(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020531
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】電子装置のロック解除方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20240206BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20240206BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F21/31
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199708
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2021570457の分割
【原出願日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/860,054
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516201548
【氏名又は名称】ビュージックス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Vuzix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハック, コナー
(72)【発明者】
【氏名】ムーンス, グレゴリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のソフトウエアロックなどのセキュリティ機能を提供する。
【解決手段】ソフトウエアのロックを解除する方法は、電子装置10がソフトウエアロック状態にある状況において、パスワード入力を開始するように動作可能な入力ジェスチャを検出し、予め定義された入力ジェスチャのセットを、予め定義されたパスワードシンボルのセットにランダムに割り当て、ジェスチャ入力デバイスを介して、割り当てられた入力ジェスチャの1つを検出し、検出された入力ジェスチャに対応する入力パスワードシンボルを、処理ユニットを介して、格納されたロック解除パスワードと比較し、入力されたパスワードシンボルが格納されたロック解除パスワードと一致する場合、ソフトウエアロック解除状態での電子装置の動作を可能にする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ユニットと、前記処理ユニットに接続されたジェスチャ入力デバイスと、ディスプレイとを備えたヘッドマウントディスプレイを提供し、
前記ヘッドマウントディスプレイがソフトウエアロック状態にある状況において、前記ジェスチャ入力デバイスを介してパスワード入力を開始するように動作可能な入力ジェスチャを検出し、
予め定義された入力ジェスチャのセットを、予め定義されたパスワードシンボルのセットにランダムに割り当て、前記割り当てられた入力ジェスチャのセットは、前記パスワード入力が再開されるまで、前記パスワードシンボルのセットに対応し、
前記ディスプレイを介してパスワード入力画面を表示し、前記パスワード入力画面はパスワード表示領域とジェスチャマップ領域を有し、前記ジェスチャマップ領域において、前記割り当てられた入力ジェスチャのセットが、前記パスワードシンボルのセットとともに示され、
前記ジェスチャ入力デバイスを介して、前記割り当てられた入力ジェスチャの1つを検出し、
前記検出された入力ジェスチャに対応して、入力されたパスワードシンボルを前記パスワード表示領域に少なくとも一時的に表示し、
前記検出された入力ジェスチャを前記ジェスチャマップ領域に強調表示し、
前記処理ユニットを介して、前記検出された入力ジェスチャに対応する入力パスワードシンボルを、格納されたロック解除パスワードと比較し、
前記入力パスワードシンボルが前記格納されたロック解除パスワードと一致する場合には、前記ヘッドマウントディスプレイをソフトウエアロック解除状態で動作可能にする、ソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項2】
前記ジェスチャ入力デバイスが、タッチパッド、カメラ、タッチスクリーンのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項3】
前記ランダムに割り当てられた入力ジェスチャが、1本の指の前方スワイプジェスチャ、1本の指の後方スワイプジェスチャ、1本の指のタップジェスチャ、2本の指のタップジェスチャ、2本の指の前方スワイプジェスチャ、2本の指の後方スワイプジェスチャ、1本の指の下から上へのスワイプジェスチャ、1本の指の上から下へのスワイプジェスチャ、2本の指の下から上へのスワイプジェスチャ、および2本の指の上から下へのスワイプジェスチャ、の集合から選択される、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項4】
さらに、前記ヘッドマウントディスプレイがスリープ状態にあるかどうかを決定し、前記ヘッドマウントディスプレイが前記スリープ状態にある場合には、パスワード入力を開始するように動作可能な前記入力ジェスチャが検出された時に、前記ディスプレイを介してロック画面を表示する、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項5】
前記ヘッドマウントディスプレイが前記スリープ状態にない場合には、パスワード入力を開始するように動作可能な前記入力ジェスチャが検出された時に、前記パスワード入力画面を表示する、請求項4に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項6】
前記検出された入力ジェスチャの強調表示は、前記入力ジェスチャと入力されたパスワードシンボルを囲むボックスまたは円の表示を含む、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項7】
前記ジェスチャ入力デバイスを介して少なくとも2つの入力ジェスチャを検出することは、前記入力ジェスチャを前記対応する入力パスワードシンボルに変換すること、およびこの入力パスワードシンボルを入力パスワードシンボルのシーケンスに追加することを含む、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項8】
さらに、
入力パスワードシンボルの量を示す数を提供し、
前記入力パスワードシンボルが格納されたロック解除パスワードと一致しない場合には、入力パスワードシンボルの前記数を、入力パスワードシンボルの予め定義された最大許容数と比較し、
入力パスワードシンボルの前記数が、入力パスワードシンボルの前記最大許容数と一致する場合には、前記入力パスワードシンボルをクリアし、前記入力ジェスチャのセットを前記パスワードシンボルのセットにランダムに再割り当てする、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項9】
前記入力されたパスワードシンボルが前記格納されたロック解除パスワードと一致しない場合には、前記予め定義された入力ジェスチャのセットを前記予め定義されたパスワードシンボルに再割り当てしない、請求項8に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項10】
前記ジェスチャ入力デバイスを介して前記割り当てられた入力ジェスチャの1つを検出したときに、検出された入力ジェスチャを予め定義されたキャンセルジェスチャと比較し、
前記検出された入力ジェスチャが前記キャンセルジェスチャと一致する場合には、以前に入力されたパスワードシンボルをすべてクリアし、前記入力ジェスチャのセットを前記パスワードシンボルのセットにランダムに再割り当てする、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項11】
前記割り当てられた入力ジェスチャのセットを、前記パスワードシンボルのセットの横に隣接して表示することを含む、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項12】
処理ユニットと、
前記処理ユニットに接続されたジェスチャ入力デバイスと、
