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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024020841
(43)【公開日】2024-02-15
(54)【発明の名称】導電性組成物
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/22 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
H01B1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123333
(22)【出願日】2022-08-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】田上 安宣
(72)【発明者】
【氏名】合田 碧
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真紀
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和宏
【テーマコード(参考)】
5G301
【Fターム(参考)】
5G301DA03
5G301DA05
5G301DA06
5G301DA10
5G301DA18
5G301DA23
5G301DA26
5G301DA55
5G301DA57
5G301DD01
5G301DD02
5G301DD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基材に塗布した際の表面乾燥性が少なく、低温領域での粘度の温度依存性が低く、さらに、硬化物が高導電性である導電性組成物を提供する。
【解決手段】導電性組成物(A)は、下記一般式(1)で示されるジグリシジルエーテル、(B)フェノール樹脂、(C)導電性粒子、を含有し、固形分基準で成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、成分(A)の含有率が0.2~38質量%、成分(B)の含有率が0.05~32質量%、成分(C)の含有率が60~99質量%である。

一般式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し、2~90の実数である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で示されるジグリシジルエーテル、
(B)フェノール樹脂、
(C)導電性粒子、を含有し、
固形分基準で成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、成分(A)の含有率が0.2~38質量%、成分(B)の含有率が0.05~32質量%、成分(C)の含有率が60~99質量%である、導電性組成物。
【化1】
(一般式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し、2~90の実数である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性組成物に関し、特に、ポリトリメチレングリコール構造を有するジグリシジルエーテルとフェノール樹脂をバインダーとする導電性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
古くから、エポキシ樹脂とフェノール樹脂を組み合わせた熱硬化性樹脂組成物がバインダーとして様々な用途で用いられている。エポキシ樹脂とフェノール樹脂を組み合わせた熱硬化性樹脂組成物は電気的且つ機械特性に優れる、また、基材への密着性に優れるといった特徴がある。なかでも銅系の導電性組成物用のバインダーとしてよく用いられており、他の樹脂系に比べて酸化防止性が高いことから高導電性が発現できるといった特徴がある。
【0003】
銅粒子のバインダーとして上述のエポキシ樹脂とフェノール樹脂を組み合わせた熱硬化性樹脂組成物を使用する場合、導電性に優れるペースト(導電性組成物)が得られる一方で、例えば当該ペーストを基材に塗布した際に、大気中での表面乾燥が著しく激しいという特異的な現象が生じる。この表面乾燥は銅ペーストを加熱硬化させる際、表面に乾燥した膜が形成されることで銅ペーストの内部に残存する溶剤の揮発を著しく阻害し、硬化膜中や銅ペースト或いは硬化膜と基材の界面にボイドを形成し、密着力や導電性の低下につながるという問題がある。
【0004】
特許文献1には、特定のモノカルボン酸と特定のビピリジン誘導体をそれぞれ所定範囲の含有率になるように組み合わせて用いることで、前述のペーストの表面乾燥を抑制し大気中での可使時間を伸ばす方法について開示されている。
【0005】
また近年、デバイスの軽量化やウェアラブル(wearable)化などの影響からポリエチレンテレフタレート(PET)などの耐熱性の低いプラスチック基材が筐体として増えてきており、導電性組成物に対して低温(例えばプラスチック基材のガラス転移温度よりも低い温度)で硬化させたいというニーズが増えてきており、導電性組成物の低温硬化の改良が進んできている。その一方、低温硬化タイプの導電性組成物は、ポットライフが短く常温で徐々に硬化が進むため、使用直前まで冷凍庫などの低温保管庫で保管する必要がある。しかし、低温保管庫から出した導電性組成物は冷えた状態では粘度が高く、スクリーン印刷などで塗布を行う際に、つまりやカスレの原因となりデバイス作製時の歩留りの悪化につながるといった問題がある。
【0006】
特許文献2には、粘度調整剤としてポリエチレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとジアリルアミンとの反応物を顔料ペーストに添加することで低温での温度依存性が改善されることが開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1、2には、例えば基材に塗布した際に表面乾燥性が少なく、さらに低温領域での粘度の温度依存性が低く、さらに、硬化物が高導電性である導電性ペースト(導電性組成物)というものは記載されておらず、そのような特性を有する導電性組成物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2021-57185号公報
