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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000205
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】オイルチェンジャー
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/04 20100101AFI20231225BHJP
   F01M 11/04 20060101ALI20231225BHJP
   F16N 37/00 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B67D7/04 F
F01M11/04 A
F01M11/04 C
F01M11/04 Z
F16N37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098853
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597095120
【氏名又は名称】株式会社岡常歯車製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217881
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 由美
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】野田 一行
(72)【発明者】
【氏名】高部 義幸
【テーマコード(参考)】
3E083
3G015
【Fターム(参考)】
3E083AA15
3E083AG01
3E083AK01
3G015BJ01
3G015BJ03
3G015CA05
3G015CA07
3G015EA18
3G015EA19
3G015EA21
3G015EA22
3G015EA23
3G015FB07
3G015FB08
3G015FB09
(57)【要約】
【課題】オイル交換を全自動にて行うオイルチェンジャーを提供する。
【解決手段】自動車の廃油抜出孔から廃油を抜き取る第1管体11と、自動車の新油注入孔に新油を供給するための第2管体12と、ポンプ8と、電磁弁18,20を有する配管系統Yを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の廃油抜出孔(5)から廃油を抜き取りするための第1管体(11)と、
自動車の新油注入孔(6)に新油を供給する第2管体(12)と、
廃油を貯溜可能なロードセル(31)付の廃油タンク(3)と、
新油を貯溜可能なロードセル(32)付の新油タンク(4)と、
廃油と新油を、順次、圧送するためのポンプ(8)と、
上記廃油タンク(3)と新油タンク(4)とポンプ(8)と第1管体(11)と第2管体(12)とを、接続する、切換用電磁弁(14)(15)(18)(20)付の配管系統(Y)とを、
具備し、
自動車からの廃油の抜き取りと新油の注入を、全自動で順次行うように構成したことを、
特徴とするオイルチェンジャー。
【請求項2】
上記第1管体(11)が挿入される上記廃油抜出孔(5)が、レベルゲージ孔(OL)であり、
上記第2管体(12)によって新油が供給される上記新油注入孔(6)は、エンジンオイルフィラーキャップ(Fc)の孔である
請求項1記載のオイルチェンジャー。
【請求項3】
上記第2管体(12)は、
形状・寸法・接続構造等を相違した複数種類の接続アダプタ(25)…を、一揃えとして、具備し、
さらに、密封用シール材(26)を介して、複数の上記接続アダプタ(25)の内から択一的に選定して、その孔部(25A)に挿入される密封接続先端筒部(28A)を有する単数個の共通管体(28)を、
備えている請求項1記載のオイルチェンジャー。
【請求項4】
上記第1管体(11)には、油滴下防止のための逆止弁(22)が付設されている請求項1又は2記載のオイルチェンジャー。
【請求項5】
上記第2管体(12)には、油滴下防止のための逆止弁(23)が付設されている請求項1,2又は3記載のオイルチェンジャー。
【請求項6】
上記廃油タンク(3)の底壁(3B)を受けるタンク受け板(35)を設け、
該タンク受け板(35)からの荷重を受けるロードセル(31)を設けて、上記廃油タンク(3)内の廃油の重量を計測するように構成し、
