(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020536
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】血管内温度制御のための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61F 7/00 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A61F7/00 310F
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023199786
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2022124135の分割
【原出願日】2018-02-02
(31)【優先権主張番号】15/423,581
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510034982
【氏名又は名称】ゾール サーキュレイション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Circulation,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダブロウィアク、ジェレミー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クレイトン、ジェシカ、メーガン
(72)【発明者】
【氏名】バックリー、ジョン、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パミチェフ、クリスト、ペトロフ
(72)【発明者】
【氏名】ペンドリー、クレイグ、ウェンデル
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン、ポール、エリック
(72)【発明者】
【氏名】スミス、リチャード、アレン
(72)【発明者】
【氏名】イップ、ショーン、ダブリュー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血管内熱交換によって患者の体温を制御するための改良された装置、システム、および方法を提供する。
【解決手段】血管内熱交換器を通して熱交換流体を循環させるように構成されたシステム10であって、前記システムは、熱交換流体の脈動流を生成するポンプを備え、前記システムは、前記熱交換流体が流れるときに前記熱交換流体の脈動を減衰させる脈動減衰導管を有する少なくとも1つの送出導管を介して、前記血管内熱交換器に接続されている、システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内熱交換器を通して熱交換流体を循環させるように構成されたシステムであって、
前記システムは、熱交換流体の脈動流を生成するポンプを備え、
前記システムは、前記熱交換流体が流れるときに前記熱交換流体の脈動を減衰させる脈動減衰導管を有する少なくとも1つの送出導管を介して、前記血管内熱交換器に接続されている、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本PCT国際特許出願は、2017年2月2日に申請された血管内温度制御のための装置、システム、および方法と題する米国特許出願第15/423,581号の優先権を主張し、その全開示が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、医学および工学の分野に関し、より詳細には、血管内熱交換によって患者の体温を制御するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
37CFR1.71(e)に従い、本特許文書は、著作権保護の対象となる資料を含み、本特許文書の所有者は、すべての著作権を留保する。
【0004】
様々な臨床状況において、被検体の体温を温める、冷やす、またはその他の方法で制御することが望ましい。例えば、低体温症は、虚血性、無酸素性、または毒性傷害の影響から様々な器官および組織(例えば、心臓、脳、腎臓)を保護する目的で、人および一部の動物において誘発されることがある。例えば、動物実験および/または臨床試験は、虚血性心イベント(例えば、心筋梗塞、急性冠動脈症候群など)、心肺蘇生後の無酸素昏睡、外傷性脳損傷、脳卒中、くも膜下出血、発熱および神経学的損傷を患う動物または人において、軽度の低体温症が神経保護および/または心臓保護効果を有し得ることを示唆している。また、研究は、全身低体温症が、血管造影法を受ける既存の腎臓機能障害を有する患者の腎臓に対する放射線造影剤の毒性作用(例えば、放射造影剤腎傷害)を改善できることを示した。
【0005】
低体温を誘発するための一方法は、血管内温度管理(ETM)によるものであり、熱交換カテーテルが血管内に挿入され、熱交換流体を血管に挿入されたカテーテルの部分に配置された熱交換器を通して循環させる。熱交換流体がカテーテルの熱交換器を通って循環するにつれ、熱交換流体は、血管内の熱交換を通過して流れる血液と熱を交換する。そのような技法を使用して、被検体の流れる血液を冷やすことができ、それによって、被検体の深部体温をある所望の目標温度まで低下させる。ETMは、モニタされた体温をある選択された温度に維持するために、体を温めることおよび/または体温を制御することも可能である。選択された目標温度からの再加温または再冷却の制御された速度が望まれる場合、これも、体に追加または除去される熱量を注意深く制御し、それによって患者の温度変化を制御することによって達成されることができる。
【発明の概要】
【0006】
本開示によると、効率的な血管内および/または体表面熱交換を容易にする熱交換装置、システム、および方法が提供される。
【0007】
一実施形態によると、温められたまたは冷やされた熱交換流体を、血管内熱交換器(例えば、血管内熱交換カテーテル)を通して循環させるためのシステムが提供され、a)本システムは、熱交換流体の脈動流を生成し、b)本システムは、熱交換流体が流れる際に通る導管としてだけではなく、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動または圧力を減衰させるための脈動減衰器としても機能する脈動減衰導管を含む1つまたは複数の導管を介して血管内熱交換器に接続されている。脈動減衰導管は、例えば、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動の振幅を減衰または減少させるのに十分な弾性または曲げ特性を有するチューブを含むことができる。
【0008】
別の実施形態によると、人または動物の被検体の体を温めるまたは冷やすためのシステムが提供され、そのようなシステムは、1つまたは複数の交換可能な構成要素(例えば、血管内熱交換カテーテル、体表面熱交換パッド、チューブ、熱交換流体が循環する際に通るカセット、他の使い捨て可能な構成要素など)に接続可能な体外制御システムを備える。交換可能な構成要素が体外制御システムに接続されているときに、システムは、被検体の体と熱交換を行うために使用可能である。交換可能な構成要素は、機械可読の符号化情報を含むことができる。体外制御システムは、符号化情報を受信し、読み取る読み取り装置を含む。体外制御システムは、そのような符号化情報を使用して、交換可能な構成要素の動作を識別、修正、確認、または制御する。符号化情報は、任意の適切な電子記憶媒体に記憶されてもよく、交換可能な構成要素の上にまたは中に搭載されたチップもしくはマイクロチップに埋め込まれていてもよい。記憶することができる符号化情報のタイプの例には、限定されることなく、交換可能な構成要素に対する一意の識別子(例えば、メーカ識別情報、部品番号、ロット番号など)、交換可能な構成要素が以前に使用されたかどうかの表示(例えば、符号化された最初の使用の表示)、交換可能な構成要素の期限が切れているかどうかの表示(例えば、符号化された有効期限)、交換可能な構成要素の動作特性(例えば、符号化された交換可能な構成要素のサイズ、タイプ、体積などの表示)が含まれてもよい。利用することができる情報記憶装置のタイプの例には、必ずしも限定されることなく、不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性フラッシュメモリ、電気的消去可能プログラム可能型読み取り専用メモリ(EEPROM)、または強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))が含まれる。体外制御システムは、符号化情報に応答して1つまたは複数の動作を行うようにプログラムされたコントローラ(例えば、プロセッサ)を備える。例えば、コントローラは、符号化情報が必要条件を満たすかどうかを判定し、上記必要条件が満たされている場合にのみ、被検体の体の加温または冷却を進めるようにプログラムされてもよい。
【0009】
別の実施形態によると、熱交換流体を温めるまたは冷やすための熱交換エンジンが提供される。そのような熱交換エンジンは、熱交換プレートまたは蒸発器を備え、これらは、プレートを通る冷媒の循環による冷却と、プレートの上にまたは中に配置された加熱器による加温とが交互に可能である。カセット収容スペースは、温度制御されたプレート間に位置し、カセットまたは熱交換器を収容するように構成されている。カセットは、フレームおよび膨張可能な容器(例えば、バッグまたは他の膨張可能な流体含有容器)を備える。膨張可能な容器は、例えば、カセットがカセット収容スペースに挿入された後、熱交換流体で充填可能である。これにより、冷媒と熱交換流体または加熱器と熱交換流体との間で熱が伝達される。一部の実施形態では、膨張可能な容器の外側表面は、隣接する熱交換プレートへの膨張可能な容器の付着を防止するために、リリース材料でコーティングされ、リリース可能な材料の層で覆われ、またはその他の方法で処理または改質されてもよい。一部の実施形態では、熱交換プレートの表面および/または膨張可能な容器の表面もしくは膨張可能な容器の表面上の層は、隣接する熱交換プレートへの膨張可能な容器の付着を防止するために、テクスチャー加工され、または孔、グローブ、もしくは他の表面フィーチャが設けられてもよい。一部の実施形態では、カセットは、カセットが使用前に折り畳み構成または閉鎖構成で配置され、使用時に展開構成または開放構成に変換され得るように、ヒンジ取り付けによって、挿入可能部分(例えば、フレームおよび膨張可能な容器)に取り付けられたハウジングを備えることができる。ハウジングと挿入可能部分との間のそのようなヒンジ接続は、展開または開放されると、カセットが、展開構成または開放構成でロックするように構成することができる。一部の実施形態では、コンソールまたはシステムに位置する複数のフックは、最初に格納位置に配置されて、熱交換プレート間のカセット収容スペースへの挿入可能部分の挿入を可能にし、その後、カセットの挿入可能部分をカセット収容スペース内に保持する前進位置に移動することができる。
【0010】
熱交換流体を,血管内熱交換器を通して循環させるように構成されたシステムが本明細書に開示され、本システムは、熱交換流体の脈動流を生成するポンプを備え、本システムは、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動を減衰させる脈動減衰導管を備える少なくとも1つの送出導管を介して血管内熱交換器に接続されている。脈動減衰導管は、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動の振幅を減衰または低減させるのに十分な弾性または曲げ特性を有するチューブを備えることができる。本システムは、熱交換流体を冷やすための冷却器と、熱交換流体を温めるための加熱器と、上記ポンプが熱交換流体を、カセットを通して循環させ、加熱器によって温めさせられるかまたは冷やされるように加熱器および冷却器と関連して配置可能なカセットと、をさらに備えることができ、上記少なくとも1つの送出導管がカセットから延在し、血管内熱交換器に接続可能であり、少なくとも1つの戻り導管がカセットから延在し、血管内熱交換器に接続可能であり、それによって、上記少なくとも1つの送出導管および上記少なくとも1つの戻り導管が血管内熱交換器にそのように接続されると、温められたまたは冷やされた熱交換流体がカセットから、上記少なくとも1つの送出導管を通り、血管内熱交換器を通り、上記少なくとも1つの戻り導管を通ってカセットに戻るように循環する。ポンプは、ポンプチューブと組み合わせた蠕動ポンプを備えることができ、このポンプチューブが熱交換流体の脈動流を引き起こす方式で上記蠕動ポンプによって圧縮される。ポンプチューブは、カセットに取り付けられ、カセットから延在することができる。加熱器および冷却器は、内部にカセットが挿入可能なスペースを間に有する熱交換プレートを備えることができる。カセットは、フレームに取り付けられたバッグを備えることができる。複数の熱交換流体流路がバッグ内に画定されてもよい。バッグは、上記スペースへの挿入および上記スペースからの取り外しを容易にするために滑らかであってよい。上記スペースへの挿入および上記スペースからの取り外しを容易にするために、孔、溝、または他の表面フィーチャがバッグに形成されてもよい。脈動減衰導管は、血管内熱交換器に接続されたとき、カセットから血管内熱交換器まで実質的に全距離にわたって延在することができる。送出導管は、長さが少なくとも80インチ(2032mm)であってもよい。脈動減衰導管は、長さが20インチ~100インチ(508~2540mm)であり、0.15インチ~0.40インチ(3.8~10.2mm)の内径を有することができ、0.06インチ~0.25インチ(1.5~6.4mm)の肉厚を有することができる。カセットは、熱交換流体を含む容器に結合されたカセットハウジングを備えることができ、熱交換流体が容器からカセットハウジングに流れ込むことを可能にするが、熱交換流体がカセットハウジングから容器内に逆流するのを防ぐために、逆止弁がカセットハウジングに配置されてもよい。カセットハウジングは、ある特定のガス滅菌プロセス中に発生することがある周囲圧力が変化することによるバッグの過度のパッカリングを防ぎ、さもなければバッグへの損傷を防ぐようにサイズが調整され、位置付けられている1つまたは複数の均圧通路を有することができる。ポンプは、システムのセットアップ中または動作中の少なくとも一部の時間、順モードで動作する。少なくとも一部の事例では、ポンプは、システムのセットアップ中または動作中の一定期間、逆モードで動作することができ、逆止弁は、ポンプが逆モードで動作しているときにカセットから容器への熱交換流体の逆流を防止することができる。本システムは、気泡検出器をさらに備えることができ、ポンプは、気泡検出器による気泡の検出に応答して逆モードで動作することができる。
