(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020824
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】最適経路調整プログラム及び最適経路調整装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/047 20230101AFI20240207BHJP
【FI】
G06Q10/04 310
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123299
(22)【出願日】2022-08-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-06
(71)【出願人】
【識別番号】518064374
【氏名又は名称】株式会社オプティマインド
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮丞
(72)【発明者】
【氏名】深谷 皇紀
(72)【発明者】
【氏名】斉東 志一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】一旦決定して採用した経路情報に調整を行いたいときに利用者にとって使いやすい調整を実現すること。
【解決手段】最適経路情報を演算して取得し、表示画面上に地図情報表示領域を設けて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示し、車両毎に、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて表示画面上に表示し、調整対象のサービスの選択及び移動先の選択のための表示画面上の表示ピン又はサービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付け、ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路の再計算を実行し、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する少なくとも1以上の車両の移動の最適経路をユーザ端末のディスプレイに表示させる表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をサーバ装置に実現させるための最適経路調整プログラムであって、
前記サーバ装置に、
複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する調整対象選択操作受付機能と、
調整対象の前記サービスの移動先を指定するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する移動箇所選択操作受付機能と、
ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、
前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させる調整内容反映機能と
を実現させる最適経路調整プログラム。
【請求項2】
前記サーバ装置に、
前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作及び/又は選択準備操作が行われた場合に、対象となったサービスに対応する前記表示画面上の前記表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるサービス概要表示機能
をさらに実現させる請求項1記載の最適経路調整プログラム。
【請求項3】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する少なくとも1以上の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をコンピュータに実現させるための最適経路調整プログラムであって、
前記コンピュータに、
複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付機能と、
調整対象の前記サービスの移動先を指定するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付機能と、
ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、
前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映機能と
を実現させる最適経路調整プログラム。
【請求項4】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する少なくとも1以上の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理を実行するための最適経路調整装置であって、
複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得部と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理部と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理部と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付部と、
調整対象の前記サービスの移動先を指定するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付部と、
ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算部と、
前記地図情報表示領域処理部及び前記サービス情報表示領域処理部とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映部と
