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特開2024-2064耐火層間材、耐火方法、および耐火構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002064
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】耐火層間材、耐火方法、および耐火構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20231228BHJP
   E04B 1/684 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
E04B1/94 J
E04B1/684 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101032
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】592171131
【氏名又は名称】株式会社ロンビックジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100166051
【弁理士】
【氏名又は名称】駒津 啓佑
(72)【発明者】
【氏名】寺島 智
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001FA04
2E001FA11
2E001GA01
2E001HA32
2E001HA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建築物の床と外壁との間に形成された隙間である層間Gにおける外壁と構造躯体とをつなぐ連結材の内部に形成された空間と層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができる耐火層間材、耐火構造、および耐火構造の施工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】連結材の開口部から第一芯材110が挿入されて空間を閉塞し、連結材の開口部の外側における層間Gを第二芯材120が閉塞し、第一芯材110と第二芯材120とを連結部が連結させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火層間材において、
前記溝形鋼の開口部から挿入されて前記空間を閉塞する第一芯材と、
前記溝形鋼の前記開口部の外側における前記層間を閉塞する第二芯材と、
前記第一芯材と前記第二芯材とを連結させる連結部と、
を備えることを特徴とする耐火層間材。
【請求項2】
前記連結部は、
前記第一芯材と前記第二芯材とをつなぐように設けられたシート材であること、
を特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
【請求項3】
前記シート材は、
前記第一芯材と前記第二芯材との上面をつなぐように設けられた上面シート材であること、
を特徴とする請求項2記載の耐火層間材。
【請求項4】
前記上面シート材は、
前記第一芯材と前記第二芯材との少なくとも上面全域を被覆した上面被覆材であること、
を特徴とする請求項3記載の耐火層間材。
【請求項5】
前記溝形鋼と前記床との間に形成された隙間に挿入されて前記隙間を閉塞する第三芯材と、
前記第三芯材と前記第二芯材との上面を支持軸として回動可能に連結される第二連結部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
【請求項6】
前記第二連結部は、
前記第一芯材と前記第二芯材と前記第三芯材との少なくとも上面全域を被覆した全上面被覆材であること、
を特徴とする請求項5記載の耐火層間材。
【請求項7】
前記溝形鋼は、前記開口部を閉口するように設けられたリップを具備するリップ溝形鋼であって、
前記第一芯材と前記第二芯材との間に前記リップを収容するための切込部、
を備えることを特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
【請求項8】
前記切込部は、
設置された前記空間を閉塞した際の前記溝形鋼の内径方向の幅が、前記開口部の長手方向に向けられて前記空間に挿入された前記第一芯材と、前記第二芯材とが回転されることで前記リップが収容される回転リップ収容部であること、
を特徴とする請求項7記載の耐火層間材。
【請求項9】
前記層間に充填される耐火材を支持するための支持金具によって支持され、前記第一芯材および前記第二芯材を下側から支持して落下を防止するための落下防止金具、
を備えることを特徴とする請求項1記載の耐火層間材。
【請求項10】
前記落下防止金具は、
前記空間を閉塞する第一平板部と、
前記開口部の外側における前記層間を閉塞する第二平板部と、
前記第一平板部と前記第二平板部とを連結する平板連結部と、
を備えることを特徴とする請求項9記載の耐火層間材。
【請求項11】
前記溝形鋼は、前記開口部を閉口するように設けられたリップを具備するリップ溝形鋼であって、
前記落下防止金具は、
前記第一平板部と前記第二平板部との間に前記リップを収容するための切欠部、
を備えることを特徴とする請求項10記載の耐火層間材。
【請求項12】
前記落下防止金具は、
前記溝形鋼と前記床との間に形成された隙間に挿入される連結材床間閉塞金属製板材、
を備えることを特徴とする請求項10記載の耐火層間材。
【請求項13】
建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火方法において、
前記溝形鋼の開口部から第一芯材が挿入されて前記空間を閉塞する工程と、
連結部を介して前記第一芯材に連結された第二芯材が、前記溝形鋼の前記開口部の外側における前記層間を閉塞する工程と、
を備えることを特徴とする耐火方法。
【請求項14】
前記第一芯材は、
設置された前記空間を閉塞した際の前記溝形鋼の内径方向の幅が、前記開口部の長手方向に向けられて、前記空間に挿入され、
前記第一芯材および前記第二芯材の上面が水平になるまで回転させて設置すること、
を特徴とする請求項13記載の耐火方法。
【請求項15】
前記溝形鋼と前記床との間に形成された隙間に挿入されて前記隙間を閉塞する第三芯材と、
前記第三芯材と前記第二芯材との上面を支持軸として回動可能に連結される第二連結部と、
を備え、
前記第一芯材を前記空間に挿入する前に、前記第三芯材が、前記第二連結部を支持軸として回動されること、
を特徴とする請求項13記載の耐火方法。
【請求項16】
建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火構造において、
前記溝形鋼の開口部から挿入されて前記空間を閉塞する第一芯材と、
前記溝形鋼の前記開口部の外側における前記層間を閉塞する第二芯材と、
前記第一芯材と前記第二芯材とを連結させる連結部と、
を備えることを特徴とする耐火構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火層間材、耐火方法、および耐火構造に関し、特に建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火層間材、耐火方法、および耐火構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から高層建築物において、建築物へ荷重の負担をかけないように、カーテンウォールと呼ばれる非耐力壁を土台や柱などの骨組みである構造躯体に取り付けることで、建築物の荷重を壁が直接負担しない構造を形成する外壁構法が採用されている。
【0003】
この外壁構法には、例えば床と外壁との間に、部材と部材とのつなぎ目や構造上所定の層間と呼ばれる隙間が形成されるため、この層間が耐火上の弱点となっている。実際に火災が生じた際に、この層間から上下階に延焼してしまうため、この層間を閉塞する必要がある。
【0004】
また鉄骨造の建物を含む耐火建築物などでは、火災発生時に、火災や煙の拡大を一定範囲内にとどめることを目的とした防火区画が設置されている。この防火区画は、例えば外壁や間仕切り壁によって区分された複数の空間の一部に火災が発生した場合でも、火災が発生した空間から近隣の空間へ火災や煙が一定時間拡大することがない。
【0005】
そこで、床と外壁との間に形成される層間に落下防止金物を挿入し、この落下防止金物の上に防水耐火膜を上面に備えた耐火層間材を床と外壁とに密着させることで、床と外壁との間に形成される層間を閉塞し、耐火構造を形成する方法が採用されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-42271号公報
【特許文献2】特開2020-084483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の耐火構造では、床と外壁とを連結するための連結材の内部に形成された空間を閉塞することはできなかった。このため、火災が生じた際に連結材の内部を通じて火災や煙が近隣の空間へ拡大してしまう問題があった。
【0008】
外壁を土台や柱などの骨組みである構造躯体に取り付ける際に、外壁材を一つずつ構造躯体に取り付けるのでは効率が悪い。そのため、あらかじめ連結材によって連結された複数の外壁材をまとめて構造躯体に取り付けることで作業効率を向上させている。具体的な連結材としては、軽量かつ高強度で曲がりや撓みに強く一般構造用軽量形鋼に分類されるリップ溝形鋼が用いられている。
【0009】
リップ溝形鋼は、ウエブ部と、ウエブ部から垂直に立ち上がる2つのフランジ部と、2つのフランジ部を閉口するように各フランジ部から垂直に立ち上がる2つのリップ部を備えており、2つのリップ部の間には開口部が形成されている。
【0010】
リップ溝形鋼における2つのフランジ部のうち一方側にボルト材等によって複数の外壁材が取り付けられて連結される。複数の外壁材が連結されたリップ溝形鋼は、長手方向が鉛直方向に向けられて骨組みである構造躯体にボルト材等によって取り付けられる。
【0011】
従来の耐火層間材では、床と外壁との間に形成される層間を閉塞することはできるが、外壁材を連結するための層間におけるリップ溝形鋼内を閉塞することができない問題があった。
【0012】
図23は、溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間における連結材の内部に従来の耐火層間材が設置された状態と、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間における連結材の内部に従来の耐火層間材が設置された状態と、を示す上面図である。
【0013】
