(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020763
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】パレット交換装置
(51)【国際特許分類】
B65D 19/34 20060101AFI20240207BHJP
B65G 57/30 20060101ALI20240207BHJP
B65G 59/06 20060101ALI20240207BHJP
B65D 19/22 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B65D19/34 Z
B65G57/30
B65G59/06 104
B65D19/22
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123188
(22)【出願日】2022-08-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】598113564
【氏名又は名称】株式会社富士商会
(74)【代理人】
【識別番号】100070286
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 伸治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊夫
【テーマコード(参考)】
3E063
3F029
3F030
【Fターム(参考)】
3E063AA01
3E063CB01
3E063CB10
3E063DA10
3E063FF20
3F029DA01
3F029EA07
3F030AA09
(57)【要約】
【課題】パレットの交換に当たって荷崩れを起こすことなく、新旧のパレットを迅速且つ簡単に交換できるようにしたパレット交換装置を提供する。
【解決手段】固定枠体と固定枠体に対して後方に転倒可能に枢着する収納枠体と収納枠体を起立した状態と転倒した状態に回転駆動する回転駆動手段とを有し、収納枠体は左右の側枠と背枠及び底枠によって前方を開放する箱形にし、一方底枠は後縁部を前記左右の側枠若しくは背枠に回動自由に枢着し、この底枠と前記左右の側枠若しくは背枠との間に開閉駆動手段を配設して、常にはこの底枠を上記開閉駆動手段により収納枠体の底部を閉ざす閉塞状態に保持し、パレットの交換に当たっては前記回転駆動手段によって前記収納枠体を後方に転倒し、更に上記開閉駆動手段により閉塞状態にある底枠を枢着位置を基点に水平状に開放して前記パレットを水平状に倒し露出させ、新旧のパレットの交換を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎となる固定枠体と、この固定枠体に対して後方に向けて転倒可能に枢着支持され、パレットに載置した荷物を出入自由に収納することができる収納枠体と、この収納枠体を起立した状態と後方に向けて転倒した状態に回転駆動する回転駆動手段とを有し、
前記収納枠体は、左右の側枠と背枠及び底枠によって前方を開放する箱形に形成し、この開放部を前記荷物の出入口にする一方、前記底枠は後縁部を前記左右の側枠若しくは背枠に回動自由に枢着支持すると共に、この底枠と前記左右の側枠若しくは背枠との間に開閉駆動手段を配設して、常にはこの底枠を上記開閉駆動手段によって前記収納枠体の底部を閉ざす閉塞状態に保持し、その一方、前記荷物を載置するパレットの交換に当たって前記回転駆動手段によって前記収納枠体を後方に転倒させ、これに伴って前記底枠の下面部が起立し露出したとき、上記開閉駆動手段によって上記閉塞状態にある底枠を前記枢着支持位置を基点に水平状に開放し、この開放動作に伴わせて前記パレットを底枠の上面部に添わせて水平に倒し露出させ、この露出状態において前記パレットと新たなパレットとを差し換え交換し、その後この底枠を閉塞し、更に前記収納枠体を起立した状態に戻すようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパレット交換装置において、前記収納枠体の回転駆動手段は油圧シリンダーであって、この油圧シリンダーはその両端を前記固定枠体と前記収納枠体にそれぞれ軸着してこの両者間に渡るようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項3】
請求項2に記載のパレット交換装置において、前記回転駆動手段である油圧シリンダーはそのシリンダーの一端を前記固定枠体に、他方ピストンロッドの一端を前記収納枠体にそれぞれ軸着して両枠体間に渡し、上記ピストンロッドが伸長状態にあるとき収納枠体を起立状態に保持し、上記ピストンロッドが収縮状態にあるとき収納枠体を後方に倒して転倒状態にして、このピストンロッドの伸縮動により収納枠体を起立状態と転倒状態とに変換操作できるようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のパレット交換装置において、前記油圧シリンダーは左右一対にして、それぞれ前記固定枠体の後方両側部と前記収納枠体の左右の側枠との間に互いに並行状となるように渡してなることを特徴とするパレット交換装置。
【請求項5】
