(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002035
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】移動速度計測装置
(51)【国際特許分類】
G01P 3/481 20060101AFI20231228BHJP
G01P 3/489 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G01P3/481 A
G01P3/489 D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100982
(22)【出願日】2022-06-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩
(57)【要約】
【課題】安定した状態において高い精度で車両の移動速度を計測する。
【解決手段】車輪110の回転に伴って車輪110に生じるひずみを検出するひずみゲージ121と、ひずみゲージ121の検出結果に基づいて演算を行う演算部132とを備え、演算部132は、ひずみゲージ121の検出結果に基づく車輪110の回転周期と、車輪110の半径とから、車輪110を有する車両10の移動速度を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪(110)の回転に伴って前記車輪(110)に生じるひずみを検出するひずみゲージ(121)と、
前記ひずみゲージ(121)の検出結果に基づいて演算を行う演算部(132)と、を備え、
前記演算部(132)は、前記ひずみゲージ(121)の前記検出結果に基づく前記車輪(110)の回転周期と、前記車輪(110)の半径とから、前記車輪(110)を有する車両(10)の移動速度を算出する演算を行う、
移動速度計測装置。
【請求項2】
前記ひずみゲージ(121)は、ひずみに応じて抵抗値に変化を生じるセンサであり、
前記ひずみゲージ(121)の抵抗値の変化が最大となる出力ピークを抽出する信号処理部(122)をさらに備え、
前記演算部(132)は、前記検出結果として前記出力ピークを用いて前記回転周期を算出する、
請求項1に記載の移動速度計測装置。
【請求項3】
前記ひずみゲージ(121)は、前記車輪(110)の周方向において等間隔に少なくとも3箇所設けられ、
前記演算部(132)は、前記ひずみゲージ(121)の抵抗値の変化が最大となる出力ピークの発生順により、前記車輪(110)の回転方向を検出する演算を行う、
請求項1に記載の移動速度計測装置。
【請求項4】
前記車両(10)は、ロードローラであり、
前記車輪(110)は、前記ロードローラに設けられた転圧ローラであり、
前記演算部(132)は、前記ロードローラの移動速度を算出する、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の移動速度計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動速度計測装置に関し、特に、車両の移動速度を計測する移動速度計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の移動速度を計測する手法として、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星からの信号を用いて、単位時間あたりの位置の変化から移動速度を算出する手法がある。
また、特許文献1のように、光学式または磁気式のセンサにより、車両の移動速度を計測する手法が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
GPS衛星からの信号を使用する手法では、GPS受信機を使用するため、計測装置が高価になる問題がある。また、建物内または地下空間等においてGPS衛星からの信号を受信できない問題、あるいは、各種の要因により測定誤差が大きくなる問題を有している。
【0005】
特許文献1の手法では、汚れの付着により光学式センサの計測が行えなくなったり、周囲の磁気的な影響または鉄粉等の付着により磁気式センサの計測が行えなくなるといった問題を有している。
【0006】
従って、車両の移動速度を、安定した状態において高い精度で計測できることが望まれている。
本発明は、安定した状態において高い精度で、車両の移動速度を計測することが可能な移動速度計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る移動速度計測装置は、車輪の回転に伴って車輪に生じるひずみを検出するひずみゲージと、ひずみゲージの検出結果に基づいて演算を行う演算部とを備え、演算部は、ひずみゲージの検出結果に基づく車輪の回転周期と、車輪の半径とから、車輪を有する車両の移動速度を算出する演算を行う。
【0008】
(2)本発明に係る移動速度計測装置において、ひずみゲージは、ひずみに応じて抵抗値に変化を生じるセンサであり、ひずみゲージの抵抗値の変化が最大となる出力ピークを抽出する信号処理部をさらに備え、演算部は、検出結果として出力ピークを用いて回転周期を算出する。
(3)本発明に係る移動速度計測装置において、ひずみゲージは、車輪の周方向において等間隔に少なくとも3箇所設けられ、演算部は、ひずみゲージの抵抗値の変化が最大となる出力ピークの発生順により、車輪の回転方向を検出する演算を行う。
(4)本発明に係る移動速度計測装置において、車両は、ロードローラであり、車輪は、ロードローラに設けられた転圧ローラであり、演算部は、ロードローラの移動速度を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の移動速度計測装置によれば、車輪の回転に伴って車輪に生じるひずみをひずみゲージにより検出し、ひずみゲージの検出結果に基づく車輪の回転周期と、車輪の半径とから、車輪を有する車両の移動速度を演算部が算出することにより、安定した状態において高い精度で、車両の移動速度を計測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る移動速度計測装置の構成を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る移動速度計測装置における検出部の取り付け状態を示す説明図である。
【
図3】実施の形態1に係る移動速度計測装置が適用される車両を示す説明図である。
【
図4】実施の形態1に係る移動速度計測装置において、ひずみゲージの抵抗値の変化に基づいて信号処理部により抽出される出力ピークの波形を示すタイミングチャートである。
【
図5】実施の形態1に係る移動速度計測装置において、ひずみゲージの抵抗値の変化に基づいて信号処理部により抽出される出力ピークの波形を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の移動速度計測装置の実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付している。
【0012】
実施の形態1.
