Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図9C図9Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図10A図10Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図10B図10Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図10C図10Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図11A図11Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図11B図11Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図12A図12Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図12B図12Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図13A図13Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図13B図13Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図14A図14Aは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図14B図14Bは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
図14C図14Cは本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示基板の製造過程における断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確で、完全に説明する。勿論、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な努力を必要とせずに取得したすべての他の実施例は、本開示の特許範囲に属する。
【0039】
特に定義されていない限り、本開示で使用される専門用語又は科学用語は本開示の当業者が理解できる通常の意味であるべきである。本開示において使用される「第1」、「第2」及び類似の用語は、いかなる順序、数量又は重要性も示さず、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。「含む」又は「備える」等のような用語は、該用語の前に示される素子又は要素が該用語の後に挙げられた素子又は要素及びその同等物をカバーするが、その他の素子又は要素を排除しないことを意味する。「接続」又は「結合」等の類似の用語は物理的又は機械的接続に限らず、直接接続又は間接接続を問わず電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対位置関係を示すことに用いられ、説明対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0040】
表示装置の表示領域を最大化するために、表示装置に備える撮像装置(イメージング装置)を表示領域に組み込んで、撮像装置を表示領域に配置してもよい。
【0041】
例えば、図1Aは表示装置に使用される表示基板の平面模式図であり、図1B図1Aにおける表示基板のA-A線に沿う断面模式図である。図1Aに示すように、表示基板10は表示領域12を備え、表示領域12が画素アレイを備え画素アレイにある開孔11を有し、該開孔11が撮像装置(図示せず)のために残した位置であり、撮像装置が該表示基板10の表示側に対向する裏側に設置されてもよく、それにより撮像装置は開孔11を介して画像を取得することができる。これにより、撮像装置を表示基板10の表示領域12に組み込んでいる。
【0042】
表示領域12が表示のための発光素子を有し、例えば該発光素子が有機発光ダイオードであり、表示領域12の全部又は一部における複数の発光素子に備える有機材料層13及び電極層14が一般的に表示領域12において全面に亘って形成され、従って、封止層15を用いて封止するとき、開孔11近傍の領域が封止され難かったり、封止されていても該領域の封止効果を確保することが困難であったりする。このとき、図1Bに示すように、例えば水、酸素等の不純物が開孔11から全面に形成された有機機能層13及び電極層14に沿って表示領域12の内部に侵入することがあり、表示領域12内の機能性材料を汚染し、これらの機能性材料の性能を悪化させ、ひいては表示領域12の表示効果を損なってしまう。
【0043】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、該表示基板は表示領域、バリア領域及び開孔領域を備え、表示領域とバリア領域とが開孔領域を取り囲み、バリア領域が表示領域と開孔領域との間に位置し、バリア領域は、表示領域から開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を備え、第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁が開孔領域を取り囲み、第1バリア壁は、第1金属層構造を備え、第1金属層構造の開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、第1遮断壁は、第1絶縁層構造を備え、第2バリア壁は、第2金属層構造及び第1積層構造を備え、第2金属層構造が第1積層構造に位置し、第2金属層構造の開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部があり、第1積層構造が金属層と絶縁層とを有する積層を備える。該表示基板は、水や酸素等の不純物が開孔領域から表示基板の表示領域に侵入することを効果的に防止することができ、それにより表示基板の信頼性を向上させることができる。
【0044】
以下、いくつかの具体的な実施例によって本開示のいくつかの実施例の表示基板及びその製造方法を説明する。
【0045】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、図2Aは該表示基板100の平面模式図であり、図2B図2Aにおける表示基板のB-B線に沿う断面模式図、すなわち表示基板100のバリア領域201の断面模式図である。
【0046】