図23(A)は、溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間における連結材の内部に従来の耐火層間材が設置された状態を示している。
図23(A)に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また外壁300は、複数の外壁材310が連結材320のウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、複数の外壁材310が取り付けられた連結材320の他方側のフランジ部323が、床200に取り付けられている。
溝形鋼である連結材320は、強度や剛性を必要とするため、ウエブ部321、フランジ部322、およびフランジ部323は、所定の厚さの鋼材で形成される。
【0014】
このため、溝形鋼である連結材320の内径幅と、層間Gの幅とには、フランジ部322、およびフランジ部323の厚さだけ差が生じることになる。このため、連結材320の開口部から連結材320の内部に特許文献1で開示された耐火層間材10を圧入したとしても、フランジ部322、およびフランジ部323の先端部付近には隙間が生じてしまうため完全に層間Gを閉塞することができない。
【0015】
図23(B)は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間Gにおける連結材の内部に従来の耐火層間材が設置された状態を示している。
【0016】
図23(B)に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また外壁300は、複数の外壁材310が連結材320のウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、複数の外壁材310が取り付けられた連結材320の他方側のフランジ部323が、床200に取り付けられている。さらに、フランジ部322、およびフランジ部323からは、その開口部を閉口するようにリップ部324がそれぞれ形成されている。
【0017】
連結材320がリップ溝形鋼である場合においては、連結材320の開口部の幅がリップ部324によって閉口されているため、層間Gの幅よりも開口部の幅は小さくなっている。
【0018】
このため、弾力性を備えた従来の耐火層間材10をリップ溝形鋼の開口部の幅に合わせて圧縮し、リップ溝形鋼の内側に従来の耐火層間材10を圧入したとしても、リップ部324の周囲に隙間が生じてしまうため、層間Gを完全に閉塞することができない。
【0019】
そこで、層間Gにおけるリップ溝形鋼内の空間を閉塞するためには、例えば溝形鋼内の空間と同じ形状に加工したロックウールを、層間Gにおける溝形鋼内の空間に詰め込む作業が行われている。
【0020】
ここで、たとえば加工したロックウールの大きさが溝形鋼内の空間よりも小さかった場合には、溝形鋼内の空間における層間Gを完全に閉塞することができない問題が生じてしまう。
【0021】
さらに溝形鋼内の空間よりもロックウールが小さいことで、詰め込んだ位置から落下してしまう問題も生じる。もしロックウールが落下してしまうと、層間Gに隙間が生じてしまうため上下階への延焼を完全に防止することはできない。
【0022】
また、層間Gにおけるリップ溝形鋼内を閉塞する作業は、床と外壁との間という狭い層間Gに設けられた溝形鋼内の空間という非常に狭い場所にロックウールを詰め込んで閉塞しなくてはならない。
【0023】
このため、非常に狭い層間Gにおけるリップ溝形鋼内で作業を行うのではなく、上下の床間で露出したリップ溝形鋼の開口部から加工したロックウールを挿入し、その挿入したロックウールを層間Gまで押し込んでいる。
【0024】
ところが、リップ溝形鋼内がウエブ部やフランジ部、リップ部などで囲まれた内部が見えづらい場所であるため、ロックウールを下に押し込みすぎてしまうと、床の下面よりもロックウールを押し込んでしまうことがある。このようにロックウールが床の下面より下に移動してしまうと層間Gを完全に閉塞することができない。
【0025】
また床の上面よりも上にロックウールを設置してしまうと、これも層間Gを完全に閉塞することができない。このように、外壁材を連結するための層間Gにおけるリップ溝形鋼内の空間を容易に閉塞することができない問題があった。
【0026】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、建築物の床と外壁との間に形成された層間における外壁と構造躯体とをつなぐ連結材の内部に形成された空間を容易かつ確実に閉塞することができる耐火層間材、耐火構造、および耐火構造の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明では上記問題を解決するために、建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火層間材において、前記溝形鋼の開口部から挿入されて前記空間を閉塞する第一芯材と、前記溝形鋼の前記開口部の外側における前記層間を閉塞する第二芯材と、前記第一芯材と前記第二芯材とを連結させる連結部とを備えることを特徴とする耐火層間材が提供される。
これにより、溝形鋼の開口部から第一芯材が挿入されて空間を閉塞し、溝形鋼の開口部の外側における層間を第二芯材が閉塞し、第一芯材と第二芯材とを連結部が連結させる。
【0028】
また、本発明では、建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火方法において、前記溝形鋼の開口部から第一芯材が挿入されて前記空間を閉塞する工程と、連結部を介して前記第一芯材に連結された第二芯材が、前記溝形鋼の前記開口部の外側における前記層間を閉塞する工程とを備えることを特徴とする耐火方法が提供される。
これにより、溝形鋼の開口部から第一芯材が挿入されて空間を閉塞し、連結部を介して第一芯材に連結された第二芯材が、溝形鋼の開口部の外側における層間を閉塞する。
【0029】
また、本発明では、建築物の床と外壁材との間に形成された層間と、前記外壁材と前記建築物の構造躯体とをつなぐ溝形鋼の内部に形成された空間と、を閉塞する耐火構造において、前記溝形鋼の開口部から挿入されて前記空間を閉塞する第一芯材と、前記溝形鋼の前記開口部の外側における前記層間を閉塞する第二芯材と、前記第一芯材と前記第二芯材とを連結させる連結部とを備えることを特徴とする耐火構造が提供される。
これにより、溝形鋼の開口部から第一芯材が挿入されて空間を閉塞し、溝形鋼の開口部の外側における層間を第二芯材が閉塞し、第一芯材と第二芯材とを連結部が連結させる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の耐火層間材、耐火方法、および耐火構造によれば、溝形鋼の開口部から第一芯材が挿入されて空間を閉塞し、溝形鋼の開口部の外側における層間を第二芯材が閉塞し、第一芯材と第二芯材とを連結部が連結させるので、建築物の床と外壁との間に形成された隙間である層間における外壁と構造躯体とをつなぐ連結材の内部に形成された空間と層間とを容易かつ確実に閉塞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図2】リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の空間を示す背面側断面図および上面図である。
図3】第1の実施の形態における耐火層間材の落下を防止するための落下防止金具の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図4】リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間に従来の耐火層間材を支持するための支持金具および金属製板材が設置された状態と、層間における連結材の空間に第1の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具とが設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図5】層間における連結材の空間に第1の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具が設置された状態と、落下防止金具の上部に第1の実施の形態における耐火層間材が設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図6】第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前の状態と、第1の実施の形態における耐火層間材の一部が連結材の空間に挿入された状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図7】第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入された後の状態と、第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入されて層間を閉塞した状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図8】第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入されて固定された後の状態と、第1の実施の形態における耐火層間材と従来の耐火層間材とによって、連結材の空間と層間とが閉塞された状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図9】第2の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図10】リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の空間と、連結材と床との間に形成された隙間とを示す背面側断面図および上面図である。
