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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020613
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】噴霧器およびエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/44 20200101AFI20240206BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240206BHJP
   A24F 40/48 20200101ALI20240206BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240206BHJP
【FI】
A24F40/44
A24F40/46
A24F40/48
A24F40/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205072
(22)【出願日】2023-12-05
(62)【分割の表示】P 2020564212の分割
【原出願日】2019-05-15
(31)【優先権主張番号】15/980,816
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘジャジ,バヒド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】蒸気形成を改善するように構成される蒸気形成ユニットを利用して製造されるエアロゾル送達装置を提供する。
【解決手段】噴霧器およびエアロゾル送達装置が記載されており、噴霧器は、第1の側面244と第1の側面244に対向する第2の側面248とを有する剛性モノリスから形成された流体輸送要素236を有する。噴霧器はまたヒータを有する。ヒータは、実質的に平面の加熱面を提供する。加熱面は、剛性モノリスの第1の側面244に面するように配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有する剛性モノリスを具備する流体輸送要素および、
ヒータ
を備える噴霧器であって、
ヒータが、実質的に平面の加熱面を備え、
加熱面が、剛性モノリスの第1の側面に面するように配置される噴霧器。
【請求項2】
剛性モノリスが、毛細管作用によって加熱面近傍にエアロゾル前駆体組成物を吸い上げることができる多孔質材料から形成される、請求項1に記載の噴霧器。
【請求項3】
剛性モノリスが、実質的に非多孔質の材料から形成され、剛性モノリスが、気化したエアロゾル前駆体のための導管を提供するために、第1の側面から第2の側面まで貫通する少なくとも1つの開口部を含む、請求項1または請求項2に記載の噴霧器。
【請求項4】
流体移送要素が、剛性モノリスの第1の側面に沿って吸収パッドをさらに備える、請求項3に記載の噴霧器。
【請求項5】
剛性モノリスが、その周縁に近接する少なくとも1つの通路をさらに備え、液体エアロゾル前駆体が剛性モノリスの第2の側面から第1の側面に移動するための導管を提供する、請求項3に記載の噴霧器。
【請求項6】
剛性モノリスが、第1の側面に形成された凹部を有し、
加熱面が、凹部の基底面に面するように配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項7】
剛性モノリスが、基底面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を含む、請求項6に記載の噴霧器。
【請求項8】
少なくとも1つの開口部が、中央に配置された開口部を備える、請求項7に記載の噴霧器。
【請求項9】
少なくとも1つの開口部が、複数の開口部を備え、中央に配置された開口部が、残りの複数の開口部よりも大きな直径を有する、請求項8に記載の噴霧器。
【請求項10】
基底面が、中央に配置された開口部が貫通する突起を備える、請求項8に記載の噴霧器。
【請求項11】
凹部が、剛性モノリスの厚さの約30%を超える深さを有する、請求項6に記載の噴霧器。
【請求項12】
加熱面と基底面との間の凹部に配置された吸収パッドをさらに備える、請求項5~11のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項13】
ヒータが、ヒータ線、導電性メッシュ、および基板の表面に印刷された導電性トレースを含む群から選択される少なくとも1つの加熱要素を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項14】
ヒータとは別体の絶縁体をさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項15】
絶縁体が雲母を含む、請求項14に記載の噴霧器。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の噴霧器を備えるエアロゾル送達装置。
【請求項17】
エアロゾル送達装置が、剛性モノリスの第2の側面に沿って通過する、空気取入口からマウスピースまでの空気流路を画定する、請求項16に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
剛性モノリスが、第1の側面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を備え、エアロゾル送達装置が、剛性モノリスの第2の側面に沿って空気流路に沿って移動する空気の引き込みによって生成される圧力差によって、少なくとも1つの開口部を通って、気化したエアロゾル前駆体が引き出されるように構成される、請求項17に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバを備える、請求項17に記載のエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、リザーバを貫通する、空気取入口からマウスピースまでの空気流路を形成するエアロゾル送達装置。
【請求項20】
剛性モノリスが、その第2の側面に形成された円周溝をさらに備え、溝が、リザーバに対して剛性モノリスを密閉するのを助けるように構成される、請求項19に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品などのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために、伝導または誘導を介して電気的に生成された熱を利用し得るエアロゾル送達装置(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙品)に関する。喫煙品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙装置が長年に亘って提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれる2014年2月3日に出願されたBlessらの米国特許出願第14/170,838号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動発熱源を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【特許文献4】米国特許出願第14/170,838号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル送達装置の蒸気形成ユニットを提供することが望ましく、蒸気形成ユニットは、蒸気形成を改善するように構成される。そのような蒸気形成ユニットを利用して製造されるエアロゾル送達装置を提供することも望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置、およびそのような装置の要素に関する。エアロゾル送達装置とウィックとを特に統合して蒸気形成ユニットを形成することができ、蒸気形成ユニットを電源ユニットと組み合わせてエアロゾル送達装置を形成することができる。
【0006】
1つ以上の実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置に特に有用な噴霧器に関するものであり得る。噴霧器は、特に、少なくとも流体輸送要素とヒータとを含むことができる。流体輸送要素は、多孔質モノリスまたは非多孔質モノリスなどの剛性材料から形成され得る。ヒータと流体輸送要素とを組み合わせることにより、個々の構成要素および材料の特定の構成に照らして、蒸気形成を改善することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、例示的な噴霧器は、第1の側面と第1の側面に対向する第2の側面とを有する剛性モノリスを具備する流体輸送要素およびヒータを備えることができ、ヒータは、実質的に平面の加熱面を備え、加熱面は、剛性モノリスの第1の側面に面するように配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、剛性モノリスは、毛細管作用によって加熱面の近くにエアロゾル前駆体組成物を吸い上げることができる多孔質材料から形成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、剛性モノリスは、実質的に非多孔質の材料から形成され、剛性モノリスは、気化したエアロゾル前駆体のための導管を提供するために、第1の側面から第2の側面まで貫通する少なくとも1つの開口部を含む。
