(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002036
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20231228BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20231228BHJP
A63F 13/40 20140101ALI20231228BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20231228BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231228BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/30
A63F13/40
A63F13/58
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100986
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】舩山 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】前田 章吾
(72)【発明者】
【氏名】松本 和弥
(57)【要約】
【課題】ユーザの実空間における視野を確保しつつ仮想空間におけるゲームを可能とし、ユーザの興趣性を向上させることが可能な情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面をプレイヤに表示する複合現実表示装置102と、プレイヤから操作情報を取得する操作装置103と、ゲーム管理装置101とを備える。複合現実表示装置102は、仮想画面を生成し、操作装置103の位置情報を取得し、操作情報を操作装置103から取得し、位置情報及び操作情報に基づいてアクション情報を生成し、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を情報処理装置から取得し、仮想画面情報を更新する。ゲーム管理装置101は、複合現実表示装置102からアクション情報を取得し、アクション情報に基づいて更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置102に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面を前記プレイヤに表示する複合現実表示装置と、
前記複合現実表示装置と通信可能に接続され、前記プレイヤから操作情報を取得する操作装置と、
前記複合現実表示装置と通信可能に接続された情報処理装置と、を備え、
前記複合現実表示装置は、
仮想画面情報に基づいて、前記仮想画面を生成する仮想画面生成部と、
前記操作装置の前記複合現実表示装置に対する位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記操作情報を、前記操作装置から取得する操作情報取得部と、
前記位置情報及び前記操作情報に基づいて、前記仮想画面における仮想物体に対するアクションを示すアクション情報を生成するアクション情報生成部と、
前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を前記情報処理装置から取得し、前記仮想画面情報を更新する仮想画面情報更新部と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記複合現実表示装置から前記アクション情報を取得し、前記アクション情報に基づいて前記更新情報を生成し、前記更新情報を前記複合現実表示装置に送信する更新情報管理部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記情報処理装置において、
前記更新情報管理部は、
第1プレイヤが用いる第1複合現実表示装置から第1アクション情報を取得し、第2プレイヤが用いる第2複合現実表示装置から第2アクション情報を取得し、前記第1アクション情報及び前記第2アクション情報に基づいて前記更新情報を生成し、前記第1複合現実表示装置及び前記第2複合現実表示装置に前記更新情報を送信する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記位置情報は第1位置情報であり、
前記情報処理装置は、
前記複合現実表示装置の位置を示す第2位置情報と、前記仮想物体に関連付けられる仮想物体パラメータであって、前記仮想物体の仮想空間中の位置を示す第3位置情報を含む仮想物体パラメータと、が記憶される記憶部をさらに備え、
前記更新情報管理部は、前記アクション情報に基づいて、前記第2位置情報及び前記仮想物体パラメータを更新し、更新された前記第2位置情報及び前記仮想物体パラメータに基づいて、前記更新情報を生成する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記位置情報は第1位置情報であり、
前記複合現実表示装置は、
前記プレイヤに関連付けられるプレイヤパラメータが記憶される記憶部、をさらに備え、
前記アクション情報生成部は、前記複合現実表示装置の位置を示す第2位置情報と、前記仮想物体の仮想空間中の位置を示す第3位置情報とに基づいて、前記プレイヤパラメータを更新し、更新された前記プレイヤパラメータを前記情報処理装置に送信する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記操作装置は、前記位置情報を検出する位置情報検出手段、をさらに備え、
前記複合現実表示装置において、
前記位置情報取得部は、前記位置情報検出手段から前記位置情報を取得する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記仮想画面は前記プレイヤによってプレイされるゲームに関する画面であり、
前記アクション情報は前記ゲームにおける前記プレイヤのアクションを示し、
前記情報処理装置において、
前記更新情報管理部は、前記アクション情報に基づいて、前記ゲームにおける前記プレイヤのスコアを含む前記更新情報を生成し、
前記複合現実表示装置において、
前記仮想画面情報更新部は、前記更新情報に基づいて、前記仮想画面に前記スコアが表示されるよう前記仮想画面情報を更新する、
情報処理システム。
【請求項7】
実空間における少なくとも1のプレイヤそれぞれの視界に重畳されて表示される仮想画面を前記少なくとも1のプレイヤのそれぞれに表示する少なくとも1つの複合現実表示装置と、
前記複合現実表示装置と通信可能に接続された情報処理装置と、を備え、
前記複合現実表示装置は、
仮想画面情報に基づいて、前記仮想画面を生成する仮想画面生成部と、
他のプレイヤが操作し、前記他のプレイヤの操作情報を送信する送信部を有する操作装置から前記他のプレイヤの操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記他のプレイヤの前記操作情報に基づいて、前記他のプレイヤによるアクションを示すアクション情報を生成するアクション情報生成部と、
前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を前記情報処理装置から取得し、前記更新情報に基づいて前記仮想画面情報を更新する仮想画面情報更新部と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記複合現実表示装置から前記アクション情報を取得し、前記アクション情報に基づいて、前記更新情報を生成し、前記更新情報を前記複合現実表示装置に送信する更新情報管理部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項8】
請求項1又は7に記載の情報処理システムであって、
前記複合現実表示装置において、
前記仮想画面生成部は、前記仮想画面内に仮想キャラクタが配置される前記仮想画面を生成し、
前記情報処理装置は、
前記仮想キャラクタに関連付けられるパラメータであるキャラクタパラメータが記憶される記憶部をさらに備え、
