(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020741
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20240207BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240207BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123158
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】
【課題】ゲーム内で取得されるゲーム媒体をユーザが保有する数を、自動的かつ戦略的に調整可能なゲームプログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係るゲームプログラムは、コンピュータを、ゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、前記ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、前記保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付手段と、前記ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定手段と、前記第1ゲーム媒体が前記ユーザに関連付けられることで、前記ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と前記第1ゲーム媒体との合計数が前記ユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、前記設定情報に基づいて、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体の中から前記ユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定手段と、として機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、前記保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付手段と、
前記ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定手段と、
前記第1ゲーム媒体が前記ユーザに関連付けられることで、前記ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と前記第1ゲーム媒体との合計数が前記ユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、前記設定情報に基づいて、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体の中から前記ユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定手段と、として機能させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記第1ゲーム媒体が、前記第2ゲーム媒体のうち前記ユーザに関連付けられた数が前記所望数を超えていない前記種類に属する場合、前記第2ゲーム媒体のうち、前記ユーザに関連付けられている数が前記所望数を超えている前記種類に属するものの中から前記第3ゲーム媒体を決定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記第1ゲーム媒体が、前記第2ゲーム媒体のうち前記ユーザに関連付けられた数が前記所望数を超えている前記種類に属する場合、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体のうち、前記ユーザに関連付けられている数が前記所望数を超えている前記種類に属するものの中から前記第3ゲーム媒体を決定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記設定情報は、前記第3ゲーム媒体に決定される前記種類の優先度に関する情報を含む、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記設定情報は、前記種類に含まれる区分に対応した所望数および優先度に関する情報を含み、
前記決定手段は、前記第3ゲーム媒体とする前記種類を決定した後、前記第3ゲーム媒体とする前記区分を決定する、
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記設定受付手段は、前記ユーザの操作により、前記ユーザが他のユーザの前記設定情報を閲覧可能にする、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記設定受付手段は、前記ユーザの操作により、他のユーザの前記設定情報を前記ユーザの前記設定情報に複製、または編集可能にする、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記設定受付手段は、前記ユーザのおよび前記他のユーザの少なくとも一方のゲーム状況に基づいて、前記ユーザに対して前記設定情報を閲覧する前記他のユーザを提示する、
請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記設定受付手段は、前記他のユーザが特定の前記ゲームコンテンツをクリアしたことがあることに基づいて、前記ユーザに対して前記設定情報を閲覧する前記他のユーザを提示する、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲームコンテンツは、それぞれ複数のユーザが参加するルームを単位として実行され、
前記設定受付手段は、前記他のユーザが前記ユーザと同じ前記ルームに参加していることに基づいて、前記ユーザに対して前記設定情報を閲覧する前記他のユーザを提示する、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記設定情報は、前記ユーザが前記ゲームコンテンツにおいて所定の行動を取ることを示唆するプレイスタイルに対応付けて設定可能である、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲームコンテンツは、それぞれ前記保有ゲーム媒体が関連付けられていない状態で複数のユーザが同時に参加し、複数の前記ユーザのうちのいずれかのユーザまたはユーザチームが、すべての他のユーザまたはユーザチームに勝利することで終了する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記ゲームコンテンツは、仮想空間において前記ユーザがキャラクタを操作することで進行し、前記キャラクタが前記仮想空間に配置されたゲーム媒体から所定距離の範囲に入ったとき、前記ゲーム媒体を前記第1ゲーム媒体として特定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
ゲームコンテンツを実行するゲーム実行部と、
前記ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、前記保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付部と、
前記ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定部と、
前記第1ゲーム媒体が前記ユーザに関連付けられることで、前記ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と前記第1ゲーム媒体との合計数が前記ユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、前記設定情報に基づいて、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体の中から前記ユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定部と、を備える、
ゲーム装置。
【請求項15】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
ゲームコンテンツを実行するゲーム実行ステップと、
前記ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、前記保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付ステップと、
前記ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定ステップと、
