特開 2024-20750 印刷装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024020750

(43)【公開日】2024-02-15

(54)【発明の名称】印刷装置

(51)【国際特許分類】

   B41J 2/01 20060101AFI20240207BHJP

   B41J 2/175 20060101ALI20240207BHJP

【ＦＩ】

B41J2/01 303

B41J2/175 121

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022123173

(22)【出願日】2022-08-02

(71)【出願人】

【識別番号】000002369

【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100179475

【弁理士】

【氏名又は名称】仲井 智至

(74)【代理人】

【識別番号】100216253

【弁理士】

【氏名又は名称】松岡 宏紀

(74)【代理人】

【識別番号】100225901

【弁理士】

【氏名又は名称】今村 真之

(72)【発明者】

【氏名】石倉 拓朗

【テーマコード（参考）】

2C056

【Ｆターム（参考）】

2C056EA22

2C056EA23

2C056FA10

2C056FA13

2C056HA37

2C056HA52

2C056KB37

2C056KC02

(57)【要約】

【課題】簡単にフラットケーブルを適正な配置となるように挿入口に挿入する。
【解決手段】フラットケーブル６０を挿入する挿入口１６１を有するヘッドユニット１６と、フラットケーブル６０を挿入口１６１に挿入する際にフラットケーブル６０をガイドするガイド部１７０と、を備え、ガイド部１７０は、互いに対向する少なくとも２つのガイド部材１７１を有し、互いに対向するガイド部材１７１同士は、フラットケーブル６０の挿入口１６１への挿入方向と平行な面１７３が対向するように配置され、互いに対向するガイド部材１７１同士の平行な面１７３の間隔は、挿入口１６１の長手方向の幅に揃えられている印刷装置１１。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

フラットケーブルを挿入する挿入口を有するヘッドユニットと、
前記フラットケーブルを前記挿入口に挿入する際に前記フラットケーブルをガイドするガイド部と、
を備え、
前記ガイド部は、互いに対向する少なくとも２つのガイド部材を有し、
互いに対向する前記ガイド部材同士は、前記フラットケーブルの前記挿入口への挿入方向と平行な面が対向するように配置され、
互いに対向する前記ガイド部材同士の前記平行な面の間隔は、前記挿入口の長手方向の幅に揃えられていることを特徴とする印刷装置。

【請求項2】

請求項１に記載の印刷装置において、
前記ヘッドユニットは、前記挿入口を複数有し、
複数の前記挿入口のうちの少なくとも２つは、前記挿入方向と交差する方向であって前記平行な面と平行な方向に重ねて配置されることを特徴とする印刷装置。

【請求項3】

請求項２に記載の印刷装置において、
重ねて配置される複数の前記挿入口の長手方向の幅は、揃えられていることを特徴とする印刷装置。

【請求項4】

請求項１から３のいずれか１項に記載の印刷装置において、
前記ガイド部材は、前記ヘッドユニットの位置決め部材を兼ねていることを特徴とする印刷装置。

【請求項5】

請求項４に記載の印刷装置において、
前記ヘッドユニットは、インクを吐出する吐出ユニットと、吐出ユニットにインクを供給するインク供給ユニットと、を有し、
前記ガイド部材は、前記インク供給ユニットを固定可能に構成されていることを特徴とする印刷装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、印刷装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来からフラットケーブルを用いて電気信号を入力する様々な装置が使用されている。例えば、特許文献１には、フラットケーブルのハウジング内における長手方向の位置を規制するための壁状部を有し、壁状部は挿入側が広く差込側に向かうにつれて狭いテーパー状に形成される構成が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１４－６３６２９号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、特許文献１に記載の構成では、フラットケーブルは差し込みやすくなるものの、フラットケーブルを挿入することに伴って長手方向における両側からガイドされるということはないので、フラットケーブルを斜めに差込部に差し込む虞や、フラットケーブルを長手方向にずれた位置で差込部に差し込む虞などがあった。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記課題を解決する為の、本発明の印刷装置は、フラットケーブルを挿入する挿入口を有するヘッドユニットと、前記フラットケーブルを前記挿入口に挿入する際に前記フラットケーブルをガイドするガイド部と、を備え、前記ガイド部は、互いに対向する少なくとも２つのガイド部材を有し、互いに対向する前記ガイド部材同士は、前記フラットケーブルの前記挿入口への挿入方向と平行な面が対向するように配置され、互いに対向する前記ガイド部材同士の前記平行な面の間隔は、前記挿入口の長手方向の幅に揃えられていることを特徴とする。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1】本発明の一実施例の印刷装置としてのプリンターの構成を示す断面図。