図2A及び図2Bに示すように、該表示基板100は表示領域101、バリア領域201及び開孔領域301を備え、表示領域101とバリア領域201とが開孔領域301を取り囲み、バリア領域201が表示領域101と開孔領域301との間に位置する。表示領域101が表示のための画素アレイを備える。開孔領域301は、表示基板100の表示側からの光が伝送して表示基板100を透過し、表示基板100の裏側に到達することを可能にする。バリア領域201は、表示領域101から開孔領域301への方向(すなわち、図2Bにおける右から左への方向)に順に配列されている第1バリア壁202、第1遮断壁203及び第2バリア壁204を備え、第1バリア壁202、第1遮断壁203及び第2バリア壁204がいずれも開孔領域301を取り囲んでいる。バリア領域201は、表示領域101と開孔領域301とを分離することができ、それにより表示領域101を保護する役割を果たす。
【0047】
例えば、図3Aは第1バリア壁202の断面模式図である。図3Bは第1遮断壁203の断面模式図である。図3Cは第2バリア壁204の断面模式図である。
【0048】
図2B及び図3Aに示すように、第1バリア壁202は、第1金属層構造202Bを備え、第1金属層構造202Bの開孔領域301の周りの少なくとも1つの側面に凹部がある。例えば、図2B及び図3Aに示すように、第1金属層構造202Bの開孔領域301に向かう側面及び開孔領域301と反対側の側面のいずれにも凹部があり、他の例では、第1金属層構造202Bの1つの側面に凹部があってもよい。第1バリア壁202は表示基板の全面に亘って形成された機能層、例えば発光素子の有機材料層及び陰極層等(以下に詳しく説明する)を分断することができる。
【0049】
図2B及び図3Bに示すように、第1遮断壁203は、第1絶縁層構造を備え、第1絶縁層構造が例えば複数のサブ絶縁層の積層を含み、図2B及び図3Bには2つのサブ絶縁層2031及び2032を含む積層を示す。第1遮断壁203は表示領域101に形成されたいくつかの機能層(例えば、有機封止層、以下に詳しく説明する)を遮断し、それにより、これらの機能層の材料が開孔領域301に近づいたり、開孔領域301に入ったりすることを防止することができる。
【0050】
図2B及び図3Cに示すように、第2バリア壁204は、第2金属層構造204B及び第1積層構造204Aを備え、第2金属層構造204Bが第1積層構造204Aの上に位置し、第2金属層構造204Bの開孔領域301の周りの少なくとも1つの側面に凹部がある。例えば、図2B及び図3Cに示すように、第2金属層構造204Bの開孔領域301に向かう側面及び開孔領域301と反対側の側面のいずれにも凹部があり、他の例では、第2金属層構造204Bの1つの側面に凹部があってもよい。例えば、第1積層構造204Aは、金属層と絶縁層とを有する積層を備える。第2バリア壁204は、表示基板の全面に亘って形成された機能層を分断することもでき、それにより第1バリア壁202とともに二重バリア効果を実現し、このとき、第1バリア壁202及び第2バリア壁204のうちの一方が故障しても、第1バリア壁202及び第2バリア壁204のうちの他方がバリア効果を果たし、また、第2バリア壁204が開孔領域301に近いため、例えばプレス成形又はカット等によって開孔領域301を形成する際に、第2バリア壁204は、開孔領域301を形成する際に生じ得るクラックがさらに広がることも防止でき、それによりクラックが表示領域101まで広がることを回避する。
【0051】
例えば、第1バリア壁202、第1遮断壁203及び第2バリア壁204の数が1つ又は複数であってもよく、図2Bには2つの第1バリア壁202、1つの第1遮断壁203及び1つの第2バリア壁204を例として示したが、それらは本開示の実施例を制限するためのものではない。
【0052】
例えば、いくつかの例では、第2バリア壁204の第2金属層構造204Bと第1バリア壁202の第1金属層構造202Bとが同じ構造を有し、同じ材料を含む。これにより、表示基板の製造プロセスにおいて、表示基板の製造プロセスを簡素化するように、第2バリア壁204の第2金属層構造204Bと第1バリア壁202の第1金属層構造202Bとを同じ材料層を用いて同じパターニングプロセスにより形成することが可能になる。
【0053】
図2C図2Aにおける表示基板のC-C線に沿う断面模式図、すなわち表示基板100の表示領域101の一部断面模式図である。図2Cに示すように、表示基板100はベース基板1011を更に備える。表示領域101が表示操作を行うための画素アレイを備え、該画素アレイはアレイ状に配列されている複数の画素ユニットを備え、各画素ユニットが駆動回路及び発光素子等を備える。駆動回路は、薄膜トランジスタ102及び蓄積コンデンサ103等の構成を備える。薄膜トランジスタ102は、ベース基板1011に順に設置されるアクティブ層1021、ゲート電極1022、ゲート絶縁層1014(例えば、第1ゲート絶縁層1014A及び第2ゲート絶縁層1014Bを含む)、層間絶縁層1015及びソース・ドレイン電極(ソース電極1023及びドレイン電極1024を含む)を備える。蓄積コンデンサ103は、第1極板1031及び第2極板1032を備える。例えば、第1極板1031とゲート電極1022とが同一層に設置され、第2極板1032がゲート絶縁層1014と層間絶縁層1015との間に設置される。例えば、第1バリア壁202の第1金属層構造202B、第2バリア壁204の第2金属層構造204Bがソース・ドレイン電極1023及び1024と同一層に設置される。
【0054】
本開示の実施例では、2つ以上の機能層が同一層に設置されるとは、同一層に設置される上記機能層を同じ材料層を用いて同じ製造プロセス(例えば、パターニングプロセス等)により形成することができることを意味し、それにより表示基板の製造プロセスを簡素化することができる。
【0055】
例えば、図2Cに示される例では、ソース・ドレイン電極1023及び1024がいずれも3層の金属層構造、例えばチタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデン、チタン/銅/チタン又はモリブデン/銅/モリブデン等の3層の金属層構造を有し、この場合、第1金属層構造202Bの3つの金属サブ層2023/2024/2025及び第2金属層構造204Bの3つの金属サブ層2045/2046/2047はそれぞれソース・ドレイン電極1023及び1024の3層の金属層に1対1で対応し、材料が同じである。これにより、第1金属層構造202B、第2金属層構造204B並びにソース・ドレイン電極1023及び1024は、同じ3層の金属材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成することができる。
【0056】
例えば、いくつかの実施例では、図3Cに示すように、第2バリア壁204の第1積層構造204Aの積層がベース基板1011に順に設置される第1金属サブ層2041、第1絶縁サブ層2042、第2金属サブ層2043及び第2絶縁サブ層2044を含む。例えば、第1金属サブ層2041とゲート電極1022とが同一層に設置され、第1絶縁サブ層2042とゲート絶縁層1014とが同一層に設置され、第2金属サブ層2043と第2極板1032とが同一層に設置され、第2絶縁サブ層2044と層間絶縁層1015とが同一層に設置される。これにより、表示基板の製造プロセスを簡素化するように、同一層に設置される上記機能層を同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成することが可能になる。