前記更新情報管理部は、前記アクション情報に基づいて前記キャラクタパラメータを更新し、更新された前記キャラクタパラメータに基づいて前記更新情報を生成する、
情報処理システム。
【請求項9】
実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面を前記プレイヤに表示する複合現実表示装置が、
仮想画面情報に基づいて、前記仮想画面を生成することと、
前記複合現実表示装置と通信可能に接続され、前記プレイヤから操作情報を取得する操作装置の前記複合現実表示装置に対する位置情報を取得することと、
前記操作情報を、前記操作装置から取得することと、
前記位置情報及び前記操作情報に基づいて、前記仮想画面における仮想物体に対するアクションを示すアクション情報を生成することと、
前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を、前記複合現実表示装置と通信可能に接続された情報処理装置から取得し、前記仮想画面情報を更新することと、を含み、
前記情報処理装置が、
前記複合現実表示装置から前記アクション情報を取得し、前記アクション情報に基づいて、前記更新情報を生成し、前記更新情報を前記複合現実表示装置に送信すること、を含む、
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面を仮想画面情報に基づいて生成し、前記仮想画面を前記プレイヤに表示する複合現実表示装置から、前記仮想画面における仮想物体に対する前記プレイヤによるアクションを示すアクション情報を取得するアクション情報に基づいて、前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を生成し、前記更新情報を前記複合現実表示装置に送信すること、を実行させる、
プログラム。
【請求項11】
複合現実表示装置に、
仮想画面情報に基づいて、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されてプレイヤに表示される仮想画面を生成することと、
前記複合現実表示装置と通信可能に接続され、前記プレイヤから操作情報を取得する操作装置の前記複合現実表示装置に対する位置情報を取得することと、
前記仮想画面に応じた前記操作情報を、前記操作装置から取得することと、
前記位置情報及び前記操作情報に基づいて、前記仮想画面における仮想物体に対する前記プレイヤによるアクションを示すアクション情報を生成することと、
前記アクション情報に基づいて生成され、前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報に基づいて、前記仮想画面情報を更新することと、を実行させる、
プログラム。
【請求項12】
情報処理装置に、
実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面を仮想画面情報に基づいて生成して前記プレイヤに表示する複合現実表示装置から取得される、他のプレイヤによるアクションを示すアクション情報に基づいて、前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を生成し、前記更新情報を前記複合現実表示装置に送信すること、を実行させる、
プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記アクション情報は、前記他のプレイヤの操作装置から取得される操作情報に基づいて生成された情報である、
プログラム。
【請求項14】
複合現実表示装置に、
仮想画面情報に基づいて、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されてプレイヤに表示される仮想画面を生成することと、
他のプレイヤが操作し、前記他のプレイヤの操作情報を送信する送信部を有する操作装置から前記他のプレイヤの前記操作情報を取得することと、
前記他のプレイヤの前記操作情報に基づいて、前記他のプレイヤによるアクションを示すアクション情報を生成し、情報処理装置に送信することと、
前記アクション情報に基づいて生成され、前記仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を前記情報処理装置から取得し、前記更新情報に基づいて前記仮想画面情報を更新することと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームシステムにおいて、ユーザの頭部に装着されるなどして、ユーザに仮想空間における仮想画像を表示させるVR(Virtual Reality)装置、AR(Augmented Reality)装置を用いたゲームシステムは、ユーザのゲームへの没入感を向上させ、新たなゲーム体験をもたらすシステムとして期待されている。
【0003】
特許文献1では、車両等での実行時に臨場感を高めるゲームプログラムに関する発明が開示される。特許文献1に係る発明は、VR装置等をゲーム装置として用いたゲームシステムであって、車両内で使用するゲーム装置の加速度情報や姿勢情報に応じて、ゲーム内のイベントの内容を調整し、ゲーム画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明のようにVR装置又はマーカを必要とするAR装置を用いたゲームシステムにおいては、ユーザの行動の自由度が制限されることがある。例えば、VR装置を用いる場合、ユーザの視界には仮想空間における仮想画面のみが表示され、実空間における視界は得られない。また、AR装置を用いる場合、ユーザはARを表示させるためのマーカを視野に入れた状態で行動する必要があり、視線の向きやユーザの姿勢が制限される。このようにユーザの行動が制限されると、ゲームを遊ぶユーザは自由に動き回ることが制限され、ゲームにおける臨場感が減少する。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザの実空間における視野を確保しつつ仮想空間におけるゲームを可能とし、ユーザの興趣性を向上させることが可能な情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面をプレイヤに表示する複合現実表示装置と、複合現実表示装置と通信可能に接続され、プレイヤから操作情報を取得する操作装置と、複合現実表示装置と通信可能に接続された情報処理装置とを備える。
【0008】
複合現実表示装置は、仮想画面情報に基づいて、仮想画面を生成する仮想画面生成部と、操作装置の複合現実表示装置に対する位置情報を取得する位置情報取得部と、操作情報を、操作装置から取得する操作情報取得部と、位置情報及び操作情報に基づいて、仮想画面における仮想物体に対するアクションを示すアクション情報を生成するアクション情報生成部と、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を情報処理装置から取得し、仮想画面情報を更新する仮想画面情報更新部と、を備える。また、情報処理装置は、複合現実表示装置からアクション情報を取得し、アクション情報に基づいて更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置に送信する更新情報管理部と、を備える。
【0009】
本発明の他の一態様に係る情報処理システムは、実空間における少なくとも1のプレイヤそれぞれの視界に重畳されて表示される仮想画面を少なくとも1のプレイヤのそれぞれに表示する少なくとも1つの複合現実表示装置と、複合現実表示装置と通信可能に接続された情報処理装置と、を備える。
【0010】
複合現実表示装置は、仮想画面情報に基づいて、仮想画面を生成する仮想画面生成部と、他のプレイヤが操作し、他のプレイヤの操作情報を送信する送信部を有する操作装置から他のプレイヤの操作情報を取得する操作情報取得部と、他のプレイヤの操作情報に基づいて、他のプレイヤによるアクションを示すアクション情報を生成するアクション情報生成部と、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を情報処理装置から取得し、更新情報に基づいて仮想画面情報を更新する仮想画面情報更新部と、を備える。また、情報処理装置は、複合現実表示装置からアクション情報を取得し、アクション情報に基づいて、更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置に送信する更新情報管理部と、を備える。