請求項2乃至4に記載のパレット交換装置において、前記固定枠体には前記収納枠体の両側部に対面してそれぞれ軸受支柱を立設し、また上記収納枠体の左右の側枠にはそれぞれ側方に向けて水平に支軸を突設し、この両支軸を前記軸受支柱に回動自由に軸承させると共に、この支軸に揺動腕を固着してその揺動端と前記固定枠体の側部後方部との間に前記油圧シリンダーを渡し、それぞれの端を軸着連結するようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載のパレット交換装置において、前記収納枠体の底枠を開閉動する開閉駆動手段は油圧シリンダーであって、シリンダー又はピストンロッドの一端を前記収納枠体の左右の側枠若しくは背枠の下端に、また他端を前記底枠の揺動自由な先端部にそれぞれ連結し、このピストンロッドの伸長時に底枠を閉塞状態に保持し、また、ピストンロッドの収縮時に底枠を開放状態に保持するようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項7】
請求項6に記載のパレット交換装置において、前記開閉駆動手段である油圧シリンダーは、前記底枠の下面部に沿って左右が並行するように一対配置し、それぞれの一端を底枠の揺動自由な先端部に、他端を左右の側枠若しくは背枠の下部に連結して配置するようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の移動、運搬に当たって、或いは荷物を工場や倉庫等に保管、格納する際に荷物を取り纏めてその取扱いを容易にするために使用するパレットの交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の移動、運搬に当たり、或いは工場内での保管や運搬後に倉庫等に保管、管理する際に、複数個の荷物を取り纏めて移動を容易にしたり、或いは管理を容易にするために荷物を載せるパレットが使用される。
このパレットを使用するに当たって問題となるのは、運搬後に、或いは倉庫等に格納する際に、使用したパレットを運搬元に戻すため、或いは荷物を保管する際に外部から持ち込んだパレットをそのまま継続使用することが禁じられるときに使用していたパレットを交換する必要があることである。
【0003】
この荷物を載置し、取り纏めに使用されるパレットは、知られるように多数個の荷物を取り纏めてパレット上に規則的に積み上げて使用することが多く、またパレット自体荷物を安定的に支えるため所定の大きさに作られ、また重量のある荷物に潰されない強度が求められること等から強固に、またある程度の重量を以て作られていることが多い。
この様なことからパレットを手作業によって交換することは困難な作業となる。ことにパレットを使用する荷物は、重量物であることが多く、又その個数が多かったり、更には交換するパレットの数自体が多かったりすることから、手作業によってパレットから荷物を降ろし、新たなパレットに積み替える交換作業は厄介で困難な作業となる。
【0004】
そこで、従来からパレットの交換には、パレット上に載置した荷物をそのままにして、下に敷かれたパレットを取り出し、これに換える新たなパレットを差し換えて新旧のパレットを交換するパレット交換装置が広く使用されている。
【0005】
このパレット交換装置については、構造、方法を異にしたものが色々提案されている。その一つにパレット上に載置した荷物の全体を挟み付ける等して拘束し、取り纏めるようにして、この取り纏めた状態においてパレットを抜き取り、新たなものと差し換えるようにしたもの(荷物拘束型)、或いは荷物を載置したパレットをそのまま収納枠に収めてこの状態で荷物を押さえ付け、次にこの収納枠を反転させてパレットを荷物の上に置き換えたところで、このパレットと新たなパレットとを交換し、その後この収納枠を逆転させて元に戻し、交換を完了するもの(収納枠回転型)、更には上記収納枠を起立した状態から横向きに転倒させ、この転倒状態において荷物の重量から解放されたパレットを抜き出してこれに新たなパレットを差し入れて交換するもの(収納枠転倒型)等が知られる。
【0006】
これ等の交換装置にあって、パレットに載置した荷物を取り纏めるように拘束してこの間にパレットを交換する方法の前記装置(荷物拘束型)は、拘束の為に荷物を圧迫することから荷物に直接負担が掛かり、例えば段ボール箱に収容した荷物等の場合、この段ボール容器が破損すると言った問題が生じる。また、これらの装置は大掛かりなものとなりコスト的に高くなり、設置場所にも制限されると言った問題がある。
この問題は、収納枠を反転させて使用中のパレットを下から上に置き換えて、この間に新たなパレットと差し換え交換する形式の前記交換装置(収納枠回転型)においても言えることであり、収納枠を反転させる際に何らかの方法を取って荷物を固定して置く必要があり、この為に荷物が圧迫されると言った同様の問題がある。
【0007】
この様な問題に対して、収納枠を転倒させてパレットを荷物の重量から解放したところでパレットを抜き取り、新たなパレットと交換するタイプの交換装置(収納枠転倒型) は、載置した荷物を拘束することなく収納枠の内部で横倒しの状態で保持し、この横倒しによって荷物の重量から解放されたパレットを抜き取り、新たなパレットと交換することから荷物を圧迫するようなことがなく、従って荷物やその包装容器を損傷すると言った問題がない。