【特許文献2】特開平11-199854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した背景から、本発明の目的は、例えば基材に塗布した際の表面乾燥性が少なく、さらに低温領域での粘度の温度依存性が低く、さらに、硬化物が高導電性である導電性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上述した課題を鑑み、種々検討した結果、導電性粒子を含む導電性組成物において、特定のポリトリメチレングリコール構造を有するジグリシジルエーテルとフェノール樹脂をバインダーとして組み合わせて用いることで、上記課題を解決することができることを見出した。
【0011】
すなわち本発明は以下の導電性組成物に関するものである。
【0012】
(A)下記一般式(1)で示されるジグリシジルエーテル、
(B)フェノール樹脂、
(C)導電性粒子、を含有し、
固形分基準で成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、成分(A)の含有率が0.2~38質量%、成分(B)の含有率が0.05~32質量%、成分(C)の含有率が60~99質量%である、導電性組成物。
【0013】
【化1】
【0014】
(一般式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し、2~90の実数である。)
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、例えば基材に塗布した際に表面乾燥性が少なく、さらに低温領域での粘度の温度依存性が低く、さらに、硬化物が高導電性である導電性組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
本発明の実施形態に係る導電性組成物は、(A)下記一般式(1)で示されるジグリシジルエーテル(以下、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルと称する場合がある。)、(B)フェノール樹脂、(C)導電性粒子、を含有する。そして、固形分基準で成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、成分(A)の含有率が0.2~38質量%、成分(B)の含有率が0.05~32質量%、成分(C)の含有率が60~99質量%である。
【0018】
【化2】
【0019】
(一般式(1)中、mはオキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し、2~90の実数である。)
【0020】
以下、導電性組成物に含まれる各成分について説明する。
【0021】
[ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(成分(A))]
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは、前述の一般式(1)で示されるジグリシジルエーテルを用いる。
【0022】
一般式(1)中、mは、オキシトリメチレン基の平均付加モル数を表し、2~90の実数である。導電性組成物の硬化物の導電性の観点からは、mは5~50の実数が好ましく、5~40の実数がさらに好ましく、5~25の実数がより特に好ましく、5~10の実数が最も好ましい。
【0023】
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ当量は、低温硬化時における導電性組成物の硬化物の導電性の観点から、200~1500g/eq.が好ましく、200~1200g/eq.がより好ましい
【0024】
ここでエポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含む化合物の質量を示しており、JIS K7236に準拠した方法で測定し、算出することが可能である。
【0025】
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの粘度は、ハンドリング性の観点から、25℃において1~100000mPa・sが好ましく、25~10000mPa・sがより好ましく、50~1000mPa・sがさらに好ましい。粘度は、JIS Z 8803に準拠して測定することができる。また、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの重量平均分子量は、粘度への影響の観点から、50~6000が好ましい。重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒とするGPCにより、ポリエチレングリコール換算で測定することができる。
【0026】
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは一般式(1)で示される特定のmの値のものを単独で用いても良く、また、mの値の異なる2種類以上を併用しても良い。
【0027】
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの含有量は、導電性の確保と表面乾燥性の抑制と粘度の温度依存性の抑制の観点から、成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、固形分基準で、0.2~38質量%であり、好ましくは0.2~20質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは1~5質量%である。
【0028】
[ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルの製造方法]
前述のポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは、例えば所定のポリトリメチレングリコールへのエピクロロヒドリンの付加閉環反応によって得ることができる。
【0029】
具体的には、所定の平均付加モル数のポリトリメチレングリコールとエピクロロヒドリンを、硫酸、三フッ化ホウ素エチルエーテル、四塩化錫などの酸性触媒、または第四級アンモニウム塩類、第四級ボスホニウム塩類、クラウンエーテル類などの相関移動触媒の存在下で反応させることでクロルヒドリンエーテルの中間体を形成させたのち、次いで、このクロルヒドリンエーテル体を水酸化ナトリウム等の脱ハロゲン化水素剤と反応させて閉環する二段階法と呼ばれる方法などで、一般式(1)で示されるポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルを得ることができる。所定の平均付加モル数のポリトリメチレングリコールは、定法に従って調製することができるが、市販品を用いることもできる。
【0030】
ポリトリメチレングリコールは、重量平均分子量が2000程度までは加温することで液体であることから、無溶剤で行うこともできるが、溶剤を使用することで粘度を下げることができるため、撹拌機の性能にあわせて行うことも可能である。しかし、溶剤が入っている場合、最終生成物中に溶剤が若干残る可能性があるため無溶剤で実施することが好ましい。
【0031】
溶剤は、反応を阻害しないものでない限りは、特に制限されない。使用可能な溶剤としては、例えば、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒やノルマルヘキサンやシクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒;ジクロロメタンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;水などを挙げることができる。
【0032】
反応温度や反応時間は適宜決定すればよい。例えば、反応温度は高めれば反応を促進することができるが、高すぎると付加反応等によるゲル化が生じるおそれがある。そのため、具体的な反応温度としては20℃以上、120℃以下程度とすることができる。溶媒を用いる場合は、還流操作を行ってもよく、ディーンスターク装置を用いても良い。
【0033】
反応時間に関しては、反応が終了するまで行えばよく、具体的には1時間以上40時間程度とすることができる。反応の進行は、薄層クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーなどで追跡することができる。
【0034】
反応終了後には触媒残渣、塩類、不純物等が含まれているため、通常の後処理をすればよい。具体的には、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルと混和しない水や、トルエンなどの溶剤を加えたうえで、溶剤側へ不純物の抽出除去を行い精製した後、溶媒の留去を行えばよい。その他にもカラムクロマトグラフィーなどの一般的な精製法での除去も可能である。
【0035】
得られたポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテルは、例えば、エポキシ当量と重量平均分子量により特定が可能である。
【0036】
[フェノール樹脂(成分(B))]
フェノール樹脂は、フェノール性水酸基を含有する化合物を酸又はアルカリ触媒下でホルムアルデヒドなどのアルデヒド類と反応させて得られる樹脂であればよい。分子量は、特に限定はないが、重量平均分子量で2000~20000であるのが好ましい。重量平均分子量がこの範囲であれば、硬化後の膜強度が十分に得られ、また硬化速度も適度な範囲であり、ハンドリング性も良好である。また、硬化速度と粘度のバランスの観点からは、フェノール樹脂の重量平均分子量は、3000~15000が好ましく、より好ましくは3500~12000である。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリエチレン換算で求めることができる。
【0037】
フェノール性水酸基化合物にはフェノール、ピラゾール、ハイドロキノンなど様々あるが、フェノール構造のものが架橋性の観点から好ましい。アルデヒド類は、ホルムアルデヒドが好ましい。フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
【0038】
フェノール樹脂は、導電性の観点から、成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、固形分基準で、0.05~32質量%であり、好ましくは0.05~20質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは、1~5質量%である。
[導電性粒子(成分(C))]
【0039】
導電性粒子は、導電性を有する粒子であればよく、例えば、金、銀、銅、カーボン、ニッケルなどの導電性を有する粒子を用いることができる。この中でも銅粒子は、銅のみからなっていてもよいが、銀や白金などの銅以外の金属、金属酸化物、金属硫化物を更に含有していてもよい。銅粒子が銅以外の金属、金属酸化物、金属硫化物を更に含有する場合、銅粒子中の銅の質量比率は50質量%以上とすることが好ましい。また、銅粒子は表面層や突起物が形成された形状であってもよい。
【0040】
導電性粒子は市販のものをそのまま用いても良いが、耐酸化性の向上などを目的に、表面を被覆した表面被覆導電性粒子を用いることが好ましい。中でも、アミン化合物により表面を被覆した表面被覆導電性粒子を用いることが好ましく、下記式(2)で表されるアミン化合物により表面が被覆された表面被覆導電性粒子を用いることがより好ましい。
【0041】
【化3】
【0042】