【0011】
本発明の他の一態様に係る情報処理方法は、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面をプレイヤに表示する複合現実表示装置が、仮想画面情報に基づいて、仮想画面を生成することと、複合現実表示装置と通信可能に接続され、プレイヤから操作情報を取得する操作装置の複合現実表示装置に対する位置情報を取得することと、操作情報を、操作装置から取得することと、位置情報及び操作情報に基づいて、仮想画面における仮想物体に対するアクションを示すアクション情報を生成することと、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を、複合現実表示装置と通信可能に接続された情報処理装置から取得し、仮想画面情報を更新することと、を含み、情報処理装置が、複合現実表示装置からアクション情報を取得し、アクション情報に基づいて、更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置に送信すること、を含む。
【0012】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、情報処理装置に、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面を仮想画面情報に基づいて生成し、仮想画面をプレイヤに表示する複合現実表示装置から、仮想画面における仮想物体に対するアクションを示すアクション情報を取得するアクション情報に基づいて、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置に送信すること、を実行させる。
【0013】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、複合現実表示装置に、仮想画面情報に基づいて、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されてプレイヤに表示される仮想画面を生成することと、複合現実表示装置と通信可能に接続され、プレイヤから操作情報を取得する操作装置の複合現実表示装置に対する位置情報を取得することと、操作情報を、操作装置から取得することと、位置情報及び操作情報に基づいて、仮想画面における仮想物体に対するアクションを示すアクション情報を生成することと、アクション情報に基づいて生成され、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報に基づいて、仮想画面情報を更新することと、を実行させる。
【0014】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、情報処理装置に、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されて表示される仮想画面を仮想画面情報に基づいて生成してプレイヤに表示する複合現実表示装置から取得される、他のプレイヤによるアクションを示すアクション情報に基づいて、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置に送信すること、を実行させる。
【0015】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、複合現実表示装置に、仮想画面情報に基づいて、実空間におけるプレイヤの視界に重畳されてプレイヤに表示される仮想画面を生成することと、他のプレイヤが操作し、他のプレイヤの操作情報を送信する送信部を有する操作装置から他のプレイヤの操作情報を取得することと、他のプレイヤの操作情報に基づいて、他のプレイヤによるアクションを示すアクション情報を生成し、情報処理装置に送信することと、アクション情報に基づいて生成され、仮想画面情報の更新に用いられる更新情報を情報処理装置から取得し、更新情報に基づいて仮想画面情報を更新することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの実空間における視野を確保しつつ仮想空間におけるゲームを可能とし、ユーザの興趣性を向上させることが可能な情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成の概要を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るゲームシステムによる処理の概略を説明する図である。
【
図3】第1実施形態に係るゲーム管理装置、複合現実表示装置、及び操作装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る全体ゲーム情報の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る個別ゲーム情報の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るゲームシステムにおけるゲーム進行の一例を説明する図である。
【
図7】第1実施形態に係るゲームシステムにおけるゲーム進行の他の一例を説明する図である。
【
図8】第1実施形態に係るゲーム管理装置におけるプレイヤ間の情報共有を説明する模式図である。
【
図9】第1実施形態に係るゲーム管理装置におけるプレイヤへのダメージ判定を説明する模式図である。
【
図10】第1実施形態に係るゲーム管理装置におけるプレイヤへのダメージ判定の処理を説明する図である。
【
図12】第2実施形態に係るゲーム管理装置、複合現実表示装置、及び操作装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】第2実施形態に係る全体ゲーム情報の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る個別ゲーム情報の一例を示す図である。
【
図15】第2実施形態に係るゲームシステムにおけるゲーム進行の一例を説明する図である。
【
図16】第2実施形態に係るゲームシステムにおけるプレイヤへのダメージ判定の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0019】
第1実施形態について説明する。
図1には、ゲームシステム10の概略が示される。ゲームシステム10は、例えば、複合現実表示装置を用いて実空間中に表示される仮想物体(仮想的なモンスターやアイテム)に対するアクション(例えば、射撃、打撃等)をプレイヤが行うことで進行するゲームの制御を行う。
【0020】
ゲームシステム10は、ゲーム管理装置101、複合現実表示装置102a,102b,102cを含む複数の複合現実表示装置、及び操作装置103a,103b,103cを含む複数の操作装置を有する。なお、特に区別の必要がない場合、複合現実表示装置102a,102b,102cを複合現実表示装置102といい、操作装置103a,103b,103cを操作装置103という。ゲーム管理装置101と複合現実表示装置102とはネットワークNを通じて通信可能に接続される。例えば、ネットワークNはインターネットである。また、複合現実表示装置102と操作装置103とはそれぞれ、任意の通信方法によって通信可能に接続される。複合現実表示装置102と操作装置103は例えば、無線通信によって接続されてもよく、有線接続されてもよい。
【0021】
ゲーム管理装置101は、所定のゲーム管理方法を実現するプログラムを実行することによって、後述する処理を行い、ゲームの管理を行うサーバ等の情報処理装置である。
【0022】
複合現実表示装置102は、実空間と仮想空間とが複合された複合現実(Mixed Reality)を、装置を装着するプレイヤに表示する情報処理装置である。複合現実表示装置102は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display:HMD)である。複合現実表示装置102を装着するプレイヤは、視野上に配置された表示部(ディスプレイ)を挟んで、実空間における視界を得ることができる。また、複合現実表示装置102は、表示部に仮想画面を表示させる。プレイヤは、実空間における視界上に仮想物体が配置された仮想画面が重畳されるような視界を得る。また、複合現実表示装置102は、映像を表示するのみでなく、プレイヤに音響効果を提供可能な音響装置を含んでいてもよい。
