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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020545
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】クロス成分適応ループフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/117 20140101AFI20240206BHJP
   H04N 19/186 20140101ALI20240206BHJP
   H04N 19/59 20140101ALI20240206BHJP
【FI】
H04N19/117
H04N19/186
H04N19/59
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023200063
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2022525117の分割
【原出願日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/115321
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520476341
【氏名又は名称】北京字節跳動網絡技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Bytedance Network Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room B-0035, 2/F, No.3 Building, No.30, Shixing Road, Shijingshan District Beijing 100041 China
(71)【出願人】
【識別番号】520477474
【氏名又は名称】バイトダンス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BYTEDANCE INC.
【住所又は居所原語表記】12655 West Jefferson Boulevard, Sixth Floor, Suite No. 137 Los Angeles, California 90066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ ホンビン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン カイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】映像処理方法、デバイスおよびシステムを提供する。
【解決手段】方法は、1つ以上の映像ブロックを含む映像の現在の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換のために、規則に従って現在の映像ユニットの少なくともいくつかの映像ブロックにクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)ツールを適用する間に、利用不可のサンプルをパディングするために用いられるパディング処理を決定することと、その決定に基づいて変換を行うことと、を含み、規則は、現在の映像ユニットの1つ以上の映像ブロックに適応ループフィルタリング(ALF)ツールを適用する際に、利用不可のサンプルをパディングするためにも使用されることを規定する。
【選択図】図25A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の映像ブロックを含む映像の現在の映像ユニットと前記映像のビットストリー
ム表現との変換のために、規則に従って、前記現在の映像ユニットの少なくともいくつか
の映像ブロックにクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)ツールを適用す
る間に、利用不可のサンプルをパディングするために使用されるパディング処理を決定す
ることと、この決定することに基づいて前記変換を行うことと、を含む映像処理方法であ
って、
前記規則は、前記現在の映像ユニットの1つ以上の映像ブロックに適応ループフィルタ
リング(ALF)を適用する間に、前記パディング処理はまた利用不可のサンプルをパデ
ィングするために使用されることを規定する、映像処理方法。
【請求項2】
前記ALFツールは、前記現在の映像ユニットの色成分に適用され、前記ALFツール
は、前記現在の映像ユニットの前記色成分によって提供される情報を使用して、前記色成
分のサンプル値を補正することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CC-ALFツールは、前記現在の映像ユニットの第1の色成分に適用され、前記
現在の映像ユニットの第2の成分のサンプル値を使用して、前記現在の映像ユニットの第
1の成分のサンプル値を補正することを含む、請求項1~2のいずれか1項以上に記載の
方法。
【請求項4】
前記現在の映像ユニットは、スライス、タイル、ブリック、サブピクチャ、ピクチャ、
または360度の仮想境界で囲まれた360度の仮想ピクチャに対応する、請求項1~3
のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項5】
前記パディング処理は、前記CC-ALFツールの前記使用に関連付けられた1つ以上
のALF仮想境界において、前記利用不可のサンプルに適用されるミラーリングパディン
グ(mirrored padding)に対応する、請求項1~4のいずれか1項以上
に記載の方法。
【請求項6】
前記パディング処理は、スライス、タイル、ブリック、ピクチャ、サブピクチャ、また
は前記CC-ALFの前記使用に関連付けられた360度仮想境界のうちの1つにおいて
前記利用不可のサンプルに適用される繰り返しパディングに対応する、請求項1~4のい
ずれか1項以上に記載の方法。
【請求項7】
前記パディング処理は、前記CC-ALFの前記使用に関連付けられた1つ以上のAL
F仮想境界を除き、1つ以上の境界に適用される繰り返しパディングに対応する、請求項
1~4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の境界は、すべての境界、水平境界、または垂直境界のうちの1つを含む
、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パディング処理は、前記CC-ALFの前記使用に関連付けられた1つ以上のAL
F仮想境界を除き、1つ以上の境界にミラーリングパディングを適用することに対応する
、請求項1~4のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の境界は、すべての境界、水平境界、または垂直境界のうちの1つを含む
、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記現在の映像ユニットは、ALF処理ユニット、コーディングツリーユニット(CT
U)、または基本ALF処理ユニットに対応する、請求項1~10のいずれか1項以上に
記載の方法。
【請求項12】
前記ALF処理ユニットは、2つの水平方向の境界および2つの垂直方向の境界で囲ま
れた1つのユニットを定義する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記2つの水平境界は、2つのALF仮想境界、または1つのALF仮想境界うちの1
つと、ピクチャ/スライス/タイル/ブリック/サブピクチャ境界または360度仮想境
界のうちの1つの境界とを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記基本ALF処理ユニットは、ALF処理ユニット、CTU、または狭ALF処理ユ
ニットを再帰的に分割することに基づいて生成され、前記基本ALF処理ユニットの境界
が、ブリック/スライス/タイル/サブピクチャ境界、および/または360度仮想境界
、および/または境界をまたぐフィルタリングが許可されないALF仮想境界で交差しな
い、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記パディング処理は、前記現在の映像ユニットの隣接サンプルが異なる隣接スライス
にあるかどうかに基づく繰り返しパディングに対応する、請求項1~4のいずれか1項以
上に記載の方法。
【請求項16】
前記現在の映像ユニットの現在のスライスがラスタスキャンスライスであり、前記現在
のスライスの前記隣接スライスもラスタスキャンスライスである、請求項15に記載の方
法。
【請求項17】
前記現在の映像ユニットはALF処理ユニットであり、利用不可のサンプルを前記AL
F処理ユニットにおけるその最も近いサンプルを使用してパディングする、請求項15~
16のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項18】
映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含み、
前記変換中、適応ループフィルタリング(ALF)処理またはクロス成分適応ループフ
ィルタリング(CC-ALF)処理の適用において、規則に従って、前記映像ユニットの
利用不可のサンプルを予め定義されたパディング順序でパディングする、映像処理方法。
【請求項19】
前記映像ユニットは、処理ユニットに対応し、前記規則は、前記映像ユニットの前記利
用不可のサンプルをパディングするための前記予め定義されたパディング順序を規定する
、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記予め定義されたパディング順序は、前記映像ユニットの少なくとも1つの行または
少なくとも1つの列を使用して前記利用不可のサンプルをパディングすることを含み、前
記少なくとも1つの行または前記少なくとも1つの列の位置が、前記利用不可のサンプル
の位置に基づいて決定される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記予め定義されたパディング順序は、前記映像ユニットの少なくとも1つのサンプル
を使用して前記利用不可のサンプルをパディングすることを含み、前記少なくとも1つの
サンプルの位置が、前記利用不可のサンプルの位置に基づいて決定される、請求項18に
記載の方法。
【請求項22】
前記映像ユニットの少なくとも1つの隣接サンプルの可用性が、前記1つ以上の隣接サ
ンプルと前記映像領域に関連付けられたパラメータ(ctuDownまたはctuUp)
との関係に基づいて決定され、前記映像領域は、コーディングツリーユニット(CTU)
のN個の行に対応する前記ctuUPと、前記CTUの「CtbSize-M」行に対応
する前記ctuDownとを含む処理ユニットに対応し、このときMは整数である、請求
項18に記載の方法。
【請求項23】
隣接サンプルが前記ctuDownと異なる第2の映像ユニットにある場合、前記規則
は、前記第2の映像ユニットをまたぐフィルタリングを許可しないことを規定する、請求
項22に記載の方法。
【請求項24】
前記映像ユニットは、ラスタスキャンスライスに含まれる現在のコーディングツリーユ
ニットに対応し、前記規則は、前記映像ユニットの前記利用不可のサンプルをパディング
するための前記予め定義されたパディング順序を規定する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライス内の上側CTUに位置
するその最も近い隣接サンプルを使用して、前記ラスタスキャンスライスとは異なるスラ
イス内の左上CTUに位置する前記利用不可のサンプルをパディングすることを含む、請
求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライス内の左側CTUに位置
するその最も近い隣接サンプルを使用して、前記ラスタスキャンスライスとは異なるスラ
イス内の左上CTUに位置する前記利用不可サンプルをパディングすることを含む、請求
項18に記載の方法。
【請求項27】
前記予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライス内の下側CTUに位置
するその最も近い隣接サンプルを使用して、前記ラスタスキャンスライスとは異なるスラ
イス内の右下CTUに位置する前記利用不可のサンプルをパディングすることを含む、請
求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライス内の右側CTUに位置
するその最も近い隣接サンプルを使用して、前記ラスタスキャンスライスとは異なるスラ
イス内の右下CTUに位置する前記利用不可のサンプルをパディングすることを含む、請
求項18に記載の方法。
【請求項29】
適応ループフィルタ(ALF)の適用が有効とされた映像の映像領域に対して、前記映
像領域は映像ユニットの境界と交差していることを決定することと、前記映像と前記映像
のビットストリーム表現との変換を行うこととを含む映像処理方法であって、
前記変換のために、前記映像領域は、前記映像領域が前記映像ユニットの前記境界と交
差していることに起因して、規則に従って複数のパーティションに分割される、映像処理
方法。
【請求項30】
前記境界をまたぐフィルタリング処理は許可されない、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記映像領域は、ALF処理ユニット、狭ALF処理ユニット、またはコーディングツ
リーユニットに対応する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記映像ユニットは、ブリック、スライス、タイル、サブピクチャ、または360度仮
想ピクチャに対応する、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記規則は、前記映像領域が前記映像ユニットの前記境界をまたがなくなるまで再帰的
に前記映像領域を分割することをさらに規定する、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記フィルタリング処理は、ALF処理またはCC-ALF処理に対応し、前記規則は
、前記映像領域を分割する分割処理が終了した後に前記フィルタリング処理を行うことを
さらに規定する、請求項29または30に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つのサンプルをパディングするために使用されるパディング処理は、前記
映像領域が前記映像ユニットの前記境界をまたがなくなるまで、前記映像領域を分割した
後に得られる基本ALF処理ユニットに対して行われる、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記規則は、前記映像領域が前記映像ユニットの前記境界をまたがなくなるまで前記映
像領域を分割した後に得られる基本ALF処理ユニットを生成するように、異なる水平境
界を予め定義された順序でチェックすることを規定する、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記予め定義された順序は、ALF仮想境界、360度仮想境界、および前記映像ユニ
ットの境界であるコーディングツリーユニット(CTU)境界である、請求項36に記載
の方法。
【請求項38】
前記予め定義された順序は、360度仮想境界、ALF仮想境界、および前記映像ユニ
ットの境界であるコーディングツリーユニット(CTU)境界である、請求項36に記載
の方法。
【請求項39】
前記規則は、前記映像ユニットの最上境界および最下境界に対して異なる予め定義され
た順序を規定する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記規則は、前記映像領域が前記映像ユニットの前記境界をまたがなくなるまで前記映
像領域を分割した後に得られる基本ALF処理ユニットを生成するように、異なる垂直境
界を予め定義された順序でチェックすることを規定する、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記予め定義された順序は、360度仮想境界、および前記映像ユニットの境界である
コーディングツリーユニット(CTU)境界である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記予め定義された順序は、前記映像ユニットのコーディングツリーユニット(CTU
)境界および360度仮想境界である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記規則は、前記映像ユニットの左境界および右境界に対して異なる予め定義された順
序を規定する、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
規則に従って、映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換を行う
ことを含む映像処理方法であって、
前記規則は、前記映像ユニットの境界に位置するサンプルに対する適応ループフィルタ
リング(ALF)および/またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)
の適用は、境界をまたぐフィルタリング処理が許可されていない場合、許可されないこと
を規定する、映像処理方法。
【請求項45】
前記ALFおよび/または前記CC-ALFに関連付けられた少なくともN個の隣接サ
ンプルが利用不可と決定されると、前記ALFおよび/または前記CC-ALFの適用が
無効にされ、このときNが整数である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記映像ユニットの前記境界は水平境界であり、前記サンプルと前記映像ユニットの前
記水平境界との垂直距離がM個のサンプル以下であると決定されると、前記ALFおよび
/または前記CC-ALFの適用が無効にされ、このときMが整数である、請求項44に
記載の方法。
【請求項47】
前記映像ユニットの前記境界は垂直境界であり、前記サンプルと前記映像ユニットの垂
直境界との水平距離がM個のサンプル以下であると決定されると、前記ALFおよび/ま
たは前記CC-ALFの適用が無効にされ、このときMが整数である、請求項44に記載
の方法。
【請求項48】
映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含む映像
処理方法であって、
前記ビットストリーム表現はフォーマット規則に準拠し、
前記映像領域はコーディングツリーブロックとは異なり、
前記フォーマット規則は適応ループフィルタリング(ALF)ツールおよび/またはク
ロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)ツールの前記映像領域に対する適用
可能性を示す前記ビットストリーム表現に構文要素が含まれるかどうかを規定する、映像
処理方法。
【請求項49】
前記映像領域は、ALF処理ユニットに対応する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ALFツールおよび/または前記CC-ALFツールの前記適用可能性は、前記ビ
ットストリーム表現において明確に示される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記ALFツールおよび/または前記CC-ALFツールの前記適用可能性は、導出さ
れる、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換のために、規則に従っ
て、クロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)ツールの前記映像ユニットの
サンプルに対する適用可能性を決定することと、この決定することに従って変換を行うこ
とを含む映像処理方法であって、
前記ビットストリーム表現は前記CC-ALFが前記映像ユニットに利用可能であると
いう指示を含み、前記規則は前記指示をオーバライドする1つ以上の条件を規定する、映
像処理方法。
【請求項53】
前記1つ以上の条件は、前記映像ユニットに対する前記サンプルの空間位置を含む、請
求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記1つ以上の条件は、前記CC-ALFにおいて使用される輝度サンプル値を含む、
請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記1つ以上の条件は、前記サンプルとその隣接サンプルとのサンプル値の差を含む、
請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記1つ以上の条件は、クロマサンプルに対応するフィルタリングされた輝度サンプル
を使用して導出されたオフセットの値と閾値との関係を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記1つ以上の条件は、クロマサンプルを含むブロックおよび/または前記ブロックの
隣接ブロックのコード化情報を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
規則に従って、映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換を行う
ことを含み、
前記規則は、前記変換の際に使用される演算が、クロマ適応ループフィルタリング(A
LF)に対応する第1のクリッピング演算、クロス成分適応ループフィルタリング(CC
-ALF)オフセット導出に対応する第2のクリッピング演算、および最終的なクロマサ
ンプル値を導出するためのクロマフィルタリングされたサンプルの微調整に対応する第3
のクリッピング演算を含む3つのクリッピング演算のうちの少なくとも1つを省略するこ
とを規定する、映像処理方法。
【請求項59】
前記規則は、前記CC-ALFを適用することが有効にされた場合、前記第1のクリッ
ピング演算を省略することを規定する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記規則は、前記CC-ALFを適用することが無効にされた場合、前記第2のクリッ
ピング演算を省略することを規定する、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記規則は、前記第1のクリッピング演算および前記第2のクリッピング演算を省略す
ることを規定する、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
映像の第1の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換のために、規則
に従って、クロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)オフセットを決定する
ことと、この決定することに基づいて前記変換を行うこととを含む映像処理方法であって

前記規則は、前記CC-ALFオフセットを、[-(1<<(BitDepthC-1
)),(1<<(BitDepthC-1))-1]と表される第2の範囲と異なる第1
の範囲にクリッピングすることを規定し、BitDepthCはビット深度値である、映
像処理方法。
【請求項63】
前記第1の範囲は、前記ビット深度値への依存性を欠く、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
第2の映像ユニットに関連付けられた第3の範囲が、前記第1の映像ユニットに関連付
けられた前記第1の範囲とは異なるように定義される、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の範囲は、クロマALFフィルタリングに対応する別のクリッピング演算で使
用される非線形クリッピング範囲から導出される、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
映像の第1の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換のために、規則に従
ってクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)オフセットを導出することと
、前記CC-ALFオフセットを使用して前記変換を行うこととを含む映像処理方法であ
って、
前記規則は、固定値の代わりに、ビット深度値に基づいて丸めオフセットで前記CC-
ALFオフセットを丸めることを規定する、映像処理方法。
【請求項67】
前記丸めオフセットは、第1の色成分と第2の色成分とのビット深度差に依存する、請
求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記CC-ALFオフセットは、次の式を用いて丸められる:
sum=alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]+(sum+O
ff)>>(7+(BitDepthY-BitDepthC)) and ccAlf
Picture[xCtbC+x][yCtbC+y]=Clip3(0,(1<<Bi
tDepthC)-1,sum)、ここでOffは、(1<(6+(BitDepthY
-BitDepthC))に等しく設定され、alfPicture[xCtbC+x]
[yCtbC+y]は、前記第1のクリッピング演算を適用した後のクロマサンプルを表
し、sumは、前記第2のクリッピング演算を適用した後のCC-ALFフィルタサポー
ト中の輝度サンプルにCC-ALFフィルタ係数を掛けた合計を表し、ccAlfPic
tureは前記第3のクリッピング演算を適用した後の最終的に微調整されたクロマサン
プルを表し、BitDepthCとBitDepthYはそれぞれ輝度成分、クロマ成分
のビット深度を表す、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
規則に従って、映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換を行う
ことを含む映像処理方法であって、
前記規則は、前記映像ユニットのサンプルに適用されるクロマ適応ループフィルタリン
グ(ALF)処理および/またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)
処理中に使用される1つ以上の処理ステップが同じであることを規定する、映像処理方法
【請求項70】
前記変換は、予め定義された範囲内にある前記クロマサンプルをもたらす前記クロマA
LF処理および/または前記CC-ALF処理によって生成されたクロマサンプルをクリ
ッピングするためのクリッピング演算を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記予め定義された範囲は、クロマビット深度値に少なくとも部分的に基づいている、
請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記クリッピング演算は、前記CC-ALF処理が前記クロマALF処理の後に適用さ
れる場合、前記CC-ALF処理中のみ適用される、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記CC-ALF処理が前記クロマALF処理の前に適用される場合、前記クリッピン
グ演算は前記クロマALF処理中のみ適用される、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
規則に従って、映像の映像ユニットと前記映像のビットストリーム表現との変換を行う
ことを含み、
前記規則は、変換中に、前記映像ユニットの第2の色成分の情報を使用して修正を加え
ることによって、前記映像ユニットの第1の色成分のサンプルの値を修正することを規定
し、前記修正は、前記映像ユニットのための適応ループフィルタリング(ALF)処理で
使用される1つ以上のパラメータに基づく、映像処理方法。
【請求項75】
適応ループフィルタリング処理で使用される前記1つ以上のパラメータは、クリッピン
グパラメータであり、第1のサンプル値に使用される前記クリッピングパラメータは、第
2のサンプル値に使用されるクリッピングパラメータとは異なり、前記第1のサンプル値
および前記第2のサンプル値は前記映像ユニット中に含まれる、請求項74に記載の方法
【請求項76】
前記クリッピングパラメータは、最小クリッピング値および最大クリッピング値を有す
る範囲内にあるように定義される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記最小クリッピング値および/または前記最大クリッピング値は、前記ビットストリ
ーム表現において明確に信号通知される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記最小クリッピング値および/または前記最大クリッピング値は、前記サンプルの値
に部分的に基づいている、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記最小クリッピング値および/または前記最大クリッピング値は、前記映像ユニット
に対する前記サンプルの前記値の空間的位置に部分的に基づいている、請求項76に記載
の方法。
【請求項80】
前記最小クリッピング値および/または前記最大クリッピング値は、信号通知されるか
または予め定義される、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記最小クリッピング値および/または前記最大クリッピング値は、他のパラメータか
ら導出される、請求項76に記載の方法。
【請求項82】
映像の第1のサブピクチャと前記映像のビットストリーム表現との変換のために、クロ
ス成分ループフィルタリング(CC-ALF)が、規則に基づいて前記第1のサブピクチ
ャのサンプルに適用可能であるかどうかを決定することと、前記決定に基づいて前記変換
を行うことを含む映像処理方法であって、
前記サンプルに対する前記CC-ALFは第2のサブピクチャからのサンプルを使用し