(式(2)中、mは0~3の整数、nは0~2の整数であり、n=0のとき、mは0~3の何れかであり、n=1又はn=2のとき、mは1~3の何れかである。)
【0043】
上記式(2)で表されるアミン化合物などのアミン化合物で表面を被覆した表面被覆導電性粒子は、より良好な耐酸化性を得る観点から、脂肪族モノカルボン酸でさらに被覆された表面被覆導電性粒子とすることが好ましい。
【0044】
これにより導電性粒子表面は、アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆される。好ましくは、第1被覆層は導電性粒子表面に形成され、第2被覆層は第1被覆層上に形成される。
【0045】
第2被覆層を形成する脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数8~24の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。該脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸、直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐飽和脂肪族モノカルボン酸、分岐不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
【0046】
炭素数8~24の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸などが挙げられる。炭素数8~24の直鎖不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸などが挙げられる。炭素数8~24の分岐飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、2-エチルヘキサン酸などが挙げられる。
【0047】
上記脂肪族モノカルボン酸として、上記化合物から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
【0048】
表面被覆導電性粒子を製造する方法は特に限定されない。アミン化合物で表面を被覆した表面被覆導電性粒子を得る方法としては、例えば、導電性粒子を例えば塩化アンモニウム水溶液などにより洗浄した後、該洗浄後の導電性粒子をアミン化合物の溶液中に添加し、必要に応じて加熱する方法、導電性粒子を例えば塩化アンモニウムとアミン化合物を含む溶液に添加し、必要に応じて加熱する方法などが挙げられる。
【0049】
アミン化合物により形成された第1被覆層と、脂肪族モノカルボン酸により形成された第2被覆層とで被覆された表面被覆導電性粒子の製造方法としては、例えば、アミン化合物で表面を被覆した表面被覆導電性粒子を、脂肪族モノカルボン酸の溶液に添加する方法が挙げられる。なお、脂肪族モノカルボン酸の溶液に添加した後に、必要に応じて、加熱してもよい。
【0050】
導電性粒子の平均粒径(D50)については、特に限定されないが、成分(C)としての導電性粒子を含有する導電性組成物をインクジェット印刷やスクリーン印刷などの各種印刷方法において良好に印刷可能とするためには、導電性粒子の平均粒径(D50)を制御することが好ましい。具体的には、導電性粒子の平均粒径(D50)は、5nm~20μmであることが好ましく、10nm~10μmであることがより好ましい。なお、導電性粒子の平均粒径(D50)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクロトラックMT3000II)により測定することができる。
【0051】
導電性粒子のBET比表面積は0.05~400m/gであることが好ましく、0.1~200m/gであることがより好ましい。導電性粒子のBET比表面積は、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス株式会社製、モノソーブ)を用いてBET1点法により測定することができる。
【0052】
導電性粒子の形状やアスペクト比(粒子の長径と短径との比)に特に制限はなく、球状、多面体状、扁平状、板状、フレーク状、薄片状、棒状、樹枝状、ファイバー状等の各種形状のものを用いることができる。導電性粒子は、構成成分、平均粒径、形状、アスペクト比等の異なるもの中から選ばれる一種を単独で使用し、または二種以上を併用することもできる。
【0053】
成分(C)の含有量は、導電性の観点から、固形分基準で、成分(A)~(C)の合計100質量%に対して、60~99質量%であり、好ましくは80~96質量%であり、より好ましくは85~95質量%である。
【0054】
導電性組成物には、前述の成分(A)~(C)以外に、後述する硬化促進剤(成分(D))、溶剤(成分(E))、その他の成分を含むことができる。
【0055】
[硬化促進剤(成分(D))]
導電性組成物は、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤は、公知のエポキシ樹脂をフェノール系硬化剤により硬化させるための公知の硬化促進剤を用いることができ、例えば3級アミン化合物、4級アンモニウム塩、イミダゾール類、尿素化合物、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩などを挙げることができる。具体的には、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)又はその塩(より具体的にはフェノール塩、オクチル酸塩(2-エチルヘキサン酸塩)、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩など)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)又はその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩(2-エチルヘキサン酸塩)、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩など)、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラ(p-トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物、オクチル酸亜鉛やオクチル酸スズなどの有機金属塩、金属キレートなどが挙げられる。硬化促進剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0056】
