(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002060
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電子機器、情報処理装置、起床促進方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A61M21/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101026
(22)【出願日】2022-06-23
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 敬一
(72)【発明者】
【氏名】水野 公靖
(72)【発明者】
【氏名】中村 光喜
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英男
(72)【発明者】
【氏名】于 冰
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 かれん
(57)【要約】
【課題】使用者をより快適に目覚めさせること。
【解決手段】起床促進装置1は、使用者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定部118と、あらかじめ設定された所定の時刻に使用者を起床させるためのアラームを鳴動させるアラーム処理部114と、アラーム処理部114が動作を開始した後に、判定した前記睡眠状態に応じた動画コンテンツを再生する動画再生部116とを備える。判定した睡眠状態に基づいて、使用者の睡眠の質を示す指標である睡眠指標値を算出する睡眠状態処理部113を備え、前記動画再生部116が、アラーム処理部114が動作を開始した後に、少なくとも前記睡眠指標値に応じた動画コンテンツを再生するとしてもよい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する検出部と、
あらかじめ設定された所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする報知部と、
前記報知部による報知が開始した後に、前記検出部が取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記検出部が取得した前記睡眠状態情報に基づいて、前記使用者の睡眠の質を示す指標である睡眠指標値を算出する睡眠指標値算出部を備え、
前記コンテンツ再生部が、前記報知部による報知が開始した後に、前記睡眠指標値に応じたコンテンツを再生する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記報知部による報知から前記使用者が目覚めたと判定されるまでの経過時間に応じて前記コンテンツを再生する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記コンテンツは、画像、動画、楽曲、アラーム音、発光様態及び振動のいずれか、又はこれらの組み合わせを含んでいる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記使用者が前記報知部による報知から所定時間内に起床する事象が所定回数継続して検出された場合、前記コンテンツ再生部があらかじめ決められた指定のコンテンツを再生する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記使用者が目覚めたと判定された時刻と、前記使用者が目覚めたと判定された時刻前の所定時間における前記睡眠指標値の平均値に応じて前記コンテンツが再生される、請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記報知部による報知の種別が、前記使用者の睡眠指標値に応じて決定される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記コンテンツの再生開始からの経過時間に応じてあらかじめ設定した画像エフェクトを前記コンテンツに適用する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記コンテンツを、通信回線を介して外部装置から受信可能に構成されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記電子機器はウェアラブルデバイスである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
請求項1に記載の電子機器に、前記電子機器の使用者に起床を促すために用いられる情報である起床促進シナリオ情報を作成する情報処理装置であって、
前記起床促進シナリオ情報が、起床促進に用いられるアラーム及びコンテンツの適用条件を規定する情報を有し、
前記コンテンツとしての動画を撮像するための撮像部と、
撮像した前記動画を編集するための動画編集部と、
起床を促す前記アラームの種類と動作条件、及び、前記アラームの動作後に再生される前記コンテンツの種類と選定条件とを入力操作に応じて作成する起床促進シナリオ情報作成部と、
を備えている情報処理装置。
【請求項12】
起床促進機能を有する電子機器が、
使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する処理と、
所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする処理と、
前記報知処理による報知が開始した後に、取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生する処理と、
を実行する起床促進方法。
【請求項13】
起床促進機能を有する電子機器に、
使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する処理と、
所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする処理と、
前記報知処理による報知が開始した後に、取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報処理装置、起床促進方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の睡眠の状態に基づく生体情報等をセンサなどによって検出する技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザの生体情報をセンサにより検出し、センサデータに基づいてユーザの眠気スコアを求め、さらに眠気スコアを覚醒スコアに近づけるような眠気の変化をユーザに生じさせることができる楽曲が選択され、再生が行われる構成の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、ユーザは楽曲がきっかけで突発的に起こされることがあるため、スコアに応じて適切な楽曲を選択、再生したとしても、快適に目覚めることができないことがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、使用者をより快適に目覚めさせることが可能な技術の提供を一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様は、使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する検出部と、あらかじめ設定された所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする報知部と、前記報知部による報知が開始した後に、前記検出部が取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生するコンテンツ再生部とを備える電子機器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用者をより快適に目覚めさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の一実施形態における電子機器としての起床促進装置の外観を例示する図である。
