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特開2024-20731間接照明装置及び間接照明装置の施工方法
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  • 特開-間接照明装置及び間接照明装置の施工方法 図1
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  • 特開-間接照明装置及び間接照明装置の施工方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020731
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】間接照明装置及び間接照明装置の施工方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20240207BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
F21V33/00 200
A47K4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123130
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】梶田 大史
【テーマコード(参考)】
2D132
3K014
【Fターム(参考)】
2D132GA00
2D132GA08
3K014AA01
3K014PB00
(57)【要約】
【課題】養生用テープを適切な位置に貼り付けやすく、充填材を拭き取りやすい構造を備えた間接照明装置を提供する。
【解決手段】間接照明装置3の透光面部7は、浴槽1側の縁部11が、浴槽1に向かうにしたがって上方に隆起した隆起部12と、この隆起部12と浴槽1との間に隙間を形成した溝部13とを有している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光面部を含む仮想面が取付対象部材の取付面と交差し、かつ、前記取付面と当該取付面と対面した対面取付面との間において前記透光面部と前記取付面との間に隙間が空いた姿勢で取り付けられる間接照明装置であって、
前記透光面部における前記取付面側の縁部が、
前記取付面に向かうにしたがって上方に隆起した隆起部を有する、
ことを特徴とする間接照明装置。
【請求項2】
前記隆起部と前記取付面との間に隙間を形成する溝部を有し、前記溝部が、
前記隆起部の上端から下方に伸びた溝壁部と、
前記溝壁部の下端に連接されて前記透光面部の上端面よりも低い位置にある溝底部と、から形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載された間接照明装置。
【請求項3】
前記取付面が浴槽の外側面であり、前記対面取付面が浴室パネルである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された間接照明装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載された間接照明装置を、前記取付面と前記対面取付面との間に取り付ける手順と、
前記隆起部の先端近傍に、前記取付面に沿って前記間接照明装置の長手方向に、養生用テープを貼る手順と、
前記縁部と前記取付面との隙間に、充填材を充填する手順と、
前記隆起部近傍の前記充填材を、前記隆起部に沿って長手方向に拭き取る手順と、を含む、
ことを特徴とする間接照明装置の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、浴室等に取り付けられる間接照明装置及び間接照明装置の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニットバスは、浴槽の外周縁にパネルが載せられる等して組み立てられ、外周縁とパネルとの目地は、シリコン等のシーリング材で埋められる(下記特許文献1参照)。シーリング材によるシールの手順は、概ね次のとおりである。はじめに、作業者は、目地の周囲に養生用のテープを貼り付ける。作業者は、目地にシーリング材を充填した後、ヘラや指の腹等を目地に当て、余分なシーリング材を目地に沿って拭い取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-47717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、シーリング材によるシールの手順では、テープを貼り付ける手順において、テープを貼り付ける位置が、作業者の経験や感覚によって決定されるため、貼付け位置が、適切とならない場合がある。すなわち、一般的には、テープは目地の際(きわ)に貼り付けられるところ、テープが際からずれて貼り付けられると、シーリング材が、目地から浴槽の外周縁やパネルにはみ出し、美観が損なわれる。また、テープが際からずれて貼り付けられた場合であっても、シーリング材が適切に拭い取られれば良いが、作業者の熟練の度合いによっては、適切に拭い取られない場合もある。
【0005】