図11】リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間に従来の耐火層間材を支持するための支持金具および金属製板材が設置された状態と、層間における連結材の空間に第2の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具とが設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図12】層間における連結材の空間に第2の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具が設置された状態と、落下防止金具の上部に第2の実施の形態における耐火層間材が設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図13】第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前で第三芯材を回動させる状態と、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前で第三芯材を回動させた状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図14】第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前の状態と、第2の実施の形態における耐火層間材の一部が連結材の空間に挿入された状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図15】第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入された後の状態と、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入された状態で第三芯材150を回動させた状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図16】第3の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図17】リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間を示す背面側断面図および上面図である。
図18】第3の実施の形態における耐火層間材の落下を防止するための落下防止金具の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図19】層間における連結材の空間に第3の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具が設置された状態と、第3の実施の形態における耐火層間材が連結材320の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間に圧入されて層間を閉塞した状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
図20】リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間を示す上面図と、第4の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図21】第5の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す底面図である。
図22】溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の空間を示す背面側断面図および上面図、および耐火層間材が連結材の空間に圧入されて固定された後の状態を示す背面側断面図および上面図である。
図23】溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間における連結材の内部に従来の耐火層間材が設置された状態と、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間における連結材の内部に従来の耐火層間材が設置された状態と、を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図1に示すように、耐火層間材100は、第一芯材110、第二芯材120、上面被覆材130を備えている。
【0033】
第一芯材110は、ここでは図示しない床200や梁材などの骨組みである構造躯体と外壁300とをつなぐ連結材320の内部に形成された空間Sに圧入され、層間Gにおける空間Sを閉塞するためのものであって、第一中芯材111と、第一中芯材111の周面を完全に被覆するように設けられた第一外被材112とを備えている。
【0034】
第二芯材120は、ここでは図示しない層間Gを閉塞するためのものであって、第二中芯材121と、第二中芯材121の周面を完全に被覆するように設けられた第二外被材122とを備えている。
【0035】
第一中芯材111および第二中芯材121は、ここでは図示しない層間Gを閉塞することで十分な耐火性能を有する素材で形成される。
【0036】
具体的な素材は、たとえば80kg/立方メートル程度または80kg/立方メートル以上の密度を有するロックウールが例として挙げられる。ロックウールの他にもセラミックス繊維、グラスウールなどの無機質繊維を使用して形成することもできる。
【0037】
また第一中芯材111および第二中芯材121の幅寸法Wは、層間Gよりも大きい寸法に形成されている。具体的に、ここでは図示しない層間Gの幅寸法Wが約50mmである場合、第一中芯材111および第二中芯材121の幅寸法Wは55mm~65mm程度で形成するとよい。
【0038】
また第一中芯材111が連結材320の内部に圧入される際に、幅寸法W方向が鉛直方向に向けられて、連結材320の開口部から連結材320の内部に圧入される。このため第一中芯材111の高さ寸法Hは、連結材320の開口部から圧入可能な高さに形成される。
【0039】
また、第二中芯材121の高さは、上下階への延焼を防止することができる任意の高さで形成することができるが、第一中芯材111の高さと同じ高さで形成することもできる。
【0040】
さらに第一中芯材111の奥行寸法D1は、連結材320の内部に形成された空間Sを閉塞するために十分な寸法で、また第二中芯材121の奥行寸法D2は任意の寸法で形成することができる。
【0041】
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一芯材110が圧入された後、第一芯材110と第二芯材120とをつなぐ方向に向けられた回転軸Oを中心にして、耐火層間材100を上面被覆材130が上面で水平になるまで回転させる。
【0042】
これにより、鉛直方向に向けられていた第一芯材110の幅寸法Wが水平方向に向けられて連結材320の内部に形成される空間Sを閉塞し、第二芯材120の幅寸法Wが水平方向に向けられて層間Gを閉塞する。
【0043】
第一外被材112および第二外被材122は、例えば水分を通さないポリエチレンフィルムなどで形成されており、第一外被材112および第二外被材122によって第一中芯材111および第二中芯材121が完全に覆われているため、第一中芯材111および第二中芯材121は雨水などの水分から守られている。
【0044】
第一芯材110の背面側と第二芯材120の正面側とが隣接するように設置されており、隣接するように設置された第一芯材110および第二芯材120の上面には、第一芯材110および第二芯材120の上面を完全に被覆するように上面被覆材130が上面被覆材130の下側面に設けられた粘着面によって接着固定されている。
上面被覆材130の素材は、防水性と溶接火花に対する耐性とを兼ね備えた例えば耐火素材のアルミガラスクロスシートなどのシート状のシート材が上面に設けられた上面シート材である。
【0045】
第一芯材110および第二芯材120の上面に、シート状の上面被覆材130が接着固定されることで、第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部が形成される。
【0046】
なお、本実施の形態では、第一連結部を第一芯材110と第二芯材120との上面が連結されたシート状の上面被覆材130として説明したが、第一連結部は第一芯材110と第二芯材120とが連結できていればよく、第一芯材110と第二芯材120との中心部や底面部などに、リップ部324を収容可能なようにして第一連結部を形成することもできる。
【0047】
上面被覆材130は、第一芯材110および第二芯材120の幅寸法Wよりも両外側方向に突出するように設けられ、所定の場所に第一芯材110および第二芯材120を固定するための延長部131を備えている。
【0048】
上面被覆材130の下側面には粘着面が設けられているが、延長部131の下側面に露出している粘着面には、その露出した粘着面を完全に被覆するように剥離紙132が貼付されており、貼付された剥離紙132が粘着面を保護している。延長部131を所定の場所に接着して固定する際には、剥離紙132が粘着面から剥離されて粘着される。
【0049】
この延長部131は、層間Gや空間Sに第一芯材110および第二芯材120を設置した際に、一方の延長部131が連結材320の内側面、または床200の側面や上面に粘着面を介して貼付され、他方の延長部131が連結材320の内側面、または外壁300側面に粘着面を介して貼付されることで、雨水などの水分が第一芯材110および第二芯材120の内部に浸入することを防ぐことができる。
【0050】
また上面被覆材130によって第一芯材110および第二芯材120の上面全域が完全に被覆されるので、たとえば上階で溶接工事が行われ、溶接工事の際に上階から落下した溶接火花が第一芯材110および第二芯材120に直接当たって第一芯材110および第二芯材120を損傷させてしまうことを防止することができる。
【0051】
これにより、溶接火花が第一芯材110および第二芯材120に当たることで第一外被材112および第二外被材122が損傷してしまい、損傷した第一外被材112および第二外被材122から第一芯材110および第二芯材120の内部に雨水などの水分が浸入してしまうことで生じる耐火層間材100の腐食などを防止することができる。
【0052】
また、第一芯材110および第二芯材120の上面に接着固定された上面被覆材130が、連結材320の内側面、および建築物の床200と外壁300とに粘着面を介して接着固定されるため、上面被覆材130に接着固定された第一芯材110および第二芯材120が連結材320の内部や層間Gに設置された状態から、下階方向に落下してしまうことを防止することができる。
【0053】
さらに上面被覆材130における第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部の両側延長部分には切込部133が設けられている。切込部133は、耐火層間材100を層間Gに設置した際に、リップ部324が収容されるようにして設置される。
【0054】
以上のように、耐火層間材100は、連結材320の開口部から内部に圧入される第一芯材110と、層間Gに圧入される第二芯材120とが、上面被覆材130による第一連結部によって連結されているため、連結材320の内部に形成される空間Sと、層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができる。
【0055】
図2は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の空間を示す背面側断面図および上面図である。
