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特開2024-20465マイクロ流体チップ構成および動力学を用いた光力測定および細胞画像化のためのマイクロ流体チップデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020465
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】マイクロ流体チップ構成および動力学を用いた光力測定および細胞画像化のためのマイクロ流体チップデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1409 20240101AFI20240206BHJP
   G01N 15/149 20240101ALI20240206BHJP
   G01N 15/14 20240101ALI20240206BHJP
   G01N 15/1434 20240101ALI20240206BHJP
   G01N 15/1433 20240101ALI20240206BHJP
【FI】
G01N15/1409 100
G01N15/149
G01N15/14 C
G01N15/1434
G01N15/1433
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196402
(22)【出願日】2023-11-20
(62)【分割の表示】P 2020555013の分割
【原出願日】2017-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】520228197
【氏名又は名称】ルマサイト, インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】シーン ハート
(72)【発明者】
【氏名】コリン ヘバート
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー フィールド
(72)【発明者】
【氏名】シュウェタ クリシュナン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マイクロ流体チップ構成および動力学を用いた光力測定および細胞画像化のためのマイクロ流体チップデバイスを提供する。
【解決手段】入力および流体は、流体力学の直交する再配向を回避するマニホールドを使用して、チップ400の底部を通って上昇する。バイアルの内容物は、チップの下に配置され、チップの第1チャネル410内に直接上方および垂直にポンプで送り込まれる。長いチャネルは、チップの底部からチップの頂部付近まで延在する。次いで、チャネルは、重力および壁でのゼロ流速による細胞沈降の影響をほぼ否定する短い水平ターン420をとる。流体は、より明瞭な画像化をもたらすチップの頂部に近い水平分析部分440までポンピングされる。レーザ480はまた、分析の間、細胞または粒子をこのチャネル中に浮遊させ得、これは、細胞または粒子が沈降することを防止する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の物質を輸送するように構成された複数のチャネルを備える基板と、前記1つ以上の物質と相互作用することができるコリメート光源とを備えるデバイスであって、
該複数のチャネルは、
前記基板内においてY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された第1チャネルと、
該第1チャネルと動作可能に連通し、前記基板内においてX軸に沿って水平に配置された第2チャネルと、
前記第2チャネルと連通し、前記基板内においてY軸に沿って上方向に重力に関して垂直に配向された第3チャネルと、
前記第3チャネルと連通し、前記基板内においてX軸に沿って水平に配置された第4チャネルと、を備え、
前記第1チャネル、前記第2チャネル、前記第3チャネル、および、前記第4チャネルは、前記基板を通って、第1チャネルから、第2チャネル、第3チャネル、第4チャネルへ、前記1つ以上の物質が移動するための経路を提供するように配置され、
前記第2チャネルおよび前記第4チャネルは、前記第1チャネルより長さにおいて、より短いものであり、前記コリメート光源は前記第4チャネル内の前記1つ以上の物質と相互作用するように配向され、
前記第1チャネルは、Y軸に沿って上方向に配向され、
垂直方向の前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通って、重力に対して上向きの圧力または真空駆動のフローを介して射出することにより前記1つ以上の物質を受けるように構成される、
デバイス。
【請求項2】
前記1つ以上の物質が前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記基板内に垂直に配置された前記第1チャネル内に注入され、
前記底部水平平面表面はチップの垂直平面上の表面積と比較して、前記第1チャネルとの指向性および体積連続性を維持するために、垂直方向に、より小さいかまたは等しい表面積を有する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1チャネルは前記基板の外面に配置され、前記1つ以上の物質が前記基板内に垂直に入り、
前記第1チャネル内で垂直に移動するための経路を提供するような方法で配置された開口部を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の物質が前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記第1チャネル内に垂直に配置された前記第1チャネルに垂直方向に注入されて、前記第1チャネルとの方向および体積連続性を維持する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の物質が前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記第1チャネル内に垂直に配置された前記第1チャネル内に、前記第1チャネルとの方向および体積連続性を維持するために垂直方向に注入され、
前記第1チャネルおよび前記開口部は、方向および体積連続性を維持するような様式で、成形され、サイズ決定され、配向される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記コリメート光源が、第4チャネル内の1つ以上の物質の移動の方向に、その反対の方向に、その方向に直交する方向に、またはその移動に対して斜めに伝播するように配向される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第4チャネルは、複数の焦点面における粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第4チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、複数の焦点面内の粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第4チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第4チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、複数の角度および/または向きから、粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第4チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、1つ以上の画像化デバイスによる複数の焦点面、角度、および/または、配向から、粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
1つ以上のチャネル内で細胞または粒子を移動させるための、1つ以上の電気力、光学力、および/または流体力をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
1つ以上のチャネルにおいて細胞または粒子を移動させるための、1つ以上の動電力、電気泳動力、および/または誘電泳動(DEP)力をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
1つ以上の画像化デバイスをさらに備え、
前記画像化デバイスのうちの少なくとも1つは、前記第4チャネルにおいて画像化される焦点面を変更するように移動されることが可能である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第4チャネル内の細胞または粒子は、光学力および/または流体力の変化によって移動することができ、
前記第4チャネル内で画像化される前記細胞の領域は、前記粒子が移動することにつれて変化する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第4チャネルは、前記基板の2つ以上の外面からある距離に配置され、
焦点面が細胞または粒子に対して移動するときに、該細胞または粒子の複数の画像スライスの画像化および分析を可能にする、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第4チャネルは、前記基板の2つ以上の外面から距離をおいて配置され、
移動する細胞または粒子が焦点面を通って移動するときに、該移動する細胞または粒子の複数の画像スライスの画像化および分析を可能にする、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第4チャネルは、前記基板の2つ以上の外面から距離をおいて配置され、
浮遊または静止した細胞または粒子の複数の画像スライスの画像化および分析を可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記1つ以上の物質が、圧力、真空、蠕動、動電力、電気泳動力、磁気力、光学力、またはそれらの任意の組み合わせによって移動され得る、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第4チャネル内の細胞または粒子を画像化および/または分析する画像化デバイスに光を向ける、または画像化デバイスから光を遠ざけるためのダイクロイックミラーをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第4チャネル内の細胞または粒子と相互作用するようにコリメート光源または集束光源を導くためのダイクロイックミラーをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
コリメート光源または集束光源を、画像化デバイス、別の光源、または、前記デバイスの別の部分から離れるように向けるためのダイクロイックミラーをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記複数のチャネルは、前記基板内に、水平に、垂直に、または斜めに配置された第5チャネルを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
前記複数のチャネルが、細胞または粒子を選別するために2つ以上のチャネルまたはウェルに分割される第5チャネルを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第4チャネルは、前記第1チャネル、前記第2チャネル、または前記第3チャネルのいずれかよりも、前記基板の上部に近接して配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記第4チャネルは、前記基板の上部から100ミクロンないし100mmの位置にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記第1チャネルは、長さが0.1mmないし100.0mmの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記第2チャネルは、長さが0.1mmないし100.0mmの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第3チャネルは、長さが0.05mmないし100.0mmの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第4チャネルは、長さが0.1mmないし100.0mmの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第1チャネルは、前記第2チャネル、前記第3チャネル、または前記第4チャネルよりも長さが長い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項32】
