IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 芝浦メカトロニクス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-基板処理装置 図1A
  • 特開-基板処理装置 図1B
  • 特開-基板処理装置 図2A
  • 特開-基板処理装置 図2B
  • 特開-基板処理装置 図3
  • 特開-基板処理装置 図4A
  • 特開-基板処理装置 図4B
  • 特開-基板処理装置 図5
  • 特開-基板処理装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020745
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
H01L21/304 648L
H01L21/304 643A
H01L21/304 646
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123167
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 崇広
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC13
5F157BB22
5F157BB45
5F157BH14
5F157CF70
5F157CF74
5F157DB51
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】FFUから送出する空気の量を増量させることなく、基板の表面に対するダウンフローの風量を増大させ、基板面への処理液の再付着を抑止すること。
【解決手段】実施形態に係る基板処理装置は、処理室と、回転テーブルと、供給部と、液受け部と、送風部と、気流形成部とを備える。処理室は、上下方向に対向する天井と基台とから形成される。回転テーブルは、処理室の基台側に設けられ、基板を回転させる。供給部は、回転テーブルに保持された基板に対して処理液を供給する。液受け部は、回転テーブルを囲むように設けられ、上端に円形の開口を有し、回転テーブルの回転によって回転する基板から飛散する処理液を受け止める。送風部は、処理室の天井側に設けられ、処理室内に下降気流を発生させる。気流形成部は、液受け部と送風部との間に設けられ、送風部によって発生された下降気流を、液受け部における前記開口の内側に集中させる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に対向する天井と基台とから形成される処理室と、
前記処理室の基台側に設けられ、基板を回転させる回転テーブルと、
前記回転テーブルに保持された前記基板に対して処理液を供給する供給部と、
前記回転テーブルを囲むように設けられ、上端に円形の開口を有し、前記回転テーブルの回転によって回転する前記基板から飛散する処理液を受け止める液受け部と、
前記処理室の天井側に設けられ、前記処理室内に下降気流を発生させる送風部と、
前記液受け部と前記送風部との間に設けられ、前記送風部によって発生された下降気流を、前記液受け部における前記開口の内側に集中させる気流形成部と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記気流形成部は、
上端及び下端に円形の開口をそれぞれ有する筒状に形成され、
前記上下方向の断面において、前記上下方向における中央部が外壁の方向に湾曲する内壁と、
前記内壁に設けられ、前記下端の開口に向かって流れる気体を吐出する気体吐出部と、
前記上下方向の断面において、外形が上方に向けて膨らんだ曲面であり、前記外壁の上端から上方に延在した後、前記気体吐出部の位置まで下方に延在する曲面と、
を有し、
前記上端の開口から前記下降気流を取り込み、前記下端の開口から前記液受け部における前記開口の内側に前記下降気流を送出させる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記気流形成部の下端の開口の内径は、前記液受け部の上端の開口の内径よりも小さい、請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記気流形成部は、前記下端の開口と前記液受け部の上端の開口との距離が、前記下端の開口の内径と、前記液受け部の上端の開口の内径と、前記下端の開口における気流の拡散角度とに基づく距離となるように、前記処理室内に設けられている、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記送風部の下方に設けられ、静電気を除去する静電気除去部をさらに備え、
前記気流形成部は、前記静電気除去部の下方に設置される、請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記気体吐出部によって吐出される気体を供給する気体供給部をさらに備え、
前記気流形成部は、第1の円環状部材と第2の円環状部材とから形成され、
前記第1の円環状部材と前記第2の円環状部材とは、前記気体を溜め、圧縮するための空間を形成し、
