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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020375
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】感光撮像素子および関連方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240206BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L31/10 A
H01L27/146 D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193307
(22)【出願日】2023-11-14
(62)【分割の表示】P 2021134458の分割
【原出願日】2010-09-17
(31)【優先権主張番号】61/243,434
(32)【優先日】2009-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/311,004
(32)【優先日】2010-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/311,107
(32)【優先日】2010-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511014507
【氏名又は名称】サイオニクス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハダッド, ホマユーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジュタオ
(72)【発明者】
【氏名】マッキー, ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ドレイク
(72)【発明者】
【氏名】フォーブス, レナード
(72)【発明者】
【氏名】パルシュール, チンタマニ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】感光素子および関連方法を提供する。
【解決手段】感光撮像素子は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域14、16と、半導体基板12に連結され、電磁放射と相互作用するように設置されるテクスチャ加工領域18と、半導体基板12に連結され、少なくとも1つの接合部から電気信号を伝導するように動作可能な電気伝導要素と、を有する。半導体基板12を含む。テクスチャ加工領域18は、赤外線電磁放射の検出から電気信号の発生を促進するように動作可能であり、電磁放射と相互作用することで、テクスチャ加工領域を欠いている半導体基板と比較して、半導体基板の有効吸収波長を増加させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面照射(BSI)感光撮像素子アレイであって、
少なくとも2つの感光撮像素子装置を有し、各感光撮像素子装置は、
実質的に平面的な表面と、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域とを有する半導体基板であり、該半導体基板は、約1~10ミクロンの範囲の厚みを有する、前記半導体基板と、
テクスチャ加工領域であって、該実質的に平面的な表面の反対側の表面上で該半導体基板に結合され、電磁放射が該テクスチャ加工領域の方向から前記装置に入射するように構成され、該半導体基板内で電磁放射の複数の通過が生じるように該テクスチャ加工領域上の入射電磁放射を拡散すること、該電磁放射をフィルターすること、及び該電磁放射を再指向することのうちの少なくとも1つを行うように配置された、前記テクスチャ加工領域と、
該実質的に平面的な表面において形成された集積回路と、
該半導体基板に結合された電気伝導要素であって、該少なくとも1つの接合部から電気信号を伝導するように動作可能である前記電気伝導要素と、
前記少なくとも2つの感光撮像素子装置の前記半導体基板の前記実質的に平面的な表面に結合された支持基板と、
前記少なくとも2つの感光撮像素子装置の間に設置された少なくとも1つのトレンチ分離と、
を備える、感光撮像素子アレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記電気伝導要素は、トランジスタ、感知ノード、伝導ゲート、それらの組み合わせから成る群から選択される、
ことを特徴とする感光撮像素子アレイ。
【請求項3】
請求項1に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記半導体基板に対する前記テクスチャ加工領域の表面形態は、傾斜状、ピラミッド状、逆ピラミッド状、球状、放物線状、非対称状、対称状、それらの組み合わせから成る群から選択される要素である、
ことを特徴とする感光撮像素子アレイ。
【請求項4】
請求項1に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記複数のドープ領域に隣接する該半導体基板の表面上に配置された付加的テクスチャ加工領域をさらに備える、
ことを特徴とする感光撮像素子アレイ。
【請求項5】
請求項1に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記テクスチャ加工領域は、ミクロンサイズ、ナノサイズ、それらの組み合わせから成る群から選択されるサイズを有する表面特徴を含む、
ことを特徴とする感光撮像素子アレイ。
【請求項6】
請求項1に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記半導体基板の前記実質的に平面的な表面の反対側の表面上に形成された金属層をさらに有し、
この金属層は、開口を区画し、この開口を通って電磁エネルギーを前記半導体基板に入射させるものである、感光撮像素子アレイ。
【請求項7】
請求項6に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記開口を通して前記半導体基板に入射する電磁エネルギーを集束するレンズをさらに有することを特徴とする、感光撮像素子アレイ。
【請求項8】
請求項1に記載の感光撮像素子アレイにおいて、
前記半導体基板に結合された反射層であって、該反射層は、前記支持基板と前記実質的に平面的な表面の間に配置されている、前記反射層をさらに有するものである、感光撮像素子アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/243,434号(2009年9月17日出願)、米国仮特許出願第61/311,004号(2010年3月5日出願)、および米国仮特許出願第61/311,107号(2010年3月5日出願)の利益を主張し、これらの出願の各々は、本明細書に参照によって援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
光と半導体材料の相互作用は、重要な革新となっている。シリコン撮像素子は、デジタルカメラ、光学マウス、ビデオカメラ、携帯電話等の種々の技術において使用されている。電荷結合素子(CCD)は、デジタル撮像において広く使用され、後に、性能が向上した相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像素子によって改良された。CMOSセンサは、一般的には、シリコンから製造され、可視入射光を光電流に変換し、最終的には、デジタル画像に変換することができる。しかしながら、シリコンは、約1.1eVのバンドギャップを有する間接バンドギャップ半導体であるため、赤外線入射電磁放射を検出するためのシリコンベースの技術は、問題となっている。したがって、約1100nm超の波長を有する電磁放射の吸収は、シリコン内では非常に低い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、感光素子および関連方法を提供する。一側面では、例えば、感光撮像素子は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域と、半導体基板に連結され、電磁放射と相互作用するように設置される、テクスチャ加工領域と、半導体基板に連結され、少なくとも1つの接合部から電気信号を伝導するように動作可能な電気伝導要素とを有する、半導体基板を含むことができる。一側面では、テクスチャ加工領域は、赤外線電磁放射の検出から電気信号の発生を促進するように動作可能である。別の側面では、電磁放射と相互作用するステップはさらに、テクスチャ加工領域を欠いている半導体基板と比較して、半導体基板の有効吸収長を増加させるステップを含む。一具体的側面では、伝導要素は、トランジスタ、感知ノード、伝導ゲート、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0004】
