(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020785
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01C 1/01 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
H01C1/01 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123229
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000220033
【氏名又は名称】東京コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
【テーマコード(参考)】
5E028
【Fターム(参考)】
5E028BB03
5E028DA01
(57)【要約】
【課題】支え部品を使用することなく、半田付けを行うことができる電子部品を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様に係る電子部品は、基板に配置される配置面を備えた第1部位と、基板から離間して設けられる第2部位と、を有し、基板に設けられたときに重心が第2部位に位置する電子部品であって、配置面から第1部位の外部へ突出して設けられ、第1部位の内部の回転軸を中心として、第1方向と、第1方向とは逆の第2方向とに回転可能であり、第1方向へ回転した状態で基板に係合する端子と、基板に係合した状態である端子を第2方向へ付勢するバネ部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配置される配置面を備えた第1部位と、前記基板から離間して設けられる第2部位と、を有し、前記基板に設けられたときに重心が前記第2部位に位置する電子部品であって、
前記配置面から前記第1部位の外部へ突出して設けられ、前記第1部位の内部の回転軸を中心として、第1方向と、前記第1方向とは逆の第2方向とに回転可能であり、前記第1方向へ回転した状態で前記基板に係合する端子と、
前記基板に係合した状態である前記端子を前記第2方向へ付勢するバネ部と、を有する、
電子部品。
【請求項2】
前記端子は、
前記配置面から突出して延伸した第1延伸部と、
前記第1延伸部の先端から前記第1延伸部の延伸方向に対してゼロ度より大きい所定角度を有して延伸した第2延伸部と、を有し、
前記端子が前記第1方向へ回転した状態のときに前記第2延伸部が前記基板の穴に挿入されることにより、前記端子が前記基板に係合する、
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記電子部品は、可変抵抗器であり、
前記第2部位は、前記電子部品の長手方向に沿って延伸したシャフト部である、
請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
基板に配置される配置面を備えた第1部位と、前記基板から離間して設けられる第2部位と、を有し、前記基板に設けられたときに重心が前記第2部位に位置する電子部品であって、
前記配置面から前記第1部位の外部へ突出して設けられ、前記基板に係合する端子を有し、
前記端子は、
外力により第1方向へ曲げられた場合、復元力により前記第1方向とは逆の第2方向へ付勢される弾性を備える、
電子部品。
【請求項5】
前記端子は、
前記配置面から突出して延伸した第1延伸部と、
前記第1延伸部の先端から前記第1延伸部の延伸方向に対してゼロ度より大きい所定角度を有して延伸した第2延伸部と、を有する、
請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記端子が前記第1方向へ曲げられ、かつ、前記第2延伸部が前記基板の穴に挿入された状態で、前記第1延伸部が前記基板に半田付けされる、
請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第2延伸部は、前記端子が前記第1方向へ曲げられた状態で前記基板の穴に挿入され、
その後、前記第2延伸部が前記基板の穴を通過したときに、前記端子は、前記第2方向へ付勢されて元の位置に戻り、
前記第1延伸部が前記基板の穴に挿入され、かつ、前記第2延伸部が前記基板の穴から出た状態で、前記第2延伸部が前記基板に半田付けされる、
請求項5に記載の電子部品。
【請求項8】
前記電子部品は、可変抵抗器であり、
前記第2部位は、前記電子部品の長手方向に沿って延伸したシャフト部である、