本発明は、この様な実情に鑑みて提案されたものである。本発明は、養生用テープを適切な位置に貼り付けやすく、充填材を拭き取りやすい構造を備えた浴室用の間接照明装置及び間接照明装置の施工方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る間接照明装置は、透光面部を含む仮想面が取付対象部材の取付面と交差し、かつ、前記取付面と当該取付面と対面した対面取付面との間において前記透光面部と前記取付面との間に隙間が空いた姿勢で取り付けられる間接照明装置であって、前記透光面部における前記取付面側の縁部が、前記取付面に向かうにしたがって上方に隆起した隆起部を有する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る間接照明装置は、前記隆起部と前記取付面との間に隙間を形成する溝部を有し、前記溝部が、前記隆起部の上端から下方に伸びた溝壁部と、前記溝壁部の下端に連接されて前記透光面部の上端面よりも低い位置にある溝底部と、から形成された、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る間接照明装置は、前記取付面が浴槽の外側面であり、前記対面取付面が浴室パネルである、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る間接照明装置の施工方法は、間接照明装置を、前記取付面と前記対面取付面との間に取り付ける手順と、前記隆起部の先端近傍に、前記取付面に沿って前記間接照明装置の長手方向に、養生用テープを貼る手順と、前記縁部と前記取付面との隙間に、充填材を充填する手順と、前記隆起部近傍の前記充填材を、前記隆起部に沿って拭き取る手順と、を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る間接照明装置は、透光面部を含む仮想面が取付対象部材の取付面と交差し、かつ、取付面と当該取付面と対面した対面取付面との間において透光面部と取付面との間に隙間が空いた姿勢で取り付けられるものであって、透光面部における取付面側の縁部が、取付面に向かうにしたがって上方に隆起した隆起部を有している。すなわち、取付面と透光面部の縁部との隙間に充填材等が充填される際、縁部に養生用テープが貼り付けられるところ、隆起部を有する縁部は、隆起していない部分と比較して目立つため、作業者が養生用テープを貼り付けやすい。したがって、養生用テープが、適切な位置に貼り付けられる。また、隆起部が隆起していることから、作業者の指の腹が隆起部に収まるうえ、指に隆起部の感触があるため、作業者は、隆起部に沿って充填材等を拭き取りやすい。したがって、仮に、養生用テープが隆起部からずれて貼り付けられたことで、充填材等が隆起部にはみ出して塗布された場合であっても、余分な充填材等は、適切に拭き取られる。余分な充填材等が透光面部に残ることで、充填材等による影が透光面部に生じることもない。
【0011】
本発明に係る間接照明装置は、隆起部と取付面との間に隙間を形成する溝部を有し、溝部が、隆起部の上端から下方に伸びた溝壁部と、溝壁部の下端に連接されて透光面部の上端面よりも低い位置にある溝底部とから形成されている。すなわち、溝部が透光面部の上端面よりも深い分、溝部に充填された充填材等が隆起部にはみ出し難い。
【0012】
本発明に係る間接照明装置は、取付面が浴槽の外側面であり、対面取付面が浴室パネルである。したがって、浴槽と浴室パネルとの間に、美麗な間接照明が実現する。
【0013】
本発明に係る間接照明装置の施工方法は、間接照明装置を、取付面と対面取付面との間に取り付ける手順と、隆起部の先端近傍に、取付面に沿って間接照明装置の長手方向に、養生用テープを貼る手順と、縁部と取付面との隙間に、充填材を充填する手順と、隆起部近傍の充填材を、隆起部に沿って拭き取る手順とを含んでいる。したがって、作業者は、養生用テープを隆起部の先端近傍に適切に貼り付けることができるうえ、隆起部に沿って充填材等を拭き取りやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る間接照明装置の使用状態が示された斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る間接照明装置の正面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る間接照明装置の上面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る間接照明装置の下面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る間接照明装置の側面図である。
図6図6は、図2のVI-VI断面であって、本発明の実施形態に係る間接照明装置の側面断面拡大図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る間接照明装置の使用状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る間接照明装置及び施工方法の実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る間接照明装置3の使用状態が示されている。図2ないし5には、本実施形態に係る間接照明装置3の外観が示され、図6には、間接照明装置3の断面が示されている。
【0016】
図1に示されているとおり、本実施形態に係る間接照明装置3は、例えば浴室において、取付対象部材としての浴槽1の外側面である取付面と、この取付面と対面した対面取付面としての浴室パネル2との間に取り付けられるものであって、光が浴室パネル2に照射されることで、浴室内で間接照明が実現する。なお、以下の説明では、間接照明装置3において、浴槽1側を正面(Front)、浴室パネル2側を背面(Back)、長手方向の端部側を側面(Side)、光を発する側を上面(Up)、反対側を下面(Down)とする。
【0017】
図2ないし6に示されているとおり、間接照明装置3は、長手であって、光源4としてのLED基板を有する内部フレーム部5が、透光性のケース部材6で覆われたものである。間接照明装置3は、上面であって光が透過する透光面部7と、正面であって浴槽1と対面する浴槽対面部8と、背面であって浴室パネル2と対面するパネル対面部9と、下面である下面部10とを有している。
【0018】
