(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020751
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】チューブクランプ及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240207BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B41J2/175 503
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123174
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】石倉 拓朗
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA21
2C056FA10
2C056FA13
2C056KB13
2C056KC02
(57)【要約】
【課題】チューブを保持するチューブクランプがチューブから加わる力によって固定位置から外れることを抑制する。
【解決手段】延在方向に延在するチューブ60の一部を保持するチューブ保持部169を備え、チューブ保持部169は、延在方向と交差する交差方向に延設され、延在方向において端部161aよりも中央部161bが肉厚に形成されているチューブクランプ61。このような構成のチューブクランプ61とすることで、チューブ60から加わる力によって変形し難くなり、保持していたチューブが脱落することを抑制することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延在方向に延在するチューブの一部を保持するチューブ保持部を備え、
前記チューブ保持部は、前記延在方向と交差する交差方向に延設され、前記延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることを特徴とするチューブクランプ。
【請求項2】
請求項1に記載のチューブクランプにおいて、
前記チューブ保持部は、前記交差方向に沿って前記中央部にリブが延設されることを特徴とするチューブクランプ。
【請求項3】
請求項2に記載のチューブクランプにおいて、
前記チューブ保持部は、前記チューブを保持する保持面と、前記保持面とは反対方向の面であって前記リブが形成される反対面と、を有することを特徴とするチューブクランプ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のチューブクランプにおいて、
前記チューブ保持部が前記チューブを保持した状態で固定位置に対してスナップインで係合可能なスナップイン係合部を備えることを特徴とするチューブクランプ。
【請求項5】
請求項4に記載のチューブクランプにおいて、
前記スナップイン係合部を補強する補強部を備えることを特徴とするチューブクランプ。
【請求項6】
媒体にインクを吐出するヘッドと、
前記ヘッドに前記インクを供給するチューブと、
延在方向に延在する前記チューブの一部を保持するチューブ保持部を有するチューブクランプと、
を備え、
前記チューブ保持部は、前記延在方向と交差する交差方向に延設され、前記延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブクランプ及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクを吐出するヘッドとヘッドにインクを供給するチューブとを備える印刷装置が使用されている。このような印刷装置においては、チューブを印刷装置内の所定の固定位置に保持させるためにチューブクランプが使用される場合が多い。例えば、特許文献1には、チューブクランプとして一対の押え部材の間にインク供給チューブを挟持する構成のインク供給チューブ支持機構を備えるインクジェット記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブクランプにはチューブから力が加わる、このため、特許文献1のインク供給チューブ支持機構などの従来のチューブクランプにおいては、チューブから加わる力(チューブ反力)によりチューブ保持部が変形し、保持していたチューブが脱落してしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明のチューブクランプは、延在方向に延在するチューブの一部を保持するチューブ保持部を備え、前記チューブ保持部は、前記延在方向と交差する交差方向に延設され、前記延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、上記課題を解決する為の、本発明の印刷装置は、媒体にインクを吐出するヘッドと、前記ヘッドに前記インクを供給するチューブと、延在方向に延在する前記チューブの一部を保持するチューブ保持部を有するチューブクランプと、を備え、前記チューブ保持部は、前記延在方向と交差する交差方向に延設され、前記延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例の印刷装置としてのプリンターの構成を示す断面図。
【
図3】
図1のプリンターのチューブクランプ周辺を表す斜視図。
【
図4】