請求項4に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板に搭載される電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば可変抵抗器(特許文献1参照)のように、一部分が基板に半田付けされ、その他の大部分が基板から離間して設けられる電子部品が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電子部品は、その重心が半田付けされる部分以外にあるため、基板に載せたときに傾いてしまう。例えば、可変抵抗器では、基板から離間して設けられる回動体(シャフト)が基板の方へ傾いてしまう。
【0005】
そこで、従来では、半田付けを行う際、上述した傾きを防ぐために、基板から離間して設けられる部分を支持する支え部品を使用することが知られている。
【0006】
しかしながら、支え部品を使用すると、コスト面等において様々な課題がある。
【0007】
本開示の一態様の目的は、支え部品を使用することなく、半田付けを行うことができる電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る電子部品は、基板に配置される配置面を備えた第1部位と、前記基板から離間して設けられる第2部位と、を有し、前記基板に設けられたときに重心が前記第2部位に位置する電子部品であって、前記配置面から前記第1部位の外部へ突出して設けられ、前記第1部位の内部の回転軸を中心として、第1方向と、前記第1方向とは逆の第2方向とに回転可能であり、前記第1方向へ回転した状態で前記基板に係合する端子と、前記基板に係合した状態である前記端子を前記第2方向へ付勢するバネ部と、を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る電子部品は、基板に配置される配置面を備えた第1部位と、前記基板から離間して設けられる第2部位と、を有し、前記基板に設けられたときに重心が前記第2部位に位置する電子部品であって、前記配置面から前記第1部位の外部へ突出して設けられ、前記基板に係合する端子を有し、前記端子は、外力により第1方向へ曲げられた場合、復元力により前記第1方向とは逆の第2方向へ付勢される弾性を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、支え部品を使用することなく、半田付けを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る可変抵抗器の第1状態を示す側面図
【
図2】本開示の実施の形態1に係る可変抵抗器の第2状態を示す側面図
【
図3】本開示の実施の形態1に係る可変抵抗器が基板に取り付けられた状態を示す側面図
【
図4】本開示の実施の形態2に係る可変抵抗器の第1状態を示す側面図
【
図5】本開示の実施の形態2に係る可変抵抗器の第2状態を示す側面図
【
図6】本開示の実施の形態2に係る可変抵抗器が基板に取り付けられた状態の第1の例を示す側面図および下面図
【
図7】本開示の実施の形態2に係る可変抵抗器が基板に取り付けられた状態の第2の例を示す側面図および下面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態1、2について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0013】
<実施の形態1>
図1、
図2を用いて、本開示の実施の形態1に係る可変抵抗器100の構成について説明する。
図1、
図2は、それぞれ、可変抵抗器100の第1状態、第2状態を示す側面図である。以下に説明する可変抵抗器100は、本開示の「電子部品」の一例に相当する。
【0014】
図1、
図2に示すように、可変抵抗器100は、固定部1、シャフト部2、突起部10、端子20、端子30、バネ部40、および回転軸50を有する。
【0015】
固定部1は、シャフト部2を回動可能に支持している。シャフト部2は、可変抵抗器100の長手方向(図の左右方向)に沿って延伸している。
【0016】
なお、固定部1の内部構成やシャフト部2については、公知の技術を適用できるため、それらの説明は省略する。なお、固定部1は、「第1部位」の一例に相当し、シャフト部2は、「第2部位」の一例に相当する。
【0017】
固定部1は、半田を介して基板に配置される配置面Aを有する。本実施の形態では、配置面Aが基板上に配置された場合、シャフト部2は基板から離間して設けられ(後述の
図3参照)、また、可変抵抗器100の重心はシャフト部2に位置するとする。
【0018】
図1、
図2に示すように、配置面Aには、突起部10、端子20、および端子30が設けられている。