前記第1ゲーム媒体が前記ユーザに関連付けられることで、前記ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と前記第1ゲーム媒体との合計数が前記ユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、前記設定情報に基づいて、前記第1ゲーム媒体および前記第2ゲーム媒体の中から前記ユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定ステップと、を含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム管理装置において、ユーザが入手したオブジェクトに対して所定の自動処理を実行する自動処理手段を備える装置が開示されている(特許文献1参照)。この装置では、自動売却処理等を可能とし、自動処理毎に、実行条件に関する情報を関係付ける条件関係付け手段と、ユーザがオブジェクトを入手した場合に、前記複数の自動処理のうち、前記実行条件を満たす自動処理を決定し、決定した自動処理を実行させる制御手段と、を備える。
【0003】
また、特許文献2には、ゲーム装置において、ゲーム内のオブジェクトの最大数を管理するとともに、最大関連づけ数を設定して、オブジェクトを自動的に削除することなどでオブジェクトの数を管理する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-140571号公報
【特許文献2】特開2019-162506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のゲーム管理装置では、入手したオブジェクトに対する処理について考慮されているものの、ユーザが保有するオブジェクト全体を管理することは想定されていなかった。また、特許文献2のゲーム装置では、オブジェクトを入手した際に、予め設定しておいた削除条件を満たすオブジェクトを自動的に削除するものの、条件設定が複雑であるなど、保有するオブジェクトの数を戦略的に決定するという面では不十分な点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、コンピュータを、ゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段と、ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付手段と、ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定手段と、第1ゲーム媒体がユーザに関連付けられることで、ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と第1ゲーム媒体との合計数がユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、設定情報に基づいて、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体の中からユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定手段と、として機能させるゲームプログラムを提供する。
【0007】
また、本開示の別の一態様において、決定手段は、第1ゲーム媒体が、第2ゲーム媒体のうちユーザに関連付けられた数が所望数を超えていない種類に属する場合、第2ゲーム媒体のうち、ユーザに関連付けられている数が所望数を超えている種類に属するものの中から第3ゲーム媒体を決定するゲームプログラムを提供する。
【0008】
また、本開示の別の一態様において、決定手段は、第1ゲーム媒体が、第2ゲーム媒体のうちユーザに関連付けられた数が所望数を超えている種類に属する場合、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体のうち、ユーザに関連付けられている数が所望数を超えている種類に属するものの中から第3ゲーム媒体を決定するゲームプログラムを提供する。
【0009】
また、本開示の別の一態様において、設定情報は、第3ゲーム媒体に決定される種類の優先度に関する情報を含むゲームプログラムを提供する。
【0010】
また、本開示の別の一態様において、設定情報は、種類に含まれる区分に対応した所望数および優先度に関する情報を含み、決定手段は、第3ゲーム媒体とする種類を決定した後、第3ゲーム媒体とする区分を決定するゲームプログラムを提供する。
【0011】
また、本開示の別の一態様において、設定受付手段は、ユーザの操作により、ユーザが他のユーザの設定情報を閲覧可能にするゲームプログラムを提供する。
【0012】
また、本開示の別の一態様において、設定受付手段は、ユーザの操作により、他のユーザの設定情報をユーザの設定情報に複製、または編集可能にするゲームプログラムを提供する。
【0013】
また、本開示の別の一態様において、設定受付手段は、ユーザのおよび他のユーザの少なくとも一方のゲーム状況に基づいて、ユーザに対して設定情報を閲覧する他のユーザを提示するゲームプログラムを提供する。
【0014】
また、本開示の別の一態様において、設定受付手段は、他のユーザが特定のゲームコンテンツをクリアしたことがあることに基づいて、ユーザに対して設定情報を閲覧する他のユーザを提示するゲームプログラムを提供する。
【0015】
また、本開示の別の一態様において、ゲームコンテンツは、それぞれ複数のユーザが参加するルームを単位として実行され、設定受付手段は、他のユーザがユーザと同じルームに参加していることに基づいて、ユーザに対して設定情報を閲覧する他のユーザを提示するゲームプログラムを提供する。
【0016】
また、本開示の別の一態様において、設定情報は、ユーザがゲームコンテンツにおいて所定の行動を取ることを示唆するプレイスタイルに対応付けて設定可能であるゲームプログラムを提供する。
【0017】
また、本開示の別の一態様において、ゲームコンテンツは、それぞれ保有ゲーム媒体が関連付けられていない状態で複数のユーザが同時に参加し、複数のユーザのうちのいずれかのユーザまたはユーザチームが、すべての他のユーザまたはユーザチームに勝利することで終了するゲームプログラムを提供する。
【0018】
また、本開示の別の一態様において、ゲームコンテンツは、仮想空間においてユーザがキャラクタを操作することで進行し、キャラクタが仮想空間に配置されたゲーム媒体から所定距離の範囲に入ったとき、ゲーム媒体を第1ゲーム媒体として特定するゲームプログラムを提供する。
【0019】
本開示の一態様は、ゲームコンテンツを実行するゲーム実行部と、ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付部と、ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定部と、第1ゲーム媒体がユーザに関連付けられることで、ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と第1ゲーム媒体との合計数がユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、設定情報に基づいて、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体の中からユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定部と、を備えるゲーム装置を提供する。
【0020】