【0011】
別の態様では、人または動物の被検体の体を温めるまたは冷やすためのシステムが本明細書で開示され、上記システムは、体外制御システムと、体外制御システムに接続可能な少なくとも1つの交換可能な構成要素と、を備え、そのように接続されると、体外制御システムによって制御されて、被検体の体との熱交換を行い、上記少なくとも1つの交換可能な構成要素が機械可読の符号化情報を含み、体外制御システムが符号化情報を読み取るための読み取り装置を含み、読み取り装置が符号化情報を受信し、読み取り、体外制御システムが符号化情報を使用して、上記少なくとも1つの交換可能な構成要素の動作を識別、修正、確認、または制御する。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、1回の使用に分類される少なくとも1つの使い捨て可能な構成要素を備えることができる。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、被検体の体の上にまたは中に配置可能であり、被検体の体と熱交換するために使用可能な体熱交換器を備えることができる。体熱交換器は、血管内熱交換カテーテルを備えることができる。体熱交換器は、体表面熱交換装置を備えることができる。体表面熱交換装置は、熱交換パッド、熱交換ブランケット、または熱交換マットレスを備えることができる。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、被検体の体温を検知するための温度センサを備えることができる。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、熱交換流体が循環する際に通る熱交換カセットおよびチューブを備えることができる。熱交換カセットは、圧力センサを含むことができる。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、符号化情報を保持する電子記憶媒体を備えることができる。電子記憶媒体は、不揮発性ランダムアクセスメモリRAMを備えることができる。電子記憶媒体は、不揮発性フラッシュメモリを備えることができる。電子記憶媒体は、電気的消去可能プログラム可能型読み取り専用メモリ(EEPROM)を備えることができる。電子記憶媒体は、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))を備えることができる。電子記憶媒体は、チップ埋め込み型またはマイクロチップ埋め込み型であってもよい。体外制御システムは、符号化情報に応答して1つまたは複数の動作を行うようにプログラムされたコントローラを備えることができる。コントローラは、予めプログラムされた情報が必要条件を満たすかどうかを判定し、上記必要条件が満たされている場合にのみ、被検体の体の加温または冷却を進めるようにプログラムされてもよい。符号化情報は、有効期限を含むことができ、必要条件は、符号化された有効期限が切れていないという判定を含む。交換可能な構成要素の最初の使用が実行または試行され、必要条件が、事前使用の表示が符号化情報に含まれていないという判定を含むとき、事前使用の表示が符号化情報に追加される。コントローラは、メモリに接続されても、またはメモリを組み込んでもよく、符号化情報に含まれる少なくとも1つの一意の識別子を確認し、メモリに記憶するようにプログラムされてもよい。上記少なくとも1つの一意の識別子は、メーカ識別情報、部品番号、およびロット番号から選択されてもよい。符号化情報は、上記少なくとも1つの交換可能な構成要素の少なくとも1つの動作特性を識別することができ、コントローラは、符号化情報によって識別された動作特性に基づいてシステムの動作を引き続き制御する方式を調整するようにプログラムされてもよい。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、いくつかの動作可能なサイズまたはタイプの熱交換カテーテルのうちの1つを含むことができ、符号化情報は、上記熱交換カテーテルのサイズまたはタイプを識別し、コントローラは、上記熱交換カテーテルのサイズまたはタイプに基づいてシステムの動作を引き続き制御する方式を調整するようにプログラムされてもよい。体外制御システムは、熱交換流体を温めるための加熱器、熱交換流体を冷やすための冷却器、熱交換流体を圧送するためのポンプ、およびコントローラを含む再利用可能なコンソールを備えることができ、上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、ポンプが体熱交換器を通して温められたまたは冷やされた熱交換流体を循環させるように、体外制御システムに接続可能な使い捨て可能な体熱交換器を備えることができる。体熱交換器は、血管内熱交換カテーテルを備えることができ、上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、体外制御システム内に配置可能なカセットをさらに備えることができ、それにより熱交換流体がカセットを通って循環し、カセットを通って循環する間に、加熱器によって温められるかまたは冷却器によって冷やされる。本システムは、カセットの上にまたは中に圧力センサをさらに備え、コントローラは、上記圧力センサから検知圧力信号を受信することができ、上記検知圧力信号に応答して制御信号を発するようにプログラムされている。上記少なくとも1つの交換可能な構成要素は、検知モジュールをさらに備えることができ、コントローラは、上記検知モジュールから検知温度信号を受信することができ、上記検知温度信号および検知圧力信号に応答して動作を行うようにプログラムされている。検知モジュールは、体熱交換器に流れ込む熱交換流体の温度、および体熱交換器から流れ出る熱交換流体の温度を示す検知温度信号を送信することができ、コントローラが上記検知温度信号を使用して、体熱交換器が動作している電力を計算するようにプログラムされている。体外制御システムは、ディスプレイを備え、またはディスプレイと通信することができ、コントローラは、計算された電力をディスプレイ上に表示するようにプログラムされてもよい。上記少なくとも交換可能な構成要素は、体温センサをさらに備えることができ、上記検知モジュールは、体温センサからの検知体温信号をコントローラにさらに送信することができる。
【0012】
別の態様では、a)加熱器、冷却器、カセット収容領域、蠕動ポンプ装置、およびコントローラを有する体外装置と、b)人または動物の被検体の体の上にまたは中に配置可能な体熱交換器と、を組み合わせて使用するように構成されたシステムが本明細書に開示され、上記システムは、カセット収容領域に挿入可能な、熱交換流体で充填可能なカセットと、カセットから延在し、体熱交換器の流入ポートに接続可能な送出導管と、カセットから延在し、体熱交換器の流出ポートに接続可能な戻り導管と、カセットから延在し、カセットがカセット収容領域に配置されている間、蠕動ポンプ装置内に配置可能な蠕動ポンプチューブと、を備え、それによって、送出導管が体熱交換器の流入ポートに接続され、流出導管が体熱交換器の流出導管に接続され、蠕動ポンプチューブが蠕動ポンプ装置内に配置されているときに、蠕動ポンプチューブは、熱交換流体がカセットから、送出導管を通って、体熱交換器の流入ポートに入り、体熱交換器の流出ポートから出て、流出導管を通って循環して、カセットに戻るように、蠕動ポンプ装置によって圧縮可能である。カセットは、フレームに取り付けられた熱交換バッグを備えることができる。材料の摩擦低減層を熱交換バッグ上に配置することができ、そのような摩擦低減層は、内部にバッグが挿入可能な熱交換プレート間のスペースからの熱交換バッグの取り外しを容易にすることができる。バッグは、上記スペースへの挿入および上記スペースからの取り外しを容易にするために滑らかであってよい。上記スペースへの挿入および上記スペースからの取り外しを容易にするために、孔、溝、または他の表面フィーチャがバッグに形成されて、上記スペースへの挿入および上記スペースからの取り外しを容易にする。送出導管は、熱交換流体が送出導管を通って流れるときに熱交換流体の圧力脈動を減衰させるのに十分な長さおよび弾力性を有するチューブを備えることができ、チューブは、カセットから血管内熱交換器まで送出導管の長さ全体に延在する。送出導管は、長さが少なくとも80インチ(2032mm)であってもよい。送出導管は、長さが20インチ~100インチ(508~2540mm)であってもよく、0.15インチ~0.40インチ(3.8~10.2mm)の内径を有することができ、0.06インチ~0.25インチ(1.5~6.4mm)の肉厚を有することができる。カセットは、熱交換流体を含む容器に結合されたカセットハウジングを備えることができ、カセットハウジングは、熱交換流体が容器からカセットハウジングに流れ込むことを可能にするが、熱交換流体がカセットハウジングから容器内に逆流するのを防ぐ逆止弁を含むことができる。カセットハウジングは、ある特定のガス滅菌プロセス中に発生することがある周囲圧力が変化することによるバッグの過度のパッカリングを防ぎ、さもなければバッグへの損傷を防ぐようにサイズが調整され、位置付けられている1つまたは複数の均圧通路を有することができる。カセットは、圧力センサをさらに備えることができる。カセットは、最初に閉鎖構成で配置され、カセット収容領域に挿入される前に開放構成に移行可能であってもよく、上記カセットは、カセットを開放構成で保持するためにロックするヒンジを有する。バッグは、2つの側面を含むことができ、2つの側面は、2つの側面間の複数の位置で互いに接続され、バッグから流体を排出するための排出チューブを収容するための通路を生成する。システム全体は、使い捨て可能であってもよく、1回の使用に分類されてもよい。カセットは、機械可読の符号化情報を含むことができる。カセットは、少なくとも1つの温度センサをさらに備えることができ、コントローラは、上記温度センサから検知温度信号を受信し、上記検知温度信号に応答して動作を行うようにプログラムされてもよい。カセットは、第1の温度センサおよび第2の温度センサを備えることができ、第1の温度センサが体熱交換器に流れ込む熱交換流体の温度を示す検知温度信号を送信し、第2の温度センサが温度を示す検知温度信号、体熱交換器から流れ出る熱交換流体の温度を示す検知温度信号を送信し、コントローラが、上記検知温度信号を使用して体熱交換器が動作している電力を計算するようにプログラムされている。コントローラは、ディスプレイを備え、またはディスプレイと通信することができ、コントローラは、計算された電力をディスプレイ上に表示するようにプログラムされてもよい。
【0013】
別の態様では、内部にポンプチューブを配置可能なレースウェイと、回転可能な部材と、回転可能な部材に取り付けられた複数のテーパ状のガイドローラと、回転可能な部材に取り付けられた複数の圧縮ローラと、回転可能な部材を回転させるためのモータと、を備えるポンプ装置が本明細書に開示される。ポンプ装置は、カセット保持機構をさらに備えることができ、このカセット保持機構は、カセットをカセット収容領域に挿入することができるように最初に格納位置に配置されて、その後保持位置に移動可能な少なくとも第1および第2のフックを備えることができ、第1および第2のフックがカセット上の別個の位置に係合し、それによってカセットをカセット収容領域内の動作位置に保持する。ガイドローラは、バレル形であってもよい。ガイドローラは、その端部のいずれかよりもその中央部の方が広い。
【0014】