【0019】
端子30は、本実施の形態の特徴的な構成要素である。端子30は、配置面Aから突出した第1延伸部31と、第1延伸部31の先端から第1延伸部31の延伸方向(図の上下方向)に対して垂直に(換言すれば、90度の角度を有して)延伸し、第1延伸部31よりも短い第2延伸部32と、を有する。すなわち、端子30は、L字型である。なお、第1延伸部31と第2延伸部32とが成す角度は、90度に限定されず、ゼロ度より大きい所定角度であればよい(すなわち、L字型に限定されない)。
【0020】
固定部1の内部には、バネ部40および回転軸50が設けられている。
【0021】
バネ部40は、伸縮自在な弾性部材であり、その一端は回転軸50に固定され、他端は固定部1の内壁等に固定されている。バネ部40としては、引張コイルバネを用いることができるが、これに限定されない。
【0022】
回転軸50は、回転可能に支持された部材であり、バネ部40の一端および端子30(第1延伸部31)の一端が固定されている。回転軸50は、
図1に示す矢印aの方向(反時計回りの方向)と、
図2に示す矢印bの方向(時計回りの方向)とに回転可能である。この回転軸50に伴い、端子30も回転する。なお、矢印aの方向は、「第1方向」の一例に相当し、矢印bの方向は、「第2方向」の一例に相当する。
【0023】
例えば、ユーザが
図1に示す状態の端子30を指等で押すことにより、矢印aの方向に力を加えた場合には、回転軸50は矢印aの方向に回転し、バネ部40は伸長する。これにより、端子30は、矢印aの方向に回転し、
図2に示す状態(第1延伸部31が配置面Aと平行な状態)になる。端子30が
図2に示す状態である可変抵抗器100の状態を「第2状態」という。
【0024】
一方、ユーザが
図2に示す状態の端子30から指等を離した場合、バネ部40はその復元力により収縮し、回転軸50は矢印bの方向へ回転する。これにより、端子30は、矢印bの方向へ回転し、
図1に示す状態(第2延伸部32が配置面Aと平行な状態)に戻る。端子30が
図1に示す状態である可変抵抗器100の状態を「第1状態」という。
【0025】
以上、可変抵抗器100の構成について説明した。
【0026】
次に、
図3を用いて、上述した可変抵抗器100を基板に取り付ける方法について説明する。
図3は、可変抵抗器100が基板60に取り付けられた状態を示す側面図である。ここでは例として、リフロー半田付けが行われる場合を例に挙げる。
【0027】
はじめに、基板60の面Bにおける可変抵抗器100の搭載位置に、半田70(例えば、クリーム半田)を塗布する。
【0028】
次に、第1状態の可変抵抗器100(
図1参照)において端子30を矢印aの方向に回転させ、第2状態(
図2参照)にする。そして、可変抵抗器100を半田70の上に配置する。具体的には、固定部1の配置面Aおよび端子30の第1延伸部31を半田70の上に配置する。このとき、突起部10、端子20、および端子30の第2延伸部32は、それぞれ、基板60に設けられた穴部H1、H2、H3に挿入される。穴部H1~H3は、基板60の厚み方向に貫通した穴である。なお、穴部H1~H3には、半田70が入り込んでいてもよい。
【0029】
このようにして端子30が基板60と係合すると、端子30は、バネ部40の復元力により矢印bの方向へ付勢されることになる。この復元力の作用方向は、シャフト部2が基板60の面Bへ向かう方向とは逆であるので、シャフト部2が基板60の面Bへ向けて傾くことがない。すなわち、基板60に配置された可変抵抗器100は、支え部材を使用することなく、
図3に示す正しい姿勢を維持することができる。
【0030】
その後、所定の加熱装置(図示略)を用いて、半田70を加熱し溶融させる。これにより、可変抵抗器100(具体的には、端子30の第1延伸部31、突起部10、端子20)が基板60(具体的には、面B)に半田付けされ、可変抵抗器100は基板60に固定される。
【0031】
以上、可変抵抗器100の基板60への取り付け方法について説明した。
【0032】
上述したように、本実施の形態の可変抵抗器100は、基板60に配置される配置面Aを備えた固定部1(第1部位の一例)と、基板60から離間して設けられるシャフト部2(第2部位の一例)と、を有し、基板60に設けられたときに重心がシャフト部2に位置する可変抵抗器100(電子部品の一例)であって、配置面Aから固定部1の外部へ突出して設けられ、配置面1の内部の回転軸50を中心として、矢印aの方向(第1方向の一例)と、その方向とは逆の矢印bの方向(第2方向の一例)とに回転可能であり、矢印aの方向へ回転した状態で基板60に係合する端子30と、基板60に係合した状態である端子30を矢印bの方向へ付勢するバネ部40と、を有することを特徴とする。
