(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020495
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】振動計の基準トレース可能な検証
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
G01F1/84
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023197731
(22)【出願日】2023-11-21
(62)【分割の表示】P 2021184999の分割
【原出願日】2017-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム, ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】パッテン, アンドリュー ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】スタンディフォード, ディーン エム.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】振動計の基準トレース可能な検証のためのシステムを提供する。
【解決手段】システム600は、振動計のベースライン計器検証値を有する記憶装置610、及び、前記記憶装置610と通信する処理システム620を含む。前記処理システム620は、前記記憶装置610から前記ベースライン計器検証値を取得し、かつ、前記ベースライン計器検証値と前記振動計の較正値との関係を決定するように構成され、前記較正値が測定基準にトレース可能である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動計(5)の基準トレース可能な検証のためのシステム(600)であって、
前記振動計(5)のベースライン計器検証値を有する記憶装置(610)と、
前記記憶装置(610)との通信における処理システム(620)と、を備え、
前記処理システム(620)は、
前記記憶装置(610)から前記ベースライン計器検証値を取得し、かつ、
前記ベースライン計器検証値と前記振動計(5)の較正値との関係を決定するように構成され、前記較正値が測定基準にトレース可能である、システム(600)。
【請求項2】
前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定するように構成される前記処理システム(620)は、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる前記ベースライン計器検証値を決定するように構成される前記処理システム(620)を備える、請求項1に記載のシステム(600)。
【請求項3】
前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定するように構成される前記処理システム(620)は、次式を決定するように構成される前記処理システム(620)を備え、
【数41】
ここで、
Stiffness
SMVは、前記ベースライン計器検証値である前記振動計の剛性計器検証値であり、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、左側ピックオフセンサ及び右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる
ゲインである、請求項1又は2に記載のシステム(600)。
【請求項4】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定するように構成される前記処理システム(620)は、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との間でゲインを決定するように構成される前記処理システム(620)を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項5】
前記ゲインは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる、請求項4に記載のシステム(600)。
【請求項6】
前記ゲインは、次式のうちの一つを用いて決定され、
【数42】
【数43】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、
Stiffness
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値で
ある、請求項5に記載のシステム(600)。
【請求項7】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との関係を決定するように構成される前記処理システム(620)は、次式を用いるように構成される前記処理システム(620)を備え、
【数44】
ここで、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記振動計の
前記較正値である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項8】
前記ベースライン計器検証値と前記振動計(5)の前記較正値との前記関係を決定することは、前記較正値から参照物理的属性値を決定することを備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項9】
前記ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値及び前記振動計のベースライン剛性計器検証値のうちの一つである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項10】
前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項11】
振動計の基準のトレース可能な検証のための方法であって、
前記振動計のベースライン計器検証値を決定することと、
前記ベースライン計器検証値と前記振動計の較正値との関係を決定することと、を備え、前記較正値が測定基準にトレース可能である、方法。
【請求項12】
前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定することは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるベースライン計器検証値を決定することを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定することは、次式を用いることを備え、
【数45】
ここで、
Stiffness
SMVは、前記ベースライン計器検証値である前記振動計の剛性計器検証値であり、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、左側ピックオフセンサ及び右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる
ゲインである、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との間でゲインを決定することを備える、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲインは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ゲインは、次式のうちの一つを用いて決定され、
【数46】
【数47】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、
Stiffness
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値で
ある、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、次式を用いることを備え、
【数48】
ここで、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記振動計の
前記較正値である、請求項11乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、前記較正値から参照物理的属性値を決定することを備える、請求項11乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値及び前記振動計のベースライン剛性計器検証値のうちの一つである、請求項11乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである、請求項11乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
振動計の基準トレース可能な検証のための方法であって、
ベースライン計器検証値と較正値との関係を取得することと、
前記関係に基づき前記振動計の物理的属性の値を決定することと、を備える方法。
【請求項22】
前記ベースライン計器検証値は、ベースライン剛性計器検証値及びベースライン質量計器検証値のうちの一つであり、かつ、前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を取得することは、次式のうちの一つを用いて決定されるゲインを取得することを備え、
【数49】
【数50】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、
Stiffness
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、かつ
、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値で
ある、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記関係に基づき前記振動計の前記物理的属性の前記値を決定することは、前記振動計の質量計器検証値及びゲインに基づき、前記振動計の物理的質量値を決定することを備える、請求項21乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記振動計の質量計器検証値及びゲインに基づき、前記振動計の前記物理的質量値を決定することは、次式のうちの一つを決定することを備え、
【数51】
ここで、
Mass
SMVPhysicalLPOは、左側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の前記物理的質量値であり、
Mass
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる前記振動計の前記質量計器検証値であり、
G
LPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、かつ、
【数52】
ここで、
Mass
SMVPhysicalRPOは、前記右側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の物理的質量値であり、
Mass
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる前記振動計の前記質量計器検証値であり、かつ、
G
RPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記振動計の前記物理的属性の前記値を前記振動計の第2較正値から決定される参照物理的属性値と比較することをさらに備える、請求項21乃至25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記振動計の前記物理的属性の前記値を前記参照物理的属性値と比較することは、次式のうちの一つを用いて前記参照物理的属性値からのずれを決定することを備え、