【0010】
特定の実施形態では、流体移送要素は、剛性モノリスの第1の側面に沿って吸収パッドをさらに含む。
【0011】
例示的な実施形態では、剛性モノリスは、その周囲に近接する少なくとも1つの通路をさらに備え、この通路は、液体エアロゾル前駆体が剛性モノリスの第2の側面から第1の側面に移動するための導管を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、剛性モノリスは、第1の側面に形成された凹部を有し、加熱面は、凹部の基底面に面するように配置される。いくつかの実装によれば、剛性モノリスは、基底面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を備える。少なくとも1つの開口部は、中央に配置された開口部を具備し得る。少なくとも1つの開口部は、複数の開口部を具備してもよく、中央に配置された開口部は、残りの複数の開口部よりも大きな直径を有することができる。場合によっては、基底面は、中央に配置された開口部が貫通する突起を備える。いくつかの実施形態では、剛性モノリスの凹部は、ディスクの厚さの約30%を超える深さを有する。吸収パッドと凹部とが設けられている場合、パッドは凹部に存在し得る。いくつかの実施形態では、吸収パッドは、中央に配置された開口を具備し得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、ヒータは、ヒータ線、導電性メッシュおよび、基板の表面に印刷された導電性トレース、または熱伝導性材料によって覆われたヒータを含む群から選択される少なくとも1つの加熱要素を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、噴霧器は、ヒータとは別体の熱的絶縁体も含み、絶縁体は、雲母ディスク、または低熱伝導率の他の材料であり得る。
【0015】
本開示の特定の態様では、本明細書に記載される噴霧器は、エアロゾル送達装置に使用するために含まれ得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、剛性モノリスの第2の側面に沿って通過する、空気取入口からマウスピースまでの空気流路を画定する。
【0017】
いくつかの実施形態では、剛性モノリスは、第1の側面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を含み、エアロゾル送達装置は、気化したエアロゾル前駆体が、重力によって、または剛性モノリスの第2の側面に沿って空気流路に沿って移動する空気の引き込みによって生成される圧力差によって、少なくとも1つの開口部を通って引き出されるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバ(例えば、タンク)を含む。リザーバは管状、または長方形などの別の形状とすることができ、エアロゾル送達装置は、リザーバを貫通する、空気取入口からマウスピースまでの空気流路を形成し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、剛性モノリスは、その第2の側面に形成された円周溝をさらに備え、溝は、リザーバに対して剛性モノリスを密閉するのを助けるように構成される。
【0020】
流体輸送要素は、リザーバから、流体輸送要素と熱的に接続されているヒータにエアロゾル前駆体組成物を吸い上げるか、その他の方法で輸送することができる。ヒータは、流体輸送要素を介してリザーバから輸送されるエアロゾル前駆体組成物の少なくとも一部を気化させるように、リザーバの外部に配置される。形成された蒸気は、エアロゾル送達装置に引き込まれる空気と組み合わさってエアロゾルを形成することができ、エアロゾルは、エアロゾル送達装置の吸い口端に流れ、エアロゾル送達装置を出る。噴霧器を含むエアロゾル送達装置は、エアロゾルを形成するのに有用な、本明細書に記載のあらゆる要素(例えば、電源要素、制御要素および気化要素)を収容する単一の一体型構造とすることができる。エアロゾル送達装置は、別個の制御本体に取り付けられるカートリッジまたはタンクとすることができ、制御本体は、電源要素(例えば、電池)および/または制御要素を含み得る。
【0021】
本発明は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0022】
実施形態1:第1の側面と第1の側面に対向する第2の側面とを有する剛性モノリスを具備する流体輸送要素および、ヒータを備える噴霧器であって、ヒータが、実質的に平面の加熱面を具備し、加熱面が、剛性モノリスの第1の側面に面するように配置される噴霧器。
【0023】
実施形態2:剛性モノリスが、毛細管作用によって加熱面の近くにエアロゾル前駆体組成物を吸い上げることができる多孔質材料から形成される、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0024】
実施形態3:剛性モノリスが、実質的に非多孔質の材料から形成され、剛性モノリスが、気化したエアロゾル前駆体のための導管を提供するために、第1の側面から第2の側面まで貫通する少なくとも1つの開口部を含む、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0025】
実施形態4:流体移送要素が、剛性モノリスの第1の側面に沿って吸収パッドをさらに備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0026】
実施形態5:剛性モノリスが、その周囲に近接する少なくとも1つの通路をさらに備え、該通路が液体エアロゾル前駆体が剛性モノリスの第2の側面から第1の側面に移動するための導管を提供する、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0027】
実施形態6:剛性モノリスが、第1の側面に形成された凹部を有し、加熱面が凹部の基底面に面するように配置される、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0028】
実施形態7:剛性モノリスが、基底面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を含む、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0029】
実施形態8:少なくとも1つの開口部が、中央に配置された開口部を備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0030】
実施形態9:少なくとも1つの開口部が複数の開口部を備え、中央に配置された開口部が、残りの複数の開口部よりも大きな直径を有する、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0031】
実施形態10:基底面が、中央に配置された開口部が貫通する突起を備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0032】
実施形態11:凹部が、剛性モノリスの厚さの約30%を超える深さを有する、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0033】
実施形態12:加熱面と基底面との間の凹部に配置された吸収パッドをさらに備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0034】
実施形態13:ヒータが、ヒータ線、導電性メッシュおよび基板の表面に印刷された導電性トレースを含む群から選択される少なくとも1つの加熱要素を備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0035】
実施形態14:ヒータとは別体の絶縁体をさらに備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0036】
実施形態15:絶縁体が雲母を具備する、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0037】
実施形態16:任意の前述の実施形態による噴霧器を備えるエアロゾル送達装置。
【0038】
実施形態17:エアロゾル送達装置が、剛性モノリスの第2の側面に沿って通過する、空気取入口からマウスピースまでの空気流路を画定する、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0039】
実施形態18:剛性モノリスが、第1の側面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を備え、エアロゾル送達装置が、剛性モノリスの第2の側面に沿って空気流路に沿って移動する空気の引き込みによって生成される圧力差によって、少なくとも1つの開口部を通って、気化したエアロゾル前駆体が引き出されるように構成される、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0040】
実施形態19:エアロゾル前駆体組成物を含むリザーバを備える、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、リザーバを貫通する、空気取入口からマウスピースまでの空気流路を形成するエアロゾル送達装置。
【0041】