前記規則は前記第1のサブピクチャおよび/または前記第2のサブピクチャに対して、
サブピクチャの境界をまたぐループフィルタリングが許可されているかどうかに基づく、
映像処理方法。
【請求項83】
前記サブピクチャ境界をまたぐ前記ループフィルタリングが前記第1のサブピクチャに
対して許可されない場合、前記サンプルに対して前記CC-ALFをスキップする、請求
項82に記載の方法。
【請求項84】
前記サブピクチャ境界をまたぐ前記ループフィルタリングが前記第2のサブピクチャに
対して許可されない場合、前記第1のサンプルに対して前記CC-ALFをスキップする
、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記サブピクチャ境界をまたぐ前記ループフィルタリングが前記第1のサブピクチャお
よび/または前記第2のサブピクチャに対して許可されない場合、前記第1のサンプルに
対して前記CC-ALFをスキップする、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記サブピクチャ境界をまたぐ前記ループフィルタリングが許可されるかどうかが、前
記第1のサブピクチャおよび/または前記第2のサブピクチャに関連付けられたフラグに
基づく、請求項82~84のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項87】
前記方法は、1)映像コンテンツのタイプ、2)シーケンスパラメータセット(SPS
)、映像パラメータセット(VPS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、依存性パ
ラメータセット(DPS)、適応パラメータセット(APS)、ピクチャヘッダ、スライ
スヘッダ、タイルグループヘッダ、最大コーディングユニット(LCU)、コーディング
ユニット(CU)、LCU行、LCUグループ、変換ユニット(TU)、予測ユニット(
PU)ブロック、または映像コーディングユニットで信号通知されたメッセージ、3)C
U、PU、TU、ブロック、または映像コーディングユニットの位置、4)現在のブロッ
クおよび/または隣接ブロックの復号化情報、5)前記現在のブロックおよび/または前
記隣接ブロックの寸法または形状、6)色フォーマットの指示、7)コーディングツリー
構造、8)スライスタイプ、タイルグループタイプ、および/またはピクチャタイプ、9
)色成分のタイプ、10)時間層識別子、11)標準のプロファイル/レベル/ティアの
うちの少なくとも1つにさらに基づいた、先の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリーム表現に符号化することを含む、請求項1
~87のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
前記変換は、前記ビットストリーム表現から前記映像を復号することを含む、請求項1
~87のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
請求項1~89のいずれか1項以上に記載の方法を実装するように構成されたプロセッ
サを備える映像処理装置。
【請求項91】
実行されると、プロセッサに、請求項1から89のいずれか1つ以上に記載の方法を実
装させるプログラムコードを格納するコンピュータ可読媒体。
【請求項92】
上述した方法のいずれかに従って生成されたコーディング表現またはビットストリーム
表現を記憶する、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
パリ条約に基づく適用可能な特許法および/または規則に基づいて、本願は、2019
年11月4日出願の国際特許出願第PCT/CN2019/115321号の優先権およ
び利益を適時に主張することを目的とする。法に基づくすべての目的のために、上記出願
の開示全体は、本明細書の開示の一部として参照により援用される。
【0002】
この特許明細書は、映像符号化および復号化の技術、デバイスおよびシステムに関する
【背景技術】
【0003】
現在、現在の映像コーデック技術の性能を向上させ、より優れた圧縮率を実現するか、
又はより低い複雑度又は並列化された実装を可能にする映像符号化及び復号化方式を提供
する努力が行われている。産業界の専門家は、最近、いくつかの新しい映像符号化ツール
を提案し、それらの有効性を判定するための試験が現在進行中である。
【発明の概要】
【0004】
デジタル映像コーディングに関し、具体的には、動きベクトルの管理に関するデバイス
、システム、および方法が記載される。説明される方法は、既存の映像コーディング規格
(例えば、高効率映像コーディング(High Efficiency Video C
oding、HEVC)又は多様な映像コーディング)及び将来の映像コーディング規格
又は映像コーデックに適用され得る。
【0005】
1つの代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の方法を提供するために使
用してもよい。この方法は、1つ以上の映像ブロックを含む映像の現在の映像ユニットと
映像のビットストリーム表現との変換のために、規則に従って、現在の映像ユニットの少
なくともいくつかの映像ブロックにクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF
)ツールを適用する間に、利用不可のサンプルをパディングするために用いられるパディ
ング処理を決定することと、この決定に基づいて変換を行うことを含み、前記規則は現在
の映像ユニットの1つ以上の映像ブロックに適応ループフィルタリング(ALF)ツール
を適用する間に利用不可のサンプルをパディングするためにも用いられることを規定する
【0006】
別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供するために
使用してもよい。この方法は、映像の映像ユニットとこの映像のビットストリーム表現と
の変換を行うことを含み、この変換中、映像ユニットの利用不可のサンプルは、適応ルー
プフィルタリング(ALF)処理またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-A
LF)処理の適用における規則に従って、予め定義されたパディング順序でパディングさ
れる。
【0007】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、適応ループフィルタ(ALF)の適用が有効化され
た映像の映像領域について、その映像領域が映像ユニットの境界で交差することを決定す
ることと、映像と映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含み、変換のために
、映像領域が映像ユニットの境界と交差していることによる規則に従って、映像領域を複
数のパーティションに分割する。
【0008】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビット
ストリーム表現との変換を行うことを含み、規則は、映像ユニットの境界に位置するサン
プルに対して適応ループフィルタリング(ALF)および/またはクロス成分適応ループ
フィルタリング(CC-ALF)の適用が、境界をまたぐフィルタリング処理が許可され
ない場合、許可されないことを規定する。
【0009】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現
との変換を行うことを含み、ビットストリーム表現はフォーマット規則に準拠し、映像領
域はコーディングツリーブロックとは異なり、フォーマット規則は適応ループフィルタリ
ング(ALF)ツールおよび/またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-AL
F)ツールの映像領域への適用可能性を示すビットストリーム表現に構文要素が含まれる
かどうかを規定する。
【0010】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現
との変換のために、規則に従って、映像ユニットのサンプルへのクロス成分適応ループフ
ィルタリング(CC-ALF)ツールの適用可能性を決定することと、この決定に基づい
て変換を行うこととを含み、ビットストリーム表現は、CC-ALFが映像ユニットに利
用可能である指示を含み、規則は指示をオーバライドする1つ以上の条件を規定する。
【0011】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビット
ストリーム表現との変換を行うことを含み、この規則は、変換中に使用される演算が、ク
ロマ適応ループフィルタリング(ALF)に対応する第1のクリッピング演算、クロス成
分適応ループフィルタリング(CC-ALF)オフセット導出に対応する第2のクリッピ
ング演算、および最終的なクロマサンプル値を導出するためのクロマフィルタリングされ
たサンプルの微調整に対応する第3のクリッピング演算を含む3つのクリッピング演算の
うちの少なくとも1つを省略することを規定する。
【0012】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、映像の第1の映像ユニットと映像のビットストリー
ム表現との変換のために、規則に従って、クロス成分適応ループフィルタリング(CC-
ALF)オフセットを決定することと、この決定に基づいてこの変換を行うこととを含み
、この規則は、CC-ALFオフセットを、[-(1<<(BitDepthC-1))
,(1<<(BitDepthC-1))-1]と表される第2の範囲と異なる第1の範
囲にクリッピングすることを規定し、BitDepthCはビット深度値である。
【0013】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、映像の第1の映像ユニットと映像のビットストリー
ム表現との変換のために、規則に従って、クロス成分適応ループフィルタリング(CC-
ALF)オフセットを導出することと、CC-ALFオフセットを使用して変換を行うこ
ととを含み、規則は、固定値の代わりに、ビット深度値に基づいて丸めオフセットを用い
て、CC-ALFオフセットを丸めることを規定する。
【0014】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビット
ストリーム表現との変換を行うことを含み、規則は、映像ユニットのサンプルに適用され
るクロマ適応ループフィルタリング(ALF)処理および/またはクロス成分適応ループ
フィルタリング(CC-ALF)処理中に使用される1つ以上の処理ステップが同じであ
ることを規定する。
【0015】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビット
ストリーム表現との変換を行うことを含み、規則は、変換中に、映像ユニットの第2の色
成分の情報を使用して修正を適用することによって、映像ユニットの第1の色成分のサン
プルの値を修正することを規定し、この修正は、映像ユニットのための適応ループフィル
タリング(ALF)処理で使用される1つ以上のパラメータに基づく。
【0016】
さらに別の代表的な態様において、開示される技術は、映像処理の別の方法を提供する
ために使用してもよい。この方法は、映像の第1のサブピクチャと映像のビットストリー
ム表現との変換のために、規則に従って、クロス成分ループフィルタリング(CC-AL
F)が第1のサブピクチャのサンプルに適用可能であるかどうかを決定することと、この
決定に基づいた変換を行うことを含み、サンプルに対するCC-ALFは第2のサブピク
チャからのサンプルを使用し、規則は第1のサブピクチャおよび/または第2のサブピク
チャに対して、サブピクチャの境界をまたぐループフィルタリングが許可されているかど
うかに基づいている。
【0017】
さらに、代表的な態様において、プロセッサと、命令を搭載した非一時的メモリとを備
える、映像システムにおける装置が開示される。命令は、プロセッサによって実行される
と、プロセッサに、開示された方法のいずれか1つ以上を実装させる。
【0018】
また、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品であ
って、開示された方法のいずれか1つ以上を実行するためのプログラムコードを含むコン
ピュータプログラム製品が開示される。
【0019】
開示される技術の上記および他の態様および特徴は、図面、説明および特許請求の範囲
でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、エンコーダブロック図の例を示す。
図2図2は、形状変換に基づく適応ループフィルタ(GALF)フィルタ形状の例を示す。
図3図3は、1つの輝度成分に関連付けられたループフィルタラインバッファの例を示す。
図4図4は、クロマ成分に関連付けられたループフィルタラインバッファの例を示す。
図5A図5Aは、N=4の場合の仮想境界における修正ALFブロック分類の例を示す。
図5B図5Bは、N=4の場合の仮想境界における修正ALFブロック分類の例を示す。
図6A図6Aは、修正輝度ALFフィルタリングに関連して、仮想境界(VB)付近の1つのライン、2つのライン、および3つのラインの例を示す。
図6B図6Bは、修正輝度ALFフィルタリングに関連して、仮想境界(VB)付近の1つのライン、2つのライン、および3つのラインの例を示す。
図6C図6Cは、修正輝度ALFフィルタリングに関連して、仮想境界(VB)付近の1つのライン、2つのライン、および3つのラインの例を示す。
図7A図7Aは、修正クロマALFフィルタリングに関連して、仮想境界(VB)に近い1つのラインおよび2つのラインの例を示す。
図7B図7Bは、修正クロマALFフィルタリングに関連して、仮想境界(VB)に近い1つのラインおよび2つのラインの例を示す。
図8図8は、修正係数に基づくALF(MALF)の例を示す。
図9A図9Aは、サブサンプリングされたラプラシアン計算の例を示す。
図9B図9Bは、サブサンプリングされたラプラシアン計算の例を示す。
図9C図9Cは、サブサンプリングされたラプラシアン計算の例を示す。
図9D図9Dは、サブサンプリングされたラプラシアン計算の例を示す。
図10A図10Aは、他のループフィルタに対するCC-ALFの配置の例を示す。
図10B図10Bは、菱形フィルタの例を示す。
図11図11は、3×4菱形のフィルタの例を示す。
図12図12は、ピクチャのラスタスキャンスライス分割の例を示す。
図13図13は、ピクチャの矩形スライス分割の例を示す。
図14図14は、ピクチャの矩形スライス分割の他の例を示す。
図15図15は、ピクチャのサブピクチャ分割の例を示す。
図16図16は、ALF処理ユニットの例および狭ALF処理ユニットの例を示す。
図17図17は、ALF処理ユニットに繰り返しパディングを適用する例を示す。
図18図18は、利用不可のサンプルを埋める例を示す。
図19図19は、本特許明細書に記載されるビジュアルメディアの復号化又はビジュアルメディアの符号化技術を実現するためのハードウェアプラットフォームの一例を示すブロック図である。
図20図20は、動画処理のフローチャートを示す。
図21図21は、開示された技術を実装することができる例示的な映像処理システムを示すブロック図である。
図22図22は、例示的な映像コーディングシステムを示すブロック図である。
図23図23は、開示された技術のいくつかの実施形態によるエンコーダを示すブロック図である。
図24図24は、開示された技術のいくつかの実施形態によるデコーダを示すブロック図である。
図25A図25Aは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図25B図25Bは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図25C図25Cは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図25D図25Dは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図25E図25Eは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図25F図25Fは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図25G図25Gは、開示された技術のいくつかの実装形態に基づく、映像処理のための例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1. HEVC/H.265における映像コーディング
映像コーディング規格は、主に周知のITU-TおよびISO/IEC規格の開発によ
って発展してきた。ITU-TはH.261とH.263を作り、ISO/IECはMP
EG-1とMPEG-4 Visualを作り、両団体はH.262/MPEG-2 V
ideoとH.264/MPEG-4 AVC(Advanced Video Cod
ing)とH.265/HEVC規格を共同で作った。H.262以来、映像コーディン
グ規格は、時間予測と変換コーディングが利用されるハイブリッド映像コーディング構造
に基づく。HEVCを超えた将来の映像コーディング技術を探索するため、2015年に
は、VCEGとMPEGが共同でJVET(Joint Video Explorat
ion Team)を設立した。それ以来、多くの新しい方法がJVETによって採用さ
れ、JEM(Joint Exploration Mode)と呼ばれる参照ソフトウ
ェアに組み込まれてきた。2018年4月には、VCEG(Q6/16)とISO/IE
C JTC1 SC29/WG11(MPEG)の間にJoint Video Exp
ert Team(JVET)が発足し、HEVCと比較して50%のビットレート削減
を目標にVVC規格の策定に取り組んでいる。
【0022】
2.1. 色空間及びクロマサブサンプリング
色空間は、カラーモデル(又はカラーシステム)としても知られ、色の範囲を数字のタ
プル(tuple)として簡単に記述する抽象的な数学モデルであり、典型的には3又は
4つの値又は色成分(例えばRGB)である。基本的には、色空間は座標系とサブ空間と
を合成したものである。
【0023】
映像圧縮の場合、最も頻繁に使用される色空間は、YCbCr及びRGBである。
【0024】
YCbCr、Y’CbCr、またはY Pb/Cb Pr/Crは、YCBCRまたは
Y’CBCRとも呼ばれ、映像およびデジタル写真システムのカラー画像パイプラインの
一部として使用される色空間のファミリーである。Y’は輝度成分であり、CBおよびC
Rは青色差および赤色差クロマ成分である。Y’(素数を有する)はYとは区別され、Y
は輝度であり、ガンマ補正されたRGB原色に基づいて光強度が非線形に符号化されるこ
とを意味する。
【0025】
クロマサブサンプリングは、人間の視覚システムが、輝度よりも色差の方が知覚が低い
ことを利用して、輝度情報よりもクロマ情報の方が解像度が低くなるように実装して画像
を符号化する方法である。
【0026】
2.1.1. 4:4:4
3つのY’CbCr成分の各々は、同じサンプルレートを有し、従って、クロマサブサ
ンプリングは存在しない。この方式は、ハイエンドフィルムスキャナ及び映画のポストプ
ロダクションに用いられることがある。
【0027】
2.1.2. 4:2:2
2つのクロマ成分は、輝度のサンプルレートの半分でサンプリングされ、水平クロマ解
像度は半分にされる。これにより、視覚的にほとんどまたは全く差がなく、非圧縮の映像
信号の帯域幅を1/3に低減することができる。
【0028】
2.1.3. 4:2:0
4:2:0では、水平サンプリングは4:1:1に比べて2倍になるが、このスキーム
ではCb及びCrチャネルを各1行おきのラインでのみサンプリングするので、垂直解像
度は半分になる。従って、データレートは同じである。Cb及びCrはそれぞれ水平及び
垂直方向の両方に2倍ずつサブサンプリングされる。異なる水平及び垂直位置を有する4
:2:0スキームの3つの変形がある。
● MPEG-2において、Cb及びCrは水平方向に共座している。Cb、Crは垂直
方向の画素間に位置する(格子間に位置する)。
● JPEG/JFIF、H.261、及びMPEG-1において、Cb及びCrは、交
互の輝度サンプルの中間に間欠的に位置する。
● 4:2:0 DVにおいて、Cb及びCrは、水平方向に共座している。垂直方向に
は、それらは交互に共座している。
【0029】
2.1.4. 異なる色成分のコーディング
separate_colour_plane_flagの値に基づいて、変数Chr
omaArrayTypeの値は、以下のように割り当てられる。
- separate_colour_plane_flagが0に等しい場合、Chr
omaArrayTypeはchroma_format_idcに等しく設定される。
- そうでない場合(separate_colour_plane_flagが1に等
しい)、ChromaArrayTypeは0に設定される。
【0030】
2.2 典型的な映像コーデックのコーディングフロー
図1は、3つのインループフィルタリングブロック、すなわちデブロッキングフィルタ
(DF)、サンプル適応オフセット(SAO)およびALFを含むVVCのエンコーダブ
ロック図の例を示す。DF(予め定義されたフィルタを使用する)とは異なり、SAOお
よびALFは、現在のピクチャのオリジナルサンプルを利用し、それぞれ、オフセットを
追加することにより、および、有限インパルス応答(FIR)フィルタを適用することに
より、オフセットおよびフィルタ係数を信号通知するコード化側情報を用いて、元のサン
プルと再構成サンプルとの間の平均二乗誤差を低減する。ALFは、各ピクチャの最後の
処理ステージに位置し、前のステージで生成されたアーチファクトを捕捉し、修正しよう
とするツールと見なすことができる。
【0031】
2.3 JEMにおける形状変換に基づく適応ループフィルタ
JEMにおいて、ブロックに基づくフィルタ適応を用いたジオメトリ変換に基づく適応
ループフィルタ(GALF)が適用される。輝度成分は、局所勾配の方向および働きに基
づいて、2×2ブロックごとに25個のフィルタのうち1つを選択する。
【0032】
2.3.1. フィルタ形状
JEMにおいて、輝度成分として、最大3つの菱形フィルタ形状(図2に示す)を選択
することができる。図2は、3つのGALFフィルタ形状、すなわち5×5菱形、7×7
菱形、9×9菱形(左側から右側へ)を示す。輝度成分に使用されるフィルタ形状を示す
ために、ピクチャレベルでインデックスが信号通知される。
【0033】
2.3.1.1. ブロック区分
各2×2ブロックを25個のクラスのうちの1つに分類する。分類インデックスCは、
その方向性DおよびアクティビティA^の量子化値に基づいて、以下のように導出される

C=5D+A^ (1)
【0034】
DおよびA^を計算するために、まず、1-Dラプラシアンを使用して、水平、垂直お
よび2つの対角線方向の勾配を計算する。
【0035】
【数1】
【0036】
iおよびjは、2×2ブロックの左上のサンプルの座標を表し、R(i,j)は、座標
(i,j)において再構成されたサンプルを示す。
【0037】
そして、水平方向および垂直方向の勾配のD最大値およびD最小値を以下のように設定
する。
【0038】
【数2】
および2つの対角線方向の勾配の最大値および最小値は、以下のように設定される。
【0039】
【数3】
【0040】
方向性Dの値を導出するために、これらの値を互いに、2つの閾値tおよびtと比
較する。
【0041】
【数4】
【0042】
アクティビティ値Aは、以下のように計算される。
【0043】
【数5】
【0044】
Aをさらに0~4の範囲に量子化し、量子化された値をA^とする。
【0045】
ピクチャにおける両クロマ成分に対して、分類方法は適用されず、即ち、単一のALF
係数のセットが各クロマ成分に対して適用される。
【0046】
2.3.1.2. フィルタ係数の幾何学的変換
それぞれの2×2ブロックをフィルタリングする前に、そのブロックに対して計算され
た勾配値に基づいて、フィルタ係数f(k,l)に対して、回転、又は対角線及び垂直方
向の反転等の幾何学的変換を施す。これは、これらの変換をフィルタサポート領域内のサ
ンプルに適用することに等しい。その考えは、ALFが適用される異なるブロックを、そ
れらの方向性を揃えることによって、より類似させることである。
【0047】
対角線、垂直方向の反転および回転を含む3つの幾何学的変換を紹介する。
対角線:f(k,l)=f(l,k),
垂直方向の反転:f(k,l)=f(k,K-l-1), (9)
回転:f(k,l)=f(K-l-1,k)
この場合、Kはフィルタのサイズであり、0≦k,l≦K-1が係数座標であり、位置(
0,0)は左上隅にあり、位置(K-1,K-1)は右下隅にある。この変換は、そのブ
ロックに対して計算された勾配値に基づいて、フィルタ係数f(k,l)に適用される。
変換と4方向の4つの勾配との関係を表1にまとめる。
【0048】
【表1】
【0049】
2.3.1.3. フィルタパラメータ信号通知
JEMにおいて、GALFフィルタパラメータは、第1のCTUのために、すなわち、
スライスヘッダの後且つ第1のCTUのSAOパラメータの前に信号通知される。最大2
5組の輝度フィルタ係数を信号通知することができる。ビットオーバーヘッドを低減する
ために、異なる分類のフィルタ係数をマージすることができる。また、参照ピクチャのG
ALF係数を記憶し、現在のピクチャのGALF係数として再利用することができる。現
在のピクチャは、参照ピクチャのために記憶されたGALF係数を使用し、GALF係数
の信号通知を迂回することを選択してもよい。この場合、1つの参照ピクチャへのインデ
ックスのみが通知され、記憶されている指定された参照ピクチャのGALF係数が現在の
ピクチャに継承される。
【0050】
GALF時間予測をサポートするために、GALFフィルタセットの候補リストが維持
される。新しいシーケンスの復号開始時に、候補リストは空である。1つのピクチャを復
号化した後、対応するフィルタのセットを候補リストに加えてもよい。候補リストのサイ
ズが最大許容値(すなわち、現在のJEMでは6)に達すると、新しい1組のフィルタが
、最も古いセットを復号化の順序に上書きし、すなわち、先入れ先出し(FIFO)規則
を適用して候補リストを更新する。重複を回避するために、対応するピクチャがGALF
時間的予測を使用しない場合、1つのセットのみをリストに追加することができる。時間
的スケーラビリティをサポートするために、複数のフィルタセットの候補リストがあり、
各候補リストは1つの時間レイヤに関連付けられる。具体的に、時間レイヤインデックス
(TempIdx)により割り当てられた各配列は、下位のTempIdxに等しい、前
回復号されたピクチャのフィルタセットを構成してもよい。例えば、k番目の配列は、k
に等しいTempIdxに関連付けられるように割り当てられ、それは、TempIdx
がk以下のピクチャからのフィルタセットのみを含む。特定のピクチャをコーディングし
た後、このピクチャに関連付けられたフィルタセットを用いて、同等又は上位のTemp
Idxに関連付けられた配列を更新する。
【0051】
GALF係数の時間予測は、信号通知のオーバーヘッドを最小限に抑えるために、イン
ター符号化フレームに使用される。イントラフレームの場合、時間予測は利用できず、1
6個の固定フィルタのセットが各クラスに割り当てられる。固定フィルタの使用を示すた
めに、各クラスのためのフラグが通知され、必要に応じて、選択された固定フィルタのイ
ンデックスが通知される。所与のクラスに対して固定フィルタを選択した場合でも、この
クラスに対して適応フィルタf(k,l)の係数を送信することができ、この場合、再構
成画像に適用されるフィルタの係数は両方の係数セットの合計となる。
【0052】
輝度成分のフィルタリング処理は、CUレベルで制御することができる。GALFがC
Uの輝度成分に適用されるかどうかを示すために、1つのフラグが信号通知される。クロ
マ成分の場合、GALFが適用されるかどうかは、画像レベルでのみ示される。
【0053】
2.3.1.4. フィルタリング処理
デコーダ側において、1つのブロックに対してGALFが有効化されると、このブロッ
ク内のそれぞれのサンプルR(i,j)がフィルタリングされ、その結果、以下に示すよ
うに、サンプル値R’(i,j)が得られる。ここで、Lは、フィルタ長を表し、fm,
nは、フィルタ係数を表し、f(k,l)は、復号化されたフィルタ係数を表す。
【0054】
【数6】
【0055】
あるいは、適応ループフィルタのフィルタリング処理は、以下のように表すことができ
る。
【0056】
【数7】
【0057】
ここで、サンプルI(x+i,y+j)は入力サンプルであり、O(x,y)はフィル
タリングされた出力サンプル(即ち、フィルタ結果)であり、w(i,j)はフィルタ係
数を表す。実際において、VTM4.0では、固定小数点精度計算のために整数演算を用
いて実施されている。
【0058】
【数8】
【0059】
ここで、Lはフィルタ長を表し、w(i,j)は固定小数点精度におけるフィルタ係数
である。
【0060】
2.4. 非線形ALF
2.4.1. フィルタリング再定式化
式(11)は、コーディング効率に影響を及ぼすことなく、以下の式で再定式化するこ
とができる。
【0061】
【数9】
【0062】
ここで、w(i,j)は、式(11)と同じフィルタ係数である[但し、w(0,0)
は式(13)の1に等しいが、式(11)の1-Σ(i,j)≠(0,0)w(i,j)
に等しい]。
【0063】
2.4.2. 修正されたフィルタ
上記(13)のフィルタ式を使用することで、単純なクリッピング関数を使用して、近
傍のサンプル値(I(x+i,y+j))が現在のサンプル値(I(x,y))のフィル
タリングと異なり過ぎている場合に、その影響を低減することで、非線形性を容易に導入
し、ALFをより効率的にする。
【0064】
この提案において、ALFフィルタは、以下のように修正される。
【0065】
【数10】
【0066】
ここで、K(d,b)=min(b,max(-b,d))はクリッピング関数であり
、k(i,j)はクリッピングパラメータであり、これは(i,j)フィルタ係数に依存
する。エンコーダは、最適化を行い、最良のk(i,j)を見出す。
【0067】
実現を容易にするために、フィルタ係数w(i,j)を記憶し、整数精度で用いる。上
