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特開2024-20831電子機器、電子楽器、及び電子機器の組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020831
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】電子機器、電子楽器、及び電子機器の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/32 20060101AFI20240207BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
G10H1/32 Z
H05K7/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123310
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻野 真佐輝
(72)【発明者】
【氏名】市村 優太郎
(72)【発明者】
【氏名】花房 紀人
【テーマコード(参考)】
4E353
5D478
【Fターム(参考)】
4E353AA10
4E353AA21
4E353BB02
4E353CC12
4E353CC13
4E353DD08
4E353DR08
4E353DR27
4E353DR49
4E353EE08
4E353GG20
4E353GG21
5D478JJ09
(57)【要約】
【課題】ケースの部品交換を容易として長い製品寿命とすることができる電子機器としての鍵盤楽器を提供する。
【解決手段】電子機器としての鍵盤楽器10は、入力装置としての鍵盤5が設けられる第1レイヤー部材としての上ケース20と、第2レイヤー部材としての下ケース30と、第1レイヤー部材と第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、鍵盤楽器10の内部に、開口孔114~144、左開口孔154L、右開口孔154Rを含む開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材としての複数の中間ケース100と、複数の中間ケース100に夫々設けられる開口孔により形成される空間S1の内部に配置される内部部品を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置が設けられる第1レイヤー部材と、
第2レイヤー部材と、
前記第1レイヤー部材と前記第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、内部に開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材と、
前記複数の中間レイヤー部材に夫々設けられる前記開口孔により形成される空間の内部に配置される内部部品と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記複数の中間レイヤー部材は、前記開口孔の外側に夫々固定孔を有し、
前記固定孔に挿通されることにより、前記開口孔の外側で、前記第1レイヤー部材、前記第2レイヤー部材及び前記複数の中間レイヤー部材を互いに固定する固定部材を有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記固定部材は、前記複数の中間レイヤー部材に挿通されるスペーサ部材、を含む、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上面視における前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材の外形のサイズは、前記複数の中間レイヤー部材よりも小さく、
前記複数の中間レイヤー部材は、上面視において前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材と重ならない位置に、把持するための把持孔を夫々備える、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記複数の中間レイヤー部材は、前記第1レイヤー部材の1つ下側に配置される第1中間レイヤー部材と、前記第1中間レイヤー部材の1つ下側に配置される第2中間レイヤー部材と、を備え、前記第1中間レイヤー部材に設けられる第1把持孔のサイズは、前記第2中間レイヤー部材に設けられる第2把持孔のサイズより大きい、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
上面視における前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材の外形のサイズは、前記複数の中間レイヤー部材よりも小さく、
前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材の外形の輪郭は、前記複数の中間レイヤー部材の外形の輪郭の内部に収まる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
鍵盤が設けられる第1レイヤー部材と、
第2レイヤー部材と、
前記第1レイヤー部材と前記第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、内部に開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材と、