実施形態20:剛性モノリスが、その第2の側面に形成された円周溝をさらに備え、該円周溝が、リザーバに対して剛性モノリスを密閉するのを助けるように構成される、任意の前述の実施形態のエアロゾル送達装置。
【0042】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0043】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本開示の様々な実施形態による、エアロゾル送達装置に利用され得る様々な要素を備えるカートリッジおよび電源ユニットを含むエアロゾル送達装置の部分切断図である。
図2】本開示の一実施形態による流体輸送要素の図である。
図3】本開示の一実施形態によるヒータおよび絶縁体の図である。
図4】本開示の一実施形態による噴霧器の分解図である。
図5】本開示の一実施形態による、リザーバとして機能するタンクの端面斜視図である。
図6】本開示の一実施形態による、図5のタンクと、リザーバおよび噴霧器を含む図4の噴霧器とを備えるエアロゾル送達装置の概略的な部分切断図である。
図7】本開示の別の実施形態による、ヒータの第1の側面からの分解斜視図である。
図8図7のヒータの第2の側面からの分解斜視図である。
図9図5のタンクと図7および図8の噴霧器とを含むエアロゾル送達装置の概略的な部分切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0046】
以下に記載されるように、本開示の実施形態は、エアロゾル送達システムに関する。本開示によるエアロゾル送達システムは、吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用して(例えば、材料を著しく燃焼させることなく、および/または材料を著しく化学変化させることなく)材料を加熱し、そのようなシステムの構成要素は、手持ち式装置と見なされるのに十分に小型であり得る物品の形態を有する。すなわち、エアロゾル送達システムの構成要素を使用しても(すなわち、タバコの燃焼または熱分解の副産物から)煙が生成されず、むしろそれらのシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達することができる。
【0047】
特定のエアロゾル送達システムのエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が従来の種類の喫煙品を使用するのと同じように、その部品を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0048】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように適合され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0049】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられる多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型ハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状とすることができ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を具備することができる。別の実施形態では、シェルは、長方形、三角形、楕円形または他の断面形状を有し得る。一実施形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを具備することができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の構成要素(例えば、その物品の動作を制御するための電池および様々な電子機器)を収容するハウジングを具備する制御本体(または電源ユニット)を一端に有し、エアロゾル形成構成要素(例えば、香味およびエアロゾル形成剤などの1つ以上のエアロゾル前駆体成分、1つ以上のヒータ、および/または1つ以上のウィック)を収容する取り外し可能に取り付けられた外側本体またはシェルを他端に有することができる。
【0050】
本開示のエアロゾル送達装置は、実質的に管状ではないが実質的に比較的大きな寸法に形成され得る外側ハウジングまたはシェルから形成されることができる。ハウジングまたはシェルは、マウスピースを含むように構成することができ、および/または液体エアロゾル形成剤などの消耗要素を含むことができ、気化器または噴霧器を含むことができる別個のシェル(例えば、カートリッジまたはタンク)を受け入れるように構成されてもよい。
【0051】
本開示のエアロゾル送達装置は、多くの場合、電源(すなわち、電気的な駆動源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段(例えば、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ))、ヒータまたは発熱部材(例えば、単独でまたは1つ以上の追加要素と組み合わせて、一般に「噴霧器」と呼ばれ得る、誘導による渦電流の結果として熱を生成するように構成された電気抵抗加熱要素または材料)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)ならびにエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするマウスピースおよび口元領域(例えば、生成されたエアロゾルが吸入によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを備える。
【0052】
本開示のエアロゾル送達システム内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、様々なエアロゾル送達システム構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術の項で参照される代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して理解することができる。
【0053】
本開示によるエアロゾル送達装置に利用され得る構成要素を示すエアロゾル送達装置100の例示的な一実施形態が、図1に示されている。エアロゾル送達装置100は、その中に示されている切断図に見られるように、機能的関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせされ得る電源ユニット102およびカートリッジ104を具備することができる。電源ユニット102とカートリッジ104との係合は、(図示されるように)圧入、ねじ込み、締り嵌め、磁気などとすることができる。具体的には、本明細書でさらに説明するような接続構成要素が使用されてもよい。例えば、電源ユニットは、カートリッジ上のコネクタと係合するように構成されたカプラを含んでもよい。さらなる例として、いくつかの例示的な実施形態では、電源ユニット102のハウジングは、カートリッジ104の少なくとも一部を受け入れるように構成されたキャビティを画定し得る。カートリッジ104の少なくとも一部が電源ユニット102のキャビティに受け入れられるそのような実施形態では、カートリッジ104は、締り嵌め(例えば、戻り止め、および/またはカートリッジ104の外面とキャビティの壁の内面との間に干渉係合を作成する他の特徴を使用することにより)、磁気係合または他の好適な技術によって、電源ユニット102のキャビティ内に保持され得る。
【0054】
特定の実施形態では、電源ユニット102およびカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、電源ユニットは、交換式電池または充電式電池を有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーライターソケット)への接続、およびそのいずれかがユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)を含み得るコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、または誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、もしくは無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジは、参照により本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0055】
図1に示すように、電源ユニット102は、制御構成要素106(例えば、プリント回路基板(PCB)、集積回路、メモリ部品、マイクロコントローラなど、ならびに温度制御のための測温抵抗体)、流量センサ108、電池110およびLED112を含むことができる電源ユニットシェル101から形成されることができ、このような構成要素は、可変に位置合わせされることができる。LEDに加えて、またはLEDの代替として、追加のインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)を含めることができる。発光ダイオード(LED)構成要素など、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類ならびにそれらの構成および使用は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書およびScatterdayの米国特許第8,539,959号明細書、Gallowayらの米国特許出願公開第2015/0020825号明細書ならびにSearsらの米国特許出願公開第2015/0216233号明細書に記載されている。図示された要素のいずれもが必要なわけではないことが理解される。例えば、LEDは、存在しなくてもよく、あるいは振動インジケータなどの異なるインジケータに置き換えられてもよい。同様に、流量センサは、押しボタンなどの手動アクチュエータに置き換えられてもよい。