を備える最適経路調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一旦決定して採用した経路情報に基づく運用において状況に変化が生じたときに適切に最適経路の再計算を行うための最適経路調整プログラム及び最適経路調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、「組合せ最適化」という分野において、主に「現実社会の問題を組合せ最適化問題にモデル化する」「ある組合せ最適化問題に対する解法を考案する」ということが研究されている。そして、組合せ最適化問題の中に「配送計画問題(VRP:vehicle routing problem)」という問題がある。これは複数の車両と複数の訪問先が入力されたとき、すべての訪問先がいずれかの車両によりちょうど一度ずつ訪問されるような車両のルート(訪問先の順序)の中でルートの長さの総和が最小となるものを求める問題である。何十年も前からVRPに対して現実で現れる制約条件を取り込んだ問題がいくつも提案され、それらに対する近似解法も同時に研究されてきた。
またVRPを一般化した問題として「PDP:pickup and delivery problem」という問題がある。これは荷物を積む訪問先とその荷物を降ろす訪問先の組が複数入力されたとき、各組に対して各訪問先を同じ車両が訪れ、さらに積んだあとに降ろすという順序を守った上ですべての訪問先がいずれかの車両によりちょうど一度ずつ訪問されるような車両のルートの中でルートの長さの総和が最小となるものを求める問題である。PDPもVRP同様に現実で現れる制約条件を取り込んだ問題がいくつも提案され、それらに対する近似解法も同時に研究されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、配送先を各車両に振り分けるグルーピング処理とグルーピングで決められた配送先グループを車両がどの順序で巡るかというルートの最適化処理とで決定される配送計画について、複数のグルーピング戦略を用いて複数の配送計画を生成し、その中で最適な配送計画を選択するようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、VRPおよびPDPを解くことで配送計画の最適経路を決定した後、個別の事情により決定した経路情報について調整を行いたい場合がある。調整の種類としては、同一車両内での扱う順番の入れ替えや、異なる車両間でのサービスの受け渡しなどが考えられる。そのような経路情報の調整を地図上の経路を目視で確認しながら実行可能な仕組みが求められていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、一旦決定して採用した経路情報に調整を行いたいときに利用者にとって使いやすい調整を実現するための最適経路調整プログラム及び最適経路調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る最適経路調整プログラムは、それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する少なくとも1以上の車両の移動の最適経路をユーザ端末のディスプレイに表示させる表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をサーバ装置に実現させるための最適経路調整プログラムであって、前記サーバ装置に、複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する調整対象選択操作受付機能と、調整対象の前記サービスの移動先を指定するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する移動箇所選択操作受付機能と、ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させる調整内容反映機能とを実現させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る最適経路調整プログラムは、前記サーバ装置に、前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作及び/又は選択準備操作が行われた場合に、対象となったサービスに対応する前記表示画面上の前記表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるサービス概要表示機能をさらに実現させることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る最適経路調整プログラムは、それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する少なくとも1以上の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をコンピュータに実現させるための最適経路調整プログラムであって、前記コンピュータに、複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付機能と、調整対象の前記サービスの移動先を指定するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付機能と、ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映機能とを実現させることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る最適経路調整装置は、それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する少なくとも1以上の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理を実行するための最適経路調整装置であって、複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得部と、前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理部と、車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理部と、調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付部と、調整対象の前記サービスの移動先を指定するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付部と、ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算部と、前記地図情報表示領域処理部及び前記サービス情報表示領域処理部とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一旦演算によって求めた最適経路情報を表示画面上の地図情報表示領域に重畳表示することができる。