を備える電子楽器。
【請求項8】
第1レイヤー部材、第2レイヤー部材、前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材よりも外形のサイズが大きい複数の中間レイヤー部材を備える電子機器の組み立て方法において、
第2固定孔を有する前記第2レイヤー部材に、固定部材を挿通させる第1工程と、
夫々開口孔を有する複数の中間レイヤー部材における前記開口孔の外側に設けられている中間固定孔に前記固定部材を挿通させることにより、前記第2レイヤー部材の上側に前記複数の中間レイヤー部材を積層配置する第2工程と、
前記複数の中間レイヤー部材の上側に、入力装置を含む第1固定孔を有する前記第1レイヤー部材を配置し、前記第1固定孔の位置で前記第2レイヤー部材、前記複数の中間レイヤー部材及び前記第1レイヤー部材を固定する第3工程と、
を有する電子機器の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子楽器、及び電子機器の組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の部材である上ケースと下ケースを備えた電子機器としての電子楽器が開示されている。例えば、特許文献1に開示される電子楽器としての鍵盤楽器は、上面及び背面を覆う上ケースと、底板を有する下ケースと、一対の側面ケースとを備えている。上ケースと下ケースとの間には、補強部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-27919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の鍵盤楽器は、鍵盤楽器のケースを構成する一部の部材の汚染や破損が生じた場合、例えば上ケースであれば大型の上ケース全体を交換する必要があり、容易に交換することができず、製品寿命が短いものとされていた。
【0005】
本発明は、部品交換を容易として長い製品寿命とすることができる電子機器、電子楽器、及び電子機器の組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、入力装置が設けられる第1レイヤー部材と、第2レイヤー部材と、前記第1レイヤー部材と前記第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、内部に開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材と、前記複数の中間レイヤー部材に夫々設けられる前記開口孔により形成される空間の内部に配置される内部部品と、を備える。
【0007】
本発明に係る電子楽器は、鍵盤が設けられる第1レイヤー部材と、第2レイヤー部材と、前記第1レイヤー部材と前記第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、内部に開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材と、を備える。
【0008】
本発明に係る電子機器の組み立て方法は、第1レイヤー部材、第2レイヤー部材、前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材よりも外形のサイズが大きい複数の中間レイヤー部材を備える電子機器の組み立て方法において、第2固定孔を有する第2レイヤー部材に、固定部材を挿通させる第1工程と、夫々開口孔を有する複数の中間レイヤー部材における前記開口孔の外側に設けられている中間固定孔に前記固定部材を挿通させることにより、前記第2レイヤー部材の上側に前記複数の中間レイヤー部材を積層配置する第2工程と、前記複数の中間レイヤー部材の上側に、入力装置を含む第1固定孔を有する第1レイヤー部材を配置し、前記第1固定孔の位置で前記第2レイヤー部材、前記複数の中間レイヤー部材及び前記第1レイヤー部材を固定する第3工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品交換を容易として長い製品寿命とすることができる電子機器、電子楽器、及び電子機器の組み立て方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)を上方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)を下方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の上ケースを下方から見た斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の下ケースを上方から見た斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の図1のVI-VI断面図である。
図7】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の図1のVII-VII断面図である。