【0056】
カートリッジ104は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ134に吸い上げるか、その他の方法で輸送するように構成された流体輸送要素136と流体連通しているリザーバ144を囲むカートリッジシェル103から形成することができる。流体輸送要素は、毛細管作用などによって液体を輸送するように構成された1つ以上の材料から形成することができる。流体輸送要素は、例えば、繊維材料(例えば、有機綿、酢酸セルロース、再生セルロース布、ガラス繊維)、多孔質セラミック(アルミナ、シリカ、ジルコニア、SiC、SiN、AlNなど)、多孔質炭素、黒鉛、多孔質ガラス、焼結ガラスビーズ、焼結セラミックビーズ、毛細管、多孔質ポリマーなどから形成することができる。したがって、流体輸送要素は、開放細孔ネットワーク(すなわち、流体が、要素を通る複数の方向に、1つの細孔から別の細孔へ流れ得るように相互接続された多数の細孔)を含む任意の材料であり得る。細孔は、ナノ細孔、ミクロ細孔、マクロ細孔またはそれらの組合せとすることができる。本明細書でさらに考察されるように、本開示のいくつかの実施形態は、特に、非繊維輸送要素の使用に関するものとし得る。したがって、いくつかの実施形態では、繊維輸送要素は明示的に除外され得る。あるいは、繊維輸送要素と非繊維輸送要素との組合せが利用されてもよい。いくつかの実施形態では、流体輸送要素は、毛細管作用による吸い上げに必ずしも依存せずに、開口部またはスロットを通して液体を導くように構成された実質的に固体の非多孔質材料、例えば、ポリマーまたは緻密セラミックまたは金属であり得る。そのような固体は、多孔質の吸収パッドと組み合わせて使用され得る。吸収パッドは、シリカ系繊維、有機綿、レーヨン繊維、酢酸セルロース、再生セルロース布、高多孔質セラミックまたは金属メッシュなどから形成することができる。
【0057】
電流が印加されると熱を生成するように構成された材料の様々な実施形態を使用して、ヒータ134を形成してもよい。ワイヤコイルを形成してもよい材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物、タングステン、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、チタン、白金、銀、パラジウム、銀およびパラジウムの合金、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。ヒータ134は、抵抗加熱要素、または誘導によって熱を生成するように構成された加熱要素であり得る。ヒータ134は、熱伝導性セラミック、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素またはそれらの複合材料によってコーティングされてもよい。
【0058】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部128がカートリッジシェル103内に(例えば、吸い口端に)存在してもよい。そのような構成要素は、カートリッジ内に存在してもよい構成要素の代表であり、本開示に包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。
【0059】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品、センサなどを含み得る1つ以上の電子部品150を含んでもよい。電子部品150は、有線または無線手段によって、制御構成要素106および/または外部装置と通信するように構成されてもよい。電子部品150は、カートリッジ104またはその基部140内のどこに配置されてもよい。
【0060】
制御構成要素106および流量センサ108は別個に図示されているが、空気流量センサが直接取り付けられた電子回路基板として、制御構成要素および流量センサが組み合わされてもよいことが理解される。制御構成要素106が測温抵抗体を含むと見なされ得るか、測温抵抗体が電子部品150に組み込まれ得る。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が電源ユニットの中心軸に対して長さ方向に平行であり得るという点で、図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、空気流量センサは、それが取り付けられ得るそれ自体の回路基板または他の基部要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。例えば、プリント回路基板および圧力センサの構成がWormらの米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
電源ユニット102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。図1に示すように、電源ユニット102は、内部にキャビティ125を有するカプラ124を含むことができる。カートリッジ104は、カプラ124と係合するように構成された基部140を含むことができ、キャビティ125内に嵌合するように構成された突出部141を含むことができる。このような係合は、電源ユニット102とカートリッジ104との間の安定した接続を容易にするとともに、電源ユニット内の電池110および制御構成要素106とカートリッジ内のヒータ134との間の電気接続を確立することができる。さらに、電源ユニットシェル101は、吸気口118を含むことができ、吸気口118はシェル内のノッチであってよく、ここでノッチはカプラ124に接続し、これにより、カプラ周辺の周囲空気が通過してシェル内に入り、次いでカプラのキャビティ125を通過し、突出部141を介してカートリッジ内に入ることが可能になる。吸気口118は、電源ユニットシェル101上にあるか電源ユニットシェル101に隣接することに限定されないが、カートリッジの外部、または取り外し可能なマウスピースなどのエアロゾル送達装置の何らかの他の部分を通して形成され得る。
【0062】
本開示による有用なカプラおよび基部は、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、図1に見られるように、カプラは、基部140の内周142と嵌合するように構成された外周126を画定してもよい。一実施形態では、基部の内周は、カプラの外周の半径と実質的に等しいか、それよりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラ124は、基部の内周に画定された1つ以上の凹部178と係合するように構成された1つ以上の凸部129を外周126に画定してもよい。ただし、構造、形状および構成要素の様々な他の実施形態を使用して、カプラに基部を連結してもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ104の基部140と電源ユニット102のカプラ124との間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の実施形態では、それらの間の接続は、例えば、電源ユニットが、使い捨ておよび/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のカートリッジとともに再利用され得るように、取り外し可能であってよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。他の実施形態では、追加の形状および寸法、例えば、長方形、楕円形、六角形または三角形の断面、多面体形状などが包含される。具体的には、電源ユニット102は、棒状でなくてもよく、むしろ実質的に長方形、円形であってよいか、何らかの追加の形状を有してもよい。同様に、電源ユニット102は、実質的に従来の紙巻タバコの寸法であると予測される電源ユニットよりも実質的に大きくてよい。
【0064】
図1に示されるリザーバ144は、容器(例えば、エアロゾル前駆体組成物に対して実質的に不浸透性の壁から形成される)であり得るか、繊維リザーバであり得る。容器の壁は柔軟とすることができ、折り畳み可能とすることができる。あるいは、容器の壁は実質的に剛性とすることができる。容器は、実質的に密閉されて、本明細書に別途記載されている輸送要素を介するなど、エアロゾル前駆体組成物の通過のために明示的に設けられた任意の特定の開口部を介するもの以外のエアロゾル前駆体組成物の貫通を防止し得る。例示的な実施形態では、リザーバ144は、カートリッジシェル103の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を具備することができる。繊維は、ポリカーボネート、シリコーン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはセラミックから構成されることができる。エアロゾル前駆体組成物はリザーバ144に保持されることができる。例えば、液体成分は、リザーバ144によって(すなわち、リザーバ144が繊維材料を含む場合)収着可能に保持されることができる。リザーバ144は、流体輸送要素136と流体接続することができる。この実施形態では、流体輸送要素136は、毛細管作用を介して、金属ワイヤコイルの形態である加熱要素134に、リザーバ144に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、加熱要素134は流体輸送要素136を伴った加熱構成にある。
