(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020553
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】再循環流体加熱システム
(51)【国際特許分類】
F24H 1/18 20220101AFI20240206BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20240206BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240206BHJP
F24H 15/335 20220101ALI20240206BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20240206BHJP
【FI】
F24H1/18 J
F24H1/18 H
F24H15/215
F24H15/219
F24H15/335
F24H15/37
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023200575
(22)【出願日】2023-11-28
(62)【分割の表示】P 2019567238の分割
【原出願日】2018-06-05
(31)【優先権主張番号】62/515,831
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523191937
【氏名又は名称】オームアイキュー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン,ジェレマイア・エム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥースバーグ,エリック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ライオン,グレゴリー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ウィエコウスキー,マイケル・ジェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液体を特定の使用温度に加熱するための装置を提供する。
【解決手段】液体加熱システムは、リザーバ62に接続された入口20を有する瞬間ヒータ18を備える。ヒーターの出口22は、備品72とリザーバに接続されている。アイドルモードでは液体がヒーター内を循環し、リザーバに戻る。制御装置52は、液体を設定温度に加熱するようにヒーターを作動させ、リザーバ内の温度が設定温度で安定する。供給モードでは、加熱された液体の一部又は全てが出口から備品72に流れる。冷液が供給源60からリザーバに供給され、冷液は、望ましくは、リザーバーからの液体と共にヒータに供給され、これによって、ヒータの入口は、これらの混合物を受け入れる。制御装置は、ヒーター出口から放出される液体の温度を設定温度又はその近傍に維持しながらヒーターを設定加熱速度に維持するために、混合物におけるリザーバからの液体に対する冷液の比率を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷液供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び1つ又は複数の備品に接続された出口を有
するヒーターと、
(d)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された加熱液体戻り接続
部と、
(e)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、液体を前記リザーバーから引
出し、該液体を所定の下流方向において前記ヒーター及び前記戻り接続部を通して前記リ
ザーバーに送り出すことができる、ポンプと、
(f)前記出口における液体を設定温度にするために前記入口から前記出口に流れる液
体に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、
前記戻り接続部及び前記ポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの液
体流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への液体流れを防
ぐように、構成且つ配置されている、制御装置と、
を備える液体加熱システム。
【請求項2】
前記戻り接続部は、逆止弁を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リザーバー内の液体を超大気圧下に保持するために、前記リザーバーは、閉鎖され
、前記冷液供給源は、加圧下の冷液を供給するように構成されている、請求項2に記載の
システム。
【請求項4】
前記リザーバーが大気に開放され、これによって、前記リザーバー内の液体が大気圧下
にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプは、液体を前記ヒーターを通して前記1つ又は複数の備品に送り出すように
操作可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
液体を前記ヒーターの前記出口から引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出する
ように作動するデマンド型センサを更に備え、前記制御装置は、前記備品のいずれもが作
動していない時に液体を前記ヒーター内に送るために第1のポンプ送給電力で前記循環ポ
ンプを作動させ、前記備品の1つ又は複数が作動している時に第1のポンプ送給電力より
も高い第2のポンプ送給電力によって前記循環ポンプを作動させるように、操作可能であ
る、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記リザーバーは、未燃焼型である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記リザーバーは、積重ね型リザーバー、折畳み型リザーバー、及び現地組立型リザー
バーからなる群から選択される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記センサによって検出された温度に応じて、前記ヒーターによって
液体に供給される熱量を非ゼロ加熱速度の範囲内において変化させるように、操作可能で
ある、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記冷液供給源と前記ヒーターの前記入口との間に接続された冷液吸込接続部を更に備
え、前記制御装置は、前記吸込接続部を通る冷液流れを供給するように前記冷液吸込接続
部を作動させるように操作可能であり、これによって、冷液と前記リザーバーからの液体
との混合物が前記ヒーターの前記入口に供給される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記リザーバーから前記ヒーターの前記入口に供給される液体(ii
)に対する前記冷液吸込接続部からの冷液(i)の比率を制御し、これによって、前記ヒ
ーターから放出される液体を前記設定温度又はその近傍に維持しながら、前記ヒーターの
加熱速度を設定加熱速度又はその近傍に維持するように、操作可能である、請求項10に
記載のシステム。
【請求項12】
前記ヒーターの前記出口から流出する液体の温度を検出するように操作可能な温度セン
サを更に備え、前記制御装置は、前記温度を前記設定温度に維持するために及び前記ヒー
ターによって与えられる前記加熱速度に応じて前記比率を制御するために前記ヒーターに
よって与えられる前記加熱速度を調整するように、操作可能である、請求項11に記載の
システム。
【請求項13】
前記制御システムは、前記備品の1つ又は複数に適用される条件を表す制御入力値に応
じて前記設定温度を変更するように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御システムは、前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品のそれぞれ
の作動を表す制御入力値に応じて前記設定温度を変更するように、操作可能である、請求
項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ヒーターから流出する液体の温度を検出するように操作可能な温度センサを更に備え
、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が前記設定温度又はその近傍
にあり、前記ヒーターが熱を供給していない時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止させ
るように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記リザーバーから前記ヒーターに流れる液体の温度を検出するように操作可能な温度セ
ンサを更に備え、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が前記設定温
度又はその近傍にある時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止するように、操作可能であ
る、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御システムは、前記センサによって検出された前記温度と無関係に所定の停止期