硬化促進剤を用いる場合、その含有量は、成分(A)と成分(B)の合計100質量部(固形分基準)に対して、0.05~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。硬化促進剤の含有量が上記範囲であれば、硬化促進効果が十分であり、硬化物の経時的な色相変化が起こらない。
【0057】
[溶剤(成分(E))]
導電性組成物は、揮発性成分として、溶剤を含有してもよい。溶剤としては、例えば、本技術分野において通常用いられる有機溶剤を用いることができる。例えば、グリコールエーテル類、非エーテル系アルコール類、エステル類、ケトン類、テルペン類、その他炭化水素類等が挙げられる。グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。非エーテル系アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノールが挙げられる。エステル類としては、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、シュウ酸ジエチル、およびマロン酸ジエチル等が挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノン等が挙げられる。テルペン類としては、テレピン油、テレピネオール、ボルネオール、およびα-ピネンなどが挙げられる。また、溶剤はハンドリング性の観点から、希釈剤として樹脂に含有させて使用しても良い。溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いることができる。
【0058】
溶剤の含有量は(A)成分と(B)成分の合計100質量部(固形分基準)に対して、0~250質量部が好ましく、より好ましくは20~100質量部である。尚、前述の(A)~(D)成分及び後述する任意成分であるその他の成分に溶剤が含まれる場合は、これを考慮する。
【0059】
[その他の成分]
導電性組成物は、必要に応じて各種公知の分散剤、酸化防止剤、界面活性剤、充填剤、難燃剤、カップリング剤、消泡剤、滑剤などのその他添加剤を、導電性の確保可能な範囲で配合してもよい。
【0060】
導電性組成物は、加熱することで硬化して導電性をもつ硬化物を形成する樹脂組成物である。導電性組成物は、液状であり、ダイコーター、インクジェットプリンタ、スクリーン印刷機、グラビアオフセット印刷機、パッド印刷機など各種塗工機を用いて容易にパターニングすることができる。この場合の導電性組成物の25℃における粘度は、例えば500mPa・s以上300Pa・s以下が好ましい。25℃で液状且つ均一であることが好ましい。導電性組成物は、低温領域での粘度の温度依存性が低く、特に冷蔵庫や冷凍庫などの保冷庫から取り出した後、常温に戻る中低温において、従来の導電性組成物よりも流動性を有しているが、常温と同様の流動性をもつことが好ましい。
【0061】
また、導電性組成物は、例えば基材に塗布した際に、大気中での表面乾燥性が従来のものより少なくなっているが、乾燥の影響を受けないことが好ましい。導電性組成物の表面の乾燥が早い場合、熱硬化時に表面に乾燥した被覆膜が直ちに形成され、導電性組成物の内部に残存する溶剤の外部への揮発を阻害し、内部にボイドが多数残留することになる。このボイドの発生は硬化膜の欠陥原因や導電性低下につながる。
【0062】
導電性組成物は、導電性微粒子及びバインダーを所定の含有率で含むため、その硬化物は従来より高導電性であるが、その硬化物の導電性がより高いことが望ましく、一般的な電子デバイスを駆動させる観点から、例えば、その体積抵抗率は100μΩ・cm以下が望ましい。また、硬化物の耐マイグレーションに優れることが好ましい。
【実施例0063】
以下、実施例と比較例により本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】
〔ジグリシジルエーテルのエポキシ当量の測定〕
後述する実施例1~3、比較例1~5で得られたジグリシジルエーテル3gをジメチルホルムアミド(DMF)で希釈溶解させた後、0.2N塩酸DMF溶液を加え1時間放置した。その後、ブロモフェノールブルー指示薬を加えた後に、0.2N水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、オキシラン酸素量からエポキシ当量を算出した。
【0065】
〔ジグリシジルエーテルの粘度の測定〕
後述する実施例1~3、比較例1~5で得られたジグリシジルエーテルについて、コーン・プレート型のE型粘度計(東機産業株式会社製)を用いて25℃で5分後の粘度の値を読み取った。
【0066】
〔ジグリシジルエーテルの平均付加モル数の測定〕
後述する実施例1~3、比較例1~4で得られたジグリシジルエーテルについて、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒とする、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー、島津製作所製)により測定を行い、ポリエチレングリコール換算で重量平均分子量を求め、平均付加モル数を算出した。
【0067】
〔実施例1〕
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-1)成分)の合成>