【0033】
この特徴により、支え部材を使用しなくても、可変抵抗器100を正しい姿勢で基板60上に配置することができ、半田付けを行うことができる。したがって、支え部材を使用する場合に発生する様々な課題(例えば、支え部材を使用することで部品点数が増加する、リフローによって支え部材が熱膨張する、リフロー後に支え部材を廃棄することでゴミが発生する、支え部品の製造、輸送、管理等にコストがかかる等)を解決することができる。
【0034】
<実施の形態2>
図4、
図5を用いて、本開示の実施の形態2に係る可変抵抗器200の構成について説明する。
図4、
図5は、それぞれ、可変抵抗器200の第1状態、第2状態を示す側面図である。以下に説明する可変抵抗器200は、本開示の「電子部品」の一例に相当する。
【0035】
図4、
図5に示すように、可変抵抗器200は、実施の形態1で説明した可変抵抗器100と同様に、固定部1、シャフト部2、突起部10、端子20、端子30を有する。その一方で、可変抵抗器200には、実施の形態1で説明したバネ部40および回転軸50は設けられていない。
【0036】
以下、可変抵抗器200における実施の形態1の可変抵抗器100と異なる点について説明する。
【0037】
端子30は、本実施の形態の特徴的な構成要素であり、実施の形態1と同様に、第1延伸部31および第2延伸部32を有するL字型の端子である。なお、実施の形態1と同様に、第1延伸部31と第2延伸部32とが成す角度は、90度に限定されず、ゼロ度より大きい所定角度であればよい(すなわち、L字型に限定されない)。
【0038】
端子30は、外力が加えられたときに変形し、その外力がなくなったときに復元力によって元の形状に戻ることが可能な端子である。端子30を構成する材料としては、例えば、弾性を備えた鋼材、りん青銅、ステンレス鋼、合金材等を用いることができるが、これらに限定されない。
【0039】
図示は省略するが、端子30の第1延伸部31の一端は、固定部1内の所定部材(例えば、基板等)に固定されている。
【0040】
例えば、ユーザが
図4に示す第1状態の端子30を指等で押すことにより、矢印aの方向に力を加えた場合には、第1延伸部31の一端(固定部1に固定された箇所)に近い部分が矢印aの方向に曲がる。これにより、端子30は、矢印aの方向に回転し、
図5に示す状態(第1延伸部31が配置面Aと平行な状態)になる。
【0041】
一方、ユーザが
図5に示す状態の端子30から指等を離した場合、端子30はその復元力により、矢印bの方向へ付勢される。これにより、端子30は、矢印bの方向へ回転し、
図4に示す状態(第2延伸部32が配置面Aと平行な状態)に戻る。
【0042】
すなわち、本実施の形態の端子30は、外力により矢印aの方向へ曲げられ(
図4参照)、その後外力がなくなると、復元力により矢印bの方向へ付勢され、元の形状に戻る弾性を備えることを特徴とする。
【0043】
以上、可変抵抗器200の構成について説明した。
【0044】
以下、
図6、
図7を用いて、上述した可変抵抗器200を基板に取り付ける方法について説明する。
【0045】
まず、第1の取り付け例について、
図6を用いて説明する。
図6の上図および下図は、それぞれ、可変抵抗器200が基板60に取り付けられた状態を示す側面図および下面図である。なお、
図6の上図では、基板60について
図6の下図のX-Xの断面を示している。ここでは例として、リフロー半田付けが行われる場合を例に挙げる。
【0046】
はじめに、基板60の面Bにおける可変抵抗器200の搭載位置に、半田70(例えば、クリーム半田)を塗布する。
【0047】
次に、第1状態の可変抵抗器200(
図4参照)において端子30を矢印aの方向に曲げ(回転させ)、第2状態(
図5参照)にする。そして、可変抵抗器200を半田70の上に配置する。具体的には、端子30の第1延伸部31を半田70の上に配置する。このとき、突起部10、端子20、および端子30の第2延伸部32は、それぞれ、基板60に設けられた穴部H1、H2、H3に挿入される。なお、穴部H1~H3には、半田70が入り込んでいてもよい。
【0048】
このように端子30が基板60と係合すると、端子30は、それ自身の復元力により矢印bの方向へ付勢されることになる。この復元力の作用方向は、シャフト部2が基板60の面Bへ向かう方向とは逆であるので、シャフト部2が基板60の面Bへ向けて傾くことがない。すなわち、基板60に配置された可変抵抗器200は、支え部材を使用することなく、
図6の上図に示す正しい姿勢を維持することができる。
【0049】