【0057】
例えば、第2バリア壁204の形態が様々である。例えば、いくつかの例では、図4A及び図4Bに示すように、第2バリア壁204の第1絶縁サブ層2042及び第2絶縁サブ層2044は、第1金属サブ層2041及び第2金属サブ層2043と同じパターンを有してもよく、図4Bには、同じ幅を有するように示される。このとき、製造プロセスにおいて、第1絶縁サブ層2042と第2絶縁サブ層2044とは、更なるエッチングプロセスにより対応するパターンを形成してもよい。
【0058】
例えば、いくつかの実施例では、図3Aに示すように、第1バリア壁202は、第2絶縁層構造202Aを更に備えてもよく、第1金属層構造202Bが第2絶縁層構造202Aの上に位置し、第2絶縁層構造202Aが少なくともゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015と同一層に設置される。例えば、第2絶縁層構造202Aは、複数の絶縁サブ層を含み、例えば、図3Aに示すように、絶縁サブ層2021及び2022を含む。例えば、絶縁サブ層2021とゲート絶縁層1014とが同一層に設置され、絶縁サブ層2022と層間絶縁層1015とが同一層に設置され、これにより、製造プロセスにおいて、同一層に設置される上記機能層が同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスによりされることが可能になる。第2絶縁層構造202Aの設置は、第1バリア壁202のバリア効果を強化することができ、そして、その後例えば蒸着等により第1バリア壁202に形成される第1無機封止層1051(以下に説明する)を第1バリア壁202の表面形態によく追従して形成することに有利である。
【0059】
例えば、図3Aに示すように、第1バリア壁202の幅W1が2μm~4μm、例えば3μm又は3.5μm等であってもよい。同様に、第2バリア壁204の幅も2μm~4μm、例えば3μm又は3.5μm等であってもよく、本開示の実施例は各構成の寸法を具体的に制限せず、対応する機能を実現できればよい。
【0060】
例えば、図2Cに示すように、表示基板100の表示領域101は、平坦化層1016、画素定義層1017及びスペーサ1018を更に備える。平坦化層1016は薄膜トランジスタ102を平坦化することに用いられ、画素定義層1017は平坦化層1016の薄膜トランジスタ102から離れる側に位置し、複数の画素ユニットを画定することに用いられる。スペーサ1018は、画素定義層1017の平坦化層1016から離れる側に位置する。例えば、第1遮断壁203の第1絶縁層構造が平坦化層1016、画素定義層1017及びスペーサ1018のうちの少なくとも1つと同一層に設置される。
【0061】
例えば、図3Bに示すように、第1遮断壁203は、複数の絶縁サブ層を備え、図3Bに示すように、絶縁サブ層2031及び2032を備える。例えば、絶縁サブ層2031及び2032は、平坦化層1016、画素定義層1017及びスペーサ1018のうちの2つに1対1で対応しており、同じ層に設置される。例えば、絶縁サブ層2031と平坦化層1016とが同一層に設置され、絶縁サブ層2032と画素定義層1017とが同一層に設置され、又は、絶縁サブ層2031と平坦化層1016とが同一層に設置され、絶縁サブ層2032とスペーサ1018とが同一層に設置され、又は、絶縁サブ層2031と画素定義層1017とが同一層に設置され、絶縁サブ層2032とスペーサ1018とが同一層に設置される。これにより、製造プロセスにおいて、同一層に設置される上記機能層が同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成されることが可能になる。
【0062】
例えば、いくつかの実施例では、バリア領域201は、第1遮断壁203に隣接し第1遮断壁203の表示領域101から離れる側に位置する第2遮断壁205を更に備えてもよく、第2遮断壁205が第1遮断壁203よりも高い。これにより、第2遮断壁205は、第1遮断壁203と共に二重遮断効果を実現する。
【0063】
例えば、いくつかの例では、図3Dに示すように、第2遮断壁205は、複数の絶縁サブ層を備え、図3Dに示すように、絶縁サブ層2051、2052及び2053を備え、例えば、絶縁サブ層2051と平坦化層1016とが同一層に設置され、絶縁サブ層2052と画素定義層1017とが同一層に設置され、絶縁サブ層2053とスペーサ1018とが同一層に設置される。これにより、製造プロセスにおいて、同一層に設置される上記機能層が同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成されることが可能になる。上記のような設置には、第2遮断壁205が第1遮断壁203よりも高いので、遮断機能を十分に発揮でき、しかも、第2遮断壁205と第1遮断壁203とが二重遮断効果を実現することができる。
【0064】
例えば、図2Cに示すように、表示基板100は、ベース基板1011に設置されるバリア層1012及びバッファ層1013を更に備えてもよく、バリア層1012は水や酸素等の不純物がベース基板1011から薄膜トランジスタ102等の機能構造に滲み込むことを防止することができ、バッファ層1013は、平坦な表面を提供することが可能になって表示基板の他の機能層の設置しやすくなる。バリア層1012とバッファ層1013とは、共同でベース基板1011上の他の機能構造に対して保護作用を果たすことができる。
【0065】
例えば、第1バリア壁202及び第2バリア壁204の構造は、バリア層1012及びバッファ層1013と同一層に設置される構造を更に含んでもよい。
【0066】
例えば、いくつかの例では、図5A及び図5Bに示すように、第1バリア壁202の第2絶縁層構造202Aが積層で設置される第1部分(絶縁サブ層2021及び2022を含む)及び第2部分(絶縁サブ層2026及び2027を含む)を含み、第1部分が少なくともゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015と同一層に設置され、第2部分が少なくともバリア層1012及びバッファ層1013と同一層に設置される。これにより、製造プロセスにおいて、同一層に設置される上記機能層が同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成されることが可能になる。
【0067】
例えば、第2絶縁層構造202Aの第1部分及び第2部分の幅が異なり、例えば第2部分が第1部分よりも広く、それにより、図5Bに示すように、第2絶縁層構造202Aの縦断面全体が段差状になる。
【0068】