【0023】
複合現実表示装置102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置、有線又は無線通信を行う通信インターフェース、入力操作を受け付ける入力デバイス、及び情報の出力を行う出力デバイスを有する。
【0024】
複合現実表示装置102には、ゲームシステム10によって提供されるゲームを実行するためのコンピュータプログラム(以下、「専用アプリ」ともいう)が格納されている。複合現実表示装置102は、各プレイヤの操作に応じて、専用アプリを動作させることで、ゲームシステム10によって提供されるゲームへの参加を行う。例えば、複合現実表示装置102は、専用アプリを通じてゲーム管理装置101及び操作装置103と通信を行いながらゲームを行う。
【0025】
操作装置103は、ゲームシステム10によって提供されるゲームの操作のための装置である。操作装置103は、例えば、ゲームにおけるアクションを実行するための、銃、剣、弓、ボウガン、ハンマー,杖等の武器を模した装置である。なお、アクションとは、ゲーム中の攻撃のみならず、プレイヤのゲーム中の「体力回復」に使用するものであってもよい。
【0026】
操作装置103は、プレイヤからの操作入力を取得することが可能な情報処理装置としての機能を有する。操作装置103は、プレイヤからの操作入力に応じた信号を、操作装置103に接続される複合現実表示装置102に送信する。操作装置103への操作入力に応じて、ゲーム内のアクションが判定され、ゲームが進行する。
【0027】
図2を参照して、ゲームシステム10におけるゲームの概要を説明する。ここでは、ある実空間SにあるプレイヤPが、仮想空間中の仮想物体Eを攻撃し、仮想物体Eを撃破するゲームを行う場合を例に説明する。しかし、ゲームシステム10によって提供されるゲームはこれに限られない。実空間は、
図2では複合現実表示装置102の表示に対する太陽光の影響を避けるために屋内を想定して描写されているが、実空間は屋外でもよい。
【0028】
ゲームシステム10では、
図2(a)に示されるように、プレイヤPは、自身の頭部に複合現実表示装置102を装着し、手に操作装置103を把持した状態でゲームを行う。実空間S内には、物体Oが現実の物体として配置されてもよい。また、複合現実表示装置102は、操作装置103の複合現実表示装置102に対する相対位置POを取得するようにできる。なお、仮想物体Eの視認性を向上させるために、実空間Sは薄暗くされていてもよい。このとき、プレイヤが、物体Oを薄暗い空間においても認識しやすくするために、物体Oの周囲の枠を発光させてもよい。あるいは、複合現実表示装置102は、物体Oの枠などを、仮想空間上で仮想的に発光させるような表示を行ってもよい。
【0029】
図2(b)におけるプレイヤPにて模式的に示されるように、複合現実表示装置102によってプレイヤPの視界は完全に実空間とは遮断されていない。プレイヤPには、仮想空間における仮想画面と実空間における光景とが重畳された視野が提供される。プレイヤPの視野は、例えば、視野D10にて模式的に示されるように、仮想物体E及び物体Oが同じ視野に含まれるものとなる。複合現実表示装置102は、視野D10において、仮想物体Eを表示する。また、複合現実表示装置102は、視野D10において、仮想物体の撃破数を示す情報(スコア情報)を表示してもよい。
【0030】
プレイヤPは、視野D10に応じて操作装置103を操作し、仮想物体Eへのアクションを行う。
図2(b)のステップ(A)においてプレイヤPは、例えば、操作装置103を仮想物体Eに向け、操作装置103の入力装置(例えばトリガ)を操作し、操作入力を操作装置103に与える。
【0031】
操作装置103がプレイヤPから操作入力を取得すると、ステップ(B)において、操作装置103から複合現実表示装置102へ、プレイヤPによる操作を示す操作情報が送信される。
【0032】
ステップ(C)において、複合現実表示装置102は、操作入力に基づくプレイヤのアクションを判定するために、複合現実表示装置102に対する操作装置103の位置情報を取得する。このように、操作装置103の位置情報を取得することで、操作装置103が適切に仮想物体Eを狙った状態で、操作装置103に操作入力が与えられたかを判定することができる。なお、操作装置103の位置情報には、複合現実表示装置102に対する相対的な座標及び操作装置103の姿勢が含まれる。
【0033】
ステップ(D)において、操作情報及び位置情報に基づいて、複合現実表示装置102は、複合現実表示装置102のゲームアプリケーション上で、仮想空間における、仮想物体Eへのプレイヤのアクションを判定する。例えば、仮想空間の仮想視野ID1に模式的に示されるように、位置情報に基づいて判定される操作装置103の仮想空間における位置を特定し、操作情報に基づいて定められる操作を操作装置103に仮想的に実行させる。
【0034】
操作情報に基づいて定められる操作とは、例えば、操作装置103から仮想的な光線Lが発射される等である。複合現実表示装置102は、仮想的な光線Lが、仮想物体Eに命中したか否かを仮想的な演算によって判定する。ここでは、命中したとして説明を進める。仮想物体Eに光線Lが命中した場合、複合現実表示装置102は、仮想物体Eへのダメージ量を所定の規則に基づいて算出する。仮想物体Eに光線Lが命中した場合、複合現実表示装置102は、プレイヤに対して命中したことを示す画面上の演出や音声を提供してもよい。ここで、仮想物体Eへのダメージ量は、仮想物体Eにおける光線Lの命中位置(ヒット部位)に応じて異なって設定されてもよい。さらに、プレイヤに対して提供される画面上の演出や音声も、命中位置に応じて異なって設定されてもよい。
【0035】
ステップ(E)において、複合現実表示装置102は、プレイヤPによるアクションを示すアクション情報を生成し、ゲーム管理装置101に送信する。アクション情報は、例えば、どの仮想物体が、どの程度のダメージ量を、どのプレイヤから受けたかを示す情報である。
【0036】
ゲーム管理装置101は、アクション情報に基づいて、ゲーム管理装置101に記憶されるゲーム情報を更新する。ゲーム情報では、例えば、仮想物体Eのヒットポイントが管理されており、アクション情報に基づいて、仮想物体Eのヒットポイントが更新される。また、ヒットポイントに基づいて、仮想物体Eが撃破されたか否かが判定され、ダメージを与えたプレイヤの情報に関連付けられて管理される。ここでは、光線Lによるダメージによって、仮想物体Eが撃破されたとする。
【0037】
ステップ(F)において。ゲーム管理装置101は、更新されたゲーム情報に基づく更新情報を複合現実表示装置102に送信する。更新情報には、例えば、仮想物体Eが撃破されたことを示す情報が含まれ、撃破したプレイヤはプレイヤPであることが含まれる。
【0038】
ステップ(G)において、複合現実表示装置102は、更新情報に基づいて、複合現実表示装置102が表示する仮想画面を更新する。更新後のプレイヤPの視野は視野D11に模式的に示される。仮想物体Eが撃破されているので、視野D11には、仮想物体Eは表示されていない。また、仮想物体の撃破数がインクリメントされて表示されている。
【0039】
このようにゲームシステム10では、実空間上の物体Oをユーザの視界に表示させつつ、仮想画面を重畳させた状態でプレイヤにゲームを行わせることができる。実空間における視野は確保されるので、ユーザは実空間内を自由に移動することができる。プレイヤPは、例えば、物体Oを実空間Sでは回避するように移動しつつ、仮想空間の仮想物体Eを撃破するようにゲームをプレイすることとなる。このように、実空間を自由に移動させることで、実空間における体験と仮想空間における体験を複合化でき、プレイヤにとって興趣性の高い新規なゲームを提供することが可能となる。
【0040】
