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  • 特開-管継手 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020746
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 19/08 20060101AFI20240207BHJP
   F16L 33/22 20060101ALI20240207BHJP
   F16L 47/04 20060101ALI20240207BHJP
   F16L 33/28 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
F16L19/08
F16L33/22
F16L47/04
F16L33/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123168
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】坂本 武司
(72)【発明者】
【氏名】林 直輝
【テーマコード(参考)】
3H014
3H017
3H019
【Fターム(参考)】
3H014BA04
3H014GA16
3H017HA02
3H017HA15
3H017JA05
3H019JA01
(57)【要約】
【課題】確実な施工ができる管継手を提供する。
【解決手段】樹脂管の管端部に圧入され、管端部を拡径するインナーコアと、管端部を挿込可能な筒部であって、筒外面に形成される雄ねじ部と、筒内面に管端部を挿し込む開口側より筒内側ほど縮径するテーパー状内面とを備える筒部を含む継手本体と、樹脂管が挿通される環状部材であって、筒部の内部に挿入されてテーパー状内面で縮径されることにより、筒内面と管端部との間をシールし、かつ管端部を締め込む締部と、環状部材の径内方に凸となるように構成され、管端部の外面に食い込む食込部と、を備える環状部材と、ナット内面に雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を備え、雌ねじ部と雄ねじ部の螺合によって筒部の内部に挿入された環状部材をテーパー状内面に押し付ける押付部を備えるナットと、を備え、雄ねじ部には目印部が設けられ、雌ねじ部の始端部が目印部に位置した状態で締部がシールして締め込んだ状態となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂管の管端部に圧入されて、前記管端部を拡径するインナーコアと、
前記管端部を軸方向の一端側の開口から挿込み可能で、且つ内部が通水孔となる筒状の筒部であって、筒外面に形成される雄ねじ部と、筒内面に形成され、前記軸方向の他方側ほど縮径するテーパー状内面とを備える筒部を含む継手本体と、
前記樹脂管が挿通される環状部材であって、前記筒部の内部に挿入されて前記テーパー状内面で縮径されることにより、前記筒部の前記筒内面と前記管端部との間をシールし、かつ前記樹脂管が抜けないように前記管端部を締め込む締部と、前記環状部材における径内方に凸となる凸部を有し、該凸部が前記管端部の外面に食い込む食込部と、を備える環状部材と、
ナット内面に前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を備え、該雌ねじ部の前記雄ねじ部への螺合によって前記筒部の内部に挿入された前記環状部材を前記テーパー状内面に押し付ける押付部を備えるナットと、を備え、
前記雄ねじ部又は該雄ねじ部よりも前記軸方向の他方側の部位には目印部が設けられ、
前記ナットの前記軸方向の他方端部が前記目印部に位置した状態で前記環状部材の前記締部が前記シールして締め込んだ状態となる、管継手。
【請求項2】
前記雄ねじ部におけるねじ山の終端部が前記目印部として構成される、請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記インナーコアは、前記樹脂管に圧入される方向における基端側ほど先端側よりも大径となるテーパー状のコア外面を有して該コア外面によって前記管端部を拡径する拡径部と、前記拡径部よりも径外方に配置される鍔部と、を備え、
前記鍔部は、前記インナーコアを前記樹脂管に圧入した際に、前記管端部の管端面と対向配置される、請求項1又は2に記載の管継手。
【請求項4】
前記拡径部は、前記樹脂管に圧入される方向における基端側ほど先端側よりも内径が大径となるテーパー状のコア内面を有し、且つ前記コア外面と前記コア内面との間の肉厚が均一である、請求項3に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の管継手として、例えば、特許文献1記載の軟質管用継手がある。この軟質管用継手は、テーパ状に形成され、先端部の外径は軟質性樹脂で作られたパイプの内径よりも小さく、基部において外径は前記パイプの内径よりも大きくなっているパイプ取付部を有する継手本体と、リングと、ナットとを備える。また、前記継手本体は、上記に加えて、前記パイプ取付部の内端部において外方に拡がる肩部と、該肩部に関して前記パイプ取付部と反対側に設けられたネジ部とを有する。さらに、リングは、外端部付近のストレート部分であって内径が取付前の前記パイプの外径よりも若干大きくされているストレート部分と内端面側のテーパ部分から構成される内側の孔及び外端部の外周面に設けられた傾斜面を備える。前記ナットは、後端部内周面に傾斜面が設けられると共に、前記継手本体の前記ネジ部に螺合して取り付けられ、その内部に前記リングを収納する。また、前記リングの前記内端面には段部が設けられ、前記段部の肩部の内径は、前記パイプ取付部に取り付けられて拡径されている前記パイプの先端付近の外径よりも小さい。
【0003】
この軟質管用継手を用いる際には、まず、前記パイプの端部に前記ナット及び前記リングを挿通した後、前記パイプの端部を前記パイプ取付部に被着することによって前記パイプを拡径させ、前記パイプの先端を前記継手本体の前記肩部に当接する。次に、前記ナットを前記継手本体に対して回転させ締めていくと、前記リングの前記傾斜面が前記ナットの前記傾斜面によって押圧されることにより、前記リングが前記継手本体の前記肩部側に移動する。それにつれて、前記リングの前記テーパ部分が、前記パイプを前記継手本体の前記パイプ取付部に対して押圧挟持すると共に、前記パイプの外表面付近の材料に塑性流動を起こさせる。そして、前記リングの前記内端面が前記継手本体の前記肩部に当接したときに、前記パイプの端部に前記パイプの塑性変形によってフランジが形成され、このフランジは前記リングの段部内に収受されて、前記継手本体の前記肩部と前記リングの前記肩部との間で圧縮挟持される。したがって、強大な保持力が得られると共に、優れた気密性、液密性を有し、別途のシール部材が不要である。また、前記リングが前記継手本体に当接するまで前記ナットを締付けることにより所定のフランジが形成され、所定の保持力が得られることとなるので、作業者によるバラツキが無くなり、従来この種の継手連結時に用いられていたトルクレンチ等の特殊工具の使用も不要となる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1-77188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1記載の軟質管用継手にあっては、前記リングのテーパ部分が前記パイプの端部を塑性変形させて前記フランジを形成し、該フランジを前記継手本体の前記肩部と前記リングの肩部との間で圧縮挟持する構成であるので、前記ナットの締め込みが進んで前記パイプの端部の塑性変形によるフランジ形成が進むほど、前記ナットを締めるトルクが急激に大きくなる。そうすると、例えば、未熟な作業者などは、前記リングの前記内端面が前記継手の前記肩部に当接していないにもかかわらず、施工上、必要な規定の締付トルクに至らないまま、当接したと錯覚して作業を完了してしまう施工不良が起こりえるので、上記特許文献1記載の軟質管用継手では、確実な施工は実質的にできない。