間の後前記ポンプを再び始動し、次いで、前記センサによって検出された温度に応じて、
(i)前記ポンプを作動状態に維持し且つ前記ヒーターを作動させるか又は(ii)前記
ポンプを再び停止するように、操作可能である、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出し、要
求の検出に応じて前記設定温度を上昇させるように操作可能なデマンド型センサを更に備
え、これによって、前記ヒーターは、前記タンク内に貯留された液体の温度よりも高い温
度の加熱された液体を前記備品に供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
液体加熱システムに用いられる加熱ユニットであって、
(a)フレームと
(b)前記フレームに取り付けられる構成部品であって、
(i)入口及び出口を有するヒーターと、
(ii)前記ヒーターの前記出口に接続された出口端接続部のアセンブリであって
、リザーバー戻り接続点及び備品接続点を含む、出口端接続部のアセンブリと、
(iii)前記ヒーターの前記入口に連通するリザーバー引出し接続点を画定する
入口端接続部と、
(iv)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記ポンプは、液体を
前記入口端接続部から前記ヒーターを通して前記出口端接続部に送り出すように操作可能
であり、前記出口端接続アセンブリは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバー戻り
接続点への液体流れを可能にし、前記リザーバー戻り接続点から前記ヒーターの前記出口
及び前記備品接続点への液体流れを防ぐように配置されている、ポンプと、
(vi)前記出口を通る液体を設定温度に維持するために、前記入口から前記出口
に流れる液体に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置
と、
を含む構成部品と、
を備える加熱ユニット。
【請求項20】
前記出口端接続部は、前記ヒーターの前記出口と前記リザーバー戻り接続点との間に逆
止弁を備える、請求項19に記載のユニット。
【請求項21】
前記フレームは、筐体を画定し、前記ヒーター及び前記ポンプは、前記筐体内に配置さ
れ、前記接続点は、前記筐体の外側からアクセス可能になっている、請求項19又は20
に記載のユニット。
【請求項22】
加熱液体供給システムを組み立てる方法であって、請求項19に記載のユニットのリザ
ーバー戻り接続点及びリザーバー引出し接続点を前記ユニットと別に形成されたリザーバ
ーに接続することと、前記ユニットの前記備品接続点を加熱液体を用いるように適合され
た1つ又は複数の備品に接続することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年6月6日に出願された米国仮特許出願第62/515,831号の
利得を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、ここに含まれるも
のとする。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、流体を加熱するための装置及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの用途において、液体を特定の使用温度に加熱することが望まれている。例えば、
飲料水を供給するために用いられる配管系統は、一般的に、水道施設の接続部、井戸、又
は貯水槽のような水の供給源と、入浴、手洗い、洗濯、等の用途に温水をもたらすために
水の一部を加熱するためのヒーターとを備えている。
【0004】
主に2つの形式の液体ヒーターが前述の配管系統に用いられている。「タンク式(tank
-type)」ヒーターは、水に満たされたタンクを加熱し、使用温度の温水の予備を蓄える
ために、オイル又はガスバーナ又は電気抵抗要素のような熱源を用いる。タンクに接続さ
れた備品は、タンクの頂部から温水を間欠的に引き出し、その間、冷水が供給源からタン
クの底に流入する。典型的には、熱源は、ピーク需要の期間中にタンクから引き出される
温水の全てを置き換えるのに十分な高速度で水を加熱することができない。従って、ピー
ク需要の期間中、温水の蓄えが枯渇し、備品に供給される水の温度が低下することがある
。タンクは、加熱される圧力容器なので、通常、誤動作が起こった場合に蒸気爆発を防ぐ
ために安全特徴部を備える大型の工場で作られるユニットである。これは、タンク自体を
高価なものとし、タンクの搬送及び設置のコストも上昇させる傾向にある。更に、タンク
から周囲空気への熱損によって、通常、タンク式ヒーターは、温水が備品から引き出され
ない時でもエネルギーを消耗する。
【0005】
「瞬間(instataneous)」ヒーターは、供給源から備品に供給される水として該供給源
からの水を加熱するように構成され、多量の加熱水を貯留しない。瞬間ヒーターは、流れ
る水を加熱するように構成されたバーナー及び熱交換器、電気抵抗のような熱源、又は流
れる水内に電流を導くように構成された電極を備えている。瞬間ヒーターは、小型化する
ことができ、搬送コスト及び設置コストを抑えることができる。しかし、瞬間ヒーターは
、典型的には、ピーク需要の期間中に最大流量の水を加熱するのに十分な速度で加熱しな
ければならない。これは、ヒーターの大きさ及びコストを増大させる傾向にある。更に、
加熱速度は、利用可能な電源、例えば、利用可能な電力によって制限されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、更なる改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、液体加熱システムが提供される。本発明のこの態様によるシ
ステムは、望ましくは、リザーバーとリザーバーに連通する冷液供給源とを備えている。
システムは、望ましくは、リザーバーに接続された入口及び加熱された液体を用いる1つ
又は複数の備品に接続された出口を有するヒーターを備えている。本発明のこの態様によ
るシステムは、望ましくは、ヒーターの出口とリザーバーとの間に接続された加熱液体戻
り接続部も備えている。システムは、望ましくは、ヒーターに直列に接続されたポンプを
更に備えている。ポンプは、リザーバーから液体を引き出し、該液体を所定の下流方向に
おいてヒーター及び戻り接続部を通してリザーバーに送り出すことができる。好ましくは
、システムは、出口における液体を設定温度にするために入口から出口に流れる液体に熱
を供給するようにヒーターを作動させるように操作可能な制御装置を備えている。戻り接
続部及びポンプは、望ましくは、ヒーターの出口からリザーバーへの液体流れを可能にし
、リザーバーから戻り接続部を通る備品への液体流れを防ぐように、構成且つ配置されて
いる。本発明のこの態様によるシステムは、冷液の供給源とヒーターの入口との間に接続
された冷液吸込接続部を備えていてもよく、制御装置は、吸込接続部を通る冷液流れを阻
止するように又は冷液流れを供給するように冷液吸込接続部を作動させるように操作可能
であり、これによって、冷液とリザーバーからの液体との混合物がヒーターの入口に供給
されるようになっていてもよい。制御装置は、リザーバーからヒーターの入口に供給され
る液体(ii)に対する冷液吸込接続部からの冷液(i)の比率を制御し、これによって
、ヒーターから放出される液体を設定温度又はその近傍に維持しながら、ヒーターの加熱
速度を設定加熱速度又はその近傍に維持するように、操作可能であってもよい。以下に更
に述べるように、本発明のこの態様によるいくつかのシステムは、種々の流れ条件下にお
いて有用な加熱性能をもたらすことができる。
【0008】
本発明の更なる態様によれば、液体システムに用いられる加熱ユニットが提供される。
本発明のこの態様による加熱ユニットは、望ましくは、フレームと、フレームに取り付け
られる構成部品とを備えている。これらの構成部品は、望ましくは、入口及び出口を有す
るヒーターを含み、更にヒーターの出口に接続された出口端接続部のアセンブリであって
、リザーバー戻り接続点及び備品接続点を備える、出口端接続部のアセンブリと、ヒータ
ーの入口に連通するリザーバー引出し接続手を画定する入口端接続部とを含んでいる。フ
レームに取り付けられる構成部品は、ヒーターに直列に接続されたポンプを更に含んでい
てもよい。ポンプは、液体を入口端接続部からヒーターを通して出口端接続部に送り出す
ように操作可能であり、出口端接続アセンブリは、ヒーターの出口からリザーバー戻り接
続点への液体流れを可能にし、リザーバー戻り接続点からヒーターの出口及び備品接続点
への液体流れを防ぐように配置されていてもよい。本発明のこの態様によるユニットは、
望ましくは、出口から流れる液体を設定温度に維持するために入口から出口に流れる液体
に熱を供給するように作動するように操作可能な制御装置を更に備えている。本発明のこ
の態様のユニットは、例えば、前述のシステムの構成に用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による加熱ユニット及びシステムの一部を断面で示す図式である。
【
図2】
図1のユニット及びシステムにおいて使用可能な制御レジームを示す図式である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるユニット及びシステムを示す
図1と同様の図である。
【
図4】本発明の更に他の実施形態によるユニット及びシステムを示す
図1,3と同様の他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態によるモジュール式加熱ユニット10(
図1)は、ユニットの他の
