(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020795
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】レゾルバのステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/02 20160101AFI20240207BHJP
H02K 1/00 20060101ALI20240207BHJP
H02K 24/00 20060101ALI20240207BHJP
H02K 3/46 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
H02K11/02
H02K1/00 Z
H02K24/00
H02K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123250
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】村岡 輝明
(72)【発明者】
【氏名】佐原 祐輔
【テーマコード(参考)】
5H601
5H604
5H611
【Fターム(参考)】
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601GA02
5H601GB12
5H601GB33
5H601GC12
5H601HH14
5H601JJ03
5H601JJ07
5H601KK26
5H604BB13
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604PB03
5H611AA03
5H611BB00
5H611SS00
5H611UA03
5H611UB01
(57)【要約】
【課題】回転電機が発生する磁束を効果的に遮蔽してステータ巻線に鎖交する磁束を低減する。
【解決手段】コアバック部111と、コアバック部111の周縁から径方向内側に延在するティース112とを備えたステータコア110と、ステータコア110に設けられたインシュレータ120と、インシュレータ120を介してティース112に巻回されたステータ巻線130と、ステータコア110のモータ側を覆う環状のシールド160とを備えたレゾルバ1のステータ100である。インシュレータ160は、ティース112に装着される巻線部と、巻線部から径方向外側に延在するフランジ部125とを備え、シールド160は、コアバック部111を覆う第1環状部161と、ステータ巻線130を覆う第2環状部164とを備え、コアバック部111と第1環状部161との間に、フランジ部125を介在させた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の本体部と、前記本体部の周縁から径方向内側に延在する複数のティースとを備えたステータコアと、
前記ステータコアに設けられたインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記複数のティースに巻回されたステータ巻線と、
前記ステータ巻線の端末が接続される複数の端子ピンと、
前記複数の端子ピンを保持する端子台部と、
前記ステータコアの回転電機側を覆う環状のシールドと、
を備えたレゾルバのステータにおいて、
前記インシュレータは、前記ティースに装着される巻線部と、前記巻線部から径方向外側に延在するフランジ部とを備え、
前記シールドは、前記ステータコアの前記本体部を覆う第1環状部と、前記ティースに巻回されたステータ巻線を覆う第2環状部とを備え、
前記ステータコアの前記本体部と前記シールドの前記第1環状部との間に、前記インシュレータの前記フランジ部を介在させたレゾルバのステータ。
【請求項2】
前記ステータコアの前記本体部は、ボルトを挿通させるための複数の挿通部を備え、
前記シールドの前記第1環状部は、前記ボルトを挿通するための複数の第1貫通孔を備え、前記第1貫通孔の周縁部に前記フランジ部を介在させた請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項3】
前記シールドは、前記第1環状部の周縁から軸方向に延在して前記ステータコアの前記本体部の側面を覆う円筒部を備える請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項4】
前記インシュレータの前記フランジ部は、軸方向へ突出する複数の結合ピンを備え、前記シールドの前記第1環状部は、前記結合ピンが貫通する複数の第2貫通孔を備え、前記シールドは、前記第2貫通孔から突出した前記結合ピンを塑性変形して前記ステータコアに結合されている請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項5】