前記処理ユニットに接続され、画像担持光を生成するように動作可能なプロジェクタと、
前記画像担持光をアイボックスに伝送するように動作可能な平面導波路アセンブリと、
前記平面導波路アッセンブリを介して伝送された1つ以上のバーチャル像を含むディスプレイと、
を備え、
前記ジェスチャ入力デバイスは、ソフトウエアロック状態でパスワード入力を開始するための入力ジェスチャを検出するように動作可能であり、
前記処理ユニットは、予め定義された入力ジェスチャのセットを、予め定義されたパスワードシンボルのセットにランダムに割り当てるように動作可能であり、前記割り当てられた入力ジェスチャのセットは、前記パスワード入力が再開されるまで、前記パスワードシンボルのセットに対応し、
前記ディスプレイは、パスワード入力画面を表示するように動作可能であり、前記パスワード入力画面はパスワード表示領域とジェスチャマップ領域を有し、前記ジェスチャマップ領域において、前記割り当てられた入力ジェスチャのセットが、前記パスワードシンボルのセットとともに示され、
前記ジェスチャ入力デバイスは、前記割り当てられた入力ジェスタの1つを検出するように動作可能であり、
前記ディスプレイは、前記検出された入力ジェスチャに対応して、前記パスワード表示領域に、入力されたパスワードシンボルを少なくとも一時的に表示し、
前記ディスプレイは、前記検出された入力ジェスチャを前記ジェスチャマップ領域に強調表示する、ヘッドマウントディスプレイシステム。
【請求項13】
前記ディスプレイは、前記予め定義されたパスワードシンボルのセットに隣接して、ランダムに割り当てられた前記予め定義された入力ジェスチャのセットを表示するように動作可能である、請求項12に記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
【請求項14】
前記ヘッドマウントディスプレイはさらに、前記処理ユニットに接続され画像担持光を生成するように動作可能なプロジェクタと、前記画像担持光をアイボックスに伝送するように動作可能な平面導波路アセンブリと、を備え、前記ディスプレイが前記平面導波路アッセンブリを介して伝送された1つ以上のバーチャル像を含む、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【請求項15】
前記検出された入力ジェスチャに対応する前記入力パスワードシンボルを、前記格納されたロック解除パスワードと比較し、
前記入力パスワードシンボルが前記格納されたロック解除パスワードと一致しない場合には、前記入力ジェスチャのセットを前記パスワードシンボルのセットにランダムに再割り当てする、請求項1に記載のソフトウエア機能のロック解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ソフトウエアロックされた電子装置のロック解除、より具体的には、タッチ感応デバイス及び/又はカメラでのジェスチャシーケンスを識別するように動作可能な電子装置のロック解除に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の急速な進歩に伴い、モバイル装置(ヘッドマウントディスプレイ、スマートフォンなど)のメーカーは、モビリティの利便性を実現するために、ユーザーインターフェイス機能を利用して、より小さな形態でより優れた機能を追加することを常に追求している。たとえば、すでに高度なデータ機能に加えて、モバイル電子装置には、プライバシーとデータ保護のために、ソフトウエアのロックとロック解除の機能を含める必要がある。
【0003】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、軍事、商業、産業、消防、娯楽など、さまざまなアプリケーション向けに開発されている。これらのアプリケーションの多くでは、HMDのソフトウエアロックなどのセキュリティ機能を提供することに特に価値がある。HMDはますます軽量になり、物理的な場所に固定されていないため、簡単に持ち去られたり、許可されていない個人によって使用されたりするからである。
【0004】
より優れた機能の目標は、電子装置のロック解除と相反することがある。ロック解除は、ユーザがパスワードの入力などの追加のアクションを必要とするからである。他の人や録音装置の聞き取り可能な距離でパスワードを話すと、信頼できるセキュリティが提供されない。パスワードの入力は、キーボード入力デバイスを備えていない電子装置では適用できない。同様に、電子装置が、指紋や生体認証スキャナー、顔認識機能を備えたカメラなど、利用可能な他の入力手段を装備していない場合もある。そのような状況では、タッチパッドまたはタッチスクリーンが好ましい電子入力デバイスとなり得る。したがって、ソフトウエアでロックされた電子装置のロックを解除するための便利で安全な方法が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、電子装置の機能をロック解除するためのソフトウエアロック解除方法と、それによって製作される電子装置を提供する。
【0006】
第1の例示的な実施形態では、ソフトウエアロック解除方法は、処理ユニットと、前記処理ユニットに接続されたジェスチャ入力デバイスを備えた電子装置を提供する工程を含む。この方法はさらに、前記電子装置がソフトウエアロック状態にある状況において、パスワード入力を開始するように動作可能な入力ジェスチャを検出する工程と、予め定義された入力ジェスチャのセットを、予め定義されたパスワードシンボルのセットにランダムに割り当てる工程を含む。このソフトウエアロック解除方法はさらに、前記ジェスチャ入力デバイスを介して、前記割り当てられた入力ジェスチャの1つを検出し、前記処理ユニットを介して、前記検出された入力ジェスチャに対応する入力パスワードシンボルを、格納されたロック解除パスワードと比較する工程を含む。さらに、前記入力パスワードシンボルが前記格納されたロック解除パスワードと一致する場合には、前記電子装置をソフトウエアロック解除状態で動作可能にする。
【0007】
第2の例示的な実施形態では、電子装置は、処理ユニットと、前記処理ユニットに接続されたジェスチャ入力デバイスとを備えている。電子装置はさらに、前記処理ユニットに接続され、画像担持光を生成するように動作可能なプロジェクタと、前記画像保持光に結合するように動作可能な前記平面導波路アセンブリとを備えている。前記平面導波路アセンブリは、バーチャル像ディスプレイを生成するように動作可能である。さらに、前記ジェスチャ入力デバイスは、ソフトウエアロック状態でパスワード入力を開始するための入力ジェスチャを検出するように動作可能であり、前記処理ユニットは、予め定義された入力ジェスチャのセットを、予め定義されたパスワードシンボルのセットにランダムに割り当てるように動作可能である。前記バーチャル像ディスプレイは、前記パスワードシンボルのセットに対応する前記ランダムに割り当てられた入力ジェスチャのセットを示すパスワード入力画面を表示するように動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は明細書の一部として組み込まれる。ここに開示された図面は、現在開示されている主題の実施形態を例示し、本開示の選択された原理および教示を例示している。
しかしながら、図面は、現在開示されている主題のすべての可能な実施を例示するものではなく、いかなる方法でも本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0009】
【
図1A】本開示の一実施形態による電子装置を示している。
【0010】
【
図1B】本開示の一実施形態による電子装置を示す。
【0011】
【
図2】本開示の一実施形態によるソフトウエアロック画面表示の一部を示している。
【0012】
【
図3】本開示の一実施形態によるパスワード入力画面の一部を示している。
【0013】
【
図4】本開示の一実施形態によるパスワード入力画面の一部を示している。
【0014】
【
図5】本開示の一実施形態によるソフトウエアのロック解除方法のフローチャートである。
【0015】
【
図6】本開示の一実施形態によるソフトウエアのロック解除方法のフローチャートである。
【0016】
【
図7】本開示の一実施形態によるソフトウエアのロック解除方法のフローチャートである。
【0017】
【
図8】本開示の一実施形態によるソフトウエアのロック解除方法のフローチャートである。