この表示によって、従来では困難であったサービス情報と最適経路情報を容易に一視野で認識することができるようになる。また、本発明によれば、車両毎にサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて表示した状態において、表示画面上のピン表示又はサービス情報表示領域に対するユーザの選択操作に基づいて、経路の調整を実行することが可能である。これによって、ユーザは、サービス情報を時系列情報と地理的情報として視認しつつも、それらの情報を調整可能なユーザインタフェースによって、視覚的に分かり易い状態にて調整操作を実行することが可能となる。更に、本発明によれば、ユーザは、調整後の経路情報が調整前の経路情報からどのように変化したかについても、表示画面上にて視覚的に確認することが可能となる。同時に、ユーザは、経路情報の変化に対応したサービス情報の変更も併せて視覚的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る最適経路調整装置を実現するためのシステム全体の構成を表したブロック図である。
【
図2】本発明に係る最適経路調整装置(サーバ装置)10の構成の一例を表した説明図である。
【
図3】本発明に係る最適経路調整装置10における最適経路調整処理の流れを表したフローチャート図である。
【
図4】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図5】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図6】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図7】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図8】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図9】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図10】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【
図11】本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しながら、第1の実施の形態に係る最適経路調整装置の例について説明する。
図1は、本発明に係る最適経路調整装置を実現するためのシステム全体の構成を表したブロック図である。なお、最適経路調整装置10は、専用マシンとして設計した装置であってもよいが、一般的なコンピュータやサーバ装置によって実現可能なものであるものとする。この場合に、最適経路調整装置10は、一般的なコンピュータやサーバ装置が通常備えているであろうCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、GPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)、メモリ、ハードディスクドライブ等のストレージを具備しているものとする(図示省略)。また、これらの一般的なコンピュータやサーバ装置を本例の最適経路調整装置10として機能させるためにプログラムよって各種処理が実行されることは言うまでもない。
【0014】
図1に示すように、最適経路調整装置を実現するためのシステム全体の構成は、サーバ装置10と、サービス実行者端末201~20n(以下、これら総称してサービス実行者端末20と表現する場合を含む)と、本部端末30とが、通信ネットワーク40を介して相互に接続可能に構成されている。このうち、サーバ装置10が本例の最適経路調整装置10として機能し、サービス実行者端末20又は本部端末30がユーザ端末として機能する場合を例として説明を行う。なお、サービス実行者端末20又は本部端末30が最適経路調整装置として機能するものとしてもよい。
【0015】
図2は、本発明に係る最適経路調整装置(サーバ装置)10の構成の一例を表した説明図である。この
図2に示すように、最適経路調整装置10は、最適経路情報取得部11と、地図情報表示領域処理部12と、サービス情報表示領域処理部13と、調整対象選択操作受付部14と、移動箇所選択操作受付部15と、最適経路再計算部16と、調整内容反映部17と、記憶部18とを少なくとも備えている。本発明に係る最適経路調整装置10は、表示画面を介してユーザ操作を受け付けて最適経路の調整を行うためのユーザインタフェースを提供するものであり、ユーザ端末においては、表示画面を表示させるディスプレイと、表示画面の所定個所に対するユーザの入力操作を判定して処理する機能が必要となる。
【0016】
最適経路情報取得部11は、複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する機能を有する。ここで、本例においてサービスとは、車両等の移動体を停車(停止)して作業を行う必要のある業務の切り分け単位のことをいう。サービスの一例としては、集荷サービス(ピックアップサービス)と配送サービス(デリバリーサービス)が考えられる。各サービスは、サービス特定情報によって特定される。サービス特定情報とは、実行すべきサービスの内容及び実行地点を特定するために必要な情報のことをいう。また、実行地点とは、サービスを実行する位置のことをいう。また、サービス特定情報としては、依頼主の個人情報、サービスの具体的内容情報など様々な情報が考えられる。最適経路情報取得部11では、このようなサービス特定情報に基づいて特定される複数のサービスを少なくとも1以上の車両によって実行させる際の最適なサービスの組み合わせ及び最適な実行順序を示す経路情報を、最適経路決定手段による演算によって求める。ここで、最適経路決定手段は、複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる場合の最適なサービスの組み合わせと各車両の実行時の最適経路とを既知のアルゴリズムに基づいて配送計画問題を解くことで求めることが可能な手段をいう。この最適経路決定手段は、最適経路調整装置10において備えるようにしてもよいし、例えば、通信ネットワークを介して接続可能な他のサーバ装置に備えさせて、他のサーバ装置にて演算した結果を取得するようにしてもよい。