さらに、上記タンク受け板(35)の下面には、鉛直状軸心(L1 )廻りに揺動可能として、ロックレバー(36)を設け、
上記ロックレバー(36)は、上面に第1勾配面(41)を有する第1クサビ片(46)が付設され、かつ、上記タンク受け板(35)の下面に第2勾配面(42)を有する第2クサビ片(47)が付設され、
上記ロックレバー(36)を上記鉛直状軸心(L1 )廻りに人力で一方向へ揺動させれば、上記第2勾配面(42)に対して上記第1勾配面(41)が圧接状態となって、上記ロードセル(31)を無負荷状態として保護するように構成した請求項1,2又は3記載のオイルチェンジャー。
【請求項7】
上記新油タンク(4)の底壁(4B)を受けるタンク受け板(35)を設け、
該タンク受け板(35)の下面にロードセル(32)を付設して、上記新油タンク(4)内の新油の重量を計測するように構成し、
さらに、上記タンク受け板(35)の下面には、鉛直状軸心(L1 )廻りに揺動可能として、ロックレバー(36)を設け、
上記ロックレバー(36)は、上面に第1勾配面(41)を有する第1クサビ片(46)が付設され、かつ、上記タンク受け板(35)の下面に第2勾配面(42)を有する第2クサビ片(47)が付設され、
上記ロックレバー(36)を上記鉛直状軸心(L1 )廻りに人力で一方向へ揺動させれば、上記第2勾配面(42)に対して上記第1勾配面(41)が圧接状態となって、上記ロードセル(32)を無負荷状態として保護するように構成した請求項1,2又は3記載のオイルチェンジャー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルチェンジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンオイルの交換は、作業員が人力で行っているのが一般的である。
ところで、オイル交換作業を(一部だけ)自動化する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4-327096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のオイルチェンジャー(特許文献1参照)では、古いオイルの抜き取りと、新しいオイルの注入の作業の一部は、依然、人の手に頼っている。また、古いオイルの抜き取り工程と、新しいオイルの注入の工程とは、別々に行っていたため、非能率的な作業となっていた。
また、作業中に給油ノズルからオイルが滴下して、床等を汚すという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、自動車の廃油抜出孔から廃油を抜き取りするための第1管体と;自動車の新油注入孔に新油を供給する第2管体と;廃油を貯溜可能なロードセル付の廃油タンクと;新油を貯溜可能なロードセル付の新油タンクと;廃油と新油を、順次、圧送するためのポンプと;上記廃油タンクと新油タンクとポンプと第1管体と第2管体とを、接続する、切換用電磁弁付の配管系統とを;具備し;自動車からの廃油の抜き取りと新油の注入を、全自動で順次行うように構成したものである。
【0006】
また、上記第1管体が挿入される上記廃油抜出孔が、レベルゲージ孔であり;上記第2管体によって新油が供給される上記新油注入孔は、エンジンオイルフィラーキャップの孔である。
また、上記第2管体は;形状・寸法・接続構造等を相違した複数種類の接続アダプタを、一揃えとして、具備し;さらに、密封用シール材を介して、複数の上記接続アダプタの内から択一的に選定して、その孔部に挿入される密封接続先端筒部を有する単数個の共通管体を;備えている。
また、上記第1管体には、油滴下防止のための逆止弁が付設されている。
また、上記第2管体には、油滴下防止のための逆止弁が付設されている。
【0007】
また、上記廃油タンクの底壁を受けるタンク受け板を設け;該タンク受け板からの荷重を受けるロードセルを設けて、上記廃油タンク内の廃油の重量を計測するように構成し;さらに、上記タンク受け板の下面には、鉛直状軸心廻りに揺動可能として、ロックレバーを設け;上記ロックレバーは、上面に第1勾配面を有する第1クサビ片が付設され、かつ、上記タンク受け板の下面に第2勾配面を有する第2クサビ片が付設され;上記ロックレバーを上記鉛直状軸心廻りに人力で一方向へ揺動させれば、上記第2勾配面に対して上記第1勾配面が圧接状態となって、上記ロードセルを無負荷状態として保護するように構成した。