図3には、ゲーム管理装置101、複合現実表示装置102、操作装置103それぞれのブロック図が示される。ゲーム管理装置101,複合現実表示装置102,操作装置103は、物理的構成として、制御に必要な処理を行うCPU(Central Processing Unit)、記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、あるいはHDD(Hard Disk Drive)、各種通信を行う通信装置を備える。以下に説明するゲーム管理装置101、複合現実表示装置102、及び操作装置103の各部は、例えば、RAMやROM等の記憶領域を用いたり、記憶領域に記憶されたプログラムをCPUが実行したりすることにより実現される。
【0041】
ゲーム管理装置101は、機能的構成として、記憶部1011、通信部1012、及び更新情報管理部1013を有する。
【0042】
記憶部1011は、ゲーム管理装置101における各種処理に必要なプログラムや情報が記憶される記憶領域である。記憶部1011には、全体ゲーム情報10111を含む各種情報が記憶される。
【0043】
ここで、
図4を参照して、全体ゲーム情報10111について説明する。全体ゲーム情報10111は、全体プレイヤパラメータ及び全体仮想物体パラメータを含む。
【0044】
全体プレイヤパラメータは、「プレイヤ名」、「プレイヤID」、「プレイヤ位置」、及び「プレイヤヒットポイント」の項目を有する。
【0045】
「プレイヤ名」の項目には、プレイヤのニックネーム等が記憶される。
図4では、例えば、「プレイヤA」、「プレイヤB」等のプレイヤ名が記憶されている。「プレイヤID」の項目には、各プレイヤを識別するIDが記憶される。
図4では、例えば、「プレイヤA」に対しては「P001」、「プレイヤB」に対しては「P002」等が記憶されている。
【0046】
「プレイヤID」は、専用アプリがインストールされている複合現実表示装置102のそれぞれに対応して設定及び記憶される。あるいは、「プレイヤID」は、ゲーム管理装置101にて記憶されるプレイヤのアカウントに対応して設定及び記憶される。アカウントに基づくプレイヤの識別を行う場合、各プレイヤは複合現実表示装置102に依らず、自身のアカウントにログインすることによってゲーム管理装置101にアクセスする。ゲーム管理装置101は、「プレイヤ名」又は「プレイヤID」に基づいて、各プレイヤを識別する。なお、以降の説明において、プレイヤを識別することは、各プレイヤの複合現実表示装置102を識別することを意味する。
【0047】
「プレイヤ位置」は、複合現実表示装置102によって取得される、実空間Sにおけるプレイヤの位置(複合現実表示装置102の位置)を示す情報である。プレイヤ位置は例えば、(PX1,PY1,PZ1)のような3次元座標である。プレイヤ位置には、プレイヤの位置に加えてプレイヤの姿勢が含まれてもよい。プレイヤの姿勢は、例えば、複合現実表示装置102に設けられる加速度センサやカメラ等によって、複合現実表示装置102が判定する情報である。
【0048】
「プレイヤヒットポイント」はゲーム進行のために各プレイヤに関連付けられるパラメータであり、プレイヤヒットポイントが0になると、プレイヤはゲームの継続が不可になるように制御される。
【0049】
全体仮想物体パラメータは、「仮想物体名」、「仮想物体ID」、「仮想物体位置」、「総ヒットポイント」、「ヒットポイント」、「状態」、及び「攻撃ユーザ」の項目を有する。
【0050】
「仮想物体名」の項目には、仮想物体の名称等が記憶される。
図4では、例えば、「仮想物体A」、「仮想物体B」等の仮想物体名が記憶されている。「仮想物体ID」の項目には、各仮想物体を識別するIDが記憶される。
図4では、例えば、「仮想物体A」に対しては「ID001」、「仮想物体B」に対しては「ID002」等が記憶されている。
【0051】
「仮想物体位置」は、複合現実表示装置102によって管理される、仮想空間における仮想物体の位置を示す情報である。仮想物体位置は例えば、(X1,Y1,Z1)のような3次元座標である。仮想物体位置には、仮想物体の位置に加えて仮想物体の姿勢が含まれてもよい。仮想物体の姿勢は、例えば、複合現実表示装置102によって、算出される。
【0052】
「総ヒットポイント」は、仮想物体が初期状態として保有するヒットポイントである。「総ヒットポイント」を上回るダメージを受けると、更新情報管理部1013によって、当該仮想物体は撃破されたと判定される。「ヒットポイント」はゲーム中のある時点での仮想物体のヒットポイントである。「状態」は、仮想物体の状態を示し、生存又は撃破の情報が記憶される。「生存」の状態である仮想物体は複合現実表示装置102を通じてプレイヤに表示される。「撃破」の状態である仮想物体は複合現実表示装置102を通じてプレイヤに表示されない。「攻撃ユーザ」の項目には、各仮想物体に対してダメージを与えたユーザの情報が記憶される。プレイヤヒットポイントが0になると、プレイヤはゲームの継続が不可になるように制御される。
【0053】
通信部1012は、ゲーム管理装置101と複合現実表示装置102との通信の制御を行う。
【0054】
更新情報管理部1013は、複合現実表示装置102からアクション情報を取得し、アクション情報に基づいて更新情報を生成し、更新情報を複合現実表示装置102に送信する。更新情報管理部1013による処理の流れについては後述する。
【0055】
図3に戻り、複合現実表示装置102の各部について説明する。複合現実表示装置102は、機能的構成として、記憶部1021、通信部1022、撮像部1023、表示部1024、仮想画面生成部1025、位置情報取得部1026、操作情報取得部1027、アクション情報生成部1028、及び仮想画面情報更新部1029を有する。
【0056】
記憶部1021は、複合現実表示装置102における各種処理に必要なプログラムや情報が記憶される記憶領域である。記憶部1021には、個別ゲーム情報10211を含む各種情報が記憶される。また、記憶部1021には、ゲームシステム10におけるゲームを実行するためのアプリケーションが記憶される。
【0057】
ここで、
図5を参照して、個別ゲーム情報10211について説明する。個別ゲーム情報10211は、個別プレイヤパラメータ及び個別仮想物体パラメータを含む。
【0058】
個別プレイヤパラメータは、「プレイヤ名」、「プレイヤID」、「プレイヤ位置」、及び「プレイヤヒットポイント」の項目を有する。各項目には、プレイヤのニックネーム等、各プレイヤを識別するID、実空間Sにおけるプレイヤの位置(複合現実表示装置102の位置)及び各プレイヤに関連付けられるパラメータが記憶される。各項目の詳細は、全体プレイヤパラメータにおける各項目と同様である。
【0059】
個別仮想物体パラメータは、「仮想物体名」、「仮想物体ID」、「仮想物体位置」、「ダメージ量」、及び「状態」の項目を有する。「仮想物体名」、「仮想物体ID」、及び「仮想物体位置」の項目には、全体仮想物体パラメータと同様の情報が記憶される。
【0060】
「ダメージ量」の項目には、複合現実表示装置102によって算出された、各仮想物体にプレイヤが与えるダメージ量が記憶される。例えば、プレイヤAは、仮想物体Aに対して150のダメージを与えていることが示される。「状態」の項目には、ゲーム管理装置101から取得された各仮想物体の状態が記憶される。
【0061】
通信部1022は、複合現実表示装置102と、ゲーム管理装置101及び操作装置103との通信の制御を行う。
【0062】
撮像部1023は、複合現実表示装置102における仮想画面の表示又は複合現実表示装置102を装着するプレイヤからの入力(例えばハンドサインなど)を取得するために、外部の撮影を行う装置である。
【0063】
表示部1024は、プレイヤに仮想画面を表示するためのディスプレイである。表示部1024は例えば、光を透過可能な材料に対して仮想画面が投影されるようにして、プレイヤに仮想画面を表示する。また、表示部1024は、映像を表示するのみでなく、プレイヤに音響効果を提供可能な音響装置を含んでいてもよい。
【0064】
仮想画面生成部1025は、プレイヤに表示する仮想画面を生成する。仮想画面生成部1025は例えば、ゲーム中は、個別ゲーム情報10211(仮想画面情報)に基づいて、ゲームの状況に応じた仮想画面を生成する。