【0006】
そこで、本発明は、確実な施工ができる管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、樹脂管の管端部に圧入されて、前記管端部を拡径するインナーコアと、前記管端部を軸方向の一端側の開口から挿し込み可能で、且つ内部が通水孔となる筒状の筒部であって、筒外面に形成される雄ねじ部と、筒内面に形成され、前記軸方向の他方側ほど縮径するテーパー状内面とを備える筒部を含む継手本体と、前記樹脂管が挿通される環状部材であって、前記筒部の内部に挿入されて前記テーパー状内面で縮径されることにより、前記筒部の前記筒内面と前記管端部との間をシールし、かつ前記樹脂管が抜けないように前記管端部を締め込む締部と、前記環状部材における径内方に凸となる凸部を有し、該凸部が前記管端部の外面に食い込む食込部と、を備える環状部材と、ナット内面に前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を備え、該雌ねじ部の前記雄ねじ部への螺合によって前記筒部の内部に挿入された前記環状部材を前記テーパー状内面に押し付ける押付部を備えるナットと、を備え、前記雄ねじ部又は該雄ねじ部よりも前記軸方向の他方側の部位には目印部が設けられ、前記ナットの前記軸方向の他方端部が前記目印部に位置した状態で前記環状部材の前記締部が前記シールして締め込んだ状態となる、管継手である。
【0008】
前記構成によれば、前記環状部材に前記樹脂管を挿通し、前記インナーコアが前記樹脂管の前記管端部に圧入されて前記管端部を拡径した状態で、前記管端部を前記軸方向の一方側の開口から前記筒部に挿し込み、前記雌ねじ部を前記雄ねじ部に螺合することによって、前記押付部が前記環状部材を前記テーパー状内面に押し付けると、前記締部が前記テーパー状内面で縮径される。ここで、前記雄ねじ部又は該雄ねじ部よりも前記軸方向の他方側の部位には前記目印部が設けられ、前記ナットの前記軸方向の他方端部が前記目印部に位置するまで螺合させると、前記締部が、前記筒部の前記筒内面と前記管端部との間をシールすると共に前記管端部を締め込み、また、前記食込部が前記管端部の外面に食い込み可能となる。このように、前記ナットの前記軸方向の他方端部が前記目印部に位置するまで前記雄ねじ部に対して前記ナットを螺合することで、前記筒部の前記筒内面と前記管端部との間からの水漏れを防止できると共に、前記樹脂管が前記環状部材から抜けることを防止できる。
【0009】
また、本発明では、前記雄ねじ部におけるねじ山の終端部が前記目印部として構成されていてもよい。
【0010】
前記構成によれば、前記雄ねじ部におけるねじ山の前記終端部が前記目印部として構成されるため、前記終端部が見えなくなるまで前記雌ねじ部と前記雄ねじ部とを螺合することにより、前記水漏れの防止と前記樹脂管の抜け防止ができる。
【0011】
また、本発明では、前記インナーコアは、前記樹脂管に圧入される方向における基端側ほど先端側よりも大径となるテーパー状のコア外面を有して該コア外面によって前記管端部を拡径する拡径部と、前記拡径部よりも径外方に配置される鍔部と、を備え、前記鍔部は、前記インナーコアを前記樹脂管に圧入した際に、前記管端部の管端面と対向配置されていてもよい。
【0012】
前記構成によれば、前記樹脂管に引き抜き力が作用したときに、前記鍔部が前記管端部を締め込んでいる前記締部に対して近付く方向に力が作用するため、前記鍔部と前記締部とで前記管端部に圧縮力を作用させることができる。この圧縮力の反作用によって、前記環状部材を前記押付部に押し付けることができるから、前記樹脂管の前記管端部に対して、前記締部をさらに締め込むと共に前記食込部を食い込ませることができ、前記樹脂管が引き抜けないようにできる。
【0013】
また、本発明では、前記拡径部は、前記樹脂管に圧入される方向における基端側ほど先端側よりも内径が大径となるテーパー状のコア内面を有し、且つ前記コア外面と前記コア内面との間の肉厚が均一であってもよい。
【0014】
前記構成によれば、前記拡径部は前記コア外面と前記コア内面との間の肉厚が均一であるため、前記拡径部の強度が均一化され、前記樹脂管に対して圧入しやすく、該樹脂管の前記管端部を均等に拡径できる。
【発明の効果】
【0015】
よって、本発明の管継手によれば、前記ナットの前記軸方向の他方端部が前記目印部に位置するまで前記雄ねじ部に対して前記ナットを螺合することで、作業の熟練度に関係なく前記水漏れの防止と前記樹脂管の抜け防止の作業ができるため、確実な施工ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係る管継手の上半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の管継手に係る一実施形態について説明する。
【0018】
以下の説明において、樹脂管Pや管継手1の中心軸Oの方向を「軸方向X」とし、樹脂管Pや管継手1の径の方向を「径方向Y」とする。また、軸方向Xまわりの方向を「周方向」とする。なお、便宜的に、図1の左側を軸方向Xの一方側とし、図1の右側を軸方向Xの他方側とする。
【0019】
説明の便宜上、管継手1が適用される樹脂管Pについて説明する。樹脂管Pは、筒状である。具体的に、樹脂管Pは、管内面Paと管外面Pbとが軸方向Xに沿う円筒状である。そのため、本実施形態の樹脂管Pは軸方向Xにおいて肉厚が均一の管である。図1に示すように、樹脂管Pは、軸方向Xの管端部P1において、管内面Paと管外面Pbとを径方向Yでつなぐ管端面P10を有している。本実施形態の管端面P10は径方向Yに沿う。樹脂管Pは、ポリエチレン等の樹脂により構成されている。
【0020】
管継手1は、例えば樹脂管Pを水道本管から分岐した分岐管(図示及び採番しない)に接続するためのものである。この管継手1は、樹脂管Pの管端部P1に取り付けられる。管継手1は、インナーコア2と、継手本体3と、環状部材4と、ナット5と、を備えている。
【0021】
インナーコア2は樹脂管Pの管端部P1に圧入され、管端部P1を拡径するためのものである。インナーコア2は、金属で構成される。インナーコア2は、樹脂管P内に挿入されて管端部P1を拡径する拡径部20と、拡径部20よりも径方向Yの外側に配置される鍔部21と、拡径部20と鍔部21とを連結する連結角部22と、を備えている。
【0022】