細胞または粒子質問ユニットをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
細胞または粒子収集チャネルをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項34】
明視野イメージャ、光散乱検出器、単一波長蛍光検出器、分光蛍光検出器、CCDカメラ、CMOSカメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ(PDA)、分光計、光電子増倍管または管アレイ、フォトダイオードアレイ、化学発光検出器、生物発光検出器、標準ラマン分光検出システム、表面増強ラマン分光法(SERS)、コヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)、および/またはコヒーレントストークスラマン分光法(CSRS)のうちの少なくとも1つから選択される画像化デバイスをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記1つ以上の物質が前記基板に入り、前記第1チャネル内を移動するための経路を提供するように、前記基板の外面に配置された開口部に前記1つ以上の物質を注入する管端をさらに備える、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
複数の内部流体チャネルを有する基板と、移動する細胞および/または粒子と相互作用することができるコリメート光源とを備えるデバイスであって、
前記複数の内部流体チャネルは、前記基板に対してY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された、複数の内部チャネルの第1チャネルであって、前記細胞または粒子は、前記第1チャネルの長さ方向に沿って第1チャネルを通して上方に流れる、第1チャネルと、
前記基板の外側表面に配置され、1つ以上の物質が、前記第1チャネルの中で、垂直方向に、重力に対して上方に、入り、移動することができるように第1チャネルと動作可能に連通する開口部と、
前記基板に対してX軸に沿って水平に配向された前記基板内に配置され、かつ前記第1チャネルと動作可能な連通状態にある前記複数の内部チャネルの第2チャネルであって、前記細胞または粒子は、前記第2チャネルの長さ方向に沿って第2チャネルを通して水平に流れ、該第2チャネルは、前記第1チャネルよりも長さが短く、前記コリメート光源は前記第2チャネル内の前記1つ以上の物質と相互作用するように配向され、前記第1チャネルは、Y軸に沿って重力に対して上方向に配向され、圧力または真空駆動の流れを介した注入によって、垂直方向に開口部を通して重力に対して上向きに、前記移動する細胞および/または粒子を受け入れるように構成される、第2チャネルと、
を備える、基板を備える、
流体中の細胞および/または粒子を移動させるためのデバイス。
【請求項37】
前記1つ以上の物質が、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記基板内に垂直に配置された前記第1チャネルに、前記第1チャネルとの指向性および体積連続性を維持するために、垂直方向に注入される、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記1つ以上の物質が、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記基板内に垂直に配置された前記第1チャネルに注入され、
前記底部水平平面表面は、前記第1チャネルとの指向性および体積連続性を維持するために、垂直方向において、チップの垂直平面上の表面積と比較して、より小さい表面積を有する、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項39】
前記第1チャネルは、前記基板の外面に配置され、前記1つ以上の物質が、前記基板に垂直に入り、前記第1チャネル内で垂直に移動するための経路を提供するように配置された開口部を備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記1つ以上の物質が、前記第1チャネルとの方向および体積連続性を維持するために、垂直方向において、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記第1チャネル内に垂直に配置された前記第1チャネルに注入される、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項41】
前記1つ以上の物質が、前記第1チャネルとの方向および体積連続性を維持するために、垂直方向において、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記第1チャネル内に垂直に配置された前記第1チャネル内に、注入され、
前記第1チャネルおよび前記開口部は、方向および体積連続性を維持するような態様で、成形され、サイズ決定され、配向される、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項42】
コリメート光源または集束光源が、第2チャネル内の1つ以上の物質の移動の方向と同じ方向、その反対の方向、その方向に直交する方向、またはその方向に対して斜め方向に伝播するように配向される、請求項36に記載のデバイス。
【請求項43】
前記第2チャネルは、複数の焦点面における粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項36に記載のデバイス。
【請求項44】
前記第2チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、複数の焦点面内の粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項36に記載のデバイス。
【請求項45】
前記第2チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項36に記載のデバイス。
【請求項46】
前記第2チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、複数の角度および/または向きから、粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項36に記載のデバイス。
【請求項47】
前記第2チャネルは、前記1つ以上の物質の移動中に、1つ以上の画像化デバイスによって、複数の焦点面、角度、および/または配向から、粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項36に記載のデバイス。
【請求項48】
1つ以上のチャネル内で細胞または粒子を移動させるための、1つ以上の電気力、光学力、および/または流体力をさらに含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項49】
1つ以上のチャネル内で細胞または粒子を移動させるための、1つ以上の動電力、電気泳動力、および/または誘電泳動(DEP)力をさらに含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項50】
1つ以上の画像化デバイスをさらに備え、
前記画像化デバイスのうちの少なくとも1つは、前記第2チャネルにおいて画像化される焦点面を変更するように移動されることが可能である、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項51】
前記第2チャネル内の細胞または粒子は光学力および/または流体力の変化によって移動することができ、
前記第2チャネル内で画像化される前記細胞の領域は、前記粒子が移動することにつれて変化する、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項52】
前記第2チャネルは、焦点面が前記細胞または粒子に対して移動するときに、細胞または粒子の複数の画像スライスの画像化および分析を可能にする、前記基板の2つ以上の外面から距離を置いて配置される、請求項36に記載のデバイス。
【請求項53】
前記第2チャネルは、前記基板の2つ以上の外面から距離をおいて配置され、
移動する細胞または粒子が、焦点面を通って移動する際に、該移動する細胞または粒子の複数の画像スライスの画像化および分析を可能にする、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項54】
前記第2チャネルは、前記基板の2つ以上の外面から距離を置いて配置され、
浮遊または静止した細胞または粒子の複数の画像スライスの画像化および分析を可能にする、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項55】
前記1つ以上の物質が、圧力、真空、蠕動、動電力、電気泳動力、磁気力、光学力、またはそれらの任意の組合せによって移動することができる、請求項36に記載のデバイス。
【請求項56】
前記第2チャネル内の細胞または粒子を画像化および/または分析する画像化デバイスに光を向ける、または画像化デバイスから光を遠ざけるためのダイクロイックミラーをさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項57】
前記第2チャネル内の細胞または粒子と相互作用するように前記コリメート光源を導くためのダイクロイックミラーをさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項58】
前記コリメート光源を、画像化デバイス、別の光源、または前記デバイスの別の部分から離れるように向けるためのダイクロイックミラーをさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項59】
前記複数の内部流体チャネルは、前記基板内に、水平に、垂直に、または斜めに配置された第3チャネルを含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項60】
前記複数の内部流体チャネルが、細胞または粒子を選別するために2つ以上のチャネルまたはウェルに分割される第3チャネルを含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項61】
前記第2チャネルは、前記第1チャネルよりも前記基板の上部の近くに位置する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項62】
前記第2チャネルは、前記基板の上部から100ミクロンないし100mmの位置にある、請求項36に記載のデバイス。
【請求項63】
前記第1チャネルは、長さが0.1mmないし100.0mmの範囲である、請求項36に記載のデバイス。
【請求項64】
前記第2チャネルは、長さが0.1mmないし100.0mmの範囲である、請求項36に記載のデバイス。
【請求項65】
前記第1チャネルは前記第2チャネルよりも長さが長い、請求項36に記載のデバイス。
【請求項66】
細胞または粒子質問ユニットをさらに含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項67】
細胞または粒子収集チャネルをさらに含む、請求項36に記載のデバイス。
【請求項68】
明視野イメージャ、光散乱検出器、単一波長蛍光検出器、分光蛍光検出器、CCDカメラ、CMOSカメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ(PDA)、分光計、光電子増倍管または管アレイ、フォトダイオードアレイ、化学発光検出器、生物発光検出器、標準ラマン分光検出システム、表面増強ラマン分光法(SERS)、コヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)、および/または、コヒーレントストークスラマン分光法(CSRS)のうちの少なくとも1つから選択される画像化デバイスをさらに備える、請求項36に記載のデバイス。
【請求項69】
前記1つ以上の物質が、前記基板に入り、