【0065】
位置情報取得部1026は、操作装置103の位置情報を取得する。位置情報取得部1026は例えば、操作装置103の通信部1031から、複合現実表示装置102に対する操作装置103の相対位置を取得する。この場合、操作装置103は加速度センサ等の検出手段を有し、複合現実表示装置102は検出手段からの情報に基づいて、操作装置103の位置情報を取得することができる。また、位置情報取得部1026は、プレイヤの位置情報及び仮想物体の位置情報を取得する。これにより、プレイヤの視野角外に操作装置103がある場合であっても操作装置103の位置情報を取得できるので、ゲームにおける操作の自由度が広がり、興趣性が向上する。
【0066】
なお、位置情報取得部1026は、操作装置103と通信を行わずに、操作装置103の位置情報を取得してもよい。この場合、例えば、操作装置103に設けられる2次元コードを撮像部1023によって撮影し、2次元コードを解析することによって、操作装置103の位置情報を取得してもよい。あるいは、位置情報取得部1026は、操作装置103に取り付けられる外部装置(例えばスマートフォン)と通信を行い、外部装置の位置、姿勢判定機能に基づいて、操作装置103の位置情報を取得してもよい。外部装置と通信を行う場合、例えば、位置情報取得部1026は、操作装置103に取り付けられる外部装置とブルートゥース(登録商標)通信を行い、操作装置103の位置に加えて、操作装置103の姿勢(角度や方向)を取得してもよい。あるいは、外部装置は例えば実空間中の所定の位置(例えば、天井や壁など)に設けられる検知手段(ブルートゥース発信装置等)と通信してもよい。このとき、位置情報取得部1026は、当該検知手段と通信し、当該検出手段を介して操作装置103の位置情報(操作装置103の位置及び姿勢を含む)を取得してもよい。
【0067】
操作情報取得部1027は、仮想画面に応じた操作情報を、操作装置から取得する。
【0068】
アクション情報生成部1028は、位置情報及び操作情報に基づいて、仮想画面における仮想物体に対するプレイヤによるアクションを示すアクション情報を生成する。アクション情報は、例えば、プレイヤが仮想物体にダメージを与える場合、仮想物体ID,ダメージ量,プレイヤIDを含む情報である。
【0069】
仮想画面情報更新部1029は、ゲーム管理装置101から取得した更新情報に基づいて、個別ゲーム情報10211を更新する。例えば、ある仮想物体が撃破されたことを示す更新情報が取得された場合、当該仮想物体の状態を撃破に更新する。このように更新された個別ゲーム情報10211に基づいて、新たな仮想画面がプレイヤに表示される。
【0070】
操作装置103は、通信部1031及び入力部1032を有する。通信部1031は、操作装置103と複合現実表示装置102との間の通信を制御する。入力部1032は操作装置103を操作するユーザからの操作入力を取得する。入力部1032は、取得された操作入力に基づいて、複合現実表示装置102にプレイヤの操作を示す操作情報を送信する。
【0071】
図6を参照してゲームシステム10におけるゲームの流れについて説明する。
図6では1つの複合現実表示装置102とゲーム管理装置101とが通信を行う場合を例に説明するが、ゲーム管理装置101は、他の複合現実表示装置102とも同様の通信を行う。
【0072】
ステップS601において、プレイヤの操作に基づいて、複合現実表示装置102は、記憶部1021に記憶されているゲーム用のアプリケーションを起動する。
【0073】
ステップS602において、仮想画面生成部1025は表示部1024に仮想画面を表示する。これにより、
図2(b)で説明したような視野D11がプレイヤに表示される。
【0074】
ステップS603において、操作装置103はプレイヤから操作入力を取得する。
【0075】
ステップS604において、位置情報取得部1026は、操作装置103から操作装置103の位置情報を取得する。
【0076】
ステップS605において、操作情報取得部1027は、操作装置103から操作情報を取得する。
【0077】
ステップS606において、アクション情報生成部1028は、操作情報及び位置情報に基づいて、仮想物体へのダメージ量を算出する。
【0078】
ステップS607において、アクション情報生成部1028は、仮想物体ID,ダメージ量,プレイヤIDを含むアクション情報を生成する。
【0079】
ステップS608において、アクション情報生成部1028は、ゲーム管理装置101にアクション情報を送信する。
【0080】
ステップS609において、更新情報管理部1013は、アクション情報に基づいて、全体ゲーム情報を更新する。
【0081】
ステップS610において、更新情報管理部1013は、複合現実表示装置102に更新情報を送信する。
【0082】
ステップS611において、複合現実表示装置102は個別ゲーム情報を更新する。
【0083】
ステップS612において、仮想画面生成部1025は、更新された個別ゲーム情報に基づいて、表示部1024に仮想画面を表示する。
【0084】
例えば、
図5の個別ゲーム情報が記憶される複合現実表示装置102を用いてゲームを行うプレイヤAが、仮想物体Bに300ダメージを与えたとする。この場合、アクション情報は、仮想物体IDとして「ID002」、ダメージ量として「300」、プレイヤIDとして「P001」を含むように生成される。このアクション情報が、ゲーム管理装置101に送信されると、
図4に示される全体仮想物体パラメータが更新される。具体的には、アクション情報で示される仮想物体の総ヒットポイントから、アクション情報に含まれるダメージ量が減算される。また、攻撃ユーザとしてアクション情報に含まれるプレイヤIDが追加される。
【0085】
更新情報管理部1013は、減算後のヒットポイントに基づいて、仮想物体の状態を更新する。この例の場合、仮想物体Bのヒットポイントは0となるので、状態が「撃破」に更新される。更新情報は、仮想物体Bの状態が撃破であることが含まれて生成され、複合現実表示装置102に送信される。更新情報を受け取った複合現実表示装置102は、更新情報に基づいて、個別ゲーム情報10211を更新する。この結果、更新後の仮想画面には、状態が「撃破」である仮想物体Bは表示されなくなる。
【0086】
複数のプレイヤがゲームシステム10におけるゲームに参加する場合について、
図7,8を参照して説明する。
図7には、第1プレイヤ及び第2プレイヤがゲームに参加する場合の流れが示される。第1プレイヤは、複合現実表示装置102a,操作装置103aを用い、第2プレイヤは複合現実表示装置102b,操作装置103bを用いる。
【0087】
ステップS701において、複合現実表示装置102aは、操作装置103aからの操作情報に基づいて、仮想物体へのダメージ量を算出する。
【0088】
ステップS702において、複合現実表示装置102aは、仮想物体ID,ダメージ量,プレイヤID(第1プレイヤのプレイヤID)を含む第1アクション情報を生成する。
【0089】
ステップS703において、複合現実表示装置102aは、ゲーム管理装置101に第1アクション情報を送信する。
【0090】
ステップS704において、複合現実表示装置102bは、操作装置103bからの操作情報に基づいて、仮想物体へのダメージ量を算出する。
【0091】
ステップS705において、複合現実表示装置102bは、仮想物体ID,ダメージ量,プレイヤID(第2プレイヤのプレイヤID)を含む第2アクション情報を生成する。
【0092】
ステップS706において、複合現実表示装置102bは、ゲーム管理装置101に第2アクション情報を送信する。
【0093】
ステップS707において、更新情報管理部1013は、第1アクション情報及び第2アクション情報に基づいて、全体ゲーム情報10111を更新する。
【0094】
ステップS708において、更新情報管理部1013は、複合現実表示装置102aに更新情報を送信する。
【0095】
ステップS709において、更新情報管理部1013は、複合現実表示装置102bに、複合現実表示装置102aに対して送信した更新情報と共通の更新情報を送信する。
【0096】
ステップS710において、複合現実表示装置102aは、複合現実表示装置102aの記憶部に記憶される個別ゲーム情報を更新する。