記式は、以下のように書き換えることができる。
【0068】
【数11】
【0069】
この場合、w(k,l)は復号化されたフィルタ係数を表し、K(x,y)はクリッピ
ング関数であり、c(k,l)は復号化されたクリッピングパラメータを表す。変数kお
よびlは、(-L/2)と(L/2)との間で変化し、ここで、Lはフィルタ長を表す。
関数Clip3(-y,y,x)に対応するクリッピング関数K(x,y)=min(y
,max(-y,x))
【0070】
JVET-N0242の実装形態において、1つのALFフィルタごとにクリッピング
パラメータk(i,j)を規定し、1つのフィルタ係数ごとに1つのクリッピング値を信
号通知する。これは、1つの輝度フィルタ当たりビットストリームにおいて、最大12個
のクリッピング値を信号通知することができ、クロマフィルタに対しては最大6個のクリ
ッピング値を信号通知することができることを意味する。
【0071】
信号通知コストおよびエンコーダの複雑性を制限するために、クリッピング値の評価は
、可能な値の小さなセットに限定する。本提案では、インターおよびイントラタイルグル
ープに対して同じ4つの固定値のみを使用する。
【0072】
局所的な差の分散は、輝度の場合、クロマの場合よりも大きいことが多いので、輝度フ
ィルタおよびクロマフィルタの2つの異なるセットを使用する。各セットに最大サンプル
値(ここでは、10ビットのビット深度の場合、1024)を含め、必要でない場合、ク
リッピングを無効化することができる。
【0073】
JVET-N0242試験に使用したクリッピング値のセットを表2に示す。4つの値
は、対数領域において、輝度についてはサンプル値(10ビットで符号化される)の全範
囲、クロマについて4~1024の範囲をほぼ均等に分割して選択されている。
【0074】
より正確には、クリッピング値の輝度テーブルは、以下の式によって得られた。
【0075】
【数12】
【0076】
同様に、クリッピング値のクロマテーブルは、以下の式に従って取得される。
【0077】
【数13】
【0078】
【表2】
【0079】
選択されたクリッピング値は、上記表2のクリッピング値のインデックスに対応するゴ
ロム符号化方式を用いて、「alf_data」構文要素に符号化される。この符号化方
式は、フィルタインデックスの符号化方式と同じである。
【0080】
2.5. 仮想境界
ハードウェアおよび組み込みソフトウェアにおいて、ピクチャに基づく処理は、その高
いピクチャバッファ要件のために、実際には受け入れられない。オンチップピクチャバッ
ファの使用は非常に高価であり、オフチップピクチャバッファの使用は、外部メモリアク
セス、電力消費、およびデータアクセス待ち時間を大幅に増加させる。そのため、実際の
製品において、DF、SAO、ALFを画像に基づく復号からLCUに基づく復号に変更
することになる。DF、SAO、ALFにLCUに基づく処理を使用する場合、複数のL
CUを並列処理するために、LCUパイプライン方式を用いたラスタスキャンでLCUご
とに全体の復号処理を行うことができる。この場合、1つのLCU行を処理するには上側
LCU行からのピクセルが必要であるので、DF、SAO、およびALFのためにライン
バッファが必要である。オフチップラインバッファ(例えば、DRAM)を使用する場合
、外部メモリの帯域幅および消費電力が増大し、オンチップラインバッファ(例えば、S
RAM)を使用する場合、チップ面積が増大する。従って、ラインバッファは既にピクチ
ャバッファよりも遥かに小さいが、ラインバッファを低減することが依然として望ましい
【0081】
VTM-4.0において、図3に示すように、輝度成分に必要なラインバッファの総数
は11.25ラインである。ラインバッファ要件の説明は以下のとおりである。CTUエ
ッジと重複する水平エッジのデブロッキングは、決定およびフィルタリンには、第1のC
TUからのラインK,L,M,M、および最下CTUからのラインO,Pを必要とするの
で、行うことができない。そのため、CTU境界と重なる水平エッジのデブロッキングは
、下側CTUが来るまで延期される。従って、ラインK,L,M,Nに対して、再構成さ
れた輝度サンプルをラインバッファ(4ライン)に記憶しなければならない。次に、ライ
ンA~Jに対してSAOフィルタリングを行うことができる。ラインJはSAOフィルタ
リングすることができ、これは、デブロッキングによってラインKにおけるサンプルが変
化しないためである。ラインKのSAOフィルタリングの場合、エッジオフセット分類決
定はラインバッファにのみ記憶される(これは0.25輝度ラインである)。ALFフィ
ルタリングは、ラインA~Fに対してのみ行い得る。図3に示すように、4×4ブロック
ごとにALF分類を行う。各4×4ブロック分類は、8×8のサイズのアクティビティ窓
を必要とし、このアクティビティ窓は、1Dラプラシアンを計算して勾配を決定するため
に9×9の窓を必要とする。
【0082】
従って、ラインG、H、I、Jと重なる4×4ブロックのブロック分類のために、Jは
、仮想境界より下のSAOフィルタリングされたサンプルを必要とする。さらに、ALF
分類のために、ラインD、E、FのSAOフィルタリングされたサンプルが必要である。
さらに、ラインGのALFフィルタリングは、上側ラインから3つのSAOフィルタリン
グされたラインD、E、Fを必要とする。従って、総ラインバッファ要件は、以下のとお
りである。
- ラインK-N(水平DFピクセル):4ライン
- ラインD-J(SAOフィルタリングされたピクセル):7ライン
- ラインJとラインKとの間のSAOエッジオフセット分類子値:0.25ライン
【0083】
従って、必要とされる輝度ラインの総数は、7+4+0.25=11.25である。
【0084】
同様に、クロマ成分のラインバッファ要求は図4に例示されている。クロマ成分のため
のラインバッファ要件は、6.25ラインであると評価される。
【0085】
SAOおよびALFのラインバッファ要件を排除するために、最近のVVCにおいて、
仮想境界(VB)の概念が導入されている。図3に示すように、VBは、水平LCU境界
においてN個のピクセルだけ上向きにシフトされている。LCUごとに、SAOおよびA
LFは、下側LCUが来る前に、VBより上のピクセルを処理することができるが、下側
LCUが来るまで、VBより下のピクセルを処理することはできず、これは、DFによっ
てもたらされる。ハードウェアの実施費用を勘案し、提案したVBと水平LCU境界との
間の空間を、輝度が4ピクセル(即ち、図3におけるN=4)、クロマが2ピクセル(即
ち、図9におけるN=2)として設定する。
【0086】
2.5.1. VBサイズNが4である場合の修正ALFブロック分類
図5Aおよび図5Bは、仮想境界がCTU境界の4ライン上にある場合(N=4)につ
いて、修正されたブロック分類を示す。図5Aは、ラインGで始まる4×4ブロックの分
類を示し、図5Bは、ラインKで始まる4×4ブロックの分類を示す。図5Aに示すよう
に、ラインGで始まる4×4ブロックの場合、ブロック分類は、ラインE~Jのみを使用
する。しかし、ラインJに属するサンプルのラプラシアン勾配計算は、下にもう1つのラ
イン(ラインK)を必要とする。従って、ラインKはラインJとパディングされる。
【0087】
同様に、図5Bに示すように、ラインKで始まる4×4ブロックの場合、ブロック分類
はラインK~Pのみを使用する。しかし、ラインKに属するサンプルのラプラシアン勾配
計算には、上にもう1つのライン(ラインJ)を必要とする。従って、ラインJはライン
Kとパディングされる。
【0088】
2.5.2. 仮想境界をまたぐサンプルのための二面パディング
図6A~6Cに示すように、フィルタを切り捨てたバージョンは、仮想境界に近いライ
ンに属する輝度サンプルをフィルタリングするために用いられる。図6Aは、仮想境界(
VB)の上/下にある(辺ごとに)パディングされるべき1つの必要なラインを示し、図
6Bは、VBの上/下にある(辺ごとに)パディングされるべき2つの必要なラインを示
し、図6Cは、VBの上/下にある(辺ごとに)パディングされるべき3つの必要なライ
ンを示す。図6Aから6Cにおいて、VBは灰色のラインで表される。図6Aについて例
えば、図3で示されたラインMをフィルタリングする場合、即ち、7×7菱形サポートの
中心サンプルがラインMにある場合、VBより上の1つのラインに接近することが必要で
ある。この場合、VBより上のサンプルは、VBより下の右下サンプルからコピーされ、
例えば、実線のP0サンプルは、上の破線位置にコピーされる。対称的に、実線のP3サ
ンプルもまた、その位置に対するサンプルが利用可能でも、右下の破線の位置にコピーさ
れる。コピーされたサンプルは、輝度フィルタリング処理にのみ用いられる。
【0089】
ALF仮想境界のために使用されるパディング法は、「二面パディング」と呼ばれても
よく、(i,j)に位置する1つのサンプル(例えば、図6Bに点線を有するP0A)を
パディングする場合、図6A~6Cおよび図7A~7Cに示すように、同じフィルタ係数
を共有する(m,n)に位置する対応するサンプル(例えば、図6Cに点線を有するP3
B)もまた、サンプルが利用可能でもパディングを行う。
【0090】
同様に、図7A~7Cに示すように、クロマALFフィルタリングにも両面パディング
法が用いられる。図7Aは、仮想境界(VB)の上/下にある1つの必要なラインをパデ
ィングする必要があることを示し(一辺)、図7Bは、VBの上/下にある2つの必要な
ラインをパディングする必要があることを示す(一辺)。図7Aおよび7Bにおいて、V
Bは灰色のラインで表される。
【0091】
2.5.3. 非線形ALFが無効にされている場合の二面パディングの代替実装方法
CTBに対して非線形ALFが無効である場合、例えば、式(14)におけるクリッピ
ングパラメータk(i,j)が(1<<Bitdepth)に等しい場合、パディング処
理は、フィルタ係数を修正(別称、modified-coeff based ALF
,MALF)によって置き換えることができる。例えば、ラインL/Iにおけるサンプル
をフィルタリングするとき、フィルタ係数c5がc5’に修正され、このケースでは、図
8で実線P0Aから破線P0Aへ、実線P3Bから破線P3Bへの輝度サンプルをコピー
する必要がない。この場合、二面パディングおよびMALFは、フィルタリングされる現
在のサンプルが(x,y)に位置すると仮定して、同じ結果を生成する。
【0092】
【数14】
【0093】
なぜなら、パディングによって、K(d,b)=dであり、I(x-1,y-1)=I
(x-1,y-2)であるからである。
【0094】
しかしながら、非線形ALFが有効化される場合、MALFおよび二面パディングは、
異なるフィルタリング結果を生成することができる。その理由は、非線形パラメータが、
例えば、フィルタ係数c5およびc1の場合などの各係数に関連付けられ、クリッピング
パラメータが異なるためである。そのため、
【数15】
K(d,b)!=dなので、パディングによって、I(x-1,y-1)=I(x-1,
y-2)であってもよい。
【0095】
2.6. VVCにおける形状変換に基づく適応ループフィルタ
現在のVVCにおけるGALFの設計は、JEMにおける設計に比べ、以下のような大
きな変化を有している。
1)適応フィルタ形状は除去される。輝度成分に対しては7×7のフィルタ形状のみが許
容され、色度成分に対しては5×5のフィルタ形状のみが許容される。
2)ALFフィルタ係数は、ALF適応パラメータ集合(ALF Adaptation
Parameter Set、APS)において信号通知される。
3)非線形ALFを適用してもよい。
4)CTUごとに、色成分ごとに1つのビットフラグが、ALFが有効であるか無効であ
るかを信号通知される。
5)クラスインデックスの計算は、2×2ではなく、4×4のレベルで行われる。また、
JVET-L0147で提案されているように、ALF分類のためのサブサンプリングさ
れたラプラシアン計算方法が利用される。具体的には、1つのブロック内のサンプルごと
に水平/垂直/45対角線/135度勾配を計算する必要がない。その代わりに、1:2
サブサンプリングが利用される。
【0096】
2.7. 適応パラメータ集合におけるALFパラメータの信号通知
VVC草案の最新バージョンにおいて、ALFパラメータは、適応パラメータ集合(A
daptation Parameter Set、APS)において信号通知されても
よく、各CTUによって適応的に選択されてもよい。1つのAPSにおいて、最大25組
の輝度フィルタ係数およびクリッピング値インデックス、並びに最大8組のクロマフィル
タ係数およびクリッピング値インデックスを信号通知することができる。ビットオーバー
ヘッドを低減するために、輝度成分の異なる分類のフィルタ係数をマージすることができ
る。スライスヘッダにおいて、現在のスライスに使用されるAPSのインデックスが信号
通知される。
【0097】
フィルタ係数は、128に等しいノルムで量子化される。乗算の複雑性を抑えるために
、非中心位置の係数値が-2~2-1の範囲内に含まれるように、ビットストリーム
適合性が適用される。中心位置係数はビットストリームにおいて信号通知されず、128
に等しいと見なされる。
【0098】
ALFの詳細なシグナル伝達(JVET-P2001-v9)は以下のとおりである。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
7.4.3.5 適応パラメータセット意味論
各APS RBSPは、それが参照される前に復号化処理で利用できるか、それを参照
する符号化スライスNALユニットのTemporalId以下のTemporalId
を持つ少なくとも一つのアクセスユニット内に含まれるか、外部手段を通じて提供される
ものとする。
aspLayerIdをAPS NALユニットのnuh_layer_idとする。
aspLayerIdに等しいnuh_layer_idを持つレイヤが独立レイヤであ
る(即ち、vps_independent_layer_flag[GeneralL
ayerIdx[aspLayerId]])が1に等しい)場合、APS RBSPを
含むAPS NALユニットは、それを参照するコーディングスライスNALユニットの
nuh_layer_idに等しいnuh_lay_idを持つものとする。それ以外の
場合、APS RBSPを含むAPS NALユニットは、それを参照する符号化スライ
スNALユニットのnuh_layer_idに等しいか、またはそれを参照するコーデ
ィングスライスNALユニットを含むレイヤの直接依存レイヤのnuh_layer_i
dに等しいnuh_layer_idを有しているものとする。
アクセスユニット内において、adaption_parameter_set_id
の特定の値と、aps_params_typeの特定の値を持つすべてのAPS NA
Lユニットは、同じコンテンツを有している。
adaptation_parameter_set_idは、他の構文要素が参照す
るAPSの識別子を提供する。
aps_params_typeがALF_APSまたはSCALING_APSに等
しい場合、adaptation_parameter_set_idの値は0~7の範
囲に含まれるものとする。
aps_params_typeがLMCS_APSと等しい場合、adaptati
on_parameter_set_idの値は0~3の範囲に含まれるものとする。
aps_params_typeは、表3に示されるように、APSにおいて実行され
るAPSパラメータのタイプを指定する。aps_params_typeが1(LMC
S_APS)である場合、adaptation_parameter_set_idの
値は、0以上3以下の範囲内にあるものとする。
【0102】
【表5】
【0103】
注1- 各タイプのAPSは、adaptation_parameter_set_i
dに別個の値空間を使用する。
注2- APS NALユニット(adaption_parameter_set_i
dの特定の値とaps_params_typeの特定の値を有する)は、ピクチャ間で
共有することができ、ピクチャ内の異なるスライスは、異なるALF APSを参照する
ことができる。
aps_extension_flag=0の場合、APS RBSP構文構造にap
s_extension_data_flag構文要素が存在しないことを示す。aps
_extension_flag=1の場合、APS RBSP構文構造にaps_ex
tension_data_flag構文要素が存在することを示す。
aps_extension_data_flagは任意の値を有することができる。
その存在および値は、本明細書バージョンで特定された特徴に対するのデコーダの適合性
に影響を与えない。本明細書バージョンに準拠するデコーダは、すべてのaps_ext
ension_data_flag構文要素を無視しなければならない。
【0104】
7.4.3.14 適応ループフィルタデータ意味論
alf_luma_filter_signal_flag=1は、輝度フィルタセッ
トが信号通知されることを示す。alf_luma_filter_signal_fl
ag=0は、輝度フィルタセットは信号通知されないことを示す。
alf_chroma_filter_signal_flagが1に等しい場合、ク
ロマフィルタが信号通知されることを示す。alf_chroma_filter_si
gnal_flagが0に等しい場合、クロマフィルタが信号通知されないことを示す。
ChromaArrayTypeが0に等しい場合、alf_chroma_filte
r_signal_flagは0に等しい。
異なる適応ループフィルタの数を規定する変数NumAlfFiltersは、25に設
定される。
alf_luma_clip_flag=0は、線形適応ループフィルタリングが輝度
成分に適用されることを規定する。alf_luma_clip_flag=1は、非線
形適応ループフィルタリングが輝度成分に適用され得ることを規定する。
alf_luma_num_filters_signalled_minus1プラ
ス1は、輝度係数を信号通知することができる適応ループフィルタクラスの数を規定する
。alf_luma_num_filters_signalled_minus1の値
は、0~NumAlfFilters-1の範囲内にあるものとする。
alf_luma_coeff_delta_idx[filtIdx]は、filt
Idxが示すフィルタクラスのための、0からNumAlfFilters-1までの範
囲にわたる、信号通知される適応ループフィルタ輝度係数デルタのインデックスを規定す
る。alf_luma_coeff_delta_idx[filtIdx]が存在しな
い場合、それは0であると推論される。alf_luma_coeff_delta_i
dx[filtIdx]の長さは、Ceil(Log2(alf_luma_num_f
ilters_signalled_minus1+1)ビットである。
1に等しいalf_luma_coeff_signalled_flagは、alf_luma_coeff_flag[sfIdx]が信号通知されることを示す。0に等しいalf_luma_coeff_signalled_flagは、alf_luma_coeff_flag[sfIdx]が信号通知されないことを示す。
alf_luma_coeff_flag[sfIdx]=1は、sfIdxで示され
る輝度フィルタの係数が信号通知されることを規定する。alf_luma_coeff
_flag[sfIdx]=0は、sfIdxで示される輝度フィルタのすべてのフィル
タ係数が0に等しく定する。存在しない場合、alf_luma_coeff_flag
[sfIdx]は1に等しく設定される。
alf_luma_coeff_abs[sfIdx][j]は、sfIdxで示され
る信号輝度フィルタのj番目の係数の絶対値を規定する。alf_luma_coeff
_abs[sfIdx][j]が存在しない場合、それは0に等しいと推論される。
exp-Golomb二値化uek(v)の次数kは3に等しく設定される。
alf_luma_coeff_sign[sfIdx][j]は、sfIdxが示す
フィルタのj番目の輝度係数の符号を以下のように規定する。
- alf_luma_coeff_sign[sfIdx][j]が0に等しい場合
、対応する輝度フィルタ係数は正の値を有する。
- そうでない場合(alf_luma_coeff_sign[sfIdx][j]
=1)、対応する輝度フィルタ係数は負の値を有する。
alf_luma_coeff_sign[sfIdx][j]が存在しない場合、それ
は0に等しいと推論される。
sfIdx=0..alf_luma_num_filters_signalled
_minus1,j=0..11の変数filtCoeff[sfIdx][j]は、次
のように初期化される。
filtCoeff[sfIdx][j]=alf_luma_coeff_abs[
sfIdx][j]*(1-2 * alf_luma_coeff_sign[sfI
dx][j]) (7-47)
要素AlfCoeff[adaptation_parameter_set_id
][filtIdx][j]を有する輝度フィルタ係数AlfCoeff[adapt
ation_parameter_set_id]、(但し、filtIdx=0..N
umAlfFilters-1、j=0..11)は以下のように導出される。
AlfCoeff[adaptation_parameter_set_id][
filtIdx][j]=filtCoeff[alf_luma_coeff_del
ta_idx[filtIdx]][j] (7-48)
固定フィルタ係数AlfFixFiltCoeff[i][j](但しi=0..64
、j=0..11)、およびのAlfClassToFiltMap[m][n](但し
m=0..15、n=0..24)をフィルタマッピングするクラスは、以下のように導
出される。
【0105】
AlfFixFiltCoeff=

{0,0,2,-3,1,-4,1,7,-1,1,-1,5}
{0,0,0,0,0,-1,0,1,0,0,-1,2}
{0,0,0,0,0,0,0,1,0,0,0,0}
{0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,-1,1}
{2,2,-7,-3,0,-5,13,22,12,-3,-3,17}
{-1,0,6,-8,1,-5,1,23,0,2,-5,10}
{0,0,-1,-1,0,-1,2,1,0,0,-1,4}
{0,0,3,-11,1,0,-1,35,5,2,-9,9}
{0,0,8,-8,-2,-7,4,4,2,1,-1,25}
{0,0,1,-1,0,-3,1,3,-1,1,-1,3}
{0,0,3,-3,0,-6,5,-1,2,1,-4,21}
{-7,1,5,4,-3,5,11,13,12,-8,11,12}
{-5,-3,6,-2,-3,8,14,15,2,-7,11,16}
{2,-1,-6,-5,-2,-2,20,14,-4,0,-3,25}
{3,1,-8,-4,0,-8,22,5,-3,2,-10,29}
{2,1,-7,-1,2,-11,23,-5,0,2,-10,29}
{-6,-3,8,9,-4,8,9,7,14,-2,8,9}
{2,1,-4,-7,0,-8,17,22,1,-1,-4,23}
{3,0,-5,-7,0,-7,15,18,-5,0,-5,27}
{2,0,0,-7,1,-10,13,13,-4,2,-7,24}
{3,3,-13,4,-2,-5,9,21,25,-2,-3,12}
{-5,-2,7,-3,-7,9,8,9,16,-2,15,12}
{0,-1,0,-7,-5,4,11,11,8,-6,12,21}
{3,-2,-3,-8,-4,-1,16,15,-2,-3,3,26}
{2,1,-5,-4,-1,-8,16,4,-2,1,-7,33}
{2,1,-4,-2,1,-10,17,-2,0,2,-11,33}
{1,-2,7,-15,-16,10,8,8,20,11,14,11}
{2,2,3,-13,-13,4,8,12,2,-3,16,24}
{1,4,0,-7,-8,-4,9,9,-2,-2,8,29}
{1,1,2,-4,-1,-6,6,3,-1,-1,-3,30}
{-7,3,2,10,-2,3,7,11,19,-7,8,10}
{0,-2,-5,-3,-2,4,20,15,-1,-3,-1,22}
{3,-1,-8,-4,-1,-4,22,8,-4,2,-8,28}
{0,3,-14,3,0,1,19,17,8,-3,-7,20}
{0,2,-1,-8,3,-6,5,21,1,1,-9,13}
{-4,-2,8,20,-2,2,3,5,21,4,6,1}
{2,-2,-3,-9,-4,2,14,16,3,-6,8,24}
{2,1,5,-16,-7,2,3,11,15,-3,11,22}
{1,2,3,-11,-2,-5,4,8,9,-3,-2,26}
{0,-1,10,-9,-1,-8,2,3,4,0,0,29}
{1,2,0,-5,1,-9,9,3,0,1,-7,20}
{-2,8,-6,-4,3,-9,-8,45,14,2,-13,7}
{1,-1,16,-19,-8,-4,-3,2,19,0,4,30}
{1,1,-3,0,2,-11,15,-5,1,2,-9,24}
{0,1,-2,0,1,-4,4,0,0,1,-4,7}
{0,1,2,-5,1,-6,4,10,-2,1,-4,10}
{3,0,-3,-6,-2,-6,14,8,-1,-1,-3,31}
{0,1,0,-2,1,-6,5,1,0,1,-5,13}
{3,1,9,-19,-21,9,7,6,13,5,15,21}
{2,4,3,-12,-13,1,7,8,3,0,12,26}
{3,1,-8,-2,0,-6,18,2,-2,3,-10,23}
{1,1,-4,-1,1,-5,8,1,-1,2,-5,10}
{0,1,-1,0,0,-2,2,0,0,1,-2,3}
{1,1,-2,-7,1,-7,14,18,0,0,-7,21}
{0,1,0,-2,0,-7,8,1,-2,0,-3,24}
{0,1,1,-2,2,-10,10,0,-2,1,-7,23}
{0,2,2,-11,2,-4,-3,39,7,1,-10,9}
{1,0,13,-16,-5,-6,-1,8,6,0,6,29}
{1,3,1,-6,-4,-7,9,6,-3,-2,3,33}
{4,0,-17,-1,-1,5,26,8,-2,3,-15,30}
{0,1,-2,0,2,-8,12,-6,1,1,-6,16}
{0,0,0,-1,1,-4,4,0,0,0,-3,11}
{0,1,2,-8,2,-6,5,15,0,2,-7,9}
{1,-1,12,-15,-7,-2,3,6,6,-1,7,30}
}, (7-49)
【0106】
AlfClassToFiltMap=

{8,2,2,2,3,4,53,9,9,52,4,4,5,9,2,8,10,9,
1,3,39,39,10,9,52}
{11,12,13,14,15,30,11,17,18,19,16,20,20,
4,53,21,22,23,14,25,26,26,27,28,10}
{16,12,31,32,14,16,30,33,53,34,35,16,20,
4,7,16,21,36,18,19,21,26,37,38,39}
{35,11,13,14,43,35,16,4,34,62,35,35,30,5
6,7,35,21,38,24,40,16,21,48,57,39}
{11,31,32,43,44,16,4,17,34,45,30,20,20,7
,5,21,22,46,40,47,26,48,63,58,10}
{12,13,50,51,52,11,17,53,45,9,30,4,53,19
,0,22,23,25,43,44,37,27,28,10,55}
{30,33,62,51,44,20,41,56,34,45,20,41,41,
56,5,30,56,38,40,47,11,37,42,57,8}
{35,11,23,32,14,35,20,4,17,18,21,20,20,2
0,4,16,21,36,46,25,41,26,48,49,58}
{12,31,59,59,3,33,33,59,59,52,4,33,17,59
,55,22,36,59,59,60,22,36,59,25,55}
{31,25,15,60,60,22,17,19,55,55,20,20,53,
19,55,22,46,25,43,60,37,28,10,55,52}
{12,31,32,50,51,11,33,53,19,45,16,4,4,53
,5,22,36,18,25,43,26,27,27,28,10}
{5,2,44,52,3,4,53,45,9,3,4,56,5,0,2,5,10
,47,52,3,63,39,10,9,52}
{12,34,44,44,3,56,56,62,45,9,56,56,7,5,0
,22,38,40,47,52,48,57,39,10,9}
{35,11,23,14,51,35,20,41,56,62,16,20,41,
56,7,16,21,38,24,40,26,26,42,57,39}
{33,34,51,51,52,41,41,34,62,0,41,41,56,7
,5,56,38,38,40,44,37,42,57,39,10}
{16,31,32,15,60,30,4,17,19,25,22,20,4,53
,19,21,22,46,25,55,26,48,63,58,55}
}, (7-50)
【0107】
AlfCoeff[adaptation_parameter_set_id][
filtIdx][j](但しfiltIdx=0..NumAlfFilters-1
,j=0..11)の値が、-2~2-1の範囲内とすることは、ビットストリーム
適合性の要件である。
alf_luma_clip_idx[sfIdx][j]は、sfIdxが示す信号
通知された輝度フィルタのj番目の係数を乗じる前に使用するクリッピング値のクリッピ
ングインデックスを規定する。alf_luma_clip_idx[sfIdx][j
](但しsfIdx=0..alf_luma_num_filters_signal
led_minus1かつj=0..11)の値は、0~3の範囲内とすることがビット
ストリーム適合性の要件である。
輝度フィルタクリッピング値AlfClip[adaptation_parame
ter_set_id](但し要素AlfClip[adaptation_para
meter_set_id][filtIdx][j]であり、filtIdx=0..