前記気体吐出部は、前記気体供給部から前記空間に供給された気体を吐出する、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記気体供給部から供給される気体を前記空間に導入する気体導入部が、前記空間の下端側の前記外壁に設けられ、
前記気体吐出部は、前記空間の上端側の前記内壁に設けられる、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記気体供給部による気体の供給を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記基板の前記処理室内への搬出入の際に、前記気体供給部による前記気体の供給を停止するように制御する、請求項6に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハなどの基板に対して薬液処理もしくは洗浄処理を実行する基板処理装置は、処理の均一性や再現性の観点から、基板を1枚ずつ処理する枚葉方式が広く採用されている。枚葉方式の基板処理装置は、基板を回転テーブルに固定し、基板中心に直交する軸を回転軸として基板を回転させ、基板の中心部に処理液(例えば、薬液や純水など)を供給し、基板面を処理する。基板面に供給された処理液は、遠心力により基板のエッジに向けて広がり、基板のエッジから剥離して、回転テーブルの周囲を覆うカップの内周面によって受けられる。
【0003】
また、基板処理装置は、処理室内の天井側にファンフィルタユニット(Fan Filter Unit:FFU)が設置されている。FFUは、清浄な空気を天井側から下方へ向かって送出することで下降気流(ダウンフロー)を発生させ、処理室内を高いレベルの清浄度に保つ。例えば、FFUは、FFUによって発生させた清浄な空気のダウンフローが基板面に供給されることで、基板面に供給される処理液の飛び跳ねや跳ね返りを抑制し、基板面上からカップの外方に飛散することを防止している。また、ダウンフローは、処理室の下部側から排気することで、空気と共に、基板のエッジから剥離した処理液や処理室内を舞う塵埃等を処理室から排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-27201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した基板処理装置では、上記FFUを用いている場合でも、基板の表面に処理液を供給して基板面を処理する際に、基板の表面上や基板の周辺において、処理液の飛び跳ねや跳ね返りなどが生じてしまう場合がある。このような処理液の飛び跳ねや跳ね返りは、基板面への処理液の再付着を発生させ、製品の不良の原因となる。例えば、基板の表面を乾燥させる乾燥工程において、乾燥処理が終了した基板面に対して、飛び跳ねや跳ね返りによって舞い上がった処理液が付着すると、基板の表面でウォータマーク(水シミ)となってしまい、製品の品質が低下する。したがって、処理液の飛び跳ねや跳ね返りを抑制することは、処理液の基板面への再付着を抑止し、製品の品質を向上させるうえで重要なことである。
【0006】
この処理液の飛び跳ねや跳ね返りを抑制する対策として、FFUから送出させる空気の量を増量してより強いダウンフローを発生させることで、基板の表面上での処理液の飛び跳ねや跳ね返りをより抑え込むことが考えられる。しかしながら、FFUから送出する空気の量を増量すると、処理室内の圧力が上がり、処理室内にある処理液のミストなどが、処理室の外に流出するおそれがある。したがって、FFUから送出させる空気の量を増量することはできず、処理液の飛び跳ねや跳ね返りをより抑制することは困難である。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、FFUから送出する空気の量を増量させることなく、基板の表面に対するダウンフローの風量を増大させ、基板面への処理液の再付着を抑止することができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一態様に係る基板処理装置は、処理室と、回転テーブルと、供給部と、液受け部と、送風部と、気流形成部とを備える。処理室は、上下方向に対向する天井と基台とから形成される。回転テーブルは、前記処理室の基台側に設けられ、基板を回転させる。供給部は、前記回転テーブルに保持された前記基板に対して処理液を供給する。液受け部は、前記回転テーブルを囲むように設けられ、上端に円形の開口を有し、前記回転テーブルの回転によって回転する前記基板から飛散する処理液を受け止める。送風部は、前記処理室の天井側に設けられ、前記処理室内に下降気流を発生させる。気流形成部は、前記液受け部と前記送風部との間に設けられ、前記送風部によって発生された下降気流を、前記液受け部における前記開口の内側に集中させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、FFUから送出する空気の量を増量させることなく、基板の表面に対するダウンフローの風量を増大させ、基板面への処理液の再付着を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、第1の実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
図1B図1Bは、第1の実施形態に係る気流形成機構の概要を説明するための模式図である。