【0017】
地図情報表示領域処理部12は、表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示する機能を有する。ここで、表示画面とは、最適経路調整装置10を利用するユーザ端末が備えるディスプレイに表示させる画面をいう。表示画面は、最適経路調整装置10において生成してからユーザ端末に送信する構成であってもよいし、ユーザ端末において表示画面の生成に必要な情報を最適経路調整装置10からユーザ端末に送信する構成であってもよい。また、経路情報は、車両毎に色や線種を異ならせるなどの手法により互いに区別可能とする。また、地図情報表示領域に重畳表示させるピン表示は、番号や記号によってそれぞれのピン表示を他のピン表示と区別可能とすることが好ましい。
【0018】
サービス情報表示領域処理部13は、車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて表示画面上に表示する機能を有する。ここで、サービス情報表示領域は、サービス毎に設けられる概要表示欄である。サービス情報表示領域に表示させる概要情報はどのようなものであってもよい。一例としては、サービスの識別番号、サービスの内容(配送、集荷など)、サービス実行地点の住所又は緯度経度などの位置情報、時間指定の有無、予想作業時間の情報などが考えられる。サービス情報表示領域を車両毎に実行順に一方向に並べて表示画面上に表示することで、各車両が実行するサービスを時系列順に並べて表示させる。
【0019】
なお、本例では複数のサービスがそれぞれのサービス実行地点において実行される場合を想定しているものの、2以上のサービスが同一地点にて実行される可能性もある。その場合には、例えば、同一地点において実行される2以上のサービスに対してそれぞれサービス情報表示領域を設けるようにしつつ、同一地点において実行される2以上のサービス全てを一纏まりとしてしか順番の入れ替えなどの調整ができないようにすることが考えられる。あるいは、同一地点において実行される2以上のサービスに対して1つのサービス情報表示領域を設けて、1つのサービス情報表示領域に対して同一地点において実行される2以上のサービス全ての情報を割り当てるようにしてもよい。
【0020】
調整対象選択操作受付部14は、調整対象のサービスを選択するための表示ピン又はサービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する機能を有する。ユーザによる選択操作はどのようなものであってもよいが、例えば、マウスによるクリック操作、タッチパネル式のディスプレイに対するタッチ操作などが考えられる。予め設定した所定の選択操作によって表示ピン又はサービス情報表示領域が選択された場合、当該表示ピン又はサービス情報表示領域が調整対象として選択されたものとする。
【0021】
また、選択操作として予め設定した操作の他に、選択準備操作を予め設定しておき、表示ピン又はサービス情報表示領域に対する選択準備操作が実行された場合には、対象となったサービスに対応する表示画面上の表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるようにしてもよい。例えば、マウスによるシングルクリックを選択操作として設定している場合に、対象に対してポインタをマウスオーバーさせる操作を選択準備操作として設定することが考えられる。また、タッチパネルに対する長押し操作を選択操作として設定している場合に、対象に対するシングルタッチ操作(短時間)を選択準備操作として設定することが考えられる。概要表示枠内に表示させる情報は、サービス情報表示領域に表示させる情報と同じであってもよいし、より簡略化させた情報であってもよい。ピン表示の近傍に概要表示枠を表示させることによって、ピン表示した位置におけるサービスの内容を地図情報表示領域においても把握することが可能となる。また、選択準備操作の場合に加えて、選択操作が実行された場合においても、対象となったサービスに対応する表示画面上の表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるようにしてもよい。
【0022】
移動箇所選択操作受付部15は、調整対象のサービスの移動先を指定するための表示ピン又はサービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する機能を有する。移動箇所の選択方法としては、同じ車両内でサービス実行順を変更する選択操作であってもよいし、サービスの実行主体を他の車両に対して移動させる選択操作であってもよい。ユーザによる選択操作はどのようなものであってもよいが、マウスによるクリック操作、タッチパネル式のディスプレイに対するタッチ操作などが考えられる。より具体的な例としては、調整対象選択操作受付部14における調整対象の選択操作と同じ操作に設定することが考えられる。また、移動箇所選択操作受付部15においても、ユーザによって表示ピン又はサービス情報表示領域に対する選択準備操作が実行された場合に、対象となったサービスに対応する表示画面上の表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるようにしてもよい。また、選択準備操作の場合に加えて、選択操作が実行された場合においても、対象となったサービスに対応する表示画面上の表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるようにしてもよい。また、選択準備操作の場合に加えて、移動箇所の選択操作が実行された場合においても、対象となったサービスに対応する表示画面上の表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるようにしてもよい。
【0023】
また、調整対象選択操作受付部14と移動箇所選択操作受付部15とによって調整内容を決定する手法として、「[調整対象として選択されたサービス]を[移動箇所として選択されたサービス]の後ろに移動させる」、或いは、「[調整対象として選択されたサービス]を[移動箇所として選択されたサービス]の前に移動させる」といった処理を行う者とする。このような調整内容をユーザも視認可能なように、表示画面上に、「[調整対象として選択されたサービス]を[移動箇所として選択されたサービス]の後ろに移動させる」という表示を行うようにして、調整対象の選択操作、移動箇所の選択操作が実行された際に、文字表示の中に選択されたサービスが把握可能なように表示するようにしてもよい。
