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特開2024-20626ガスエンジン交換装置のための両方向モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020626
(43)【公開日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ガスエンジン交換装置のための両方向モータ
(51)【国際特許分類】
   H02P 5/74 20060101AFI20240206BHJP
   E01C 19/35 20060101ALI20240206BHJP
   E02D 3/061 20060101ALI20240206BHJP
   E01C 19/38 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
H02P5/74
E01C19/35
E02D3/061
E01C19/38
【審査請求】有
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023206550
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2022525891の分割
【原出願日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】62/932,715
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー、パトリック、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】バートレット、ティモシー、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】オーバーマン、ティモシー、アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューバー、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】スプレイグ、コナー、ピー.
(72)【発明者】
【氏名】グランツァー、エヴァン、エム.
(72)【発明者】
【氏名】コーラー、ジョン、イー.
【テーマコード(参考)】
2D043
2D052
5H572
【Fターム(参考)】
2D043CB04
2D052BC07
2D052BC12
5H572AA20
5H572CC04
5H572EE04
5H572HA09
5H572HB07
5H572JJ03
5H572JJ17
5H572LL22
5H572LL32
5H572MM09
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】ガスエンジン交換装置(10)のための両方向モータ(36)。一実施形態は、ハウジング(14)と、バッテリレセプタクル(54)と、モータ(36)と、モータ(36)からトルクを受ける動力取出シャフト(38)と、モータ(36)に選択的に電力を提供するよう構成される電力スイッチングネットワーク(310)と、電力スイッチングネットワーク(310)に結合される電子プロセッサ(302)とを含む、ガスエンジン交換装置(10)を提供する。電子プロセッサ(302)は、モータ(36)を第1の方向に回転させ、モータ(36)の回転方向を切り替える入力を受信するよう構成される。電子プロセッサは、また、電力スイッチングネットワーク(310)を制御してモータ(36)を停止させ、電力スイッチングネットワーク(310)を制御してモータ(36)を停止させた後に、第2の方向にモータ(36)を回転させるよう構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力機器であって、
当該動力機器においてガスエンジンを交換するための第1のデバイスと、
当該動力機器において前記ガスエンジンを交換するための第2のデバイスと、
前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスに結合されるコントローラと、を含み、
前記第1のデバイスは、
第1のモータと、
当該動力機器の第1のエキサイターとの直接的又は間接的な接続のために前記第1のモータからトルクを受け取る第1の動力取出シャフトと、
前記第1のモータにバッテリ動力を選択的に提供するように構成される第1の電力スイッチングネットワークと、を含み、
前記第2のデバイスは、
第2のモータと、
当該動力機器の第2のエキサイターとの直接的又は間接的な接続のために前記第2のモータからトルクを受け取る第2の動力取出シャフトと、
前記第2のモータにバッテリ動力を選択的に提供するように構成される第2の電力スイッチングネットワークと、を含み、
前記コントローラは、
第1の制御信号を前記第1のデバイスに提供して前記第1のモータを駆動させ、
第2の制御信号を前記第2のデバイスに提供して前記第2のモータを駆動させる、
ように構成される、
動力機器。
【請求項2】
前記第1のエキサイターは、前記第1のデバイスと第1の振動プレートの中間に位置付けられる、請求項1に記載の動力機器。
【請求項3】
前記第1のエキサイターは、第1の振動機構を含み、前記第1のデバイスは、前記第1のモータを駆動させて、前記第1の振動機構を駆動させて、前記第1の振動プレートを駆動させる、請求項2に記載の動力機器。
【請求項4】
前記第1のデバイスは、前記第1の動力取出シャフトを前記第1のエキサイターに結合する第1のベルトを介して前記第1のエキサイターに接続される、請求項1に記載の動力機器。
【請求項5】
前記第2のエキサイターは、前記第2のデバイスと第2の振動プレートの中間に位置付けられる、請求項1に記載の動力機器。
【請求項6】
前記第2のエキサイターは、第2の振動機構を含み、前記第2のデバイスは、前記第2のモータを駆動させて、前記第2の振動機構を駆動させて、前記第2の振動プレートを駆動させる、請求項5に記載の動力機器。
【請求項7】
前記第2のデバイスは、前記第2の動力取出シャフトを前記第2のエキサイターに結合する第2のベルトを介して前記第2のエキサイターに接続される、請求項1に記載の動力機器。
【請求項8】
当該動力機器は、ダブルエキサイターコンパクターである、請求項1に記載の動力機器。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第1の制御信号を前記第1のデバイス内に含まれる第1の電子プロセッサに提供し、前記第2の制御信号を前記第2のデバイス内に含まれる第2の電子プロセッサに提供する、ように構成される、請求項1に記載の動力機器。
【請求項10】
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、それぞれ、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスの速度、方向、及び位相オフセットを制御する、請求項1に記載の動力機器。
【請求項11】
前記コントローラは、
当該動力機器の動作モードを決定するように更に構成され、
前記第1の制御信号を前記第1のデバイスに提供することは、前記動作モードに基づいて前記第1の制御信号を前記第1のデバイスに提供することを含み、
前記第2の制御信号を前記第2のデバイスに提供することは、前記動作モードに基づいて前記第1の制御信号を前記第2のデバイスに提供することを含む、
請求項1に記載の動力機器。
【請求項12】
前記コントローラは、前記動作モードと前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのための制御との間のマッピングを格納するメモリを更に含む、請求項11に記載の動力機器。
【請求項13】
前記コントローラは、当該動力機器のユーザ入力デバイスを通じて受信される1つ以上のユーザ入力に基づいて前記動作モードを決定する、請求項11に記載の動力機器。
【請求項14】
前記コントローラは、グラフィカルユーザインターフェースを提供する外部デバイスから通信ネットワークを介して受信される1つ以上のユーザ入力に基づいて前記動作モードを決定する、請求項11に記載の動力機器。
【請求項15】
前記動作モードは、前進締固め、後退締固め、及びニュートラル締固めからなるグループから選択される1つを含み、各動作モードは、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスの特定の制御に対応する、請求項11に記載の動力機器。
【請求項16】
前記動作モードが前進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを制御して、前方方向において当該動力機器の締固め及び前進を行う、請求項15に記載の動力機器。
【請求項17】
前記動作モードが前進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御して、第1の方向において回転させる、請求項16に記載の動力機器。
【請求項18】
前記動作モードが後進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを制御して、後方方向において当該動力機器の締固め及び前進を行う、請求項17に記載の動力機器。
【請求項19】
前記動作モードが後進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御して、第1の方向とは反対の第2の方向において回転させる、請求項18に記載の動力機器。
【請求項20】
前記動作モードがニュートラル締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを制御して、静止しているままである間に締固めを行う、請求項19に記載の動力機器。
【請求項21】
前記動作モードがニュートラル締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御して、反対方向において回転させる、請求項20に記載の動力機器。
【請求項22】
前記コントローラは、当該動力機器の各モード変更のために前記第1の制御信号を前記第1のデバイスに提供すること及び前記第2の制御信号を前記第2のデバイスに提供することを繰り返すように更に構成される、請求項11に記載の動力機器。
【請求項23】
前記コントローラは、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスの一方に含まれる、請求項1に記載の動力機器。
【請求項24】
動力機器を作動させる方法であって、
前記動力機器に含まれるコントローラを用いて、前記動力機器の動作モードを決定することと、
前記動作モードに基づいて、前記動力機器に含まれる第1のデバイスの第1のモータを制御する第1の制御信号を提供することであって、前記第1のデバイスは、前記動力機器のガスエンジンを交換し、前記第1のモータを含み、第1の動力取出シャフトが、前記動力機器の第1のエキサイターとの直接的又は間接的な接続のために前記第1のモータからトルクを受け取る、第1の制御信号を提供することと、
前記動作モードに基づいて、前記動力機器に含まれる第2のデバイスの第2のモータを制御する第2の制御信号を提供することであって、前記第2のデバイスは、前記動力機器のガスエンジンを交換し、前記第2のモータを含み、第2の動力取出シャフトが、前記動力機器の第2のエキサイターとの直接的又は間接的な接続のために前記第2のモータからトルクを受け取る、第2の制御信号を提供することと、を含む、