拡径部20は、筒状(具体的には、円筒状)である。拡径部20は、外面として軸方向Xと周方向に広がるコア外面200と、内面として軸方向Xと周方向に広がるコア内面201とを備える。コア外面200は、軸方向Xの全域において、軸方向Xの先端側である一方側から基端側である他方側に進むほど、拡径部20の外径を大径にするテーパー状に構成される。また、コア外面200は、軸方向Xの一方側から他方側において、凹凸のない滑らかなテーパー状の面である。コア内面201は、軸方向Xの全域において、軸方向Xの先端側である一方側から基端側である他方側に進むほど、拡径部20の内径を大径にするテーパー状に構成される。コア内面201は、軸方向Xの一方側から他方側において、凹凸のない滑らかなテーパー状の面である。本実施形態において、コア外面200とコア内面201とは、軸方向Xで互いに平行に延びる。そのため、本実施形態の拡径部20は、軸方向Xにおいて肉厚が均一である。よって、拡径部20は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、内径及び外径が大径になる筒状である。なお、拡径部20は、軸方向Xにおいて樹脂管Pよりも短い。
【0023】
拡径部20は、少なくとも軸方向Xの一方端の外径が樹脂管Pの内径よりも小径である。その一方で、拡径部20は、少なくとも軸方向Xの他方端の外径が樹脂管Pの内径よりも大径である。
【0024】
鍔部21は、径方向Yに延びる。また、本実施形態の鍔部21は、周方向全周に形成されている。鍔部21は、軸方向Xの一方側に径方向Yと周方向とに広がる鍔一方面210を有し、軸方向Xの他方側に径方向Yと周方向とに広がる鍔他方面211を有する。本実施形態の鍔一方面210及び鍔他方面211は、径方向Yに沿って延びる。また、鍔一方面210及び鍔他方面211は、凹凸のない滑らかな面(具体的には、平面)である。鍔部21は、拡径部20よりも軸方向Xの他方側に配置されている。
【0025】
連結角部22は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど径方向Yの外側に傾斜するように構成されている。連結角部22における径方向Yの内面は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、径方向Yの外側に傾斜する連結角内面220として構成されている。この連結角内面220は、軸方向Xの一方側から他方側で凹凸のない滑らかな傾斜状の面である。連結角部22は、拡径部20よりも軸方向Xの他方側に配置されている。本実施形態の連結角部22は、軸方向Xの一方端が拡径部20の軸方向Xの他方端に連結している。また、本実施形態の連結角部22は、軸方向Xの他方端が鍔部21に連結している。
【0026】
継手本体3は、管継手1により接続したい樹脂管Pの管端部P1を挿し込むためのものである。継手本体3は、軸方向Xの一方側から樹脂管Pを挿し込むための筒部としての第一筒部30と、軸方向Xの他方側から樹脂管Pと接続される接続対象としての分岐管を接続するための第二筒部31と、継手本体3の内径を最も小径にする管突当部32とを備える。なお、継手本体3の外面には、径方向Yの外側に突出する突出部33が形成されている。
【0027】
第一筒部30は、内部が通水孔となる筒状である。そのため、第一筒部30は、軸方向Xと周方向に広がる筒外面300及び筒内面30aを有する。筒外面300は、一方筒外面301と、一方筒外面301よりも軸方向Xの他方側に配置される他方筒外面302とを備える。一方筒外面301は、第一筒部30の軸方向Xの一方端に接続され、軸方向Xに沿って延びる。一方筒外面301には、ねじ山が設けられることで、雄ねじ部303が形成されている。この雄ねじ部303は、始端部304が軸方向Xの一方端に設けられ、ねじ山が周方向及び軸方向Xに螺旋状に形成され、終端部305が一方筒外面301の軸方向Xの他方端に形成されている。本実施形態では、雄ねじ部303の終端部305が、後述する雌ねじ部501と螺合する際に利用される目印部305として構成されている。具体的に、雄ねじ部303の終端部305には、径方向Yに面取りされることによってねじ終端面306が形成されている。そして、ねじ終端面306が、目印面306として構成される。なお、この目印面306は、中心軸Oに垂直な面として構成されている。即ち、雄ねじ部303の終端部305は、中心軸Oに垂直となるねじ終端面306を、ねじ山の面取りした側面で形成している。本実施形態の他方筒外面302は、一方筒外面301よりも径方向Yの内側に配置されている。この他方筒外面302は、ねじ終端面306から軸方向Xの他方側に連続している。また、本実施形態の他方筒外面302は、軸方向Xに沿って延びる。ここで、他方筒外面302は、周方向と軸方向Xに広がる面である。そのため、本実施形態の他方筒外面302は、周方向の全域において、軸方向Xに沿って延びる。
【0028】
筒内面30aは、テーパー状内面30bと、テーパー状内面30bよりも軸方向Xの他方側に配置される筒内本体面30cとを備える。テーパー状内面30bは、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、第一筒部30の内径を小径にするテーパー状である。このテーパー状内面30bは、軸方向Xの一方側から他方側まで凹凸のない滑らかなテーパー状の面である。テーパー状内面30bは、第一筒部30の軸方向Xの一方端から軸方向Xの他方側に延びる。テーパー状内面30bは、軸方向Xの他方側の端が雄ねじ部303の目印部305(具体的には、目印面306)よりも軸方向Xの他方側に配置されている。本実施形態では、テーパー状内面30bの軸方向Xの他方側の端が、雄ねじ部303におけるねじ山の1ピッチの長さと同程度、他方側に配置されている。筒内本体面30cは、軸方向Xに沿って延びる。この筒内本体面30cは、軸方向Xでテーパー状内面30bと連続している。よって、第一筒部30の内径は、軸方向Xの一方端が最も大径で、軸方向Xの一方端から軸方向Xの他方側に進むほどテーパー状内面30bによって小径となり、テーパー状内面30bよりも軸方向Xの他方側では筒内本体面30cによって一定である。第一筒部30の内径は、拡径部20により管端部P1が拡径された樹脂管Pの外径よりも大きい。尚、本実施形態の第一筒部30は、軸方向Xにおいて、インナーコア2よりも短い。
【0029】
第二筒部31は、筒状に構成されている。本実施形態では、第二筒部31の外径は第一筒部30の外径よりも大径であり、第二筒部31の内径は第一筒部30の内径よりも大径である。第二筒部31の内面には、周方向の全域にねじ山が形成されることにより、雌ねじ部310が形成されている。この雌ねじ部310は、分岐管の外周面に形成された雄ねじ部(図示及び採番しない)に螺合する。そのため、本実施形態の第二筒部31は、分岐管が挿入されることによって分岐管と接続される。図1に示すように、本実施形態の第二筒部31内には、第二筒部31に挿入された分岐管からの水漏れを防止するためのパッキン311が配置されている。このパッキン311は、環状に構成されている。パッキン311は、軸方向Xの一方端(採番しない)が後述する他方管突当面321に当接した状態で第二筒部31内に配置されている。
【0030】
管突当部32は、第一筒部30の筒内本体面30cから径内方に突設している。そのため、管突当部32は、第一筒部30と第二筒部31との間に配置され、継手本体3における最小径の部位として構成されている。よって、管突当部32は、通水孔の最小径の部位となる。本実施形態の管突当部32は、周方向の全域に形成されている。管突当部32は、軸方向Xの一方側に周方向と径方向Yに広がる一方管突当面320を、軸方向Xの他方側に周方向と径方向Yに広がる他方管突当面321を有する。本実施形態では、一方管突当面320と他方管突当面321とが径方向Yに沿って延びる。一方管突当面320は、筒内本体面30cと連続している。他方管突当面321は、第二筒部31の内面(採番しない)と連続している。また、図1に示すように、他方管突当面321は、パッキン311の軸方向Xの一方端と接触している。さらに、管突当部32は、軸方向Xと周方向に広がり、軸方向Xで一方管突当面320と他方管突当面321とに連続する突当内面322を有する。なお、この突当内面322は、軸方向Xに沿って延びる。突当内面322は、第一筒部30及び第二筒部31の内面よりも内径側に配置されている。また、突当内面322は、環状のパッキン311の内面(採番しない)よりも径内側に配置されている。