【0018】
【
図9】本開示の一実施形態によるソフトウエアのロック解除方法のフローチャートである。
【0019】
【
図10】本開示の一実施形態によるソフトウエアロック解除方法のフローチャートである。
【0020】
【
図11】本開示の一実施形態による、パスワード入力画面の一部を示している。
【0021】
【
図12】本開示の一実施形態による多目的モバイルコンピューティング装置を示す。
【詳細な説明】
【0022】
本発明は、明示的に指定されている場合を除いて、様々な代替の配置およびステップシーケンスを想定し得ることを理解されたい。また、図面に示され明細書に記載された特定のアセンブリおよびシステムは、本明細書で定義される本発明の概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、開示された実施形態に関連する特定の寸法、方向、または他の物理的特性は、特に明記しない限り、限定的であると見なされるべきではない。また、本明細書に記載の様々な実施形態における同様の要素は、例外はあるものの、同様の参照番号で参照されている。
【0023】
本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、特に指定のない限り。必ずしも順序、や優先関係を示すのではなく、単にある要素または要素の集合を別の要素または要素の集合からより明確に区別するために使用される。
【0024】
本開示の文脈において、「視者」、「操作者」、「観察者」、および「ユーザ」という用語は均等であると見なされ、電子装置を装着し及び/又は電子装置を用いて画像を見る人を指す。
【0025】
本明細書で使用される「セット(set;集合)」という用語は、要素または部材の集合の概念が初等数学で広く理解されているように、空でない集合を指す。「部分集合」という用語は、特に明記しない限り、空でない適切な部分集合、すなわち、より大きな集合のうちの1つまたは複数の要素を有する部分集合を指すために使用される。集合Sの場合、部分集合は完全な集合Sを含み得る。しかしながら、集合Sの「適切な部分集合」は、集合Sに厳密に含まれ、集合Sの少なくとも1つの要素を除外する。
【0026】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、軍事、商業、産業、消防、娯楽など、さまざまな用途向けに開発されている。HMDは、HMDユーザの視野内にある実世界の画像に視覚的に重ね合わせることができるバーチャルカラー画像を形成するように動作可能である。平面導波路とも呼ばれる光学的に透明な平行板の導波路は、カラープロジェクタシステムによって生成された画像担持光をHMDのユーザに伝送する。平面導波路は、狭いスペースで画像担持光を伝送し、バーチャル像をHMDユーザの瞳孔に向け、HMDユーザの視野内にある実世界の像にバーチャル像を重ね合わせることができる。
【0027】
そのような従来の画像光ガイドでは、カラー画像プロジェクタ光源からの、コリメートされるとともに角度的に関連付けられてエンコードされた光ビームは、インカップリング回折光学要素などの入力カップリング光学要素によって、光学的に透明な平面導波路アセンブリ内に結合される。このインカップリング回折光学要素は、平行板の平面導波路の表面またはこの導波路内に設置または形成することができる。このような回折光学要素は、回折格子またはホログラフィック光学素子として形成することができるが、これらに限定されない。例えば、回折格子は、表面レリーフ格子として形成することができる。回折されたカラー画像担持光は、平面導波路に沿って伝搬した後、同様の出力格子によって平面導波路外かつ後方へと方向付けられる。この出力格子は、バーチャル像を1つ以上の次元に沿って瞳孔拡張(pupil expansion)するように構成することができる。さらに、1つま
たは複数の回折回転格子を、導波路に沿って、入力格子と出力格子との間に光学的に配置し、バーチャル像を1つ以上の次元で瞳孔拡張することができる。平行板の平面導波路からの画像担持光出力は、拡張されたアイボックスを視者に提供する。
【0028】
HMDなどの光学システムは、バーチャル像の表示(display)を生成することができる
。実像を形成する方法とは対照的に、バーチャル像は表示面上に形成されない。すなわち、表示面がバーチャル像を知覚できる位置にあるすれば、その面に画像は形成されないであろう。バーチャル像の表示には、拡張現実のプレゼンテーションにとって多くの利点を有する。たとえば、バーチャル像の見かけのサイズは、表示面のサイズや位置によって制限されない。さらに、バーチャル像の光源オブジェクトを小さくすることができる。たとえば、拡大鏡はオブジェクトのバーチャル像を提供する。実像を投射するシステムと比較して、ある程度離れているように見えるバーチャル像を形成することにより、より一層現実的な観察体験を提供することができる。バーチャル像を提供することで、実像を投影するときに必要であるスクリーンのアーティファクトの補償も、必要でなくなる。
【0029】
HMDには通常、入力用のキーボードデバイスがない。ただし、HMDには、ジェスチャ入力用として、装置上のタッチ感応パッドまたは領域がある。あるいは、入力ジェスチャを捕捉するために、カメラを用いたり、カメラとタッチパッド入力の組み合わせを用いたりすることができる。HMDにおけるジェスチャ感応およびジェスチャ認識の入力デバイスを用いてソフトウエアロック解除機能を提供すると、ソフトウエアロックされた電子装置をロック解除する安全な方法が得られる。
【0030】
ソフトウエアロックされた電子装置のロックを解除する方法は、ユーザが、少なくとも2つの連続したジェスチャを含むジェスチャシーケンスを識別することによって、電子装置のロック解除を可能にする。一実施形態では、ソフトウエアロックされた電子装置をロック解除する方法は、識別可能なジェスチャを、シンボル(記号;文字及び/又は数字、または他の記号)にマッピングし(このシンボルは、バーチャル像ディスプレイまたは液晶ディスプレイ(LCD)などの表示手段によってユーザに表示される)、電子タッチ感応デバイス及び/又は他のジェスチャ捕捉デバイスからジェスチャのシーケンスを検出し、検出されたジェスチャ入力のシーケンスをシンボルシーケンスに変換し、このシンボルシーケンスを、予め定義されたパスワードのシンボルシーケンスと比較して、電子装置のロックを解除するかどうかを決定する。
【0031】
図1Aに示されるように、一実施形態では、電子装置10は眼鏡の形態のHMDを含む。電子装置10は、少なくとも右テンプルアーム12と処理ユニット14を含む。処理ユニット14は、データを記憶し、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムを実行するための手段を有する。さらに、処理ユニット14は、ジェスチャ入力デバイス16に接続されている。ジェスチャ入力デバイス16は、ジェスチャを処理ユニット14に伝達するように動作可能である。一実施形態では、ジェスチャ入力デバイス16はタッチパッドである。ジェスチャ入力デバイス16は、ユーザ20の1つまたは複数の指からの入力及び/又はスタイラス(stylus)からの入力を受信するように動作可能である。入力ジェスチャがユーザ20の指によって実行されると説明されている場合、当業者は、入力ジェスチャがスタイラスによっても実行され得ることを認識するであろう。ジェスチャ入力デバイス16によって受信されるジェスチャは、ジェスチャ入力デバイス16をタップすること、ジェスチャ入力デバイス16を横切るようにスワイプ/ドラッグすることを含むが、これらに限定されない。スワイプ/ドラッグの態様としては、前から後へ、後から前へ、上から下へ、下から上へと、スワイプ/ドラッグしたり、前から後へと後から前へとを同時に、およびその逆、下から上へと上から下へとを同時に、及びその逆にスワイプ/ドラッグしたり、前から後へ更に前へ、後ろから前へ更に後ろへ、下から上へ更に下へ、上から下へ更に上へと、スワイプ/ドラッグしたりする。ジェスチャ入力デバイス16は、ジェスチャ中に1本の指、2本の指、または3本の指が使用されているかどうかをさらに検出することができる。処理ユニット14は、ジェスチャのシーケンスをシンボルのシーケンスに変換することができる。このシンボルのシーケンスは、保存されたロック解除パスワードとして用いられる保存されたシンボルのシーケンスと比較するのに適している。
【0032】