【0097】
ステップS711において、複合現実表示装置102bは、複合現実表示装置102bの記憶部に記憶される個別ゲーム情報を更新する。
【0098】
ステップS712において、複合現実表示装置102aは、更新された個別ゲーム情報に基づいて、第1プレイヤに仮想画面を表示する。
【0099】
ステップS713において、複合現実表示装置102bは、更新された個別ゲーム情報に基づいて、第2プレイヤに仮想画面を表示する。
【0100】
次に
図8を参照して、上記の処理によってもたらされる状況について説明する。
図8に示されるように、実空間S中に第1プレイヤP1,第2プレイヤP2が存在する。各プレイヤは対応する複合現実表示装置102,操作装置103を有する。
【0101】
第1プレイヤは、複合現実表示装置102aによって表示される視野D11を視認した状態でゲームを行う。同様に、第2プレイヤは、複合現実表示装置102bによって表示される視野D21を視認した状態でゲームを行う。
【0102】
このとき、第1プレイヤP1が、仮想物体Eを撃破状態にしたとする。この結果、
図6に関する説明と同様に、仮想物体Eが撃破されたことを示す更新情報がゲーム管理装置にて生成される。この更新情報は、ゲーム管理装置から複合現実表示装置102a,102bに送信される。
【0103】
複合現実表示装置102aは、仮想物体Eが表示されないように仮想画面を更新し、視野D12を第1プレイヤP1に提供する。同様に、複合現実表示装置102bも、仮想物体Eが表示されないように仮想画面を更新し、視野D22を第2プレイヤP2に提供する。この結果、仮想物体Bを撃破していない第2プレイヤP2の視野においても、第1プレイヤによる操作の結果が反映される。なお、撃破数については、撃破したプレイヤの数値のみが更新される。このように、複数プレイヤで連携可能とすることで、ユーザの協力を促し、ゲームの興趣性が向上する。複数プレイヤが連携する場合のゲームの方式としては、例えば、複数プレイヤが共通の大型の敵(仮想物体)を攻撃して撃破するレイドバトル方式がある。また、複数プレイヤが連携する場合、各プレイヤのゲームにおける貢献度(与えたダメージ量や撃破した敵の数)に応じて、各プレイヤへのスコアが算出されたり、ゲーム内アイテムが与えられたりしてもよい。
【0104】
次に、ゲームシステム10におけるプレイヤへの当たり判定について
図9,10,11を参照して説明する。
【0105】
図9は当たり判定を模式的に説明する図である。ゲームシステム10では、実空間SのユーザPの位置情報に応じて、仮想空間ISにおいて、当たり領域Aが設定される。辺り領域Aの情報は複合現実表示装置102によって管理される。当たり領域Aに仮想物体Eや物体Oがあたった場合、ユーザにダメージを与えるようにできる。
【0106】
図10は、当たり判定処理の流れを示す図である。ステップS1001において複合現実表示装置102は、記憶部1021に記憶されているゲーム用のアプリケーションを起動する。ステップS1002において、仮想画面生成部1025は表示部1024に仮想画面を表示する。
【0107】
ステップS1003において、アクション情報生成部1028は、プレイヤ位置情報及び仮想物体位置に基づいて、プレイヤへのダメージ量を算出する。
【0108】
ステップS1004において、アクション情報生成部1028は、ゲーム管理装置101にダメージを受けたプレイヤのプレイヤID及びダメージ量を送信する。
【0109】
ステップ1005において、更新情報管理部1013は、個別プレイヤパラメータに基づいて、全体ゲーム情報を更新する。
【0110】
ステップS1006において、更新情報管理部1013は、複合現実表示装置102に個別プレイヤパラメータを更新するための情報を含む更新情報を送信する。
【0111】
ステップS1007において、複合現実表示装置102は個別ゲーム情報を更新する。
【0112】
ステップS1008において、仮想画面生成部1025は、更新された個別ゲーム情報に基づいて、表示部1024に仮想画面を表示する。
【0113】
図11を参照して、上記の処理による仮想画面の更新について説明する。例えば、
図5の個別ゲーム情報が記憶される複合現実表示装置102を用いてゲームを行うプレイヤAが、仮想物体Eに仮想空間上でぶつかった(攻撃を受けた)と判定されるとする。このとき、複合現実表示装置102は所定の規則に基づいて、プレイヤAは200ダメージを受けるとして、プレイヤIDとして「P001」、ダメージ量として「200」をゲーム管理装置101に送信する。ゲーム管理装置101では、この情報に基づいて、全体プレイヤパラメータが更新される。
【0114】
ここで、初期のプレイヤヒットポイントを1000とする。プレイヤがダメージを受けていない場合、視野D13に示されるように、プレイヤヒットポイントは「HP:1000」のように表示される。
【0115】
その後、仮想物体Eからダメージを受けると、ダメージ量「200」が減算されて、プレイヤヒットポイントが800に更新される。更新情報管理部1013は、減算後のプレイヤヒットポイントに基づいて更新情報を生成する。更新情報を受け取った複合現実表示装置102は、更新情報に基づいて、個別ゲーム情報10211を更新する。この結果、更新後の仮想画面には、プレイヤヒットポイントが「HP:800」である視野D14が提供されるように、仮想画面が更新される。このように、当たり判定を行うことで、ゲームの臨場感が増加し、ユーザの興趣性が向上する。なお、当たり判定は仮想物体のみならず、実空間の物体(例えば物体O)に基づいて行われてもよい。また、プレイヤが受けるダメージ量の表示に加えて又は表示に代えて、複合現実表示装置102は、プレイヤに対してダメージを受けた場合のエフェクト(画面演出)を表示してもよい。さらに、複合現実表示装置102は、プレイヤがダメージを受けたことを示す音響効果をプレイヤに提供してもよい。これらにより、プレイヤの臨場感が増加する。
【0116】
第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と共通する事項についての説明は省略する。
【0117】
図12には、第2実施形態に係るゲームシステム10Aの各構成のブロック図が示される。ゲームシステム10Aは、ゲーム管理装置101A、複合現実表示装置102A、及び操作装置103Aを有する。ゲームシステム10Aによって提供されるゲームは、例えば、複合現実表示装置102Aを用いたサバイバルゲームである。サバイバルゲームの実現のため、ゲームシステム10Aは、第1実施形態で説明したゲームシステム10によって提供されるゲームとは、他のプレイヤの操作装置103Aからの操作入力が複合現実表示装置102によって取得される点が異なる。
【0118】
ゲームシステム10Aにおいて、ゲーム管理装置101Aの各部はゲーム管理装置101と同様の機能を有する。
【0119】
複合現実表示装置102Aの各部は、操作情報取得部1027Aを除いては、複合現実表示装置102の各部と同様の機能を有する。
【0120】
操作情報取得部1027Aは、他のプレイヤが操作する操作装置から、当該他のプレイヤの操作情報を取得する。操作情報取得部1027Aは、例えば、赤外線受光素子等の赤外線受光手段である。
【0121】
操作装置103Aは、操作装置103の各部に加えて、送信部1033を有する。送信部1033は、あるプレイヤの操作情報を他のプレイヤの複合現実表示装置102に送信する。送信部1033は、例えば、赤外線レーザ等の赤外線送信手段である。より具体的には、操作装置103Aは、例えば、銃形状の装置(ショットガンやマシンガン等を模したもの)である。このように、銃形状の装置として操作装置103Aに赤外線レーザとしての送信部1033を設けることは、プレイヤ間の対戦において非接触な攻撃が可能となり、操作装置103Aが他のプレイヤに触れることによってけが等をさせるおそれがなくなるという利点を有し、安全である。
【0122】
ゲーム管理装置101Aにおいては、全体ゲーム情報10111Aが第1実施形態における全体ゲーム情報10111と異なる。
【0123】