【図2】図１のプリンターの構成を示す正面図。

【図3】図１のプリンターの印刷部であってインク供給ユニットを取り外した状態を示す平面図。

【図4】図３の印刷部の斜視図。

【図5】フラットケーブルを取り外した状態で図３の印刷部をＡ－Ａ部分から見た側面断面図。

【図6】図３の印刷部のキャリッジを示す平面図。

【図7】図３の印刷部のヘッドを表す斜視図。

【発明を実施するための形態】

【0007】

以下、本発明を概略的に説明する。
本発明の第１の態様に係る印刷装置は、フラットケーブルを挿入する挿入口を有するヘッドユニットと、前記フラットケーブルを前記挿入口に挿入する際に前記フラットケーブルをガイドするガイド部と、を備え、前記ガイド部は、互いに対向する少なくとも２つのガイド部材を有し、互いに対向する前記ガイド部材同士は、前記フラットケーブルの前記挿入口への挿入方向と平行な面が対向するように配置され、互いに対向する前記ガイド部材同士の前記平行な面の間隔は、前記挿入口の長手方向の幅に揃えられていることを特徴とする。

【0008】

本態様によれば、互いに対向するガイド部材同士はフラットケーブルの挿入口への挿入方向と平行な面が対向するように配置され、互いに対向するガイド部材同士の平行な面の間隔は挿入口の長手方向の幅に揃えられている。すなわち、互いに対向するガイド部材でフラットケーブルを長手方向において両側からガイドしながら挿入口に挿入可能な構成となっている。したがって、フラットケーブルを斜めに挿入口に差し込む虞や、フラットケーブルを長手方向にずれた位置で挿入口に差し込む虞などを軽減でき、簡単にフラットケーブルを適正な配置となるように挿入口に挿入することができる。

【0009】

また、本発明の第２の態様は、前記第１の態様の印刷装置において、前記ヘッドユニットは、前記挿入口を複数有し、複数の前記挿入口のうちの少なくとも２つは、前記挿入方向と交差する方向であって前記平行な面と平行な方向に重ねて配置されることを特徴とする。

【0010】

本態様によれば、複数の挿入口のうちの少なくとも２つは、挿入方向と交差する方向であって平行な面と平行な方向に重ねて配置される。すなわち、１つ当たりのフラットケーブルが長手方向において長くなりすぎないようにフラットケーブルが複数に分けられている。このため、フラットケーブルの長手方向の長さが長くなりすぎることで挿入口が大きくなり装置が大型化するということを抑制することができる。

【0011】

また、本発明の第３の態様は、前記第２の態様の印刷装置において、重ねて配置される複数の前記挿入口の長手方向の幅は、揃えられていることを特徴とする。

【0012】

本態様によれば、重ねて配置される複数の挿入口の長手方向の幅は揃えられている。すなわち、複数のフラットケーブルの長手方向の幅は揃えられている。このため、複数のフラットケーブルを重ねた配置で対応する各々の挿入口に挿入する構成において、複数のフラットケーブルをまとめて長手方向において両側からガイドしながら挿入口に挿入することができる。

【0013】

また、本発明の第４の態様は、前記第１から第３のいずれか１つの態様の印刷装置において、前記ガイド部材は、前記ヘッドユニットの位置決め部材を兼ねていることを特徴とする。

【0014】

本態様によれば、ガイド部材はヘッドユニットの位置決め部材を兼ねている。このため、別途ヘッドユニットの位置決め部材を設ける必要性をなくすことができ、これに伴い、装置の大型化を抑制することができる。

【0015】

また、本発明の第５の態様は、前記第４の態様の印刷装置において、前記ヘッドユニットは、インクを吐出する吐出ユニットと、吐出ユニットにインクを供給するインク供給ユニットと、を有し、前記ガイド部材は、前記インク供給ユニットを固定可能に構成されていることを特徴とする。