前記インシュレータは、前記ステータコアをインサート材にして一体に成形されている請求項4に記載のレゾルバのステータ。
【請求項6】
前記シールドは、前記端子台部を覆う端子台部カバーを備える請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項7】
前記ステータコアの前記本体部は、径方向外側に突出する複数のフランジを備え、前記フランジに、前記挿通部を備えた請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項8】
前記挿通部は、貫通孔または切欠である請求項7に記載の請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項9】
前記シールドの前記第2環状部は、前記第1環状部よりも前記ステータコアから軸線方向に離れた位置にある請求項1に記載のレゾルバのステータ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のレゾルバのステータの内側に、前記回転電機の出力軸に接続されたロータを配置したレゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバのステータに係り、特に、シールドを備えたレゾルバのステータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータや発電機などの回転電機の回転角を検出する手段として、レゾルバが知られている。レゾルバを適用した回転電機の巻線に供給した電流の変化によって、回転電機から発生した磁束の一部が、レゾルバのステータに巻回した巻線に流れる信号に重畳することで、信号の波形が乱れて回転電機の回転角を正確に検出できなくなる虞がある。このため、回転電機からの磁束の影響を抑制するため、シールドを備えたレゾルバのステータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のレゾルバのステータは、
図10に示すように、複数のティース部13に巻回されたステータ巻線10を覆う環状のシールド本体を有した電磁シールド8を備え、ステータコア9は、ボルト締結孔としてのコア締結孔15aが形成されたコア締結部15を有し、電磁シールド8は、コア締結孔15aに連なるシールド締結孔21aが形成されたシールド締結部21を有する。
【0004】
このような構造においては、コア締結孔15aとシールド締結孔21aとにボルトを挿通して、コア締結部15とシールド締結部21とをハウジングに共締めするように構成されている。この場合において、ステータコア9の各コア締結部15に微小孔40を形成し、微小孔40に電磁シールド8のシールド締結部21の一部を圧入するようにしてカシメ結合している。これによって共締め作業の効率を飛躍的に向上させることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような構造では、ステータコア9と電磁シールド8が接触しているため、回転電機が発生する磁束が電磁シールド8からステータコア9を経由してステータ巻線10に鎖交する虞がある。また、ステータコア9と電磁シールド8は軸方向で重なっているため、ステータコア9の側面は露出した構造となっている。このため、回転電機が発生する磁束がステータコア9の側面から侵入してステータ巻線10に鎖交する虞がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、回転電機が発生する磁束を効果的に遮蔽してステータ巻線に鎖交する磁束を低減することができるレゾルバのステータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、環状の本体部と、前記本体部の周縁から径方向内側に延在する複数のティースとを備えたステータコアと、前記ステータコアに設けられたインシュレータと、前記インシュレータを介して前記複数のティースに巻回されたステータ巻線と、前記ステータ巻線の端末が接続される複数の端子ピンと、前記複数の端子ピンを保持する端子台部と、前記ステータコアの回転電機側を覆う環状のシールドと、を備えたレゾルバのステータにおいて、前記インシュレータは、前記ティースに装着される巻線部と、前記巻線部から径方向外側に延在するフランジ部と、を備え、前記シールドは、前記ステータコアの前記本体部を覆う第1環状部と、前記ティースに巻回されたステータ巻線を覆う第2環状部とを備え、前記ステータコアの前記本体部と前記シールドの前記第1環状部との間に、前記インシュレータの前記フランジ部を介在させたレゾルバのステータである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ステータコアの本体部とシールドの第1環状部との間に、インシュレータのフランジ部を介在させているので、回転電機が発生する磁束を効果的に遮蔽してステータ巻線に鎖交する磁束を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態のレゾルバを示す平面図である。