【0008】
しかし、この後者の装置(収納枠転倒型)における問題は、荷物を受け入れた収納枠の内部からパレットを取り出し、新たなパレットと交換するに当たって収納枠が箱形の状態にあることから、この収納枠からパレットを引き出す作業、そして新たなパレットをこの収納枠内に差し入れて元の位置に戻す作業が残されていることである。つまり、この装置においてはパレットを収納枠から引き出し、再び差し戻す作業を作業員が手作業によって行わなければならない厄介な作業が残されていることである。
この収納枠を横倒しにすることによってパレットの交換を行うタイプの交換装置として、例えば引用文献1のものがある。
【0009】
上記引用文献1のパレット交換装置では、パレットの交換に当たって収納枠(傾倒台部2)を横向きに倒した後、この収納枠の下部、具体的には側面部22,23の下部に形成する横長の隙間25を通して収納枠の転倒によって幅方向を縦向きにしたパレットを水平方向にずらすようにして抜き取り、次にこの逆の方法で新たなパレットを差し入れると言った方法でその交換を行うようにしている。
【0010】
更に、この装置では、収納枠を横倒しにしただけでは荷物とパレットとが蜜着状態にあるため、この両者を引き離すために横倒しになる荷物を収納枠(傾倒台部2)内に設ける移動ステージ211に受けてこれを乗せた状態に保持して収納枠の上部方向に移動させ、これによって蜜着状態を解消して、その後前記隙間25を通して上述した方法で収納枠からパレットを出し入れ交換するようにしている。
【0011】
しかし、この文献1のパレット交換装置は、荷物を縛り付けたり、挟み付けたりしないことから荷物の損傷を回避できるものとなっているが、実際のパレットの交換は、狭い縦長の隙間25(出入口)を通しての作業となるため、パレットを収納枠(傾倒台部2)内部から引き出したり、或いはこの狭い空間を通して新たなパレットを所定の位置に戻したりする作業は容易ではなく、困難を伴うものとなっている。そして更に、移動ステージ211の移動を介して荷物からパレットを離し、その後パレットの出し入れを可能としていることから、この作業も加わることになり更に厄介なものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明は、上述したことから明らかな様に、荷物を載置したパレットを交換するに当たって、荷物が崩れないように拘束したり、保持たりすることなく、またパレットと荷物とを引き離して引き抜き乃至差し換えの際の抵抗を取り除く等の別個の処置を要することなく、安定的に、しかも容易且つ迅速にパレットの交換が行えるようにしたパレットの交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記の目的を達成するため、装置の基礎となる固定枠体と、この固定枠体に対して後方に向けて転倒可能に枢着支持され、パレットに載置した荷物を出入自由に収納することができる収納枠体と、この収納枠体を起立した状態と後方に向けて転倒した状態に回転駆動する回転駆動手段とを備える一方、前記収納枠体はその底枠を解放自由に枢着支持して前記回転駆動手段によって収納枠体が転倒したとき、この転倒に伴って垂直な姿勢に変換する上記底枠を開放し、水平な姿勢に変換して、これにより水平状に開いて露出した上記底枠の上面で新旧のパレットの交換が行えるようにしたパレット交換装置を提供することにある。
【0015】
更に詳述すれば、本発明は、基礎となる固定枠体と、この固定枠体に対して後方に向けて転倒可能に枢着支持され、パレットに載置した荷物を出入自由に収納することができる収納枠体と、この収納枠体を起立した状態と後方に向けて転倒した状態に回転駆動する回転駆動手段とを有し、前記収納枠体は、左右の側枠と背枠及び底枠によって前方を開放する箱形に形成し、この開放部を前記荷物の出入口にする一方、前記底枠は後縁部を前記左右の側枠若しくは背枠に回動自由に枢着支持すると共に、この底枠と前記左右の側枠若しくは背枠との間に開閉駆動手段を配設して、常にはこの底枠を上記開閉駆動手段によって前記収納枠体の底部を閉ざす閉塞状態に保持し、その一方、前記荷物を載置するパレットの交換に当たって前記回転駆動手段によって前記収納枠体を後方に転倒させ、これに伴って前記底枠の下面部が起立し露出したとき、上記開閉駆動手段によって上記閉塞状態にある底枠を前記枢着支持位置を基点に水平状に開放し、この開放動作に伴わせて前記パレットを底枠の上面部に添わせて水平に倒し露出させ、この露出状態において前記パレットと新たなパレットとを差し換え交換し、その後この底枠を閉塞し、更に前記収納枠体を起立した状態に戻すようにしたことを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【0016】
前面を開放してパレットに載置した荷物を出し入れする前記収納枠体は、常には起立した状態に支持される。この状態でパレットに載せた荷物を出入口を通して受け入れる。
次に、固定枠体との枢着位置を基点にして後ろ向きに前記回転駆動手段の駆動によって転倒させることになる。この転倒に当たって荷物は、収納枠体の傾きに合わせて背枠の内面に寄り掛かるようにしてその重量をこの背枠に移し、収納枠体が横向きになったとき荷物の上下を水平方向に向け,その全重量を背枠に移すことになる。これに伴い上記パレットは載置した荷物から解放され、自由な状態となる。