例えば、いくつかの例では、ベース基板に含まれるバリア層及びバッファ層の数が複数であってもよく、この場合、第2絶縁層構造202Aの第2部分をより多いバリア層及びバッファ層と同一層に設置することができる。また、明確さ及び簡潔さから、図面にはバリア領域201(及び以下に説明される折り曲げ領域401)におけるゲート絶縁層1014は1層のみ示す。
【0069】
例えば、図5A及び図5Cに示すように、第2バリア壁204の第1積層構造204Aは、第3部分(第1金属サブ層2041、第1絶縁サブ層2042、第2金属サブ層2043及び第2絶縁サブ層2044を含む)及び第4部分(絶縁サブ層2048及び2049を含む)と称される2つの部分を含んでもよく、例えば、第4部分が第1バリア壁の第2絶縁層構造202Aの第2部分、及びバリア層1012とバッファ層1013と同一層に設置される。これにより、製造プロセスにおいて、同一層に設置される上記機能層が同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成されることが可能になる。
【0070】
例えば、第3部分及び第4部分の幅が異なり、例えば第4部分が第3部分よりも広く、それにより第1積層構造204Aの縦断面全体が段差状になる。
【0071】
第1バリア壁202の第2絶縁層構造202A及び第2バリア壁204の第1積層構造204Aの縦断面全体が段差状である場合、その上に例えば蒸着等により形成された第1無機封止層1051(以下に説明する)は、側面が破断するという不良が発生することなく、第1バリア壁202及び第2バリア壁204の表面形態に良く追従して形成でき、これにより、第1無機封止層1051がより良好な完全性を有し、ひいては高い封止効果を実現する。
【0072】
なお、明確さ及び簡潔さから、図4A及び図5Aにはベース基板1011上の第1バリア壁202、第1遮断壁203、第2バリア壁204及び第2遮断壁205の構造のみを示すが、該表示基板は図2Bに示される他の構造を更に含んでもよく、具体的には、図2Bを参照してもよく、ここで詳しく説明しない。
【0073】
例えば、図2Cに示すように、表示領域101における各画素ユニットに含まれる発光素子104は、陽極層1041、発光層1042及び陰極層1043を備える。陽極層1041が平坦化層1016におけるビアを介して薄膜トランジスタのソース電極1023に接続される。例えば、陰極層1043は、ベース基板1011の全面に亘って形成され、第1バリア壁202及び第2バリア壁204で分断される。例えば、陽極層1041と発光層1042との間及び陰極層1043と発光層1042との間には発光層1042が発光することに役立つ補助発光層(図示せず)、例えば電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層及び正孔注入層のうちの1つ又は複数があってもよい。補助発光層は、例えば有機材料層である。例えば、補助発光層は、ベース基板1011の全面に亘って形成され、第1バリア壁202及び第2バリア壁204で分断されてもよい。
【0074】
これにより、開孔領域301に近い側に位置する補助発光層及び陰極層1043が水や酸素等の不純物で汚染された場合、補助発光層及び陰極層1043が第1バリア壁202及び第2バリア壁204により分断されるため、これらの汚染不純物は補助発光層及び陰極層1043における発光素子の発光に用いられる部分まで広がることがない。例えば、第1バリア壁202及び第2バリア壁204の頂部にも一部の補助発光層及び陰極層1043が形成されているが、これらの部分が他の部分と分離している。
【0075】
例えば、図2B及び図2Cに示すように、表示基板100は、封止層105を更に備えてもよく、封止層105が少なくとも第1バリア壁202を封止し、例えば、いくつかの例では、封止層105が表示領域101及び第1バリア壁202を同時に封止する。
【0076】
例えば、封止層105は、第1バリア壁202に順に積層で設置される第1無機封止層1051、第1有機封止層1052及び第2無機封止層1053を含む。例えば、第1無機封止層1051は、表示基板の全面に亘って形成され、第1有機封止層1052及び第2無機封止層1053は、第1遮断壁203の遮断作用によって、第1遮断壁203で終止する。
【0077】
例えば、いくつかの実施例では、表示基板100は、第1有機絶縁層206を更に備えてもよく、第1有機絶縁層206が少なくとも第2バリア壁204を被覆する。例えば、第1有機絶縁層206が第2遮断壁205と開孔領域301との間に設置される。第1有機絶縁層206は第2バリア壁204を保護することができるだけでなく、水や酸素等の不純物が開孔領域301から表示領域101に侵入することを防止するという機能を果たすこともでき、また、第1有機絶縁層206が一定の高さを有し、このため、表示基板100に偏光板及びカバープレート等の構造が被覆された後、第1有機絶縁層206は開孔領域301の周囲で偏光板及びカバープレート等の構造に対して支持して、偏光板及びカバープレート等の構造が開孔領域301で窪んだりするという不良の発生を防止できる。
【0078】
例えば、いくつかの実施例では、バリア領域201のバリア効果を更に強化するために、図6に示すように、バリア領域201は、第3遮断壁207及び第2有機絶縁層208を更に備えてもよい。第3遮断壁207は、第2遮断壁205の表示領域101から離れる側に位置し、第2有機絶縁層208は、第2遮断壁205と第3遮断壁207との間に位置し第2バリア壁204を被覆している。これにより、第3遮断壁207と第2有機絶縁層208とが更なるバリア効果を実現して、バリア領域201が開孔領域301及び表示領域101を十分に分離するようにし、水や酸素等の不純物が開孔領域301から表示領域101に侵入することを防止しながら、開孔領域301を形成する際に生じ得るクラックが表示領域101まで広がることを防止することができる。
【0079】
例えば、第3遮断壁207と第2遮断壁205とが同じ構造を有し、同じ材料を含む。これにより、第3遮断壁207と第2遮断壁205とが同じ材料層を用いて、同じパターニングプロセスにより形成されることが可能になる。例えば、第2有機絶縁層208及び封止層1015の第1有機封止層1052は、材料が同じであり、例えば同じインクジェット印刷プロセスにより形成され得る。
【0080】
例えば、いくつかの実施例では、図7に示すように、バリア領域201は、信号線のリード線210を更に備え、信号線のリード線210は、表示領域101の信号線に電気的に接続され、第1バリア壁202の表示領域101に近い側に位置する。例えば、開孔領域301周囲の配線を実現するために、バリア領域201は、それぞれ表示領域101におけるデータ線、走査線又は電源線等の信号線に電気的に接続されるように複数本の信号線のリード線210を備える。
【0081】
例えば、いくつかの実施例では、図2Bに示すように、表示基板100は、イメージセンサ及び/又は赤外線センサ501を更に備えてもよく、イメージセンサ及び/又は赤外線センサ501は、表示基板100の非表示側に接合され、ベース基板1011での正投影が開孔領域301の少なくとも一部と重なる。これにより、イメージセンサ及び/又は赤外線センサ501は開孔領域301を介して撮影、顔認識、赤外線誘導等の様々の機能を実現することができる。