本開示の一態様は、コンピュータによって実行される情報処理方法であって、ゲームコンテンツを実行するゲーム実行ステップと、ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付ステップと、ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体を特定する特定ステップと、第1ゲーム媒体がユーザに関連付けられることで、ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体と第1ゲーム媒体との合計数がユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、設定情報に基づいて、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体の中からユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体を決定する決定ステップと、を含む情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、上記課題を解決したゲームプログラムを提供することができるものであり、ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体を、ユーザの所望する数量に自動的に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態のゲームコンテンツ実行中にアイテムを取得した際の処理の例を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図4】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図5】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図6】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図7】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図8】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図9】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図10】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施形態]
本開示のゲームシステム1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
<ゲームの説明>
図1に示される本実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されており、それぞれのゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0025】
本実施形態のゲームは、ゲームシステム1において実行されるオンラインのゲームである。このゲームは、シングルクエストとマルチクエストとを含む複数のゲームコンテンツを有する、対戦型アクションゲームである。本明細書では、シングルクエストとマルチクエストとをまとめて「クエスト」という。
【0026】
シングルクエストでは、ユーザがプレイヤキャラクタを操作して、単独でノンプレイヤキャラクタと仮想空間で対戦する。マルチクエストでは、ユーザと他のユーザとで構成されるユーザチームと、他のユーザチームとが、それぞれのユーザがプレイヤキャラクタを操作して仮想空間で対戦する。マルチクエストでは、それぞれのユーザがプレイヤキャラクタを操作して仮想空間でそれぞれ単独で互いに対戦することもある。プレイヤキャラクタはオブジェクトに相当する。プレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタを、単に「キャラクタ」ということがある。
【0027】
本実施形態のゲームでは、ユーザは、ゲーム中の仮想空間において使用可能なゲーム媒体であるアイテムを取得することができる。アイテムは、主にクエストのゲームをプレイ中に取得可能であるとともに、使用することで消費されることがある。アイテムの種類によっては、複数回使用可能なもの、または使用しても消費されないものもある。本実施形態のゲームで取得可能なゲーム媒体は、アイテム以外にも、プレイヤキャラクタなどがある。これらのゲーム媒体は、ゲーム中の仮想空間で取得できるのに加え、ガチャと呼ばれる抽選方法、課金による購入、クエストのクリア報酬、および各種ゲーム内のイベント報酬などにより取得することができる。プレイヤキャラクタは、典型的には使用したとしても消費されないが、消費されてもよい。その他のゲーム媒体についても、消費されるものと消費されないものとがあってよい。
【0028】
ユーザにより取得されたゲーム媒体は、そのゲーム媒体を保有することになったユーザの識別情報に関連付けられて管理される。ユーザが保有し、このユーザに関連付けられたゲーム媒体を、保有ゲーム媒体という。ユーザは、ゲーム媒体を捨てる、すなわち処分することができる。このとき、この処分したゲーム媒体は、ユーザに対する関連付けが解除されることで、ユーザが保有しない状態となる。なお、使用することで消費されるアイテムなどのゲーム媒体は、ユーザに処分されることに加え、消費されることでもユーザに対する関連付けが解除される。
【0029】
マルチクエストでは、複数のユーザが保有アイテムを有さない状態で同時に参加し、いずれかのユーザチームまたはユーザが、すべての他のユーザチームまたはユーザに勝利することで終了する。すなわち、マルチクエストは、ユーザチームでの対戦および個人での対戦を含む、いわゆるバトルロワイヤル型のゲームである。このとき、それぞれのユーザは、仮想空間に配置されたゲーム媒体であるアイテムを取得可能である。なお、本明細書ではユーザチームのことを単にチームということがある。
【0030】
マルチクエストでは、それぞれ複数のユーザが参加するルームを単位に実行することができる。ユーザは、新たにルームを作成したり、または他のユーザが作成したルームに参加したりして、このルームの他のユーザたちとともに、マルチクエストをプレイすることができる。ルームは、例えば、互いにフレンドとなっているユーザ同士でプレイする際に利用される。
【0031】
シングルクエストでは、ユーザは保有アイテムを有する状態で参加可能であって、ノンプレイヤキャラクタに勝利する、または敗北することで終了する。このときも、ユーザは仮想空間に配置されたアイテムを取得可能である。
【0032】
マルチクエストおよびシングルクエストのいずれにおいても、クエスト中でユーザが保有可能なアイテムの総数には上限があり、この上限を超えてアイテムを保有することはできない。すなわち、ゲームを有利に進行するためには、アイテムの保有数に気を配る必要がある。特に、新しいアイテムを取得することで保有しているアイテムが上限数を超える場合、新しいアイテムを取得するか否か、取得する場合には代わりにどのアイテムを処分するかを判断する必要がある。本実施形態のゲームシステム1では、新たに取得したアイテムを取得するか否か、および取得する場合に処分するアイテムを自動的に判断可能である。
【0033】
一方で、上記のように、クエスト中以外にも、ガチャなどによって、アイテムおよびプレイヤキャラクタなどのゲーム媒体を取得可能である。ガチャとは、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体はユーザに付与される。ガチャを行うために対価として消費されるゲーム媒体には、例えば課金操作によりユーザに付与される有償ゲーム媒体である「有償石」や、ゲーム行動を通じてユーザに付与される無償ゲーム媒体である「無償石」がある。換言すると、ガチャでは、ユーザによる対価の支払いを条件としてゲーム媒体をユーザに付与する。なお、ゲーム媒体がユーザに付与されることで、このゲーム媒体はユーザに関連付けられる。
【0034】
クエスト中以外にも、ゲーム中においてユーザが保有可能なアイテムの総数には上限があり、この上限を超えてアイテムを保有することはできない。これらのゲーム中の、クエスト外で取得されるアイテムは、例えば、シングルクエストに持ち込むことができ、持ち込んだアイテムはクエスト中に使用可能となるものがある。これらのクエスト外で取得されるアイテムは、主にガチャによって取得可能であるが、クエストで使用しなかったアイテムが蓄積されてもよい。この場合もクエスト内のアイテムと同様に、本実施形態のゲームシステム1では、新たに取得したアイテムを取得するか否か、および取得する場合に処分するアイテムを自動的に判断可能である。
【0035】
ユーザが入手可能なプレイヤキャラクタおよびアイテムなどのゲーム媒体には、そのパラメータの一つとして、希少価値を示すレアリティと称されるパラメータが予め設定されるものがある。具体的には、レアリティが高いとは、希少価値が高い、すなわちゲーム内で入手し難いことを意味し、レアリティが低いとは、希少価値が低い、すなわちゲーム内で入手し易いことを意味する。本実施形態のゲームでは、各ゲーム媒体に、Sランク、Aランク、およびBランクのいずれかのレアリティが予め設定されている。Sランクが最も高いレアリティであり、そこからAランク、Bランクの順でレアリティが低くなる。
【0036】
このようなゲームは、ニンテンドースイッチ(登録商標)、プレイステーション(登録商標)、もしくはXBOX(登録商標)などのゲーム機、またはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、もしくはタブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。
【0037】
<ゲームシステム1の概要>
図1に示されるように、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5によって構成される。
【0038】