方法。
【請求項25】
前記動作モードに基づいて前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号を提供することは、前記動作モードと前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスのための制御との間のマッピングを格納するメモリにアクセスすることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、それぞれ、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスの速度、方向、及び位相オフセットを制御する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記動作モードを決定することは、前記動力機器のユーザ入力デバイスを通じて受信される1つ以上のユーザ入力に基づいて前記動作モードを決定することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記動作モードを決定することは、グラフィカルユーザインターフェースを提供する外部デバイスから通信ネットワークを介して受信される1つ以上のユーザ入力に基づいて前記動作モードを決定することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記動作モードは、前進締固め、後退締固め、及びニュートラル締固めからなるグループから選択される1つを含み、各動作モードは、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスの特定の制御に対応する、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記動作モードが前進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを制御して、前方方向において前記動力機器の締固め及び前進を行う、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記動作モードが前進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御して、第1の方向において回転させる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記動作モードが後進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを制御して、後方方向において前記動力機器の締固め及び前進を行う、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記動作モードが後進締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御して、第1の方向とは反対の第2の方向において回転させる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記動作モードがニュートラル締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスを制御して、静止しているままである間に締固めを行う、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記動作モードがニュートラル締固めであることに応答して、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号は、前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御して、反対方向において回転させる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記動力機器の各モード変更のために前記第1の制御信号を前記第1のデバイスに提供すること及び前記第2の制御信号を前記第2のデバイスに提供することを繰り返すことを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記コントローラは、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスの一方に含まれる、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、2019年11月8日出願の米国仮特許出願第62/932,715号明細書の利益を主張するものであり、その内容の全てを引用して本明細書中に組み込む。
【0002】
本願は、ガスエンジン交換用モータユニットに関し、特に、動力機器と共に用いるためのガスエンジン交換用モータユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
小型の単気筒又は多気筒ガソリンエンジンを動力機器に取り付けて、動力取出シャフトにより機器を駆動することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態は、ハウジングと、ハウジングに結合され、バッテリパックを取り外し可能に受け入れるよう構成されるバッテリレセプタクルと、ハウジング内に位置するモータとを含むガスエンジン交換装置を提供する。ガスエンジン交換装置はまた、モータからトルクを受け、ハウジングの側面から突出する動力取出シャフトと、バッテリパックからモータに電力を選択的に提供するよう構成される電力スイッチングネットワークと、電力スイッチングネットワークに結合され、電力スイッチングネットワークを制御してモータを回転させるよう構成される電子プロセッサとを含む。電子プロセッサは、モータを第1の方向に回転させ、モータの回転方向を切り替える入力を受信するよう構成される。電子プロセッサはまた、モータを惰走させて停止させることと、受動制動を適用してモータを停止させることと、能動制動を適用してモータを停止させることと、第1の方向とは逆位相でモータを動的にパルス駆動することと、からなる群から選択される1つを実行することによってモータを停止させるよう電力スイッチングネットワークを制御し、電力スイッチングネットワークを制御してモータを停止させた後に、モータを第2の方向に回転させるよう構成される。
【0005】
別の実施形態は、ガスエンジン交換装置を含む屋外動力機器を提供する。ガスエンジン交換装置は、ハウジングと、ハウジングに結合され、バッテリパックを取り外し可能に受け入れるよう構成されるバッテリレセプタクルと、ハウジング内に位置するモータとを含む。ガスエンジン交換装置はまた、モータからトルクを受け、ハウジングの側面から突出する動力取出シャフトと、バッテリパックからモータに電力を選択的に提供するよう構成される電力スイッチングネットワークと、電力スイッチングネットワークに結合され、電力スイッチングネットワークを制御してモータを回転させるよう構成される電子プロセッサとを含む。屋外動力機器はまた、動力取出シャフトを第1の機器ビットに結合し、モータが第1の方向に回転している場合に第1の機器ビットを作動させ、モータが第2の方向に回転している場合に第1の機器ビットを停止させるよう構成される第1のクラッチ機構を含む。
【0006】
幾つかの構成において、屋外動力機器は、更に、動力取出シャフトを第2の機器ビットに結合し、モータが第2の方向に回転している場合に第2の機器ビットを作動させ、モータが第1の方向に回転している場合に第2の機器ビットを停止させるよう構成される第2のクラッチ機構を含む。
【0007】
幾つかの構成において、第1の機器ビットは第1の振動プレートを駆動するよう構成される第1の振動機構であり、第2の機器ビットは第2の振動プレートを駆動するよう構成される第2の振動機構である。
【0008】
幾つかの構成において、屋外動力機器はまた、地上で屋外動力機器を前進させるよう構成される車輪を含み、第1の機器ビットは振動プレートを駆動するよう構成される振動機構であり、第2の機器ビットは車輪を駆動する車軸である。
【0009】
更に別の実施形態は、ハンドルを有するフレームと、フレームによって支持される振動プレートと、振動プレートを駆動するよう構成される振動機構と、ガスエンジン交換装置とを含むコンパクターシステムを提供する。ガスエンジン交換装置は、ハウジングと、ハウジングに結合され、バッテリパックを取り外し可能に受け入れるよう構成されるバッテリレセプタクルと、ハウジング内に位置するモータとを含む。ガスエンジン交換装置はまた、バッテリパックからモータに電力を選択的に提供するよう構成される電力スイッチングネットワークと、モータからトルクを受け、ハウジングの側面から突出する動力取出シャフトとを含む。動力取出シャフトは、振動機構を駆動するよう振動機構に接続される。ガスエンジン交換装置は、更に、電力スイッチングネットワークに結合され、電力スイッチングネットワークを制御してモータを回転させるよう構成される電子プロセッサを含む。電子プロセッサは、モータを第1の方向に回転させるよう構成される。振動機構は、モータが第1の方向に回転する場合に、コンパクターシステムを移動させるために振動プレートを振動させ、前方に進めさせる。電子プロセッサは、モータを第2の方向に回転させるよう構成される。振動機構は、振動プレートを振動させるが、振動プレートを前方に進めさせない。
【0010】
更に別の実施形態は、ハンドルを有するフレームと、フレームによって支持される第1の振動プレートと、第1の振動プレートを駆動するよう構成される第1の振動機構とを含むコンパクターシステムを提供する。コンパクターシステムはまた、フレームによって支持される第2の振動プレートと、第2の振動プレートを駆動するよう構成される第2の振動機構と、ガスエンジン交換装置とを含む。ガスエンジン交換装置は、ハウジングと、ハウジングに結合され、バッテリパックを取り外し可能に受け入れるよう構成されるバッテリレセプタクルと、ハウジング内に位置するモータとを含む。ガスエンジン交換装置はまた、バッテリパックからモータに電力を選択的に提供するよう構成される電力スイッチングネットワークと、電力スイッチングネットワークに結合され、電力スイッチングネットワークを制御してモータを回転させるよう構成される電子プロセッサと、モータからトルクを受け、ハウジングの側面から突出する動力取出シャフトとを含む。動力取出シャフトは、第1の振動機構に接続されて第1のクラッチ機構を介して第1の振動機構を駆動し、第2の振動機構に接続されて第2のクラッチ機構を介して第2の振動機構を駆動する。第1のクラッチ機構は、モータが第1の方向に回転する場合に動力取出シャフトを第1の振動機構に動作可能に係合させ、第1のクラッチ機構は、モータが第2の方向に回転する場合に動力取出シャフトを第1の振動機構から動作可能に係合解除する。第2のクラッチ機構は、モータが第2の方向に回転する場合に動力取出シャフトを第2の振動機構に動作可能に係合させ、第2のクラッチ機構は、モータが第1の方向に回転する場合に動力取出シャフトを第2の振動機構から動作可能に係合解除する。
【0011】