図2A図2Aは、第1の実施形態に係る気流形成機構の側面図である。
図2B図2Bは、第1の実施形態に係る気流形成機構の上面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る気流形成機構の構成の一例を示す図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る気流形成機構の概略構成を示す断面図である。
図4B図4Bは、第1の実施形態に係る気流形成機構の概略構成を示す断面図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る気流形成機構のサイズ及び設置位置を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る気流形成機構によって形成される気流を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願の開示する基板処理装置は、以下の実施形態により限定されるものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1Aは、第1の実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を示す図である。図1Aに示すように、基板処理装置1は、内室11を有している。内室11は、仕切り壁11aによって上下に2つの空間に仕切られており、下側の空間が処理室11bとして形成されている。すなわち、処理室11bは、上下方向に対向する仕切り壁11a(天井)及びベース体21(基台)と、内室11の側壁とから形成される。なお、上記した上下とは、基板処理装置1における上側と下側とを意味する(すなわち、図1Aにおける上側と下側とを意味する)。ここで、本実施形態では、上側及び下側をそれぞれ上方及び下方と記載する場合がある。
【0013】
内室11は、側壁の1つの処理室11bに対応する位置に搬出入口(不図示)が設けられている。搬出入口は、処理室11b内への基板Wの搬入及び搬出を行うための出入口であり、開閉可能なシャッタ等によって形成されている。基板処理装置1は、基板Wの処理室11b内への搬入時、及び、処理済みの基板Wの処理室11b内からの搬出時にシャッタを開き、基板Wを搬送する搬送アームの処理室11b内への挿入を可能とする。なお、基板Wに対して処理が実行されている間は、シャッタが閉じた状態となる。
【0014】
また、図1Aに示すように、基板処理装置1は、中央に貫通孔を有するベース体21と、ベース体21の上方に回転可能に設けられた回転テーブル22と、回転テーブル22の駆動源となるモータ23と、回転テーブル22を囲む環状の液受け部24(カップ)と、基板Wに処理液を供給するノズル25(供給部)と、ファンフィルタユニット(Fun Filter Unit:FFU)26(送風部)と、イオナイザー27(静電気除去部)と、気流形成機構30(気流形成部)と、制御装置40(制御部)と、気体供給源50(気体供給部)とを備えている。
【0015】
回転テーブル22は、ベース体21の上面側に配置され、中心軸がモータ23の回転軸に一致するようにモータ23の回転子23bの上端に固定されている。また、回転テーブル22は、基板Wが載置される側の面に基板Wを把持する複数(例えば、6個)のチャックピン22aが所定の間隔で設けられている。複数のチャックピン22aは、処理対象の基板Wの外周面を把持することで、基板Wを回転テーブル22に固定する。
【0016】
モータ23は、筒状の固定子23aと、固定子23a内に回転可能に挿入された筒状の回転子23bにより構成されている。固定子23aはベース体21の下面側に取り付けられており、回転子23bの上端側はベース体21の上面側で回転テーブル22と接続される。モータ23は、回転テーブル22を回転させるための駆動源の一例である。モータ23は、電気的に制御装置40に接続されており、制御装置40の制御に応じて駆動される。これにより、回転テーブル22は、モータ23の駆動によって回転することになる。回転テーブル22及びモータ23の回転中心軸が基板回転軸A1となる。
【0017】
液受け部24は、基板Wから飛散した処理液や流れ落ちた処理液を受け取る環状の可動液受け部24aと環状の固定液受け部24bとにより構成されている。液受け部24は、回転テーブル22を囲むように形成されている。つまり、この液受け部24は、回転テーブル22に保持された基板Wの表面が露出するように開口されている。可動液受け部24aは、例えば、シリンダなどの昇降機構(図示せず)により上下方向に移動することが可能に構成されている。可動液受け部24aの上部は、径方向の内側に向かって傾斜している。固定液受け部24bは、ベース体21の上面に固定されており、固定液受け部24bの底面には、処理室11b内の気体や基板Wから排出される処理液(例えば、薬液や純水など)を排出するための配管12が接続されている。
【0018】
配管12は、処理室11b内の気体を外部に排出させる排気ポンプ(不図示)に向かう排気管14と、液受け部24によって受け止められて滴下する処理液を外部に排出するための廃液管13とが接続されている。
【0019】