【数53】
ここで、
Mass
traceableDeviationLPOは、前記参照物理的属性値から左側ピックオフセンサによ
って測定されるような前記物理的属性の基準トレース可能なずれであり、
Mass
traceableDeviationLPOは、前記振動計の前記物理的属性である前記左側ピックオ
フセンサを用いて決定される前記振動計の物理的質量値であり、かつ、
m
referenceは、前記振動計の前記参照物理的属性値である参照質量値であり、かつ、
【数54】
ここで、
Mass
traceableDeviationRPOは、前記参照物理的属性値から前記右側ピックオフセンサ
によって測定されるような前記物理的属性の基準トレース可能なずれであり、
Mass
SMVPhysicalRPOは、前記振動計の前記物理的属性である前記右側ピックオフセンサによって測定される前記振動計の物理的質量であり、かつ、
m
referenceは、前記振動計の前記参照物理的属性値である参照質量値である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記参照物理的属性値は、次式を用いて決定される参照質量値であり、
【数55】
m
referenceは、前記参照物理的属性値である前記参照質量値であり、
FCFは、剛性の単位で表される前記較正値である流量較正係数であり、かつ、
freq
referenceは、第2較正値から決定される参照周波数値であり、前記第2較正値が
空気K1での管周期である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
振動計の基準トレース可能な検証の方法であって、
前記振動計の第1物理的属性の第1ベースライン計器検証値を決定することと、
前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の較正値との関係を決定することと、
前記関係及び前記第2物理的属性の計器検証値に基づき、前記振動計の第2物理的属性の値を決定することと、
前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の較正値と比較することと、を備える、方法。
【請求項30】
前記第1ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値、ベースライン剛性計器検証値、及び、ベースライン導管振幅値のうちの一つである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の前記較正値との前記関係を決定することは、前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の前記較正値との間のゲインを決定することを備える、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の前記較正値と比較することは、前記第2物理的属性の前記値を前記較正値から決定される参照物理的属性値と比較することを備える、請求項29乃至31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1ベースライン計器検証値、前記第1物理的属性の前記較正値、前記第2物理的属性の前記値、及び、前記第2物理的属性の前記値と前記第2物理的属性の前記較正値との前記比較のうちの少なくとも一つの周波数チェックを行うことをさらに備える、請求項29乃至32のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記述される実施形態は、振動計の検証に関し、特に、振動計の基準トレース可能な検証に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コリオリ質量流量計、液体密度計、気体密度計、液体粘度計、気体/液体比重計、気体/液体相対密度計、及び、気体分子量計のような振動計が一般に知られており、流体の特性を測定するために用いられている。一般に、振動計は、センサアセンブリ及び電子装置部を備える。センサアセンブリ内の物質は、流動又は静止し得る。センサのタイプごとに固有の特性がある場合があり、計器は、最適な性能を達成するためにこの特性を考慮する必要がある。例えば、いくつかのセンサは、特定の変位レベルで振動するために管装置を必要とする場合がある。他のセンサアセンブリタイプは、特別な補償アルゴリズムが必要な場合がある。
【0003】
計器電子装置は、他の機能を行う中で、典型的には、用いられる特定のセンサのために記憶されるセンサ較正値を含む。例えば、計器電子装置は、剛性測定を含み得る。ベースラインセンサ剛性は、標準状態の下での工場において測定されるように、特別なセンサアセンブリのためのセンサ幾何学に関する基本的な測定を表す。振動計が顧客サイトでインストールされたあとに測定される剛性とベースラインセンサ剛性との間の変化は、他の原因に加えて、塗装、浸食、腐食、又は、センサアセンブリにおける導管へのダメージを原因とするセンサアセンブリにおける物理的変化を表し得る。計器剛性がベースライン計器剛性と同じである場合、その仮定は、センサアセンブリに物理的変化が生じなかったことを満たし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベースライン剛性、又は他の計器検証値は、現在のところ基準トレース可能ではない。すなわち、値が基本単位を用いて表されることが可能であるにもかかわらず、剛性値の量は、基準質量、力、時間などのような測定基準にトレース可能であるとは考えられない。基準トレース可能な検証は、例えば、比較が基準トレース可能な値である保証を伴う異なる流量計の計器検証の間での比較を可能とするだろう。したがって、振動計の基準トレース可能な検証のために必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
振動計の基準トレース可能な検証のためのシステムが提供される。一実施形態によれば、前記システムは、前記振動計のベースライン計器検証値を有する記憶装置と、前記記憶装置と通信する処理システムと、を備える。前記処理システムは、前記記憶装置から前記ベースライン計器検証値を取得し、かつ、前記ベースライン計器検証値と前記振動計の較正値との関係を決定するように構成され、前記較正値が測定基準にトレース可能である。
【0006】
振動計の基準トレース可能な検証のための方法が提供される。一実施形態によれば、前記方法は、前記振動計のベースライン計器検証値を決定することと、前記ベースライン計器検証値と前記振動計の較正値との関係を決定することと、を備え、前記較正値が測定基準にトレース可能である。
【0007】
振動計の基準トレース可能な検証のための方法が提供される。一実施形態によれば、前記方法は、ベースライン計器検証値と較正値との関係を取得することと、前記関係に基づ
き前記振動計の物理的属性の値を決定することと、を備える。
【0008】
振動計の基準トレース可能な検証の方法が提供される。一実施形態によれば、前記方法は、前記振動計の第1物理的属性の第1ベースライン計器検証値を決定することと、前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の較正値との関係を決定することと、前記関係に基づく前記振動計の第2物理的属性の値、及び、前記第2物理的属性の計器検証値を決定することと、前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の較正値と比較することと、を備える。
【0009】
態様
一態様によれば、振動計(5)の基準トレース可能な検証のためのシステム(600)は、前記振動計(5)のベースライン計器検証値を有する記憶装置(610)と、前記記憶装置(610)と通信する処理システム(620)と、を備える。前記処理システム(620)は、前記記憶装置(610)から前記ベースライン計器検証値を取得し、かつ、前記ベースライン計器検証値と前記振動計(5)の較正値との関係を決定するように構成され、前記較正値が測定基準にトレース可能である。
【0010】
好ましくは、前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定するように構成される前記処理システム(620)は、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる前記ベースライン計器検証値を決定するように構成される前記処理システム(620)を備える。
【0011】
好ましくは、前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定するように構成される前記処理システム(620)は、次式を決定するように構成される前記処理システム(620)を備え、
【0012】
【0013】
ここで、
StiffnessSMVは、前記ベースライン計器検証値である前記振動計の剛性計器検証値であり、
StiffnessPhysicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、左側ピックオフセンサ及び右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる
ゲインである。
【0014】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との関係を決定するように構成される前記処理システム(620)は、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との間のゲインを決定するように構成される前記処理システム(620)を備える。
【0015】
好ましくは、前記ゲインは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる。
【0016】
好ましくは、前記ゲインは、次式のうちの一つを用いて決定され、
【0017】
【0018】
【0019】
ここで、
GLPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
GRPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
StiffnessSMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、
StiffnessSMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値で
ある。
【0020】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との関係を決定するように構成される前記処理システム(620)は、次式を用いて構成される前記処理システム(620)を備え、
【0021】
【0022】
ここで、
StiffnessPhysicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記振動計の
前記較正値である。
【0023】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記振動計(5)の前記較正値との前記関係を決定することは、前記較正値から参照物理的属性値を決定することを備える。
【0024】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値、及び、前記振動計のベースライン剛性計器検証値のうちの一つである。
【0025】
好ましくは、前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである。
【0026】