NumAlfFilters-1およびj=0..11)は、BitDepthに等し
く設定されているbitDepthおよびalf_luma_clip_idx[alf
_luma_coeff_delta_idx[filtIdx]][j]に等しく設定
されているclipIdxに依存して表4で規定されているように導出される。
alf_chroma_num_alt_filters_minus1プラス1は、
クロマ成分のための代替フィルタの数を規定する。
alf_chroma_clip_flag[altIdx]=0は、インデックスa
ltIdxを有するクロマフィルタを使用する場合、クロマ成分に対して線形適応ループ
フィルタリングを適用することを規定し、alf_chroma_clip_flag[
altIdx]=1は、インデックスaltIdxを有するクロマフィルタを使用する場
合、クロマ成分に対して非線形適応ループフィルタリングを適用することを規定する。存
在しない場合、alf_chroma_clip_flag[altIdx]は0に等し
いと推論される。
alf_chroma_coeff_abs[altIdx][j]は、インデックス
altIdxを有する代替クロマフィルタに対するj番目のクロマフィルタ係数の絶対値
を規定する。alf_chroma_coeff_abs[altIdx][j]が存在
しない場合、それは0に等しいと推論される。alf_chroma_coeff_ab
s[altIdx][j]の値が0~2-1の範囲内(両端を含む)であることが、ビ
ットストリーム適合性の要件である。
exp-Golomb二値化uek(v)の次数kは3に等しく設定される。
alf_chroma_coeff_sign[altIdx][j]は、インデック
スaltIdxを有する代替クロマフィルタのj番目のクロマフィルタ係数の符号を以下
のように規定する。
- alf_chroma_coeff_sign[altIdx][j]が0に等し
い場合、対応するクロマフィルタ係数は正の値を有する。
- そうでない場合(alf_chroma_coeff_sign[altIdx]
[j]=1)、対応するクロマフィルタ係数は負の値を有する。
alf_chroma_coeff_sign[altIdx][j]が存在しない場
合、それは0に等しいと推論される。
AlfCoeff[adaptation_parameter_set_id][
altIdx][j]を要素とするクロマフィルタ係数AlfCoeff[adapt
ation_parameter_set_id][altIdx](但しaltIdx
=0..alf_chroma_num_alt_filters_minus1,j=
0..5とする)は、以下のように導出する。
AlfCoeff[adaptation_parameter_set_id][
altIdx][j]=alf_chroma_coeff_abs[altIdx][
j]*(1-2*alf_chroma_coeff_sign[altIdx][j]
) (7-51)
AlfCoeff[adaptation_parameter_set_id][
altIdx][j]の値(但し、altIdx=0..alf_chroma_num
_alt_filters_minus1,j=0..5)が-2-1~2-1の範
囲内にあることは、ビットストリーム適合性の要件である。
alf_chroma_clip_idx[altIdx][j]は、インデックスa
ltIdxを有する代替クロマフィルタのj番目の係数を乗じる前に使用するクリッピン
グ値のクリッピングインデックスを規定する。alf_chroma_clip_idx
[altIdx][j]の値(但し、altIdx=0..alf_chroma_nu
m_alt_filters_minus1,j=0..5である)が、0~3の範囲内
にあることは、ビットストリーム適合性の要件である。
要素AlfClip[adaptation_parameter_set_id]
[altIdx][j]を有するクロマフィルタクリッピング値AlfClip[ad
aptation_parameter_set_id][altIdx](但し、al
tIdx=0..alf_chroma_num_alt_filters_minus
1,j=0..5)は、BitDepthと等しく設定されているbitDepthお
よびalf_chroma_clip_idx[altIdx][j]と等しく設定され
ているclipIdxに依存して、表4で規定されているように導出される。
【0108】
【表6】
【0109】
2.8. CTUのためのALFパラメータの信号通知
VTM6において、ALFフィルタパラメータは、適応パラメータセット(APS)に
おいて信号通知される。1つのAPSにおいて、最大25組の輝度フィルタ係数およびク
リッピング値インデックス、並びに最大8組のクロマフィルタ係数およびクリッピング値
インデックスを信号通知することができる。ビットオーバーヘッドを低減するために、輝
度成分の異なる分類のフィルタ係数をマージすることができる。スライスヘッダにおいて
、現在のスライスに使用されるAPSのインデックスが信号通知される。
【0110】
APSから復号化されたクリッピング値インデックスは、クリッピング値の輝度テーブ
ル(Luma table)およびクリッピング値のクロマテーブル(Chroma t
able)を使用してクリッピング値を判定することができるようになる。これらのクリ
ッピング値は、内部ビット深度に依存する。
【0111】
スライスヘッダにおいて、現在のスライスに使用される輝度フィルタ集合を規定するよ
うに、最大7つのAPSインデックスを信号通知することができる。フィルタリング処理
はCTBレベルでさらに制御されてもよい。ALFが輝度CTBに適用されるかどうかを
示すために、常に1つのフラグが信号通知される。1つの輝度CTBは、16個の固定フ
ィルタセットのうち1つのフィルタセットを選択し、複数のAPSから1つのフィルタセ
ットを選択することができる。どのフィルタセットが適用されるかを示すように、輝度C
TBのためにフィルタセットインデックスが信号通知される。エンコーダおよびデコーダ
の両方において、16個の固定フィルタセットを予め規定し、ハードコードする。
【0112】
クロマ成分の場合、現在のスライスに使用されているクロマフィルタ集合を示すように
、スライスヘッダにAPSインデックスを信号通知する。CTBレベルにおいて、APS
において複数のクロマフィルタ集合が存在する場合、クロマCTBごとにフィルタインデ
ックスを信号通知する。
【0113】
具体的には、以下が適用される。
【0114】
スライス内の少なくとも1つのCTUがALFを適用するかどうかを示すために、まず
スライスオン/オフ制御フラグをコード化する。真である場合、CTUごとに、以下をチ
ェックし、順に信号通知する。
【0115】
太字の下線付きテキストは、既存の標準への変更案を示す。
【0116】
輝度部分に関して:
1. ALFが輝度CTBに適用されるかどうか。そうである場合、ステップ2に進む。
そうでない場合、さらなる信号通知は必要とされない。
2. 現在のスライスに使用されているALF APSの数をチェックし、それをnum
ALFAPSで表す。
3. numALFAPSが0に等しい場合、固定フィルタのインデックス(例えば、a
lf_luma_fixed_filter_idx)が信号通知される。そうでない場
合、以下が適用される。
- 1つ目のALF APSから予測されたものであるかどうかを示すためのフラグを
信号通知する。
- そうでない場合、ステップ4に進む。そうでない場合には、輝度CTBのためのA
LFパラメータの信号通知は停止される。
4. numALFAPSが1よりも大きい場合、それがALF APSから予測された
ものであるかどうかを示すためのフラグを信号通知する。
- 大きくない場合、固定フィルタのインデックスを信号通知する。
- 大きい場合、かつnumALFAPSが2よりも大きい場合、ALF APSのイ
ンデックスから1を引いたものを、端数を切り捨てた単項信号通知する。
【0117】
クロマ部分に関して:
1. Cb/Cr CTBにALFを適用するかどうか。そうである場合、ステップ2
に進む。そうでない場合、さらなる信号通知は必要とされない。
2. i番目のALF APSに関連付けられたフィルタのインデックスを信号通知す
る。ここで、APSインデックスは、スライスヘッダにおいて信号通知される。
【0118】
【表7】
【0119】
2.9. クロス成分適応ループフィルタ(CC_ALF)
クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)は、輝度サンプル値を用いて各クロマ
成分を微調整する。基本的に、CC-ALFは、CC-ALFが適用される場合、輝度サ
ンプルをフィルタリングすることによりクロマサンプルごとの補正を行う。それはループ
フィルタステップとして適用される。このツールは、ビットストリームにおける情報によ
って制御され、この情報は、(a)クロマ成分ごとのフィルタ係数と、(b)サンプルブ
ロックのためのフィルタの適用を制御するマスクとを含む。
【0120】
以下の図10Aは、他のループフィルタに対するCC-ALFの配置を示す。CC-A
LFは、クロマ成分ごとに輝度チャンネルに線形菱形フィルタ(図10Bに示す)を適用
することによって動作し、以下のように表される。
【0121】
【数16】
ここで、
(x,y)は、微調整されたクロマ成分iの位置である。
(x,y)は、(x,y)に基づく輝度位置である。
は、クロマ成分iのための輝度におけるフィルタサポートである。
(x,y)は、フィルタ係数を表す。
【0122】
CC-ALF処理は、JVET-O0636にさらに記載されている。主な特徴には以
下が含まれる。
● 輝度平面とクロマ平面との間の空間拡大縮小率に基づいて、サポート領域の中心とな
る輝度位置(x,y)を計算する。
● すべてのフィルタ係数はAPSで送信され、8ビットのダイナミックレンジを有する

● スライスヘッダにおいて、APSが参照されてもよい。
● スライスのクロマ成分ごとに使用されるCC-ALF係数も、時間的サブレイヤに対
応するバッファに記憶される。これらの時間的サブレイヤフィルタ係数セットの再利用は
、スライスレベルフラグを使用して容易になる。
● CC-ALFフィルタの適用は、可変ブロックサイズで制御され、サンプルのブロッ
クごとに受信されたコンテキスト符号化フラグによって信号通知される。ブロックサイズ
は、CC-ALF有効化フラグと共に、クロマ成分ごとにスライスレベルで受信される。
● 水平方向の仮想境界のための境界パディングは、繰り返しを利用する。残りの境界に
ついては、通常のALFと同じタイプのパディングを使用する。
【0123】
2.9.1. JVET-P1008におけるCC-ALFの更なる簡素化
JVET-P0080に比べ、CC-ALFの設計を簡単にするために、以下のような
新しい態様を提案する。
- 複雑性低減
図11に示すように、フィルタ形状を3×4菱形に変化させ、フィルタ演算におけ
る乗数を低減する。
o CC-ALF係数の6ビットまでのダイナミックレンジを制限
o クロマALFと乗数の共用を許可する。
- ALFとの位置合わせ
o フィルタの選択をCTUレベルでの信号通知に制限
o 時間レイヤ係数バッファの除去
o ALF仮想境界における対称ライン選択の使用
【0124】
また、簡略化により符号化効率が低下するため、クロマ成分当たり4つまでのフィルタ
を適用することができるように制限される。
【0125】
2.9.1.1. CC-ALFの構文および意味論
太字の下線付きテキストは、既存の標準への変更案を示す。
【0126】
【表8】
【表9】
【表10】
【0127】
【表11】
【表12】
【0128】
【表13】
【0129】
alf_ctb_cross_component_cb_idc[xCtb>>Ct
bLog2SizeY][yCtb>>CtbLog2SizeY]が0に等しい場合、クロス成分CbフィルタがCb色成分サンプルのブロックの輝度位置(xCtb,yCtb)に適用されていないことを示す。alf_cross_component_cb_idc[xCtb>>CtbLog2SizeY][yCtb>>CtbLog2SizeY]が0に等しくない場合、alf_cross_component_cb_idc[xCtb>>CtbLog2SizeY][yCtb>>CtbLog2SizeY]-thクロス成分CbフィルタがCb色成分サンプルのブロックの輝度位置(xCtb,yCtb)に適用されていることを示す。
alf_ctb_cross_component_cr_idc[xCtb>>Ct
bLog2SizeY][yCtb>>CtbLog2SizeY]が0に等しい場合、クロス成分CrフィルタがCr色成分サンプルのブロックの輝度位置(xCtb,yCtb)に適用されていないことを示す。alf_cross_component_cr_idc[xCtb>>CtbLog2SizeY][yCtb>>CtbLog2SizeY]が0に等しくない場合、alf_cross_component_cr_idc[xCtb>>CtbLog2SizeY][yCtb>>CtbLog2SizeY]-thクロス成分CrフィルタがCr色成分サンプルのブロックの輝度位置(xCtb,yCtb)に適用されていることを示す。
【0130】
2.10. ピクチャ、サブピクチャ、スライス、タイル、CTUの分割
2.10.1. ピクチャをサブピクチャ、スライス、タイルに分割
この従属節では、ピクチャをサブピクチャ、スライス、およびタイルにどのように分割
するかを規定する。
【0131】
1つのピクチャは、1つ以上のタイル行および1つ以上のタイル列に分割される。1つ
のタイルは、1つの画像の1つの矩形領域を覆う1つのCTUのシーケンスである。1つ
のタイルにおけるCTUは、そのタイル内でラスタスキャン順にスキャンされる。
【0132】
1つのスライスは、1つのピクチャのタイル内において、整数個の完全なタイルまたは
整数個の連続した完全なCTU行からなる。
【0133】
2つのモードのスライス、即ちラスタスキャンスライスモードおよび矩形スライスモー
ドがサポートされる。ラスタスキャンスライスモードにおいて、1つのスライスは、1つ
のピクチャのタイルラスタスキャンにおける1つの完全なタイルのシーケンスを含む。矩
形スライスモードにおいて、1つのスライスは、ピクチャの矩形領域を集合的に形成する
複数の完全なタイル、またはピクチャの矩形領域を集合的に形成する1つのタイルの複数
の連続した完全なCTU行のいずれかを含む。矩形スライス内のタイルを、そのスライス
に対応する矩形領域内で、タイルラスタスキャンの順にスキャンする。
【0134】
1つのサブピクチャは、1つのピクチャの矩形領域を集合的に覆う1つ以上のスライス
を含む。
【0135】
図12は、ピクチャのラスタスキャンスライス分割の例を示し、ピクチャは、12個の
タイルおよび3個のラスタスキャンスライスに分割される。
【0136】
図13は、ピクチャの矩形スライス分割の例を示し、ピクチャは、24個のタイル(6
個のタイル列および4個のタイル行)と9個の矩形スライスとに分割される。
【0137】
図14は、タイルおよび矩形のスライスに分割されたピクチャの例を示し、このピクチ
ャは、4つのタイル(2つのタイルの列および2つのタイルの行)と4つの矩形スライス
とに分割される。
【0138】
図15は、ピクチャのサブピクチャ分割の例を示し、ピクチャは、様々な寸法の28個
のサブピクチャに分割される。[Ed.(RS):図15図14に統合することで、コ
ンセプトの整合性を説明するのに役立つ。]
【0139】
ピクチャが3つの別個の色平面を使用してコード化される(separate_col
our_plane_flagが1に等しい)場合、スライスは、colour_pla
ne_idの対応する値によって識別される1つの色成分のCTUのみを含み、ピクチャ
の各色成分配列は、同じcolour_plane_idを有するスライスから成る。ピ
クチャ内でcolour_plane_idが異なる値を有する符号化スライスは、co
lour_plane_idの各値について、colour_plane_idのその値
を有する符号化スライスNALユニットは、各符号化スライスNALユニットの最初のC
TUに対してタイルスキャン順でCTUアドレスを増加する順になるという制約の下で、
互いにインターリーブすることができる。
【0140】
separate_colour_plane_flagが0に等しい場合、ピクチャ
の各CTUが、ちょうど1つのスライスに含まれる。separate_colour_
plane_flagが1に等しい場合、色成分の各CTUはちょうど1つのスライスに
含まれる(つまり、ピクチャの各CTUに対する情報がちょうど3つのスライスに存在し
、これら3つのスライスはcolour_plane_idの値が異なる)。
【0141】
3. 既存の実装形態の欠点
ALF仮想境界に使用されるパディング法は、「二面パディング」または「ミラーリン
グパディング(mirrored padding)」と呼ばれてもよく、ここで、(i
,j)に位置する1つのサンプルにパディングを行う場合、図6および図7に示すように
、サンプルが利用可能でも、同じフィルタ係数を共有する(m,n)に位置する対応する
サンプルにもパディングを行う。
【0142】
ピクチャ境界/360度映像仮想境界、通常の境界(例えば、最上および最下境界)に
使用されるパディング方法は、「片側パディング」または「繰り返しパディング」と呼ば
れてもよく、使用される1つのサンプルが境界の外側にある場合、そのサンプルは、ピク
チャの内側の利用可能サンプル(例えば、最も近い利用可能サンプル)からコピーされる
【0143】
現在のCC-ALF設計において、以下のような問題がある。
1. CC-ALFで使用されるパディング方法は、非線形ALFで使用されるパディン
グ方法と完全には整合していない。
2. CC-ALFのオン/オフ制御はCTBレベルにある。すなわち、それが有効化さ
れている場合、CTB内のすべてのクロマサンプルは、1つのクロマサンプルに対応する
フィルタリングされた輝度サンプルから導出オフセットを加えることによって修正される
ものとする。
3. CC-ALFおよびクロマALFの両方を適用したクロマサンプルごとに、3段階
(クロマALFフィルタリング、CC-ALFオフセット導出、および最終的なクロマサ
ンプルを導出するためのクロマフィルタサンプルの微調整)から少なくとも3つのクリッ
ピング演算が必要である。具体的には、以下の3つのステージを説明する。
a. クロマALF処理において、フィルタリングされたクロマサンプルをクリップす
る。すなわち、
sumchromaALF=curr+(sumchromaALF+64)>>7)
(8-1290)
alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]=Clip3(0,(1
<<BitDepthC)-1,sumchromaALF) (8-1291)
ここで、「curr」は、フィルタリングされる前のクロマサンプルを表し、「sum
chromaALF」は、クロマALFフィルタサポートでクリッピングされたクロマサ
ンプルの差分にクロマALFフィルタ係数を掛けた合計を表す。
b. 導出オフセット(sumで示される)を輝度ビット深度に応じた範囲にクリップ
する、すなわち、
sum=Clip3(-(1<<(BitDepthC-1)),(1<<(BitD
epthC-1))-1,sum) (8-1292)
ここで、「sum」は、CC-ALFフィルタサポートにおける輝度サンプルにCC-
ALFフィルタ係数を掛けた合計を表す。
c. フィルタリングされたクロマサンプルに導出オフセットを追加した後、最終的に
微調整されたクロマサンプルをクリップする。
sum=alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]+(sum+6
4)>>(7+(BitDepthY-BitDepthC)) (8-1293)
ccAlfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]=Clip3(0,
(1<<BitDepth)-1,sum) (8-1294)
ここで、「alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]」は、chr
oma ALFでフィルタされた後のクロマサンプルを表し(ステージaの出力)、「s
um」はCC-ALFフィルタサポートにおける輝度サンプルにCC-ALFフィルタ係
数を掛けた合計を表し(ステージbの出力)、ccAlfPictureは最終的に微調
整されたクロマサンプルを表している(ステージcの出力、最終ステージ)。
4. 式(8-1293)に示すように、ステージbの出力、即ち、可変の合計は、64
と等しいオフセットで丸められるが、(BitDepthY-BitDepthC)を考
慮しない。(BitDepthY-BitDepthC)が0に等しくない場合、丸めオ
フセットは最適ではない。
【0144】
4. 例示的な技術および実施形態
以下に詳述する実施形態の詳細は、一般的な概念を説明するための例であると考えられ
るべきである。これらの実施形態は狭義に解釈されるべきではない。さらに、これらの実
施形態は、任意の方法で組み合わせることができる。
【0145】
本開示において、ALFフィルタは、所与の色成分の情報を用いて所与の色成分に適用
されるフィルタを表してもよく(例えば、輝度ALFフィルタ(線形または非線形)は、
輝度情報を用いて輝度に適用され、クロマALFフィルタは、クロマ情報を用いてクロマ
に適用され、例えば、CbクロマALFフィルタは、Cbサンプルをフィルタリングする
ためのものであり、CrクロマALFフィルタは、Crサンプルをフィルタリングするた
めのものである)、一方、CC-ALFフィルタは、第1の色成分情報と異なる少なくと
も第2の色成分情報を用いて第1の色成分に適用されるフィルタを表してもよい(例えば
、第1の色成分は、CbまたはCrでもよく、第2の色成分は、輝度でもよい)。
【0146】
CC-ALFにおいて、「サンプルの補正」を導出し、これをALFで処理する前にサ
ンプルに加えることで、「微調整サンプル」を生成することができ、または「微調整サン
プル」を直接導出することができる。
【0147】
映像ユニットは、スライス/タイル/ブリック/サブピクチャ/ピクチャ/360度仮
想ピクチャ(360度仮想境界で囲まれる)であってもよく、または複数のサンプル/ピ
クセルを含む他の種類の映像領域であってもよい。
【0148】
以下の説明において、サンプルが「映像ユニットの境界にある」とは、サンプルと映像
ユニットの境界との距離が閾値未満である、または閾値以下であることを意味する場合が
ある。「ライン」は、1つの同じ水平位置でのサンプルまたは1つの同じ垂直位置でのサ
ンプル(即ち、同じ行のサンプルおよび/または同じ列のサンプル)を含む場合がある。
一例において、関数Abs(x)は、以下のように定義されてもよい。
【0149】
【数17】
【0150】
「ALF処理ユニット」とは、2つの水平方向の境界および2つの垂直方向の境界で囲
まれたユニットを指す。2つの水平境界は、2つのALF仮想境界または1つのALF仮
想境界および1つのピクチャ境界(またはスライス境界/タイル境界/ブリック境界/サ
ブピクチャ境界/360度仮想境界)を含むことができる。2つの垂直境界は、2つの垂
直CTU境界または1つの垂直CTU境界および1つのピクチャ境界(またはスライス境
界/タイル境界/ブリック境界/サブピクチャ境界/360度仮想境界)を含むことがで
きる。一例を図16に示す。
【0151】
「狭ALF処理ユニット」とは、2つの水平方向の境界および2つの垂直方向の境界で
囲まれたユニットを指す。1つの水平境界は、1つのALF仮想境界または1つの360
度仮想境界を含んでもよく、他の水平境界は、1つのスライス/ブリック/タイル/サブ
ピクチャ境界または1つの360度仮想境界または1つのピクチャ境界を含んでもよい。
垂直境界は、CTU境界、ピクチャ境界、360度仮想境界またはスライス/ブリック/
タイル/サブピクチャ境界であることができる。一例を図16に示す。
【0152】
本開示において、隣接サンプルは、現在のサンプルを含む現在の映像ユニットの外にあ
り(例えば、現在のピクチャ/サブピクチャ/タイル/スライス/ブリック/CTUの外
にある)、そのような映像ユニットの境界をまたぐフィルタリングが許可されていない場
合、または隣接サンプルと現在のサンプルが360度の仮想境界の異なる側にあり、36
0度仮想境界をまたぐフィルタリングが許可されていない場合に、「利用不可」とマーク
することができる。さらに別の例において、隣接サンプルは、異なる映像ユニットにおい
て、現在の処理ユニット(例えば、ALF処理ユニットまたは狭ALF処理ユニット)の
外にあり、映像ユニットをまたぐフィルタリングが許可されていない場合に、「利用不可
」とマークされてもよい。
【0153】
同様に、CC-ALFでフィルタリングされるサンプル(例えば、現在のCC-ALF
設計における輝度サンプル)の場合、サンプルが、現在のクロマサンプルを含むものとは
異なる映像ユニットに位置している場合、このサンプルにも「利用不可」とマークするこ
とができる。
1. CC-ALFにおいて、「利用不可」のサンプルをパディングする方法は、ALF
に使用されるものと同じ規則に従うことができる。
a. 1つの例において、「ミラーリングパディング」は、CC-ALFにおけるAL
F仮想境界における「利用不可」のサンプルのパディングのために適用され得る。
b. 1つの例において、「繰り返しパディング」は、CC-ALFにおけるスライス
/タイル/ブリック/サブピクチャ/ピクチャ/360度仮想境界における「利用不可」
のサンプルをパディングするために適用され得る。
c. 一例において、「繰り返しパディング」は、CC-ALFにおけるALF仮想境
界を除くすべての境界に適用されてもよい。
i. あるいは、すべての境界に「繰り返しパディング」を適用してもよい。
ii. あるいは、すべての水平境界に「繰り返しパディング」を適用してもよい。
iii. あるいは、すべての垂直境界に「繰り返しパディング」を適用してもよい

iv. あるいは、すべての水平境界に「ミラーリングパディング」を適用してもよ
い。
v. あるいは、すべての垂直境界に「ミラーリングパディング」を適用してもよい

vi. あるいは、すべての境界に「ミラーリングパディング」を適用してもよい。
d. 一例において、「繰り返しパディング」は、「ALF処理ユニット」若しくはC
TU、または「狭ALF処理ユニット」若しくは「基本ALF処理ユニット」(以下で定
義される)またはこれらのすべての処理ユニットとは異なる映像領域に適用されてもよい

e. 繰り返しパディングをどのように適用するかは、隣接サンプルが異なる隣接スラ