【
図1B】本発明の一実施形態における電子機器としての起床促進装置の外観を例示する図である。
【
図2】本発明の一実施形態における起床促進装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における起床促進装置の処理部の構成例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態における起床促進装置の機能を例示するブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態におけるアラームシナリオを例示する図である。
【
図7】アラームシナリオの種類を例示する図である。
【
図8】本発明の一実施形態における動画エフェクトの例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態における起床促進処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態におけるアラーム設定初期化処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態における睡眠状態初期化処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態におけるアラーム初期化処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態における動画エフェクト初期化処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態におけるアラーム設定処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態における睡眠状態処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の一実施形態におけるアラーム処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の一実施形態におけるアラームパターン決定及び出力処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の一実施形態におけるアラーム動画設定処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の一実施形態における動画エフェクト処理の処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の一実施形態におけるアラームシナリオ作成装置の構成例を示すブロック図である。
【
図21】アラームシナリオ作成装置におけるアラームシナリオ作成処理フロー例を示すフローチャートである。
【
図22】本発明の他の実施形態における電子機器としての起床促進装置の外観を例示する図である。
【
図23】本発明の他の実施形態における起床促進装置の構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
<起床促進装置1の概要>
以下、添付図面を参照して、本発明について、その実施形態に即して説明する。本発明の一つの実施形態は、電子機器としての起床促進装置である。
図1A、
図1Bに、本実施形態の起床促進装置1の外観を例示している。本実施形態による起床促進装置1は、腕時計型のウェアラブルデバイスとして構成されている。
図1Aはその起床促進装置1を表示画面100側から見た図、
図1Bは起床促進装置1を腕に密着される裏面側から見た図を示している。起床促進装置1は、装置本体10と、装置本体10を腕に装着するためのバンド110とを備える。
図1Aに例示するように、装置本体10には液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED)等により実現される表示画面100が設けられ、後述する起床促進のための動画表示を行うことが可能とされている。図示を省略しているが、起床促進装置1には、起床を促すためのアラーム音や振動を発するための発音手段、発振手段(報知部)も適宜設けられる。また、起床促進装置1がスマートウォッチの形態で構成されている場合、表示画面には様々なデザインの時刻表示画面を表示させることもできる。
【0010】
図1Bに示すように、起床促進装置1の装置本体10の裏面側には、検出部としてのセンサ部17が設けられている。センサ部17としては、例えば、心拍数、血中酸素濃度、自律神経の状態などを計測することができるセンサが設けられている。起床促進装置1を腕に装着することにより、センサ部17が使用者の腕の皮膚に密着した状態となる。センサ部17の具体的な構成例については後述する。
【0011】
<起床促進装置1の構成と機能>
次に、起床促進装置1の構成と機能について説明する。
図2に、本実施形態による起床促進装置1のハードウェア構成例を示すブロック図を、
図3に、起床促進装置1の処理部11の構成例を示すブロック図を、
図4に、起床促進装置1が実現する機能を例示するブロック図を示している。
【0012】
図2に例示するように、本実施形態の起床促進装置1は、処理部11、主記憶部12、補助記憶部13、操作部14、表示部15、リアルタイムクロック(RTC)16、センサ部17、通信部18、及びアラーム出力部19を備えている。
【0013】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)等の少なくとも1つのプロセッサによって構成され、後述する記憶部から読み出したプログラムを実行することによって起床促進装置1としての機能を実現する。
【0014】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶デバイスであり、起床促進装置1の機能を実現するためのプログラム、及びそのプログラムの実行に使用するデータの記憶領域を提供している。
【0015】
補助記憶部13は、不揮発性メモリ等の記憶デバイスを有し、起床促進装置1で再生、表示される動画ファイル、後述するシナリオデータなどを保存する記憶領域を提供する。
【0016】
操作部14は、装置本体10の側面に実装されるキー、ボタン、及び装置本体10の表示画面100に実装されるタッチパネルなどであり、使用者が起床促進装置1に対する入力操作を行うために使用される。
【0017】
表示部15は、液晶ディスプレイ、OLED等の表示デバイスで構成され、起床促進装置1の表示画面100を提供する。表示部15には、後述する起床促進のための動画等が表示される。
【0018】
RTC16は、現在の時刻を計測する回路を含み、処理部11等に現在時刻データを提供する。
【0019】
センサ部17は、脈波センサ171とモーションセンサ172(
図4参照)とを備え、起床促進装置1を装着する使用者の腕の皮膚に密着させて使用される。脈波センサ171は、緑色LEDとフォトダイオードとで構成されており,緑色LEDから光を腕に照射して、血流により反射した光をフォトダイオードで読み取って血流量の変化から心拍数を計測している。モーションセンサ172は加速度センサ等の動きを感知するセンサを含み、就寝中の使用者の腕の動きを計測して使用者の睡眠状態、自律神経の状態などを推定するためのデータを提供するほか、腕が動いた場合に脈波センサ171の測定を一時的に中止して補正する役割などを有する。