【0065】
使用時に、ユーザが物品100を吸引すると、センサ108によって空気流が検出され、加熱要素134が作動し、加熱要素134によってエアロゾル前駆体組成物の成分が気化される。物品100の吸い口端を吸引すると、周囲空気が吸気口118に入り、カプラ124内のキャビティ125と、基部140の突出部141内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と組み合わさって、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、加熱要素134から吹き飛ばされるか、吸入されるか、さもなければ吸引され、物品100の吸い口端内の口元開口部128から出る。あるいは、気流センサがない場合、加熱要素134は、押しボタンなどによって手動で作動させられてもよい。
【0066】
エアロゾル送達装置には、入力要素が含まれてもよい(気流センサまたは圧力センサを置き換えるか、補完してもよい)。入力は、ユーザが装置の機能を制御し、および/またはユーザに対して情報を出力することを可能にするために含まれてもよい。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許出願公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよい。同様に、参照により本明細書に組み込まれる2015年3月10日に出願されたSearsらの米国特許出願第14/643,626号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。さらなる例として、エアロゾル送達装置の特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。参照により本明細書に組み込まれるHenryらの米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達装置に実装されて、静電容量センサが実装されている装置の表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供できるようにしてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、入力は、スマートフォンまたはタブレットなどのコンピュータまたはコンピューティング装置を含んでもよい。具体的には、エアロゾル送達装置は、USBコードまたは類似のプロトコルの使用などを介して、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。エアロゾル送達装置はまた、無線通信を介して入力として作用するコンピュータまたは他の装置と通信してもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許出願公開第2016/0007561号明細書に記載されているような読み出し要求を介して装置を制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、コンピュータまたは他のコンピューティング装置に関連してアプリケーションまたは他のコンピュータプログラムを使用して、エアロゾル送達装置に制御命令を入力してもよく、そのような制御命令は、例えば、ニコチン含有量および/または含有される追加の香味の含有量を選択することによって、特定の組成のエアロゾルを形成する能力を含む。
【0068】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当技術分野に記載され、また市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができる電池の例は、Peckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
エアロゾル送達装置は、エアロゾル生成が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)に発熱要素への電力の供給を制御するためのセンサまたは検出器を組み込むことができる。このように、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合に発熱要素への電力供給をオフにし、吸引中に発熱要素による発熱を作動させるか、または引き起こすために電力供給をオンにする様式または方法が提供される。追加の代表的な種類の感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な操作方法は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書およびFlickの国際公開第2010/003480号に記載されている。
【0070】
エアロゾル送達装置は、吸引中に発熱要素への電力量を制御するための制御機構を組み込んでもよい。代表的な種類の電子部品、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な操作方法は、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書およびPanの米国特許第8,205,622号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書およびAmpoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書ならびにHenryらの米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に記載されている。
【0071】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基板、リザーバまたは他の構成要素は、参照により本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書およびDavisらの米国特許出願公開第2014/0059780号明細書ならびにBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されている。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のそれらのウィッキング材料の構成および動作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許第8,910,640号明細書に記載されている。
【0072】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込んでもよい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末化されたタバコ薄片などのタバコの部分または小片として提供されてもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書に記載されているようなタバコビーズ、ペレットまたは他の固体形態が含まれてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香味剤などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。他の実施形態では、非タバコ材料のみがエアロゾル前駆体組成物を形成し得る。
【0073】
蒸気前駆体組成物または「e-リキッド」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な成分を含んでもよい。代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用可能な他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Lorillard TechnologiesによるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。エアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が、許容可能な感覚的特性および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に類似した目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれ得る。
【0074】
本開示のエアロゾル送達システムに組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、参照により本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されている。
【0075】