【0031】
突出部33は、第一筒部30の筒外面300及び第二筒部31の外面に跨るように、継手本体3の外面に形成されている。本実施形態では、突出部33が周方向の全周に設けられている。この突出部33は、軸方向Xの一方端が他方筒外面302から径方向Yに突出している。突出部33は、筒部としての第一筒部300の軸方向Xの他方側に設けられている。この突出部33は、軸方向Xの一方端に、一方端面330を有する。突出部33の軸方向Xの一方端面330は、中心軸Oに対して垂直な面である。そのため、図1に示すように、一方端面330は、筒外面300よりも径外方へ突設している。本実施形態では、周方向の全域において、突出部33の軸方向Xの一方端面330と雄ねじ部303のねじ終端面306との距離が一定である。そのため、本実施形態において、突出部33の軸方向Xの一方端面330は、第一筒部30に目印面306を設けるための基準となる目印基準面として構成されている。
【0032】
環状部材4は、樹脂管Pが挿通可能な環状に構成されている。そのため、環状部材4の内径は、樹脂管Pの外径よりも大径である。本実施形態の環状部材4は、樹脂により構成されている。環状部材4は、軸方向Xの他方側に締部40を備え、締部40よりも軸方向Xの一方側に食込部41を備える。
【0033】
締部40は、筒内面30aと管端部P1との間をシールするためのものである。締部40は、径方向Yの内側に配置される締内面400と、径方向Yの外側に配置される締外面401とを有する。締部40の締内面400は、軸方向Xと周方向に広がるように構成される。締内面400は、軸方向Xに沿って延びる。締内面400は、軸方向Xにおいて凹凸がない滑らかな平面である。軸方向Xに延びる締内面400は、締部40の軸方向Xの他方側端面(採番しない)と交差した状態で連結している。そのため、締部40の内周において、軸方向Xの他方端には、軸方向Xに延びる締内面400と締部40の軸方向Xの他方側端面とが交差することにより尖った角部(採番しない)が構成されている。締部40の内径は、樹脂管Pの外径より大径である。締部40の締外面401は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、締部40の外径を小径にするテーパー状に構成されている。締外面401は、軸方向Xにおいて凹凸なく滑らかな面である。締外面401は、締部40の軸方向Xの他方側端面と交差した状態で連結している。また、締部40の外周において、締外面401と締部40の軸方向Xの他方側端面との連結部分が面取りされている。締部40は、軸方向Xの他方端における外径が第一筒部30の軸方向Xの一方端における内径、及び軸方向Xの途中部分であるテーパー状内面30bにより構成される第一筒部30の内径よりも小径である。一方で、締部40は、軸方向Xの他方端における外径が、少なくとも筒内本体面30cにより構成される第一筒部30の軸方向Xの他方端における内径よりも大径である。また、締部40は、軸方向Xの一方端における外径が第一筒部30の軸方向Xの一方端における内径よりも小径であり、軸方向Xの途中部分及び他方端における内径よりも大径である。
【0034】
食込部41は、樹脂管Pの管外面Pbに食い込むためのものである。この食込部41は、環状部材4における内面において、径方向Yの内方に凸となるように構成されている。食込部41は、環状部材4の内面のうち、締内面400よりも軸方向Xの一方側に形成されている。食込部41の軸方向Xの他方端である終端が締内面400の軸方向Xの一方端に連続している。食込部41は、軸方向Xの一方側で樹脂管Pの管外面Pbに食い込む食込爪410を備える。この食込爪410は、径内方に凸となる凸部として構成され、軸方向Xの他方側に向けて立った爪であり、軸方向Xの一方側に移動する樹脂管Pには食い込み、軸方向Xの他方側に移動する樹脂管Pには食い込まないように構成される。本実施形態では、食込爪410は複数(具体的には、3つ)備わっている。
【0035】
環状部材4の軸方向Xの一方端には、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど環状部材4の外径を拡径する環状傾斜面42が形成されている。環状傾斜面42の径方向Yの長さは、締部40の軸方向Xの他方側端面の径方向Yの長さよりも長い。本実施形態の環状部材4は、締部40よりも軸方向Xの一方側において、周方向の所定間隔ごとに切り欠かれている。そのため、環状部材4は、締部40よりも軸方向Xの一方側に、軸方向Xの一方側から該環状部材4を周方向に切り欠く切欠部43を複数備える。よって、本実施形態では、環状部材4が切欠部43によって周方向に切り欠かれていることにより、食込部41や環状傾斜面42は、周方向に複数配置されている。
【0036】
ナット5は、樹脂管Pを継手本体3に挿入した状態で固定するために用いられる。ナット5は、筒状に構成されている。なお、ナット5は、金属で構成される。ナット5は、筒状のナット本体50と、ナット本体50よりも軸方向Xの一方側に配置される押付部51とを備える。ナット本体50のナット内面500は、軸方向Xに沿って延びる。ナット本体50は、ナット内面500にねじ山が形成されることにより、雄ねじ部303と螺合可能に構成された雌ねじ部501を備える。本実施形態の雌ねじ部501は、ナット本体50のナット内面500全域に形成されている。雌ねじ部501は、ナット本体50の軸方向Xの他方端に始端部502を備える。始端部502は、軸方向Xの他方側に進むほど径方向Yの外側に傾斜するねじ山面504と、ねじ山面504よりも軸方向Xの他方側に配置される始端面503とを備える。この始端面503は、ナット5の軸方向Xの他方端部を構成する面として構成され、ナット本体50の軸方向Xの他方側の端面になる。本実施形態では、始端部502が中心軸Oに垂直に面取りされている。そのため、始端面503は中心軸Oに垂直な平面である。ナット本体50は、軸方向Xにおいて、一方筒外面301よりも長い。そのため、ナット内面500全域に形成される雌ねじ部501は、雄ねじ部303よりも軸方向Xで長くなるように配置されている。また、ナット本体50の内径は、環状部材4や第一筒部30、樹脂管Pの外径よりも大径である。
【0037】
押付部51は、ナット本体50の軸方向Xの一方端に接続されている。押付部51は、軸方向Xの一方側に進むほど、径内側に傾斜するように構成される。押付部51は、周方向の全域に形成されている。押付部51の内径は、環状部材4の外径よりも小さい。押付部51は、径方向Yの内側に押付面510を有する。この押付面510は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、径方向Yの外側に傾斜する傾斜面である。押付面510は、環状部材4が備える環状傾斜面42と略同一の傾斜として構成されている。押付部51の内径は、少なくとも拡径部20により拡径される前の樹脂管Pの外径よりも大径である。
【0038】