別の態様では、熱交換流体を温めるまたは冷やすための熱交換エンジンが本明細書に開示され、上記熱交換エンジンは、熱交換プレートであって、プレートを通る冷媒の循環による冷却と、プレートの上にまたは中に配置された加熱器による加温とが交互に可能な、熱交換プレートと、フレームおよび膨張可能な容器を備えるカセットを収容するように構成された、熱交換プレート間のカセット収容スペースであって、膨張可能な容器が、カセットがカセット収容スペースに挿入された後、熱交換流体で充填可能である、カセット収容スペースと、を備え、互いに熱接触している冷媒と熱交換流体との間で熱が伝達される。冷媒流路がプレート内に形成されてもよく、冷媒は、冷媒流路を通って第1の方向に流れることができ、熱交換流体は、膨張可能な容器を通って第2の方向に流れることができ、上記第2の方向は、第1の方向と実質的に反対である。複数の流体流路が膨張可能な容器内に形成されてもよく、熱交換流体は、これらの流路を通って第2の方向に流れることができる。交換エンジンは、熱交換プレートと流体連通する圧縮器、凝縮器、および膨張弁をさらに備えることができる。熱交換エンジンは、吸気口と、排気口と、吸気口から熱交換エンジンを越えて、排気口から外に空気を導くように構成された空気流路と、を有するコンソール本体に配置されてもよい。熱交換エンジンは、冷却エンジン筐体内に音響エネルギーを封じ込める反射面を提供する回旋状の通路を形成する空気流路をさらに備え、流路の内部が音響吸収材料で覆われ、それによって、騒音を低減させる。
【0015】
別の態様では、温められたまたは冷やされた熱交換流体を、体熱交換器を通して循環させて、人または動物の被検体の体を温めるまたは冷やすように構成されたシステムが本明細書に開示され、上記システムは、1つまたは複数の温度センサから信号を受信し、上記1つまたは複数の温度センサから受信した信号に基づいて温度データを表示する第1の表示装置を備え、第1の表示装置が、有線または無線接続によって、第2の表示装置に接続可能であり、それにより上記1つまたは複数の温度センサから受信した上記信号を第1の表示装置から第2の表示装置に送信し、本システムは、上記信号が第1の表示装置から上記第2の表示装置に送信されるときに、上記信号に対する周囲温度のいかなる影響も最小限に抑えるまたは排除するための回路をさらに備えることができる。第2の表示装置は、ベッドサイドモニタを含むことができる。第2の表示装置は、遠隔モニタを含むことができる。第2の表示装置によって受信された信号は、第1の表示装置に表示されたものと同じ温度データを表示するために、第2の表示装置によって使用可能であってもよい。表示された温度データは、被検体の現在の体温を含むことができる。表示された温度データは、体熱交換器に流れる熱交換流体の現在の温度を含むことができる。表示された温度データは、体熱交換器から流れる熱交換流体の現在の温度を含むことができる。表示された温度データは、体熱交換器に流れる熱交換流体の現在の温度、および体熱交換器から流れる熱交換流体の現在の温度を含むことができる。第1および第2の表示装置は、体熱交換器に流れる熱交換流体の現在の温度と上記信号によって示されるような体熱交換器から流れる熱交換流体の現在の温度との差に基づいて体熱交換器の加温または冷却電力を計算し表示することができる。
【0016】
別の態様では、熱交換流体を、血管内熱交換器を通して循環させるように構成されたシステムが本明細書に開示され、上記システムは、熱交換流体で充填可能なリザーバと、熱交換流体がリザーバから血管内熱交換器に流れる際に通ることができる送出導管と、熱交換が血管内熱交換器からリザーバに流れる際に通ることができる戻り導管と、を備え、送出導管の少なくとも一部が、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動を減衰させるように構成された脈動減衰導管を備える。脈動減衰導管は、長さが少なくとも80インチ(2032mm)であってもよい。脈動減衰導管は、長さが20インチ~100インチ(508~2540mm)であり、0.15インチ~0.40インチ(3.8~10.2mm)の内径を有することができ、0.06インチ~0.25インチ(1.5~6.4mm)の肉厚を有することができる。リザーバは、熱交換流体が循環する際に通るカセットを備えることができる。システムは、熱交換流体がカセットを通って循環するときに、熱交換流体を温めるまたは冷やすためのさらなる装置を備えることができる。システムは、熱交換流体をリザーバから、送出導管を通り、血管内熱交換器を通り、戻り導管を通ってリザーバに戻るように循環させるポンプをさらに備えることができる。
【0017】
別の実施形態によると、温められたまたは冷やされた熱交換流体を、体熱交換器を通して循環させて、人または動物の被検体の体を温めるまたは冷やすように構成されたシステムが提供され、本システムは、1つまたは複数の温度センサから信号を受信し、上記1つまたは複数の温度センサから受信した信号に基づいて温度データを表示する第1の表示装置を備える。第1の表示装置は、上記1つまたは複数の温度センサから受信した上記信号を第1の表示装置から第2の表示装置に送信するように、有線または無線接続によって、第2の表示装置(例えば、ベッドサイドモニタ、中央ユニットモニタ、遠隔モニタなど)に接続可能である。システムは、信号が第1の表示装置から第2の表示装置に送信されるときに、そのような信号に対する周囲温度のいかなる影響も最小限に抑えるまたは排除するための回路をさらに備える。一部の実施形態では、第1の表示装置から第2の表示装置に送信される信号は、患者の体温、体熱交換器に流れる熱交換流体の温度、体熱交換器などから流れる熱交換流体の温度などの検知温度を表す信号を含むことができる。
【0018】
本発明のさらなる態様および詳細は、以下に記載される詳細な説明および実施例を読むことにより理解されるであろう。
【0019】
以下の詳細な説明および例は、必ずしもすべてではないが、一部の本発明の実施例または実施形態を非網羅的に説明する目的で提供されており、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】血管内熱交換カテーテル、体外制御コンソール、および熱交換カテーテルを制御コンソールに動作可能に接続するために使用可能なチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリを備える血管内熱交換システムの一実施形態である。
【0021】
【
図2A】アクセスカバーが開いた位置にある制御コンソールの左側/正面斜視図である。
【0022】
【
図2B】制御コンソールの左側/背面斜視図である。
【0023】
【
図3】アクセスカバーが開いた位置にある制御コンソール、および制御コンソールに挿入され動作可能に接続されるようになされたチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリの分解図である。
【0024】
【
図4】アクセスカバーが開いた位置にある制御コンソール、および制御コンソールに動作可能に挿入され、接続されているチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリの上面(斜視)図である。
【0025】
【
図5】アクセスカバーが開いた位置にある制御コンソール、および制御コンソールに動作可能に挿入され、接続されているチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリの上面(平面)図である。
【0026】
【
図6】ハウジングおよびアクセスカバーが取り外された制御コンソールの右側/正面斜視図である。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【
図10】制御コンソールの熱交換エンジン構成要素の斜視図である。
【0031】
【
図11】熱交換エンジンの熱交換プレートアセンブリの底面/斜視図である。
【0032】
【
図12】熱交換プレートアセンブリの上面/斜視図である。
【0033】
【
図13】熱交換エンジンの熱交換プレートアセンブリの上面(平面)図である。
【0034】
【
図14】熱交換プレートアセンブリの熱交換プレートのうちの1つの分解図であり、プレートの内面に形成された垂直方向の蛇行冷媒流路を露出させている。
【0035】
【
図15】外側プレートおよび加熱器が取り外された熱交換プレートアセンブリの背面図である。
【0036】
【
図16】熱交換プレートの部分分解背面斜視図であり、背面プレートは、任意選択の流体の非カセット加温/冷却に使用可能な二次流体流路を露出させるように取り外されている。
【0037】
【
図17】完全に組み立てられた熱交換プレートアセンブリの上面図である。
【0038】
【
図18】熱交換エンジンの機能的なレイアウトを示す概略図である。
【0039】
【
図19】体外制御コンソールのポンプアセンブリの正面斜視図である。
【0040】
【
図20】カバーが取り外されたポンプアセンブリの部分分解図である。
【0041】
【
図20A】ポンプアセンブリのバレル形ガイドローラの分離図である。
【0042】
【0043】
【
図22】動作構成に配置されたポンプアセンブリの背面斜視図である。
【0044】
【
図23】装填構成に配置されたポンプアセンブリの背面斜視図である。
【0045】
【
図24】血管内熱交換システムのチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリの背面斜視図である。
【0046】
【
図25】チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリの正面斜視図である。
【0047】
【
図26】挿入および動作に使用可能な、開いた/ロックされた構成に配置されたチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリのカセットおよびポンプチューブ部分の側面図である。
【0048】
【
図27】挿入および動作前に投与構成に配置されたチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリのカセットおよびポンプチューブ部分の背面斜視図である。
【0049】
【
図28】カバーがカセットハウジングから取り外されたチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリのカセット部分の図である。
【0050】
【0051】
【0052】
【
図29】チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリのセンサモジュール部分の分解図である。
【0053】
【
図30A】血管内熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【
図30B】血管内熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【
図30C】血管内熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【
図30D】血管内熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【0054】
【
図31A】血管内および/または体表面熱交換を提供することができる熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【
図31B】血管内および/または体表面熱交換を提供することができる熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【
図31C】血管内および/または体表面熱交換を提供することができる熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【
図31D】血管内および/または体表面熱交換を提供することができる熱交換システムの概略図である(白/黒形式に変換)。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の詳細な説明およびそれが参照する添付の図面は、本発明のいくつかの、必ずしもすべてではない例または実施形態を説明することが意図されている。説明される実施形態は、あらゆる点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと見なされるべきである。この詳細な説明および添付の図面の内容は、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【0056】
図1は、人の被検体の体温を制御するために動作中の血管内熱交換システム10の一実施形態を示す。この血管内熱交換システム10は、一般に、血管内熱交換カテーテル12と、体外制御コンソール14と、制御コンソール14へのカテーテル12の接続を容易にするチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60またはカセットアセンブリと、温度センサTSと、を備える。少なくとも一部の実施形態では、カテーテル12と、チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60またはカセットアセンブリと、温度センサTSとは、1回の使用を意図した使い捨て可能な品目であってもよいが、制御コンソール14は、複数回の使用を意図した使い捨てではない装置であってもよい。