サーバ装置2は、各ユーザのデータの管理、ゲームプログラムの提供、ゲームデータの管理、およびオンライン対戦のマッチング等を行う。サーバ装置2は、マルチクエストのオンライン対戦用の仮想空間を提供し、複数のゲーム装置5からそれぞれ送信されるゲームのプレイデータに基づいて、互いに同期させるための処理を行いながらゲームを進行させる。ゲーム装置5から送信されるゲームのプレイデータには、ユーザによって行われた操作情報などが含まれる。サーバ装置2は、すべてのユーザのゲーム装置5で可能な限り遅延を抑え同期した画像が表示されるよう、同期のためのデータをリアルタイムでゲーム装置5に送信する。
【0039】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムの受信、具体的にはダウンロードおよびインストールを行う。各ユーザは、ゲーム装置5に対応付けられて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時にゲーム装置5からサーバ装置2に送信されて、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0040】
ユーザ認証を経てサーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ、例えばゲーム進行状況に関するデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像および音声をディスプレイ61およびスピーカ62からそれぞれ出力しつつ、ゲームを進行させる。
【0041】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5のそれぞれは互いに同一の構成を有している。
【0042】
<サーバ装置2の構成>
図1に示されるように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23を有している。ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23は、バス29を介して互いに接続されている。
【0043】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して、各ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0044】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、もしくはSSD(Solid State Drive)、またはこれらの組み合わせなどで構成されている。記憶部22には、本実施形態のゲームプログラムの少なくとも一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB(Data Base)221などの各種データが記憶されている。
【0045】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号毎に、ユーザ情報、プレイ履歴、ユーザが保有するゲーム媒体、ユーザにより設定された保有ゲーム媒体の所望数に関する設定情報、およびユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報などが対応付けられて記憶されている。ユーザ情報は、ユーザ名、およびユーザランクなどの情報を含む。プレイ履歴には、例えばユーザがクリアしたことのあるクエスト、ユーザが過去にクエストをプレイした回数、ユーザがガチャを実施した履歴、ガチャにより付与されたアイテムおよびプレイヤキャラクタの履歴などが含まれる。ユーザにより設定された保有ゲーム媒体の所望数に関する設定情報は、ゲーム装置5の設定受付手段563によって受け付けられた情報である。
【0046】
図1に示される制御部23は、CPUおよび半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、同期手段233、送信情報決定手段234、および関連付手段235として機能する。本実施形態では、これらの情報処理手段231、照合手段232、同期手段233、送信情報決定手段234、および関連付手段235は、それぞれ情報処理部、照合部、同期部、送信情報決定部、および関連付部にそれぞれ相当する。本明細書における制御部23は、本発明の「コンピュータ」の一例である。
【0047】
―情報処理手段231―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報の要求、他のユーザの設定情報の閲覧要求、ゲームデータ、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの実施要求、クエスト実行要求、およびアカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報、他のユーザの設定情報、各ゲーム装置5における同期のためのゲームデータ、ゲームプログラム、ガチャで得られたゲーム媒体に関する情報、クエスト実行のためのデータ、および認証に成功したことを示す情報などが挙げられる。
【0048】
―照合手段232―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いてユーザアカウントの認証を行う。
【0049】
―同期手段233―
同期手段233は、各ゲーム装置5から受信したゲームデータに応じて、仮想空間で操作される各ユーザの位置および動作、ならびにユーザが取得したゲーム媒体などを同期させるため、各ゲーム装置5に対して送信するゲームデータを生成する。また、同期手段233は、ゲーム装置5において、いわゆるチートによってデータの改ざんが行われることがないよう、ゲームデータの変動を監視する。
【0050】
―送信情報決定手段234―
送信情報決定手段234は、ゲーム装置5を操作するユーザの要求に応じて送信する、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報、および他のユーザの設定情報を決定する。
【0051】
具体的には、ゲーム装置5において、ユーザが保有する保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を設定しようとする際に、ユーザが、所定の条件を満足する他のユーザの設定情報を参照して決定したいと考える場合がある。このときユーザは、設定情報を閲覧する他のユーザを特定するために、ゲーム装置5に対して、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報を要求することがある。また、ユーザは、所定の条件を満足する他のユーザ、またはマルチクエストで同じチームもしくはルームになったユーザなどから、設定情報を閲覧したいユーザを特定し、このユーザの設定情報の閲覧を要求することがある。
【0052】
ネットワークインターフェース21および情報処理手段231を介して、ゲーム装置5から所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報の参照要求を受信すると、送信情報決定手段234は、受信した参照要求に応じて、ユーザDB221のユーザ情報を参照して条件を満足する他のユーザを特定する。送信情報決定手段234は、これらの他のユーザのユーザ情報を、ゲーム装置5に送信するユーザ情報として決定する。情報処理手段231は、送信情報決定手段234によって決定された他のユーザのユーザ情報を、ネットワークインターフェース21および通信ネットワーク6を介してゲーム装置5に送信する。
【0053】
または、ネットワークインターフェース21および情報処理手段231を介して、ゲーム装置5から特定のユーザの設定情報の参照要求を受信すると、送信情報決定手段234は、受信した参照要求に応じて、ユーザDB221のユーザ情報を参照して送信する設定情報を決定する。情報処理手段231は、送信情報決定手段234によって決定された他のユーザの設定情報を、ネットワークインターフェース21および通信ネットワーク6を介してゲーム装置5に送信する。
【0054】
―関連付手段235―
関連付手段235は、ユーザによる対価の支払いを条件として、ユーザからの抽選要求であるガチャの実施要求に応じて複数の候補ゲーム媒体の中から少なくとも一つのゲーム媒体を抽選によりユーザに関連付ける関連付処理を実行する。具体的には、ユーザがゲーム装置5に対してガチャの実施操作を行うと、ゲーム装置5からサーバ装置2にガチャの実施要求が送信される。関連付手段235は、このガチャの実施要求に応じて、複数の候補ゲーム媒体の中から少なくとも一つのゲーム媒体を、候補ゲーム媒体毎の当選確率に基づいた抽選により選択する。関連付手段235は、選択したゲーム媒体に関する情報と、ガチャの実施要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを関連付ける。これにより、ユーザには、自身でガチャを引くことにより当選したゲーム媒体が付与される。