前記第1チャネル内を移動するための経路を提供するように、前記基板の外面に配置された開口部に前記1つ以上の物質を注入する管端をさらに備える、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項70】
細胞または粒子を1つ以上の別個の領域またはウェルに分類するために、前記1つ以上の物質を、圧力、真空、蠕動、動電力、電気泳動力、磁気力、光学力、またはそれらの任意の組合せによって移動することが可能である、請求項36に記載のデバイス。
【請求項71】
前記1つ以上の物質が、圧力、真空、蠕動、動電力、電気泳動力、磁気力、光学力、またはそれらの任意の組合せによって移動されて、細胞または粒子を1つ以上の別個の領域またはウェルに分類することが可能である、請求項36に記載のデバイス。
【請求項72】
細胞免疫療法において使用するための生物学的粒子を評価するための方法であって、
a)1つ以上の生物学的粒子を輸送するように構成された複数のチャネルを備える基板の第1チャネル内に1つ以上の生物学的粒子を注入するステップであって、前記複数のチャネルは、
i)前記基板内のY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された第1チャネルと、
ii)前記基板内にX軸に沿って水平に配置され、該第1チャネルと動作可能に連通した第2チャネルと、
iii)前記第2チャネルと連通し、該基板に対してY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された、第3チャネルと、
iv)前記基板内にX軸に沿って水平に配置され、該第3チャネルと連通した第4チャネルと、を含む、ステップと、
b)生物学的粒子と相互作用することができるコリメート光源を使用して、前記第4チャネルにおける光学力ベースの測定を介して前記生物学的粒子を評価するステップであって、
水平方向のチャネルは、第1チャネルよりも長さが短く、
前記第1チャネル、前記第2チャネル、前記第3チャネル、および、前記第4チャネルは、前記第1チャネルから、前記第2チャネルへ、前記第3チャネルへ、前記第4チャネルへと、前記基板を通る、前記1つ以上の生物学的粒子の移動の経路の提供するような態様で配置され、
前記基板内においてY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された第1チャネル内に圧力または真空駆動のフローを介して前記1つ以上の生物学的粒子を注入することは、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面を通り、
前記生物学的粒子は、T細胞、CARーT細胞を含むエンジニア(engineered)T細胞を含み、
該光学力ベースの測定は、形態、運動性、結合親和性、結合プロフィール、他の生物学的粒子への影響、標的細胞への影響、生物学的、生化学的、化学的、物理的、および温度の影響などの外力に対する感受性に関する情報を得るために使用され、
前記生物学的粒子を評価することは、T細胞受容体、調節性T細胞、同種T細胞、またはバイオニックT細胞の特徴付けを含む、
ステップと、を含む、方法。
【請求項73】
前記評価は、前記T細胞における変化量の定量的測定を含み、
予測的または規範的分析を提供する、
請求項72に記載の方法。
【請求項74】
下面水平面表面が、前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持するために、前記基板の垂直平面表面上の1つのエッジから別のエッジまでの少なくとも1つの長さと比較して、1つのエッジから別のエッジまでの少なくとも1つの短い長さを有する、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記1つ以上の生物学的粒子が、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、前記基板内に垂直に配置された前記第1チャネルに注入され、
前記底部水平平面表面は、チップの垂直平面上の表面積と比較して、垂直方向に、
前記第1チャネルとの指向性および体積連続性を維持するために、より小さいかまたは等しい表面積を有する、
請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記第1チャネルは、前記基板の外面に配置され、
前記1つ以上の生物学的粒子が、前記基板に垂直に入り、前記第1チャネル内で垂直に移動するための経路を提供するような態様で配置された開口部を備える、
請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記第4チャネル内の生物学的粒子または細胞と相互作用するように配向されたコリメート光源または集束光源をさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項78】
コリメート光源または集束光源が、第4チャネル内の1つ以上の生物学的粒子の移動の方向、該移動の反対の方向、該移動の方向に直交する方向、または、該移動に対して斜めに伝播するように配向される、請求項72に記載の方法。
【請求項79】
前記第4チャネルは、前記1つ以上の生物学的粒子または細胞の移動中に、および、1つ以上の画像化デバイスによる複数の焦点面、角度、および/または、配向から、生物学的粒子または細胞の画像化および分析を可能にする、請求項72に記載の方法。
【請求項80】
1つ以上のチャネル内で生物学的粒子または細胞を移動させるための、1つ以上の電気力、光学力、および/または流体力をさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項81】
前記複数のチャネルは、第5チャネルを含み、
該第5チャネルは、細胞または粒子を選別するために2つ以上のチャネルまたはウェルに分割される、
請求項72に記載の方法。
【請求項82】
明視野イメージャ、光散乱検出器、単一波長蛍光検出器、分光蛍光検出器、CCDカメラ、CMOSカメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ(PDA)、分光計、光電子増倍管または管アレイ、フォトダイオードアレイ、化学発光検出器、生物発光検出器、標準ラマン分光検出システム、表面増強ラマン分光法(SERS)、コヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)、および/または、コヒーレントストークスラマン分光法(CSRS)のうちの少なくとも1つから選択される画像化デバイスをさらに備える、請求項72に記載の方法。
【請求項83】
LFC(レーザパワー細胞学)が、前記生物学的粒子または細胞を評価するために使用される、請求項72に記載の方法。
【請求項84】
前記LFCの使用は、光学力、圧力、サイズ、および、速度をセルごとに含む測定を行うために、マイクロ流体と光誘起圧力との組み合わせを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
LFCの使用が生物学的粒子の特性を評価するために使用され、
前記特性が、形態、運動性、前記生物学的粒子と他の生理学的コンポーネントとの相互作用、変形性(細胞骨格変化)、または、環境変化に対する生物学的粒子の反応を含む、
請求項83に記載の方法。
【請求項86】
生物学的粒子の評価が、1つ以上の標的細胞または粒子と相互作用する1つ以上の細胞治療産物細胞(cell therapy product cell)の錯体の測定を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項87】
細胞免疫療法において使用するための生物学的粒子を評価するための方法であって、
a)1つ以上の生物学的粒子を輸送するように構成された複数のチャネルを備える基板の第1チャネル内に1つ以上の生物学的粒子を注入するステップであって、
前記複数のチャネルは、
i)前記基板内にY軸に沿って上方向に垂直に配向された第1チャネルと、
ii)前記基板内にX軸に沿って水平に配置され、該第1チャネルと動作可能に連通した第2チャネルと、
iii)前記基板内にY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向され、該第2チャネルと連通した第3チャネルと、
(iv)前記基板内にX軸に沿って水平に配置され、該第3チャネルと連通した第4チャネルと、
を含む、ステップと、
b)前記第4チャネルにおける生物学的粒子と相互作用することができるコリメート光源を使用して光学力ベースの測定を介して、細胞免疫療法において使用するための前記生物学的粒子を評価するステップであって、
水平方向のチャンネルは、第1のチャンネルよりも長さが短く、
前記第1チャネル、前記第2チャネル、前記第3チャネル、および前記第4チャネルは、前記第1チャネルから、前記第2チャネル、前記第3チャネル、前記第4チャネルへと、前記基板を通る、前記1つ以上の生物学的粒子の移動のための経路を提供するように配置され、
圧力または真空駆動のフローを介して、前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通って前記基板内においてY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された第1チャネル内に前記1つ以上の生物学的粒子を注入し、
前記生物学的粒子は、T細胞、エンジニア(engineered)T細胞を含み、CAR T細胞を含み、LFC(レーザパワー細胞学)測定を介して生物学的粒子を評価し、
前記LFC測定は、形態、運動性、結合親和性、結合プロフィール、他の生物学的粒子への影響、標的細胞への影響、生物学的、生化学的、物理的、および温度の影響などの外力に対する感受性に関する情報を得るために使用され、
前記生物学的粒子を評価することは、T細胞受容体、調節性T細胞、同種T細胞、またはバイオニックT細胞の特徴付けを含む、
ステップと、を含む、方法。
【請求項88】
前記LFCの使用が、光学力、圧力、サイズ、および速度をセルごとに含む測定を行うための、マイクロ流体と光誘起圧力との組み合わせを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記LFCの使用が生物学的粒子の特性を評価するために用いられ、
前記特性は、形態、運動性、生物学的粒子と他の生理学的コンポーネントとの相互作用、変形性(細胞骨格変化)、または、環境変化に対する生物学的粒子の反応を含む、
請求項87に記載の方法。
【請求項90】
生物学的粒子の前記評価が、1つ以上の標的細胞または粒子と相互作用する1つ以上の細胞治療産物細胞の錯体の測定を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
生物学的粒子の前記評価が、有効性分析(efficacy assay)のための細胞の特徴付け、
効能分析(potency assay)のための細胞の特徴付け、CAR-T細胞親和性試験、CAR-T細胞結合試験、T細胞バイオマーカーの検出、または、T細胞活性化のラベルフリー検出を含む、請求項87に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、流体中の粒子または細胞についての粒子分析および画像化のためのデバイスおよび方法に関し、特に、圧力、流体力学、界面動電、および光学力を使用して流体についての粒子画像化のためのデバイスおよび方法に関する。
【0002】
本発明は上方に垂直な方向に注入が行われ、チップのチャネルの分析部分の前および分析部分での粒子の沈降を最小限に抑えるために、流体バイアルがチップの下に配置されるマイクロ流体チップに関する。
【0003】
本発明を実施するためには、既存のマイクロ流体チップ設計に変更を加えなければならなかった。例えば、バイアルをチップと垂直方向にインラインに保つためには、従来技術と比較して、チップとの異なるインターフェースを確立しなければならなかった。具体的には、(典型的にはマイクロ流体ラボオンチップシステムで行われるように)チップの最大面に取り付けられたポートを介してチップとインターフェースする入力チューブの代わりに、まず、直交して、次いで、チップを横切って、次いで、流体をポンピングし、次いで、チップを上昇させる。本発明は1つの態様において、マニホールドを使用して、チップの底部を通って上昇する入力および流体を有し、これにより、流体/流体力学の水平方向の再配向が回避される。
【0004】