構成部品を取り付けるために用いられるフレーム12を備えている。この実施形態では、
フレーム10は、以下に述べる他の構成部品を支持するために用いられる構造要素14と
、カバー16とを備えている。カバー16は、該カバー及び構造要素が協働して筐体を画
定するように配置されている。ユニット10の他の構成部品は、部分的又は全体的に筐体
内に配置され、従来の要素(図示せず)によってフレームに固定されるとよい。望ましく
は、ユニット10は、該ユニットが設置される場所における現地作業の必要性を軽減する
ために、例えば、工場での大量生産によって予め組み立られるとよい。
【0011】
ユニット10は、入口20及び出口22を有するヒーター18を備えている。ヒーター
18は、入口20から出口22に流れる液体を加熱するように構成且つ配置されている。
ヒーター18は、当技術分野において「瞬間(instantaneous )」ヒーターと一般的に呼
ばれる形式のヒーターであるとよい。瞬間ヒーターの1つの形態は、オーミックヒーター
である。オーミックヒーターは、電流を液体自体内に導くことによって液体を加熱する。
すなわち、液体は、電気エネルギーが液体内の熱に変換されることによって加熱される。
いくつかの特に望ましいオーミックヒーターが、米国特許第7,817,906号及び第
9,587,853号に開示されており、また国際特許出願公開第2018/08577
3号に公開されている。これらの開示内容は、参照することによって、ここに含まれるも
のとする。他の形式の瞬間ヒーターが用いられてもよい。例えば、ヒーター18は、電気
抵抗ヒーターであってもよいし、又は燃焼ヒーターであってもよい。電気抵抗ヒーターは
、液体から電気的に絶縁された固体加熱要素を通して電流を導き、該加熱要素からの熱を
液体に伝達させるように、構成されている。燃焼ヒーターは、バーナー及び熱交換器を備
え、燃焼ガスからの熱を液体に伝達させるようになっている。ヒーター18は、望ましく
は、ヒーターの作動時に本明細書において「加熱速度(heating rate)」と呼ばれる単位
時間当たりの液体に供給される熱量を非ゼロ値範囲内において変動させるように構成され
ている。このような変動は、連続的であってもよいし、又は段階的であってもよい。しか
し、変動が段階的である場合、その段階的な変動は、望ましくは、連続的な変動と近似さ
れる多数の段階を含むとよい。
【0012】
出口端接続部24は、ヒーターの出口22に接続されたパイプ26を備えている。分岐
接続パイプ27が、パイプ26から備品接続点28に延在している。他の分岐パイプ30
が、パイプ26からリザーバー戻り接続点32に延在している。逆止弁34が分岐パイプ
30に取り付けられている。逆止弁は、ヒーター出口22からリザーバー戻り接続点32
への流れを許容するが、反対方向への流れを遮断する。
【0013】
入口端接続部36が、リザーバー引出し接続点38とヒーター18の入口20との間に
延在している。ポンプ40が、入口端接続部に接続されている。従って、ポンプ40は、
ヒーター18に直列流れの形態で接続されている。ポンプは、液体をリザーバー引出し接
続点38から引出し、該液体をヒーターの入口内に送り出すことによって、液体を前方流
れ方向に移動させるように、構成且つ配置されている。この実施形態では、ポンプ38は
、比較的低出力ポンプであるとよい。
【0014】
冷水吸込接続パイプ42が、冷液供給接続点45から入口端接続部36に延在している
。スロットル弁44が、冷水吸込接続パイプ42に取り付けられている。弁44は、ソレ
ノイド駆動又はモータ駆動アクチュエータのようなアクチュエータによって、作動される
。アクチュエータは、弁44を(弁が冷水吸入口42内の流れを完全に遮断する)完全な
閉位置、(弁が冷水吸込口内の流れに低抵抗をもたらす)完全な開位置、又は中間位置に
切り替え、これによって、冷水吸込口内の流れ抵抗を変動させることができる。
【0015】
モジュール式加熱ユニット10は、ヒーターの出口22を通って備品接続点27に流れ
る液体に熱連通する温度センサ50を更に備えている。望ましくは、この温度センサは、
出口に隣接して、例えば、ヒーターの出口又はいくらか出口の上流側、具体的には、ヒー
ターの作動要素と出口との間、又は出口端接続部24のパイプ26内に配置されている。
ヒーターの作動要素の近くに温度センサを配置することによって、ヒーターの作動の変化
に応答するために温度センサに必要な時間を最小限に抑えることができる。
【0016】
ユニット10は、制御装置52を更に備えている。制御装置52は、出口の液体温度情
報を受信するために温度センサ50に連結され、制御装置がヒーターによって与えられる
加熱速度を検出し、該加熱速度を調整するためにヒーター18に連結され、制御装置がポ
ンプを作動及び停止するためにポンプ40に連結され、制御装置が弁44を開閉し、弁4
4を中間位置に調整するために弁アクチュエータ46に連結されている。制御装置52は
、以下に述べる制御操作を行うように構成されている。制御装置は、アナログ電子要素、
デジタル電子要素、又はそれらの混合電子要素を備えているとよく、光学要素、機械要素
、及び電気機械要素も備えているとよい。更に典型的には、制御装置は、以下に述べる制
御操作を行うようにプログラム化された1つ又は複数のプログラム可能なデジタルマイク
ロ電子回路を備えている。プログラムは、回路内に配線(hard-wired)によって組み込ま
れていてもよいし、又は制御装置内に組み入れられたメモリ(図示せず)内に1つ又は複
数の組の命令として記憶されていてもよい。制御装置は、記憶された設定温度及び製造中
に永久的に記憶された設定加熱速度を有していてもよいし、又は設定温度及び設定加熱速
度の一方又は両方を調整するためのユーザー調整可能なつまみ(図示せず)を有していて
もよい。制御装置は、典型的には、論理レベル信号と他の構成部品を作動するのに必要な
レベルの信号との間の変換を行うための従来のインターフェイス駆動回路(図示せず)を
備え、従来のアナログーデジタル変換器及びデジタルーアナログ変換器も備えているとよ
い。ユニット10は、電力をシステムの他の要素に供給するための適切な電力供給接続部
(図示せず)を更に備えている。ヒーターが燃焼ヒーターである場合、望ましくは、適切
な燃料接続部がユニット10内に設けられている。ヒーターに対する電力供給源及び燃料
供給接続部は、制御装置の駆動回路に接続されているとよい。制御装置は、
図1において
単一構造を有するものとして示されているが、以下に述べる種々の機能を果たす多数の要
素を備えていてもよい。また、制御装置は、フレーム10によって画定された筐体内に収
容されるものとして示されているが、制御装置を構成する要素のいくつか又は全てが制御
装置の外側に配置されていてもよい。制御装置の要素間の接続、及び制御装置とユニット
10の他の要素との間の接続は、どのような通信媒体を通してなされてもよい。
【0017】
また、ユニット10は、構成部品が機能不全に陥った場合に安全を確保するためにバッ
クアップ要素(図示せず)を備えているとよい。例えば、ユニットは、ヒーター18内の
温度が安全閾値を超えて上昇した場合にヒーター18への電力を遮断するためのフュージ
ブルリンク又は他の熱応答要素のような要素、及びヒーター内の過剰な圧力を緩和する安
全弁を備えているとよい。
【0018】
本発明の更なる実施形態による加熱流体供給システムは、ユニット10を備えている。
図1に示されるシステムは、例えば、建物又は車両内に加熱された飲料水を供給するため
に配置されている。システムは、冷水の供給源60を備えている。供給源60は、配管系
統に通常用いられる圧力、例えば、平方インチ当たり約40-約125ポンド又は約27
5-約860KPaの圧力下にある冷水を供給するために配置されている。例えば、冷液
源は、公共水道系統システムへの接続部であってもよいし、又は地方において一般的に用
いられる井戸ポンプ及び圧力タンクであってもよい。また、システムは、冷液源によって
加えられる圧力に耐えることができるタンクのような圧力容器の形態にあるリザーバー6
2を備えている。タンク62は、供給ポート64を有している。供給ポート64は、逆止
弁67を通して供給源60に接続され、これによって、供給源からの冷水がタンクの底又
はその近傍においてタンクに流入するが、水がタンクから流出することができない。また
、供給源60は、接続点45においてユニット10の冷水吸込接続パイプ42に接続され
ている。
【0019】
タンク62は、温水出口ポート66を有している。温水出口ポート66は、ユニット1
0のリザーバー引出し接続点38において入口端接続部36に接続されている。戻り流れ
チューブ68が、接続点32においてユニット10の出口端接続部24に接続されている
。戻り流れチューブは、タンク62の壁を貫通し、タンクの上端の下方及びポート66の
下方並びにタンクの底の上方で終端している。
【0020】
最も好ましくは、リザーバー又はタンク62は、内部加熱源を備えていない。換言すれ
ば、タンク62は、望ましくは、「未燃焼(unfired)」型の圧力容器である。
【0021】
出口端接続部24は、接続点28において建物又は車両内の温水配管に接続され、これ
によって、温水を用いる建物内の種々の備品72に接続されている。図式的に示されるよ
うに、備品の例としては、シャワーヘッド72a,洗濯機72b,及び飲料水調製装置7
2cのような装置が挙げられる。また、これらの備品のいくつか又は全てが、他の配管(
図示せず)によって冷水源60に接続されていてもよい。
【0022】
操作に際して、本発明の更なる態様による加熱流体を供給する方法によれば、前述のタ
ンク62並びにパイプ及び接続部は、供給源60によって加圧下で維持される。
【0023】