はじめに、実施の形態1における移動速度計測装置100について、
図1~
図3を参照して説明する。
ここでは、移動速度計測装置100が、車輪110を有する車両10に適用された場合を具体例として説明する。
なお、車両10は各種用途の移動体が該当するが、実施の形態1では、車輪110として転圧ローラ等を有する建設機械用のロードローラを車両10の具体例とする。
【0013】
図1は、実施の形態1に係る移動速度計測装置100の構成を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る移動速度計測装置100における検出部120の取り付け状態を示す説明図である。
図3は、実施の形態1に係る移動速度計測装置100が適用される車両10を示す説明図である。
【0014】
[移動速度計測装置100の構成]
移動速度計測装置100は、主に、検出部120と、処理部130とを備えている。移動速度計測装置100は、車輪110を有する車両10に設けられている。
【0015】
車輪110は、
図2に示すように、回転軸111、ホイール部112、外輪部113を備えている。回転軸111は、図示しないベアリング等を介して、回転自在に車両10に支持されている。ホイール部112は、回転軸111を回転中心とするように外輪部113を保持している。外輪部113は、転圧ローラとして地面を締め固めることが可能なように、滑らかな外周面を保ちつつ堅固に構成されている。
【0016】
検出部120は、ひずみゲージ121、信号処理部122、及び送信部123を備えている。検出部120は、車輪110のいずれかの位置に取り付けられている。
ひずみゲージ121は、ひずみに応じて抵抗値に変化を生じるセンサである。すなわち、計測対象物である車輪110に貼付されたひずみゲージ121は、接地面付近のホイール部112または外輪部113の伸縮に比例して伸縮するため、金属抵抗体の抵抗値に変化を生じる。
【0017】
ここで、車輪110の軸心に沿う方向を軸方向とし、車輪110の半径に沿う方向を半径方向とし、車輪110の回転方向に沿う方向を周方向とする。ひずみゲージ121は、車輪110の周方向において等間隔に、ひずみゲージ121a~121dとして外輪部113の内側面の4箇所に接着等により取り付けられている。
【0018】
信号処理部122は、ひずみゲージ121a~121dそれぞれの抵抗値の変化をAD変換した後に2値化することで、車両10の重量に応じて発生する車輪110の接地時のひずみを、抵抗値の変化が最大となる出力ピークとして適切に抽出することができる。
送信部123は、信号処理部122により抽出された出力ピークのデータを、車両10のいずれかの位置に設置された処理部130内の受信部131に向けて送信する。
【0019】
処理部130は、受信部131、演算部132、記憶部133、及び制御部134を備えている。処理部130は、車両10のいずれかの位置に取り付けられている。
受信部131は、検出部120の送信部123から送信されたひずみゲージ121の抵抗値の変化が最大となる出力ピークのデータを受信し、受信したデータを演算部132に供給する。
送信部123と受信部131とは、各種の無線通信あるいは光通信により通信可能に構成されている。なお、送信部123と受信部131との接続は無線通信あるいは光通信等に限られず、スリップリング等を用いて有線により接続することも可能である。
【0020】
演算部132は、ひずみゲージ121の抵抗値の変化が最大となる出力ピークと、記憶部133に記憶された車輪110の半径等の各種パラメータとを用いて、以下のようにして車輪110を有する車両10の移動速度Vを算出する。
まず、演算部132は、信号処理部122により抽出された出力ピークをカウントして得たカウント数と、基準クロックとにより、車輪110の回転周期Trを算出する。
更に、演算部132は、算出した回転周期Trと予め記憶しておいた車輪110の半径rとから、車両10の移動速度VをV=2πr/Trと算出する演算を行う。
【0021】