【0082】
例えば、いくつかの例では、表示基板100は、フレキシブル表示基板であってもよく、この場合、ベース基板1011はポリイミド(PI)等のフレキシブル絶縁材料であってもよい。例えば、図2Aに示すように、表示基板100は、表示領域101の一方側に位置する折り曲げ領域401を更に備えてもよい。
【0083】
例えば、図8Aは折り曲げ領域401の折り曲げる前の断面模式図であり、図8Bは折り曲げ領域401の折り曲げる前の他の断面模式図である。図8Cは折り曲げ領域401の折り曲げた後の断面模式図であり、該断面模式図は例えば図2AにおけるD-D線に沿って切断されてなる。
【0084】
図8Aに示すように、折り曲げ領域401がベース基板1011に設置される絶縁層4011を備え、絶縁層4011は、それぞれ表示領域から折り曲げ領域401まで延在するバリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015等を含み、絶縁層4011には例えば配線(図示せず)及び保護層4013等がある。例えば、表示基板100の非表示側には、駆動チップ及び回路基板等の駆動構造があり、表示領域101の駆動回路が折り曲げ領域401の配線を介して表示基板100の非表示側に位置する駆動構造に電気的に接続されることができ、それにより、該駆動構造は表示基板100の表示領域101に対する表示制御を実現することができる。
【0085】
例えば、図8Cに示すように、絶縁層4011には、応力緩和材料が充填されている凹溝4012があり、例えば、応力緩和材料は、フレキシブル有機材料を含み、折り曲げ領域401が折り曲げられる際に発生した応力を緩和することができる。例えば、絶縁層4011の凹溝4012は絶縁層4011の1つ又は複数の絶縁サブ層を貫通することができ、例えば図8Aに示すように、凹溝4012はゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015を貫通し、この場合、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015をエッチングすることで形成することができる。図8Bでは、凹溝4012はバリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015を貫通し、この場合、バリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015をエッチングすることで形成することができる。
【0086】
例えば、凹溝4012は、同じエッチングプロセスにより、第1バリア壁202の第2絶縁層構造202A及び第2バリア壁204の第1積層構造204Aにおける絶縁サブ層とともに形成することができ、該エッチングプロセスが1回エッチングプロセス又は2回エッチングプロセスであってもよい。例えば、絶縁層4011の厚さが大きい場合、エッチングプロセスの精度を向上させ、所望のエッチング形態を得るために、2回エッチングプロセスによりそれぞれ異なる機能層をエッチングすることができる。
【0087】
本開示の実施例に係る表示基板において、バリア領域201は、表示領域101と開孔領域301とを十分に分離し、それにより、水や酸素等の不純物が開孔領域301から表示領域101に侵入することを防止し、更に開孔領域301を形成する際に生じ得るクラックが表示領域101まで広がることを防止し、表示基板の信頼性を向上させることができる。
【0088】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板の製造方法をさらに提供し、該製造方法は上記表示基板100を製造することができる。該製造方法は、表示領域、バリア領域及び開孔領域を形成することを含む。表示領域とバリア領域とは、開孔領域を取り囲み、バリア領域は、表示領域と開孔領域との間に位置する。バリア領域を形成することは、表示領域から開孔領域への方向に順に配列されている第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁を形成することを含み、第1バリア壁、第1遮断壁及び第2バリア壁が開孔領域を取り囲む。第1バリア壁は、第1金属層構造を備え、第1金属層構造の開孔領域の周りの少なくとも1つの側面に凹部がある。第1遮断壁は、第1絶縁層構造を備える。第2バリア壁は、第2金属層構造及び第1積層構造を備え、第1積層構造は第1積層構造の上に位置し、第2金属層構造の開孔領域の周りの少なくとも1つの側面には凹部があり、第1積層構造は金属層と絶縁層との積層を備える。
【0089】
以下、図2A図2Cに示される表示基板100を形成する場合を例として、本開示の実施例に係る表示基板の製造方法を説明する。
【0090】
まず、ベース基板1011を提供し、例えば、表示基板100がフレキシブル表示基板である場合、提供したベース基板1011がポリイミド(PI)等のフレキシブル基板であり、表示基板が剛性基板である場合、ベース基板1011がガラス、石英等の剛性基板であり得る。本実施例は、フレキシブル表示基板を形成する場合を例として説明し、このとき、該フレキシブル表示基板は例えば折り曲げ領域401を有する。
【0091】
図9A図9Cに示すように、まず、表示領域101、バリア領域201及び折り曲げ領域401に用いられる機能層をベース基板1011に形成して、表示領域101、バリア領域201及び折り曲げ領域401の機能層の形成を完了した後に例えばプレス成形又はカット等により開孔領域301を形成するよう、開孔領域301に位置を残しておく。
【0092】
例えば、蒸着等によりベース基板1011にバリア層1012及びバッファ層1013を順に形成してもよい。例えば、バリア層1012及びバッファ層1013がベース基板1011の全面に亘って形成されてもよい。例えば、バリア層1012は、酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素等の無機絶縁材料を用い、バッファ層1013も酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素等の無機絶縁材料を用いることができる。
【0093】
例えば、バリア層1012及びバッファ層1013が形成された後、図9Aに示すように、表示領域101に薄膜トランジスタ102及び蓄積コンデンサ103等の構造を形成し、図9Bに示すように、バリア領域201に第2バリア壁204の第1積層構造204Aを形成し、図9Cに示すように、折り曲げ領域401に折り曲げ領域絶縁層4011を形成する。
【0094】