物品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な実施形態に適用され得る。ただし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。図1に示されたか、さもなければ上記に記載された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれ得る。
【0076】
1つ以上の実施形態では、本開示は、特に、蒸気生成を増加するように構成されたエアロゾル送達装置に関し得る。このような増加は、様々な要因から生じ得る。いくつかの実施形態では、流体輸送要素は、多孔質セラミック、多孔質ガラス、多孔質ポリマーなどのような多孔質モノリスから部分的にまたは完全に形成され得る。本開示の実施形態による使用に適した例示的なモノリシック材料は、例えば、2016年1月5日に出願された米国特許出願第14/988,109号明細書、およびLaMotheの米国特許出願公開第2014/0123989号明細書に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、多孔質モノリスは、実質的に剛性のウィックを形成することができる。特に、輸送要素は、当技術分野で既知の個々の繊維の束ではなく、実質的に単一のモノリシック材料とすることができる。
【0077】
流体輸送要素として剛性の多孔質モノリスを使用することは、加熱の均一性を改善し、不均一な加熱が発生した場合の流体輸送要素の炭化の可能性を低減するのに有益であり得る。また、エアロゾル送達装置内の繊維材料の存在を排除することが望ましい場合がある。このような利点にもかかわらず、多孔質モノリスは、流体輸送要素としての実装を成功させるための特定の課題も提示する。そのような課題は、繊維状ウィックと比較して、多孔質モノリス(例えば、多孔質セラミック)の異なる材料特性に一部起因する。例えば、アルミナは、シリカよりも高い熱伝導率および高い熱容量の両方を有する。これらの熱特性により、ウィックとヒータとの界面でエアロゾル前駆体組成物から熱が奪われるため、同等の流体気化を実現するには、比較的高い初期エネルギー出力が必要になる場合がある。本開示は、そのような困難を克服する手段を実現する。
【0078】
多孔質モノリスを使用するいくつかの実施形態では、多孔質モノリスを使用する場合の気化に必要なエネルギーの減少が可能となり、多孔質モノリス流体輸送要素の表面の熱流束密度(ワット毎平方メートル(W/m)単位で測定)を増加させることによって気化応答時間の改善ができることとなる。本開示は、特に、熱流束密度のそのような増加を提供するのに適した実施形態を説明する。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示は、流体輸送要素が、ヒータの平面加熱面から熱を受け取るための平坦な受熱面を提供する噴霧器構成を提供する。図2は、流体輸送要素236が実質的に剛性の多孔質モノリスの形態である、本開示の第1の実施形態を示す。流体輸送要素236は、第1の側面244および第2の側面248を有する円形ディスクの形状の本体240を有する。本体240の周囲は、流体輸送要素236を利用するエアロゾル送達装置の全体的な断面に対応するために円形であることに加えて、他の形状を取ってもよい。図示される実施形態では、第1および第2の側面244、248は、一般に、円形ディスクの対向面に対応する。第1および第2の側面244、248は、互いに実質的に平行な表面であり得る。円形ディスクは、約6mm~約14mmの外径Dを有し得るが、本体240の寸法は、関連するエアロゾル送達装置の構成要素の寸法に応じて変化し得る。例えば、エアロゾル送達装置が紙巻タバコに類似している場合、図1に示すように、ディスクがエアロゾル送達装置の長手方向軸線に垂直に配置された際に、本体がシェル103(図1)内に嵌合するように外径Dが選択されてもよい。外径Dは、図示されるように一定としてもよく、あるいは階段状部分または円錐形の外面を形成するように変化して、限定するものではないが、エアロゾル前駆体組成物を収容するリザーバと本体240の半径方向外側部分との間の操作可能な流体接触を容易にすることを含む、エアロゾル送達装置の組み立てを容易にしてもよい。
【0080】
図2に図示される実施形態では、第1の側面244は、ヒータに隣接し、場合によりヒータと接触することを意図した受熱側としてもよい。第2の側面248はエアロゾル放出側としてもよく、エアロゾル放出側から、エアロゾル送達装置の吸い口端が吸引されている間にユーザによって生成された空気流によって、蒸気が流体移送要素236から吹き飛ばされることが意図される。図示されていない他の実施形態では、熱が第2の側面248に加えられることができ、エアロゾルが第1の側面244から吹き飛ばされ得るか、加熱および吹き飛ばしの両方が本体240の片側に対して主に発生し得る。いくつかの実施形態、特に空気流が本体の各側に隣接して通過する実施形態では、本体240のそれぞれの側での加熱および吹き飛ばしの両方が企図される。
【0081】
図2に図示される実施形態では、第1の側面244は、本体240内に形成されるか、その他の方法で設けられる凹部252を含んでもよい。凹部252は、本体240の周囲の形状と一致する形状を有し得る。図示される円形の場合、凹部252は、一般に本体240の直径Dの半分よりも大きい、約5mm~約12mmの直径Dを有し得る。直径Dは、流体輸送要素236に隣接する位置でリザーバを通る導管の半径に部分的に基づいて選択されてもよい。
【0082】
本体240の外周と凹部252との間の部分は、吸収領域254と呼ばれることができ、吸収領域254は、図6に示すように、全体的または部分的にリザーバと接触して配置されてもよい。
【0083】
凹部252は、深さZを有してもよく、Zは、約1mm~約4mm、場合により約1.75mm~約2mmであり、これは、本体240の厚さTの約3分の1~約4分の3とし得る。この場合も、凹部252の絶対深さおよび相対深さは変化し得る。一実施形態では、深さZは、ヒータおよび絶縁体(例えば、熱的絶縁体)が凹部252内に実質的に完全に受け入れられ得るように十分に大きくてもよい。別の実施形態では、凹部252はヒータを受け入れ、絶縁体は、本体240の上面255上に配置され得る。
【0084】
凹部252は、受熱面と呼ばれ得る基底面256を画定する。いくつかの実施形態では、凹部は省略されてもよく、上面255は受熱面であってよい。本体240は、凹部252の基底面256と第2の側面248との間に画定される蒸気形成領域260を有する。蒸気形成領域260は、約0.5mm~約2.5mmの厚さTを有し得る。一実施形態では、Tは約1mmである。凹部252の直径Dによって決定される基底面256の面積と、蒸気形成領域260の厚さTとは、熱流束密度を最適化し、エアロゾル前駆体が段階化され得る蒸気形成領域の体積に関して、そこからエアロゾル前駆体が放出され得る表面積の比を最適化するように選択され得る。
【0085】
図2に示すように、基底面256から本体240の第2の側面248まで延在する蒸気形成領域260には、1つ以上の開口部270が設けられ得る。開口部の直径Dは、約0.1mm~約0.9mmの範囲としてもよく、約0.35mmとしてもよいが、他の寸法もまた企図される。開口部270は多孔質本体240に設けられて、そこからエアロゾル前駆体が蒸気中に放出可能な露出表面積を増加させる。各開口部270のサイズを選択することに加えて、エアロゾルの効率的な放出を最適化するために、開口部の量および配置が変化させられ得る。エアロゾル放出の効率は、流体輸送要素236を加熱するのに必要な電力対気化されるエアロゾル前駆体の体積などの要因に基づいて決定され得る。開口部270は、いずれもほぼ同じ寸法であり得るか、それらの寸法は異なり得る。例えば、比較的小さな開口部であれば蒸気形成領域260の中心近くに配置され、比較的大きな開口部であれば蒸気形成領域の周囲近くに配置されるか、その逆もあり得る。開口部270は、不規則に配置されるか、正方形グリッド、同心円などの様々な順序付けられた配列で、または円形基底面256の放射状線に沿って開口部を整列させて配置されてもよい。
【0086】
開口部270の間隔もまた変化し得る。間隔の狭い開口部270は、0.5*D以下の厚さにより分離され得るのに対して、間隔の広い開口部は、約Dの距離またはそれ以上離れた距離であり得る。基底面256の総面積に対する開口部270の端部の累積表面積もまた、本体240自体の多孔度を無視して、約90%の開口面積から約10%以下の開口面積まで変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、開口部270が全く存在しなくてもよく、その場合、開口面積の割合はゼロとして定義される。開口部270の使用は、対流および伝導を通じたヒータからの熱伝達を容易にして、流体輸送要素236のさらに均一な加熱を提供するか、ヒータまたは流体輸送要素の過熱を回避することの助けとなり得る。開口部270が表面積を増加させるために使用される場合、ポケット、キャビティ、溝、リブ、突出部、凸部などの代替の面状欠陥が第2の側面248の蒸気形成領域260に設けられて、本体240の第2の側面248に露出した表面積を同様に増加させてもよい。
【0087】