制御部134は、算出された車両10の移動速度Vを図示しない表示部に表示し、または、必要に応じて自走式の車両10の移動速度Vを設定速度に保つように制御する。
【0022】
ここで、車両10の一例を
図3により説明する。
図3は、実施の形態1に係る移動速度計測装置100が適用される車両10を示す説明図である。ここでは、車両10が、ロードローラ等の建設機械であって、車輪110として転圧ローラを有する場合を具体例として示している。
車輪110には、ひずみゲージ121a~121dを含む検出部120が取り付けられている。車両10のいずれかの位置には、処理部130が取り付けられている。処理部130は、独立して存在してもよいが、車両10の制御用コンピュータに包含されて構成されていてもよい。
【0023】
[ひずみ検出]
車輪110の回転に伴う検出部120のひずみ検出の様子を
図4により説明する。
図4は、実施の形態1に係る移動速度計測装置100において、ひずみゲージ121a~121dの抵抗値の変化に基づいて、信号処理部122により抽出される出力ピークの波形を示すタイミングチャートである。
【0024】
図4の(a)~(d)は、車輪110が時計回りに回転する際における、ひずみゲージ121a~121dそれぞれの抵抗値の変化に基づいて信号処理部122により処理される出力ピークを示している。ここで、
図4の横軸は時刻tを示している。
【0025】
図2に示す車輪110が時計回りに回転すると、ひずみゲージ121a、ひずみゲージ121b、ひずみゲージ121c、ひずみゲージ121d、…の順に接地面Eに接近する。
この際、車輪110の外輪部113のうちで接地面Eに近づいている領域は、車輪110及び車両10の一部の重量に応じてひずみを生じる。よって、
図4の(a)~(d)の波形は、車輪110の時計回りの回転に伴って、ひずみゲージ121a~121dが順に接地面Eに接近したことを意味している。ここで、ひずみゲージ121a~121dは、車輪110の外輪部113の接地時のひずみを検出するものであり、設置角度、遠心力、及び重力加速度の影響を受けることがない。
【0026】
演算部132は、
図4の(a)~(d)の出力ピークの間隔Tr_a_~Tr_dをタイマにより計測して車輪110の回転周期Trを求めてもよいし、一定時間に含まれる出力ピークのパルス数のカウント結果を逆算して車輪110の回転周期Trを求めてもよい。また、演算部132は、
図4の(a)~(d)の出力ピークのいずれかのみを用いて回転周期Trを求めてもよいし、
図4の(a)~(d)の出力ピークの間隔Tr_a_~Tr_dからそれぞれ求めた結果を平均して回転周期Trを求めてもよい。
なお、接地面Eの凹凸などによって
図4の(a)~(d)のいずれかの出力ピークが欠落する可能性がある。そのような場合は、
図4の(a)~(d)の出力ピークの間隔Tr_a_~Tr_dのうち、それまでの平均値から大きく外れるデータを除去した上で、回転周期Trを求めるようにしてもよい。
【0027】
[回転方向検出]
車輪110の回転方向の変化に伴う検出部120のひずみ検出の様子を
図4及び
図5により説明する。
図4及び
図5は、実施の形態1に係る移動速度計測装置100において、ひずみゲージ121a~121dの抵抗値の変化に基づいて、信号処理部122により抽出される出力ピークの波形を示すタイミングチャートである。
【0028】
図4において、横軸は時刻tを示しており、出力ピークは、(a)、(b)、(c)、(d)、…の順に発生しつつ繰り返している。これは、ひずみゲージ121a、ひずみゲージ121b、ひずみゲージ121c、ひずみゲージ121d、…の順に接地面Eに接近していることを意味しており、
図2に示す車輪110は時計回りに回転していることがわかる。
【0029】
一方、
図5において、横軸は時刻tを示しており、出力ピークは、(a)、(d)、(c)、(b)、(a)、…の順に発生しつつ繰り返している。これは、ひずみゲージ121a、ひずみゲージ121d、ひずみゲージ121c、ひずみゲージ121b、…の順に接地面Eに接近していることを意味しており、
図2に示す車輪110は反時計回りに回転していることがわかる。
【0030】