図13には、全体ゲーム情報10111Aの一例が示される。全体ゲーム情報10111Aは、全体プレイヤパラメータを含む。全体プレイヤパラメータは、「プレイヤ名」、「プレイヤID」、「プレイヤ位置」、及び「プレイヤヒットポイント」、「状態」、及び「攻撃ユーザ」の項目を有する。各項目の詳細は第1実施形態と同様である。
【0124】
また、複合現実表示装置102Aにおいては、個別ゲーム情報10211Aが第1実施形態における個別ゲーム情報10211と異なる。
【0125】
図14には、個別ゲーム情報10211の一例が示される。個別ゲーム情報10211Aは、個別プレイヤパラメータを含む。個別プレイヤパラメータは、「プレイヤ名」、「プレイヤID」、「プレイヤ位置」、及び「プレイヤヒットポイント」の項目を有する。各項目の詳細は第1実施形態における個別ゲーム情報10211と同様である。
【0126】
図15を参照してゲームシステム10Aにおける処理について説明する。
図15では、第1プレイヤが操作する操作装置103aからの操作情報が、第2プレイヤが装着する複合現実表示装置102bによって取得される場合を例に説明する。
【0127】
ステップS1501において複合現実表示装置102bは、記憶部1021に記憶されているゲーム用のアプリケーションを起動する。ステップS1002において、複合現実表示装置102bは表示部1024に仮想画面を表示する。
【0128】
ステップS1503において、操作装置103aは第1プレイヤからの操作入力を取得する。
【0129】
ステップS1504において、操作装置103aから複合現実表示装置102bの操作情報取得部1027Aに操作情報が送信される。操作情報は、赤外線レーザによって伝達される信号であり、操作情報には、操作情報を送信したプレイヤIDが含まれる。
【0130】
ステップS1505において、アクション情報生成部1028は、第2プレイヤへのダメージ量を所定の規則に基づいて算出する。
【0131】
ステップS1506において、アクション情報生成部1028は、ダメージ量、ダメージを与えたプレイヤIDを含むアクション情報を生成する。
【0132】
ステップS1507において、アクション情報生成部1028は、ゲーム管理装置101にアクション情報を送信する。
【0133】
ステップS1508において、更新情報管理部1013は、アクション情報に基づいて、全体ゲーム情報を更新する。
【0134】
ステップS1509において、更新情報管理部1013は、複合現実表示装置102に更新情報を送信する。
【0135】
ステップS1510において、複合現実表示装置102は個別ゲーム情報を更新する。
【0136】
ステップS1511において、仮想画面生成部1025は、更新された個別ゲーム情報に基づいて、表示部1024に仮想画面を表示する。
【0137】
図16に模式的に示されるように、上記の処理によって仮想画面の更新が行われる。
図16には、第2プレイヤの視野D23,D24が示される。ここでは、第1プレイヤP1の操作装置103aによって、第2プレイヤが、攻撃を受けたと判定されるとする。このとき、複合現実表示装置102bは所定の規則に基づいて、プレイヤAは200ダメージを受けるとして、ダメージ量として「200」、ダメージを与えたプレイヤのプレイヤIDとして「P001」、をゲーム管理装置101に送信する。ゲーム管理装置101では、この情報に基づいて、全体プレイヤパラメータが更新される。このとき、第2プレイヤの複合現実表示装置102bは第2プレイヤに対して、ダメージを受けたことを示す画面演出や音響効果を提供してもよい。また、第1プレイヤP1の複合現実表示装置102aは第1プレイヤP1に対して、ダメージを与えたことを示す画面演出や音響効果を提供してもよい。
【0138】
ここで、第2プレイヤの初期のプレイヤヒットポイントを1000とする。プレイヤがダメージを受けていない場合、視野D23に示されるように、プレイヤヒットポイントは「HP:1000」のように表示される。その後、第1プレイヤからダメージを受けると、ダメージ量「200」が減算されて、プレイヤヒットポイントが800に更新される。更新情報管理部1013は、減算後のプレイヤヒットポイントに基づいて更新情報を生成する。更新情報を受け取った複合現実表示装置102は、更新情報に基づいて、個別ゲーム情報10211Aを更新する。この結果、更新後の仮想画面には、プレイヤヒットポイントが「HP:800」である視野D24が提供されるように、仮想画面が更新される。
【0139】
このように、当たり判定を、ゲーム管理装置101を通じて行うことで、サバイバルゲームにおける当たりの判定を適切に行うことができる。例えば、プレイヤは自身が攻撃を受けたにもかかわらず、攻撃されていないようにふるまう行為ができず、ゲームの公平性が保たれる。
【0140】
上記の説明では、ゲームシステム10Aが、プレイヤ間の対戦ゲームを提供する場合のダメージ処理について説明した。ここで、ゲームシステム10Aにおけるダメージ処理は、各プレイヤの操作装置103によるものに基づかず、仮想的に処理されてもよい。例えば、ゲーム管理装置101Aは、仮想空間中における攻撃用のゲームアイテム(例えば、爆弾など)を配置又はプレイヤに提供し、複合現実表示装置102を装着したプレイヤの所定の動作に基づいてゲームアイテムを利用可能としてもよい。所定の動作とは、例えば、操作装置103への特別な入力(他ボタンの操作等)、撮像部1023によって取得される映像に基づくプレイヤ動作(爆弾の投擲動作等)、複合現実表示装置102が収音手段(マイク)を有する場合は、複合現実表示装置102が取得する音声入力(例えば爆弾の投擲命令を示す音声等)である。
【0141】
また、ゲーム管理装置101Aは、仮想空間中のゲームアイテムの位置を管理し、各プレイヤの位置情報に基づいて、ゲームアイテムに関連付けられた効果を生じさせてもよい。例えば、ゲーム管理装置101Aは、仮想空間中の所定位置にある爆弾の周囲の所定範囲にプレイヤが近づいたことを示す位置情報を取得すると、爆弾を爆発させる処理を行い、プレイヤにダメージを与える処理を行ってもよい。
【0142】
また、
図16では、第1プレイヤP1は、第2プレイヤにダメージを与えた後、物体Oの背後に隠れるように描写がされている。ここで、物体Oは、実空間上の物体であるが、プレイヤが他プレイヤからの攻撃等を回避するために、仮想空間上の物体がゲーム管理装置101Aによって管理されて、複合現実表示装置102のそれぞれに表示されてもよい。例えば、ゲーム管理装置101Aは仮想空間中の物体の位置情報を管理し、各プレイヤの位置情報に基づいて、当たり判定やダメージ処理を行ってもよい。
【0143】
また、ゲーム管理装置101A又は複合現実表示装置102は、撮像部1023によって撮影される実空間中の物体(例えば、建物、木、山、川等の物体)に基づいて、仮想空間中のゲームアイテムや効果を表示させてもよい。例えば、ゲーム管理装置101A又は複合現実表示装置102のアプリケーションは、木等からゲームアイテムを収集可能としたり、建物を要塞状に表示したり、岩陰や空中から仮想的なキャラクタやアイテムが登場するようにしてもよい。
【0144】
以上説明した実施形態では、仮想物体が対象又は実空間におけるプレイヤが対象であるゲームシステム10,10Aについて説明した。ここで、ゲームシステム10,10Aにおいて、ゲーム管理装置101において、各複合現実表示装置102のゲームに表示される、仮想的なプレイヤである仮想キャラクタの情報(キャラクタパラメータ)が記憶されてもよい。ゲーム管理装置101では、アクション情報に基づいて、仮想キャラクタのキャラクタパラメータを更新し、更新されたキャラクタパラメータに基づいて、更新情報が生成されてもよい。キャラクタパラメータは、仮想物体と同様に管理されるが、その動作は、実際のプレイヤと同様の動作をする。このように、デジタル上の仮想的なプレイヤと協力するゲームがゲームシステム10,10Aによって提供されてもよい。
【0145】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0146】
10,10A…ゲームシステム、101,101A…ゲーム管理装置、102…複合現実表示装置、103…操作装置、1013…更新情報管理部、1025…仮想画面生成部、1026…位置情報取得部、1027,1027A…操作情報取得部、1028…アクション情報生成部、1029…仮想画面情報更新部