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特開2024-20523高密度植物栽培システム並びに関連装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020523
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】高密度植物栽培システム並びに関連装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/04 20060101AFI20240206BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20240206BHJP
【FI】
A01G31/04 A
A01G9/02 B
A01G9/02 D
A01G9/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199187
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2020542229の分割
【原出願日】2019-02-01
(31)【優先権主張番号】62/625,014
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520284229
【氏名又は名称】リソ ホールディング アーエス
【氏名又は名称原語表記】Lysaa Holding AS
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ペル オーゲ リソ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高密度の垂直積層植物栽培システム並びに関連装置および方法を提供する。
【解決手段】重力駆動式植物培養システムは、(a)フレーム102、(b)そのフレーム102に搭載された複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリ104を備える。各コンベヤアセンブリ104は、コンベヤ軸108に沿って延在する少なくとも1つの重力コンベヤ106を含む。そのコンベヤ軸108は、フレーム102のフレーム上流端102aからフレーム下流端102bまで水平面に対して下方に傾斜している。このシステムは、(c)各重力コンベヤ106上に回転支持され、重力によりそれぞれのコンベヤ軸108に沿ってフレーム下流端102bに向かって平行移動させられる複数の植物栽培トレイ110をさらに備える。
【選択図】図14A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物栽培システムにおいて、
(a)フレーム上流端および該フレーム上流端から水平に間隔が空けられたフレーム下流端を有するフレーム、
(b)前記フレームに搭載され、垂直に積層された、複数のコンベヤアセンブリであって、該コンベヤアセンブリの各々は、コンベヤ軸に沿って前記フレーム上流端と前記フレーム下流端との間に延在する少なくとも1つのコンベヤを含む、コンベヤアセンブリ、
(c)前記コンベヤの各々の上に支持され、それぞれの前記コンベヤ軸に沿って前記フレーム下流端に向かって平行移動させられる複数の植物栽培トレイであって、該植物栽培トレイの各々は、
(i)トレイ上部および該トレイ上部と垂直方向に反対の位置にあるトレイ底部を有するトレイ本体と、
(ii)植物栄養素溶液を保持するための、前記トレイ本体内にある、栄養素チャンバと、
(iii)植物を保持するための、前記トレイ本体内にある、複数の植物キャビティであって、該植物キャビティの各々は、前記トレイ上部に開いており、前記植物栄養素溶液を植物に提供するために、前記栄養素チャンバと流体連通している、植物キャビティと
(iv)前記トレイ本体と前記栄養素チャンバとを垂直に貫通する、少なくとも1つのトレイ通気孔であって、植物への空気の送達を下から促進し、前記トレイ本体に垂直に空気を通過させるために、前記トレイ上部及び前記トレイ底部に開いている、トレイ通気孔と、を含む植物栽培トレイ、及び、
(d)植物に空気を送達する、空気送達ダクト構造であって、該空気送達ダクト構造から上方に空気を排出して、前記トレイ通気孔を通じて植物に空気を下から送達するために、対応する前記コンベヤアセンブリの下に延びる、複数の下側ダクトアセンブリを含む、空気送達ダクト構造、
を備えた、植物栽培システム。
【請求項2】
前記下側ダクトアセンブリの各々は、上方に空気を排出するために、前記トレイ通気孔と互いに位置合わせされた複数の下側ポートを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記下側ダクトアセンブリの各々は、前記下側ダクトから空気を上方に排出するために、前記コンベヤアセンブリに面する下側ダクト上壁及び該下側ダクト上壁に設けられた一連の下側ポートを有する、少なくとも1つの下側ダクトを含む、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記空気送達ダクト構造は、更に、前記空気送達ダクト構造から下向きに空気を排出し、植物に上方から空気を送達するために、対応する前記コンベヤアセンブリの上方に延びる、複数の上側ダクトアセンブリを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記空気送達ダクト構造は、更に、前記コンベヤアセンブリの上側のものと前記コンベヤアセンブリの下側のものと垂直方向に中間にある、少なくとも1つの中間ダクトアセンブリであって、該中間ダクトアセンブリは、少なくとも1つの中間ダクトを含み、該中間ダクトは、前記コンベヤアセンブリの下側のものに面する中間ダクト底壁、前記中間ダクトから空気を下方に排出するための前記中間ダクト底壁にある一連の上方ポート、前記コンベヤアセンブリの上側のものに面する、前記ダクト底壁と反対側にある中間ダクト上壁、及び、前記中間ダクトから上方に空気を排出するための前記中間ダクト上壁にある一連の下方ポートを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
植物栽培トレイにおいて、
(a)トレイ上部および該トレイ上部と反対側にあるトレイ底部を有するトレイ本体、
(b)植物栄養素溶液を保持するための、前記トレイ本体内にある栄養素チャンバ、
(c)植物を保持するための、前記トレイ本体内にある、複数の植物キャビティであって、該植物キャビティの各々は、前記トレイ上部に開き、植物に前記植物栄養素溶液を供給するために前記栄養素チャンバと流体連通している植物キャビティ、および
(d)前記トレイ本体と前記栄養素チャンバとを垂直に貫通する、少なくとも1つのトレイ通気孔であって、植物への空気の送達を下から促進し、前記トレイ本体に垂直に空気を通過させるために、前記トレイ上部及び前記トレイ底部に開いている、トレイ通気孔、
を備えた、植物栽培トレイ。
【請求項7】
前記トレイ本体が、トレイ下側部分および前記トレイ下側部分内に取り外し可能に入れ子になったトレイ上側部分を含み、前記栄養素チャンバは前記トレイ下側部分内にあり、前記植物キャビティは前記トレイ上側部分にあり、前記トレイ通気孔は前記トレイ下側部分および前記トレイ上側部分を貫通している、請求項6記載のトレイ。
【請求項8】
前記栄養素チャンバが、前記トレイ本体の栄養素チャンバ底壁により下側と区分されており、前記トレイ通気孔が、前記栄養素チャンバ底壁から上方に前記栄養素チャンバを通って延在する通気孔突出部を含む、請求項6または7記載のトレイ。
【請求項9】
前記通気孔突出部が、前記栄養素チャンバと流体隔離され、前記トレイ底部に開かれた中空通気口内部、および、前記中空通気孔内部と前記トレイ上部との間の流体連通を提供する、前記栄養素チャンバの上にある突出部ポートを有する、請求項8記載のトレイ。
【請求項10】
前記通気孔突出部が、前記栄養素チャンバの上にある突出部上壁および前記栄養素チャンバ底壁と前記突出部上壁との間に延在する突出部側壁を含み、前記突出部側壁は、水平に前記中空通気孔内部を取り囲み、前記突出部ポートは、前記突出部上壁を貫通する、請求項9記載のトレイ。
【請求項11】
高密度植物栽培システム内で植物を栽培する方法において、
(a)コンベヤアセンブリ上に複数の植物栽培トレイを支持する工程であって、該植物栽培トレイの各々は、植物を保持する複数の植物キャビティを含み、該植物キャビティは、前記トレイのトレイ上部に開いている、工程、
(b)前記植物栽培トレイの各々の内にある栄養素チャンバに植物栄養素溶液を供給する工程であって、該栄養素チャンバは、前記植物に該植物栄養素溶液を提供するために前記植物キャビティと流体連通している工程、および
(c)ダクト内の複数のポートから上方に空気を排出し、前記トレイを垂直に通して、前記栄養素チャンバの各々を垂直に貫通するトレイ通気孔を通じて、下から前記植物に空気を導く工程、
を有してなる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、植物栽培に関する。より詳しくは、本開示は、高密度の垂直積層植物栽培システム並びに関連装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(Vail等)には、屋内農業モジュールシステムが開示されている。その屋内農業モジュールシステムは、筐体を備えることがある。それに加え、屋内農業モジュールシステムは、その筐体内にある複数の屋内農業モジュール部材であって、その複数の屋内農業モジュール部材は、筐体内の複数の垂直レベルを有する高密度ラッキングシステムを含み、2つの隣接する垂直レベルの間の垂直距離が11インチ(約28cm)以下である、複数の屋内農業モジュール部材;複数の垂直レベルの各レベルに空気流および照明を与える空気流管理照明システム;灌漑システム;および再循環システムを備えることがある。
【0003】
特許文献2(Greiling)には、成形可能な材料の平板内に複数のカップを有する植物トレイであって、そのカップは平行列にあり、その列の少なくともいくつかは、平板内の空気開口がカップ内で成長している植物の茎葉に空気を供給するために、カップの内のいくつかの間に空間を有する、植物トレイが開示されている。隣接する列内のカップは、ずれており、利用可能空間内に、空気開口に近接して位置する最大数のカップを提供するために、六角形などの可変幅形状を有することがある。六角形断面のカップには、植物の根の成長を方向付けるための角もある。空気開口を取り囲む隣接するカップの側壁は、空気排出を改善するための煙突を形成する。
【0004】