図8】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の図1のVIII-VIII断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る鍵盤楽器(電子楽器)の機能ユニットを省略した状態で後側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1図3に示す鍵盤楽器10(電子機器、電子楽器)は、鍵盤5(入力装置)を備える上ケース20(第1レイヤー部材)と、下ケース30(第2レイヤー部材)と、上ケース20と下ケース30との間に重なって設けられる複数の中間ケース100(中間レイヤー部材)とを含む。上ケース20、下ケース30及び複数の中間ケース100は、レイヤー状に重ねて配置されている。鍵盤5は、複数の白鍵3と複数の黒鍵4とを備え、本実施形態においては、36鍵の鍵盤5とされている。
【0012】
鍵盤楽器10には、上ケース20の後側Bにおける最上部の中間ケース100(第1中間ケース110)の上面に、機能ユニット80が設けられている。後述するが、機能ユニット80は、鍵盤楽器10に対して着脱自在とされている。機能ユニット80は、図1に示すパーカッションの機能を呈するものの他、リズム楽曲の再生等の機能を呈する機能ユニットとすることができる。機能ユニット80は、上ケース20に挿入して接続できるUSB(Universal Serial Bus)端子81を有している。
【0013】
なお、以下の説明においては、鍵盤5の鍵の前後方向FBにおける前を前側F、鍵の前後方向FBの後を後側Bとし、鍵盤5に向かって左を左側L、右を右側Rとする。鍵盤5の鍵の配列方向は、左右方向LRである。また、鍵盤楽器10の上下方向ULにおいて上を上側Up、下を下側Loとする。
【0014】
上ケース20は、外形が前後方向FBよりも左右方向LRに長い略長矩形板状であって、上下方向ULから見て開放側を前側Fに向けた略U字状に設けられている。上ケース20には、略U字状の開放部分が鍵盤配置部21とされ、鍵盤配置部21には鍵盤5が配置されている。上ケース20の上面には、装飾模様として、左前から右後に向かって傾斜する複数の凹溝と複数の凸条が交互に設けられている。上ケース20の鍵盤5の後側Bにおける上面には、複数(7本)の凹溝に、夫々操作ボタン23が設けられている。該凹溝に倣って傾斜して設けられる各操作ボタン23の上面は、操作ボタン23が設けられる凹溝と隣り合う凸条の上面と略同じ高さに設けられている。各凹溝に設けられる操作ボタン23は、電源ボタンや音色選択操作のボタン等の機能が割り当てられている。
【0015】
上ケース20における鍵盤5の左側Lの左袖部22Lは、鍵盤5の右側Rの右袖部22Rよりも左右方向LRの幅が大きく設けられて、スピーカ60(図3参照)からの音を放音するスピーカ孔24が設けられている。上ケース20におけるスピーカ孔24に対応する内面には、スピーカ60がビス(不図示)を用いて取り付けられる。上ケース20の四隅には、固定孔としての貫通孔25(図7も参照)が設けられ、後述する固定部材50のナット部材51が配置されている。
【0016】
図4に示すように、上ケース20には、鍵盤5の下側Loに、鍵盤配置部21の左右方向LRに亘って、開放側を下側Loに向けた断面略U字状の梁26が設けられている。梁26には、断面略U字状の底部から下側Loに向けて、左右方向LRに所定間隔を空けて3つの略円筒状の支柱26a(図6も参照)が設けられている。
【0017】
図6に示すように、梁26の上面には、基板71が設けられている。基板71には、図示しないが、白鍵3のスイッチ押下部3a及び黒鍵4のスイッチ押下部4aにそれぞれ対応して、発音用の複数のスイッチが設けられている。スイッチ押下部3a,4aにより、対応する発音用のスイッチが押されることで、所定の音が発音される。
【0018】
また、上ケース20の鍵盤配置部21の後側Bの下面には基板72が設けられている。基板72には、図示しないが、前述の操作ボタン23に対応してスイッチ類が配置されている。また、図4に示すように、上ケース20の背面には、機能ユニット80のUSB端子81が挿入されるUSB端子挿入孔73が設けられ、機能ユニット80のUSB端子81が基板72に設けられるUSB接続端子に接続される(図8図9も参照)。
【0019】
図2に示すように、下ケース30は、外形が前後方向FBよりも左右方向LRに長い略長矩形板状に設けられている。下ケース30の下面には、上ケース20の上面と同様に、傾斜する複数の凹溝及び複数の凸条が交互に設けられている。この傾斜する複数の凹溝及び複数の凸条は、図2のように鍵盤楽器10を裏返してみれば、上ケース20の傾斜する複数の凹溝及び凸条と同じ方向に傾斜して見ることができる。
【0020】
下ケース30の中央部には、下ケース30の下面から左右方向LRに長い長矩形に窪む凹部31が設けられている。凹部31は、図5に示す下ケース30の内面では突出している。内面側で突出するように設けられる凹部31には、帯状のバンド32が挿通して設けられている。外面の凹部31では、バンド32は外表面に露出している。バンド32は、可撓性を有する樹脂材料等からなる。
【0021】
バンド32には、両端に左右方向LRに長い長孔32aが設けられている。一方、下ケース30の内面には、凹部31を挟んで対向する2本のピン30aが立設して設けられている。バンド32の長孔32aは、ピン30aと係合する。バンド32は、下ケース30に重ねられる中間ケース100(第5中間ケース150)における、左開口孔154Lと右開口孔154Rの間の非開口領域155により、脱落しないよう押えられている。バンド32により、ユーザは図2に示す下ケース30の凹部31においてバンド32が露出する部分を撓ませて手を挿入して、鍵盤楽器10を保持することができる。