【0055】
<ゲーム装置5の構成>
図1に示されるように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、および入力装置63が外部接続または内蔵されている。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有している。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0056】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
【0057】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に基づいて動画形式でゲーム画像を描画する。ゲーム画像には、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトが含まれる。グラフィック処理部52は、ディスプレイ61に接続されており、動画形式で描画されたゲーム画像をゲーム画面としてディスプレイ61上に表示する。ディスプレイ61は、液晶表示装置、または有機EL表示装置などであって、画像を表示可能である。
【0058】
オーディオ処理部53は、スピーカ62に接続されており、制御部56の指示に基づいてゲーム音声を再生および合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ62から出力させる。スピーカ62は、音声を出力可能である。
【0059】
操作部54は、入力装置63に接続されており、操作および入力に関するデータを入力装置63との間で送受信する。入力装置63は、ゲームパッド、マウス、キーボード、またはタッチパッドなどである。ユーザは入力装置63を操作することでゲーム装置5に操作信号を入力することができる。
【0060】
記憶部55はHDD、SSD、RAM、およびROMなどで構成されている。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、ならびにゲーム装置5のユーザの設定情報、ユーザ情報、および保有ゲーム媒体などが格納されている。
【0061】
―制御部56―
制御部56は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、設定受付手段563、関連付手段564、音声制御手段567、および表示制御手段568として機能する。関連付手段564は、より具体的には、特定手段565および決定手段566として機能する。本実施形態では、通信手段561、ゲーム実行手段562、設定受付手段563、関連付手段564、特定手段565、決定手段566、音声制御手段567、および表示制御手段568は、それぞれ通信部、ゲーム実行部、設定受付部、関連付部、特定部、決定部、音声制御部、および表示制御部に相当する。本明細書における制御部56は、本発明の「コンピュータ」の一例である。
【0062】
―通信手段561―
通信手段561はネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2と通信を行う。
【0063】
通信手段561は、操作部54が入力装置63から受信した各種操作信号に基づいて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成するとともに、その情報をサーバ装置2に送信する。例えば通信手段561は、ユーザの設定情報、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報の要求、他のユーザの設定情報の閲覧要求、ゲームデータ、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの実施要求、クエスト実行要求、およびアカウント情報などをサーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報、他のユーザの設定情報、各ゲーム装置5における同期のためのゲームデータ、ゲームプログラム、ガチャで得られたゲーム媒体に関する情報、クエスト実行のためのデータ、および認証に成功したことを示す情報などをサーバ装置2から受信する。
【0064】
―ゲーム実行手段562―
ゲーム実行手段562は、クエストを含むゲームコンテンツを実行する。具体的には、ゲーム実行手段562は、ユーザによる入力装置63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すか、またはサーバ装置2から受信したゲームデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、処理後のゲーム画像がディスプレイ61に逐次表示される。
【0065】
ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、ゲーム装置5のユーザの操作に基づいてキャラクタを配置させて、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。
【0066】
―設定受付手段563―
ゲームコンテンツであるシングルクエストまたはマルチクエストにおいて、ユーザは、ゲーム中の仮想空間でアイテムを取得することができる。前述のように、ユーザが保有可能なアイテムの総数には上限があるため、既に保有しているアイテムと新たに取得したアイテムとの合計数が上限数を超える場合には、新たなアイテムまたは保有しているアイテムを処分する必要がある。
【0067】
一方で、クエストを成功させるためには、ユーザが試行錯誤して保有アイテムの数を戦略的に調整し、最適な数にすることが重要になる場合がある。そこで、本実施形態のゲームシステムでは、クエストで取得可能な保有アイテムについて、この保有アイテムの種類に対応した所望数に関する情報である設定情報を設定して、保有アイテムの数を自動的に調整できる。設定情報では、アイテムの種類ごとに、ユーザが保有したいと考える数である所望数を設定可能である。
【0068】
設定情報には、上記の所望数に加え、優先度に関する情報が含まれる。優先度は、保有アイテムの種類のうち、どの種類のアイテムを優先的に所望数に近づけるかを示す情報である。
【0069】
設定情報ではさらに、保有アイテムの種類に含まれる区分について、所望数および優先度を設定できる。例えば、区分が個々のアイテムを指し、保有アイテムの種類がこのアイテムのカテゴリを指す。
【0070】
設定情報は、例えば
図4および
図5に示される設定情報設定画面のように設定される。
図4では、アイテムの種類として「回復アイテム」、「攻撃アイテム」、および「バフアイテム」の3種類が存在し、それぞれに対して優先度としての「優先順位」、および所望数としての「個数」が設定されている。アイテムの保有可能上限総数が10個であり、「回復アイテム」は優先順位が2、所望数が5個、「攻撃アイテム」は優先順位が1、所望数が3個、「バフアイテム」は優先順位が3、所望数が2個、となっている。
【0071】
図5では、アイテムの種類が「回復アイテム」となる個々のアイテム(区分)として、「薬草」、「特別薬草」、および「毒消し草」が含まれる例を示している。上記のように、回復アイテムの所望数が5個であるため、これらの回復アイテムの所望数の合計数も5個になっている。ここでは、個々のアイテムである「薬草」、「特別薬草」、および「毒消し草」について、「薬草」は優先順位が2、所望数が2個、「特別薬草」は優先順位が1、所望数が2個、「毒消し草」は優先順位が3、所望数が1個、となっている。
【0072】
設定受付手段563は、シングルクエストまたはマルチクエストのゲームコンテンツにおいてユーザが取得するアイテムについて、アイテムの種類に対応した所望数および優先度に関する設定情報を受け付ける。ユーザは、入力装置63を操作してこの設定情報を入力する。
【0073】
設定受付手段563は、設定情報を設定する際に、ユーザの操作により、他のユーザの設定情報をゲーム装置5のディスプレイ61で閲覧可能にする。設定情報の決定のため、ユーザが入力装置63を操作して他のユーザの設定情報の閲覧を要求すると、設定受付手段563は通信手段561を介して、他のユーザの設定情報の閲覧要求をサーバ装置2に送信する。このとき閲覧要求には、閲覧対象とする他のユーザの設定情報に関する条件が含まれる。この条件は、例えば、特定のクエストをクリアしたことがあること、またはユーザランクが所定ランク以上であること、などである。その後、設定受付手段563は、通信手段561を介して、上記条件を満足する他のユーザのユーザ情報の一覧を取得する。設定受付手段563は、この他のユーザのユーザ情報の一覧をディスプレイ61に表示させる。
【0074】