【0057】
図示する実施形態では、血管内熱交換カテーテル12は、細長いカテーテル本体16と、カテーテル本体16の遠位部分に配置された熱交換器18とを備える。熱交換流体(例えば、滅菌した0.9%塩化ナトリウム溶液または他の適切な熱交換流体)が熱交換器18を通って循環するのを容易にするために、流入ルーメンおよび流出ルーメン(図示せず)がカテーテル本体16内に存在する。任意選択で、カテーテルシャフト16は、カテーテル本体16を通って延在し、カテーテル本体16の遠位端の開口部において遠位方向に終端する作業ルーメン(図示せず)も含むことができる。そのような作業ルーメンは、カテーテル12の挿入および配置を容易にするためのガイドワイヤルーメンとして働くことができ、ならびに/または流体、薬剤または他の装置の送出のためにカテーテル12の挿入後に使用され得る。例えば、
図1に示すように、一部の実施形態では、温度センサTSは、カテーテルの作業ルーメンを通して挿入され、カテーテル本体16の遠位端を越えた位置まで遠位端開口部から外に進むことができる。あるいは、他の実施形態では、温度センサTSは、所望の体温を検知するために被検体の体の上または中の様々な他の位置に配置されてもよい。本明細書に記載された実施形態では、様々な熱交換カテーテルを使用することができる。使用することができる熱交換カテーテルおよび関連装置の非限定的な例は、米国特許第9,492,833号、および米国特許出願公開第2013/0090708号、第2013/0178923号、第2013/0079855号、第2013/0079858号、第2014/0094880号、第2014/0094882号、第2014/0094883号、ならびに未公開の同時係争中の米国特許出願第15/395,858号、第15/395,923号および15/412,390号に記載され、そのような特許および出願のそれぞれの全開示内容は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。本発明において使用することができるカテーテルの他の例には、カリフォルニア州サンノゼのZOLL Circulation社から市販されているもの、例えば、Cool Line(登録商標)カテーテル、Icy(登録商標)カテーテル、Quattro(登録商標)カテーテル、Solex 7(登録商標)カテーテル、InnerCool(登録商標)RTx Accutrolカテーテル、およびInnerCool RTx標準カテーテルが挙げられる。
【0058】
体外制御コンソール14は、一般に、メインハウジング20およびコンソールヘッド24を備える。以下に詳細に説明されるように、メインハウジング20は、熱交換流体を制御された温度に温める/冷やすための、またそうした温められたまたは冷やされた熱交換流体を、カテーテル18を通して圧送して、被検体の体温を効果的に変更および/または制御するための様々な装置および回路を含む。コンソールヘッド24は、タッチスクリーンシステムなどの表示装置またはユーザインターフェースを含み、それによってある特定の情報がシステム10のユーザによって入力され、ある特定の情報がシステム10のユーザに表示され得る。ハウジング20には、
図1に示すように熱交換カテーテル12を通して挿入された温度センサTSを接続するための第1の接続ポート40、ならびにさらなるもしくは代わりのタイプの温度センサおよび/または他の装置を接続するための他の接続ポート36、38が設けられている。
【0059】
図3~
図5でさらに詳細に見られるチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60またはカセットアセンブリは、一般に、センサモジュール34、流入導管32、流入コネクタ33、流出導管30、流出コネクタ35、温度リード線TL、温度リード線コネクタ31、圧力リード線PL、カセット64、カセットハウジング62、および蠕動ポンプチューブ65を備える。
【0060】
図2A~
図9は、ハウジング20内の構成要素と、チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60またはカセットアセンブリとが制御コンソール14に挿入され接続される方式のさらなる詳細を示す。
図2A~
図3に見られるように、制御コンソール14は、開けられたときに、カセット64をカセット収容スペース66に挿入すること、ならびにチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60もしくはカセットアセンブリを以下に記載されるシステムの他の構成要素に接続することも可能にする開閉可能なアクセスカバー42を有する。アクセスカバー42上の磁石44は、磁気センサ46と相互に作用して、アクセスカバー42が開いているか閉じているかを示す信号を発する。当業者に知られている他のセンサおよび検出機構も同様に利用することができる。ハウジング20内に位置するシステムコントローラは、アクセスカバー44が開けられときに、システムのある特定の構成要素のハーフランニング(half running)に対してプログラムされてもよい。ハウジング20の背面には、電源スイッチ50および電源コードホルダー52が設けられている。ブラケット48は、流体のバッグまたは容器を吊り下げるためにコンソールヘッド24を支えるハウジングの直立部分に設けられている。
【0061】
図3~
図5に見られるように、アクセスカバー42が開いた位置にある状態で、カセット64は、カセット収容スペース66内に下方に挿入可能であり、ポンプチューブ65は、ポンプ70のチューブレースウェイ72内に挿入可能である。
【0062】
図6~
図10は、制御コンソール14の様々な構成要素を明らかにする部分分解図および断面図を提供する。熱交換エンジン108は、圧縮器92と、膨張弁106を回転させるためのステッピングモータと、ファン96および104と、凝縮器98と、圧縮器ヒートシンク100と、を含む冷却システムを含む。ヒートシンクは、圧縮器を取り囲む金属製、例えばアルミニウム製の円筒形の筐体であってもよい。ヒートシンクは圧縮器と接触し、圧縮器の表面積を増大させて圧縮器からの熱の除去を促進する。熱交換システムは、電源94によって電力が供給される。熱交換プレート80は、熱交換流体が熱交換プレート間のカセット収容スペース66に挿入されたカセット64を通って循環するときに、熱交換流体を交互に温めるまたは冷やすために設けられている。抵抗加熱器82が、加温モードで動作するときにプレート80を温めるためにプレート80に取り付けられ、冷媒R143a(1,1,1,2テトラフルオロエタン)などの冷媒が、冷却モードで動作するときに圧縮器92によって圧縮され、凝縮器98およびプレート80を通って循環してプレートを冷却する。ある特定の実施形態では、加熱器は、加熱器が過熱した場合に、加熱器のうちの1つまたは複数を自動的にオフにするための熱遮断スイッチを含むことができる。
【0063】
冷却モードで動作するとき、熱交換エンジン108は、熱を放出する。ファン96および104は、空気を、熱交換エンジン108に隣接する空気プレナムまたはスペースを通って、圧縮器および圧縮器ヒートシンク100の表面に循環させて、放出された熱を排出し、熱交換エンジン108を適切な動作温度に維持する。具体的には、図示する実施形態では、空気は、フィルタ90を通って空気取り入れ口84に入り、
図7および
図8の矢印によって示すように装置を通って循環し、特に
図8に示すようなコンソール14の側面にある空気出口または排気口を通して排出される。空気流通路は、空気流通路を介してシステムから漏れ出て、特にユーザまたは患者に聞こえる音量を最小限に抑えるように構成されている。空気流通路は、冷却エンジン筐体内部に音響エネルギーを封じ込めるための反射面を提供する回旋状の通路または流路を含む。また、吸排気ダクトおよび通路または流路の内部は、音響吸収材料、例えば連続気泡エラストマーフォームで覆われている。これらの特徴を組み合わせることで、ファンおよび圧縮器によって生成されるような、システムから漏れる音量が最小限に抑えられる。例えば、ある特定の実施形態では、システムの動作騒音レベルは、システムが最大冷却状態にあるときに、システムから1mの距離で測定した場合、65dBAを超えず、システムがメンテナンスまたは加温状態にあるとき、システムから1mの距離で測定した場合、58dBAを超えない可能性がある。
【0064】
熱交換プレートの構造および機能は、
図11~
図17においてさらに詳細に理解することができる。熱交換プレート80は、カセット収容スペース66の両側に配置することができる。熱交換プレートは、それらの端部で接続されて、プレート間にカセット収容スペースまたはスロットを形成する。熱交換プレートは、熱交換プレートアセンブリと呼ばれることがある。抵抗加熱器82は、1つまたは複数のプレート80に取り付けられ、循環する熱交換流体を温めることが望まれるときにプレート80を温めるために使用可能である。ある特定の実施形態では、垂直方向の蛇行したまたは回旋状の冷媒流路120がプレート80内に形成されている。冷媒流路のこの向きおよび設計は、例えば、冷却エンジンの冷却能力を最大化し、実現するのに役立つ。例えば、プレートは、本明細書の図に示すように、ハウジング20内に収まるようにサイズが調整された冷却エンジンエンベロープ内で900Wの圧縮器(例えば、Masterflux圧縮器)によって移動する冷媒を蒸発させるように構成されている。各プレートにおいて、冷たい冷媒は、冷媒入り口112を通り、冷媒流路120を通り、そして冷媒出口114から出るように循環する。冷媒は、冷媒流路120を通って流れる間に液体から実質的に気体に相変化し、それによってプレート80を冷却する。そのようなプレート80を温めるまたは冷却することによって、今度は、カセット収容スペース66内に配置されたカセットを通って循環する熱交換流体が温められまたは冷却される。温度センサ110、例えば、サーミスタは、プレートの温度を検出するためにプレート上に位置することができる。温度センサからの信号は、システムコントローラまたは制御プロセッサにフィードバックされて、システムによる加温および/または冷却を制御する(例えば、凍結を防ぐ)ことができる。
【0065】
任意選択で、
図15および
図16の図に示されるように、熱交換プレート80は、プレートを通して直接熱交換流体を循環させるための流路125を組み込むことができる。例えば、所望の熱交換流体は、入り口122、水平の流路125を通って、そして出口124から出るように循環することができる。単一の入り口ポートを使用して、流体が熱交換プレートアセンブリの端部に位置する流路を通って、第1のプレートから第2のプレートに通過し、単一の出口ポートを通って熱交換プレートアセンブリを出るときに、両方のプレートに熱交換流体を供給することができる。必要に応じて、残留熱交換流体を排出するために、または流路125からごみを洗い流すために排出口127が設けられてもよい。これらの流路125は、カセット収容スペース66内に挿入されたカセット64を通って循環する熱交換流体の加温または冷却と同時に、あるいはその代わりに、二次熱交換流体を冷却または加温するために使用されてもよい。一部の実施形態では、流路125は、カセット64を通って循環する熱交換流体の体積流量とは異なる二次熱交換流体の体積流量を提供するように構成されてもよい。例えば、カセット64は、カセット収容スペース66に挿入され、比較的少量の温められたまたは冷やされた熱交換流体(例えば、滅菌生理食塩水溶液)を、血管内カテーテル12を通して循環させるために使用されてもよく、同時にまたは交互に、流路125を使用して、表面冷却パッド、ブランケット、衣類などの体表面冷却装置を通して循環させるために、より大量の二次熱交換流体(例えば、非滅菌水)を温めるかまたは冷やすことができる。血管内および体表面温度交換のそのような同時または別々の使用のさらなる詳細および例は、血管内熱交換を体表面熱交換と組み合わせて使用した患者体温の管理(Managing Patient Body Temperature Using Endovascular Heat Exchange in Combination With Body Surface Heat Exchange)という題名の同時係争中の米国特許出願公開第15/412,390号に記載され、その全開示は、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0066】
本明細書に記載されたシステムにおいて使用可能な熱交換エンジンまたは冷却ループの一実施形態の概略図が