図3にはヒータ234が示され、ヒータは、流体移送要素236の受熱面(例えば、基底面256、または存在する場合は吸収パッド)に面し、かつ近接するように構成された実質的に平面の加熱面280を提示するように構成される。一実施形態では、加熱線282が、実質的に平面に沿って配置されて、実質的に平坦な加熱要素を提供する。一実施形態では、加熱要素は、セラミック(アルミナ、ジルコニア、ベリリアなど)のような高熱伝導性材料の間に挟まれてもよい。一実施形態では、加熱線282は、セラミックまたは他の耐熱性材料から作製された平坦なディスク283の表面に印刷されるか、その他の方法で堆積された導電性トレースとして形成される。ヒータ234の周囲は、基底面256(図2)の形状および直径と同様に構成されることができ、その結果、ヒータ234は、基底面に近接して、または基底面に接触して凹部252内に実質的に存在して、ヒータ234の加熱面280から流体輸送要素236の蒸気形成領域260に熱を伝達し得る。いくつかの実施形態では、ヒータ234の半径Rは、凹部252の直径Dの半分以下である。一実施形態では、ヒータ234は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,491,974号明細書による型打ちヒータとすることができる。
【0088】
平面配置内の加熱線282の内部レイアウトは、加熱線のトレース、そのコイルの数、または加熱線の隣接部分間の結果として生じる間隔に関して特に限定されない。この場合も、加熱線282は、加熱面282上にあるか、加熱面282からはめ込まれてもよい。
【0089】
ヒータ234は、ヒータに正および負の電気接続を提供するための電気リード線284をさらに含むことができる。電気リード線284は、加熱線282と一体に形成されることができるか、加熱線に(例えば、溶接により、またはコネクタを使用して)取り付けられ得る別個の要素とすることができる。リード線284の位置は特に限定されない。リード線284は、互いに隣接して配置されてもよく、あるいは互いに分離されてもよい。
【0090】
流体輸送要素236およびヒータ234の分解図が図4に示されている。シート状の雲母または同様の絶縁材料などの電気絶縁体および熱的絶縁体288も設けられ得る。図4から理解されるように、絶縁体288は、本体240の第1の側面244上に設けられ、凹部252内でヒータ234を実質的に囲むように構成され得る。電気リード線284は、電源との電気接続を形成するために、絶縁体288を貫通するか、絶縁体288の周囲を通過すると理解され得る。絶縁体288は、凹部252内のヒータ234に適合するような寸法および大きさにされ得るか、絶縁体は、さらに大きな直径を有し、本体240の上面255に沿って配置され得る。
【0091】
輸送要素226と、ヒータ234と、任意選択の絶縁体288との組合せは噴霧器290を提供する。図4から理解されるように、ヒータ234は、流体輸送要素236の凹部252内に存在するように構成され得る。この構成では、ヒータ234からのエネルギーは、本体240の蒸気形成領域260の比較的小さな表面積に集束される。
【0092】
1つ以上の代替の実施形態では、ヒータ234の加熱線282は、メッシュまたはスクリーンヒータの形態で設けられることができ、これは、多孔質モノリシック流体輸送要素236上のヒータ表面積被覆性を増加させるのに効果的であり得る。この場合も、ヒータ234は、流体輸送要素の基底面256などの第1の側面244の少なくとも一部に接触するように構成されてもよく、ヒータは導電性メッシュの形態である。本明細書で使用されるメッシュおよびスクリーンという用語は、交換可能であり、特に、交差する導電性フィラメントのネットワークを指すことを意味する。したがって、導電性メッシュは、導電性フィラメントのネットワークおよび/または交絡構造であると解釈することができる。導電性フィラメントは、ヒータの形成に関して本明細書に別途列挙されているような任意の好適な導電性材料から形成され得る。1つ以上の実施形態では、導電性フィラメントは、非導電性フィラメントまたは同様の材料と少なくとも部分的に織り合わされることができる。
【0093】
ヒータ234は、導電性メッシュから形成される場合、平行四辺形、またはメッシュ構成と一致する他の形状を形成する導電性フィラメントの規則的なパターンを画定することができる。導電性フィラメントは、特に、絶縁空間を取り囲むことができる。絶縁空間は、空いていても(例えば、空気により断熱されていても)、少なくとも部分的に絶縁体が充填されていてもよい。絶縁空間は、ヒータの加熱能力が増加されてヒータへの電力供給量が減少するように、画定された面積を有するように構成され得る。いくつかの実施形態では、絶縁空間は、約0.01μm~約2mmの平均個別面積を有することができる。さらなる実施形態では、絶縁空間は、約0.05μm~約1.5mm、約0.1μm~約1mm、約0.25μm~約0.5mmまたは約0.5μm~約0.1mmの平均個別面積を有することができる。いくつかの実施形態では、絶縁空間は、約0.005mm~約2mm、約0.01mm~約1.5mmまたは約0.02mm~約1mmなどの上方範囲の平均個別面積を有することができる。いくつかの実施形態では、絶縁空間は、約0.01μm~約10μm、約0.02μm~約5μmまたは約0.05μm~約1μmなどの下方範囲の平均個別面積を有することができる。
【0094】
加熱線282または代わりの導電性メッシュは、それに直接印加される電流の抵抗によって熱を生成することに限定されない。加熱線282または導電性メッシュは、電源に直接電気的に接続することなく、交番磁場の存在下で誘導電流および渦電流を介して熱を生成するように同様に構成されることができる。誘導加熱の場合、フェライト鋼、強磁性セラミック、アルミニウムなどの他の種類の材料が加熱要素として使用されることができる。
【0095】
さらなる実施形態では、図4に示されるような噴霧器290が、タンク304を含み得るエアロゾル送達装置300(図6)に含まれることができる。噴霧器290と組み合わせるのに適したタンク304の端面斜視図を図5に示す。タンク304は、液体エアロゾル前駆体345を貯蔵するように構成されたリザーバ344を画定する外側本体またはシェル303を含むことができる(図6)。タンク304は、少なくとも1つの空気取入口308を含むことができる。図示される実施形態では、空気取入口308は、円周方向に離隔され、タンク304の周囲から半径方向に延在する。空気取入口308は、シェルフ318に沿ってチャンバ310に通じるか、シェルフ318の上部の下に埋め込まれたチャンバ310に通じる。いずれの場合も、タンク304の端部は、空気経路とリザーバ344内の液体との間の混合を回避するように設計される。内腔314は、チャンバ310からタンク304を通ってマウスピース327(図6)まで延在して、空気の引き込みがエアロゾル送達装置300を離れることを可能にし得る。1つ以上の穴316は、リザーバ344へのアクセスを可能にする。穴316は、キャビティ310の周りに配置されたシェルフ318に形成され得る。シェルフ318は、そこから軸方向に突出する1つ以上の環状リング320を含み得る。環状リング320は、嵌合溝(516、図8)と係合して、タンク304に対して液体輸送要素を密閉するのを助けるように構成され得る。
【0096】
図6に示すように、噴霧器290は、シェルフ318上に設置されることができる。エアロゾル前駆体345は、穴316のうちの1つ以上(図5)を通ってリザーバを出て、多孔質流体輸送要素236によって吸収され得る。あるいは、以下に記載されるように、流体輸送要素は、ヒータと流体輸送要素との間の吸収パッドと連結されて、エアロゾル前駆体を吸収し得る。ヒータ234が作動されると、エアロゾル前駆体組成物は気化され、開口部270を通ってチャンバ310内に引き込まれるか、多孔質流体輸送要素236の第2の側面248から吸い上げられる。
【0097】
図示される実施形態では、空気取入口308を通って引き込まれた空気は、チャンバ310から内腔314を通ってマウスピース327まで、(例えば、形成された蒸気が空気と混合されるエアロゾルの形態の)形成された蒸気を同伴する。図6に点線により示されている、取入口308からマウスピース327までの空気流路Pは、流体輸送要素236の第2の側面248に沿って通過する。図示される実施形態では、空気流路Pは、流体輸送要素236を貫通しないか、流体輸送要素236の周囲を通過せず、開口部270を貫通しない。代わりに、空気取入口308から開口部270の出口を横切って、かつマウスピース327から流れる空気の引き込みによって引き起こされる圧力差がチャンバ310内に形成され、これにより、生成されたエアロゾルが開口部270からチャンバ310に引き込まれ、ここでエアロゾルが空気流に同伴される。圧力差はまた、リザーバ344から流体輸送要素236にエアロゾル前駆体345をさらに吸い上げるのを助けることができる。図示されるように、リザーバ344は実質的に管状とすることができ、エアロゾルは空気流路Pに沿ってリザーバを貫通する。リザーバ344の外形はシェル303の形状と一致してもよく、シェル303の形状は、円筒管に限定されず、中央内腔または他の内腔が貫通する他の外部形状を含み得る。要素の他の構成もまた企図される。タンク304は、タンクを制御本体または電源ユニット(例えば、図1の要素102)に接続するためのコネクタ340を含み得る。コネクタ340は、図1に示される基部140と同様の構造を有してもよいか、タンク304を制御本体/電源ユニットに接続するのに適した任意の追加の構造を有してもよい。図示されていないが、ヒータ234と電池(例えば、図1の要素110)または他の電力送達装置との間の電気接続を提供するために電気接続部が含まれることが理解される。図1のエアロゾル送達装置100からの関連要素のいずれも、エアロゾル送達装置300に含まれ得る。
【0098】