【0016】

本態様によれば、ガイド部材はインク供給ユニットを固定可能に構成されている。このため、吐出ユニットとインク供給ユニットとを有するヘッドユニットに対して、別途ヘッドユニットを固定する固定部材を設けることなく位置決め及び固定することができる。

【0017】

以下、本発明を具体的に説明する。
以下の各図においては、互いに直交する３つの軸をＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸として説明する。Ｘ軸に沿う方向を「Ｘ方向」、Ｙ軸に沿う方向を「Ｙ方向」、Ｚ軸に沿う方向を「Ｚ方向」とし、矢印の方向が＋方向であり、＋方向と反対の方向を－方向とする。なお、＋Ｚ方向を「上」又は「上方」、－Ｚ方向を「下」又は「下方」ということもあり、＋Ｚ方向から見ることを平面視あるいは平面的ともいう。また、Ｚ方向＋側の面を上面、これと反対側となるＺ方向－側の面を下面として説明する。

【0018】

まず、図１及び図２を参照しながら、印刷装置としてのプリンター１１の構成を説明する。図１及び図２に示すように、プリンター１１は、例えば、媒体としての用紙９９に、液体としてのインクを吐出することにより、文字や、写真などの画像を形成する。

【0019】

プリンター１１は、筐体１２と、脚部１４と、印刷部１５と、プラテン１９と、第１媒体保持部２３と、第２媒体保持部２４と、を備えている。筐体１２には、画像が形成された後、すなわち、印刷された後の用紙９９を排出する排出口１３が設けられている。筐体１２は、脚部１４によって支持されている。脚部１４は、プリンター１１において、着脱可能である。脚部１４は、プリンター１１が設置される設置面Ａ１に接触する。

【0020】

印刷部１５は、筐体１２に収容されている。印刷部１５は、用紙９９にインクを吐出する。印刷部１５が用紙９９にインクを吐出することによって、用紙９９に画像が印刷される。印刷部１５は、ヘッド１６と、ヘッド１６を搭載するキャリッジ１７と、を有する。ヘッド１６は、インクを吐出する複数のノズル１８を有する吐出ユニット１６Ａと、吐出ユニット１６Ａにインクを供給するインク供給ユニット１６Ｂと、を有する。本実施例のインク供給ユニット１６Ｂは、後述の液体収容部５２から不図示のチューブを介してヘッド１６にインクが供給される部材であるとともに、吐出ユニット１６Ａのノズル１８においてインクのメニスカスを形成するための負圧を発生させる部材である。キャリッジ１７は、用紙９９に対して走査する。具体的には、キャリッジ１７は、筐体１２内において、幅方向Ｗ、すなわち、＋Ｘ方向及び－Ｘ方向に移動する。これにより、ヘッド１６は、用紙９９の幅にわたってインクを吐出する。

【0021】

本実施形態のプリンター１１は、シリアルプリンターである。なお、プリンター１１は、用紙９９の幅にわたって一斉にインクを吐出可能なラインプリンターでもよい。さらには、本実施例のプリンター１１のようにインクを用紙９９に吐出して印刷するインクジェットプリンターのような構成に限定されず、例えば、印刷材料としてトナーを用いて印刷する熱転写式の印刷装置などとしてもよい。プラテン１９は、筐体１２に収容され、印刷部１５と対向して配置されている。プラテン１９は、搬送方向Ｖに搬送される用紙９９を下方から支持する。印刷部１５は、プラテン１９に支持されている部分にインクを吐出する。プラテン１９の搬送方向Ｖには、印刷部１５によって印刷された後の用紙９９を支持する排出支持部２１が配置されている。

【0022】

第１媒体保持部２３は、印刷部１５によって印刷される前の、ロール状に巻き重ねられた用紙９９を保持する。第１媒体保持部２３は、用紙９９が巻き重ねられている繰出軸２５を有する。第１媒体保持部２３は、筐体１２に収容される。