テクスチャ加工領域は、ドープ領域に対して、種々の場所に設置することができる。一側面では、例えば、テクスチャ加工領域は、複数のドープ領域の反対側の半導体基板の表面上に設置される。一具体的側面では、テクスチャ加工領域は、半導体基板内へまたはそこから、電磁放射を向けるように動作可能な表面形態を有する。半導体基板に対するテクスチャ加工領域の表面形態は、それらの組み合わせを含め、傾斜、ピラミッド、逆ピラミッド、球状、放物線、非対称、対称等を含むが、それらに限定されない、種々の構成を含むことができる。
【0005】
別の側面では、テクスチャ加工領域は、複数のドープ領域に隣接する、半導体基板の表面上に設置することができる。より具体的側面では、付加的テクスチャ加工領域は、複数のドープ領域の反対側の半導体基板の表面に設置することができる。したがって、このように、テクスチャ加工領域は、複数のドープ領域に隣接し、および複数のドープ領域と反対に設置することができる。
【0006】
テクスチャ加工領域の種々の側面は、素子の所望の構成に応じて、可変である可能性がある。しかしながら、一側面では、テクスチャ加工領域は、ミクロンサイズ、ナノサイズ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、サイズを有する、表面特徴を含む。多数の表面特徴形態が想定され、その非限定的実施例は、円錐、柱、ピラミッド、マイクロレンズ、量子ドット、反転特徴、およびそれらの組み合わせを含む。加えて、テクスチャ加工領域は、種々のプロセスによって形成することができる。そのようなテクスチャ加工プロセスの非限定的実施例は、レージング、化学エッチング(例えば、異方性エッチング、等方性エッチング)、ナノインプリンティング、材料蒸着、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0007】
付加的層および/または構造は、本開示の側面に従って、種々の素子内に含めることができる。一側面では、例えば、反射層は、半導体基板に連結され、半導体基板内に電磁放射を保持するように設置することができる。別の側面では、レンズは、半導体基板に光学的に連結され、半導体基板内へ入射電磁放射を集束させるように設置することができる。
【0008】
本開示の別の側面では、感光撮像素子を作製する方法が提供される。そのような方法は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域を有する、半導体基板上にテクスチャ加工領域を形成するステップであって、テクスチャ加工領域は、電磁放射と相互作用する位置に形成される、ステップと、電気伝導要素が、少なくとも1つの接合部から電気信号を伝導するように動作可能であるように、電気伝導要素を半導体基板に連結するステップとを含むことができる。
【0009】
一側面では、感光撮像素子は、具体的電磁放射波長をフィルタリングするように選択するように同調することができる。一具体的側面では、同調ステップは、所望の波長の電磁放射を選択的に拡散させる、または選択的に吸収させる、寸法を有する表面特徴を形成するステップを含む。別の側面では、同調ステップは、テクスチャ加工領域の定置、テクスチャ加工領域の材料の種類および/または厚さ、テクスチャ加工領域のドーパントの種類、テクスチャ領域のドーピングプロファイル、半導体基板のドーパントプロファイル、半導体基板の材料の種類および/または厚さ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、要因を通して達成される。
【0010】
本開示の別の側面では、感光撮像素子が提供される。そのような素子は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域を有する、半導体基板と、半導体基板に連結され、電磁放射と相互作用するように設置される、テクスチャ加工領域と、半導体基板に連結され、トランジスタのうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの接合部に電気的に連結される、少なくとも4つのトランジスタとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の一側面による、感光素子の概略図である。
図2図2は、本開示の別の側面による、感光素子の概略図である。
図3図3は、本開示のなおも別の側面による、感光素子の概略図である。
図4図4は、本開示のさらなる側面による、感光素子の概略図である。
図5図5は、本開示のなおもさらなる側面による、感光素子の概略図である。
図6図6は、本開示の別の側面による、感光素子の概略図である。
図7図7は、本開示のなおも別の側面による、感光画素素子の概略図である。
図8図8は、本開示のさらなる側面による、感光画素素子の概略図である。
図9図9は、本開示のなおもさらなる側面による、感光画素素子の概略図である。
図10図10は、本開示の別の側面による、感光画素素子の概略図である。
図11図11は、本開示のなおも別の側面による、感光画素素子の概略図である。
図12図12は、本開示のさらなる側面による、感光画素素子の概略図である。
図13図13は、本開示の別の側面による、感光画素素子の概略図である。
図14図14は、本開示のなおも別の側面による、感光撮像素子の概略図である。
図15図15は、本開示のさらなる側面による、感光画素素子の概略図である。
図16図16は、本開示の別の側面による、感光画素素子の概略図である。
図17図17は、本開示のなおも別の側面による、感光撮像素子を作製する方法の描写である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示が本明細書で説明される前に、本開示は、本明細書に開示される特定の構造、プロセスステップ、または材料に限定されず、当業者によって認識されるであろうそれらの均等物にも拡大されることを理解されたい。また、本明細書で採用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけに使用され、限定を意図するものではないことを理解されたい。
【0013】
(定義)
以下の用語は、以下に記載される定義に従って使用されるであろう。
【0014】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」および「the」とは、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、複数参照を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「ドーパント」という言及は、そのようなドーパントのうちの1つ以上を含み、「層」という言及は、そのような層のうちの1つ以上の言及を含む。
【0015】
本明細書で使用されるように、用語「低酸素含有量」とは、約60ppm原子以下の格子間酸素含有量を有する、任意の材料を指す。
【0016】
本明細書で使用されるように、用語「不規則表面」および「テクスチャ加工表面」とは、互換可能に使用することができ、レーザパルスの照射によって形成される、ナノからミクロンサイズの表面変動を伴う、トポロジを有する表面を指す。そのような表面の特色は、採用される材料および技法に応じて、可変である可能性があるが、一側面では、そのような表面は、数百ナノメートル厚であって、ナノ結晶(例えば、約10乃至約50ナノメートル)およびナノ細孔乃至成ることができる。別の側面では、そのような表面は、ミクロンサイズ構造(例えば、約2μm乃至約60μm)を含むことができる。なおも別の側面では、表面は、約5nm乃至約500μmのナノサイズおよび/またはミクロンサイズ構造を含むことができる。
【0017】
本明細書で使用されるように、用語「フルエンス」とは、単位面積を通過する、レーザ放射の単一パルスからのエネルギーの量を指す。言い換えると、「フルエンス」とは、1つのレーザパルスのエネルギー密度として説明することができる。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「表面修飾ステップ」および「表面修飾」とは、レーザ放射を使用した、半導体材料の表面の改質を指す。一具体的側面では、表面修飾は、主に、レーザ放射またはレーザ放射とドーパントの組み合わせを使用するプロセスを含むことができ、それによって、レーザ放射は、ドーパントの半導体材料の表面内への組み込みを促進する。故に、一側面では、表面修飾は、半導体材料のドーピングを含む。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「標的領域」とは、ドープされることが意図される半導体材料の面積またはレーザ放射を使用して修飾された表面を指す。半導体材料の標的領域は、表面修飾プロセスが進行するのに伴って、可変である可能性がある。例えば、第1の標的領域がドープまたは表面修飾された後、第2の標的領域が、同一半導体材料上に選択されてもよい。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「検出」とは、電磁放射の感知、吸収、および/または収集を指す。