図1Bに示されるように、一実施形態では、電子装置10は、ユーザ20の手のジェスチャを見るように配置された少なくとも1つのカメラ18をさらに含む。一実施形態では、カメラ18は眼鏡のレンズ22の外周縁に隣接して配置されている。カメラ18の視野はユーザ20の前方にある。別の実施形態では、カメラ18は、眼鏡の左または右のテンプルアーム12に配置され、カメラ18の視野はユーザ20の側方にある。
【0033】
カメラ18は、処理ユニット14に接続されており、ユーザ20の手のジェスチャを捕捉し認識するために用いることができる。プロセッサ14は、カメラ18によって捕捉された手のジェスチャを、対応するシンボルのシーケンスに変換するように動作可能である。このシンボルのシーケンスが、格納されたロック解除パスワードと比較される。
【0034】
電子装置10は、限定されないが、バーチャル像ディスプレイまたは物理的ディスプレイ(例えば、スクリーン及び/又はLDC)などのディスプレイを含む。
図2に示されるように、電子装置10は、電子装置10がソフトウエアロック状態にあることを示すロック画面30(バーチャルまたは物理的)をユーザ20に表示する。一実施形態では、表示されたロック画面30は少なくとも、電子装置10のソフトウエアロック状態を示すロックアイコン32を備えている。電子装置10がソフトウエアロック状態にあることをユーザ20に通知するために、他のアイコン及び/又は言葉を表示してもよい。日付34A、時刻34B、充電状態34C、およびバッテリ充電レベル34D等(ただし、これらに限定されない)の他の情報を、ロック画面30に表示してもよい。
【0035】
電子装置10は、ディスプレイがオフにされるスリープ状態にすることができ、不使用期間にわたって電子装置10の電力レベルを保存することができる。一実施形態では、ジェスチャ入力デバイス16の任意のタッチは、電子装置10を稼働状態で動作させるための起動キュー(ウェイクキュー;wake cue)である。電子装置10がソフトウエアロック状態にある場合、起動キューによりディスプレイはロック画面30を提示する。あるいは、ジェスチャ入力デバイス16への特定のタッチパターンを用いて、電子装置10を起動(ウェイクアップ)することができる。例えば、起動キューとして、2本の指でタップしたり、所定の期間ジェスチャ入力デバイス16に1本の指を置いたり、またはジェスチャ入力デバイス16を横切るように1本の指でスワイプしたりしてもよい。電子装置10を起動するために、他のジェスチャを定義してもよい。稼働状態は、少なくともジェスチャ入力デバイス16及び/又はカメラ18からの入力を可能にし、電子装置10のディスプレイに画像を提示する電子装置10の状態である。他のセンサー(例えば、ボタン、傾斜センサー、加速度計、磁力計等)からの入力を用いて、電子装置10の状態をスリープ状態から稼働状態に変更することができ、ソフトウエアロック状態の場合にはロック画面30が表示される。
【0036】
一実施形態では、ジェスチャ入力デバイス16のタッチにより、ソフトウエアロック解除方法が開始される(
図5~10を参照)。
図3に示されるように、ユーザ20がソフトウエアロック解除方法を開始すると、パスワード入力画面40(バーチャルまたは物理的)がユーザ20に表示される。パスワード入力画面40は、パスワード表示領域42を有しており、ユーザ20がジェスチャシーケンスを入力すると、このパスワード表示領域42に、入力されたパスワードシンボル48が表示される。一実施形態では、入力されたパスワードシンボル48は、パスワード表示領域42に一時的に表示される。所定の期間経過後に、入力されたパスワードシンボル48は、この入力されたパスワードシンボル48を隠すために、マスキングシンボル46によって上書きされるか又は置き換えられる。マスキングシンボル46は、円や正方形等であり、入力されたパスワードシンボル48を表示せずに、入力されたパスワードシンボル48が入力されたことを示す。このようにして、ユーザ20は、どのパスワード文字がすでに入力されているかを追跡し知ることができる。入力されたパスワードシンボル48はまた、電子装置10がユーザの入力ジェスチャによってどのジェスチャを認識したかをユーザ20に知らせる。
【0037】
図3を引き続き参照すると、一実施形態では、パスワード入力画面40は、ジェスチャマップ領域44も含む。このジェスチャマップ領域44には、パスワードシンボル50のセット(集合)が対応するジェスチャシンボル52とともに表示される。ジェスチャシンボル52は、パスワードシンボル50のシーケンスを入力するために、ジェスチャ入力デバイス16及び/又はカメラ18と共に用いることができる入力ジェスチャを示す。
図3に示されるように、一実施形態では、パスワードシンボル50の完全なセットは、セット{1、2、3、4、5、6、7、8、9、0}である。あるいは、パスワードシンボル50は、セット{A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、 U、V、W、X、Y、Z、+}でもよい。他のシンボルのセット、例えば幾何学的形状もまた、パスワードシンボル50として用いることができる。
【0038】
図3に示されるように、一実施形態では、パスワードの副シンボルの56のセットが、パスワードシンボル50の下に表示されている。このパスワード副シンボル56は、パスワードが、異なるシンボル50、56のセットからのシンボルの混合で構成されることを可能にする。対応するジェスチャは、パスワードシンボル50及び/又はパスワード副シンボル56の隣にジェスチャシンボル52を表示することによって示される。一実施形態では、ジェスチャシンボル52とそれに対応する入力ジェスチャ(ジェスチャ入力デバイス16及び/又はカメラ18での入力ジェスチャ)は、以下の通りである。「>」は、1本の指を前方にスワイプするジェスチャを示し、「<」は1本の指を後方にスワイプするジェスチャを示し、「*」は1本の指のタップジェスチャを示し、「**」は2本の指のタ
ップジェスチャを示し、「>>」は2本の指の前方へのスワイプジェスチャを示し、「<
<」は2本の指の後方へのスワイプジェスチャを示し、「Λ」は1本の指を下から上へスワイプするジェスチャを示し、「V」は1本の指を上から下へスワイプするジェスチャを示し、「ΛΛ」は2本の指を下から上へスワイプするジェスチャを示し、「VV」は2本の指を上から下へのスワイプするジェスチャを示す。2本の指での入力ジェスチャは、2本の指がジェスチャ入力デバイス16に同時に触れることを意味する。代替のジェスチャシンボル52を用いて、パスワードシンボル50およびパスワード副シンボル56を示すことができる。
【0039】
入力ジェスチャが実行されると、入力パスワードシンボル48をパスワード表示領域42に表示することに加えて、ジェスチャシンボル52をジェスチャマップ領域44において強調表示する。強調表示は、ジェスチャシンボル52の色を変更すること、ジェスチャシンボル52のフォントスタイルを変更すること(例えば、レギュラーに対してイタリック及び/又はボールドにする等)、ジェスチャシンボル52に下線を引くこと、シンボルをボックス54や円で囲むこと、のいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含む。
図3に示されるように、一実施形態では、入力ジェスチャが実行されたときに対応するジェスチャシンボル52を強調表示するボックス54は、パスワードシンボル50および副シンボル56の両シンボルとジェスチャシンボル52を囲む1つまたは複数の破線/点線を含むことができる。
図4に示されるように、ある実施形態では、入力ジェスチャが実行されたときに対応するジェスチャシンボル52を強調表示するボックス54は、ジェスチャシンボル52を囲む。
【0040】
他の入力ジェスチャを、ソフトウエアのロック解除方法を実行中に他の機能のために用いることもある。例えば、ジェスチャ入力デバイス16への3本の指のタップを用いて、それ以前に入力されたパスワードシンボルを消去し、パスワード入力シーケンスを最初からやり直すことを示すことができる。あるいは、少なくとも所定の時間例えば2秒間、ジェ
スチャ入力デバイス16に1本の指を置くことにより、それ以前に入力したパスワードシンボルを消去し、パスワード入力シーケンスを最初からやり直すことを示すこともできる。
【0041】