本発明によれば、バイアルの内容物は、チップの下に配置され、チップの第1チャネル内に直接、上方および垂直にポンプ輸送される。長いチャネルは、チップの底部からチップの頂部付近まで延在する。それから、チャネルは短い水平方向のターンをとるが、新しいチャネルは非常に短く、重力と壁でのゼロ流速による細胞沈降の影響をほとんど否定する。次に、従来技術とは異なり、流体は、分析部分までポンプで汲み上げられる。したがって、水平分析部分はチップ内の最も高いチャネル/流体点であり、したがって、チップの頂部に近く、その結果、従来技術よりも顕微鏡/カメラと試料との間のチップ材料(例えば、ガラス)が少なく、したがって、より鮮明な画像化が得られる。また、レーザは、解析中にこのチャネル内に細胞を浮遊させ、細胞が沈降するのを防止する。
【背景技術】
【0005】
従来技術によれば、分離および/または分析される細胞または粒子を含むマイクロ流体チップバイアルは、側面に配置され、マイクロ流体チップ内のチャネルに水平にポンプ輸送される。最初に、バイアルの内容物(例えば、粒子または細胞)を、上向きの垂直方向にポンプ輸送し、次いで、下に移動するようにuターンを作り、次いで、チップ中に水平にポンプ輸送した(例えば、米国特許第9,594,071号を参照)。
【0006】
チップへの接続は水平であり、これは、接続におけるデッドボリューム(ある程度不可避である流体接続における空の空間)と組み合わされて、重力による顕著な追加の沈降をもたらす。このような構成はまた、接続によって必要とされる比較的大きな直径のチャネルを必要とし、それは、デッドボリュームに加えて、比較的低い速度の領域を作り出し、さらに、粒子沈降の問題を増大させる。本発明による電流チップは、大きな水平入力チャネルおよび大きな水平入力チャネルから第1の垂直チップチャネルにおける比較的薄い上昇流へのむしろ急激な変化の必要性を排除する。このような構成は、水平方向の沈降および沈降を引き起こす不必要な方向の変化を排除する。細胞をチップの底縁に入らせることは、細胞または粒子が水平チャネルの底に沈降することができず、むしろそれらが流れによって常に上方に案内されるように、重力に対して垂直にそれを配向することによって、デッドボリューム内に沈降する問題も解決する。これは、直感的ではなく、現行の具体化された解決策を設計する前に問題を実現するために多くの実験を必要とする。現在入手可能なマイクロ流体デバイスは、本発明とは対照的に、研磨された表面およびガラスのより広い面積上にカスタムまたは市販の接続を組み込み、これは、一般に、サンプル流内に含まれる任意の粒子(例えば、細胞)を強制的に、直ちに回転させ、そしてチップに入ると水平に移動させる。
【0007】
また、従来技術において、細胞または粒子は分析チャネルに到達する前にマイクロ流体チップ上でいくつかの水平方向の走行を有し、これは、沈降をもたらす。バイアル内容物がチップおよびチップ内のチャネルに入る時点で、内容物は、垂直インチップチャネルと比較して水平にポンピングされる。次いで、チャネルは上方に流れ、長い水平方向の回転をとる。この時点で、重力によって細胞はチャネルの底部に沈降する傾向がある。また、層流条件のために壁でより低い速度を経験する。本質的には、放物線状の速度プロフィールのために、流れはチャネルの中間で最高であり、チャネル壁面またはその近傍でゼロに減少する。最初の水平インチップチャネルの後、流体は、粒子が画像化または分離される分析チャネルの前に下向きのターンを取る。この構成のため、顕微鏡/カメラと解析チャネルの間には比較的大きな距離が存在する。この典型的な従来技術の構成では、粒子は下方に押しやられ、最終的にチップの底部から出る。
【0008】
さらに、従来技術の制約のために、複数の水平ランが必要とされ、細胞をチャネル内の複数の場所に定着させる。これは、今度がチップのエッジで付加的な材料を通して画像形成する必要があるため、画像品質の低下を引き起こす。チップ内の従来技術のチャネルは上向きの垂直方向に、次いで水平方向に、次いで、適切な細胞または粒子浮遊液のためにジグザグの性質で、次いで、チップの下に、そしてチップの外にポンプ輸送されなければならなかった。ジグザグチャネルは、本発明によって除去される。
【0009】
流体中の細胞または粒子の3D画像をレンダリングすることに関しても、従来技術が存在する。例えば、M.Habaza、M.Kirschbaum、C.Guernth-Marschner、G.Dardikman、I.Barnea、R.Korenstein、C.Duschl、N.T.Shaked、「Adv.Sci.」、2017年,、4、1600205、は、細胞を捕捉し、それを高速で回転させ、干渉法を用いて細胞内の屈折率分布を測定することを教示する。干渉法もまた、マイクロ流体チャネル中の細胞を分析するために使用されている(例えば、YSung他、「Phys.Rev.Appl.」2014年2月27日、1:014002を参照)。しかしながら、本発明は細胞または粒子が流体の流れの中を移動し、画像化デバイスの焦点面を通過するときに、細胞または粒子の複数の画像を撮影することを主張し、それによって、3D画像をレンダリングするために細胞を捕捉する必要性を無効にする。機械的並進ステージを使用して細胞または粒子を移動させるなどの他の技術が教示されており(例えば、NLue他、「Opt.Express」2008年9月29日、S16(20):16240ー6)、それらのいずれも本明細書に記載されるような明視野画像化を使用せず、画像焦点面に対する細胞位置決めを提供するために流体流動を利用しない。
【0010】
本明細書に引用される全ての先行技術文献は、その全体が参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【0011】
本発明は粒子の沈降を最小限に抑えるために、注入が行われ、試料バイアルがチップの下に配置されるマイクロ流体チップに関する。したがって、バイアルの内容物はチップの下に位置し、チップのチャネル内に直接、上方および垂直にポンプ輸送される。長いチャネルは、チップの底部からチップの頂部付近まで延在する。次いで、チャネルは短い水平方向のターンをとるが、新しいチャネルは、チャネルの壁でのゼロ流速による細胞の沈降の影響に関して、取るに足らないほど十分に短い。そして、従来技術とは逆に、試料を分析部まで汲み上げる。したがって、水平分析部分はチップ内の最も高いチャネル/流体点であり、したがって、チップの頂部に近く、その結果、顕微鏡/カメラ間のガラスが従来技術より少なく、したがって、より鮮明な画像化が得られる。チップの頂部からの分析チャネルの距離は100ミクロン~2mmであり得るが、100ミクロン~200ミクロン、200ミクロン~300ミクロン、300ミクロン~400ミクロンなど、100mmもの大きさであることもあり得る。一実施形態では、チップの分析部分の後、試料、例えば、流体、細胞、および/または粒子はチップの底部まで下方にポンプで送られ、外側に押し出される。
【0012】
本発明はさらに、特に流体がチップチャネルに入る点で、水平方向の流れが最小限に抑えられるマイクロ流体チップを対象とする。従来技術のチップは約13mmの水平チャネル(非解析部分)を含み、その注入ポートは、約2mmと、はるかに大きな直径であり、低速度のために沈降を悪化させる。本明細書に記載のチップは好ましい実施形態では水平チャネル(非分析)が約0.2~3.0mmであるが、水平チャネルの長さは0.01~100.0mm、例えば0.01mm~0.02mm、0.02mm~0.03mm、0.03mm~0.04mmなどの範囲であり得る。これは、本発明のチャネルシステムの結果であり、従来技術とは、大きさのオーダーが異なるものであって、細胞/粒子の流れを改善し、沈降を排除する。
【0013】
本発明の別の態様は、画像化が行われ、分析がチップのコーナーまたはその付近に基づくマイクロ流体チップに関し、それによって、カメラと分析チャネルとの間に存在するガラスおよび距離がより少ないため、複数の視点からの画像化が改善される。これにより、より高い数値の対物レンズを使用して、倍率を増加させることによって詳細な結像を改善することも可能になる。このような設計の改善は、ガラス(またはプラスチックまたは任意の透明または半透明材料などのチップを構成する他の物質)および距離(例えば、ガラスの欠陥による)によって引き起こされる画像の歪みを低減する。画像化デバイスと分析チャネルとの間の距離は100ミクロンから2mmであってもよいが、100ミクロンから200ミクロン、200ミクロンから300ミクロン、300ミクロンから400ミクロンなど、100mmほどの大きさであってもよい。
【0014】
さらに、本発明は、マイクロ流体選別チップに関し、分析チャネルから下流に分離され、圧力および/またはレーザ(または他の光学力)の両方を同時にまたは連続的に使用して選別機能を作動させることを可能にする。一態様では、フローが分類機能のための分析チャネルから継続する。例えば、粒子は、垂直チャネルに向けられ、次いで、水平選別チャネルに向けられる。一実施形態では、光学力および/または圧力が選別チャネルを用いて流れの方向に加えられ、チャネルを通して粒子を押し出す。光学的力によって直接作用しない粒子は、例えば、重力、動電力、磁気力、層流ライン、流れライン、流量の減少、直交する光学的力、または粒子を代替チャネルに吸い込むために印加される真空によって、代替チャネルに迂回する。仕分け後分析チャネルに関連する別の態様では、本発明がチップの裏側から光学的力を向けること(レーザまたは光学的力が同じ流れ方向に向けられる)、およびいくつかの態様ではこの一次レーザを分割することを可能にする。実施形態では、光学力および/または圧力がチャネルを通る物質の移動の反対方向に、例えば、流れに逆らって印加されてもよく、またはチャネル内の物質の移動と同じ方向に、例えば、流れとともに印加されてもよい。細胞または粒子の選別は、単一のデバイスまたは別個のチップ上で行うことができる。例えば、図1Bにおいて、出口管145の前の第5チャネルは単一または複数の選別領域を可能にするために、1つ以上の分岐を含む。
【0015】
本発明の別の態様では、マニホールドは、チューブがマニホールドを通過し、バイアル内の物質(例えば、流体)と接触する反対側のバイアルまたは他の容器に接続するように、バイアルに接続される。マニホールドは、バイアルがマイクロ流体チップに接続されるが、チップの下に保管されることを可能にし、および/または、マニホールドは、バイアルの内容物がチップの底部から注入されることを可能にし、バイアルまたはバイアルからの管がマイクロ流体チップに接続するか、または、マイクロ流体チップと連通する細胞または粒子の沈降など、従来技術によって経験されるいくつかの問題を軽減する。
【0016】
別の態様では、本発明がマイクロ流体チップホルダに向けられ、このチップホルダは統合化プリズム・キャビティを含む光源を導く構造を備え、プリズムが嵌合されると、光はチップに対してある角度で出射する。これは、制約された幾何学的形状を照明するための好ましい方法である。実施形態において、光源は光ファイバまたはコリメート光源または集束光源を含むが、これらに限定されない。この光源は、特に、分析チャネルに正確に向けられるか、または、配向される。
【0017】
本発明の別の態様では、このデバイスは、第1のカメラおよびチャンネルビューに対して直交して配向された第2画像化デバイスを含む。2台目のカメラの理由はさまざまである。1つの態様において、第2画像化デバイスの理由は、分析チャネル内のレーザまたは光学力の視覚的アライメントを補助することである。別の態様では、本明細書で説明する方法を使用して、第1のカメラからのデータを記録することができる。第2カメラでは、データを第1のカメラからのデータと組み合わせることができ、その結果、セルの位置、サイズ、形状、体積などをより正確に外挿するために使用できる追加のデータが得られる。同じ細胞(または粒子)についてのこの追加の情報は、測定および分析の精度および範囲を増加させる。さらなる態様では、第2カメラが第1のカメラと組み合わされて、直交カメラと、フロー内のカメラまたはチップの側面に向かって配置されたカメラとによって画像化された、細胞または粒子、または細胞または粒子のグループの3D再構成を可能にする。流れを逆にするかまたは遅くすること、および特定の細胞もしくは粒子、または細胞もしくは粒子の群の1つ以上の画像を撮ることを含む、本明細書または他に記載されたアルゴリズムを使用して、本発明は複数の画像が分析され、そして処理されることを可能にする。それによって、細胞体積、細胞形状、核位置、核体積、オルガネラまたは封入体位置などの特徴/属性/定量的測定の決定を可能にする。本発明の別の態様では、カメラが流れの方向にある軸内の画像を画像化するように配向される。
【0018】