一態様によれば、振動計の基準トレース可能な検証のための方法は、前記振動計のベースライン計器検証値を決定することと、前記ベースライン計器検証値と前記振動計の較正値との関係を決定することと、を備え、前記較正値が測定基準にトレース可能である。
【0027】
好ましくは、前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定することは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるベースライン計器検証値を決定することを備える。
【0028】
好ましくは、前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定することは、次式を用いることを備え、
【0029】
【0030】
ここで、
StiffnessSMVは、前記ベースライン計器検証値である前記振動計の剛性計器検証値であり、
StiffnessPhysicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、左側ピックオフセンサ及び右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる
ゲインである。
【0031】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との間でゲインを決定することを備える。
【0032】
好ましくは、前記ゲインは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる。
【0033】
好ましくは、前記ゲインは、次式のうちの一つを用いて決定され、
【0034】
【0035】
【0036】
ここで、
GLPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
GLPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
StiffnessSMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、
StiffnessSMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であ
り、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値で
ある。
【0037】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは
、次式を用いることを備え、
【0038】
【0039】
ここで、
StiffnessPhysicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記振動計の
前記較正値である。
【0040】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、前記較正値から参照物理的属性値を決定することを備える。
【0041】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値及び前記振動計のベースライン剛性計器検証値のうちの一つである。
【0042】
好ましくは、前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである。
【0043】
一態様によれば、振動計の基準トレース可能な検証のための方法は、ベースライン計器検証値と較正値との関係を取得することと、前記関係に基づき前記振動計の物理的属性の値を決定することと、を備える。
【0044】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値は、ベースライン剛性計器検証値及びベースライン質量計器検証値のうちの一つであり、かつ、前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである。
【0045】
好ましくは、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を取得することは、次式のうちの一つを用いて決定されるゲインを取得することを備え、
【0046】
【0047】
【0048】
ここで、
GLPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
GRPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
StiffnessSMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、
StiffnessSMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、かつ
、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値で
ある。
【0049】
好ましくは、前記関係に基づき前記振動計の前記物理的属性の前記値を決定することは、前記振動計の質量計器検証値及びゲインに基づき、前記振動計の前記物理的質量値を決定することを備える。
【0050】
好ましくは、前記振動計の前記質量計器検証値及び前記ゲインに基づき、前記振動計の前記物理的質量値を決定することは、次式のうちの一つを決定することを備え、
【0051】
【0052】
ここで、
MassSMVPhysicalLPOは、左側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の前記物理的質量値であり、
MassSMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる前記振動計の前記質量計器検証値であり、
GLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、かつ、
【0053】
【0054】
ここで、
MassSMVPhysicalRPOは、右側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の物理的質量値であり、
MassSMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる前記振動計の前記質量計器検証値であり、かつ、
GRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインである。
【0055】
好ましくは、前記方法は、前記振動計の前記物理的属性の前記値を前記振動計の第2較正値から決定される参照物理的属性値と比較することをさらに備える。
【0056】
好ましくは、前記振動計の前記物理的属性の前記値を前記参照物理的属性値と比較することは、次式のうちの一つを用いて前記参照物理的属性値からのずれを決定することを備え、
【0057】
【0058】
ここで、
MasstraceableDeviationLPOは、前記参照物理的属性値から左側ピックオフセンサによ
って測定されるような前記物理的属性の基準トレース可能なずれであり、
MassSMVPhysicalLPOは、前記振動計の前記物理的属性である前記左側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の物理的質量値であり、かつ、
mreferenceは、前記振動計の前記参照物理的属性値である参照質量値であり、かつ、
【0059】
【0060】
ここで、
MasstraceableDeviationRPOは、前記参照物理的属性値から前記右側ピックオフセンサ
によって測定されるような前記物理的属性の基準トレース可能なずれであり、
MassSMVPhysicalRPOは、前記振動計の前記物理的属性である前記右側ピックオフセンサによって測定される前記振動計の物理的質量であり、かつ、
mreferenceは、前記振動計の前記参照物理的属性値である参照質量値である。
【0061】
好ましくは、前記参照物理的属性値は、次式を用いて決定される参照質量値であり、
【0062】
【0063】
mreferenceは、前記参照物理的属性値である前記参照質量値であり、
FCFは、剛性の単位で表される前記較正値である流量較正係数であり、かつ、
freqreferenceは、第2較正値から決定される参照周波数値であり、前記第2較正値が
空気K1での管周期である。
【0064】
一態様によれば、振動計の基準トレース可能な検証の方法は、前記振動計の第1物理的属性の第1ベースライン計器検証値を決定することと、前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の較正値との関係を決定することと、前記関係及び前記第2物理的属性の計器検証値に基づき、前記振動計の第2物理的属性の値を決定することと、前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の較正値と比較することと、を備える。
【0065】
好ましくは、前記第1ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値、ベースライン剛性計器検証値、及び、ベースライン導管振幅値のうちの一つである。
【0066】
好ましくは、前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の前記較正値との前記関係を決定することは、前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の前記較正値との間のゲインを決定することを備える。
【0067】
好ましくは、前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の前記較正値と比較することは、前記第2物理的属性の前記値を前記較正値から決定される参照物理的属性値と比較することを備える。
【0068】
好ましくは、前記方法は、前記第1ベースライン計器検証値、前記第1物理的属性の前
記較正値、前記第2物理的属性の前記値、及び、前記第2物理的属性の前記値と前記第2物理的属性の前記較正値との前記比較のうちの少なくとも一つの周波数チェックを行うことをさらに備える。
【0069】
同じ参照番号は、すべての図面で同じ要素を表す。図面は、必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】
図1は、基準トレース可能な検証によって検証可能な振動計5を示す。
【
図2】
図2は、計器電子装置20のブロック図表示を含む、振動計5のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、振動計の基準トレース可能な検証のための方法300を示す。
【
図4】
図4は、振動計の基準トレース可能な検証のための方法400を示す。
【
図5】
図5は、振動計の基準トレース可能な検証のための方法500を示す。
【
図6】
図6は、振動計の基準トレース可能な検証のためのシステム600を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1~6及び以下の説明は、振動計の基準トレース可能な検証の最良の実施形態の製造及び使用の仕方を当業者に教示するための具体例が描かれる。発明の原理を教示するために、いくつかの慣習的な態様は、単純化されるか又は省略される。それらの当業者は、本説明の範囲に入るこれらの例からバリエーションを認識するだろう。それらの当業者は、以下で説明される特徴が振動計の基準トレース可能な検証の複数のバリエーションを形成する様々な手段に結びつけられ得ることを認識するだろう。その結果、以下で説明される実施形態は、以下で説明される具体例ではなく、クレーム及びこれらの同等のものによってのみ限定される。
【0072】