【0017】
上記収納枠体が横向きに転倒した後、前記開閉駆動手段を作動させて垂直姿勢に立ち上がった状態になる底枠を枢着位置を基点に回動して開放すると、この開放によりその前縁部が前方に倒れ、水平に開くのに合わせてこの底枠の上面部にパレットが寄り掛かることになる。そして、この底枠が水平状態に転倒し開放したとき、このパレットは底枠の上に重なり合った状態となり、収納枠体の外に持ち出され露出することになる。
【0018】
新旧のパレットの交換は、この底枠が開放した状態で、更に詳しくは水平に開放した底枠の上面部上で行われることになる。従って、パレットの取り換え作業の作業空間が充分確保できることから新旧のパレットの交換を人手によっても容易に行えることになり、また荷物を収納枠体に出し入れするため使用するフォークリフトを利用して交換することも可能になる。つまり、この開放状態にある底枠は、前記収納枠体が起立した状態にあるときの位置と略同じ位置にあって水平姿勢を取ることになるからである。
このパレットの差し換え交換を完了した後、開閉駆動手段によって底枠を収納枠体の底部を塞ぐように閉じ、更に前記回転駆動手段を作動させて横倒しの収納枠体を立ち上げれば、その背枠に移されていた荷物が上記底枠上に持ち込み設置された新たなパレット上に乗り移って載置状態が作られることになり、交換作業は完了することになる。
【0019】
また、本発明は、前記パレット交換装置において、前記収納枠体の回転駆動手段として油圧シリンダーを配置し、この油圧シリンダーの両端を前記固定枠体と前記収納枠体にそれぞれ軸着して、この両者間に渡るようにしたことを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【0020】
また、本発明は、前記回転駆動手段である油圧シリンダーは、そのシリンダーの一端を前記固定枠体に、ピストンロッドの一端を前記収納枠体にそれぞれ軸着して両枠体間に渡し、上記ピストンロッドが伸長状態にあるとき収納枠体を起立状態に保持し、またこのピストンロッドが収縮状態にあるとき収納枠体を後方に倒して転倒状態にして、このピストンロッドの伸縮動により収納枠体を起立状態と転倒状態とに変換操作できるようにしたことを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【0021】
また更に、本発明は、前記パレット交換装置において、前記油圧シリンダーは左右一対にして、それぞれ前記固定枠体の後方両側部と前記収納枠体の左右の側枠との間に互いに並行状となるように渡してなることを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明は、前記パレット交換装置において、前記固定枠体には両側部にそれぞれ軸受支柱を立設し、また上記収納枠体の左右の側枠にはそれぞれ側方に向けて水平に支軸を突設して、この両支軸を前記軸受支柱に回動自由に支持し、一方、この支軸に揺動腕を固着してこの揺動腕の揺動端と前記固定枠体の側部後方部との間に前記油圧シリンダーを渡し、それぞれの端をそれぞれ軸着連結するようにしたことを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【0023】
また、本発明は、前記パレット交換装置において、前記収納枠体の底枠を開閉動する開閉駆動手段は油圧シリンダーであって、シリンダー又はピストンロッドの一端を前記収納枠体の左右の側枠若しくは背枠の下端に、また他端を前記底枠の揺動自由な先端部にそれぞれ連結してこのピストンロッドの伸長時に底枠を閉塞状態に保持し、又、ピストンロッドの収縮時に底枠を開放状態に保持するようにしたことを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【0024】
また、本発明は、前記パレット交換装置において、前記開閉駆動手段である油圧シリンダーは、前記底枠の下面に沿って左右に対をなすように配置し、それぞれの一端を底枠の揺動自由な先端部に、他端を左右の側枠若しくは背枠の下部に連結して配置するようにしたことを特徴とするパレット交換装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0025】
上記の構成から、本発明によれば、パレットの交換に当たって、起立した状態の収納枠体にその出入口を通してパレットに載置した荷物をフォークリフトなどの運搬手段を使って持ち込み、底枠の上に載せた後、この収納枠体を回転駆動手段を操作して固定枠体との枢着位置を基点に後方に向けて転倒させると、この転倒動作に伴ってパレットとこれに載置された荷物とが横倒しとなって収納枠体の背枠の内面に自動的に乗り移り、横向きの状態で保持されることになる。更に、この状態で前記開閉駆動手段を操作して底枠を開放すると、この開放に伴って前記パレットが自重によって底枠上面に寄り掛かった状態で露出し、更に底枠が水平状態になるまで開放されると、パレットはその上に乗った状態で収納枠体の外に持ち出され露出することになる。
【0026】