続いて、上記のように構成された管継手1を樹脂管Pに接続する手順について説明する。
【0039】
まず、ナット5、環状部材4の順番でナット5及び環状部材4を樹脂管Pに外挿する。具体的に、押付部51がナット本体50よりも軸方向Xの一方側に配置され、食込部41が締部40よりも軸方向Xの一方側に配置されるように、環状部材4とナット5とが樹脂管Pに外挿される。ここで、ナット本体50の内径は環状部材4の外径よりも大径であり、押付部51の内径は環状部材4の外径よりも小さい。そのため、ナット5と環状部材4とが樹脂管Pに外挿された状態では、環状傾斜面42と押付面510とが当接可能で、且つ環状部材4がナット5の内径側に配置可能となる。
【0040】
続いて、インナーコア2が樹脂管Pの管端部P1に圧入される。具体的に、インナーコア2は、軸方向Xの他方側から一方側に向かって樹脂管Pに圧入される。そのため、インナーコア2を樹脂管Pに挿入する際には、インナーコア2が樹脂管Pに圧入される圧入方向の先端側となる軸方向Xの一方側に拡径部20の軸方向Xの一方端が配置され、圧入方向の基端側となる軸方向Xの他方側に鍔部21が配置される。ここで、コア外面200は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、拡径部20の外径を大径にするテーパー状に構成される。また、拡径部20は、少なくとも軸方向Xの一方端の外径が樹脂管Pの内径よりも小径である。そのため、拡径部20は、少なくとも軸方向Xの一方端を樹脂管P内に挿入できる。その一方で、拡径部20は、少なくとも軸方向Xの他方端の外径が樹脂管Pの内径よりも大径となるテーパー形状である。よって、拡径部20を樹脂管P内に挿入した際には、挿入途中において、コア外面200が樹脂管Pの管内面Paに当接し、拡径部20の挿入が停止する。その状態からインナーコア2を樹脂管P内に圧入する。鍔部21の鍔一方面210が管端面P10に当接するまで到達すると、インナーコア2の圧入が完了となる。このように、拡径部20の外径は、樹脂管Pの内径よりも小径の部分と大径の部分とがあるため、拡径部20は、樹脂管Pの管内面Paに当接する管当接部20aと、インナーコア2が樹脂管Pに圧入される方向において該管当接部20aよりも先端側に配置され、樹脂管Pの管内面Paに当接しない管非当接部20bとをコア外面200に備える。
【0041】
管非当接部20bを軸方向Xの一方側である先端側から樹脂管P内に挿入し、管非当接部20bの基端側で、管当接部20aの軸方向Xの一方端である先端となる管当接先端点20cを樹脂管Pの管内面Paに当接することにより、拡径部20の樹脂管Pへの挿入が一旦停止する。そのため、ハンマーで軸方向Xの他方側から鍔部21をたたき、インナーコア2を軸方向Xの他方側から一方側に押圧する。これにより、樹脂管Pの内径よりも大きい外径を有する管当接部20aが樹脂管Pの管内面Paに当接しながら、拡径部20が樹脂管Pを径外方に押し広げる。よって、インナーコア2が樹脂管P内に圧入されて、樹脂管Pの管端部P1が拡径される。鍔一方面210が管端面P10に当接したら、インナーコア2の樹脂管P内への圧入は完了である。ここで、インナーコア2のコア外面200は、軸方向Xの一方側から他方側において、凹凸のない滑らかなテーパー状の面である。そのため、インナーコア2の樹脂管Pへの圧入時の負荷が低減され、圧入作業における負荷が低減される。なお、インナーコア2を圧入した分だけ、樹脂管Pの外径は大径になる。図1に示すように、連結角部22の連結角内面220は、管当接先端点20cを通る軸方向Xの仮想線Cよりも径外方に位置する。なお、拡径部20は、軸方向Xにおいて樹脂管Pよりも短い。そのため、インナーコア2の樹脂管Pへの圧入が完了すると、拡径部20の軸方向Xの一方端は、樹脂管P内に配置される。
【0042】
次に、軸方向Xの一方側から、インナーコア2が圧入された樹脂管Pの管端部P1を第一筒部30内に挿入する。ここで、第一筒部30内に樹脂管Pの管端部P1を挿入するよりも前の段階で、第二筒部31が分岐管に接続されていてもよい。この場合、具体的に、第二筒部31の内面に形成された雌ねじ部310を分岐管の外面に形成された雄ねじ部に螺合させることにより、軸方向Xの他方側から第二筒部31に分岐管を接続すると共に、分岐管の管端面をパッキン311に当接させる。
【0043】
第一筒部30の内径は、拡径部20により管端部P1が拡径された樹脂管Pの外径よりも大きい。そのため、樹脂管Pの管端部P1を第一筒部30内に挿入できる。そして、樹脂管Pの管端部P1を第一筒部30内に挿入し、鍔他方面211を一方管突当面320に対向配置させる。具体的に、本実施形態では、樹脂管Pの管端部P1を第一筒部30内に挿入して鍔他方面211を一方管突当面320に当接させる。ここで、本実施形態の第一筒部30は、軸方向Xにおいて、インナーコア2よりも短い。そのため、鍔他方面211を一方管突当面320に当接させた際には、第一筒部30の軸方向Xの一方端は、拡径部20の軸方向Xの一方端よりも軸方向Xの他方側に配置される。ここで、図1に示すように、樹脂管Pの管端部P1を第一筒部30内に挿入すると、管突当部32(具体的には、突当内面322)は、管当接先端点20cを通る軸方向Xの仮想線Cよりも径外方に位置する。また、鍔他方面211を一方管突当面320に当接させた状態では、連結角部22(具体的には、連結角内面220)と管突当部32(具体的には、突当内面322)とは軸方向Xで隣り合って配置される。
【0044】
それから、ナット5を軸方向Xの一方側から他方側に移動させ、雌ねじ部501を雄ねじ部303に螺合させる。ここで、ナット本体50の内径は第一筒部30の外径よりも大径である。そのため、ナット本体50のナット内面500に形成された雌ねじ部501を雄ねじ部303に螺合できる。また、雄ねじ部303の始端部304と雌ねじ部501の始端部502とが螺合した状態で、環状部材4(具体的には、締部40における軸方向Xの他方側の端部)は、第一筒部30の軸方向Xの一方端の近傍に位置している。これにより、ナット5の雄ねじ部303に対する最初のかかりを形成しやすくなり、締付作業における負荷を低減できる。ナット5を軸方向Xの一方側から他方側に移動させることにより、環状傾斜面42と略同一の傾斜として構成されている押付面510が、全面で環状傾斜面42に当接し、環状傾斜面42を軸方向Xの他方側に押圧する。よって、ナット5に押されて、環状部材4が軸方向Xの他方側に移動する。ここで、締部40は、少なくとも軸方向Xの他方側の端部における外径が第一筒部30の軸方向Xの一方端における内径よりも小径である。そのため、ナット5により押されて軸方向Xの他方側に移動する環状部材4は、第一筒部30内に挿入される。そして、雌ねじ部501を雄ねじ部303に螺合させて、ナット5を締め込んで軸方向Xの他方側に進めていくことにより、環状傾斜面42が押付面510によって軸方向Xの他方側に押され、環状部材4が第一筒部30内を軸方向Xの他方側に押し込まれるように進む。この際には、締部40の締外面401が、テーパー状内面30bに押し付けられるとともに、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、第一筒部30の内径を小径にするテーパー状内面30bによって径方向Yの内側に押され、締部40が縮径する。具体的には、図1に示すように、締外面401の軸方向Xの他方側が、テーパー状内面30bに密に押圧されることで、環状部材4と第一筒部30との間がシールされる。また、締部40の内周において、軸方向Xと径方向Yとが交差することにより構成された角部が樹脂管Pの管外面Pbに密に押圧されることで、環状部材4と樹脂管Pとの間がシールされる。よって、第一筒部30の筒内面30aと樹脂管Pの管外面Pbとの間をシールできる。さらに、締部40が縮径することに伴って、締内面400は、径方向Yの内側に押されて樹脂管Pを径外側から締め込むように、管外面Pbに食い込む。これにより、樹脂管Pの第一筒部30からの抜け止めがなされる。