振動計の基準トレース可能な検証は、振動計のベースライン計器検証値を決定すること、及び、ベースライン計器検証値と振動計の較正値との関係を決定することによって達成され得、そこでは較正値が測定基準にトレース可能である。ベースライン計器検証値と較正値との関係を決定することは、例えば、振動計におけるピックオフセンサに関連付けられるゲインを決定することと、較正値を前記ゲインに掛けることと、を含んでもよい。
【0073】
この関係は、計器検証にわたって測定される物理的属性と、較正にわたって決定される参照物理的属性と、の間の等式に基づき得る。例えば、ベースライン物理的剛性値は、測定基準にトレース可能な構成である、流量較正係数のような、較正係数から決定される参照剛性値と同じべきである。
【0074】
較正値が測定基準にトレース可能であるので、計器検証にわたって決定される物理的質量値のような計器検証値と、管周期から決定される参照質量値のような較正値と、に基づく比較もまた、トレース可能である。例えば、物理的質量値と参照質量値との間の差異から成る質量ずれが基準トレース可能と見なされる。
【0075】
図1は、基準トレース可能な検証によって検証可能な振動計5を示す。
図1に示すように、振動計5は、センサアセンブリ10及び計器電子装置20を備える。センサアセンブリ10は、処理物質の質量流量率及び密度に反応する。計器電子装置20は、密度、質量流量率、及び、経路26の温度情報も他の情報も提供するために、導線100を介してセンサアセンブリ10に接続される。
【0076】
センサアセンブリ10は、一対のマニホールド150、150´、フランジネック110、110´を有するフランジ103、103´、一対の平行した導管130、130´
、駆動装置180、測温抵抗体(RTD)190、及び、一対のピックオフセンサ170r、170rを含む。導管130、130´は、導管マウンティングブロック120、120´で互いに合流する、二つの基本的にまっすぐな入口脚部131、131´及び出口脚部134、134´を有する。導管130、130´は、これらの全長に沿って二つの対照的な位置で屈曲し、かつ、これらの全長の至るところで基本的に平行である。ブレースバー140、140´は、導管130、130´それぞれが振動する軸W、W´を規定するのに役立つ。導管130、130´の脚部131、131´及び134、134´は、導管マウンティングブロック120、120´に固定的に取り付けられ、これらのブロックは、順番に、マニホールド150,150´に固定的に取り付けられる。これは、センサアセンブリ10の隅々で繋がった閉じられた物質経路を提供する。
【0077】
複数の穴102、102´を有するフランジ103、103´が、入口端104及び出口端104´を介して、測定される処理物質を運ぶ処理ライン(図示せず)へと接続されるとき、物質は、フランジ103における開口部101を通って計器の入口端104に入り、かつ、マニホールド150を通って表面121を有する導管マウンティングブロック120へと導かれる。マニホールド150の中で、物質は分離されかつ導管130、130´を通る。導管130、130´を出ると直ぐに、処理物質は、表面121´及びマニホールド150´を有するブロック120´の中で単独のストリームに再結合され、かつ、そのあとで、穴102´を有するフランジ103´によって処理ライン(図示せず)に接続される出口端104´を通る。
【0078】
導管130、130´は、質量分布、慣性モーメント、並びに、曲げ軸W――W及びW´――W´についてのヤング率を、それぞれ、実質的に有するために、選択され、かつ、導管マウンティングブロック120、120´に適切にマウントされる。これらの曲げ軸は、ブレースバー140、140´を通り抜ける。導管のヤング率が温度とともに変化し、かつ、この変化が流量及び密度の計算に影響を及ぼすことを考慮して、RTD190が、導管130´の温度を連続的に測定するために導管130´にマウントされる。導管130´の温度、及びそれ故に、与えられる通過する電流のためにRTD190を横切って現れる電位は、導管130´を通過する物質の温度によって決められる。RTD190を横切って現れる温度電位依存性は、導管温度におけるどんな変化による導管130、130´の弾性係数における変化に対してでも補償するために、計器電子装置20による良く知られた方法によって用いられる。RTD190は、導線195によって計器電子装置20に接続される。
【0079】
導管130、130´の両方は、これらそれぞれの曲げ軸W及びW´について反対方向に、かつ、流量計の第1位相外曲げモードと称されるもので、駆動装置180によって駆動される。この駆動装置180は、導管130´にマウントされるマグネット、及び、導管130にマウントされ、かつ、交流電流が導管130、130´の両方を振動させるために送られる対向するコイルのような、たくさんの良く知られた配置のうちの一つを備えてもよい。適切な駆動信号185は、駆動装置180へと、導線を介して、計器電子装置20によって加えられる。
【0080】
計器電子装置20は、導線195にRTD温度信号と、左側及び右側センサ信号165l、165rを運ぶ導線100に現れる左側及び右側センサ信号と、をそれぞれ受信する。計器電子装置20は、駆動装置180のために導線に現れる駆動信号185を生成し、かつ、導管130、130´を振動させる。計器電子装置20は、センサアセンブリ10を通過する物質の質量流量率及び密度を計算するために、左側及び右側センサ信号及びRTD信号を処理する。この情報は、他の情報と一緒に、一つの信号として経路26にわたって計器電子装置20によって加えられる。
【0081】
図2は、計器電子装置20のブロック図表示を含む、振動計5のブロック図を示す。
図2に示すように、計器電子装置20は、センサアセンブリ10と通信可能に結合される。
図1に関連して前述したように、センサアセンブリ10は、導線100のセットを介して通信チャンネル112及びI/Oポート260を通って計器電子装置20と通信可能に結合される、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170r、駆動装置180、及び、温度センサ190を含む。
【0082】
計器電子装置20は、導線100を介して駆動信号185を提供する。より具体的には、計器電子装置20は、センサアセンブリ10において駆動装置180に駆動信号185を提供する。加えて、センサ信号165は、センサアセンブリ10によって提供される。より具体的には、示される本実施形態において、センサ信号165が、センサアセンブリ10における左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rによって提供される。認識可能であるように、二つのセンサ信号165は、通信チャンネル112を通って計器電子装置20へとそれぞれ提供される。
【0083】
計器電子装置20は、一つ以上の信号プロセッサ220及び一つ以上のメモリ230と通信可能に結合されるプロセッサ210を含む。プロセッサ210は、ユーザインターフェイス30ともまた通信可能に結合される。プロセッサ210は、経路26にわたって通信ポートを介してホストと通信可能に結合され、かつ、電力ポート250を介して電力を受け取る。
【0084】
プロセッサ210は、どのような適切なプロセッサが採用されてもよいが、マイクロプロセッサであってもよい。例えば、プロセッサ210が、マルチコアプロセッサ、シリアル通信ポート、周辺インターフェイス(例えば、シリアル周辺インターフェイス)、オンチップメモリ、及び/又は、I/Oポートなどのようなサブプロセッサから成ってもよい。これら及び他の実施形態において、プロセッサ210は、デジタル化された信号のような、受信されかつ処理された信号での作動を行うように構成される。
【0085】
プロセッサ210は、一つ以上の信号プロセッサ220からデジタル化されたセンサ信号を受信してもよい。プロセッサ210は、位相差、センサアセンブリ10における流体の属性のような情報を提供するようにもまた構成される。プロセッサ210は、通信ポートを通じてホストにその情報を提供してもよい。プロセッサ210は、一つ以上のメモリ230において情報を受信及び/又は記憶するために、一つ以上のメモリ230と通信するようにもまた構成されてもよい。例えば、プロセッサ210は、一つ以上のメモリ230から較正係数及び/又はセンサアセンブリゼロ(例えば、ゼロ流量のときの位相差)を受信してもよい。較正係数及び/又はセンサアセンブリゼロのそれぞれが、流量計5及び/又はセンサアセンブリ10とそれぞれ関連付けられてもよい。プロセッサ210は、一つ以上の信号プロセッサ220から受信するデジタル化されたセンサ信号を処理するために較正係数を用いてもよい。
【0086】
一つ以上の信号プロセッサ220は、エンコーダ/デコーダ(CODEC)222及びアナログ-デジタル変換器(ADC)226から成るように示される。一つ以上の信号プロセッサ220は、アナログ信号を調節し、調節されたアナログ信号をデジタル化し、及び/又は、デジタル化された信号を提供してもよい。CODEC222は、増幅器224を介して、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rからセンサ信号165を受信するように構成される。CODEC222は、増幅器224を介して駆動装置180に駆動信号185を提供するようにもまた構成される。代わりの実施形態において、より多い又はより少ない信号プロセッサが採用されてもよい。
【0087】
示されるように、センサ信号165は、信号調節器240を介してCODEC222へ
と提供される。駆動信号185は、信号調節器240を介して駆動装置180へと提供される。信号調節器240は、単独のブロックとして示されるが、信号調節器240は、二つ以上のオペアンプ、ローパスフィルタのようなフィルタ、電圧-電流増幅器などのような、単独の調節する構成要素から成ってもよい。例えば、センサ信号165は、第1増幅器によって増幅されてもよいし、かつ、駆動信号185は、電圧-電流増幅器によって増幅されてもよい。増幅は、センサ信号165の大きさがCODEC222のフルスケールレンジに近いことを保証し得る。
【0088】
示されるその実施形態において、一つ以上のメモリ230は、読み出し専用メモリ(ROM)232、ランダムアクセスメモリ(RAM)234、及び、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))236から成る。しかしながら、代わりの実施形態において、一つ以上のメモリ230が、より多い又はより少ないメモリから成ってもよい。加えて又は代わりに、一つ以上のメモリ230は、異なるタイプのメモリ(例えば、揮発性又は不揮発性など)から成ってもよい。例えば、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などのような不揮発性メモリの異なるタイプは、例えば、FRAM(登録商標)236の代わりに採用されてもよい。一つ以上のメモリ230は、較正値、計器検証値などのようなデータを記憶するように構成される記憶装置であってもよい。
【0089】
較正
質量流量率測定
【0090】
【0091】
は、次式で生成され得る。
【0092】
【0093】
Δtタームは、振動流量計5を通る流量に関係するコリオリ効果による時間遅延のような、ピックオフセンサの間に存在する時間遅延を備える、作動上導出された(すなわち、測定された)時間遅延値を備える。測定されたΔtタームは、それが振動流量計5を通じて流動するような流動物質の質量流量率を最終的には決定する。Δt0タームは、ゼロ流量較正定数で時間遅延/位相差を備える。Δt0タームは、典型的には工場で決定され、かつ、振動流量計5へとプログラムされる。ゼロ流量Δt0タームでの時間遅延/位相差は、流動状態が変化していても変化しないだろう。流量較正係数FCFは、流量計の物理的
剛性に比例する。
【0094】