特許文献3(Talbott)には、複数の隆起突起を持つ床を有する、植物を成長させるための装置であって、その隆起突起は、それらの間に樋領域を画成し、その突起の上部周囲に対してあるレベルで植物散水流体を保持するように適合された、装置が開示されている。各々が開口を画成する底部を含む、複数の間隔が空けられた下方に延在するセルを有する、受け皿の挿入物も提供される。その挿入物は、第1の位置と第2の位置との間に移動可能である。その第1の位置は、散水流体が開口に入ることができるように、底部がその流体のレベルより下の樋領域内に配置される位置である。第2の位置において、その底部の内の少なくともいくつかは、開口が突起により完全ではなく塞がれ、セル内の流体をそこから排水できるように、突起上に載っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0027112号明細書
【特許文献2】米国特許第4854075号明細書
【特許文献3】米国特許第4495725号明細書
【発明の概要】
【0006】
以下の概要は、出願人の教示の様々な態様を読者に紹介する意図があるが、どのような発明も定義する意図はない。
【0007】
いくつかの態様によれば、重力駆動式植物栽培システムは、(a)フレーム上流端およびそのフレーム上流端から水平に間隔が空けられたフレーム下流端を有するフレーム;および(b)そのフレームに搭載された複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリを備える。各コンベヤアセンブリは、コンベヤ軸に沿ってフレーム上流端とフレーム下流端との間に延在する少なくとも1つの重力コンベヤを含む。そのコンベヤ軸は、フレーム上流端からフレーム下流端まで水平面に対して下方に傾斜している。このシステムは、(c)各重力コンベヤ上に回転支持され、重力によりそれぞれのコンベヤ軸に沿ってフレーム下流端に向かって平行移動させられる複数の植物栽培トレイをさらに備える。各トレイは、(i)トレイ上部およびそのトレイ上部と垂直に反対のトレイ底部を有するトレイ本体;(ii)トレイ本体内にあり、トレイ上部に開いた複数の植物キャビティであって、植物を保持するための植物キャビティ;および(iii)トレイ本体内部にあり、植物キャビティと流体連通している栄養素チャンバであって、植物栄養素溶液を保持するための栄養素チャンバを含む。
【0008】
ある例では、各重力コンベヤは、コンベヤ開口により互いから横方向に間隔が空けられた一対の支持体を備える。各トレイ支持体は、それぞれのコンベヤ軸と略平行なフレーム下流端とフレーム上流端との間に延在するレール、およびそのレールに回転可能に搭載され、コンベヤ軸に沿って互いから間隔が空けられた複数の車輪を備える。一対の支持体の車輪は、コンベヤ上に支持された植物栽培トレイのトレイ裏面と横方向に間隔が空けられて係合する。各トレイ裏面は、コンベヤ軸に略平行に、水平面に対して下方に傾斜している。
【0009】
ある例では、トレイ本体は、底壁面にある栄養素チャンバ底壁、およびその栄養素チャンバ底壁の周囲から上方に延在する栄養素チャンバ側壁を含む。その栄養素チャンバ底壁および栄養素チャンバ側壁は、栄養素チャンバを包囲する。その栄養素チャンバ底壁は、この栄養素チャンバ底壁に亘り植物栄養素溶液の深さを略一定に維持するために、水平面と略平行である。
【0010】
ある例では、栄養素チャンバは、一対のトレイ支持体の横方向に中間にある。ある例では、栄養素チャンバは、コンベヤ開口中に延在する。
【0011】
ある例では、各トレイは、トレイ本体を貫通する少なくとも1つのトレイ通気孔を含む。そのトレイ通気孔は、トレイ上部に開いた通気孔上端とトレイ底部に開いた通気孔下端との間に、水平面に対して直角な垂直通気孔軸に沿って延在する。このトレイ通気孔は、トレイ本体に空気を通過させて、植物への空気の送達を下から促進させるためにある。ある例では、トレイ通気孔は、栄養素チャンバを貫通する。
【0012】
ある例では、前記システムは、植物に空気を送達するための空気送達ダクト構造をさらに備える。この空気送達ダクト構造は、空気送達ダクト構造から下方に空気を排出して、植物に空気を上から送達するための、各植物栽培トレイの上にある複数の第1のポート、および空気送達ダクト構造から上方に空気を排出して、トレイ通気孔を通じて植物に空気を下から送達するための、各植物栽培トレイの下にある複数の第2のポートを含む。
【0013】
いくつかの態様によれば、重力駆動式植物栽培システム用の植物栽培トレイは、(a)トレイ上部、そのトレイ上部と垂直に反対のトレイ底部、トレイ前部、およびそのトレイ前部と軸方向に反対のトレイ後部を有するトレイ本体を備える。そのトレイ本体は、(i)重力コンベヤの車輪と係合して植物栽培トレイをその上に回転支持するための一対の横方向に間隔が空けられたトレイ裏面を含む。各裏面は、トレイがコンベヤ上で支持されているときに、トレイ後部からトレイ前部に、水平面に対して下方に傾斜している。そのトレイ本体は、(ii)底壁面にある栄養素チャンバ底壁、および(iii)その栄養素チャンバ底壁の周囲から上方に延在する栄養素チャンバ側壁を含む。その栄養素チャンバ底壁および栄養素チャンバ側壁は、植物栄養素溶液を保持するために、栄養素チャンバをトレイ本体内部に包囲する。その栄養素チャンバ底壁は、トレイが、この栄養素チャンバ底壁に亘り植物栄養素溶液の深さを略一定に維持するためにコンベヤ上に支持されているときに、水平面と略平行である。植物栽培トレイは、(b)植物を保持するための、トレイ本体内にある複数の植物キャビティをさらに備える。この植物キャビティは、トレイ上部に開き、植物に植物栄養素溶液を供給するために栄養素チャンバと流体連通している。
【0014】
ある例では、栄養素チャンバ底壁は、裏面の下の高さで、横方向に中間にある。
【0015】
ある例では、トレイは、トレイ本体を貫通する少なくとも1つのトレイ通気孔を含む。そのトレイ通気孔は、トレイ上部に開いた通気孔上端とトレイ底部に開いた通気孔下端との間に、水平面に対して直角な垂直通気孔軸に沿って延在する。このトレイ通気孔は、トレイ本体に空気を通過させて、植物への空気の送達を下から促進させるためにある。ある例では、トレイ通気孔は、栄養素チャンバを貫通する。
【0016】
ある例では、各植物キャビティは、トレイ上部に開いたキャビティ上端とそのキャビティ上端の下のキャビティ下端との間に、水平面に対して直角な垂直キャビティ軸に沿って延在する。ある例では、各植物キャビティのキャビティ下端は、共通のキャビティ底平面にあり、そのキャビティ底平面は、トレイが重力コンベヤ上に支持されているときに、水平面と略平行である。ある例では、各植物キャビティのキャビティ上端は、共通のキャビティ上平面にあり、そのキャビティ上平面は、トレイが重力コンベヤ上に支持されているときに、水平面と略平行である。
【0017】
いくつかの態様によれば、高密度植物栽培システムを作動させる方法は、(a)植物を保持する複数の植物栽培トレイを重力コンベヤ上に回転支持する工程であって、重力コンベヤは、フレーム上流端とフレーム下流端との間にコンベヤ軸に沿って延在し、そのコンベヤ軸は、フレーム上流端からフレーム下流端まで、水平面に対して下方に傾斜している工程、(b)空気、植物栄養素溶液、および光を植物に送達して、植物成長を促進する工程、および(c)重力により、フレーム下流に向かってコンベヤ軸に沿って、重力コンベヤ上で支持された植物栽培トレイを転がす工程を有してなる。
【0018】
ある例では、その方法は、各トレイ内部の栄養素チャンバに植物栄養素溶液を供給する工程であって、栄養素チャンバが、植物と流体連通しており、トレイの栄養素チャンバ底壁により下から取り囲まれており、その栄養素チャンバ底壁が底壁面にある工程、および工程(a)から(c)中、底壁面を水平面と略平行に維持する工程をさらに含む。
【0019】
いくつかの態様によれば、植物栽培システムは、(a)フレーム上流端およびそのフレーム上流端から水平に間隔が空けられたフレーム下流端を有するフレーム;および(b)そのフレームに搭載された複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリを備える。各コンベヤアセンブリは、コンベヤ軸に沿ってフレーム上流端とフレーム下流端との間に延在する少なくとも1つのコンベヤを含む。このシステムは、(c)それぞれのコンベヤ軸に沿ってフレーム下流端に向かって平行移動させるために、各コンベヤ上に支持された複数の植物栽培トレイをさらに備える。各植物栽培トレイは、(i)トレイ上部およびそのトレイ上部と垂直に反対のトレイ底部を有するトレイ本体;(ii)トレイ本体内にあり、トレイ上部に開いた複数の植物キャビティであって、植物を保持するための植物キャビティ;および(iii)トレイ本体を垂直に貫通する少なくとも1つのトレイ通気孔であって、空気をトレイ本体に垂直に通して、植物への空気の送達を下から促進させるために、トレイ上部とトレイ底部に開いたトレイ通気孔を備える。このシステムは、(d)空気を植物に送達するための空気送達ダクト構造をさらに備える。この空気送達ダクト構造は、空気送達ダクト構造から下方に空気を排出して、植物に空気を上から送達するための、各植物栽培トレイの上にある複数の第1のポート、および空気送達ダクト構造から上方に空気を排出して、トレイ通気孔を通じて植物に空気を下から送達するための、各植物栽培トレイの下にある複数の第2のポートを含む。
【0020】
ある例では、各トレイ通気孔は、トレイ上部に開いた通気孔上端とトレイ底部に開いた通気孔下端との間に延在し、通気孔下端は、第2のポートの内の少なくとも1つから排出された空気を受け入れるために、その第2のポートの内の少なくとも1つの上に重なっている。
【0021】
ある例では、各植物栽培トレイは、トレイ本体内部にある、植物キャビティと流体連通している栄養素チャンバを備える。その栄養素チャンバは、植物栄養素溶液を保持するためにある。ある例では、トレイ通気孔は、その栄養素チャンバを垂直に貫通する。
【0022】
ある例では、各トレイは、トレイ上部とトレイ底部との間に延在するトレイ側壁を備え、そのトレイ側壁は、水平に外向きの側壁外面およびその側壁外面の水平内側に延在し、トレイ上部とトレイ底部に開いた少なくとも1つの通気孔凹部を有する。ある例では、そのトレイ通気孔は通気孔凹部から作られている。
【0023】
ある例では、各コンベヤは、コンベヤ開口により互いから横方向に間隔が空けられ、コンベヤ軸に沿ってフレーム上流端とフレーム下流端との間に延在する一対の支持体を含む。その支持体は、コンベヤ上に支持された植物栽培トレイのトレイ裏面と横方向に間隔を空けて係合する。コンベヤ上に支持された植物栽培トレイのトレイ通気孔は、一対のトレイ支持体の横方向の中間にあり、コンベヤ開口の上に重なっている。
【0024】
ある例では、空気送達ダクト構造は、空気を第1と第2のポートに導くための複数のダクトアセンブリを含む。そのダクトアセンブリは、互いから垂直に間隔が空けられており、コンベヤアセンブリとダクトアセンブリは、互いの間に垂直に入れられている。