滴下漏斗、撹拌翼、温度計を付した5Lの5つ口フラスコに、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500g、エピクロロヒドリン[ダイソー社製、エピクロロヒドリン]1650g、テトラメチルアンモニウムクロリド65%水溶液13.5gを仕込み、60℃まで昇温した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液560gを3時間かけて滴下した。その後、55℃で5時間加熱攪拌をおこなった。その後、常温まで冷却した後、水750gをフラスコに滴下し、10分間攪拌した後、5Lの分液漏斗に移送し30分間静置した。分層が確認できた後、下層の水層を排出させた。次に、水を300g添加し混和させた後30分間静置した。分層が確認できた後、上層の水層を分取した。同様の操作を追加で3回繰り返した。その後、フラスコに戻した後、水を減圧留去(80℃×50torr(6.7kPa)×6h)し、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)を収率72%で得た。エポキシ当量は360g/eq.で、重量平均分子量は650で、25℃での粘度は137mPa・sであった。また、一般式(1)中の平均付加モル数mは、9であった。
【0068】
<表面被覆銅粒子(B-1)の製造>
水1000gに対し塩化アンモニウム50gを溶解した塩化アンモニウム水溶液を調製した。銅粒子a[三井金属鉱業(株)製「1200Y」;粒径(D50)2μm、BET比表面積0.40m/g、形状:球状]300gを、塩化アンモニウム水溶液に添加し、窒素バブリング下、30℃で60分間攪拌した。撹拌は、メカニカルスターラーを使用し、回転数150rpmで実施した。以下、撹拌は同様の撹拌装置を使用して同じ回転数で行った。撹拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別し、つづいて、桐山ロート上で1500gの水により銅粒子の洗浄を2回行った。洗浄した銅粒子を、40質量%のジエチレントリアミン水溶液2500gに添加し、窒素バブリンクをしながら60℃下で1時間加熱撹拌を行った。撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約2000gを抜き取って除去した。つづいて、沈殿物に洗浄用溶剤としてイソプロパノール2000gを添加し、30℃で3分間撹拌を行った。撹拌を止めて5分間静置した後、上澄み液約2000gを抜き取って除去し、その後、2質量%のラウリン酸イソプロパノール溶液2500gを添加した後、30℃で30分間攪拌した。
【0069】
撹拌終了後、5C濾紙の桐山ロートを用いて減圧濾過にて銅粒子を濾別した。得られた銅粒子を25℃で3時間減圧乾燥することにより、表面被覆銅粒子(B-1)を得た。
【0070】
<導電性組成物の調製>
得られたポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)を3.3質量部(固形分基準)、フェノール樹脂(群栄化学株式会社製、PSF-2803、ノボラック型フェノール樹脂、重量平均分子量:12000)を3.3質量部(固形分基準)、表面処理銅粉(B-1)を87.8質量部、硬化促進剤として有機酸塩系塩基触媒である4級アンモニウム塩(サンアプロ株式会社製、U-CAT SA102、DBUの2-エチルヘキサン酸塩)を0.2質量部(固形分基準)、分散剤としてNAA(登録商標)-122(日油株式会社製、ラウリン酸)、酸化防止剤としてN,N’-ビス(2-ヒドロキシベンジリデン)エチレンジアミン(Salen)、溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)を3.3質量部、配合した後、容器攪拌型プラネタリーミキサーを用いて2000rpmで1分間攪拌した後、3本ロールミルで混錬することで、導電性組成物を得た。
【0071】
[実施例2]
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-2)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gを、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-1000〔分子量1000〕]750gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率69%でポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-2)を得た。エポキシ当量は620g/eq.で、重量平均分子量1100で、25℃での粘度は260mPa・sであった。また、一般式(1)中の平均付加モル数mは、17であった。
【0072】
<導電性組成物の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-2)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を得た。
【0073】
[実施例3]
<ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル((A-3)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gを、ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-2000〔分子量2000〕]375gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率71%でポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-3)を得た。エポキシ当量は1160g/eq.で、重量平均分子量は2100で、25℃での粘度は415mPa・sであった。また、一般式(1)中の平均付加モル数mは、34であった。