【0023】

第２媒体保持部２４は、印刷部１５によって印刷された後の用紙９９を、ロール状に巻き重ねられた状態で保持する。第２媒体保持部２４は、用紙９９が巻き重ねられた巻取軸２６を有する。巻取軸２６が回転することによって、用紙９９が巻き取られる。第２媒体保持部２４は、例えば、脚部１４に取り付けられている。

【0024】

図２に示すように、プリンター１１は、筐体１２と、脚部１４とが取り付けられた本体フレーム２７を備える。本体フレーム２７は、メインフレーム２８と、ベースフレーム２９と、第１サイドフレーム３１と、第２サイドフレーム３２と、を有する。そして、本体フレーム２７は、連結フレーム４６に取り付けられる。

【0025】

メインフレーム２８は、印刷部１５のキャリッジ１７を支持するフレームである。メインフレーム２８は、Ｘ方向に長尺である。ベースフレーム２９は、プラテン１９を支持するフレームである。ベースフレーム２９は、Ｘ方向に長尺である。第１サイドフレーム３１及び第２サイドフレーム３２は、メインフレーム２８及びベースフレーム２９を支持し、Ｘ方向において、プラテン１９を挟むように配置される。第１サイドフレーム３１及び第２サイドフレーム３２には、脚部１４が取り付けられる。

【0026】

第１サイドフレーム３１は、３つのサイドフレーム３３，３４，３５を有する。サイドフレーム３３は、メインフレーム２８及びベースフレーム２９を支持する。第２サイドフレーム３２は、３つのサイドフレーム４１，４２，４３を有する。サイドフレーム４１は、メインフレーム２８及びベースフレーム２９を支持する。

【0027】

連結フレーム４６は、サイドフレーム３５とサイドフレーム４３とに取り付けられる。サイドフレーム３５及びサイドフレーム４３は本体フレーム２７の一部を構成すると見なすことができるので、サイドフレーム３５とサイドフレーム４３とが載せられる連結フレーム４６は、本体フレーム２７を保持すると見なすことができる。連結フレーム４６には、保持ユニット５３と、電子部品５７と、が配置されている。

【0028】

保持ユニット５３は、インクを収容する液体収容部５２を保持する保持トレイ５４と、インクを受ける液体受け部５６と、を備えている。保持ユニット５３は、例えば、プリンター１１に２つ配置されている。２つの保持ユニット５３の間には、電子部品５７が配置されている。言い換えれば、プラテン１９の下方に、電子部品５７が配置されている。また、電子部品５７以外には、図示しないポンプユニットが配置されている。ポンプユニットは、液体収容部５２から印刷部１５に向けて液体を供給するポンプである。ポンプユニットは、例えば、液体収容部５２内を減圧することによって、印刷部１５にインクを供給する。

【0029】

Ｚ方向において、プラテン１９と電子部品５７との間には、例えば、ベースフレーム２９に固定されたフレーム１００と、フレーム１００に２カ所において取り付けられた樹脂板２００と、が配置されている。フレーム１００は、例えば、図示しないファンのカバーである。なお、プラテン１９と電子部品５７との間に樹脂板２００が配置されればよく、例えば、フレーム１００を介さずにベースフレーム２９に樹脂板２００が取り付けられていてもよく、筐体１２の内部やプリンター１１本体に、樹脂板２００が取り付けられていてもよい。また、樹脂板２００のかわりに樹脂以外の可撓性のシート部材を備えていてもよい。

【0030】

以下に、本実施例のプリンター１１の要部である印刷部１５について、図３から図７を参照して詳細に説明する。本実施例のプリンター１１は、ヘッド１６にフラットケーブル６０を用いて電気信号である印刷データを入力して印刷することが可能な印刷装置である。また、上記のように、印刷部１５はヘッド１６とキャリッジ１７とを有しており、図７で表されるヘッド１６の吐出ユニット１６Ａのうちのノズル１８が形成されたノズル形成部１６２を図６で表されるキャリッジ１７の孔部１７４に通し、図７で表されるヘッド１６の吐出ユニット１６Ａのうちの基部１６３を図６で表されるキャリッジ１７の板状部１７５に載置させることで、吐出ユニット１６Ａはキャリッジ１７に支持される。