制御装置52は、センサ50によって測定される(ヒーターから流出する)水の温度を
監視し、この温度を設定値に維持するように加熱速度を調整し、加熱速度を設定加熱速度
に維持するように冷液吸込弁44も調整する。この制御スキームは、
図2に示されている
。ヒーター内に流れる水は、入口温度である。ヒーター18は、ヒーターを通る流量によ
って除された加熱速度と等しい量だけ水の温度を上昇させ、これによって、センサ50に
よって検出される出口温度を生じる。設定温度と出口温度との間の差は、温度エラー信号
を構成し、この温度エラー信号は、温度伝達関数S
Tを通り、処理されたエラー信号をも
たらし、加熱速度は、出口温度が低下した時に加熱速度を上昇させ、又はその逆に出口温
度が上昇した時に加熱速度を低下させるように、処理されたエラー信号に従って調整され
ることになる。伝達関数は、制御システム業界において一般的に呼称されている比例成分
、積分成分、及び微分成分の1つ又は複数を含んでいるとよい。
【0024】
また、制御装置は、ヒーター18によって与えられる加熱速度を監視し、該加熱速度を
設定加熱速度から差し引き、加熱速度エラーを生じさせる。加熱速度エラーは、加熱速度
伝達関数SHによって処理され、処理されたエラー信号を生じる。ここでも、伝達関数は
、比例成分、積分成分、及び微分成分の1つ又は複数を含んでいるとよい。もし加熱速度
が設定加熱速度未満であるなら、制御装置は、弁アクチュエータ46を作動させ、これに
よって冷水吸込弁44を徐々に開かせ、弁44を通る流れ抵抗を減少させるとよい。
【0025】
アイドル条件下では、水が備品72(
図1)によってシステムから引き出されないので
、冷液吸込弁44を横切る差圧が殆ど又は全く生ぜず、これによって、弁の開閉に関わら
ず、冷液吸込接続部42を通る流れが本質的に存在しない。この条件下では、ポンプ40
は、水をタンクから温水出口66、ヒーター18、出口端接続部24、及びチューブ68
を通してタンクに戻るように循環させる。従って、ヒーター内を通る水の入口温度は、タ
ンクの頂部の近くの水の温度と等しくなる。タンク62が冷水によって満たされている開
始時、この温度は、設定温度よりも遥かに低く、制御装置は、ヒーター18を高加熱速度
に調整する。加熱操作が継続されると、加熱された水がタンクの頂部の近くまで貯まり、
入口温度は、設定値からの予設定公差内において徐々に上昇し、加熱速度がゼロまで減少
する。もし加熱速度が一定間隔にわたってゼロに維持されたなら、制御装置は、ある停止
間隔、例えば、数分から30分の間、ポンプ及びヒーターを停止し、次いで、この停止間
隔の終端においてポンプ40を作動させ、ヒーター18を作動させることなく、センサ5
0によって出口温度の監視を再開する。もし水がある期間、例えば、数分間にわたって循
環した後にこの温度が所定の公差を超えて設定温度未満に維持されたなら、制御装置は、
ポンプ40の操作を維持しながら、ヒーター18を作動させる。もしヒーター18が停止
している間に循環水の温度が設定温度又はその公差内にあったなら、制御装置は、ヒータ
ーを停止させたまま、ポンプも停止させ、他の停止間隔にわたって待機し、次いで、前述
のステップを繰り返す。従って、タンク62の頂部の近くの水が設定温度又はその近傍に
あり、水がシステムから引き出されない限り、制御装置は、ヒーターを作動させず、ポン
プのみを短間隔にわたって作動させる。典型的には、タンクの頂部近くの温水は、タンク
の底の近くのより冷えた水への伝導及び対流の熱伝達によって迅速に冷却される。従って
、大抵の場合、タンク62が設定温度に近い温度の温水によって実質的に満たされるまで
、ポンプ及びヒーターは、継続的に作動されることになる。いったんタンクが温水によっ
て実質的に満たされたなら、ヒーターは、タンクからの熱損を補うために間欠的に作動さ
れればよい。
【0026】
備品の1つ又は複数が開かれ、温水をシステムを引き出す時、システムは、供給モード
で作動する。この作動モードでは、供給源60からの冷水が冷液吸込ポート64を通して
タンクの底内に流入すると共に弁44を通して入口端接続部36内にも流入し、これによ
って、ポンプ40は、タンクから引き出された温水と冷水との混合物をヒーターの入口に
送達する。これは、センサ50によって測定される出口温度を低下させる傾向にあり、制
御システムは、加熱速度を上昇させることによってこれに応じることになる。もし加熱速
度が設定加熱速度を超えたなら、制御装置は、弁44の開度を絞るようにアクチュエータ
46を作動させ、これによって、冷液吸込接続部42と入口端接続部36との間の流れ抵
抗を増大させ、その結果、弁44を通る冷水流れを低減させ、タンクの底のポート64を
通る冷水流れを増大させる。これは、ポンプ40によって供給される水におけるタンクの
頂部から引き出される温水の比率を増大させ、入口温度を上昇させる。従って、システム
は、平衡条件に達する傾向にあり、ヒーターが設定加熱速度で作動され、出口温度が設定
温度と等しくなる。換言すれば、ヒーターを通る流量は、備品72の要求によって変化す
る。制御装置は、ヒーターの入口から供給される冷水入口接続部の冷水に対するリザーバ
ーから引き出される温水の比率を調整し、これによって、ヒーターの入口から入る水の入
口温度を調整し、その結果、支配的な流速において、ヒーターは、設定加熱速度で作動さ
れ、設定温度と等しい出口温度を生じることになる。
【0027】
望ましくは、設定加熱速度は、ヒーターがもたらす最大加熱速度であるか又は最大加熱
速度よりもいくらか低い。備品が適度の温水流れしか引き出さない場合、弁44は、完全
に開き、これによって、システムから出る温水の全てが冷水入口を通る水によって置き換
えられ、設定温度に加熱される。この条件下では、システムは、無限の時間、具体的には
理論的に無限の時間にわたって、タンク62に貯留される温水を枯渇させないように作動
される。この作動条件下では、ヒーターは、継続的に設定加熱速度未満の加熱速度で作動
する。備品がシステムから多量の温水を引き出す場合、弁44は、部分的に閉鎖され、多
量の温水がタンクから引き出され、タンクの底において入口ポート64を通してタンクに
入る冷水によって置き換えられる。しかし、ヒーターが設定加熱速度未満に維持されてい
る限り、弁44は、完全に閉鎖されない。この条件下では、ヒーター18は、システムが
設定温度の温水を継続的に供給する時間を延ばすように作動する。換言すれば、この条件
下では、ヒーター18は、タンク62の枯渇を遅らせるように作動する。この供給モード
では、水がヒーター18を介してのみリザーバー62から備品72に流れ、入口20から
出口22に向かって下流方向にヒーターを通ってのみ流れる。
【0028】
図1を参照して前述したヒーターの数多くの特徴は、変更されてもよい。例えば、出口
端接続部24は、リザーバー又はタンク62に接続されてもよく、この場合、温水は、リ
ザーバーの底又はその近傍においてリザーバーに戻され、戻された温液と冷液とをタンク
62内においてより混合させることができる。これは、タンク62内に均一な温度分布を
もたらす傾向にある。このような一構成では、出口端接続部24の戻り流体接続点24は
、例えば、逆止弁67と冷水入口ポートとの間においてタンクの冷水入口ポート64に接
続されてもよい。
【0029】
前述の温度調整フィードバック制御システム以外の制御スキームが用いられてもよい。
本発明の更なる実施形態によるシステム(
図3)は、
図1,2に関連して前述したシステ
ムと略同様であるが、冷液入口パイプ142に関連する流れセンサ104及び温度センサ
102を有している。流れセンサ106及び温度センサ108が、入口端接続部136の
区域101に設けられている。区域101は、リザーバー162に接続され、使用中にリ
ザーバーから水のみを運ぶ区域である。出口端接続部は、圧力センサ103及び流れセン
サ119を備えている。これらのセンサの全てが制御装置152に連結されている。ここ
でも、スロットル弁144が冷液入口パイプ142と入口端接続部136との間に設けら
れている。弁144は、制御装置152に連結されたアクチュエータによって制御される
。制御装置162に連結された他のスロットル弁及びアクチュエータが、出口端接続部1
24においてヒーターの出口122とリザーバー162への戻り流れ接続部との間に設け
られている。逆止弁が、出口端接続部と建物の温水配管170との間の接続部に設けられ
、配管及び部品172からの水の逆流を防ぐようになっている。
【0030】
この実施形態では、リザーバー162は、未加圧及び未燃焼式の容器である。リザーバ
ーは、貯留された水の汚染を防ぐためにカバー163を備えているが、このカバーは、リ
ザーバーが大気と連通するために緩く嵌合されている。冷水供給源160は、リザーバー
162内に位置するフロート169によって作動されるフロート弁167を介してリザー
バー162と連通している。弁167は、リザーバー内の水レベルが低下した時に開き、
水レベルが上昇した時に閉鎖し、これによって、必要に応じて、リザーバーの底に隣接す
る箇所からの水の流入を可能にし、実質的に一定レベルの水をリザーバー内に保持するよ
うになっている。
【0031】
操作に際して、制御装置152は、ポンプ40を作動させ、水をヒーター118内に送
給する。制御装置は、弁111を調整し、センサ103によって検出される圧力に応じて
ポンプ140の操作速度を調整し、これによって、出口端接続部の圧力を一定に維持する
。アイドル操作中、備品172からの要求がないので、流れセンサ119は、建物配管1
70への出口端接続部を通る流れがゼロであることを示す。制御装置は、スロットル弁1
11を開状態で維持し、スロットル弁144を閉鎖し、その一方、液体をヒーター内に循
環させるために、ポンプ140を比較的低出力で作動させる。この条件下では、ポンプは