一態様では、本発明が粒子を適切に浮遊させておくために、従来技術によれば好ましいように、蛇行またはジグザグのチャネルを必要としない。チップ内に注入される流体および粒子または細胞の垂直性のために、ジグザグチャネルは、チャネルを通って第1の水平チャネル(本明細書では第2チャネルと呼ばれる)に直接流れる垂直に統合されたポンピングされた粒子によって回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付の図面は本発明のいくつかの実施形態の特定の局面を示し、本発明を限定または定義するために使用されるべきではない。図面は記載された説明と共に、本発明の特定の原理を説明するのに役立つ。
図1A図1Aは、チップ、マニホールド、およびバイアルを含む、デバイス構成の全体図を示す図である。
図1B図1Bは、チップチャネルの向きおよび位置の特定の描写を示す図である。
図2A図2AおよびBは、本発明によるマイクロ流体チップホルダを示す図を含む。
図2B図2AおよびBは、本発明によるマイクロ流体チップホルダを示す図を含む。
図3A図3Aおよび3Bは、本発明によるチップホルダの角度および態様を示す図である。
図3B図3Aおよび3Bは、本発明によるチップホルダの角度および態様を示す図である。
図4A図4Aおよび図4Bは、チップに係るセル経路および画像化構成の一例を示す図である。
図4B図4Aおよび図4Bは、チップに係るセル経路および画像化構成の一例を示す図である。
図4C図4Cは、代替セル経路を示す図である。
図5図5は、オンチップ・マルチプレーン画像化と、それが3D画像および情報をレンダリングするためにどのように使用され得るかとを示す図である。
図6A図6Aおよび図6Bは、流体の流れにおけるチップ上の多重平面画像化、およびそれが3D画像を描写するために使用され得る方法を示す図である。
図6B図6Aおよび図6Bは、流体の流れにおけるチップ上の多重平面画像化、およびそれが3D画像を描写するために使用され得る方法を示す図である。
図7図7は、どのようにして細胞がチップの分析部分内で捕捉および/または平衡化され、複数の角度から画像化され得るかを示す図である。
図8図8は、粒子がカメラから離れるように、カメラおよび照射源がレーザおよび流れの方向に沿ってどのように配置されるかを示す図である。
図9図9は、粒子がカメラに向かって移動するように、レーザおよび流れの方向に沿って、カメラおよび照射源をどのように配置することができるかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、様々な特徴を有する特定の実施形態を参照して説明されてきた。当業者には、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明の実施において様々な修正および変形を行うことができることが明らかである。当業者は、これらの特徴が所与の用途または設計の要件および仕様に基づいて、単独で、または任意の組合せで使用され得ることを認識する。様々な特徴を含む実施形態はまた、これらの様々な特徴から構成されてもよく、または本質的にこれらの様々な特徴から構成されることができる。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本発明の実施から当業者には明らかである。提供される本発明の説明は本質的に単に例示的または説明的なものであり、したがって、本発明の本質から逸脱しない変形は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、そのアプリケーションにおいて、以下の説明に記載されるか、または図面に示される構成要素の構成および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。また、本明細書で使用される語法および用語は説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【0022】
ここで図面を参照すると、図1Aは、本明細書で教示するデバイスの全体図を示す。試料バイアル130は、マイクロ流体チップ100(本明細書では一般的に基板とも呼ばれる)の下に配置され、バイアルの数またはサイズに関して限定されない。バイアルは、これらに限定されるものではないが、流体、液体、気体、血漿、血清、血液、細胞、血小板、粒子など、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む1つ以上の物質など、デバイスを通って移動され得る任意のタイプのサンプルを保持するように構成される。本明細書の文脈において、用語「流体」または「サンプル」は、そのような1つ以上の物質を指すために一般的に使用することができる。バイアルは、チップの下面と動作可能に連通する空気管110を使用して、直接的または間接的に接続される。それらはまた、図1Aにさらに示されるように、マニホールド120によって接続することができる。図1Bは、物質、流体、粒子、および/または細胞がマイクロ流体チップの縁部などの1つの外面(例えば、図1BのXZ平面)に注入される、マイクロ流体チップ100の好ましい実施形態を示す。注入は、XZ面またはXY面のような最小距離によって共有される面のうちの1つに沿って、図1Bに示される。この特定の実施形態では、辺X160の長さは、辺Y170の長さおよび辺Z180の長さよりも短い。そのような構成は試料がチップ上のチャネルに入る際に最小の偏差を有することを可能にする(例えば、現在の技術水準における一般的な場合のように、右折は必要ない)。
【0023】
図1Aでは、物質、流体、粒子、および/または細胞をマイクロ流体チップ内に垂直方向および上方向に注入またはポンプ注入することができるように、1つ以上のバイアル130をマイクロ流体チップ100に接続するマニホールド120が示されている。マニホールドはチップの底部から物質の注入を可能にし、一方、エレクトロニクス、フローセンサ、およびチューブ(液体および空気の両方)を、スループットを最適化する細胞沈降を最小化するように配置する。空気チューブは、圧力または真空を提供し、これは、シールされると、マニホールドデバイスの範囲内で閉鎖システムを提供する。一実施形態では、バイアルとマニホールドとの間にはシールがなく、内部容積の圧力が大気圧であることを示す距離がある。これにより、大気に開放された容器から、または容器へ物質をポンピングすることが可能になる(開放された容器からポンピングするために真空が必要とされる)。マニホールドはスループットを最適化する細胞の沈降を最小限に抑えるように、電子機器、流量センサ、およびチューブ(液体と空気の両方)を配置する。
【0024】
チップの底部から内容物を注入することによって、本発明は入口管140および出口管145の水平方向の動きを最小にし、これは、チャネル150内の粒子または細胞の沈降のような問題を引き起こす。出口管は、この例ではZおよびX寸法(図1B)において、入口管からオフセットされている。実施形態において、出口管は、オフセットではなくオフセット、直線、インライン、または入口管に対して角度をなしている。このような構成は、セルおよび/または粒子と組み合わされた流体が方向および流体力学を上方に押し上げなければならない水平方向に側面からチップ内に注入または圧送される場合など、従来技術で発生する沈降に関する問題を現在の構成が解決するので、蛇行またはジグザグの垂直チャネルの必要性を排除する。マニホールドおよびチップの底部からの注入はまた、追加の要素、構成要素、機械、またはハードウェアがチップの下に配置されることを可能にする(図1A参照)。
【0025】
マニホールド120はバイアル内の内容物より上の空気圧力を調整し、フローセンサおよび電子機器のための正しい幾何学的形状を提供することによって機能する。流体または空気チューブのようなチューブはマニホールドを通過し、反対側のバイアルに接続する。加圧された空気はマニホールドの片側を通過し、マニホールド内に閉じた加圧システムを作り出す。密閉領域の圧力を調整することによって、システムは、流速および流体力学のようなパラメータへの変化を可能にする。加圧領域は、バイアル130およびマニホールド120の両方にある。別の態様では、バイアルは周囲大気に開放されているので、バイアルに空気接続は必要とされない。これは、より多様な容器および供給源のサンプリングを可能にする。そのような実施形態では、圧力差が生成されて開放容器からの流体流を駆動するように、真空が他の1つ以上のバイアルに適用される。
【0026】
一実施形態では、圧力ベースのサンプル注入が使用される。バイアルは、流体中の試料で満たされ、チップに接続された蓋またはチューブのいずれかで密封される。蓋に取り付ける前に、バイアルを空気に開けるか、隔壁または他の気密デバイスで密封することができる。一態様では、蓋は2つの接続部を含むことができ、1つは気体などの流体用であり、1つは液体用である。任意選択で、方法の実施形態は、第1チャネルと連通する試料入口ラインと連通する試料入口ラインチップを提供するステップをさらに含む。
【0027】
別の実施形態では、真空ベースのサンプル注入が使用される。バイアルは、流体中の試料で満たされ、チップに接続された蓋またはチューブのいずれかで密封される。蓋に取り付ける前に、バイアルを空気に開放するか、または隔壁で密封することができる。一態様では、蓋は2つの接続部を含むことができ、1つは気体などの流体用であり、1つは液体用である。必要に応じて、流体は、1つ以上の他のバイアルに真空圧を適用することによって、大気に開放されたバイアルから吸引され得る。任意選択で、方法の実施形態は、第1チャネルと連通する試料入口ラインと連通する試料入口ラインチップを提供するステップをさらに含む。
【0028】
図2A~Bおよび図3A~Bには、チップホルダ200、300が示されている。チップホルダは、光ファイバ光源、発光ダイオード、またはレーザなどの光源210をガイドする構造、およびプリズムを装着することができる統合化プリズム・キャビティ220、320を備える。光源は、チップホルダ内の集積構造またはチャネル240によって、所望の位置に導かれるか、または整列される。光ファイバ光源のための組み込み空間は、マイクロ流体チップ230、330またはマイクロ流体チップ内のチャネル上などの制約された幾何学的環境においてさえ、照明の円錐250などの照明を可能にする。好ましい態様では、この光源が特に分析チャネル260に正確に向けられるか、または配向されるか、または集束される。好ましい実施形態では、チップホルダがプリズム220、320のための内蔵空間と、制約された幾何学的形状を有する照明を可能にする光ファイバ光源210とを含む。チップはホルダ350の底部に孔または開口をさらに含み、本明細書に記載されるように、流体チューブを正確に整列させる。一実施形態では、調節可能なネジが適切な位置合わせのために、1つ以上の面上のネジ穴360に統合化される。
【0029】
図4Aは、本明細書に記載されるマイクロ流体チップ400の好ましい実施形態である。図示のように、流体はまず、第1チャネル410を通って垂直方向に上方に移動し、次いで、第2水平チャネル420と通信する。別の垂直チャネル430は、第4チャネル440が水平である点であるチップの頂部により一層近くに流体をとり、図4に示すように、分析チャネルを含む。チャネルは試料がシステムを通って1つのチャネルから別のチャネルに移動することを可能にするように、互いに動作可能に連通している。実施形態において、試料は第1チャネルから第2チャネルへ、第3チャネルへ、第4チャネルへ、または逆に、またはそれらの組み合わせで流れることができる。ポンプおよび/または真空デバイスはチャネルを通る物質の移動を可能にするために、チャネルの開口部および出口のいずれかまたは両方に正圧および/または負圧を提供するために提供され得る。分析チャネルは、チップの面、縁部、または側面など、基板の1つ以上の外面に近接している。例えば、この構成によれば、解析チャネルはチップの上面および側面に近接し、それによって、マイクロ流体チップの物質を通した画像化および解析を改善する。好ましい実施形態では、分析チャネルがチップの上面および側面から約1mm~約2mmである。しかしながら、チップの頂部からの分析チャネルの距離は、0.1mm~0.2mm、0.2mm~0.3mm、0.3mm~0.4mmなど、0.1mm~100mmとすることができる。別の言い方をすれば、分析チャネルは、基板の上部50%、33%、25%、10%、または5%内に配置することができる。本発明による水平分析チャネルの長さは、約250ミクロン~約10mmとすることができる。しかしながら、分析チャネルの長さは、0.1mm~0.2mm、0.2mm~0.3mm、0.3mm~0.4mmなど、100ミクロン~100mmであってもよい。言い換えれば、分析チャネルの長さは、基板/チップの高さ、幅、または長さの約75%以下、例えば、基板/チップの高さ、幅、または長さの50%以下、33%以下、25%以下、10%以下、または5%以下とすることができる。
【0030】