【0045】
また、環状部材4は、締部40の軸方向Xの一方側に食込部41を備える。そのため、ナット5を締め込んで環状部材4を軸方向Xの一方側から他方側に進めるように第一筒部30内に押し込んでいくことにより、締部40はテーパー状内面30bによって縮径されるのに対して、食込部41は実質的に縮径されない。つまり、環状部材4が第一筒部30内に押し込まれると、締部40は、軸方向Xの他方側である先端側で縮径されるのに対し、食込部41は、軸方向Xの他方側に移動する。よって、ナット5を締め込むときのトルクを低減でき、締付作業の負荷を軽減できる。
【0046】
雌ねじ部501の始端部502を雄ねじ部303の終端部305としての目印部305に位置させて、終端部305が見えなくなるまで雄ねじ部303と雌ねじ部501とを螺合することにより、ナット5の軸方向Xの移動は終了する。これにより、管継手1の樹脂管Pへの接続は完了である。この状態において、食込部41が樹脂管Pの管外面Pbに食い込み可能となる。よって、例えば、樹脂管Pが軸方向Xの一方側から引っ張られて管継手1から抜けそうなときには、食込爪410が軸方向Xの一方側から樹脂管Pの管外面Pbに食い込むことで、樹脂管Pの抜け止めが可能になる。
【0047】
ここで、図1に示すように、本実施形態では、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態で、締部40の軸方向Xの他方端である先端が目印部305よりも軸方向Xの一方側としての第一筒部30の開口側に配置される。また、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態で、締部40の軸方向Xの他方端である先端が目印部305よりも軸方向Xの一方側である第一筒部30の開口側に配置され、締部40よりも径外側には、第一筒部30とナット5とが配置されている。加えて、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態で、第一筒部30の軸方向Xの一方側である開口側の端は、管当接先端点20cと食込部41の軸方向Xの他方端である終端との間の領域に位置する。
【0048】
以上、本実施形態の管継手1によれば、ナット5、環状部材4の順番でナット5及び環状部材4を樹脂管Pに外挿し、拡径部20が樹脂管P内に圧入されて管当接部20aが樹脂管Pの管内面Paに当接することにより管端部P1が拡径した状態で、軸方向Xの一方側から管端部P1を第一筒部30内に挿し込み、雌ねじ部501を雄ねじ部303に螺合することにより、押付面510が環状傾斜面42を軸方向Xの他方側に押し、締部40の締外面401をテーパー状内面30bに押し付けることで、締部40が径方向Yの内側に縮径される。ここで、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置するまで、雌ねじ部501と雄ねじ部303とを螺合させると、締部40がテーパー状内面30bと樹脂管Pの管外面Pbとの間をシールすると共に管端部P1を締め込む。また、食込部41が管端部P1の外面に食い込み可能となる。このように、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置するまで雄ねじ部303に対して雌ねじ部501を螺合することで、筒内面30aのうちのテーパー状内面30bと管端部P1との間からの水漏れを防止できると共に、樹脂管Pが環状部材4から抜けることを防止できる。
【0049】
また、本実施形態では、雄ねじ部303の終端部305が目印部305として構成されるため、終端部305が見えなくなるまで雌ねじ部501と雄ねじ部303とを螺合することにより、一定のトルクを確保できたとして、水漏れの防止と樹脂管Pの抜け防止の作業ができたことがわかる。
【0050】
また、本実施形態では、樹脂管Pに引き抜き力が作用したときには、鍔部21に軸方向Xの一方側への力が作用することで、鍔部21が管端部P1を締め込んでいる締部40に対して近付く方向に力が作用するため、鍔部21と締部40とで管端部P1に圧縮力を作用させることができる。この圧縮力の反作用によって、環状部材4の環状傾斜面42を押付部51の押付面510に押し付けることができるから、締部40をさらに締め込むと共に、食込部41を食い込ませることで樹脂管Pが引き抜けないようにできる。特に、本実施形態では、鍔部21が周方向の全周に形成されているため、樹脂管Pに引き抜き力が作用したときには、周方向の全周において、締部40をさらに締め込むと共に、食込部41を食い込ませることで樹脂管Pが引き抜けないようにできる。
【0051】
また、本実施形態では、押付面510の全面で環状傾斜面42を受けているから、鍔部21と締部40とで管端部P1に作用する圧縮力の反作用によって、環状傾斜面42が押付面510の全面に押し付けられたときに、安定して食込部41を樹脂管Pの管外面Pbに食い込ませることができる。
【0052】
また、本実施形態では、コア外面200とコア内面201とは軸方向Xで平行に延びる。そのため、本実施形態の拡径部20は、軸方向Xにおいて肉厚が均一である。よって、拡径部20の強度が均一化でき、樹脂管Pに対して圧入しやすく、均等に拡径できる。
【0053】
また、本実施形態では、鍔他方面211と一方管突当面320とは径方向Yに沿って延びる。そして、樹脂管Pの管端部P1を第一筒部30内に挿入し、鍔他方面211を一方管突当面320に当接させる。よって、本実施形態によれば、鍔他方面211と一方管突当面320とを面接触させることができる。したがって、鍔他方面211と一方管突当面320との間からの水漏れを防止できる。
【0054】
また、本実施形態では、テーパー状内面30bの軸方向Xの他方側としての筒内側の端は、軸方向Xで目印部305よりも軸方向Xの他方側としての第一筒部30の筒内側に配置される。ここで、図1に示すように、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態では、締部40の軸方向Xの他方端である先端が目印部305よりも軸方向Xの一方側としての第一筒部30の開口側に配置されるため、第一筒部30の軸方向Xの長さを抑えつつ、環状部材4の締部40を目印部305よりも軸方向Xの他方側まで縮径させる余地を残して、管端部P1の締め込みに余裕を持たせることができる。
【0055】