ノズル25は、回転テーブル22に保持された基板Wに対して処理液を供給する。具体的には、ノズル25は、ベース体21上の所定の位置に設けられたノズル移動機構によって保持され、基板Wを処理する間、下方に向けて処理液を噴出する。ノズル移動機構は、可動アームとアーム揺動機構とを有し、基板Wを処理する際に、ノズル25を基板Wの中心部と基板Wの周辺部との間で往復動させる。具体的には、可動アームは、一方の端部にノズル25が設けられており、他方の端部がアーム揺動機構によって支持されている。アーム揺動機構は、可動アームにおける他方の端部を支点として、可動アームを揺動させる。なお、基板Wの処理が終了すると、アーム揺動機構は、基板Wから離れた待機位置にノズル25を退避させるように、可動アームを揺動させる。
【0020】
FFU26は、内室11の仕切り壁11a上に設けられている。FFU26は、ファンが内蔵されており、ファンの下方にフィルタ(例えば、ULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)等)が設置され、フィルタを通した清浄な気体を、仕切り壁11aを通して処理室11b内に送出する。処理室11b内では、FFU26によって送出された気体により、ベース体21側に向かう下降気流が発生している。
【0021】
イオナイザー27は、細長い棒状(バータイプ)の除電器であり、FFU26の下方に設けられ、静電気を除去する。具体的には、イオナイザー27は、プラス及びマイナスのどちらか一方のイオンを切り替えて放出するように形成されており、FFU26から送出された気体に対してイオンを付与する。これにより、イオンが付与された気体が基板Wに供給され、基板Wの帯電が中和される。
【0022】
気流形成機構30は、液受け部24とFFU26との間、かつ、基板W上に配置されたノズル25(換言すると、可動アーム)の上方に設けられ、FFU26によって発生された下降気流を、液受け部24における開口の内側に集中させる。図1Bは、第1の実施形態に係る気流形成機構30の概要を説明するための模式図である。図1Bに示すように、気流形成機構30は、上端及び下端に円形の開口(上端の開口30a及び下端の開口30b)をそれぞれ有する筒状(リング状)に形成され、回転テーブル22の中心軸と開口30a及び開口30bの中心とが一致するように、イオナイザー27の下方に設置される。そして、気流形成機構30は、処理室11bの天井側に設けられたFFU26によって発生されてイオナイザー27によってイオンが付与された下降気流を、上端の開口30aから取り込み、下端の開口30bから液受け部24の上端の開口24cの内側に送出させる。ここで、気流形成機構30は、気体供給源50によって供給された気体を吐出することで生じる誘引現象及びコアンダ効果により、液受け部24の上端の開口24cの内側に送出させる下降気流(ダウンフロー)を増大させるように形成されている。なお、気流形成機構30の詳細については後述する。
【0023】
制御装置40は、モータ23、気体供給源50を含む各構成を制御する。例えば、制御装置40は、気体供給源50を制御することで、気流形成機構30に対する気体の供給を制御する。
【0024】
気体供給源50は、気流形成機構30と配管を介して接続される。また、気体供給源50が、制御装置40と電気的に接続され、制御装置40による制御に応じて、気流形成機構30に対して気体(例えば、窒素ガスや空気など)を供給する。ここで、気体供給源50と気流形成機構30とを接続する配管には、FFU26と同様のフィルタ(例えば、ULPAフィルタ等)が設置されている。すなわち、気流形成機構30は、フィルタを通した清浄な気体が供給され、供給された清浄な気体を吐出する。
【0025】
以下、本実施形態に係る気流形成機構30の詳細について説明する。図2Aは、第1の実施形態に係る気流形成機構30の側面図である。図2Bは、第1の実施形態に係る気流形成機構30の上面図である。例えば、気流形成機構30は、図2A及び図2Bに示すように、側面に等間隔で4つの気体導入口31aが形成されている。気体導入口31aは、気流形成機構30の内部に形成されたチャンバー(空間)と気流形成機構30の外部とを連通させる。そして、気体導入口31aは、外部側の開口に気体供給源50と接続された配管が接続される。すなわち、気体導入口31aは、気体供給源50から供給された気体を、気流形成機構30の内部に形成されたチャンバーに導入させる導入口である。例えば、気流形成機構30は、4つの気体導入口31aの外周面それぞれが支持部材(図示せず)によって支持されることで、イオナイザー27の下方の位置に保持される。
【0026】
図3は、第1の実施形態に係る気流形成機構30の構成の一例を示す図である。図3に示すように、気流形成機構30は、第1の円環状部材31と第2の円環状部材32とから形成されている。具体的には、気流形成機構30は、気体導入口31aが形成された第1の円環状部材31の内側の壁面が、第2の円環状部材32における外側の壁面の一部を覆うように重ねられて形成されている。すなわち、第2の円環状部材32における上端の外径が、第1の円環状部材31における下端の内径よりも小さく形成され、第2の円環状部材32に対して第1の円環状部材31が重ねられることで、気流形成機構30が形成されている。
【0027】
