(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002083
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】座席装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20231228BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20231228BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20231228BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20231228BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G08B21/00 U
B60R11/02 S
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101065
(22)【出願日】2022-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 学
【テーマコード(参考)】
3B087
3D020
5C086
5E555
【Fターム(参考)】
3B087DE10
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC11
3D020BE03
5C086AA60
5C086BA22
5C086FA20
5C086GA06
5E555AA54
5E555AA74
5E555BA23
5E555BB23
5E555DA24
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 報知振動による不快感を抑制できる座席装置を提供する。
【解決手段】 報知振動を出力する振動ユニット(4A~4D)と、振動ユニット(4A~4D)を制御する制御部(5)と、を備えた座席(1)であって、報知振動は、ピーク振幅Vpの減衰正弦波(DSW)を含む。制御部(5)は、1周期分の正弦波出力パターンが記憶された正弦波テーブルと、減衰パターンが記憶された減衰カーブテーブルと、を予め記憶し、正弦波テーブルと減衰カーブテーブルに記憶された各パターンを掛け合わせて減衰正弦波(DSW)を出力させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知振動を出力する振動ユニットと、前記振動ユニットを制御する制御部と、を備えた座席装置であって、
前記報知振動は、ピーク振幅Vpの減衰正弦波を含み、
前記制御部は、
1周期分の正弦波出力パターンが記憶された正弦波テーブルと、減衰パターンが記憶された減衰カーブテーブルと、を予め記憶し、
前記正弦波テーブルと前記減衰カーブテーブルに記憶された各パターンを掛け合わせて前記減衰正弦波を出力する、座席装置。
【請求項2】
前記制御部は、
タイマー割込みにより、前記正弦波テーブル及び前記減衰カーブテーブルを参照して前記振動ユニットに対する出力値を算出し、
前記減衰カーブテーブルの参照位置は、前記減衰正弦波の設定周波数、設定時定数、及び前記タイマー割込みの割込み回数に基づいて算出する、請求項1に記載の座席装置。
【請求項3】
前記報知振動は、前記ピーク振幅Vpの正弦波を少なくとも1周期出力した後に、前記正弦波に連続して出力される前記ピーク振幅Vpの前記減衰正弦波を含む、請求項1又は2に記載の座席装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ボイスコイル型の振動ユニット(4A~4D)を内蔵した座席装置が開示されている。このような座席装置は、車両の警告を振動ユニットの振動によって運転者に報知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の座席装置は、報知振動による不快感を抑制するという点において改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示は、報知振動による不快感を抑制できる座席装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、以下のような解決手段を提供する。
報知振動を出力する振動ユニット(4A~4D)と、前記振動ユニット(4A~4D)を制御する制御部(5)と、を備えた座席装置(1)であって、前記報知振動は、ピーク振幅Vpの減衰正弦波(DSW)を含み、前記制御部(5)は、1周期分の正弦波出力パターンが記憶された正弦波テーブルと、減衰パターンが記憶された減衰カーブテーブルと、を予め記憶し、前記正弦波テーブルと前記減衰カーブテーブルに記憶された各パターンを掛け合わせて前記減衰正弦波を出力する、ことを特徴とする座席装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、報知振動による不快感を抑制できる座席装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】減衰正弦波における周波数と時定数の影響を示す図である。