【0020】
通信部18は、Bluetooth等の近距離無線通信(NFC)用の通信モジュール、携帯電話網、インターネット等の通信ネットワークとの通信を行うための通信モジュール等を備え、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の外部装置との通信機能を提供する。起床促進装置1は、外部装置から後述する動画データ、アラームシナリオデータ等を受信して、補助記憶部13に格納しておくことができる。
【0021】
アラーム出力部19は、利用者を睡眠から覚醒させるための手段を提供し、簡単には例えば、ビープ音を鳴らせる圧電素子、使用者に振動を伝えるバイブレータから構成することができる。本実施形態では、アラーム出力部19としてスピーカーを設け、種々のオーディオファイルによって多様なサウンドを鳴らすことでできるように構成している。
【0022】
次に、主に
図3、
図4を参照して起床促進装置1の機能について説明する。
図3に示すように、起床促進装置1の機能は、シナリオ選択部111、アラーム設定処理部112、睡眠状態処理部113、アラーム処理部114、動画エフェクト処理部115、動画再生部116、グラフィック制御部117、睡眠状態判定部118、及び制御部119によって提供される。本実施形態では、これらの機能を実現するためのプログラムが例えば主記憶部12のROM等に格納されており、処理部11がそれらのプログラムを読み出して実行するものとしている。ただし、上記の機能のいずれかが、ハードウェア的に実現されることを排除するものではない。
【0023】
睡眠状態判定部118は、脈波センサ171で測定された脈波から心拍の変動を検出し,さらに周波数を解析して,交感神経と副交感神経とのバランスから睡眠状態を判定する機能を有する。
【0024】
ここで、本実施形態における睡眠状態と、睡眠指標とについて説明する。睡眠状態は、起床促進装置1の使用者が就寝しているときの睡眠状態の種別を、睡眠指標は、使用者の睡眠状態に基づいて算出される、使用者の眠りの質を数値化した指標を表す。本実施形態において、睡眠状態、睡眠指標は、使用者を起床させる際のアラーム、動画再生の制御パラメータとなる。
【0025】
睡眠状態は、睡眠状態判定部118によって、脈波信号に基づいて判定される。
図6に、人の就寝時における睡眠状態の変化の測定例を示している。グラフの縦軸は睡眠状態を、横軸は時刻を示している。知られているように、睡眠状態は、例えば深い順から、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、目覚めた状態(覚醒状態)と分類することができる。睡眠が良い(よく眠れた)ということは、より長い時間、より深い睡眠状態にあった場合に妥当することになる。そこで、就寝時から朝までの睡眠の質を数値化したものを睡眠指標と呼ぶことにし、睡眠指標算出部としての睡眠状態判定部118が、例えばこの睡眠指標を次のような式で求めるものとした。
【0026】
睡眠指標=深い睡眠の総合時間×深い睡眠の点数+浅い睡眠の総合時間×浅い睡眠の点数
+レム睡眠の総合時間×レム睡眠の点数+覚醒状態の総合時間×覚醒状態の点数
【0027】
なお、各点数は、深い睡眠ほど点数を高く設定するのが望ましいので、一例として、深い睡眠の点数=10、浅い睡眠の点数=6、レム睡眠の点数=2、覚醒状態の点数=-1としている。より深い眠りをより長い時間確保した時に指標は高くなり、よりよい睡眠がとれたことを表す。睡眠指標の定義、算出法は、上記に限定されることなく、種々の手法を採用してよい。
【0028】
本実施形態では、上記の睡眠状態と睡眠指標に加えて、起床スコアという考え方も導入した。睡眠状態、睡眠指標、及び起床スコアは、睡眠状態情報として捉えることができる。起床スコアとは、アラーム鳴動開始から起床促進装置1が使用者の覚醒状態を検知するまでの時間をもとに算出され、アラーム鳴動から覚醒状態検出までの時間が短いほど高得点が得られるように設定する。本実施形態の起床促進装置1は、検出又は算出される睡眠状態、睡眠指標、起床スコア、及び保存される睡眠指標の履歴情報に基づいて、アラーム出力パターンと動画再生を行うので、適用されているアラームシナリオに従って、アラーム出力パターン及び動画再生の態様を変化させることができるように構成されている。具体的には、アラームシナリオの例に関して後述する。
【0029】
シナリオ選択部111は、あらかじめいくつかの種類が設定されているアラームシナリオ(起床促進シナリオ情報)の中から、使用者の操作入力に従ってアラームシナリオを選択する機能を有する。本実施形態では、
図7に例示する3種類のアラームシナリオ300が、主記憶部12に格納されている。アラームシナリオ300としては、
図7の例に限られず、様々なパターンを作成しておくことができる。
【0030】
アラームシナリオ300の一例を、
図5に示している。
図5のアラームシナリオは、以下のような記述により、アラーム鳴動の条件、動画再生の条件等を規定している。
【0031】
#whenはイベント条件を記載する識別子であり、「#when イベント名, イベント条件」の形式で記載している。イベント名に対応するイベントが発生した時に、「#when~#endwhen」で囲まれた制御内容が実行される。#ifは実行条件であり、イベントが発生した時に、この指定された条件が成立している場合、「#if~#endif」で囲まれた制御内容が実行される。#elseは#ifの条件が成立しない場合に「#else~#endif」で囲まれた制御内容が実行される。#playはコンテンツ再生の実行を指示する命令であり、「#play 再生時間,再生ファイル名」と記述している。ここで指定される再生ファイルは、動画ファイル、音声ファイルのいずれでもよい。
図5の例では、アラーム出力時にはmp3フォーマットの音声ファイルが指定され、スピーカーからアラーム音が再生される。また起床後の動画再生では、mp4フォーマットの動画ファイルが指定されている。
【0032】
#effectは動画エフェクトを指定するコマンドであり、「#effect エフェクト実行時刻、エフェクトコマンド、エフェクトコマンドオプション1,…」の形式で記述されている。エフェクト実行時刻は、コンテンツ再生が開始されてからエフェクト適用までの待機時間(秒数)を示している。なお、アラームシナリオの記述形式は、
図5の例に限定されることなく適宜の形式を採用してよい。
【0033】
動画エフェクト処理部115は、起床促進時に再生される動画にエフェクトと呼ばれる視覚効果を適用する機能を有する。
図8に、動画エフェクト処理部115が使用する動画エフェクトコマンドの設定例を示している。
図8の例では、動画に適用するエフェクトの種類として、Zoom、ColorTone、Sharpness、Softnessの4種類を設定している。Zoomは、表示画面上の指定された座標(X,Y)を中心に画像を拡大又は縮小させる処理を行う。ColorToneは、画像の色調について、赤(R)、緑(G)、青(B)の各成分を強調する操作を行う。Sharpnessは、画像に含まれるエッジを指定のレベルで強調させる処理を行う。Softnessは、画像を指定したレベルでぼけさせてやわらかい画像にする処理を行う。動画エフェクトはこれらの例に限定されず、適宜設定してよい。
【0034】
アラーム設定処理部112は、使用者の操作入力に基づいて、選択されたアラーム及びアラームシナリオの設定を行う機能を有する。
【0035】
睡眠状態処理部113は、所定のサンプリング時間ごとに使用者の睡眠状態を記録する機能を有する。この睡眠状態の記録に基づいて、睡眠指標が算出される。
【0036】