その後、所定の加熱装置(図示略)を用いて、半田70を加熱し溶融させる。これにより、可変抵抗器200(具体的には、端子30の第1延伸部31、突起部10、端子20)が基板60(具体的には、面B)に半田付けされ、可変抵抗器200は基板60に固定される。
【0050】
次に、第2の取り付け例について、
図7を用いて説明する。
図7の上図および下図は、それぞれ、可変抵抗器200が基板60に取り付けられた状態を示す側面図および下面図である。なお、
図7の上図では、基板60について
図7の下図のX-Xの断面を示している。
【0051】
本例では、
図7に示すように、基板60には、
図6に示した穴部H3の代わりに、それよりも大きい穴部H4が設けられている点が異なる。
【0052】
はじめに、基板60の面Bの裏面における穴部H4の周辺部分(第2延伸部32が係合する部分)に、半田70(例えば、クリーム半田)を塗布する。
【0053】
次に、
図4に示した状態の端子30を、少しだけ矢印aの方向へ曲げ(例えば、
図4に示した位置と
図5に示した位置との中間位置まで曲げ)、その状態で第2延伸部32を穴部H4に挿入する。また、このとき、突起部10、端子20を、それぞれ、穴部H1、H2に挿入する。
【0054】
その後、第2延伸部32が穴部H4を通過すると、端子30は、矢印bの方向へ付勢されて元の位置(
図4に示した位置)に戻る。これにより、第2延伸部32は、基板60の面Bの裏面に付された半田70上に配置される(
図7の上図参照)。また、このとき、突起部10、端子20それぞれの先端は、穴部H1、H2から突出する(
図7の上図参照)。
【0055】
次に、所定の加熱装置(図示略)を用いて、基板60と第2延伸部32との間の半田70を加熱し溶融させる。また、面Bの裏面から突出した突起部10および端子20それぞれの周囲において、例えばフロー半田付けを行う(
図7の上図および下図では、半田の図示略)。
【0056】
これにより、可変抵抗器200(具体的には、端子30の第2延伸部32、突起部10、端子20)が基板60(具体的には、面Bの裏面)に半田付けされ、可変抵抗器200は基板60に固定される。
【0057】
このように、基板60に配置された可変抵抗器200は、支え部材を使用することなく、
図6、
図7の上図に示す正しい姿勢を維持することができる。
【0058】
以上、可変抵抗器200の基板60への取り付け方法について説明した。
【0059】
上述したように、本実施の形態の可変抵抗器200は、基板60に配置される配置面Aを備えた固定部1(第1部位の一例)と、基板60から離間して設けられるシャフト部2(第2部位の一例)と、を有し、基板60に設けられたときに重心がシャフト部2に位置する可変抵抗器200(電子部品の一例)であって、配置面Aから固定部1の外部へ突出して設けられ、基板60に係合する端子30を有し、端子30は、外力により矢印aの方向(第1方向の一例)へ曲げられた場合、復元力によりその方向とは逆の矢印bの方向(第2方向の一例)へ付勢される弾性を備えることを特徴とする。
【0060】
この特徴により、実施の形態1と同様に、支え部材を使用しなくても、可変抵抗器200を正しい姿勢で基板60上に配置することができ、半田付けを行うことができる。したがって、支え部材を使用する場合に発生する様々な課題(例えば、支え部材を使用することで部品点数が増加する、リフローによって支え部材が熱膨張する、リフロー後に支え部材を廃棄することでゴミが発生する、支え部品の製造、輸送、管理等にコストがかかる等)を解決することができる。
【0061】
<変形例>
なお、本開示は、上記実施の形態1、2の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0062】
例えば、上記では、端子30の形状がL字型である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、端子30は、L字型以外の、基板60に係合可能な形状を有すればよい。
【0063】
また、例えば、上記では、リフロー半田付けを例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、フロー半田付けを行う場合にも、可変抵抗器100、200は、上述した効果を発揮できる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本開示の電子部品は、基板に配置される電子部品に有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 固定部
2 シャフト部
10 突起部
20 端子
30 端子
31 第1延伸部
32 第2延伸部
40 バネ部
50 回転軸
60 基板
70 半田
100、200 可変抵抗器