【0021】
本明細書で使用されるように、用語「実質的に」とは、作用、特色、特性、状態、構造、物品、または結果の完全あるいは略完全な範囲もしくは程度を指す。例えば、「実質的に」封入される物体は、物体が完全に封入される、または略完全に封入されるかのいずれかであることを意味するであろう。絶対的完全性からの正確に許容可能な逸脱の程度は、ある場合には、具体的状況に依存してもよい。しかしながら、概して、完全性の類似は、絶対的および総合的完全性が得られた場合と同じ全体的結果を有するようになるであろう。「実質的に」の使用は、作用、特色、特性、状態、構造、物品、または結果の完全性または略完全性の欠如を指す、否定的な意味合いで使用されるときにも等しく適用可能である。例えば、「実質的に粒子がない組成物は、粒子を完全に欠いているか、または粒子を略完全に欠いているため、その結果が、粒子を完全に欠いている場合と同じとなるかのいずれかとなるであろう。言い換えると、成分または要素が「実質的にない」組成物は、実際には、その測定可能な影響が存在しない限り、依然として、そのような物品を含有していてもよい。
【0022】
本明細書で使用されるように、用語「約」とは、所与の値が、終点を「若干上回る」または「若干下回っても」よいことを前提とすることによって、数値範囲の終点に柔軟性を提供するために使用される。
【0023】
本明細書で使用されるように、複数の物品、構造要素、組成元素、および/または材料は、便宜上、共通リストとして提示されてもよい。しかしながら、これらのリストは、リストの各部材が、別個および一意の部材として個々に識別されるように解釈されるべきである。したがって、そのようなリストのいずれの個々の部材も、事実上、そうでないとする指示を伴うことなく、共通群内のそれらの提示のみに基づいて、同じリストの任意の他の部材の均等物であると解釈されるべきではない。
【0024】
濃度、量、および他の数値データは、本明細書では、範囲形式において表現または提示されてもよい。そのような範囲形式は、単に、便宜上および簡潔にするために使用され、したがって、範囲の限界値として明示的に列挙される数値だけではなく、また、各数値および下位範囲が、明示的に列挙される場合と同様の範囲内に包含される個々の数値および下位範囲のすべても含むように、柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例示として、「約1乃至約5」の数値範囲は、約1乃至約5の明示的に列挙された値だけではなく、また、示された範囲内の個々の値および下位範囲も含むように解釈されるべきである。したがって、本数値範囲には、2、3、および4と、1-3、2-4、および3-5等の下位範囲、ならびに1、2、3、4、および5等の個々の値が別個に含まれる。
【0025】
この同一の原理は、最小値または最大値として唯一の数値を列挙する範囲にも適用される。さらに、そのような解釈は、範囲の全幅または説明される特色に関わらず、適用されるべきである。
【0026】
(開示)
電磁放射は、可視範囲波長(約350nm乃至800nm)および非可視波長(約800nmより長いか、または350nmより短い)を含む広い波長範囲にわたって存在することができる。赤外線スペクトルは、多くの場合、約800乃至1300nmの波長を含む、スペクトルの近赤外線部分、約1300nm乃至3マイクロメートルの波長を含む、スペクトルの短波赤外線部分、および約3マイクロメートル超乃至約30マイクロメートルの波長を含む、スペクトルの中波から長波赤外線(また、熱赤外線)部分を含むように説明される。これらは、概して、および集合的に、そうでないとする指示がない限り、本明細書では、電磁スペクトルの「赤外線」部分と称される。
【0027】
従来のシリコン光検出撮像素子は、光吸収/検出特性が限定されている。例えば、赤外線光は、そのようなシリコンベースの検出器に対して、ほとんど透過性である。他の材料(例えば、InGaAs)が、約1000nm超の波長を有する赤外線電磁放射を検出するために使用することができるが、シリコンは、比較的に製造が安価であって、可視スペクトル(すなわち、可視光、350nm-800nm)内の波長を検出するために使用することができるため、依然として、一般的に使用される。従来のシリコン材料は、約700nm超の波長を有する光子を検出するための実質的吸収深度を必要とする。可視光は、シリコン内の比較的に浅い深度で吸収することができるが、標準的ウエハ深度(例えば、約750μm)のシリコン内のより長い波長波長(例えば、900nm)の吸収は、全くではないにしても、不良である。本開示の素子は、従来の材料と比較して、有効吸収長をより長い波長に短縮することによって、半導体材料の吸収を増加させる。例えば、シリコンの吸収深度は、これらのより長い波長が、約850μm以下の深度で吸収されることができるように、減少させることができる。言い換えると、有効吸収長を短縮させることによって、これらの素子は、薄い半導体材料内でより長い波長(例えば、シリコンの場合、>1000nm)を吸収することが可能である。有効吸収長を増加させることに加え、応答率または応答速度もまた、より薄い半導体材料を使用することによって、増加させることができる。
【0028】
加えて、本開示は、可視ならびに赤外線電磁放射を検出可能な広帯域感光ダイオード、画素、および撮像素子を提供し、そのような素子を作製する関連方法を含む。感光ダイオードは、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域を有する、半導体基板と、半導体基板に連結され、電磁放射と相互作用するように設置される、少なくとも1つのテクスチャ加工領域とを含むことができる。一側面では、複数のドープ領域は、少なくとも1つのカソード領域と、少なくとも1つのアノード領域とを含むことができる。いくつかの側面では、ドープ領域は、後述のように、n-型ドーパントおよび/またはp-型ドーパントを含むことができ、それによって、p-n接合部を生成する。他の側面では、感光素子は、i-型領域を含み、p-i-n接合部を形成することができる。
【0029】
感光画素は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域を有する、半導体基板と、少なくとも1つの半導体基板に連結され、電磁放射と相互作用するように設置される、テクスチャ加工領域と、半導体基板に連結され、少なくとも1つの接合部から電気信号を伝導するように動作可能な電気伝導要素とを含むことができる。感光撮像素子は、複数の感光画素を含むことができる。加えて、電気伝導要素は、トランジスタ、感知ノード、伝導ゲート、伝導電極等を含むが、それらに限定されない、種々の素子を含むことができる。
【0030】
感光または光検出撮像素子は、所与の波長範囲内の電磁放射を吸収可能な光ダイオードあるいは画素を含む。そのような撮像素子は、受動的画素センサ(PPS)、能動的画素センサ(APS)、デジタル画素センサ撮像素子(DPS)等である可能性があるが、その差異の1つは、画像センサが構造を読み出すことである。例えば、半導体感光撮像素子は、3つまたは4つのトランジスタ能動的画素センサ(3T APSまたは4T APS)である可能性がある。種々の付加的構成要素もまた、想定され、当然ながら、特定の構成および意図された結果に応じて、可変であるであろう。実施例として、4T構成は、加えて、とりわけ、伝導ゲート、リセット、ソースフォロアー、および行選択トランジスタを含むことができる。加えて、4つを超えるトランジスタを有する素子もまた、本範囲内である。
【0031】
感光撮像素子は、正面照射(FSI)または裏面照射(BSI)素子であることができ、両構造タイプに対して、利点および不利点が存在する。一般的FSI撮像素子では、入射光は、最初に、トランジスタおよび金属回路を通過することによって、半導体素子に入る。しかしながら、光は、撮像素子の光感知部分に入る前に、トランジスタおよび回路から散乱し、したがって、光学損失および雑音を生じさせる可能性がある。レンズは、FSI画素の上側に配置され、入射光を素子の光感知能動的領域に指向および集束させ、したがって、部分的に、回路を回避することができる。一側面では、レンズは、U形レンズである可能性がある。一方、BSI撮像素子は、素子の反対側に延在する接合部の空乏領域を有するように構成される。一側面では、例えば、入射光は、光感知部分を介して、素子に入り、回路に到達する前にほとんど吸収される。BSI設計は、撮像素子に対して、より小さい画素構造および高曲線因子を可能にする。前述のように、本開示は、いずれの構成にも適応することができる。また、本開示の側面による素子は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像素子構造または電荷結合素子(CCD)撮像素子構造内に組み込むことができることを理解されたい。