【
図2】実施形態のレゾルバのステータを示す分解斜視図である。
【
図3】実施形態のレゾルバのステータを下側から視た分解斜視図である。
【
図4】実施形態のレゾルバのステータを示す平面図である。
【
図5】実施形態のレゾルバのステータを示す側面図である。
【
図6】実施形態のレゾルバのステータを示す裏面図である。
【
図7】実施形態のレゾルバのステータを下側から視た斜視図である。
【
図8】実施形態のレゾルバのステータのボルトを含む部分の断面図である。
【
図9】実施形態のレゾルバのステータの結合ピンを含む部分の断面図である。
【
図10】特許文献1に記載のレゾルバのステータを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.レゾルバの全体構成
図1に本発明の実施形態のレゾルバ1を示す。レゾルバ1は、VR(バリアブルリラクタンス)型レゾルバである。レゾルバ1は、ロータ10とステータ100を有している。ロータ10は、モータ(図示略)の出力軸に固定されている。ロータ10は、軸方向から見て、径方向外側に突出する複数の突部11を有する非円形な形状を有している。ロータ10は、薄板状のロータコアを軸方向において複数枚積層した構造を有している。なお、以下の説明においては、出力軸の方向を「軸方向」と称し、軸方向に直交する方向を「径方向」と称する。また、「上」および「下」の用語は
図2の上下方向を示すものとする。
【0012】
ロータ10を構成する薄板状のロータコアは、電磁鋼板からなるプレートを図示の形状にプレス加工することで製作されている。複数のロータコアは、軸方向において積層され、カシメ固定により固定されることでロータ10が構成されている。
【0013】
ステータ100は、ロータ10の外側に配置され、ハウジング20に固定されている。ロータ10とステータ100との間には、隙間が設けられ、ロータ10がステータ100の内側で回転できる構造となっている。ハウジング20は、レゾルバ1のステータ100が取り付けられる対象となる部材であり、レゾルバ1のステータ100を固定するためのねじ孔(図示略)が設けられている。ねじ孔にボルト30を螺合させることで、レゾルバ1のステータ100はハウジング20に取り付けられている。なお、
図1では、ボルト30は、1本のみであるが、複数のボルト30でハウジング20に取り付ける。
【0014】
図2および
図3に示すように、ステータ100は、ステータコア110を有している。ステータコア110は、薄板状のコアを軸方向で複数枚積層した構造を有している。薄板状のコアは、環状のコアバック部(本体部)111と、コアバック部111から径方向内側に突出する複数のティース112と、コアバック部111から径方向外側に突出する複数のフランジ113を備えている。フランジ113には、ボルト30を挿通させる貫通孔(挿通部)113aが周方向に同心円上に形成されている。コアは、電磁鋼板からなるプレートをプレス加工することで製作されている。このコアが軸方向において複数積層され、カシメ固定されることで、ステータコア110が得られている。貫通孔113aの直径は、ボルト30を貫通孔113aに挿通した際、ボルト30がステータコア110に接触しない寸法を有している。
【0015】
ステータコア110の軸方向両側からインシュレータ120が固定されている。インシュレータ120は、絶縁性のある樹脂製であり、ステータコア110をインサート材にして射出成形されたものである。
図8および
図9に示すように、インシュレータ120は、各ティース112に固定された巻線部121と、巻線部121から径方向外側に延在するフランジ部125とを備えている。
【0016】
巻線部121は、ティース112の全周を囲繞するように形成されており、径方向中央部の胴部122と、胴部122の内周側で軸方向および周方向に広がった内側規制部123と、胴部122の外周側で軸方向に立設された外側規制部124とを備えている。そして、胴部122には、ステータ巻線130が巻回され、内側規制部123と外側規制部124は、ステータ巻線130の巻き崩れが生じないように導線を巻回する範囲を規制する。
【0017】
インシュレータ120のフランジ部125には、径方向外側に突出する複数の突起部126が周方向に等間隔に配列されて形成されている。突起部126は、ステータコア110のフランジ113とほぼ同形同大に形成され、ステータコア110のフランジ113に重ねて配置されている。突起部126には、フランジ113の貫通孔113aと重なる貫通孔126aが形成されている。
【0018】