図2に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また複数の外壁材310からなる外壁300は、リップ溝形鋼である連結材320が備えるウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、他方側のフランジ部323が、床200に取り付けられている。
【0056】
また、ウエブ部321から立ち上げられたフランジ部322およびフランジ部323の開口部側からは、それぞれ開口部を閉口するようにしてリップ部324が形成されている。
【0057】
連結材320の内側には、ウエブ部321、フランジ部322、フランジ部323、およびリップ部324によって囲まれた空間Sが形成されている。本実施の形態の耐火層間材100では、層間Gにおける空間Sと層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができるものである。
【0058】
図3は、第1の実施の形態における耐火層間材の落下を防止するための落下防止金具の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図3に示すように、落下防止金具140は、第一平板部141、第二平板部142、および切欠部143を備えている。
【0059】
落下防止金具140は、たとえば板厚1.6mmの平鋼を打ち抜き加工したものであり、連結材320の内部に設置される耐火層間材100の落下を防止し、さらに連結材320の内部に形成された空間Sを閉塞することで上下階への延焼を防止するためのものである。
【0060】
第一平板部141は、ここでは図示しない床200や梁材などの骨組みである構造躯体と外壁300とをつなぐ連結材320の内部に形成された空間Sに挿入され、層間Gにおける空間Sを閉塞するためのものであって、連結材320の内部に形成された空間Sとほぼ同様の形状で打ち抜かれている。
第二平板部142は、ここでは図示しない層間Gを閉塞するためのものであって、層間Gを閉塞可能な幅の矩形で形成されている。
【0061】
第一平板部141と第二平板部142と一体的な平面上に連結する連結部分である平板連結部には、落下防止金具140が空間Sおよび層間Gに設置される際に、リップ溝形鋼である連結材320の2つのリップ部324が収容可能な大きさの切欠部143が双方の側面から形成されている。
【0062】
落下防止金具140が空間Sおよび層間Gに設置される際、落下防止金具140の平面方向が鉛直方向に向けられ、第一平板部141が連結材320の開口部から連結材320の内部に挿入される。
【0063】
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一平板部141が挿入された後、第一平板部141と第二平板部142とをつなぐ方向に向けられた回転軸Pを中心に落下防止金具140を落下防止金具140が水平になるまで落下防止金具140を回転させる。
【0064】
これにより、鉛直方向に向けられていた第一平板部141が水平方向に向けられて連結材320の内部に形成される空間Sを閉塞し、第二平板部142が水平方向に向けられて層間Gを閉塞し、さらに切欠部143にリップ部324が収容される。
【0065】
図4は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間に従来の耐火層間材を支持するための支持金具および金属製板材が設置された状態と、層間における連結材の空間に第1の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具とが設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0066】
図4(A)は、落下防止金具140が設置される前の状態であり、具体的には、従来技術であるたとえば特許文献2で開示された支持金具400および金属製板材500が設置された状態を示している。
図4(A)に示すように、層間Gに、従来技術であるたとえば特許文献2で開示された耐火層間材10を支持するための支持金具400および金属製板材500が設置されている。
【0067】
支持金具400は、例えば金板である平板材を屈折加工したものであり、床200の上面かつ端部を覆うように直角に曲げられ、床200の上面に面することで支持金具400を支持する上部支持部410と、上部支持部410から床200の側面に沿って垂直下に延長し、床200の下部まで床200の側面に面する添部420と、添部420の下端部から外壁300上部方向に向かって鋭角に屈曲させた角部であって、金属製板材500の長手方向の一側面を支持する板材支持部430と、板材支持部430から外壁300上部方向に向かって外壁300に到達するまで延長された支持部440とを備え、断面図が「レ」の形状をした金物である。
【0068】
支持金具400の添部420から支持部440の先端までの寸法は、層間Gよりも大きく設定されている。これにより、支持金具400を層間Gの上部から圧入することで、添部420が床200の側面に圧力がかかり、層間G内での支持金具400の安定性が向上する。
【0069】
また支持金具400の層間Gへの圧入は、上部支持部410が床200の上面に面するまで行われ、上部支持部410が床200の上面に、また添部420が床200の側面に面することで、支持金具400は、層間G内にしっかりと固定される。また支持金具400は、層間Gの長手方向に所定の間隔をあけて複数設置される。
【0070】
金属製板材500は、層間Gの長手方向に所定の間隔をあけて複数設置される支持金具400が備える板材支持部430に、金属製板材500の長手方向の一側面が支持され、他側面が外壁300によって支持される。金属製板材500は層間Gを長手方向に沿って層間Gを閉塞する厚さ1.6mm以上の板材である。
【0071】
この金属製板材500を層間Gに設置することで層間Gが閉塞され、支持金具400によって支持されるので、上下階相互における延焼を防止することができる。また金属製板材500によって閉塞された層間Gの上部に従来の耐火層間材10が設置されるので、従来の耐火層間材10の落下を強固に防止することができる。
【0072】
なお、ここでは金属製板材500を設置する際に、金属製板材500と連結材320の開口部側とに間があくように設置する図で説明したが、金属製板材500と連結材320の開口部側とが接するように金属製板材500を設置することもできる。
【0073】
また、ここでは省略したが、連結材320の閉口部側にも同様に複数の支持金具400によって金属製板材500を支持するように設置することもできる。この場合、連結材320の閉口部側と金属製板材500とが接するように金属製板材500を設置することで、層間Gを閉塞した状態で金属製板材500を設置することができる。
【0074】
さらに、ここでは従来技術として特許文献2で開示された支持金具400および金属製板材500が設置された状態を例として説明したが、金属製板材500は支持金具400が備えた角部である板材支持部430に限られるものではない。
【0075】
たとえば、支持金具400は、例えば金板である平板材を屈折加工したものであり、床200の上面かつ端部を覆うように直角に曲げられ、床200の上面に面することで支持金具400を支持する上部支持部410と、上部支持部410から床200の側面に沿って垂直下に延長し、床200の下部まで床200の側面に面する添部420と、添部420の端部から外壁300上部方向に向かって屈曲し延長された支持部440とを備えており、添部420に金属製板材500を支持するための板材支持部430を設けることもできる。
【0076】
板材支持部430は、例えば添部420の一部を切り起こした形状の突起であり、この板材支持部430によって金属製板材500の床200側部分が支持され、金属製板材500の外壁300側は外壁300によって支持される。この他、板材支持部430は、添部420の外壁300側の表面に溶接などで取り付けられた突起体でもよい。
【0077】
この他、板材支持部430は支持部440に設けることもできる。たとえば板材支持部430は、支持部440の先端部の一部を切り起こした形状の突起であり、この支持部440の先端部に形成された板材支持部430によって金属製板材500の外壁300側が支持され、金属製板材500の床200側部分が支持部440の先端部よりも上方の添部420の一部によって支持される。
【0078】
図4(B)は、落下防止金具140が設置される状態で、連結材320の開口部から連結材320の内部に第一平板部141を挿入し、回転軸Pを中心に落下防止金具140を回転させた状態を示している。
【0079】
図4(B)に示すように、落下防止金具140は、第一平板部141が連結材320の方向に向けられた状態、かつ落下防止金具140の平面方向が鉛直方向になるような状態に回転させながら第一平板部141が連結材320の開口部から空間Sに挿入される。
【0080】
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一平板部141が挿入された後、第一平板部141と第二平板部142とをつなぐ方向に向けられた回転軸Pを中心に落下防止金具140を落下防止金具140が水平になるまで落下防止金具140を回転させる。
【0081】
このとき、落下防止金具140の下部には、支持金具400および金属製板材500が設置されているため、空間Sおよび層間Gに設置される落下防止金具140は、金属製板材500の上部に設置されて所定の位置に固定される。
【0082】
図5は、層間における連結材の空間に第1の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具が設置された状態と、落下防止金具の上部に第1の実施の形態における耐火層間材が設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0083】
図5(A)は、層間Gにおける連結材320の空間Sに第1の実施の形態における耐火層間材100の落下を防止する落下防止金具140が設置された状態を示している。
図5(A)に示すように、落下防止金具140の下部には、支持金具400および金属製板材500が設置されているため、空間Sおよび層間Gに設置される落下防止金具140は、金属製板材500の上部に設置されて所定の位置に固定される。
【0084】
これにより、連結材320の内部に形成される空間Sを第一平板部141が閉塞し、連結材320の開口部側の外側の層間Gを第二平板部142が閉塞する。このため、金属製板材500と連結材320の開口部側とに間があくように金属製板材500が設置されていたとしても、その間を落下防止金具140で閉塞することができる。
【0085】