イス内にあるかどうかに依存し、ここで、現在のスライスはラスタ走査スライスであって
もよく、および/または隣接するスライスはラスタ走査スライスであってもよい。
i. 一例において、ラスタ走査スライスにおけるサンプルの場合、「繰り返しパデ
ィング」は、「ALF処理ユニット」に適用されてもよい。例えば、隣接する「利用不可
」のサンプルは、現在の「ALF処理ユニット」中でその最も近いサンプルでパディング
される。例えば、図17に示すように、現在の「ALF処理ユニット」の左側の隣接サン
プルは「利用不可」であり、かつ、現在の「ALF処理ユニット」におけるその最も近い
サンプルから「利用不可」のサンプルをそれぞれパディングする。
2. 処理ユニット(例えば、ALF処理ユニットまたは/および狭ALF処理ユニット
または/およびCTU)の利用不可の隣接サンプルは、ALFまたは/およびCC-AL
Fにおいて、以下のように、予め定義された順にパディングされてもよい。
a. 処理ユニットの上側の隣接サンプルが利用不可の場合、これらサンプルは処理ユ
ニットの最上行でパディングされてもよい。
i. あるいは、さらに、左上の隣接サンプルは、処理ユニットの左最上サンプルで
パディングされてもよい。
ii. あるいは、さらに、右上の隣接サンプルは、処理ユニットの右最上サンプル
でパディングされてもよい。
b. 処理ユニットの下側の隣接サンプルが利用不可の場合、処理ユニットの最下行で
パディングすることができる。
i. あるいは、さらに、左最下の隣接サンプルは、処理ユニットの左下サンプルで
パディングされてもよい。
ii. あるいは、さらに、右下の隣接サンプルは、処理ユニットの右最下サンプル
でパディングされてもよい。
c. 処理ユニットの左側の隣接サンプルが利用不可の場合、処理ユニットの左側の列
でパディングしてもよい。
d. 処理ユニットの右側の隣接サンプルが利用不可の場合、処理ユニットの右側の列
でパディングしてもよい。
e. 処理ユニットの左側の隣接サンプルおよび上側の隣接サンプルが利用可能であり
、処理ユニットの左上の隣接サンプルが利用不可の場合、上側の隣接サンプルを使用して
、処理ユニットの左上の隣接サンプルをパディングすることができる。
i. 代替的に、左側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの左上の隣接サンプ
ルをパディングしてもよい。
f. 処理ユニットの左上および上側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの左
側の隣接サンプルが利用可能の場合、左側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの左
上の隣接サンプルをパディングすることができる。
g. 処理ユニットの左上および左側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの上
側の隣接サンプルが利用可能の場合、上側の隣接サンプルを使用して処理ユニットの左上
の隣接サンプルをパディングすることができる。
h. 処理ユニットの右側の隣接サンプルおよび下側の隣接サンプルが利用可能で、処
理ユニットの右下の隣接サンプルが利用不可の場合、下側の隣接サンプルを使用して、処
理ユニットの右下の隣接サンプルをパディングすることができる。
i. あるいは、右側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの右下の隣接サンプ
ルをパディングすることができる。
i. 処理ユニットの右下および下側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの右
側の隣接サンプルが利用可能の場合、右側の隣接サンプルを用いて処理ユニットの右下の
隣接サンプルをパディングすることができる。
j. 処理ユニットの右下および右側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの下
側の隣接サンプルが利用可能の場合、下側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの右
下の隣接サンプルをパディングすることができる。
k. 処理ユニットの右上および右側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの上
側の隣接サンプルが利用可能の場合、上側の隣接サンプルを使用して処理ユニットの右上
の隣接サンプルをパディングすることができる。
l. 処理ユニットの右上および上側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの右
側の隣接サンプルが利用可能の場合、右側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの右
上の隣接サンプルをパディングすることができる。
m. 処理ユニットの左下および左側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの下
側の隣接サンプルが利用可能の場合、下側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの左
下の隣接サンプルをパディングすることができる。
n. 処理ユニットの左下および下側の隣接サンプルが利用不可で、処理ユニットの左
側の隣接サンプルが利用可能の場合、左側の隣接サンプルを使用して、処理ユニットの左
下の隣接サンプルをパディングすることができる。
o. 処理ユニットは、ctuUpで表されるCTUのN(Nは整数であり、例えば、
N=4)行と、ctuUpの下にあるctuDownで表されるCTUのCtbSize
-M(Mは整数であり、例えば、M=N)行とを含んでもよい。処理ユニットの隣接サン
プルが利用可能かどうかをチェックするとき、隣接サンプルとctuDownとの関係を
考慮してもよい。
i. 一例において、隣接サンプルがctuDownと異なる映像ユニット内にあり
(例えば、隣接サンプルおよびctuDownは、異なるブリック/タイル/スライス/
サブピクチャに属する、またはそれらが360度の仮想境界の異なる側にある)、そのよ
うな映像ユニットをまたぐフィルタリングが許可されない場合、隣接サンプルは「利用不
可」と見なされる。
ii. あるいは、隣接サンプルの可用性をチェックするために、隣接サンプルとc
tuUpとの関係を考慮してもよい。
3. ラスタ走査スライスにおける「利用不可」のサンプルは、CC-ALFまたは/お
よびALFにおいて予め定義された順にパディングされてもよい。現在のCTUは、現在
のスライスにある。
a. 一例において、上側CTUおよび左側CTUが現在のスライスと同じスライス内
にあり、左上CTUが現在のスライスと異なるスライス内にある場合、左上CTUにおけ
る「利用不可」の隣接サンプルは、現在のCTUの上側CTUにおいてその最も近い隣接
サンプルでパディングされる。一例を図18に示す。
i. あるいは、左上CTUにおける「利用不可」の隣接サンプルは、現在のCTU
の左側CTUにおいてその最も近い隣接サンプルでパディングされる。
b. 一例において、下側CTUおよび右側CTUが現在のスライスと同じスライス内
にあり、右下CTUが現在のスライスとは異なるスライス内にある場合、右下CTUにお
ける「利用不可」の隣接サンプルが、現在のCTUの下側CTUにおいてその最も近い隣
接サンプルとパディングされる。一例を図18に示す。
i. あるいは、右下CTUの「利用不可」の隣接サンプルは、現在のCTUの右側
CTUにおいてその最も近い隣接サンプルでパディングされる。
4. 処理ユニット(例えば、ALF処理ユニット、または/および狭ALF処理ユニッ
ト、または/およびCTU)は、1つ以上のブリック/スライス/タイル/サブピクチャ
境界または/および360度仮想境界が交差する場合であって、そのような境界をまたぐ
フィルタリングが許可されていない場合、複数の処理ユニットに(水平または/および垂
直に)分割されてもよい。
a. あるいは、さらに、分割処理は、処理ユニットが任意のブリック/スライス/タ
イル/サブピクチャ境界または/および360度仮想境界または/およびALF仮想境界
と交差しなくなるまで、再帰的に行われてもよく、そのような境界をまたぐフィルタリン
グ処理が許可されず、例えば、そのような境界のみを処理ユニットの境界とすることがで
きる。以下、このような処理ユニットを「基本ALF処理ユニット」と呼ぶ。「基本AL
F処理ユニット」は、「ALF処理ユニット」がそのような境界のいずれかで交差しなけ
れば、「ALF処理ユニット」であってもよい。
b. あるいは、さらに、このような分割処理が完成した後に、ALF処理または/お
よびCC-ALF処理を行い、例えば、「基本ALF処理ユニット」においてALF処理
または/およびCC-ALFを行う。
c. あるいは、上記のパディング方法は、「基本ALF処理ユニット」上で行われて
もよい。
d. 「基本ALF処理ユニット」を生成する際に、異なる水平方向の境界を予め定義
された順序でチェックしてもよい。
i. 一例において、チェック順は、ALF仮想境界、360度仮想境界、そしてブ
リック/スライス/タイル/サブピクチャ境界であるCTU境界である。
ii. 一例において、チェック順は、360度仮想境界、ALF仮想境界、そして
ブリック/スライス/タイル/サブピクチャ境界であるCTU境界である。
iii. 一例において、「基本ALF処理ユニット」を形成する際に、最上境界お
よび最下境界に異なるチェック順を用いてもよい。
a) 例えば、最上境界の場合、チェック順は、ALF仮想境界、360度仮想境
界、そしてブリック/スライス/タイル/サブピクチャ境界であるCTU境界である。
b) 例えば、最下境界の場合、チェック順は、360度仮想境界、ALF仮想境
界、そしてブリック/スライス/タイル/サブピクチャ境界であるCTU境界である。
e. 「基本ALF処理ユニット」を生成する際に、異なる垂直方向の境界を予め定義
された順にチェックしてもよい。
i .一例において、チェック順は、360度仮想境界、そしてブリック/スライス
/タイル/サブピクチャ境界であるCTU境界である。
ii. 一例において、チェック順は、ブリック/スライス/タイル/サブピクチャ
境界、そして360度仮想境界であるCTU境界である。
iii. 一例において、「基本ALF処理ユニット」を生成する際に、左境界およ
び右境界に対して異なるチェック順を用いてもよい。
5. そのような境界をまたぐフィルタリング処理が許可されていない場合、ALFまた
は/およびCC-ALF処理を映像ユニット境界でのサンプルに対して、無効とすること
が提案されている。
a. 一例において、サンプルのALFまたは/およびCC-ALF処理に少なくとも
N(Nは整数)個の「利用不可」のサンプルが含まれている場合、このサンプルに対して
ALFまたは/およびCC-ALF処理はスキップされる。例えば、N=1または2また
は3等である。
b. 一例において、サンプルが水平映像ユニット境界にあり、そのような境界をまた
ぐフィルタリング処理は許可されず、サンプルと映像ユニット境界との垂直距離がM個の
サンプル以下である場合、このサンプルに対してALFまたは/およびCC-ALFはス
キップされる。例えば、M=0または1または2または3である。
c. 一例において、サンプルが垂直映像ユニット境界にあり、そのような境界をまた
ぐフィルタリング処理が許可されず、サンプルと映像ユニット境界との水平距離がM個の
サンプル以下である場合、サンプルに対してALFまたは/およびCC-ALFはスキッ
プされる。例えば、M=0または1または2または3である。
6. CTBと異なる映像領域に対して、ALFまたは/およびCC-ALFのオン/オ
フ制御を決定してもよいことが提案される。
a. 一例において、映像領域は、「ALF処理ユニット」または「狭ALF処理ユニ
ット」または「ベーシックALF処理ユニット」である。
b. 1つの例において、オン/オフ制御は、映像領域に対して明確に信号通知されて
もよい。
c. 一例において、オン/オフ制御は、映像領域に対して暗黙的に導出されてもよい

7. CC-ALFの信号通知されたオン/オフ制御フラグは、第1の映像ユニット(例
えば、CTB)に関連付けられ得るが、第1の映像ユニット内のサンプルについては、信
号通知されたフラグがCC-ALFが有効とされていることを伝える場合でも、CC-A
LFは依然として無効にされてもよい。
a. 1つの例において、第1の映像ユニット内のサンプルのためにCC-ALFを有
効にするかまたは無効にするかは、サンプルの位置に依存し得る。
b. 一例において、第1の映像ユニット内のサンプルのためにCC-ALFを有効に
するかまたは無効にするかは、CC-ALF処理に含まれる輝度サンプルに依存し得る。
c. 1つの例において、第1の映像ユニット内のサンプルのためにCC-ALFを有
効にするかまたは無効にするかは、現在のサンプルおよびその隣接サンプル、例えば、そ
れらの差に依存し得る。
d. 一例において、第1の映像ユニット内のサンプルのためにCC-ALFを有効に
するかまたは無効にするかは、導出オフセットに依存し得る。
i. 一例において、導出オフセットが閾値よりも大きい(または小さくない)場合
、オフセットは廃棄されてもよく、即ち、CC-ALFは無効にされる(オフセットが0
にリセットされる場合に等しい)。
ii. 一例において、導出オフセットが閾値よりも小さい(または超えない)場合
、オフセットは廃棄されてもよく、即ち、CC-ALFが無効にされる(オフセットが0
にリセットされる場合に等しい)。
e. 一例において、第1の映像ユニット内のサンプルのためにCC-ALFを有効に
するかまたは無効にするかは、クロマサンプルおよび/または隣接ブロックを含むブロッ
クのコード化情報に依存しうる。
8. そこで、クリッピング処理の段階を3(セクション3の3項の箇条書きで記載)か
ら1または2に減らすことが提案されている。
a. 一例において、CC-ALFが有効にされる場合、クロマALFフィルタリング
処理におけるクリッピング処理は省略される。
b. 一例において、CC-ALF処理における導出オフセットのクリッピング処理は
省略される。
c. 一例において、上記2つの方法は両方とも適用される。
9. CC-ALF処理における導出オフセットのクリッピング範囲は、[-(1<(B
itDepthC-1)),(1<(BitDepthC-1))-1](両端を含む)
の範囲とは異なって設定されてもよい。
a. 一例において、より小さな範囲を利用してもよい。
b. 一例において、この範囲はビット深度から独立してもよい。
c. 一例において、この範囲は、第1の映像領域から別の映像領域に適応的に変更さ
れてもよい。
d. 一例において、この範囲は、クロマALF処理に用いられる非線形クリッピング
範囲(例えば、式(14)におけるk(i,j))から導出されてもよい。
10. 導出オフセット(例えば、セクション3の箇条書き中のsum)は、固定値(即
ち、64)ではなく、ビット深度に応じた値に丸めオフセットにより丸められてもよい。
a. 一例において、丸めオフセットは、第1の色成分(例えば、Y)と第2の色成分
(例えば、CbrまたはCr)とのビット深度差に依存してもよい。
i. 代替的に、それはまた、CC-ALFフィルタ係数のビット深さに依存しても
よい。
ii. 一例において、丸めオフセットは、(1<<(K-1+(BitDepth
Y-BitDepthC)))に設定されてもよく、KはCC-ALFフィルタ係数のビ
ット深度を表し、BitDepthYおよびBitDepthCはそれぞれ輝度成分およ
びクロマ成分のビット深度を表す。
b. 一例において、式(8-1293)を置き換えるために、以下を適用してもよい
。削除されたテキストには二重括弧で囲んだ印が付けられている(例えば、[[a]]は
文字「a」の削除を意味する)。
sum=alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]+(sum+
Off[[64]])>>(7+(BitDepthY-BitDepthC)) (
8-1293)
ccAlfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]=Clip3(0
,(1<<BitDepth)-1,sum’) (8-1294)
ここで、Offは、(1<(6+(BitDepthY-BitDepthC))に
等しく設定される。
11. クロマALFおよびCC-ALFを共同して最適化することが提案されている。
a. 一例において、CTBまたは映像領域に対してクロマALFおよびCC-ALF
の両方が有効にされる場合、CC-ALFがクロマALFの後に適用される場合、CC-
ALF処理においてのみ、クリッピング演算(例えば、クロマALFまたは/およびCC
-ALFにより生成されたクロマサンプルを、クロマビット深度に依存し得る所定の範囲
内にクリップする)が適用されてもよい。
b. 一例において、CTBまたは映像領域に対してクロマALFおよびCC-ALF
の両方が有効にされる場合、CC-ALFがクロマALFの前に適用される場合、ALF
処理においてのみ、クリッピング演算(例えば、クロマALFまたは/およびCC-AL
Fにより生成されたクロマサンプルを、クロマビット深度に依存し得る所定の範囲内にク
リップする)が適用されてもよい。
12. 第1の色成分におけるサンプルSをS=S+Dとして修正し、ここで、Dは、例
えばCC-ALFのような、第2の色成分情報を用いた適応ループフィルタリング方法に
より導出オフセットであり、適応的にクリッピングされ得る。例えば、Sは、S=S+C
lip3(Dlow、Dhigh、D)として修正されてもよく、Dlowおよび/また
はDhighは、異なるサンプルごとに異なってもよい。
a. 例えば、Dlowおよび/またはDhighは、エンコーダからデコーダに信号
通知されてもよい。
b. 例えば、Sの値に基づいてDlowおよび/またはDhighを導出してもよい

c. 例えば、Sの位置に基づいてDlowおよび/またはDhighを導出してもよ
い。
d. 例えば、Dlowおよび/またはDhighの複数の候補に信号通知してもよく
、または予め定義してもよい。選択された候補は、エンコーダから信号通知されてもよい
し、デコーダにおいて導出されてもよい。
13. 第1サブピクチャの第1サンプルSに対するCC-ALFを、第2サブピクチャ
のサンプルに依存し得るものとして、次に、第1サブピクチャおよび/または第2のサブ
ピクチャに対してサブピクチャをまたぐループフィルタリングが許可されるかどうかによ
って、SがCC-ALFによってフィルタリングされるかどうかを決定する。(例えば、
第1のサブピクチャおよび/または第2のサブピクチャのloop_filter_ac
ross_subpic_enabled_flag)。
a. 一例において、サブピクチャをまたぐループフィルタが第1のサブピクチャに対
して許可されない場合、SはCC-ALFによってフィルタリングされない。
b. 一例において、サブピクチャをまたぐループフィルタが第2のサブピクチャに対
して許可されない場合、SはCC-ALFによってフィルタリングされない。
c. 一例において、第1のサブピクチャおよび第2のサブピクチャに対してサブピク
チャをまたぐループフィルタが許可されない場合、SはCC-ALFによってフィルタリ
ングされない。
d. 一例において、第1のサブピクチャまたは第2のサブピクチャに対してサブピク
チャをまたぐループフィルタが許可されない場合、SはCC-ALFによってフィルタリ
ングされない。
14. 上記方法を適用するかどうかおよび/またはどのように適用するかは、以下に列
挙される1つ以上の条件に基づくことができる。
a. 映像コンテンツ(例えば、スクリーンコンテンツまたは自然コンテンツ)
b. 一例において、デフォルトモードは、DPS/SPS/VPS/PPS/APS
/ピクチャヘッダ/スライスヘッダ/タイルグループヘッダ/最大コーディングユニット
(LCU)/コーディングユニット(CU)/LCU行/LCUグループ/TU/PUブ
ロック/映像コーディングユニットにおいて信号通知されてもよい。
c. CU/PU/TU/ブロック/映像コーディングユニットの位置
d. 現在のブロックおよび/またはその近傍のブロックの復号化情報
i. 現在のブロックおよび/またはその近傍のブロックのブロック寸法/ブロック
形状
e. カラーフォーマットの表示(例えば、4:2:0、4:4:4、RGB、YUV
等)
f. コーディングツリー構造(例えば、デュアルツリーまたはシングルツリー)
g. スライス/タイルグループのタイプおよび/またはピクチャのタイプ
h. 色成分(例えば、輝度成分および/またはクロマ成分にのみ適用されてもよい)

i. 時間レイヤID
j. 標準のプロファイル/レベル/ティア
【0154】
5. 追加の実施形態
本明細書では、VVC草案におけるテキストの変更を、下線を引いた太いフォントで示
す。
【0155】
6. 開示される技術の例示的な実装形態
図19Aは、映像処理装置1900のブロック図である。装置1900は、本明細書に
記載の方法の1つ以上を実装するために使用してもよい。装置1900は、スマートフォ
ン、タブレット、コンピュータ、モノのインターネット(IoT)受信機等に実施されて
もよい。装置1900は、1つ以上のプロセッサ1902と、1つ以上のメモリ1904
と、映像処理ハードウェア1906と、を含んでもよい。1つまたは複数のプロセッサ1
902は、本明細書に記載される1つ以上の方法を実装するように構成されてもよい。メ
モリ(複数可)1904は、本明細書で説明される方法および技術を実装するために使用
されるデータおよびコードを記憶するために使用してもよい。映像処理ハードウェア19
06を使用して、ハードウェア回路において、本明細書に記載されるいくつかの技術を実
装してもよく、一部又は全部がプロセッサ1902の一部(例えば、グラフィックプロセ
ッサコアGPU又は他の信号処理回路)であってもよい。
【0156】
図21は、本明細書で開示される様々な技術が実装され得る例示的な映像処理システム
2100を示すブロック図である。様々な実装形態は、システム2100のコンポーネン
トの一部又は全部を含んでもよい。システム2100は、映像コンテンツを受信するため
の入力ユニット2102を含んでもよい。映像コンテンツは、未加工又は非圧縮フォーマ
ット、例えば、8又は10ビットのマルチコンポーネント画素値で受信されてもよく、又
は圧縮又は符号化フォーマットで受信されてもよい。入力ユニット2102は、ネットワ
ークインターフェース、周辺バスインターフェース、又はストレージインターフェースを
表してもよい。ネットワークインターフェースの例は、イーサネット(登録商標)、パッ
シブ光ネットワーク(PON)等の有線インターフェース、およびWi-Fi(登録商標
)またはセルラーインターフェース等の無線インターフェースを含む。
【0157】
システム2100は、本明細書に記載される様々なコーディング又は符号化方法を実装
することができるコーディングコンポーネント2104を含んでもよい。コーディングコ
ンポーネント2104は、入力ユニット2102からの映像の平均ビットレートをコーデ
ィングコンポーネント2104の出力に低減し、映像のコーディング表現を生成してもよ
い。従って、このコーディング技術は、映像圧縮または映像コード変換技術と呼ばれるこ
とがある。コーディングコンポーネント2104の出力は、コンポーネント2106によ
って表されるように、記憶されてもよいし、接続された通信を介して送信されてもよい。
入力ユニット2102において受信された、記憶された又は通信された映像のビットスト
リーム(又はコーディング)表現は、コンポーネント2108によって使用されて、表示
インターフェースユニット2110に送信される画素値又は表示可能な映像を生成しても
よい。ビットストリーム表現からユーザが見ることができる映像を生成する処理は、映像
伸張(映像展開)と呼ばれることがある。さらに、特定の映像処理操作を「符号化」操作
又はツールと呼ぶが、符号化ツール又は操作は、エンコーダで使用され、符号化の結果を
逆転させる対応する復号化ツール又は操作は、デコーダで実行されることが理解されよう
【0158】
周辺バスインターフェースまたは表示インターフェースの例は、ユニバーサルシリアル
バス(USB)または高精細マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))
またはディスプレイポート等を含んでもよい。ストレージインターフェースの例は、シリ
アルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)、PCI、IDEインターフ
ェース等を含む。本明細書に記載される技術は、携帯電話、ノートパソコン、スマートフ
ォン、又はデジタルデータ処理及び/又は映像表示を実施可能な他のデバイス等の様々な
電子デバイスに実施されてもよい。
【0159】
図22は、本開示の技法を利用し得る例示的な映像コーディングシステム100を示す
ブロック図である。
【0160】
図22に示すように、映像コーディングシステム100は、送信元デバイス110と、
送信先デバイス120と、を備えてもよい。送信元デバイス110は、映像符号化デバイ
スとも称され得る符号化映像データを生成する。送信先デバイス120は、映像復号化デ
バイスと呼ばれ得る送信元デバイス110によって生成された符号化映像データを復号化
し得る。
【0161】
送信元デバイス110は、映像ソース112と、映像エンコーダ114と、入出力(I
/O)インターフェース116と、を備えてもよい。
【0162】
映像ソース112は、映像キャプチャデバイスなどのソース、映像コンテンツプロバイ
ダからの映像データを受信するためのインターフェース、および/または映像データを生
成するためのコンピュータグラフィックスシステム、またはこれらのソースの組み合わせ
を含んでもよい。映像データは、1つ以上のピクチャを含んでもよい。映像エンコーダ1
14は、映像ソース112からの映像データを符号化し、ビットストリームを生成する。
ビットストリームは、映像データのコーディング表現を形成するビットシーケンスを含ん
でもよい。ビットストリームは、コーディングピクチャおよび関連付けられたデータを含
んでもよい。コーディングピクチャは、ピクチャのコーディング表現である。関連付けら
れたデータは、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、および他の構
文構造を含んでもよい。I/Oインターフェース116は、変復調器(モデム)および/
または送信機を含んでもよい。符号化された映像データは、ネットワーク130aを介し
て、I/Oインターフェース116を介して直接送信先デバイス120に送信されること