カメラ18が入力ジェスチャ捕捉デバイスとして利用される場合、「スワイプ」は、カメラ18の視野内での1本または複数の指の動きとすることができる。たとえば、前方へのスワイプは1本以上の指の左から右への動きとすることができ、後方へのスワイプは1本以上の指の右から左への動きとすることができ、上方へのスワイプは下から上への1本以上の指の垂直方向の動きとすることができ、下方へのスワイプは、1本以上の指の上から下への垂直方向の動きとすることができる。「タップ」ジェスチャは、カメラ18の視野内での1本以上の指を曲げる動作とすることができる。
【0042】
図4に示されるように、パスワード入力画面70は、ランダムに割り当てられたジェスチャシンボル52を含む。ソフトウエアロック解除方法が開始されると、入力ジェスチャは、パスワードシンボル50とパスワード副シンボル56にランダムに割り当てられる。このようにして、ユーザ20を観察し、電子装置10のロックを解除するために使用される入力ジェスチャのシーケンスを見た人間は、同じジェスチャシーケンスを利用することによって電子装置10のロックを解除することができない。したがって、実際のロック解除パスワードを公開することなく、入力ジェスチャシーケンスを公にすることができ、公開の場で披露することができる。
【0043】
図5に示されるように、ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法90は、電子装置10のソフトウエアロック状態100から開始する。ソフトウエアロック解除方法90を開始するために、ステップ102において、ユーザ20は、ジェスチャ入力デバイス16及び/又はカメラ18に入力ジェスチャを提供する。ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法90を開始するための入力ジェスチャは、1つまたは複数のタップである。ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法90は、電子装置10のボタン24を押すことによって開始される。ステップ102は、パスワードシンボル50およびパスワード副シンボル56への入力ジェスチャ52のランダムな割り当てを含む。ソフトウエアロック解除方法90の次のステップ104は、以前に入力された入力ジェスチャをすべてクリアし、ディスプレイにパスワード入力画面40を提示させる。ステップ106は、ユーザ20の入力ジェスチャを捕捉する。ステップ108は、入力ジェスチャを入力パスワードシンボル48(入力文字としても知られている)に変換する。ステップ110では、入力パスワードシンボル48が、格納されたロック解除パスワードと比較される。ステップ110は、パスワード入力シーケンスが完了したことを示す入力ジェスチャをユーザ20が提供することによって開始される。たとえば、「入力」のパスワード入力ジェスチャは、上から中間と下から中間を同時にスワイプする、つまりピンチ(つねる動作)することである。ステップ112は、入力されたパスワードシンボル48と格納されたロック解除パスワードとの比較に基づいて動作する。この比較は、入力されたパスワードシンボル48が、格納されたロック解除パスワードと一致するか、または一致しないことを示す。入力されたパスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致する場合には、ソフトウエアロック解除方法90はステップ116に進む。ステップ116において、電子装置10のロックが解除され、ステップ120に示されるようにソフトウエアは動作可能となる。入力されたパスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致しない場合、ソフトウエアロック解除方法90はステップ114に進み、入力されたパスワードシンボル48がクリアされる。次に、ソフトウエアロック解除方法90は、ステップ104に戻り、入力ジェスチャの別のシーケンスを取得することができる。ステップ114はまた、パスワードシンボル50および副シンボル56への入力ジェスチャ52のランダムな割り当てを含む。
【0044】
図6に示されるように、ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法150は、電子装置10のソフトウエアロック状態152で開始する。ステップ154で、ソフトウエアロック解除方法152が開始される。ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法150を開始するための入力ジェスチャは、1つまたは複数のタップである。ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法90は、電子装置10のボタン24を押すことによって開始される。ステップ156は、以前の入力ジェスチャをすべてクリアし、パスワード入力画面40を表示する。ステップ156はまた、パスワードシンボル50および副シンボル56への入力ジェスチャ52のランダムな割り当てを含む。ステップ158は、単一の入力ジェスチャを捕捉する。ステップ160は、この入力ジェスチャを予め定義されたキャンセルジェスチャと比較する。入力ジェスチャがキャンセルジェスチャである場合、ソフトウエアロック解除方法150はステップ156に戻る。ある実施形態では、キャンセルジェスチャは、入力ジェスチャが認識/捕捉されないタイムアウト期間である。別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、所定の期間、例えば2秒間、1本の指がジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。さらに別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、3本の指がジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。
【0045】
入力ジェスチャがキャンセルジェスチャでない場合、ソフトウエアロック解除方法150は、ステップ166に進み、ここで、入力ジェスチャが入力パスワードシンボル48に変換される。ステップ168は、入力パスワードシンボル48の任意のシーケンスの末尾(最後)に、入力パスワードシンボル48を追加し、その結果さらに蓄積される。ステップ174は、入力されたパスワードシンボル48の現在のシーケンスを、格納されたロック解除パスワードと比較する。ステップ176において、蓄積された入力パスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致する場合、ソフトウエアロック解除方法150はステップ178に進む。ステップ178では、電子装置10はロック解除され、ソフトウエアはソフトウエアロック解除状態180で動作可能である。蓄積された入力パスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致しない場合、ソフトウエアロック解除方法150はステップ182に進む。ステップ182では、蓄積された入力パスワードシンボル48の数が、入力ジェスチャの最大許容数と比較される。入力パスワードシンボル48の累積数が入力ジェスチャの最大許容数である場合、ソフトウエアロック解除方法150はステップ156に戻る。入力パスワードシンボル48の累積数が最大許容数より少ない場合、ソフトウエアロック解除方法150はステップ158に戻り、ここで別の入力ジェスチャが捕捉される。
【0046】
図7に示されるように、ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法200は、電子装置10のソフトウエアロック状態202から開始する。ソフトウエアロック状態202では、電子装置10は、ディスプレイがオフにされたスリープ状態にある。ステップ204は、起動キューを介してソフトウエアロック解除方法200を開始する。ある実施形態では、起動キューは、電子装置10のボタン24を押すことである。ある実施形態では、起動キューは、ジェスチャ入力デバイス16のタッチである。起動キューにより、ステップ205でディスプレイはロック画面30を提示する。ステップ206において、ユーザ20は入力ジェスチャを介してパスワード入力を開始する。入力ジェスチャとしては、限定されないが、ジェスチャ入力デバイス16のタッチ、カメラ18のバーチャルタッチ、または電子装置10のボタン24を押すこと等がある。ステップ206はまた、パスワードシンボル50および副シンボル56への入力ジェスチャ52のランダムな割り当てを含む。パスワード入力を開始することにより、ステップ207でディスプレイはパスワード入力画面40を提示する。