また、本実施形態では、テーパー状内面30bの軸方向Xの他方側としての筒内側の端は、軸方向Xで目印部305よりも軸方向Xの他方側である第一筒部30の筒内側に配置される。そして、図1に示すように、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態では、締部40の軸方向Xの他方端である先端が目印部305よりも軸方向Xの一方側である第一筒部30の開口側に配置され、締部40よりも径外側には、第一筒部30とナット5とが配置されている。そのため、締部40の径外側の剛性を高くできて、しっかりと止水及び抜け止めすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、拡径部20は、樹脂管Pを拡径させるべく樹脂管Pの管内面Paに当接する管当接部20aと、インナーコア2が樹脂管Pに圧入される方向において管当接部20aよりも先端側としての軸方向Xの一方側に配置される管非当接部20bとをコア外面200に備える。そして、図1に示すように、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態では、管当接先端点20cは食込部41の径内側に位置する。そのため、食込部41を確実に樹脂管Pの管外面Pbに食い込ませることができる。
【0057】
また、本実施形態では、雌ねじ部501の始端部502が目印部305に位置した状態では、第一筒部30の軸方向Xの一方側である開口側の端は、管当接先端点20cと食込部41の軸方向Xの他方端である終端との間の領域に位置する。そのため、樹脂管Pに引き抜き力がかかると、鍔部21と押付部51との間で、環状部材4に軸方向Xの圧縮力が作用し、環状部材4が径外方へ逃げようとするが、径外側に配置された第一筒部30の軸方向Xの一方端である開口側の端部で押さえられる。また、管当接部20aが樹脂管Pの管内面Paに当接されることにより、樹脂管Pの管端部P1は、径内側へ逃げないように支持されている。よって、食込部41が樹脂管Pの管外面Pbにしっかり食い込み、樹脂管Pの抜け防止ができる。
【0058】
また、本実施形態では、インナーコア2は、拡径部20と鍔部21とを連結する連結角部22を備え、拡径部20は、樹脂管Pを拡径させるべく樹脂管Pの管内面Paに当接する管当接部20aと、インナーコア2が樹脂管Pに圧入される方向において管当接部20aよりも軸方向Xの一方側である先端側に配置される管非当接部20bとをコア外面200に備え、継手本体3は、第一筒部30における軸方向Xの一方側である開口側の端部とは軸方向Xで反対側の端部に配置され、第一筒部30の筒内面30aよりも径内方へ突設されて、前記開口側から挿し込まれた樹脂管Pの管端部P1が鍔部21を介して当接する管突当部32を備え、連結角部22(具体的には、連結角内面220)と管突当部32(具体的には、突当内面322)とは、管当接先端点20cを通る軸方向Xの仮想線Cよりも径外方に位置し、且つ軸方向Xで隣り合って配置される。そのため、連結角部22と管突当部32とが管当接先端点20cに対して径内に突出せず、しかも、双方の径方向Yの段差を小さく抑えることができるため、管継手1内に水を流した際に、インナーコア2が水の流れを妨げることを防止できる。なお、突当内面322は、軸方向Xに沿って延びるため、管継手1内に水を流した際に、突当内面322は水を軸方向Xに誘導しやすい。
【0059】
また、本実施形態では、コア内面201は、軸方向Xの一方側から他方側の全域において、凹凸のない滑らかなテーパー状の面である。そして、連結角内面220は、軸方向Xの一方側から他方側で凹凸のない滑らかな傾斜状の面である。そのため、拡径部20の軸方向Xの一方端から連結角内面220まで凹凸のない面であるため、インナーコア2内において水の流れをスムーズにできる。さらに、連結角部22(具体的には、連結角内面220)と管突当部32(具体的には、突当内面322)とは、軸方向Xで隣り合っている。よって、コア内面201、連結角内面220、突当内面322と段差を抑えた形状になる。したがって、樹脂管Pに接続された管継手1において、水の流れをスムーズにできる。
【0060】
また、本実施形態では、雄ねじ部303の終端部305には、径方向Yに面取りされることによって中心軸Oに対して垂直な面としてのねじ終端面306が形成され、このねじ終端面306が目印面306として構成されている。そのため、雄ねじ部303と雌ねじ部501とを螺合させて水漏れの防止と樹脂管Pの抜け防止を行うための目印を明確にできる。
【0061】
また、本実施形態では、継手本体3の外面に形成された突出部33の軸方向Xの一方端面330は、中心軸Oに対して垂直な面である。そして、周方向の全域において、突出部33の軸方向Xの一方端面330と雄ねじ部303のねじ終端面306との距離が一定であることにより、一方端面330は目印基準面として構成されている。よって、周方向の全周において、第一筒部30の外面に目印面306を形成しやすい。
【0062】
また、本実施形態では、第一筒部30の内径は、軸方向Xの一方端が最も大径である。そして、軸方向Xの一方側から樹脂管Pが第一筒部30内に挿入される。そのため、第一筒部30内に樹脂管Pを挿入しやすい。
【0063】
また、本実施形態では、押付面510が環状傾斜面42と略同一の傾斜として構成されている。そのため、ナット5は環状部材4に軸方向Xの他方側への力を伝えやすい。
【0064】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0065】
上記実施形態では、管内面Paと管外面Pbとが軸方向Xに沿う場合について説明したが、これに限らず、例えば、管内面Pa及び管外面Pbの少なくとも一方が軸方向Xに沿わないように構成されていてもよい。また、上記実施形態では、樹脂管Pは軸方向Xにおいて肉厚が均一の管である場合について説明したが、例えば、樹脂管Pは、軸方向Xにおいて肉厚が不均一であってもよい。さらに、上記実施形態では、管端面P10は径方向Yに沿う場合について説明したが、これに限らず、例えば、管端面P10は径方向Yに沿っていなくてもよい。
【0066】
上記実施形態では、管継手1は樹脂管Pを分岐管に接続すると説明した。しかし、分岐管に限らず、樹脂管Pに対して接続対象となる通水孔を有する通水部材であればよい。そのため、例えば、管継手1は樹脂管P同士を接続するように構成されていてもよい。この場合、筒部は第一筒部30に加えて、第一筒部30と同様に構成された第二筒部31を備え、第二筒部31には、インナーコア2が圧入されることで拡径された樹脂管Pが挿入されると共に、環状部材4が第二筒部31内に挿入され、ナット本体50の雌ねじ部501を第二筒部31の外面に設けられた雄ねじ部303に螺合することが考えられる。
【0067】
上記実施形態では、連結角部22は、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど径方向Yの外側に傾斜するように構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、連結角部22は、軸方向Xの一方側から他方側に軸方向Xに沿って延び、途中で径方向Yの外側に直角に曲がるように構成されていてもよい。
【0068】
上記実施形態では、コア外面200は、軸方向Xの全域において、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、拡径部20の外径を大径にするテーパー状に構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、コア外面200は、軸方向Xの一方側においては軸方向Xに沿って延びるように構成され、軸方向Xの他方側において、軸方向Xの一方側から他方側に進むほど、拡径部20の外径を大径にするテーパー状に構成されていてもよい。また、コア内面201についても同様であってもよい。
【0069】
上記実施形態では、コア外面200とコア内面201とは、軸方向Xで平行に延び、そのため、拡径部20は、軸方向Xにおいて肉厚が均一であった。しかし、これに限らず、例えば、コア外面200とコア内面201とは、軸方向Xで平行に延びず、拡径部20は、軸方向Xにおいて肉厚が不均一であってもよい。