ができる。符号化された映像データは、送信先デバイス120がアクセスするために、記
憶媒体/サーバ130bに記憶してもよい。
【0163】
送信先デバイス120は、I/Oインターフェース126、映像デコーダ124、およ
び表示装置122を含んでもよい。
【0164】
I/Oインターフェース126は、受信機および/またはモデムを含んでもよい。I/
Oインターフェース126は、送信元デバイス110または記憶媒体/サーバ130bか
ら符号化映像データを取得してもよい。映像デコーダ124は、符号化された映像データ
を復号化してもよい。表示装置122は、復号化した映像データをユーザに表示してもよ
い。表示デバイス122は、送信先デバイス120と一体化されてもよく、または外部表
示デバイスとインターフェースで接続するように構成される送信先デバイス120の外部
にあってもよい。
【0165】
映像エンコーダ114および映像デコーダ124は、高効率映像コーディング(HEV
C)規格、汎用映像コーディング(VVC)規格、および他の現在のおよび/または更な
る規格等の映像圧縮規格に従って動作してもよい。
【0166】
図23は、映像エンコーダ200の一例を示すブロック図であり、この映像エンコーダ
200は、図22に示されるシステム100における映像エンコーダ114であってもよ
い。
【0167】
映像エンコーダ200は、本開示の技術のいずれか又は全部を実行するように構成され
てもよい。図23の実施例において、映像エンコーダ200は、複数の機能性モジュール
を含む。本開示で説明される技法は、映像エンコーダ200の様々なモジュール間で共有
されてもよい。いくつかの例では、プロセッサは、本開示で説明される技術のいずれかま
たはすべてを行うように構成してもよい。
【0168】
映像エンコーダ200の機能モジュールは、パーティションユニット201と、モード
選択ユニット203、動き推定ユニット204、動き補償ユニット205及びイントラ予
測ユニット206を含んでもよい予測ユニット202と、残差生成ユニット207と、変
換ユニット208と、量子化ユニット209と、逆量子化ユニット210と、逆変換ユニ
ット211と、再構成ユニット212と、バッファ213と、エントロピーコーディング
ユニット214とを含んでもよい。
【0169】
他の例において、映像エンコーダ200は、より多くの、より少ない、又は異なる機能
コンポーネントを含んでもよい。一例において、予測ユニット202は、イントラブロッ
クコピー(IBC)ユニットを含んでもよい。IBCユニットは、少なくとも1つの参照
ピクチャが現在の映像ブロックが位置するピクチャであるIBCモードにおいて予測(p
redication)を行うことができる。
【0170】
さらに、動き推定ユニット204および動き補償ユニット205などのいくつかのコン
ポーネントは、高度に統合されてもよいが、説明のために、図23の例においては別個に
表現されている。
【0171】
分割ユニット201は、1つのピクチャを1つ以上の映像ブロックに分割することがで
きる。映像エンコーダ200及び映像デコーダ300は、様々な映像ブロックサイズをサ
ポートしてもよい。
【0172】
モード選択ユニット203は、例えば、エラー結果に基づいて、イントラ又はインター
のいずれかのコーディングモードの1つを選択し、得られたイントラ又はインターコーデ
ィングブロックを、残差生成ユニット207に供給して残差ブロックデータを生成し、ま
た再構成ユニット212に供給して参照ピクチャとして使用するために符号化ブロックを
再構成してもよい。本発明の実施例において、モード選択ユニット203は、インター予
測信号およびイントラ予測信号に基づいて予測を行うイントラおよびインター予測(CI
IP)モードの組み合わせを選択してもよい。また、モード選択ユニット203は、イン
ター予測の場合、ブロックのために動きベクトルの解像度(例えば、サブピクセル又は整
数ピクセル精度)を選択してもよい。
【0173】
現在の映像ブロックに対してインター予測を実行するために、動き推定ユニット204
は、バッファ213からの1つ以上の参照フレームと現在の映像ブロックとを比較するこ
とで、現在の映像ブロックのために動き情報を生成してもよい。動き補償ユニット205
は、現在の映像ブロックに関連付けられたピクチャ以外のバッファ213からのピクチャ
の動き情報及び復号化サンプルに基づいて、現在の映像ブロックのために予測映像ブロッ
クを判定してもよい。
【0174】
動き推定ユニット204及び動き補償ユニット205は、例えば、現在の映像ブロック
がIスライスであるか、Pスライスであるか、又はBスライスであるかに基づいて、現在
の映像ブロックに対して異なる演算を実行してもよい。
【0175】
いくつかの例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対して単方
向予測を実行し、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに対して、リスト0又
はリスト1の参照ピクチャを検索して、参照映像ブロックを求めてもよい。そして、動き
推定ユニット204は、参照映像ブロックと、現在の映像ブロックと参照映像ブロックと
の間の空間的変位を示す動きベクトルとを含む、リスト0またはリスト1における参照ピ
クチャを示す参照インデックスを生成してもよい。動き推定ユニット204は、参照イン
デックス、予測方向インジケータ、および動きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情
報として出力してもよい。動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックの動き情報が
示す参照映像ブロックに基づいて、現在のブロックの予測映像ブロックを生成してもよい
【0176】
他の例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックを双方向予測しても
よく、動き推定ユニット204は、リスト0における参照ピクチャの中から現在の映像ブ
ロックために参照映像ブロックを検索してもよく、また、リスト1における参照ピクチャ
の中から現在の映像ブロックのために別の参照映像ブロックを検索してもよい。そして、
動き推定ユニット204は、参照映像ブロックを含むリスト0およびリスト1における参
照ピクチャを示す参照インデックスと、参照映像ブロックと現在の映像ブロックとの間の
空間的変位を示す動きベクトルとを生成してもよい。動き推定ユニット204は、現在の
映像ブロックの参照インデックスおよび動きベクトルを、現在の映像ブロックの動き情報
として出力してもよい。動き補償ユニット205は、現在の映像ブロックの動き情報が示
す参照映像ブロックに基づいて、現在の映像ブロックの予測映像ブロックを生成してもよ
い。
【0177】
いくつかの例において、動き推定ユニット204は、デコーダの復号化処理のために、
動き情報のフルセットを出力してもよい。
【0178】
いくつかの例では、動き推定ユニット204は、現在の映像のために動き情報のフルセ
ットを出力しなくてもよい。むしろ、動き推定ユニット204は、別の映像ブロックの動
き情報を参照して、現在の映像ブロックの動き情報を信号通知してもよい。例えば、動き
推定ユニット204は、現在の映像ブロックの動き情報が近傍の映像ブロックの動き情報
に十分に類似していると判定してもよい。
【0179】
一例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構文
構造において、現在の映像ブロックが別の映像ブロックと同じ動き情報を有することを映
像デコーダ300に示す値を示してもよい。
【0180】
別の例において、動き推定ユニット204は、現在の映像ブロックに関連付けられた構
文構造において、別の映像ブロックと、動きベクトル差(MVD)とを識別してもよい。
動きベクトルの差分は、現在の映像ブロックの動きベクトルと、示された映像ブロックの
動きベクトルとの差分を示す。映像デコーダ300は、指示された映像ブロックの動きベ
クトルと、動きベクトルの差分を用いて、現在の映像ブロックの動きベクトルを判定して
もよい。
【0181】
上述したように、映像エンコーダ200は、動きベクトルを予測的に信号通知してもよ
い。映像エンコーダ200によって実装され得る予測信号通知技法の2つの例は、高度動
きベクトル予測(AMVP)およびマージモード信号通知を含む。
【0182】
イントラ予測ユニット206は、現在の映像ブロックに対してイントラ予測を行っても
よい。イントラ予測ユニット206が現在の映像ブロックをイントラ予測する場合、イン
トラ予測ユニット206は、同じピクチャにおける他の映像ブロックの復号化されたサン
プルに基づいて、現在の映像ブロックのための予測データを生成してもよい。現在の映像
ブロックのための予測データは、予測された映像ブロック及び様々な構文要素を含んでも
よい。
【0183】
残差生成ユニット207は、現在の映像ブロックから現在の映像ブロックの予測された
映像ブロックを減算することによって(例えば、マイナス符号によって示されている)、
現在の映像ブロックのために残差データを生成してもよい。現在の映像ブロックの残差デ
ータは、現在の映像ブロックにおけるサンプルの異なるサンプル成分に対応する残差映像
ブロックを含んでもよい。
【0184】
他の例において、例えば、スキップモードにおいて、現在の映像ブロックのための残差
データがなくてもよく、残差生成ユニット207は、減算演算を実行しなくてもよい。
【0185】
変換処理ユニット208は、現在の映像ブロックに関連付けられた残差映像ブロックに
1つ以上の変換を適用することによって、現在の映像ブロックのために1つ以上の変換係
数映像ブロックを生成してもよい。
【0186】
変換処理ユニット208が現在の映像ブロックに関連付けられた変換係数映像ブロック
を生成した後、量子化ユニット209は、現在の映像ブロックに関連付けられた1つ以上
の量子化パラメータ(QP)値に基づいて、現在の映像ブロックに関連付けられた変換係
数映像ブロックを量子化してもよい。
【0187】
逆量子化ユニット210および逆変換ユニット211は、変換係数映像ブロックに逆量
子化および逆変換をそれぞれ適用し、変換係数映像ブロックから残差映像ブロックを再構
成してもよい。再構成ユニット212は、予測ユニット202が生成した1つ以上の予測
映像ブロックから対応するサンプルに再構成された残差映像ブロックを加え、現在のブロ
ックに関連付けられた再構成映像ブロックを生成し、バッファ213に記憶することがで
きる。
【0188】
再構成ユニット212が映像ブロックを再構成した後、映像ブロックにおける映像ブロ
ッキングアーチファクトを縮小するために、ループフィルタリング動作を行ってもよい。
【0189】
エントロピー符号化ユニット214は、映像エンコーダ200の他の機能コンポーネン
トからデータを受信してもよい。エントロピー符号化ユニット214は、データを受信す
ると、1つ以上のエントロピー符号化演算を行い、エントロピー符号化データを生成し、
エントロピー符号化データを含むビットストリームを出力してもよい。
【0190】
図24は、映像デコーダ300の一例を示すブロック図であり、この映像デコーダ30
0は、図22に示すシステム100における映像デコーダ114であってもよい。
【0191】
映像デコーダ300は、本開示の技術のいずれか又は全部を実行するように構成されて
もよい。図24の実施例において、映像デコーダ300は、複数の機能コンポーネントを
備える。本開示で説明される技法は、映像デコーダ300の様々なコンポーネント間で共
有されてもよい。いくつかの例では、プロセッサは、本開示で説明される技術のいずれか
またはすべてを行うように構成してもよい。
【0192】
図24の実施例において、映像デコーダ300は、エントロピー復号化ユニット301
、動き補正ユニット302、イントラ予測ユニット303、逆量子化ユニット304、逆
変換ユニット305、及び再構成ユニット306、並びにバッファ307を備える。映像
デコーダ300は、いくつかの例では、映像エンコーダ200(例えば、図23)に関し
て説明した符号化パスとほぼ逆の復号化パスを行ってもよい。
【0193】
エントロピー復号化ユニット301は、符号化ビットストリームを取り出す。符号化ビ
ットストリームは、エントロピー符号化された映像データ(例えば、映像データの符号化
ブロック)を含んでもよい。エントロピー復号化ユニット301は、エントロピー符号化
された映像データを復号化し、エントロピー復号された映像データから、動き補償ユニッ
ト302は、動きベクトル、動きベクトル精度、参照ピクチャリストインデックス、およ
び他の動き情報を含む動き情報を決定してもよい。動き補償ユニット302は、例えば、
AMVP及びマージモードを実行することで、このような情報を判定してもよい。
【0194】
動き補償ユニット302は、動き補償されたブロックを生成してもよく、場合によって
は、補間フィルタに基づいて補間を実行する。構文要素には、サブピクセルの精度で使用
される補間フィルタのための識別子が含まれてもよい。
【0195】
動き補償ユニット302は、映像ブロックの符号化中に映像エンコーダ20によって使
用されるような補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数ピクセルのための補間
値を計算してもよい。動き補償ユニット302は、受信した構文情報に基づいて、映像エ
ンコーダ200が使用する補間フィルタを決定し、この補間フィルタを使用して予測ブロ
ックを生成してもよい。
【0196】
動き補償ユニット302は、構文情報の一部を用いて、符号化された映像シーケンスの
フレーム(複数可)および/またはスライス(複数可)を符号化するために使用されるブ
ロックのサイズ、符号化された映像シーケンスのピクチャの各マクロブロックがどのよう
に分割されるかを記述する分割情報、各分割がどのように符号化されるかを示すモード、
インター符号化ブロック間の各1つ以上の参照フレーム(および参照フレームリスト)、
および符号化された映像シーケンスを復号化するための他の情報を決定してもよい。
【0197】
イントラ予測ユニット303は、例えば、ビットストリームにおいて受信したイントラ
予測モードを使用して、空間的に隣接するブロックから予測ブロックを形成してもよい。
逆量子化ユニット303は、ビットストリームに提供され、エントロピー復号化ユニット
301によって復号された量子化された映像ブロック係数を逆量子化(すなわち、逆量子
化)する。逆変換ユニット303は、逆変換を適用する。
【0198】
再構成ユニット306は、残差ブロックと、動き補償ユニット202又はイントラ予測
ユニット303によって生成された対応する予測ブロックとを合計し、復号化されたブロ
ックを形成してもよい。所望であれば、ブロックアーチファクトを除去するために、復号
化されたブロックをフィルタリングするためにデブロッキングフィルタを適用してもよい
。復号された映像ブロックはバッファ307に記憶され、バッファ307はその後の動き
補償のための参照ブロックを提供する。
【0199】
開示される技術のいくつかの実施形態は、映像処理ツールまたはモードを有効化するよ
うに決定または判定することを含む。一例において、映像処理ツールまたはモードが有効
化される場合、エンコーダは、1つの映像ブロックを処理する際にこのツールまたはモー
ドを使用または実装するが、このツールまたはモードの使用に基づいて、結果として得ら
れるビットストリームを必ずしも修正しなくてもよい。すなわち、映像のブロックから映
像のビットストリーム表現への変換は、決定または判定に基づいて映像処理ツールまたは
モードが有効化される場合に、この映像処理ツールまたはモードを使用する。別の例にお
いて、映像処理ツールまたはモードが有効化される場合、デコーダは、ビットストリーム
が映像処理ツールまたはモードに基づいて修正されたことを知って、ビットストリームを
処理する。すなわち、決定または判定に基づいて有効化された映像処理ツールまたはモー
ドを使用して、映像のビットストリーム表現から映像のブロックへの変換を行う。
【0200】
本明細書では、「映像処理」という用語は、映像符号化、映像復号化、映像圧縮、また
は映像展開を指すことができる。例えば、映像圧縮アルゴリズムは、映像の画素表現から
対応するビットストリーム表現への変換、またはその逆の変換中に適用されてもよい。現
在の映像ブロックのビットストリーム表現は、例えば、構文によって規定されるように、
ビットストリーム内の同じ場所または異なる場所に拡散されるビットに対応していてもよ
い。例えば、1つのマクロブロックは、変換およびコーディングされた誤り残差値の観点
から、且つビットストリームにおけるヘッダおよび他のフィールドにおけるビットを使用
して符号化されてもよい。
【0201】
開示された方法及び技法は、本明細書に開示された技法を使用できるようにすることで
、スマートフォン、ノートパソコン、卓上パソコン、及び類似した機器等の映像処理デバ
イスに組み込まれる映像エンコーダおよび/またはデコーダの実施形態に有益となること
が理解される。
【0202】
図20は、映像処理の方法2000の一例を示すフローチャートである。方法2000
は、2010において、視覚メディアの映像ユニットと視覚メディアのコーディング表現
との変換を実行することを含み、変換中、適応ループフィルタ(ALF)を使用する1つ
以上の規則が、クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)の使用に関連付けられた
利用不可のサンプルをパディングするために適用される。
【0203】
いくつかの実施形態を、以下の項目に基づくフォーマットを使用して説明することがで
きる。以下の項目は、前章に記載された技術の例示的な実施形態を示す。
【0204】
1. 視覚メディアの映像ユニットと視覚メディアのコーディング表現との変換を実行
することを含み、変換中に、適応ループフィルタ(ALF)を使用する1つ以上の規則が
、クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)の使用に関連付けられた利用不可のサ
ンプルをパディングするために適用される、映像処理方法。
【0205】
2. 前記映像ユニットの色成分に適用されるALFフィルタは、前記映像ユニットの
色成分によって提供される情報を使用して定義される、項目1に記載の方法。
【0206】
3. 前記映像ユニットの第1の色成分に適用される前記CC-ALFフィルタは、前
記映像ユニットの少なくとも第2の色成分によって提供される情報を使用して定義される
、項目1~2のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0207】
4. 前記映像ユニットは、スライス、タイル、ブリック、サブピクチャ、ピクチャま
たは360度の仮想境界で囲まれた360度の仮想ピクチャに対応する、項目1~3のい
ずれか1つ以上に記載の方法。
【0208】
5. CC-ALFの使用に関連付けられた1つ以上のALF仮想境界において、利用
不可のサンプルに対してミラーリングパディングの規則を適用する、項目1~4のいずれ
か1つ以上に記載の方法。
【0209】
6. CC-ALFの使用に関連付けられた、スライス、タイル、ブリック、ピクチャ
、サブピクチャ、または360度仮想境界のうちの1つにおける、利用不可のサンプルに
対して繰り返しパディングのための規則を適用する、項目1~5のいずれか1つ以上に記
載の方法。
【0210】
7. CC-ALFの使用に関連付けられた1つ以上のALF仮想境界を除き、1つ以
上の境界に繰り返しパディングのための規則が適用される、項目1~6のいずれか1つ以
上に記載の方法。
【0211】
8. 前記1つ以上の境界は、すべての境界、水平方向の境界、または垂直方向の境界
のうちの1つを含む、項目7に記載の方法。
【0212】
9. CC-ALFの使用に関連付けられた1つ以上のALF仮想境界を除き、1つ以
上の境界にミラーリングパディングのための規則を適用する、項目1~6のいずれか1つ
以上の方法。
【0213】
10. 前記1つ以上の境界は、すべての境界、水平境界、または垂直境界のうちの1
つを含む、項目9に記載の方法。
【0214】
11. 映像ユニットは、ALF処理ユニット、コーディングツリーユニット(CTU
)、または基本ALF処理ユニットに対応する、項目1~10のいずれか1つ以上に記載
の方法。
【0215】
12. ALF処理ユニットは、2つの水平境界および2つの垂直境界によって境界付
けられるユニットを定義する、項目11に記載の方法。
【0216】
13. 2つの水平境界は、2つのALF仮想境界、または1つのALF仮想境界のう
ちの1つと、ピクチャ/スライス/タイル/ブリック/サブピクチャまたは360度仮想
境界の1つの境界とを含む、項目11に記載の方法。
【0217】
14. 基本ALF処理ユニットは、ALF処理ユニット、CTU、または狭ALF処
理ユニットを再帰的に分割することに基づいて生成され、基本ALF処理ユニットの境界
線に、ブリック/スライス/タイル/サブピクチャ境界線、および/または360度仮想
境界線、および/または境界線をまたぐフィルタリングが許可されないALF仮想境界線
で交差しない、項目11に記載の方法。
【0218】
15. 繰り返しパディングの規則は、映像ユニットの隣接サンプルが異なる隣接する
スライス内にあるかどうかに基づく、項目1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
16. 映像ユニットの現在のスライスはラスタスキャンスライスであり、隣接するス
ライスもラスタスキャンスライスである、項目15に記載の方法。
【0220】
17. 現在の映像ユニットがALF処理ユニットであり、ALF処理ユニットにおけ
るその最も近いサンプルを使用して、利用不可の隣接サンプルをパディングする、項目1
5~16のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0221】
18. 映像処理方法であって、視覚メディアの映像ユニットと視覚メディアの符号化
表現との変換を行い、変換中に、映像ユニットの利用不可のサンプルをパディングする1
つ以上の規則が、ALF処理またはCC-ALF処理の使用に関連付けられた予め定義さ
れたパディング順序を規定する。
【0222】
19. 予め定義されたパディング順序は、映像ユニットの少なくとも1つの最上行を
使用して利用不可のサンプルをパディングすることを含む、項目18に記載の方法。
【0223】
20. 予め定義されたパディング順序は、映像ユニットの少なくとも1つの最下行を
使用して利用不可のサンプルをパディングすることを含む、項目18に記載の方法。
【0224】
21. 予め定義されたパディング順序は、映像ユニットの少なくとも1つの左列を使
用して利用不可のサンプルをパディングすることを含む、項目18に記載の方法。
【0225】
22. 予め定義されたパディング順序は、映像ユニットの少なくとも1つの右列を使
用して利用不可のサンプルをパディングすることを含む、項目18に記載の方法。
【0226】
23. 映像処理方法であって、視覚メディアの映像ユニットと視覚メディアの符号化
表現との変換を行い、変換中に、映像ユニットの1つ以上の隣接サンプルが利用可能かど
うかを決定する1つ以上の規則は、1つ以上の隣接サンプルと映像ユニットに関連付けら
れたパラメータとの関係を含む。
【0227】
24. 映像ユニットに関連付けられたパラメータ(ctuDownと表される)は、
ctuDown=CtbSize-M(但し、Mは整数)として算出される、項目23に
記載の方法。
【0228】
25. 隣接サンプルがctuDownとは異なる値を有する第2の映像ユニットに含
まれている場合、1つ以上の規則は、第2の映像ユニットをまたぐフィルタリングが許可
されていないことを規定する、項目24に記載の方法。
【0229】
26. 1つ以上の規則は、1つ以上の隣接サンプルと映像ユニットの行数に基づくc
tuUpパラメータとの関係をさらに含む、項目23に記載の方法。
【0230】
27. 利用不可のサンプルが隣接サンプルである、項目18~26のいずれか1つ以
上に記載の方法。
【0231】
28. 利用不可のサンプルがラスタスキャンスライスに含まれている、項目18~2
6のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0232】
29. 映像ユニットに対して左上CTUに空間的に位置する利用不可の隣接サンプル
が、映像ユニットに対して上側CTUに空間的に位置するその最も近い隣接サンプルでパ
ディングする、項目28に記載の方法。
【0233】
30. 映像ユニットに対して右下CTUに空間的に位置する利用不可の隣接サンプル
を、映像ユニットに対して下側CTUに空間的に位置するその最も近い隣接サンプルでパ
ディングする、項目28に記載の方法。
【0234】
31. 映像処理方法であって、映像メディアの映像ユニットと映像メディアのコーデ
ィング表現との変換を行い、変換中に、ALFおよび/またはCC-ALFを適用する1
つ以上の規則は、映像ユニットの境界に位置するサンプルに対するALFおよび/または
CC-ALFの適用を、境界をまたぐフィルタリングが許可されていない場合、無効とす
ることを規定する。
【0235】
32. ALFおよび/またはCC-ALFに関連付けられた少なくともN個の隣接サ
ンプルが利用不可と決定されると、ALFおよび/またはCC-ALFの適用が無効にさ
れる、項目31に記載の方法。
【0236】
33. 映像ユニットの境界は水平境界であり、サンプルと映像ユニットの水平境界と
の垂直距離がM個のサンプル以下であると決定されると、ALFおよび/またはCC-A
LFの適用が無効にされる、項目31に記載の方法。
【0237】
34. 映像ユニットの境界は垂直境界であり、サンプルと映像ユニットの垂直境界と
の水平距離がM個のサンプル以下であると決定されると、ALFおよび/またはCC-A
LFを適用することが無効にされる、項目31に記載の方法。
【0238】
35. 映像処理方法であって、視覚メディアの第1の映像ユニットと視覚メディアの
コーディング表現との変換を行い、変換中、ALFおよび/またはCC-ALFを適用す
る1つ以上の規則は、第1の映像ユニットとは異なる第2の映像ユニットのために、AL
Fおよび/またはCC-ALFを選択的にオンまたはオフにすることを規定する。
【0239】
36. 第2の映像ユニットのためにALFおよび/またはCC-ALFがオンまたは
オフにされるかどうかは、第2の映像ユニットのコーディング表現において明確に示され
る、項目35に記載の方法。
【0240】
37. 第2の映像ユニットのためにALFおよび/またはCC-ALFがオンまたは
オフにされるかどうかは、第2の映像ユニットのコーディング表現から導出される、項目