演算部132は、以上のようにして、出力ピークの発生順と、記憶部133に予め記憶したひずみゲージ121a~121dの配置順または配置位置とにより、車輪110の回転方向を検出することができる。なお、車輪110に4個のひずみゲージ121a~121dが設けられた具体例を示しているが、最低3個のひずみゲージ121(121a~121c)が設けられていれば、演算部132は車輪110の回転方向を検出することができる。そして、演算部132は、車輪110の回転方向から、前進/後退といった車両10の進行方向を検出することができる。
【0031】
[ひずみゲージ121の取り付け位置]
図2において、ひずみゲージ121a~121dは、車輪110の外輪部113の内側面に設けられているが、この位置に限定されるものではない。例えば、外輪部113の側面、ホイール部112など、車輪110の接地時において車両10の重量によるひずみを検出できる箇所であればよい。
【0032】
[その他の実施の形態]
以上の実施の形態1では、4個のひずみゲージ121a~121dを用いる具体例を用いて説明してきたが、1個のひずみゲージ121のみを用いることも可能である。ひずみゲージ121を1個とした場合、移動速度計測装置100は、車輪110の回転方向を検出することはできないが、移動速度を計測することができる。
【0033】
実施の形態1において、移動速度計測装置100は、車輪110を有する建設機械用の車両10の移動速度を計測すると説明してきたが、建設機械以外の各種の車両10の移動速度を計測する用途に適用することができる。なお、各種の車両には、乗用自動車、貨物自動車などだけでなく、自転車、オートバイなども含まれる。
【0034】
車両10は車輪110により接地する装輪車両だけでなく、ベルト状の履帯を介して接地する装軌車両であってもよい。車両10が装軌車両である場合、接地面Eに近い車輪110において履帯を介して接地する際のひずみから、移動速度を計測することができる。
【0035】
実施の形態1の移動速度計測装置100は、演算部132において移動速度と移動時間との積により移動距離を算出することにより、管路内の移動距離を計測するローラ距離計、路上の特定区間の距離を計測するローラ距離計などにおいて距離を求める用途に適用することができる。
【0036】
[実施の形態により得られる効果]
以上説明したように、本発明の実施の形態1の移動速度計測装置100によると、以下のような効果を得ることができる。
【0037】
(1)実施の形態1の移動速度計測装置100は、車輪110の回転に伴って車輪110に生じるひずみを検出するひずみゲージ121と、ひずみゲージ121の検出結果に基づいて演算を行う演算部132とを備え、演算部132は、ひずみゲージ121の検出結果に基づく車輪110の回転周期と、車輪110の半径とから、車輪110を有する車両10の移動速度を算出する演算を行う。
【0038】
この移動速度計測装置100によれば、車輪110の回転に伴って車輪110に生じるひずみをひずみゲージ121により検出し、ひずみゲージ121の検出結果に基づく車輪110の回転周期と、車輪110の半径とから、演算部132が車両10の移動速度を算出することにより、安定した状態において高い精度で、車両10の移動速度を計測することが可能になる。
また、移動速度計測装置100は、ひずみゲージ121を用いて車輪110の回転時に生じるひずみを検出することで、汚れの付着により光学式センサの計測が行えなくなったり、周囲の磁気的な影響または鉄粉等の付着により磁気式センサの計測が行えなくなるといった不具合から解放される。
そして、移動速度計測装置100は、GPS衛星からの信号を使用していないため、装置が高価になることはなく、建物内または地下空間等でも安定して移動速度を計測することができる。
【0039】
(2)実施の形態1の移動速度計測装置100は、上記の(1)において、ひずみゲージ121は、ひずみに応じて抵抗値に変化を生じるセンサであり、ひずみゲージ121の抵抗値の変化が最大となる出力ピークを抽出する信号処理部122をさらに備え、演算部132は、検出結果として出力ピークを用いて回転周期を算出する。