【0022】
図2に示すように、下ケース30の四隅には、固定孔としての貫通孔35が設けられている。貫通孔35には、固定部材50のねじ部材52が挿通される。また、図3及び図5に示すように、下ケース30の内面には、バンド32の左側Lに主回路基板74が設けられている。また、下ケース30の内面におけるバンド32の右側Rには、鍵盤楽器10の電源である乾電池を収納する電池ボックス33が設けられている。鍵盤楽器10は、電池ボックス33から主回路基板74に電源が供給され、動作する。
【0023】
図1図2に示すように、鍵盤楽器10は、重なって設けられる5枚の中間ケース100を含む。図3に示すように、複数の中間ケース100は、上側Upから順に、第1中間ケース110、第2中間ケース120、第3中間ケース130、第4中間ケース140、第5中間ケース150を含む。上ケース20は第1中間ケース110の上側Upに配置され、下ケース30は第5中間ケース150の下側Loに配置される。各中間ケース100は、左右方向LRに長い略長矩形の板状とされている。各中間ケース100の外形は、全て同じ寸法で設けられている。
【0024】
各中間ケース100は、木質部材により作成されている。具体的には、第1中間ケース110、第5中間ケース150は中密度繊維板(MDF: Medium Density Fiberboard)を用いて作成し、第2中間ケース120、第3中間ケース130、第4中間ケース140はコルク材を用いて作成している。また、MDFからなる第1中間ケース110と第5中間ケース150は同じ厚さで設けられ、コルク材からなる第2中間ケース120、第3中間ケース130、第4中間ケース140は同じ厚さで設けられている。第1中間ケース110、第5中間ケース150は、第2中間ケース120、第3中間ケース130、第4中間ケース140よりも厚い板厚とされている。
【0025】
また、各中間ケース100の後側Bにおける略中央部であって、上面視において上ケース20及び下ケース30と重ならない位置には、左右方向LRに長い長矩形状に貫通する、把持するための把持孔111,121,131,141,151が設けられている。各中間ケース100には、把持孔111~151の左側L及び右側Rに、複数の貫通する同径の丸孔とされる小孔112,122,132,142,152が設けられている。複数の小孔112~152は、各中間ケース100における左側L及び右側Rに2行8列の所定の等ピッチで配列して設けられている。
【0026】
また、各中間ケース100には、把持孔111~151及び複数の小孔112~152の前側Fに、4つの貫通する同径の丸孔とされる固定孔113,123,133,143,153が設けられている。第1中間ケース110~第4中間ケース140においては、把持孔111~141及び複数の小孔112~142の前側Fに、左右方向LRに長い長矩形の大きな開口孔114,124,134,144が設けられており、固定孔113~143は、開口孔114~144に対して外側の四隅に配置されている。第5中間ケース150においては、把持孔151及び複数の小孔152の前側Fの左側Lに開口孔としての左開口孔154Lが設けられ、右側Rには開口孔としての右開口孔154Rが設けられる。固定孔153は、左開口孔154Lの外側の左側Lに2つ配置され、右開口孔154Rの外側の右側Rに2つ配置されている。
【0027】
なお、第1中間ケース110~第4中間ケース140は、表裏の区別なく組立することができる。
【0028】
第1中間ケース110~第4中間ケース140の開口孔114~144は、鍵盤5及びスピーカ60の配置に対応して、同一寸法で設けられている。また、左開口孔154Lは、下ケース30に設けられる主回路基板74が露出するよう対応した大きさで設けられ、右開口孔154Rは、電池ボックス33が挿通されるよう対応した大きさで設けられている。
【0029】
鍵盤楽器10は、中間ケース100に開口孔114~144を設けることで、各中間ケース100が軽量化されている。すなわち、1枚の板で中間ケース100を構成した場合には、内部構造を構成するために複雑に凹部や孔部を切削して設けることとなると、部材の加工に手間が掛かるのみならず、厚みの厚い部品となるが、大きな開口孔114~144を有して複数の中間ケース100を積層させることで、軽量で薄い中間ケース100とすることができる。
【0030】
また、上ケース20と下ケース30は、その外形寸法が略同一とされている。具体的には、図1及び図2に示すように、上ケース20の前後方向FBの寸法L20は、下ケース30の前後方向FBの寸法L30と同じである。更に又、上ケース20の左右方向LRの寸法W20は、下ケース30の左右方向LRの寸法W30と同じである。なお、上ケース20は、白鍵3の前側Fの突端が、左右方向LRから見て、左袖部22L(右袖部22R)の前側Fの突端と略同一の位置又は若干後側Bに位置している(図7参照)。
【0031】
一方で、各中間ケース100(第1中間ケース110~第5中間ケース150)は、前述の通り、その外形が全て同じ板状(外形寸法が同一)に設けられている。そして、上ケース20及び下ケース30の左右方向LRの寸法W20,W30は、各中間ケース100の左右方向LRの寸法W100よりも若干小さいが、上ケース20及び下ケース30の前後方向FBの寸法L20,L30は、各中間ケース100の前後方向FBの寸法L100よりも十分に小さい。従って、上ケース20及び下ケース30は、その外形が、各中間ケース100よりも小さいサイズで設けられている。すなわち、上ケース20及び下ケース30の外形の輪郭は、複数の中間ケース100の外形の輪郭の内部に収まっている。