ここで、気流形成機構30は、第2の円環状部材32に対して第1の円環状部材31が重ねられることで、内部に気体を溜め、圧縮するためのチャンバーが形成されている。図4Aは、第1の実施形態に係る気流形成機構30の概略構成を示す断面図である。なお、図4Aは、図3におけるA-A断面の断面図を示す。すなわち、図4Aは、基板処理装置1における上下方向の断面の断面図である。
【0028】
図4Aに示すように、気流形成機構30は、第2の円環状部材32に対して第1の円環状部材31が重ねられることで、チャンバー33が形成されている。具体的には、気流形成機構30は、第1の円環状部材31の内側の壁面と、第2の円環状部材32の外側の壁面の一部とによって囲まれたチャンバー33が形成されている。ここで、気流形成機構30は、その内部の全周に亘ってチャンバー33が形成されている。
【0029】
チャンバー33は、4つの気体導入口31a(不図示)とそれぞれ繋がるとともに、気流形成機構30の内側の全周に亘って形成されたスリット34(気体吐出部)と繋がる。そして、チャンバー33は、4つの気体導入口31aを介して気体供給源50から気体が供給される。気体供給源50から供給された気体は、チャンバー33内に広がり、スリット34から吐出される。ここで、チャンバー33は、気体供給源50から供給された気体を、スリット34の全周から安定的に吐出することができるようにするためのバッファ機能を有している。具体的には、チャンバー33は、気体供給源50から気体が供給されると、全体に気体が充満した状態となり、継続して供給される気体により、充満した状態を維持しつつ、気体がスリット34から吐出される。
【0030】
このようなバッファ機能を実現するため、チャンバー33は、気体導入口31aとスリット34とが上下方向にずれた位置に繋がっている。図4Bは、第1の実施形態に係る気流形成機構の概略構成を示す断面図である。なお、図4Bは、基板処理装置1における上下方向における気体導入口31aを含む断面の断面図である。図4Bに示すように、気体導入口31aは、チャンバー33の下端側の外壁37に設けられ、気体供給源50から供給される気体をチャンバー33に導入する。また、図4Bに示すように、スリット34は、チャンバー33の上端側の内壁36に設けられる。
【0031】
気体導入口31aと、チャンバー33と、スリット34とを、図4Bに示す位置関係とすることで、4つの気体導入口31aからチャンバー33に導入された気体が、すぐにスリット34から吐出されることなく、チャンバー33内に滞留することとなる。これにより、チャンバー33は、全体に気体が充満した状態となり、気体供給源50から供給された気体が、スリット34の全周から安定的に吐出される。
【0032】
また、気流形成機構30は、図4Aに示すように、第2の円環状部材32の上方に第1の円環状部材31が嵌め込まれ、第2の円環状部材32と第1の円環状部材31とが結合することで形成されている。ここで、第2の円環状部材32と第1の円環状部材31との結合部39は、チャンバー33に供給された気体が漏れないように、高い気密性を有する構造で形成されている。例えば、結合部39は、図4Aに示すように、第1の円環状部材31の内壁下端に切り欠きが形成され、当該切り欠きと係合する切り欠きが第2の円環状部材32の外壁に形成されている。なお、結合部39は、より高い気密性を保つため、シール部材が用いられる場合でもよい。
【0033】
また、図4に示すように、気流形成機構30は、上下方向の断面において、上下方向における中央部が外壁37の方向に湾曲する内壁36と、内壁36に設けられ、下端の開口30bに向かって流れる気体を吐出するスリット34と、上下方向の断面において、外形が上方に向けて膨らんだ曲面であり、外壁37の上端から上方に延在した後、スリット34の位置まで下方に延在する曲面35とを有する。
【0034】
外壁37は、第2の円環状部材32に対して第1の円環状部材31が重ねられた状態での気流形成機構30の外側の壁面であり、第1の円環状部材31の外側の壁面と、第2の円環状部材32の外側の壁面の一部(チャンバー33を形成していない外側の壁面)とによって構成されている。内壁36は、第2の円環状部材32の内側の壁面に相当し、上下方向の断面において、上端側に向かって内側に傾斜するように形成されている。すなわち、第2の円環状部材32は、内径が上端側に向かって徐々に小さくなるように形成されている。
【0035】
曲面35は、第1の円環状部材31の上端側に形成され、第1の円環状部材31の上端から外側の壁面の上端部に向かって下降する曲面と、第1の円環状部材31の上端から内側に向かってスリット34まで下降する曲面とから構成されている。なお、第1の円環状部材31の内側の壁面は、図4に示すように、上下方向の断面において、外形が上方に向けて膨らんだ形状を有し、内側の壁面の端部が曲面35のスリット34側端部と繋がるように形成されている。
【0036】
スリット34は、第1の円環状部材31の内側の壁面において曲面35と繋がる位置近傍の壁面と、第2の円環状部材32の上端側の端面(第2の円環状部材32の外側の壁面と内側の壁面とを繋ぐ平面)とから形成される空間であり、チャンバー33と外部(気流形成機構30の内側)とを連通させる。スリット34は、チャンバー33に供給された気体を、下端の開口30bに向けて流れるように吐出する。また、吐出された気体の一部は、内壁36に沿って下端の開口30bに向かって流れる。すなわち、スリット34は、チャンバー33内で溜められ、圧縮された気体を、気流形成機構30の下端の開口30b方向に拡散して吐出し、この拡散された気体の一部が、内壁36に沿って、下端の開口30b方向に流れる。上記したように、スリット34は、気流形成機構30の全周に亘って内壁36に形成されており、全周から安定的に気体を吐出する。したがって、スリット34は、気流形成機構30の全周から下端の開口30bに向けて気体を拡散して吐出し、気流形成機構30の内壁36全周において、吐出された気体の一部が内壁36に沿って流れる。