較正は、導管130、130´が空気又は水のような既知の物質を包含するとき、導管130、130´の共振又は駆動周波数もまた決定する。例えば、空気K1での管周期は、導管130、130´が空気を包含するとき、これらの共振周波数である。水K2での管周期は、導管130、130´が水を包含するとき、これらの共振周波数であってもよい。流量較正係数FCF、空気K1での管周期K1、及び、較正で決定される水K2での管周期K2値は
、最初の工場の較正データとして記憶されてもよいし、例えば、後の修繕のためにサービスセンタでもよいが、どのような適切な記憶の場所又は手段が採用されてもよい。最初の
較正工場データは、基準トレース可能であると見なされてもよい。例えば、流量較正係数FCF、空気K1での管周期、及び、水K2での管周期は、例えば、国際基準化機構(ISO)
17025基準、又は、アメリカ基準協会/標準的研究所に関する会議(ANSI/NCSL)Z540-1-1994;パート1、又は、国際若しくは国家的な基準のような他の基準のような公認基準の下での基本単位にトレース可能であると見なされてもよい。較正工場データは、例えば、ISO31、国際電気標準会議(IEC)60027、又は、他の国際若しくは国家的な基準で規定される測定基準にトレース可能であり得る。測定基準は、国際的若しくは国家的な基準で規定される基本単位又は組立単位、及び/又は、その基準外で規定されるが国際的又は国家的な基準で規定されるベース及び/若しくは組立単位に関係する単位の中にあり得る。
【0095】
導管130、130´が腐食され、浸食され、又はその他に変化されるにつれて、流量較正係数FCF、空気K1での管周期、及び、水K2での管周期の値が、最初の工場の較正デー
タに関係する時間にわたって変化し得るように、導管130、130´が時間と共に変化し得ることが問題である。結果として、導管130、130´の剛性は、振動計5の寿命にわたってベースライン剛性値から変化し得る。計器検証は、以下においてより詳細に説明されるであろう、導管130、130´の剛性におけるそのような変化を検出し得る。
【0096】
計器検証
上述のように、流量較正係数FCFが、物質属性、並びに、流管の断面属性及び流管の幾
何学形状を反映する。流量計を通って流れる流動物質の質量流量率は、測定される時間遅延(又は位相差/周波数)に流量較正係数FCFを掛けることによって決定される。流量較
正係数FCFは、センサアセンブリの剛性特性に関係し得る。センサアセンブリの剛性特性
が変化する場合、流量較正係数FCFもまた変化するだろう。流量計の物質的剛性における
変化は、それ故に、流量計によって生成される流量測定の精度に影響を及ぼすだろう。
【0097】
剛性変化は、計器剛性をベースライン計器剛性と比較することによって決定される値であり得る。例えば、剛性変化は、計器剛性とベースライン計器剛性との間の差であり得る。この例において、負数は、現地でインストールされてから減じられる導管130、130´の剛性を示してもよい。正数は、ベースライン計器剛性が決定されてから増やされる導管130、130´の物理的剛性を示してもよい。
【0098】
計器剛性がベースライン計器剛性と実質的に同じである場合、それが振動流量計5、より具体的には、導管130、130´が、それが製造され、較正されたとき、又は、振動流量計5が最後に再び較正され/検証されたときから比較的変化され得ないことを決定され得る。代わりに、計器剛性がベースライン計器剛性と実質的に異なる場合、導管130、130´がダメージを受けていたこと、及び、導管130、130´が、浸食、腐食、ダメージ(例えば、凍結、過剰な加圧など)、塗装、又は他の状態に起因して変化された場合のように、正確かつ確実に作動しないかもしれないことが決定され得る。
【0099】
左側ピックオフセンサ170l、及び、右側ピックオフセンサ170rは、これら自身に関連する剛性値をそれぞれ有し得る。より具体的には、上述したように、駆動装置180が導管130、130´に対して力を加え、かつ、ピックオフセンサ170l、170rが結果として生じる偏位を測定する。ピックオフセンサ170l、170rの位置での導管130、130´の偏位(例えば、振幅)の量は、駆動装置180とピックオフセンサ170l、170rとの間の導管130、130´の剛性に比例する。したがって、質量、剛性、又は、左側若しくは右側ピックオフセンサ170l、170rに関連付けられる他の計器検証値は、ピックオフセンサ170l、170rそれぞれと駆動装置180との間の導管130、130´における変化を検出するために用いられ得る。すなわち、質量、剛性、又は他の計器検証パラメータは、一対のピックオフセンサそれぞれに対してで
あってもよい。
【0100】
図2において示される振動流量計5を参照して、CODEC222及び信号調節器240、並びにDSPスケーリングのような、計器電子装置20における構成要素だけでなく、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rに関連付けられるゲインがあってもよい。したがって、左側ピックオフセンサ170lに関連付けられるゲインが、左側ピックオフセンサ170lと駆動装置180の組のゲインであり、かつ、右側ピックオフセンサ170rに関連付けられるゲインが、右側ピックオフセンサ170rと駆動装置180の組のゲインである。左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rに関連付けられるゲインは、全体ゲインの「センサターム」又は「センサゲイン」と称されてもよく、かつ、計器電子装置20における構成要素に関連付けられるゲインは、全体ゲインの「電子装置ターム」又は「電子装置ゲイン」と称されてもよい。
【0101】
以下においてより詳細に説明されるように、基準トレース可能な検証は、ベースライン左側又は右側ピックオフ剛性値のようなベースライン計器剛性値を、基準トレース可能な流量較正係数FCF、空気K1での管周期、及び/又は、水K2での管周期の値と結び付けるこ
とによって実現されてもよい。以下の方法は、ベースライン計器剛性値が、基準トレース可能な流量較正係数FCF、空気K1での管周期、及び/又は、水K2での管周期とどのように
結び付けられ得るかを例示する。
【0102】
基準トレース可能性
図3は、振動計の基準トレース可能な検証のための方法300を示す。
図3に示されるように、方法300は、振動計のベースライン計器検証値を決定することによって開始する。振動計5が
図1において示されるが、どのような適切な振動計が採用されてもよい。ステップ320において、方法300は、ベースライン計器検証値と振動計の較正値との関係を決定する。較正値は、測定基準にトレース可能である。
【0103】
ステップ310において決定される振動計のベースライン計器検証値は、ベースライン計器剛性値のような、どのような適切な値であってもよい。例えば、ベースライン計器検証値は、左側ピックオフ剛性値、右側ピックオフ剛性値、左側ピックオフ質量値、右側ピックオフ質量値などであってもよい。これら及び他のベースライン計器検証値は、物理的質量、物理的剛性などのような、振動計の物理的属性との関係を有してもよい。
【0104】
ベースライン計器検証値と物理的属性との関係は、どのような適切な値であってもよいし、かつ、例えば、
図2を参照して上記で議論されたような、センサ及び/又は電子装置ゲインに対応してもよい。例えば、ベースライン計器検証値は、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170r、駆動装置180、及び、CODEC222及び信号調節器240を含む計器電子装置20を用いて決定されるベースライン剛性値であってもよい。したがって、例えば、ベースライン右側ピックオフ剛性値と右側ピックオフセンサ170rに関連付けられる導管130、130´の物理的剛性との関係は、右側ピックオフセンサ170rのセンサゲイン、及び、CODEC222及び信号調節器240の電子装置ゲインであってもよい。
【0105】
一例において、ベースライン計器検証値は、ゲインに掛けられる物理的質量又は物理的剛性のような、物理的属性に基づき決定されてもよい。実例として、次式がピックオフゲイン及び電子装置ゲインを用いるベースライン剛性値を決定するために採用されてもよい。
【0106】
【0107】
ここで、
StiffnessSMVは、模範的なベースライン計器検証値である検証計器のベースライン剛性値であり、
StiffnessPhysicalは、振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、ベースライン剛性値StiffnessSMVを決定する振動計の物理的剛性StiffnessPhysicalを測定するために用いられる、左側ピックオフセンサ又は右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるゲインである。
【0108】
上記例において用いられたゲインGは、左側及び右側ピックオフセンサ並びに流量較正
係数に関連付けられるベースライン計器検証剛性値を用いることによって決定され得る。例えば、次式が用いられ得る。
【0109】
【0110】
【0111】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、
Stiffness
SMVLPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、かつ、
FCFは、剛性の単位で表される模範的な較正値である振動計の流量較正係数である。
流量較正係数FCF及びベースライン剛性値は、
図1において示される、CODEC222
及び信号調節器240を有する計器電子装置20のような、同じ電子装置だけでなく、
図1において示される、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rのような、同じ左側及び右側センサを用いて決定されるので、式[3]及び[4]がゲインG
LPO及びG
RPOを決定するために用いられ得る。したがって、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rに関連付けられるゲインG
LPO及びG
RPOは、ベースライン剛性値及び流量較正係数FCFの割合から決定され得る。
【0112】
ステップ320において、ベースライン計器検証値と振動計の較正値との関係を決定することは、較正値を伴うピックオフセンサによって測定される振動計の物理的属性を同等とすることを備え得る。較正値は、例えば、振動計の管周期などのような較正係数であり得る。較正係数は、質量流量率を決定するために二つのセンサの間での時間遅延で増幅する流量較正係数FCFであり得るが、どのような適切な較正係数が採用されてもよい。例え
ば、較正係数は、振動計における左側及び右側ピックオフの間の位相差で増幅する値であ
ってもよい。
【0113】
較正値と計器検証との比較は、較正係数及び振動計の物理的剛性の等式に基づいてもよい。したがって、振動計の物理的属性と較正値との関係はm次式を備え得る。
【0114】
【0115】
ここで、
StiffnessPhysicalは、振動計の物理的属性である振動計の物理的剛性であり、かつ、
FCFは、振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される振動計の較正値で
ある。
振動計の物理的剛性とFCFとの関係は、以下で例示するように、流量較正係数FCFから剛性値への変換に基づき得る。
【0116】
流量較正係数FCFは、
【0117】
【0118】
の単位であり得るが、どのような適切な単位が採用されてもよい。流量較正係数FCFは
、摂氏ゼロ度(0℃)の温度のような、基準状態に訂正され得る。ベースライン剛性値は、例えば、
【0119】
【0120】
の単位であるが、どのような適切な単位が採用されてもよい。流量較正係数FCFは、例
えば、関係:
【0121】
【0122】
から得られる5,7101のような倍率を用いることによって、ベースライン剛性値の単位と同じ単位へと変換され得る。
【0123】