【0032】
鍵盤楽器10が組み立てられた状態においては、上ケース20及び下ケース30は、各中間ケース100の前側Fの端部に近い位置に配置される。一方、鍵盤楽器10が組み立てられた状態(すなわち、各中間ケース100が重なっている状態)においては、各中間ケース100の把持孔111~151及び各小孔112~115は連通し、左右方向LRに長い長矩形状の貫通孔状の把持部101(把持領域)、丸孔とされる貫通する小孔102(貫通孔、図8参照)を構成する。そして、把持部101、小孔102が設けられる第1中間ケース110、第5中間ケース150の後側Bは、鍵盤楽器10の外表面に露出して、機能ユニット80及び固定具83が配置される係合領域A1とされている。
【0033】
そして、鍵盤楽器10が組み立てられた状態においては、複数の中間ケース100に夫々設けられる開口孔113~144及び左開口孔154L、右開口孔154Rにより形成される空間S1(図6図8参照)の内部には、内部部品(主回路基板74、電池ボックス33、これらを電気的に接続する配線等)が配置される。
【0034】
ここで、図6に示すように、把持部101は、前後方向FBの断面が、中心から外側(上側Up及び下側Lo)に向かって漸次拡開するよう設けられている。すなわち、各中間ケース100の把持孔111~151は、同心に配置されるが、上下方向ULにおいて中央に配置される第3中間ケース130の把持孔131の前後方向FBの寸法は、上下方向ULで隣り合う第2中間ケース120及び第4中間ケース140の把持孔121,141の前後方向FBの寸法よりも小さく設けられている。そして、第2中間ケース120の把持孔121は、第2中間ケース120と上側Upで隣り合う第1中間ケース110の把持孔111よりも小さく設けられている。同様に、第4中間ケース140の把持孔141は、第5中間ケース150の把持孔151よりも小さく設けられている。
【0035】
上ケース20(第1レイヤー部材)、第1中間ケース110(第1中間レイヤー部材)、第2中間ケース120(第2中間レイヤー部材)に着目すれば、複数の中間ケース100(中間レイヤー部材)は、上ケース20の1つ下側に配置される第1中間ケース110と、第1中間ケース110の1つ下側に配置される第2中間ケース120と、を備え、第1中間ケース110に設けられる把持孔111(第1把持孔)のサイズは、第2中間ケース120に設けられる把持孔121(第2把持孔)のサイズより大きい。
【0036】
なお、第2中間ケース120の把持孔121と第4中間ケース140の把持孔141の前後方向FBの寸法は同寸法に設けられ、第1中間ケース110の把持孔111と第5中間ケース151の把持孔151の前後方向FBの寸法は同寸法に設けられる。
【0037】
よって、把持部101は、中心(第3中間ケース130)から外側(上側Up、下側Lo)に向かって拡開するように階段状に設けられるので、特に把持部101の後側Bにおいては、把持部101に手(親指以外の4本の指)を挿入して把持したときに、拡開する階段状の把持部101が指の関節の曲がりにフィットして、把持し易いものとされている。そして、把持部101で鍵盤楽器10を把持したときに手に負荷が掛かる第3中間ケース130及び第2中間ケース120、第4中間ケース140は、コルク材から作成されているので、手当たりが良い。
【0038】
従って、把持部101は、少なくとも貫通孔状の把持部101の後側Bの部分が階段状に設けられていればよいが、前側Fも階段状に設けることで、把持部101に手を挿入する際に、硬いMDFからなる第1中間ケース110や第5中間ケース150に直接手が当たってしまうことが低減される。
【0039】
また、本実施形態においては、図示しないが、把持部101は、左右方向LRの断面においても中心(第3中間ケース130の把持孔131)から外側に向かって拡開するように階段状とされている。これにより、把持部101の全周において、中心から外側に向かって拡開するように階段状に設けられるので、見た目のバランスが良い把持部101とされている。ここで、第1中間ケース110の把持孔111と第5中間ケース150の把持孔151は同じ大きさであり、第2中間ケース120の把持孔121と第4中間ケース140の把持孔141は同じ大きさで設けられている。
【0040】
また、図2に示すように、小孔102には、機能ユニット(機能拡張装置)80を固定するための固定具83が挿入される。固定具83は、4本のピン(貫通軸80a、図8図9参照)が正方形に配置され、4つの小孔102を介して機能ユニット80に挿入され、機能ユニット80が固定される。
【0041】
具体的には、図8及び図9を参照して、機能ユニット80には、2行2列の4つの小孔102に対応する4つの窪み80aが設けられている。一方、固定具83には、2行2列の4つの小孔102に対応する4本の貫通軸83aが設けられている。4本の貫通軸83aは、2行2列の4つの小孔102に夫々挿通される。そして、各貫通軸83aの先端は、窪み80aに設けられるワッシャー部材80Wと嵌合する。
【0042】
固定具83の貫通軸83aの先端には、磁石83Mが埋め込まれており、機能ユニット80の内部に設けられる磁性体80Mと引かれ合い、複数の中間ケース100を挟み込む形で機能ユニット80と固定具83が係合領域A1に固定される。