ユーザが、このユーザ情報の一覧の中から設定情報を閲覧したいユーザを指定すると、設定受付手段563は通信手段561を介して、このユーザの設定情報の閲覧要求をサーバ装置2に送信する。その後、設定受付手段563は、通信手段561を介して、サーバ装置2から送信されたこのユーザの設定情報を受信し、ディスプレイ61に表示させる。これにより、ユーザは他のユーザの設定情報を閲覧できる。
【0075】
ユーザは、閲覧した他のユーザの設定情報を複製(コピー)してそのまま自身の設定情報に採用することができる。また、ユーザは、閲覧した他のユーザの設定情報を編集して、すなわち少なくとも一部を変更して、自身の設定情報に採用することもできる。
【0076】
―関連付手段564―
関連付手段564は、ユーザがアイテムなどのゲーム媒体を取得するときに、ゲーム媒体をユーザに関連付ける。ゲーム媒体をユーザに関連付ける際には、サーバ装置2とのやり取りによる同期が行われる。
【0077】
設定情報において、所望数は、例えば
図4のように設定される。すなわち、アイテム種類として、「回復アイテム」、「攻撃アイテム」、および「バフアイテム」の3種類があり、それぞれについて、優先度を示す「優先順位」と、所望数を示す「個数」とを設定できる。所望数の合計は、原則としてアイテムを保有可能な上限数と等しいが、両者は必ずしも一致しなくてもよい。
【0078】
本実施形態の関連付手段564は、特定手段565および決定手段566を含んでおり、新たなゲーム媒体がユーザに関連付けられるときに、ユーザにより予め設定された設定情報に基づいて、新たなゲーム媒体または保有しているゲーム媒体のいずれかを自動的に処分することができる。
【0079】
―特定手段565―
特定手段565は、ユーザが新たに取得した、すなわちユーザに新たに関連付けられるゲーム媒体を特定する。具体的には、クエストでは、ユーザが仮想空間においてプレイヤキャラクタを操作することでゲームが進行するが、この仮想空間にはゲーム媒体であるアイテムが配置されており、プレイヤキャラクタがアイテムから所定距離の範囲に近づくとユーザがこのアイテムを新たに取得する。このとき、特定手段565は、ユーザが新たに取得したアイテムを特定する。特定手段565により特定された新たに取得したアイテム、すなわちゲーム媒体は、本発明の「第1ゲーム媒体」の一具体例である。
【0080】
―決定手段566―
決定手段566は、特定手段によって特定されたゲーム媒体を新たにユーザに関連付けることで、ユーザに関連付けられているゲーム媒体の合計数が上限数を超える場合に、処分する、すなわちユーザへの関連付けを解除するゲーム媒体を、設定情報に基づいて決定する。ユーザへの関連付けを解除するゲーム媒体は、ユーザに新たに関連付けられたゲーム媒体と、このゲーム媒体がユーザに新たに関連付けられたときにユーザに既に関連付けられていたゲーム媒体とのいずれかである。ゲーム媒体がユーザに新たに関連付けられたときにユーザに既に関連付けられていたゲーム媒体は、本発明の「第2ゲーム媒体」の一具体例である。ユーザへの関連付けを解除するゲーム媒体は、本発明の「第3ゲーム媒体」の一具体例である。
【0081】
例えば、ユーザが新たにアイテムを取得したときに、ユーザが既に保有していたアイテムと新たに取得したアイテムとの合計数が、ユーザが保有可能なアイテムの上限数を超える場合、既に保有していたアイテムと新たに取得したアイテムとの中から、決定手段566が設定情報に基づいて自動的に、処分するアイテムを決定する。
【0082】
―音声制御手段567―
音声制御手段567は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作などに基づいてスピーカ62の音声出力を制御する。
【0083】
―表示制御手段568―
表示制御手段568は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作などに基づいてディスプレイ61の表示出力を制御する。例えば、表示制御手段568は、クエストの舞台となる仮想空間、プレイヤキャラクタ、およびメニュー画面などをディスプレイ61に表示する。
【0084】
<ゲーム媒体を取得したときの処理について>
ここで、ユーザがゲーム媒体を取得したときの処理の具体例について、
図2のフローチャートを参照しながら具体的に説明する。
図2は、ユーザがゲームコンテンツであるクエストを実行中に、ゲーム媒体であるアイテムを取得した際の処理の例を示すフローチャートである。
【0085】
なお、以下の説明において、「ユーザがアイテムを保有する」とは、具体的には、関連付手段564が、このアイテムをユーザに関連付けることをいう。「アイテムを処分する」とは、関連付手段564が、このアイテムのユーザへの関連付けを解除することをいう。
【0086】
ユーザがクエストを実行中に、仮想空間でプレイヤキャラクタがアイテムに近づくと、ユーザはこのアイテムを取得する(S100)。このとき、特定手段565は、ユーザが新たに取得したアイテムを特定する。この新たに取得したアイテムを「取得アイテム」という。取得するアイテムの数は1つとは限らないが、ここでは説明の便宜上、1つのアイテムを取得した場合を説明する。なお、複数個のアイテムを同時に取得した場合には、以下のS110からの処理を、それぞれの取得アイテムについて繰り返し実行する。
【0087】
次に、決定手段566は、ユーザが既に保有していたアイテムと、取得アイテムとの合計数が、ユーザが保有可能なアイテムの総数の上限数を超えるか否かを判定する(S110)。
【0088】
ユーザが既に保有していたアイテムと、取得アイテムとの合計数が、ユーザが保有可能なアイテムの総数の上限数を超えない場合には(S110でN)、決定手段566は処分するアイテムを決定することなく、ユーザは取得アイテムを保有して(S140)、処理を終了する(S150)。
【0089】
一方、ユーザが既に保有していたアイテムと、取得アイテムとの合計数が、ユーザが保有可能なアイテムの総数の上限数を超える場合には(S110でY)、決定手段566は、取得アイテムより優先度の低いアイテムの種類の保有数が、設定情報の所望数を超えているか否かを判定する(S120)。
【0090】
取得アイテムより優先度の低いアイテムの種類の保有数が、設定情報の所望数を超えている場合には(S120でY)、決定手段566は、保有数が所望数を超えているアイテムのうち、最も優先度の低いアイテムを処分するアイテムに決定し、関連付手段564はこのアイテムを処分する(S121)。そして、ユーザは取得アイテムを保有して(S140)、処理を終了する(S150)。
【0091】
一方、取得アイテムより優先度の低いアイテムの種類の保有数が、設定情報の所望数を超えてない場合には(S120でN)、取得アイテムより優先度の低いアイテムに処分できるアイテムがないため、取得アイテムと同じ種類のアイテムにおいて、処分できるアイテムがないか判定する。具体的には、決定手段566は、取得アイテムと同じ種類のアイテムのうち、取得アイテムより優先度が低く保有数が所望数を超える個々のアイテム、すなわち区分のものがあるか否かを判定する(S130)。
【0092】
取得アイテムと同じ種類のアイテムのうち、保有数が所望数を超える個々のアイテムがある場合には(S130でY)、決定手段566は、取得アイテムと同じ種類のアイテムのうち、取得アイテムより優先度が低く保有数が所望数を超える個々のアイテムを処分するアイテムに決定し、関連付手段564はこのアイテムを処分する(S131)。そして、ユーザは取得アイテムを保有して(S140)、処理を終了する(S150)。
【0093】
取得アイテムと同じ種類のアイテムのうち、取得アイテムより優先度が低く保有数が所望数を超える個々のアイテムがない場合には(S130でN)、決定手段566は、取得アイテムを処分するアイテムに決定し、関連付手段564は取得アイテムを処分して(S132)、処理を終了する(S150)。換言すれば、決定手段566および関連付手段564は、取得アイテムを取得することなく処分する、ともいえる。
【0094】
なお、この場合には、取得アイテムよりも優先度の低いアイテムの種類の保有数、および取得アイテムと同じ種類のアイテムのうち取得アイテムより優先度の低い個々のアイテムは、所望数以下の数になっている。
【0095】
ユーザがゲーム媒体を取得したときに上記のような処理を行うことで、ユーザが保有するゲーム媒体の数が、ユーザが最適と考えて設定情報で設定した所望数に自動的に近づけることができる。例えば、ユーザがキャラクタを操作して仮想空間で対戦するクエストをプレイするときに、アイテムが配置された仮想空間内を動き回るだけで、アイテムの保有数をユーザが所望する数に近づけていくことができる。
【0096】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
次に、
図3~
図6を参照して、本実施形態のゲームシステム1の動作について具体的に説明する。
図3~
図6は、本実施形態のゲームシステム1において、ゲーム中にディスプレイ61に表示される画面の例を示す図である。
【0097】
ゲームシステム1でゲームが開始されると、