【0047】
次のステップ208において、入力ジェスチャが捕捉される。ステップ210において、捕捉された入力ジェスチャが、パスワード入力シーケンスのキャンセルを示すための予め定義されたキャンセルジェスチャと比較される。ある実施形態では、キャンセルジェスチャは、入力ジェスチャが認識/捕捉されないタイムアウト期間である。別の実施形態では
、キャンセルジェスチャは、所定の期間、例えば2秒間、1本の指をジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。さらに別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、ジェスチャ入力デバイス16に3本指をタッチすることである。入力ジェスチャがキャンセルジェスチャである場合、ソフトウエアロック解除方法200は、ステップ212で以前に入力されたパスワードシンボル48をクリアして、ステップ207に戻り、電子装置の入力パスワード画面40、70を表示する。ステップ212はまた、パスワードシンボル50と副シンボル56への入力ジェスチャ52のランダムな割り当てを含む。
【0048】
入力ジェスチャがキャンセルジェスチャでない場合、ソフトウエアロック解除方法200は、ステップ216に進み、ここで、入力ジェスチャが入力パスワードシンボル48または入力文字に変換される。ステップ218は、入力パスワードシンボル48または文字を、入力パスワードシンボル48または文字のシーケンスの末尾に追加し、その結果さらに蓄積される。ステップ224では、入力パスワードシンボル48または文字が、パスワード表示領域42に表示される。入力パスワードシンボル48または文字は、所定の、通常は短い時間だけ表示される。ステップ226では、入力パスワードシンボル48の表示時間が、設定された/予め決定された期間と比較される。ステップ226は、入力パスワードシンボル48が表示された時間を、毎秒予め決められた回数だけ、設定された期間と比較することができる。例えば、ステップ226は、10分の1秒ごとに、上記時間を設定された期間と比較することができる。入力パスワードシンボル48が表示された時間が設定された期間と一致しないか、それを超えない場合、ソフトウエアロック解除方法200はステップ224に戻る。入力パスワードシンボル48が表示された時間が、設定された時間を超えた場合、ソフトウエアロック解除方法200はステップ230を実行し、ここで、入力パスワードシンボル48または入力ジェスチャに対応する文字の代わりに、マスキングシンボル46が表示される。このようにして、入力パスワードシンボル48または入力パスワード文字は、パスワード表示領域42から除去される。
【0049】
次に、ステップ232で、これまでに入力された一連の入力パスワードシンボル48を、格納されたロック解除パスワードと比較する。ステップ234において、蓄積された入力パスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致する場合、ソフトウエアロック解除方法200はステップ236に進む。ステップ236では、電子装置10はロック解除され、ソフトウエアはソフトウエアロック解除状態238で動作可能となる。ある実施形態では、設定期間の後にマスキングシンボル46を表示するステップ230は、入力パスワードシンボル48のシーケンスを格納されたロック解除パスワードと比較するステップ232と、同時に実行される。換言すれば、ある実施形態では、ステップ230のタイマーは、ステップ232とは独立して動作する。
【0050】
入力パスワードシンボル48のシーケンスが、格納されたロック解除パスワードと一致しない場合、ソフトウエアロック解除方法200は、ステップ240に進む。ステップ240では、蓄積された入力パスワードシンボル48の数が、入力ジェスチャ及び/又は入力パスワードシンボル48の最大許容数と比較される。入力パスワードシンボル48の累積数が最大許容数である場合、ソフトウエアロック解除方法200は、ステップ244で入力されたパスワードシンボル48をクリアし、ステップ207に戻る。入力パスワードシンボル48の累積数が最大許容数より少ない場合、ソフトウエアロック解除方法200は、別の入力ジェスチャが捕捉されるステップ208に戻る。
【0051】
図8に示されるように、ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法300は、電子装置10のソフトウエアロック状態302から開始する。ソフトウエアロック状態302では、電子装置10はスリープ状態にあり、ディスプレイがオフにされている。ステップ304は、入力ジェスチャ(ジェスチャ入力デバイス16への1つまたは複数のタップ等)または電子装置のボタン24を押すことを介して、ソフトウエアロック解除方法300を開始する。ステップ304は、コンピュータメモリを割り当てるか、またはコンピュータ変数などを初期値に設定する。ステップ305は、電子装置10がスリープ状態にあるかどうかを判断する。電子装置10がスリープ状態にある場合、ステップ306でディスプレイはロック画面30を提示する。ステップ308では、ユーザ20は、ジェスチャ入力デバイス16のタッチまたはカメラ18のバーチャルタッチ等の入力ジェスチャを介して(ただし、これらに限定されない)、パスワード入力を開始する。パスワード入力を開始すると、ステップ310では、ソフトウエアロック解除方法300が、入力ジェスチャおよびこれに対応する対応するジェスチャシンボル52を、パスワードシンボル50、56にランダムに割り当てる。ステップ305において、ソフトウエアロック解除方法300が、電子装置10がスリープ状態にないと判断した場合、ソフトウエアロック解除方法300は、ステップ310に進む。
【0052】
ステップ310はまた、(格納されたロック解除パスワードを入力するための以前の試みから)以前に入力されたパスワードシンボル48及び/又は入力ジェスチャを、クリアする。次のステップ312で、ディスプレイはパスワード入力画面40を提示する。次のステップ314では、入力ジェスチャが捕捉される。ステップ316において、捕捉された入力ジェスチャが、パスワード入力シーケンスのキャンセルを示すために使用される予め定義されたキャンセルジェスチャと比較される。ある実施形態では、キャンセルジェスチャは、入力ジェスチャが認識/捕捉されないタイムアウト期間である。別の実施形態では
、キャンセルジェスチャは、所定の期間例えば2秒間、1本の指がジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。さらに別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、ジェスチャ入力デバイス16に3本指がタッチすることである。入力ジェスチャがキャンセルジェスチャである場合、ソフトウエアロック解除方法300は、ステップ310に戻って、以前に入力されたパスワードシンボル48をクリアし、入力ジェスチャおよびそれらに対応するジェスチャシンボル52を、パスワードシンボル50、56にランダムに割り当てる。
【0053】
入力ジェスチャがキャンセルジェスチャでない場合、ソフトウエアロック解除方法300はステップ318に進み、ここで、入力ジェスチャが入力パスワードシンボル48に変換される。ステップ320は、入力パスワードシンボル48の前に入力されたシーケンスの末尾に、入力パスワードシンボル48を追加する。次のステップ328は、これまでに入力された入力パスワードシンボル48のシーケンスを、格納されたロック解除パスワードと比較する。ステップ330において、蓄積された入力パスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致する場合、ソフトウエアロック解除方法300はステップ332に進む。ステップ332では、電子装置10がロック解除され、ソフトウエアはソフトウエアロック解除状態334で動作可能となる。ステップ330において、入力パスワードシンボル48のシーケンスが、格納されたロック解除パスワードと一致しない場合、ソフトウエアロック解除方法300は、ステップ336に進む。ステップ336では、蓄積された入力パスワードシンボル48の数が、入力パスワードシンボル48の最大許容数と比較される。入力されたパスワードシンボル48の累積数が最大許容数である場合、ソフトウエアロック解除方法300はステップ310に戻り、入力されたパスワードシンボル48をクリアする。入力パスワードシンボル48の累積数がその最大許容数よりも少ない場合、ソフトウエアロック解除方法300はステップ314に戻り、そこで別の入力ジェスチャが捕捉される。