【0043】
このようにして、複数の小孔102が係合領域A1に設けられることにより、係合領域A1の任意の位置に、1つ以上の機能ユニット80を配置し、固定することができる。また、機能ユニット80の固定は、固定具83の貫通軸83aを小孔102に挿通するだけで行うことができ、簡単である。
【0044】
鍵盤楽器10の固定は、上ケース20、下ケース30及び複数の中間ケース100に共通して設けられ、これらを互いに固定する4つの固定部材50によって行われる。中間ケース100は、固定部材50により上ケース20、下ケース30に対して固定される。図7に示すように、固定部材50は、ナット部材51と、ねじ部材52と、スペーサ部材53とを含む。ナット部材51は、大径の頭部51aと、頭部51aから円筒状に突出し、先端内周面に雌ねじ部が設けられるナット軸51bとを有する。頭部51aにおけるナット軸51bと反対側には、凹状の六角孔51cが設けられている。
【0045】
ねじ部材52は、大径の頭部52aと、先端に雄ねじ部が設けられる軸52bとを有する。軸52bと反対側の頭部52aには、ゴム等の軟質材料からなり、設置面と当接する設置部材52cが設けられている。また、スペーサ部材53は、円筒状に設けられている。
【0046】
各中間ケース100が重ねられると、4つの固定孔113~153が同心に配置されて固定孔103が構成される。この固定孔103に、スペーサ部材53が挿入される。ここで、スペーサ部材53の外径は、固定孔103の孔径よりも僅かに大きく設定されているので、スペーサ部材53の挿入により、各中間ケース100は、水平方向(中間ケース100の板面に平行な方向)に固定される。
【0047】
そして、上ケース20の固定孔としての貫通孔25及び下ケース30の固定孔としての貫通孔35は、スペーサ部材53(すなわち固定孔103)と同心となるよう配置される。ここで、貫通孔25,35には、それぞれザグリ部25a,35aが設けられている。そして、貫通孔25にナット部材51のナット軸51bを挿入して頭部51aをザグリ部25aに配置する。ねじ部材52も同様に、軸52bを貫通孔35に挿入して頭部52aをザグリ部35aに配置する。すると、ナット軸51b及び軸52bがスペーサ部材53に挿通される。そして、ナット軸51bの雌ねじ部と軸52bの雄ねじ部を螺合して、ナット部材51の六角孔51cに六角レンチを挿入して締め込むと、上ケース20と下ケース30とにより、スペーサ部材53を挟持すると共に、上ケース20と下ケース30とにより、重ねられた中間ケース100を上下方向ULから押えて、固定することができる。
【0048】
より詳細には、上ケース20は、鍵盤配置部21に対応する前側Fの下面の段部27、及び、鍵盤配置部21を除く外周に設けられる下面縁28が第1中間ケース110の上面に当接する(図4及び図6参照)。なお、段部27における下面縁27aは、第1中間ケース110の開口孔114を介して第2中間ケース120の上面(開口孔124の前側Fの上面)に当接する。
【0049】
一方、下ケース30の外周の上面縁38は、第5中間ケース150の下面と当接している。このようにして、複数の中間ケース100は、上ケース20の下面縁28、段部27及び下ケース30の上面縁38により挟持され固定されている。
【0050】
なお、本実施形態においては、ねじ部材52の軸52bとナット部材51のナット軸51bがスペーサ部材53に挿通されるが、ナット部材51を六角ナット等とすれば、スペーサ部材53は、少なくともねじ部材52の軸52bが挿通可能な筒状であればよい。
【0051】
本実施形態においては、上ケース20と下ケース30は、硬質樹脂材料等からなるスペーサ部材53により上下方向ULの間隔が位置決めされる。一方、各中間ケース100は、木質部材から構成されるため、温度や湿度によって寸法変化が生じやすい。スペーサ部材53よりも、各中間ケース100の方が、環境変化による寸法変化が大きい。従って、上ケース20と下ケース30の上下方向ULの間隔(すなわち、スペーサ部材53の長さ)を、各中間ケース100の寸法変化を考慮して設定しておけば、環境変化により各中間ケース100が膨張・収縮しても、割れが生じたり、大きな隙間が生じたりしてしまうことを低減することができる。
【0052】
また、上ケース20と下ケース30とで各中間ケース100を挟み込んだ状態において、上ケース20の梁26の支柱26aの突端は、図6に示すように、第5中間ケース150の上面に当接している。これにより、鍵盤5の押下(スイッチ押下部3a,4a)により梁26に下側Loの力が掛かっても、梁26を支柱26aにより支持することができる。
【0053】
鍵盤楽器10の組み立て方法を以下に示す。
第1工程;下ケース30(第2レイヤー部材)の貫通孔35(第2固定孔)に固定部材50のねじ部材52を挿通させて、ねじ部材52の軸52bにスペーサ部材53を取り付けて、机上等に載置する。
【0054】
第2工程;下ケース30の1つ上側に配置される第5中間ケース150から順に、各中間ケース100の固定孔103(固定孔113~153、中間固定孔)にスペーサ部材53を挿通させることにより、下ケース30の上側に複数の中間ケース100を積層配置する。
【0055】
第3工程;第1中間ケース110の上側に、上ケース20を配置し、貫通孔25(第1固定孔)に固定部材50のナット部材51を配置して、ねじ部材52と螺合して、すなわち、貫通孔25の位置で下ケース30、複数の中間ケース100及び上ケース20を固定する。