【0024】
最適経路再計算部16は、ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する機能を有する。このとき利用する最適経路決定手段は、最適経路情報取得部11において最初に最適経路情報を取得する際に利用した最適経路決定手段と同一の最適経路決定手段であってもよいし、異なるアルゴリズムに基づく最適経路決定手段であってもよい。調整対象のサービスを移動箇所に移動させた後の調整内容について最適経路決定手段によって最適経路を演算によって求める。
【0025】
調整内容反映部17は、地図情報表示領域処理部12及びサービス情報表示領域処理部13とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させる機能を有する。調整後の最適経路情報を表示画面上の地図情報表示領域及びサービス情報表示領域の表示に反映させることで調整が行われたことをユーザが視認可能となる。なお、調整内容反映部17によって反映させた結果をそのまま最新の最適経路情報として採用するようにしてもよいし、調整内容反映部17によって表示画面上に反映させた後で、ユーザが最新の最適経路情報として採用するか否かを判断するようにしてもよい。
【0026】
記憶部18は、最適経路調整装置10において行われる様々な処理で必要なデータ及び処理の結果として得られたデータを記憶させる機能を有する。
【0027】
次に、本発明に係る最適経路調整装置10における最適経路調整処理の流れについて説明を行う。
図3は、本発明に係る最適経路調整装置10における最適経路調整処理の流れを表したフローチャート図である。この
図3に示すように、最適経路調整装置10における最適経路調整処理は、最適経路調整装置10において最適経路情報を取得することによって開始される(ステップS101)。次に、最適経路調整装置10は、取得した最適経路情報に基づいて、表示画面上の地図情報表示領域に車両ごとの経路情報とサービス実行地点の情報を重畳表示させる(ステップS102)。次に、最適経路調整装置10は、車両毎に、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて表示画面上に表示させる(ステップS103)。次に、最適経路調整装置10は、表示画面に対するユーザによる調整対象のサービスの選択操作を受付ける(ステップS104)。次に、最適経路調整装置10は、表示画面に対するユーザによる対象サービスの移動箇所の選択操作を受付ける(ステップS105)。次に、最適経路調整装置10は、ユーザの選択操作によって決定された調整内容について最適経路の再計算を実行して調整後の最適経路情報を取得する(ステップS106)。なお、再計算の実行は、対象サービスの移動箇所の選択操作を受付けたことをトリガーとして開始するようにしてもよいし、対象サービスの移動箇所の選択操作を受付けた後で、ユーザによる変更ボタンへのクリック操作をさらに受け付けることをトリガーとして開始するようにしてもよい。また、ユーザによる変更ボタンへのクリック操作時にはルート探索のみを実行して変更後のルートの決定を行い、さらにその後に検証ボタンへのクリック操作をトリガーとして再計算を開始するようにしてもよい。そして、最適経路調整装置10は、調整後の最適経路情報に基づいて調整内容を表示画面に反映させて(ステップS107)、最適経路調整処理を終了する。
【0028】
図4乃至
図11は、本発明に係る最適経路調整装置10において最適経路調整処理を実現するための表示画面の一例を表した画像図である。
図4~
図8は、表示画面上のサービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作に基づいて調整を実行する場合を表した画像図である。
図9~
図11は、表示画面上のピン表示に対するユーザによる選択操作に基づいて調整を実行する場合を表した画像図である。
【0029】
最適経路調整装置10において用いる表示画面A1には、
図4に示すように、地図情報表示領域Bと、ドライバーC1及びドライバーC2のそれぞれの横に、各ドライバーの担当するサービスを表したサービス情報表示領域D1、D2がそれぞれ実行順に並べて表示されている。最適経路調整装置10は、最適経路情報を取得すると、地図情報表示領域Bに対して、サービス実行地点をピン表示E1、E2にて重畳表示させ、また、各ドライバーがサービスを実行する際の最適経路F1、F2を重畳表示させる。また、調整内容を文字情報としても確認可能なように、「[(配送先を選択)]を[(配送先を選択)]の後ろに移動させる」という案内表示Gを表示している。この
図4の例では、配送先1~配送先11の11個のサービスについて、ドライバーC1に対して配送先1~配送先6の6個を割り当てて、ドライバーC2に対して配送先7~配送先11の5個を割り当てた状態にて、それぞれ最適な経路情報を算出して地図情報表示領域Bに経路情報F1、F2を重畳表示させている。また、それぞれの車両が担当するサービスを他の車両と区別可能なように、表示形態を互いに異ならせることが好ましく、
図4の例では、ピン表示の形態を異ならせるとともに、サービス情報表示領域における各車両の実行順を表す番号の表示形態を異ならせている。
【0030】
図5は、ユーザがサービス情報表示領域D1の上にマウスのポインタJをマウスオーバーさせた後に、当該サービス情報表示領域D1上でマウスをクリックして選択操作を実行した状態を表している。サービス情報表示領域D1の上にマウスのポインタJをマウスオーバーさせると、地図情報表示領域B上のこのサービス情報表示領域D1に対応したピン表示E3の近傍に概要表示枠K1が表示されて、サービスの概要が示される。その後、サービス情報表示領域D1上でマウスをクリックして選択操作が実行されると、案内表示Gとして、調整対象のサービスを表示する欄に、「[(1)配送先1]を[(配送先を選択)]の後ろに移動させる」というように、選択したサービスが入力される。
【0031】
図6は、ユーザが調整対象として選択した[配送先1]を示すサービス情報表示領域D1について、移動箇所の選択操作を実行している様子を表している。この