実例として、典型的な流量較正係数FCF値が次に示される。
【0124】
【0125】
上記のように、上記流量較正係数FCF値は、
【0126】
【0127】
関係を用いることによって、剛性単位へと変換され得る。このような変換を行ったあと、剛性値として表される、流量較正係数FCFは、
【0128】
【0129】
である。
【0130】
しかしながら、この流量較正係数FCF値は、基本単位ではない。-ポンド質量単位(l
bm)が基本単位ではない。したがって、基本単位において流量較正係数FCF値を取得す
るために、追加の単位変換がなされる。上記値を基本単位へと変換したあと、基本単位における流量較正係数FCF値は、
【0131】
【0132】
である。したがって、基本単位において剛性値で表される流量較正係数FCFは、上記等
式[5]が説明するように、ピックオフセンサによって測定されるような振動計の物理的剛性と等しくできる。
【0133】
理解できるように、測定基準にトレース可能である、ベースライン計器検証値及び較正値の両方が、
図1において示される左側及び右側ピックオフセンサ170l、170r並びに計器電子装置20と同じような、ピックオフセンサ及び電子装置を用いて決定され、ゲインは、以下で説明されるように、ベースライン質量計器検証値のような様々なベースライン計器検証値と、空気K1での管周期のような様々な較正値と、の関係を決定することが可能である。
【0134】
図4は、振動計の基準トレース可能な検証のための方法を示す。
図4で示されるように、方法400は、ステップ410においてベースライン計器検証値と較正値との関係を取得することによって開始する。ベースライン計器検証値は、ベースライン左側及び/又は
右側ピックオフ剛性値のような、振動計のベースライン計器検証値であり得る。前記関係は、上記で議論されたゲインG
LPO、G
RPOのような、ゲインであり得る。ステップ420において、方法400は、前記関係に基づき、振動計の、物理的質量値のような、物理的属性の値を決定する。物理的属性の値は、例えば、ゲインをベースライン質量値から決定される物理的質量値に乗じることによって、前記関係に基づき決定され得る。ベースライン質量値から決定されるこの物理的質量値は、較正値から決定される参照質量と比較され得る。
【0135】
上記で議論したように、較正値は、導管/管が空気で満たされたときの導管の周期である、空気K1での管周期を含み得る。空気が、鋼鉄又は振動計の導管において典型的に測定される他の物質よりも顕著に重くないので、空気K1での管周期が導管の質量に比例する。空気K1での管周期の単位は、μ秒であり得るが、どのような適切な単位が採用されてもよい。空気K1での管周期は、摂氏0度(0℃)の温度のような、基準状態に訂正され得る。理解できるように、水K2での管周期が採用され得る。
【0136】
参照質量値mreferenceは、空気K1での管ピリオドから決定され得る。理解できるように、参照質量値mreferenceは、測定基準にトレース可能であり、かつ、質量の基本単位にある。参照質量値mreferenceは、例えば、次式[6]―[8]を用いて決定され得るが、どのような適切な等式及び関係が採用されてもよい。特に、導管の共振周波数が、
【0137】
【0138】
から決定され得る。加えて、時間の単位にある、空気K1での管周期は、関係
【0139】
【0140】
を用いることによって周波数へと変換され得る。空気K1での管周期がμ秒の単位にあり、かつ、周波数がラジアン毎秒の単位にある一例において、次式[7]が、空気K1での管周期から管の参照周波数を取得するために採用され得る。
【0141】
【0142】
上記等式[7]及び参照周波数freqreferenceも、等式[5]の流量較正係数FCFと物理的剛性StiffnessPhysicalが等しいことも用いることによって、次式[8]が例証するよ
うに、管の参照質量値mreferenceが決定され得る。
【0143】
【0144】
上記した等式[3]-[4]を用いることによって決定された左側及び右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインGRPO、GLPOのような、ゲインは、物理的属性の値と計器検証値との関係を決定するために用いられ得る。例えば、計器検証値は、計器検証質量値MassSMVを備え得る。この例において、計器検証質量値MassSMVは、次式[9]を用いる物理的質量値MassPhysicalに関係し得る。
【0145】
【0146】
したがって、
図1において示されるような左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rのような、ピックオフセンサに関連付けられる物理的質量値Mass
Physicalは、次式を用いることによって決定され得る。
【0147】
【0148】
ここで、
MassSMVPhysicalLPOは、左側ピックオフセンサを用いて測定される振動計の物理的質量値であり、
MassSMVLPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられる振動計の質量値であり、
GLPOは、左側ピックオフに関連付けられるゲインであり、かつ、
【0149】
【0150】
ここで、
MassSMVPhysicalRPOは、右側ピックオフセンサを用いて測定される振動計の物理的質量値であり、
MassSMVRPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられる振動計の質量値であり、かつ、
GRPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインである。
【0151】
参照質量値mreference及び物理的質量値MassSMVPhysicalLPO、MassSMVPhysicalRPOは、振動計に変化が生じた場合を決定するために用いられ得る。加えて、このような変化は、測定基準にトレース可能であり得る。すなわち、物理的質量値MassSMVPhysicalLPO、MassSMVPhysicalRPOと、参照質量値mreferenceとのような、物理的属性と参照物理的属性との
比較がなされ得る。一例において、比較は、参照物理的属性からの偏差を決定することで構成され得る。このような決定は、次式を用いてなされ得る。
【0152】
【0153】
ここで、
MasstraceableDeviationLPOは、参照物理的属性から左側ピックオフセンサによって測
定されるような物理的属性のトレース可能な偏差であり、
MassSMVPhysicalLPOは、振動計の物理的属性である、左側ピックオフセンサによって測定される振動計の物理的質量であり、かつ、
mreferenceは、振動計の参照物理的属性である参照質量値である。
【0154】
【0155】
ここで、
MasstraceableDeviationRPOは、参照物理的属性から右側ピックオフセンサによって測
定されるような物理的属性のトレース可能な偏差であり、
MassSMVPhysicalRPOは、振動計の物理的属性である右側ピックオフセンサによって測定される振動計の物理的質量であり、かつ、
mreferenceは、振動計の参照物理的属性値である参照質量値である。
【0156】
理解できるように、基準トレース可能な計器検証の他のアプローチがある。例えば、物理的質量値MassSMVPhysicalLPO、MassSMVPhysicalRPOと、参照質量値mreferenceと比較を用いる代わりに、物理的剛性値と参照剛性値との比較がなされ得る。この例では、参照質量は、上記した等式[6]-[8]を用いて取得され得る。ゲインタームは、次の形式で上記した等式[9]-[11]を用いて計算され得る。
【0157】
【0158】
このゲインタームは、次式を用いて物理的剛性を計算するために用いられ得る。
【0159】
【0160】
したがって、剛性偏差は、
【0161】
【0162】
を用いて計算され得る。
ここで、
Stiff
traceableDeviationは、基準トレース可能な剛性偏差であり、
Stiff
SMVPhysicalは、振動計の物理的剛性であり、かつ、
FCFは、振動計の流量較正係数であり、剛性の単位で表される振動計較正値である。
したがって、基準トレース可能な剛性偏差Stiff
traceableDeviationは、変化が基準トレ
ース可能な単位を用いる振動計において生じた場合を決定するために用いられ得る。理解できるように、等式[14]-[16]は、それぞれのセンサに関連付けられ得る。例えば、
図1、2において示される左側ピックオフセンサ170lのような、左側ピックオフセンサに関連付けられる基準トレース可能な剛性偏差Stiff
traceableDeviationLPOが、計算され得る。
図1、2において示される右側ピックオフセンサ170rのような、右側ピックオフセンサに関連付けられる基準トレース可能な剛性偏差Stiff
traceableDeviationRPOもまた、計算され得る。
【0163】
上記議論は、典型的な物理的属性としての質量及び剛性に依存するが、他の物理的属性が採用され得る。例えば、上記で議論されたような、ピックオフセンサ170l、170rの位置での導管130、130´の偏位(例えば、振幅)の量は、駆動装置180とピックオフセンサとの間の導管130、130´の剛性に比例する。したがって、ベースライン計器検証値は、導管130、130´のベースライン振幅値であり得る。同様に、較正値が左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rの位置での導管130、130´の、較正された振幅値として言及された、振幅の較正された測定であり得る。計器検証値は、例えば、センサ信号165の電圧であり得る。
【0164】
導管130、130´の振幅の較正された測定が加速度計を用いるような直接的な、又は、導管130、130´から反射する光源のような間接的な方法を用いることによって、行われ得る。較正された測定とセンサ信号165の電圧との、ゲインタームのような関係は、較正された測定をセンサ信号165の電圧で割り較正された振幅値で割ることによって決定され得る。加えて、センサ信号165に基づき計器検証の間に決定される振幅計器検証値と比較して、較正された振幅値は、参照振幅値のような、参照値を決定するために用いられ得る。
【0165】
上記した方法300、400は、関係を取得するか、又は、様々な物理的属性のうちの一つに基づき関係を決定するかのうちの一つの二つの異なる方法のコンテキストにおいてベースライン計器検証値と較正値との関係を議論する。以下では、ベースライン計器検証値の二つだけでなく、物理的属性の二つを用いる方法を議論する。
【0166】
図5は、振動計の基準トレース可能な計器検証のための方法500を示す。
図5に示されるように、方法500は、ステップ510において振動計の第1物理的属性の第1ベースライン計器検証値を決定することによって開始する。ステップ520において、方法500は、第1ベースライン計器検証値と第1物理的属性の較正値との関係を決定する。ステップ530において、方法500は、前記関係及び第2物理的属性の計器検証値に基づき、振動計の第2物理的属性の値を決定する。方法500は、ステップ540において、第2物理的属性の値を第2物理的属性の較正値と比較する。ステップ550において周波数チェックを行うような追加のステップが、前述のステップ510-540が正しく行われているかを確認するためにさらに行われる。
【0167】
ステップ510において、第1物理的属性の第1ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値及びベースライン剛性計器検証値のうちの一つであり得る。等式[2]を参照して上記で議論されたように、物理的剛性値、及び、ベースライン剛性計器検証値を測定することに依存するセンサに関連付けられるセンサのゲインに比例し得る。同様に、ベースライン質量計器検証値は、等式[14]で示されるように、物理的質量値、及び、ベースライン質量計器検証値を測定することに依存するセンサに関連付けられるゲインに比例し得る。