図2に示すように、インシュレータ120には、端子台部140が一体に成形され、端子台部140には複数の端子ピン141がインサート成形により植設されている。また、端子台部140の軸方向下側には、コネクタハウジング142が一体に成形されている。端子ピン141は、軸方向にクランク状をなしており、その一端部は端子台部140に突出し、他端部はコネクタハウジング142の中に突出している。ステータ巻線130の巻線端末131は、端子ピン141の一端部に絡げられて接続されている。
【0019】
図3に示すように、インシュレータ120には、軸方向下側に突出する環状突起127が形成されている。環状突起127は、コアバック部111に添って環状に延在し、その端部は端子台部140に接続されている。
【0020】
端子台部140には、端子ピンカバー150が装着されている。端子ピンカバー150は、矩形の頂板部151と、頂板部151の3辺から軸方向に延在する側板部152と、互いに対向する側板部152の下縁部から軸方向に延在する一対の腕部153とからなっている。一対の腕部153の下端部には、互いの方向に突出する爪部154が形成されている。
【0021】
一方、端子台部140の上面には、その一側に添って軸方向上側に突出する複数の凸部143が形成されており、凸部143の径方向外側の面に端子ピンカバー150の側板部152の内周面が密着するようになっている。また、端子台部140の両側部には、溝144が形成され、溝144の下端部には一段深くなった段部145が形成されている。このような構成のもとに、端子ピンカバー150の腕部153を溝144に挿入して押し下げると、爪部154が段部145に係合して端子ピンカバー150が端子台部140に装着される。
【0022】
図3に示すように、端子ピンカバー150の頂板部151の裏面には、径方向に延在する複数の仕切板155が形成されている。端子ピンカバー150を端子台部140に装着すると、仕切板155が端子ピン141同士の間に挿入され、端子ピン141の一端部に絡げ接続されたステータ巻線130の巻線端末131同士の接触を防止する。
【0023】
インシュレータ120のフランジ部125には、軸方向上側に突出する複数の結合ピン128が貫通孔126aの中間に位置して形成されている。そして、この結合ピン128を用いてシールド160がインシュレータ120に結合されている。
【0024】
シールド160は、金属材料(例えば、冷間圧延鋼板)からなる環状のものであり、
図2に示すように、外周側に第1環状部161を備えている。第1環状部161の縁部には、軸方向下側に延在する円筒部162が形成されている。円筒部162の軸方向の長さは、ステータコア110の軸方向の長さにインシュレータ120のフランジ部125の厚さを足した長さと同じに設定されているが、この寸法より大きくてもよい。第1環状部161の内周側には、連接部163を介して第2環状部164が形成されている。
【0025】
第2環状部164は、第1環状部161に対して軸方向上側に偏って位置しており、両者を連結する連接部163は、上り勾配の傾斜面とされている。連接部163の一側には、径方向外側に延在する端子台部カバー166が形成されている。端子台部カバー166の面と第2環状部164の面は同一平面とされている。第2環状部164の中央には円形の開口165が形成されている。
【0026】
第1環状部161には、円形の複数の第1貫通孔167が周方向に同心円上に形成されている。第1貫通孔167は、ステータコア110のフランジ113に形成された貫通孔113aと、インシュレータ120の突起部126に形成された貫通孔126aに対応する位置に配置されている。また、第1環状部161には、円形の複数の第2貫通孔168が周方向に同心円上に形成されている。第2貫通孔168は、インシュレータ120のフランジ部125に形成された結合ピン128に対応する位置に配置されている。
【0027】
2.レゾルバの組立方法
インシュレータ120のフランジ部125に形成された複数の結合ピン128をそれぞれシールド160の第1環状部161に形成された第2貫通孔168に挿入し、第2貫通孔168から突出した結合ピン128の先端を熱で塑性変形(熱カシメ)することで、シールド160をステータコア100と結合する(
図9参照)。結合ピン128の変形した先端の箇所は、シールド160の第2環状部164よりも下方に配置され、第2環状部164から軸方向に突出しない。
【0028】
このとき、シールド160の第2環状部164は、ステータ巻線130の上方に位置し、ステータ巻線130と第2環状部164(第2環状部164の裏面)との間には所定の隙間が形成され、シールド160がステータ巻線130に接触しないようになっている。
【0029】
シールド160の第1環状部161は、インシュレータ120のフランジ部125に載置される。このように、ステータコア110のコアバック部111とシールド160の第1環状部161との間には、フランジ部125が配置されるため、シールド160はステータコア110に接触しない。
【0030】