少なくとも2つの別個のヒータを使用すると、蒸気生成を改善するのに有益であり得る。具体的には、液体を予熱して流体輸送要素内で気化させるために第1のヒータが使用されることができ、液体を実際に気化させるために第2のヒータが使用されることができる。予熱により、所望の量の蒸気を提供するために必要な総電力および/または絶対温度および/または加熱時間を低減することができる。例えば、外部ヒータは予熱器であってよく、内部ヒータが気化ヒータであってよい。追加的または代替的に、少なくとも2つの別個のヒータが流体輸送要素の外面に配置されてもよい。一方のヒータは予熱器として機能してもよく、他方のヒータは気化ヒータとして機能してもよい。例えば、図6に示すように、予熱器(図示せず)は、ヒータ234(気化ヒータとして機能し得る)とリザーバ344との間に配置されることができる。予熱器は、リザーバ344から気化ヒータ234に流れる液体エアロゾル前駆体組成物を予熱してもよく、その結果、気化ヒータは、上述のように気化をさらに容易に達成することができ、および/または予熱器は、液体エアロゾル前駆体組成物の粘度を低下させて、リザーバから気化ヒータへの液体の流れを改善することができる。図6では、ヒータ234とリザーバ344との間に配置された第2のヒータは、本明細書に記載のメッシュヒータであってよいか、単純なワイヤコイルであってよいか、流体輸送要素内の液体を予熱するのに有用な任意の他の種類のヒータであってよい。
【0099】
図7および図8に目を向けると、第2の実施形態による噴霧器490の分解図が示されている。噴霧器490は、第1の実施形態の絶縁体288と実質的に同様であり得る絶縁体488を含み得る。噴霧器490は、ヒータ434を含んでもよく、ヒータ434は、上で説明された第1の実施形態のヒータ234と実質的に同様であり得る。噴霧器490は、液体エアロゾル前駆体組成物を吸収し、吸い上げるのに適した繊維材料を含み得る高吸収性パッド504を含み得る。パッド504に適した材料には、シリカ、セラミックまたは綿が含まれる。パッド504は、任意の中央開口部508を含み得る。
【0100】
さらに、噴霧器490は、第2の実施形態による流体輸送要素436を含み、流体輸送要素は、セラミック、金属またはポリマーから形成された非多孔質モノリスである。流体輸送要素436は、その多孔度に依存することなく流体を輸送するように構成され得る。流体輸送要素436は、第1の側面444および第2の側面448を有する本体440を有する。第1の側面444と第2の側面448との間の厚さは、本体が実質的に平坦であると見なされ得るように、本体440の他の寸法よりも実質的に薄くてよい。図示される実施形態では、本体440は円形であり、したがってディスクとして説明され得る。長方形、六角形、三角形、他の正多角形および不規則多角形、楕円形ならびに他の形状などの他の周辺形状もまた企図される。
【0101】
図7に図示される実施形態では、第1の側面444は、本体440内に形成されるか、その他の方法で設けられる凹部452を含む。凹部452は、存在する場合、基底面456を画定することができる。他の実施形態では、凹部は存在しなくてもよい。
【0102】
本体440の周縁近傍に、第2の側面448と第1の側面444との間に延在する1つ以上の通路458が設けられてもよい。通路458は、エアロゾル前駆体組成物345(図6および図9)が、リザーバ344(図6および図9)から流体輸送要素436の第1の上側444まで、例えば、その周縁部から凹部452内に流れるための導管を提供するように構成される。本体440がタンク404(図9)と係合するとき、通路458は、穴316(図5)に対応するように配置されていると理解され得る。穴316の数および通路458の数は、液体エアロゾル前駆体組成物の必要な流量に応じて選択され得る。第1の側面444上の通路458の縁部は、基底面456の周囲に接することができるか、基底面に突出することができる。
【0103】
次いで、エアロゾル前駆体組成物345は、吸収パッド504によって吸い上げられるなど、基底面456とヒータ434との間の空間に移動するか、吸収パッドが省略される場合、前記空間に自由に流れてもよく、その結果、エアロゾル前駆体組成物がヒータと直接接触し得る。ヒータ434が通電されると、収集されたエアロゾル前駆体組成物はエアロゾル化され、開口部470を通って流体輸送要素436を通ってチャンバ410(図9)に出て、空気流路P(図9)に沿って空気流に混入され得る。
【0104】
一実施形態では、開口部470は、上記の開口部270と実質的に同様としてもよい。多孔質パッド504が存在する場合、開口部470のサイズ範囲は、例えば約0.1mm~約1mm増加させても良い。
【0105】
いくつかの実施形態では、開口部470は中央開口部472を含む。中央開口部472は、残りの開口部470よりも大きくてよい。中央開口部は、約0.5mm~約4mmのサイズを有し得る。図7に図示される実施形態では、中央開口部472は、本体440の基底面456から延在する隆起した突起474を貫通する。突起474は、パッド504から中央開口部472に液体エアロゾル前駆体組成物が漏出するのを抑制するように作用し得る。図示される実施形態では、突起474は、その外部に形成された少なくとも1つの凹部476を含む。凹部476は、吸収パッド504から中央開口部472に向かってエアロゾルを放出することができる。他の実施形態では、隆起した突起474は存在しなくてもよい。隆起した突起474は、吸収パッド504の中央開口部部508を貫通すると理解される。突起474が省略される場合、中央開口部508は、同様に省略されるか、突起を伴わず残され得る。
【0106】
一実施形態では、基底面456はまた、基底面の周縁部の周りに形成されたスタンドオフ512を有するように形成される。スタンドオフ512は、ヒータ434を支持し、ヒータと基底面456との間の所望の間隙を維持することができる。間隙はエアロゾル前駆体組成物を受け入れる。間隙は、約0.1*Z~約0.75*Zのサイズの範囲であり得、Z(図2)は、凹部452の深さである。間隙の高さはまた、基底面456上の通路458が到達する高さに対応し得る。
【0107】
一実施形態では、本体440の第2の側面448(図8)には、溝516が設けられる。溝516は、本体440とタンク404(図9)との間の接触および嵌合を促進して、液体エアロゾル前駆体がチャンバ410に漏出するのを防ぐための機械的シーリングの形成を助けることができる。例えば、嵌合は、溝516と上記の環状リング320(図5)との間の係合を含むことができる。
【0108】
1つ以上の例では、本明細書に記載される値は、「約」という単語によって特徴付けられ得る。値が「約」記載された量であるということは、記載された量が正確に、示された値であり得るか、示された値から最大5%、最大2%または最大1%変化する可能性があることを示すと理解される。
【0109】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧器であって、
第1の側面と、前記第1の側面に対向する第2の側面とを有するモノリシックセラミック素子と、
ヒータであって、ヒータが、実質的に平面の加熱面を備え、加熱面が、モノリシックセラミック要素の第1の側面に面するように配置されているヒータと、
絶縁体であって、ヒータから分離されている、絶縁体と、
を含む、噴霧器。
【請求項2】
ヒータが、熱伝導性材料の間に挟まれた加熱要素を含む、請求項1に記載の噴霧器。
【請求項3】
モノリシックセラミック要素が、流体移送要素である、請求項1に記載の噴霧器。
【請求項4】
モノリシックセラミック要素が、モノリシックセラミック要素の第1の側面に沿って吸収パッドをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項5】
モノリシックセラミック要素はさらに、その周囲に近接する少なくとも1つの通路を備え、該通路が、液体エアロゾル前駆体がモノリシックセラミック要素の第2の側面から第1の側面に移動するための導管を提供する、請求項1~4のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項6】
モノリシックセラミック素子が、第1の側面に形成された凹部を有し、加熱面が、凹部の基底面に面するように配置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項7】
モノリシックセラミック要素が、基底面から第2の側面まで延在する少なくとも1つの開口部を含む、請求項6に記載の噴霧器。
【請求項8】
少なくとも1つの開口部が、中央に配置された開口部を備える、請求項7に記載の噴霧器。
【請求項9】
ヒータは、凹部内に完全に受け入れられる、請求項6~8のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項10】
絶縁体は、凹部内でヒータを実質的に囲む、請求項6~9のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項11】
絶縁体は、凹部内に完全に受け入れられる、請求項6~10のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項12】
第1の側面は、基底面と上面とを含み、絶縁体は上面に沿って配置される、請求項10に記載の噴霧器。
【請求項13】
噴霧器がさらに、絶縁体を貫通するか又は絶縁体の周囲を通過する電気リード線を含む請求項9に記載の噴霧器。
【請求項14】
噴霧器が長方形である、請求項1~13のいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の噴霧器を備えるエアロゾル送達デバイス。