【
図4】正弦波の出力周期(出力回数)と振動強度の関係を示す図である。
【
図5】本実施例の座席装置の制御構成を示す図である。
【
図6】正弦波テーブルのデータをグラフ化した図である。
【
図7】減衰カーブテーブルのデータをグラフ化した図である。
【
図8】正弦波テーブルと減衰カーブテーブルに基づいて出力される減衰正弦波を示す図である。
【
図9】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。なお、図面では、見やすさのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。
【0010】
[座席装置の構成]
図1は、本実施例の座席装置1を示す斜視図である。なお、
図1には、直交する3軸(X軸、Y軸、及びZ軸)が定義されている。ここでは、X軸は、座席装置1が搭載される車両の前後方向に対応し、Y軸は、車両の左右方向(幅方向)に対応し、Z軸は、車両の上下方向に対応する。
【0011】
座席装置1は、着座部2と、背もたれ部3と、振動ユニット4A~4Dと、制御部5と、を備え、車両の運転席を構成する。
【0012】
着座部2は、運転者の臀部及び大腿部を支持する。背もたれ部3は、着座部2の後端部から上方に後傾状に延在し、運転者の背部及び頭部を支持する。
【0013】
振動ユニット4A~4Dは、例えば、ボイスコイル型の振動発生デバイスを用いて構成され、座席装置1に4つ内蔵される。
【0014】
4つの振動ユニット4A~4Dのうち、振動ユニット4A、4Bは、着座部2に内蔵される。振動ユニット4Aは、着座部2のY方向中央位置に対して一側方にオフセットして配置され、振動ユニット4Bは、着座部2のY方向中央位置に対して他側方にオフセットして配置される。
【0015】
また、4つの振動ユニット4A~4Dのうち、振動ユニット4C、4Dは、背もたれ部3に内蔵される。振動ユニット4Cは、背もたれ部3のY方向中央位置に対して一側方にオフセットして配置され、振動ユニット4Dは、背もたれ部3のY方向中央位置に対して他側方にオフセットして配置される。
【0016】
なお、本実施例では、座席装置1に内蔵される振動ユニット4A~4Dの数を4つとしたが、振動ユニット4A~4Dの数は、3つ以下でもよいし、5つ以上でもよい。
【0017】
制御部5は、振動信号を生成して振動ユニット4A~4Dに出力することで、振動ユニット4A~4Dを振動させ、この振動によって座席装置1に着座したユーザにイベントが発生したことを知らせる。本開示では、この振動を報知振動と定義する。
【0018】
制御部5は、車両の警告が発生したとき、振動ユニット4A~4Dから報知振動を出力させる。例えば、制御部5は、車両ECUから車両左前方の障害物検知信号を受信した場合、振動ユニット4A(着座部左側)から報知振動を出力させて運転者に左前方への注意を促す。また、制御部5は、車両ECUから右走行車線逸脱検知信号を受信した場合、振動ユニット4B(着座部右側)及び振動ユニット4D(背もたれ部右側)から報知振動を出力させて運転者に右方向への注意を促す。
【0019】
本発明者らは、報知振動の波形によっては、イベントが発生したことを認識させ難いことや、煩わしく不快に感じることを認識した。具体的には、報知振動に連続した正弦波信号を用いた場合、振幅が小さいと、ユーザは報知振動がマッサージ器の振動と感じやすくイベントが生じたと感じ難い。また、報知信号に連続した正弦波信号を用いた場合、振幅が大きいと、ユーザはイベントが生じたと感じやすくなるが煩わしく不快に感じる。本発明者らは、車両の警告が発生したことを不快感なく認識させやすくするために、以下に示す報知振動とすることが好ましいことを見出した。
【0020】
[報知振動]
図2は、本実施例の報知振動を説明する図である。
本発明者らは、報知振動が「背後から手のひらで肩をタップされる感触に近い振動(以後、タップ振動と定義する)」であれば、不快感を抑制しつつ、運転者に警告を認識させやすくなることを見出した。また、「タップ振動」は、減衰正弦波DSWによって再現できることがわかった。例えば、背もたれ部3に内蔵される振動ユニット4C、4Dから減衰正弦波DSWを所定の間隔で2回出力すると、運転者に「トントン」と他人から背中をタップされたような感触を与え、不快感なく警告を認識させることが可能となる。
【0021】
しかしながら、減衰正弦波DSWは、振動の振幅が減衰するため、同じピーク振幅Vpの連続する正弦波SWに比べて振動の強度が低い。減衰正弦波DSWによる振動の強度を上げるには、振動ユニット4A~4Dへの印可電圧を高くする必要がある。本発明者らは、減衰正弦波DSWのピーク振幅Vpを上げずに、報知振動の体感強度を上げる方法を見出した。
【0022】
例えば、
図2に示すように、ピーク振幅Vpの正弦波SWを少なくとも1周期T分(
図2では2周期分)出力した後、正弦波SWに連続してピーク振幅Vpの減衰正弦波DSWを出力する。このような報知振動によれば、運転者に対して不快感なく警告を確実に報知することが可能となる。以下、報知振動として使用する減衰正弦波DSWと、減衰正弦波DSWの前に追加される正弦波SWについて、詳細に説明する。