図3(a)のメニュー画面71がディスプレイ61に表示される。このメニュー画面71において、ユーザが入力装置63を操作して「設定」のアイコンを押すと、
図3(b)の設定画面72がディスプレイ61に表示される。この設定画面72においてユーザが「シングルクエスト」のアイコンを押すと、
図3(c)の詳細設定画面73がディスプレイ61に表示される。
【0098】
この詳細設定画面73でユーザが「アイテム種毎の保有数」のアイコンを押すと、
図4に示された、アイテムの種類ごとにユーザが所望する保有数等を設定するための、第1設定情報設定画面74がディスプレイ61に表示される。この第1設定情報設定画面74において、ユーザは、設定情報である、アイテムの種類に対応した所望数、および優先度を設定できる。設定受付手段563は、この画面でユーザが入力した設定情報を受け付け、記憶部55に設定情報を記憶させる。通信手段561は、このユーザの設定情報を、他のユーザに参照可能にするため、サーバ装置2に送信する。
【0099】
一方、
図3(c)の詳細設定画面73でユーザが「アイテム優先度」のアイコンを押すと、
図5に示された、個々のアイテム(区分)に対応した所望数および優先度を設定するための、第2設定情報設定画面75がディスプレイ61に表示される。この第2設定情報設定画面75において、ユーザは、設定情報である、個々のアイテム(区分)に対応した所望数、および優先度を設定できる。
【0100】
なお、
図5では、アイテムの種類のひとつである「回復アイテム」に含まれる個々のアイテム(区分)に対応した所望数および優先度を設定する画面が表示されているが、
図4に示された「攻撃アイテム」および「バフアイテム」についても同様に、これらの種類に含まれる個々のアイテム(区分)に対応した所望数及び優先度を設定できる。設定受付手段563は、この画面でユーザが入力した設定情報を受け付け、記憶部55に設定情報を記憶させる。通信手段561は、このユーザの設定情報をサーバ装置2に送信する。
【0101】
一方、
図3(c)の詳細設定画面73でユーザが「他ユーザの設定 閲覧/コピー」のアイコンを押すと、
図6に示された、他ユーザ設定参照画面76がディスプレイ61に表示される。ユーザは、ここに表示されるアイコンからいずれかを選択することで、所定の条件を満足する他のユーザの設定情報を閲覧できる。ユーザは、閲覧した他のユーザの設定情報をそのまま自分の設定情報に複製して利用することができる。また、ユーザは、閲覧した他のユーザの設定情報を基礎として編集を加えたうえで、自分の設定情報に利用することもできる。
【0102】
このとき、設定受付手段563は通信手段561を介して、ユーザにより選択された、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報の要求を、サーバ装置2に送信する。これにより、サーバ装置2は、所定の条件を満足する他のユーザのユーザ情報を、記憶部22のユーザDB221から読み出して、ゲーム装置5に送信する。ゲーム装置5では、通信手段561によって受信されたこのユーザ情報に基づいて、設定情報を閲覧可能な他のユーザの一覧をディスプレイ61に表示する。
【0103】
ユーザがこの他のユーザの一覧の中からいずれかのユーザを選択すると、通信手段561は、選択した他のユーザの設定情報の閲覧要求をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、選択された他のユーザの設定情報を記憶部22のユーザDB221から読みだして、ゲーム装置5に送信する。これにより、ゲーム装置5のディスプレイ61には、ユーザが選択した他のユーザの設定情報が表示される。
【0104】
ユーザが、閲覧している他のユーザの設定情報を複製、または複製したうえで編集する操作を行うと、設定受付手段563は、複製された、または複製されたうえで編集された設定情報を、ユーザの設定情報として受け付ける。
【0105】
図6に示された他ユーザ設定参照画面76では、特定のクエストをクリアしたユーザ、または上位ランクのユーザ、のいずれかの条件を満たす他のユーザの設定情報が閲覧可能となっている。ただし、ユーザが他のユーザの設定情報を閲覧する際に設定する条件は、これらに限定されるものではない。例えば、設定受付手段563は、ユーザ自身の、または他のユーザのクエストのクリア状況などのゲーム状況に基づいて、設定情報を閲覧する他のユーザをユーザに対して提示する。具体的には、設定受付手段563は、ユーザがこれから挑戦するシングルクエストをユーザが既にクリアしているクエスト等から推定し、このシングルクエストを最近クリアした他のユーザを、設定情報を閲覧する他のユーザとして提示することなどができる。
【0106】
以上をまとめると、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ゲームコンテンツを実行するゲーム実行手段562と、ゲームコンテンツにおいてユーザに関連付けられる保有ゲーム媒体について、保有ゲーム媒体の種類に対応した所望数に関する設定情報を受け付ける設定受付手段563と、ユーザに関連付けられる第1ゲーム媒体(新たに取得したアイテム)を特定する特定手段565と、第1ゲーム媒体がユーザに関連付けられることで、ユーザに既に関連付けられている第2ゲーム媒体(既に保有していたアイテム)と第1ゲーム媒体との合計数がユーザが保有可能なゲーム媒体の上限数を超える場合に、設定情報に基づいて、第1ゲーム媒体および第2ゲーム媒体の中からユーザに対する関連付けを解除する第3ゲーム媒体(処分するアイテム)を決定する決定手段566と、として機能させる。
【0107】
<効果>
本実施形態のゲームシステム1では、設定情報に基づいて、ユーザに対する関連付けを解除する(処分する)第3ゲーム媒体を自動的に決定可能であるため、ユーザが保有するゲーム媒体の数をユーザが希望する数に自動的に近づけていくことができる。これにより、煩雑さを抑制しつつゲームの戦略性を高め、ゲームの興趣を高めることができる。
【0108】
仮想空間に配置されたゲーム媒体であるアイテムを取得していくゲームの場合は、仮想空間に十分な数のアイテムが配置されていれば、ユーザが仮想空間の中でプレイヤキャラクタを十分長い時間移動するよう操作するだけで、それぞれの種類のアイテムの数を自動的に所望数にすることが可能である。
【0109】
また、ユーザが操作ミスにより処分すべきでないアイテムを処分してしまうことを防止することもできる。
【0110】
<第1変形例>
実施形態のゲームシステム1において、ユーザは複数の設定情報を状況に合わせて使い分けられるようにしてもよい。本変形例のゲームシステム1では、ユーザが複数の設定情報を状況に合わせて使い分けられるようにしている。
【0111】
本変形例のゲームは、ユーザと他のユーザとで構成されるユーザチームのそれぞれがプレイヤキャラクタを操作して、他のユーザチームのプレイヤキャラクタ、またはノンプレイヤキャラクタと仮想空間で対戦する。ユーザチームのメンバーのそれぞれは、チームの盾役となるタンク、攻撃役となるアタッカー、および回復役となるヒーラーなどとして役割を分担してマルチクエストに挑戦する。これらの役割は、ユーザがクエストにおいて所定の行動を取ることを示唆する、プレイスタイルである。なお、プレイスタイルは、タンク、アタッカー、およびヒーラーの3種類に限定されるものではない。
【0112】
ユーザは、タンク、アタッカー、およびヒーラーとしての役割を担うとき、それぞれのプレイスタイルに応じて期待されるものが異なるため、保有しておきたいアイテムが異なってくる。そこで、本変形例では、ユーザがプレイスタイルに応じて、それぞれ異なる設定情報を設定し、その設定を保存しておくことができる。
【0113】
図7(a)および(b)は、それぞれ
図3(a)および(b)と同様の画面である。
図7(b)の設定画面72において、ユーザが「マルチクエスト」のアイコンを押すと、
図7(c)の詳細設定画面77がディスプレイ61に表示される。
【0114】
この詳細設定画面77では、ユーザが、タンク、アタッカー、およびヒーラーの役割(プレイスタイル)ごとに、それぞれ所望数および優先度の設定情報を設定できる。所望数および優先度の設定について、実施形態の
図5において説明したものと同様のものについてはその説明を省略する。
【0115】
一方、
図7(c)の詳細設定画面73でユーザが「同一役割の他ユーザの設定閲覧/コピー」のアイコンを押すと、ユーザが選択している役割と同一の役割の他ユーザの設定情報を閲覧できる。ユーザは、閲覧した他のユーザの設定情報を複製して、または複製したうえで編集して、自分の設定情報に利用できる。
【0116】
また、実施形態のゲームシステム1において、ユーザがマルチクエストのゲームをプレイするとき、同じユーザチームの他のユーザの設定情報を閲覧したり、複製したりすることができる。
【0117】
図7(a)のメニュー画面71でユーザが「マルチ」のアイコンを押すと、