【0032】
一側面では、図1に示されるように、感光ダイオード10は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域14、16を有する、半導体基板12と、半導体基板に連結され、電磁放射と相互作用するように設置される、少なくとも1つのテクスチャ加工領域18とを含むことができる。異なるドープ領域は、素子に応じて、同一ドーピングプロファイルまたは異なるドーピングプロファイルを有することができる。そのような構造は、光が複数のドープ領域の方向から半導体基板に入る、FSI設計である。図1に示される素子は、3つのドープ領域を含有するが、1つ以上のドープ領域を含有する側面も、本範囲内で検討されることに留意されたい。加えて、いくつかの側面では、半導体基板は、ドープされることができ、したがって、ドープ領域であると見なされることができる。また、感光ダイオードは、BSI構造とともに構成されることができる、したがって、電磁放射は、テクスチャ加工領域の方向から半導体基板に入るであろうことに留意されたい。
【0033】
本開示の側面による種々の素子は、従来の感光素子に勝る増加した量子効率を呈することができる。量子効率のいかなる増加も、信号対雑音比に大きな差異をもたらす。より複雑な構造は、増加した量子効率だけではなく、また、画素毎の良好な均一性を提供することができる。加えて、本開示の素子は、従来の感光素子と比較して、増加した応答性を呈する。例えば、一側面では、応答性は、100μm未満厚の半導体基板の場合、1000nm超の波長に対して、0.8A/W以上となることができる。
【0034】
感光撮像素子は、一定条件(固定電圧または電流)下に保持され、向上した線形性および均一性を提供することができる。撮像素子と下層素子層との間の接続は、タングステンまたはタンタル等の耐熱金属から加工されたビアを使用して達成することができる。撮像素子下に記憶要素を定置することによって、種々の光効果を提供してもよい。例えば、画素アレイ全体が、信号処理専用であってもよい。これは、低レベル画素信号へのアクセスを許可することによって、より高い性能を可能にする場合がある。さらに、超並列動作を画素プロセッサによって行うことができる。例えば、アナログ/デジタル変換、騒音減少(すなわち、真の相関二重サンプリング)、電力調整、最近傍画素処理、圧縮、融合、およびカラー多重化動作を行うことができる。
【0035】
種々の半導体材料は、本開示の側面による、素子および方法併用するために想定される。そのような半導体材料の非限定的実施例は、第IV族材料、第II族および第VI族からの材料から成る化合物および合金、第IIIおよび第V族からの材料から成る化合物および合金、ならびにそれらの組み合わせを含むことができる。より具体的には、例示的第IV族材料は、シリコン、炭素(例えば、ダイヤモンド)、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。第IV族材料の種々の例示的組み合わせは、炭化ケイ素(SiC)およびシリコンゲルマニウム(SiGe)を含むことができる。一具体的側面では、半導体材料は、シリコンである、またはそれを含むことができる。例示的シリコン材料は、非晶質シリコン(a-Si)、微結晶シリコン、多晶質シリコン、およびナノ結晶シリコン、ならびに他の結晶タイプを含むことができる。別の側面では、半導体材料は、シリコン、炭素、ゲルマニウム、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、ヒ化インジウムガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0036】
第II-VI族材料の例示的組み合わせは、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、テルル化亜鉛(ZnTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe、CZT)、テルル化水銀カドミウム(HgCdTe)、テルル化水銀亜鉛(HgZnTe)、セレン化水銀亜鉛(HgZnSe)、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0037】
第III-V族材料の例示的組み合わせは、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、窒化アルミニウム(ΑlΝ)、リン化アルミニウム(AlP)、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、ガリウムリン(GaP)、アンチモン化インジウム(InSb)、ヒ化インジウム(InAs)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化アルミニウムガリウム(AlGaAs、AlxGa1-xAs)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs、InxGa1-xAs)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、ヒ化アルミニウムインジウム(AlInAs)、アンチモン化アルミニウムインジウム(AllnSb)、ヒ化チッ化ガリウム(GaAsN)、ヒ化リン化ガリウム(GaAsP)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、リン化アルミニウムガリウム(AlGaP)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、ヒ化アンチモン化インジウム(InAsSb)、アンチモン化インジウムガリウム(InGaSb)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGalnP)、ヒ化リン化アルミニウムガリウム(AlGaAsP)、ヒ化リン化インジウムガリウム(InGaAsP)、ヒ化リン化アルミニウムインジウム(AlInAsP)、ヒ化窒化アルミニウムガリウム(AlGaAsN)、ヒ化窒化インジウムガリウム(InGaAsN)、ヒ化窒化インジウムアルミニウム(InAlAsN)、ヒ化アンチモン化窒化ガリウム(GaAsSbN)、窒化ヒ化アンチモン化ガリウムインジウム(GalnNAsSb)、ヒ化アンチモン化リン化ガリウムインジウム(GalnAsSbP)、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0038】
半導体材料は、電磁放射検出および変換機能を可能にする任意の厚さであることができ、したがって、半導体材料の任意のそのような厚さは、本範囲内であると見なされる。いくつかの側面では、半導体のレーザ処置された領域は、半導体材料が、以前に可能であったものより薄くあることができるように、素子の効率性を増加させる。半導体の厚さの減少は、そのような素子を作製するために必要とされる半導体材料の量を削減する。一側面では、例えば、半導体材料は、約500nm乃至約50μmの厚さを有する。別の側面では、半導体材料は、約500μm以下の厚さを有する。なおも別の側面では、半導体材料は、約1μm乃至約10μmの厚さを有する。さらなる側面では、半導体材料は、約5μm乃至約750μmの厚さを有することができる。なおもさらなる側面では、半導体材料は、約5μm乃至約100μmの厚さを有することができる。
【0039】
加えて、種々の種類の半導体材料が想定され、電磁放射検出素子内に組み込むことができる任意のそのような材料は、本範囲内であると見なされる。一側面では、例えば、半導体材料は、単結晶性である。別の側面では、半導体材料は、多晶質である。なおも別の側面では、半導体材料は、微結晶性である。また、半導体材料は、非晶質である可能性も想定される。具体的非限定的実施例は、非晶質シリコンまたは非晶質セレンを含む。
【0040】