アラーム処理部114は、あらかじめ設定されたアラーム、アラームシナリオに従って、判定、あるいは算出された睡眠状態、睡眠指標等に基づいて、アラーム鳴動を実行し、本実施形態の起床促進を行う機能を有する。
【0037】
動画再生部116は、アラームシナリオ300に従って選択された動画データを再生する機能を有する。具体的には、動画再生部116は、主記憶部12から送られてくる動画データを、所定のコーデックを用いてデコードし、フレーム単位の画像を作成する。動画再生部116は、動画エフェクト処理部115からの動画エフェクトコマンドに応じて、そのフレーム画像にエフェクト適用を行う。このエフェクト適用後のフレーム画像は、動画再生フレーム周期に応じてグラフィック制御部117に送り出される。
【0038】
グラフィック制御部117は、表示部15に表示されるグラフィック情報を生成し、保持する機能を有する。その際、グラフィック制御部117は、動画再生部116から送られる動画画像を所定の動画描画領域にあわせて拡大縮小してはめ込む処理を行う。このようにして作成された画像は表示部15に送り出され、表示される。
【0039】
制御部119は、処理部11としての動作、処理部11に含まれる各部間、あるいは処理部11と他の要素間のデータ入出力処理等を管理する機能を有する。また制御部119は、起床促進装置1が備える起床以外の機能である時計機能、図示を省略した測位センサを用いた測位機能等を管理するとしてもよい。
【0040】
以上を前提に、
図5に例示したアラームシナリオ300によれば、起床促進装置1は次のように動作する。
1.7時20分にアラーム鳴動。
2.使用者の睡眠状態が「起きやすい」であれば軽いアラーム音を20秒間鳴動、そうでなければ激しいアラーム音を20秒間鳴動。
3.使用者が目覚めたと判定された場合、さらに睡眠指標をチェック。「良い睡眠」がとれたと判定した場合、「優しいおはよう」動画を30秒間再生。この際、再生と同時にレベル0.3のソフトネスエフェクトを適用。
4.「悪い睡眠」であったと判定した場合、「気合を入れるおはよう」動画を30秒間再生。この際、再生と同時にレベル0.2のシャープネスエフェクトを適用。さらに再生開始から10秒後にレベル0.3の赤色強調エフェクトを適用。
【0041】
このように、起床促進装置1は、アラームシナリオ300に設定されている動作シーケンスに従って、使用者の睡眠状態、睡眠指標に応じたアラーム音鳴動、動画再生によって使用者にとって効果的な起床促進を実行する。
【0042】
前記したアラームシナリオ300の例におけるイベント条件と実行条件とは、例えば次のように設定されている。
1.イベント条件の種類
(1)アラーム:アラーム時刻になった時
(2)起床:アラームで目覚めた状態、
図7の動画再生中になる条件
【0043】
2.実行条件の種類
(1)睡眠状態:起きやすい/普通/起きにくい
直近の睡眠状態がレム睡眠から起きたい状態までの状態であれば起きやすい状態、深い眠りであるなら起きにくい状態とする
【0044】
(2)睡眠指標:良い睡眠/普通の睡眠/悪い睡眠
睡眠指標が30点以上であれば良い睡眠、22点以下であれば悪い睡眠、その中間を普通の睡眠と規定している。
【0045】
(3)起床スコア:0~100
使用者の起床の状況に基づいて、例えば睡眠状態判定部118が1~100点のスコアを算出して記録する。アラーム鳴動から起床までの時間が短いほど高得点となるように設定することができる。起床スコアは、例えば過去10日間に算出されたスコアの合計として算出される。このような起床スコアを導入することで、例えば、10日間、アラーム鳴動から短時間で起床したことにより高い起床スコアを獲得した場合には、使用者に対するごほうびとしての特別な動画を再生するように設定することができ、これによって使用者にアラームが鳴ったら早く起きようというモチベーションを与えて起床を促進することができる。
【0046】
例えば、前記のように、10日間頑張ってアラーム鳴動から短時間で起床した使用者に対してごほうびの動画を再生させる場合、前記のアラームシナリオ300に、以下のような条件文を含めることにより簡単に実現することができる。
「 #if 起床スコア,80以上
#play 20, ごほうびの楽しみ動画.mp4」
この場合、再生する動画ファイルをあらかじめ主記憶部12等に格納しておく。
【0047】
<起床促進装置1によるデータ処理>
次に、以上説明した構成と機能を有する本実施形態による起床促進装置1が実行するデータ処理について説明する。
【0048】
<<起床促進処理>>
まず、本実施形態による起床促進装置1が実行する起床促進処理について説明する。
図9に、起床促進処理のデータ処理フロー例を、フローチャートで示している。
図9に例示する起床促進処理は、本実施形態の起床促進装置1におけるメインのデータ処理フローであり、処理部11の制御部119の制御のもとに実行される。起床促進処理には、4つの主要データ処理であるアラーム設定処理S500、睡眠状態処理S600、アラーム処理S700、及び動画エフェクト処理S800が含まれている。アラーム設定処理S500では、使用者によるアラーム設定操作に対応した処理が実行される。睡眠状態処理S600では、使用者の睡眠状態検出とそれに伴う睡眠指標算出等の処理が実行される。アラーム処理S700では、設定に従ったアラーム鳴動、動画再生等の処理が実行される。動画エフェクト処理S800では、アラームシナリオ300での設定に従った動画エフェクト適用処理が実行される。起床促進処理は、本実施形態の起床促進装置1、より具体的には一例としての本実施形態の起床促進処理機能を備えたスマートウォッチ等のウェアラブルデバイスが起動したときに開始される。起床促進処理では、
図9に例示するように、前記4つの主要処理の初期化処理であるアラーム設定初期化処理S100、睡眠状態初期化処理S200、アラーム初期化処理S300、及び動画エフェクト初期化処理S400が実行され、その後、前記した4つの主要処理が順次反復して実行される。
【0049】
次に、前記の起床促進処理に含まれる各データ処理について説明する。
【0050】
<<アラーム設定初期化処理>>
図10に、アラーム設定初期化処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。アラーム設定初期化処理では、アラーム設定処理部112が、起床促進装置1におけるアラーム動作を無効とし(ステップS101)、アラーム設定時刻を0にセットし(ステップS102)、主記憶部12にあらかじめ格納されているアラームシナリオ300の中から所定のアラームシナリオを、デフォルトのシナリオとして設定し(ステップS103)、
図9のメインフローに戻る。本実施形態の場合、主記憶部12には
図7に例示する3種類のアラームシナリオが格納されているので、例えばそのうちのシナリオID=SC1で特定される「普通のモーニングコール」が設定される。
【0051】
<<睡眠状態初期化処理>>
図11に、睡眠状態初期化処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。睡眠状態初期化処理では、睡眠状態判定部118が、起床促進装置1に記録されている過去の睡眠状態記録時刻をリセットし(ステップS201)、睡眠状態について記録されている履歴情報をリセットして、
図9のメインフローに戻る。本処理により、起床促進装置1の使用者によるあらたな睡眠状態の記録の準備が整えられる。
【0052】
<<アラーム初期化処理>>
図12に、アラーム初期化処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。アラーム初期化処理では、アラーム処理部114が、起床促進装置1に設定されているアラーム状態を「待機中」にセットして(ステップS301)、