、単純にヒーター及びリザーバーを通る水を再循環させる。制御装置152は、センサ1
06によって検出された流量及びセンサ108によって検出された水温度に応じてヒータ
ー140の加熱速度を設定し、これによって、ヒーターは、循環水の温度を設定温度に上
昇させる。
【0032】
備品172の1つ又は複数が開き、温水を引き出す時、備品への流れがセンサ119に
よって検出される。これに応じて、制御装置は、能動的供給モードに入る。このモードで
は、制御装置は、ヒーター118の加熱速度を設定加熱速度に設定し、ポンプ140によ
って送達されるポンプ送給出力を高レベルに上昇させ、部分的に又は全体的にスロットル
弁111を閉鎖し、センサ103によって検出される圧力を所望レベルに維持する。圧力
を維持するのに必要なスロットル弁111の設定は、備品172の要求によって変化する
。すなわち、要求が増すと、弁111は、徐々に閉鎖し、ヒーター118からリザーバー
162に戻る加熱された水の量を減らすことになる。弁111が備品からの要求に応じて
開閉すると、ヒーターを通る全流量が変化する。備品172が水を適度に引き出す場合、
制御装置110は、センサ104によって検出される冷水の流量とセンサ106によって
検出される温水の流量とを合計することによって、全流量を監視し、支配的な流量及び設
定加熱速度においてヒーターから流出する水が設定温度になるように、温水と冷水との混
合物を送達するようにスロットル弁144を調整する。ここでも、温水と冷水との混合物
をヒーターに供給し、この混合物をヒーターによって設定温度に加熱することによって、
システムは、設定温度の水を長期にわたって供給することが可能になる。
【0033】
いくつかの作動条件下において、例えば、リザーバー162からの水が設定温度よりも
遥かに低い温度にある場合、制御装置144は、設定温度に加熱されるべき混合物が設定
加熱速度に達する前に、弁144を完全閉状態にする。もし設定加熱速度がヒーターの最
大加熱速度未満であったなら、制御装置は、加えられる加熱速度を設定加熱速度を超える
まで増大させる。他の作動条件下では、例えば、備品172が低流量の水を引き出し、リ
ザーバー172から引き出される水が設定温度又はその近傍にある場合、設定加熱速度で
のヒーターの作動によって、弁144が完全に開いていても、ヒーター118内を通る水
を設定温度を超える温度に加熱する。この条件下において、制御装置110は、与えられ
る加熱速度を設定速度未満に低下させる。
【0034】
前述の実施形態において用いられるセンサ及び制御システムは、変更されてもよい。例
えば、
図3を参照して述べた流れ検知式制御スキームは、
図1と同様の加圧リザーバーを
用いる実施形態に用いられてもよい。逆に、
図1を参照して述べた温度検知フィードバッ
ク制御システムは、
図3を参照して述べたポンプ送給システムに用いられてもよい。
【0035】
図3のシステムがアイドル条件下にある時、制御装置は、ポンプ140及びヒーター1
18を停止間隔にわって停止し、次いで、ポンプを再始動させる。ここでも、もしリザー
バーから引き出される水の温度がポンプの再始動後に設定温度又はその近傍にあったなら
、制御装置は、更なる停止間隔にわたってポンプを停止してもよい。もしそうでないなら
、制御装置は、ポンポの操作を維持し、ヒーターを始動させる。
【0036】
前述のシステムでは、流れが調整可能な弁によって部分的に制御されるようになってい
る。これらは、可変流れをもたらすことができる他の要素、例えば、冷水吸込口、リザー
バー引出し接続部、及びリザーバーへの戻り接続部に関連付けられた可変速度ポンプによ
って置き換えられてもよい。また、前述の実施形態では、冷水入口接続部を通る流れは、
リザーバーの冷水入口への接続部を絞るか又は該接続部にポンプ送給することによって間
接的に制御されてもよい。例えば、
図1を参照して述べた実施形態では、スロットル弁4
4は、冷水入口接続部44ではなくリザーバーの冷水入口64内への接続部内に設けられ
てもよい。この構成では、スロットル弁の閉鎖が入口接続部を通して冷水の流れを増大さ
せる。更なる構成では、スロットル弁44は、レザーバ引出し接続部38に再配置され、
リザーバー62からの温水を制御するようになっていてもよい。これらの構成のいずれも
、リザーバーからの水と冷水入口接続部からの水との比率を制御し、混合物をヒーター入
口20内に送るようになっている。また、ポンプは、ヒーターの出口の下流に接続されて
もよいし、又はヒーター内に組み込まれてもよい。
【0037】
前述の検討では、設定温度は、一定値として処理されている。しかし、制御装置は、設
定温度を変化させてもよい。例えば、水が備品に流れない時に第1の比較的低い設定温度
が設定され、水が備品に流れる時に第2のより高い設定温度が設定されてもよい。この構
成では、リザーバー内の水の温度は、第1の設定温度で安定になり、第2のより高い設定
温度において水が備品に供給される。この構成は、リザーバーの熱損を低減させるのみな
らず、より高い設定温度で備品に送達される最大流量を低減させる。この構成の変更例で
は、低要求が予測され時、例えば、典型的な個人住宅の夜間のみにおいて、第1の低設定
温度が設定されるとよい。
【0038】
本発明の更なる実施形態によるシステム(
図4)は、前述の
図1,2のシステムと略同
様である。しかし、出口端接続部224は、ヒーターの出口222及び3つの出口接続パ
イプ227a,227b,227cに接続されたマニホールドを備えている。各出口接続
パイプ227は、該当する遮断弁201a,201b,201cを備えている。遮断弁2
01a,201b,201cは、該遮断弁を開閉することができるソレノイド機構又はモ
ータ機構のようなアクチュエータを有している。マニホールド226は、リザーバー戻り
接続点及びリザーバー268内に延在する戻り導管268に繋がる分岐パイプ230に接
続されている。
【0039】
入口端接続部236は、ここでも、ポンプ240を備え、リザーバー引出し接続部23
8を通してリザーバーの温水出口ポート266に接続されている。冷水入口接続部242
は、ここでも、スロットル弁246を介して入口端接続部に接続されている。バイパスパ
イプ203が、リザーバー引出し接続点238と入口端コネクタ及び冷水入口間の接合部
との間の箇所において、入口端コネクタ236に連通している。逆止弁207が、バイパ
スパイプ203との接合部と冷水入口242との接合部との間において、入口端コネクタ
に設けられている。逆止弁は、
図4に示されるように上向きの方向の流れを可能にするが
、その逆の流れを遮断する。バイパスパイプは、出口接続パイプの弁201cの下流の点
において、出口接続パイプ227の1つと連通している。バイパス制御弁205が、バイ
パスパイプ205に接続されている。バイパス制御弁205は、関連するアクチュエータ
を有している。再循環遮断弁215が、入口端接続構造に対する出口端接続構造の分岐パ
イプ205に接続されている。制御装置は、マニホールド226からリザーバーへの逆流
を防ぐために弁215を閉鎖し、このような流れを可能にするために開放させる。前述の
弁のアクチュエータは、制御装置205に連結され、制御装置がこれらの弁の全てを作動
させることができる。
【0040】
この実施形態では、出口端接続部224は、逆止弁を備えていない。代わって、ポンプ
240は、再循環遮断弁215が開いている時はいつでも連続的に作動し、リザーバー2
63内の圧力よりも高い出口端接続部内の圧力を維持し、これによって、リザーバーから
出口端接続部への流れを阻止するするようになっている。
【0041】
制御装置252は、信号受信機253、例えば、無線受信機又はネットワーク接続可能
な受信機、例えば、インターネット接続可能な受信機を備えている。
【0042】
出口接続パイプ227の各々は、適切な個々の接続ラインを通して異なる備品に接続さ
れている。この場合、種々の備品は、種々の温度の温水を必要とする。例えば、出口接続
パイプ227cは、備品272c、例えば、人の皮膚と接触するように送達されるために
用いられるシャワーヘッド又はシンクに接続され、第1の最低使用温度、例えば、約10
5-110F°(40-43℃)の温水を必要とする。出口接続パイプ227bは、第2
の高使用温度、例えば、140-160F°(60-71℃)の温水を必要とする食器洗
い機又は洗濯機のような備品172bに接続されている。出口接続パイプ227cは、第
3の更に高い使用温度、例えば、190-200F°(88-93℃)の温水を必要とす
るコーヒー湯沸器のような備品に接続されている。備品の各々は、該当する送信機211
を備えている。送信機211は、受信機253によって受信可能な形態の信号を送信する
ように構成され、温水を必要とする特別の備品を指す予信号化されたコードによって関連
する備品を識別する。
【0043】
アイドルモーでは、制御装置252は、出口弁201a-201c及びバイパス弁20
5を閉状態で維持し、再循環遮断弁215を開き、これによって、水をマニホールド22
6からリザーバー262に導く。アイドリモードでは、制御装置は、設定温度を接続され
た備品のいくつかによって必要とされる最低水温度に対応する第1の使用温度に維持する
。前述の手法と同様、ヒーターは、リザーバー262内の水を第1の使用温度に加熱し、
該水をこの温度に維持するように作動する。備品の1つが温水を要求したなら、該備品が
関連する送信機211を通して信号を送信する。もしこの信号が第2又は第3の使用温度
の水が供給されねばならないことを指示したなら、制御装置は、ヒーター218の設定温
度を第2又は第3の使用温度に調整する。温度センサ250がヒーター218から放出さ
れる水が新しい設定温度に達したことを示したなら、制御装置は、信号を送信した備品に