【0168】
ステップ520において、前記関係は、第1ベースライン計器検証値と第1物理的属性の較正値との間のゲインを決定することによって第1ベースライン計器検証値と第1物理的属性の較正値との間で決定され得る。前記関係は、例えば、ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるゲインであり得る。一例において、ゲインは、左側及び右側ピックオフセンサ並びに流量較正係数FCFのうちの一つに関連付けられる剛性を利用する、上記
で議論した等式[3]及び[4]を用いて決定され得る。流量較正係数FCFは、第1物理
的属性の較正値の一例であり、第1物理的属性は導管の剛性である。代わりに、ゲインは、左側又は右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる質量を用いて決定され得る。
【0169】
ステップ530において、振動計の第2物理的属性の値は、例えば、左側又は右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるゲインを用いることによって、前記関係及び第2物理的属性の計器検証値に基づき決定され得る。一例において、第1物理的属性が剛性であり、第2物理的属性が物理的質量であり得る。この例において、第2物理的属性の値は、上記で議論した等式[10]及び[11]を用いて決定される左側又は右側ピックオフセンサのうちの一つと関連付けられる物理的な質量値であり得る。しかし、第1及び/又は第2物理的属性は、導管の振幅であり得る。第1物理的属性が物理的質量である場合、第2物理的属性の値が、例えば、等式[15]によって決定される物理的剛性値であり得る。
【0170】
ステップ540において、第2物理的属性の値及び第2物理的属性の較正値は、例えば、ピックオフセンサのうちの一つのために決定される物理的質量値を、空気K1での管周期から決定される参照質量値のような、較正値から決定される参照質量値と比較することによって、比較され得る。一例において、比較は、等式[12]及び[13]を参照して上記で議論されたように、参照質量値からの偏差を決定することを備え得る。加えて又は代わりに、比較は、物理的剛性値と、決定される参照剛性値、例えば、等式[16]において示されるような、流量較正係数FCFのような、較正値と、の間であり得る。加えて又は
代わりに、参照質量値は、水K2での管周期を用いて決定され得る。
【0171】
ステップ550での周波数チェックのような追加のステップが行われ得る。例えば、空気K1での管周期及び流量較正係数FCFが利用される、等式[6]にしたがい剛性及び質量
から決定される周波数は、測定される周波数と比較され得る。この比較は、基準トレース可能な計器検証を有効にし得る。例えば、計器検証手順の間に、測定される周波数が計器検証剛性及び計器検証質量から推定される周波数から顕著に変わる場合、基準トレース可能な計器検証は無効にされ得る。これは、基準トレース可能な計器検証値が有効であることを確実にし得る。一例において、周波数チェックは、第1ベースライン計器検証値、第1物理的属性の較正値、第2物理的属性の値、及び/又は、方法500を参照して上記で議論された第2物理的属性の値及び第2物理的属性の較正値の比較を有効にし得る。
【0172】
ステップ550において行われる周波数チェックは、周波数から計算される振動計での参照流量の密度のような、どのような適切な形態でもあり得る。例えば、空気の密度は、
計器検証剛性及び計器検証質量から推定され得、かつ、参照空気密度値と比較され得る。この参照空気密度値は、空気K1での管周期、水K2での管周期などを決定する計算の間に決定され得る。この参照空気密度値は、温度、圧力、湿度などのために基準トレース可能な環境状態測定を用いて決定され得、かつ、したがって、基準トレース可能とも見なされ得る。したがって、計器検証の確認は、基準トレース可能とも見なされ得る。
【0173】
上述された方法300、400、500は、どのような適切なシステムによっても実行され得る。例えば、ベースライン計器検証及び振動計の較正値は、顧客位置で、振動計の製造業者でなど、計算の間に決定され得、計器電子装置20で記憶され得る。ベースライン計器検証及び較正値を記憶することによって、振動計への変化が、較正値から決定される参照値に関連して決定され得る。典型的なシステムが次に記載される。
【0174】
図6は、振動計の基準トレース可能な検証のためのシステム600を示す。
図6に示されるように、システム600は、処理システム620と通信可能に結合される記憶装置610を含む。記憶装置610は、インターネットで電子通信し、コンピュータバス、ローカルエリアネットワークなどを介して通信するような、如何なる適切な手段も介して、処理システム620と通信可能に結合され得る。通信は、例えば、ベースライン計器検証値及び/又は較正値を通信することを含み得る。参照値のような、他の値もまた通信され得る。
【0175】
記憶装置610は、例えば、ベースライン計器検証及び較正値を受信及び記憶し、このような値を処理システムと通信することが可能であるどのようなものであっても良い。例えば、記憶装置610は、計器電子装置20においてもある、処理システム620に通信可能に結合される計器電子装置20上のメモリであり得る。代わりに、記憶装置610は、インターネットでベースライン計器検証値及び/又は較正値を提供する振動計5の製造業者によって主催されるサーバのような、サーバであり得る。
【0176】
処理システム620は、振動計のベースライン計器検証値を決定し、かつ、ベースライン計器検証値を振動計の較正値に関係付けるように構成されるどのようなシステムであっても良い。処理システム620は、計器検証値及び較正値に基づき関係を決定し、かつ、前記関係に基づき振動計の物理的属性を決定するように構成されても良い。処理システム620は、例えば、単独の処理装置又はインターネットで分配される複数の処理装置であり得る。
【0177】
一例において、処理システム620は、
図1を参照して上記で記載された計器電子装置20上の処理装置を含み得る。この例において、計器電子装置20における処理装置は、左側及び右側ピックオフセンサ170l、170rによって提供されるセンサ信号を用いて、ベースライン計器検証値を決定し得る。計器電子装置20と通信可能に結合されるワークステーションのような、別個の処理装置が、上記した流量較正係数FCFのような、較
正値を決定し得る。したがって、計器電子装置20及びワークステーションは、処理システム620を備え得る。この例において、ワークステーションは、流量較正係数FCFを計
器電子装置20及び例えば製造業者のサーバに提供し得る。加えて、計器電子装置20は、ベースライン剛性及び質量値のような、ベースライン計器検証値を製造業者のサーバに提供し得る。
【0178】
計器電子装置20、顧客側でのワークステーションなどは、製造業者のサーバからベースライン計器検証値及び較正値を要求し得る。計器電子装置20又はワークステーションは、ゲインのような関係を決定するためにベースライン計器検証値及び較正値を用い得る。加えて又は代わりに、製造業者のサーバは、ベースライン計器検証値と較正値との関係を決定かつ提供し得る。計器電子装置20、顧客のワークステーション、製造業者のサー
バなどは、そのあと、前記関係に基づき、振動計5の物理的質量値のような、物理的属性の値を決定し得る。物理的属性のこの値は、例えば、上記した方法300、400、500を用いて、振動計の基準トレース可能な検証を行うために用いられ得る。
【0179】
理解できるように、方法300、400、500及びシステム600は、
図1を参照して記述された振動計5のような、振動計の基準トレース可能な検証を提供する。方法300、400、500及びシステム600は、例えば、基準トレース可能である偏差値を提供し得る。上記した等式[13]の質量偏差値は、測定基準にトレース可能である基本単位(例えば、質量、力、時間など)にある。したがって、偏差値は、流量計に特定の相対的変動の測定だけでなく、測定基準まで相対的な変動の測定でもあり得る。この偏差値は、したがって、例えば、様々な流量計が、異なる共振周波数、(例えば、異なる管寸法による)質量値、(例えば、様々な導管幾何学による)剛性値などを有し得るにもかかわらず、様々な流量計の間で有意義な方法で比較可能である。
【0180】
上記の実施形態の詳細な説明は、本説明の範囲内であると本発明者らによって企図されたすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、当業者は、上述の実施形態の特定の要素を様々に組み合わせ、又は削除してさらなる実施形態を作成することができ、そのようなさらなる実施形態が本説明の範囲及び教示に含まれることを認識されるであろう。上記の実施形態を全体的又は部分的に組み合わせて、本説明の範囲及び教示内の追加の実施形態を作成することができることも当業者には明らかであろう。
【0181】
したがって、特定の実施形態が例示を目的として本明細書で説明されているが、当業者が認識するように、本説明の範囲内で様々な等価な修正が可能である。本明細書で提供される教示は、上述された、添付の図に示された実施形態だけでなく、振動計の他の基準トレース可能な検証に適用することができる。したがって、上述した実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動計(5)の基準トレース可能な検証のためのシステム(600)であって、
前記振動計(5)のベースライン計器検証値を有する記憶装置(610)と、
前記記憶装置(610)との通信における処理システム(620)と、を備え、
前記処理システム(620)は、
前記記憶装置(610)から前記ベースライン計器検証値を取得し、かつ、
前記ベースライン計器検証値と前記振動計(5)の較正値との関係を決定するように構成され、前記較正値が測定基準にトレース可能であり、
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係は、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との比として定義されるゲインを備える、システム(600)。
【請求項2】
前記処理システム(620)は、前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定するようにさらに構成されており、前記ベースライン計器検証値は、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる、請求項1に記載のシステム(600)。
【請求項3】
前記処理システム(620)は、前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定するようにさらに構成され、次式を決定するように構成される前記処理システム(620)を備えており、
【数41】
ここで、
Stiffness
SMVは、前記ベースライン計器検証値である前記振動計の剛性計器検証値であり、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、左側ピックオフセンサ及び右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるゲインである、請求項1又は2に記載のシステム(600)。
【請求項4】
前記ゲインは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる、請求項1に記載のシステム(600)。
【請求項5】
前記ゲインは、次式のうちの一つを用いて決定され、
【数42】
【数43】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であり、