【0025】
ある例では、空気送達ダクト構造は、空気をそこに導くために各ダクトアセンブリと流体連通しているダクトヘッダーを含む。
【0026】
ある例では、ダクトアセンブリは、コンベヤアセンブリの上に上側ダクトアセンブリを含む。その上側ダクトアセンブリは、コンベヤアセンブリに面する上側ダクト底壁を有する少なくとも1つの上側ダクト、およびその上側ダクトから下方に空気を排出するための上側ダクト底壁にある一連の第1のポートを含む。
【0027】
ある例では、ダクトアセンブリは、コンベヤアセンブリの下に下側ダクトアセンブリを含む。その下側ダクトアセンブリは、コンベヤアセンブリに面する下側ダクト上壁を有する少なくとも1つの下側ダクト、およびその下側ダクトから上方に空気を排出するための下側ダクト上壁にある一連の第2のポートを含む。
【0028】
ある例では、ダクトアセンブリは、少なくとも1つの中間ダクトアセンブリであって、その中間ダクトアセンブリの上のコンベヤアセンブリの上側のものと、その中間ダクトアセンブリの下のコンベヤアセンブリの下側のものとの垂直に中間にある少なくとも1つの中間ダクトアセンブリを含む。その中間ダクトアセンブリは、少なくとも1つの中間ダクトであって:コンベヤアセンブリの下側のものに面する中間ダクト底壁、中間ダクトから下方に空気を排出するための中間ダクト底壁にある一連の第1のポート、コンベヤアセンブリの上側のものに面する、中間ダクト底壁と反対にある中間ダクト上壁、および中間ダクトから上方に空気を排出するための中間ダクト上壁にある一連の第2のポートを有する少なくとも1つの中間ダクトを備える。
【0029】
ある例では、コンベヤ軸は、重力による、フレーム下流端に向かうコンベヤ軸に沿った植物栽培トレイの平行移動を促進するために、フレーム上流端からフレーム下流端まで、水平面に対して下方に傾斜している。ある例では、各コンベヤアセンブリは複数のダクトを含み、各ダクトとは、コンベヤ軸に対して垂直にコンベヤアセンブリに亘り横方向に延在している。各ダクトアセンブリのダクトは、コンベヤアセンブリ軸に沿って互いから間隔が空けられている。そのコンベヤアセンブリ軸は、コンベヤ軸と平行である。
【0030】
ある例では、各コンベヤアセンブリは、概して共通の高さに搭載され、隣り合ったレーンに配列された複数のコンベヤを含み、各コンベヤアセンブリのコンベヤは、第1のコンベヤおよびその第1のコンベヤから横方向に間隔が空けられ、それと平行に延在する第2のコンベヤを含む。ある例では、空気送達ダクト構造が、第1と第2のコンベヤの横方向に中間の1つ以上のダクトヘッダー、各第1のコンベヤ上に支持されたトレイ内に保持された植物に空気を送達するための、ダクトヘッダーの第一面から横方向に延在する複数の第1のダクトアセンブリ、および各第2のコンベヤ上に支持されたトレイ内に保持された植物に空気を送達するための、第一面と反対のダクトヘッダーの第二面から横方向に延在する複数の第2のダクトアセンブリを含む。ある例では、その1つ以上のダクトヘッダーは、そこに空気を導くために第1のダクトアセンブリと流体連通している第1のダクトヘッダー、およびそこに空気を導くために第2のダクトアセンブリと流体連通している第2のダクトヘッダーを含む。ある例では、第1のダクトヘッダーは、第2のダクトヘッダーから軸方向に間隔が空けられている。ある例では、各ダクトヘッダーは略垂直に向けられており、各ダクトアセンブリは略水平に向けられている。
【0031】
いくつかの態様によれば、植物栽培トレイは、(a)トレイ上部およびそのトレイ上部と反対のトレイ底部を有するトレイ本体、(b)植物栄養素溶液を保持するための、トレイ本体内部の栄養素チャンバ、(c)植物を保持するためのトレイ本体内の複数の植物キャビティであって、各植物キャビティは、トレイ上部に開いており、植物に植物栄養素溶液を提供するために栄養素チャンバと流体連通している、複数の植物キャビティ、および(d)トレイ本体および栄養素チャンバを垂直に貫通している少なくとも1つのトレイ通気孔であって、トレイ本体に空気を垂直に通過させて、下からの植物への空気の送達を促進させるためにトレイ上部およびトレイ底部に開いたトレイ通気孔を備えている。
【0032】
ある例では、トレイ本体は、トレイ下側部分およびそのトレイ下側部分内に取り外し可能に入れ子になったトレイ上側部分を含む。栄養素チャンバはトレイ下側部分内にあり、植物キャビティはトレイ上側部分内にあり、トレイ通気孔は、そのトレイ下側部分およびトレイ上側部分を貫通している。
【0033】
ある例では、トレイ本体は、栄養素チャンバ底壁およびその栄養素チャンバ底壁の周囲から上方に延在する栄養素チャンバ側壁を含む。その栄養素チャンバ底壁および栄養素チャンバ側壁は、栄養素チャンバを取り囲んでいる。
【0034】
ある例では、トレイ通気孔は、栄養素チャンバ底壁から上方に栄養素チャンバを通って延在する通気孔突出部を含む。この通気孔突出部は、栄養素チャンバと流体隔離された中空通気孔内部、および通気孔内部とトレイ上部との間に流体連通を提供する、栄養素チャンバの上にある突出部ポートを含む。ある例では、通気孔突出部は、栄養素チャンバの上にある突出部上壁およびチャンバ底壁と突出部上壁との間に延在する突出部側壁を含む。その突出部側壁は通気孔内部を水平に取り囲み、突出部ポートは突出部上壁内にある。
【0035】
いくつかの態様によれば、高密度植物栽培システム内で植物を栽培する方法は、(a)コンベヤアセンブリ上に複数の植物栽培トレイを支持する工程であって、各植物栽培トレイは、植物を保持する複数の植物キャビティを含み、その植物キャビティは、トレイのトレイ上部に開いている工程、(b)各植物栽培トレイ内の栄養素チャンバに植物栄養素溶液を供給する工程であって、その栄養素チャンバは、植物に植物栄養素溶液を提供するために植物キャビティと流体連通している工程、および(c)ダクト内の複数のポートから上方に空気を排出し、トレイを垂直に通して、各栄養素チャンバを垂直に貫通するトレイ通気孔を通じて、下から植物にその空気を導く工程を有してなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
ここに含まれる図面は、本明細書の装置および方法の様々な例を図示するためであり、教示されているものの範囲をいかようにも限定する意図はない。
図1】例示の植物栽培システムの斜視図
図1A図1のシステムの部分分解図
図2図1のシステムの側面図
図3図1のシステムのコンベヤ上に支持された植物栽培トレイを示す、図1のシステムの一部の概略側面図
図4図1のシステムの背面図
図5図1のシステムのコンベヤ上に支持された植物栽培トレイを示す、図1のシステムの一部の概略背面図
図6図1のシステムの植物栽培トレイの斜視図
図7図6のトレイの上面図
図8図7の線8-8に沿ってとられた図6のトレイの分解断面図
図9図7の線9-9に沿ってとられた図6のトレイの分解断面図
図10図7の線8-8のような断面線に沿ってとられた、図1のシステムの一部の概略断面背面図
図11図6のトレイのトレイ下側部分の上面斜視図
図12図11のトレイ下側部分の底面斜視図
図13図11のトレイ下側部分の側面図
図14A】随意的なトレイ装填装置および随意的なトレイ抽出装置がそれぞれの第1の配置にある、図1のシステムの概略側面図
図14B図14Aの図のようであるが、それぞれの第2の配置にあるトレイ装填装置およびトレイ抽出装置を示す概略側面図
図15図1のもののようなシステム用の別の例示の植物栽培トレイの上面斜視図
図16図15の線16-16に沿ってとられた、図15のトレイの断面斜視図
図17図15のトレイの底面斜視図
図18図15のトレイの下側部分および上げ床の上面斜視図
図19図18の図のようであるが、上げ床が取り除かれた上面斜視図
図20】別の例示の植物栽培システムの概略側面図
図21】別の例示の植物栽培システムの斜視図
図21A図21のシステムの部分分解図
図22図21Aの線22-22でとられた、図21のシステムのダクト部分の断面図
図23】別の例示の植物栽培システムの斜視図
図24図23のシステムの空気送達ダクト構造の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0037】
各請求項の発明の実施の形態の例を提供するために、様々な装置または方法が、下記に記載されている。下記に記載されたどの実施の形態も、どの請求項の発明を限定するものではなく、どの請求項の発明も、下記に記載されたものと異なる方法または装置に及ぶであろう。その請求項の発明は、下記に記載されたいずれか1つの装置または方法の特徴の全てを有する装置または方法に、もしくは下記に記載された装置の複数または全てに共通する特徴に限定されない。下記に記載された装置または方法は、どの請求項の発明の実施の形態でもない可能性がある。この書類の請求項に記載されていない、下記に記載された装置または方法に開示されたどの発明も、別の保護手段、例えば、継続特許出願の主題であってもよく、出願人、発明者、または所有権者は、この書類の開示により、どのそのような発明も、遺棄する、放棄する、または共用に捧げる意図はない。
【0038】
本出願において、発明者等は、屋内環境において生産的な植物成長を促進できる、高密度の垂直積層植物栽培システムを開示する。ここに開示された設計の態様は、より効率的、簡単な、費用効果的な、および/または信頼できる栽培システムを提供できる特徴を含む。ここに開示された特徴のいくつかは、そのように試みたときに経験する難題を克服するやり方で、そのシステムの所定の全体積について植物密度を増加させる。例えば、発明者等は、増加した密度により、そのシステム内で栽培される全ての植物にとって植物成長の最適環境を提供することが難しくなることを見出した。ここに開示された特徴は、そのシステム内で栽培されている植物に、空気(様々な気体を含む)、栄養素溶液、および/または照明のより均一な供給を与えるのに役立つことによって、この課題に対処しようとするものである。
【0039】
図1および1Aを参照すると、図示された例において、植物栽培システム100は、フレーム上流端102aおよびフレーム上流端102aから水平に間隔が空けられたフレーム下流端102bを有するフレーム102を備える。図2を参照すると、図示された例において、フレーム102に、複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリ104が搭載されている。各コンベヤアセンブリ104は、コンベヤ軸108に沿ってフレーム上流端102aとフレーム下流端102bとの間に延在する少なくとも1つのコンベヤ106(図3も参照のこと)を含む。図4を参照すると、図示された例において、各コンベヤアセンブリ104は、概して共通の高さに搭載され、隣り合ったレーンに配列された複数のコンベヤ106を含む。図示された例において、各コンベヤアセンブリ104は、3つのコンベヤ106を含む。