関連する出口接続パイプを開くことになる。例えば、もし備品272aが信号を送信した
なら、ヒーターは、設定温度を第3の使用温度に高め、次いで、弁201aを開く。制御
装置は、リザーバー262内の水の温度を第1の使用温度に保つために、再循環弁215
をを部分的又は完全に閉鎖するとよい。システムは、備品272aがもはや水を必要とし
ないことを示す他の信号を送信するまで、この状態を維持する。もし備品の1つに水を供
給している間に、他の備品が更なる信号を送信したなら、制御装置は、他の出口弁を閉状
態で維持する、制御装置は、この更なる信号を単に無視するか、又はこの要求を順番待ち
の要求として記憶し、後で実行することになる。しかし、もし第1の備品272がこの時
に水を要求したなら、制御装置は、出口弁201cを閉位置に維持し、バイパス制御弁2
05を開くことによってこの要求に応え、これによって、第1の使用温度の水がヒーター
を通らずにリザーバーから備品272cに供給されることになる。
【0044】
いったん最初に水を要求した備品が該要求が果たされたことを示す信号を送信したなら
、制御装置252は、設定温度を第1の使用温度に戻し、アイドルモード操作に復帰する
。
【0045】
この開示に用いられる「パイプ」という用語は、圧力下で流動液体を移送することがで
きる任意の要素を含むと理解されたい。従って、「パイプ」という用語は、非円形断面の
柔軟なホース、導管及びチューブ、並びに円形断面の一般的な剛性パイプのような構造体
を含むことになる。
【0046】
本発明によるシステム、ユニット、及び方法は、水以外の流体を加熱するために適用さ
れてもよい。また、「冷(cold)」及び「温(hot)」という用語は、本発明の用途が通
常の配管システムに適用された場合の温度範囲に制限されるものではない。例えば、溶融
金属又は溶融塩のような液体を取り扱う工業システムにおいて、「冷」液体は、数百℃の
温度の場合もあり、「温」液体は、更に高い温度の場合もある。
【0047】
以下の段落において、本発明のいくつかの付加的な態様が記載されている。
【0048】
リザーバーと、リザーバーに連通する冷液供給源と、リザーバーの頂部に隣接するレベ
ルでリザーバーに連通するリザーバー引出し接続部を介してリザーバーに接続された入口
と1つ又は複数の備品に接続された出口とを有するヒーターと、ヒーターの出口に接続さ
れた加熱液体戻り接続部であって、リザーバー引出し接続部のレベルの下方において流体
をリザーバーに戻すようにリザーバーと連通する、加熱液体戻り接続部と、出口における
液体を設定温度にするために入口から出口に流れる液体に熱を供給するようにヒーターを
作動するように操作可能な制御装置と、を備える液体加熱システムであって、ヒーター、
ポンプ、及び接続部は、リザーバーからの液体がリザーバー引出し接続部を介してのみヒ
ーターを通って流れ、リザーバー戻り接続部を介してのみヒーターからリザーバーに流れ
るように構成且つ配置されている、液体加熱システム。
【0049】
加熱液体供給システムを操作する方法であって、
(a)アイドルモードにおいて、液体をリザーバーからヒーターの入口に引き出し、液
体を加熱するようにヒーターを作動させ、液体をリザーバーに戻し、リザーバー内の液体
が第1の設定温度に達するようにヒーターの作動を制御するステップと、
(b)供給モードにおいて、冷液とリザーバーからの液体の混合物を供給するために、
液体をリザーバーからヒーター内に引き出すと共に第1の設定温度よりも低い温度の冷液
をリザーバーに供給し、混合物を第1の設定温度以上の設定温度に加熱するようにヒータ
ーを制御し、ヒーターが設定加熱速度で作動するように混合物におけるリザーバーからの
液体(i)と冷液(ii)との比率を制御し、加熱された混合物の少なくとも一部を備品
に放出するステップと、
を含む方法。
【0050】
アイドルモード及び供給モードのいずれにおいてもリザーバーからヒーターに液体を引
き出すステップは、リザーバーの頂部に隣接する箇所から液体を引き出すことを含む、段
落0049に記載の方法。
【0051】
(a)リザーバーと、
(b)リザーバーに連通する冷液供給源と、
(c)リザーバーに接続された入口及び1つ又は複数の備品に接続された出口を有する
ヒーターと、
(d)冷液供給源と前記ヒーターの前記入口との間に接続された冷液吸込接続部と、
(e)ヒーターの出口とリザーバーとの間に接続された戻り接続部と、
(f)ヒーターに直列に接続されたポンプであって、リザーバーから液体を引き出し、
該液体を所定の下流方向においてヒーター及びリザーバーの戻り接続部を通ってリザーバ
ーに送り出すことができる、ポンプと、
(g)ヒーターを作動させ、入口から出口に流れる液体に熱を供給し、ヒーターによっ
て液体に供給される熱量を加熱速度の範囲内において変化させるように操作可能な制御装
置であって、ヒーターの入口に供給されるリザーバーからの液体(ii)に対する冷液吸
込接続部からの冷液(i)の比率を制御し、これによって、ヒーターの出口から放出され
る液体を設定温度又はその近傍に維持しながら、ヒーターの加熱速度を設定加熱速度又は
その近傍に維持するように、操作可能である、制御装置と、
を備える液体加熱システム。
【0052】
ヒーターは、リザーバーの頂部に隣接してリザーバーに接続されている、段落0051
に記載のシステム。
【0053】
以上、本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発
明の原理及び用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。それ故、添付の請求項に
記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対して多く
の修正がなされてもよく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷液供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び1つ又は複数の備品に接続された出口を有するヒーターと、
(d)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された加熱液体戻り接続部と、
(e)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記リザーバーから液体を引き出し、該液体を所定の下流方向において前記ヒーター及び前記戻り接続部を通して前記リザーバーに送り出すことができる、ポンプと、
(f)前記出口における液体を設定温度にするために前記入口から前記出口に流れる液体に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、前記戻り接続部及び前記ポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの液体流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への液体流れを防ぐように、構成且つ配置されている、制御装置と、
(g)以下の温度センサ:
(i)前記ヒーターから外に流れる液体の温度を検出するように操作可能な温度センサであって、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が前記設定温度又はその近傍にあり、前記ヒーターが熱を供給しない時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止するように操作可能であり、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度と無関係に停止期間の後前記ポンプを再び作動させ、次いで、前記センサによって検出された温度に応じて、(a)前記ポンプの作動を維持し、前記ヒーターを作動させるか、又は(b)前記ポンプを再び停止させるように操作可能である、温度センサ、
又は
(ii)前記リザーバーから前記ヒーターに流れる液体の温度を検出するように操作可能な温度センサであって、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が設定温度又はその近傍にある時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止するように操作可能であり、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度と無関係に停止期間の後前記ポンプを再び作動させ、次いで、前記センサによって検出された温度に応じて、(a)前記ポンプを作動状態で維持し、前記ヒーターを作動させるか、又は(b)前記ポンプを再び停止させるように操作可能である、温度センサ
のいずれか1つと、
を備える液体加熱システム。
【請求項2】
温水を建物又は車両内の備品に前記建物又は車両の配管系統を通して供給するための加熱システムであって、
(a)大気に開いた未燃焼型リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷水供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び前記建物又は車両の配管系統のパイプを通して前記備品に接続された出口を有するヒーターと、
(d)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された加熱水戻り接続部と、
(e)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記リザーバーから水を引き出し、該水を所定の下流方向において前記ヒーター内に送り出し、次いで、(i)前記戻り接続部を通して前記リザーバーに送り出すと共に(ii)前記配管系統の前記パイプを通して前記1つ又は複数の備品に送り出しことができる、ポンプと、