図5(B)は、落下防止金具140の上部に第1の実施の形態における耐火層間材100が設置される状態を示している。
図5(B)に示すように、上面被覆材130が外壁300の方向に向けられた状態、かつ第一芯材110が連結材320の方向に向けられた状態になるように耐火層間材100が回転される。このとき、上面被覆材130が備える延長部131および剥離紙132は、内側に向かって折り返しておくとよい。
【0086】
図6は、第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前の状態と、第1の実施の形態における耐火層間材の一部が連結材の空間に挿入された状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0087】
図6(A)は、第1の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに挿入される前の状態を示している。
図6(A)に示すように、図5(B)の状態から、連結材320の方向に正面側が向けられた第一芯材110は、連結材320の内部に圧入するために、第一芯材110の底面と上面被覆材130との幅が、連結材320の開口部の幅よりも小さくなるように、第一芯材110の底面を上面被覆材130の方向に向けて第一芯材110を圧縮させる。
【0088】
図6(B)は、第1の実施の形態における耐火層間材100の一部である第一芯材110が連結材320の空間Sに挿入された状態を示している。
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一芯材110が圧入された後、上面被覆材130に切込部133が設けられたことによって第一芯材110と第二芯材120との間にリップ部324を収容させながら、第一芯材110と第二芯材120とをつなぐ方向に向けられた回転軸Oを中心にして、上面被覆材130が上面で水平になるまで耐火層間材100を反時計回りに回転させる。
【0089】
図7は、第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入された後の状態と、第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入されて層間を閉塞した状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0090】
図7(A)は、第1の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに圧入された後の状態を示している。
図7(A)に示すように、図6(B)の状態から、回転軸Oを中心にして耐火層間材100を反時計回りに上面被覆材130が上面で水平になるまで回転させることで、耐火層間材100は上面被覆材130を上方にした水平姿勢となる。このとき、上面被覆材130に切込部133が設けられたことによって第一芯材110と第二芯材120との間に、2つのリップ部324が収容された状態となっている。
【0091】
図7(B)は、第1の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに圧入されて層間Gを閉塞した状態を示している。
図7(B)に示すように、図7(A)の状態から、耐火層間材100の上面被覆材130が床200の上面と同じ位置にくるまで、耐火層間材100を下方に移動させている。これにより、耐火層間材100で層間Gにおける空間Sと層間Gとを閉塞することができる。
【0092】
図8は、第1の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入されて固定された後の状態と、第1の実施の形態における耐火層間材と従来の耐火層間材とによって、連結材の空間と層間とが閉塞された状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0093】
図8(A)は、第1の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに圧入されて固定された後の状態を示している。
図8(A)に示すように、図7(B)の状態で延長部131から粘着面を保護していた剥離紙132を剥がし、露出した延長部131の粘着面を床200や外壁材310などに貼り付けることで、耐火層間材100は所定の位置に固定される。
【0094】
具体的には、上面被覆材130に設けられた延長部131のうち、切込部133に分断されて第一芯材110の上面から両側に延長された延長部131は、連結材320の内側であるフランジ部322およびフランジ部323の内側面に粘着面を介して貼り付けられる。
【0095】
また、上面被覆材130に設けられた延長部131のうち、切込部133に分断されて第二芯材120の上面から床200側に延長された延長部131は、あらかじめ設置されている支持金具400の上部から床200に粘着面を介して貼り付けられる。
【0096】
また、上面被覆材130に設けられた延長部131のうち、切込部133に分断されて第二芯材120の上面から外壁300側に延長された延長部131は、外壁300の壁面に粘着面を介して貼り付けられる。
【0097】
以上のように、第1の実施の形態における耐火層間材100は、上面被覆材130の下側面に設けられた粘着面が、連結材320の内側、床200、および外壁300に貼り付けられることによって所定の位置に固定される。
【0098】
図8(B)は、第1の実施の形態における耐火層間材100と従来の耐火層間材10とによって、連結材320の空間Sと層間Gとが閉塞された状態を示している。
前述のとおり、第1の実施の形態における耐火層間材100は、層間Gにおける空間Sと連結材320の開口部より外側の層間Gとを閉塞している。
【0099】
連結材320の閉口側に形成された層間Gと、連結材320の開口側に形成された層間Gとには、あらかじめ層間Gに設置された複数の支持金具400が設置されている。設置された支持金具400の上部から、従来の耐火層間材10が層間Gに圧入され、あらかじめ設置された支持金具400によって従来の耐火層間材10が支持される。
【0100】
さらに従来の耐火層間材10の上面に設けられた上面被覆材13の床200側と外壁300側とに延長された延長部が、延長部の下側面に設けられた粘着面を介して床200と外壁300とに貼り付けられる。これにより、従来の耐火層間材10が連結材320の閉口側に形成された層間Gを閉塞して固定される。
【0101】
以上のように、第1の実施の形態における耐火層間材100と、従来の耐火層間材10とによって、建築物の床200と外壁300との間に形成された層間Gと、層間Gにおける外壁300と構造躯体とをつなぐ連結材320の内部に形成された空間Sとを容易かつ確実に閉塞することができる。
【0102】
なお、本実施の形態の耐火層間材100では、第一芯材110を連結材320の開口部から挿入しやすいように、耐火層間材100が設置された空間Sを閉塞した際の溝形鋼の内径方向の幅であるは幅寸法Wを鉛直方向に向けた状態で、第一芯材110を連結材320の内部に圧入し、その後に耐火層間材100を水平方向になるまで回転する例で説明したが、耐火層間材100を水平方向に向けたまま第一芯材110を水平方向に圧縮し、連結材320の開口部から連結材320の内部に挿入できるのであれば、その方法をとることもできる。
【0103】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐火層間材は、芯材の形状や数量が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0104】
図9は、第2の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
なお、本実施の形態では、連結材320が梁材などの構造躯体に連結されることで、層間Gにおける床200と連結材320との間に形成された隙間Tと、連結材320の内部に形成された空間S、層間Gとを閉塞する耐火層間材100を例として以下を説明する。
【0105】
図9に示すように、耐火層間材100は、第一芯材110、第二芯材120、第三芯材150、および上面被覆材130を備えている。
第一芯材110は、ここでは図示しない床200や梁材などの骨組みである構造躯体と外壁300とをつなぐ連結材320の内部に形成された空間Sに圧入され、層間Gにおける空間Sを閉塞するためのものであって、第一中芯材111と、第一中芯材111の周面を完全に被覆するように設けられた第一外被材112とを備えている。
【0106】
第二芯材120は、ここでは図示しない床200と外壁300との間に形成された層間Gを閉塞するためのものであって、第二中芯材121と、第二中芯材121の周面を完全に被覆するように設けられた第二外被材122とを備えている。
【0107】
第三芯材150は、ここでは図示しない連結材320と床200との間に形成された隙間Tを閉塞するためのものであって、第三中芯材151と、第三中芯材151の周面を完全に被覆するように設けられた第三外被材152とを備えている。
第一中芯材111、第二中芯材121、および第三中芯材151は、ここでは図示しない層間Gを閉塞することで十分な耐火性能を有する素材で形成される。
【0108】
第一芯材110の一方側の側面に第三芯材150の側面が隣接するように設置され、隣接するように設置された第一芯材110と第三芯材150との背面側と第二芯材120の正面側とが隣接するように設置され、それぞれ隣接するように設置された第一芯材110、第二芯材120、および第三芯材150の上面には、第一芯材110、第二芯材120、および第三芯材150のすべての上面を完全に被覆する全上面被覆材としての上面被覆材130が上面被覆材130の下側面に設けられた粘着面によって接着固定されている。
【0109】
上面被覆材130における第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部のうち、第一芯材110と第三芯材150と接する方と反対側の延長部分には切込部133が設けられている。切込部133は、耐火層間材100を層間Gに設置した際に、リップ部324が挿入されるようにして設置される。
【0110】
また、隣接するように設置された第一芯材110と第三芯材150との上面に設けられた上面被覆材130のうち、第一芯材110と第三芯材150と連結を断つように切込部134が設けられている。
【0111】
また、隣接するように設置された第一芯材110と第二芯材120と上面に設けられた上面被覆材130のうち、第一芯材110と第三芯材150と接する方と反対側に向かって第一芯材110と第二芯材120と連結を一部断つように切込部135が設けられており、切込部134と切込部135とによってL字状の切り込みが形成されている。