図6では、ドライバーC1に割り当てられている[配送先1]のサービス情報表示領域D1を操作してドライバーC2に割り当てられている[配送先7]のサービス情報表示領域D2の後に移動させる様子を表している。具体的には、
図5において調整対象のサービスとして[配送先1]を示すサービス情報表示領域D1を選択した後、ユーザが[配送先7]のサービス情報表示領域D2の上にマウスのポインタJをマウスオーバーさせた状態を表している。[配送先7]のサービス情報表示領域D2の上にマウスのポインタJをマウスオーバーさせると、移動箇所が分かるように、挿入予定位置表示Lが[配送先7]のサービス情報表示領域D2の後段に表示される。このように、挿入予定位置表示Lが表示された状態にて[配送先7]のサービス情報表示領域D2の上でマウスをクリックすると、[配送先1]のサービス情報表示領域D1の移動先として、[配送先7]のサービス情報表示領域D2の後段の位置が選択される。なお、移動箇所の選択操作は一例であり、他にも、例えば、ドラッグ&ドロップ操作によって移動箇所の選択を行えるようにすることも考えられる。
【0032】
図7は、ユーザによる移動箇所の選択操作が完了した状態を表している。ドライバーC2に割り当てられている[配送先7]のサービス情報表示領域D2の後に[配送先1]のサービスを移動させる調整を行う準備ができた状態といえる。案内表示Gには、移動箇所を示すサービスを表示する欄に、「[(1)配送先1]を[〔1〕配送先7]の後ろに移動させる」というように、移動箇所に関する選択操作の結果が反映される。この
図7の状態において、案内表示Gの右側に設けられた変更ボタンH上にポインタJを移動させてクリックすると、調整内容について最適経路の演算が実行されて、調整後の最適経路情報が得られる。
【0033】
図8は、調整後の最適経路情報が反映された後の表示画面A1を表している。調整後の最適経路情報を反映させたことで、経路情報がF3、F4に更新されており、また、調整前はドライバーC1に割り当てられていた[配送先1]のサービスが、ドライバーC2の[配送先7]と[配送先8]の間に移動させた状態でサービス情報表示領域が並べて表示されている。このように、サービス情報表示領域に対する選択操作によって経路情報の調整を行えるようにすることで、ユーザは地図情報表示領域Bを確認しながら簡単に調整を行うことが可能となる。
【0034】
図9は、
図4に示した表示画面の状態から、表示画面上のピン表示に対するユーザによる選択操作に基づいて調整を行う様子を表している。
図9に示すように、マウスのポインタJを地図情報表示領域Bのピン表示E3の上にマウスオーバーさせると、地図情報表示領域B上のピン表示E3が示すサービスに対応した概要表示枠K1がピン表示E3の近傍に表示されて、サービスの概要が示される。その後、ピン表示E3上でマウスをクリックして選択操作が実行されると、案内表示Gとして、調整対象のサービスを表示する欄に、「[(1)配送先1]を[(配送先を選択)]の後ろに移動させる」というように、選択したサービスが入力される。
【0035】
図10は、ユーザが調整対象として選択した[配送先1]のサービス移動箇所の選択操作としてのピン表示E4へのクリック動作を実行する様子を表している。この
図10では、ドライバーC1に割り当てられている[配送先1]のサービスをドライバーC2の経路上の[配送先7]のサービスの後段に移動させるために、[配送先7]に対応したピン表示E4の上にマウスオーバーさせると、地図情報表示領域B上のピン表示E4が示すサービスに対応した概要表示枠K2がピン表示E4の近傍に表示されて、サービスの概要が示される。その後、ピン表示E4上でマウスをクリックして選択操作が実行されると、案内表示Gとして、調整対象のサービスの移動箇所を表示する欄に、「[(1)配送先1]を[〔1〕配送先7]の後ろに移動させる」というように、選択したサービスが入力される。
【0036】
図11は、ユーザによるピン表示E4に対するクリック操作の結果、移動箇所の選択操作が完了した状態を表している。ドライバーC1に割り当てられた[配送先1]のサービスを、ドライバーC2に割り当てられている[配送先7]のサービスの後に移動させる調整を行う準備ができた状態といえる。この
図11の状態において、案内表示Gの右側に設けられた変更ボタンH上にポインタJを移動させてクリックすると、調整内容について最適経路の演算が実行されて、調整後の最適経路情報が得られる。その後、調整後の最適経路情報の反映された表示画面が生成されるが、これは
図8と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
以上のように、本例による最適経路調整装置によれば、複数のサービスを少なくとも1以上の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得し、表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した最適経路情報に基づいて、車両ごとの経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点をピン表示して地図情報に対して重畳表示し、車両毎に、取得した最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて表示画面上に表示し、調整対象のサービスを選択するための表示ピン又はサービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信し、調整対象のサービスの移動先を指定するための表示ピン又はサービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信し、ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行し、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させるようにしたので、ユーザは、画面上に表示した状態で調整可能なユーザインタフェースによって視覚的に分かり易い状態にて調整操作を実行することが可能となり、また、調整後の経路情報がどのように変化したかについても、表示画面上にて視覚的に確認することが可能となる。
【0038】