【0031】

図３から図６で表されるように、印刷部１５は、フラットケーブル６０を挿入する挿入口１６１としてのコネクターを有するヘッドユニットであるヘッド１６と、フラットケーブル６０を挿入口１６１に挿入する際にフラットケーブル６０をガイドするガイド部１７０と、を備えている。なお、図３で表されるように、フラットケーブル６０としてフラットケーブル６０Ａとフラットケーブル６０Ｂとを有し、フラットケーブル６０Ａは対応する挿入口１６１に対して挿入方向Ｉ１に挿入され、フラットケーブル６０Ｂは対応する挿入口１６１に対して挿入方向Ｉ２に挿入される。さらに詳細には、フラットケーブル６０Ａ及びフラットケーブル６０Ｂはともに先端が図４で表されるように第１部分６０１及び第２部分６０２と２つに分かれており、ヘッド１６には、図５及び図７で表されるように、第１部分６０１の挿入口１６１である第１挿入口１６１Ａ及び第２部分６０２の挿入口１６１である第２挿入口１６１Ｂが、フラットケーブル６０Ａ及びフラットケーブル６０Ｂの両方に対応してＸ方向の両側に設けられている。

【0032】

ここで、図３などで表されるように、ガイド部１７０は、フラットケーブル６０Ａ及びフラットケーブル６０Ｂに対応してガイド部１７０Ａ及びガイド部１７０Ｂと２カ所設けられており、いずれも、互いにＹ方向において対向する少なくとも２つのガイド部材１７１を有している。そして、互いにＹ方向において対向するガイド部材１７１同士は、フラットケーブル６０の挿入口１６１への挿入方向Ｉ１及びＩ２と平行な面１７３が対向するように配置されている。そして、図３から図５で表されるように、互いにＹ方向において対向するガイド部材１７１同士の平行な面１７３の間隔は、フラットケーブル６０の幅、すなわち、挿入口１６１の長手方向の幅に揃えられている。なお、本明細書における「揃えられている」とは、フラットケーブル６０の幅と挿入口１６１の長手方向の幅が公差を含んで概ね同じであれば足りる意味である。

【0033】

本実施例のプリンター１１の印刷部１５はこのような構成となっているため、互いに対向するガイド部材１７１でフラットケーブル６０を挿入口１６１の長手方向（フラットケーブル６０の幅方向に対応する図中のＹ方向）において両側からガイドしながら挿入口１６１に挿入可能である。したがって、本実施例のプリンター１１は、フラットケーブル６０を斜めに挿入口１６１に差し込む虞や、フラットケーブル６０を挿入口１６１の長手方向にずれた位置で挿入口１６１に差し込む虞などを軽減でき、簡単にフラットケーブル６０を適正な配置となるように挿入口１６１に挿入することができる。

【0034】

また、図３、図５及び図７などで表されるように、本実施例のヘッド１６は、挿入口１６１を＋Ｘ方向側の端部と－Ｘ方向側の端部との両方においてＺ方向に並んで２つずつ、すなわち、挿入口１６１を４つ（複数）有している。このように、挿入口１６１を複数有している構成において、複数の挿入口１６１のうちの少なくとも２つは、挿入方向Ｉ１及びＩ２と交差する方向であって平行な面１７３と平行な方向、すなわち、Ｚ方向に重ねて配置されることが好ましい。このような構成とすることで、１つ当たりのフラットケーブル６０が幅方向において長くなりすぎないようにフラットケーブル６０が複数に分けられることとなり、フラットケーブル６０の幅方向の長さが長くなりすぎることで挿入口１６１が大きくなり装置が大型化するということを抑制することができるためである。

【0035】

また、図５及び図７で表されるように、本実施例のプリンター１１においては、Ｚ方向に重ねて配置される複数の挿入口１６１である第１挿入口１６１Ａ及び第２挿入口１６１Ｂの長手方向の幅は、揃えられている。別の表現をすると、本実施例のプリンター１１においては、複数のフラットケーブル６０としての第１部分６０１及び第２部分６０２の幅方向の長さは揃えられている。このため、複数のフラットケーブル６０（第１部分６０１及び第２部分６０２）をＺ方向に重ねた配置で対応する各々の挿入口１６１に挿入する本実施例のプリンター１１の構成において、複数のフラットケーブル６０をまとめて幅方向において両側からガイドしながら挿入口１６１に挿入することができる。