更に別の実施形態は、ハンドルを含むフレームと、フレームによって支持される振動プレートと、振動プレートを駆動するよう構成される振動機構とを含むコンパクターシステムを提供する。コンパクターシステムはまた、地面上でコンパクターシステムを前進させるようフレームによって支持される車輪と、ガスエンジン交換装置とを含む。ガスエンジン交換装置は、ハウジングと、ハウジングに結合され、バッテリパックを取り外し可能に受け入れるよう構成されるバッテリレセプタクルと、ハウジング内に位置するモータとを含む。ガスエンジン交換装置はまた、バッテリパックからモータに電力を選択的に提供するよう構成される電力スイッチングネットワークと、電力スイッチングネットワークに結合され、電力スイッチングネットワークを制御してモータを回転させるよう構成される電子プロセッサと、モータからトルクを受け、ハウジングの側面から突出する動力取出シャフトとを含む。動力取出シャフトは、振動機構に接続されて振動機構を駆動し、クラッチ機構を介して車輪に接続される。モータが第1の方向に回転すると、クラッチ機構は動力取出シャフトを車輪に動作可能に係合させてコンパクターシステムを前方に進めさせ、モータが第2の方向に回転すると、クラッチ機構は動力取出シャフトを車輪から動作可能に係合解除する。
【0012】
更に別の実施形態は、ハンドルを含むフレームと、第1の振動プレートを駆動するよう構成される第1の振動機構と、第1のバッテリ式ガスエンジン交換装置とを備えるコンパクターシステムを提供する。第1のバッテリ式ガスエンジン交換装置は、第1のモータと、第1のモータに結合され、第1のモータの回転を制御するよう構成される第1の電子プロセッサと、第1のモータからトルクを受け、第1の振動機構を駆動するよう第1の振動機構に接続される第1の動力取出シャフトとを含む。コンパクターシステムはまた、第2の振動プレートを駆動するよう構成される第2の振動機構と、第2のバッテリ式ガスエンジン交換装置とを含む。第2のバッテリ式ガスエンジン交換装置は、第2のモータと、第2のモータに結合され、第2のモータの回転を制御するよう構成される第2の電子プロセッサと、第2のモータからトルクを受け、第2の振動機構を駆動するよう第2の振動機構に接続される第2の動力取出シャフトとを含む。コンパクターシステムは、更に、第1の電子プロセッサ及び第2の電子プロセッサに電気的に接続されるメイン電子プロセッサを含む。メイン電子プロセッサは、コンパクターシステムの動作モードを特定し、動作モードに基づいて第1の電子プロセッサに第1の制御信号を提供し、動作モードに基づいて第2の電子プロセッサに第2の制御信号を提供するよう構成される。
【0013】
任意の実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、その用途において、以下の説明に記載するか、又は以下の図面に示す構成部品の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本明細書中に説明する実施形態は、様々な方法において実施又は実行することが可能である。また、本明細書中で用いる表現及び用語は説明のためのものであり、制限するものとして見なしてはならないことは、理解されたい。本明細書中での「including」、「comprising」、又は「having」、及びそれらの変形例の使用は、それ以降に挙げる項目及びその均等物並びに追加項目を包含することを意味する。用語「取り付けられる」、「接続される」、及び「結合される」は、広義に用いられ、直接的及び間接的両方の取り付け、接続、及び結合を包含する。更に、「接続される」及び「結合される」は、物理的若しくは機械的な接続或いは結合に限定されず、直接的又は間接的に関わらず、電気的な接続若しくは結合を含むことができる。加えて、項目のリストと共に本明細書中で用いるように、「及び/又は」とは、項目が全て一緒に、サブセットで、又は代替として取られる可能性があることを意味する(例えば、「A、B、及び/又はC」は、A;B;C;A及びB;B及びC;A及びC;又はA、B、及びCを意味する)。
【0014】
複数のハードウェア及びソフトウェアベースの装置、並びに複数の異なる構造的構成部品が、本明細書中に説明する実施形態を実装するために利用されてもよいことに留意されたい。更に、後続の段落において説明するように、図面に示す特定の構成は、例示的な実施形態として意図しており、他の代替の構成が可能である。用語「プロセッサ」、「中央処理装置」、及び「CPU」は、特に指定のない限り交換可能である。用語「プロセッサ」又は「中央処理装置」若しくは「CPU」が、特定の機能を実行するユニットを識別するものとして用いられる場合、特に指定のない限り、それらの機能は、単一のプロセッサ、又は並列プロセッサ、直列プロセッサ、タンデムプロセッサ、若しくはクラウド処理/クラウドコンピューティング構成を含む任意の形態で配置される複数のプロセッサによって実行することができることを理解されたい。
【0015】
加えて、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、及び電子構成部品又はモジュールを含んでいてもよく、これらは、検討の目的のために、構成部品の大部分がハードウェアのみで実装されているかのように図示及び説明する可能性があることを理解されたい。しかし、当業者は、この詳細な説明を読むことに基づいて、少なくとも1つの実施形態において、電子ベースの態様が、マイクロプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)等の1つ以上の処理ユニットによって実行可能なソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ読取可能媒体に格納される)において実装されてもよいことを認識するであろう。このため、複数のハードウェア及びソフトウェアベースの装置、並びに複数の異なる構造的構成部品が、実施形態を実装するために利用されてもよいことに留意されたい。
【0016】
他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明及び添付図面の考慮によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態によるガスエンジン交換装置の斜視図である。
図2図1のガスエンジン交換装置の平面図である。
図3図1のガスエンジン交換装置の略図である。
図4図1のガスエンジン交換装置のバッテリパックの斜視図である。
図5図4のバッテリパックの断面図である。
図6図1のガスエンジン交換装置のバッテリレセプタクルの断面図である。
図7図1のガスエンジン交換装置のモータの断面図である。
図8図1のガスエンジン交換装置のモータ、歯車列、及び動力取出シャフトの略図である。
図9図1のガスエンジン交換装置のブロック図である。
図10図1のガスエンジン交換装置のモータを駆動するための電力スイッチングネットワークの略図である。
図11】Aは、モータの前進動作中の図10の電力スイッチングネットワークの動作を示す図である。Bは、モータの逆動作中の図10の電力スイッチングネットワークの動作を示す図である。
図12図1のガスエンジン交換装置の両方向動作のための方法のフロー図である。
図13図1のガスエンジン交換装置を含むコンパクターの斜視図である。
図14図13のコンパクターの平面図である。
図15図1のガスエンジン交換装置を含むポンプシステムの斜視図である。
図16図1のガスエンジン交換装置を含む屋外動力機器の略図である。
図17図1のガスエンジン交換装置を含む屋外動力機器の略図である。
図18図1の2つのガスエンジン交換装置を含むコンパクターの略図である。
図19図18のコンパクターの動作のための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び2に示すように、動力機器の一部と共に用いるためのガスエンジン交換装置10は、第1の側面18と、第1の側面18に隣接する第2の側面22と、第2の側面22に対向する第3の側面26と、第1の側面18に対向する第4の側面28と、第2及び第3の側面22、26間に延在する第5の側面30と、第5の側面30に対向する第6の側面32とを有するハウジング14を含んでいる。ガスエンジン交換装置10はまた、第1の側面18でハウジング14に結合されるフランジ34と、ハウジング14内部に位置する電気モータ36と、第2の側面22から突出し、モータ36からのトルクを受け取る動力取出シャフト38とを含んでいる。以下で更に詳細に説明するように、幾つかの実施形態において、動力取出シャフト38は、第1の側面18及びフランジ34から突出している。図3に示すように、ガスエンジン交換装置10はまた、ハウジング14内部に位置決めされ、モータ36に電気的に接続される配線及びコントローラ46を含む制御電子機器42も含んでいる。同様のガスエンジン交換装置10は、2019年8月26日出願の米国特許出願第16/551,197号明細書に記載及び図示されており、その内容の全てを引用して本明細書中に組み込む。
【0019】
図1~6に示すように、ガスエンジン交換装置10はまた、ハウジング14内のバッテリレセプタクル54に取り外し可能に受け入れられてバッテリパック50から制御電子機器42を介してモータ36に電流を伝達するバッテリパック50も含んでいる。図4~6を参照すると、バッテリパック50は、支持部62と、パックハウジング58によって支持される複数のバッテリセル68に電気的に接続される第1の端子66とを有するバッテリパックハウジング58を含んでいる。支持部62は、バッテリレセプタクル54の相補突出部/凹部74(図6に示す)と協働する突出部/凹部70を有するスライドオン編成を提供する。図4~6に示す実施形態において、バッテリパック50の突出部/凹部70はガイドレールであり、バッテリレセプタクル54の突出部/凹部74はガイド凹部である。同様のバッテリパックは、2018年7月2日出願の米国特許出願公開第2019/0006980号明細書に記載及び図示されており、その内容の全てを引用して本明細書中に組み込む。幾つかの実施形態において、バッテリセル68は、最大約80Vの公称電圧を有する。幾つかの実施形態において、バッテリセル68は、最大約120Vの公称電圧を有する。幾つかの実施形態において、バッテリパック50は、最大約6lbの重量を有する。幾つかの実施形態において、バッテリセル68のそれぞれは、最大21mmの直径及び最大約71mmの長さを有する。幾つかの実施形態において、バッテリパック50は、最大20個のバッテリセル68を含む。幾つかの実施形態において、バッテリセル68は直列に接続される。幾つかの実施形態において、バッテリセル68は、約40A~約60Aの間の持続動作放電電流を出力するよう動作可能である。幾つかの実施形態において、バッテリセル68のそれぞれは、約3.0Ah~約5.0Ahの間の容量を有する。
【0020】
図6は、幾つかの実施形態によるガスエンジン交換装置10のバッテリレセプタクル54を示している。バッテリレセプタクル54は、突出部/凹部74と、第2の端子78と、ラッチ機構82と、電力切断スイッチ86とを含んでいる。突出部/凹部74は、バッテリパック50をガスエンジン交換装置10のバッテリレセプタクル54に装着するようバッテリパック50の突出部/凹部70と協働する。バッテリパック50がガスエンジン交換装置10に装着されると、第2の端子78及び第1の端子66は電気的に接続される。ラッチ機構82は、バッテリレセプタクル54の表面から突出し、バッテリパック50と係合してバッテリパック50とバッテリレセプタクル54との間の係合を維持するよう構成される。従って、バッテリパック50は、バッテリパック50がガスエンジン交換装置10のハウジング14によって支持可能であるように、バッテリレセプタクル54に接続可能であり、それによって支持可能である。幾つかの実施形態において、バッテリパックレセプタクル54は、モータ36からバッテリパック50に伝達される振動を抑制するために、モータ36とバッテリパック50との間に最大可能離間距離を生じる位置においてハウジング14上に配置される。幾つかの実施形態において、エラストマー部材が、モータ36からハウジング14を介してバッテリパック50に伝達される振動を抑制するために、バッテリパックレセプタクル54上に配置される。