【0056】
ここで、上ケース20には、予め鍵盤5やスピーカ60をセットしておくことができる。なお、第3工程において、上ケース20を第1中間ケース110の上側に配置する前に、上ケース20の基板71,72と主回路基板74、電池ボックス33の配線を行うことができる。このようにして、鍵盤楽器10は容易に組み立てることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態によると、電子機器としての鍵盤楽器10は、入力装置としての鍵盤5が設けられる第1レイヤー部材としての上ケース20と、第2レイヤー部材としての下ケース30と、上ケース20と下ケース30との間に重なって設けられ、鍵盤楽器10の内部に、開口孔114~144、左開口孔154L、右開口孔154Rを含む開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材としての複数の中間ケース100と、複数の中間ケース100に夫々設けられる開口孔により形成される空間S1の内部に配置される内部部品を備える。
【0058】
これにより、複数の中間ケース100のうち何れかが汚れたり破損したりしても、汚れたり破損した中間ケース100を取り換えることができるので、長期間に亘って使用できる電子機器としての鍵盤楽器10を提供することができる。なお、本実施形態においては、電子機器(電子楽器)として鍵盤楽器10を例示し、入力装置として鍵盤5としたが、他の電子機器(電子楽器)とすることもでき、また、他の電子機器(電子楽器)に用いられる入力装置(キーボードやタッチパネル等)としてもよい。また、内部部品は、本実施形態においては主回路基板74、電池ボックス33、これらを電気的に接続する配線等であるが、その他に、電子機器における基板、電源等を含む。
【0059】
また、複数の中間ケース100は、開口孔114等の外側に夫々固定孔103(固定孔113~153)を有し、固定孔103に挿通されることにより、開口孔114等の外側で、上ケース20、下ケース30及び複数の中間ケース100を互いに固定する固定部材50を有する。これにより、分解・組立が容易な鍵盤楽器10とすることができる。
【0060】
また、固定部材50は、複数の中間ケース100に挿通されるスペーサ部材53を含む。これにより、中間ケース100を木質部材としても、上ケース20と下ケース30とで挟み込みすぎることが無く、かつ、中間ケース100の水平方向の位置決めも容易な鍵盤楽器10とすることができる。
【0061】
また、上面視における上ケース20及び下ケース30の外形のサイズは、複数の中間ケース100よりも小さく、複数の中間ケース100は、上面視において上ケース20及び下ケース30と重ならない位置に、把持するための把持孔111~151をそれぞれ備える。これにより、持ち運びに便利な鍵盤楽器10とすることができる。
【0062】
また、複数の中間ケース100は、上ケース20の1つ下側に配置される第1中間レイヤー部材としての第1中間ケース110と、第1中間ケースの1つ下側に配置される第2中間レイヤー部材としての第2中間ケース120と、を備え、第1中間ケースに設けられる第1把持孔としての把持孔111のサイズは、第2中間ケース120に設けられる第2把持孔としての把持孔121のサイズより大きい。これにより、把持部101は、外側に向かって広がるように階段状とすることができ、把持する手に馴染む形状とすることができる。
【0063】
また、上面視における上ケース20及び下ケース30の外形のサイズは、複数の中間ケース100よりも小さく、上ケース20及び下ケース30の外形の輪郭は、複数の中間ケース100の外形の輪郭の内部に収まる。これにより、樹脂製の第1、第2レイヤー部材とされる上ケース20及び下ケース30の外周は、中間レイヤー部材とされる中間ケース100の外周より小さく、すなわち、上ケース20及び下ケース30の外周が中間ケース100の外周からはみ出さないように設けることができるので、例えば子供による持ち運び時に振り回して鍵盤楽器10の外周が壁等に衝突しても中間ケース100が衝突し易く、上ケース20、下ケース30が衝突し難い。よって、上ケース20、下ケース30の破損リスクが低減されている。中間ケース100が破損しても、中間ケース100は交換容易なため、長期に亘って鍵盤楽器10を使用することができる。
【0064】
また、電子楽器としての鍵盤楽器10は、鍵盤5が設けられる第1レイヤー部材としての上ケース20と、第2レイヤー部材としての下ケース30と、上ケース20と下ケース30との間に重なって設けられ、内部に開口孔114等を夫々有する複数の中間レイヤー部材としての中間ケース100と、を備える。これにより、中間ケース100を交換することで長期間に亘って使用できる電子楽器としての鍵盤楽器10を提供することができる。
【0065】