本開示の半導体材料はまた、種々の製造プロセスを使用して作製することができる。ある場合には、製造手順は、素子の効率性に影響を及ぼすことができ、所望の結果を達成するために考慮されてもよい。例示的製造プロセスは、チョクラルスキー(Cz)プロセス、磁気チョクラルスキー(mCz)プロセス、浮遊帯(FZ)プロセス、エピタキシャル成長または蒸着プロセス等を含むことができる。低酸素含有量が素子内で所望されるかどうかもまた、半導体材料のための製造プロセスの選択に影響を及ぼす可能性がある。種々のプロセスは、可変量の酸素を含有する半導体材料を生産し、したがって、酸素レベルに対してより厳密な公差を有するいくつかの用途は、他と比較して具体的製造手順からより利益を享受する場合がある。例えば、CZ結晶成長の際、格納容器(通常、石英るつぼ)からの酸素は、引き込みに伴って結晶中に組み込まれることができる。加えて、他の酸素汚染源もまた、CZプロセスによって可能である。しかしながら、そのような汚染は、非酸素含有るつぼ材料の使用ならびにるつぼを利用しない他の結晶成長方法の開発を通して、低減されてもよい。そのようなプロセスの1つは、FZプロセスである。
【0041】
CZ方法による材料成長もまた、磁場の存在下結晶を成長させる等の結晶成長プロセス(すなわち、mCzプロセス)への改良を通して、低酸素濃度を有するように行うことができる。また、ゲッタリング技法を採用して、完成した素子に及ぼす酸素または他の不純物の影響を低減させることができる。これらのゲッタリング技法は、不純物を遊離または核形成するための熱循環、または不純物のためのゲッタリングサイトとしての役割を果たす種の選択的イオン注入を含むことができる。例えば、半導体中に濃縮された酸素は、炉循環を行い、枯渇帯を形成することによって、除去することができる。不活性ガスによる加熱の際、半導体の表面近傍の酸素は、材料から拡散する。炉循環の際、但し、枯渇ステップ後、核形成および成長ステップが行われてもよい。沈殿物のための核形成サイトは、核形成ステップの際に形成され、沈殿物は、成長ステップの際、核形成サイトから成長される。沈殿物は、半導体材料のバルク内および枯渇帯の下の格子間酸素から形成される。半導体材料のバルク内の酸素の沈殿物は、そのような沈殿物が、ゲッタリングサイトとして作用することができるため、所望される可能性がある。そのような沈殿物形成はまた、格子間酸素を沈殿物内に「閉じ込め」、そのような酸素が半導体材料のバルクから枯渇帯内へと移動する可能性を低減するように行われることができる。
【0042】
素子の低酸素含有量が所望されるそれらの側面では、半導体材料のさらなる処理が、酸素の導入を最小にするように行われることができる。酸素は、半導体が受けた熱処理に応じて、異なる状態において、またはシリコン等の半導体内の異なるサイト(例えば、介在的または置換的)に存在する可能性がある。半導体が、例えば、約1000℃より高い温度に曝される場合、酸素は、結晶格子内の欠陥サイトとしての役割を果たす、集合体または凝集体を形成する可能性がある。これらのサイトは、捕捉状態をもたらす場合があり、半導体材料および素子内の担体寿命の短縮が生じる可能性がある。より低い温度(例えば、約400℃乃至700℃)では、酸素は、電気的に能動的である熱ドナーとして挙動する可能性がある。したがって、酸素は、担体寿命および担体移動度に負の影響を及ぼす可能性がある。光伝導利得を有するように加工された素子では、担体寿命の短縮を生じさせる酸素の存在は、光伝導利得のレベルの低減をもたらす場合がある。
【0043】
したがって、低酸素含有量が取得または保持されるように、半導体素子を生産することは、有益となる場合がある。これは、半導体格子内への酸素の吸収を最小にするように材料を処理することから開始される、その中に含有される低レベルの酸素を有する半導体の使用、および半導体中に存在し得る酸素を排除または低減させる技法の利用を含む、種々の方法で達成することができる。そのようなプロセスおよび技法は、例えば、以前のアニーリング手順と比較して、より低い温度に半導体材料および任意のレーザ処理された領域をアニーリングするステップを含むことができる。アニーリングプロセスは、以下でより完全に論じられる。
【0044】
加えて、半導体材料のテクスチャ処理および/または任意のアニーリングプロセスは、半導体内への酸素の導入を最小にするために、実質的に、酸素欠乏環境において行うことができる。酸素欠乏または実質的酸素欠乏環境は、種々の環境を含むことができる。一側面では、例えば、酸素欠乏環境は、空気または他の源からの酸素が、酸素を殆どまたは全く含有しないガスまたは他の流体と交換された環境である可能性がある。別の側面では、処理は、真空環境で生じることができ、したがって、酸素を殆どまたは全く含有しない。加えて、酸素含有材料、または、例えば、石英るつぼ等の半導体内に酸素を導入する材料は、回避される可能性がある。実際に、用語「酸素欠乏環境」とは、低レベルの酸素を伴う環境を説明するために使用することができるが、但し、半導体材料は、所望の公差内において、その中で処理されることができることを前提とする。したがって、低酸素を有する、あるいは酸素を殆どまたは全く有していない環境は、半導体が、低酸素含有量半導体として処理することができる一方、本開示の公差内の酸素レベルを保持する環境である。一側面では、酸素欠乏環境は、無酸素環境である可能性がある。低酸素含有量半導体材料に関するさらなる詳細は、2010年4月30日出願の米国特許出願第12/771848号に見出すことができ、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0045】
半導体材料は、素子の所望の有効性に応じて、可変レベルの格子間酸素を有することができる。いくつかの側面では、酸素含有量は、問題ではない場合があり、したがって、格子内の任意のレベルの酸素が許容可能である。他の側面では、低酸素含有量が所望される。一側面では、半導体材料は、約50ppm原子以下の酸素含有量を有することができる。別の側面では、半導体材料は、約30ppm原子以下の酸素含有量を有することができる。なおも別の側面では、半導体材料は、約10ppm原子以下の酸素含有量を有することができる。別の側面では、半導体は、約5ppm原子未満の酸素含有量を有することができる。なおも別の側面では、半導体は、約1ppm原子未満の酸素含有量を有することができる。
【0046】
前述のように、テクスチャ加工領域は、電磁放射を拡散させ、電磁放射を再指向し、電磁放射を吸収し、したがって、素子の量子効率を増加させる機能を果たすことができる。テクスチャ加工領域は、感光画素の有効吸収長を増加させる表面特徴を含むことができる。表面特徴は、円錐、ピラミッド、柱、突起、マイクロレンズ、量子ドット、反転特徴等である可能性がある。特徴サイズ、寸法、材料タイプ、ドーパントプロファイル、テクスチャ場所等の操作のような要因は、拡散領域を具体的波長に対して同調可能にすることを可能にする。一側面では、素子を同調するステップは、具体的波長または波長の範囲を吸収可能にする。別の側面では、素子を同調するステップは、具体的波長または波長の範囲を、フィルタリングを介して、低減または排除可能にする。
【0047】
同調はまた、素子内のテクスチャ領域の場所、素子内の領域のドーパントプロファイルの修飾、ドーパント選択等を通して、達成することができる。加えて、テクスチャ加工領域近傍の材料組成物は、波長特有光感知画素素子を生成することができる。波長特有光感知画素は、ある画素から次の画素で異なる可能性があり、撮像アレイ内に組み込むことができることに留意されたい。例えば、4x4アレイは、青色画素、緑色画素、赤色画素、および赤外線光吸収画素、または青色画素、2つの緑色画素、および赤色画素を含むことができる。
【0048】
本開示の側面による、テクスチャ加工領域は、感光素子に、特に、より長い波長(すなわち、赤外線)において、素子内で入射電磁放射の複数の通過に触れさせることを可能にする。そのような内部反射は、半導体基板の厚さを上回る有効吸収長を増加させる。本吸収長の増加は、素子の量子効率を増加させ、信号対雑音比の改善につながる。
【0049】
テクスチャ加工領域は、レージング、化学エッチング(例えば、異方性エッチング、等方性エッチング)、ナノインプリンティング、付加的材料蒸着等を含む、種々の技法によって形成することができる。例えば、柱特徴は、深いトレンチ分離およびエッチング技法を使用することによって、FSI半導体基板の背面から材料を薄化または除去することによって、画素内に組み込むことができる。一側面では、材料は、約20μmの厚さまで除去することができる。異方性エッチングは、傾斜背面ピラミッド構造、球状構造、放物線構造、反射体を伴うレンズ構造等を生産するために使用することができる。柱の背面上のそのような特徴もまた、電磁放射を拡散し、反射させる役割を果たすであろう。
【0050】
一側面では、テクスチャ加工プロセスは、感光素子の製造の際に行うことができる。別の側面では、テクスチャ加工プロセスは、前もって作製された感光素子上で行うことができる。例えば、CMOS、CCD、または他の感光要素は、製造後、テクスチャ加工を行うことができる。この場合、材料層は、テクスチャ加工領域が形成され得る半導体基板またはバルク材料を露出させるために、感光要素から除去されてもよい。