【0021】
他の実施形態(図示せず)において、ラッチ機構82は、ラッチ機構82がバッテリパック50上の対応する構造と係合してバッテリパック50とバッテリレセプタクル54との間の係合を維持するように、様々な位置(例えば、バッテリレセプタクル54の側壁、端壁、上端壁等)に配設されてもよい。ラッチ機構82は、ラッチ部材94と動作可能に係合する枢動自在なアクチュエータ又はハンドル90を含んでいる。ラッチ部材94は、レセプタクル54のボア98内に摺動自在に配設され、付勢部材102(例えば、ばね)によってラッチ位置に向かって付勢されて、バッテリレセプタクル54の表面を通って、バッテリパック50内のキャビティ内に突出する。
【0022】
ラッチ機構82はまた、ラッチ部材94をバッテリパック50から引き出すハンドル90の作動の間、バッテリパック50をバッテリレセプタクル54から電気的に接続/切断することを容易にする電力切断スイッチ86(例えば、マイクロスイッチ)も含んでいる。電力切断スイッチ86は、バッテリレセプタクル54からバッテリパック50を取り外す前に、ガスエンジン交換装置10からバッテリパック50を電気的に切断するよう作用してもよい。電力切断スイッチ86は、ラッチ部材94がラッチ位置(即ち、ラッチ部材94が完全にバッテリパック50のキャビティ内部にある場合)から中間位置に移動する場合に作動する。電力切断スイッチ86は、コントローラ46に電気的に接続されており、バッテリパック50がガスエンジン交換装置10から切断されていることを示す割込を生成してもよい。コントローラ46が割込を受信すると、コントローラ46は、電源切断動作を開始して、ガスエンジン交換装置10の制御電子機器42を安全に電源切断する。同様のラッチ機構及び切断スイッチは、米国特許出願公開第2019/0006980号明細書に記載及び図示されており、引用して本明細書中に組み込んでいる。
【0023】
図7に示すように、モータ36は、外径97を有するモータハウジング96と、最大約80mmの公称外径102を有する固定子98と、出力シャフト106を有し、固定子98内部で回転するために支持される回転子102と、ファン108とを含んでいる。同様のモータは、米国特許出願公開第2019/0006980号明細書に記載及び図示されており、引用して本明細書中に組み込んでいる。幾つかの実施形態において、モータ36はブラシレス直流モータである。幾つかの実施形態において、モータ36は、少なくとも約2760Wの電力出力を有する。幾つかの実施形態において、モータ36の電力出力は、動作中に2760W未満に低下する可能性がある。幾つかの実施形態において、ファン108は、モータハウジング96の直径97よりも大きい直径109を有している。幾つかの実施形態において、モータ36は、迅速な過負荷制御のために電子クラッチ(図示せず)により停止させることができる。幾つかの実施形態において、モータ36は、最大約443,619mmの体積を有する。幾つかの実施形態において、モータは、最大約4.6lbの重量を有する。ハウジング14は、空気が出口ベントを通して排出される前に、モータファン108が、空気を入口ベントを通して制御電子機器42に沿って引き込んで、制御電子機器42を冷却するように、入口ベント及び出口ベントを含んでいる。図7に示す実施形態において、モータ36は内部回転子モータであるが、他の実施形態において、モータ36は、最大約80mmの公称外径(即ち、回転子の公称外径)を有する外部回転子モータとすることができる。
【0024】
図8を参照すると、モータ36は、様々な構成で動力取出シャフト38にトルクを伝達することができる。幾つかの実施形態において、出力シャフト106はまた、モータ36がいかなる中間歯車列も欠いて動力取出シャフト38を直接駆動するような、動力取出シャフト38でもある。例えば、モータ36は、直接駆動式多極数モータであってもよい。図8に示すように、他の実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、モータ36から動力取出シャフト38にトルクを伝達する歯車列110を含む。幾つかの実施形態において、歯車列110は、モータ36から動力取出シャフト38へのトルクの伝達を中断する機械クラッチ(図示せず)を含むことができる。幾つかの実施形態において、歯車列110は、出力シャフト106から動力取出シャフト38にトルクを伝達する遊星トランスミッションを含んでいてもよく、出力シャフト106の回転軸は、動力取出シャフト38の回転軸と同軸である。幾つかの実施形態において、歯車列110は、出力シャフト106の回転軸が、動力取出シャフト38の回転軸からオフセットされ、それと平行となるように、回転子の出力シャフト106と係合する平歯車を含んでいる。幾つかの実施形態において、歯車列110は、出力シャフト106の回転軸が動力取出シャフト38の回転軸に対して垂直となるように、傘歯車を含んでいる。傘歯車を利用する他の実施形態において、出力シャフト106の回転軸は、動力取出シャフト38の回転軸に対して垂直、平行、又は同軸ではなく、動力取出シャフト38はフランジ34から突出している。
【0025】
幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、オン/オフインジケータ(図示せず)を含んでいる。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、空中浮遊デブリをモータ36及び制御電子機器42の中に入れないようにするフィルタ(図示せず)を含んでいる。幾つかの実施形態において、フィルタは、汚れフィルタセンサ(図示せず)及び自己洗浄機構(図示せず)を含んでいる。幾つかの実施形態において、モータ36は、減速又はぬかるみにはまり込む等の抵抗に遭遇する場合に、ガスエンジン応答を模倣するであろう。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、制御電子機器42(図1及び2)を空冷するためのヒートシンク202をハウジング14内に含んでいる。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は液冷式である。
【0026】
幾つかの実施形態において、回転子102の出力シャフト106は、以下で更に説明するように、前進及び後退の両方の能力を有している。幾つかの実施形態において、前進及び後退能力は、余分な歯車及び時間遅延なしに前進/後退能力を達成することができないガスエンジンと比較して、歯車列110の歯車をシフトすることなく制御可能である。従って、ガスエンジン交換装置10は、高速化、軽量化、低コスト化を提供する。ガスエンジン交換装置10は、ガスエンジンと比較して、より少ない可動部品を有し、燃焼システムを持たないため、追加の速度、重量、及びコストの利点も提供する。
【0027】
ガスエンジン交換装置10は、長期間にわたって地面に対して任意の向き(垂直、水平、上下逆)で動作することが可能であり、1つの向き及び僅かな傾きで短時間しか動作することができない4サイクルガスエンジンに優る利点を与える。ガスエンジン交換装置10は、ガス、オイル、又は他の流体を必要としないため、漏れ又は溢れを生じることなく、上下逆に又は任意の所与の側面で運転し、輸送し、保管することができる。
【0028】
動作時において、ガスエンジン交換装置10を用いてガスエンジンシステムを交換することができる。具体的には、ガスエンジン交換装置10は、フランジ34内の複数のアパーチャによって画成される第1のボルトパターンを第2のボルトパターンと整列させることによって、第2のボルトパターンを有する動力機器の一部に取り付けることができる。幾つかの実施形態において、フランジ34は、アダプタがフランジ34を動力機器に結合するように、フランジ34自体と第2のボルトパターンを有する動力機器の一部のフランジとの間に配置される1つ以上の中間取付部材又はアダプタを含んでいてもよい。これらの実施形態において、アダプタは、フランジ34の第1のボルトパターンがアダプタの第1のボルトパターンと整列し、アダプタの第2のボルトパターンが動力機器の一部に画成される第2のボルトパターンと整列し、それによってガスエンジン交換装置10のフランジ34が動力機器の一部に結合されることを可能にするように、第2のボルトパターン及び第1のボルトパターンの両方を含んでいる。
【0029】
代替として、ガスエンジン交換装置10は、動力取出シャフトと機器ビットとを動作可能に接続するベルトを設けることによって、ベルトシステムを用いて動力機器の一部に接続することができる。従って、ガスエンジン交換装置10の動力取出シャフト38は、機器を駆動するために用いることができる。
【0030】
動作中、ガスエンジン交換装置10のハウジング14は、ガスエンジン交換装置10において燃焼がないため、内燃ユニットのハウジングよりも比較的はるかに低温である。具体的には、ガスエンジンユニットの運転時、ガスエンジンユニットのハウジングは220℃以上となる。対照的に、ガスエンジン交換装置10の運転時、ハウジング14の外面の全ては、95℃未満である。以下の表1及び2は、ガスエンジン交換装置10のハウジング14上の種々のコンポーネントの温度限界を更に具体的に列挙している。
【0031】
以下の表1は、電動工具において通常用いられる種々のコンポーネントの米国保険業者安全試験所(Underwriter’s Laboratories)(UL)の温度限界を、それらのコンポーネントが金属、プラスチック、ゴム、木材、磁器、又はガラス質から形成されているかどうかに関して列挙している。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、プラスチックの定格温度がガスエンジン交換装置10によって超えられることはない。
【0032】
【表1】
【0033】
以下の表2は、バッテリパック50のバッテリパックハウジング58の種々のコンポーネントのUL温度限界を、それらのコンポーネントが金属、プラスチック、又はゴムから形成されているかどうかに関して列挙している。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、プラスチックの定格温度がガスエンジン交換装置10によって超えられることはない。
【0034】
【表2】
【0035】