シールド160の第2環状部164はステータ巻線130を覆い、シールド160の第1環状部161はステータコア110のコアバック部111を覆い、シールド160の端子台部カバー166は端子台部140を覆い、シールド160の円筒部162はステータコア110の側面の全周を囲繞する。
図6に示すように、ステータコア110の側面とシールド160の円筒部162の内周面とは、互いに接触しないように径方向で所定の隙間を有している。
【0031】
シールド160を装着したステータ100を金属製のボルト30でハウジング20に取り付ける。この場合、
図8に示すように、座金31をシールド160とボルト30の間に介装することができる。ボルト30をシールド160の第1環状部161に形成された第1貫通孔167と、ステータコア110のフランジ113に形成された貫通孔113aに挿通し、ハウジング20のねじ孔に螺合させる。
【0032】
3.効果
モータが回転すると磁束が発生し、ステータ巻線130へ向かう磁束はシールド160に吸収される。上記構成のレゾルバのステータ100においては、ステータコア110のコアバック部111とシールド160の第1環状部161との間に、インシュレータ120の絶縁性を有する樹脂のフランジ部125を介在させているから、シールド160に吸収された磁束がコアバック部111を経由してステータ巻線130に鎖交するのを抑制することができる。そして、そのような作用を、インシュレータ120の一部であるフランジ部125を利用して得ることができるので、製造コストの増加を回避することができる。
【0033】
ボルト30は、アンテナとなってモータが発生した磁束を吸収し、磁束はシールド160に流れる。この点、上記実施形態では、ボルト30を挿通させるシールド160の第1貫通孔167の周縁部に絶縁性を有する樹脂のフランジ部125が存在するから、磁束がコアバック部111へ流れるのを防ぐことができる。また、ボルト30をステータコア110の貫通孔113aに挿通した際、ボルト30とステータコア100とが互いに接触しないように径方向で所定の隙間を有しているから、磁束がコアバック部111へ流れるのを防ぐことができる。
【0034】
上記ステータ100においては、シールド160の円筒部162がコアバック部111の周囲を覆っているから、コアバック部111の周囲から入り込もうとする磁束を遮蔽することができる。
【0035】
上記ステータ100においては、シールド160の第2環状部164がステータ巻線130に対して軸方向上側に離間しているから、シールド164が吸収した磁束がステータ巻線130に鎖交するのが抑制される。
【0036】
上記ステータ100においては、シールド160が端子台部140を覆う端子台部カバー166を備えているので、モータが発生する磁束が巻線端末131に与える影響を抑制することができる。
【0037】
上記実施形態では、インシュレータ120がステータコア110をインサート材として一体に成形されているから、インシュレータ120の結合ピン128をシールド160の第2貫通孔168に挿通して熱カシメすると、ステータコア110もインシュレータ120に結合されるから作業性がよい。
【0038】
4.変更例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく以下のように種々の変更が可能である。
i)ステータコア110のフランジ113に形成した貫通孔113a、およびインシュレータ120の突起部126に形成した貫通孔126aは、径方向外側に開放された切欠であってもよい。
【0039】
ii)上記実施形態ではコネクタハウジング142を設けてソケットを差し込むようにしているが、端子ピン141に公知のリード線を接続した構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、モータ等の回転電機の回転角を検出するレゾルバに利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…レゾルバ、10…ロータ、11…突部、20…ハウジング、30…ボルト、31…座金、100…ステータ、110…ステータコア、111…コアバック部(本体部)、112…ティース、113…フランジ、113a…貫通孔(挿通部)、120…インシュレータ、121…巻線部、122…胴部、123…内側規制部、124…外側規制部、125…フランジ部、126…突起部、126a…貫通孔、127…環状突起、128…結合ピン、130…ステータ巻線、131…巻線端末、140…端子台部、141…端子ピン、142…コネクタハウジング、143…凸部、144…溝、145…段部、150…端子ピンカバー、151…頂板部、152…側板部、153…腕部、154…爪部、155…仕切板、160…シールド、161…第1環状部、162…円筒部、163…連接部、164…第2環状部、165…開口、166…端子台部カバー、167…第1貫通孔、168…第2貫通孔。