図18に示されている。本実施形態は、ハイサイドHSおよびローサイドLSを有する。本図に示す構成要素は、過熱温度センサ130、熱交換プレート蒸発器132、電気加熱器134、電子膨張弁、圧縮器140、向流式熱交換器142、フィルタ/乾燥器視認窓138、および電子膨張弁144を含む。冷却エンジンの通常の動作状態では、高温ガスバイパス弁136が閉じられ、圧縮器140が作動しており、冷媒は、以下のようにシステムを通って流れる。最初に、冷媒は、高圧(典型的には、8~14バール(8000~14000hPa)および高温(典型的には、100~130°F(38~54℃))の気相で圧縮器を出て凝縮器に入る。凝縮器では、冷媒から熱が伝達され、これによって、冷媒が液相に凝縮してさらに(典型的には、75~95°F(24~35℃)に)冷却される。次いで、液体冷媒は、液体を微粒子に対して濾過し、液体に含まれる水分を吸収するフィルタ乾燥器138を通過する。そこから、液体冷媒は、観察者(例えば、サービスマン)が、冷媒が液相であることを確認することができる視認窓「S」を通り過ぎる。次いで、液体冷媒は、向流式熱交換器142の一次流路を通過し、これによって、向流式熱交換器の二次流路との熱伝達により液体冷媒がさらに(典型的には、40~75°F(4~24℃)に)冷却される。そこから、液体冷媒は、システムに対する制約として作用する膨張弁144を通過する。膨張弁を通過した後、冷媒は、突然低圧(典型的には、2~4バール(2000~4000hPa))になり、その結果、温度が(典型的には、25~35°F(-4~2℃)に)低下し、部分的に気相に入る。次に、低温低圧の液体冷媒が熱交換プレート132に入る。以下の熱源から、すなわち、プレートの熱質量から、カセット熱交換器を通過する生理食塩水から、または冷却プレート内の液体流路を通過する水から、冷媒に熱が加えられ、これらすべてによって、冷媒は、大部分または完全に気相に入る。熱交換プレート132から、低圧の冷媒は、向流式熱交換器の二次流路に流れ込み、そこで熱交換器は、一次流路に含まれる冷媒からの熱を伝達し、これによって、低圧の冷媒を(典型的には、35~70°F(2~21℃)に)温める。この時点での冷媒は、大部分または完全に気相であってもよく、次いで、圧縮器140に入り、こうして回路が完成する。冷却エンジンには、HGBP弁136が開いている二次動作状態が存在する。この状態では、高温の気体冷媒が圧縮器を出て、直接熱交換プレートに入り、それにより熱交換プレートを急速に温める。この二次状態は、圧縮器をオフにすることなく、患者に提供される冷却を遅くしたり、または患者を温めたりすることが望ましいときに使用される。あるいは、圧縮器を停止することができるが、HGBP弁136の使用は、所望の熱交換プレート温度を維持するために必要に応じて迅速かつ繰り返し開閉することができるという利点を有する。ポンプ70(例えば、蠕動ポンプ)および関連付けられたアセンブリの一実施形態が
図19~
図23に示されている。ポンプ70は、ロータアセンブリを回転させる駆動モータ170に接続されたロータアセンブリ160と、カバー161と、を備える。ロータアセンブリは、ガイドローラ164aおよび164b、ならびに駆動ローラ166aおよび166bを含む。ロータアセンブリが回転すると、ポンプの動作中に、駆動ローラが、ポンプレースウェイ内に配置されているポンプチューブ(図示せず)に圧力を加え、これによって熱交換流体がポンプチューブを通って移動する。ポンプレースウェイは、ポンプをより小さく、より軽量にし、より低コストにすることを可能にするために、低い高さで(すなわち、ローラの軸に沿って測定して)設計されている。しかしながら、この低い高さでは、ポンプアセンブリ内のチューブの目詰まり(ポンプの摩耗およびチューブの摩耗または破裂につながる)を回避するために、そしてチューブが部分的にまたは完全に駆動ローラと接触して、それによって、カテーテルを通して熱交換流体を圧送するのに必要な圧力の一部またはすべてを生成しなくなることを回避するために、ポンプチューブをレースウェイと整列させておくことが重要である。
図20Aに見られるように、各ガイドローラ164a、164bは、テーパ状の(例えば、バレル形の)側壁165を有する。ガイドローラは、テーパ状ではない(すなわち、回転軸に平行な)中央部分167を含むことができる。ガイドローラのテーパ状またはバレル状の形状は、ガイドローラ上のポンプチューブの自己センタリングを容易にして、ポンプが意図したとおりに機能し続けることを確実にする。チューブは、ガイドローラ上で引き伸ばされているため、法線力が生成され、それが今度は摩擦力を生み出す。ローラ上のテーパは、浅い角度(例えば5~25度の範囲)であり、それにより摩擦力は、チューブがローラ表面上を滑るのを防ぐのに十分である。チューブが滑らないと仮定すると、テーパ形状またはバレル形状により、ローラの中心(すなわち、バレルまたはローラの最も広い部分)でポンプチューブにより高い引張り荷重がかかり、ローラの上端または下端(すなわち、バレルまたはローラの最も狭い部分)でポンプチューブにより低い引張り荷重がかかる。引張り力のこの差は、ローラの中心の方向に、ローラの軸に沿ってチューブに作用する正味の力を発生させることによって自己センタリング効果をもたらす。ポンプ70の前方部は、前部プレート172に取り付けられている。カセット64およびそのカセットハウジング62が適所にあり、動作のために適切に配置されているかを検出するための光学センサ174も、前部プレート172上に配置されてもよい。フック176a、176bは、前部プレート172のスロットを貫いて延在する。これらのフック176a、176bは、カセット64の設置、およびポンプチューブ65のポンプレースウェイ162への挿入を可能にする格納位置に配置可能である。その後、これらのフック176aおよび176bは、前進位置に移動可能であり、フックは、2つの別々の接触点でカセットハウジング62に力を加え、それによって、カセット64、カセットハウジング62、または取り付けられたポンプチューブ65の望ましくない動きを防止し、カセットをシステム動作のための適位置に固定する。また、前部プレート172上には、カセットハウジング62内に形成されたリザーバ内の流体レベルを検知するためのレベルセンサが取り付けられている。ポンプ70は、動作構成(
図22)および装填構成(
図23)において交互に使い捨て可能である。並進モータ180は、フックを後退位置と前進位置との間で移動させ、ポンプを動作構成すなわち動作位置と装填構成すなわち装填位置との間で移動させる。
【0067】
システムのプライミングは、カセット64が熱交換プレート80間のカセット収容スペース66内に配置されているときに、1つまたは複数のポンプ方向の変更を使用することによって迅速に実行することができる。ポンプ70は、様々な速度で、様々な期間にわたって、逆方向の作動と順方向の作動との間で交互に切り替わることができる。最初のポンプ反転は、真空を生成し、その後の反転は、システム/ラインから気泡を取り除くのに役立つ。例えば、リザーバと容器/バッグとの間に位置する逆止弁を利用して、空気がリザーバから容器/バッグを通って、システムのチューブ、導管、ライン、または他の部分に流れ込むのを防ぐことができる。
【0068】
システムから熱交換流体をパージするために、ポンプ70を逆に作動させることができる。一例において、約20秒間、最大ポンプ速度の60%でポンプ70を逆に作動させることができ、その間、戻りラインまたは容器出口ラインを閉じて、ポンプが逆転または開放されたときに、カセット容器/バッグが熱交換流体または生理食塩水で再充填されるのを防ぐ。カセットハウジングに、例えば、チューブとリザーバとの間の容器出口チューブに配置することができる逆止弁を利用して、ポンプが逆転または開放されたときに、容器/バッグが熱交換流体または生理食塩水で再充填されるのを防ぐことができる。例えば、一部の実施形態では、逆止弁は、
図28に見られる流入コネクタ206に一体化されて、ポンプが逆転または開放されたときに、流体が容器/バッグ63内に逆流するのを防ぐことができる。
【0069】
図24~
図28は、チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60またはカセットアセンブリのさらなる詳細を示す。カセットハウジング62は、膨張可能な容器またはバッグ63の側縁部を支えるフレーム69に取り付けられている。膨張可能な容器またはバッグの下側縁部63aは、密封されており、支持体を含むことができる。
図28に見られるように、カセットハウジング(底部カバーが取り外された)62は、リザーバ207、圧力センサ202、脈動減衰流出導管30に接続された流出コネクタ204、戻りまたは流入導管32に接続された流入コネクタ206を囲んでいる。システムの動作中、熱交換流体は、カテーテルから、流入導管32を通り、流入コネクタ206を通り、容器入り口チューブを通り、膨張可能な容器またはバッグ63に入り、
図28の矢印によって示されるように一方の側から他方の側に膨張可能な容器またはバッグ63を通って流れ、熱交換プレートを通って流れる冷媒と熱交換し、次いで、容器出口チューブを通って容器から出て、リザーバ207に入り、ポンプチューブ65を通り、流出コネクタ204を通り、脈動減衰流出導管30を通ってカテーテルに戻る。冷媒は、熱交換プレート内の冷媒流路を通って第1の方向に流れるが、熱交換流体は、膨張可能な容器を通って第1の方向と実質的に反対の第2の方向に流れる。冷媒と熱交換流体のこの逆の流れは、2つの流体間の熱交換を最大化するのに役立つ。
【0070】
使用前に、カセットハウジング62、容器/バッグ63、およびシステムの他の構成要素が周囲圧力の実質的な変化に耐えることが必要な場合がある。例えば、エチレンオキシド滅菌などのある特定の滅菌プロセス中に、周囲圧力は、負の周囲圧力と正の周囲圧力との間を交互に繰り返すことがある。容器/バッグ63が周囲圧力の変化により過度にパッカリングしまたは損傷するのを防ぐために、1つまたは複数の均圧通路(例えば、抽気孔または通気孔)が、カセットハウジング62内に、例えば、リザーバ207と容器/バッグ63との間に形成されてもよい。この非限定的な一例は、
図28Aおよび
図28Bの断面図に見られる。図示するように、容器/バッグ63およびフレーム69は、カセットハウジング62に接続されている。カセットハウジング内のリザーバ207は、リザーバ入り口通路502と連通している。容器/バッグ出口チューブ508(
図28に示されているが、
図28Aには示されておらず、
図28Bに部分的に示されている)は、リザーバ入り口通路502に接続されている。弁または逆止弁500は、ポンプが順方向に動作しているときに、熱交換流体が容器/バッグ63から、容器/バッグ出口チューブ506を通り、リザーバ入り口通路502を通り、リザーバ207に流れ込むことを可能にするが、熱交換流体がリザーバ207からリザーバ入り口通路502に逆流し、容器/バッグ63に戻るのを防ぐ。均圧通路504は、ガスまたは空気が、ガス滅菌プロセス中などに周囲圧力が変化するガス環境中にあるときに、容器/バッグ63の過度のパッカリング、または損傷、例えばバッグの破損を防止するのに十分な量で、閉じた逆止弁500を通過または迂回してリザーバから流出しまたは流れて、リザーバ入り口通路502を通り、容器/バッグ出口チューブ506を通り、容器/バッグ63に入ることを可能にするようにサイズが調整され、配置されている。しかしながら、均圧通路504は、システムが液体で充填されるとき、著しい量の液体が逆止弁500を通り抜けすることができないほどに十分に小さい。図示する例では、均圧通路504の直径は、0.018インチ+/-0.003(0.46+/-0.08mm)であってもよく、均圧通路504は、リザーバの垂直軸に対して32度+/-2度の角度で延在していてもよい。
【0071】
冷却プレートへの熱交換(Hx)バッグまたは容器の挿入または取り外しに必要な力を最小限に抑えるために、いくつかの方法が以下に記載される。
【0072】
冷却プレートとHxバッグとの間の摩擦力は、冷却プレートの表面にその摩擦係数を減少させるコーティングを加えることによって減らすことができる。可能なコーティングには、テフロン(登録商標)などが含まれる。冷却プレートの表面は、研磨されてもよい。摩擦係数を下げるコーティングをHxバッグの表面に加えることができ、例えば、使用することができる材料には、シリコーンなどが含まれる(これらを、はけ塗り、吹き付け、浸漬することなどができる)。
【0073】
いくつかの実施形態において、材料の層(リリース層または減摩層)は、摩擦係数を下げるHxバッグ63の外側表面上に配置されてもよい。可能な材料には、パリレン、HDPE(Triton製)、ePTFE、PTFE、FEPなどが含まれる。これらの材料で作られた低摩擦シートが使用されてもよい。ある特定の実施形態では、フルオロポリマーを冷却プレート上に配置し、バッグ上にHDPEリリース層を有するウレタンHXバッグを使用してもよい。HXバッグは、バッグの各側面にHDPEリリース層を含むことができ、各層およびウレタンバッグがペグまたはクランプでカセットフレームに固定されている。あるいは、単一の比較的長いHDPEリリース層片がHXバッグ63の周りに折り畳まれてもよく、次いで、バッグおよびリリース層がペグまたはクランプでカセットフレームに固定される。一部の実施形態では、ブロッキング防止剤および/または表面フィーチャをバッグ63の隣接する内面上に設けて、バッグの隣接する壁のブロッキングまたは付着を防止し、バッグ63が液体で充填されるときにバッグ63の隣接する壁の分離を容易にする。
【0074】