図9のメインフローに戻る。本処理により、起床促進装置1は、アラーム設定時刻の到来を待機する状態となる。
【0053】
<<動画エフェクト初期化処理>>
図13に、動画エフェクト初期化処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。動画エフェクト初期化処理では、動画エフェクト処理部115が、動画再生部116のエフェクトデータをリセットしてエフェクト効果なしとし(ステップS401)、エフェクトの再生時間をリセットして(ステップS402)、
図9のメインフローに戻る。本処理により、起床促進装置1において、アラームシナリオ300に設定された動画エフェクトの適用を待機する状態となる。
【0054】
<<アラーム設定処理>>
図14に、アラーム設定処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。アラーム設定処理は、メインフローを管理する制御部119の指示により、アラーム設定処理部112によって開始される。まず、アラーム設定処理部112は、装置本体10に設けられている操作部14としてのアラーム設定キーが押下されたかを調べる(ステップS501)。アラーム設定キーが押し下げられていないと判定された場合(ステップS501:NO)、アラーム設定処理部112は、ステップS509において、通信部18が外部装置からアラームシナリオを受信しているか判定する。アラームシナリオを受信していると判定した場合(ステップS509:YES)、アラーム設定処理部112は、受信したアラームシナリオデータを主記憶部12に格納し、選択可能なアラームシナリオとして設定したのち、メインフローへ戻る。ステップS509においてアラームシナリオデータを受信していないと判定した場合も(ステップS509:NO)、同様にメインフローへ戻る。
【0055】
ステップS501において、アラーム設定キーが押下されたと判定された場合(ステップS501:YES)、アラーム設定処理部112は、グラフィック制御部117を制御して装置本体10の表示画面100にアラーム設定画面を表示させ(ステップS502)、使用者にアラーム設定の操作を促す。ステップS503において、アラーム設定処理部112は、アラームの有効無効が選択されているかを判定する。アラーム無効が選択されていた場合(ステップS503:無効)、アラーム設定処理部112は、アラームを無効化して(ステップS508)、処理をメインフローへ戻す。
【0056】
アラーム有効が選択された場合(ステップS503:有効)、アラーム設定処理部112は、使用者の操作によりアラーム時刻を設定してアラームを有効化する(ステップS504)。次いでアラーム設定処理部112は、使用者の操作によりシナリオを変更するか判定する(ステップS505)。シナリオ変更が選択されていない場合(ステップS505:NO)、アラーム設定処理部112は、そのまま処理をメインフローへ戻す。シナリオ変更があると判定した場合(ステップS505:YES)、アラーム設定処理部112は、選択対象となるアラームシナリオを表示させ(ステップS506)、使用者の選択したアラームシナリオを設定して(ステップS507)、処理をメインフローへ戻す。本実施形態の場合、ステップS506では、あらかじめ主記憶部12に格納した3種類のアラームシナリオが表示画面100に表示され(例えば
図7を参照)、使用者はその中から表示画面のタッチ操作によって適用するアラームシナリオを選択することができる。
【0057】
以上のアラーム設定処理により、起床促進装置1において適用されるアラーム、及びアラームシナリオが使用者の選択によって決定される。
【0058】
<<睡眠状態処理>>
図15に、睡眠状態処理のデータ処理フロー例を、フローチャートで示している。睡眠状態処理は一定周期のサンプリング時間ごとに実行する。サンプリング時間は適宜に決めればよいが、例えば5分と設定することができる。睡眠状態処理部113は、サンプリング時間ごとの睡眠状態を記録するために、まず現在の時刻と前回睡眠状態を記録した時刻との差を求め、所定のサンプリング時間以上となっているかを判定する(ステップS601)。現在の時刻と前回睡眠状態を記録した時刻との差分がサンプリング時間未満である場合(ステップS601:Δt<サンプリング時間)、睡眠状態処理部113は、処理をそのままメインフローへ戻す。現在の時刻と前回睡眠状態を記録した時刻との差分がサンプリング時間以上である場合(ステップS601:Δt≧サンプリング時間)、睡眠状態処理部113は、睡眠状態判定部118から使用者の睡眠状態を読み出す(ステップS602)。睡眠状態処理部113は、読み出した睡眠状態とそのときの現在時刻とを関連付けて睡眠状態履歴情報として主記憶部12に格納する(ステップS603)。その後、睡眠状態処理部113は、現在の時刻を「前回の記録時刻」にセットして、処理をメインフローへ戻す。
【0059】
<<アラーム処理>>
図16に、アラーム処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。このアラーム処理においては、アラームの状態を3つの状態に区分して管理している。アラームが設定時刻に鳴動したとしても、使用者の睡眠状態からの目覚めが確認できなければ、アラームシナリオに従った動画を再生しても使用者が見ることができず意味がない。そこで、睡眠状態等に基づいてアラーム状態を管理することにより、使用者にとって適したタイミングで動画再生が実行されるように構成している。
【0060】
このため、まずアラーム処理部114は、アラームがどの状態にあるかを調べる(ステップS701)。アラーム初期化処理によって、最初にアラーム処理が実行された場合には、アラームは待機中の状態となっている(ステップS701:待機中)。アラーム処理部114は、アラーム設定が有効であるか否かを調べ(ステップS702)、アラームが無効であると判定すれば(ステップS702:無効)、そのまま処理をメインフローへ戻す。アラームが有効であると判定すれば(ステップS702:有効)、アラーム処理部114は、現在時刻がアラーム時刻に達しているか調べ、アラーム時刻に達していないと判定した場合(ステップS703:未到達)、そのまま処理をメインフローへ戻し、アラーム時刻に達していると判定した場合(ステップS703:到達)、アラーム状態を「起床催促中」にセットする。そして、アラーム処理部114は、「アラームパターン及び出力処理」のサブルーチンを実行した後、アラーム開始時刻を記録して処理をメインフローへ戻す。
【0061】
ここで、アラームパターン決定及び出力処理について説明する。
図17に、アラームパターン決定及び出力処理のデータ処理フロー例を示している。アラーム処理部114は、まず、睡眠状態処理(S203)で記録されている睡眠状態履歴情報から、現在から20分前までに記録されている睡眠状態履歴情報を読み出し(ステップS1001)、読み出した睡眠状態の値の平均値、あるいはその20分間でもっとも長く記録されている睡眠状態を使用者の「現在の睡眠状態」として取得する(ステップS1002)。アラーム処理部114は、アラームシナリオに記述されているシナリオに応じて起床のためのアラームパターンを設定し(ステップS1003)、アラーム処理のメインルーチンへ戻る。
【0062】
メインルーチンにおいて、アラーム処理部114は、アラーム開始時刻を記録して(ステップS706)、メインフローへ戻る。
【0063】
次に