新旧のパレットの交換は、この様にして行われることになる。従って、パレットの交換作業は解放された広い空間での作業となるため容易に且つ迅速に、しかも確実な交換作業が行えることになる。
この様にして新旧のパレットの交換を行った後、新たなパレットを載せた底枠を開閉駆動手段により閉じると、このパレットは自動的に横倒しの状態にある前記荷物の下に添わされることになり、セット状態となる。そして、前記回転駆動手段を作動して転倒した収納枠体を起立した状態に戻すと、荷物は新たなパレットに載置された状態となる。次に、これをフォークリフトを使って収納枠体から引き出せば、パレットの交換作業は完了することになる。
【0027】
本発明は、上述したように、収納枠体にパレットに載置した荷物を入れ、回転駆動手段の操作でこれを転倒し、次に開閉駆動手段によってその底枠を開放すれば、収納枠体の外で新旧のパレットを容易に、且つ迅速、的確に交換することができることになり、更にこの交換後、開閉駆動手段、そして回転駆動手段によって底枠を閉じ、収納枠体を起立状態に戻せばパレットの交換は完了することになり、全ての作業を的確、迅速に行うことができることになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図3】本発明に係るパレット交換装置の収納枠体を転倒させた状態の正面図。
【
図4】本発明に係るパレット交換装置の収納枠体を転倒させた状態の左側面図。
【
図5】収納枠体が起立した状態にあって底枠が閉塞した状態を示す一部断面とした部分の拡大左側面図。
【
図6】収納枠体が転倒した状態にあって底枠が閉塞した状態を示す一部断面とした部分の拡大左側面図。
【
図7】収納枠体が転倒した状態にあって底枠が開放した状態を示す一部断面とした部分の拡大左側面図。
【
図8】本発明に係るパレット交換装置の使用の実際を作業の順番に従って説明した左側面の概略説明図であり、 図(A)は、収納枠体にパレットに載置した荷物を持ち込む前の状態を示す。 図(B)は、収納枠体にパレットに載置した荷物を持ち込んだ後の状態を示す。 図(C)は、収納枠体にパレットに載置した荷物を持ち込んだ後、この収納枠体を後方に向けて転倒させた状態を示す。 図 (D)は、収納枠体を転倒させた後、底枠を水平姿勢に開放した状態を示す。 図(E)は、開放した底枠の上で新旧のパレットの入れ替え交換を行った後、新たなパレットをこの底枠の上に乗せて閉塞した状態を示す。 図(F)は、底枠を閉塞した後、収納枠体を起立させて元に戻した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面は、本発明に係るパレット交換装置の一実施形態を表わしたものである。以下、図面に基づき本発明を説明し、その特徴とするところを明らかにする。
図面において、符号1は本発明に係るパレット交換装置の固定枠体であり、2はこの固定枠体1に支持される収納枠体である。
【0030】
固定枠体1は、金属のフレームを素材に形成してあり、ここでは前後方向に長さを有する長方形状の台形に形成して、その前縁側に寄った中央部の左右両側部に前記収納枠体2を支持するための軸受支柱3,3を左右対向するように立設し、その各上端部に軸受4,4を設けている。
【0031】
収納枠体2は、ここでは金属フレームを素材にして枠体の全体を形成している。更に詳述すれば、ここでは左右の側枠5,5と、この側枠5,5の後縁部間に渡る背枠6によって横断面形状がコ字形をなすように形成してあり、更にこのコ字形の枠の下部を塞ぐように底枠7を収め、これによって全体形状が前方を開放した箱形をなすように形成して、開放された部分(前面側)を荷物の出入口8にしている。
この収納枠体2は、パレット9に載置した荷物10を上記出入口8を通してその全体を受け入れられるようにしてあり、背枠6は受け入れる荷物10の高さよりも高く、また、底枠7は上記パレット9の大きさより広く形成してその上面部にこのパレットの全体を収めて載置収納することができるようにしてある。
【0032】
この収納枠体2は、左右の側枠5,5に固定枠体1に支持させるための支軸11,11を備える。この実施形態では側枠5の高さの中間位置に渡す横枠12と下端の下枠13との間に縦の軸受枠(図示せず)を渡し、この軸受枠から左右方向に向けて互いの軸心を揃えるようにして上記支軸11、11を突設している。そして、この支軸11,11を前記軸受支柱3,3の軸受4,4にそれぞれ回動自由に軸承させ、これによって収納枠体2が前記固定枠体1の上で回転できるようにしてある。
【0033】
尚、上記左右の支軸11,11は、図示するように収納枠体2の後方並びに下方に近い後ろ寄りの位置に設けてあり、これによって、後述するようにこの収納枠体2が起立した状態にあるとき、収納枠体2の前端下部を固定枠体1の前端側上面に突設する受台14,14に受け、この受台14,14と支軸11,11とにより収納枠体2の前後を支えて垂直に起立した状態に支持できるようにしてある。
【0034】
図中、15は上記収納枠体2を回転駆動するための回転駆動手段であり、ここでは油圧シリンダーが利用されている。