【0037】
次に、気流形成機構30のサイズ及び設置位置について説明する。図5は、第1の実施形態に係る気流形成機構30のサイズ及び設置位置を説明するための図である。なお、図5では、図4と同様に、上下方向の断面の断面図を示す。
【0038】
図5に示すスリット34の幅「a」(スリット34を形成する第1の円環状部材31の内側の壁面と第2の円環状部材32の上端側の端面との距離)は、スリット34から吐出される気体の風速が所望の風速となるサイズで形成されている。具体的には、スリット34は、気流形成機構30の上端の開口30a付近において、その周囲の気体を巻き込むことが可能となる程度の風速の下降気流を実現する幅「a」で形成されている。すなわち、スリット34は、誘引現象及びコアンダ効果を起こすことが可能となる風速で気体を吐出する幅「a」(例えば、0.1mm~1.5mm程度)で形成されている。ここで、スリット34から吐出される気体を上記した風速となるようにスリット34において加速しながら吐出させるため、チャンバー33内の圧力が所定の圧力となるように、チャンバー33に供給される気体の圧力が調節される。例えば、0.3Mpa~0.5Mpaの気体がチャンバー33に供給され、チャンバー33内で上記した所定の圧力まで圧縮される。このように、スリット34が所定の幅で形成され、チャンバー33内の圧力が所定の圧力となるように調節されることで、スリット34は、誘引現象及びコアンダ効果を起こすことが可能となる風速の気体を吐出することができる。
【0039】
上記したように、スリット34が誘引現象及びコアンダ効果を起こすことが可能となる風速の気体を吐出することで、気流形成機構30から送出される気体の風量(すなわち、下端の開口30bから送出される気体の風量)が、FFU26からの風量よりも多くなる。すなわち、スリット34から吐出された気流と誘引現象及びコアンダ効果により発生した気流とにより、下端の開口30bから送出される気体の風量が、FFU26からの風量よりも多くなる。例えば、下端の開口30bから送出される気体の風量が、FFU26からの風量の2倍以上となる。
【0040】
また、スリット34の壁の形状は、スリット34における気体の吐出角度「θ」が所望の角度となるように設定される。すなわち、スリット34から吐出される気体の上下方向の広がり具合が、所望の広がり具体となるように、スリット34の壁の形状が設定される。例えば、スリット34から吐出される気体が、気流形成機構30の下端の開口30bに向けて流れ、その一部が内壁36に沿って流れるように広がる角度「θ」で吐出されるように、スリット34の壁の形状が設定される。なお、上記したスリット34の幅「a」及び気体の吐出角度「θ」は、実験やシミュレーション等から最適な数値が決定される。
【0041】
また、図5に示すように、気流形成機構30は、下端の開口30bの内径「b」が、液受け部24の上端の開口24cの内径「c」よりも小さくなるように形成されている。すなわち、気流形成機構30の下端から送出される気流は、気流形成機構30の半径方向に拡散することから、気流形成機構30の下端から送出される気流を、液受け部24の上端の開口24cの内側に集中させるために、下端の開口30bの内径「b」が、液受け部24の上端の開口24cの内径「c」よりも小さくなるように形成されている。
【0042】
また、液受け部24の上端の開口24cと気流形成機構30の下端の開口30bとの距離「d」は、下端の開口30bの内径「b」と、液受け部24の上端の開口24cの内径「c」と、下端の開口30bにおける気流の拡散角度「φ」とに基づいて決定される。すなわち、下端の開口30bにおいて角度「φ」で拡散した気流が、液受け部24の上端の開口24cの内径「c」の内側に収まるように、距離「d」が決定される。ここで、距離「d」は、上記した条件を満たしつつ、アーム揺動機構による可動アームの搖動を阻害しない高さとなるように決定される。なお、上記した下端の開口30bの内径「b」及び距離「d」は、実験やシミュレーション等から最適な数値が決定される。
【0043】
基板処理装置1は、上記した気流形成機構30を備えることで、FFU26から送出する空気の量を増量させることなく、基板の表面に対するダウンフローの風量を増大させることができる。図6は、第1の実施形態に係る気流形成機構30によって形成される気流を説明するための図である。上記したように、気流形成機構30は、気体導入口31aを介してチャンバー33に気体が供給され、スリット34から気流を吐出する。これにより、図6に示すように、気流が、スリット34から気流形成機構30の開口30bに向けて勢いよく吐出される。これは、チャンバー33内で圧縮された気体が、狭い開口のスリット34を通って吐出されるためである。上記したように、スリット34の開口径(幅)は、数ミリ(例えば、0.1mm~1.5mm)程度で形成されている。すなわち、チャンバー33からとても狭いスリット34に向かって気体が流れることから、スリット34内で気流の速度が速くなる(ベルヌーイの定理)。その結果、スリット34から吐出される気体は、勢いよく噴出される。このように、スリット34から気体を勢いよく吐出させることにより、気流形成機構30の上端の開口30aにおいて周囲の気体を巻き込む力が強まり、結果として、気流形成機構30の下端の開口30bから送出される風量が、FFU26からの風量の数倍となる。