【0040】
図2および3を参照すると、図示された例において、フレーム下流端102bに向かってそれぞれのコンベヤ軸108に沿って平行移動するために、各コンベヤ106上に、複数の植物栽培トレイ110が支持されている。図示された例において、コンベヤ106の各々は、6個の植物栽培トレイ110を支持している。植物栽培トレイ110は、コンベヤ軸108に沿って互いに隣接して各コンベヤ上に支持されている。
【0041】
図6を参照すると、図示された例において、各植物栽培トレイ110は、トレイ上部114およびトレイ上部114と垂直に反対のトレイ底部115(図5も参照のこと)を有するトレイ本体112を含む。各トレイ110は、トレイ上部114に開いた、トレイ本体112内の複数の植物キャビティ116をさらに含む。植物キャビティ116は、植物(例えば、図5に示されたような植物118)を保持するためのものである。図示された例において、各トレイ110は、36個の植物を保持するために6×6配列で配列された36個の植物キャビティ116を含む。
【0042】
図2および3を参照すると、図示された例において、各コンベヤ106に沿ったトレイ110の動きは重力駆動され、各コンベヤ106のコンベヤ軸108は、フレーム上流端102aからフレーム下流端102bまで水平面120に対して下方に傾斜している。水平面120は、重力に対して直角である。植物栽培トレイ110は、各コンベヤ106上に回転支持され、重力によりフレーム下流端102bに向かってそれぞれのコンベヤ軸108に沿って平行移動させられる。コンベヤ軸108は、例えば、約0.5度と約5度の間の角度で、水平面120に対して下方に傾斜し得る。ある例では、コンベヤ軸108は、約0.5度と約1.5度の間の角度で水平面120に対して下方に傾斜している。図示された例において、コンベヤ軸108は、約1度の角度で水平面120に対して下方に傾斜している。
【0043】
図5を参照すると、図示された例において、各コンベヤ106は、コンベヤ開口124によって互いから横方向に間隔が空けられた一対の支持体122を含む。図3を参照すると、図示された例において、各トレイ支持体122は、それぞれのコンベヤ軸108と略平行な、フレーム上流端102aとフレーム下流端102bとの間に延在するレール126、およびコンベヤ106上にトレイ110を回転支持するために、レール126に回転可能に搭載され、コンベヤ軸108に沿って互いから間隔が空けられた複数の車輪128を含む。
【0044】
まだ図3を参照すると、図示された例において、各植物栽培トレイ110は、トレイ前部130、トレイ前部130と軸方向に反対のトレイ後部132、および一対のトレイ支持体122の車輪128と係合して、コンベヤ106上にトレイ110を回転支持する一対の横方向に間隔が空けられたトレイ裏面134(図5も参照のこと)を含む。図示された例において、トレイ110の各裏面134は、トレイ後部132からトレイ前部130まで水平面120に対して下方に傾斜している。植物栽培トレイ110がコンベヤ106上に支持されているときに、各トレイ110のトレイ裏面134は、コンベヤ軸108と略平行である。
【0045】
図8および9を参照すると、図示された例において、各植物栽培トレイ110は、トレイ本体112内部にあり、植物キャビティ116と流体連通している栄養素チャンバ136を備えている(図10および11も参照のこと)。栄養素チャンバ136は、植物成長を促進するために植物118に与えられるべき植物栄養素溶液138(図10)を保持するためのものである。図示された例において、トレイ本体112は、トレイ下側部分112aおよびトレイ下側部分112a内に取り外し可能に入れ子になったトレイ上側部分112bを含む。図示された例において、栄養素チャンバ136はトレイ下側部分112a内にあり、植物キャビティ116はトレイ上側部分112b内にある。トレイ上側部分112bは、例えば、栄養素チャンバ136を含む、トレイ110の内部へのアクセスを容易にするために、トレイ下側部分112aから取り外すことができる。図示された例において、植物栽培トレイ110はツーピース構造のものであり、トレイ下側部分112aおよびトレイ上側部分112bの各々は、一体型、単一体のワンピース構造のものである。
【0046】
まだ図8および9を参照すると、図示された例において、トレイ本体112は、底壁面142にある栄養素チャンバ底壁140、および栄養素チャンバ底壁140の周囲から上方に延在する栄養素チャンバ側壁144を含む。栄養素チャンバ底壁140および栄養素チャンバ側壁144は、栄養素チャンバ136を取り囲む(図10および11も参照のこと)。図示された例において、栄養素チャンバ底壁140は、栄養素チャンバ底壁140に亘り植物栄養素溶液の深さを略一定に維持するために、コンベヤ106上にトレイ110が支持されているときに、水平面120と略平行である。これにより、トレイ110内の全てのキャビティに亘り、各植物のより均一な栄養摂取を促進させることができる。
【0047】
図8を参照すると、図示された例において、栄養素チャンバ底壁140は、トレイ裏面134の横方向の中間で、その下のある高さにある。図10を参照すると、植物栽培トレイ110がコンベヤ106上に支持されているときに、栄養素チャンバ136は、一対のトレイ支持体122の横方向の中間にあり、コンベヤ開口124中に延在する。
【0048】
図8を参照すると、図示された例において、各植物キャビティ116は、キャビティ軸146に沿って、トレイ上部114に開いたキャビティ上端148と、キャビティ上端148の下のキャビティ底端150との間に延在する。図示された例において、キャビティ軸146は、トレイ110がコンベヤ106上に支持されているときに、水平面120に対して直角である。図示された例において、各トレイ110内の植物キャビティ116のキャビティ上端148は、共通のキャビティ上平面152にある。図示された例において、キャビティ上平面152は、トレイ110がコンベヤ106上に支持されているときに、水平面120(および底壁面142)と略平行である。
【0049】
図示された例において、各トレイ110内の植物キャビティ116のキャビティ底端150は、共通のキャビティ底平面154にある。図示された例において、キャビティ底平面154は、トレイ110がコンベヤ106上に支持されているときに、水平面120(および底壁面142)と略平行である。図示された例において、各キャビティ底端150は、栄養素チャンバ底壁140の上にある。図10を参照すると、図示された例において、各キャビティ底端150は、トレイ上側部分112bがトレイ下側部分112a内に入れ子になっているときに(図10参照のこと)、栄養素チャンバ136内にある。
【0050】
図9を参照すると、図示された例において、各植物キャビティ116は、キャビティ底端150を画成するキャビティ底壁156、およびキャビティ軸146に沿って、キャビティ底壁156とキャビティ上端148との間に延在するキャビティ側壁158により取り囲まれている。図示された例において、キャビティ底壁156は、トレイ上側部分112bがトレイ下側部分112a内に入れ子になっているときに(図10参照のこと)、栄養素チャンバ136内に位置付けられている。キャビティ底壁156およびキャビティ側壁158の少なくとも一方は、栄養素チャンバ136と植物キャビティ116との間の流体連通を与えるための1つ以上の穿孔159を有する。図示された例において、各穿孔は、キャビティ底壁156およびキャビティ側壁158を貫通している。図示された例において、トレイ上側部分112bは、キャビティ底壁156およびキャビティ側壁158を構成する。
【0051】
図示された例において、キャビティ側壁158は、キャビティ底壁156から上方にキャビティ上端148に向かって延在する側壁下側部分160、および側壁下側部分160からキャビティ上端148に延在する側壁上側部分162を含む。図示された例において、キャビティ底壁156および側壁下側部分160は、植物根を保持するためのキャビティ下側部分116aを画成する。図示された例において、側壁上側部分162は、キャビティ上側部分116bを画成し、植物の植物被(例えば、図10に示された植物118の植物被118a)を支持するためのものである。図示された例において、側壁上側部分162は、植物被の下側部分と係合して、植物被の成長を支援し方向付けるための上側部分内面164を有する(図10参照のこと)。図示された例において、上側部分内面164は、略円錐台状であり、側壁下側部分160からキャビティ上端148まで、側壁下側部分160に対してキャビティ軸146に沿って半径方向外側に広がっている。
【0052】
図10を参照すると、図示された例において、各トレイ110は、トレイ本体112を垂直に貫通する少なくとも1つのトレイ通気孔166をさらに含む。各トレイ通気孔166は、空気をトレイ本体112に垂直に通して、下からの植物118への空気の送達を促進するために、トレイ上部114およびトレイ底部115に開いている。図示された例において、各トレイ通気孔166は、トレイ下側部分112aおよびトレイ上側部分112bを貫通している。図示された例において、各トレイ通気孔166は、通気孔軸168に沿って、トレイ上部114に開いた通気孔上端170およびトレイ底部115に開いた通気孔底端172の間に延在する。図示された例において、通気孔軸168は、トレイ110がコンベヤ106上に支持されているときに、水平面120に対して直角である。図6を参照すると、図示された例において、トレイ110は複数のトレイ通気孔166を含み、そのトレイ通気孔166は植物キャビティ116の間に置かれている。図示された例において、各トレイ110は、5×5配列で配列された25のトレイ通気孔166を含む。
【0053】
図9を参照すると、図示された例において、トレイ通気孔166は、栄養素チャンバ136(図10および11も参照のこと)を垂直に貫通している。図示された例において、各トレイ通気孔166は、栄養素チャンバ側壁144から水平方向に内側に間隔が空けられている。図示された例において、各トレイ通気孔166は、栄養素チャンバ底壁140から上方に、栄養素チャンバ136を通って延在する通気孔突出部174を含む。通気孔突出部174は、栄養素チャンバ136と流体隔離された中空通気孔内部176、および通気孔内部176とトレイ上部114との間に流体連通を提供する、栄養素チャンバ136の上にある突出部ポート182を含む。図示された例において、通気孔突出部174は、栄養素チャンバ136の上にある突出部上壁178およびチャンバ底壁140と突出部上壁178との間に延在する突出部側壁180を含む。図示された例において、突出部側壁180は通気孔内部176を水平に取り囲み、突出部ポート182は突出部上壁178内にある。図示された例において、各トレイ通気孔166は、トレイ上側部分112b内にトレイポート184をさらに含む。図示された例において、突出部ポート182は、トレイポート184を通じて、通気孔内部176とトレイ上部114との間に流体連通を提供する。図示された例において、トレイ上側部分112bは、トレイ下側部分112a内に入れ子になっているときに、突出部上壁178上に支持されている。