図1のプリンターのチューブクランプを表す斜視図。
【
図5】
図1のプリンターのチューブクランプを表す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を概略的に説明する。
本発明の第1の態様に係るチューブクランプは、延在方向に延在するチューブの一部を保持するチューブ保持部を備え、前記チューブ保持部は、前記延在方向と交差する交差方向に延設され、前記延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、チューブ保持部は、交差方向に延設され、延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されている。すなわち、交差方向に延設されるチューブ保持部が、延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることで、交差方向に変形しづらくなっている。このため、チューブを保持するチューブクランプがチューブから加わる力によって変形し難くなり、保持していたチューブが脱落することを抑制することができる。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様のチューブクランプにおいて、前記チューブ保持部は、前記交差方向に沿って前記中央部にリブが延設されることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、チューブ保持部は、交差方向に沿って中央部にリブが延設される。このため、交差方向に沿って中央部にリブが延設されるという簡単な構成で、チューブクランプを交差方向に変形しづらくすることができる。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、前記第2の態様のチューブクランプにおいて、前記チューブ保持部は、前記チューブを保持する保持面と、前記保持面とは反対方向の面であって前記リブが形成される反対面と、を有することを特徴とする。
【0013】
リブを保持面に形成するとチューブを保持する保持面がチューブを保持するのに適切な形状とならなくなる虞があるが、本態様によれば、リブは保持面とは反対方向の反対面に形成される。このため、チューブを保持する保持面がチューブを保持するのに適切な形状となるようにしつつ、チューブクランプを交差方向に変形しづらくすることができる。
【0014】
また、本発明の第4の態様は、前記第1または第2の態様のチューブクランプにおいて、前記チューブ保持部が前記チューブを保持した状態で固定位置に対してスナップインで係合可能なスナップイン係合部を備えることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、チューブ保持部がチューブを保持した状態で固定位置に対してスナップインで係合可能なスナップイン係合部を備える。このため、チューブクランプを所定の固定位置に対して簡単に取り付けることができる。
【0016】
また、本発明の第5の態様は、前記第4の態様のチューブクランプにおいて、前記スナップイン係合部を補強する補強部を備えることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、スナップイン係合部を補強する補強部を備える。このため、スナップイン係合部が破損してチューブクランプが所定の固定位置から外れることを効果的に抑制することができる。
【0018】
また、本発明の第6の態様の印刷装置は、媒体にインクを吐出するヘッドと、前記ヘッドに前記インクを供給するチューブと、延在方向に延在する前記チューブの一部を保持するチューブ保持部を有するチューブクランプと、を備え、前記チューブ保持部は、前記延在方向と交差する交差方向に延設され、前記延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、チューブ保持部は、交差方向に延設され、延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されている。すなわち、交差方向に延設されるチューブ保持部が、延在方向において端部よりも中央部が肉厚に形成されていることで、交差方向に変形しづらくなっている。このため、チューブを保持するチューブクランプがチューブから加わる力によって変形し難くなり、保持していたチューブが脱落することを抑制することができる。
【0020】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下の各図においては、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、及びZ軸として説明する。X軸に沿う方向を「X方向」、Y軸に沿う方向を「Y方向」、Z軸に沿う方向を「Z方向」とし、矢印の方向が+方向であり、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+Z方向を「上」又は「上方」、-Z方向を「下」又は「下方」ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的ともいう。また、Z方向+側の面を上面、これと反対側となるZ方向-側の面を下面として説明する。
【0021】
まず、
図1及び