【0051】
テクスチャ加工領域を生産する有効な方法の1つは、レーザ処理を通したものである。そのようなレーザ処理は、半導体基板の離散場所をテクスチャ加工させることを可能にする。テクスチャ加工領域を形成するためのレーザ処理の種々の技法が想定され、そのような領域を形成可能な任意の技法は、本範囲にあると見なされるべきである。レーザ処置または処理は、とりわけ、吸収特性を向上させ、したがって、電磁放射集束および検出を増加させることを可能にする。レーザ処置された領域は、衝突電磁放射の最も近傍の表面と関連付けられることができる、またはレーザ処置された表面は、衝突電磁放射に対して反対側の表面と関連付けられ、それによって、レーザ処置された領域に衝打する前に、放射を半導体材料に通過させることを可能にする。
【0052】
一側面では、例えば、半導体材料の標的領域は、レーザ放射によって照射され、テクスチャ加工領域を形成することができる。そのような処理の実施例は、米国特許第7,057,256号、第7,354,792号、第7,442,629号にさらに詳細に説明されており、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。要約すると、半導体材料の表面が、レーザ放射によって照射され、テクスチャ加工または表面修飾領域を形成する。そのようなレーザ処理は、ドーパント材料の有無を問わず、生じることができる。ドーパントが使用されるそれらの側面では、レーザは、ドーパント担体を通して、半導体表面上に指向されることができる。このように、ドーパント担体からのドーパントは、半導体材料の標的領域内へと導入される。半導体材料内に組み込まれるそのような領域は、本開示の側面による、種々の効果を有する可能性がある。例えば、標的領域は、一般的には、レーザ処置された領域の表面積を増加させ、本明細書に説明される機構を介して、放射吸収の確率を増加させる、テクスチャ加工表面を有する。一側面では、そのような標的領域は、レーザテクスチャ加工によって生成されたミクロンサイズおよび/またはナノサイズの表面特徴を含む、実質的テクスチャ加工表面である。別の側面では、半導体材料の表面を照射するステップは、照射がドーパントを半導体内に組み込むように、レーザ放射をドーパントに曝露するステップを含む。種々のドーパント材料は、当技術分野において周知であって、本明細書においてより詳細に論じられる。
【0053】
したがって、半導体材料の表面は、レーザ処置によって、化学的および/または構造的に改質され、いくつかの側面では、表面上のマイクロ構造またはパターン化された面積としての表面特徴の形成、およびドーパントが使用される場合、半導体材料内へのそのようなドーパントの組み込みをもたらし得る。いくつかの側面では、特徴またはマイクロ構造は、約50nm乃至20μmのサイズであることができ、電磁放射の吸収を補助することができる。言い換えると、テクスチャ加工表面は、半導体材料によって吸収される入射放射の確率を増加させることができる。
【0054】
半導体材料を表面修飾するために使用されるレーザ放射の種類は、材料および意図された修飾に応じて、可変であることができる。当技術分野において周知の任意のレーザ放射は、本開示の素子および方法と併用することができる。しかしながら、レーザ放射の波長、パルス幅、パルスフルエンス、パルス周波数、偏光、半導体材料に対するレーザ伝播方向等を含むが、それらに限定されない、表面修飾プロセスおよび/または結果として生じる生成物に影響を及ぼす可能性のある、いくつかのレーザ特色が存在する。一側面では、レーザは、半導体材料のパルス状レージングを提供するように構成することができる。短パルスレーザは、フェムト秒、ピコ秒、および/またはナノ秒パルス持続時間を生産することが可能なものである。レーザパルスは、約10nm乃至約8μm、およびより具体的には、約200nm乃至約1200nmの範囲内の中心波長を有することができる。レーザ放射のパルス幅は、約十フェムト秒乃至約数百ナノ秒の範囲内である可能性がある。一側面では、レーザパルス幅は、約50フェムト秒乃至約50ピコ秒の範囲内である可能性がある。別の側面では、レーザパルス幅は、約50ピコ秒乃至100ナノ秒の範囲である可能性がある。別の側面では、レーザパルス幅は、約50乃至500フェムト秒の範囲である可能性がある。
【0055】
標的領域を照射するレーザパルスの数は、約1乃至約2000の範囲内である可能性がある。一側面では、半導体標的領域を照射するレーザパルスの数は、約2乃至約1000である可能性がある。さらに、パルスの反復率または周波数は、約10Hz乃至約10μHzの範囲、または約1kHz乃至約1MHzの範囲、または約10Hz乃至約1kHzの範囲となるように選択することができる。さらに、各レーザパルスのフルエンスは、約1kJ/m2乃至約20kJ/m2の範囲、または約3kJ/m2乃至約8kJ/m2の範囲となる可能性がある。
【0056】
種々のドーパント材料が想定され、本開示の側面による、半導体材料を表面修飾するためのレーザ処置プロセスにおいて使用することができる任意のそのような材料は、本範囲内であると見なされる。利用される特定のドーパントは、レーザ処置される半導体材料ならびに結果として生じる半導体材料の意図された使用に応じて、可変であることができることに留意されたい。例えば、潜在的ドーパントの選択は、感光素子の同調が所望されるかどうかに応じて異なる場合がある。
【0057】
ドーパントは、電子供与または正孔供与のいずれかである可能性がある。一側面では、ドーパント材料の非限定的実施例は、S、F、B、P、N、As、Se、Te、Ge、Ar、Ga、In、Sb、およびそれらの組み合わせを含むことができる。ドーパント材料の範囲は、ドーパント材料自体だけではなく、また、そのようなドーパントを送達する形態にある材料(すなわち、ドーパント担体)も含むべきであることに留意されたい。例えば、Sドーパント材料は、Sだけではなく、また、例えば、それらの組み合わせを含め、H2S、SF6、SO2等、標的領域にSをドープするために使用可能な任意の材料を含む。一具体的側面では、ドーパントは、Sである可能性がある。硫黄は、約5x1014と約1x1016イオン/cm2との間のイオン用量レベルで存在することができる。フッ素含有化合物の非限定的実施例は、それらの組み合わせを含め、ClF3、PF5、F2SF6、BF3、GeF4、WF6、SiF4、HF、CF4、CHF3、CH2F2、CH3F、C2F6、C2HF5、C3F8、C4F8、NF3等を含むことができる。ホウ素含有化合物の非限定的実施例は、それらの組み合わせを含め、B(CH3)3、BF3、BCl3、BN、C2B10H12、ホウケイ酸塩、B2H6等を含むことができる。リン含有化合物の非限定的実施例は、それらの組み合わせを含め、PF5、PH3等を含むことができる。塩素含有化合物の非限定的実施例は、それらの組み合わせを含め、Cl2、SiH2Cl2、HCl、SiCl4等を含むことができる。ドーパントはまた、AsH3等のヒ素含有化合物、ならびにアンチモン含有化合物等を含むことができる。加えて、ドーパント材料は、ドーパント群、すなわち、塩素含有化合物と混合された硫黄含有混合物にわたって、混合物または組み合わせを含むことができる。一側面では、ドーパント材料は、空気を上回る密度を有することができる。一具体的側面では、ドーパント材料は、Se、H2S、SF6、またはそれらの混合物を含むことができる。なおも別の具体的側面では、ドーパントは、SF6である可能性があり、約5.0x10-8mol/cm3乃至約5.0x10-4mol/cm3の所定の濃度範囲を有することができる。SF6ガスは、半導体材料に有意な悪影響を及ぼすことなく、レーザプロセスを介して、半導体材料に硫黄を組み込むための良好な担体である。加えて、ドーパントはまた、水、アルコール、あるいは酸性または塩基性溶液等の溶液中に溶解されたn-型またはp-型ドーパント材料の液体溶液である可能性があることに留意されたい。ドーパントはまた、ウエハ上に乾燥された粉末または懸濁液として適用される固体材料である可能性がある。
【0058】
半導体基板は、ドーパント活性化、半導体材料の損傷修理等を含む、種々の理由のためにアニーリングされることができる。レーザテクスチャ加工領域を含む、それらの側面では、半導体材料は、レーザ処置に先立って、レーザ処置後、レーザ処置の際、またはレーザ処置の前後の両方において、アニーリングされることができる。アニーリングは、半導体材料の光応答特性を増加させることを含め、素子の半導体特性を向上させることができる。加えて、アニーリングは、レージングプロセスによって生じる損傷を低減させることができる。いずれの既知のアニーリングも有益である可能性があり、本範囲内であると見なされるが、より低温でのアニーリングは、特に、有用である可能性がある。そのような「低温」アニーリングは、そのような材料を利用する素子の光伝導利得および外部量子効率を大幅に向上させることができる。一側面では、例えば、半導体材料は、約300℃乃至約1100C°の温度にアニーリングされることができる。別の側面では、半導体材料は、約500℃乃至約900℃の温度にアニーリングされることができる。なおも別の側面では、半導体材料は、約700℃乃至約800℃の温度にアニーリングされることができる。さらなる側面では、半導体材料は、約850℃以下の温度にアニーリングされることができる。