【0023】
[減衰正弦波]
減衰正弦波DSWは、ピーク振幅Vpが初期の最大値から指数関数的な速度でゼロに向かって減衰する正弦波であり、減衰正弦波DSWの振幅vは、以下の数式で表される。ただし、tは経過時間(秒単位)、Vpはピーク振幅、eはネイピア数(自然対数の底)、τは波の時定数(秒単位)でピーク振幅が38.6%まで減衰する時間、fは波の周波数を示す。
【0024】
【0025】
図3は、減衰正弦波DSWにおける周波数fと時定数τの影響を示す図である。
図3は、ピーク振幅Vp≒0.15mm、振動加速度0.3Gの環境下での試験結果であり、周波数fと時定数τを変更することによって、振動の感じ方が変わることがわかった。
【0026】
例えば、周波数fが低くなればなるほど、軽く柔らかな触感でタップされる振動を得ることができた(矢印Y1参照)。
【0027】
また、時定数τを低くすればするほど、タップ振動の余韻が小さくなる傾向があった(矢印Y2参照)。
【0028】
さらに、周波数fが低く、時定数τが大きいほど、タップされたと感じる範囲(面積)が広くなる傾向があった。また、周波数fが高く、時定数τが小さいほど、タップされたと感じる範囲(面積)が狭くなる傾向があった(矢印Y3参照)。
【0029】
そして、「タップ振動」となる減衰正弦波DSWは、以下の条件を満たすことがわかった(
図3のグレーのゾーンZ)。
時定数τ=0.25~0.5ms
周波数f=80~120Hz
【0030】
特に、以下の条件のときが最も再現性が高く心地がよかった。
時定数τ=0.33ms
周波数f=100Hz
【0031】
[正弦波]
図4は、正弦波SWの出力周期(出力回数)と振動強度の関係を示す図である。
図4に示すように、減衰正弦波DSWの前に出力する正弦波SWの周期数Nを多くすると、振幅を変えなくても振動強度(加速度最大値Amax)を大きくすることができる。ただし、正弦波SWの周期数Nを多くすると、振動の触感も変化してしまう。同程度の触感を得られる範囲としては、正弦波SWの周期数Nが9(加速度最大値6.8M/S
2)までであった。正弦波SWの周期数Nが9までは、どんどん叩く強さが強くなっていくので、この範囲で好みの強さに調整できる。しかしながら、正弦波SWの周期数Nが10以上の場合は、正弦波SWに続く減衰正弦波DSWがユーザに「タップ振動」と感じられ難くなる。
【0032】
[制御部の構成]
つぎに、制御部5の構成について、
図5~
図8を参照して説明する。
【0033】
図5は、本実施例の座席装置1の制御構成を示す図である。
この図に示すように、制御部5は、マイコン51、D/Aコンバータ52、パワーアンプ53などを備える。マイコン51は、減衰正弦波DSWの電圧値のデジタルデータを生成してD/Aコンバータ52に送信する。D/Aコンバータ52は、入力されたデジタルデータをアナログ電気信号に変換してパワーアンプ53へ伝送する。パワーアンプ53は、入力されたアナログ電気信号を増幅して振動ユニット4A~4Dに伝送する。これにより、振動ユニット4A~4Dから減衰正弦波DSWの報知振動が出力される。
【0034】
マイコン51は、CPU511、メモリ512、タイマー513などを備える。タイマー513は、所定時間毎のタイマー割込みにより、CPU511による計算処理を起動させる。CPU511は、メモリ512に記憶させた正弦波テーブル(
図6参照)と、減衰カーブテーブル(
図7参照)とを参照し、後述の計算処理を行うことで、減衰正弦波DSWの電圧値のデジタルデータを生成する(
図8参照)。
【0035】
このような構成によれば、COS関数やSIN関数を呼び出して計算処理する場合に比べ、計算処理に要する時間を大幅に短縮できる。また、浮動小数点演算を搭載していない安価なマイコンの採用が可能となり、座席装置1のコスト低減が図れる。
【0036】
図6は、正弦波テーブルのデータをグラフ化した図である。
正弦波テーブルには、1周期分の正弦波出力パターンが記憶され、グラフ化すると
図6のように表せられる。本実施例の正弦波テーブルは、サンプル数が20であり、20個のインデックスに対して波形計算値(正弦波電圧値)が紐付けられる。
【0037】
図7は、減衰カーブテーブルのデータをグラフ化した図である。
減衰カーブテーブルには、減衰パターンが記憶され、グラフ化すると
図7のように表せられる。本実施例の減衰カーブテーブルには、時定数τの5倍分の減衰パターンが記憶されている。出力時間が時定数τ×5まで経過すれば、減衰正弦波DSWの振幅はピーク振幅Vpの0.7%まで減衰するので、減衰正弦波DSWの電圧値データを生成するためのテーブルとしては十分と考えられる。
【0038】
減衰正弦波DSWの周波数fの最大値を100Hz、時定数τの最大値を200msと想定し、減衰カーブテーブルの1周期あたりのサンプル数は20と定義されている。また、減衰カーブテーブルの最大インデックスは、下記の式から2000とし、2000個のインデックスに対して波形計算値(減衰カーブ値)が紐付けられる。
サンプル間隔=1周期の長さ/サンプル数=(1/100)/20
最大インデックス=5τの最大時間/サンプル間隔