図2を参照しながら、印刷装置としてのプリンター11の構成を説明する。
図1及び
図2に示すように、プリンター11は、例えば、媒体としての用紙99に、液体としてのインクを吐出することにより、文字や、写真などの画像を形成する。
【0022】
プリンター11は、筐体12と、脚部14と、ヘッドユニット15と、プラテン19と、第1媒体保持部23と、第2媒体保持部24と、を備えている。筐体12には、画像が形成された後、すなわち、印刷された後の用紙99を排出する排出口13が設けられている。筐体12は、脚部14によって支持されている。脚部14は、プリンター11において、着脱可能である。脚部14は、プリンター11が設置される設置面A1に接触する。
【0023】
ヘッドユニット15は、筐体12に収容されている。ヘッドユニット15は、用紙99にインクを吐出する。ヘッドユニット15が用紙99にインクを吐出することによって、用紙99に画像が印刷される。ヘッドユニット15は、ヘッド16と、ヘッド16を搭載するキャリッジ17と、を有する。キャリッジ17は、用紙99に対して走査する。具体的には、キャリッジ17は、筐体12内において、幅方向W、すなわち、+X方向及び-X方向に移動する。これにより、ヘッド16は、用紙99の幅にわたってインクを吐出する。
【0024】
本実施形態のプリンター11は、シリアルプリンターである。なお、プリンター11は、用紙99の幅にわたって一斉にインクを吐出可能なラインプリンターでもよい。プラテン19は、筐体12に収容され、ヘッドユニット15と対向して配置されている。プラテン19は、搬送方向Vに搬送される用紙99を下方から支持する。ヘッドユニット15は、プラテン19に支持されている部分にインクを吐出する。プラテン19の搬送方向Vには、ヘッドユニット15によって印刷された後の用紙99を支持する排出支持部21が配置されている。
【0025】
第1媒体保持部23は、ヘッドユニット15によって印刷される前の、ロール状に巻き重ねられた用紙99を保持する。第1媒体保持部23は、用紙99が巻き重ねられている繰出軸25を有する。第1媒体保持部23は、筐体12に収容される。
【0026】
第2媒体保持部24は、ヘッドユニット15によって印刷された後の用紙99を、ロール状に巻き重ねられた状態で保持する。第2媒体保持部24は、用紙99が巻き重ねられた巻取軸26を有する。巻取軸26が回転することによって、用紙99が巻き取られる。第2媒体保持部24は、例えば、脚部14に取り付けられている。
【0027】
図2に示すように、プリンター11は、筐体12と、脚部14とが取り付けられた本体フレーム27を備える。本体フレーム27は、メインフレーム28と、ベースフレーム29と、第1サイドフレーム31と、第2サイドフレーム32と、を有する。そして、本体フレーム27は、連結フレーム46に取り付けられる。
【0028】
メインフレーム28は、ヘッドユニット15のキャリッジ17を支持するフレームである。メインフレーム28は、X方向に長尺である。ベースフレーム29は、プラテン19を支持するフレームである。ベースフレーム29は、X方向に長尺である。第1サイドフレーム31及び第2サイドフレーム32は、メインフレーム28及びベースフレーム29を支持し、X方向において、プラテン19を挟むように配置される。第1サイドフレーム31及び第2サイドフレーム32には、脚部14が取り付けられる。
【0029】
第1サイドフレーム31は、3つのサイドフレーム33,34,35を有する。サイドフレーム33は、メインフレーム28及びベースフレーム29を支持する。第2サイドフレーム32は、3つのサイドフレーム41,42,43を有する。サイドフレーム41は、メインフレーム28及びベースフレーム29を支持する。
【0030】
連結フレーム46は、サイドフレーム35とサイドフレーム43とに取り付けられる。サイドフレーム35及びサイドフレーム43は本体フレーム27の一部を構成すると見なすことができるので、サイドフレーム35とサイドフレーム43とが載せられる連結フレーム46は、本体フレーム27を保持すると見なすことができる。連結フレーム46には、保持ユニット53と、電子部品57と、が配置されている。
【0031】
保持ユニット53は、インクを収容する液体収容部52を保持する保持トレイ54と、インクを受ける液体受け部56と、を備えている。保持ユニット53は、例えば、プリンター11に2つ配置されている。2つの保持ユニット53の間には、電子部品57が配置されている。言い換えれば、プラテン19の下方に、電子部品57が配置されている。また、電子部品57以外には、図示しないポンプユニットが配置されている。ポンプユニットは、液体収容部52からヘッドユニット15に向けて液体を供給するポンプである。ポンプユニットは、例えば、液体収容部52内を減圧することによって、チューブ60を介してヘッドユニット15にインクを供給する。
【0032】
液体収容部52とヘッド16とは、チューブ60を介して連通しており、液体収容部52に収容されたインクは、ポンプユニットを駆動することによってヘッド16に送られる。チューブ60は、複数のチューブクランプ61に保持され、チューブクランプ61は、例えばメインフレーム28などに対してチューブ60を保持した状態で背面側から固定されている。チューブ60は、
図2で表されるように、背面側においてメインフレーム28に沿って延在方向をY方向及び幅方向Wとして延在する。