図4Bには、マシンビジョンカメラなどの2つの画像化デバイス450が示されている。一実施形態では、カメラがチップの上方に配置され、分析チャネルに対して直交して配向されてもよい。別の実施形態では、カメラがチップの側面に配置され、流れの方向に直交するように、または流れの方向に対して斜めに(例えば、チャネルの上方、チャネルの下方、またはチャネルの側面に対して角度をなして)配向されてもよい。実施形態では、カメラが、画像化が1つ以上の物質の流れに対して直角または90度など、1つ以上の物質の流れに対して任意の角度で、または0~90度、または10~80度、または30~60度などで実行されるように配置することができる。別の実施形態では、2つ以上のカメラを使用して、分析チャネル内の細胞または粒子を画像化することができる。例えば、カメラは、チップの上方であって、分析チャネルに対して直交して配向されていてもよい。第2カメラはチップの側面に配置され、流れの方向に対して直角に、または流れの方向に対して斜めに(例えば、チャネルの上方、チャネルの下方、またはチャネルの側面に対して角度をなして)配向されてもよい。図4Bに示すように、1つ以上の光源460を使用して分析チャネル440を照射することができ、このような光源はチップの下に配置され、チップの側面に照らし、流れ方向または流れ方向とは反対方向に照らし、チップの上に照らし、分析チャネルに斜めに照らすことができる。
【0031】
あるいは、ダイクロイックミラー840または他の適切な光学素子を使用して、図8に示すように、特定の波長範囲の光を選択的に方向転換し、他の波長範囲の光を通過させることができる。これにより、カメラ810を分析チャネルと一直線に配置することができる。図8および図9に示すように、光学力レーザ830およびカメラ810を分析領域の同じ端部または反対側の端部に配置することを含む、いくつかの実施形態が生じる。また、カメラのための照射源860が必要とされる場合があり、図8および図9に示されているもののようないくつかの方法で方向を決めることができる。光源は、1つ以上のLEDのような広いスペクトルの光源、またはレーザのような狭い光源とすることができる。カメラは本明細書に記載されるように、他の視点と組み合わせて、単一カメラとして、またはマルチカメラシステムの一部として使用することができる。
【0032】
また、図4Aに描かれているように、レーザなどの光源480を使用して、細胞の流れに影響を与えることができる。レーザは、細胞の流れに沿って配置してもよく、細胞の流れに対向して配置することができる。また、レーザは、細胞流に対して直交または斜めに配置および/または配向することができる。
【0033】
本発明の一実施形態は、粒子分析のためのデバイスを含む(例えば、図4図9を参照)。本発明の実施形態は、マイクロ流体チャネル(例えば、440)内の粒子または細胞の画像を捕捉するための少なくとも1つのカメラ450を含む。一実施形態では、少なくとも1つのコリメート光源ビームを生成するように動作可能なコリメート光源などのレーザまたは他の光学力480が含まれる。少なくとも1つのコリメート光源ビームは、少なくとも1つのビーム断面を含む。本発明の実施形態は、第1の平面が実質的にその長さに沿って第1チャネル410を横断し、それによって流体試料がチップの底部から基板/チップ内に注入され、正圧または負圧によって上方に押し上げられるように、基板内で垂直方向に延在する第1チャネル410を有する基板を含む。本発明の実施形態は、第1チャネルに直交し、したがって、第2平面がその長さに実質的に沿って第2チャネル420を横断し、第2平面が第1の平面に直交して配置されるように、基板内に水平に配置された第2チャネル420を含む。この第2チャネルは、チップの水平方向である。第2チャネルは、第1チャネルと直接的または間接的に通信する。第2チャネルは、チャネルネットワークをチップの頂部に近づける短い上向き垂直第3チャネル430と直接的または間接的に連通する。第3チャネルは、チップの頂部および/またはコーナー付近に位置する第4の水平チャネル440と直接または間接的に連通する。好ましい実施形態では、第4チャネルがチップの上部に最も近いチャネルである。一実施形態では、第4チャネルは分析チャネルである。一態様では、カメラ450が第4チャネル内の流れ方向に直交して配向される。本発明の実施形態は、第1チャネルに動作可能に接続された集束粒子流ノズルを含む。本発明の別の態様では、第2チャネルがサイズ変更を受け、第3チャネルと通信する前にノズルを通過する。
【0034】
図4Cは、マイクロ流体チップのサンプル経路の別の実施形態を示す。ここに示されるように、流体は第1チャネル410を通って垂直方向に第1のチップ内を上方に移動し、次いで、このチャネルはこの例ではチップの上部で、第2水平チャネル420と直接または間接的に通信し、この実施形態では分析チャネルを含む。この構成によれば、解析チャネルは、チップの頂部に近く、それによって、マイクロ流体チップの物質を通した画像化および解析を改善する。好ましい実施形態では、分析チャネルがチップの上面および側面から約1mm~約2mmである。しかしながら、チップの頂部からの分析チャネルの距離は、0.1mm~0.2mm、0.2mm~0.3mm、0.3mm~0.4mmなど、0.1mm~100mmとすることができる。別の言い方をすれば、分析チャネルは、基板の上部50%、33%、25%、10%、または5%内に配置することができる。本発明による水平分析チャネルの長さは、約250ミクロン~約10mmとすることができる。しかしながら、分析チャネルの長さは、0.1mm~0.2mm、0.2mm~0.3mm、0.3mm~0.4mmなど、100ミクロン~100mmであってもよい。言い換えれば、分析チャネルの長さは、基板/チップの高さ、幅、または長さの約75%以下、例えば、基板/チップの高さ、幅、または長さの50%以下、33%以下、25%以下、10%以下、または5%以下とすることができる。実施形態では、基質が1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の解析チャネルなどの1つ以上の解析チャネルを含むことができる。
【0035】
また、図4Cに描かれているように、レーザのような光源480を用いて、細胞の流れのような物質の流れに影響を与えることができる。レーザは、細胞の流れに沿って配置してもよく、細胞の流れに対向して配置してもよい。また、レーザは、細胞流に対して直交または斜めに配置および/または配向されてもよい。
【0036】
図1および図4において、細胞または粒子を含む流体流は、第1チャネルを通って垂直に導かれる。1つ以上の物質(流体、細胞、および/または粒子)は第1チャネルの開口部でチップの底部を通って入り、垂直方向に基板に入る。第1の垂直チャネルは、0.1mm~0.2mm、0.2mm~0.3mmなど、長さが100ミクロン~100mmである。第1チャネルの後には第2直交/水平チャネルが続き、これは好ましい実施形態では第1チャネルよりも短い。第2チャネルは、0.25mm~0.5mm、0.5mm~0.75mm、0.75mm~1.0mmなど、長さが250ミクロン~100mmであってもよい。第3チャネルは、第1チャネルに対して垂直かつ平行に延びる。第3チャネルは、0.05mm~0.1mm、0.1mm~0.15mm、0.15mm~0.2mmなど、長さが50ミクロン~100mmであってもよい。チャネルは1つ以上の物質が複数チャネルを通って移動することを可能にするように、直接的または間接的に動作可能に連通して配置される。流体の流れの典型的な方向は図4Aおよび4Cの流れの矢印によって与えられるが、逆にすることもできる。
【0037】
好ましい実施形態では、第4チャネルが0.25mm~0.5mm、0.5mm~0.75mm、0.75mm~1.0mmなどの長さ250ミクロン~100mmのチャネルである分析チャネルを含む。この実施形態では、第4チャネルがチップの上部に最も近いチャネルである。垂直に測定された、チップの頂部からの第4チャネルの距離は100ミクロン~2mmであってもよいが、100ミクロン~200ミクロン、200ミクロン~300ミクロン、300ミクロン~400ミクロンなど、100mmもの大きさであってもよい。言い換えると、第4チャネルは、チップの上部50%、33%、25%、10%、または5%内に配置することができる。カメラなどの画像化デバイスは第4チャネルに直交し、第4チャネルから約100ミクロン~2mmであるが、100ミクロン~200ミクロン、200ミクロン~300ミクロン、300ミクロン~400ミクロンなど、第4チャネルから100mmほどの大きさにすることができる。
【0038】
一実施形態では、レーザまたは他の光源が集束レンズ要素と共に存在する。図4Aは、レーザ480が作動し、レーザビームを放射し、集束レンズ要素を通してビームを第4のフローチャネル440内に向ける本発明を描いている。粒子はレーザ強度が最も高い領域に向かって粒子を引き寄せる勾配力のために、レーザビーム内で整列している。レーザ散乱力はレーザビーム伝搬方向(例えば、図4Aの左から右)に粒子を伝搬させる。
【0039】
別の実施形態では、第2カメラまたは画像捕捉デバイス(450参照)が第4チャネルに直交して配向されたカメラまたは画像捕捉デバイスに加えて、ここでは分析(または第4の)チャネルの側面に配向され、例えば図4Bに示すように、第4チャネルに対して直交または任意の角度に向けられる。直交ビューで各セルの1つの画像を取得することにより、複数のセル特性、例えば、サイズおよび形状を2次元で計算することが可能になり、各セルについて取り込むことができる情報の量が増加する。これはまた、全容積、形状を含む細胞の容積特性の計算を可能にし、流れの方向に平行な軸(図5に描かれているようなZ軸)に関して対称でない細胞への洞察を与えるのであろう。2つ以上のカメラを使用して、細胞550の基本3Dモデルは例えば、回折理論法または照明回転法などの既存の3D再構成アルゴリズムを使用して、直交画像を組み合わせることによって構築することができる。3Dモデルおよび3Dモデルの分析は、細胞サイズ、形状、配向、ならびにマイクロ流体チップの第4チャネル中の粒子または細胞に関する他の定量的および定性的測定値などの、細胞のより正確な分析を可能にする。
【0040】
図5において、分析チャネル540の一部は画像化デバイス(例えば、図4を参照)から画像化され得る平面などの、2つの異なる平面から示される。第1の平面520において、細胞または粒子510の一部が、特定の配向で画像化される。第2平面530では、同じ細胞または粒子の別の部分が別のカメラとは異なる視点から画像化される。これは、複数の細胞特性の計算を可能にし、カメラ当たりの細胞当たりのデータのマトリックスおよび細胞または粒子550の3D表現を生成する。
【0041】
細胞の異なる部分が画像化デバイスの焦点面(例えば、630(XZ焦点面)および640(YZ焦点面))を通過するとき、細胞が例えば流体流620によって動かされるにつれて、細胞の異なるスライスを画像化することができる。これを図6Aに示す。図6Aにおいて、細胞または粒子の一部は異なる方向および異なる視点から、時間および/または空間の複数の地点で画像化される。この例では、細胞が焦点面を移動して回転すると、連続する画像(図6Aに示すように、2つの異なるカメラからの平面あたり4つの例の画像など)に異なるサイズとして現れる。3D再構成アルゴリズムを使用することにより、粒子またはセルのより複雑な3Dレンダリング650が可能になる。このようなレンダリングから、細胞または粒子の特定の属性(例えば、細胞サイズ、体積、核の位置およびサイズ、ならびに他のオルガネラ、ならびに細胞トポグラフィーの測定または輪郭)が外挿され得る。さらに、細胞の回転は屈折率、複屈折、または細胞の形状もしくは形態を含むが、これらに限定されない、生物物理学的または生化学的特性の変化に起因する、光学力に基づくトルクの関数として測定され得る。
【0042】