脈動減衰流出導管30は、熱交換流体が流れる際に通る導管としてだけでなく、熱交換流体が流出導管を通ってカテーテルに流れるときに熱交換流体の脈動を減衰させるための脈動減衰器としても機能する。脈動は、熱交換流体に使用されるポンプの性質に起因して生じることがある。例えば、2つの駆動ローラを有する蠕動ポンプの場合、レースウェイ内のポンプロータの角度位置に応じて、ある時には、両方の駆動ローラがポンプチューブに接触し、またある時には、1つの駆動ローラだけがポンプチューブに接触する。蠕動ポンプのローラが、ポンプの回転の通常の部分として、ポンプチューブとの接触を失うと、熱交換流体システムの体積が突然増加する。これは、平坦化された、断面積がゼロのポンプチューブの部分が突然丸くなり、ゼロでない断面積を含むため起きる。システム体積の増加は、ほぼ、丸い状態のチューブの断面積にローラによって平坦化されたチューブの長さを掛けたものである。脈動吸収材は、脈動を減衰させるために、突然収縮し、ほぼこの量だけその体積を減少させるのに十分な柔軟性を有するべきである。例えば、ローラが接触したときに、ポンプチューブによって得られる体積は、2~3mLである場合がある。したがって、システムの圧力の変化を最小限に抑えながら、脈動吸収材がこの量だけその体積を減らすことができることが望ましい。脈動減衰導管は、例えば、熱交換流体が流れるときに熱交換流体の脈動の振幅を減衰、低下、低減させるのに十分な弾性または曲げ特性を有するチューブを備えることができる。例えば、導管が60psiの圧力下で20~30mLの体積だけ膨張することができる場合、導管は、圧力が約6psi低下すると2~3mL収縮することができる。導管が従順なほど、チューブが収縮するときに発生する圧力降下が小さくなり、したがって導管が行うその減衰機能が向上する。高度に従順なチューブが望ましいが、同時に、導管は、破裂することなく繰り返しこの量だけ膨張および収縮するに十分な機械的強度を有すべきである。例えば、蠕動ポンプが2つの駆動ローラを有し、40RPMで回転し、処理手順が12時間続く場合、導管は、57,600回の脈動サイクルに耐えなければならない。これらの相反する要件のバランスをとるために、例えば、ある特定の実施形態では、脈動減衰導管の長さは、約90インチであってもよく、20インチ~100インチの範囲にあってもよい。導管は、低デュロメータポリウレタン(Prothane II65-70A)で作られていてもよく、0.25インチで大きなIDを有し、0.15インチ~0.40インチの範囲にあってもよい。導管の肉厚は、約0.094インチであり、0.06インチ~0.25インチの範囲にあってもよい。
【0075】
図26および
図27に見られるように、カセットハウジング62は、ヒンジ接続部200によってフレーム69に接続されている。使用前にパッケージ化されるときに、ヒンジ接続部200は、閉鎖構成にあり、ハウジング62および付随するポンプチューブ65は、
図27に見られる方式でカセットの可撓性容器またはバッグ63の上で折り畳まれる。使用時に、ヒンジ接続部は、
図26に見られるように、開放構成に移動し、ハウジング62および付随するポンプチューブ65を膨張可能な容器またはバッグ63に対して実質的に直角に延ばす。ヒンジ接続部200は、ヒンジ接続部200の取り外し、破壊、または変更なしには
図27に見られる折り畳み構成にカセット64を戻すことができないように、そのような開放位置でロックする。例えば、ヒンジ接続部は、ヒンジスロット内でヒンジ突起部を前方または後方にスライドさせることによってロックがはずされまたは解除され、それによって、ロックを解除する。
【0076】
センサモジュール34の詳細が
図29に示されている。センサモジュールは、組み合わせて密閉されたハウジングを形成する上部および下部ハウジング部分302a、302bを含む。ハウジング内には、符号化情報を保持する電子記憶媒体310が配置されている。記憶することができる符号化情報のタイプの例には、限定されることなく、交換可能な構成要素に対する一意の識別子(例えば、メーカ識別情報、部品番号、ロット番号など)、交換可能な構成要素が以前に使用されたかどうかの表示(例えば、符号化された最初の使用の表示)、交換可能な構成要素の期限が切れているかどうかの表示(例えば、符号化された有効期限)、交換可能な構成要素の動作特性(例えば、符号化された交換可能な構成要素のサイズ、タイプ、体積などの表示)が含まれてもよい。この非限定的な例では、電子記憶媒体は、電気的消去可能プログラム可能型読み取り専用メモリ(EEPROM)を含む。構成要素が以前に使用されたかどうかを判定するために、コントローラが確認することができる方法の一例は、最初の使用日についてEEPROMまたは他のデータ記憶媒体310を確認することによる。最初の使用日は、交換可能な構成要素(例えば、カセットアセンブリ)がコンソール14に接続されたのが初めてである場合、「EMPTY」である。最初の使用日が「EMPTY」の場合、コントローラは、現在の日付をEEPROMのメモリ位置に書き込み、そこに最初の使用日が記憶される。
【0077】
また、センサモジュール34のハウジング内には、カテーテル12に流れる熱交換流体の温度を検知するための第1の温度センサ(例えば、サーミスタ)、およびカテーテル12から戻る熱交換流体の温度を検知するための第2の温度センサ300b(例えば、第2のサーミスタ)が設けられている。これらの第1および第2の温度センサ300a、300bからの信号ならびに接続された体温センサTSからの体温信号、および電子記憶媒体310からの符号化データは、温度リード線TLを通って送信される。カセットチューブまたはコンソール14内の熱交換流体の圧力を検知する圧力センサからの信号を運ぶ圧力リード線PLは、図示するように、温度リード線TLと組み合わされ、組み合わされたリード線が制御コンソール14に接続される。このようにして、コンソールのメインハウジングのコントローラは、a)電子記憶媒体310からの符号化データと、b)被検体の体温と、c)カテーテルに流れる熱交換流体の温度と、d)カテーテルから流れる熱交換流体温度と、e)熱交換流体の圧力と、を示す信号を受信する。コントローラは、システム10の制御および/またはデータの計算/表示のために、符号化情報および/または検知温度および/または検知圧力を使用するようにプログラムされてもよい。例えば、コントローラは、カテーテルに流れる熱交換流体の検知温度とカテーテルから流れる熱交換流体の検知温度との差を、流体流量またはポンプ速度と共に使用して、体熱交換器が動作している電力を計算するようにプログラムされてもよい。電力は、以下の式によって計算することができる。
電力(ワット)=((HE流体温度OUT)-(HE流体温度IN))×流量×CP
HE流体温度INは、熱交換器18に流れ込む熱交換流体の現在の測定温度であり、HE流体温度OUTは、熱交換器から流れ出る熱交換流体の現在の測定温度であり、流量は、熱交換器を通る熱交換流体の測定されたまたは計算された流量であり、CPは、熱交換流体の比熱容量である。
【0078】
そのような電力は、ディスプレイまたはユーザインターフェース24に表示されてもよい。また、コントローラは、被検体の体を温めるまたは冷やすためにシステム10を使用することができるようにする前に、電子記憶媒体310からの符号化情報を確認して承認するように、ならびに/あるいはカテーテル14、カセット64、温度プローブ、チューブまたは他の構成要素の動作特性(例えば、サイズ、動作容積、タイプ)に合うように動作変数もしくはパラメータを調整するようにプログラムされてもよい。符号化情報のこの事前確認は、様々なシーケンスまたはプロセスにおいて行われ得る。この事前確認が行われ得るプロセスの一例は、以下のステップによるものである。
1.ユーザがチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60を制御コンソール14に接続する。
2.コンソールコントローラがこの接続を検出する。そのような接続の検出は、温度センサチャネルを走査するコントローラによって行われてもよく、このチャネルは、チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60が接続されていない場合はチャネルを開くが、チューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60が接続されている場合は開かなくなる。あるいは、この検出は、応答のために、コントローラがカセット64内の圧力センサまたは検知モジュール34内のEEPROMをポーリングすることによって行われてもよい。
3.コントローラは、EEPROMとの安全な通信セッションを確立し、その内容を読み取る。EEPROMの内容は、秘密鍵を有するプロセッサによってのみ読み取り可能になるように暗号化することができる。一部の実施形態では、コントローラが検知モジュール34に関連して安全なセッションを確立することができるように、EEPROM自体が秘密鍵で符号化されてもよい。
4.一部の実施形態では、EEPROMの内容は、システム10のプライミングおよび動作が行われる前に、その一部またはすべてがコントローラによって確認、検証/承認されなければならない以下の情報を含むことができる。
a.メーカID(工場書き込み)
b.カセットパーツ番号(工場書き込み)
c.保管期間の有効期限(工場書き込み)
d.ロット番号(工場書き込み)
e.最初の使用からの有効期限(工場書き込み)
f.最初の使用日(カセットが初めてコンソールに差し込まれるときに書き込まれる)
【0079】
図30A~
図30Dは、血管内熱交換システム10の概略図である。本概略図は、コンソール14、熱交換カテーテル12、熱交換エンジン108、コンソールヘッド/ユーザインターフェース24、熱交換プレート80、およびカセット64を含む、システム10の主要な構成要素を示す。加えて、本概略図は、次の凡例に従ってラベル付けされた他の構成要素および機能インジケータを含む。
【表1】
【0080】
システム10をセットアップするために、新しいチューブ/カセット/センサモジュールアセンブリ60またはカセットアセンブリが取得され、そのパッケージから取り出され、カセット64は、
図26に見られる開放ロック構成に展開される。制御コンソール14のアクセスカバー42が開かれる。タッチスクリーンユーザインターフェース24上で「開く」ボタンを押すことにより、
図23に見られるように、ポンプ70は、その装填構成に移行する。カセットフレーム69および膨張可能な容器またはバッグ63は、ハウジング62が前部プレート172に当接するまでカセット収容スペース66に下向きに挿入される。ポンプチューブ165は、ポンプレースウェイ162内に挿入される。次いで、アクセスカバー42が閉じられ、ユーザインターフェース24上で「閉じる」ボタンを押し下げることによってポンプ70が動作構成(
図22)に移行する。次に、ユーザは、ユーザインターフェース24の「プライム」ボタンを押して、ブラケット48に掛けられ、システム10に接続されたバッグまたは他の容器からの熱交換流体でシステムをプライミングする。
【0081】
システムがプライミングされた後、カテーテル12が接続され、被検体の体内に挿入され、システム10が操作されて、被検体の体を必要に応じて温めるかまたは冷やす。
図31A~31Dは、血管内および/または体表面の熱交換を提供することができる熱交換システム10aの一例の概略図である。本システムは、
図30A~30Dのシステム10に記載された要素をすべて含み、
図30A~30Dと同様に、上述の凡例によるラベル付けを含む。
【0082】
加えて、本システム10aは、システムが少なくとも1つの体表面熱交換器402(例えば、熱交換パッド、ブランケット、衣類など)を通して温められたまたは冷やされた熱交換流体を循環させることによって、体表面熱交換を提供することができるように、体表面熱交換流体回路400を含む。体表面熱交換流体回路400および体表面熱交換器402のそのような動作は、血管内熱交換に加えて、または血管内熱交換の代わりに実行されてもよい。体表面熱交換流体回路は、流体リザーバ、ポンプ、バイパス弁、通気弁、熱交換プレート、および体表面熱交換装置、例えば、パッドを含む。流体、例えば、水が流体リザーバに加えられる。バイパス弁が通気弁に対して閉じられ、バイパスラインに対して開いているとき、流体は、ポンプから、熱交換プレートの体表面流体チャンバ、リザーバ、バイパス弁を通ってポンプに戻るように循環する。これにより、システム内の流体が熱交換プレートと熱平衡に達することが可能となり、これは、温度管理治療を患者に提供する装置を準備するのに有用な場合がある。通常の動作では、バイパス弁は、通気弁に対して開いており、通気弁は、閉じており、流体は、ポンプから、熱交換プレートの体表面流体チャンバを通り、リザーバ、バイパス弁、および通気弁を通り、体表面熱交換装置へと循環して、次いでポンプに戻る。体表面熱交換装置を排出するために、通気弁が開かれ、これにより回路に空気を入れることができ、流体がバイパス弁から流れるのを防ぐ。これにより、体表面熱交換装置からポンプに流体が押し出される。ポンプは、空気または液体を熱交換プレートの体表面流体チャンバを通ってリザーバに圧送することができる容積式ポンプである。リザーバは、(排出プロセスまたは通常動作によって導入された場合、過剰な空気をシステムから逃がすために、または熱膨張による流体体積の変化に対応するために)周囲の空気に開かれ、充填ポートまたは排出口を含む。また、回路は、コントローラにフィードバックを行うための体表面熱交換流体温度センサ、ならびに電力計算で使用するための流体温度センサおよび流量センサも含む。本発明は、本発明の特定の実施例または実施形態を参照して上述されたが、本発明の意図された精神および範囲から逸脱することなく、記載された例および実施形態に様々な追加、削除、変更および修正を加えることができる。例えば、一実施形態または実施例の任意の要素、ステップ、部材、構成要素、組成物、反応物、パーツ、または部分は、別段の定めがない限り、あるいはそうすることでその実施形態または実施例がその意図された用途に対して不適切にならない限り、別の実施形態または実施例に組み込まれてもよく、または別の実施形態と共に使用されてもよい。また、方法またはプロセスのステップが特定の順番で記載されまたは列挙されている場合、そのようなステップの順番は、別段の定めがない限り、あるいはそうすることで方法もしくはプロセスがその意図された目的に対して不適切にならない限り変更されてもよい。加えて、本明細書に記載された任意の発明または実施例の要素、ステップ、部材、構成要素、組成物、反応物、パーツ、もしくは部分は、特に明記しない限り、任意の他の要素、ステップ、部材、構成要素、組成物、反応物、パーツ、部分の欠如もしくは実質的に欠如した状態で任意に存在または利用されてもよい。合理的な追加、削除、修正、および変更はすべて、記載された実施例および実施形態の同等物と見なされ、以下の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0083】