【0008】
また、上記新油タンクの底壁を受けるタンク受け板を設け;該タンク受け板の下面にロードセルを付設して、上記新油タンク内の新油の重量を計測するように構成し;さらに、上記タンク受け板の下面には、鉛直状軸心廻りに揺動可能として、ロックレバーを設け;上記ロックレバーは、上面に第1勾配面を有する第1クサビ片が付設され、かつ、上記タンク受け板の下面に第2勾配面を有する第2クサビ片が付設され;上記ロックレバーを上記鉛直状軸心廻りに人力で一方向へ揺動させれば、上記第2勾配面に対して上記第1勾配面が圧接状態となって、上記ロードセルを無負荷状態として保護するように構成した。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、廃油の抜き取りと、新油の注入を、能率良く、全自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の一形態を示す配管系統の半分を示す図である。
図2図1に接続される他の半分を示す配管系統図である。
図3】オイルチェンジャーの正面図である。
図4】平面図である。
図5】左側面図である。
図6】右側面図である。
図7】詳細に表現した正面図である。
図8】天井板を取外して内部配管等を示す平面図である。
図9】詳細に表現した左側面図である。
図10】自動車のボンネットを開放したエンジンルームの一例の斜視図である。
図11】第2管体の一部断面要部拡大図である。
図12】複数種類の接続アダプタを例示した断面図である。
図13】さらに他の接続アダプタを示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
図14】別の接続アダプタを示し、(A)は斜視図、(B)は断面図である。
図15】タンクロックレバーを示す斜視図である。
図16】タンクロックレバーが非作動状態に切換わって、ロードセルの作動可能状態を示す図であって、(A)は簡略平面図、(B)は簡略正面図、(C)は簡略側面図である。
図17】タンクロックレバーが作動状態に切換わって、ロードセルの非作動状態を示す図であって、(A)は簡略平面図、(B)は簡略正面図、(C)は簡略側面図である。
図18】操作パネルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図3図6、及び、図7図9に示したように、本発明に係るオイルチェンジャーは、下部にキャスター(車輪)2…を有し、移動(走行)自在な略直方体状の箱体1を、備える。
箱体1の内部には、廃油を貯溜可能な廃油タンク3、及び、新油を貯溜可能な新油タンク4が、設けられている。また、各タンク3,4には、下部に(重さを計測するための)ロードセル31,32が付設されている。
【0012】
図1図2の配管系統図に於て、※印と※印は、相互に接続されていることを示す。つまり、図1図2は連続した一枚の系統図として見るべき図である。図1図2及び図10に於て、11は、自動車の廃油抜出孔5から(エンジン内の)廃油を抜き取りするための第1管体である。また、12は、自動車の新油注入孔6に、新油を供給する第2管体である。
【0013】
具体的には、図10に示したエンジンルームにおけるレベルゲージ孔OLが、廃油抜出孔5であり、また、エンジンルームにおけるエンジンオイルフィラーキャップFcを設けた孔が、新油注入孔6である。
また、図1に於て、8は油圧ポンプであって、廃油と新油を順次圧送する。即ち、一台のポンプ8によって、廃油と新油を、択一的に圧送させている。言い換えると、一台のポンプ8を共用して、廃油の圧送と、新油の圧送を、交互に行うように構成している。
【0014】
また、図1図2から分るように、廃油タンク3と新油タンク4とは、ティーズ13にて合流して、ポンプ8に接続されるが、このティーズ13と、各タンク3,4とを結ぶ各配管途中に、電磁弁14,15が付設されている。2個の上記電磁弁14,15は連動して交互に開閉作動し、もって、ポンプ8は、廃油タンク3と新油タンク4のいずれか一方と、連通状態となる。なお、図2に於て、44は新油吸出管であり、45は廃油送り込み管である。
【0015】
また、図1から分るように、第1管体11と第2管体12とは、ティーズ16にて合流して、ポンプ8に接続されているが、このティーズ16と、第1管体11とを結ぶ配管17の途中に第1電磁弁18が付設される。さらに、上記ティーズ16と、第2管体12とを結ぶ配管19の途中に第2電磁弁20が付設される。