上記の実施の形態においては、画面上に表示したユーザインタフェースによって視覚的に分かり易い状態にてサービスの実行順についての調整操作を行うことを可能としているが、調整操作を行う前の最適経路情報を保持しておいて、調整内容反映後であっても所定操作によって調整前の最適経路情報に戻せるようにしてもよい。
【0039】
また、上記の実施の形態においては、サービス情報表示領域に表示させるに表示させる概要情報はどのようなものであってもよいとしていたが、サービス情報表示領域の大きさ(例えば、表示領域の高さ)をユーザ毎に変更可能とし、さらに、サービス情報表示領域に表示させる概要情報の情報内容についてもユーザ毎に設定可能としてもよい。
【0040】
また、上記の実施の形態においては、複数の車両に割り当てられたサービスを調整するものとして説明を行ったが、これに限定されるものではなく、まだ車両に割り当てられていないサービスを何れかの車両の何れかの経路位置に挿入する調整操作についても実行可能としてもよい。
【0041】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 サーバ装置(最適経路調整装置)
11 最適経路情報取得部
12 地図情報表示領域処理部
13 サービス情報表示領域処理部
14 調整対象選択操作受付部
15 移動箇所選択操作受付部
16 最適経路再計算部
17 調整内容反映部
18 記憶部
20、201~20n サービス実行者端末
30 本部端末
40 通信ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する複数の車両の移動の最適経路をユーザ端末のディスプレイに表示させる表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をサーバ装置に実現させるための最適経路調整プログラムであって、
前記サーバ装置に、
複数のサービスを複数の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両毎の経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点を表示ピンによって地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する調整対象選択操作受付機能と、
調整対象のサービスについて実行主体となる車両の変更の場合を含む移動先の指定を行うための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する移動箇所選択操作受付機能と、
ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、
前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させる調整内容反映機能と
を実現させる最適経路調整プログラム。
【請求項2】
前記サーバ装置に、
前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作及び/又は選択準備操作が行われた場合に、対象となったサービスに対応する前記表示画面上の前記表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるサービス概要表示機能
をさらに実現させる請求項1記載の最適経路調整プログラム。
【請求項3】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する複数の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をコンピュータに実現させるための最適経路調整プログラムであって、
前記コンピュータに、
複数のサービスを複数の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両毎の経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点を表示ピンによって地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付機能と、
調整対象の前記サービスについて実行主体となる車両の変更の場合を含む移動先の指定を行うための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付機能と、
ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、
前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映機能と
を実現させる最適経路調整プログラム。
【請求項4】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する複数の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理を実行するための最適経路調整装置であって、
複数のサービスを複数の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得部と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両毎の経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点を表示ピンによって地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理部と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理部と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付部と、
調整対象の前記サービスについて実行主体となる車両の変更の場合を含む移動先の指定を行うための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付部と、
ユーザによる選択操作によって決定された調整内容に従って最適経路決定手段によって最適経路の再計算を実行する最適経路再計算部と、
前記地図情報表示領域処理部及び前記サービス情報表示領域処理部とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映部と