35に記載の方法。
【0241】
38. 第1の映像ユニットに関連付けられたフラグが、ALFおよび/またはCC-
ALFを有効にすることを示し、変換中、1つ以上の条件に基づいて、第1の映像ユニッ
トに位置するサンプルに対してALFおよび/またはCC-ALFを適用することを選択
的に無効にする、項目35~37のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0242】
39. 1つ以上の条件は、第1の映像ユニットに対するサンプルの空間位置を含む、
項目38に記載の方法。
【0243】
40. 1つ以上の条件が、CC-ALFにおいて使用される輝度サンプル値を含む、
項目38に記載の方法。
【0244】
41. 1つ以上の条件が、サンプルとその隣接サンプルとのサンプル値の差を含む、
項目38に記載の方法。
【0245】
42. 1つ以上の条件が、クロマサンプルに対応するフィルタリングされた輝度サン
プルを使用して導出オフセットの値と閾値との関係を含む、項目38に記載の方法。
【0246】
43. 映像処理方法であって、視覚メディアの第1の映像ユニットと視覚メディアの
コーディング表現との変換を行い、変換中、ALFおよび/またはCC-ALFを選択的
に適用する1つ以上の規則は、3つのクリッピング演算のうちの少なくとも1つを省略す
ることを規定し、第1のクリッピング演算はクロマALFフィルタリングに対応し、第2
のクリッピング演算はCC-ALFオフセット導出に対応し、第3のクリッピング演算は
最終的なクロマサンプル値を導出するためのクロマフィルタサンプルの微調整に対応する
【0247】
44. ALFおよび/またはCC-ALFを適用する1つ以上の規則は、CC-AL
Fを適用することが有効である場合、第1のクリッピング動作を省略することを規定する
、項目43に記載の方法。
【0248】
45. ALFおよび/またはCC-ALFを適用する1つ以上の規則は、CC-AL
Fを適用することが無効である場合、第2のクリッピング演算を省略することを規定する
、項目43に記載の方法。
【0249】
46. ALFおよび/またはCC-ALFを適用する1つ以上の規則は、第1のクリ
ッピング演算および第2のクリッピング演算を省略することを規定する、項目43に記載
の方法。
【0250】
47. 第2のクリッピング演算中、導出CC-ALFオフセットは、[-(1<(B
itDepthC-1)),(1<(BitDepthC-1))-1]として表される
第2の範囲とは異なる第1の範囲にあり、第2の範囲の端点が第2の範囲に含まれ、Bi
tDepthCがビット深度値である、項目43に記載の方法。
【0251】
48. 第1の範囲は、ビット深度値への依存性を欠く、項目47に記載の方法。
【0252】
49. 第2の映像ユニットに関連付けられた第3の範囲が、第1の映像ユニットに関
連付けられた第1の範囲とは異なるように定義される、項目47に記載の方法。
【0253】
50. 第1の範囲は、クロマALFフィルタリングに対応する第1のクリッピング演
算に使用される非線形クリッピング範囲から導出される、項目47に記載の方法。
【0254】
51. 第2のクリッピング演算の間、固定値の代わりにビット深度値を使用して、導
出CC-ALFオフセットを丸める、項目47に記載の方法。
【0255】
52. 第2のクリッピング演算中に、導出CC-ALFオフセットは、以下の式を用
いて丸められる、項目47に記載の方法。
sum=alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]+(sum+O
ff)>>(7+(BitDepthY-BitDepthC))ccAlfPictu
re[xCtbC+x][yCtbC+y]=Clip3(0,(1<<BitDept
hC)-1,sum)において、Offは、(1<(6+(BitDepthY-Bit
DepthC))に等しく設定され、alfPicture[xCtbC+x][yCt
bC+y]は、第1のクリッピング演算を適用した後のクロマサンプルを表し、sumは
、第2のクリッピング演算を適用した後のCC-ALFフィルタサポートの輝度サンプル
にCC-ALFフィルタ係数を掛けた合計を表し、ccAlfPictureは第3のク
リッピング演算を適用した後の最終的に微調整されたクロマサンプルを表す。
【0256】
53. 映像処理方法であって、視覚メディアの映像ユニットと視覚メディアの符号化
表現との変換を行い、変換中、映像ユニットに対してクロマALF処理および/またはC
C-ALF処理を共同して最適化する。
【0257】
54. 変換は、予め定義された範囲内にあるクロマサンプルをもたらすクロマALF
処理および/またはCC-ALF処理によって生成されたクロマサンプルをクリッピング
するためのクリッピング演算を含む、項目53に記載の方法。
【0258】
55. 予め定義された範囲は、クロマビット深度値に少なくとも部分的に基づいてい
る、項目54に記載の方法。
【0259】
56. 共同最適化は、CC-ALF処理がクロマALF処理の後に適用される場合、
CC-ALF処理中にのみクリッピング演算を適用することを含む、項目54に記載の方
法。
【0260】
57. 共同最適化は、クロマALF処理の前にCC-ALF処理が適用される場合、
クロマALF処理中にのみクリッピング演算を適用することを含む、項目54に記載の方
法。
【0261】
58. 映像処理方法であって、視覚メディアの映像ユニットと視覚メディアのコーデ
ィング表現との変換を行い、変換中に、映像ユニットの第2の色成分の情報を用いて、映
像ユニットの第1の色成分のサンプル値を修正し、映像ユニットの第2の色成分の情報は
、適応ループフィルタリング処理に用いられる1つ以上のパラメータに基づく。
【0262】
59. 適応ループフィルタリング処理で使用される1つ以上のパラメータは、クリッ
ピングパラメータであり、第1のサンプル値に使用されるクリッピングパラメータは、第
2のサンプル値に使用されるクリッピングパラメータとは異なり、第1のサンプル値およ
び第2のサンプル値は映像ユニット中に含まれる、項目58に記載の方法。
【0263】
60. クリッピングパラメータは、最小クリッピング値および最大クリッピング値を
有する範囲内にあるように定義される、項目59に記載の方法。
【0264】
61. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、コーディング表現
において明確に信号通知される、項目60に記載の方法。
【0265】
62. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、サンプル値に部分
的に基づいている、項目60に記載の方法。
【0266】
63. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、映像ユニットに対
するサンプル値の空間位置に部分的に基づいている、項目60に記載の方法。
【0267】
64. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、予め定義された値
である、項目60に記載の方法。
【0268】
65. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、他のパラメータか
ら導出される、項目60に記載の方法。
【0269】
66. 映像処理方法であって、視覚メディアの第1の映像ユニットと視覚メディアの
符号化表現との変換を行い、変換中に、第1の映像ユニットの第1のサンプルに対するC
C-ALF処理の適用は、視覚メディアの第2の映像ユニットの第2のサンプルに基づい
て選択的に行われ、選択的に基づくことは、映像ユニットをまたぐループフィルタが有効
であるか無効であるかの決定を含む。
【0270】
67. 第1の映像ユニットの第1のサンプルに対するCC-ALF処理の適用は、第
1の映像ユニットおよび/または第2の映像ユニットに対して映像ユニットをまたぐルー
プフィルタが無効であるという決定に基づいてスキップされる、項目66に記載の方法。
【0271】
68. 第1の映像ユニットの第1のサンプルに対するCC-ALF処理の適用は、映
像ユニットをまたぐループフィルタは第1の映像ユニットに対して無効であるとの決定に
基づいてスキップされる、項目66に記載の方法。
【0272】
69. 第1の映像ユニットの第1のサンプルに対するCC-ALF処理の適用は、複
数の映像ユニットをまたぐループフィルタは第2の映像ユニットに対して無効であるとの
決定に基づいてスキップされる、項目66に記載の方法。
【0273】
70. 第1の映像ユニットおよび/または第2の映像ユニットに関連付けられたフラ
グを読み取ることに基づいて、映像ユニットをまたぐループフィルタが有効であるかまた
は無効であるかを決定する、項目66~69のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0274】
71. CC-ALF処理および/または前記ALF処理が、i.映像ユニットのコン
テンツ、ii.DPS/SPS/VPS/PPS/APS/ピクチャヘッダ/スライスヘ
ッダ/タイルグループヘッダ/最大コーディングユニット(LCU)/コーディングユニ
ット(CU)/LCU行/LCU群/TU/PUブロック/映像コーディングユニットで
信号通知されたメッセージ、iii.CU/PU/TU/ブロック/映像コーディングユ
ニットの位置、iv.映像ユニットの形状または寸法および/または隣接する映像ユニッ
トの形状または寸法、vii.カラーフォーマットの表示、viii.コーディングツリ
ー構造、ix.スライス/タイルグループタイプおよび/またはピクチャタイプ、x.映
像ユニットの色成分、xi.時間層IDまたはxii.規格のプロファイル/レベル/テ
ィア、の少なくとも1つに関連付けられる、項目1~70のいずれか1つ以上に記載の方
法。
【0275】
72. 項目1~71の1つ以上に記載の方法を実装するように構成されたプロセッサ
を備える、映像復号化装置。
【0276】
73. 項目1~71の1つ以上に記載の方法を実装するように構成されたプロセッサ
を備える映像符号化装置。
【0277】
74. コンピュータコードが記憶されたコンピュータプログラム製品において、前記
のコードがプロセッサにより実行されると、前記プロセッサは、項目1~71のいずれか
に記載の方法を実装する。
【0278】
75. 本明細書に記載の方法、装置またはシステム。
【0279】
第2の節は、前節で論じた技法の例示的な実施例を示す。
【0280】
1. 1つ以上の映像ブロックからなる映像の現在の映像ユニットと映像のビットスト
リーム表現との変換のために、規則に従って、現在の映像ユニットの少なくともいくつか
の映像ブロックに対してクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)を適用す
る間に、利用不可のサンプルをパディングするために用いられるパディング処理を決定す
ること(2512)、およびその決定に基づき変換を行うこと(2514)を含み、規則
は、パディング処理が、現在の映像ユニットの1つ以上の映像ブロックに適応ループフィ
ルタリング(ALF)を適用する間に利用不可のサンプルをパディングするためにも使用
されることを規定する、映像処理方法(例えば、図25Aに示す方法2510)。
【0281】
2. ALFツールは、現在の映像ユニットの色成分に適用され、ALFツールは、現
在の映像ユニットの色成分によって提供される情報を使用して、色成分のサンプル値を補
正することを含む、項目1に記載の方法。
【0282】
3. CC-ALFツールは、現在の映像ユニットの第1の色成分に適用され、現在の
映像ユニットの第2の成分のサンプル値を使用して、現在の映像ユニットの第1の成分の
サンプル値を補正することを含む、項目1~2のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0283】
4. 現在の映像ユニットは、360度の仮想境界で囲まれたスライス、タイル、ブリ
ック、サブピクチャ、ピクチャまたは360度の仮想ピクチャに対応する、項目1~3の
いずれか1つ以上に記載の方法。
【0284】
5. パディング処理は、CC-ALFツールの使用に関連付けられた1つ以上のAL
F仮想境界において、利用不可のサンプルに適用されるミラーリングパディングに対応す
る、項目1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
6. パディング処理は、CC-ALFの使用に関連付けられた、スライス、タイル、
ブリック、ピクチャ、サブピクチャ、または360度仮想境界のうちの1つにおいて利用
不可のサンプルに適用される繰り返しパディングに対応する、項目1~4のいずれか1つ
以上に記載の方法。
【0286】
7. パディング処理は、CC-ALFの使用に関連付けられた1つ以上のALF仮想
境界を除き、1つ以上の境界に適用される繰り返しパディングに対応する、項目1~4の
いずれか1つ以上に記載の方法。
【0287】
8. 前記1つ以上の境界は、すべての境界、水平方向の境界、または垂直方向の境界
のうちの1つを含む、項目7に記載の方法。
【0288】
9. パディング処理は、CC-ALFの使用に関連付けられた1つ以上のALF仮想
境界を除き、1つ以上の境界にミラーリングパディングを適用することに対応する、項目
1~4のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0289】
10. 前記1つ以上の境界は、すべての境界、水平境界、または垂直境界のうちの1
つを含む、項目9に記載の方法。
【0290】
11. 現在の映像ユニットは、ALF処理ユニット、コーディングツリーユニット(
CTU)、または基本ALF処理ユニットに対応する、項目1~10のいずれか1つ以上
に記載の方法。
【0291】
12. ALF処理ユニットは、2つの水平境界および2つの垂直境界によって境界付
けられるユニットを定義する、項目11に記載の方法。
【0292】
13. 2つの水平境界は、2つのALF仮想境界、または1つのALF仮想境界うち
の1つと、ピクチャ/スライス/タイル/ブリック/サブピクチャまたは360度仮想境
界の1つの境界とを含む、項目11に記載の方法。
【0293】
14. 基本ALF処理ユニットは、ALF処理ユニット、CTU、または狭ALF処
理ユニットを再帰的に分割することに基づいて生成され、基本ALF処理ユニットの境界
線に、ブリック/スライス/タイル/サブピクチャ境界線、および/または360度仮想
境界線、および/または境界線をまたぐフィルタリングが許可されないALF仮想境界線
で交差しない、項目11に記載の方法。
【0294】
15. パディング処理は、現在の映像ユニットの隣接サンプルが異なる隣接スライス
内にあるかどうかに基づく繰り返しパディングに対応する、項目1~4のいずれか1つ以
上に記載の方法。
【0295】
16. 現在の映像ユニットの現在のスライスがラスタスキャンスライスであり、現在
のスライスの隣接するスライスもラスタスキャンスライスである、項目15に記載の方法
【0296】
17. 現在の映像ユニットがALF処理ユニットであり、ALF処理ユニットにおけ
るその最も近いサンプルを使用して利用不可のサンプルをパディングする、項目15~1
6のいずれか1つ以上に記載の方法。
【0297】
18. 映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換を行うこと(25
22)を含み、変換中、適応ループフィルタリング(ALF)処理またはクロス成分適応
ループフィルタリング(CC-ALF)処理の適用において、規則に従って、映像ユニッ
トの利用不可のサンプルを予め定義されたパディング順序でパディングする、映像処理方
法(例えば、図25Bに示す方法2520)。
【0298】
19. 映像ユニットは処理ユニットに対応し、規則は、映像ユニットの利用不可のサ
ンプルをパディングするための予め定義されたパディング順序を規定する、項目18に記
載の方法。
【0299】
20. 予め定義されたパディング順序は、映像ユニットの少なくとも1つの行または
少なくとも1つの列を使用して、利用不可のサンプルをパディングすることを含み、少な
くとも1つの行または少なくとも1つの列の位置が、利用不可サンプルの位置に基づいて
決定される、項目18に記載の方法。
【0300】
21. 予め定義されたパディング順序は、映像ユニットの少なくとも1つのサンプル
を使用して利用不可のサンプルをパディングすることを含み、少なくとも1つのサンプル
の位置が、利用不可のサンプルの位置に基づいて決定される、項目18に記載の方法。
【0301】
22. 映像ユニットの少なくとも1つの隣接サンプルの可用性は、1つ以上の隣接サ
ンプルと映像領域に関連付けられたパラメータ(ctuDownまたはctuUp)との
関係に基づいて決定され、映像領域は、1つのコーディングツリーユニット(CTU)の
N個の行に対応するctuUPと、CTUの「CtbSize-M」行に対応するctu
Downとを含む処理ユニットに対応し、このときMは整数である、項目18に記載の方
法。
【0302】
23. 隣接サンプルがctuDownと異なる第2の映像ユニットにある場合、この
規則は、第2の映像ユニットをまたぐフィルタリングを許可しないことを規定する、項目
22に記載の方法。
【0303】
24. 映像ユニットは、ラスタ走査スライスに含まれる現在のコーディングツリーユ
ニットに対応し、規則は、映像ユニットの利用不可のサンプルをパディングするための予
め定義されたパディング順序を規定する、項目18に記載の方法。
【0304】
25. 予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライス内の上側CTUに
位置するその最も近い隣接サンプルを使用してラスタスキャンスライスとは異なるスライ
ス内の左上CTUに位置する利用不可のサンプルをパディングすることを含む、項目18
に記載の方法。
【0305】
26. 予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライス内の左側CTUに
位置するその最も近い隣接サンプルを使用してラスタスキャンスライスとは異なるスライ
ス内の左上CTUに位置する利用不可のサンプルをパディングすることを含む、項目18
に記載の方法。
【0306】
27. 予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライスとは異なるスライ
ス内の右下CTUに位置する利用不可のサンプルを、ラスタスキャンスライス内の下側C
TUに位置するその最も近い隣接サンプルを使用してパディングすることを含む、項目1
8に記載の方法。
【0307】
28. 予め定義されたパディング順序は、ラスタスキャンスライスとは異なるスライ
ス内の右下CTUに位置する利用不可のサンプルを、ラスタスキャンスライス内の右側C
TUに位置するその最も近い隣接サンプルを使用してパディングすることを含む、項目1
8に記載の方法。
【0308】
29. 適応ループフィルタ(ALF)の適用が有効にされた映像の映像領域について
、その映像領域が映像ユニット境界と交差しているかを決定すること(2532)と、映
像とその映像のビットストリーム表現との変換を行うこと(2534)を含み、変換のた
めに、映像領域が映像ユニットの境界と交差していることに起因し、映像領域は規則に従
って複数の区分に分割される、映像処理方法(例えば、図25Cに示す方法2530)。
【0309】
30. 境界をまたぐフィルタリング処理は許可されていない、項目29に記載の方法
【0310】
31. 映像領域は、ALF処理ユニット、狭ALF処理ユニット、またはコーディン
グツリーユニットに対応する、項目29に記載の方法。
【0311】
32. 映像ユニットは、ブリック、スライス、タイル、サブピクチャ、または360
度仮想ピクチャに対応する、項目29に記載の方法。
【0312】
33. 規則は、映像領域が映像ユニットの境界をまたがなくなるまで、映像領域を再
帰的に分割することをさらに規定する、項目29に記載の方法。
【0313】
34. フィルタリング処理は、ALF処理またはCC-ALF処理に対応し、規則は
さらに、映像領域の分割処理の完了後にフィルタリング処理を行うことを規定する、項目
29又は30に記載の方法。
【0314】
35. 少なくとも1つのサンプルをパディングするために使用されるパディング処理
は、映像領域が映像ユニットの境界をまたがなくなるまで、映像領域を分割した後に取得
される基本ALF処理ユニットに対して行われる、項目29に記載の方法。
【0315】
36. 規則は、所定の順序で異なる水平境界をチェックし、映像領域が映像ユニット
の境界をまたがなくなるまで映像領域を分割した後に得られる基本ALF処理ユニットを
生成することを規定する、項目29に記載の方法。
【0316】
37. 予め定義された順序は、ALF仮想境界、360度仮想境界、および映像ユニ
ットの境界であるコーディングツリーユニット(CTU)境界である、項目36に記載の
方法。
【0317】
38. 予め定義された順序は、360度仮想境界、ALF仮想境界、および映像ユニ
ットの境界であるコーディングツリーユニット(CTU)境界である、項目36に記載の
方法。
【0318】
39. 規則は、映像ユニットの最上境界および最下境界に対して、予め定義された異
なる順序を規定する、項目36に記載の方法。
【0319】
40. 項目29に記載の方法において、規則は、所定の順序で異なる垂直境界をチェ
ックし、映像領域が映像ユニットの境界をまたがなくなるまで映像領域を分割した後に得
られる基本ALF処理ユニットを生成することを規定する。
【0320】
41. 予め定義された順序は、360度仮想境界および映像ユニットの境界であるコ
ーディングツリーユニット(CTU)境界である、項目40に記載の方法。
【0321】
42. 予め定義された順序は、映像ユニットのコーディングツリーユニット(CTU
)境界および360度仮想境界である、項目40に記載の方法。
【0322】
43. 規則は、映像ユニットの左境界および右境界に対して予め定義された異なる順
序を規定する、項目40に記載の方法。
【0323】
44. 規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換を
行うことを含み、規則は、映像ユニットの境界に位置するサンプルに対する適応ループフ
ィルタリング(ALF)および/またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-A
LF)の適用は、境界をまたぐフィルタリング処理が許可されていない場合、許可されな
いことを規定する、映像処理方法。
【0324】
45. ALFおよび/またはCC-ALFに関連付けられた少なくともN個の隣接サ
ンプルが利用不可と決定されると、ALFおよび/またはCC-ALFの適用が無効にさ
れ、このときNは整数である、項目44に記載の方法。
【0325】
46. 映像ユニットの境界は水平境界であり、サンプルと映像ユニットの水平境界と
の垂直距離がM個のサンプル以下であると決定されると、ALFおよび/またはCC-A
LFを適用することが無効にされ、このときMは整数である、項目44に記載の方法。
【0326】
47. 映像ユニットの境界は垂直境界であり、サンプルと映像ユニットの垂直境界と
の水平距離がM個のサンプル以下であると決定されると、ALFおよび/またはCC-A
LFを適用することが無効にされ、このときMは整数である、項目44に記載の方法。
【0327】
48. 映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換を行うことを含み
、ビットストリーム表現はフォーマット規則に準拠し、映像領域はコーディングツリーブ
ロックとは異なり、フォーマット規則は適応ループフィルタリング(ALF)ツールおよ
び/またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)ツールの映像領域に対
する適用可能性を示すビットストリーム表現に構文要素が含まれるかどうかを規定する、
映像処理方法。
【0328】
49. 映像領域は、ALF処理ユニットに対応する、項目48に記載の方法。
【0329】
50. ALFツールおよび/またはCC-ALFツールの適用可能性が、ビットスト
リーム表現において明確に示される、項目48に記載の方法。
【0330】
51. ALFツールおよび/またはCC-ALFツールの適用可能性が導出される、
項目48に記載の方法。
【0331】
52. 映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換のために、規則に
従って、クロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)ツールを映像ユニットの
サンプルに適用可能であることを決定することと(2542)、決定に基づいて変換を行
うこと(2544)を含み、ビットストリーム表現は、CC-ALFが映像ユニットに利
用可能である指示を含み、規則は指示をオーバライドする1つ以上の状態を規定する、映
像処理方法(例えば、図25Dに示す方法2540)。
【0332】
53. 1つ以上の条件が、映像ユニットに対するサンプルの空間位置を含む、項目5
2に記載の方法。
【0333】
54. 1つ以上の条件が、CC-ALFにおいて使用される輝度サンプル値を含む、
項目52に記載の方法。
【0334】
55. 1つ以上の条件が、サンプルとその隣接サンプルとのサンプル値の差を含む、
項目52に記載の方法。
【0335】
56. 1つ以上の条件が、クロマサンプルに対応するフィルタリングされた輝度サン
プルを使用して導出されたオフセットの値と閾値との関係を含む、項目52に記載の方法
【0336】
57. 1つ以上の条件が、クロマサンプルを含むブロックおよび/またはブロックの
隣接ブロックのコード化情報を含む、項目52に記載の方法。
【0337】
58. 規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換を
行うことを含み、規則は、変換の際に使用される演算が、クロマ適応ループフィルタリン
グ(ALF)に対応する第1のクリッピング演算、クロス成分適応ループフィルタリング
(CC-ALF)オフセット導出に対応する第2のクリッピング演算、および最終的なク
ロマサンプル値を導出するためのクロマフィルタリングされたサンプルの微調整に対応す
る第3のクリッピング演算を含む3つのクリッピング演算のうちの少なくとも1つを省略
することを規定する、映像処理方法。
【0338】
59. 規則は、CC-ALFを適用することが有効である場合、第1のクリッピング