図9は、例示的な一実施形態によるガスエンジン交換装置10の簡略化したブロック図を示している。図9に示すように、ガスエンジン交換装置10は、電子プロセッサ302と、メモリ306と、バッテリパック50と、電力スイッチングネットワーク310と、モータ36と、回転子位置センサ314と、電流センサ318と、ユーザ入力装置322(例えば、トリガ又は電源ボタン)と、トランシーバ326と、インジケータ330(例えば、発光ダイオード)とを含んでいる。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、図9に示すものよりも少ない又は追加のコンポーネントを含む。例えば、ガスエンジン交換装置10は、バッテリパック燃料計、作業灯、追加センサ、キルスイッチ、電力切断スイッチ86等を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302、メモリ306、電力スイッチングネットワーク310、回転子位置センサ314、電流センサ318、ユーザ入力装置322(例えば、トリガ又は電源ボタン)、トランシーバ326、及びインジケータ330(例えば、発光ダイオード)のうちの1つ以上を含む図9に示すガスエンジン交換装置10の要素は、図3に示す制御電子機器42の少なくとも一部を形成し、電子プロセッサ302及びメモリ306は、図3に示すコントローラ46の少なくとも一部を形成している。
【0036】
メモリ306は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の非一時的コンピュータ読取可能媒体、又はそれらの組み合わせを含む。電子プロセッサ302は、メモリ306と通信してデータを格納し、格納されたデータを取り出すよう構成される。電子プロセッサ302は、メモリ306から命令及びデータを受信し、とりわけ命令を実行するよう構成される。特に、電子プロセッサ302は、メモリ306に格納された命令を実行して、本明細書中に説明する方法を実行する。
【0037】
上で説明したように、幾つかの実施形態において、バッテリパック50は、異なるバッテリパック50をガスエンジン交換装置10に着脱して、異なる量の電力をガスエンジン交換装置10に提供してもよいように、ガスエンジン交換装置10のハウジングに着脱自在に取り付けられる。バッテリパック50(例えば、公称電圧、持続動作放電電流、大きさ、セルの数、動作等)、並びにモータ36(例えば、出力、大きさ、動作等)の更なる説明は、図1~8に関して上で提供されている。
【0038】
電力スイッチングネットワーク310は、電子プロセッサ302がモータ36の動作を制御することを可能にする。一般に、ユーザ入力装置322が押下される(又は他の方法で作動される)場合、電流が、電力スイッチングネットワーク310を介してバッテリパック50からモータ36に供給される。ユーザ入力装置322が押下されていない(又は他の方法で作動していない)場合、電流は、バッテリパック50からモータ36に供給されない。幾つかの実施形態において、ユーザ入力装置322が押下される量は、モータ36の所望の回転速度に関連するか、又はそれに対応している。他の実施形態において、ユーザ入力装置322が押下される量は、所望のトルクに関連するか、又はそれに対応している。他の実施形態において、モータ36に対して所望の回転速度又はトルクを提供するよう電子プロセッサ302と通信する別個の入力装置(例えば、スライダ、ダイヤル等)がガスエンジン交換装置10に含まれる。
【0039】
電子プロセッサ302がユーザ入力装置322から駆動要求信号を受信することに応じて、電子プロセッサ302は電力スイッチングネットワーク310を作動させてモータ36に電力を供給する。電力スイッチングネットワーク310を介して、電子プロセッサ302は、モータ36に利用可能な電流の量を制御し、それによってモータ36の速度及びトルク出力を制御する。電力スイッチングネットワーク310は、多数の電界効果トランジスタ(FET)、バイポーラトランジスタ、又は他の種類の電気スイッチを含んでいてもよい。例えば、電力スイッチングネットワーク310は、電子プロセッサ302からパルス幅変調(PWM)信号を受信してモータ36を駆動する6-FETブリッジ(図10参照)を含んでいてもよい。
【0040】
回転子位置センサ314及び電流センサ318は、電子プロセッサ302に結合され、ガスエンジン交換装置10又はモータ36の異なるパラメータを示す様々な制御信号を電子プロセッサ302に伝達する。幾つかの実施形態において、回転子位置センサ314は、1つのホールセンサ又は複数のホールセンサを含む。他の実施形態において、回転子位置センサ314は、モータ36に取り付けられる直角位相エンコーダを含む。回転子位置センサ314は、モータ36の回転子の磁石がホールセンサの面を横切って回転する場合の指標(例えば、パルス)等のモータフィードバック情報を電子プロセッサ302に出力する。更に他の実施形態において、回転子位置センサ314は、例えば、モータコイルにおいて生成される逆起電力(逆emf)の指標を提供する電圧又は電流センサを含む。電子プロセッサ302は、回転子位置センサ314、即ち、電圧又は電流センサから受信する逆起電力信号に基づいて、回転子位置、回転子速度、及び回転子加速度を特定してもよい。回転子位置センサ314は、電流センサ318と組み合わされて、電流及び回転子位置複合センサを形成することができる。この実施例において、複合センサは、モータ36のアクティブ相コイルに流れる電流を提供し、また、モータ36の1つ以上の非アクティブ相コイル内に電流を提供する。電子プロセッサ302は、アクティブ相コイルに流れる電流に基づいてモータに流れる電流を測定し、非アクティブ相コイル内の電流に基づいてモータ速度を測定する。
【0041】
回転子位置センサ314からのモータフィードバック情報に基づいて、電子プロセッサ302は、回転子の位置、速度、及び加速度を特定することができる。モータフィードバック情報及びユーザ入力装置322からの信号に応じて、電子プロセッサ302は、制御信号を送信して、電力スイッチングネットワーク310を制御し、モータ36を駆動する。例えば、電力スイッチングネットワーク310のFETを選択的に有効及び無効にすることによって、バッテリパック50から受け取る電力を、モータ36の回転子を回転させるよう、周期的にモータ36の固定子巻線に選択的に印加する。モータフィードバック情報は、電子プロセッサ302によって用いられて、電力スイッチングネットワーク310への制御信号の適切なタイミングを保証し、場合によっては、閉ループフィードバックを提供して、モータ36の速度を所望のレベルになるよう制御する。例えば、モータ36を駆動するため、回転子位置センサ314からのモータ位置決め情報を用いて、電子プロセッサ302は、回転子磁石が固定子巻線に対してどこにあるかを特定し、(a)所定のパターンで次の固定子巻線対(又は複数の対)を励磁して所望の回転方向に回転子磁石に対して磁力を与え、(b)先に励磁された固定子巻線対(又は複数の対)を消磁して回転子の回転方向と反対にある回転子磁石への磁力の印加を防ぐ。
【0042】
電流センサ318は、ガスエンジン交換装置10の動作中にモータ36の電流レベルを監視又は検出し、検出された電流レベルを示す制御信号を電子プロセッサ302に提供する。電子プロセッサ302は、以下でより詳細に説明するように、検出された電流レベルを用いて電力スイッチングネットワーク310を制御してもよい。
【0043】
トランシーバ326は、有線又は無線通信ネットワーク334による電子プロセッサ302と外部装置(例えば、スマートフォン、タブレット、又はラップトップコンピュータ)との間の通信を可能にする。幾つかの実施形態において、トランシーバ326は、別個の送信及び受信コンポーネントを備えていてもよい。幾つかの実施形態において、トランシーバ326は、ガスエンジン交換装置10に取り付けられる無線アダプタを備えていてもよい。幾つかの実施形態において、トランシーバ326は、電子プロセッサ302から受信する情報を搬送波無線信号に符号化し、通信ネットワーク334を介して外部装置338に符号化した無線信号を送信する無線トランシーバである。トランシーバ326はまた、通信ネットワーク334を介して外部装置338から受信する無線信号から情報を復号し、復号した情報を電子プロセッサ302に提供する。
【0044】
通信ネットワーク334は、ガスエンジン交換装置10と外部装置338との間の有線又は無線接続を提供する。通信ネットワーク334は、近距離ネットワーク、例えば、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、Wi-Fiネットワーク等、又は長距離ネットワーク、例えば、インターネット、セルラーネットワーク等を備えていてもよい。
【0045】
図9に示すように、インジケータ330はまた、電子プロセッサ302に結合され、電子プロセッサ302から制御信号を受信して、ガスエンジン交換装置10の異なる状態に基づいてオン及びオフにするか、又はその他の場合は情報を伝達する。インジケータ330は、例えば、1つ以上の発光ダイオード(「LED」)、又は表示画面を含む。インジケータ330は、ガスエンジン交換装置10の状態又はそれに関連する情報を表示するよう構成されてもよい。例えば、インジケータ330は、ガスエンジン交換装置10の測定された電気的特性、ガスエンジン交換装置10の状態、ガスエンジン交換装置10のモード等を示すよう構成される。インジケータ330はまた、可聴又は触覚出力を介してユーザに情報を伝達する要素を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、インジケータ330は、動作中に負荷によって用いられている電力量を示すエコインジケータを含む。
【0046】
ガスエンジン交換装置10のコンポーネント間を示す接続は、図9では簡略化している。実際には、ガスエンジン交換装置のコンポーネントが電力及び制御信号のための幾つかの配線によって相互接続されるため、ガスエンジン交換装置10の配線はより複雑である。例えば、電力スイッチングネットワーク310の各FETは制御ラインによって電子プロセッサ302に別々に接続され、電力スイッチングネットワーク310の各FETはモータ36の端子に接続され、バッテリパック50から電力スイッチングネットワーク310への電力ラインは正電線及び負/接地電線を含む、等である。加えて、電力線は、増加した電流を処理するよう大きなゲージ/直径を有することができる。更に、図示していないが、追加の制御信号及び電力ラインが、ガスエンジン交換装置10の追加のコンポーネントを相互接続するために用いられる。
【0047】
図10は、ガスエンジン交換装置10のモータ36を駆動するための電力スイッチングネットワーク310の一実施例を示している。電力スイッチングネットワーク310は、3つのハイサイドFET H1、H2、及びH3と、3つのローサイドFET L1、L2、及びL3とを含んでおり、それぞれは第1の、即ち導通状態と、第2の、即ち非導通状態とを有している。電力スイッチングネットワーク210は、バッテリパック50からモータ36に電力を選択的に印加するために用いられる。ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチが、モータ36を順方向及び逆方向に動作させるために制御される例示的な方法を以下に説明する。
【0048】
ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチは、(パルス幅変調)PWM転流、中心線転流、又は他の転流方式を用いて制御されてもよい。図11Aは、順方向に回転するようモータ36を制御する単純なPWM転流を示している。図11Aに示すように、ハイサイドFET H1、H2、及びH3のそれぞれは、転流位相全体にわたって周期的に導通している。FET H1、H2、及びH3のうちの1つが導通を停止すると、次のハイサイドFETが導通を開始する。同様に、ローサイドFET L1、L2及びL3のそれぞれは、転流位相全体にわたって周期的に導通している。FET L1、L2及びL3のうちの1つが導通を停止すると、次のローサイドFETが導通を開始する。しかし、ハイサイド又はローサイドFETの一方又は両方は、モータ36の所望の速度又はモータ36に対する負荷に基づいて、転流位相の期間のみにわたって(例えば、75%、50%、25%、又は別のデューティ比を有するPWM信号により)作動してもよい。図示の実施例において、モータ36を順方向に駆動するため、ハイサイド及びローサイドFETが所定の対で、且つ所定のシーケンスで作動する。図11Aに示す実施例において、H1とL2がまず第1に作動し、次にH2とL3が作動し、次にH3とL1が作動する。このシーケンスは、前進動作におけるモータ36の運転時間の間継続される。図11Bは、逆方向に回転するようモータ36を制御する単純なPWM転流を示している。図11Bに示す実施例において、H1とL3がまず第1に作動し、次にH3とL2が作動し、次にH2とL1が作動する。このシーケンスは、逆動作におけるモータ36の運転時間の間継続される。幾つかの実施形態において、シーケンスに対する1つ以上の変形例を、所望のモータ動作に基づいて行うことができる。例えば、ハイサイド及びローサイドFETの一方又は両方は、モータの速度を制御するよう、それらの作動フェーズ中のある周波数で切り替えられてもよい。加えて、ハイサイド及びローサイドFETの作動位相は、他の作動との重複を生成するようシフトされて、異なる制御(例えば、フィールド指向制御)を達成してもよい。
【0049】
図12は、モータ36の両方向動作のための例示的な方法400のフロー図である。方法400は、モータ36を第1の方向に回転させることを含んでいる(ブロック405において)。動力機器の所望の機能に応じて、モータ36を順方向又は逆方向に回転させてもよい。例えば、電子プロセッサ302は、図11Aに示すようなPWM制御信号を提供して、モータを順方向(例えば、第1の方向)に回転させる。電子プロセッサ302は、PWM信号のデューティサイクルを調整して、動作速度を調整してもよい。
【0050】
方法400はまた、モータ36の回転方向を切り替える入力を受信することも含む(ブロック410において)。ユーザは、ユーザ入力装置322を介して入力を提供してもよい。例えば、ユーザ入力装置322は、ユーザによって作動される正転/逆転スイッチ、又はユーザが動作モードを選択することを可能にするモード選択スイッチであってもよい。ユーザ入力装置322は、電子プロセッサ302に制御信号を提供して、ユーザ入力装置322の作動に基づいてモータ36の回転方向を切り替える。幾つかの実施形態において、入力は、ガスエンジン交換装置10又はガスエンジン交換装置10に結合される動力機器の1つ以上のセンサから受信してもよい。幾つかの実施形態において、入力は、例えば、通信ネットワーク334を介してスマートフォンから受信してもよい。
【0051】
方法400は、更に、電力スイッチングネットワーク310を制御してモータ36を停止させることを含んでいる(ブロック415において)。電子プロセッサ302は、モータ36を停止させるために幾つかの技法を用いてもよい。一実施例において、電子プロセッサ302は、全てのハイサイド及びローサイドFETをオフにして、モータ36が惰走して停止することを可能にしている。FETがオフになるとモータ36に電流が供給されなくなるため、モータ36に作用する摩擦又は負荷によってモータ36は停止する。他の実施例において、受動的又は能動的制動がモータ36を停止させるために用いられてもよい。受動制動中、電子プロセッサ302は、ハイサイドFET及びローサイドFETに制御信号を提供して、モータを制動負荷(例えば、1つ以上の固定子コイルと接地との間に結合される制動コイル又は制動抵抗器)に接続し、モータ36内のエネルギーを迅速に消散させ、モータ36を制動してもよい。能動的制動中、電子プロセッサ302は、ハイサイドFETをオフにし、ローサイドFETをオンにするよう制御して、モータコイルを接地に短絡させ、コイル内の残りのエネルギーを接地に消散させてもよい。他の実施例において、電子プロセッサ302は、ハイサイドFET及びローサイドFETに制御信号を提供して、回生制動を実行し、モータ36内のエネルギーを電力スイッチングネットワーク310を介してバッテリパック50に戻してもよい。更に別の実施例において、動的パルシングがモータ36を制動するために用いられてもよい。電子プロセッサ302は、制御信号をハイサイドFET及びローサイドFETに提供して、モータ36の回転子に電気制動力を提供してもよい。電子プロセッサ302は、回転子位置センサ314を監視して、回転子がちょうど位相を通過する場合に位相(即ち、対応する対のハイサイド及びローサイドFET)を作動させてもよい。例えば、回転子位置センサ314は、回転子がちょうどFET H1及びL2に対応する位相を過ぎて回転したことを示す。これに応じて、電子プロセッサ302は、FET H1及びL2を作動させて、固定子コイルを通る電流を駆動し、回転子の回転方向と反対の方向に回転子に制動力を提供して回転を停止させる磁界を生成してもよい。電子プロセッサ302は、図11Aと同様のシーケンスではあるが、結合された固定子コイルによって生成される結果として生じる磁場が回転を停止させる制動力を提供し続けるように、回転子位置センサ314からの回転子位置情報に基づくタイミングで、FET対を作動させ続けてもよい。
【0052】
方法400はまた、電力スイッチングネットワーク310を制御してモータを停止させた後に第2の方向にモータ36を回転させることも含んでいる(ブロック420において)。例えば、電子プロセッサ302は、図11Bに示すようなPWM制御信号を提供して、モータを逆方向(例えば、第2の方向)に回転させる。電子プロセッサ302は、PWM信号のデューティサイクルを調整して、動作速度を調整してもよい。方法400は、回転方向の変化が所望される時はいつでも繰り返す。
【0053】
図13は、ガスエンジン交換装置10が振動機構588を駆動して振動プレート584を駆動することができるような、ガスエンジン交換装置10を支持するフレーム580と、振動プレート584と、ガスエンジン交換装置10及び振動プレート584の中間にある振動機構588とを含むコンパクター576を示している。フレーム580はハンドル592を含み、また、それを通して水又は他の液体を締め固める表面又は振動プレート584に適用することができる弁600を有する水タンク596を支持する。幾つかの実施形態において、コンパクター576は、締固め作業内及びその周囲に線又は境界を吹き付け、画設するための塗料噴霧器604を含む。
【0054】
動作中、オペレータは、ハンドル592を把持し、ガスエンジン交換装置10を作動させて、振動プレート584を駆動して、大部分が非粘着性である粒状混合材料を含む土壌又はアスファルトを締め固めることができる。動作中、オペレータは、幾つかの用途において、水により、締め固められる粒子がペーストを生じ、互いに接合することを可能にし、より高密度の又はより緊密な仕上げ表面を形成するように、弁600を制御して、水タンク596からの水が締め固められた表面に適用されることを可能にしてもよい。更に、水タンク596からの水は、動作中にアスファルト又は他の材料が振動プレート584に付着することを防止する。
【0055】
コンパクター576は、駐車場及び高速道路又は橋の建設において用いることができる。特に、コンパクター576は、構造物、縁石、及び橋台に隣接する建設領域において用いることができる。コンパクター576は、路盤及び舗装材の締固めのための景観整備にも用いることができる。ガスエンジン交換装置10を含むコンパクター576は、内燃機関による従来のコンパクターに勝る利点を有し、その幾つかを以下に説明する。例えば、ガスエンジン交換装置10のモータ36は、順方向又は逆方向に回転することができ、オペレータが振動機構588の方向性バイアスをシフトすることを可能にする。従って、振動機構588は、オペレータが振動機構588の方向性バイアスをどのようにシフトさせたかに応じて、それ自体が前方又は後方に移動又は「歩く」よう構成される。
【0056】
図14は、ガスエンジン交換装置10が振動機構712を駆動して振動プレート708を駆動することができるような、ガスエンジン交換装置10を支持するフレーム704と、振動プレート708と、ガスエンジン交換装置10及び振動プレート708の中間にある振動機構712とを含むコンパクター700の別の実施例を示している。フレーム704は、ユーザがコンパクター700を保持し、移動させるためのハンドル716を含んでいる。ガスエンジン交換装置10は、ベルト720を用いて振動機構712に接続されている。ベルト720は、動力取出シャフト38が回転すると、ベルト720が動力取出シャフト38と共に回転して、振動機構712を励振させるように、振動機構712に動力取出シャフト38を結合する。振動機構712は、ひいては、振動プレート708を振動させる。
【0057】
一般的に、ガスエンジンプレートコンパクターは、1つの動作モードのみを含んでいる。特に、ガスエンジンはモータを一方向にのみ回転させてもよく、これはプレートコンパクターの機能を制限する。これに対して、コンパクター700は、正逆両方向に回転することができるモータ36を含むガスエンジン交換装置10を含んでいる。従って、コンパクター700は、モータの回転方向に基づいて異なる機能を実行するよう適合される。電子プロセッサ302がモータ36を第1の方向に回転させると(例えば、ブロック405におけるように)、振動機構712は、振動プレート708を駆動して、コンパクター700の前進方向への締固め及び移動の両方を提供してもよい。振動機構712は、例えば、非対称回転質量体である。質量体が軸を中心に回転するにつれて、質量体は軸に不均一な力を加え、これが、次いで、振動プレート708に伝達される。振動機構712は、振動プレート708の前方、例えば、振動プレート708の質量中心の前方に位置して、振動プレート708の前進移動を可能にしてもよい。回転中、振動機構の質量は、第1に、振動プレート708の前面を持ち上げる上方移動において、振動プレート708に回転力を伝達する。質量体は、次いで、振動プレート708を前方に駆動する前進移動の力を伝達する。即ち、質量体が第1の方向に回転すると、振動プレート708は質量体の上方移動中に持ち上げられ、振動プレート708は質量体の前進移動中に前方に移動する。振動機構712の位相又は振動は、上で説明したような締固め及び移動の二重機能を提供するよう制御されてもよい。位相は、遅い歩行ペースでコンパクター700を前方に前進させるよう制御されてもよい。従って、ユーザは、締固めも提供しながら、作業エリアを容易にナビゲートするようコンパクター700を操作してもよい。かかる操作は、ユーザの身体的ストレスを軽減する。
【0058】