【0016】
この第1電磁弁18と第2電磁弁20は、連動して交互に開閉作動し、もって、ポンプ8は、廃油用の第1管体11と、新油用の第2管体12のいずれか一方と、連通状態となる。
しかも、上述の4個の電磁弁14,15,18,20は連動作動する。即ち、廃油用の第1管体11とポンプ8とが連通状態のときは、ポンプ8と廃油タンク3とが、連通状態となる。
言い換えると、第1電磁弁18と電磁弁15が「開」となり、残りの電磁弁20,14は「閉」となる。
【0017】
他方、新油用の第2管体12とポンプ8とが連通状態のときには、ポンプ8と新油タンク4とが、連通状態となる。
言い換えると、第2電磁弁20と電磁弁14が「開」となり、残りの電磁弁18,15は「閉」となる。
【0018】
以上説明したように、廃油タンク3と新油タンク4と、ポンプ8と、第1管体11と第2管体12とを、接続する、切換用電磁弁14,15,18,20付の配管系統Yを、具備し、これによって、自動車からの廃油の抜き取りと、新油の注入を、全自動で順次行うことができる。
【0019】
図3図9に於て、箱体1の正面の上部には、操作パネル盤10が、前方上方を向くように配設されている。また、図5図9に示すように、廃油抜き取り用第1管体11,11,11の上部が保持部9に吊下状として保持されている。なお、図例では、3本の第1管体11,11,11が保持されており、その内の1本は廃油用ホース21の先端に、接続されている。残りの2本は予備用であって、図10に示した廃油抜出孔5の径や、エンジンの深さ寸法等に対応して、選択可能としている。
【0020】
また、図1に示すように、第1管体11の上端部位には、油滴下防止用の逆止弁22が付設されている。
さらに、図1及び図11に示すように、第2管体12の上端部位には、油滴下防止用の逆止弁23が付設されている。
【0021】
次に、図1、及び、図11図14に於て、前記第2管体12について、詳しく説明する。即ち、第2管体12は、形状・寸法・接続構造等を相違した複数種類の接続アダプタ25…を、一揃え具備する。
さらに、図11図12のように、Oリング等の密封用シール材26を介して、複数種類の上記接続アダプタ25…の内から、択一的に選定したアダプタ25の孔部25Aに挿入される密封接続先端筒部28Aを有する単数個の共通管体28を、備えている。
【0022】
共通管体28は、例えば、直角に内部流路孔28Cが形成され、上端に、新油用ホース29が接続される。この接続部位に、前述の逆止弁23が設けられている。
なお、図1に示すように、配管系統Yの適宜箇所には、オイルフィルタ33を抜出・挿着自在として、介設する。
【0023】
ここで、図11に示した共通管体28の密封接続先端筒部28Aが挿入される孔部25Aを有する接続アダプタ25について、以下、説明する。
各自動車メーカーによって、図10のフィラーキャップFcの取付孔の形状・寸法が相違する場合が多い。
【0024】
図12(A)~(D)のように複数種類の形状・寸法のものを揃えることで、異なる自動車メーカー、又は、車種のほとんどのものに対応させることが可能となる。さらに、図13又は図14に示す如く、(ネジではなくて)差込係止凹溝34を有する場合もあり、図13又は図14の接続アダプタ25をも予め一揃えとして、準備すれば、一層、他のメーカーや車種にも対応できて、望ましい。なお、図13図14とを比較すると、孔部25Aの深さ寸法が異なることが判る。
なお、接続アダプタ25としては、図12図13図14に限られずに、別の形状・寸法のものも準備して、輸入車や特殊車両等にも対応可能とするも望ましい(図示省略)。
【0025】
次に、図2図7、及び、図15図17に示すように、廃油タンク3の底壁3Bを受けるタンク受け板35が設けられると共に、このタンク受け板35からの荷重を受けるロードセル31を設ける。即ち、廃油タンク3内の廃油の重量を、このロードセル31によって、計測(演算)できる。
【0026】
また、上記タンク受け板35の下面には、鉛直状軸心L1 廻りに揺動可能として、ロックレバー36を枢着している。
ロックレバー36は、上面に第1勾配面41を有する第1クサビ片46が付設されている。また、タンク受け板35の下面には、第2勾配面42を有する第2クサビ片47が付設されている。
【0027】