【0112】
このため第三芯材150は、第三芯材150と第一芯材110とは連結が断たれているものの、第三芯材150と第二芯材120との上面に、シート状の上面被覆材130が接着固定されることで、第一芯材110と第三芯材150との上面が連結された第二連結部が形成される。
さらに第三芯材150は、第二連結部を介して第二芯材120とのみ連結されているので、第二連結部を支持軸として第三芯材150をヒンジ状に回動させることができる。
【0113】
切込部134は、耐火層間材100を層間Gに設置した際に、フランジ部323が挿入されるようにして設置され、切込部135は耐火層間材100を層間Gに設置した際に、リップ部324が挿入されるようにして設置される。
【0114】
以上のように、耐火層間材100は、連結材320の開口部から内部に圧入される第一芯材110と、層間Gに圧入される第二芯材120とが、上面被覆材130による第一連結部によって連結されており、連結材320と床200との間に形成された隙間Tに圧入される第三芯材150と第二芯材120とが、上面被覆材130による第二連結部によって連結されているので、連結材320の内部に形成される空間Sと、層間Gと隙間Tと、を容易かつ確実に閉塞することができる。
【0115】
図10は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の空間と、連結材と床との間に形成された隙間とを示す背面側断面図および上面図である。
【0116】
図10に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また複数の外壁材310からなる外壁300は、リップ溝形鋼である連結材320が備えるウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、他方側のフランジ部323が、ここでは図示しない梁材など床200の端面から外壁方向に突出した構造躯体に取り付けられている。
【0117】
このため連結材320の内側には、ウエブ部321、フランジ部322、フランジ部323、およびリップ部324によって囲まれた空間Sが形成され、フランジ部323と床200との間には隙間Tが形成されている。本実施の形態の耐火層間材100では、層間Gにおける空間Sと層間Gと隙間Tとを容易かつ確実に閉塞することができるものである。
【0118】
図11は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間に従来の耐火層間材を支持するための支持金具および金属製板材が設置された状態と、層間における連結材の空間に第2の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具とが設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0119】
図11(A)は、落下防止金具140が設置される前の状態であり、具体的には、従来技術であるたとえば特許文献2で開示された支持金具400および金属製板材500が設置された状態を示している。
【0120】
図11(B)は、落下防止金具140が設置される状態で、連結材320の開口部から連結材320の内部に第一平板部141を挿入し、回転軸Pを中心に落下防止金具140を回転させた状態を示している。
【0121】
また連結材320と床200との間に形成された隙間Tには、隙間Tを閉塞可能な幅寸法で形成された連結材床間閉塞金属製板材として金属製板材510が設置される。金属製板材510は、連結材320の開口側と閉口側に設置された2つの支持金具400、または支持金具400によって支持された金属製板材500をまたぐように設置され、2つの支持金具400または2つの金属製板材500によって金属製板材510は支持される。
【0122】
図12は、層間における連結材の空間に第2の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具が設置された状態と、落下防止金具の上部に第2の実施の形態における耐火層間材が設置される状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0123】
図12(A)は、層間Gにおける連結材320の空間Sに第2の実施の形態における耐火層間材100の落下を防止する落下防止金具140が設置された状態を示している。
図12(A)に示すように、落下防止金具140および金属製板材510の下部には、支持金具400および金属製板材500が設置されているため、空間Sおよび層間Gに設置される落下防止金具140および隙間Tに設置される金属製板材510は、支持金具400または金属製板材500の上部に設置されて所定の位置に固定される。
【0124】
これにより、連結材320の内部に形成される空間Sを第一平板部141が閉塞し、連結材320の開口部側の外側の層間Gを第二平板部142が閉塞し、金属製板材510が隙間Tを閉塞する。
【0125】
図12(B)は、落下防止金具140の上部に第2の実施の形態における耐火層間材100が設置される状態を示している。
図12(B)に示すように、上面被覆材130が床200の方向に向けられた状態、かつ第一芯材110が連結材320の方向に向けられた状態、かつ第三芯材150が下側になるように耐火層間材100が回転される。このとき、上面被覆材130が備える上側の延長部131および剥離紙132は、内側に向かって折り返しておくとよい。
【0126】
図13は、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前で第三芯材を回動させる状態と、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前で第三芯材を回動させた状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0127】
図13(A)は、第2の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに挿入される前で第三芯材150を回動させる状態を示している。
図13(A)に示すように、図12(B)の状態から、第一芯材110を連結材320の内部に圧入して回転する際に、第三芯材150が連結材320のリップ部324に干渉しないように、連結材320の方向に正面側が向けられた第三芯材150を水平方向かつ床200側に向かって回動させる。
【0128】
具体的に、隣接する第一芯材110と第三芯材150は、切込部134によって上面に設けられた上面被覆材130による連結が断たれているが、隣接するように設置された第二芯材120と第三芯材150とは、上面に設けられた上面被覆材130による第二連結部を介して連結されている。
この第二連結部を介して第三芯材150を水平方向かつ床200側に向かってに回動させる。また第二連結部は、連結材320の方向に向けて山形になるように折り畳まれる。
【0129】
図13(B)は、第2の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに挿入される前で第三芯材150を回動させた状態を示している。
図13(B)に示すように、図13(A)の状態から、第二連結部が連結材320の方向に向けて山形になるように折りたたまれ、折りたたまれた上面被覆材130の延長部131が接する位置まで第三芯材150を回動させる。
【0130】
これにより、第一芯材110を連結材320の内部に圧入して回転する際に、第三芯材150が連結材320のリップ部324に干渉しなくなり、床200と連結材320との間に形成された隙間Tを閉塞するための第三芯材150を、連結材320の外側に逃がすことができる。
【0131】
図14は、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に挿入される前の状態と、第2の実施の形態における耐火層間材の一部が連結材の空間に挿入された状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0132】
図14(A)は、第2の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに挿入される前の状態を示している。
図14(A)に示すように、図13(B)の状態から、連結材320の方向に正面側が向けられた第一芯材110は、連結材320の内部に圧入するために、第一芯材110の底面と上面被覆材130との幅が、連結材320の開口部の幅よりも小さくなるように、第一芯材110の底面を上面被覆材130の方向に向けて第一芯材110を圧縮させる。
【0133】
このとき、第三芯材150は、第二連結部を介して水平方向かつ床200側に向かって回動させているため、連結材320の内部に入り込むことはない。また第一芯材110を連結材320の内部に圧入する際に、第三芯材150と連結材320とが干渉することがない。
【0134】
図14(B)は、第2の実施の形態における耐火層間材100の一部である第一芯材110が連結材320の空間Sに挿入された状態を示している。
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一芯材110が圧入された後、上面被覆材130に切込部133が設けられたことによって第一芯材110と第二芯材120との間にリップ部324を収容させながら、第一芯材110と第二芯材120とをつなぐ方向に向けられた回転軸Oを中心にして、上面被覆材130が上面で水平になるまで耐火層間材100を時計回りに回転させる。
【0135】
図15は、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入された後の状態と、第2の実施の形態における耐火層間材が連結材の空間に圧入された状態で第三芯材150を回動させた状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0136】
図15(A)は、第2の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに圧入された後の状態を示している。
図15(A)に示すように、図14(B)の状態から、回転軸Oを中心にして耐火層間材100を時計回りに上面被覆材130が上面で水平になるまで回転させることで、耐火層間材100は上面被覆材130を上方にした水平姿勢となる。このとき、上面被覆材130に切込部133が設けられたことによって第一芯材110と第二芯材120との間に、2つのリップ部324が収容された状態となっている。
【0137】
図15(B)は、第2の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の空間Sに圧入された状態で第三芯材150を回動させた状態を示している。