【0054】
植物栽培システム100は、植物に空気(および他の気体)を供給して、植物成長を促進させるための空気処理システムを含み得る。図1Aを参照すると、図示された例において、その空気処理システムは、トレイ110内に保持された植物に空気を送達するための空気送達ダクト構造190を含む。空気送達ダクト構造190は、空調装置と流体連通して、植物118に送達するための調整空気を受け取ることができる。その空気は、例えば、栽培されている植物の成長を最適化するのに適した気体の湿度、温度、および/または濃度を有するように調整することができる。ある例では、空気は、約20~25℃の気温、約65%±5%の相対湿度、および約1000ppmから1500ppmの二酸化炭素濃度を有するように調整することができる。
【0055】
図10を参照すると、図示された例において、空気送達ダクト構造190は、空気送達ダクト構造190から下方に空気を排出して、植物118に空気を上から送達するための、コンベヤアセンブリ104上に支持された各植物栽培トレイ110の上にある複数の第1のポート192を含む。空気送達ダクト構造190は、空気送達ダクト構造190から上方に空気を排出して、トレイ通気孔166を通じて植物118に空気を下から送達するための、コンベヤアセンブリ104上に支持された各植物栽培トレイ110の下にある複数の第2のポート194をさらに含む。植物118に上と下の両方から空気を送達することは、植物118の植物被118aの全体に亘る空気分布を改善するのに役立ち、植物の成長を改善するのに役立ち、植物栽培システム100を通過する、全植物のための均一な環境を提供するのに役立つことができる。
【0056】
図示された例において、コンベヤ106に支持されたトレイ110のトレイ通気孔166は、一対のトレイ支持体122の横方向の中間にあり、コンベヤ開口124の上に重なっている。図示された例において、第2のポート194からの空気の上方の排出は、コンベヤ開口124およびトレイ通気孔166を上方に通って、植物118に下から空気を送達する。図示された例において、各トレイ通気孔166の通気孔底端172は、第2のポート194の内の少なくとも1つから排出された空気を受け入れるために、その第2のポート194の内の少なくとも1つの上に重なっている。
【0057】
図1Aを参照すると、図示された例において、空気送達ダクト構造190は、空気を第1と第2のポート192、194に導くための複数のダクトアセンブリ196を含む。ダクトアセンブリ196は、互いから垂直に間隔が空けられている。図示された例において、コンベヤアセンブリ104とダクトアセンブリ196は、互いの間に垂直に入れられている(例えば、図1および2参照のこと)。
【0058】
図示された例において、空気送達ダクト構造190は、空気をそこに導くために各ダクトアセンブリ196と流体連通しているダクトヘッダー202を含む。ダクトヘッダー202は、調整空気をそこから受け入れ、その調整空気を各ダクトアセンブリ196に導くために、空調装置と流体連通することができる。
【0059】
図示された例において、各ダクトアセンブリ196は、それぞれの気流を第1および/または第2のポート192、194に導くための複数のダクト198を含む。図示された例において、各ダクトアセンブリ196は6個のダクト198を含む。図示された例において、各ダクト198は、コンベヤ軸108に対して垂直に、コンベヤアセンブリ104を横方向に亘り延在する。図示された例において、各ダクト198は、それぞれの水平ダクト軸200に沿って、空気を受け入れるためにダクトヘッダー202と流体連通しているダクト第1端部と、そのダクト第1端部から水平方向に間隔が空けられたダクト第2端部との間に延在している。図示された例において、各ダクト軸200は、コンベヤ軸108に対して略垂直である。図示された例において、各ダクトアセンブリ196のダクト198は、それぞれのダクトアセンブリ軸197に沿って、互いから間隔が空けられている。図示された例において、ダクトアセンブリ軸197は、コンベヤ軸108と略平行である(図2も参照のこと)。
【0060】
まだ図1Aを参照すると、図示された例において、ダクトアセンブリ196は、一連のコンベヤアセンブリ104の上の上側ダクトアセンブリ196aを含む。上側ダクトアセンブリ196aは、少なくとも1つの上側ダクト198aを含む。図10を参照すると、図示された例において、上側ダクト198aは、一連のコンベヤアセンブリ104に面する上側ダクト底壁204、および上側ダクト198aから下方に空気を排出するための上側ダクト底壁204にある一連の第1のポート192を含む。
【0061】
図1Aを参照すると、図示された例において、ダクトアセンブリ196は、一連のコンベヤアセンブリ104の下に下側ダクトアセンブリ196bをさらに含む。下側ダクトアセンブリ196bは、少なくとも1つの下側ダクト198bを含む。下側ダクト198bは、一連のコンベヤアセンブリ104に面する下側ダクト上壁206、および下側ダクト198bから上方に空気を排出するための下側ダクト上壁206にある一連の第2のポート194を含む。
【0062】
まだ図1Aを参照すると、図示された例において、ダクトアセンブリ196は、上側と下側のダクトアセンブリ196a、196bの垂直に中間にある少なくとも1つの中間ダクトアセンブリ196cをさらに含む。各中間ダクトアセンブリ196cは、その中間ダクトアセンブリ196cの上のコンベヤアセンブリ104の上側のものと、その中間ダクトアセンブリ196cの下のコンベヤアセンブリ104の下側のものとの垂直に中間にある。各中間ダクトアセンブリ196cは、少なくとも1つの中間ダクト198cを含む。図10を参照すると、図示された例において、各中間ダクト198cは、コンベヤアセンブリ104の下側のものに面する中間ダクト底壁208、および中間ダクト198cから下方に空気を排出するための中間ダクト底壁208にある一連の第1のポート192を含む。各中間ダクト198cは、コンベヤアセンブリ104の上側のものに面する、中間ダクト底壁208と反対にある中間ダクト上壁210、および中間ダクト198cから上方に空気を排出するための中間ダクト上壁210にある一連の第2のポート194をさらに含む。
【0063】
図示された例において、空気処理システムは、空気をコンベヤアセンブリ104の間から空気再循環ダクト構造中に吸い出すための複数の吸引ファンを有する空気再循環システムをさらに含む。そのファンは、コンベヤアセンブリ104の垂直に中間にあり、横方向に外寄りにあるフレームに搭載することができる。空気再循環ダクト構造は、調整し、空気送達ダクト構造190に送達するために、吸引空気を空調装置に導くことができる。
【0064】
図10を参照すると、図示された例において、各植物栽培トレイ110は、植物栄養素溶液を栄養素チャンバ136に送達するためのトレイ本体112内の栄養素チャンバ入口218を含む。図示された例において、トレイ下側部分112aは周辺端部113を含み、その上側周辺端部113の少なくとも一部は、入口間隔220だけ、トレイ上側部分112bから横方向の外側に間隔が空けられている。図示された例において、栄養素チャンバ入口218は入口間隔220を構成する。
【0065】
図11を参照すると、図示された例において、栄養素チャンバ側壁144は、トレイ前部130とトレイ後部132との間に軸方向に延在する側壁第1部分144a;側壁第1部分144aから横方向に間隔が空けられ、トレイ前部130とトレイ後部132との間に軸方向に延在する側壁第2部分144b;側壁第1および第2部分114a、114bの横方向の間に延在する側壁第3部分144c;および側壁第3部分144cから軸方向に間隔が空けられ、側壁第1および第2部分114a、114bの横方向の間に延在する側壁第4部分144cを含む。
【0066】
図示された例において、栄養素チャンバ入口218は、トレイ本体112内部にあり、側壁第1部分144aにより栄養素チャンバ136から隔てられた栄養素送達樋222を含む(図10も参照のこと)。図示された例において、送達樋222は、トレイ前部およびトレイ後部130、132の間に軸方向に延在している。図10を参照すると、図示された例において、入口間隔220は、植物栄養素溶液を栄養素送達樋222に供給するために、栄養素送達樋222に開いている。
【0067】
図11を参照すると、図示された例において、栄養素チャンバ入口218は、側壁第1部分144a内の複数の側壁開口224をさらに含む。側壁開口224は、側壁第1部分144aの軸長に沿って、植物栄養素溶液を栄養素送達樋222から栄養素チャンバ136に分配するために、側壁第1部分144aの軸長に沿って互いから間隔が空けられている。図示された例において、各側壁開口224は、側壁第1部分144aの上端に開いている。
【0068】
図10を参照すると、図示された例において、各植物栽培トレイ110は、栄養素チャンバ136から植物栄養素溶液を排出するための、トレイ本体112内の栄養素チャンバ出口226を含む。図示された例において、栄養素チャンバ136は、栄養素チャンバ入口218および栄養素チャンバ出口226の水平方向で中間にある。これにより、植物が吸収するために、栄養素チャンバ136の幅に亘り栄養素チャンバ入口218で導入された新たな植物栄養素溶液の流れが促進され、その後、消耗した植物栄養素溶液は、栄養素チャンバ出口226を通じて、栄養素チャンバ136から流出することができる。図示された例において、栄養素チャンバ出口226は、栄養素チャンバ136から溢れ出る植物栄養素溶液を排出するための、トレイ下側部分112a内の複数の排出ポート228を含む。
【0069】
図11を参照すると、図示された例において、栄養素チャンバ出口226は、トレイ本体112内部にあり、側壁第2部分144bにより栄養素チャンバ136から隔てられた排出樋230をさらに含む。図示された例において、排出樋230は、トレイ前部130とトレイ後部132との間に軸方向に延在する。図示された例において、排出ポート228は、栄養素チャンバ136から側壁第2部分144bを越えて排出樋230に流れる植物栄養素溶液を排出するために、排出樋230内にある。
【0070】