【0059】
アニーリング手順の持続時間は、行われている具体的種類のアニーリングに従って、ならびに使用されている材料に従って、可変であることができる。例えば、高速アニーリングプロセスを使用することができ、したがって、アニーリングの持続時間は、他の技法と比較して、より短くてもよい。種々の高速熱アニーリング技法が周知であって、そのすべては、本範囲内であると見なされるべきである。一側面では、半導体材料は、約1μs以上の持続時間の間、高速アニーリングプロセスによって、アニーリングされることができる。別の側面では、高速アニーリングプロセスの持続時間は、約1μs乃至約1msである可能性がある。別の実施例として、焼成または炉アニーリングプロセスを使用することができ、これは、高速アニーリングと比較して、より長くあり得る、持続時間を有する。一側面では、例えば、半導体材料は、約1ms乃至数時間以上の持続時間の間、焼成アニーリングプロセスによって、アニーリングされることができる。前述のように、低酸素含有量半導体材料が使用される場合、実質的に、酸素欠乏環境において、そのような材料をアニーリングするのに有益となる場合がある。
【0060】
前述のように、アニーリングは、半導体基板に固有の欠陥を低減させ、および別様に、電子/正孔の再結合を低減させるのに有用である可能性がある。言い換えると、アニーリングは、望ましくない再結合プロセスを効果的に低減させる、電子状態を生成するのに有用である可能性がある。半導体材料のアニーリングはまた、素子の応答性または光伝導利得を改善する場合がある。光伝導素子は、担体を捕捉することができるエネルギーレベルを導入することが可能なドーパント、不純物、または欠陥を有する可能性がある。担体を捕捉し、光担体の再結合を低減させることは、素子の光伝導利得を増加させることにつながる可能性がある。光伝導利得および捕捉時間の関係は、式(I)によって表すことができる。
【0061】
利得=「τL/τt」 (I)
式中、「τL」は、過剰な担体の寿命であって、「τt」は、素子にわたる担体の遷移時間である。過剰な担体の寿命は、担体種を捕捉し、再結合率を低減させることによって、延長させることができることを理解されたい。利得の増加は、室温でミリ秒の捕捉時間と、薄層化低濃度ドープウエハ中で短遷移時間を有する、半導体の中心を捕捉することによって達成することができる。これらの捕捉場所は、担体の再結合を低減させ、したがって、再結合させることなく、より多くの電子を異なる領域に横断させることによって、素子の光伝導利得を改善または増加させることができる。
【0062】
図2を参照すると、反射層20は、半導体基板12に連結することができる。反射層は、電磁放射を素子内へと後方反射させるために、半導体基板の任意の側または部分に連結させることができる。故に、一側面では、反射層は、入射電磁放射の反対側の半導体基板上に位置することができる。したがって、図2に示されるように、半導体基板およびテクスチャ加工領域16を通過する電磁放射は、半導体基板中に後方反射することができる。加えて、保護層22は、半導体基板に連結することができる。保護層は、入射電磁放射に面する半導体基板の側に連結されて示されるが、しかしながら、保護層は、素子上のいずれの場所にも位置することができ、依然として、本範囲内である。
【0063】
前述のように、テクスチャ加工領域の場所を使用して、入射電磁放射の向上および/またはフィルタリングを提供することができる。例えば、感光素子内への電磁放射の入口点に位置するテクスチャ加工領域は、電磁放射、特に、青色波長を屈曲させる傾向がある。故に、あるレベルの同調は、入射電磁放射に隣接する表面上にテクスチャ加工領域を位置付け、青色波長のフィルタリングを意図的に生じさせることによって達成することができる。加えて、電磁放射の特定の波長の吸収は、半導体層および/またはテクスチャ加工領域内の異なる深度で生じる。例えば、緑色波長に対する吸収を増加させることによって、緑色波長の結果としての電気信号は、ダイオードまたは画素を増加させることができる。ある従来の4画素撮像素子は、1つの赤色、1つの青色、および2つの緑色画素を有し、より多くの数の緑色画素によって、緑色に対して、ヒトの眼の感度を向上させることを考慮した。したがって、一側面では、4画素撮像素子は、1つの青色、1つの赤色、および緑色波長吸収が向上した1つの緑色画素を有することができる。第4の画素は、撮像素子の所望の用途に応じて、IRまたは他の波長選択的画素のために使用することができる。
【0064】
図3は、半導体基板12の両側に位置するテクスチャ加工領域30を有する、感光素子を示す。そのような構成は、通常、素子の両側を通して出る電磁放射を半導体基板内でさらに拡散および吸収可能にする。テクスチャ加工領域は、1つ以上の側に位置し、吸収の向上を促進することができる。
【0065】
図4は、半導体基板12に対して非平行表面を有するテクスチャ加工領域40を有する、感光素子を示す。したがって、テクスチャ加工領域の全体的構成は、さらに吸収を向上させ、および/または選択的に、素子を同調させるように設計することができる。前述のように、非平行表面は、非平行傾斜、ピラミッド、逆ピラミッド、凹面形状、凸形状等であるが、それらに限定されない、種々の構成を有することができる。ある場合には、テクスチャ加工領域の構成は、半導体基板中に電磁放射を指向または集束させる機能を果たすことができ、他の場合には、テクスチャ加工領域の構成は、半導体基板から離れるように電磁放射を指向または集束させる機能を果たすことができる。
【0066】
図5に示されるように、レンズ50は、入射電磁放射に面する側の半導体基板12に連結することができる。したがって、レンズは、半導体基板内へ電磁放射を集束させることができる。入射電磁放射表面上に配置される回路または他の構造を有するそれらの側面では、レンズはさらに、そのような構造の周囲に光を集束させ、それによって、光学散乱および雑音を低減させることができる。
【0067】
図6に示されるように、テクスチャ加工領域60は、複数のドープ領域14、16に隣接する半導体基板12上に位置する。テクスチャ加工領域は、示されるように、ドープ領域のうちの少なくとも1つと関連付けられることができ、またはテクスチャ加工領域は、ドープ領域(図示せず)と区別されることもできる。電磁放射は、ドープ領域に隣接する側、または代替として、ドープ領域の反対側の感光素子に入ることができる。
【0068】
図7-11は、本開示の側面による、感光画素の製造における種々のステップを示す。図7は、正面照射(FSI)感光画素素子の断面を示す。感光画素素子は、半導体基板72を含むことができ、バルク半導体材料と称される可能性がある。半導体基板は、電子供与または正孔供与種によってドープされ、半導体基板と比較して、領域をより正または負極性にさせることができる、少なくとも1つのドープ領域74を含む。一側面では、例えば、ドープ領域は、pドープされることができる。別の側面では、ドープ領域は、nドープされることができる。高濃度ドープ領域76は、ドープ領域上またはその近傍に形成され、ピンダイオードを生成することができる。一実施例では、半導体基板は、極性が負である可能性があって、ドープ領域および高濃度ドープ領域は、それぞれ、p+およびn-ドーパントによってドープされることができる。いくつかの側面では、領域のn(--)、n(-)、n(+)、n(++)、p(--)、p(-)、p(+)、またはp(++)型ドーピングの変動を使用することができる。一側面では、高濃度ドープ領域は、テクスチャ加工領域である可能性があることに留意されたい。言い換えると、テクスチャ加工表面特徴は、高濃度ドープ領域上またはその中に形成することができる。
【0069】
図7の素子はさらに、種々の金属領域78、少なくとも1つのビア80、保護層82、トレンチ分離84、および電気伝導要素86を含むことができる。トレンチ分離要素は、光学および電気クロストークを低減させることによって、画素間の均一性を保持することができる。トレンチ分離は、浅い(図7)または深い(図12)トレンチ分離である可能性がある。トレンチ分離は、誘電材料、反射材料、伝導材料、光拡散特徴等を含むが、それらに制限されない、種々の材料を含むことができる。これらのトレンチ分離領域は、吸収されるまで、入射光を反射させるように構成され、それによって、素子の有効吸収長を増加させることができる。