図16のアラーム処理が実行されるとき、アラーム状態は「起床催促中」と設定されているため、アラーム処理部114は、ステップS701において、「起床催促中」と判定して、現在の睡眠状態の判定に移る(ステップS710)。現在の睡眠状態が睡眠であると判定された場合(ステップS710:睡眠)、アラーム処理部114は、起床催促中に移行してからの時間が所定時間を超えたかを判定する(ステップS711)。起床催促中に移行してからの時間が所定時間以下であると判定した場合(ステップS711:NO)、アラーム処理部114は、そのままメインフローへ処理を戻す。ステップS711で起床催促中に移行してからの時間が所定時間を超えたと判定した場合(ステップS711:YES)、アラーム処理部114は、使用者がアラーム鳴動開始から起床するのに要した時間を求める(ステップS720)。アラーム処理部114がステップS710で現在の睡眠状態が覚醒状態であると判定した場合も(ステップS710:覚醒)、同様に。アラーム処理部114はステップS720の処理に移る。このフローは、使用者の睡眠状態が睡眠であると判定された場合であっても、アラーム開始から所定時間が経過している場合には、起床したものとみなして起床促進処理を続行する必要があるためである。ステップS721において、アラーム処理部114は、「アラーム動画設定処理」のサブルーチンを実行する。
【0064】
図18に、アラーム動画設定処理のデータ処理フロー例を示している。アラーム動画設定処理においては、アラーム処理部114が、まず使用者の前夜の睡眠状態履歴情報から睡眠指標値を求める(ステップS1101)。次いでアラーム処理部114が、アラーム開始から使用者が起床するまでに要した時間に基づいて起床スコアを算出する(ステップS1102)。アラーム処理部114は、現在の睡眠状態を読み出す(ステップS1103)。アラーム処理部114は、取得、あるいは算出した使用者の現在の睡眠状態、睡眠指標値、起床スコアを用いて、選択されているアラームシナリオに従って再生する動画コンテンツと適用する動画エフェクトとを決定し(ステップS1104)、処理をメインルーチンへ戻す。
【0065】
図16のアラーム処理のメインルーチンに戻ると、ステップS721の処理を受けて、アラーム処理部114は、アラーム状態を「動画再生中」にセットする(ステップS722)。アラーム処理部114は、制御部119を介して動画再生部116に、アラームシナリオ300に従って選択された動画を再生させ(ステップS723)、メインフローへ処理を戻す。
【0066】
上記のフローにおいて、アラーム動画の再生が開始されているため、アラーム処理部114が次にアラーム処理を実行する際には、ステップS701におけるアラーム状態は、「動画再生中」と判定される。次いでアラーム処理部114は、ステップS730で動画が終了したか判定し、動画が終了していないと判定した場合(ステップS730:NO)、そのままメインフローへ処理を戻し、動画が終了していると判定した場合(ステップS730:YES)、アラーム状態を「待機中」にセットし(ステップS731)、処理をメインフローへ戻す。
【0067】
以上のアラーム処理によれば、使用者の睡眠状態等の条件に基づいて、選択されたアラームシナリオに従ったアラーム鳴動、動画再生を実行させることができる。
【0068】
<<動画エフェクト処理>>
図19に、動画エフェクト処理のデータ処理フロー例をフローチャートで示している。動画エフェクト処理(ステップS800)では、まず動画エフェクト処理部115が、アラーム状態が「動画再生中」になるのを待つ(ステップS801)。動画再生が始まると、動画エフェクト処理部115は、動画再生部116から現在の動画再生時間を読み出す(ステップS802)。次いで動画エフェクト処理部115は、前回のエフェクト再生時間を調べ、得られたエフェクト再生時間と動画再生時間との間で変更する必要があるエフェクトをアラームシナリオから求める(ステップS803)。動画エフェクト処理部115は、変更するエフェクトデータを動画再生部116に送る(ステップS804)。動画エフェクト処理部115は、エフェクト再生時間を動画再生時間と同じ時間に更新し(ステップS805)、メインフローへ処理を戻す。以下、処理が繰り返し実行されるので、動画再生時間に合わせた動画エフェクトが実現される。
【0069】
ステップS801において動画再生中でないと判定された場合(ステップS801:NO)、動画エフェクト処理部115は、エフェクト再生時間を確認する(ステップS810)。一度エフェクト再生をおこなうとエフェクト時間が0ではないので(ステップS810:NO)、動画エフェクト処理部115は、処理を動画エフェクト初期化処理へ移して、動画再生部116に残っているエフェクトデータの初期化、エフェクト再生時間のクリアを実行させ、次の動画再生を待つ状態にする。アラームシナリオには、例えば
図5に例示するように、アラーム条件ごとに適用する動画エフェクトの種類と適用する時刻とが記録されているため、動画再生時間に応じて異なるエフェクトをかけたような動画を実現することができる。
【0070】
<コンテンツの作成と起床促進装置への送信>
以上説明した起床促進装置1では、アラームシナリオ、及びアラームシナリオに従って再生される動画ファイルは、あらかじめ主記憶部12に格納されている形態であったが、
図14のアラーム設定処理に関して説明したように、アラームシナリオ、コンテンツとしての動画ファイルは、外部装置にて作成して起床促進装置1に送ることもできる。ここでは、アラームシナリオ作成装置としてのスマートフォンを用いてアラームシナリオを作成して動画ファイルとともに起床促進装置1へ送るための構成について説明する。
図20に、スマートフォン400を用いてアラームシナリオを作成するためのスマートフォン400のハードウェア構成と備えられている機能とを模式的にブロック図で示している。なお、スマートフォン400に代えて、通信機能を備えたタブレット端末、パーソナルコンピュータ等の他の電子機器を用いてもよい。
【0071】
スマートフォン400は、CPU等の演算処理装置で構成される処理部401、RAM、ROM等の記憶デバイスで構成される記憶部402、液晶ディスプレイ、OLED等の表示デバイスで構成される表示部403、タッチパネル、物理ボタン等の操作部品で構成される操作部404、デジタルビデオカメラとして構成される撮像部405、及び携帯電話網、LAN,WAN等の通信ネットワークと通信するための通信モジュールを含む通信部406を備えている。アラームシナリオ作成機能を有するスマートフォン400は、通信部406を用いて、例えばインターネット500等の通信ネットワークを介して起床促進装置1の通信部18と通信することができる。
【0072】
スマートフォン400の処理部401は、例えば記憶部402に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、起床促進シナリオ情報作成部であるアラームシナリオ作成部4011、動画編集部4012の機能を実現する。アラームシナリオ作成部4011は、記憶部402に記憶されているシナリオテンプレート4021を用いてアラームシナリオを作成する機能を提供する。動画編集部4012は、例えば撮像部405によって撮像されて記憶部402に格納されている動画ファイル4022についての編集作業を行う機能を提供する。シナリオテンプレート4021は、例えば、
図5に例示したようなアラームシナリオを表示部403に表示させ、アラームシナリオの作成者が操作部404を操作することによって、適用するアラームの設定、再生する動画ファイルの選択等の操作を実行できるようにしている。動画編集部4012としては、スマートフォン400にプリインストールされているアプリ、インターネット500を通じて外部サイトから取得したアプリ等を適宜に利用することができる。
【0073】
次に、アラームシナリオ作成部4011によって実行されるデータ処理について、
図21に例示するデータ処理フローを示すフローチャートにより説明する。