図6Bは例えば、細胞がフォーカル・プランを通って移動するときに、同じ細胞の複数の画像が経時的に画像化されるチップ・マルチプレーン画像化を描写する。このような場合、当該細胞の図は当業者において「スライス」または「イメージ・スライス」と呼ばれ、イメージ・スライスは実質的にイメージされる光学平面の厚さである。画像平面またはスライスの厚さは、とりわけ、画像化システムの光学倍率によって決定される。より高い倍率では、対物レンズの作動距離は減少し、その結果、画像化されるセルまたは粒子により近いレンズを有する必要性が生じる。一実施形態では、レーザまたは他の光学力670を使用して、分析チャネル内の細胞の流れに影響を及ぼすことができる。好ましい実施形態において、細胞または粒子はレーザおよび/またはカメラを動かすか、またはフロー(単数または複数)を調節するか、または流体力学的集束を使用して位置を調節するかのいずれかによって、画像化のために、チャネルの焦点面にまたは焦点面から意図的に誘導され得る。例えば、レーザ源は例えば、圧電アクチュエータまたは線形電気光機械ステージを用いて距離660だけ移動させることができる。これは、細胞ごとに、または集団ごとに行うことができる。細胞の流体力学的集束は、細胞の初期位置および軌道に影響を及ぼすように変更することができる。例えば、粒子はレーザ強度が最も高い領域に向かって粒子を引き寄せる勾配力のために、レーザビーム内の焦点面内で整列または配向され得る。レーザ散乱力はレーザビーム伝搬方向に粒子を伝搬させる。図6Bを参照されたい。レーザを、この場合はX軸に移動させることにより、ディスク680によって示される、細胞の異なる部分における特徴の画像化が可能になる。これは、例えば、核、オルガネラ、封入体、または細胞もしくは粒子の他の特徴を表し得る。レーザは、勾配力の結果として細胞をその中心に引き寄せる。さらに、2つ以上のカメラが、細部および精度を向上させ得ることが企図される。
【0043】
図7に示される本発明の実施形態は、粒子または細胞710が光学力730と流体力735とを釣り合わせることによって、特定の差動保持位置で停止される静的モードである。光学的力は例えば、レーザまたはコリメート光源によって加えられてもよい。画像は図5および図6A-Bのように、複数の飛行機で撮影することができる。流量センサは、所与のレーザパワーに対して、各粒子が流れの中で停止する流量を測定するために使用される。光学的力と流体力とが均衡しているため、流体抗力(すなわち、流速およびチャネル寸法から)は、光学的力と等しい。このようにして、各セルの特性を順次測定することができる。高スループット測定システムではないが、本発明のこの実施形態は捕捉された細胞の綿密な観察および画像化、ならびに細胞における生化学的または生物学的変化から生じる光学力の動的変化を可能にする。化学物質、生化学物質、細胞、または他の標準的な生物学的物質を含有する試薬流を、フローチャネルに導入して、捕捉された細胞と相互作用させることができる。これらの動的プロセスは、単一の細胞または複数の細胞での実験中の光学力の変化を測定することによって定量的にモニターすることができる。
【0044】
一実施形態では、カメラまたは他の画像化デバイスが分析チャネルの流れと直列かつ平行になるように、分析チャネルの流れの向きおよび/または流れの反対側に向けられ、かつ/または集束される(例えば、図8および9を参照のこと)。図8は、分析チャネル820およびレーザまたはコリメート光源830に沿ったカメラ810を示す。ダイクロイックミラーまたは類似のデバイス840はレーザ光835をカメラから離れて反射させて損傷を防止するが、照射源860によって生成された光865を通過させて画像化を可能にする。カメラは細胞または粒子880が一実施形態ではカメラから遠ざかるように、流体の流れ870と平行に配向される。照射源は、チャネルおよびレーザに対して直交する方向を向いている。レーザ光を通過させ、照明光を反射する第2ダイクロイック845は、照明光およびレーザ光の両方を、チャネルを通過させるために使用される。この構成の代替実施形態はレーザがチャネルに直交し、照射源がチャネルに平行になるように、レーザおよび照射源の位置を切り替える。第2ダイクロイックは、依然として、レーザ光および可視光の両方を、チャネルを通して導く。
【0045】
代替実施が図9に示されている。この場合、カメラまたは画像化デバイス910は、細胞または粒子980が流体流970中でカメラに向かって移動するように配向される。したがって、カメラおよびレーザ930はチャネルの同じ側にあり、一方、照射源960は、チャネルの反対側の端部にある。2つのダイクロイック940および945を使用して、レーザ光935および照明光965をチャネルに向け、照明光をカメラに向け、レーザ光を照明源から逸らす。この構成の代替実施形態はレーザがチャネルに直交し、照射源がチャネルに平行になるように、レーザおよびカメラの位置を切り替える。次いで、第2ダイクロイック945はチャネルを通してレーザ光を導き、光をカメラに照射する。
【0046】
任意選択で、本発明の実施形態は光学力源と前記第4チャネルとの間に、標準TEM00モードビーム、標準TEMOOモードビーム、標準TEM10モードビーム、標準エルミート-ガウス・ビームモード、標準ラゲール-ガウス・ビームモード、ベッセルビーム、または標準マルチモードビームを生成するように作動可能少なくとも1つの光学素子をさらに含む。任意選択で、少なくとも1つの光学素子は、標準シリンドリカルレンズ、標準アキシコン、標準凹面鏡、標準トロイダルミラー、標準空間光変調器、標準音響光学変調器、標準圧電ミラーアレイ、回折光学素子、標準4分の1波長板、および/または標準半波長板を含む。任意選択的に、光学力の源は、標準円偏光ビーム、標準直線偏光ビーム、または標準楕円偏光ビームを含んでもよい。
【0047】
任意選択的に、デバイスはマイクロ流体チャネルと、光学系によって集束されたレーザ光源と、電極を介してマイクロ流体チャネルに動作可能に接続された電場源とを備え、液体中の粒子を、マイクロ流体チャネルを通して流動させ、レーザ光および電場を操作して、マイクロ流体チャネル内の粒子に共同して作用し、それによって、サイズ、形状、屈折率、電荷、電荷分布、電荷移動度、誘電率、および/または変形性に基づいて、粒子を分離する、デバイスが具現化される。さらに別の実施形態では、デバイスは、(1)電極システムまたは(2)絶縁体DEPシステムを介してチャネルの内部に誘電泳動(DEP)場を供給するように構成されたマイクロ流体チャネルと、光学系によってマイクロ流体チャネル内に集束されたレーザ光源とを備え、液体中の複数の粒子をマイクロ流体チャネル内に流し、マイクロ流体チャネル内の粒子上でレーザ光および場を一緒に動作させて、粒子を捕捉するか、またはそれらの速度を修正し、前記DEP場は線形または非線形である。デバイスの別の可能な実施形態は、入口および複数の出口を含むマイクロ流体チャネルと、選択された粒子のレーザ光内の滞留時間を最大化しながら粒子に光学的力を生じさせ、したがって粒子を複数の出口に分離し、レーザ光はマイクロ流体チャネルを通って流れる粒子に力を加えるように作動可能であり、それによって粒子を複数の出口に分離するように、マイクロ流体チャネル内の流れの速度に適合した臨界角でマイクロ流体チャネルを横切るように光学によって集束されたレーザ光源とを含む。
【0048】
任意選択的に、本発明の実施形態は、分析チャネル(単数または複数)、特に第4チャネルなどのチャネルのうちの1つ以上と通信する少なくとも1つの粒子問い合わせユニットをさらに含む。粒子質問ユニットは、標準照明器、標準光学系、および標準センサを含む。任意選択的に、少なくとも1つの粒子問い合わせユニットは、標準明視野画像化デバイス、標準光散乱検出器、標準単一波長蛍光検出器、標準分光蛍光検出器、標準CCDカメラ、標準CMOSカメラ、標準フォトダイオード、標準光電子増倍管、標準フォトダイオードアレイ、標準化学ルミネセンス検出器、標準生物ルミネセンス検出器、および/または標準ラマン分光検出器を含む。
【0049】
第4チャネルと通信する少なくとも1つの粒子質問ユニットは、細胞疾患の同定、選択、および選別を容易にするレーザ力ベースのデバイスまたはデバイスを備える。一態様では、ユニットが、粒子の分離および特徴付けの手段として、粒径、形、屈折率、または形態の変化から生じる光学圧力の固有の差を利用する。1つの態様において、近赤外レーザビームは細胞に物理的な力を及ぼし、次いで、それが測定される。放射圧を介した光学的力は粒子上の流体抗力に対してバランスされる場合、固有差に基づいて、異なる粒子を識別するために、または粒子の集団との変化に使用され得る粒子速度の変化をもたらす。流体力と光学力とのバランスを使用して、粒子の固有の特性に基づいて粒子の互いに対する相対位置を変化させ、それによって物理的分離をもたらすこともできる。問い合わせユニットの別の実施形態は、少なくとも1つのコリメート光源ビームを生成するように作動可能少なくとも1つのコリメート光源など、粒子分析および/または分離のためのデバイスを含む。少なくとも1つのコリメート光源ビームは、少なくとも1つのビーム断面を含む。
【0050】
本発明の一実施形態は、上述した設計要素のいくつかを単一のデバイスに組み合わせることを含む。実施形態はまた、そのようなデバイスを使用する方法を含む。このような統合化デバイスの一例が図1に示されている。本発明の図示された実施形態は5層構造であり、全ての5層が互いに結合されて固体マイクロ流体チップをもたらすが、チップは結合された層とは対照的に1つの構造であってもよい。チップは、溶融シリカ、クラウンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、サファイアガラス、環状オレフィンポリマー(COP)、ポリ(ジメチル)シロキサンス(PDMS)、OSTE、ポリスチレン、ポリ(メチル)メタクリレート、ポリカーボネート、他のプラスチックまたはポリマーを含む多数の標準材料を使用して構築することができる。しかし、これらに限定されるものではない。このチップは、試料入力、流体力学的集束、光学的質問、画像化、解析、試料出口、およびレーザ光が領域に出入りするための明瞭な光学的アクセスを可能にする。実施形態におけるチップはまた、3D印刷、成形、または他の形状とすることができる。
【0051】
任意選択で、少なくとも1つの粒子タイプは、複数の粒子タイプを含む。複数の粒子タイプの各粒子タイプは、それぞれの固有特性およびそれぞれの誘導特性を含む。任意選択で、固有特性は、サイズ、形状、屈折率、形態、固有蛍光、および/またはアスペクト比を含む。任意選択的に、誘導された特性は、変形、角度配向、回転、回転速度、抗体標識蛍光、アプタマー標識蛍光、DNA標識蛍光、染色液標識蛍光、示差保持計量、および/または勾配力計量を含む。この方法の実施形態は、固有の特性および誘導された特性のうちの少なくとも1つに基づいて、それぞれの粒子タイプに従って複数の粒子を識別および分離することをさらに含む。任意選択的に、この方法の実施形態は、サンプルフローを問い合わせること、または操作することをさらに含む。任意選択的に、サンプルフローを調べることは、固有の特性そのようなもの、および粒子タイプの誘発された特性のうちの少なくとも1つを決定すること、および複数の粒子の粒子速度を測定することを含む。内因性特性の少なくとも1つの測定は、ウイルス定量化、プロセス開発およびモニタリング、試料放出アッセイ、外来因子試験、臨床診断、バイオマーカー発見、プロセス開発およびモニタリングのための抗体またはタンパク質の生産性の決定、CAR Tおよび他の腫瘍学的アプリケーションおよび幹細胞を含む細胞ベースの治療として産生される細胞の効力、品質、または活性化状態の決定、特定の細胞集団に対する化学物質、細菌、ウイルス、抗菌剤または抗ウイルス剤の効果の決定、ならびに研究または臨床細胞試料の疾患状態または可能性の決定を含むが、これらに限定されない、一連のアプリケーションのために使用され得る。任意選択で、光学力源は少なくとも1つのビーム軸を含み、試料フローは、試料フロー軸を含む。粒子タイプの固有の特性および誘導された特性のうちの少なくとも1つを決定するステップ、および複数の粒子の粒子速度を共に測定するステップは、試料流軸からビーム軸をオフセットするステップを含む。任意に、粒子タイプの固有の特性および誘導された特性のうちの少なくとも1つを決定するステップと、複数の粒子の粒子速度を一緒に測定するステップとは、試料流軸から少なくとも1つのビーム軸に向かって逸脱した複数の粒子の傾斜および軌跡を計算するステップとを含む。
【0052】
当業者は、開示された特徴が所与のアプリケーションまたは設計の要件および仕様に基づいて、単独で、任意の組み合わせで、または省略されて使用され得ることを認識する。実施形態が、特定の特徴を「備える」ことを指す場合、実施形態は代替的に、特徴のうちの任意の1つ以上を「からなる」または「本質的にからなる」ことができることを理解されたい。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本発明の実施から当業者には明らかである。
【0053】