この移動速度計測装置100によれば、車両10の重量に応じて発生する車輪110の接地時のひずみを出力ピークとして適切に抽出することができ、設置角度、遠心力、及び重力加速度の影響を受けずに、安定した状態において高い精度で、車輪110を有する車両10の移動速度を計測することが可能になる。
【0040】
(3)実施の形態1の移動速度計測装置100は、上記の(1)または(2)において、ひずみゲージ121は、車輪110の周方向において等間隔に少なくとも3箇所設けられ、演算部132は、出力ピークの発生順により車輪110の回転方向を確実に検出することができる。
【0041】
(4)実施の形態1の移動速度計測装置100は、上記の(1)~(3)のいずれかにおいて、車両10を建設機械用のロードローラとして、車輪110をロードローラに設けられた転圧ローラとすることで、演算部132はロードローラの移動速度を計測することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の移動速度計測装置100は、各種の車両10の移動速度の計測、距離を計測するローラ距離計などで、光学センサや磁気センサ等を用いる必要がなく、耐久性を低下させることなく、高い精度で回転時の車輪110ひずみから車両10の移動速度を計測するものであり、高信頼性を要求される用途に適している。
【符号の説明】
【0043】
10 車両、100 移動速度計測装置、110 車輪、111 回転軸、112 ホイール部、113 外輪部、120 検出部、121、121a~121d ひずみゲージ、122 信号処理部、123 送信部、130 処理部、131 受信部、132 演算部、133 記憶部、134 制御部、E 接地面、r 半径。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記ひずみゲージは、車輪の周方向において等間隔に少なくとも3箇所設けられ、演算部は、ひずみゲージの抵抗値の変化が最大となる出力ピークの発生順により、車輪の回転方向を検出する演算を行う。
(2)本発明に係る移動速度計測装置において、ひずみゲージは、ひずみに応じて抵抗値に変化を生じるセンサであり、ひずみゲージの抵抗値の変化が最大となる出力ピークを抽出する信号処理部をさらに備え、演算部は、検出結果として出力ピークを用いて回転周期を算出する。
(3)本発明に係る移動速度計測装置において、車両は、ロードローラであり、車輪は、ロードローラに設けられた転圧ローラであり、演算部は、ロードローラの移動速度を算出する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪(110)の回転に伴って前記車輪(110)に生じるひずみを検出するひずみゲージ(121)と、
前記ひずみゲージ(121)の検出結果に基づいて演算を行う演算部(132)と、を備え、
前記ひずみゲージ(121)は、前記車輪(110)の周方向において等間隔に少なくとも3箇所設けられ、
前記演算部(132)は、
前記ひずみゲージ(121)の前記検出結果に基づく前記車輪(110)の回転周期と、前記車輪(110)の半径とから、前記車輪(110)を有する車両(10)の移動速度を算出する演算を行い、
前記ひずみゲージ(121)の抵抗値の変化が最大となる出力ピークの発生順により、前記車輪(110)の回転方向を検出する演算を行う、
移動速度計測装置。
【請求項2】
前記ひずみゲージ(121)は、ひずみに応じて抵抗値に変化を生じるセンサであり、
前記ひずみゲージ(121)の抵抗値の変化が最大となる出力ピークを抽出する信号処理部(122)をさらに備え、
前記演算部(132)は、前記検出結果として前記出力ピークを用いて前記回転周期を算出する、
請求項1に記載の移動速度計測装置。
【請求項3】
前記車両(10)は、ロードローラであり、
前記車輪(110)は、前記ロードローラに設けられた転圧ローラであり、
前記演算部(132)は、前記ロードローラの移動速度を算出する、
請求項1または請求項2に記載の移動速度計測装置。