【0036】

また、上記のように、本実施例のプリンター１１においては、ヘッド１６は、インクを吐出する吐出ユニット１６Ａと、吐出ユニット１６Ａにインクを供給するインク供給ユニット１６Ｂと、を有している。ここで、ガイド部材１７１は、ネジ孔１７２を有し、インク供給ユニット１６Ｂをネジ孔１７２にネジ留めすることにより固定可能に構成されている。このような構成とすることで、吐出ユニット１６Ａとインク供給ユニット１６Ｂとを有する本実施例のような構成のヘッド１６に対して、別途ヘッドユニットを固定する固定部材を設けることなく位置決め及び固定することができる。

【0037】

別の表現をすると、本実施例のガイド部材１７１は、ヘッド１６の位置決め部材の役割を兼ねている。このため、本実施例のプリンター１１は、別途ヘッドユニットの位置決め部材を設ける必要性をなくすことができており、これに伴い、装置の大型化を抑制している。

【0038】

本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

【0039】

本発明の上述の実施例以外の構成例としては、例えば、互いに対向するガイド部材１７１同士の平行な面１７３の間隔がフラットケーブル６０の幅（挿入口１６１の長手方向の幅）よりも狭く作られており、該面１７３に挿入方向Ｉ１及びＩ２に延設される溝などを形成してもよい。互いに対向するガイド部材１７１同士の該溝の間隔がフラットケーブル６０の幅に対応することで、Ｙ方向において両側からガイドしながらフラットケーブル６０を挿入口１６１に挿入可能であるとともに、該溝によりＺ方向においてもフラットケーブル６０の位置を規制しつつガイドすることができる。

【0040】

また、上述の実施例では、ヘッド１６をキャリッジ１７に載置した状態でフラットケーブル６０を挿入口１６１に挿入していたが、キャリッジ１７に載置する前のヘッド１６にフラットケーブル６０を挿入してもよい。フラットケーブル６０を挿入口１６１に挿入した後でキャリッジ１７に載置する場合、ガイド部材１７１は、フラットケーブル６０が正しく挿入口１６１に挿入されているか確認するために利用することができる。例えば、フラットケーブル６０が挿入口１６１に正しく挿入されておらず、挿入方向Ｉ１及びＩ２とは交差する方向に斜めに挿入されている場合、フラットケーブル６０が挿入された状態のヘッド１６をキャリッジ１７に載置しようとするとガイド部材１７１とフラットケーブル６０が干渉してしまう。すなわち、ガイド部材１７１によってフラットケーブル６０が正しく挿入口１６１に挿入されているか検出することが可能である。

【符号の説明】

【0041】

１１…プリンター（印刷装置）、１２…筐体、１３…排出口、１４…脚部、１５…印刷部、１６…ヘッド（ヘッドユニット）、１６Ａ…吐出ユニット、１６Ｂ…インク供給ユニット、１７…キャリッジ、１８…ノズル、１９…プラテン、２１…排出支持部、２３…第１媒体保持部、２４…第２媒体保持部、２５…繰出軸、２６…巻取軸、２７…本体フレーム、２８…メインフレーム、２９…ベースフレーム、３１…第１サイドフレーム、３２…第２サイドフレーム、３３…サイドフレーム、３４…サイドフレーム、３５…サイドフレーム、４１…サイドフレーム、４２…サイドフレーム、４３…サイドフレーム、４６…連結フレーム、５２…液体収容部、５３…保持ユニット、５４…保持トレイ、５６…液体受け部、５７…電子部品、６０…フラットケーブル、６０Ａ…フラットケーブル、６０Ｂ…フラットケーブル、９９…用紙（媒体）、１００…フレーム、１６１…挿入口、１６１Ａ…第１挿入口、１６１Ｂ…第２挿入口、１６２…ノズル形成部、１６３…基部、１７０…ガイド部、１７０Ａ…ガイド部、１７０Ｂ…ガイド部、１７１…ガイド部材、１７２…ネジ孔、１７３…面、１７４…孔部、１７５…板状部、２００…樹脂板、Ａ１…設置面

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】