(f)前記出口における水を設定温度にするために前記入口から前記出口に流れる水に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、前記戻り接続部及び前記ポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの水の流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への水の流れを防ぐように構成且つ配置されている、制御装置と、
を備える加熱システム。
【請求項3】
前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出するように操作可能なデマンド型センサを更に備え、前記制御装置は、前記前記備品のいずれもが作動していない時に液体をヒーター内に送り出すために第1のポンプ送給電力で前記循環ポンプを作動させ、前記備品の1つ又は複数が作動している時に前記第1のポンプ送給電力よりも高い第2のポンプ送給電力によって前記循環ポンプを作動させるように、操作可能である、請求項2に記載の加熱システム。
【請求項4】
前記リザーバーは、積重ね型リザーバー、折畳式リザーバー、及び現地で構築されるタンクからなる郡から選択される、請求項2又は3に記載の加熱システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
以上、本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理及び用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。それ故、添付の請求項に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対して多くの修正がなされてもよく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。
なお、本出願の原出願の出願当初の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
(a)リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷液供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び1つ又は複数の備品に接続された出口を有するヒーターと、
(d)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された加熱液体戻り接続部と、
(e)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、液体を前記リザーバーから引出し、該液体を所定の下流方向において前記ヒーター及び前記戻り接続部を通して前記リザーバーに送り出すことができる、ポンプと、
(f)前記出口における液体を設定温度にするために前記入口から前記出口に流れる液体に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、 前記戻り接続部及び前記ポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの液体流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への液体流れを防ぐように、構成且つ配置されている、制御装置と、
を備える液体加熱システム。
[請求項2]
前記戻り接続部は、逆止弁を備える、請求項1に記載のシステム。
[請求項3]
前記リザーバー内の液体を超大気圧下に保持するために、前記リザーバーは、閉鎖され、前記冷液供給源は、加圧下の冷液を供給するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
[請求項4]
前記リザーバーが大気に開放され、これによって、前記リザーバー内の液体が大気圧下にある、請求項1に記載のシステム。
[請求項5]
前記ポンプは、液体を前記ヒーターを通して前記1つ又は複数の備品に送り出すように操作可能である、請求項4に記載のシステム。
[請求項6]
液体を前記ヒーターの前記出口から引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出するように作動するデマンド型センサを更に備え、前記制御装置は、前記備品のいずれもが作動していない時に液体を前記ヒーター内に送るために第1のポンプ送給電力で前記循環ポンプを作動させ、前記備品の1つ又は複数が作動している時に第1のポンプ送給電力よりも高い第2のポンプ送給電力によって前記循環ポンプを作動させるように、操作可能である、請求項5に記載のシステム。
[請求項7]
前記リザーバーは、未燃焼型である、請求項1に記載のシステム。
[請求項8]
前記リザーバーは、積重ね型リザーバー、折畳み型リザーバー、及び現地組立型リザーバーからなる群から選択される、請求項7に記載のシステム。
[請求項9]
前記制御装置は、前記センサによって検出された温度に応じて、前記ヒーターによって液体に供給される熱量を非ゼロ加熱速度の範囲内において変化させるように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
[請求項10]
前記冷液供給源と前記ヒーターの前記入口との間に接続された冷液吸込接続部を更に備え、前記制御装置は、前記吸込接続部を通る冷液流れを供給するように前記冷液吸込接続部を作動させるように操作可能であり、これによって、冷液と前記リザーバーからの液体との混合物が前記ヒーターの前記入口に供給される、請求項9に記載のシステム。
[請求項11]
前記制御装置は、前記リザーバーから前記ヒーターの前記入口に供給される液体(ii)に対する前記冷液吸込接続部からの冷液(i)の比率を制御し、これによって、前記ヒーターから放出される液体を前記設定温度又はその近傍に維持しながら、前記ヒーターの加熱速度を設定加熱速度又はその近傍に維持するように、操作可能である、請求項10に記載のシステム。
[請求項12]
前記ヒーターの前記出口から流出する液体の温度を検出するように操作可能な温度センサを更に備え、前記制御装置は、前記温度を前記設定温度に維持するために及び前記ヒーターによって与えられる前記加熱速度に応じて前記比率を制御するために前記ヒーターによって与えられる前記加熱速度を調整するように、操作可能である、請求項11に記載のシステム。
[請求項13]
前記制御システムは、前記備品の1つ又は複数に適用される条件を表す制御入力値に応じて前記設定温度を変更するように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
[請求項14]
前記制御システムは、前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品のそれぞれの作動を表す制御入力値に応じて前記設定温度を変更するように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
[請求項15]
前記ヒーターから流出する液体の温度を検出するように操作可能な温度センサを更に備え、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が前記設定温度又はその近傍にあり、前記ヒーターが熱を供給していない時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止させるように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
[請求項16]
前記リザーバーから前記ヒーターに流れる液体の温度を検出するように操作可能な温度センサを更に備え、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が前記設定温度又はその近傍にある時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止するように、操作可能である、請求項1に記載のシステム。
[請求項17]
前記制御システムは、前記センサによって検出された前記温度と無関係に所定の停止期間の後前記ポンプを再び始動し、次いで、前記センサによって検出された温度に応じて、(i)前記ポンプを作動状態に維持し且つ前記ヒーターを作動させるか又は(ii)前記ポンプを再び停止するように、操作可能である、請求項15又は16に記載のシステム。
[請求項18]
前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出し、要求の検出に応じて前記設定温度を上昇させるように操作可能なデマンド型センサを更に備え、これによって、前記ヒーターは、前記タンク内に貯留された液体の温度よりも高い温度の加熱された液体を前記備品に供給する、請求項1に記載のシステム。
[請求項19]
液体加熱システムに用いられる加熱ユニットであって、
(a)フレームと
(b)前記フレームに取り付けられる構成部品であって、
(i)入口及び出口を有するヒーターと、
(ii)前記ヒーターの前記出口に接続された出口端接続部のアセンブリであって、リザーバー戻り接続点及び備品接続点を含む、出口端接続部のアセンブリと、
(iii)前記ヒーターの前記入口に連通するリザーバー引出し接続点を画定する入口端接続部と、