【0070】
図8に示されるように、担体基板または担体ウエハ88は、光感知画素に連結することができる。一側面では、担体基板は、保護層82上に配置されることができるが、担体基板は、素子の任意の表面に配置されることができる。一側面では、例えば、担体基板は、半導体基板(図示せず)上に配置されることができる。担体基板は、種々の技法によって、光感知画素に連結されることができ、任意のそのような連結機構は、本範囲内である。一側面では、例えば、連結は、素子上、例えば、保護層上に配置される、接合層または接着層によって行われることができる。支持基板は、支持が除去されるかどうかに応じて、製造の際および製造後の両方において、半導体素子に支持を提供することができる。担体基板は、バルク半導体材料と同一または類似半導体材料から成ることが可能である、または異なる材料から成ることもできる。
【0071】
図9に示されるように、テクスチャ加工領域90は、ドープ領域74、76の反対側の半導体基板72に連結される。したがって、ドープ領域の方向から入る光は、テクスチャ加工領域に接触する前に、半導体基板を通過する。テクスチャ加工領域は、図9に示されるように、半導体基板の表面全体にわたって配置されることができ、または1つ以上の離散領域(図示せず)上に配置することもできる。
【0072】
図10に示されるように、付加的担体支持基板100は、担体支持基板88の反対側において、素子に連結することができる。付加的担体支持基板は、素子に付加的支持を提供する、第1の担体支持基板の除去を促進する等、種々の目的のために利用することができる。反射層102は、テクスチャ加工領域90と担体支持基板との間に配置することができる。したがって、反射層は、テクスチャ加工領域を通過する電磁放射を半導体基板72に向かって後方に反射させ、したがって、光学損失および後方散乱を低減させることができる。したがって、いくつかの側面では、反射層は、素子の量子効率を増加させることができる。反射層材料は、そのような素子に組み込むことができる、任意の反射材料である可能性がある。非限定的実施例は、銀、アルミニウム等の材料を含むことができる。
【0073】
図11に示されるように、担体支持基板は、保護層82または担体支持基板によって前もって被覆された任意の他の材料層を露出させるように除去することができる。付加的担体基板100は、素子の意図される使用に応じて、素子内に保持される、素子から除去される、または基板の厚さを減少させるように薄層化することができる。担体支持基板および付加的担体基板を含む、素子からの材料の除去は、エッチング、化学機械的研磨、イオン注入(すなわち、スマートカット)等を含むが、それらに限定されない、種々の方法によって達成することができる。
【0074】
種々の種類のトレンチ分離が想定され、任意のそのような分離は、本範囲内であると見なされる。前述のように、トレンチ分離は、浅い(図7、84)または深い(図12、120)トレンチ分離である可能性がある。トレンチ分離はまた、素子設計に応じて、浅いから深い深度を含むことができる。トレンチ分離は、テクスチャ加工領域および他の光拡散特徴を含む、誘電材料、反射材料、伝導材料、およびそれらの組み合わせを含むことができる。したがって、トレンチ分離層は、ある場合には、吸収されるまで、入射電磁放射を反射させるように構成され、それによって、素子の有効吸収長を増加させることができる。加えて、いくつかの側面では、柱特徴は、深いトレンチ分離およびエッチング技法を使用して、半導体基板から材料を薄層化または除去することによって、画素に組み込むことができる。図13に示されるように、テクスチャ加工領域130は、前述のように、半導体基板72に対して、非平行表面を有することができる。本非平行形態は、深いトレンチ分離120を伴って含まれると、複数の側から半導体基板内へ電磁放射を効果的に集束させることができる。
【0075】
また、非バルク材料は、素子内のドープ領域の近傍に形成または配置されることができることが想定される。非バルク材料の追加は、電磁放射拡散特徴を非バルク材料上またはその中に形成可能にする。本開示の一側面では、開口を画定する金属層もまた、含めることができる。金属層は、ドープ領域近傍に形成されることができ、開口を画定する領域に入る光を有することができる。本領域に入る光はまた、反射防止材料を含むことができる。
【0076】
図14は、2つの感光画素140を備える、感光撮像素子を示す。各感光画素は、金属回路を含むことができる境界領域142と、テクスチャ加工領域144とを含む。各感光画素は、少なくとも1つのトランジスタ146または他の電気伝導要素を含むことができる。付加的読取および回路要素148は、両感光画素によって利用および共有することができる。
【0077】
図15を参照すると、本開示の一側面による、背面照射(BSI)感光画素が提供される。レンズ150および反射防止コーティング152は、薄層化およびトレンチ分離後、画素の背面に配置される。カラーフィルタ154は、レンズに光学的に連結され、電磁放射の具体的波長フィルタリングを可能にする。テクスチャ加工領域156は、画素の正面側を通過する入射電磁放射の拡散散乱および反射を提供するために、レンズの反対側の半導体基板72に連結することができる。したがって、電磁放射は、半導体基板内において、テクスチャ加工領域およびトレンチ分離120の組み合わせられた作用に集束されることができる。
【0078】
図16は、本開示の別の側面による、正面照射(FSI)撮像素子を示す。レンズ160および62上の反射防止保護層は、画素の正面側に連結される。テクスチャ加工領域90および反射層102は、半導体基板を通過する入射電磁放射の拡散散乱および反射を提供するために、レンズの反対側の半導体基板72に連結される。金属または他の反射材料層166内に形成される開口164は、光学空洞の有効性を増加させることができる。したがって、レンズは、開口を通して電磁放射を集束させる。
【0079】
本開示の他の側面では、感光ダイオード、画素、および撮像素子を作製する種々の方法が想定される。一側面では、図17に示されるように、感光撮像素子を作製する方法は、少なくとも1つの接合部を形成する複数のドープ領域を有する、半導体基板上にテクスチャ加工領域を形成するステップを含むことができ、テクスチャ加工領域は、電磁放射と相互作用する位置に形成される170。方法はまた、電気伝導要素が、少なくとも1つの接合部から電気信号を伝導するように動作可能であるように、電気伝導要素を半導体基板に連結するステップを含む172。一側面では、複数の画素は、撮像素子を形成するように、ともに関連付けることができる。保護層はまた、素子を保護し、および/または暗電流を低減させるために、感光撮像素子上に配置することができる。
【0080】
本開示の別の側面では、感光ダイオードを作製する方法が提供される。そのような方法は、半導体基板の表面上に、少なくとも1つのカソードおよび少なくとも1つのアノードを形成するステップと、テクスチャ加工領域を半導体基板に連結するステップと、支持基板を半導体基板に連結するステップとを含むことができる。テクスチャ加工領域は、アノードおよびカソードに隣接して、アノードおよびカソードの反対に、またはアノードおよびカソードに隣接して、およびその反対側の両方に、位置することができる。電気伝導は、アノードおよびカソードのうちの少なくとも1つに電気的に連結され、感光画素を形成することができる。別の側面では、半導体基板は、素子の応答率および/または速度を改善するために、薄層化することができる。保護層はまた、感光ダイオード上に配置され、素子を保護および/または暗電流を低減させることができる。付加的支持基板は、付加的支持を提供するために、素子に取着することができる。一側面では、付加的支持基板は、支持基板から感光ダイオードの反対側に位置することができる。続いて、支持基板は、さらなる処理を可能にするように除去することができる。
【0081】
当然ながら、前述の配設は、本開示の原理の用途の例示にすぎないことを理解されたい。多数の修正および代替配設が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって考案されてもよく、添付の請求項は、そのような修正および配設を網羅することを意図する。したがって、本開示は、本開示の最も実践的実施形態と現在見なされているものと関連した特異性および詳細とともに説明されているが、当業者には、サイズ、材料、形状、形態、動作の機能および態様、組立、ならびに使用における変動を含むが、それらに限定されない、多数の修正が、本明細書に記載される原理および概念から逸脱することなく、成されてもよいことが明白となるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】