油圧シリンダー15は、そのシリンダー16の端部を固定枠体1の上面に立ち上げる支持台17に回動自由に軸着して固定し、他方ピストンロッド18の先端を前記収納枠体2の支軸11に固定する揺動腕19の揺動端に回動自由に軸着連結して、これによって固定枠体1と収納枠体2との間に渡るようにしてある。
【0035】
尚、揺動腕19は、軸受4を抜けて突き出た支軸11の軸端部に固着して上向きに伸び出しており、一方、支持台17はこの揺動腕19の後方に位置して両者が直線状に並ぶようにしてあり、これにより油圧シリンダー15が固定枠体1及び収納枠体2の側方に沿って前後方向に揃うようにしてある。
この油圧シリンダー15は、図示するように収納枠体2の左右に一対対称状に配置してあり、これによって収納枠体2の回転駆動に当たって左右のバランスを良くし、円滑に作動するようにしてある。
【0036】
上記収納枠体2の底部を塞ぐ底枠7は、左右の側枠5,5と背枠6からなる収納枠体2の本体部分に対して前端部を揺動させ、この揺動によって開放できるようにしてある。
この実施形態では、左右の側枠5,5の後部縦枠20,20の間に渡す支軸21に底枠7の後部を回動自由に軸着支持して、この支軸21を支点に前端部を揺動可能にし、収納枠体2の底部を閉塞した状態と、開放した状態とに変換できるようにしてある。
【0037】
図5乃至
図7は、この底枠7、及び底枠7と収納枠体2の本体部分との関係を拡大して示したものである。以下、これ等の図面に基ずいて説明する。尚、図面は要点を明らかにし、構造を明確にするため関係部分を拡大し、またその一部を断面としている。
【0038】
図5は、収納枠体2が起立した状態にある時の底枠7を示したものである。底枠7は荷物10を乗せたパレット9を受ける矩形の枠型をした本体部22と、この本体部を補強する前枠部23を有し、本体部22の後部に前記支軸21を通して収納枠体2の本体部分に枢着支持するようにしてある。そして、ここではこの底枠7の後部上面にパレットを受け止める規制突起24を突設している。
収納枠体2が起立した状態にあるとき、底枠7は前記前枠部23を固定枠体1の上面に設ける受台25に当接して、常にはこれを支持台にして水平姿勢を取るようにしている。尚、この受台25は後述する油圧シリンダー26の支持負担を軽減するために作用することにもなっている。
【0039】
図中26は、上記底枠7を開閉揺動させる為の開閉駆動手段であり、ここでは油圧シリンダーが使われている。そして、そのシリンダー27の端部を前記収納枠体2の左右の側枠5,5の各下端に渡す前記下枠13,13の後端部間に渡る横枠28に軸着固定し、他方、ピストンロッド29の端部を底枠7の本体部22の下面部に同じく軸着固定してこの底枠7と収納枠体2の本体部分との間に渡るようにしてある。尚、ここでの軸着固定は金属ピンを使用して行っている。
【0040】
図5に示す収納枠体2は、底枠7が閉じた状態にあって荷物10を受け入れることを可能にした状態であり、この時、油圧シリンダー26はピストンロッド29を最伸長状態にして底枠7を閉塞状態に保持することになる。
次に、
図6は、前記回転駆動手段である前記油圧シリンダー15を作動して支軸11を支点に収納枠体2を後方に回転させ、横倒しに転倒させた状態を示しており、この時底枠7は閉塞状態に保持される。
【0041】
次に、
図7は、収納枠体2を転倒させた後、油圧シリンダー26を作動させてピストンロッド29を収縮させ、底枠7をその支軸21を支点に前方に回動させ、開放した状態を示している。この時、底枠7は水平姿勢に保持され後述するようにこの底枠7の上に乗るパレット9を水平に支持することになる。
【0042】
この様にして水平姿勢に開放した底枠7は、その上に乗るパレット9を交換した後、油圧シリンダー26を操作してピストンロッド29を伸長させることで、
図6に示した収納枠体2の底部を塞ぐ閉塞状態に戻される。
【0043】
本発明装置は、上記の様に構成されるもので、次に本装置の使用の実際を通して更に説明する。
図8は、使用の手順に従って装置の動作を説明したものである。図(A)は、パレット9に載置した荷物10を受け入れるため収納枠体2を固定枠体1の上で垂直に起立させた状態、つまり平常時の状態を示している。
パレット9を交換する荷物10は、運搬手段であるフォークリフト30を使って出入口8を通して収納枠体2内に持ち込まれ、底枠7上に載置される。(この時の底枠7については
図5に拡大して示している。)
【0044】
図(B)は、上記の持ち込み状態を示している。この持ち込みに当たってはパレット9と共に荷物10を収納枠体2の奥深く持ち込んでパレット9の先端を規制突起24に突き当て、荷物10を背枠6に接近当接させることになる。この持ち込み完了後フォークリフト30を後退させ、その後、回転駆動手段である油圧シリンダー15を操作してピストンロッド18を収縮し、この動作により揺動腕19を後方に引き倒して支軸4を回転させ、この支軸4を支点に収納枠体2を後ろ向けに略水平状態となるまで転倒させることになる。
【0045】
図(C)は、収納枠体2を後方に向けて略水平になるまで転倒させた状態を示している。この転倒により底枠7上にあったパレット9上の荷物10は、パレット9と共に収納枠体2の傾きに伴って次第にその重量を収納枠体2の背枠6に移し、転倒完了時にはこの背枠6に乗り換えることになる。(この時の底枠7は
図6に拡大して示す。)
【0046】