なお、図15に示すように、ロックレバー36は図16(A)と図17(A)に示した鉛直状軸心L1 に合致する枢着用小孔37を、その基端に有し、かつ、先端38はプラスチックカバーを付設して、人の手にて、ロックレバー36を容易に揺動させ得る。
【0028】
そして、前記ロックレバー36を、図16(A)の状態から、鉛直状軸心L1 廻りに人力(人の手)で、図16(A)の矢印M1 のように(一方向へ)揺動させれば、第2勾配面42に対して第1勾配面41が圧接状態となり(図17(A)(B)参照)、ロードセル31が無負荷状態となって、保護される。
つまり、ロードセル31と、タンク受け板35との間に、小間隙を発生させ、(ロードセル31とタンク受け板35とを遮断し、)ロードセル31を保護することが可能である。例えば、キャスター2によって、装置全体を移動させる際や、タンク3の脱着の際等に、ロードセル31に衝撃が加えられずに済み、ロードセル31が安全に保護できる。なお、図4図9に於て、ロックレバー36が箱体1から小さく突出している状態を示す。
【0029】
次に、図2図7、及び、図15図17に基づいて、以上説明したようなタンク受け板35を、そのまま新油タンク4に対しても兼用する。即ち、新油タンク4の底壁4Bを受けるタンク受け板35が設けられると共に、このタンク受け板35からの荷重を受けるロードセル32を設ける。即ち、新油タンク4内の新油の重量を、このロードセル32によって、計測(演算)できる。
【0030】
また、上記タンク受け板35の下面には、鉛直状軸心L1 廻りに揺動可能として、ロックレバー36を枢着している。
ロックレバー36は、上面に第1勾配面41を有する第1クサビ片46が付設されている。また、タンク受け板35の下面には、第2勾配面42を有する第2クサビ片47が付設されている。
【0031】
そして、ロックレバー36を、図16(A)の状態から、鉛直状軸心L1 廻りに人力(人の手)で、(図16(A)の)矢印M1 のように(一方向へ)揺動させれば、第2勾配面42に対して第1勾配面41が圧接状態となり(図17(A)(B)参照)、ロードセル32が無負荷状態となって、保護される。
つまり、ロードセル32と、タンク受け板35との間に、小間隙を発生させ、(ロードセル32とタンク受け板35とを遮断し、)ロードセル32を保護することが可能である。例えば、キャスター2によって、装置全体を移動させる際や、タンク4の脱着の際等に、ロードセル32に衝撃が加えられずに済み、ロードセル32が安全に保護できる。
【0032】
図18は、図3図5等に示した操作パネル盤10の具体例である。
自動車の廃油抜出孔5として、例えば、図10のレベルゲージ孔OLへ第1管体11を十分深く挿入すると共に、自動車の新油注入孔6として、例えば、図10のフィラーキャップFcを取外した孔へ第2管体12を取付ける。この第2管体12は、図11図14において既に述べたような多種多様な接続アダプタ25の内から、その自動車に合ったものを選択できる。
【0033】
図1図2の配管系統図に示した第1管体11及び第2管体12を、自動車の廃油抜出孔5と新油注入孔6に、各々、接続した状態下で、図18に示す操作パネル盤10の、例えば「全自動交換」ボタン51を押すと、自動廃油抜取りと新油注入を、自動的に、かつ、連続して行うことができる。
また、所望により、「手動抜取」ボタン52、「手動注入」ボタン53を押すと、手動操作で各作業が可能である。また、「 100cc増量」ボタン54や「 100cc減量」ボタン55を押して、前述の全自動交換時の廃油抜取量や新油注入量の微調整も自在に行い得る。
【0034】
このように、自動車への配管接続を上述のように完了させれば、「抜取」「注入」「調整」を操作パネル盤10にて簡単に行うことができ、作業能率を著しく改善できる。また、作業記録をBluetooth (登録商標)やWiFiを用いて、自動で保持することも可能となり、(人の手にて)作業記録を取る手間も省略できる。
【0035】
本発明は、以上詳述したように、自動車の廃油抜出孔5から廃油を抜き取りするための第1管体11と;自動車の新油注入孔6に新油を供給する第2管体12と;廃油を貯溜可能なロードセル31付の廃油タンク3と;新油を貯溜可能なロードセル32付の新油タンク4と;廃油と新油を、順次、圧送するためのポンプ8と;上記廃油タンク3と新油タンク4とポンプ8と第1管体11と第2管体12とを、接続する、切換用電磁弁14,15,18,20付の配管系統Yとを;具備し;自動車からの廃油の抜き取りと新油の注入を、全自動で順次行うように構成したので、オイル交換作業の作業能率の著しい改善を実現できる。