例えば、図9A図9Cに示すように、パターニングプロセスによりベース基板1011にアクティブ層1021を形成し、蒸着等により第1ゲート絶縁層1014Aをアクティブ層1021に形成し、パターニングプロセスにより第1ゲート絶縁層1014Aにゲート電極1022、第1極板1031及び第1金属サブ層2041を同時に形成し、蒸着等によりゲート電極1022、第1極板1031及び第1金属サブ層2041に第2ゲート絶縁層1014Bを形成し、パターニングプロセスにより第2極板1032及び第2金属サブ層2043を同時に形成し、蒸着等により第2極板1032及び第2金属サブ層2043に層間絶縁層1015を形成し、次に、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015をエッチングすることにより、アクティブ層1021を露出させるビアを形成する。例えば、1回パターニングプロセスには、フォトレジストの形成、露出、現像及びエッチング等のプロセスが含まれる。
【0095】
このとき、第2バリア壁204の第1金属サブ層2041とゲート電極1022とが同一層に形成され、第1絶縁サブ層2042とゲート絶縁層1014とが同一層に形成され、第2金属サブ層2043と第2極板1032とが同一層に形成され、第2絶縁サブ層2044と層間絶縁層1015とが同一層に形成される。これにより、表示基板の製造プロセスを簡素化させる。
【0096】
例えば、ゲート電極211、第1極板1031及び第1金属サブ層2041の材料はアルミニウム、チタン、コバルト等の金属又は合金材料を含む。製造には、まず、スパッタリング又は蒸着等により1層のゲート電極材料層を形成し、次に、パターニング化されたゲート電極211、第1極板1031及び第1金属サブ層2041を形成するように、ゲート電極材料層に対してパターニングプロセスを行う。同一層に形成される他の構造の形成は、それと同様であるため、ここで詳しく説明しない。
【0097】
例えば、アクティブ層1021は多結晶シリコン及び金属酸化物等の材料を用い、ゲート絶縁層1014は酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素等の無機絶縁材料を用い、第2極板1032及び第2金属サブ層2043はアルミニウム、チタン、コバルト等の金属又は合金材料を用い、層間絶縁層1015は酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素等の無機絶縁材料を用いることができる。本開示の実施例は各機能層の材料を制限せず、各機能層の材料は上記例に限らない。
【0098】
例えば、図10A及び図10Bに示すように、1回エッチングプロセスによりバリア領域201及び折り曲げ領域401に位置するゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015をエッチングしてもよく、それにより、第1バリア壁202の第2絶縁層構造202Aを形成するとともに、折り曲げ領域401に位置する凹溝4012を形成する。これにより、第2絶縁層構造202Aはゲート絶縁層1014と同一層に形成されるサブ絶縁層2021と、層間絶縁層1015と同一層に形成されるサブ絶縁層2022とを含む。例えば、折り曲げ領域401の凹溝4012が形成された後、凹溝4012に応力緩和材料、例えばポリイミド、エポキシ樹脂等の有機絶縁材料を充填してもよい。
【0099】
このとき、第2絶縁層構造202Aがゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015と同一層に形成され、第2絶縁層構造202Aがまた、折り曲げ領域401に位置する絶縁層4011と同じエッチングプロセスにより形成される。これにより、表示基板の製造プロセスを簡素化させる。
【0100】
例えば、他の実施例では、表示基板の製造方法は、更に図5Bに示される第1バリア壁202及び図5Cに示される第2バリア壁204を形成してもよい。このとき、第1エッチングプロセスにより折り曲げ領域401及びバリア領域201に位置するゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015を同時にエッチングし、第2エッチングプロセスにより折り曲げ領域401及びバリア領域201に位置するバリア層1012及びバッファ層1013を同時にエッチングすることで、バリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015を貫通する凹溝4012(例えば、図10Cに示される様子)を形成するとともに、第1部分(絶縁サブ層2021及び2022を含む)と第2部分(絶縁サブ層2026及び2027を含む)とを含む第2絶縁層構造202A及び第3部分(第1金属サブ層2041、第1絶縁サブ層2042、第2金属サブ層2043及び第2絶縁サブ層2044を含む)と第4部分(絶縁サブ層2048及び2049を含む)とを含む第1積層構造204Aを形成する。
【0101】
これにより、第2絶縁層構造202Aの第1部分、第1積層構造204Aの第3部分における絶縁サブ層は、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015と同一層に形成され、また折り曲げ領域401の凹溝4012の一部と同じエッチングプロセス(第1エッチングプロセス)によりエッチングされて形成され、第2絶縁層構造202Aの第2部分、第1積層構造204Aの第4部分は、バリア層1012及びバッファ層1013と同一層に形成され、また折り曲げ領域401の凹溝4012の他の部分と同じエッチングプロセス(第2エッチングプロセス)によりエッチングされて形成される。バリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015の厚さの合計値が比較的に大きいため、2回エッチングプロセスによりそれを部分的にエッチングすることは、エッチングプロセスがスムーズに行われることに役立ち、最終的なエッチング形態を確保することにも役立つ。
【0102】
図10Aに示すように、上記エッチングプロセスにおいて、更にバリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015の開孔領域301に近い部分(すなわち、図10Aにおける左側点線枠に示される部分)を同時にエッチングしてもよい。バリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015の一部又は全部が無機絶縁材料で製造され、無機絶縁材料が脆性を有するため、例えばプレス成形又はカット等により開孔領域301を形成する際にクラックが生じやすく、従って、バリア層1012、バッファ層1013、ゲート絶縁層1014及び層間絶縁層1015の開孔領域301に近い部分を除去することにより、開孔領域301を形成する際にこれらの層にクラックが生じることを回避できる。
【0103】
図11A及び図11Bに示すように、層間絶縁層1015におけるビアが形成された後、ソース電極1023及びドレイン電極1024並びに第1バリア壁202の第1金属層構造202B及び第2バリア壁204の第2金属層構造204Bを形成する。