【0054】
図9に示されるように、ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法350は、電子装置10のソフトウエアロック状態352から始まる。ソフトウエアロック状態352では、電子装置10はスリープ状態であり、ディスプレイはオフにされている。ステップ354は、入力ジェスチャ(限定されないが、入力ジェスチャデバイス16に1回または複数回タップする等)か、または電子装置10のボタン24を押すことを介して、ソフトウエアロック解除方法350を開始する。ステップ354は例えば、捕捉された入力ジェスチャを保持するために、またはコンピュータ変数に初期値を設定するために、コンピュータメモリを割り当てることができる。ステップ355は、電子装置10がスリープ状態にあるか否かを判断する。電子機器10がスリープ状態にある場合、ステップ356でディスプレイはロック画面30を表示する。ステップ358においてユーザ20は、入力ジェスチャ(ジェスチャ入力デバイス16へのタッチまたはカメラ18のバーチャルタッチ等であるがこれらに限定されない)を介して、パスワード入力を開始する。パスワード入力を開始すると、ソフトウエアロック解除方法350は、ステップ360において、入力ジェスチャおよびそれに対応するジェスチャシンボル52を、パスワードシンボル50、56にランダムに割り当てる。ステップ355において、ソフトウエアロック解除方法350が、電子装置10がスリープ状態にないと判断した場合、ソフトウエアロック解除方法350はステップ360に進む。
【0055】
ステップ360はまた、(格納されたロック解除パスワードを入力するための以前の試みから)以前に入力されたパスワードシンボル48及び/又は入力ジェスタを、クリアする。次のステップ362において、ディスプレイはパスワード入力画面40を提示する。次のステップ364では、入力ジェスチャが捕捉される。ステップ366では、捕捉された入力ジェスチャが、入力パスワードシーケンスのキャンセルを示すために使用される予め定義されたキャンセルジェスチャと、比較される。ある実施形態では、キャンセルジェスチャは、入力ジェスチャが認識/捕捉ないタイムアウト期間である。別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、1本の指が、所定の期間例えば2秒間ジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。さらに別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、3本の指がジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。入力ジェスチャがキャンセルジェスチャである場合、ソフトウエアロック解除方法350は、ステップ360に戻って、以前に入力されたパスワードシンボル48をクリアし、入力ジェスチャおよびそれに対応するジェスチャシンボル52を、パスワードシンボル50、56にランダムに割り当てる。
【0056】
入力ジェスチャがキャンセルジェスチャでない場合、ソフトウエアロック解除方法350はステップ368に進み、ここで、入力ジェスチャは入力パスワードシンボル48に変換される。ステップ370は、入力パスワードシンボル48を、その前に入力されたパスワードシンボル48のシーケンスの末尾に追加する。
【0057】
次のステップ372は、これまでに入力されたパスワードシンボル48のシーケンスを、格納されたロック解除パスワードと比較する。ステップ374において、蓄積された入力パスワードシンボル48が、格納されたロック解除パスワードと一致する場合、ソフトウエアロック解除方法350は、ステップ376に進む。ステップ376において、電子装置10はロック解除され、ソフトウエアはソフトウエアロック解除状態378で動作可能となる。ステップ374において、入力パスワードシンボル48のシーケンスが、格納されたロック解除パスワードと一致しない場合、ソフトウエアロック解除方法350は、ステップ380に進む。ステップ380において、蓄積された入力パスワードシンボル48の数が、入力パスワードシンボル48の最大許容数と比較される。入力パスワードシンボル48の累積数が最大許容数である場合、ソフトウエアロック解除方法350は、ステップ360に戻り、入力されたパスワードシンボル48をクリアする。入力パスワードシンボル48の累積数がその最大許容数より少ない場合、ソフトウエアロック解除方法350はステップ364に戻り、別の入力ジェスチャが捕捉される。
【0058】
図10に示されるように、ある実施形態では、ソフトウエアロック解除方法400は、電子装置10のソフトウエアロック状態402から開始する。ソフトウエアロック状態402において、電子装置10はスリープ状態にあり、ディスプレイはオフにされている。ステップ404は、入力ジェスチャ(入力ジェスチャデバイス16を1回または複数タップする等)または電子装置10のボタン24を押すことを介して、ソフトウエアロック解除方法400を開始する。ステップ404は、コンピュータメモリを割り当てるか、またはコンピュータ変数などに初期値を設定する。ステップ405は、電子装置10がスリープ状態にあるかどうかを判断する。電子装置10がスリープ状態にある場合、ステップ406でディスプレイはロック画面30を提示する。ステップ408において、ユーザ20は、入力ジェスチャ(限定されないが、ジェスチャ入力デバイス16のタッチまたはカメラ18のバーチャルタッチ等)を介してパスワード入力を開始する。パスワード入力を開始すると、ステップ410において、ソフトウエアロック解除方法400は、入力ジェスチャおよびこれに対応するジェスチャシンボル52を、ランダムにパスワードシンボル50、56に割り当てる。ステップ405において、ソフトウエアロック解除方法400が、電子装置10がスリープ状態にないと判断した場合、ソフトウエアロック解除方法400は、ステップ410に進む。
【0059】
ステップ410はまた、(格納されたロック解除パスワードを入力するための以前の試みから)以前に入力されたパスワードシンボル48及び/又は入力ジェスチャを、クリアする。次にステップ412で、ディスプレイはパスワード入力画面40を提示する。次のステップ414において、入力ジェスチャが捕捉される。ステップ416において、捕捉された入力ジェスチャが、入力パスワードシーケンスのキャンセルを示すために使用される予め定義されたキャンセルジェスチャと、比較される。ある実施形態では、キャンセルジェスチャは、入力ジェスチャが認識/捕捉されないタイムアウト期間である。別の実施形
態では、キャンセルジェスチャは、所定の期間例えば2秒間、1本の指がジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。さらに別の実施形態では、キャンセルジェスチャは、3本の指がジェスチャ入力デバイス16にタッチすることである。入力ジェスチャがキャンセルジェスチャである場合、ソフトウエアロック解除方法400は、ステップ410に戻って、以前に入力されたパスワードシンボル48をクリアし、入力ジェスチャおよびそれに対応するジェスチャシンボル52をパスワードシンボル50、56にランダムに割り当てる。
【0060】
入力ジェスチャがキャンセルジェスチャでない場合、ソフトウエアロック解除方法400は、ステップ418に進み、ここで、入力ジェスチャが入力パスワードシンボル48に変換される。ステップ420は、入力されたパスワードシンボル48を、その前に入力されたパスワードシンボル48のシーケンスの末尾に、追加する。ステップ422において、入力パスワードシンボル48は、パスワード入力画面40のパスワード表示領域42に表示される。入力パスワードシンボル48は、所定の、通常は短い時間で表示される。ステップ424において、入力パスワードシンボル48の表示時間が設定された/予め定義された時間と比較される。入力パスワードシンボル48が表示された時間が設定時間と一致しないか、それを超えない場合、ソフトウエアロック解除方法400はステップ422に戻る。入力パスワードシンボル48が表示された時間が設定時間を超えた場合、ソフトウエアロック解除方法400はステップ426を実行し、入力パスワードシンボル48の代わりにマスキングシンボル46が表示される。ある実施形態では、設定時間の後にマスキングシンボル46を表示するステップ426は、後述するステップ428と同時に生じる。換言すれば、ある実施形態では、ステップ426のタイマーは、ステップ428とは独立して動作する。