【0033】
Z方向において、プラテン19と電子部品57との間には、例えば、ベースフレーム29に固定されたフレーム100と、フレーム100に取り付けられた樹脂板200と、が配置されている。フレーム100は、例えば、図示しないファンのカバーである。なお、プラテン19と電子部品57との間に樹脂板200が配置されればよく、例えば、フレーム100を介さずにベースフレーム29に樹脂板200が取り付けられていてもよく、筐体12の内部やプリンター11本体に、樹脂板200が取り付けられていてもよい。また、樹脂板200のかわりに樹脂以外の可撓性のシート部材を備えていてもよい。
【0034】
以下に、本実施例のプリンター11の要部であるチューブクランプ61について、
図3から
図5を参照して詳細に説明する。
図3から
図5で表されるように、本実施例のチューブクランプ61は、幅方向Wに延在するチューブ60をチューブ60の延在方向(幅方向W)における一部において保持する。本実施例のチューブ60は断面が円環形状となっているが、
図5などで表されるように、本実施例のチューブ保持部169はチューブ60の円環形状の外周面に対応して円弧状の凹部166aが保持面166に形成されている。なお、本実施例のプリンター11においては使用するインクの色に対応して6本のチューブ60を備えているが、チューブ60の数に対応して凹部166aも保持面166に6つZ方向に沿って形成されている。
【0035】
ここで、本実施例のチューブクランプ61は、
図3から
図5で表されるように、チューブ保持部169の保持面166とは反対側の反対面161に、チューブ60の延在方向(幅方向W)と交差する交差方向であるZ方向に延設されるリブ162が形成されている。リブ162は、反対面161においてチューブ60の延在方向と交差する交差方向の全体に亘って連続して形成されている。少なくとも、チューブから加わる力に対してチューブクランプ61を変形し難くするために、保持面166に対応する範囲に対して連続してリブ162が形成されていることが好ましい。別の表現をすると、本実施例のチューブ保持部169は、チューブ60の延在方向と交差する交差方向に延設され、チューブ60の延在方向において反対面161における端部161aよりも中央部161bが肉厚に形成されている。すなわち、本実施例のチューブクランプ61は、交差方向(Z方向)に延設されるチューブ保持部169が、チューブ60の延在方向において端部161aよりも中央部161bが肉厚に形成されていることで、交差方向に変形しづらくなっている。このため、本実施例のチューブクランプ61は、チューブ60を保持するチューブクランプ61がチューブ60から加わる力によって所定の固定位置(チューブクランプ61のメインフレーム28への取付位置)から外れることを抑制することができる構成になっている。このため、チューブ保持部169で保持しているチューブ60がチューブクランプ61から脱落することを抑制し、チューブ60を所定の固定位置で適切に保持することができる。
【0036】
ここで、上記について印刷装置の観点から説明すると、本実施例のプリンター11は、媒体としての用紙99にインクを吐出するヘッド16と、ヘッド16にインクを供給するチューブ60と、延在するチューブ60をチューブ60の延在方向における一部において保持するチューブ保持部169を有するチューブクランプ61と、を備えている。そして、チューブ保持部169は、チューブ60の延在方向と交差する交差方向(Z方向)に延設され、チューブ60の延在方向において端部161aよりも中央部161bが肉厚に形成されている。このため、本実施例のプリンター11は、チューブ60を保持するチューブクランプ61がチューブ60から加わる力によって固定位置から外れることを抑制することができる構成になっている。このため、チューブ保持部169で保持しているチューブ60がチューブクランプ61から脱落することを抑制することができ、プリンター11において、チューブ60を所定の固定位置で適切に保持することができる。
【0037】
また、上記のように、チューブ保持部169は、Z方向に沿って中央部161bにリブ162が延設される構成である。このため、本実施例のチューブクランプ61は、Z方向に沿って中央部161bにリブ162が延設されるという簡単な構成で、チューブクランプ61をZ方向に変形しづらくしている。
【0038】
また、上記のように、本実施例のチューブクランプ61のチューブ保持部169は、チューブ60を保持する保持面166と、保持面166とは反対方向の面であってリブ162が形成される反対面161と、を有する。すなわち、リブ162は保持面166とは反対方向の反対面161に形成される。リブ162を保持面166に形成することとすると、例えば円弧状の凹部166aを形成できなくなるなど、チューブ60を保持する保持面166がチューブ60を保持するのに適切な形状とならなくなる虞がある。しかしながら、本実施例のように、リブ162が保持面166とは反対方向の反対面161に形成される構成とすることで、チューブ60を保持する保持面166がチューブ60を保持するのに適切な形状となるようにしつつ、チューブクランプ61をZ方向に変形しづらくすることができる。
【0039】
また、
図3で表されるように、メインフレーム28におけるチューブクランプ61の取付位置には、第1孔部281と第2孔部282とが設けられている。そして、