【0104】
例えば、ソース電極1023及びドレイン電極1024が多層の金属構造、例えば3層の金属層構造として形成されてもよい。例えば、一例では、スパッタリング又は蒸着等によりチタン材料層、アルミニウム材料層及びチタン材料層を順に形成し、次に1回パターニングプロセスにより3つの材料層をパターニングし、それによりソース電極1023及びドレイン電極1024を構成するチタン/アルミニウム/チタンの3層の金属構造を形成するとともに、側面が面一となる初期の第1金属層構造及び初期の第2金属層構造を形成する。次に、1回エッチングプロセスにより側面が面一となる初期の第1金属層構造及び初期の第2金属層構造をエッチングし、側面に凹部がある第1金属層構造202B及び第2金属層構造204Bを形成する。例えば、該エッチングプロセスに使用されるエッジング液が第1金属層構造202B及び第2金属層構造204Bの中間層のみに対してエッチング効果を有し、又は中間層に対するエッチングレートが他の層に対するエッチングレートよりも大きく、それにより、該エッチングプロセスによっては第1金属層構造202B及び第2金属層構造204Bの凹部を形成することができる。
【0105】
これにより、ソース電極1023がドレイン電極1024並びに第1バリア壁202の第1金属層構造202B及び第2バリア壁204の第2金属層構造204Bと同一層に形成され、それにより、表示基板の製造プロセスを簡素化させる。
【0106】
図12A及び図12Bに示すように、薄膜トランジスタ102及び蓄積コンデンサ103の各膜層の形成が完了した後、順に平坦化層1016、陽極層1041、画素定義層1017及びスペーサ1018を形成するとともに、第1遮断壁203及び第2遮断壁205を形成する。
【0107】
例えば、パターニングプロセスにより平坦化層1016、第1遮断壁203の絶縁サブ層2031及び第2遮断壁205の絶縁サブ層2051を同一層に形成する。例えば、平坦化層1016、第1遮断壁203の絶縁サブ層2031及び第2遮断壁205の絶縁サブ層2051の材料はポリイミド、エポキシ樹脂等の有機絶縁材料を用いてもよい。形成された平坦化層1016にビアを有し、それにより、その後に形成された陽極層1041が該ビアを介してソース電極1023に電気的に接続される。
【0108】
例えば、パターニングプロセスにより陽極層1041を表示領域101の平坦化層1016に形成し、陽極層1041が平坦化層1016のビアを介してソース電極1023に電気的に接続される。例えば、陽極層1041の材料はITO、IZO等の金属酸化物、あるいはAg、Al、Mo等の金属又はその合金を含む。
【0109】
例えば、パターニングプロセスにより画素定義層1017、第1遮断壁203の絶縁サブ層2032及び第2遮断壁205の絶縁サブ層2052を同一層に形成する。その後に発光素子の発光層1042及び陰極層1043等の構造を形成するよう、画素定義層1017に陽極層1041を露出させる開口がある。例えば、画素定義層1017、第1遮断壁203の絶縁サブ層2032及び第2遮断壁205の絶縁サブ層2052の材料はポリイミド、エポキシ樹脂等の有機絶縁材料を含んでもよい。
【0110】
例えば、パターニングプロセスによりスペーサ1018及び第2遮断壁205の絶縁サブ層2053を同一層に形成する。スペーサ1018及び第2遮断壁205の絶縁サブ層2053の材料はポリイミド、エポキシ樹脂等の有機絶縁材料を含む。このとき、第2遮断壁205のサブ絶縁層の数が第1遮断壁203のサブ絶縁層の数よりも多いため、第2遮断壁205が第1遮断壁203よりも高い。
【0111】
上記例では、第1遮断壁203が平坦化層1016、画素定義層1017と同一層に形成され、第2遮断壁205が平坦化層1016、画素定義層1017及びスペーサ108と同一層に形成され、それにより、表示基板の製造プロセスを簡素化させる。例えば、他の例では、第2遮断壁205が平坦化層1016及びスペーサ108と同一層に形成され、又は画素定義層1017及びスペーサ108と同一層に形成されてもよく、本開示の実施例では制限しない。
【0112】
例えば、図13A及び図13Bに示すように、インクジェット印刷又は蒸着等により画素定義層1017の開口に発光層1042を形成し、次に陰極層1043を形成してもよい。例えば、発光層1042と陽極層1041との間又は発光層1042と陰極層1043との間には補助発光層(図示せず)がさらに形成されてもよく、補助発光層は例えば電子注入層、電子輸送層、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの1つ又は複数を含む。陰極層1043と補助発光層とが例えば表示基板の全面に亘って形成され、第1バリア壁202及び第2バリア壁204で分断される。
【0113】
例えば、発光層1042の材料及び補助発光層の材料が有機材料であり、発光層1042の材料が必要に応じてあるカラーの光(例えば、赤色光、青色光又は緑色光等)を発することのできる発光材料を選択することができる。陰極層1043の材料はMg、Ca、Li又はAl等の金属又はその合金、IZO、ZTO等の金属酸化物、あるいはPEDOT/PSS(ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸塩)等の導電性有機材料を含んでもよい。
【0114】
このとき、陰極層1043及び補助発光層の開孔領域301に近い部分が汚染された場合、陰極層1043及び補助発光層が第1バリア壁202及び第2バリア壁204により分断されたため、水や酸素等の不純物が拡散して陰極層1043及び補助発光層の発光のための部分まで広がることはない。
【0115】
図14A図14Bに示すように、発光素子104が形成された後、表示領域201及び第1バリア壁202に封止層105を形成してもよい。例えば、封止層105を形成することは、第1バリア壁202及び表示領域201に第1無機封止層1051、第1有機封止層1052及び第2無機封止層1053を順に形成することを含む。例えば、第1無機封止層1051と第2無機封止層1053とが蒸着等により形成される。第1有機封止層1052がインクジェット印刷により形成される。図14Bに示すように、第1遮断壁203の遮断作用によって、第1有機封止層1052が第1遮断壁203で終止する。
【0116】
例えば、いくつかの実施例では、インクジェット印刷プロセスにおいて、インクジェット印刷範囲が制御されにくいなどを起因して、インクジェット印刷により第1有機封止層1052を形成する際に印刷インクが第1遮断壁203の外側に流れ、ひいては第2遮断壁205の外側に流れて、第1有機封止層1052が開孔領域301に延在して水や酸素を輸送する通路となってしまい、表示領域101の汚染を招く恐れがある。この場合、インデント印刷とエッジ補充印刷との組み合わせにより第1有機封止層1052を形成することができる。
【0117】