Stiffness
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値である、請求項4に記載のシステム(600)。
【請求項6】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との関係を決定するように構成される前記処理システム(620)は、次式を用いるように構成される前記処理システム(620)を備え、
【数44】
ここで、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記振動計の前記較正値である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項7】
前記ベースライン計器検証値と前記振動計(5)の前記較正値との前記関係を決定することは、前記較正値から参照物理的属性値を決定することを備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項8】
前記ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値及び前記振動計のベースライン剛性計器検証値のうちの一つである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項9】
前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム(600)。
【請求項10】
振動計の基準のトレース可能な検証のための方法であって、
前記振動計のベースライン計器検証値を決定することと、
前記ベースライン計器検証値と前記振動計の較正値との関係を決定することと、を備え、前記較正値が測定基準にトレース可能であり、
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係は、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との比として定義されるゲインを備える、方法。
【請求項11】
前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定することは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるベースライン計器検証値を決定することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記振動計の前記ベースライン計器検証値を決定することは、次式を用いることを備え、
【数45】
ここで、
Stiffness
SMVは、前記ベースライン計器検証値である前記振動計の剛性計器検証値であり、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
Gは、左側ピックオフセンサ及び右側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられるゲインである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記ゲインは、右側ピックオフセンサ及び左側ピックオフセンサのうちの一つに関連付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ゲインは、次式のうちの一つを用いて決定され、
【数46】
【数47】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であり、
Stiffness
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性計器検証値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、次式を用いることを備え、
【数48】
ここで、
Stiffness
Physicalは、前記振動計の物理的剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記振動計の前記較正値である、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係を決定することは、前記較正値から参照物理的属性値を決定することを備える、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値及び前記振動計のベースライン剛性計器検証値のうちの一つである、請求項10乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである、請求項10乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
振動計の基準トレース可能な検証のための方法であって、
ベースライン計器検証値と較正値との関係を取得することと、
前記関係に基づき前記振動計の物理的属性の値を決定することと、を備え、
前記ベースライン計器検証値と前記較正値との前記関係は、前記ベースライン計器検証値と前記較正値との比として定義されるゲインを備える、方法。
【請求項20】
前記ベースライン計器検証値は、ベースライン剛性計器検証値及びベースライン質量計器検証値のうちの一つであり、かつ、前記較正値は、流量較正係数及び前記振動計の管周期のうちの一つである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ゲインが次式のうちの一つを用いて決定され、
【数49】
【数50】
ここで、
G
LPOは、左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
G
RPOは、右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、
Stiffness
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、
Stiffness
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる剛性値であり、かつ、
FCFは、前記振動計の流量較正係数であり、かつ、剛性の単位で表される前記較正値である、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記関係に基づき前記振動計の前記物理的属性の前記値を決定することは、前記振動計の質量計器検証値及びゲインに基づき、前記振動計の物理的質量値を決定することを備える、請求項19乃至22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記振動計の質量計器検証値及びゲインに基づき、前記振動計の前記物理的質量値を決定することは、次式のうちの一つを決定することを備え、
【数51】
ここで、
Mass
SMVPhysicalLPOは、左側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の前記物理的質量値であり、
Mass
SMVLPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられる前記振動計の前記質量計器検証値であり、
G
LPOは、前記左側ピックオフセンサに関連付けられるゲインであり、かつ、
【数52】
ここで、
Mass
SMVPhysicalRPOは、前記右側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の物理的質量値であり、
Mass
SMVRPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられる前記振動計の前記質量計器検証値であり、かつ、
G
RPOは、前記右側ピックオフセンサに関連付けられるゲインである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記振動計の前記物理的属性の前記値を前記振動計の第2較正値から決定される参照物理的属性値と比較することをさらに備える、請求項19乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記振動計の前記物理的属性の前記値を前記参照物理的属性値と比較することは、次式のうちの一つを用いて前記参照物理的属性値からのずれを決定することを備え、
【数53】
ここで、
Mass
traceableDeviationLPOは、前記参照物理的属性値から左側ピックオフセンサによって測定されるような前記物理的属性の基準トレース可能なずれであり、
Mass
traceableDeviationLPOは、前記振動計の前記物理的属性である前記左側ピックオフセンサを用いて決定される前記振動計の物理的質量値であり、かつ、
m
referenceは、前記振動計の前記参照物理的属性値である参照質量値であり、かつ、
【数54】
ここで、
Mass
traceableDeviationRPOは、前記参照物理的属性値から前記右側ピックオフセンサによって測定されるような前記物理的属性の基準トレース可能なずれであり、
Mass
SMVPhysicalRPOは、前記振動計の前記物理的属性である前記右側ピックオフセンサによって測定される前記振動計の物理的質量であり、かつ、
m
referenceは、前記振動計の前記参照物理的属性値である参照質量値である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記参照物理的属性値は、次式を用いて決定される参照質量値であり、
【数55】
m
referenceは、前記参照物理的属性値である前記参照質量値であり、
FCFは、剛性の単位で表される前記較正値である流量較正係数であり、かつ、
freq
referenceは、第2較正値から決定される参照周波数値であり、前記第2較正値が空気K1での管周期である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
振動計の基準トレース可能な検証の方法であって、
前記振動計の第1物理的属性の第1ベースライン計器検証値を決定することと、
前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の較正値との関係を決定することと、
前記関係及び前記第2物理的属性の計器検証値に基づき、前記振動計の第2物理的属性の値を決定することと、
前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の較正値と比較することと、を備え、
前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の前記較正値との前記関係は、前記第1ベースライン計器検証値と前記第1物理的属性の前記較正値との比として定義されるゲインを備える、方法。
【請求項28】
前記第1ベースライン計器検証値は、ベースライン質量計器検証値、ベースライン剛性計器検証値、及び、ベースライン導管振幅値のうちの一つである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2物理的属性の前記値を前記第2物理的属性の前記較正値と比較することは、前記第2物理的属性の前記値を前記較正値から決定される参照物理的属性値と比較することを備える、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1ベースライン計器検証値、前記第1物理的属性の前記較正値、前記第2物理的属性の前記値、及び、前記第2物理的属性の前記値と前記第2物理的属性の前記較正値との前記比較のうちの少なくとも一つの共振周波数チェックを行うことをさらに備える、請求項27乃至29のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】