図15(B)に示すように、図15(A)の状態から、第二連結部を介して連結された第三芯材150を、第三芯材150の上面に設けられた上面被覆材130が上面で水平になるまで第二連結部を支持軸として第三芯材150をヒンジ状に回動させる。
【0138】
これにより第三芯材150は、床200と連結材320との間に形成された隙間Tの上方に設置される。この状態で耐火層間材100の上面被覆材130が床200の上面と同じ位置にくるまで、耐火層間材100を下方に移動させる。これにより、耐火層間材100で層間Gにおける空間Sを第一芯材110が閉塞し、層間Gを第二芯材120が閉塞し、隙間Tを第三芯材150が閉塞することができる。
【0139】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐火層間材は、切込部の位置や数量が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0140】
図16は、第3の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
なお、本実施の形態では、連結材320の一部が床200に埋設されており、連結材320の内側まで入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間Sを閉塞する耐火層間材100を例として以下を説明する。
【0141】
図16に示すように、耐火層間材100は、第一芯材110、第二芯材120、上面被覆材130を備えている。
第一芯材110は、ここでは図示しない床200や梁材などの骨組みである構造躯体と外壁300とをつなぐ連結材320の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間Sに圧入され、層間Gにおける空間Sを閉塞するためのものであって、第一中芯材111と、第一中芯材111の周面を完全に被覆するように設けられた第一外被材112とを備えている。
【0142】
第二芯材120は、ここでは図示しない層間Gを閉塞するためのものであって、第二中芯材121と、第二中芯材121の周面を完全に被覆するように設けられた第二外被材122とを備えている。
【0143】
上面被覆材130における第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部の延長部分の一方側には切込部133が設けられている。切込部133は、耐火層間材100を層間Gに設置した際に、一方側のリップ部324が挿入されるようにして設置される。
【0144】
本実施の形態では、切込部133が正面右側に設けられる例で説明するが、耐火層間材100が設置される連結材320の開口部の向きや、突出するリップ部324の位置によって任意の場所に切込部133を設けることができる。
【0145】
以上のように、耐火層間材100は、連結材320の開口部から内部に圧入される第一芯材110と、層間Gに圧入される第二芯材120とが、上面被覆材130による第一連結部によって連結されているため、連結材320の内部に形成される空間Sと、層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができる。
【0146】
図17は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間を示す背面側断面図および上面図である。
【0147】
図17に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また複数の外壁材310からなる外壁300は、リップ溝形鋼である連結材320が備えるウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、他方側のフランジ部323と、フランジ部323から開口部側で開口部を閉口するようにして形成された床200側のリップ部324とが、床200の内部に完全に埋設されている。
また、ウエブ部321から立ち上げられたフランジ部322の開口部側からは、開口部を閉口するようにしてリップ部324が形成されている。
【0148】
連結材320の内側には、ウエブ部321、フランジ部322、リップ部324、および床200によって囲まれた空間Sが形成されている。本実施の形態の耐火層間材100では、層間Gにおける空間Sと層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができるものである。
【0149】
図18は、第3の実施の形態における耐火層間材の落下を防止するための落下防止金具の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図18に示すように、落下防止金具140は、第一平板部141、第二平板部142、および切欠部143を備えている。
【0150】
第一平板部141は、ここでは図示しない床200や梁材などの骨組みである構造躯体と外壁300とをつなぐ連結材320の内部に連結材320と床200とで形成された空間Sに挿入され、その連結材320の内部に連結材320と床200とで形成された空間Sを閉塞するためのものであって、連結材320の内部に連結材320と床200とで形成された空間Sとほぼ同様の形状で打ち抜かれている。
第二平板部142は、ここでは図示しない層間Gを閉塞するためのものであって、層間Gを閉塞可能な幅の矩形で形成されている。
【0151】
第一平板部141と第二平板部142との連結部分には、落下防止金具140が空間Sおよび層間Gに設置される際に、リップ溝形鋼である連結材320の2つのリップ部324のうち、一方側のリップ部324を収容可能な大きさの切欠部143が一方の側面から形成されている。
【0152】
落下防止金具140が空間Sおよび層間Gに設置される際、落下防止金具140の平面方向が鉛直方向に向けられ、第一平板部141が連結材320の開口部から連結材320の内部に挿入される。
【0153】
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一平板部141が挿入された後、第一平板部141と第二平板部142とをつなぐ方向に向けられた回転軸Pを中心に落下防止金具140を、層間Gで突出している一方のリップ部324が切欠部143に収容される方向に向けて落下防止金具140が水平になるまで落下防止金具140を回転させる。
【0154】
これにより、鉛直方向に向けられていた第一平板部141が水平方向に向けられて連結材320の内部に連結材320と床200とで形成された空間Sを閉塞し、第二平板部142が水平方向に向けられて層間Gを閉塞し、さらに切欠部143にリップ部324が収容される。
【0155】
図19は、層間における連結材の空間に第3の実施の形態における耐火層間材の落下を防止する落下防止金具が設置された状態と、第3の実施の形態における耐火層間材が連結材320の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間に圧入されて層間を閉塞した状態と、を示す背面側断面図および上面図である。
【0156】
図19(A)は層間Gにおける連結材320の空間Sに第3の実施の形態における耐火層間材100の落下を防止する落下防止金具140が設置された状態を示している。
図19(A)に示すように、まず、床200と外壁300との間に形成される層間Gに、従来技術であるたとえば特許文献2で開示された耐火層間材10を支持するための支持金具400および金属製板材500が設置されている。
【0157】
次に、落下防止金具140の第一平板部141が連結材320の方向に向けられた状態、かつ落下防止金具140の平面方向が鉛直方向になるような状態に回転させながら第一平板部141が連結材320の開口部から空間Sに落下防止金具140が挿入される。
【0158】
連結材320の開口部から連結材320の内部に第一平板部141が挿入された後、第一平板部141と第二平板部142とをつなぐ方向に向けられた回転軸Pを中心に落下防止金具140を落下防止金具140が水平になるまで落下防止金具140を回転させる。
【0159】
このとき、落下防止金具140の下部には、支持金具400および金属製板材500が設置されているため、空間Sおよび層間Gに設置される落下防止金具140は、金属製板材500の上部に設置されて所定の位置に固定される。
【0160】
これにより、連結材320の内部に形成される空間Sを第一平板部141が閉塞し、連結材320の開口部側の外側の層間Gを第二平板部142が閉塞する。このため、金属製板材500と連結材320の開口部側とに間があくように金属製板材500が設置されていたとしても、その間を落下防止金具140で閉塞することができる。
【0161】
図19(B)は、第3の実施の形態における耐火層間材100が連結材320の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間Sに圧入されて層間Gを閉塞した状態を示している。
【0162】
図19(B)に示すように、まず、上面被覆材130が外壁300の方向に向けられた状態、かつ第一芯材110が連結材320の方向に向けられた状態になるように耐火層間材100が回転される。
【0163】
次に、連結材320の方向に正面側が向けられた第一芯材110は、連結材320の内部に圧入するために、第一芯材110の底面と上面被覆材130との幅が、連結材320の開口部の幅よりも小さくなるように、第一芯材110の底面を上面被覆材130の方向に向けて第一芯材110を圧縮させる。
【0164】
さらに、連結材320の開口部から連結材320の内部に第一芯材110が圧入された後、上面被覆材130に切込部133が設けられたことによって第一芯材110と第二芯材120との間にリップ部324を収容させながら、第一芯材110と第二芯材120とをつなぐ方向に向けられた回転軸Oを中心にして、上面被覆材130が上面で水平になるまで耐火層間材100を時計回りに回転させる。
【0165】
次に、回転軸Oを中心にして耐火層間材100を時計回りに上面被覆材130が上面で水平になるまで回転させることで、耐火層間材100は上面被覆材130を上方にした水平姿勢となる。このとき、上面被覆材130に切込部133が設けられたことによって第一中芯材111と第二中芯材121との間に、一方のリップ部324が収容された状態となっている。
【0166】
そして、耐火層間材100の上面被覆材130が床200の上面と同じ位置にくるまで、耐火層間材100を下方に移動させている。これにより、耐火層間材100で層間Gにおける空間Sと層間Gとを閉塞することができる。
【0167】
耐火層間材100が空間Sと層間Gとを閉塞した状態で、延長部131から粘着面を保護していた剥離紙132を剥がし、露出した延長部131の粘着面を床200や外壁材310などに貼り付けることで、耐火層間材100は所定の位置に固定される。