図3から
図5で表されるように、チューブクランプ61には、ともに先端がかぎ状に曲がった平板状部材で形成される第1取付部163と第2取付部164とが設けられている。本実施例のチューブクランプ61は、チューブ60を保持した状態で第2取付部164を第2孔部282に通してかぎ状に曲がった部分を引っ掛け、その後、第1孔部281に第1取付部163を通すとともにかぎ状に曲がった部分を引っ掛けることでメインフレーム28に取り付けることができる。
【0040】
ここで、第1取付部163は、かぎ状に曲がった部分が外側に向かう2つの平行な平板状部材で形成されている。ここで、平板状部材は可撓性の樹脂で構成されている。そして、かぎ状に曲がった部分は+Y方向側に向かうにつれて細くなるテーパー形状となっている。このような構成となっていることで、第1取付部163は、チューブ保持部169がチューブ60を保持した状態で固定位置に対してスナップインで係合可能なスナップイン係合部となっている。このため、本実施例のチューブクランプ61は、チューブクランプ61を所定の固定位置に対して簡単に取り付けることができる。
【0041】
具体的には、第1取付部163を第1孔部281に対向する位置から+Y方向に押すことで、第1取付部163の2つの平行な平板状部材が内側に押されつつ+Y方向に第1取付部163が移動し、かぎ状に曲がった部分が第1孔部281を+Y方向に抜けると自動的に2つの平行な平板状部材が外側に開いて固定される。なお、本明細書におけるスナップインとは、凹部及び凸部の形成された2個一組の係合部材を有し、例えば凹部に凸部を押し込むことなどで凹部に凸部を係合させて取り付ける係合機構を意味する。
【0042】
第2取付部164が第2孔部282に取り付けられ、第1取付部163が第1孔部281に取り付けられることで、第1取付部163及び第2取付部164のかぎ状に曲がった部分がメインフレーム28の+Y方向側の表面に引っ掛かり、チューブクランプ61はメインフレーム28に対して-Y方向側に抜けにくくなる。なお、
図3から
図5で表されるように、保持面166には+Y方向側に突出する突起167が2つ形成されており、2つの突起167がメインフレーム28の-Y方向側表面に当接することで、チューブクランプ61はメインフレーム28に対して+Y方向側に移動することも抑制される。
【0043】
また、
図5で表されるように、本実施例のチューブクランプ61においては、スナップイン係合部としての第1取付部163を補強する補強部165が設けられている。このため、本実施例のチューブクランプ61は、スナップイン係合部としての第1取付部163が破損してチューブクランプ61が所定の固定位置から外れてしまうということを効果的に抑制することができる構成になっている。また、補強部165により第1取付部163が撓み難くなり、第1孔部281から抜け難くなる効果もある。なお、本実施例のチューブクランプ61においては、第1取付部163のみがスナップイン係合部となっているが、第2取付部164もスナップイン係合部となっていてもよい。
【0044】
また、
図5で表されるように、第1取付部163と突起167との間、並びに、第2取付部164と突起167との間にも、補強部168が設けられている。このため、本実施例のチューブクランプ61は、チューブクランプ61が所定の固定位置に取り付けられた後にチューブクランプ61が変形することを効果的に抑制している。
【0045】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0046】
例えば、上述の実施例においては、
図3から
図5で表されるように、チューブクランプ61の反対面161にリブ162が形成されることで、延在方向であるX方向において端部161aよりも中央部161bが肉厚に形成されていた。しかしながら、このような構成に限定されず、チューブクランプ61の反対面161にリブ162などを有さず、Z方向から見たチューブ保持部169の断面が半円形状や三角形状などとなる構成などとすることで、チューブクランプ61の反対面161が、X方向において端部161aよりも中央部161bが徐々に肉厚に形成される構成などとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
11…プリンター(印刷装置)、12…筐体、13…排出口、14…脚部、15…ヘッドユニット、16…ヘッド、17…キャリッジ、18…ノズル、19…プラテン、21…排出支持部、23…第1媒体保持部、24…第2媒体保持部、25…繰出軸、26…巻取軸、27…本体フレーム、28…メインフレーム、29…ベースフレーム、31…第1サイドフレーム、32…第2サイドフレーム、33…サイドフレーム、34…サイドフレーム、35…サイドフレーム、41…サイドフレーム、42…サイドフレーム、43…サイドフレーム、46…連結フレーム、52…液体収容部、53…保持ユニット、54…保持トレイ、56…液体受け部、57…電子部品、60…チューブ、61…チューブクランプ、99…用紙(媒体)、100…フレーム、161…反対面、161a…端部、161b…中央部、162…リブ、163…第1取付部(スナップイン係合部)、164…第2取付部、165…補強部、166…保持面、166a…凹部、167…突起、168…、169…チューブ保持部、281…第1孔部、282…第2孔部、A1…設置面