【0044】
上記したように、気流形成機構30は、FFU26からの下降気流(FFU26から気流形成機構30の内側に直接入り込む気流)を取り込みつつ、気流形成機構30の周囲(特に、気流形成機構30の上端の周囲)の気体を巻き込むことで、気流形成機構30の下端の開口30bから送出される風量を増大させる。さらに、スリット34から吐出された気体が、気流形成機構30の下端から送出されることで、気流形成機構30の下端(すなわち、開口30b)の周囲にある気体を巻き込み(誘引現象)、下降気流を形成させる。また、さらに、下端の開口30bから送出される下降気流が、その気流の周囲の気体を取り込みながら基板Wへ供給されるため、基板Wへ供給される下降気流の風量は、さらに増大されることとなる。すなわち、気流形成機構30を用いることで、FFU26から送出された風量よりも多くの下降気流を、基板Wに集中的に流すことができる。ここで、気流形成機構30は、周囲にある空気を気流形成機構30内により取り込むため、上端に曲面35が形成され、流れが曲面をなぞるコアンダ効果を発生させている。
【0045】
このように、基板処理装置1は、気体供給源50から気流形成機構30に気体を供給し、スリット34から勢いよく気流を吐出させることで、液受け部24の上端の開口24cの内側にFFU26から送出されるダウンフローより強いダウンフローを形成させることができる。ここで、基板処理装置1は、液受け部24の上端の開口24cの内側に集中させたダウンフローを任意のタイミングで形成させることができる。具体的には、基板処理装置1は、基板Wに対する処理を実行している間、気流形成機構30によってダウンフローを形成させ、基板Wに対する処理が実行されていない間は、気流形成機構30によるダウンフローの形成を停止する。
【0046】
基板Wに対する処理が実行されていないタイミングとしては、例えば、基板Wの処理室11b内への搬出入のタイミングが挙げられる。すなわち、制御装置40は、基板Wの処理室11b内への搬出入の際に、気体供給源50による気体の供給を停止するように制御する。この場合、例えば、制御装置40は、基板Wの搬出入口のシャッタが開いている間、気体供給源50による気体の供給を停止するように制御する。
【0047】
なお、上記した例はあくまでも一例であり、その他任意のタイミングで気流形成機構30によるダウンフローを形成させる場合でもよい。例えば、制御装置40は、基板Wの乾燥工程においてのみ、気流形成機構30によるダウンフローを形成させるように制御してもよい。
【0048】
上記したように、第1の実施形態によれば、処理室11bは、上下方向に対向する仕切り壁11aとベース体21とから形成される。回転テーブル22は、処理室11bのベース体21側に設けられ、基板Wを回転させる。ノズル25は、回転テーブル22に保持された基板Wに対して処理液を供給する。液受け部24は、回転テーブル22を囲むように設けられ、上端に円形の開口24cを有し、回転テーブル22の回転によって回転する基板Wから飛散する処理液を受け止める。FFU26は、処理室11bの仕切り壁11a側に設けられ、処理室11b内に下降気流を発生させる。気流形成機構30は、液受け部24とFFU26との間に設けられ、FFU26によって発生された下降気流を、液受け部24における開口24cの内側に集中させる。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、FFU26から送出する空気の量を増量させることなく、基板Wの表面に対するダウンフローの風量を増大させることができ、基板の表面上での処理液の飛び跳ねや跳ね返りを抑え込むことができる。その結果、基板処理装置1は、処理液の基板Wへの再付着を抑止し、基板品質を向上させることを可能にする。
【0049】
また、基板処理装置1は、FFU26によって発生された下降気流を、液受け部24における開口24cの内側に集中させることで、液受け部24の周辺での乱気流の発生を防止することができる。例えば、液受け部24の周辺(例えば、ノズル25が設けられた位置など)にFFU26からの下降気流が流れた場合、ベース体21の上面において下降気流がはねかえり、乱気流が生じる場合がある。このような乱気流は、処理液のミストが発生した場合に、処理液のミストを処理室内で舞い上がらせ、基板Wへの再付着を発生させるおそれがある。本実施形態に係る基板処理装置1は、液受け部24における開口24cの内側に下降気流を集中させることで、このような乱気流の発生を防止し、処理液のミストが発生した場合でも、処理液のミストが処理室11b内で舞い上がることを抑止することができる。その結果、基板処理装置1は、処理液の基板Wへの再付着を抑止することができる。
【0050】