例えば、図14Bに示すように、インクジェット印刷の境界を第1遮断壁203の表示領域101に近い側に位置するD点にインデントし、例えばD点と第1遮断壁203との間隔を50μm~70μm、例えば60μmとし、この場合、まず、D点を印刷境界としてインクジェット印刷する。次に、D点と第1遮断壁203との間の範囲に対してエッジ補充印刷を行う。これにより、インクジェット印刷過程が容易に制御でき、所望の第1有機封止層1052を容易に形成することができる。
【0118】
例えば、第1無機封止層1051と第2無機封止層1053とが窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料で形成されてもよく、第1有機封止層1052がポリイミド(PI)、エポキシ樹脂等の有機材料で形成されてもよい。これにより、第1無機封止層1051、第1有機封止層1052及び第2無機封止層1053が複合封止層として形成され、該複合封止層は表示領域201の機能構造及び第1バリア壁202等の構造への保護を多重化させて、より高い封止効果を有する。
【0119】
例えば、図14Bに示すように、コーティング等により第2バリア壁204に第1有機絶縁層206を更に形成してもよく、第1有機絶縁層206が少なくとも第2バリア壁204を被覆する。例えば、第1有機絶縁層206が第2遮断壁205と開孔領域301との間に形成される。第1有機絶縁層206は第2バリア壁204を保護することができ、第1有機絶縁層20は水や酸素等の不純物が開孔領域301から表示領域101に侵入することを防止するという機能を果たすこともでき、また、第1有機絶縁層206は一定の高さを有するので、その後に表示基板100に形成された偏光板及びカバープレート等の構造を支持して、偏光板及びカバープレート等の構造が開孔領域301に窪んだりするという不良の発生を防止できる。
【0120】
例えば、図14Cに示すように、折り曲げ領域401の絶縁層4011の上にも保護層4013が形成され、製造プロセスを簡素化するために、該保護層4013が例えば第1有機絶縁層206と同一層に形成されてもよい。
【0121】
本開示のいくつかの実施例では、必要に応じて、表示領域101、バリア領域201及び折り曲げ領域401には、他の必要な機能膜層が更に形成されてもよく、これらの膜層が通常の方法で形成されてもよく、ここで詳しく説明しない。
【0122】
例えば、表示領域101の形成が完了した後、レーザ切断又は機械プレス成形により開孔領域301を形成してもよい。開孔領域301がベース基板1011を貫通し、開孔領域301には例えば中央演算装置等に信号接続されるイメージセンサ、赤外線センサ等の構造が取り付けられてもよい。例えば、該イメージセンサ又は赤外線センサ等の構造がベース基板1011の発光素子から離れる側(すなわち、表示基板の非表示側)に設置されてもよく、且つ、開孔領域301を介して撮影、顔認識、赤外線誘導等の様々の機能を実現することができる。
【0123】
例えば、開孔領域301が形成された後、表示基板に偏光板、カバープレート等の構造を更に形成してもよく、本開示の実施例では制限しない。
【0124】
例えば、いくつかの実施例では、第1バリア壁202、第1遮断壁203、第2バリア壁204、第2遮断壁205等が複数形成されてもよく、それにより、バリア領域201がより高いバリア効果を有する。本開示の実施例は第1バリア壁202、第1遮断壁203、第2バリア壁204、第2遮断壁205等の構造の個数を制限しない。
【0125】
例えば、本開示の実施例に係る表示基板の製造方法は、図6に示される表示基板を更に形成することができ、このとき、バリア領域201を形成することは、第3遮断壁207及び第2有機絶縁層208を形成することを更に含む。第3遮断壁207が第2遮断壁205の表示領域101から離れる側に形成され、第2有機絶縁層208が第2遮断壁205と第3遮断壁207との間に形成され、第2バリア壁204を被覆している。
【0126】
例えば、第3遮断壁207と第2遮断壁205とが同一層に形成され、同じ構造を有し、第3遮断壁207の具体的な形成については、上記実施例に説明された第2遮断壁205の形成を参照してもよく、ここで詳しく説明しない。
【0127】
例えば、インクジェット印刷により第2有機絶縁層208を形成してもよく、例えば、表示基板の製造プロセスを簡素化するために、第2有機絶縁層208は第1有機封止層1052と同じインクジェット印刷プロセスにより形成される。
【0128】
本開示の実施例に係る製造方法で形成された表示基板は、バリア領域を備え、該バリア領域が複数のバリア壁及び遮断壁を備え、それにより、表示領域と開孔領域とを十分に分離して、開孔領域を形成する際に生じ得るクラックが表示領域まで広がることを回避することができ、これにより表示基板の信頼性を向上させる。
【0129】
本開示の実施例に係る表示基板又は本開示の実施例に係る製造方法で製造された表示基板は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、カーナビゲーション等、表示機能を持つ任意の製品又は部材である表示装置に使用でき、本開示の実施例では制限しない。
【0130】
なお、
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に関する構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照してもよい。
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するための図面では、層又は領域の厚さは拡大又は縮小されており、すなわち、それらの図面は実際の比例で作成するものではない。なお、層、フィルム、領域や基板などの素子が他の素子「上」又は「下」に位置すると記載される場合、かかる素子は他の素子「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、又は中間素子を介してもよい。
(3)矛盾しない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴は互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0131】
以上は、本開示の特定の実施形態に過ぎず、本開示の特許範囲はこれに制限されず、当業者が本開示で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化又は置換は、すべて本開示の特許範囲に属すべきである。従って、本開示の特許範囲は特許請求の範囲の特許範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0132】
100 表示基板
101 表示領域
201 バリア領域
202 第1バリア壁
203 第1遮断壁
202B 第1金属層構造
204 第2バリア壁
204B 第2金属層構造
204A 第1積層構造
301 開孔領域
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C