[項目1]
血管内熱交換器を通して熱交換流体を循環させるように構成されたシステムであって、
システムは、熱交換流体の脈動流を生成するポンプを備え、
システムは、熱交換流体が流れるときに熱交換流体の脈動を減衰させる脈動減衰導管を有する少なくとも1つの送出導管を介して、血管内熱交換器に接続されている、
システム。
[項目2]
脈動減衰導管が、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動の振幅を減衰または低減させるのに十分な弾性特性または曲げ特性を有するチューブを含む、項目1に記載のシステム。
[項目3]
熱交換流体を冷やすための冷却器と、
熱交換流体を温めるための加熱器と、
ポンプにより熱交換流体がカセットを通って循環して、加熱器によって温められるかまたは冷やされるように、加熱器および冷却器と関連して配置可能なカセットであって、少なくとも1つの送出導管がカセットから延在し、血管内熱交換器に接続可能である、カセットと、
カセットから延在し、血管内熱交換器に接続可能な少なくとも1つの戻り導管と、
をさらに備え、
これによって、少なくとも1つの送出導管および少なくとも1つの戻り導管が血管内熱交換器にそのように接続されると、温められたまたは冷やされた熱交換流体が、カセットから、少なくとも1つの送出導管を通り、血管内熱交換器を通り、少なくとも1つの戻り導管を通ってカセットに戻るように循環する、
項目1に記載のシステム。
[項目4]
ポンプがポンプチューブと組み合わせた蠕動ポンプを備え、ポンプチューブが、熱交換流体の脈動流を引き起こす方式で蠕動ポンプによって圧縮される、項目3に記載のシステム。
[項目5]
ポンプチューブがカセットに取り付けられ、カセットから延在する、項目4に記載のシステム。
[項目6]
加熱器および冷却器が熱交換プレートを含み、熱交換プレートの間にはカセットが挿入可能なスペースがある、項目3に記載のシステム。
[項目7]
カセットが、フレームに取り付けられたバッグを有する、項目1に記載のシステム。
[項目8]
複数の熱交換流体流路がバッグ内に画定される、項目7に記載のシステム。
[項目9]
バッグが、スペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするために滑らかになっている、項目7に記載のシステム。
[項目10]
バッグのスペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするために、孔、溝、または他の表面フィーチャがバッグに形成されている、項目7に記載のシステム。
[項目11]
脈動減衰導管が、血管内熱交換器に接続されたとき、カセットから血管内熱交換器までの実質的に全距離にわたって延在する、項目3に記載のシステム。
[項目12]
送出導管の長さが、少なくとも80インチである、項目11に記載のシステム。
[項目13]
脈動減衰導管の長さが、20インチ~100インチであり、内径が0.15インチ~0.40インチであり、肉厚が0.06インチ~0.25インチである、項目1に記載のシステム。
[項目14]
カセットが熱交換流体を含む容器に結合されたカセットハウジングを有し、
逆止弁がカセットハウジングに配置されて、熱交換流体が容器からカセットハウジングに流れ込むことを可能にするが、熱交換流体がカセットハウジングから容器内に逆流するのを防ぐ、
項目3に記載のシステム。
[項目15]
ポンプがシステムのセットアップ中または動作中の少なくとも一部の時間、順モードで動作し、
少なくとも一部の事例では、ポンプがシステムのセットアップ中または動作中の一定期間、逆モードでも動作し、
逆止弁が、ポンプが逆モードで動作しているとき、カセットから容器への熱交換流体の逆流を防止する、
項目14に記載のシステム。
[項目16]
システムが気泡検出器をさらに備え、ポンプが、気泡検出器による気泡の検出に応答して逆モードで動作する、項目15に記載のシステム。
[項目17]
人または動物の被検体の体を温めるまたは冷やすためのシステムであって、システムが、
体外制御システムと、
体外制御システムと接続可能であり、そのように接続されると、被検体の体と熱交換を行うように体外制御システムによって制御される少なくとも1つの交換可能な構成要素と、
を備え、
少なくとも1つの交換可能な構成要素が機械可読の符号化情報を含み、
体外制御システムが符号化情報を読み取るための読み取り装置を含み、
読み取り装置が符号化情報を受信して読み取り、体外制御システムが符号化情報を使用して、少なくとも1つの交換可能な構成要素の動作を識別し、修正し、確認し、または制御する、
システム。
[項目18]
少なくとも1つの交換可能な構成要素が、1回の使用に分類される少なくとも1つの使い捨て可能な構成要素を有する、項目17に記載のシステム。
[項目19]
少なくとも1つの交換可能な構成要素が、被検体の体の上にまたは中に配置可能な、かつ被検体の体と熱を交換するために使用可能な体熱交換器を備える、項目17に記載のシステム。
[項目20]
体熱交換器が血管内熱交換カテーテルを有する、項目19に記載のシステム。
[項目21]
体熱交換器が体表面熱交換装置を有する、項目19に記載のシステム。
[項目22]
体表面熱交換装置が、熱交換パッド、熱交換ブランケット、または熱交換マットレスを含む、項目21に記載のシステム。
[項目23]
少なくとも1つの交換可能な構成要素が被検体の体温を検知するための温度センサを有する、項目17に記載のシステム。
[項目24]
少なくとも1つの交換可能な構成要素が、熱交換流体が循環する際に通る熱交換カセットおよびチューブを備える、項目17に記載のシステム。
[項目25]
熱交換カセットが圧力センサを含む、項目24に記載の熱交換システム。
[項目26]
少なくとも1つの交換可能な構成要素が符号化情報を保持する電子記憶媒体を有する、項目17に記載のシステム。
[項目27]
電子記憶媒体が不揮発性ランダムアクセスメモリRAMを含む、項目26に記載のシステム。
[項目28]
電子記憶媒体が不揮発性フラッシュメモリを含む、項目26に記載のシステム。
[項目29]
電子記憶媒体が電気的消去可能プログラム可能型読み取り専用メモリ(EEPROM)を含む、項目26に記載のシステム。
[項目30]
電子記憶媒体が強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))を含む、項目26に記載のシステム。
[項目31]
電子記憶媒体がチップ埋め込み型またはマイクロチップ埋め込み型である、項目26に記載のシステム。
[項目32]
体外制御システムが、符号化情報に応答して1つまたは複数の動作を行うようにプログラムされたコントローラを備える、項目17に記載のシステム。
[項目33]
コントローラが、予めプログラムされた情報が必要条件を満たすかどうかを判定し、必要条件が満たされている場合にのみ、被検体の体の加温または冷却を進めるようにプログラムされている、項目32に記載のシステム。
[項目34]
符号化情報が有効期限を含み、必要条件が符号化された有効期限が切れていないという判定を含む、項目33に記載のシステム。
[項目35]
交換可能な構成要素の最初の使用が実行または試行され、必要条件が、事前使用の表示が符号化情報に含まれていないという判定を含むとき、事前使用の表示が符号化情報に追加される、項目33に記載のシステム。
[項目36]
コントローラがメモリに接続されるかまたはメモリを組み込み、符号化情報に含まれる少なくとも1つの一意な識別子を確認し、メモリに記憶するようにプログラムされている、項目32に記載のシステム。
[項目37]
少なくとも1つの一意の識別子が、メーカ識別情報、部品番号、およびロット番号から選択されている、項目36に記載のシステム。
[項目38]
符号化情報が、少なくとも1つの交換可能な構成要素の少なくとも1つの動作特性を識別し、
符号化情報によって識別された動作特性に基づいてコントローラがシステムの動作を引き続き制御する方式を調整するように、コントローラがプログラムされている、
項目32に記載のシステム。
[項目39]
少なくとも1つの交換可能な構成要素がいくつかの動作可能なサイズまたはタイプの熱交換カテーテルのうちの1つを含み、符号化情報が熱交換カテーテルのサイズまたはタイプを識別し、
コントローラが熱交換カテーテルのサイズまたはタイプに基づいてシステムの動作を引き続き制御する方式を調整するように、コントローラがプログラムされている、
項目38に記載のシステム。
[項目40]
体外制御システムが熱交換流体を温めるための加熱器、熱交換流体を冷やすための冷却器、熱交換流体を圧送するためのポンプ、およびコントローラを含む再利用可能なコンソールを備え、
少なくとも1つの交換可能な構成要素が、体外制御システムに接続可能な使い捨て可能な体熱交換器を有し、これにより、ポンプが体熱交換器を通して温められたまたは冷やされた熱交換流体を循環させることになる、
項目17に記載のシステム。
[項目41]
体熱交換器が血管内熱交換カテーテルを有し、少なくとも1つの交換可能な構成要素が体外制御システム内に配置可能なカセットをさらに有し、それにより熱交換流体がカセットを通って循環し、カセットを通って循環する間に、加熱器によって温められるかまたは冷却器によって冷やされる、項目40に記載のシステム。
[項目42]
カセットの上にまたは中に圧力センサをさらに含み、コントローラが圧力センサから検知圧力信号を受信し、検知圧力信号に応答して制御信号を発するようにプログラムされている、項目41に記載のシステム。
[項目43]
少なくとも1つの交換可能な構成要素が検知モジュールをさらに有し、コントローラが検知モジュールから検知温度信号を受信し、検知温度信号および検知圧力信号に応答して動作を行うようにプログラムされている、項目31に記載のシステム。
[項目44]
検知モジュールが、体熱交換器に流れ込む熱交換流体の温度、および体熱交換器から流れ出る熱交換流体の温度を示す検知温度信号を送信し、コントローラが検知温度信号を使用して、体熱交換器が動作している電力を計算するようにプログラムされている、項目43に記載のシステム。
[項目45]
体外制御システムがディスプレイを備えるか、またはディスプレイと通信し、コントローラが計算された電力をディスプレイ上に生じさせるようにプログラムされている、項目44に記載のシステム。
[項目46]
少なくとも交換可能な構成要素が体温センサをさらに有し、検知モジュールが体温センサからの検知体温信号をコントローラにさらに送信する、項目40に記載のシステム。
[項目47]
a)加熱器、冷却器、カセット収容領域、蠕動ポンプ装置、およびコントローラを有する体外装置と、b)人または動物の被検体の体の上にまたは中に配置可能な体熱交換器と、を組み合わせて使用するように構成されたシステムであって、システムは、
カセット収容領域に挿入可能な、熱交換流体で充填可能なカセットと、
カセットから延在し、かつ体熱交換器の流入ポートに接続可能な送出導管と、
カセットから延在し、かつ体熱交換器の流出ポートに接続可能な戻り導管と、
カセットから延在し、かつカセットがカセット収容領域に配置されている間、蠕動ポンプ装置内に配置可能な蠕動ポンプチューブと、
を備え、
それによって、送出導管が体熱交換器の流入ポートに接続され、流出導管が体熱交換器の流出導管に接続され、蠕動ポンプチューブが蠕動ポンプ装置内に配置されているときに、蠕動ポンプチューブが蠕動ポンプ装置によって圧縮可能となり、熱交換流体がカセットから、送出導管を通って、体熱交換器の流入ポートに入り、体熱交換器の流出ポートから出て、流出導管を通ってカセットに戻るように循環することになる、
システム。
[項目48]
カセットが、フレームに取り付けられた熱交換バッグを有する、項目47に記載のシステム。
[項目49]
摩擦低減層の材料が熱交換バッグ上に配置され、摩擦低減層が、バッグが挿入可能な熱交換プレート間のスペースから熱交換バッグを取り外すのを容易にする、項目48に記載のシステム。