また、第1の実施形態によれば、気流形成機構30は、上端及び下端に円形の開口をそれぞれ有する筒状に形成され、上下方向の断面において、上下方向おける中央部が外壁37の方向に湾曲する内壁36と、内壁36に設けられ、下端の開口30bに向かって流れる気体を吐出するスリット34と、上下方向の断面において、外形が上方に向けて膨らんだ曲面であり、外壁37の上端から上方に延在した後、スリット34の位置まで下方に延在する曲面35と、を有し、上端の開口30aから下降気流を取り込み、下端の開口30bから液受け部24における開口24cの内側に下降気流を送出させる。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、誘引現象及びコアンダ効果を発生させてダウンフローを増幅させることができ、FFU26からの風量を削減させることができる。その結果、基板処理装置1は、基板処理に係る消費エネルギーを低減させることができる。
【0051】
また、基板処理装置1は、下降気流を液受け部24における開口24cの内側に集中させることで、処理液の排出効率を向上させることができる。上記したように、基板処理装置1は、従来のFFUのみの下降気流を発生させている場合と比較して、液受け部24内に流れる気流の量が増大している。そのため、液受け部24内を流れる気流の流速も早くなり、基板Wから飛散する処理液のミスト及び基板Wの周辺に漂うミストを配管12に送り込みやすくなる。このように、基板処理装置1は、処理液のミストを効率よく排出させることができ、その結果、処理液のミストが基板Wの周辺に漂うことを抑制し、基板Wの上面への処理液の再付着を抑制することができる。
【0052】
また、第1の実施形態によれば、気流形成機構30の下端の開口30bの内径は、液受け部24の上端の開口24cの内径よりも小さい。また、気流形成機構30は、下端の開口30bと液受け部24の上端の開口24cとの距離が、下端の開口30bの内径と、液受け部24の上端の開口24cの内径と、下端の開口30bにおける気流の拡散角度とに基づく距離となるように、処理室11b内に設けられている。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、気流の拡散を考慮することができ、下降気流を液受け部24における開口24cの内側により精度よく集中させることができる。
【0053】
また、第1の実施形態によれば、イオナイザー27が、FFU26の下方が設けられ、静電気を除去する。気流形成機構30は、イオナイザー27の下方に設置される。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、イオナイザー27によってイオンが付与された下降気流を、液受け部24における開口24cの内側に集中させることができ、基板Wの帯電を中和することができる。
【0054】
また、第1の実施形態によれば、気体供給源50は、スリット34によって吐出される気体を供給する。気流形成機構30は、第1の円環状部材31と第2の円環状部材32とから形成される。第1の円環状部材31と第2の円環状部材32とは、気体を溜め、圧縮するためのチャンバー33を形成する。スリット34は、気体供給源50からチャンバー33に供給された気体を吐出する。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、スリット34から安定して気体を吐出させることができる。
【0055】
また、気体が供給されるチャンバー33を2つの部材(第1の円環状部材31と第2の円環状部材32)によって形成する構成とすることで、気流形成機構30を分解して洗浄することができる。したがって、チャンバー33内を常に清浄な状態に保つことができ、基板Wに対して汚染された気体を供給することを防止して、基板Wの汚染の発生を回避することができる。
【0056】
また、第1の実施形態によれば、気体供給源50から供給される気体をチャンバー33に導入する気体導入口31aが、チャンバー33の下端側の外壁37に設けられ、スリット34が、チャンバー33の上端側の内壁36に設けられる。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、チャンバー33全体に気体が充満した状態を作ることができ、スリット34の全周から安定的に気体を吐出させることができる。
【0057】
また、第1の実施形態によれば、制御装置40は、気体供給源50による気体の供給を制御する。制御装置40は、基板Wの処理室11b内への搬出入の際に、気体供給源50による気体の供給を停止するように制御する。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、基板Wの搬出入時に、基板Wに対して不要な強いダウンフローをあてることを回避することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 基板処理装置
11b 処理室
22 回転テーブル
24 液受け部
24c、30a、30b 開口
25 ノズル
26 FFU
27 イオナイザー
30 気流形成機構
31 第1の円環状部材
31a 気体導入口
32 第2の円環状部材
33 チャンバー
34 スリット
35 曲面
36 内壁
37 外壁
40 制御装置
50 気体供給源
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6