上記説明でも明らかな様に、収納枠体2の転倒時に荷物10を背枠6に乗り換えることから、この乗り換えを荷崩れを起こすことなく安定的に行えるように背枠6の内側面は平滑な面にしてあり、本実施形態ではフレーム枠の内側に板材を付設してこれに対応させている。
更に、ここで収納枠体2の転倒姿勢を略水平になるまでとしているが、これは背枠6に移った荷物10が安定するためであり、完全に水平に転倒させてもよい。だだ、ここで収納枠体2に図示するように僅かな傾斜を残しているのは、後述する底枠7の開放時にこの底枠7にパレット9を寄り掛け、乗り移りを円滑にするためであり、この僅かな傾斜角の選択は、荷物10に合わせれば良く使用者に任されることになる。
【0047】
図 (D)は、収納枠体2を転倒させた後、次に開閉駆動手段である油圧シリンダー26を作動してそのピストンロッド29を収縮させ、これにより支軸4を支点に底枠7の前縁部を前方に向けて回動させ、開放させた状態を示している。
この開放に伴い荷物10の押し付けから解放されたパレット9は、底枠7に寄り掛かるようにして収納枠体2の底部から外に出されることになり、底枠7の開放が水平姿勢まで進行すると、このパレット9は底枠7の上に重なった状態となってこの底枠7の上面部と共に収納枠体2の外に露出することになる。(
図7は、この時の底枠7の解放状態を拡大して示す。)
【0048】
この図(D)の状態において、持ち込まれたパレット9と新たなパレット31との交換が行われる。この新旧のパレットの交換作業は、作業員による手作業によっても良く、又荷物の持ち込みに使用したフォークリフト30を利用して行っても良い。ことに、パレットが重量物である場合にはフォークリフトの使用は有効である。
いずれにしても、新旧のパレット9,31の交換作業が収納枠体2の外の露出した空間で、しかも底枠7によって水平に保持された空間で行えることは作業効率を上げることになる。
【0049】
更に言えば、新たなパレット31に差し換えるとき、このパレットの差し換え位置を元のパレット9があった底枠7の上面の位置にそのまま置けば良く、次に底枠7を閉じた時に自動的にこの新たなパレット31を収納枠体2内の荷物10の下に添えることができ、定位置にセットすることが可能になる。
また、この新たなパレット31のセットに当たっては、底枠7の後部にある前記規制突起24にパレット31の先端を突き当てれば簡単に位置を確定することになるので、更に正確に、且つ迅速にセット作業を行うことができることになる。そして更に、この規制突起24は底枠7の開閉時にはパレット9乃至パレット31を寄り掛けて位置を固定するため、底枠7の開閉動作を円滑に行う助けにもなる。
【0050】
図(E)は、底枠7上面での新旧パレット9,31の置き換え交換後、開閉駆動手段である油圧シリンダー26を操作して底枠7を閉塞状態に戻した状態を示し、図(F)は、更に回動駆動手段である油圧シリンダー15を操作して収納枠体2を起立した状態に戻した姿を示す。
以上の操作を通してパレットの交換を完了し、フォークリフト30を使って荷物10を収納枠体2から持ち出すことができることになる。
【0051】
ところで、本実施形態の中で回転駆動手段として、また開閉駆動手段としてそれぞれ油圧シリンダー15,26を使用しているが、これ等の油圧シリンダーに対しては、図示しない油圧ユニットを介して油を供給し、また引く操作を行っている。この操作は、操作盤上で一括してボタン操作で行い、最初に油圧シリンダー15の収縮操作を、次に油圧シリンダー26の収縮操作を行い、パレットの交換後は油圧シリンダー26を伸長し、次に油圧シリンダー15を伸長操作する手順で行うことになる。
【0052】
また、この実施形態では油圧シリンダー15を最伸長させた時、収納枠体2を起立した状態に、最収縮させた時、後ろ向きに略水平状態に転倒するようにしてあり、その一方、油圧シリンダー26については、底枠7を閉塞状態にするときピストンロッド29を最伸長状態として収納枠体2の底部を塞ぎ、最収縮したとき底枠7を回動させて略90度回転させて開放状態に保持するようにしている。つまり、ピストンロッド18,29の身長、収縮位置をもって収納枠体2の起立、転倒、そして、底枠7の閉塞、開放を規制し、それぞれ固定するようにしている。
【0053】
以上の説明で明らかな様に、本発明装置によれば、荷物10を載置したパレット9をフォークリフト30等の運搬手段を使って収納枠体2に持ち込んで、その後回転駆動手段15によってこの収納枠体2を後ろ向きに転倒させ、これによって底枠7を前面側に向けて露出させた後、開閉駆動手段26を操作してこの底枠7を開放すれば、解放した空間の中で容易に新旧のパレット9,31の交換作業が行えることになる。
しかもこの時、水平状に展開した底枠7の上面上で行えることに加えて、新たなパレット31の設置位置が明確になることから作業全体を効率化することができ、迅速に、且つ安全にパレットの交換作業が行えることになる。
【0054】
更に加えて、開閉駆動手段の油圧シリンダー26を操作して上記底枠7を閉塞すると、交換した新たなパレット31は収納枠体2内に待機する荷物10の下面の定位置に戻されセットされることから、収納枠体2が起立した状態に戻されたとき、荷崩れを起こすようなことがなく、作業を円滑に実施できることになる。更にはこの間、荷物を挟み付けて拘束したり、パレットを固定して拘束したりすることが無いので作業を円滑に進められる利点がある。