特に、本明細書において値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各値も具体的に開示されることに留意されたい。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、その範囲に含まれてもよく、またはその範囲から除外されてもよい。単数形「a」、「an」、および「the」は文脈が明らかにそわないと指示しない限り、複数の指示対象を含む。発明の本質から逸脱しないバリエーションが発明の範囲に含まれることを意図したものであり、当該仕様および例示は、本質的には模範的または説明的な性質を有するものと考えられることを意図したものである。さらに、本開示において引用される参考文献のすべては、それぞれ、その全体が参照により本明細書に個々に組み込まれ、したがって、本発明の可能な開示を補足する効率的な方法を提供すること、ならびに当業者のレベルを詳述する背景を提供することが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の物質を輸送するように構成された複数チャネルを備える基板であって、
前記複数チャネルは、前記基板内においてY軸に沿って重力に対して上方向に垂直に配向された第1チャネルと、
該第1チャネルと動作可能に連通し、前記基板内においてX軸に沿って水平に配置された第2チャネルと、
前記第2チャネルと連通し、前記基板内においてY軸に沿って上方向に重力に関して垂直に配向された第3チャネルと、
前記第3チャネルと連通し、前記基板内においてX軸に沿って水平に配置された第4チャネルと、を備え、
前記第1チャネル、前記第2チャネル、前記第3チャネル、および、前記第4チャネルは、前記基板を通って、第1チャネルから第2チャネルへ、前記第3チャネル、前記第4チャネルへ、前記1つ以上の物質が移動するための経路を提供するように配置される、基板を備えるデバイスであって、
前記第1チャネルは、Y軸に沿って重力に対して上方向に配向され、
前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持する垂直方向の前記第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通して、重力に対して上向きの圧力または真空駆動のフローを介して注入によって前記1つ以上の物質を受けるように構成され、
1つ以上の画像化デバイスをさらに備え、
前記画像化デバイスのうちの少なくとも1つは、
(i)前記第4チャンルで撮像される焦点面を変化させる方法で移動されることが可能である、
(ii)複数焦点面における前記1つ以上の物質の撮像および分析を可能にする、
(iii)前記1つ以上の物質の移動中に、複数焦点面における前記1つ以上の物質の撮像および分析を可能にする、
(iv)複数角度から前記1つ以上の物質を画像化し分析することができる、
(v)複数方向から前記1つ以上の物質を画像化し分析することができる、
(vi)前記1つ以上の物質が移動するにつれて、前記第4チャネルにおいて撮像される前記1つ以上の物質の領域を変化させる、
(vii)(i)ないし(vii)の組み合わせである、
デバイス。
【請求項2】
前記第4チャネルにおける前記1つ以上の物質の移動の方向または前記方向とは反対の方向に配向されたコリメート光源または集束光源を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記底部水平平面表面は、前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持するために、垂直方向に、チップの垂直平面上の表面積と比較して、より小さいまたは同一の面積を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、圧力、真空、蠕動、動電力、電気泳動力、磁気力、光学力、またはそれらの組合せで、前記1つ以上の物質が移動するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の撮像化デバイスのうちの1つの撮像化デバイスに近づける、または、遠ざけるように導くように構成されるダイクロイックミラーを更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数チャネルが、前記基板内に、水平に、垂直に、または斜めに配置された第5チャネルを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第2チャネルおよび前記第4チャネルは、前記第1チャネルよりも長さが短い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上の画像化デバイスは、明視野イメージャ、光散乱検出器、単一波長蛍光検出器、分光蛍光検出器、CCDカメラ、CMOSカメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ(PDA)、分光計、光電子増倍管または管アレイ、フォトダイオードアレイ、化学発光検出器、生物発光検出器、標準ラマン分光検出システム、表面増強ラマン分光法(SERS)、コヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)、および/または、コヒーレントストークスラマン分光法(CSRS)を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
マイクロ流体チップを保持する装置であって、前記マイクロ流体チップを保持するキャビティと、
前記マイクロ流体チップ内または上に集光照明を可能にする統合化光源ホルダーと、
前記マイクロ流体チップ内または上の所望の位置に前記統合化光源ホルダー内の統合化光源からの光をプリズムで反射させるための統合化プリズムホルダーと、
前記マイクロ流体チップを固定し、調整が可能なネジ用のネジ穴と、
チューブおよびコネクター用の、ネジまたは非ネジの貫通穴と、
を備える、装置。
【請求項10】
前記統合化光源は、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、光ファイバー、ファイバーバンドル、レーザー、フラッシュチューブ、蛍光灯、および/または白熱灯またはハロゲンランプのうちから少なくとも1つ選択される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記統合化プリズムホルダーには前記プリズムが装着されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記統合化光源からの光は、前記統合化光源ホルダー内の統合化チャネルによって、前記統合化プリズムホルダーに、または前記マイクロ流体チップ上の所望の位置に導かれる、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記統合化チャネルは、前記統合化光源ホルダーと前記統合化プリズムホルダーをに接続する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
チューブおよびコネクター用のネジ付きまたはネジなしの前記貫通穴が、前記統合化光源ホルダーの前記底部に、配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロ流体チップ内または上で、望ましい場所に反射される光は、円錐である、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記マイクロ流体チップ内または上の前記所望の位置は、前記マイクロ流体チップ内の単一チャネルまたはその一部である、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
1つ以上の細胞または粒子を分析する方法であって、
前記1つ以上の細胞また粒子を、1つ以上の細胞または粒子を輸送するように構成された複数チャネルを備える基板に注入するステップであって、
該複数チャネルは、前記基板内において重力に対して垂直に配置された第1チャネルと、
前記基板内に水平に配置され、該第1チャネルと動作可能に連通した第2チャネルと、
前記第2チャネルと連通し、前記基板内に重力に対して上方向に垂直に配置された第3チャネルと、
該第3チャネルと連通し、前記基板内に水平に配置された第4チャネルと、を備える、ステップ
を含み、
前記第1チャネル、前記第2チャネル、前記第3チャネル、および、前記第4チャネルは、前記第1チャネルから前記第2チャネルへ、前記第3チャネルへ、前記第4チャネルへと前記基板を通って前記1つ以上の細胞または粒子が移動するための経路を提供するように配置され、
前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持するために、第1チャネルへの開口部を有する底部水平平面表面を通って基板内に垂直に配置された第1チャネル内に1つ以上の細胞または粒子を注入し、
前記分析するステップは、
a)生物学的粒子の移動中に、および、
b)複数焦点面から、
c)複数の角度から、
d)複数の方向から、
e)複数の撮像装置を用いて、
または
f)それらの組み合わせ、
であって、前記1つ以上の細胞または粒子を画像化することを含む、
方法。
【請求項18】
前記底部水平平面表面は、チップの垂直平面上の表面積と比較して、垂直方向に、前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持するために、より小さいまたは同一の面積を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記分析は、前記細胞または粒子における変化量の定量的測定を含み、予測的または規範的分析を提供する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記底部水平平面表面は、前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持するために、前基板の垂直平面上の1つのエッジから別のエッジまでの少なくとも1つの長さと比較して、1つの縁部から別の縁部までの少なくとも1つのより短い長さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記1つ以上の細胞または粒子は、第1の流路への開口部を有する底部水平平面を通して、基板内に垂直に配置された前記第1チャネルに注入され、
前記底部水平平面表面は、前記第1チャネルとの方向性および体積連続性を維持するために、垂直方向に、チップの垂直平面上の表面積と比較して、より小さいまたは同一の面積を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
1つ以上のチャネルにおいて、1つ以上の細胞または粒子を動かすために、1つ以上の電気力、光学力、および/または流体力を更に含む、請求項17の方法。
【請求項23】
前記画像化は、明視野イメージャ、光散乱検出器、単一波長蛍光検出器、分光蛍光検出器、CCDカメラ、CMOSカメラ、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ(PDA)、分光計、光電子増倍管または管アレイ、フォトダイオードアレイ、化学発光検出器、生物発光検出器、標準ラマン分光検出システム、表面増強ラマン分光法(SERS)、コヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)、コヒーレントストークスラマン分光法(CSRS)、または、それらの組合せの使用を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記分析は、
細胞ベースの治療のために生産された細胞の有効性、品質、活性化状態を決定するステップ、
有効性アッセイ用の細胞の質を決定するステップ、および/または、
特定の細胞集団に対する化学物質、細菌、ウイルス、抗菌剤、抗ウイルス剤の効果を決定するステップを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項25】
細胞ベース治療に生産された前記細胞は、CAR-T細胞またはステム細胞である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記分析は、化学剤、生物学的剤、生化学的剤、物理的力、温度、細菌、ウイルス、抗菌剤、抗ウイルス剤を1つ以上の細胞または粒子の効果を決定するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上の細胞または粒子の疾患状態を決定するステップをさらに含む、請求項17の方法。
【請求項28】
前記分析は、形態、細胞サイズ、細胞形状、屈折率、複屈折、固有蛍光、アスペクト比、変形、角度配向、回転、回転速度、抗体標識蛍光、アプタマー標識蛍光、DNA標識蛍光、染色液標識蛍光、示差保持計量、および/または勾配力計量を決定することのうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の方法。