【0070】
上記実施形態では、鍔部21は、周方向全周に形成されていた。しかし、これに限らず、例えば、周方向に所定間隔をあけて、複数の鍔部21が配置されていてもよい。
【0071】
上記実施形態では、雄ねじ部303の終端部305が目印部305として構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、雄ねじ部303の始端部304と終端部305との間に目印部305が設けられていてもよい。また、この場合、例えば、雄ねじ部303の始端部304と終端部305との間に目印部305として、色や刻印などのマークを付けたり、径内方に凹設された溝を形成することが考えられる。即ち、目印部305は、雄ねじ部303に設けられていれば、これにより、目印部305を目印にして、ナット5を締め込むことができる。
【0072】
上記実施形態では、雄ねじ部303の終端部305が目印部305として構成されることにより、目印部305は雄ねじ部303に設けられている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、目印部は、雄ねじ部303よりも軸方向Xの他方側の部位に設けてもよい。具体的には、他方筒外面302に色や刻印などのマークを付け、或いは他方筒外面302に対して径内方に凹設された溝や径外方に凸設された凸部を形成することにより、他方筒外面302に目印部を設けてもよい。ここで、筒他方外面302に対して径内方に凹設された溝を形成する場合、溝は雄ねじ部303に対して隣接するように設けることができる。この場合、例えば、溝はねじ終端面306から軸方向Xの他方側に隣接して設けることもできる。また、溝は雄ねじ部303に対して軸方向Xの他方側に離間して設けることもできる。この場合、例えば、溝は雄ねじ部303の終端から軸方向Xの他方側に離間して設けることもできる。また、筒他方外面302に対して径内方に凹設された溝や径外方に凸設された凸部を形成する場合、溝や凸部に色を付けるようにしてもよい。これにより、目印部の位置をより鮮明にでき、作業者が確認しやすくなる。さらに、雄ねじ部303よりも軸方向Xの他方側の部位として、例えば、突出部33の一方端面330に目印部を設けるようにしてもよい。この場合、ナット5の軸方向Xの他方端部が一方端面330に当接するように、ナット5を締め込むことが考えられる。加えて、例えば、一方端面330から軸方向Xの一方側に突出する一方端突出部を設け、該一方端突出部が目印部として構成されていてもよい。
【0073】
上記実施形態では、第二筒部31の外径は第一筒部30の外径よりも大径であり、第二筒部31の内径は第一筒部30の内径よりも大径である場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、第二筒部31の外径は第一筒部30の外径以下であり、第二筒部31の内径は第一筒部30の内径以下であってもよい。
【0074】
上記実施形態では、突出部33の軸方向Xの一方端面330が、第一筒部30に目印面306を設けるための基準となる目印基準面として構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、目印基準面は、例えば、一方管突当面320であってもよい。すなわち、目印基準面は、中心軸Oに対して垂直な面として構成される目印面306と平行な面であればよい。
【0075】
上記実施形態では、テーパー状内面30bは、第一筒部30の軸方向Xの一方端から軸方向Xの他方側に延びるように構成されていた。しかし、これに限らず、例えば、第一筒部30の軸方向Xの一方端とテーパー状内面30bとの間には、軸方向Xに沿って延びる筒内連結面が形成され、テーパー状内面30bは、筒内連結面よりも軸方向Xの他方側に配置されていてもよい。
【0076】
上記実施形態では、筒内面30aは、テーパー状内面30bと、テーパー状内面30bよりも軸方向Xの他方側に配置される筒内本体面30cとを備えている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、筒内面30aはテーパー状内面30bのみを備えるように構成されていてもよい。
【0077】
上記実施形態では、筒外面300は、一方筒外面301と、一方筒外面301よりも軸方向Xの他方側に配置される他方筒外面302とを備え、一方筒外面301には、ねじ山が設けられることで、雄ねじ部303が形成されていた。しかし、これに限らず、例えば、雄ねじ部303が一方筒外面301と他方筒外面302とに亘って形成されていてもよい。即ち、雄ねじ部303が筒外面300の全域に形成されていてもよい。ここで、例えば、ナット5の始端面503を一方端面330に当接するまで、雄ねじ部303と雌ねじ部501とを螺合させてもよい。また、この場合において、例えば、上述したように、突出部33の一方端面330に目印部を設けた際には、ナット5の始端面503を一方端面330に当接することで、一定のトルクを確保できたことがわかる。
【0078】
上記実施形態では、ナット5の始端面503がナット5の軸方向Xの他方端部を構成する面として構成される場合について説明した。しかし、これに限らず、ナット5は、始端部502よりも軸方向Xの他方側に突当部を備え、該突当部が、ナット5の軸方向Xの他方端部を構成していてもよい。具体的には、例えば、突当部が始端面503よりも軸方向Xの他方側に配置されている場合や、始端部502が始端面503を備えず、突当部がねじ山面504よりも軸方向Xの他方側に配置されている場合が考えられる。そして、突当部が目印部に位置するまで雄ねじ部303に対して雌ねじ部501を螺合することで、テーパー状内面30bと管端部P1との間からの水漏れを防止できると共に、樹脂管Pが環状部材4から抜けることを防止できる。
【0079】
上記実施形態では、ナット本体50は、軸方向Xにおいて、一方筒外面301よりも長かった。そのため、ナット内面500全域に形成される雌ねじ部501は、雄ねじ部303よりも軸方向Xで長くなるように配置されていた。しかし、これに限らず、例えば、軸方向Xにおいて、雌ねじ部501が雄ねじ部303と略同一の長さに構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1:管継手、2:インナーコア、20:拡径部、200:コア外面、201:コア内面、20a:管当接部、20b:管非当接部、20c:管当接先端点、21:鍔部、210:鍔一方面、211:鍔他方面、22:連結角部、220:連結角内面、3:継手本体、30:第一筒部、300:筒外面、301:一方筒外面、302:他方筒外面、303:雄ねじ部、304:始端部、305:終端部、目印部、306:ねじ終端面、目印面、30a:筒内面、30b:テーパー状内面、30c:筒内本体面、31:第二筒部、310:雌ねじ部、311:パッキン、32:管突当部、320:一方管突当面、321:他方管突当面、322:突当内面、33:突出部、330:一方端面、4:環状部材、40:締部、41:食込部、410:食込爪、42:環状傾斜面、43:切欠部、5:ナット、50:ナット本体、500:ナット内面、501:雌ねじ部、502:始端部、503:始端面、51:押付部、510:押付面、P:樹脂管、P1:管端部、P10:管端面、Pa:管内面、Pb:管外面、X:軸方向、Y:径方向、O:中心軸、C:仮想線
図1