を備える最適経路調整装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する複数の車両の移動の最適経路をユーザ端末のディスプレイに表示させる表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をサーバ装置に実現させるための最適経路調整プログラムであって、
前記サーバ装置に、
複数のサービスを複数の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと最適な実行順序を含む実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両毎の経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点を表示ピンによって地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する調整対象選択操作受付機能と、
調整対象のサービスについて実行主体となる車両の変更の場合を含む移動先の指定を行うための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザ端末におけるユーザによる選択操作を受信する移動箇所選択操作受付機能と、
ユーザによる選択操作によって調整対象の前記サービスを移動させた後の各車両が担当するサービスの組み合わせ及びサービスの実行順序の情報に従って、最適経路決定手段によって各車両が担当するサービスについて調整後の実行順序通りにサービスを実行する場合の最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、
前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面上に表示させる調整内容反映機能と
を実現させる最適経路調整プログラム。
【請求項2】
前記サーバ装置に、
前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作及び/又は選択準備操作が行われた場合に、対象となったサービスに対応する前記表示画面上の前記表示ピンの近傍に当該サービスの概要を示すための概要表示枠を表示させるサービス概要表示機能
をさらに実現させる請求項1記載の最適経路調整プログラム。
【請求項3】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する複数の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理をコンピュータに実現させるための最適経路調整プログラムであって、
前記コンピュータに、
複数のサービスを複数の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと最適な実行順序を含む実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得機能と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両毎の経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点を表示ピンによって地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理機能と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理機能と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付機能と、
調整対象の前記サービスについて実行主体となる車両の変更の場合を含む移動先の指定を行うための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付機能と、
ユーザによる選択操作によって調整対象の前記サービスを移動させた後の各車両が担当するサービスの組み合わせ及びサービスの実行順序の情報に従って、最適経路決定手段によって各車両が担当するサービスについて調整後の実行順序通りにサービスを実行する場合の最適経路の再計算を実行する最適経路再計算機能と、
前記地図情報表示領域処理機能及び前記サービス情報表示領域処理機能とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映機能と
を実現させる最適経路調整プログラム。
【請求項4】
それぞれのサービス実行地点において実行される複数のサービスを連続的に処理する複数の車両の移動の最適経路を表示画面に表示させた状態でユーザからの調整操作を受け付ける処理を実行するための最適経路調整装置であって、
複数のサービスを複数の車両に実行させる際の各車両が担当するサービスの組み合わせと最適な実行順序を含む実行時の最適経路を示す最適経路情報を所定の最適経路決定手段によって演算して取得する最適経路情報取得部と、
前記表示画面上に地図情報表示領域を設けて、取得した前記最適経路情報に基づいて、車両毎の経路情報を他の車両と区別し得る態様にて地図情報に対して重畳表示し、かつ、各サービスの実行地点を表示ピンによって地図情報に対して重畳表示する地図情報表示領域処理部と、
車両毎に、取得した前記最適経路情報に基づいて、サービスの概要を表示するサービス情報表示領域を実行するサービス毎に設け、複数のサービス情報表示領域を実行順に一方向に並べて前記表示画面上に表示するサービス情報表示領域処理部と、
調整対象の前記サービスを選択するための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける調整対象選択操作受付部と、
調整対象の前記サービスについて実行主体となる車両の変更の場合を含む移動先の指定を行うための前記表示ピン又は前記サービス情報表示領域に対するユーザによる選択操作を受け付ける移動箇所選択操作受付部と、
ユーザによる選択操作によって調整対象の前記サービスを移動させた後の各車両が担当するサービスの組み合わせ及びサービスの実行順序の情報に従って、最適経路決定手段によって各車両が担当するサービスについて調整後の実行順序通りにサービスを実行する場合の最適経路の再計算を実行する最適経路再計算部と、
前記地図情報表示領域処理部及び前記サービス情報表示領域処理部とに基づいて、再計算によって得られた最適経路情報の内容を表示画面に表示させる調整内容反映部と
を備える最適経路調整装置。