図8(a)に示されたチーム編成画面78がディスプレイ61に表示される。このチーム編成画面78からは、ユーザがマルチクエストにホストとして参加するか、またはゲストとして参加するか、プレイするクエストの種類、ユーザが担当するチーム内の役割、および設定情報の編集を編集できる。
【0118】
ここで例えばユーザが「ホスト」のアイコンを押すと、
図8(b)のマルチプレイ(マルチクエスト)のメンバー募集画面79がディスプレイ61に表示される。ここでユーザは、フレンドおよびフレンド以外の他のユーザを招待するか、またはサーバ装置2によりランダムにマッチングされることで、ユーザチームのメンバーを募集できる。
【0119】
このときユーザは、「アイテム取得時の設定閲覧/コピー」のアイコンを押すことで、同じチームの他のユーザの設定情報を閲覧できるとともに、閲覧した他のユーザの設定情報を複製して、または複製したうえで編集して、自分の設定情報に利用できる。
【0120】
また、
図8(b)のメンバー募集画面79において、ユーザが「挑戦」のアイコンを押すとマルチクエストが開始され、「解散」のアイコンを押すとユーザチームを解散して終了する。
【0121】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、ユーザがクエストにおいて所定の行動を取ることを示唆するプレイスタイルに対応付けて設定情報を設定可能であるため、プレイスタイルを変更する度に改めて設定情報を変更する煩雑さを解消することができる。
【0122】
<第2変形例>
実施形態のゲームシステム1では、主にクエストのゲーム中に仮想空間で取得されるアイテムを想定したものであったが、ゲームシステム1は、本変形例のように、ガチャで取得されるプレイヤキャラクタなどにも適用される。本変形例では、ガチャで取得されるゲーム媒体であるキャラクタ(以下、「キャラ」ともいう)について、設定情報に基づいて取得したキャラクタを保有または処分する方法について説明する。
【0123】
図9(a)および(b)は、それぞれ
図3(a)および(b)と同様の画面である。
図9(b)の設定画面72において、ユーザが「ガチャ」のアイコンを押すと、
図9(c)の詳細設定画面80がディスプレイ61に表示される。
【0124】
この詳細設定画面77では、ユーザが、ガチャで取得可能な、キャラクタ、武器、およびアイテムについて、それぞれ所望数及び優先度の設定情報を設定できる。
【0125】
図9(c)の詳細設定画面80でユーザが「キャラ」のアイコンを押すと、
図10に示された、ガチャで取得するキャラクタの種類および種類に含まれる属性(区分)に対応した所望数および優先度を設定するための、第3設定情報設定画面81がディスプレイ61に表示される。この第3設定情報設定画面81において、ユーザは、設定情報である、キャラクタの種類ごとの所望数、ならびに属性(区分)ごとの所望数および優先度を設定できる。
【0126】
図10の第3設定情報設定画面81の例では、実施形態のキャラクタの種類に対応するものがレアリティであり、キャラクタの区分に対応するものがキャラクタの属性である。本変形例では、キャラクタの種類であるレアリティについては優先度が設定されていないが、レアリティが高いキャラクタのほうが優先度が低いものとして処理する。また、キャラクタの「属性」とはキャラクタのパラメータのひとつである。本変形例では、この属性を実施形態の「区分」に置き換えて処理する。このようにして、
図2におけるアイテムを、キャラクタに置き換えて、ゲーム媒体であるキャラクタを新たに取得した際の処理を行う。
【0127】
なお、上記のようにレアリティに基づいて優先度を決定されるのではなく、ユーザが各レアリティの優先度を任意に設定可能にしてもよい。
【0128】
<効果>
本変形例のゲームシステム1では、設定情報に基づいて、ガチャで取得したゲーム媒体であるキャラクタを、設定情報に基づいて自動的に処分していくことで、ユーザが保有するキャラクタの数をユーザが希望する数に自動的に近づけていくことができる。これにより、煩雑さを抑制しつつゲームの戦略性を高め、ゲームの興趣を高めることができる。
【0129】
なお、本変形例ではゲーム媒体としてガチャで取得されるキャラクタを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、ガチャで取得される他のゲーム媒体について、上記のように所望数および優先度について設定情報を設定可能にしてもよい。また、ガチャ以外で取得されるゲーム媒体についても、同様に設定情報を設定して、取得時のゲーム媒体の処理を行うことができる。
【0130】
[他の実施形態および変形例]
上記実施形態および変形例において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0131】
実施形態においては、ゲーム媒体であるアイテムの種類に含まれる「区分」が個々のアイテムを指し、変形例2においてはゲーム媒体であるキャラクタの種類であるレアリティに含まれる「区分」が「属性」を指す例を挙げて説明した。このように、本明細書では、いずれかのゲーム媒体の大分類を「種類」とし、小分類を「区分」としている。ただし、ゲームシステム1ではこれらに限定されるものではなく、「区分」がさらに分類されており、分類されたものについてそれぞれ所望数および優先度が設定情報により設定可能なものとしてもよい。ただし、設定情報を詳細に設定可能にすると設定自体が煩雑になってしまうおそれがあるため、実施形態および変形例のように、ゲーム媒体を分類するもののうちの2つ以下の分類について、設定情報に基づいて所望数および優先度を設定するものとすることが好ましい。
【0132】
実施形態および変形例では、ゲーム媒体の種類および区分のそれぞれについて、設定情報として所望数および優先度を設定する態様を説明したが、ゲーム媒体の種類または区分のみについて設定情報を設定する態様を採用してもよい。また、優先度を設定せず、所望数のみを設定する態様を採用してもよい。所望数のみを設定する態様では、優先度の高低に応じて処分対象のゲーム媒体を決定しないため、所望数を超えた種類のゲーム媒体の中から、ランダムに、または所定の規則に沿って処分するゲーム媒体を決定する。
【0133】
実施形態では、アイテムの保有可能上限数と、アイテムの種類ごとの所望数の合計とが同数となるように設定情報を設定する例を挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、アイテムの保有可能上限数が、アイテムの種類ごとの所望数の合計より大きくなるよう設定可能にしてもよいし、小さくなるよう設定可能にしてもよい。
【0134】
実施形態では、ユーザへの関連付を解除するゲーム媒体について、ゲーム媒体を処分すると表現しているが、このゲーム媒体の処分は、ゲーム媒体を単純に捨てるまたは放棄するだけではなく、可能な場合には、売却等により他のゲーム媒体と交換する、フレンドになっている他のユーザに譲渡する、または実行中のクエスト中には使用できないが後のクエストで使用可能な倉庫に保存する、などを含む。
【0135】
実施形態における優先度は、互いに優劣が決定されていることが必須ではなく、同じ優先度のものが設定されていてもよい。
【0136】
実施形態および変形例では、新たなゲーム媒体を取得する例として、仮想空間に配置されたアイテムの取得、およびガチャによるゲーム媒体の取得について説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、ログインボーナスとして配布されたゲーム媒体を取得する場合、または他のユーザからのプレゼントとしてゲーム媒体を取得する場合など、ゲーム媒体を取得する種々の場面において設定情報に基づいてゲーム媒体を自動的に処分するものとしてよい。
【0137】
第1変形例では、同じユーザチームの他のユーザの設定情報を閲覧したり、複製したりすることができる態様について説明したが、同じルームでプレイした、またはしている、他のユーザの設定情報を閲覧したり、複製したりすることができるようにしてもよい。
【0138】
本明細書において、ゲーム装置5で実行される処理はサーバ装置2で実行されてもよい。この場合、ゲーム装置5は、単純な情報処理のみを実行する、単なる入出力装置として機能することになってもよい。同様に、サーバ装置2で実行される処理は、ゲーム装置5で実行されてもよい。
【0139】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態および変形例の作用効果は発揮される。また、実施形態、他の実施形態、および変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0140】
1…ゲームシステム
2…サーバ装置
22…記憶部
23…制御部
5…ゲーム装置
55…記憶部
56…制御部
561…通信手段
562…ゲーム実行手段
563…設定受付手段
564…関連付手段
565…特定手段
566…決定手段