[項目50]
バッグが、スペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするために滑らかになっている、項目48に記載のシステム。
[項目51]
熱交換バッグのスペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするために、スペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするための孔、溝、または他の表面フィーチャがバッグに形成されている、項目48に記載のシステム。
[項目52]
送出導管が、熱交換流体が送出導管を通って流れるときに熱交換流体の圧力脈動を減衰させるのに十分な長さおよび弾力性を有するチューブを備え、チューブがカセットから血管内熱交換器までの送出導管の長さ全体に延在する、項目47に記載のシステム。
[項目53]
送出導管の長さが、少なくとも80インチである、項目52に記載のシステム。
[項目54]
送出導管の長さが、20インチ~100インチであり、内径が0.15インチ~0.40インチであり、肉厚が0.06インチ~0.25インチである、項目53に記載のシステム。
[項目55]
カセットが熱交換流体を含む容器に結合されたカセットハウジングを有し、
カセットハウジングが、熱交換流体が容器からカセットハウジングに流れ込むことを可能にするが、熱交換流体がカセットハウジングから容器内に逆流するのを防ぐ逆止弁を含む、
項目47に記載のシステム。
[項目56]
カセットが圧力センサをさらに備える、項目47に記載のシステム。
[項目57]
カセットが、最初に閉鎖構成で配置され、カセット収容領域に挿入される前に開放構成に移行可能であり、カセットがカセットを開放構成に保持するようにロックするヒンジを有する、項目47に記載のシステム。
[項目58]
バッグが2つの側面を有し、バッグから流体を排出するための排出チューブを収容するための通路を作り出す2つの側面間の複数の位置で、2つの側面が互いに接続される、項目48に記載のシステム。
[項目59]
システムの全体が使い捨て可能であり、1回の使用に分類される、項目47に記載のシステム。
[項目60]
カセットが機械可読の符号化情報を含む、項目47に記載のシステム。
[項目61]
カセットが少なくとも1つの温度センサをさらに有し、コントローラが温度センサから検知温度信号を受信し、検知温度信号に応答して動作を行うようにプログラムされている、項目47に記載のシステム。
[項目62]
カセットが第1の温度センサおよび第2の温度センサを有し、第1の温度センサが体熱交換器に流れ込む熱交換流体の温度を示す検知温度信号を送信し、第2の温度センサが体熱交換器から流れ出る熱交換流体の温度を示す検知温度信号を送信し、コントローラが、検知温度信号を使用して体熱交換器が動作している電力を計算するようにプログラムされている、項目61に記載のシステム。
[項目63]
コントローラがディスプレイを有するか、またはディスプレイと通信し、コントローラが計算された電力をディスプレイ上に表示するようにプログラムされている、項目62に記載のシステム。
[項目64]
内部にポンプチューブを配置可能なレースウェイと、
回転可能な部材と、
回転可能な部材に取り付けられた複数のテーパ状のガイドローラと、
回転可能な部材に取り付けられた複数の圧縮ローラと、
回転可能な部材を回転させるためのモータと、
を備えるポンプ装置。
[項目65]
カセットをカセット収容領域に挿入することができるよう最初に格納位置に配置され、その後保持位置に移動可能な、少なくとも第1のフックおよび第2のフックを有するカセット保持機構をさらに備え、第1のフックおよび第2のフックがカセット上の別個の位置に係合し、それによってカセットをカセット収容領域内の動作位置に保持する、項目64に記載のポンプ。
[項目66]
熱交換流体を温めるまたは冷やすための熱交換エンジンであって、
熱交換プレートであって、プレートを通る冷媒の循環による冷却と、プレートの上にまたは中に配置された加熱器による加温とが交互に可能な、熱交換プレートと、
フレームおよび膨張可能な容器を有するカセットを収容するように構成された、熱交換プレート間のカセット収容スペースであって、カセットがカセット収容スペースに挿入された後、膨張可能な容器が熱交換流体で充填可能であり、互いに熱接触している冷媒と熱交換流体との間で熱が伝達される、カセット収容スペースと、
を備える、熱交換エンジン。
[項目67]
冷媒流路がプレート内に形成され、
冷媒が冷媒流路を通って第1の方向に流れ、
熱交換流体が膨張可能な容器を通って第2の方向に流れ、
第2の方向が第1の方向と実質的に反対である、
項目66に記載の熱交換エンジン。
[項目68]
複数の流体流路が膨張可能な容器内に形成され、熱交換流体がこれらの流路を通って第2の方向に流れる、項目67に記載の熱交換エンジン。
[項目69]
熱交換プレートと流体連通する圧縮器、凝縮器、および膨張弁をさらに備える、項目66に記載の熱交換エンジン。
[項目70]
吸気口と、排気口と、吸気口からの空気を、熱交換エンジンを介して、排気口から外に導くように構成された空気流路とを有するコンソール本体に配置された、項目66に記載の熱交換エンジン。
[項目71]
空気流路が、冷却エンジン筐体内に音響エネルギーを封じ込める反射面を提供する回旋状の通路を形成し、流路の内部が音響吸収材料で覆われ、それによって騒音を低減させる、項目70に記載のエンジン。
[項目72]
温められたまたは冷やされた熱交換流体を、体熱交換器を通して循環させて、人または動物の被検体の体を温めるまたは冷やすように構成されたシステムであって、システムが1つまたは複数の温度センサから信号を受信し、1つまたは複数の温度センサから受信した信号に基づいて温度データを表示する第1の表示装置を備え、
第1の表示装置が、有線接続または無線接続によって、第2の表示装置に接続可能であり、それにより1つまたは複数の温度センサから受信した信号を第1の表示装置から第2の表示装置に送信し、
システムが、信号が第1の表示装置から第2の表示装置に送信されるときに、信号に対する周囲温度のいかなる影響も最小限に抑えるまたは排除するための回路をさらに備える、
システム。
[項目73]
第2の表示装置がベッドサイドモニタを含む、項目72に記載のシステム。
[項目74]
第2の表示装置が遠隔モニタを含む、項目72に記載のシステム。
[項目75]
第2の表示装置によって受信された信号が第2の表示装置によって使用可能であり、第1の表示装置に表示された温度データと同じ温度データを表示する、項目72に記載のシステム。
[項目76]
表示された温度データが被検体の現在の体温を含む、項目72に記載のシステム。
[項目77]
表示された温度データが体熱交換器に流れる熱交換流体の現在の温度を含む、項目72に記載のシステム。
[項目78]
表示された温度データが体熱交換器から流れる熱交換流体の現在の温度を含む、項目72に記載のシステム。
[項目79]
表示された温度データが、体熱交換器に流れる熱交換流体の現在の温度、および体熱交換器から流れる熱交換流体の現在の温度を含む、項目72に記載のシステム。
[項目80]
第1の表示装置および第2の表示装置が、信号によって示される、体熱交換器に流れる熱交換流体の現在の温度と体熱交換器から流れる熱交換流体の現在の温度との差に基づいて、体熱交換器の加温電力または冷却電力を計算し表示する、項目79に記載のシステム。
[項目81]
ガイドローラがバレル形である、項目64に記載のポンプ。
[項目82]
ガイドローラがその端部のいずれよりもその中央部の方が、幅が広い、項目64に記載のポンプ。
[項目83]
血管内熱交換器を通って熱交換流体を循環させるように構成されたシステムであって、システムが、
熱交換流体で充填可能なリザーバと、
熱交換流体がリザーバから血管内熱交換器に流れる際に通ることができる送出導管と、
熱交換が血管内熱交換器からリザーバに流れる際に通ることができる戻り導管と、
を備え、
送出導管の少なくとも一部が、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動を減衰させるように構成された脈動減衰導管を有する、
システム。
[項目84]
脈動減衰導管の長さが、少なくとも80インチである、項目83に記載のシステム。
[項目85]
脈動減衰導管の長さが、20インチ~100インチであり、内径が0.15インチ~0.40インチ、肉厚が0.06インチ~0.25インチ、項目83に記載のシステム。
[項目86]
リザーバが、熱交換流体が循環する際に通るカセットを有する、項目83に記載のシステム。
[項目87]
熱交換流体がカセットを通って循環するときに、熱交換流体を温めるまたは冷やすための装置をさらに備える、項目86に記載のシステム。
[項目88]
熱交換流体をリザーバから、送出導管を通り、血管内熱交換器を通り、戻り導管を通ってリザーバに戻るように循環させるポンプをさらに備える、項目83に記載のシステム。
[項目89]
ガス環境にある間に周囲圧力の変化にさらされたときに、十分なガスが逆止弁を迂回して、容器に対する過度なパッカリングまたは損傷を防止することができる均圧通路をさらに備える、項目14に記載のシステム。
[項目90]
熱交換流体を,血管内熱交換器を通して循環させるように構成されたシステムであって、システムが熱交換流体の脈動流を生成するポンプによって特徴付けられ、システムが、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動を減衰させる脈動減衰導管を備える少なくとも1つの送出導管を介して血管内熱交換器に接続可能である、システム。
[項目91]
脈動減衰導管が、熱交換流体が流れるときに、熱交換流体の脈動の振幅を減衰または低減させるのに十分な弾性特性または曲げ特性を有するチューブを含む、項目90に記載のシステム。
[項目92]
熱交換流体を冷やすための冷却器と、
熱交換流体を温めるための加熱器と、
ポンプが、カセットを通して熱交換流体を循環させて、加熱器によって温めるかまたは冷やすように、加熱器および冷却器と関連して配置可能なカセットであって、少なくとも1つの送出導管がカセットから延在し、血管内熱交換器に接続可能である、カセットと、
カセットから延在し、血管内熱交換器に接続可能な少なくとも1つの戻り導管と、をさらに備え、
それによって、少なくとも1つの送出導管および少なくとも1つの戻り導管が血管内熱交換器にそのように接続されると、温められたまたは冷やされた熱交換流体が、カセットから、少なくとも1つの送出導管を通り、血管内熱交換器を通り、少なくとも1つの戻り導管を通ってカセットに戻るように循環する、
項目90または91に記載のシステム。
[項目93]
ポンプがポンプチューブと組み合わせた蠕動ポンプを有し、ポンプチューブが、熱交換流体の脈動流を引き起こす方式で蠕動ポンプによって圧縮される、項目92に記載のシステム。
[項目94]
ポンプチューブがカセットに取り付けられ、カセットから延在する、項目93に記載のシステム。
[項目95]
加熱器および冷却器が熱交換プレートを含み、熱交換プレートの間にはカセットが挿入可能なスペースがある、項目92に記載のシステム。
[項目96]
カセットが、フレームに取り付けられたバッグを有する、項目92から95のいずれかに記載のシステム。
[項目97]
複数の熱交換流体流路がバッグ内に画定される、項目96に記載のシステム。
[項目98]
バッグのスペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするために、バッグが滑らかになっている、項目96または97に記載のシステム。
[項目99]
バッグのスペースへの挿入およびスペースからの取り外しを容易にするために、孔、溝、または他の表面フィーチャがバッグに形成されている、項目96、97、又は98のいずれかに記載のシステム。
[項目100]
脈動減衰導管が、血管内熱交換器に接続されたとき、カセットから血管内熱交換器までの実質的に全距離にわたって延在する、項目92から99のいずれかに記載のシステム。
[項目101]
送出導管の長さが、少なくとも80インチである、項目100に記載のシステム。
[項目102]
脈動減衰導管の長さが、20インチ~100インチであり、内径が0.15インチ~0.40インチ、肉厚が0.06インチ~0.25インチ、項目90から101のいずれかに記載のシステム。
[項目103]
カセットが、熱交換流体を含む容器に結合されたカセットハウジングを有し、
逆止弁がカセットハウジングに配置されて、熱交換流体が容器からカセットハウジングに流れ込むことを可能にするが、熱交換流体がカセットハウジングから容器内に逆流するのを防ぐ、
項目92から102のいずれかに記載のシステム。
[項目104]
ポンプがシステムのセットアップ中または動作中の少なくとも一部の時間、順モードで動作し、
少なくとも一部の事例では、ポンプがシステムのセットアップ中または動作中の一定期間、逆モードでも動作し、
逆止弁が、ポンプが逆モードで動作しているとき、カセットから容器への熱交換流体の逆流を防止する、項目103に記載のシステム。
[項目105]
システムが気泡検出器をさらに備え、ポンプが、気泡検出器による気泡の検出に応答して逆モードで動作する、項目104に記載のシステム。
【外国語明細書】