(iv)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記ポンプは、液体を前記入口端接続部から前記ヒーターを通して前記出口端接続部に送り出すように操作可能であり、前記出口端接続アセンブリは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバー戻り接続点への液体流れを可能にし、前記リザーバー戻り接続点から前記ヒーターの前記出口及び前記備品接続点への液体流れを防ぐように配置されている、ポンプと、
(vi)前記出口を通る液体を設定温度に維持するために、前記入口から前記出口に流れる液体に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置と、
を含む構成部品と、
を備える加熱ユニット。
[請求項20]
前記出口端接続部は、前記ヒーターの前記出口と前記リザーバー戻り接続点との間に逆止弁を備える、請求項19に記載のユニット。
[請求項21]
前記フレームは、筐体を画定し、前記ヒーター及び前記ポンプは、前記筐体内に配置され、前記接続点は、前記筐体の外側からアクセス可能になっている、請求項19又は20に記載のユニット。
[請求項22]
加熱液体供給システムを組み立てる方法であって、請求項19に記載のユニットのリザーバー戻り接続点及びリザーバー引出し接続点を前記ユニットと別に形成されたリザーバーに接続することと、前記ユニットの前記備品接続点を加熱液体を用いるように適合された1つ又は複数の備品に接続することと、を含む方法。
また、前記原出願における令和2年2月6日付手続補正後の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]
(a)リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷液供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び1つ又は複数の備品に接続された出口を有するヒーターと、
(d)冷液供給源と前記ヒーターの前記入口との間に接続された冷液吸込接続部と、
(e)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された戻り接続部と、
(f)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記リザーバーから液体を引出し、該液体を所定の下流方向において前記ヒーター及び前記戻り接続部を通して前記リザーバーに送り出すことができる、ポンプと、
(g)前記入口から前記出口に流れる液体に熱を供給し、前記ヒーターによって前記液体に供給される熱量を加熱速度の範囲内において変化させるように、前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、前記リザーバーから前記ヒーターの前記入口に供給される液体(ii)に対する前記前記冷液吸込接続部からの冷液(i)の比率を制御し、これによって、前記ヒーターの前記出口から放出される液体を設定温度又はその近傍に維持しながら、前記ヒーターの加熱速度を設定加熱速度又はその近傍に維持するように、操作可能である制御装置
と、
を備える液体加熱システム。
[請求項2]
前記ヒーターの前記出口から流出する液体の温度を検出するように操作可能な温度センサを更に備え、前記制御装置は、前記温度を前記設定温度に維持するために及び前記ヒーターによって与えられる前記加熱速度に応じて前記比率を制御するために前記ヒーターによって与えられる前記加熱速度を調整するように、操作可能である、請求項1に記載の液体加熱システム。
[請求項3]
前記戻り接続部及びポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの液体流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への液体流れを防ぐように、構成且つ配置されている、請求項1又は2に記載の液体加熱システム。
[請求項4]
前記制御システムは、前記備品の1つ又は複数に適用される条件を表す制御入力値に応じて前記設定温度を変更するように、操作可能である、請求項1に記載の液体加熱システム。
[請求項5]
前記制御システムは、前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品のそれぞれの作動を表す制御入力値に応じて前記設定温度を変更するように、操作可能である、請求項1に記載の液体加熱システム。
[請求項6]
前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出し、要求の検出に応じて前記設定温度を上昇させるように操作可能なデマンド型センサを更に備え、これによって、前記ヒーターは、前記タンク内に貯留された液体の温度よりも高い温度の加熱された液体を前記備品に供給する、請求項1に記載の液体加熱システム。
[請求項7]
(a)リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷液供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び1つ又は複数の備品に接続された出口を有するヒーターと、
(d)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された加熱液体戻り接続部と、
(e)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記リザーバーから液体を引き出し、該液体を所定の下流方向において前記ヒーター及び前記戻り接続部を通して前記リザーバーに送り出すことができる、ポンプと、
(f)前記出口における液体を設定温度にするために前記入口から前記出口に流れる液体に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、前記戻り接続部及び前記ポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの液体流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への液体流れを防ぐように、構成且つ配置されている、制御装置と、
(g)以下の温度センサ:
(i)前記ヒーターから外に流れる液体の温度を検出するように操作可能な温度センサであって、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が前記設定温度又はその近傍にあり、前記ヒーターが熱を供給しない時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止するように操作可能であり、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度と無関係に停止期間の後前記ポンプを再び作動させ、次いで、前記センサによって検出された温度に応じて、(a)前記ポンプの作動を維持し、前記ヒーターを作動させるか、又は(b)前記ポンプを再び停止させるように操作可能である、温度センサ、
又は
(ii)前記リザーバーから前記ヒーターに流れる液体の温度を検出するように操作可能な温度センサであって、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度が設定温度又はその近傍にある時、前記ポンプ及び前記ヒーターを停止するように操作可能であり、前記制御システムは、前記センサによって検出された温度と無関係に停止期間の後前記ポンプを再び作動させ、次いで、前記センサによって検出された温度に応じて、(a)前記ポンプを作動状態で維持し、前記ヒーターを作動させるか、又は(b)前記ポンプを再び停止させるように操作可能である、温度センサ
のいずれか1つと、
を備える液体加熱システム。
[請求項8]
温水を建物又は車両内の備品に前記建物又は車両の配管系統を通して供給するための加熱システムであって、
(a)大気に開いた未燃焼型リザーバーと、
(b)前記リザーバーに連通する冷水供給源と、
(c)前記リザーバーに接続された入口及び前記建物又は車両の配管系統のパイプを通して前記備品に接続された出口を有するヒーターと、
(d)前記ヒーターの前記出口と前記リザーバーとの間に接続された加熱水戻り接続部と、
(e)前記ヒーターに直列に接続されたポンプであって、前記リザーバーから水を引き出し、該水を所定の下流方向において前記ヒーター内に送り出し、次いで、(i)前記戻り接続部を通して前記リザーバーに送り出すと共に(ii)前記配管系統の前記パイプを通して前記1つ又は複数の備品に送り出しことができる、ポンプと、
(f)前記出口における水を設定温度にするために前記入口から前記出口に流れる水に熱を供給するように前記ヒーターを作動させるように操作可能な制御装置であって、前記戻り接続部及び前記ポンプは、前記ヒーターの前記出口から前記リザーバーへの水の流れを可能にし、前記リザーバーから前記戻り接続部を通る前記備品への水の流れを防ぐように構成且つ配置されている、制御装置と、
を備える加熱システム。
[請求項9]
前記ヒーターの前記出口から液体を引き出す前記備品の1つ又は複数の作動を検出するように操作可能なデマンド型センサを更に備え、前記制御装置は、前記前記備品のいずれもが作動していない時に液体をヒーター内に送り出すために第1のポンプ送給電力で前記循環ポンプを作動させ、前記備品の1つ又は複数が作動している時に前記第1のポンプ送給電力よりも高い第2のポンプ送給電力によって前記循環ポンプを作動させるように、操作可能である、請求項8に記載の加熱システム。
[請求項10]
前記リザーバーは、積重ね型リザーバー、折畳式リザーバー、及び現地で構築されるタンクからなる郡から選択される、請求項8又は9に記載の加熱システム。
【外国語明細書】