また、第1レイヤー部材としての上ケース20、第2レイヤー部材としての下ケース30、上ケース20及び下ケース30よりも外形のサイズが大きい複数の中間レイヤー部材としての中間ケース100を備える電子機器としての鍵盤楽器10の組み立て方法において、第2固定孔としての貫通孔35を有する下ケース30に、固定部材50を挿通させる第1工程と、夫々開口孔114等を有する複数の中間ケース100における開口孔114等の外側に設けられている中間固定孔である固定孔113~153(固定孔103)に固定部材50を挿通させることにより、下ケース30の上側に複数の中間ケース100を積層配置する第2工程と、複数の中間ケース100の上側に、入力装置を含む第1固定孔としての貫通孔25を有する上ケース20を配置し、貫通孔25の位置で下ケース30、複数の中間ケース100及び上ケース20を固定する第3工程と、を有する。これにより、中間ケース100を交換することで長期間に亘って使用できる電子機器としての鍵盤楽器10の組み立て方法を提供することができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0067】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]入力装置が設けられる第1レイヤー部材と、
第2レイヤー部材と、
前記第1レイヤー部材と前記第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、内部に開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材と、
前記複数の中間レイヤー部材に夫々設けられる前記開口孔により形成される空間の内部に配置される内部部品と、
を備える電子機器。
[2]前記複数の中間レイヤー部材は、前記開口孔の外側に夫々固定孔を有し、
前記固定孔に挿通されることにより、前記開口孔の外側で、前記第1レイヤー部材、前記第2レイヤー部材及び前記複数の中間レイヤー部材を互いに固定する固定部材を有する、
前記[1]に記載の電子機器。
[3]前記固定部材は、前記複数の中間レイヤー部材に挿通されるスペーサ部材、を含む、
前記[2]に記載の電子機器。
[4]上面視における前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材の外形のサイズは、前記複数の中間レイヤー部材よりも小さく、
前記複数の中間レイヤー部材は、上面視において前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材と重ならない位置に、把持するための把持孔を夫々備える、
前記[1]に記載の電子機器。
[5]前記複数の中間レイヤー部材は、前記第1レイヤー部材の1つ下側に配置される第1中間レイヤー部材と、前記第1中間レイヤー部材の1つ下側に配置される第2中間レイヤー部材と、を備え、前記第1中間レイヤー部材に設けられる第1把持孔のサイズは、前記第2中間レイヤー部材に設けられる第2把持孔のサイズより大きい、
前記[4]に記載の電子機器。
[6]上面視における前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材の外形のサイズは、前記複数の中間レイヤー部材よりも小さく、
前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材の外形の輪郭は、前記複数の中間レイヤー部材の外形の輪郭の内部に収まる、
前記[1]に記載の電子機器。
[7]鍵盤が設けられる第1レイヤー部材と、
第2レイヤー部材と、
前記第1レイヤー部材と前記第2レイヤー部材との間に重なって設けられ、内部に開口孔を夫々有する複数の中間レイヤー部材と、
を備える電子楽器。
[8]第1レイヤー部材、第2レイヤー部材、前記第1レイヤー部材及び前記第2レイヤー部材よりも外形のサイズが大きい複数の中間レイヤー部材を備える電子機器の組み立て方法において、
第2固定孔を有する前記第2レイヤー部材に、固定部材を挿通させる第1工程と、
夫々開口孔を有する複数の中間レイヤー部材における前記開口孔の外側に設けられている中間固定孔に前記固定部材を挿通させることにより、前記第2レイヤー部材の上側に前記複数の中間レイヤー部材を積層配置する第2工程と、
前記複数の中間レイヤー部材の上側に、入力装置を含む第1固定孔を有する前記第1レイヤー部材を配置し、前記第1固定孔の位置で前記第2レイヤー部材、前記複数の中間レイヤー部材及び前記第1レイヤー部材を固定する第3工程と、
を有する電子機器の組み立て方法。
【符号の説明】
【0068】
3 白鍵 3a スイッチ押下部
4 黒鍵 4a スイッチ押下部
5 鍵盤 10 鍵盤楽器
20 上ケース 21 鍵盤配置部
22L 左袖部 22R 右袖部
23 操作ボタン 24 スピーカ孔
25 貫通孔 25a ザグリ部
26 梁 26a 支柱
30 下ケース 30a ピン
31 凹部 32 バンド
32a 長孔 33 電池ボックス
35 貫通孔 35a ザグリ部
50 固定部材 51 ナット部材
51a 頭部 51b ナット軸
51c 六角孔 52 ねじ部材
52a 頭部 52b 軸
52c 設置部材 53 スペーサ部材
60 スピーカ 71 基板
72 基板 73 USB端子挿入孔
74 主回路基板 80 機能ユニット
80a 窪み 80M 磁性体
80W ワッシャー部材
81 USB端子 83 固定具
83a 貫通軸 83M 磁石
100 中間ケース 101 把持部
102 小孔 103 固定孔
110 第1中間ケース 120 第2中間ケース
130 第3中間ケース 140 第4中間ケース
150 第5中間ケース
111,121,131,141,151 把持孔
112,122,132,142,152 小孔
113,123,133,143,153 固定孔
114,124,134,144 開口孔
154L 左開口孔 154R 右開口孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9