【0074】
<導電性組成物の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-3)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を得た。
【0075】
[比較例1]
<導電性組成物の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(A’-1)[日油株式会社製、エピオール(登録商標) E-1000]を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を得た。尚、(A’-1)のエポキシ当量は580g/eq.で、重量平均分子量は1300で、25℃での粘度は58mPa・sであり、オキシエチレン単位の平均付加モル数は23であった。
【0076】
〔比較例2〕
<ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル((A’-2)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gをポリプロピレングリコール[日油株式会社製、ユニオール(登録商標)D-1000〔分子量1000〕]750gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率65%でポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(A’-2)を得た。(A’-2)のエポキシ当量は600g/eq.で、重量平均分子量は1100で、25℃での粘度は190mPa・sであった。また、(A’-2)中のプロピレングリコールに基づく構成単位の平均付加モル数は17であった。
【0077】
<導電性組成物の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(A’-2)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を得た。
【0078】
〔比較例3〕
<ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル((A’-3)成分)の合成>
ポリトリメチレングリコール[ALLESSA社製、Velvetol H-500〔分子量500〕]1500gをポリテトラメチレングリコール[三菱化学製、PTMG1000〔分子量1000〕]750gに変えた以外は、(A-1)成分の場合と同様に合成し、収率66%でポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル(A’-3)を得た。(A’-3)のエポキシ当量は610g/eq.で、重量平均分子量は1100で、25℃での粘度は390mPa・sであった。また、(A’-3)中のオキシテトラメチレン単位の平均付加モル数は14であった。
【0079】
<導電性組成物の調製の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル(A’-3)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物の調製物を得た。
【0080】
〔比較例4〕
<導電性組成物の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)に替えて、ジグリシジルエーテル(A’-4)[三菱ケミカル株式会社製、jER(登録商標)828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、粘度:13Pa・s(25℃)、重量平均分子量:370]を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物を得た。
【0081】
〔比較例5〕
<導電性組成物の調製の調製>
ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1)とノボラック型フェノール樹脂(群栄化学株式会社製、PSF-2803)に替えて自己縮合型フェノール樹脂(群栄化学株式会社製、PL-5203、レゾール型フェノール樹脂)を用いた以外は実施例1と同様にして、導電性組成物の調製物を得た。
【0082】
[評価]
[常温と低温時の粘度比]
E型粘度計で実施例1~3及び比較例1~5で得られた導電性組成物の粘度を25℃(常温)と15℃(低温)で回転速度5rpmで測定した。得られた15℃の粘度(η(15℃))を25℃の粘度(η(25℃))で割ったものを粘度比とし以下の基準で評価した。
◎:η(15℃)/η(25℃)<1.1
○:1.1≦η(15℃)/η(25℃)<1.8
×:1.8≦η(15℃)/η(25℃)
【0083】
[表面乾燥性]
実施例1~3及び比較例1~5で得られた導電性組成物を、スライドガラス上に幅1cm長さ3cm厚さ50μmで塗布した後、6h後に150℃、15minで硬化させた。その後、ガラス面を裏側から観察し、ボイドの有無を目視により確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:ボイド無し
×:ボイド有り
【0084】
[導電性]
配合物をスライドガラス上に幅1cm長さ3cm厚さ50μmで塗布した後、150℃15minで硬化させた後、4探針法で体積抵抗率を測定した。評価基準は下記のとおりである。
○:<100μΩ・cm
×:≧100μΩ・cm
【0085】
実施例1~3及び比較例1~5の配合及び評価結果を表1に示す。表1中、評価の欄の括弧内の数値は測定値を示す。
【0086】
【表1】
【0087】
上記結果から、ポリトリメチレングリコールジグリシジルエーテル(A-1~A-3)とフェノール樹脂と導電性粒子(B-1)を所定の含有率で含む導電性組成物は、ガラス基材に塗布した際の表面乾燥性が少なく、さらに低温領域での粘度の温度依存性が低く、さらに、硬化物が高導電性であり、配線材料や接合材料として好適である。