図21に例示するアラームシナリオ作成処理は、作成者が、スマートフォン400を操作部404により操作してアラームシナリオプログラムを起動することにより開始される。まず、アラームシナリオ作成処理の一環として、動画撮影が行われ、撮影した動画は記憶部402に記録される(ステップS1201)。この際、動画ファイルには、適宜のファイル名を付与することができる。ステップS1202では、動画編集部4012を用いて、作成した動画ファイルの編集が、動画フレームの削除、移動等の操作を通じて実行される。次いで、記憶部402から、シナリオテンプレート4021のデータがアラームシナリオ作成部4011によって読み込まれる(ステップS1203)。作成者は、例えば表示部403に一覧表示されたシナリオテンプレート4021から使用するテンプレートを選択し、そのテンプレートにおいて適用するアラームの種類、再生される動画ファイル、動画に適用するエフェクトなどを、表示部403に適宜の形式でリストされた候補から選択する等の操作によってシナリオテンプレートに組み合わせて好みのアラームシナリオを作成することができる(ステップS1204)。作成したアラームシナリオは、使用される動画ファイルとともに、通信部406からインターネット等の通信ネットワークを介して起床促進装置1に電子メール等により送信されて(ステップS1205)、処理が終了する。
【0074】
以上のアラームシナリオ作成処理によれば、起床促進装置1において実行され、効果的な起床促進効果が期待されるアラームシナリオを効率的に作成することができる。また、起床促進装置1において実行されるアラームシナリオを適宜に増やすことができるので、プリセットされたアラームシナリオ、動画ファイルによって同じような起床促進処理が実行されることによる、使用者の慣れ、マンネリ化による起床促進効果の低下を防止することができる。
【0075】
なお、本実施形態では、スマートフォン400をアラームシナリオ作成装置として用いて、個人的にアラームシナリオを作成するものとしているが、種々のアラームシナリオ、動画コンテンツを作成して使用者に販売、あるいはサブスクリプションで提供するようなビジネススキームを構築することも可能である。
【0076】
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、起床促進装置1はスマートウォッチ等のウェアラブルデバイスとして構成されていたが、第2実施形態では、起床促進装置1はアラーム機能付き置時計として構成されている。置時計の場合、リストウォッチ型のウェアラブルデバイスと異なり、モーションセンサ、脈波センサ等を使用者の表皮に密接させることはできない。そこで、本実施形態の起床促進装置1としての置時計では、
図22の外観例に示すように、センサ部17Aとして、マイク等の集音部173と、デジタルビデオカメラ等の撮像部174とを設けている。置時計としての起床促進装置1を、就寝中における使用者の身体の動き、寝返り等に伴って布団がたてる音、使用者の呼吸音、寝言、いびき等を、動画と音声で記録することができるように、就寝場所の近くに設置して動作させる。収集した動画データから寝返り等の身体の動きに基づいて睡眠状態を判定することができる。また、取集した音声データから、使用者の呼吸音、寝言等に基づいて、やはり使用者の睡眠状態を判定することができる。なお、睡眠状態の判定には、動画データ、音声データのいずれかを用いることができ、また両者を組み合わせることにより判定精度を向上させることもできる。
【0077】
図23に、本実施形態による置時計タイプの起床促進装置1のハードウェア構成及び機能の概要を示している。
図23は、第1実施形態における
図4に対応している。
図23において破線で囲んで示しているように、センサ部17Aには、前記した集音部173と、撮像部174とが設けられている。このセンサ部17以外の構成は、ウェアラブルデバイスとして構成されている第1実施例の場合の
図4に例示する構成と同様である。
【0078】
以上説明したように、本実施形態における起床促進装置1は、使用者の睡眠状態を判定する睡眠状態判定部118と、あらかじめ設定された所定の時刻に使用者を起床させるためのアラームを鳴動させるアラーム処理部114と、アラーム処理部114が動作を開始した後に、判定された使用者の前記睡眠状態に応じた動画コンテンツを再生する動画再生部116とを備える。
【0079】
このようにすれば、使用者はアラームの鳴動により突発的に起こされたとしても、使用者の睡眠状態に応じたコンテンツ再生によってリカバリー(気分を上げること)ができるため、快適に目覚めさせることができる。
【0080】
判定した睡眠状態に基づいて、使用者の睡眠の質を示す指標である睡眠指標値を算出する睡眠状態処理部113を備え、前記動画再生部116が、アラーム処理部114が動作を開始した後に、少なくとも前記睡眠指標値に応じた動画コンテンツを再生するとしてもよい。
【0081】
このようにすれば、アラーム動作後の使用者の睡眠状態に応じて動画コンテンツを再生することにより効果的に起床を促進することができる。
【0082】
アラーム処理部114の動作から睡眠状態判定部118により使用者が目覚めたと判定されるまでの経過時間に応じて動画コンテンツを再生するようにしてもよい。
【0083】
このようにすれば、使用者が目覚めるまでにかかった時間に応じて、好適な動画コンテンツを再生して起床時の気分を快適なものとすることができる。
【0084】
起床促進装置1は、動画コンテンツに代えて、あるいは動画コンテンツと組み合わせて、画像、楽曲、アラーム音、発光様態及び振動のいずれかを起床促進に用いるとしてもよい。
【0085】
このようにすれば、様々なコンテンツを用いて起床促進のバリエーションを増やすことができる。
【0086】
使用者がアラーム処理部114によるアラーム動作から所定時間内に起床する事象が所定回数継続して検出された場合、動画再生部116があらかじめ決められた指定の動画コンテンツを再生するようにしてもよい。
【0087】
このようにすれば、特別な動画コンテンツが再生されるということによって、使用者の早く起床しようというモチベーションを他構えることができ、起床促進効果が向上する。
【0088】
使用者が目覚めたと判定された時刻と、使用者が目覚めたと判定された時刻前の所定時間における睡眠指標値の平均値に応じて動画コンテンツが再生されるとしてもよい。
【0089】
このようにすれば、使用者が目覚めるまでの所定時間の睡眠状態をもとに、起床促進により適した動画コンテンツが再生され、起床を快適なものとすることができる。
【0090】
アラーム処理部114により動作するアラームの種別が、使用者の睡眠指標値に応じて決定されるとしてもよい。
【0091】
このようにすれば、使用者の睡眠状態に応じた効果的なアラームを選択して起床促進効果を高めることができる。
【0092】
動画コンテンツの再生開始からの経過時間に応じてあらかじめ設定した画像エフェクトを前記コンテンツに適用するとしてもよい。
【0093】
このようにすれば、使用者に対する起床促進効果を高めるようなエフェクトが適用された動画コンテンツを再生することができる。
【0094】
起床促進装置1は、動画コンテンツを、通信回線を介して外部装置から受領可能に構成するとしてもよい。
【0095】
このようにすれば、起床促進装置1において再生可能な動画コンテンツの種類を手軽に増やすことができ、同じような動画コンテンツを繰り返し再生することによる起床促進効果の低下を防ぐことができる。
【0096】
起床促進装置1は、ウェアラブルデバイスであってもよい。
【0097】
このようにすれば、使用者は起床促進装置1を常時着用しておくことができる。
【0098】