演算を省略することを規定する、項目58に記載の方法。
【0339】
60. 規則は、CC-ALFを適用することが無効である場合、第2のクリッピング
演算を省略することを規定する、項目58に記載の方法。
【0340】
61. 規則は、第1のクリッピング演算および第2のクリッピング演算を省略するこ
とを規定する、項目58に記載の方法。
【0341】
62. 映像の第1の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換のために、
規則に従って、クロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)オフセットを決定
すること(2552)と、この決定に基づいて変換を行うこと(2554)とを含み、こ
の規則は、CC-ALFオフセットを、[-(1<<(BitDepthC-1)),(
1<<(BitDepthC-1))-1]と表される第2の範囲と異なる第1の範囲に
クリッピングすることを規定し、BitDepthCはビット深度値である、映像処理方
法(例えば、図25Eに示す方法2550)。
【0342】
63. 第1の範囲は、ビット深度値への依存性を欠く、項目62に記載の方法。
【0343】
64. 第2の映像ユニットに関連付けられた第3の範囲が、第1の映像ユニットに関
連付けられた第1の範囲とは異なるように定義される、項目62に記載の方法。
【0344】
65. 第1の範囲は、クロマALFフィルタリングに対応する別のクリッピング演算
に使用される非線形クリッピング範囲から導出される、項目62に記載の方法。
【0345】
66. 映像の第1の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換のために、
規則に従って、1つのクロス成分適応ループフィルタリング(CC-ALF)オフセット
を導出すること(2562)と、CC-ALFオフセットを使用してこの変換を行うこと
(2564)とを含み、規則は、CC-ALFオフセットを固定値の代わりにビット深度
値に基づいて丸めオフセットを用いて丸めることを規定する、映像処理の方法(例えば、
図25Fに示す方法2560)。
【0346】
67. 丸めオフセットは、第1の色成分と第2の色成分とのビット深度差に依存する
、項目66に記載の方法。
【0347】
68. CC-ALFオフセットは、次の式を用いて丸められる:
sum=alfPicture[xCtbC+x][yCtbC+y]+(sum+O
ff)>>(7+(BitDepthY-BitDepthC))およびccAlfPi
cture[xCtbC+x][yCtbC+y]=Clip3(0,(1<<BitD
epthC)-1,sum)であり、ここでOffは、(1<(6+(BitDepth
Y-BitDepthC))に等しく設定され、alfPicture[xCtbC+x
][yCtbC+y]は、第1のクリッピング演算を適用した後のクロマサンプルを表し
、sumは、第2のクリッピング演算を適用した後のCC-ALFフィルタサポートの輝
度サンプルにCC-ALFフィルタ係数を掛けた合計を表し、ccAlfPicture
は第3のクリッピング演算を適用した後の最終的に微調整されたクロマサンプルを表し、
BitDepthCとBitDepthYはそれぞれ輝度成分とクロマ成分のビット深度
を表す、項目66に記載の方法。
【0348】
69. 規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換を
行うことを含み、規則は、映像ユニットのサンプルに適用されるクロマ適応ループフィル
タリング(ALF)処理および/またはクロス成分適応ループフィルタリング(CC-A
LF)処理中に使用される1つ以上の処理ステップが同じであることを規定する、映像処
理方法。
【0349】
70. 変換は、予め定義された範囲内にあるクロマサンプルをもたらすクロマALF
処理および/またはCC-ALF処理によって生成されたクロマサンプルをクリッピング
するためのクリッピング演算を含む、項目69に記載の方法。
【0350】
71. 予め定義された範囲は、クロマビット深度値に少なくとも部分的に基づいてい
る、項目70に記載の方法。
【0351】
72. CC-ALF処理がクロマALF処理の後に適用される場合、クリッピング演
算はCC-ALF処理中にのみ適用される、項目70に記載の方法。
【0352】
73. CC-ALF処理がクロマALF処理の前に適用される場合、クリッピング演
算はクロマALF処理中にのみ適用される、項目70に記載の方法。
【0353】
74. 規則に従って、映像の映像ユニットと映像のビットストリーム表現との変換を
行うことを含み、規則は、変換中に、映像ユニットの第2の色成分の情報を使用して修正
を適用することによって、映像ユニットの第1の色成分のサンプルの値を修正することを
規定し、修正は、映像ユニットのための適応ループフィルタリング(ALF)処理で使用
される1つ以上のパラメータに基づく、映像処理方法。
【0354】
75. 適応ループフィルタリング処理で使用される1つ以上のパラメータは、クリッ
ピングパラメータであり、第1のサンプル値に使用されるクリッピングパラメータは、第
2のサンプル値に使用されるクリッピングパラメータとは異なり、第1のサンプル値およ
び第2のサンプル値は映像ユニット中に含まれている、項目74に記載の方法。
【0355】
76. クリッピングパラメータは、最小クリッピング値および最大クリッピング値を
有する範囲内にあるように定義される、項目75に記載の方法。
【0356】
77. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、ビットストリーム
表現において明確に信号通知される、項目76に記載の方法。
【0357】
78. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、サンプルの値に部
分的に基づいている、項目76に記載の方法。
【0358】
79. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、映像ユニットに対
するサンプルの値の空間的位置に部分的に基づいている、項目76に記載の方法。
【0359】
80. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、信号通知されるか
または予め定義される、項目76に記載の方法。
【0360】
81. 最小クリッピング値および/または最大クリッピング値は、他のパラメータか
ら導出される、項目76に記載の方法。
【0361】
82. 映像の第1のサブピクチャと映像のビットストリーム表現との変換のために、
規則に従って、クロス成分ループフィルタリング(CC-ALF)が第1のサブピクチャ
のサンプルに適用可能であるかどうかを決定すること(2572)と、この決定に基づい
た変換を行うこと(2574)を含み、サンプルのためのCC-ALFは第2のサブピク
チャからのサンプルを使用し、規則は第1のサブピクチャおよび/または第2のサブピク
チャに対して、サブピクチャの境界をまたぐループフィルタリングが許可されているかど
うかに基づく、映像処理方法(例えば、図25Gに示す方法2570)。
【0362】
83. サブピクチャ境界をまたぐループフィルタリングが第1のサブピクチャに対し
て許可されない場合、サンプルに対してCC-ALFをスキップする、項目82に記載の
方法。
【0363】
84. サブピクチャ境界をまたぐループフィルタリングが第2のサブピクチャに対し
て許可されない場合、第1のサンプルに対してCC-ALFをスキップする、項目82に
記載の方法。
【0364】
85. 第1のサブピクチャおよび/または第2のサブピクチャのためにサブピクチャ
境界をまたぐループフィルタリングが許可されない場合、第1のサンプルに対してCC-
ALFをスキップする、項目82の方法。
【0365】
86. サブピクチャ境界をまたぐループフィルタリングが許可されるかどうかは、第
1のサブピクチャおよび/または第2のサブピクチャに関連付けられたフラグに基づく、
項目82~84のいずれかの1つ以上に記載の方法。
【0366】
87.前項のいずれか1つに記載の方法であって、方法は、さらに、以下のうちの少な
くとも1つに基づく1)映像コンテンツのタイプ、2)シーケンスパラメータセット(S
PS)、映像パラメータセット(VPS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、依存
性パラメータセット(DPS)、適応パラメータセット(APS)、ピクチャヘッダ、ス
ライスヘッダ、タイルグループヘッダ、最大コーディングユニット(LCU)、コーディ
ングユニット(CU)、LCU行、LCUグループ、変換ユニット(TU)、予測ユニッ
ト(PU)ブロック、または映像コーディングユニットで信号通知されたメッセージ、3
)CU、PU、TU、ブロック、または映像コーディングユニットの位置、4)現在のブ
ロックおよび/または隣接ブロックの復号化情報、5)現在のブロックおよび/または隣
接ブロックの寸法または形状、6)色フォーマットの指示、7)コーディングツリー構造
、8)スライスタイプ、タイルグループタイプ、および/またはピクチャタイプ、9)色
成分のタイプ、10)時間層識別子、11)標準のプロファイル/レベル/ティア。
【0367】
88. 変換は、前記映像を前記ビットストリーム表現に符号化することを含む、項目
1~87のいずれかに記載の方法。
【0368】
89. 変換は、ビットストリーム表現から映像を復号することを含む、項目1~87
のいずれか1つに記載の方法。
【0369】
90. 項目1から89のいずれか1つまたは複数に記載された方法を実施するように
構成されたプロセッサを含む映像処理装置。
【0370】
91. 実行されると、項目1から89までのいずれか1つ以上に記載された方法をプ
ロセッサに実施させるプログラムコードを格納したコンピュータ可読媒体。
【0371】
92. 上述した方法のいずれかに従って生成されたコーディング表現またはビットス
トリーム表現を記憶する、コンピュータ可読媒体。
【0372】
本明細書に記載された開示された、およびその他の解決策、実施例、実施形態、モジュ
ール、および機能動作の実装形態は、本明細書に開示された構造およびその構造的等価物
を含め、デジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しく
はハードウェアで実施されてもよく、またはそれらの1つ以上の組み合わせで実施しても
よい。開示された、およびその他の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品
、すなわち、データ処理装置によって実装されるため、またはデータ処理装置の動作を制
御するために、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1
つ以上のモジュールとして実施することができる。このコンピュータ可読媒体は、機械可
読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質
の組成物、またはこれらの1つ以上の組み合わせであってもよい。「データ処理装置」と
いう用語は、例えば、プログラマブル処理装置、コンピュータ、または複数のプロセッサ
、若しくはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、およ
び機械を含む。この装置は、ハードウェアの他に、当該コンピュータプログラムの実行環
境を作るコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベー
ス管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1つ以上の組み合わせを構
成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成した信号、例えば、機械で
生成した電気、光、または電磁信号であり、適切な受信装置に送信するための情報を符号
化するために生成される。
【0373】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション
、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイルされた言語または解釈された
言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、また、それは、スタ
ンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境で使用するのに適したモジ
ュール、コンポーネント、サブルーチン、または他のユニットとして含む任意の形式で展
開することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステムにおけるフ
ァイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持する
ファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つ以上のスクリプト)に
記録されていてもよいし、当該プログラム専用の単一のファイルに記憶されていてもよい
し、複数の調整ファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコー
ドの一部を格納するファイル)に記憶されていてもよい。1つのコンピュータプログラム
を、1つのサイトに位置する1つのコンピュータ、または複数のサイトに分散され通信ネ
ットワークによって相互接続される複数のコンピュータで実行させるように展開すること
も可能である。
【0374】
本明細書に記載された処理およびロジックフローは、入力データ上で動作し、出力を生
成することによって機能を実行するための1つ以上のコンピュータプログラムを実行する
1つ以上のプログラマブルプロセッサによって行うことができる。処理およびロジックフ
ローはまた、特定用途のロジック回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲ
ートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって行うことができ、装置は
また、特別目的のロジック回路として実装することができる。
【0375】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用および専用マイク
ロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロ
セッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリーメモリまたはランダムアクセス
メモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は
、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つ以上のメ
モリデバイスとである。一般的に、コンピュータは、データを記憶するための1つ以上の
大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含んでもよく
、またはこれらの大容量記憶デバイスからデータを受信するか、またはこれらにデータを
転送するように動作可能に結合されてもよい。しかしながら、コンピュータは、このよう
なデバイスを有する必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するの
に適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリ
デバイスを含み、例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ装置、磁気ディ
スク、例えば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、および
CD-ROMおよびDVD-ROMディスク等の半導体記憶装置を含む。プロセッサおよ
びメモリは、特定用途のロジック回路によって補完されてもよく、または特定用途のロジ
ック回路に組み込まれてもよい。
【0376】
本特許明細書は多くの詳細を含むが、これらは、任意の主題の範囲または特許請求の範
囲を限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、特定の技術の特定の実施形態に特
有であり得る特徴の説明と解釈されるべきである。本特許文献において別個の実施形態の
コンテキストで説明されている特定の特徴は、1つの例において組み合わせて実装しても
よい。逆に、1つの例のコンテキストで説明された様々な特徴は、複数の実施形態におい
て別個にまたは任意の適切なサブコンビネーションで実装してもよい。さらに、特徴は、
特定の組み合わせで作用するものとして上記に記載され、最初にそのように主張されてい
てもよいが、主張された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わ
せから抜粋されることができ、主張された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサ
ブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0377】
同様に、動作は図面において特定の順番で示されているが、これは、所望の結果を達成
するために、このような動作が示された特定の順番でまたは連続した順番で行われること
、または示された全ての動作が行われることを必要とするものと理解されるべきではない
。また、本特許明細書に記載されている例における様々なシステムの構成要素の分離は、
全ての実施形態においてこのような分離を必要とするものと理解されるべきではない。
【0378】
いくつかの実装形態および例のみが記載されており、この特許文献に記載され図示され
ているコンテンツに基づいて、他の実施形態、拡張および変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
図25E
図25F
図25G
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを処理する方法であって、
1つ以上のサンプルを含む映像の現在の映像ユニットと前記映像のビットストリームとの間の変換のために、クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)ツールを前記現在の映像ユニットの少なくともいくつかのサンプルに適用中に、利用不可のサンプルをパディングするために使用されるパディング処理を決定することと、前記現在の映像ユニットは現在のコーディングツリーユニットに対応し、
前記決定に基づいて、前記変換を行うことと、を含み、
前記CC-ALFツールは、前記現在の映像ユニットの第1の色成分に適用され、前記現在の映像ユニットの第2の成分のサンプル値を使用して、前記現在の映像ユニットの前記第1の成分のサンプル値を補正することを含み、
第1の利用不可のサンプルが前記現在の映像ユニットの右下のコーディングツリーユニットに位置し、前記現在の映像ユニットの下のコーディングツリーユニットおよび前記現在の映像ユニットの右のコーディングツリーユニットが共に利用可能である場合、前記第1の利用不可のサンプルを前記下のコーディングツリーユニットに位置する最も近い近傍のサンプルでパディングする、方法。
【請求項2】
前記右下のコーディングツリーユニットは、前記現在の映像ユニットが位置する第1のスライスとは異なる第2のスライスに位置し、前記下のコーディングツリーユニットおよび前記右のコーディングツリーユニットは、共に前記第1のスライスに位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の利用不可のサンプルが前記現在の映像ユニットの左上のコーデイングツリーユニットに位置し、前記現在の映像ユニットの上のコーディングツリーユニット及び前記現在の映像ユニットの左のコーディングツリーユニットは共に利用可能である場合、前記第2の利用不可のサンプルを前記上のコーディングツリーユニットの位置にする最も近い近傍のサンプルでパディングする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記左上のコーディングツリーユニットは、前記現在の映像ユニットに位置する第1のスライスとは異なる第2のスライスに位置し、前記上のコーディングツリーユニットおよび前記左のコーディングツリーユニットは、共に前記第1のスライスに位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パディング処理は、前記CC-ALFツールの使用に関連する1つ以上のALF仮想境界において、前記利用不可のサンプルに適用されるミラーリングパディング(mirrored padding)に対応する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記パディング処理は、スライス、タイル、ピクチャ、サブピクチャ、または前記CC-ALFの前記適用に関連した360度の仮想境界のいずれかで、前記利用不可のサンプルに適用される片側パディングに対応する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記パディング処理は、前記CC-ALFの適用に関連する1つ以上のALF仮想境界を除く1つ以上の境界に適用される片側パディングに対応する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記変換は、前記映像を前記ビットストリームに符号化することを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記変換は、前記ビットストリームから前記映像を復号することを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
処理装置と、命令を備えた非一時的メモリとを含む映像データ処理装置であって、前記命令は、前記処理装置によって実行されると、前記処理装置に、
1つ以上のサンプルを含む映像の現在の映像ユニットと前記映像のビットストリームとの変換のために、クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)ツールを前記現在の映像ユニットの少なくともいくつかのサンプルに適用中に、利用不可のサンプルをパディングするために使用されるパディング処理を決定することと、前記現在の映像ユニットは現在のコーディングツリーユニットに対応し、
前記決定に基づいて、前記変換を行うこととと、を行わせ、
前記CC-ALFツールは、前記現在の映像ユニットの第1の色成分に適用され、前記現在の映像ユニットの第2の成分のサンプル値を使用して、前記現在の映像ユニットの前記第1の成分のサンプル値を補正することを含み、
第1の利用不可のサンプルが前記現在の映像ユニットの右下のコーディングツリーユニットに位置し、前記現在の映像ユニットの下のコーディングツリーユニットおよび前記現在の映像ユニットの右のコーディングツリーユニットが共に利用可能である場合、前記第1の利用不可のサンプルを、前記下のコーディングツリーユニットに位置する最も近い近傍のサンプルでパディングする、映像データ処理装置。
【請求項11】
命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、処理装置に、
1つ以上のサンプルを含む映像の現在の映像ユニットと前記映像のビットストリームとの変換のために、クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)ツールを前記現在の映像ユニットの少なくともいくつかのサンプルに適用中に、利用不可のサンプルをパディングするために使用されるパディング処理を決定することと、前記現在の映像ユニットは現在のコーディングツリーユニットに対応し、
前記決定に基づいて、前記変換を行うことと、を行わせ、
前記CC-ALFツールは、前記現在の映像ユニットの第1の色成分に適用され、前記現在の映像ユニットの第2の成分のサンプル値を使用して、前記現在の映像ユニットの前記第1の成分のサンプル値を補正することを含み、
第1の利用不可のサンプルが前記現在の映像ユニットの右下のコーディングツリーユニットに位置し、前記現在の映像ユニットの下のコーディングツリーユニットおよび前記現在の映像ユニットの右のコーディングツリーユニットが共に利用可能である場合、前記第1の利用不可のサンプルを前記下のコーディングツリーユニットに位置する最も近い近傍のサンプルでパディングする、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
映像処理装置によって実行される方法によって生成される映像のビットストリームを記憶する非一時的なコンピュータ可読記録媒体であって、前記方法は、
1つ以上のサンプルを含む映像の現在の映像ユニットのために、クロス成分適応ループフィルタ(CC-ALF)ツールを前記現在の映像ユニットの少なくともいくつかのサンプルに適用中に、利用不可のサンプルをパディングするために使用されるパディング処理を決定することと、前記現在の映像ユニットは現在のコーディングツリーユニットに対応し、
前記決定に基づいて、前記ビットストリームを生成することと、を含み、
前記CC-ALFツールは、前記現在の映像ユニットの第1の色成分に適用され、前記現在の映像ユニットの第2の成分のサンプル値を使用して、前記現在の映像ユニットの前記第1の成分のサンプル値を補正することを含み、
第1の利用不可のサンプルが前記現在の映像ユニットの右下のコーディングツリーユニットに位置し、前記現在の映像ユニットの下のコーディングツリーユニットおよび前記現在の映像ユニットの右のコーディングツリーユニットが共に利用可能である場合、前記第1の利用不可のサンプルを前記下のコーディングツリーユニットに位置する最も近い近傍のサンプルでパディングする、非一時的なコンピュータ可読記録媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年11月4日出願の国際特許出願第PCT/CN2020/126332号に基づく日本国特許出願第2022-525117号の分割出願であり、2019年11月4日出願の国際特許出願第PCT/CN2019/115321号の優先権および利益を主張する。前述の特許出願はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる
【外国語明細書】