図示された例において、側壁第1、第2、第3、および第4部分144a、144b、144c、144dの各々は、栄養素チャンバ底壁140の上に、それぞれ、第1、第2、第3、および第4の高さを有する。図示された例において、側壁第2部分144bの第2の高さは、側壁第1、第3、および第4部分144a、144c、144dの第1、第3、および第4の高さより低い。側壁第2部分144bの第2の高さは、栄養素チャンバ136の高さ、および栄養素チャンバ136内に保持できる植物栄養素溶液の深さを規定する。図示された例において、側壁第2部分144bは、栄養素チャンバ136の上方境界を画成する上縁145を有する。
【0071】
システム100は、植物栄養素溶液を植物栽培トレイ110に送達するための栄養素処理システムをさらに含み得る。図10を参照すると、図示された例において、その栄養素処理システムは、複数の栄養素送達ポート236(その内の1つが図10に概略示されている)を有する栄養素送達ダクト構造234(図10に概略示されている)を含む。各栄養素送達ポート236は、植物栄養素溶液をそこに送達するために、それぞれの栄養素チャンバ入口218に隣接して、そこと流体連通している。
【0072】
図示された例において、その栄養素処理システムは、栄養素チャンバ136から排出された植物栄養素溶液を再循環させるための栄養素再循環システムをさらに含み得る。その栄養素再循環システムは、栄養素チャンバ出口226から流出する植物栄養素溶液を回収するための複数の回収樋242を含む栄養素再循環ダクト構造を含み得る。図示された例において、各回収樋242は、フレーム102に搭載されており、それぞれのコンベヤ106上に支持されたトレイ110の排出ポート228の下に延在する開放上部を有する。
【0073】
図11を参照すると、図示された例において、トレイ下側部分112aは、栄養素チャンバ136内に複数のバッフル244を含む。バッフル244は、栄養素チャンバ136内の植物栄養素溶液がバチャバチャはねるのを抑制するのに役立ち得、栄養素チャンバ136に亘り植物栄養素溶液が分布するのを促進することができ、植物の根の成長を方向付けるのに役立つことがある。図示された例において、バッフル244は、互いから軸方向に間隔が空けられており、各バッフル244は、栄養素チャンバ底壁140から上方に、栄養素チャンバ側壁144の側壁第1および第2部分144a、144bの間に横方向に延在している。図示された例において、バッフル244は、通気孔突出部174の突出部側壁180の下側部分を構成する。
【0074】
図示された例において、栄養素チャンバ136は、側壁第1および第2部分144a、144bの間に横方向に延在する複数の横方向通路246を含む。横方向通路246は、バッフル244によって互いから軸方向に隔てられている。図示された例において、栄養素チャンバ入口218の各側壁開口224は、それぞれの横方向通路246に開いており(図9も参照のこと)、軸方向に隣接するバッフル244のそれぞれの対の軸方向の中間にある。図9を参照すると、図示された例において、各植物キャビティ116のキャビティ底端150は、軸方向に隣接するバッフル244のそれぞれの対の軸方向に中間にあり、トレイ上側部分112bがトレイ下側部分112a内に入れ子になっているときに(図10も参照のこと)、栄養素チャンバ136のそれぞれの横方向通路246内に位置している。
【0075】
図11を参照すると、図示された例において、複数のバッフル244は、側壁第1部分144aから側壁第2部分144bに向かって横方向に延在する一連の第1のバッフル244a、および側壁第2部分144bから側壁第1部分144aに向かって横方向に延在する一連の第2のバッフル244bを含む。第1のバッフル244aおよび第2のバッフル244bは、軸方向に互いの間に置かれている。
【0076】
図示された例において、栄養素チャンバ136は、横方向通路246の間に流体連通を与えるための、バッフル244に亘り軸方向に延在する複数の軸方向通路248をさらに含む。図示された例において、複数の軸方向通路248は、第1のバッフル244aと側壁第2部分144bの横方向の中間にある、第1のバッフル244aに亘り延在する複数の第1の軸方向通路248a、および第2のバッフル244bと側壁第1部分144aの横方向の中間にある、第2のバッフル244bに亘り延在する複数の第2の軸方向通路248bを含む。
【0077】
システム100は、システム100内で栽培されている植物の全てに均一な照明を与えて、植物成長を促進させるための植物照明システムをさらに含み得る。図10を参照すると、図示された例において、その植物照明システムは、各植物栽培トレイ110の上に搭載された1つ以上にライト252(例えば、LEDライト)を含む。
【0078】
図14Aおよび14Bを参照すると、前記システムは、必要に応じて、植物栽培トレイ110をコンベヤアセンブリ104上に装填するための、フレーム上流端102aに隣接した自動化トレイ装填装置254を含み得る。図示された例において、トレイ装填装置254は、少なくとも1つの植物栽培トレイ110を受け取るための装填装置の第1の位置(図14A)と、少なくとも1つの植物栽培トレイ110をフレーム上流端102aからコンベヤアセンブリ104上に装填するための、装填装置の第1の位置から間隔が空けられた少なくとも1つの装填装置の第2の位置(図14B)との間で移動可能な少なくとも1つの装填装置往復台256を含む。図示された例において、装填装置の第1の位置および装填装置の第2の位置は、互いから垂直に間隔が空けられている。
【0079】
図示された例において、装填装置往復台256は、底壁面142が水平面120と平行な状態で、植物栽培トレイ110を支持する。トレイ装填装置254は、装填装置往復台256内に植物栽培トレイ110を保持するための装填装置閉鎖位置(図14A)と、植物栽培トレイ110を装填装置往復台256からそれぞれのコンベヤ106上に解放するための装填装置開放位置(図14B)との間で移動可能な装填装置の作動装置258をさらに含む。図14Bを参照すると、図示された例において、装填装置往復台256装填装置の第2の位置にあり、装填装置の作動装置258が装填装置開放位置にあるときに、装填装置往復台256内のトレイ110は、重力によって、装填装置往復台256から、それぞれのコンベヤ106上に平行移動させられる。
【0080】
システム100は、必要に応じて、コンベヤ106上に支持された植物栽培トレイ110の平行移動を阻止するためのトレイロッキングシステム260を含み得る。図示された例において、ロッキングシステム260は、フレーム下流端102bに隣接する各コンベヤ106について、トレイロック作動装置262を含む。各トレイロック作動装置262は、フレーム下流端102bに最も近いそれぞれの植物栽培トレイ110に係合して、コンベヤ106上に支持された植物栽培トレイ110の平行移動を阻止するためのロック位置(両方のコンベヤ106に関して、図14Bに示されている)と、コンベヤ軸108に沿ってフレーム下流端102bに向かうトレイ110の重力による平行移動を可能にするためのトレイ110を解放するロック解除位置(上側コンベヤ106に関して、図14Aに示されている)との間で移動可能である。
【0081】
システム100は、必要に応じて、コンベヤアセンブリ104から植物栽培トレイ110を抽出するための、フレーム下流端102bに隣接した自動化トレイ抽出装置264を含み得る。トレイ抽出装置264は、フレーム下流端102bでコンベヤアセンブリ104から少なくとも1つの植物栽培トレイ110を抽出するための抽出装置の第1の位置(図14A)と、抽出装置往復台266から少なくとも1つの植物栽培トレイ110を取り出すための、抽出装置の第1の位置から間隔が空けられた抽出装置の第2の位置(図14B)との間で移動可能な少なくとも1つの抽出装置往復台266を含む。図示された例において、抽出装置の第1の位置および抽出装置の第2の位置は、互いから垂直に間隔が空けられている。
【0082】
図示された例において、抽出装置往復台266は、底壁面142が水平面120と平行な状態で植物栽培トレイ110を支持する。トレイ抽出装置264は、抽出装置往復台266内に植物栽培トレイ110を維持するための抽出装置閉鎖位置(図14A)と、抽出装置往復台266から植物栽培トレイ110を解放するための抽出装置開放位置(図14B)との間で移動可能な抽出装置作動装置268をさらに含む。図14Bを参照すると、図示された例において、抽出装置往復台266が抽出装置の第2の位置にあり、抽出装置作動装置268が抽出装置開放位置にあるときに、抽出装置往復台266内のトレイ110は、重力によって、抽出装置往復台266から平行移動して出される。
【0083】
ここで、システム100の作動を、1つのコンベヤ106に関して記載する。複数の植物栽培トレイ110が、トレイ装填装置254によりフレーム上流端102aでコンベヤ106上に装填される。装填されたトレイ110は、重力により、コンベヤ軸108に沿ってフレーム下流端102bに向かって平行移動し、ロッキングシステム260により互いに隣接してコンベヤ軸108に沿ったそれぞれの第1の位置で保持される。植物栄養素溶液が、トレイ110の栄養素チャンバ136に送達され、空気が、第1のポート192から下方に、または第2のポート194から上方に排出され、上と下から植物118に送達され、光が上から植物118に与えられる。
【0084】
規定量の時間後、抽出装置往復台266が抽出装置の第2の位置に動かされ、ロック作動装置262がロック解除位置に動かされる。コンベヤ106上のトレイ110は、重力によって、さらにフレーム下流端102bに向かって平行移動し、フレーム下流端102bでトレイ110は抽出装置往復台266中に平行移動し、残りのトレイ110はフレーム下流端102bに向かってコンベヤ軸108に沿ってそれぞれの第2の位置に平行移動する。トレイロック作動装置262がロック位置に動かされて、コンベヤ106上に支持されたトレイ110をそれぞれの第2の位置に保持する。各トレイ110がフレーム下流端102bから抽出されるときに、別のトレイ110を、フレーム上流端102aからコンベヤ106上に装填することができる。
【0085】
抽出されたトレイ110を保持する抽出装置往復台266は、抽出装置の第1の位置から抽出装置の第2の位置まで動かされる。抽出装置往復台266が一旦、抽出装置の第2の位置内に入ると、抽出装置作動装置268が、さらなる処理のために抽出されたトレイ110を抽出装置往復台266から取り出すために、抽出装置閉鎖位置から抽出装置開放位置に動かされる。コンベヤ106上に残っているトレイ110内の植物は、さらに、栄養素、空気、および光を受けることができる、および/または残りのトレイ110は、さらなる処理のために抽出し、別の組のトレイ110と交換することができる。
【0086】