【0055】
尚、前記実施形態では、回転駆動手段に、また開閉駆動手段にそれぞれ油圧シリンダー15,26を使用したが、これに限定されるものではなく、例えば回転駆動手段15については、支軸11にギアを設けてこれをモーター等の駆動手段を使って正逆回転することによって収納枠体2を転倒させ、起立させるようにしても良く、本発明を実施することは可能である。
また、回転駆動手段として油圧シリンダー15を使用する場合、ピストンロッド28を
揺動腕19を介することなく直接収納枠体2の側枠5,5に軸着連結して回動操作するようにしても本発明の実施は可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 固定枠体
2 収納枠体
3 軸受支柱
4 軸受
5 収納枠体の側枠
6 収納枠体の背枠
7 収納枠体の底枠
8 収納枠体の出入口
9、31 パレット
10 荷物
11 支軸
15 回転駆動手段である油圧シリンダー
16 油圧シリンダーのシリンダー
17 支持台
18 油圧シリンダーのピストンロッド
19 揺動腕
21 支軸
24 規制突起
26 開閉駆動手段である油圧シリンダー
27 油圧シリンダーのシリンダー
28 収納枠体の横枠
29 油圧シリンダーのピストンロッド
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎となる固定枠体と、この固定枠体に対して後方に向けて転倒可能に枢着支持され、パレットに載置した荷物を出入自由に収納することができる収納枠体と、この収納枠体を起立した状態と後方に向けて転倒した状態に回転駆動する回転駆動手段とを有し、
前記収納枠体は、左右の側枠と背枠及び底枠によって前方を開放する箱形に形成し、この開放部を前記荷物の出入口にする一方、前記底枠は後縁部を前記左右の側枠若しくは背枠に回動自由に枢着支持すると共に、この底枠と前記左右の側枠若しくは背枠との間に開閉駆動手段を配設して、常にはこの底枠を上記開閉駆動手段によって前記収納枠体の底部を閉ざす閉塞状態に保持し、その一方、前記荷物を載置するパレットの交換に当たって前記回転駆動手段によって前記収納枠体を後方に転倒させ、これに伴って前記底枠の下面部が起立し露出したとき、上記開閉駆動手段によって上記閉塞状態にある底枠を前記枢着支持位置を基点に水平状に開放し、この開放動作に伴わせて前記パレットを底枠の上面部に添わせて水平に倒し露出させ、この露出状態において前記パレットと新たなパレットとを差し換え交換し、その後この底枠を閉塞し、更に前記収納枠体を起立した状態に戻すようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパレット交換装置において、前記収納枠体の回転駆動手段は油圧シリンダーであって、この油圧シリンダーはその両端を前記固定枠体と前記収納枠体にそれぞれ軸着してこの両者間に渡るようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項3】
請求項2に記載のパレット交換装置において、前記回転駆動手段である油圧シリンダーはそのシリンダーの一端を前記固定枠体に、他方ピストンロッドの一端を前記収納枠体にそれぞれ軸着して両枠体間に渡し、上記ピストンロッドが伸長状態にあるとき収納枠体を起立状態に保持し、上記ピストンロッドが収縮状態にあるとき収納枠体を後方に倒して転倒状態にして、このピストンロッドの伸縮動により収納枠体を起立状態と転倒状態とに変換操作できるようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のパレット交換装置において、前記油圧シリンダーは左右一対にして、それぞれ前記固定枠体の後方両側部と前記収納枠体の左右の側枠との間に互いに並行状となるように渡してなることを特徴とするパレット交換装置。
【請求項5】
請求項2に記載のパレット交換装置において、前記固定枠体には前記収納枠体の両側部に対面してそれぞれ軸受支柱を立設し、また上記収納枠体の左右の側枠にはそれぞれ側方に向けて水平に支軸を突設し、この両支軸を前記軸受支柱に回動自由に軸承させると共に、この支軸に揺動腕を固着してその揺動端と前記固定枠体の側部後方部との間に前記油圧シリンダーを渡し、それぞれの端を軸着連結するようにしたことを特徴とするパレット交換装置
【請求項6】
請求項1に記載のパレット交換装置において、前記収納枠体の底枠を開閉動する開閉駆動手段は油圧シリンダーであって、シリンダー又はピストンロッドの一端を前記収納枠体の左右の側枠若しくは背枠の下端に、また他端を前記底枠の揺動自由な先端部にそれぞれ連結し、このピストンロッドの伸長時に底枠を閉塞状態に保持し、また、ピストンロッドの収縮時に底枠を開放状態に保持するようにしたことを特徴とするパレット交換装置。
【請求項7】
請求項6に記載のパレット交換装置において、前記開閉駆動手段である油圧シリンダーは、前記底枠の下面部に沿って左右が並行するように一対配置し、それぞれの一端を底枠の揺動自由な先端部に、他端を左右の側枠若しくは背枠の下部に連結して配置するようにしたことを特徴とするパレット交換装置。