【0061】
次に、ステップ428は、これまでに入力された入力パスワードシンボル48のシーケンスを、格納されたロック解除パスワードと比較する。ステップ430において、蓄積された入力パスワードシンボル48が格納されたロック解除パスワードと一致する場合、ソフトウエアロック解除方法400はステップ432に進む。ステップ432において、電子装置10はロック解除され、ソフトウエアはソフトウエアロック解除状態434で動作可能となる。ステップ430において、入力パスワードシンボル48のシーケンスが、格納されたロック解除パスワードと一致しない場合、ソフトウエアロック解除方法400は、ステップ436に進む。ステップ436において、蓄積された入力パスワードシンボル48の数が、入力パスワードシンボル48の最大許容数と比較される。入力されたパスワードシンボル48の累積数が最大許容数である場合、ソフトウエアロック解除方法400はステップ410に戻り、入力されたパスワードシンボル48をクリアする。入力されたパスワードシンボル48の累積数がその最大許容数より少ない場合、ソフトウエアロック解除方法400はステップ414に戻り、ここで別の入力ジェスチャが捕捉される。
【0062】
種々のソフトウエアロック解除方法で入力ジェスチャが認識されると、パスワード入力画面40、70のパスワード表示領域42に表示される対応の入力パスワードシンボル48がジェスチャマップ領域44で強調表示されて、入力したユーザに示すことができる。パスワードシンボル48は、入力ジェスチャに関連するシンボルまたは文字として電子装置10によって認識される。ある実施形態では、入力パスワードシンボル48の強調表示は、ジェスチャマップ領域44内の対応するパスワードシンボル50及び/又はパスワード副シンボル56を囲む境界54の表示である。別の実施形態では、入力パスワードシンボル48の強調表示は、ジェスチャマップ領域44内のパスワードシンボル50及び/又はパスワード副シンボル56の色の変化である。さらに別の実施形態では、入力パスワードシンボル48の強調表示は、ジェスチャの背景色をジェスチャマップ領域44の残りの部分の背景色とは異なる背景色にして、パスワードシンボル50及び/又はパスワード副シンボル56をジェスチャマップ領域44に表示することである。さらに別の実施形態では、入力パスワードシンボル48の強調表示は、ジェスチャマップ領域44におけるパスワードシンボル50及び/又はパスワード副シンボル56の一定期間の点滅表示である。別の実施形態では、入力パスワードシンボル48を、前述の方法の任意の組み合わせで、ジェスチャマップ領域44で強調表示する。
【0063】
図11に示されるように、ある実施形態では、パスワード入力画面500は、パスワード表示領域502およびジェスチャマップ領域504を備えている。ジェスチャマップ領域504では、パスワードシンボル520のセットが、対応するジェスチャシンボル530とともに表示される。ジェスチャシンボル530に対応する入力ジェスチャは、ジェスチャ入力デバイス16及び/又はカメラ18と共に用いられ、シンボルシーケンス(例えば、格納されたロック解除パスワード)を入力することができる。パスワード表示領域502は、入力パスワードシンボル514を表示するための第1のセクション516Aを含む。パスワード表示領域502はまた、キャンセルジェスチャが入力されたことを示すために使用されるシンボル512を選択的に表示するための第2のセクション516Bを含む。入力ジェスチャが認識され、入力パスワードシンボル514に変換されると、入力パスワードシンボル514は、予め決められた期間、例えば10秒間、パスワード表示領域502の第1のセクション516Aに表示される。入力パスワードシンボル514が所定の期間表示された後、入力パスワードシンボル514は、入力パスワードシンボル514を隠すために使用されるマスクシンボル510に置き換えられる。
【0064】
図11に示されるように、パスワードシンボル520の完全なセットは、セット{1、2、3、4、5、6、7、8、9、0}である。パスワードシンボル520は、追加的または代替的に、セット{A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y、Z、+}を用いることができる。他のシンボルの集合を用いることもできる。対応する入力ジェスチャは、パスワードシンボル520の隣にジェスチャシンボル530を表示することによって、示すことができる。ある実施形態では、ジェスチャシンボル530とそれらの対応する入力ジェスチャ(ジェスチャ入力デバイス16及び/又はカメラ18に関する入力ジェスチャ)は、以下のとおりである。「左から右への1つの矢印」は、1本の指の前方へのスワイプジェスチャを示し、「右から左への1つの矢印」は、1本の指の後方へのスワイプジェスチャを示し、「1つの黒丸」は1本の指のタップジェスチャを示し、「2つの黒丸」は2本の指のタップジェスチャを示し、「左から右への2つの矢印」は2本の指の前方へのスワイプを示し、「右から左への2本の矢印」は2本の指の後方へのスワイプジェスチャを示し、「下から上への1本の矢印」は1本の指の下から上へのスワイプジェスチャを示し、「上から下への1本の矢印」は1本の指の上から下へのスワイプジェスチャを示し、「下から上への2本の矢印」は2本の指の下から上へのスワイプジェスチャを示し、「上から下への2本の矢印」は2本の指の上から下へのスワイプジェスチャを示し、「右から左への上側の矢印と左から右への下側の矢印の組み合わせ」は1本の指を後から前へさらに前から後ろへと動かすスワイプジェスチャを示し、「互いに方向が向き合う2本の矢印を一直線上に配置した組み合わせ」は、2本の指を同時に前方から後方へ、後方から前方へとそれぞれ動かすスワイプジェスチャ(つまり水平ピンチ)を示す。ジェスチャ入力デバイス16を用いる場合、2本の指の入力ジェスチャは、2本の指がジェスチャ入力デバイス16に同時にタッチすることを意味する。カメラ18を利用する場合、2本の指の入力ジェスチャは、2本の指が同時に入力ジェスチャを実行することを意味する。代替のジェスチャシンボル530を用いて、入力ジェスチャに対応してもよい。前述のように、他の入力ジェスチャは、ソフトウエアのロック解除方法及び/又はパスワード入力中において他の機能のために用いることができる。
【0065】
ある実施形態では、パスワード入力画面500の背景540は、透明または部分的に透明であり、表示されたシンボル510、514、512、520、530は、不透明または部分的に不透明である。別の実施形態では、パスワード入力画面500の背景540は不透明であるか、または部分的に不透明であり、表示されるシンボル510、514、512、520、530は、透明であるか、または部分的に透明である。
【0066】
図12に示されるように、ある実施形態では、電子装置10は、スマートフォンなどの多目的モバイルコンピューティングデバイスを含むことができる。多目的モバイルコンピューティングデバイス10は、タッチスクリーン(タッチ画面)で構成されたジェスチャ入力デバイス16を含む。多目的モバイルコンピューティングデバイス10はまた、処理ユニット14、カメラ18、およびボタン24を含む。
【0067】
本明細書に記載の実施形態の1つまたは複数の特徴を組み合わせて、図示されていない追加の実施形態を作成することができる。種々の実施形態が詳細に説明されているが、これらは例として提示されており、限定ではないことを理解されたい。開示された主題が、その範囲、精神、または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態、変形、および修正で具体化され得ることは、当業者にとって自明なことである。したがって、上記の実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、その均等物の意味および範囲内にあるすべての変更は、そこに含まれることが意図されている。