図15を参照すると、システム100のような植物栽培システムのための別の植物栽培トレイ1110の一例が、概略示されている。トレイ1110は、トレイ110との類似点を有し、同様の特徴が、1000ずつ増やされた同様の参照番号により特定される。
【0087】
図示された例において、植物栽培トレイ1110は、トレイ上部1114およびトレイ上部1114と垂直に反対のトレイ底部1115を有するトレイ本体1112を含む。トレイ1110は、トレイ上部1114に開いた、トレイ本体1112内の複数の植物キャビティ1116をさらに含む。図示された例において、各トレイ1110は、2×2配列で配列された4個の植物キャビティ1116を含む。
【0088】
図16を参照すると、図示された例において、トレイ1110は、トレイ本体1112内部にあり(図18および19も参照のこと)、植物キャビティ1116と流体連通している栄養素チャンバ1136を備えている。図示された例において、トレイ本体1112は、トレイ本体1112を垂直に貫通する少なくとも1つの第1のトレイ通気孔1166aをさらに含む。第1のトレイ通気孔1166aは、空気をトレイ本体1112に通過させて、トレイ1110内に保持された植物への下からの空気の送達を促進させるために、トレイ上部1114およびトレイ底部1115に開いている。図示された例において、第1のトレイ通気孔1166aは、栄養素チャンバ1136を垂直に貫通する。図示された例において、トレイ1110は、植物キャビティ1116の間に水平に中心に置かれた1つの第1のトレイ通気孔1166aを含む。
【0089】
図示された例において、トレイ1110は、トレイ本体1112を垂直に貫通する複数の第2のトレイ通気孔1166bをさらに含む。各第2のトレイ通気孔1166bは、空気をトレイ本体1112に通過させて、下からのトレイ1110内に保持された植物への空気の送達を促進させるために、トレイ上部1114およびトレイ底部1115に開いている。図15を参照すると、図示された例において、トレイ1110は、トレイ上部1114とトレイ底部1115の間に延在するトレイ側壁1270を含む。トレイ側壁1270は、水平に外側に向けられた側壁外面1272および側壁外面1272の内側に水平に延在し、トレイ上部1114およびトレイ底部1115に開いた複数の通気孔凹部1274を有する。図示された例において、第2のトレイ通気孔1166bは通気孔凹部1274から作られる。
【0090】
図16を参照すると、図示された例において、トレイ側壁1270は、トレイ1110のトレイ前部1130にある側壁前方部分1270a、トレイ1110のトレイ後部1132にあり、側壁前方部分1270aと軸方向に反対にある側壁後方部分1270b(図15)、側壁前方および後方部分1270a、1270bの間に延在する側壁左側部分1270c、および側壁左側部分1270cと横方向の反対にあり、側壁前方および後方部分1270a、1270bの間に延在する側壁右部分1270dを含む。
【0091】
図示された例において、通気孔凹部1274は、側壁前方部分1270a内の少なくとも1つの前方通気孔凹部1274a、および側壁後方部分1270b内の少なくとも1つの後方通気孔凹部1274b(図15)を含む。複数のトレイ1110が軸方向に互いに隣接して位置付けられたとき(例えば、トレイ1110がコンベヤ上で支持されているとき)、軸方向に隣接したトレイ1110の前方および後方通気孔凹部1274a、1274bは、互いに開いており、互いに位置合わせされて、その中を上方に通る空気の送達を促進する。
【0092】
まだ図16を参照すると、図示された例において、通気孔凹部1274は、側壁左側部分1270c内にある少なくとも1つの左側通気孔凹部1274c、および側壁左側部分1270d内にある少なくとも1つの右側通気孔凹部1274dをさらに含む。トレイ1110が横方向に互いに隣接して位置付けられたとき(例えば、トレイ1110が隣り合ったコンベヤ上で支持されているとき)、横方向に隣接したトレイ1110の左側および右側通気孔凹部1274c、1274dは、互いに開いており、互いに位置合わせされて、その中を上方に通る空気の送達を促進する。
【0093】
図17を参照すると、図示された例において、トレイ1110は、重力コンベヤ(例えば、重力コンベヤ106のような)の車輪と係合して、そのコンベヤ上にトレイ1110を回転支持するために、一対の横方向に間隔が空けられたトレイ裏面1134を含む。図示された例において、そのトレイが重力コンベヤ上に支持されているときに、各トレイ裏面1134は、トレイ後部1132からトレイ前部1130まで水平面に対して下方に傾斜している。
【0094】
図19を参照すると、図示された例において、トレイ本体1112は、底壁面にある栄養素チャンバ底壁1140、および栄養素チャンバ底壁1140の周囲から上方に延在する栄養素チャンバ側壁1144を含む。栄養素チャンバ底壁1140および栄養素チャンバ側壁1144は、栄養素チャンバ1136を取り囲む。図示された例において、栄養素チャンバ底壁1140は、栄養素チャンバ底壁1140に亘り植物栄養素溶液の深さを略一定に維持するために、コンベヤ上にトレイ1110が支持されているときに、水平面と略平行である。
【0095】
図16を参照すると、図示された例において、トレイ本体1112は、トレイ下側部分1112aおよびトレイ下側部分1112a内に取り外し可能に入れ子になったトレイ上側部分1112bを含む。図示された例において、栄養素チャンバ1136はトレイ下側部分1112a内にあり、植物キャビティ1116はトレイ上側部分1112b内にある。
【0096】
まだ図16を参照すると、図示された例において、植物栽培トレイ1110は、植物栄養素溶液を栄養素チャンバ1136に送達するためのトレイ本体1112内にある栄養素チャンバ入口1218を含む。図示された例において、栄養素チャンバ入口1218は、トレイ上側部分1112b内の複数の入口ポート1278を含む。図示された例において、入口ポート1278は、栄養素チャンバ1136の上にあり、それに対して開いている。
【0097】
図示された例において、植物栽培トレイ1110は、栄養素チャンバ1136から溢れた植物栄養素溶液を排出するための、トレイ本体1112内の栄養素チャンバ出口1226をさらに含む。図示された例において、栄養素チャンバ出口1226は、トレイ下側部分1112a内の少なくとも1つの排出ポート1228を含む。図示された例において、トレイ下側部分1112aは、栄養素チャンバ底壁1140から上方に、栄養素チャンバ1136を通って延在する中空排出突出部1280を含む(図19も参照のこと)。排出突出部1280は、栄養素チャンバ底壁1140の上の排出上壁1282、およびチャンバ底壁1140と排出上壁1282の間に延在する排出側壁1284を含む。図示された例において、排出ポート1228は、排出上壁1282を垂直に貫通し、トレイ底部1115に開いている(図17も参照のこと)。
【0098】
図18を参照すると、図示された例において、植物栽培トレイ1110は、栄養素チャンバ1136内に入れ子になり、栄養素チャンバ底壁1140の上に間隔が空いた随意的な上げ床1286をさらに含む。図示された例において、上げ床1286は、栄養素チャンバ底壁1140および植物キャビティ1116の垂直方向に中間にある床の第1の部分1286a、および栄養素チャンバ出口1226と重なって、栄養素チャンバ出口1226を植物キャビティ1116から隔てる床の第2の部分1286bを含む(図16も参照のこと)。このことは、栄養素チャンバ1136中に伸びる植物の根で栄養素チャンバ出口1226が塞がれるのを阻止するのに役立ち得る。
【0099】
図16を参照すると、図示された例において、床の第1の部分1286aは、栄養素チャンバ1136を、床の第1の部分1286aの下の下側容積1136a、および床の第1の部分1286aの上にあり、1つ以上の床開口1288(図18)を介して、上側容積1226bと流体連通した上側容積1136bに垂直に隔てている。図示された例において、植物キャビティ1116は、栄養素チャンバ1136の上側容積1136bと流体連通している。図示された例において、床の第1の部分1286aは、トレイ1110がコンベヤ上に支持されているときに、水平面と略平行な床面にある。
【0100】
図19を参照すると、図示された例において、植物栽培トレイ1110は、栄養素チャンバ1136内に複数のバッフル1244をさらに含む。図示された例において、バッフル1244は、栄養素チャンバ底壁1140から上方に延在し、栄養素チャンバ底壁1140および上げ床1286の垂直方向の中間にある。
【0101】
図16を参照すると、図示された例において、トレイ上側部分112bは、マルチピース構造のものであり、トレイ下側部分112aにより支持されたフレーム1290およびフレーム1290に取り外し可能に搭載され、それぞれの植物キャビティ1116を取り囲む複数の植物ポット1292を含む。
【0102】
図20を参照すると、別の植物栽培システム2100の一例が、概略示されている。システム2100は、システム100との類似点を有し、同様の特徴が、2000ずつ増やされた同様の参照番号により特定される。
【0103】
図示された例において、システム2100は複数のフレーム2102を備える。各フレーム2102は、フレーム上流端2102aおよびフレーム上流端102aから水平に間隔が空けられたフレーム下流端2102bを有する。フレーム2102は、フレーム2102の最初のものの下流端2102bが、フレーム2102の第2のものの上流端2102aと隣接するように、連続して位置付けられている。
【0104】
図示された例において、システム2100は、各フレーム2102に搭載された複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリ2104をさらに備えている。各コンベヤアセンブリ2104は、それぞれのコンベヤ軸2108に沿ってフレーム上流端2102aとフレーム下流端2102bとの間に延在する少なくとも1つの重力コンベヤ2106を含む。図示された例において、コンベヤ軸2108は、フレーム上流端2102aからフレーム下流端2102bまで水平面2120に対して下方に傾斜している。
【0105】
図示された例において、システム2100は、各コンベヤ2106上に回転支持され、重力によって、それぞれのコンベヤ軸2108に沿ってフレーム下流端2102bに向かって平行移動させられる複数の植物栽培トレイ2110をさらに備える。各植物栽培トレイ2110は、トレイ上部およびそのトレイ上部と垂直に反対のトレイ底部を有するトレイ本体を含む。各トレイは、そのトレイ本体内にあり、トレイ上部に開いた複数の植物キャビティ2116をさらに含む。植物キャビティ2116は、植物を保持するためものである。
【0106】