=((200/1000)×5)/サンプル間隔
=2000
【0039】
このような減衰カーブテーブルによれば、正弦波テーブルに記憶された波形計算値との掛け合わせにより、
図8に示すような減衰正弦波DSWの出力が可能となる。
【0040】
[制御部の処理手順]
図9は、制御部5の処理手順を示すフローチャートである。
具体的には、マイコン51が減衰正弦波DSWの電圧値を計算する処理の一例を示す図である。なお、減衰正弦波DSWの周波数f、時定数τ、出力時間T1(
図2参照)、及び最大値キープ時間T2(
図2参照)は、設定により変更が可能となっている。例えば、周波数fは、0~100Hzの範囲、時定数τは、0~200msの範囲で設定することができる。
【0041】
マイコン51は、減衰正弦波DSWの設定パラメータ(周波数f、時定数τ、出力時間T1)が与えられたら、まず、出力時間T1から最大サンプル数を計算し、最大値キープ時間T2から最大値キープカウントを計算する(
図9のステップST1)。例えば、最大サンプル数は、下記の式で算出する。
最大サンプル数=出力時間T1×周波数f×正弦波テーブルのサンプル数
【0042】
つぎに、マイコン51は、時定数τ分のサンプル数を計算する。これは、下記の式に示すように、設定された時定数τを正弦波1周期の長さ(設定周波数fの逆数)で割ったものに1周期のサンプル数を掛けることで求める(
図9のステップST2)。
時定数分のサンプル数=時定数τ×周波数f×正弦波テーブルのサンプル数
【0043】
つぎに、マイコン51は、設定された周波数fと1周期のサンプル数より、タイマー割込みを発生させるタイマー設定値を計算し、タイマー513へ設定する(
図9のステップST3)。ここで、サンプリング間隔は、1周期の時間(周波数fの逆数)を1周期のサンプル数で割ったものになるが、タイマー513は、入力クロックのカウントに基づいて時間を計測するため、タイマー設定値は入力クロックの周波数により異なる。以上のステップST1~ST3が事前処理(初期設定)となる。
【0044】
図9のステップST4~ST12は、タイマー割込みが入ったときに実行する処理である。なお、
図9のステップST5とステップST8は、減衰正弦波DSWの前に正弦波SWを出力するための処理であり、詳細は後述する。
【0045】
マイコン51は、タイマー割込み毎にインクリメントされる経過サンプルカウント(割込み回数)が最大サンプル数に到達していない場合には、メモリ512に記憶させた正弦波テーブルの正弦波位相位置に応じた電圧値データを参照する。(
図9のステップST4)。
【0046】
マイコン51は、減衰カーブテーブルの参照位置である減衰カーブインデックスを計算する(
図9のステップST6)。例えば、下記の式を用いて減衰カーブインデックスを計算する。
減衰カーブインデックス=経過サンプルカウント×減衰カーブテーブルの1τ分のサンプル数/時定数分のサンプル数
【0047】
このような減衰カーブインデックスの計算方法によれば、減衰正弦波DSWの周波数f、時定数τ、及び出力時間T1を設定により変更しても、減衰カーブテーブルの適切な位置を参照し、所望の減衰正弦波DSWを出力することが可能になる。
【0048】
マイコン51は、ステップST6で求めた減衰カーブインデックスに基づいて、減衰カーブテーブルから減衰カーブ値を取り出し、正弦波テーブルの電圧値に掛けて出力電圧値を求める(
図9のステップST7)。その後、マイコン51は、計算した出力電圧値をD/Aコンバータ52に送信する(
図9のステップST9)。
【0049】
つぎに、マイコン51は、経過サンプルカウントが最大サンプルカウントに到達しているか否かを判断する(ステップST10)。マイコン51は、ステップST10の判断結果がNOの場合、経過サンプルカウントをインクリメントし、正弦波位相位置も1つずらした後(
図9のステップST11)、ステップST4に戻ってステップST4~ステップST10の処理を繰り返す。
【0050】
一方、マイコン51は、経過サンプルカウントが最大サンプルカウントに到達したと判断した場合(ステップST10でYESの場合)、タイマー513を停止して(
図9のステップST12)、減衰正弦波DSWの出力処理を終了する。
【0051】
なお、同じ減衰正弦波DSWを複数回連続して出力する場合には、タイマー513を停止せずに経過サンプルカウントを0クリアして出力回数分だけステップST4~ST11を繰り返してもよい。
【0052】
なお、減衰正弦波DSWの前に正弦波SWを出力する場合、マイコン51は、正弦波テーブルを参照(
図9のステップST4)した後、経過サンプルカウントが最大値キープカウント以下であるかを判断する(
図9のステップST5)。マイコン51は、ステップST5でYESの場合、正弦波テーブルの電圧値に最大値を掛けて出力電圧値を算出する(
図9のステップST8)。これにより、減衰正弦波DSWの前にピーク振幅Vpの正弦波SWが出力される。
【0053】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 座席装置
2 着座部
3 背もたれ部
4A~4D 振動ユニット
5 制御部
DSW 減衰正弦波
SW 正弦波