透光面部7は、平坦であるが、浴槽対面部8側の縁部11が隆起し、かつ、ほぼ直角の溝が形成されている。具体的には、縁部11は、正面側に向かうにしたがって上方に隆起した隆起部12と、この隆起部12の正面側に形成された溝部13とを有している。隆起部12及び溝部13は、間接照明装置3の長手方向に沿って連続している。溝部13は、隆起部12の上端から下方に向けて伸びた溝壁部14と、この溝壁部14の下端に連接されて正面に向けて伸びた溝底部15とから構成されている。溝底部15は、透光面部7の上端面よりも低い位置にある。
【0019】
浴槽対面部8は、平坦であって、溝部13の溝底部15の先端に連接されて下方に向けて伸びている。浴槽対面部8には、溝部13の近傍にパッキン16が取り付けられている。パッキン16は、間接照明装置3の長手方向に沿って連続している。パネル対面部9は、平坦であって、下端から下方に向けて伸びた差し込み部17を有している。下面部10は、平坦であって、光源4に通電するためのハーネス等(図示省略)が通される通線部18が形成されている。
【0020】
上記のとおり構成された間接照明装置3は、次のとおりユニットバスに取り付けられる。図7には、間接照明装置3が浴槽1と浴室パネル2との間に取り付けられた状態の断面が示されている。
【0021】
はじめに、間接照明装置3が、浴槽1と浴室パネル2との間に取り付けられる。具体的には、透光面部7を含む仮想面Vが浴槽1の外側面とほぼ直交し、かつ、外側面と浴室パネル2との間において、透光面部7と外側面との間に隙間が空いた姿勢で取り付けられる。浴槽1と浴室パネル2との間に取り付けられた間接照明装置3は、透光面部7が、上に向けられ、浴槽対面部8及び縁部11が浴槽1に向けられ、パネル対面部9が浴室パネル2に向けられた姿勢となる。差し込み部17は、浴室パネル2に予め固定された取付部材21と浴室パネル2との間に差し込まれる。パネル対面部9と浴室パネル2との間には、乾式目地20が打ち込まれる。間接照明装置3は、浴槽1の外周縁に沿った状態で配置され、透光面部7が、浴槽1の外周縁よりも2センチメートル程度低い位置に配置される。隆起部12は、浴槽1に向かうにしたがって隆起しており、隆起部12と浴槽1との間には、溝部13によって隙間が形成される。
【0022】
隆起部12の先端近傍に、浴槽1に沿って間接照明装置3の長手方向に、例えば、マスキングテープ等の養生用テープ(図示省略)が貼り付けられる。その際、作業者は、隆起部12に沿って位置決めすることで、隆起部12の先端近傍において、養生用テープを真っ直ぐに貼り付ける。養生用テープは、浴槽1にも貼り付けられる。
【0023】
隆起部12と浴槽1との間において、溝部13によって形成された隙間には、例えば、シリコン等の充填材19が充填され、隙間がシールされる。充填材19が乾く前に、隆起部12近傍の充填材19が、ヘラや作業者の指の腹等で、隆起部12に沿って長手方向に拭き取られる。その際、作業者は、指の腹を隆起部12に当てて充填材19を拭き取る。最後に、養生用テープを剥がす。
【0024】
上記のとおり、本実施形態が構成されている。次に、本実施形態の効果を説明する。
【0025】
上記したとおり、間接照明装置3の透光面部7は、浴槽1側の縁部11が、浴槽1に向かうにしたがって上方に隆起した隆起部12と、この隆起部12と浴槽1との間に隙間を形成した溝部13とを有している(図7参照)。隆起部12の先端近傍に養生用テープが貼り付けられるところ、隆起部12を有する縁部11は、隆起していない部分と比較して目立つため、作業者が養生用テープを貼り付けやすい。したがって、作業者は、隆起部12に沿って位置決めすることで、隆起部12の先端近傍において、養生用テープを真っ直ぐに貼り付けることができ、養生用テープが、適切な位置に貼り付けられる。
【0026】
また、隆起部12が隆起していることから、作業者の指の腹が隆起部12に収まるうえ、指に隆起部12の感触があるため、作業者は、隆起部12に沿って充填材19を拭き取りやすい。したがって、仮に、養生用テープが隆起部12からずれて貼り付けられたことで、充填材19が隆起部12にはみ出して塗布された場合であっても、余分な充填材19は、適切に拭き取られる。余分な充填材19が透光面部7に残ることで、充填材19による影が透光面部7に生じることもない。
【0027】
間接照明装置3の溝部13は、隆起部12の上端から下方に向けて伸びた溝壁部14と、この溝壁部14の下端に連接されて正面に向けて伸びた溝底部15とから構成され、溝底部15が、透光面部7の上端面よりも低い位置にある(図6参照)。溝部13が透光面部7の上端面よりも深い分、溝部13に充填された充填材19が隆起部12にはみ出し難い。
【0028】
なお、本発明の他の実施形態では、溝底部は、透光面部の上端面と同程度の位置にある。
他の実施形態では、隆起部の先端近傍に養生用テープが貼り付けられた後に、間接照明装置が、浴槽と浴室パネルとの間に取り付けられる。
他の実施形態では、取付対象部材の取付面及び対面取付面は、任意であり、間接照明が施される隙間を形成する様々な部材が含まれる。
他の実施形態では、仮想面と浴槽の外側面とが斜めに交差している。すなわち、当該実施形態では、外側面に対して透光面部が斜めの姿勢であってもよい。
他の実施形態では、取付対象部材の外側面が水平であり、透光面部が、水平な外側面の上面や下面において横向きに配置されている。
他の実施形態は、溝部を有しておらず、浴槽と透光面部との隙間は、パッキン等によって形成される。
【0029】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 浴槽(取付対象部材)
2 浴室パネル(対面取付面)
3 間接照明装置
4 光源
5 内部フレーム部
6 ケース部材
7 透光面部
8 浴槽対面部
9 パネル対面部
10 下面部
11 縁部
12 隆起部
13 溝部
14 溝壁部
15 溝底部
16 パッキン
17 差し込み部
18 通線部
19 充填材
20 乾式目地
21 取付部材
V 仮想面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7