図示された例において、システム2100は、フレーム2102の最初のものの下流端2102bと、フレーム2102の第2のものの上流端2102aの軸方向に中間にある自動化トレイ移送機構2280をさらに備えている。トレイ移送機構2280は、フレーム2102の最初のものに搭載されたコンベヤアセンブリ2104から少なくとも1つのトレイ2110を受け入れるための受け入れ位置(実線で示されている)と、フレーム2102の第2のものに搭載されたコンベヤアセンブリ2104上に少なくとも1つのトレイ2110を装填するための、受け入れ位置の上にある移送位置(点線で示されている)との間で移動可能な少なくとも1つの移送往復台2282を含む。
【0107】
図21を参照すると、別の植物栽培システム3100の一例が、概略示されている。システム3100は、システム100との類似点を有し、同様の特徴が、3000ずつ増やされた同様の参照番号により特定される。
【0108】
図示された例において、システム3100は、フレーム3102、およびフレーム3102に搭載された複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリ3104を備える。複数の植物栽培トレイ3110が、それぞれのコンベヤ軸に沿って平行移動するために、アセンブリ3104の各コンベヤ3106上に支持されている。
【0109】
図21Aを参照すると、図示された例において、植物栽培システム3100は、トレイ3110内に保持された植物に空気を送達するための空気送達ダクト構造3190を有する空気処理システムを含む。図示された例において、空気送達ダクト構造3190は、空気送達ダクト構造3190から下方に空気を排出して、上から植物に空気を送達するための、コンベヤアセンブリ3104上に支持された各植物栽培トレイ3110の上にある複数の第1のポート3192(図22)を含む。ある例では、各第1のポート3192は、それぞれの植物キャビティ(およびある例では、そのキャビティ内に保持されたそれぞれの植物の頭部)に揃え(上に重ね)ることができる。空気送達ダクト構造3190は、空気送達ダクト構造3190から上方に空気を排出して、下から植物に空気を送達する(例えば、トレイ通気孔を通じて)ための、コンベヤアセンブリ3104上に支持された各植物栽培トレイ3110の下にある複数の第2のポート2194をさらに含む。ある例では、第2のポートは省かれてもよい。
【0110】
図示された例において、空気送達ダクト構造3190は、第1と第2のポート3192、3194に空気を導くための複数の垂直に間隔が空けられたダクトアセンブリ3196(図22)、およびそこに空気を導くための各ダクトアセンブリ3196と流体連通したダクトヘッダー3202を含む。図示された例において、各ダクトアセンブリ3196は、それぞれの気流を第1および/または第2のポートに導くための複数のダクト3198を含む。図示された例において、各ダクトアセンブリ3196は、18のダクト3198を含む。図22を参照すると、図示された例において、各ダクト3198は、略円形断面を有する管からなる。管状ダクトを提供することは、例えば、空気送達ダクト構造3190の製造原価を減少させるのに役立つであろう。
【0111】
まだ図22を参照すると、図示された例において、各ダクト3198は、ダクト底壁3208およびダクト底壁3208と垂直に反対のダクト上壁3210を含む。図示された例において、一連の第1のポート3192が、ダクト3198から下方に空気を排出するために、ダクト底壁3208に設けられており、一連の第2のポート3194が、ダクト3198から上方に空気を排出するために、ダクト上壁3210に設けられている。図示された例において、各ダクト3198は、底壁3208と上壁3210との間に延在する側壁3211、および必要に応じて、ダクト3198から横に空気を排出するための側壁にある一連の側方ポート3195を含む。
【0112】
図23を参照すると、別の植物栽培システム4100の一例が示されている。システム4100は、システム100との類似点を有し、同様の特徴が、4000ずつ増やされた同様の参照番号により特定される。
【0113】
図示された例において、システム4100は、フレーム4102、およびフレーム4102に搭載された複数の垂直に積層されたコンベヤアセンブリ4104を備えている。各コンベヤアセンブリ4104は、複数の植物栽培トレイ4110を支持するための、各々がコンベヤ軸4108に沿って延在する複数のコンベヤ4106を含む。図示された例において、各コンベヤアセンブリ4104のコンベヤ4106は、概して共通の高さに搭載され、隣り合ったレーンに配列されており、第1のコンベヤ4106aおよび第1のコンベヤ4106aから横方向に間隔が空けられ、それと平行に延在する第2のコンベヤ4106bを含む。図示された例において、各コンベヤアセンブリ4104は、第1のコンベヤ4106aの横方向の外寄りにある第3のコンベヤ4106c、および第2のコンベヤ4106bの横方向の外寄りにある第4のコンベヤ4106dをさらに含む。
【0114】
図示された例において、植物栽培システム4100は、コンベヤ4106上に支持されたトレイ4110内に保持された植物に空気を送達するための、空気送達ダクト構造4190を含む空気処理システムをさらに備える。図示された例において、空気送達ダクト構造4190は、第1と第2のコンベヤ4106a、4106bの横方向に中間にある1つ以上のダクトヘッダー4202、各第1のコンベヤ4106a(および図示された例においては、各第3のコンベヤ4106c)上に支持されたトレイ4110内に保持された植物に空気を送達するための、ダクトヘッダー4202の第1の側から横方向に延在する複数の第1のダクトアセンブリ4196a(図24)、および各第2のコンベヤ4106b(および図示された例においては、各第4のコンベヤ4106d)上に支持されたトレイ4110内に保持された植物に空気を送達するための、第1の側と反対のダクトヘッダー4202の第2の側から横方向に延在する複数の第2のダクトアセンブリ4196b(図24)を含む。
【0115】
ダクトヘッダー4202を第1と第2のコンベヤ4106a、4106bの間に位置付けることは、例えば、システム4100に、概して障害物がない、概して開いた側面を与えるのに役立ち得る。これにより、特に幅広いコンベヤアセンブリ(例えば、数多くの隣り合ったコンベヤを有する、または幅広いコンベヤを有するコンベヤアセンブリ)を含む植物栽培システムにおいて、コンベヤ4106および/または他のシステムの構成要素により都合よいアクセスが容易になるであろう。このことは、例えば、洗浄および/または殺菌、検査、保守管理、および/または構成要素の調整または交換に役立つであろう。
【0116】
図24を参照すると、図示された例において、1つ以上のダクトヘッダー4202は、そこに空気を導くための第1のダクトアセンブリ4196aと流体連通した第1のダクトヘッダー4202a、およびそこに空気を導くための第2のダクトアセンブリ4196bと流体連通した第2のダクトヘッダー4202bを含む。図示された例において、第1のダクトヘッダー4202aは、第2のダクトヘッダー4202bから軸方向に間隔が空けられている。図示された例において、第1と第2のダクトヘッダー4202a、4202bは、略垂直方向に(第1と第2のコンベヤ4106a、4106bの横方向の中間に)空気を導くために略垂直に向けられており、第1と第2のダクトアセンブリ4196a、4196bは、略水平方向に(コンベヤアセンブリ4104の上および/または下に)空気を導くために略水平に向けられている。
【0117】
図23を参照すると、システム4100は、植物栽培トレイ4110をコンベヤアセンブリ4104上に装填するための、フレーム上流端4102aに隣接した自動化トレイ装填装置4254をさらに備えている。図示された例において、トレイ装填装置4254は、少なくとも1つの植物栽培トレイ4110を受け入れるための装填装置の第1の位置と、その少なくとも1つの植物栽培トレイ4110をフレーム上流端4102aからコンベヤアセンブリ4104上に装填するための、装填装置の第1の位置から垂直に間隔が空けられた少なくとも1つの装填装置の第2の位置との間で移動可能な少なくとも1つの装填装置往復台4256を含む。ある例では、システム4100は、フレーム4102のフレーム下流端4102bに、自動化トレイ抽出装置(抽出装置264のような)および/または自動化トレイ移送機構(機構2280のような)も備えることがある。
【符号の説明】
【0118】
100、2100、3100、4100 植物栽培システム
102、2102、3102、4102 フレーム
102a、2102a フレーム上流端
102b、2102b フレーム下流端
104、2104、3104、4104 コンベヤアセンブリ
106、2106、3106、4106 コンベヤ
108、2018 コンベヤ軸
110、1110、2110、3110、4110 トレイ
112、1112 トレイ本体
114、1114 トレイ上部
115、1115 トレイ底部
116、1116、2116 植物キャビティ
118 植物
120 水平面
122 トレイ支持体
124 コンベヤ開口
130、1130 トレイ前部
132、1132 トレイ後部
134、1134 トレイ裏面
136、1136 栄養素チャンバ
140、1140 栄養素チャンバ底壁
144、1144 栄養素チャンバ側壁
146 キャビティ軸
148 キャビティ上端
150 キャビティ底端
152 キャビティ上平面
156 キャビティ底壁
158 キャビティ側壁
166、1166 トレイ通気孔
190、3190、4190 空気送達ダクト構造
192、3192 第1のポート
194、3194 第2のポート
196、3196、4196 ダクトアセンブリ
198、3198 ダクト
200 ダクト軸
202、3202、4202 ダクトヘッダー
208、3208 ダクト底壁
210、3210 ダクト上壁
254、4254 自動化トレイ装填装置
256、4256 装填装置往復台
258 装填装置の作動装置
260 トレイロッキングシステム
262 トレイロック作動装置
264 トレイ抽出装置
266 抽出装置往復台
268 抽出装置の作動装置
1270 トレイ側壁
1274 通気孔凹部
1278 入口ポート
2280 自動化トレイ移送機構
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
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図14A
図14B
図15
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図19
図20
図21
図21A
図22
図23
図24