【0168】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐火層間材は、切込部の位置や数量が異なる以外は、第1~3の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1~3の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0169】
図20は、リップ溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間を示す上面図と、第4の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
【0170】
図20(A)は、リップ溝形鋼である連結材320を介して床200に取り付けられた外壁300と床200との間に形成された層間と、層間Gにおける連結材320の内部に入り込んだ床200によって連結材320の内部に形成された空間Sを示す上面図である。
【0171】
図20(A)に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また複数の外壁材310からなる外壁300は、リップ溝形鋼である連結材320が備えるウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、他方側のフランジ部323と、フランジ部323から開口部側で開口部を閉口するようにして形成された床200側のリップ部324とが、床200の内部に床200側のリップ部324の開口側の端辺が床200の側面付近に設置されるように埋設されている。
【0172】
連結材320の内側には、ウエブ部321、フランジ部322、リップ部324、および床200によって囲まれた空間Sが形成されている。本実施の形態の耐火層間材100では、層間Gにおける空間Sと層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができるものである。
【0173】
図20(B)は、第4の実施の形態における耐火層間材100の詳細を示す正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図、および右側面図である。
図20(B)に示すように、耐火層間材100は、第一芯材110、第二芯材120、上面被覆材130を備えている。
【0174】
本実施の形態の上面被覆材130には、上面被覆材130における第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部の延長部分の右側に、第一芯材110と第二芯材120との右側の一部を分断する位置まで切込部133が設けられている。
【0175】
また、上面被覆材130における第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部の延長部分の左側には、第一連結部の手前まで切込部133が設けられている。
【0176】
耐火層間材100の右側に設けられた切込部133は、耐火層間材100を層間Gに設置した際に、外壁300側のリップ部324が第一芯材110と第二芯材120との間まで挿入され、床200側のリップ部324が第一芯材110と第二芯材120との間に入り込むことなく上面被覆材130の左側に設けられた切込部133に挿入されるようにして設置される。
【0177】
以上のように、耐火層間材100は、連結材320の開口部から内部に圧入される第一芯材110と、層間Gに圧入される第二芯材120とが、上面被覆材130によって連結されているため、連結材320の内部に形成される空間Sと、層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができる。
【0178】
また、床200の上面被覆材130に設けられた切込部133は、第一芯材110と第二芯材120とを分断する位置まで設けられておらず、リップ部324が第一芯材110と第二芯材120との間に入り込むことがないため、雨水などの水分が層間Gや空間Sに浸入することがない。
【0179】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐火層間材は、第一芯材および第二芯材の形状や、外被材の形状が異なる以外は、第1~4の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1~4の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0180】
図21は、第5の実施の形態における耐火層間材の詳細を示す底面図である。
図21に示すように、耐火層間材100は、第一芯材110、第二芯材120、上面被覆材130を備えている。
【0181】
第1~4の実施の形態の耐火層間材100では、第一芯材110と第二芯材120とが完全に分断されており、第一外被材112が第一中芯材111の周面を完全に被覆し、第二外被材122が第二中芯材121の周面を完全に被覆している例で説明したが、本実施の形態の耐火層間材100は、第一芯材110と第二芯材120とが一体的に形成される例で説明する。
【0182】
第一芯材110は、ここでは図示しない床200や梁材などの骨組みである構造躯体と外壁300とをつなぐ連結材320の内部に形成された空間Sに圧入され、層間Gにおける空間Sを閉塞するためものものである。また、第二芯材120は、ここでは図示しない層間Gを閉塞するためのものである。
【0183】
第一芯材110および第二芯材120は、第一中芯材111および第二中芯材121からなり、第一中芯材111と第二中芯材121とは一体に形成され、右側側面および左側側面には、リップ部324が挿入される切欠部Kが形成されている。
【0184】
第一中芯材111および第二中芯材121の周面には、第一中芯材111および第二中芯材121の周面を完全に被覆するように外被材160が設けられている。外被材160は、第一中芯材111および第二中芯材121の周面を完全に被覆するだけでなく、切欠部Kの内側を被覆して、切欠部Kに挿入されたリップ部324を収容する収容部Cが形成される。
【0185】
また上面被覆材130における第一芯材110と第二芯材120との上面が連結された第一連結部の両側延長部分には切込部133が設けられている。切込部133は、耐火層間材100を層間Gに設置した際に、リップ部324が挿入されるようにして設置される。
【0186】
以上のように、耐火層間材100は、連結材320の開口部から内部に圧入される第一芯材110と、層間Gに圧入される第二芯材120とが、上面被覆材130によって連結されているため、連結材320の内部に形成される空間Sと、層間Gとを容易かつ確実に閉塞することができる。
【0187】
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐火層間材は、耐火層間材が設置される構造躯体と外壁とをつなぐ連結材がリップ部を具備しない溝形鋼であること以外は、第1~5の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1~5の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0188】
図22は、溝形鋼である連結材を介して床に取り付けられた外壁と床との間に形成された層間と、層間における連結材の空間を示す背面側断面図および上面図、および耐火層間材が連結材の空間に圧入されて固定された後の状態を示す背面側断面図および上面図である。
【0189】
図22(A)は、溝形鋼である連結材320を介して床200に取り付けられた外壁300と床200との間に形成された層間と、層間Gにおける連結材320の空間Sを示す背面側断面図および上面図である。
図22(A)に示すように、床200と外壁300との間には層間Gが形成されている。また複数の外壁材310からなる外壁300は、溝形鋼である連結材320が備えるウエブ部321から立ち上げられた一方側のフランジ部322に取り付けられ、他方側のフランジ部323が、床200に取り付けられている。
【0190】
このとき、連結材320の肉厚が大きくなる、具体的にフランジ部322やフランジ部323の肉厚が大きくなると、フランジ部322と外壁300との段差や、フランジ部323と床200との段差が大きくなる。
【0191】
このような状態で、連結材320の内側に従来の耐火層間材10を圧入したとしても、フランジ部322と外壁300とに生じる段差と耐火層間材10との間、およびフランジ部323と床200とに生じる段差と耐火層間材10と間に段差隙間が生じる。この段差隙間が生じてしまうと、上下階への延焼を完全に防ぐことはできない。
【0192】
そこで本実施の形態では、溝形鋼である連結材320の内側に形成されたウエブ部321、フランジ部322、およびフランジ部323によって形成された層間Gにおける空間Sと、層間Gとを容易かつ確実に閉塞する例で以下を説明する。
【0193】
図22(B)耐火層間材100が連結材320の空間Sに圧入されて固定された後の状態を示す背面側断面図および上面図である。
図22(B)に示すように、まず、耐火層間材100の上面被覆材130が上方に向けられた状態、かつ第一芯材110が連結材320の方向に向けられた状態になるようにする。
【0194】
次に、連結材320の方向に正面側が向けられた第一芯材110は、連結材320の内部に圧入するために、第一芯材110の幅Wが連結材320の開口部の幅よりも小さくなるように、第一芯材110の幅Wを圧縮させる。
【0195】
さらに、連結材320の開口部から連結材320の内部に第一芯材110が圧入された後、上面被覆材130に設けられた切込部133に、フランジ部322、およびフランジ部323の端辺の角部を収容するようにして、耐火層間材100の上面被覆材130が床200の上面と同じ位置にくるまで下降させながら、第二芯材120を層間Gに圧入する。
【0196】
耐火層間材100が空間Sと層間Gとを閉塞した状態で、延長部131から粘着面を保護していた剥離紙132を剥がし、露出した延長部131の粘着面を床200や外壁材310などに貼り付けることで、耐火層間材100は所定の位置に固定される。
【符号の説明】
【0197】
100 耐火層間材
110 第一芯材
111 第一中芯材
112 第一外被材
120 第二芯材
121 第二中芯材
122 第二外被材
130 上面被覆材
131 延長部
132 剥離紙
133 切込部
D1 奥行寸法
D2 奥行寸法
G 隙間
H 寸法
W 幅寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図23