電子プロセッサ302がモータ36を第2の方向に回転させると(例えば、ブロック420におけるように)、振動機構712は、振動プレート708を駆動して、コンパクター700を逆方向へ移動させることなく締固めのみを提供してもよい。振動機構712の質量体が第2の方向に回転すると、質量体は、上で説明したように、質量体の上方移動中に、振動プレート708の前面を持ち上げる。加えて、質量体はまた、質量体の後方移動を振動プレート708に伝達してもよい。しかし、振動プレート708の後部は持ち上がらないため、地面と振動プレート708との間の摩擦は、コンパクター700の後方への移動を阻止する。振動機構712の位相又は振動は、上で説明したような締固めの機能のみを提供するよう制御されてもよい。従って、ユーザは、追加の締固めが所望される領域、例えば、狭い空間においてコンパクター700を操作してもよい。これにより、ユーザは、前進方向に操作する場合にコンパクター700がさもなければ前進することを抑制する必要がある場合に、追加の締固めが所望される場所でコンパクター700を留まらせることができる。一般的なガスエンジンプレートコンパクターは、振動機構712を逆方向に駆動するよう複雑な機械クラッチ及びリンク機構を必要とする。例えば、ガスエンジンプレートコンパクターは、上で説明したような逆動作を達成するために2つの振動機構を用いてもよい。対照的に、コンパクター700は、単一の振動機構712のみにより、複雑な機械クラッチを必要とすることなく、逆動作を提供する。
【0059】
図15は、ガスエンジン交換装置10を支持するフレーム524とポンプ528とを含むポンプシステム520を示し、ガスエンジン交換装置10はポンプ528を駆動するよう動作可能である。図示のポンプ528は、材料をポンプ528の入口536からポンプ528の出口540に移動させるよう軸を中心として回動自在な、ポンプ528のハウジング532内部に位置決めされるインペラを有する遠心ポンプである。具体的には、ポンプ528は、デブリがポンプ528内に捕捉され、ポンプシステム520の性能を低下させることなく、入口536から出口540までポンプ528を通過するよう液体(例えば、水)とデブリ(例えば、泥、小石、リース、砂、スラッジ等の固体材料)との混合物を提供することに十分なクリアランス(例えば、8ミリメートル)をポンプ528のインペラとハウジング532との間に含む「トラッシュポンプ」である。
【0060】
一般的に、ガスエンジンポンプは、1つの動作モードのみを含んでいる。特に、ガスエンジンはモータを一方向にのみ回転させてもよく、これはポンプの機能を制限する。これに対して、ポンプシステム520は、正逆両方向に回転することができるモータ36を含むガスエンジン交換装置10を含んでいる。従って、ポンプシステム520は、モータの回転方向に基づいて異なる機能を実行するよう適合される。電子プロセッサ302がモータ36を第1の方向に回転させると(例えば、ブロック405におけるように)、ポンプ528は、材料をポンプ528の入口536からポンプ528の出口540に移動させるようインペラを順方向に駆動してもよい。電子プロセッサ302がモータ36を第2の方向に回転させると(例えば、ブロック420におけるように)、ポンプ528は、デブリがポンプ528内部に詰まっている場合に(前進ギヤ及び後進ギヤを含むトランスミッションを利用することなく)詰まりを取り除くか、又はポンプ528をきれいにするようインペラを駆動してもよい。幾つかの実施形態において、モータ36は、ポンプ528内の詰まりを取り除くよう、第1の方向よりも遅い速度で第2の方向に回転するよう電子プロセッサ302によって制御されてもよい。例えば、電子プロセッサ302は、第2の方向よりも高速で第1の方向にモータ36を回転させるよう、第2の方向に駆動する場合のデューティ比よりも第1の方向に駆動する場合のデューティ比が高いPWM信号を電力スイッチングネットワーク310のFETに提供してもよい。
【0061】
図16は、ガスエンジン交換装置10と、第1の機器ビット754と、第2の機器ビット758とを含む屋外動力機器750の一実施例を示す。第1の機器ビット754は、第1のクラッチ機構762を用いてガスエンジン交換装置10の動力取出シャフト38に結合されている。図示の実施例において、第1のクラッチ機構762は、動力取出シャフト38に取り付けられる第1のワンウェイクラッチ766を含んでいる。第1のベルト770は、第1のワンウェイクラッチ766を第1の機器ビット754に結合する。第1のワンウェイクラッチ766は、例えば、動力取出シャフト38が第1の方向に回転している場合に回転運動を第1のベルト770に伝達するが、動力取出シャフト38が第2の反対方向に回転している場合に回転運動を第1のベルト770に伝達しないスプラグ軸受等である。従って、第1のクラッチ機構762は、モータ36が第1の方向に回転している場合に第1の機器ビット754を作動させ、モータ36が第2の方向に回転している場合に第1の機器ビット754を停止させる。第1のワンウェイクラッチ766及び第1のベルト770は、第1のクラッチ機構762の一実施例である。幾つかの実装において、異なる機械部品が、回転子が第1の方向に回転している場合にのみ第1の機器ビット754を作動させる第1のクラッチ機構762を実装するために用いられてもよい。
【0062】
第2の機器ビット758は、第2のクラッチ機構778を用いてガスエンジン交換装置10の動力取出シャフト38に結合されている。図示の実施例において、第2のクラッチ機構778は、動力取出シャフト38に取り付けられる第2のワンウェイクラッチ782を含んでいる。第2のベルト786は、第2のワンウェイクラッチ782を第2の機器ビット758に結合する。第2のワンウェイクラッチ782は、例えば、動力取出シャフト38が第2の方向に回転している場合に回転運動を第2のベルト786に伝達するが、動力取出シャフト38が第1の方向に回転している場合に回転運動を第2のベルト786に伝達しないスプラグ軸受等である。従って、第2のクラッチ機構778は、モータ36が第2の方向に回転している場合に第2の機器ビット758を作動させ、モータ36が第1の方向に回転している場合に第2の機器ビット758を停止させる。第2のワンウェイクラッチ782及び第2のベルト786は、第2のクラッチ機構778の一実施例である。幾つかの実装において、異なる機械部品が、回転子が第2の方向に回転している場合にのみ第2の機器ビット758を作動させる第2のクラッチ機構778を実装するために用いられてもよい。
【0063】
屋外動力機器750は、例えば、ダブルエキサイタープレートコンパクターである。この実施例において、第1の機器ビット754は第1の振動プレートを駆動するよう構成される第1の振動機構であり、第2の機器ビット758は第2の振動プレートを駆動するよう構成される第2の振動機構である。モータ36が第1の方向に回転すると、動力は、第1のクラッチ機構762を介して第1の振動機構に伝達される。第1の振動機構は、それによって第1の振動プレートを駆動し、プレートコンパクターを、例えば、前方に進める。モータ36が第2の方向に回転すると、動力は、第2のクラッチ機構778を介して第2の振動機構に伝達される。第2の振動機構は、それによって第2の振動プレートを駆動し、プレートコンパクターを、例えば、逆方向に進める。
【0064】
図17は、別の例示的な屋外動力機器750(例えば、車輪付きプレートコンパクター)を示している。図示の実施例において、屋外動力機器750は、地上で屋外動力機器750を前進させる車輪790を含んでいる。この実施例において、第1の機器ビット754は振動プレートを駆動するよう構成される振動機構であり、第2の機器ビット758は車輪790に結合される車軸794を駆動するよう構成されている。モータ36が第1の方向に回転すると、動力は、第1のクラッチ機構762を介して振動機構に伝達される。振動機構は、これによって、振動プレートを駆動する。モータ36が第2の方向に回転すると、動力は、第2のクラッチ機構778を介して車輪790に伝達される。車輪790は、屋外動力機器750を駆動するために用いることができる。
【0065】
図18は、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bとしてラベル付けされる2つのガスエンジン交換装置10を支持するフレーム804を含む例示的なダブルエキサイターコンパクター800を示している。フレームは、更に、第1のガスエンジン交換装置10Aが第1の振動機構812を駆動して第1の振動プレート808を駆動することができるように、第1の振動プレート808と、第1のガスエンジン交換装置10A及び第1の振動プレート808の中間にある第1の振動機構812(例えば、第1のエキサイター)とを支持する。第1のガスエンジン交換装置10Aは、第1のベルト816を用いて第1の振動機構812に接続されている。第1のベルト816は、動力取出シャフト38Aが回転すると、第1のベルト816が動力取出シャフト38Aと共に回転して、第1の振動機構812を励振させるように、第1の振動機構812に第1のガスエンジン交換装置10Aの動力取出シャフト38Aを結合する。第1の振動機構812は、ひいては、第1の振動プレート808を振動させる。
【0066】
ダブルエキサイターコンパクター800はまた、第2のガスエンジン交換装置10Bが第2の振動機構824を駆動して第2の振動プレート820を駆動することができるように、第2のガスエンジン交換装置10Bと、第2の振動プレート820と、第2のガスエンジン交換装置10B及び第2の振動プレート820の中間にある第2の振動機構824(例えば、第2のエキサイター)とを含んでいる。第2のガスエンジン交換装置10Bは、第2のベルト828を用いて第2の振動機構824に接続されている。第2のベルト828は、第2の動力取出シャフト38Bが回転すると、第2のベルト828が第2の動力取出シャフト38Bと共に回転して、第2の振動機構824を励振させるように、第2の振動機構824に第2の動力取出シャフト38Bを結合する。第2の振動機構824は、ひいては、第2の振動プレート820を振動させる。
【0067】
ダブルエキサイターコンパクター800は、更に、第1のガスエンジン交換装置10Aの第1の電子プロセッサ302Aに制御信号を提供するよう第1のガスエンジン交換装置10Aに結合され、第2のガスエンジン交換装置10Bの第2の電子プロセッサ302Bに制御信号を提供するよう第2のガスエンジン交換装置10Bに結合されるメインコントローラ832を含む。メインコントローラ832は、電子プロセッサ302と同様に実装されてもよく、ダブルエキサイターコンパクター800の選択した動作モード又は所望の動作に基づいて、第1の電子プロセッサ302A及び第2の電子プロセッサ302Bに制御信号を提供する。
【0068】
図19は、ダブルエキサイターコンパクター800の動作のための例示的な方法850のフロー図である。方法850は、メインコントローラ832を用いて、コンパクター800の動作モードを特定すること(ブロック855において)を含んでいる。メインコントローラ832は、コンパクター800のユーザ入力装置(例えば、モードセレクタスライダ、ダイヤル、若しくは押しボタン)を介して、又は外部装置338上のグラフィカルユーザインターフェースを介して受信される入力に基づいて提供される外部装置338からの通信ネットワークを介して、ユーザ入力を受信してもよい。ユーザ入力は、コンパクター800の動作モードを示す。コンパクター800の動作モードは、例えば、前進締固め、後退締固め、ニュートラル締固めを含む。各モードは、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの特定の制御に対応してもよい。動作モードと第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bのための制御との間のマッピングは、メインコントローラ832のメモリ内に格納されてもよい。
【0069】