【0036】
また、上記第1管体11が挿入される上記廃油抜出孔5が、レベルゲージ孔OLであり;上記第2管体12によって新油が供給される上記新油注入孔6は、エンジンオイルフィラーキャップFcであるので、一層能率良く、廃油の抜き取りと新油注入とを、連続して行うことが可能となる。
【0037】
また、上記第2管体12は;形状・寸法・接続構造等を相違した複数種類の接続アダプタ25…を、一揃えとして、具備し;さらに、密封用シール材26を介して、複数の上記接続アダプタ25の内から択一的に選定して、その孔部25Aに挿入される密封接続先端筒部28Aを有する単数個の共通管体28を;備えているので、共通管体28と、択一的に選び出された接続アダプタ25とは、容易迅速に密封状態に接続できる。かつ、シール材26が弾発的に孔部25Aの内面に圧接することで、アダプタ25は共通管体28から容易には抜け出ないように嵌合接続状態を維持できる。従って、自動車の種類毎にフィラーキャップの孔の形状・寸法・構造が異なっていたとしても、複数のアダプタ25から択一的に選択したものを共通管体28に取付けて、多種多様な車に確実に対応可能である。
さらに、自動車を(他の修理・点検のために)リフトアップした状態でも、エンジンオイルの交換を可能とすることに大きく寄与できる。
【0038】
また、上記第1管体11には、油滴下防止のための逆止弁22が付設されているので、オイル滴下を防止して、床等を汚すこともなくなる。
また、上記第2管体12には、油滴下防止のための逆止弁23が付設されているので、オイル滴下を防止して、床等を汚すこともなくなる。
【0039】
また、上記廃油タンク3の底壁3Bを受けるタンク受け板35を設け;該タンク受け板35からの荷重を受けるロードセル31を設けて、上記廃油タンク3内の廃油の重量を計測するように構成し;さらに、上記タンク受け板35の下面には、鉛直状軸心L1 廻りに揺動可能として、ロックレバー36を設け;上記ロックレバー36は、上面に第1勾配面41を有する第1クサビ片46が付設され、かつ、上記タンク受け板35の下面に第2勾配面42を有する第2クサビ片47が付設され;上記ロックレバー36を上記鉛直状軸心L1 廻りに人力で一方向へ揺動させれば、上記第2勾配面42に対して上記第1勾配面41が圧接状態となって、上記ロードセル31を無負荷状態として保護するように構成したので、廃油タンク3用のロードセル31に衝撃的な外力が掛ることを、確実に防止でき、しかも、ロードセル31の可動状態と、無負荷状態に、簡単かつ迅速に、切換できる。
【0040】
また、上記新油タンク4の底壁4Bを受けるタンク受け板35を設け;該タンク受け板35の下面にロードセル32を付設して、上記新油タンク4内の新油の重量を計測するように構成し;さらに、上記タンク受け板35の下面には、鉛直状軸心L1 廻りに揺動可能として、ロックレバー36を設け;上記ロックレバー36は、上面に第1勾配面41を有する第1クサビ片46が付設され、かつ、上記タンク受け板35の下面に第2勾配面42を有する第2クサビ片47が付設され;上記ロックレバー36を上記鉛直状軸心L1 廻りに人力で一方向へ揺動させれば、上記第2勾配面42に対して上記第1勾配面41が圧接状態となって、上記ロードセル32を無負荷状態として保護するように構成したので、新油タンク4用のロードセル32に衝撃的な外力が掛ることを、確実に防止でき、かつ、ロードセル32の可動状態と、無負荷状態に、簡単かつ迅速に切換できる。
【符号の説明】
【0041】
3 廃油タンク
3B 底壁
4 新油タンク
4B 底壁
5 廃油抜出孔
6 新油注入孔
8 ポンプ
11 第1管体
12 第2管体
14 電磁弁
15 電磁弁
18 第1電磁弁
20 第2電磁弁
22 逆止弁
23 逆止弁
25 接続アダプタ
25A 孔部
26 シール材
28 共通管体
28A 密封接続先端筒部
31 ロードセル
32 ロードセル
35 タンク受け板
36 ロックレバー
41 第1勾配面
42 第2勾配面
46 第1クサビ片
47 第2クサビ片
Fc フィラーキャップ(の孔)
1 鉛直状軸心
L レベルゲージ孔
Y 配管系統
図1
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図3
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