本実施形態には、前記の起床促進装置1において用いられる情報である起床促進シナリオ情報としてのアラームシナリオ300を作成するためのアラームシナリオ作成装置400が含まれる。アラームシナリオ300は、起床促進に用いられるアラーム及び動画コンテンツの適用条件を規定する情報を含む。アラームシナリオ作成装置400は、コンテンツとしての動画を撮像するための撮像部405と、撮像した動画を編集するための動画編集部4012と、起床を促す前記アラームの種類と動作条件、及び、前記アラームの動作後に再生される前記コンテンツの種類と選定条件とを入力操作に応じて作成するアラームシナリオ作成部4011とを備えている。
【0099】
このアラームシナリオ作成装置400によれば、起床促進装置1における、使用者の睡眠状態等に基づいたアラーム動作、動画コンテンツ再生の条件を様々に変えた複数のアラームシナリオを容易に作成して起床促進装置1に提供することが可能である。それにより、起床促進装置1によって実行可能な起床促進動作のバリエーションが豊富となり、起床促進効果の低下を抑制することが可能である。
【0100】
本実施形態には、起床促進装置1が、使用者の睡眠状態を判定する処理と、あらかじめ設定された所定の時刻に使用者を起床させるためのアラームを鳴動させるアラーム処理と、アラームが動作を開始した後に、判定された前記睡眠状態に応じた動画コンテンツを再生する処理とを実行する起床促進方法が含まれる。
【0101】
この起床促進方法によれば、使用者はアラームの鳴動により突発的に起こされたとしても、使用者の睡眠状態に応じたコンテンツ再生によってリカバリー(気分を上げること)ができるため、快適に目覚めさせることができる。
【0102】
本実施形態には、起床促進装置1に、使用者の睡眠状態を判定する処理と、あらかじめ設定された所定の時刻に使用者を起床させるためのアラームを鳴動させるアラーム処理と、アラームが動作を開始した後に、判定された前記睡眠状態に応じた動画コンテンツを再生する処理とを実行させるプログラムが含まれる。
【0103】
このプログラムによれば、使用者はアラームの鳴動により突発的に起こされたとしても、使用者の睡眠状態に応じたコンテンツ再生によってリカバリー(気分を上げること)ができるため、快適に目覚めさせることができる。
【0104】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、
図3、
図4、
図20、
図23の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が起床促進装置1あるいはアラームシナリオ作成装置400に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に前記各図の例に限定されない。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0105】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0106】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるUSBメモリ等のリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROM等で構成される。
【0107】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0108】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、上記実施形態と変形例の各構成を組み合わせることも可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0109】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する検出部と、
あらかじめ設定された所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする報知部と、
前記報知部による報知が開始した後に、前記検出部が取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
を備える電子機器。
[付記2]
前記検出部が取得した前記睡眠状態情報に基づいて、前記使用者の睡眠の質を示す指標である睡眠指標値を算出する睡眠指標値算出部を備え、
前記コンテンツ再生部が、前記報知部による報知が開始した後に、前記睡眠指標値に応じたコンテンツを再生する、付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記報知部による報知から前記使用者が目覚めたと判定されるまでの経過時間に応じて前記コンテンツを再生する、付記1に記載の電子機器。
[付記4]
前記コンテンツは、画像、動画、楽曲、アラーム音、発光様態及び振動のいずれか、又はこれらの組み合わせを含んでいる、付記1に記載の電子機器。
[付記5]
前記使用者が前記報知部による報知から所定時間内に起床する事象が所定回数継続して検出された場合、前記コンテンツ再生部があらかじめ決められた指定のコンテンツを再生する、付記1に記載の電子機器。
[付記6]
前記使用者が目覚めたと判定された時刻と、前記使用者が目覚めたと判定された時刻前の所定時間における前記睡眠指標値の平均値に応じて前記コンテンツが再生される、付記1に記載の電子機器。
[付記7]
前記報知部による報知の種別が、前記使用者の睡眠指標値に応じて決定される、付記1に記載の電子機器。
[付記8]
前記コンテンツの再生開始からの経過時間に応じてあらかじめ設定した画像エフェクトを前記コンテンツに適用する、付記1に記載の電子機器。
[付記9]
前記コンテンツを、通信回線を介して外部装置から受信可能に構成されている、付記1に記載の電子機器。
[付記10]
前記電子機器はウェアラブルデバイスである、付記1に記載の電子機器。
[付記11]
付記1に記載の電子機器に、前記電子機器の使用者に起床を促すために用いられる情報である起床促進シナリオ情報を作成する情報処理装置であって、
前記起床促進シナリオ情報が、起床促進に用いられるアラーム及びコンテンツの適用条件を規定する情報を有し、
前記コンテンツとしての動画を撮像するための撮像部と、
撮像した前記動画を編集するための動画編集部と、
起床を促す前記アラームの種類と動作条件、及び、前記アラームの動作後に再生される前記コンテンツの種類と選定条件とを入力操作に応じて作成する起床促進シナリオ情報作成部と、
を備えている情報処理装置。
[付記12]
起床促進機能を有する電子機器が、
使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する処理と、
所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする処理と、
前記報知処理による報知が開始した後に、取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生する処理と、
を実行する起床促進方法。
[付記13]
起床促進機能を有する電子機器に、
使用者の睡眠状態を表す睡眠状態情報を取得する処理と、
所定の時刻に前記使用者を起床させるための報知をする処理と、
前記報知処理による報知が開始した後に、取得した前記睡眠状態情報に応じたコンテンツを再生する処理と、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0110】
1 起床促進装置
10 装置本体
11 処理部
12 主記憶部
13 補助記憶部
14 操作部
15 表示部
16 リアルタイムクロック
17 センサ部
18 通信部
19 アラーム出力部
111 シナリオ選択部
112 アラーム設定処理部
113 睡眠状態処理部
114 アラーム処理部
115 動画エフェクト処理部
116 動画再生部
117 グラフィック制御部
118 睡眠状態判定部
119 制御部