方法850はまた、メインコントローラ832を用いて、動作モードに基づいて第1の電子プロセッサ302Aに第1の制御信号を提供すること(ブロック860において)と、メインコントローラ832を用いて、動作モードに基づいて第2の電子プロセッサ302Bに第2の制御信号を提供すること(ブロック865において)とを含む。上で検討したように、メインコントローラ832は、動作モードに基づいて第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bのための特定の制御を特定し、対応する制御信号を第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bに提供してもよい。例えば、ユーザが前進締固めを選択する場合、メインコントローラ832は、第1の制御信号及び第2の制御信号を提供して、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの速度、方向、及び位相オフセットを制御してもよい。第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの速度、方向、及び/又は位相オフセットを制御することによって、振動プレート808、820は、締固めを提供し、前方に進むよう制御されてもよい。一実施例において、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bのモータ36を第1の方向に回転させるよう制御することによって、前進締固めを達成してもよい。
【0070】
別の実施例において、ユーザが後退締固めを選択する場合、メインコントローラ832は、第1の制御信号及び第2の制御信号を提供して、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの速度、方向、及び位相オフセットを制御してもよい。第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの速度、方向、及び/又は位相オフセットを制御することによって、振動プレート808、820は、締固めを提供し、後方に進むよう制御されてもよい。一実施例において、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bのモータ36を第2の方向に回転させるよう制御することによって、後退締固めを達成してもよい。
【0071】
更に別の実施例において、ユーザがニュートラル締固めを選択する場合、メインコントローラ832は、第1の制御信号及び第2の制御信号を提供して、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの速度、方向、及び/又は位相オフセットを制御してもよい。第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bの速度、方向、及び/又は位相オフセットを制御することによって、振動プレート808、820は、静止したままで締固めを提供するよう制御されてもよい。一実施例において、第1のガスエンジン交換装置10A及び第2のガスエンジン交換装置10Bのモータ36を反対方向に回転させるよう制御することによって、ニュートラル締固めを達成してもよい。即ち、第1のガスエンジン交換装置10Aのモータ36を順方向に回転させるよう制御し、第2のガスエンジン交換装置10Bのモータ36を逆方向に回転させるよう制御する、又はそれらの逆である。
【0072】
方法850は、コンパクター800のモード選択又はモード変更毎に繰り返される。当業者は、メインコントローラ832が、本明細書中に明示的に説明されていない幾つかの他のモードにおいてダブルエキサイターコンパクター800を動作させるために用いられてもよいことを正しく認識する。加えて、幾つかの実施形態において、メインコントローラ832の機能は、第1又は第2のガスエンジン交換装置10A、10Bの電子プロセッサのうちの1つに組み込まれ、メインコントローラ832は、ダブルエキサイターコンパクター800内に含まれていない。
【0073】
ガスエンジン交換装置10によって駆動される、上で説明した幾つかの屋外動力機器は、内燃機関によって駆動される従来の機器に勝る多くの利点を含み、その幾つかを以下に説明する。
【0074】
幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、新しい機器と嵌合することができ、メモリ306は、新しい機器との動作のためにガスエンジン交換装置10を最適化するよう再プログラムすることができる。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、ガスエンジン交換装置10がどの種類の新しい機器と嵌合しているかを自動的に認識し、それに応じてガスエンジン交換装置10の動作を管理する。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、新しい機器との無線周波数識別(RFID)通信を介して、ガスエンジン交換装置10がどの機器と嵌合しているかを自動的に検出することができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、メモリ306は、BLUETOOTH又はWi-Fi通信プロトコルのどちらか一方を介して再プログラム可能である。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、同じ機器の異なる使用のための制御モードを有する。制御モードは、プリセット又はユーザプログラム可能であってもよく、BLUETOOTH又はWi-Fiを介して遠隔でプログラムされてもよい。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、ガスエンジン交換装置10が機器に対して一方向制御を行うことができるように、又はオペレータがスマートフォンアプリケーションを用いてガスエンジン交換装置10に対して一方向制御を行うことができるように、マスター/スレーブ機器間通信及び連携を利用する。
【0076】
幾つかの実施形態において、オペレータ又は相手先商標製造会社(OEM)は、例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)のようなインターフェースを介して電子プロセッサ302を通じてガスエンジン交換装置10の速度を制御する限定されたアクセスを許可される。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、歯車列110内の単一の歯車セットにより、ガソリンエンジンよりも広範囲の速度選択が可能である。例えば、制御電子機器42は、2,000RPM未満でモータ36を駆動するよう構成され、これは、ガソリンエンジンが可能ないかなる速度よりも低く、これにより、関連する機器が、バッテリパック50の全放電にわたってガソリンエンジンよりも大きな全実行時間を有することが可能になる。加えて、制御電子機器42は、3,600RPMを超えてモータを駆動するよう構成され、これは、ガソリンエンジンが可能ないかなる速度よりも高く、より多くのトルクを出力する能力を有する。モータ36のより広い速度範囲は、ガソリンエンジンよりも高い効率及び能力を提供する。幾つかの実施形態において、オペレータは、速度に加えてモータ36によって引き出される電流を制御するアクセスを有することができる。
【0077】
幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、データを記録し、報告するよう構成される。例えば、電子プロセッサ302は、ガスエンジン交換装置10の状態を監視し、読み取るための有線又は無線診断を提供するよう構成される。例えば、電子プロセッサ302は、例えばレンタルシナリオにおいて、ガスエンジン交換装置10の実行時間を監視し、記録することができる。幾つかの実施形態において、モータ36及び電子プロセッサ302は、バッテリパック50を充電するために回生制動を用いる。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、照明又は付属品のためのDC出力を含む。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、電圧、電流、動き、速度、及び/又は熱電対を介してガスエンジン交換装置10の異常又は動作不良を検出することができる。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、ガスエンジン交換装置10の意図しない使用又は停止を検出することができる。ガスエンジン交換装置10によって駆動される機器が意図した特性で動作していない場合、又は正しく若しくは安全に用いられていない場合、電子プロセッサ302は、異常を検出し、ガスエンジン交換装置10を停止させることができる。例えば、ガスエンジン交換装置10は、ガスエンジン交換装置10及び機器が意図した向きにあるかどうかを感知する1つ以上の加速度計を含むことができる。また、ガスエンジン交換装置10が意図した向きにない(即ち、機器が転倒した)と電子プロセッサ302が特定した場合、電子プロセッサ302は、ガスエンジン交換装置10を停止させることができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、加速度計、ジャイロスコープ、GPSユニット、又はリアルタイムクロック等の、動力機器の一部と共に用いるためのユーザ選択センサと電気的に接続するアクセス可能なセンサポート(図示せず)を含み、オペレータが、電子プロセッサ302によって感知及び検出される変数をカスタマイズすることを可能にする。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、視覚的、聴覚的、又は触覚的通知を介して、バッテリが消耗している場合等のバッテリパック50の状態をオペレータに示すことができる。幾つかの実施形態において、電子プロセッサ302は、ウインチ等の補助装置を駆動するよう、モータ36とは別個の補助モータを動作させることができる。補助モータは、ガスエンジン交換装置10の内部又は外部にあってもよい。
【0079】
幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、タッチディスプレイ又はノブ及びボタンの組み合わせ等のカスタマイズ可能なユーザインターフェース上のデジタル制御を含むことができる。対照的に、アナログガソリンエンジンは、かかるデジタル制御を含んでいない。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10のためのユーザインターフェースは、モジュール式、有線式、又は無線式とすることができ、ガスエンジン交換装置10に取り付け可能であるか、又は手持ち式とすることができる。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、バッテリパック50の充電及び温度等のガスエンジン交換装置10のある特定の特性のための状態インジケータを含む、遠隔制御により制御することができる。幾つかの実施形態において、ガスエンジン交換装置10は、遠隔のプログラム可能な装置により状態表示を提供することができる。
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【外国語明細書】